(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】ファイル形式変換装置、ファイル形式変換システム、ファイル形式変換方法、及びファイル形式変換プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/17 20190101AFI20220307BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20220307BHJP
【FI】
G06F16/17 100
G06F16/182
(21)【出願番号】P 2018076298
(22)【出願日】2018-04-11
【審査請求日】2020-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500551286
【氏名又は名称】株式会社JR東日本アイステイションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩重 望
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-131042(JP,A)
【文献】特開平09-223050(JP,A)
【文献】国際公開第2010/035787(WO,A1)
【文献】特開2003-274381(JP,A)
【文献】特開2003-186794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示媒体を識別する媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と第2のファイルデータの形式に関する定義を識別する変換定義識別情報とを関係付けた変換定義組み合わせ情報と、該変換定義識別情報と前記第2のファイルデータの形式のパターンを識別する形式パターン識別情報とを関係付けた変換定義情報と、該形式パターン識別情報のそれぞれに対応する形式パターン情報と、を記憶する記憶部と、
入力された媒体識別情報と、前記第1のファイルデータとを取得する取得部と、
前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータのファイル種別情報とに基づいて、前記記憶部に記憶された前記変換定義組み合わせ情報から前記変換定義識別情報を抽出すると共に、該抽出した変換定義識別情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記変換定義情報から前記形式パターン識別情報を抽出し、該抽出した形式パターン識別情報に対応する前記形式パターン情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、
抽出した前記形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換する変換部と
を備え、
前記媒体識別情報と前記ファイル種別情報は、1対多の関係であり、
前記ファイル種別情報と前記変換定義識別情報は、1対多の関係であり、
前記抽出部は、さらに、前記第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、該第1のファイルデータにおけるペイロード部分の開始地点及び終了地点を指定し、該指定したペイロード部分の開始地点及び終了地点に応じて、前記形式パターン情報内のエンコード開始位置及びエンコード終了位置を書き換えるように構成されており、
前記変換部は、前記書き換え後の形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換するように構成されている
ことを特徴とするファイル形式変換装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記第1のファイルデータにおけるタイムコード上の10秒地点を前記ペイロード部分の前記開始地点として指定し、かつ、該開始地点に前記ペイロード部分の秒数を加算した地点を前記ペイロード部分の前記終了地点として指定するよう構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のファイル形式変換装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のファイル形式変換装置と、第1の通信端末と、第2の通信端末とが通信ネットワークで通信可能に接続されるファイル形式変換システムにおいて、
前記第1の通信端末は、
前記ファイル形式変換装置へ表示媒体を識別する媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータとを送信する通信部を備え、
前記ファイル形式変換装置は、さらに、
前記第2のファイルデータを送信する送信部を備え、
前記第2の通信端末は、
前記第2のファイルデータを受信する受信部を備える
ことを特徴とするファイル形式変換システム。
【請求項4】
