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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
G02B13/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018028934
(22)【出願日】2018-02-21
(65)【公開番号】P2019144430
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】河合 祥子
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0178871(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0090157(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106291882(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0170180(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0109687(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、前記第1レンズ群は、1枚の負の屈折力を有するレンズと、1枚の正の屈折力を有するレンズとから構成され、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群と、第2bレンズ群とから構成され、前記第2bレンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第2b1レンズと、正の屈折力を有する第2b2レンズと、第2b3レンズと、から構成され、
前記第2b3レンズの像側の面は、光軸との交点以外の位置に極値を有する非球面形状であり、
以下の条件式(1)、(2)及び(3)を満足し、さらに
前記第2aレンズ群が、2枚の正の屈折力を有するレンズから構成されることを特徴とする撮像レンズ。
0.73 ≦ f2b2/f ≦2.40 ・・・・・・・(1)
νd_p ≦ 45.0 ・・・・・・・・・・・・(2)
-1.34 ≦ f2b1/f ≦-0.46 ・・・・・(3)
ただし、f: レンズ全系の焦点距離
f2b2:前記第2b2レンズの焦点距離
νd_p:前記第1レンズ群の正の屈折力を有するレンズのd線に対する
アッベ数
f2b1:前記第2b1レンズの焦点距離
【請求項2】
開口絞りが、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間、または前記第2aレンズ群中に備えらえていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
0.38 ≦ f2a/f2b2 ≦ 1.57 ・・・・・(4)
ただし、f2a :前記第2aレンズ群の焦点距離
f2b2:前記第2b2レンズの焦点距離
【請求項4】
以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.9 ≦ fp/f ≦ 12.4 ・・・・・・・(5)
ただし、fp:前記第1レンズ群の正の屈折力を有するレンズの焦点距離
【請求項5】
以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.39 ≦ f2a/f ≦ 1.47 ・・・・・・(6)
ただし、f2a:前記第2aレンズ群の焦点距離
【請求項6】
前記第2b3レンズは、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有し、以下の条件式(7)を満たすことを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
-0.50 ≦ f/f2b3 ≦0.67 ・・・・・(7)
ただし、f2b3:前記第2b3レンズの焦点距離
【請求項7】
前記第2b1レンズが、物体側に凹面を向けたメニスカス形状であることを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
νd_n ≧ 45.0 ・・・・・・・・・・(8)
ただし、νd_n:前記第1レンズ群の負の屈折力を有するレンズのd線に対する
アッベ数
【請求項9】
当該撮像レンズは開口絞りを有し、以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.6 ≦ L /f ≦ 3.0 ・・・・・・・(9)
ただし、L: 前記開口絞りから像面までの光軸上の距離
(バックフォーカス分は空気換算長)
【請求項10】
全てのレンズがプラスチック材料から形成されていること特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
【請求項11】
以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.0 ≦ TTL/(2×Y’max) ≦ 1.7 ・・・(10)
ただし、TTL: 最も物体側に配置されたレンズの物体側の面から像面までの光軸上
の距離
(バックフォーカス分は空気換算長)
Y’max:最大像高
