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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】無人輸送機の制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20220307BHJP
   B64C 39/02 20060101ALN20220307BHJP
   G08G 1/13 20060101ALN20220307BHJP
   G08G 5/00 20060101ALN20220307BHJP
【FI】
B65G61/00 540
B65G61/00 546
B64C39/02
G08G1/13
G08G5/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018002088
(22)【出願日】2018-01-10
(65)【公開番号】P2019119586
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】藤原 学
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/216854(WO,A1)
【文献】特開2003-160231(JP,A)
【文献】特許第5431639(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
B64C 39/02
G08G 1/13
G08G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送元から配送先まで荷物を配送する無人輸送機の制御装置であって、
障害情報を取得する障害情報取得部と、
前記配送元から前記配送先までの配送経路上で障害が発生した場合、前記荷物の受取人に、配送方法の複数の選択肢の中からいずれか1つを選択するよう要求する選択要求部と、
前記無人輸送機の現在位置と、地図情報と、に基づいて、前記選択肢に対応する配送先候補を選択する配送先候補選択部と、
前記配送方法の選択結果に基づいて、新たな配送先を決定する配送先決定部と、
を備え
前記配送方法の選択肢は、輸送経路の変更を含み、
前記配送先候補選択部は、前記輸送経路の変更に対応する配送先候補として、変更後の前記輸送経路における配送拠点を選択する、
御装置。
【請求項2】
前記選択要求部は、前記複数の選択肢の中からいずれか1つを選択可能な配送方法選択画面を、前記受取人の端末に表示させる
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記配送方法の選択肢は、配送方法の維持、又は前記配送先の変更含む
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記配送先候補選択部は、前記配送方法の維持に対応する配送先候補として、前記無人輸送機の待機場所を選択する
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記配送先候補選択部は、前記配送先の変更に対応する配送先候補として、前記荷物の受け取り場所を選択する
請求項3又は請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記配送先候補選択部は、前記現在位置から所定範囲内に位置し、かつ、前記無人輸送機が前記障害に妨げられずに移動できる場所を前記配送先候補として選択する
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記障害情報は、気象情報、災害情報、規制情報、及び移動可能距離情報の少なくとも1つを含む
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
配送元から配送先まで荷物を配送する無人輸送機の制御方法であって、
障害情報を取得する障害情報取得ステップと、
前記配送元から前記配送先までの配送経路上で障害が発生した場合、前記荷物の受取人に、配送方法の複数の選択肢の中からいずれか1つを選択するよう要求する選択要求ステップと、
前記無人輸送機の現在位置と、地図情報と、に基づいて、前記選択肢に対応する配送先候補を選択する配送先候補選択ステップと、
前記配送方法の選択結果に基づいて、新たな配送先を決定する配送先決定ステップと、
を備え
前記配送方法の選択肢は、輸送経路の変更を含み、
前記配送先候補選択ステップは、前記輸送経路の変更に対応する配送先候補として、変更後の前記輸送経路における配送拠点を選択する、