前記ファイル形式変換装置は、前記第1の通信端末へ前記第2のファイルデータを送信し、
前記第1の通信端末は、前記第2のファイルデータを受信し、該第2のファイルデータの送信先に基づいて、該第2のファイルデータを前記第2の通信端末へ送信する
ことを特徴とする請求項3に記載のファイル形式変換システム。
【請求項5】
前記ファイル形式変換装置は、該第2のファイルデータを前記第2の通信端末へ送信可能な状態で保持する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のファイル形式変換システム。
【請求項6】
ファイル形式変換装置が、
表示媒体を識別する媒体識別情報と、所定の形式で形成された第1のファイルデータとを取得し、
前記媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と第2のファイルデータの形式に関する定義を識別する変換定義識別情報とを関係付けた変換定義組み合わせ情報と、該変換定義識別情報と前記第2のファイルデータの形式のパターンを識別する形式パターン識別情報とを関係付けた変換定義情報と、該形式パターン識別情報のそれぞれに対応する形式パターン情報とを記憶部に記憶し、
前
記媒体識別情報と前記第1のファイルデータのファイル種別情報とに基づいて、前記記憶部に記憶された前記変換定義組み合わせ情報から前記変換定義識別情報を抽出すると共に、該抽出した変換定義識別情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記変換定義情報から前記形式パターン識別情報を抽出し、該抽出した形式パターン識別情報に対応する前記形式パターン情報を前記記憶部から抽出し、
抽出した前記形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換し、
前記媒体識別情報と前記ファイル種別情報は、1対多の関係であり、
前記ファイル種別情報と前記変換定義識別情報は、1対多の関係であり、
前記形式パターン情報の抽出において、さらに、前記第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、該第1のファイルデータにおけるペイロード部分の開始地点及び終了地点を指定し、該指定したペイロード部分の開始地点及び終了地点に応じて、前記形式パターン情報内のエンコード開始位置及びエンコード終了位置を書き換え、
前記書き換え後の形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換する
ことを特徴とするファイル形式変換方法。
【請求項7】
前記形式パターン情報の抽出において、前記第1のファイルデータにおけるタイムコード上の10秒地点を前記ペイロード部分の前記開始地点として指定し、かつ、該開始地点に前記ペイロード部分の秒数を加算した地点を前記ペイロード部分の前記終了地点として指定する
ことを特徴とする請求項6に記載のファイル形式変換方法。
【請求項8】
コンピュータに、
入力された媒体識別情報と、所定の形式で形成された第1のファイルデータとを取得し、
表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と第2のファイルデータの形式に関する定義を識別する変換定義識別情報とを関係付けた変換定義組み合わせ情報と、該変換定義識別情報と前記第2のファイルデータの形式のパターンを識別する形式パターン識別情報とを関係付けた変換定義情報と、該形式パターン識別情報のそれぞれに対応する形式パターン情報とを記憶部に記憶し、
前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種別とに基づいて、前記記憶部に記憶された前記変換定義組み合わせ情報から前記変換定義識別情報を抽出すると共に、該抽出した変換定義識別情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記変換定義情報から前記形式パターン識別情報を抽出し、該抽出した形式パターン識別情報に対応する前記形式パターン情報を前記記憶部から抽出し、
抽出した前記
形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換し、
前記媒体識別情報と前記ファイル種別情報は、1対多の関係であり、
前記ファイル種別情報と前記変換定義識別情報は、1対多の関係であり、
前記形式パターン情報の抽出において、さらに、前記第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、該第1のファイルデータにおけるペイロード部分の開始地点及び終了地点を指定し、該指定したペイロード部分の開始地点及び終了地点に応じて、前記形式パターン情報内のエンコード開始位置及びエンコード終了位置を書き換え、
前記書き換え後の形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換する
処理を実行させることを特徴とするファイル形式変換プログラム。