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズと、該撮像レンズの像面に配置された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCDやC-MOSなどの固体撮像素子を用いた撮像装置の撮像レンズに関し、特に小型の撮像装置に好適な撮像レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやC-MOSなどの固体撮像素子の高画素化に伴い、撮像レンズも高画素に対応可能な解像力を求められている。近年広く普及している容易に携帯可能であったり、スペースが狭くても設置可能であるような超小型の撮像装置に搭載する撮影レンズにおいても、高解像化の要望の例外ではない。
【0003】
一方、固体撮像素子の高画素化が進むにつれ、撮像レンズにおいて回折による結像性能の劣化の影響を無視できなくなってきている。そのため、前記高画素化に対応するため、収差を良好に補正するだけではなく、FNoを2.0程度以下まで明るくする必要がある。
【0004】
また、超小型の撮像装置においても、広画角のレンズは、標準画角のレンズに比べ撮影領域が広くとれるため、市場からの要望がある。中でも、広画角のレンズの場合は、広範囲を撮影して局所的に拡大するように使われることもあるため、高解像化が強く求められている。
【0005】
更に、広画角のレンズでは、撮像素子の周辺部における主光線の入射角度(CRA, Chief Ray Angle)が大きくなり易く、かつレンズ全長が短い場合は特に大きくなり易い。しかしながら、CRAが大きいと、集光効率が低下し、画質劣化の要因となり、また周辺光量の不足を招くことにもなり、CRAを20°位以下までに抑制することも同時に要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-215594号
【文献】特開2015-022145号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
広画角にし易く、CRAを抑制し易いレンズ構成として、物体側から順に負レンズ群、正レンズ群が配置されたタイプのレンズが各種提案されてきた。中でも、90°程度以上の広画角で、FNoが2.0程度以下の明るいレンズとしては、例えば、特許文献1には、実施例4として、負レンズ群と、正レンズ群とで構成され、画角が88°で、FNoが1.8と明るく、比較的高解像のものが開示されている。
しかし、この特許文献1の実施例4は、レンズ全長(最物体側のレンズの第1面から像面までの距離)が、固体撮像素子の矩形受光領域の対角線の長さ(以下、センサー対角長という)の5倍を超える程長く、超小型の撮像装置に組み込むことができない。
【0008】
他の従来技術は、特許文献2の実施例4であって、広画角で小型の撮像レンズであり、物体側から順に、負レンズ群と正レンズ群が配置されており、画角が93°、FNo2.4で、レンズ全長がセンサー対角長より短い撮像レンズが提案されている。
しかし、この特許文献2の実施例4の撮像レンズは、像側から2番目に配置されている正レンズの屈折力が強いために、コマ収差と非点収差が多く発生しており、高解像にすることが困難である。また、負レンズ群が負レンズ1枚のみで構成され、かつ開口絞りの物体側に負レンズが1枚あるのみの配置である。このため、FNoを明るくすると、コマ収差の補正が困難になる。さらに、CRAは20°を大きく超えて30°程度ある。
【0009】
(発明の目的)
本発明は、従来技術の撮像レンズの上述した問題点に鑑みなされたものであって、小型で広画角でありながら、FNoが明るく、高解像力を備え、かつCRAを小さく抑制した撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、前記第1レンズ群は、1枚の負の屈折力を有するレンズと、1枚の正の屈折力を有するレンズとから構成され、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群と、第2bレンズ群とから構成され、前記第2bレンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第2b1レンズと、正の屈折力を有する第2b2レンズと、第2b3レンズと、から構成され、
前記第2b3レンズの像側の面は、光軸との交点以外の位置に極値を有する非球面形状であり、
以下の条件式(1)(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ
0.73 ≦ f2b2/f ≦ 2.40 ・・・・・・・(1)
νd_p ≦ 45.0 ・・・・・・・・・・・(2)
ただし、f :レンズ全系の焦点距離
f2b2:第2b2レンズの焦点距離
νd_p:第1レンズ群の正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
である。
本発明はまた、前記撮像レンズと、該撮像レンズの像面に配置された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置
である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型で広画角でありながら、FNoが明るく、高解像力を備え、かつCRAを小さく抑制した撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の撮像レンズの実施例1のレンズ構成図である。
図2】本発明の撮像レンズの実施例1の各種収差図である。
図3】本発明の撮像レンズの実施例2のレンズ構成図である。
図4】本発明の撮像レンズの実施例2の各種収差図である。
図5】本発明の撮像レンズの実施例3のレンズ構成図である。
図6】本発明の撮像レンズの実施例3の各種収差図である。
図7】本発明の撮像レンズの実施例4のレンズ構成図である。