御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人輸送機の制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローンなどの無人輸送機による荷物の配送方法が研究されている。ドローンは、悪天候下での飛行が困難であるため、悪天候の地域を避けて配送先までドローンを飛行させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-126101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配送元又は配送先が悪天候である場合や、配送経路上の広い範囲が悪天候である場合、悪天候の地域を避けてドローンを飛行させることは困難である。従来、このような場合には、天候が回復するまで配送時間を遅らせるしかなかったため、配送時間が遅延するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、無人輸送機による配送時間の遅延を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る制御装置は、配送元から配送先まで荷物を配送する無人輸送機の制御装置であって、障害情報を取得する障害情報取得部と、前記配送元から前記配送先までの配送経路上で障害が発生した場合、前記荷物の受取人に、配送方法の複数の選択肢の中からいずれか1つを選択するよう要求する選択要求部と、前記無人輸送機の現在位置と、地図情報と、に基づいて、前記選択肢に対応する配送先候補を選択する配送先候補選択部と、前記配送方法の選択結果に基づいて、新たな配送先を決定する配送先決定部と、を備え、前記配送方法の選択肢は、輸送経路の変更を含み、前記配送先候補選択部は、前記輸送経路の変更に対応する配送先候補として、変更後の前記輸送経路における配送拠点を選択する。

【発明の効果】
【0007】
本発明の各実施形態によれば、無人輸送機による配送時間の遅延を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】制御方法の概要を模式的に示す図
図2】制御装置のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】制御装置の機能構成の一例を示す図。
図4】ドローンの制御方法の一例を示すフローチャート。
図5】配送方法選択画面の一例を示す図。
図6】受け取り場所選択画面の一例を示す図。
図7】配送日時指定画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
【0010】
一実施形態に係る無人輸送機の制御装置1及び制御方法について、図2図7を参照して説明する。本実施形態に係る制御装置1は、配送元から配送先まで荷物を配送する無人輸送機を制御するコンピュータであり、無人輸送機に搭載される。以下では、無人輸送機がドローンである場合を例に説明するが、無人輸送機は自動運転車であってもよい。
【0011】
まず、本実施形態に係る制御方法の概要を説明する。図1は、制御方法の概要を模式的に示す図である。図1に示すように、制御装置1は、荷物を保持したドローンを配送元から配送先まで、配送経路に従って飛行させる。制御装置1は、配送経路上で降雨などの障害が発生し、配送先までドローンを飛行させることができなくなった場合、受取人の端末と無線で通信し、配送方法の維持、配送先の変更、及び輸送経路の変更などの選択肢の中から、配送方法を選択するよう受取人に要求する。そして、制御装置1は、受取人が選択した配送方法に応じて新たな配送先を決定し、当該新たな配送先までドローンを飛行させる。これにより、制御装置1は、障害がなくなるまでドローンを待機させるだけでなく、ドローンに商店などの受け取り場所まで荷物を配送させたり、ドローンに陸送拠点まで荷物を配送させ、ドローンによる空輸を車両による陸送に変更したりすることができる。
【0012】
次に、制御装置1のハードウェア構成について説明する。図2は、制御装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2の制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、無線モジュール105と、GPS(Global Positioning System)受信機106と、バス107と、を備える。
【0013】
CPU101は、プログラムを実行することにより、制御装置1の各構成を制御し、制御装置1の機能を実現する。
【0014】