【請求項9】
前記形式パターン情報の抽出において、前記第1のファイルデータにおけるタイムコード上の10秒地点を前記ペイロード部分の前記開始地点として指定し、かつ、該開始地点に前記ペイロード部分の秒数を加算した地点を前記ペイロード部分の前記終了地点として指定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項8に記載のファイル形式変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルデータの形式の変換技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋外や店頭などに設置された映像表示装置に、従来ポスターや看板等に掲載してした広告等を表示するデジタルサイネージが注目されており、駅構内や公共施設等で導入が進められている。
【0003】
デジタルサイネージに関する技術として、例えば、異種複数のデジタルサイネージシステムでコンテンツを出し分けようとする事業者がデジタルサイネージシステムに対して統一的なインターフェースで接続制御を行う場合のシステムがある(例えば、特許文献1)。特許文献1では、どのサイネージプレーヤでどのコンテンツをいつ再生すべきかを示す枠情報が管理されている。この枠情報を共通フォーマットとして規定し使用することで、異なるメーカのデジタルサイネージを統合管理し、統一的なインターフェースでコンテンツの表示を制御している。また、異種複数のデジタルサイネージシステムを連携させることで、サイネージを広告メディア化している。
【0004】
現在、デジタルサイネージ用の広告データの配信の流れとしては、制作会社で作成された広告データが広告会社へ納入され、広告会社が各媒体社へ提供している。媒体社はそれぞれ独自の放映システムを構築しているので、広告データのフォーマットは、媒体社毎に異なっている。そのため、制作会社は媒体社に応じて広告データを作成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
広告デジタルサイネージは、エリアの広がりもあり拡大を続けているが、上述の通り、媒体社それぞれが放映システムを構築していることから、入稿仕様や入稿ワークフローに差異が生じている。これにより、広告主が複数の媒体社に放映を希望した場合、それぞれの媒体仕様に合わせたデジタル入稿素材が必要になり、制作会社や広告会社の業務面やコスト面からの負担となっている。特許文献1では、枠情報を共通フォーマットとして規定し使用することで、異なるメーカのデジタルサイネージを統合管理し、統一的なインターフェースでコンテンツの表示を制御しているが、これは特許文献1に記載の運用方法が前提であり、既存の運用方法に適用することができず、媒体社毎の放映システムに応じた所望の媒体及びデータ形式で素材を提供することができない。
【0007】
しかしながら、今後、さらなるデジタルサイネージの普及・利用が進むことが想定されるから、複数の媒体社への出稿負担を軽減し、素材入稿のフローを簡易化することが望まれる。
【0008】
そこで、本発明では、複数の媒体社毎に応じたファイルデータの提供の際の負担の軽減を図るファイルデータ形式変換技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面に係るファイル形式変換装置は、表示媒体を識別する媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と第2のファイルデータの形式に関する定義を識別する変換定義識別情報とを関係付けた変換定義組み合わせ情報と、該変換定義識別情報と前記第2のファイルデータの形式のパターンを識別する形式パターン識別情報とを関係付けた変換定義情報と、該パターン識別情報のそれぞれに対応する形式パターン情報と、を記憶する記憶部と、入力された媒体識別情報と、前記第1のファイルデータとを取得する取得部と、前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種類とに基づいて、前記記憶部から前記形式パターン情報を抽出する抽出部と、抽出した前記形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換する変換部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記抽出部は、前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種類とに基づいて前記変換定義組み合わせ情報から前記変換定義情報を抽出し、該変換定義情報に基づいて前記変換定義情報から前記パターン識別情報を抽出し、複数の前記形式パターン情報から該パターン識別情報に対応する形式パターン情報を抽出することを特徴とする。
【0011】
前記抽出部は、さらに、前記第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、該第1のファイルデータのペイロード部分を抽出することを特徴とする。