図8】本発明の撮像レンズの実施例4の各種収差図である。
図9】本発明の撮像レンズの実施例5のレンズ構成図である。
図10】本発明の撮像レンズの実施例5の各種収差図である。
図11】本発明の撮像レンズの実施例6のレンズ構成図である。
図12】本発明の撮像レンズの実施例6の各種収差図である。
図13】本発明の撮像レンズの実施例7のレンズ構成図である。
図14】本発明の撮像レンズの実施例7の各種収差図である。
図15】本発明の撮像装置の実施例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、前記第1レンズ群は、1枚の負の屈折力を有するレンズと、1枚の正の屈折力を有するレンズとから構成され、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群と、第2bレンズ群とから構成され、前記第2bレンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第2b1レンズと、正の屈折力を有する第2b2レンズと、第2b3レンズと、から構成され、
前記第2b3レンズの像側の面は、光軸との交点以外の位置に極値を有する非球面形状であり、
以下の条件式(1)(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ
0.73 ≦ f2b2/f ≦ 2.40 ・・・・・・・(1)
νd_p ≦ 45.0 ・・・・・・・・・・・(2)
ただし、f :レンズ全系の焦点距離
f2b2:第2b2レンズの焦点距離
νd_p:第1レンズ群の正の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
である。
【0014】
本発明の第1実施形態によれば、小型で広画角でありながら、FNoが明るく、高解像力を備え、かつCRAを小さく抑制した撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を構成することができる。
【0015】
本発明の第1実施形態によればまた、負の屈折力を有する第1レンズ群G1は、負の屈折力を有するレンズ1枚と、正の屈折力を有するレンズ1枚から構成することにより、倍率色収差とコマ収差を良好に補正することができる。その結果、FNoを明るくすることができ、高解像化が可能になる。
物体側から順に負レンズ群、正レンズ群が配置されたタイプのレンズを小型化しようとすると、正レンズ群の屈折力を強める必要がある。しかし、レンズ各面の屈折力が強いと各収差が発生し易くなるため、強い正の屈折力を各レンズにどのように配分するかが収差補正に大きな影響を与える。
【0016】
本発明の第1実施形態においては、強い正の屈折力を持つ第2レンズ群G2の中で、開口絞り付近の第2aレンズ群G2aに正の屈折力を負担させることにより、開口絞りから離れた位置にある第2bレンズ群G2bの正の屈折力を弱めることができ、非点収差や倍率色収差を抑制することができる。
【0017】
さらに、第2b1レンズL2b1を負の屈折力とすることで、倍率色収差、軸上色収差、非点収差、コマ収差を良好に補正することができる。特に、第2b1レンズL2b1の位置は、負の屈折力を有するレンズを配置すると、倍率色収差と軸上色収差を共に良好に補正することができる。像面から3番目に位置する第2b1レンズL2b1では、軸外の光束が通過する位置が比較的高くなるので、倍率色収差の補正能力を高められ、倍率色収差を良好に補正することができる。
また、第2b1レンズL2b1では、負の屈折力の第1レンズ群G1で発散された光束が正の屈折力の第2aレンズ群を通過した直後に通過するので、軸上の光束も比較的高いところを通過する。従って、第2b1レンズL2b1における軸上色収差の補正能力を高められ、軸上色収差を良好に補正することができる。
【0018】
さらにまた、第2b2レンズL2b2を正の屈折力とすることで、第2レンズ群G2の強い正の屈折力の負担を第2aレンズ群G2aと分担することができる。その結果、第2aレンズ群G2aにおける正の屈折力を弱めることができ、第2aレンズ群G2aで発生する球面収差やコマ収差、軸上色収差を抑制できるので、FNoを明るくすることができ、高解像化も可能になる。
【0019】
最も像側に配置された第2b3レンズL2b3は、像側の面を非球面形状とし、非球面と光軸との交点以外の位置に極値をもつ形状とすることで、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状でありながらも光学有効径周辺部では像側に凸面を向けた形状にすることができ、その結果、撮像素子の周辺部におけるCRAを小さくなるように抑制することができる。
【0020】
条件式(1)は、レンズ全系の焦点距離に対する第2b2レンズL2b2の焦点距離の好ましい範囲を規定するものであり、第2レンズ群G2の強い正の屈折力を適切に配分して収差を良好に補正するための条件である。
条件式(1)の下限を下回ると、第2b2レンズL2b2の正の屈折力が強くなりすぎ、非点収差、倍率色収差、コマ収差を良好に補正することが困難となり、高解像化を阻むので好ましくない。また、コマ収差を良好に補正することが困難になるので、FNoを明るくすることが困難になる。
条件式(1)の上限を上回ると、第2b2レンズL2b2の正の屈折力が弱くなりすぎ、第2レンズ群G2の強い正の屈折力を第2aレンズ群G2aで大きく負担することになり、第2aレンズ群G2aにおける球面収差や軸上色収差の発生量が多くなるので、球面収差や軸上色収差を良好に補正することが困難になり好ましくない。
【0021】
なお、上記条件式(1)の下限値は、0.75以上であることが好ましく、0.78以上であることがより好ましい。