ROM102は、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。
【0015】
RAM103は、CPU101に作業領域を提供する。
【0016】
HDD104は、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。
【0017】
無線モジュール105は、外部装置と無線で通信する。外部装置は、例えば、ドローンの管理センタに設置された管理サーバであるが、これに限られない。また、無線モジュール105が利用する無線通信規格は、例えば、WiFi(登録商標)であるが、これに限られない。
【0018】
GPS受信機106は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信し、位置情報を出力する。
【0019】
バス107は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、無線モジュール105、及びGPS受信機106を相互に接続する。
【0020】
次に、制御装置1の機能構成について説明する。図3は、制御装置1の機能構成の一例を示す図である。図3の制御装置1は、位置特定部11と、地図情報記憶部12と、移動制御部13と、配送経路決定部14と、配送情報記憶部15と、障害情報取得部16と、選択要求部17と、配送先候補選択部18と、配送先決定部19と、を備える。位置特定部11は、GPS受信機106により実現される。移動制御部13、配送経路決定部14、障害情報取得部16、選択要求部17、配送先候補選択部18、及び配送先決定部19は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。地図情報記憶部12及び配送情報記憶部15は、ROM102、RAM103、及びHDD104などの記憶媒体により実現される。
【0021】
位置特定部11は、制御装置1が搭載されたドローンの現在位置を特定する。
【0022】
地図情報記憶部12は、地図情報を記憶する。
【0023】
移動制御部13は、回転翼を駆動するモータやエンジンを制御することにより、ドローンの飛行(移動)を制御する。荷物の配送時において、移動制御部13は、ドローンの現在位置と、配送経路と、に基づいて、ドローンが配送経路上を配送先に向かって飛行するように制御する。
【0024】
配送経路決定部14は、現在位置又は配送元の位置情報と、配送先の位置情報と、地図情報と、に基づいて、現在位置又は配送元から配送先までの配送経路を決定する。配送経路の決定方法は任意である。配送経路決定部14は、例えば、配送先までの直線経路を配送経路として決定してもよいし、配送先までに存在する障害物を避けた最短経路を配送経路として決定してもよい。
【0025】
配送情報記憶部15は、荷物毎に、その荷物の配送に関する情報(以下「配送情報」という。)を記憶する。配送情報は、制御装置1に記憶媒体を介して入力されてもよいし、外部装置から無線で入力されてもよい。配送情報は、荷物の識別情報(荷物ID)と、当該荷物の配送元及び配送先の位置情報と、配送元から配送先までの配送経路と、配送予定日時と、出発予定日時と、を含む。配送情報には、荷物の受取人の名前、住所、連絡先、及び荷物の名称などが含まれてもよい。また、配送情報記憶部15は、荷物毎に、配送先候補に関する情報(以下「配送先候補情報」という。)を記憶する。配送先候補情報については後述する。
【0026】
障害情報取得部16は、障害に関する情報(以下「障害情報」という。)を取得する。ここでいう障害とは、ドローンの飛行(移動)の妨げとなる事象のことである。障害には、悪天候(雨や風など)、災害(台風など)、規制(飛行禁止区域など)、及びバッテリ切れが含まれる。このため、障害情報には、気象情報、災害情報、規制情報、及び飛行(移動)可能距離情報の少なくとも1つが含まれる。障害情報取得部16は、気象情報、災害情報、及び規制情報などを外部装置から無線で受信することができる。
【0027】
また、障害情報取得部16は、バッテリ残量及び配送経路に基づいて、飛行可能距離情報を生成することができる。飛行可能距離情報は、ドローンが飛行可能な距離を示す情報である。ドローンの飛行可能距離は、風量や風向に応じて変化するため、障害情報取得部16は、気象情報を考慮して飛行可能距離情報を生成してもよい。後述する選択要求部17は、ドローンの飛行可能距離と、現在地から配送先までの配送経路の距離と、を比較することにより、ドローンが配送先まで飛行可能か否か、すなわち、バッテリ切れが発生するか否か確認できる。障害情報取得部16は、障害情報を取得すると、選択要求部17に渡す。
【0028】