【0012】
本発明の一側面に係る、上記のファイル形式変換装置と、第1の通信端末と、第2の通信端末とが通信ネットワークで通信可能に接続されるファイル形式変換システムにおいて、前記第1の通信端末は、前記ファイル形式変換装置へ表示媒体を識別する媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータとを送信する通信部、を備え、前記ファイル形式変換装置は、さらに、前記第2のファイルデータを送信する送信部、を備え、前記第2の通信端末は、第2のファイルデータを受信する受信部を備えることを特徴とする。
【0013】
前記ファイル形式変換装置は、前記第1の通信端末へ前記第2のファイルデータを送信し、前記第1の通信端末は、前記第2のファイルデータを受信し、該第2のファイルデータの送信先に基づいて、該第2のファイルデータを前記第2の通信端末へ送信することを特徴とする。
【0014】
前記ファイル形式変換装置は、該第2のファイルデータを前記第2の通信端末へ送信可能な状態で保持する。
【0015】
本発明の一側面に係る、ファイル形式変換方法は、ファイル形式変換装置が、表示媒体を識別する媒体識別情報と、所定の形式で形成された第1のファイルデータとを取得し、前記媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と第2のファイルデータの形式に関する定義を識別する変換定義識別情報とを関係付けた変換定義組み合わせ情報と、該変換定義識別情報と前記第2のファイルデータの形式のパターンを識別する形式パターン識別情報とを関係付けた変換定義情報と、該パターン識別情報のそれぞれに対応する形式パターン情報とを記憶部に記憶し、前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種別とに基づいて、前記記憶部から前記形式パターン情報を抽出し、抽出した前記形式パターン情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換することを特徴とする。
【0016】
前記形式パターン情報の抽出において、前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種別とに基づいて前記変換定義組み合わせ情報から前記変換定義情報を抽出し、該変換定義情報に基づいて前記変換定義情報から前記パターン識別情報を抽出し、複数の前記形式パターン情報から該パターン識別情報に対応する形式パターン情報を抽出することを特徴とする。
【0017】
前記ファイル形式関連情報の抽出において、さらに、前記第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、該第1のファイルデータのペイロード部分を抽出することを特徴とする。
【0018】
本発明の一側面に係るファイル形式変換プログラムは、コンピュータに、入力された媒体識別情報と、所定の形式で形成された第1のファイルデータとを取得し、表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と、第2のファイルデータの形式に関するファイル形式関連情報とを関係付けた情報を記憶部に記憶し、表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と、第2のファイルデータの形式に関するファイル形式関連情報とを関係付けた情報を記憶する記憶部から、前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種別とに基づいて、前記ファイル形式関連情報を抽出し、抽出した前記ファイル形式関連情報に基づいて、前記第1のファイルデータを前記第2のファイルデータに変換する、処理を実行させることを特徴とする。
【0019】
前記形式パターン情報の抽出において、前記入力された媒体識別情報と前記第1のファイルデータの種別とに基づいて前記変換定義組み合わせ情報から前記変換定義情報を抽出し、該変換定義情報に基づいて前記変換定義情報から前記パターン識別情報を抽出し、複数の前記形式パターン情報から該パターン識別情報に対応する形式パターン情報を抽出することを特徴とする。
【0020】
前記ファイル形式関連情報の抽出において、さらに、前記第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、該第1のファイルデータのペイロード部分を抽出する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本明細書に記載の技術によれば、複数の媒体社毎に応じたファイルデータの提供の際の負担の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態におけるファイル形式変換システムの概要を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における形式変換システムの全体の流れを説明する概要図である。