また、上記条件式(1)の上限値は、2.20以下であることが好ましく、2.00以下であることがより好ましく、1.80以下であることがより好ましく、1.70以下であることがより好ましく、1.60以下であることがより好ましく、1.50以下であることがより好ましく、1.40以下であることがより好ましい。
【0022】
条件式(2)は、第1レンズ群G1の正レンズのd線に対するアッベ数の好ましい範囲を規定するものであり、倍率色収差を良好に補正するための条件である。
条件式(2)の上限を上回ると、第1レンズ群G1の正レンズにおける倍率色収差の補正効果が弱まり、倍率色収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
【0023】
なお、上記条件式(2)の値は小さくなると、軸上色収差を良好に補正することが困難になるため、下限値を設定する場合は、15.0以上、18.0以上であれば良い。
また、より好ましい効果を得るためには、上記条件式(2)の上限値は、42.0以下であることが好ましく、40.0以下であることがより好ましく、38.0以下であることがより好ましく、36.0以下であることがより好ましく、34.0以下であることがより好ましく、32.0以下であることがより好ましく、30.0以下であることがより好ましく、28.0以下であることがより好ましい。
【0024】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
-1.42 ≦ f2b1/f ≦ -0.46 ・・・・・(3)
ただし、f: レンズ全系の焦点距離
f2b1: 第2b1レンズの焦点距離
【0025】
条件式(3)は、全系の焦点距離に対する第2b1レンズL2b1の焦点距離の好ましい範囲を規定するものである。
条件式(3)の下限を下回ると、第2b1レンズL2b1の負の屈折力が弱くなりすぎ、倍率色収差、軸上色収差、非点収差を良好に補正することが困難となり、高解像化を阻むので好ましくない。
条件式(3)の上限を上回ると、第2b1レンズL2b1の負の屈折力が強くなりすぎ、非点収差、コマ収差を良好に補正できなくなるので好ましくない。
【0026】
なお、上記条件式(3)の下限値は、-1.40以上であることが好ましく、-1.38以上であることがより好ましく、-1.36以上であることがより好ましく、-1.34以上であることがより好ましく、-1.30以上であることがより好ましく、-1.28以上であることがより好ましい。
また、上記条件式(3)の上限値は、-0.48以下であることが好ましく、-0.50以下であることがより好ましく、-0.51以下であることがより好ましく、-0.53以下であることがより好ましく、-0.55以下であることがより好ましい。
【0027】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、開口絞りが、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間、または前記第2aレンズ群中に備えられていることを特徴とする撮像レンズである。
【0028】
開口絞りは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間、または、第2aレンズ群中に配置することで、撮像素子周辺部におけるCRAの抑制と高解像化が同時に可能になる。開口絞りの物体側に、負の屈折力を有するレンズ1枚と正の屈折力を有するレンズ1枚を配置することで、コマ収差と倍率色収差を良好に補正することができ、高解像化が可能になる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間、または、第2aレンズ群中に開口絞りを配置することにより、短い全長の中でも開口絞りから像面までの距離を比較的長くとれる。その結果、撮像素子周辺部におけるCRAを抑制することが可能になる。なお、開口絞りを第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置した場合は、よりCRAを抑制し易く、物体側レンズの有効径を小さくできるので、より好ましい。
【0029】
なお、開口絞りが第1レンズ群と第2レンズ群との間に備えられているとは、開口絞りが光軸上において、第1レンズ群の中で最も像側に配置されたレンズの像側の面と光軸との交点よりも像側に位置し、かつ第2レンズ群の中で最も物体側に配置されたレンズの物体側の面と光軸との交点よりも物体側に位置することを意味する。
また、開口絞りが第2aレンズ群中に備えらえているとは、開口絞りが光軸上において、第2aレンズ群の中で最も物体側に配置されたレンズの物体側の面と光軸との交点よりも像側に位置し、かつ第2aレンズ群の中で最も像側に配置されたレンズの像側の面と光軸との交点よりも物体側に位置することを意味する。
【0030】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態は、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
0.38 ≦ f2a/f2b2 ≦ 1.57 ・・・・・・(4)
ただし、f2a :第2aレンズ群の焦点距離
f2b2:第2b2レンズの焦点距離
【0031】
条件式(4)は、第2b2レンズL2b2の焦点距離に対する第2aレンズG2aの焦点距離の好ましい範囲を規定するものであり、第2レンズ群G2の強い正の屈折力を適切に配分して収差を良好に補正するための条件である。