選択要求部17は、障害情報と、配送経路と、に基づいて、配送経路上で障害が発生したか確認する。選択要求部17は、配送経路上で障害が発生した場合、荷物の受取人に、配送方法の複数の選択肢の中からいずれか1つを選択するように要求する。具体的には、選択要求部17は、受取人の端末に、配送方法選択画面を表示させるための選択要求を無線で送信する。受取人の端末は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、又はPC(Personal Computer)であるが、これに限られない。
【0029】
配送方法選択画面は、配送方法の複数の選択肢の中からいずれか1つを選択するように要求する画面である。配送方法選択画面には、配送方法の複数の選択肢と、いずれか1つの選択肢の選択を要求するメッセージと、が表示される。配送方法の選択肢には、「配送方法の維持」、「配送先の変更」、及び「輸送経路の変更」の少なくとも1つが含まれる。「配送方法の維持」は、ドローンによる配送に相当する。「配送先の変更」は、元の配送先から新たな配送先への変更に相当する。「輸送経路の変更」は、ドローンによる空輸から自動運転車を含む車両による陸送への変更に相当する。無人輸送機が自動運転車である場合、「配送方法の維持」は、自動運転車による配送に相当し、「輸送経路の変更」は、自動運転車による陸送からドローンによる空輸への変更に相当する。なお、配送方法の選択肢は、上記の例に限られない。
【0030】
選択要求部17は、配送方法選択画面を生成し、選択要求として配送方法選択画面の画面データを送信してもよいし、選択要求として配送方法選択画面へのリンク情報を送信してもよい。
【0031】
配送先候補選択部18は、配送経路上で障害が発生した場合、ドローンの現在位置と、地図情報と、に基づいて、配送方法の各選択肢に対応する配送先候補を選択する。配送先候補は、ドローンの現在位置から所定範囲内に位置し、かつ、ドローンが障害に妨げられずに飛行(移動)できる場所である。
【0032】
具体的には、配送先候補選択部18は、「配送先の維持」に対応する配送先候補として、障害がなくなるまでドローンが待機する待機場所を1つ選択する。待機場所は、配送元であってもよいし、配送事業者の集配所であってもよい。自動輸送機が自動運転車である場合には、待機場所は、配送元であってもよいし、配送事業者の集配所であってもよいし、駐車場であってもよい。無人輸送機の現在位置の周変に待機場所が複数ある場合には、配送先候補選択部18は、現在位置から最も近い待機場所を選択すればよい。
【0033】
また、配送先候補選択部18は、「配送先の変更」に対応する配送先候補として、受取人が荷物を受け取る受け取り場所を1つ又は複数選択する。受け取り場所は、例えば、コンビニエンスストア(以下「コンビニ」という。)などの商店であってもよいし、配送事業者の集配所であってもよい。
【0034】
また、配送先候補選択部18は、「輸送経路の変更」に対応する配送先候補として、変更後の輸送経路(陸送)における配送拠点を1つ選択する。配送拠点は、配送事業者の集配所やトラックターミナルなどの陸送拠点である。自動輸送機が自動運転車である場合には、配送拠点は、配送事業者の集配所やドローンターミナルなどの空輸拠点である。無人輸送機の現在位置の周辺に配送拠点が複数ある場合には、配送先候補選択部18は、現在位置から最も近い配送拠点を選択すればよい。
【0035】
配送先決定部19は、受取人の端末から無線で受信した配送方法の選択結果に基づいて、新たな配送先を決定する。配送先決定部19は、「配送方法の維持」が選択された場合、新たな配送先を、「配送方法の維持」に対応する待機場所に決定する。また、配送先決定部19は、「配送先の変更」が選択された場合、新たな配送先を、「配送先の変更」に対応する受け取り場所に決定する。また、配送先決定部19は、「輸送経路の変更」が選択された場合、新たな配送先を、「輸送経路の変更」に対応する配送拠点に決定する。
【0036】
次に、本実施形態に係るドローンの制御方法について説明する。図4は、ドローンの制御方法の一例を示すフローチャートである。制御装置1は、図4の処理を定期的に、又は所定のタイミング(例えば、ドローンの出発前)に実行する。以下、ドローンは、移動制御部13により制御され、配送経路に従って、配送先に向かって飛行中である場合を例に説明するが、配送元で待機中であってもよい。
【0037】
まず、選択要求部17は、障害情報取得部16が障害情報を取得したか確認する(ステップS101)。障害情報取得部16が障害情報を取得していない場合(ステップS101:NO)、処理は終了する。
【0038】