【
図3】第1の実施形態における形式変換システムのネットワーク構成例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態における形式変換サーバの構成例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態におけるDBに保持されるテーブル例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態における許容形式情報の一例を説明する図である。
【
図7】第1の実施形態における変換元ファイルから表示媒体に応じた変換元ファイルの形式変換の手順を説明する図である。
【
図8】第1の実施形態における「表示媒体」と「ファイル種別」との組み合わせに基づいて決定される「変換設定」について説明する図である。
【
図9】第1の実施形態における変換処理部による変換元ファイルがMXFファイルの場合における変換処理を説明する図である。
【
図10】第1の実施形態におけるメイン処理部の形式変換処理のフローチャートを示す図である。
【
図11】第2の実施形態における配信システムの全体の流れを説明する概要図である。
【
図12】第2の実施形態における素材ファイル取得画面の一例を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態におけるプログラムを実行するコンピュータのハードウェア環境の構成ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態におけるファイル形式変換システムの概要を示す図である。ファイル形式変換装置2は、記憶部2a、取得部2b、抽出部2c、変換部2dを含む。ファイル形式変換装置2の一例として、後述する形式変換サーバ13が挙げられる。
【0024】
記憶部2aは、変換定義組み合わせ情報、変換定義情報、形式パターン情報を記憶する。記憶部2aの一例としては、後述する記憶部34が挙げられる。変換定義組み合わせ情報は、表示媒体を識別する媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータの種別を識別するファイル種別情報と第2のファイルデータの形式に関する定義を識別する変換定義識別情報とを関係付けた情報である。第1のファイルデータの一例としては、後述する変換元ファイルが挙げられる。第2のファイルデータの一例としては、後述する変換済ファイルが挙げられる。変換定義組み合わせ情報の一例としては、後述する変換定義組み合わせテーブル42が挙げられる。
【0025】
また、ファイルの「種別」(「ファイル種別」と称する場合もある)とは、JPEGファイル、MPEGファイル、WMVファイル等のファイル名の末尾に付与される拡張子やメタデータとして含まれている情報等によって識別されるファイルの種別を示す。「形式」とは、ファイル種別の他、動画か静止画か、動画コーデック種類、解像度、ビットレートモード、ビットレート等のファイルの形式(属性)を示す。変換定義情報は、変換定義識別情報と第2のファイルデータの形式のパターンを識別する形式パターン識別情報とを関係付けた情報である。変換定義情報の一例として、後述する変換定義テーブルが挙げられる。形式パターン情報は、パターン識別情報のそれぞれに対応する。形式パターン情報の一例としては、後述するジョブ定義ファイル36が挙げられる。
【0026】
取得部2bは、第1の通信端末3から送信された媒体識別情報と第1のファイルデータとを取得する。抽出部2cは、送信された媒体識別情報と第1のファイルデータの種別とに基づいて、記憶部2aから形式パターン情報を抽出する。取得部2b及び抽出部2cは、後述するS11、S14~S17の処理を行うメイン処理部32が挙げられる。
【0027】
変換部2dは、抽出した形式パターン情報に基づいて、第1のファイルデータを第2のファイルデータに変換する。変換部2dの一例としては、後述する変換処理部33が挙げられる。
【0028】
このように構成することにより、所定の形式で形成された第1のファイルデータを媒体に応じて、予め設定された形式に変換することができるので、複数の媒体社毎に応じたファイルデータの提供の際の負担の軽減を図ることができる。
【0029】
抽出部2cは、送信された媒体識別情報と第1のファイルデータの種別とに基づいて変換定義組み合わせ情報から変換定義情報を抽出し、変換定義情報に基づいて変換定義情報からパターン識別情報を抽出し、複数の形式パターン情報からパターン識別情報に対応する形式パターン情報を抽出する。
【0030】
このように構成することにより、送信された媒体識別情報と第1のファイルデータの形式とに基づいて、ファイルデータの形式の変換を行うことができるので、複数の媒体社毎に応じたファイルデータの提供の際の負担の軽減を図ることができる。
【0031】
抽出部2cは、さらに、第1のファイルデータが広告放映用形式である場合、第1のファイルデータのペイロード部分を抽出する。抽出部2cは、後述するS18及びS19の処理を行うメイン処理部32が挙げられる。