条件式(4)の下限を下回ると、第2レンズ群G2の強い正の屈折力を第2aレンズ群G2aで大きく負担することとなり、第2aレンズ群G2aにおける球面収差や軸上色収差の発生量が多くなり、球面収差や軸上色収差を良好に補正するのが困難になるので好ましくない。また、球面収差を良好に補正することが難しいので、FNoを明るくすることが困難になる。
条件式(4)の上限を上回ると、第2レンズ群G2の強い正の屈折力を第2b2レンズL2b2で大きく負担することとなり、第2b2レンズL2b2における非点収差、倍率色収差、コマ収差の発生量が多くなり、これらの収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
【0032】
なお、上記条件式(4)の下限値は、0.45以上であることが好ましく、0.52以上であることがより好ましく、0.59以上であることがより好ましく、0.66以上であることがより好ましく、0.73以上であることがより好ましい。また、上記条件式(4)の上限値は、1.50以下であることが好ましく、1.45以下であることがより好ましく、1.40以下であることがより好ましく、1.36以下であることがより好ましく、1.30以下であることがより好ましく、1.25以下であることがより好ましく、1.20以下であることがより好ましく、1.15以下であることがより好ましく、1.10以下であることがより好ましい。
【0033】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態は、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
1.9 ≦ fp/f ≦ 12.4 ・・・・・・・・・(5)
ただし、 f: レンズ全系の焦点距離
fp: 第1レンズ群の正の屈折力を有するレンズの焦点距離
【0034】
条件式(5)は、レンズ全系の焦点距離に対する第1レンズ群G1の正レンズの焦点距離の好ましい範囲を規定するものである。
条件式(5)の下限を下回ると第1レンズ群G1の正レンズの正の屈折力が強くなりすぎ、非点収差、軸上色収差を良好に補正できなくなるので好ましくない。
条件式(5)の上限を上回ると、第1レンズ群G1の正レンズの正の屈折力が弱くなりすぎ、倍率色収差、コマ収差の補正能力が弱まり、倍率色収差、コマ収差を良好に補正できなくなるので好ましくない。
【0035】
なお、上記条件式(5)の下限値は、2.2以上であることが好ましく、2.4以上であることがより好ましい。また、上記条件式(5)の上限値は、11.4以下であることが好ましく10.8以下であることがより好ましい。
【0036】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態は、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
0.39 ≦ f2a/f ≦ 1.47 ・・・・・・・・(6)
ただし、f:レンズ全系の焦点距離
f2a:第2aレンズ群の焦点距離
【0037】
条件式(6)は、レンズ全系の焦点距離に対する第2aレンズ群G2aの焦点距離の好ましい範囲を規定するものである。
条件式(6)の下限を下回ると、第2aレンズ群の正の屈折力が強くなりすぎ、第2aレンズ群における球面収差や軸上色収差の発生量が多くなり、球面収差や軸上色収差を良好に補正することが困難となるので好ましくない。
条件式(6)の上限を上回ると、第2aレンズ群の正の屈折力が弱くなりすぎ、第2レンズ群G2の強い正の屈折力を第2bレンズ群G2bで大きく負担することとなり、非点収差、倍率色収差、コマ収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
【0038】
なお、上記条件式(6)の下限値は、0.45以上であることが好ましく、0.50以上であることがより好ましく、0.55以上であることがより好ましく、0.60以上であることがより好ましく、0.65以上であることがより好ましく、0.70以上であることがより好ましい。また、上記条件式(6)の上限値は、1.35以下であることが好ましく、1.27以下であることがより好ましく、1.20以下であることがより好ましく、1.10以下であることがより好ましい。
【0039】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態は、前記第2b3レンズは、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有し、以下の条件式(7)を満たすことを特徴とする撮像レンズである。
-0.50 ≦ f/f2b3 ≦ 0.67 ・・・・・・(7)
ただし、 f:レンズ全系の焦点距離
f2b3:第2b3レンズの焦点距離
【0040】
第2b3レンズは物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、球面収差、コマ収差、軸上色収差の発生を抑制でき、収差を良好に補正することができる。
条件式(7)は、第2b3レンズの焦点距離に対するレンズ全系の焦点距離の好ましい範囲を規定するものである。
条件式(7)の下限を下回ると、第2b3レンズの負の屈折力が強くなりすぎ、第2b1レンズの負の屈折力を強められないため、軸上色収差、コマ収差、非点収差を良好に補正できなくなるので好ましくない。
条件式(7)の上限を上回ると、第2b3レンズの正の屈折力が強くなりすぎ、第2b3レンズで非点収差、倍率色収差が多く発生し、非点収差、倍率色収差を良好に補正できなくなるので好ましくない。
【0041】
なお、上記条件式(7)の下限値は、-0.40以上であることが好ましく、-0.33以上であることがより好ましく、-0.25以上であることがより好ましい。また、上記条件式(7)の上限値は、0.60以下であることが好ましく、0.50以下であることがより好ましく、0.40以下であることがより好ましい。