一方、障害情報取得部16が障害情報を取得している場合(ステップS101:YES)、選択要求部17は、地図情報記憶部12から地図情報を読み出し、配送情報記憶部15から配送経路を読み出す。そして、選択要求部17は、地図情報、配送経路、及び障害情報に基づいて、配送経路上で障害が発生しているか確認する(ステップS102)。障害が発生していない場合(ステップS102:NO)、処理は終了する。
【0039】
一方、障害が発生している場合(ステップS102:YES)、選択要求部17は、配送先候補選択部18に、配送方法の選択肢に対応する配送先候補の選択を要求する。配送先候補の選択を要求されると、配送先候補選択部18は、地図情報記憶部12から地図情報を読み出し、位置特定部11から現在位置を取得する。そして、配送先候補選択部18は、地図情報及び現在位置に基づいて、「配送方法の維持」に対応する待機場所と、「配送先の変更」に対応する1つ又は複数の受け取り場所と、「輸送経路の変更」に対応する配送拠点と、をそれぞれ選択する(ステップS103)。配送先候補選択部18は、選択した各配送先候補の配送先候補情報を、配送方法と対応付けて配送情報記憶部15に保存する。配送先候補情報には、配送先候補の位置情報と、名称と、が含まれる。
【0040】
配送先候補が選択されると、選択要求部17は、配送情報記憶部15から配送先候補情報を読み出し、読み出した配送先候補情報に基づいて、配送方法選択画面を生成し、受取人の端末に選択要求を送信する(ステップS104)。
【0041】
受取人の端末は、選択要求を受信すると、選択要求部17が生成した配送方法選択画面を表示する(ステップS105)。図5は、配送方法選択画面の一例を示す図である。図5の配送方法選択画面には、選択要求の送信時刻M1と、障害による影響の内容M2と、配送方法の選択を要求するメッセージM3と、配送方法の選択肢と、受取人が配送方法を選択するためのラジオボタンと、各選択肢に対応する詳細ボタンと、送信ボタンと、キャンセルボタンと、が表示されている。
【0042】
図5の例では、配送方法の選択肢として、「配送方法の維持」に相当する「変更なし(空輸)」と、「配送先の変更」に相当する「コンビニで受け取る」と、「輸送経路の変更」に相当する「陸送に切替える」と、が表示されており、「コンビニで受け取る」が選択されている。また、「コンビニで受け取る」及び「陸送に切替える」にそれぞれ対応する詳細ボタンが表示されている。「コンビニで受け取る」に対応する詳細ボタンを押すと、受取人が受け取り場所を選択するための受け取り場所選択画面が表示される。また、「陸送に切替える」に対応する詳細ボタンを押すと、受取人が配送日時を指定するための配送日時指定画面が表示される。
【0043】
図6は、受け取り場所選択画面の一例を示す図である。図6の受け取り場所選択画面には、配送先候補選択部18が「配送先の変更」に対応する配送先候補として選択した各受け取り場所の名称と、受取人が受け取り場所を選択するためのラジオボタンと、各受け取り場所の位置を地図上に表示するための地図ボタンと、配送方法選択画面に画面を切り替えるための戻るボタンと、が表示されている。図6の例では、受け取り場所として、「BBB」が選択されている。
【0044】
図7は、配送日時指定画面の一例を示す図である。図7の配送日時指定画面には、配送日の入力欄と、配送時間の入力欄と、配送方法選択画面に画面を切り替えるための戻るボタンと、が表示されている。図7の例では、配送日は12月22日に指定され、配送時間は12時から15時までに指定されている。
【0045】
受取人は、端末に表示された配送方法選択画面で希望する配送方法を選択する。また、受取人は、「コンビニで受け取る」を選択する場合には、受け取り場所選択画面で受け取り場所を選択し、「陸送に切替える」を選択する場合には、配送日時指定画面で配送日時を指定する。その後、受取人は、配送方法選択画面に表示された送信ボタンを押す。送信ボタンが押されると、端末は、受取人の選択結果を制御装置1に無線で送信する。選択結果には、受取人が選択した配送方法を示す情報が含まれる。また、選択結果には、「コンビニで受け取る」が選択された場合、受取人が選択した受け取り場所を示す情報が含まれ、「陸送に切替える」が選択された場合、受取人が指定した配送日時を示す情報が含まれる。
【0046】
なお、配送方法選択画面、受け取り場所選択画面、及び配送日時指定画面は、それぞれ図5図7の例に限られない。また、配送方法選択画面、受け取り場所選択画面、及び配送日時指定画面の2つ以上が同一画面上に表示されてもよい。
【0047】