【0032】
このように構成することにより、ファイルデータに含まれるヘッダ、フッダ部分を除去し、広告放映の本編部分を抽出することができる。
【0033】
ファイル形式変換システム1は、ファイル形式変換装置2と、第1の通信端末3と、第2の通信端末4とが通信ネットワーク5で通信可能に接続される。
【0034】
第1の通信端末3は、通信部3aを含む。通信部3aは、ファイル形式変換装置2へ表示媒体を識別する媒体識別情報と所定の形式で形成された第1のファイルデータとを送信する。第1の通信端末3の一例としては、後述するコンピュータ(以下、「PC」と称する)21が挙げられる。通信部3aの一例としては、後述する通信I/F88が挙げられる。
【0035】
ファイル形式変換装置2は、さらに、送信部2eを含む。送信部2eは、第2のファイルデータを送信する。送信部2eの一例としては、後述する入出力部38として機能する通信I/F88が挙げられる。
【0036】
第2の通信端末4は、受信部4aを含む。受信部4aは、第2のファイルデータを受信する。第2の通信端末4の一例としては、後述するPC23が挙げられる。受信部4aの一例としては、後述する通信I/F88が挙げられる。
【0037】
このように構成することにより、所定の形式で形成された第1のファイルデータを表示媒体に応じて、予め設定された形式に変換し、第2の通信端末4へ送信することができるので、複数の媒体社毎に応じたファイルデータの提供の際の負担の軽減を図ることができる。
【0038】
ファイル形式変換装置2は、第1の通信端末3へ第2のファイルデータを送信し、第1の通信端末3は、第2のファイルデータを受信し、第2の通信端末4へ送信してもよい。このように構成することにより、第1のファイルデータの形式が変換された第2のファイルデータを受け取った第1の通信端末3は、第2のファイルデータの送信先に基づいて、第2のファイルデータを第2の通信端末4へ送信することができる。
【0039】
ファイル形式変換装置2は、第2のファイルデータを第2の通信端末4へ送信可能な状態で保持するようにしてもよい。このように構成することにより、ファイル形式変換装置2は、第2のファイルデータの送信先に基づいて、第2のファイルデータを第2の通信端末4へ送信可能な状態で保持することができるので、第2の通信端末4からの要求に応じて送信することができる。
【0040】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態における形式変換システムの全体の流れを説明する概要図である。制作会社11は、広告会社から広告のコンテンツ制作を委託された会社である。広告会社は、広告を依頼した広告主と、媒体社14との間にある、広告業務の代行やサービス提供および支援を行う会社である。媒体社は、新聞社、雑誌社、放送局等の広告を掲載したり、放送したり、配信したりする会社である。
【0041】
形式変換システム10では、制作会社11は、予め登録された形式で作成された広告ファイルデータ(以下、「変換元ファイル」と称する)を広告会社12へ納品する。広告会社12は、第1の実施形態に係る形式変換サーバ13を用いて、変換元ファイルを、各媒体社の仕様に応じた広告ファイルデータに変換する。
【0042】
このとき、どの表示媒体で使用するかも併せて指定すると、形式変換サーバ13は、その表示媒体のファイルデータの形式に応じて変換元ファイルを変換(エンコード)する。例えば、提供先の媒体社14が、A社14a、B社14b、C社14cの場合、形式変換サーバ13は、指定された表示媒体に応じて、変換元ファイルを、A社用ファイルデータ(以下、「A社用ファイル」と称する)、B社用ファイルデータ(以下、「B社用ファイル」と称する)、C社用ファイルデータ(以下、「C社用ファイル」と称する)に変換する。ここで「表示媒体」とは、最終的に変換済ファイルがデジタルサイネージとして出力される出力先(表示装置)であり、例えば、電車内のディスプレイや駅構内の柱に設置されたディスプレイ等である。
【0043】
形式変換されたファイルデータ(以下、「変換済ファイル」と称する)は、広告会社12によって、媒体社14(A社14a、B社14b、C社14c)に提供される。
【0044】
図3は、第1の実施形態における形式変換システムのネットワーク構成例を示す図である。
図3では、形式変換システム10は、制作会社11のPC21、広告会社12のPC22、形式変換サーバ13、各媒体社14(A社14a、B社14b、C社14c)のPC23(23a,23b,23c)から構成される。PC21,22,23、及び形式変換サーバ13は、インターネット等の通信ネットワークで相互に通信可能なように接続されている。
【0045】
図4は、第1の実施形態における形式変換サーバの構成例を示す図である。形式変換サーバ13は、制御部31、記憶部34、入出力部38を含む情報処理装置である。
【0046】