【0042】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態は、前記第2aレンズ群が、2枚の正の屈折力を有するレンズから構成されることを特徴とする撮像レンズである。
【0043】
第2aレンズ群G2aを2枚の正レンズで構成することにより、第2aレンズ群G2aの正の屈折力の負担を2枚で分担することができ、球面収差、コマ収差、軸上色収差を良好に補正することが可能になるので、FNoを明るくでき、高解像化も可能になる。また、第2aレンズ群G2aをレンズ2枚で構成することにより、レンズ全長を短縮することができる。
【0044】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態は、前記第2b1レンズが、物体側に凹面を向けたメニスカス形状であることを特徴とする撮像レンズである。
【0045】
第2b1レンズL2b1の物体側の面は凹面にすることで、軸上色収差、コマ収差、非点収差、倍率色収差を良好に補正することができる。第2b1レンズL2b1の像側の面は凸面にすることで、第2b1レンズL2b1の負の屈折力を強めすぎずに済み、その結果、第2b2レンズL2b2の正の屈折力も強まり難くなり、倍率色収差、非点収差を良好に補正することができる。従って、第2b1レンズL2b1は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズにすることが好ましい。
【0046】
(第10実施形態)
本発明の第9実施形態は、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
νd_n ≧ 45.0 ・・・・・・・・・・・・(8)
ただし、νd_n:第1レンズ群の負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数
【0047】
条件式(8)は、第1レンズ群G1における負の屈折力を有するレンズのd線に対するアッベ数を好ましい範囲を規定するものであり、倍率色収差を良好に補正するための条件である。
条件式(8)の下限を下回ると、第1レンズ群G1の負レンズにおける倍率色収差の発生量が多くなり、倍率色収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
【0048】
なお、上記条件式(8)の下限値は、48.0以上であることが好ましく、50.0以上であることがより好ましく、53.0以上であることがより好ましい。また、上記条件式(8)の上限値は、値が大きくなる程、良好な倍率色収差補正が可能となることから、設定する必要はないと考えるが、上限を設定する場合は、105以下または、100以下であればよい。
【0049】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態は、開口絞りを有し、以下の条件式(9)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
1.6 ≦ L /f ≦ 3.0 ・・・・・・・・(9)
ただし、f:レンズ全系の焦点距離
L:開口絞りから像面までの光軸上の距離(バックフォーカス分は空気換算長)
【0050】
条件式(9)は、レンズ全系の焦点距離に対する開口絞りから像面までの光軸上の距離の好ましい範囲を規定するものである。
条件式(9)の下限を下回ると、CRAの増大を抑制することが困難になるので好ましくない。
条件式(9)の上限を上回ると、レンズ全長が長くなり易いので好ましくない。
【0051】
なお、上記条件式(9)の下限値は、1.7以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましく、1.9以上であることがより好ましい。また、上記条件式(9)の上限値は、2.8以下であることが好ましく、2.6以下であることがより好ましく、2.4以下であることがより好ましい。
【0052】
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態は、全てのレンズがプラスチック材料から形成されていること特徴とする撮像レンズである。
【0053】
プラスチックレンズの場合、光学有効径外の範囲も高精度に加工でき、複数のレンズを直接径嵌合させて同軸度を出すこともできるので、組立時の偏芯による解像性能の劣化を防ぐことが出来る点で有利である。また、全てプラスチックレンズとした場合は、低コストで製造できる点でも好ましい。
【0054】
(第13実施形態)
本発明の第9実施形態は、以下の条件式(10)を満足することを特徴とする撮像レンズである。
1.0 ≦ TTL/(2×Y’max) ≦ 1.7 ・・(10)
ただし、TTL:最も物体側に配置されたレンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離 (バックフォーカス分は空気換算長)
Y’max:最大像高
【0055】
条件式(10)は、最大像高の2倍の長さ(センサー対角長に相当)に対するレンズ全長の好ましい範囲を規定するもので、小型化とCRAの増大の抑制を両立させるための条件式である。
条件式(10)の下限を下回ると、CRAの増大を抑えることが困難になるので好ましくない。一方、条件式(10)の上限を上回ると、レンズ全長が長くなるので好ましくない。
【0056】
なお、上記条件式(10)の下限値は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。また、上記条件式(10)の上限値は、1.6以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.4以下であることがより好ましい。