受取人の端末が選択結果を送信すると、配送先決定部19が当該選択結果を無線で受信する(ステップS107)。配送先決定部19は、選択結果を受信すると、配送情報記憶部15から配送先候補情報を読み出し、受取人により選択された配送方法に対応する配送先候補を、新たな配送先に決定する(ステップS108)。配送先決定部19は、「配送方法の維持」が選択された場合、待機場所を新たな配送先に決定し、「配送先の変更」が選択された場合、受取人により選択された受け取り場所を新たな配送先に決定し、「輸送経路の変更」が選択された場合、配送拠点を新たな配送先に決定する。
【0048】
配送先決定部19は、「配送先の変更」又は「輸送経路の変更」が選択された場合、決定した新たな配送先を、荷物の配送先として配送情報記憶部15に保存する。これにより、荷物の配送先が更新される。また、配送先決定部19は、「配送方法の維持」が選択された場合、決定した新たな配送先を、荷物の配送先までの中継地点として配送情報記憶部15に保存する。また、配送先決定部19は、「輸送経路の変更」が選択された場合、選択結果に含まれる配送日時を、荷物の配送予定日時として配送情報記憶部15に保存する。これにより、荷物の配送予定日時が更新される。この際、配送先決定部19は、更新された配送予定日時に応じて出発予定日時も更新するのが好ましい。
【0049】
その後、配送経路決定部14は、地図情報記憶部12から地図情報を読み出し、配送情報記憶部15から新たな配送先を読み出し、位置特定部11から現在位置を取得する。そして、配送経路決定部14は、現在位置から新たな配送先までの新たな配送経路を決定する(ステップS109)。配送経路決定部14は、「配送先の変更」又は「輸送経路の変更」が選択された場合、決定した新たな配送経路を、荷物の配送経路として配送情報記憶部15に保存する。これにより、荷物の配送経路が更新される。また、配送経路決定部14は、「配送方法の維持」が選択された場合、決定した新たな配送経路を、中継地点までの配送経路として配送情報記憶部15に保存する。以降、ドローンは、移動制御部13により制御され、新たな配送経路に従って、新たな配送先に向かって飛行する。
【0050】
以上説明した通り、制御装置1は、配送経路上で障害が発生した場合、受取人に配送方法の選択を要求し、選択結果に応じた配送先に荷物を配送する。これにより、配送経路上で障害が発生し、無人輸送機による荷物の配送が困難になった場合であっても、障害がなくなるのを待つことなく、受取人が希望する受け取り場所に荷物を配送したり、異なる輸送経路で荷物を配送したりすることが可能になる。したがって、無人輸送機による配送時間の遅延を抑制することができる。
【0051】
なお、制御装置1は、選択要求を送信してから選択結果を受信するまで、無人輸送機をその場で待機させてもよいし、待機場所に向かって移動させてもよい。無人輸送機がドローンである場合には、制御装置1は、予め設定された待機スペース(例えば、電柱の上など)で待機させてもよい。これにより、ドローンの消費電力を節約できる。
【0052】
また、制御装置1は、選択要求を送信してから所定時間の間に選択結果を受信できなかった場合、「配送方法の維持」が選択されたものと判断し、無人輸送機を待機場所に移動させてもよい。
【0053】
また、制御装置1は、選択結果の受信後、選択結果を受け付けた旨のメッセージを、受取人の端末に送信してもよい。
【0054】
また、制御装置1は、配送経路上で障害が発生した場合(ステップS102:YES)、現在位置、地図情報、及び障害情報に基づいて、障害が発生した地域を避ける新たな配送経路を探索してもよい。新たな配送経路が見つかった場合、制御装置1は、新たな配送経路に従って無人輸送機を移動させ、新たな配送経路が見つからなかった場合、ステップS103以降の処理を実行すればよい。新たな配送経路の探索方法として、既存の任意の方法を利用できる。
【0055】
また、制御装置1の機能構成の配置は、図3の例に限られない。例えば、地図情報記憶部12、配送経路決定部14、障害情報取得部16、選択要求部17、配送先候補選択部18、及び配送先決定部19のうちの1つ以上が、外部装置(管理サーバなど)に設けられてもよい。この場合、無線輸送機に搭載されたコンピュータと、外部装置と、により、制御装置1の機能が実現される。
【0056】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0057】
1:制御装置
11:位置特定部
12:地図情報記憶部
13:移動制御部
14:配送経路決定部
15:配送情報記憶部
16:障害情報取得部
17:選択要求部
18:配送先候補選択部
19:配送先決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7