制御部31は、形式変換サーバ13の全体の動作を制御するプロセッサである。第1の実施形態では、制御部31は、第1の実施形態にかかるプログラムを実行するメイン処理部32と、変換元ファイルの形式の変換を行う変換処理部(エンコーダ)33として機能する。
【0047】
記憶部34は、後述するテーブル情報が格納されているデータベース(DB)35と、ファイルデータ形式のエンコーダに関する複数のジョブ定義ファイル(ジョブ定義ファイル群)36、許容形式情報37を記憶する。ジョブ定義ファイル群36のそれぞれは、動画コーデック種類、解像度、ビットレートモード、ビットレート等の各種パラメータを、変換処理部33に投入する値・組み合わせのパターン毎にファイル化したものである。許容形式情報37は、変換元ファイルが許容された形式(予め登録された形式)に適合するかチェックするために用いられる情報であって、本実施形態で許容されるファイルデータの形式、すなわち変換可能なファイルデータの形式についての定義情報である。
【0048】
入出力部38は、通信ネットワーク24を介してまたはUSBメモリ装置等を介して、変換元ファイルと、提供先の表示媒体を特定する指定媒体情報としての媒体IDが入力されたり、変換済ファイルを出力する。
【0049】
図5は、第1の実施形態におけるDBに保持されるテーブル例を示す図である。DB35は、(a)媒体テーブル41、(b)変換定義組み合わせテーブル42、(c)変換定義テーブル43、(d)広告会社テーブル44、(e)媒体会社テーブル45、(f)ジョブ定義テーブル46、(g)ファイル種別テーブル47を含む。DB35は、不図示のデータベース管理システム(DBMS)によって管理されている。各テーブル構造の項目に下線を引いているものは、主キーとして設定されていることを示す。
【0050】
媒体テーブル41は、「媒体ID」(主キー)、「媒体名」、「媒体略名」、「縦横種別」のデータ項目を含む。「媒体ID」には、変換後の所望される媒体を特定する識別情報が格納される。「媒体名」には、媒体IDに対応する媒体の名称が格納される。「媒体略名」には、媒体IDに対応する媒体の名称の略称が格納される。「縦横種別」は、媒体IDで特定される表示媒体が縦長表示か横長表示を示す情報が格納される。
【0051】
変換定義組み合わせテーブル42は、「変換定義組み合わせID」(主キー)、「媒体ID」、「ファイル種別ID」、「変換定義ID」のデータ項目を含む。「変換定義組み合わせID」には、「媒体ID」と変換元ファイルの「ファイル種別ID」との組み合わせを特定する識別情報が格納される。「ファイル種別ID」には、変換元ファイルの種別を特定する識別情報が格納される。「変換定義ID」には、変換後の形式に関する情報を特定する識別情報が格納される。
【0052】
変換定義テーブル43は、「変換定義ID」(主キー)、「変換定義名」、「動画/静止画区分」、「回転有無」、「変換後解像度」、「ジョブ定義ファイルID」のデータ項目を含む。「変換定義ID」には、変換後の形式に関する情報を特定する識別情報が格納される。「変換定義名」には、変換定義IDに対応する名称が格納される。「動画/静止画区分」には、動画か静止画かを判別する情報が格納される。「回転有無」には、ディスプレイの向きに応じて変換済ファイルの縦横の向きを回転させるか否かを判別する情報が格納される。「変換後解像度」には、変換済ファイルの解像度が格納される。「ジョブ定義ファイルID」には、変換処理部33に実行させるジョブが定義されたファイルを識別する情報(ジョブ定義ファイルID)が格納される。
【0053】
広告会社テーブル44は、「広告会社ID」(主キー)、「広告会社名」、「広告会社略名」のデータ項目を含む。「広告会社ID」には、広告会社を識別する識別情報が格納される。「広告会社名」には、広告会社IDに対応する広告会社の名称が格納される。「広告会社略名」には、広告会社IDに対応する広告会社の名称の略称が格納される。
【0054】
媒体会社テーブル45は、「媒体会社ID」(主キー)、「媒体会社名」、「媒体会社略名」のデータ項目を含む。「媒体会社ID」には、媒体会社を識別する識別情報が格納される。「媒体会社名」には、媒体会社IDに対応する媒体会社の名称が格納される。「媒体会社略名」には、媒体会社IDに対応する媒体会社の名称の略称が格納される。
【0055】
ジョブ定義テーブル46は、「ジョブ定義ファイルID」(主キー)、「名前(メモ)」、「ファイル名」のデータ項目を含む。「ジョブ定義ファイルID」には、ジョブ定義ファイルIDが格納される。「名前(メモ)」には、ジョブ定義ファイルIDに対応する名称であって入力担当者が任意で設定した名称が格納される。「ファイル名」には、ジョブ定義ファイルのファイル名(システム上で管理する固有のファイル名)が格納される。
【0056】
ファイル種別テーブル47は、「ファイル種別ID」、「ファイル種別名」のデータ項目を含む。「ファイル種別ID」には、ファイルデータの種別を識別する識別情報が格納される。「ファイル種別名」には、ファイル種別IDに対応するファイル種別の名称が格納される。
【0057】