【0057】
(第14実施形態)
本発明の第14実施形態は、前記撮像レンズと、該撮像レンズの結像位置に配置された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0058】
本発明に係る撮像装置は、小型で広画角でありながら、FNoが明るく、高解像力を備え、かつCRAを小さく抑制した前記撮像レンズを有し、該撮像レンズの像面に配置された撮像素子と好適に組み合わされて撮像装置を構成する。
【0059】
(実施例)
以下、本発明の撮像レンズの第1実施例~第7実施例を添付図面に基づいて説明する。
撮像レンズの実施例の光学諸元表において、Sは面番号であり、面番号は物体側から像面側への面の順番を示す。Rは各レンズ面の曲率半径(mm)、Dはレンズ肉厚および空気間隔(mm)、Ndおよびνdは、d線(λ=587.6nm)の波長における屈折率およびアッべ数を示す。なお、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた場合を正とする。
【0060】
面番号の前に*印を付した面は非球面形状の面である。非球面形状は、面頂点を原点とし、光軸に垂直方向の座標をH、Hにおける光軸方向の変位量をX(H)、近軸曲率半径をR、円錐係数をε、2次の非球面係数A,4次の非球面係数B,6次の非球面係数C,8次の非球面係数D,10次の非球面係数Eとしたとき、次の式1で表される。
【数1】
【0061】
面形状及び屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては、近軸領域で考えるものとする。
さらに、非球面形状が極値を持つとは、光軸直交方向の座標をH,Hにおける光軸方向の変位量をX(H)とするとき、X(H)の値が増加から減少へ変化する点、又は減少から増加へ変化する点を有していることを意味する。
【0062】
また、撮像レンズの実施例の各種データとして、レンズ全系の焦点距離f(mm)、FNo、最大画角2ω(°) 、最大像高Y’max(mm)、レンズ全長TTL(mm)、開口絞りから像面の距離L(mm)、最大像高におけるCRA(°)の値をそれぞれ示す。なお、これらの値は、d線における値である。レンズ全長TTL及び開口絞りから像面までの距離Lは、バックフォーカスを空気換算長とする。
【0063】
(実施例1)
図1は、本件に係る実施例1の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例1の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCG及びフィルタFが配置されている。
【0064】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0065】
図2に、実施例1の撮像レンズの無限遠合焦時における縦収差図を表す。図2に示す縦収差図は、図面に向かって左から順に球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を表す。球面収差を表す図において、g、F、d、Cはそれぞれ、g線(λ=435.8nm)、F線(λ=486.1nm)、d線(λ=587.6nm)、C線(λ=656.3nm)の波長における球面収差を表す。非点収差を表す図において、Sはサジタル方向、Tはタンジェンシャル方向を表す。なお、非点収差図と歪曲収差図においては、d線の特性を示している。これらの縦収差図に関する事項は、他の実施例においても同様である。
【0066】
実施例1の光学諸元表を表1に示す。
【表1】
【0067】
実施例1の非球面データを表2に示す。
【表2】
【0068】
実施例1の各種データを表3に示す。
【表3】
【0069】
実施例1の各レンズグループの群焦点距離を表4に示す。
【表4】
【0070】
実施例1の各レンズの焦点距離を表5に示す。
【表5】
【0071】
(実施例2)
図3は、本件に係る実施例2の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例2の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCGやフィルタFが配置されている。
【0072】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0073】
実施例2の光学諸元表を表6に示す。
【表6】
【0074】
実施例2の非球面データを表7に示す。
【表7】
【0075】
実施例2の各種データを表8に示す。
【表8】
【0076】
実施例2の各レンズグループの群焦点距離を表9に示す。
【表9】
【0077】
実施例2の各レンズの焦点距離を表10に示す。
【表10】
【0078】
(実施例3)
図5は、本件に係る実施例3の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例3の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCGやフィルタFが配置されている。
【0079】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0080】
実施例3の光学諸元表を表11に示す。
【表11】
【0081】
実施例3の非球面データを表12に示す。
【表12】
【0082】
実施例3の各種データを表13に示す。
【表13】
【0083】
実施例3の各レンズグループの群焦点距離を表14に示す。
【表14】
【0084】
実施例3の各レンズの焦点距離を表15に示す。
【表15】
【0085】
(実施例4)
図7は、本件に係る実施例4の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例4の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCGやフィルタFが配置されている。
【0086】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0087】
実施例4の光学諸元表を表16に示す。
【表16】
【0088】
実施例4の非球面データを表17に示す。
【表17】
【0089】
実施例4の各種データを表18に示す。
【表18】
【0090】
実施例4の各レンズグループの群焦点距離を表19に示す。
【表19】
【0091】
実施例4の各レンズの焦点距離を表20に示す。
【表20】
【0092】
(実施例5)
図9は、本件に係る実施例5の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例5の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCGやフィルタFが配置されている。
【0093】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0094】
実施例5の光学諸元表を表21に示す。
【表21】
【0095】
実施例5の非球面データを表22に示す。
【表22】
【0096】
実施例5の各種データを表23に示す。
【表23】
【0097】
実施例5の各レンズグループの群焦点距離を表24に示す。
【表24】
【0098】
実施例5の各レンズの焦点距離を表25に示す。
【表25】
【0099】
(実施例6)
図11は、本件に係る実施例6の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例6のレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCGやフィルタFが配置されている。
【0100】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0101】
実施例6の光学諸元表を表26に示す。
【表26】
【0102】
実施例6の非球面データを表27に示す。
【表27】
【0103】
実施例6の各種データを表28に示す。
【表28】
【0104】
実施例6の各レンズグループの群焦点距離を表29に示す。
【表29】
【0105】
実施例6の各レンズの焦点距離を表30に示す。
【表30】
【0106】
(実施例7)
図13は、本件に係る実施例7の撮像レンズの構成を示すレンズ断面図である。実施例7の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、が配置されて構成される。第2レンズ群G2と像面IMGとの間には、カバーガラスCGやフィルタFが配置されている。
【0107】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1nレンズL1nと、正の屈折力を有する第1pレンズL1pと、が配置されて構成される。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2aレンズ群G2aと、第2bレンズ群G2bと、が配置されて構成される。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、正の屈折力を有する第2a1レンズL2a1と、正の屈折力を有する第2a2レンズレンズL2a2と、が配置されて構成される。
第2a1レンズL2a1と、第2a2レンズレンズL2a2との間には、開口絞りSTOPが配置される。第2bレンズ群G2bは、負の屈折力を有し、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第2b1レンズL2b1と、正の屈折力を有する第2b2レンズL2b2と、第2b3レンズL2b3とが配置されて構成される。第2b3レンズL2b3の像側の面は非球面形状を有し、非球面と光軸との交点以外に極値を持っており、光軸近傍では像側に凹面を向けた形状であるが、光学有効径周辺部においては、像側に凸面を向けた形状となっている。
また、全てのレンズは、プラスチック材料から形成されており、両面が全て非球面形状となっている。
【0108】
実施例7の光学諸元表を表31に示す。
【表31】
【0109】
実施例7の非球面データを表32に示す。
【表32】
【0110】
実施例7の各種データを表33に示す。
【表33】
【0111】
実施例7の各レンズグループの群焦点距離を表34に示す。
【表34】
【0112】
実施例7の各レンズの焦点距離を表35に示す。
【表35】
【0113】
各実施例の条件式に関する値を表36に示す。
【表36】
【0114】
(実施例8)
実施例8の撮像装置100は、図15の構成図に示すように、撮像レンズ110と、撮像レンズ110の像面に配置された撮像素子120とから構成される。撮像レンズ110と撮像素子120の間には、フィルタFやカバーガラスCGが配置されることがある。
【符号の説明】
【0115】
F フィルタ
CG カバーガラス
IMG 像面
STOP 開口絞り
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G2a 第2aレンズ群
G2b 第2bレンズ群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15