ここで、変換定義組み合わせテーブル42に関して、媒体IDとファイル種別IDとは、1対多の関係であり、ファイル種別IDと変換定義IDとは1対多の関係である。このように定義する理由としては、指定した表示媒体の入稿仕様(その表示媒体自体の本来の入稿仕様)が複数の動画の符号化及び複合化(コーデック)を許可している場合があるが、その場合、変換後の動画コーデックを1つに決める運用を想定しておらず、上記のように変換元ファイルのコーデックによってエンコーダについてのジョブ定義ファイルを使い分けることを想定している。ジョブ定義ファイルは、1ファイルで1コーデックしか定義しない。また、ある場合に対して、複数のジョブ定義ファイル36が存在する場合には、複数の変換済ファイルを生成する場合がある。
【0058】
アップロードした素材が静止画の場合には、第1の実施形態では、一例として、「回転有無」、「変換後解像度」の2つの情報で変換する。
【0059】
図6は、第1の実施形態における許容形式情報の一例を説明する図である。許容形式情報37としては、動画ファイルの場合には、そのファイルデータの種別(コンテナフォーマット)に応じて、フレームサイズ、アスペクト比、映像コーデック、ビットレート、音声等に関する定義が予め決められている。また、静止画の場合には、そのファイルデータの種別(コンテナフォーマット)に応じて、フレームサイズ、回転等に関する定義が予め決められている。
【0060】
図7は、第1の実施形態における変換元ファイルから表示媒体に応じた変換元ファイルの形式変換の手順を説明する図である。広告会社12は、媒体IDで指定して、変換元ファイルを形式変換サーバ13にアップロードする(S1)。
【0061】
アップロードされた変換元ファイルが許容された形式に適合する場合、メイン処理部32は、ファイル種別テーブル47から変換元ファイルの種別に対応するファイル種別IDを取得する。メイン処理部32は、指定された媒体IDと取得したファイル種別IDをキーとして、変換定義組み合わせテーブル42から変換定義IDを取得する。メイン処理部32は、取得した変換定義IDをキーとして、変換定義テーブル43から、取得した変換定義IDに対応するジョブ定義ファイルIDを取得する(S2、S3)。
【0062】
メイン処理部32は、ジョブ定義ファイル群36から、取得したジョブ定義ファイルIDに対応するジョブ定義ファイルを取得する(S4、S5)。メイン処理部32は、変換元ファイルと、取得したジョブ定義ファイルとを変換処理部33に入力する(S6)。すると、変換処理部33は、ジョブ定義ファイルに基づいて、変換元ファイルの形式を変換し、その結果得られた変換済ファイルをメイン処理部32へ返す(S7)。
【0063】
広告会社12は、必要に応じて、変換済ファイルをダウンロードする(S8)。
【0064】
図8は、第1の実施形態における「表示媒体」と「ファイル種別」との組み合わせに基づいて決定される「変換設定」について説明する図である。
図8の内容は、
図7のS2~S3におけるメイン処理部32のDB35への問い合わせに関するものである。メイン処理部32は、変換定義組み合わせテーブル42に対して、媒体テーブル41と変換定義テーブル43とファイル種別テーブル47を関係付け、データ項目「媒体名」とデータ項目「変換ファイル名」とデータ項目「ファイル種別名」を選択する。
【0065】
図8より、メイン処理部32は、S2例えば媒体Aについては、変換元ファイルの種別(「ファイル種別名」)が「jpeg」の場合、「変換設定A」を取得する。なお、媒体Aについては、
図8に記載されたファイル変換名以外については変換が拒否される。
【0066】
また、
図8より、メイン処理部32は、例えば媒体Bについては、変換元ファイルのデータ種別(「ファイル種別名」)が「jpeg」の場合、「変換設定B」を取得する。なお、媒体Bについては、
図8に記載されたファイル変換名以外については変換が拒否される。
【0067】
ただし、データ項目「媒体名」とデータ項目「ファイル種別名」より、データ項目「変換定義名」が一意に決まるものではない。例えば、「媒体C」に関しては、「媒体C」と「MPEG」に対して、3種類の変換定義名(「変換設定C1」、「変換設定C2」、「変換設定C3」)が存在する。また、「媒体C」と「MP4」に対して、2種類の変換定義名(「変換設定C1」、「変換設定C3」)が存在する。なお、媒体Cについては、
図8に記載されたファイル変換名以外については変換が拒否される。
【0068】
図9は、第1の実施形態における変換処理部による変換元ファイルがMXFファイルの場合における変換処理を説明する図である。テレビCM素材のMXFファイルは、広告放映用形式として使用されるものであって、例えば、
図9の構成となっている。
【0069】
図9に示すように、MXFファイルは、概して、例えば、ヘッダ、ペイロード、及びフッタから構成されている。ヘッダには、例えば「カラーバー」、「クレジット」、「ファーストカット」が含まれる。ペイロードには、実データとして、CM部分(本編部分)が含まれる。フッタには、例えば「ラストカット」が含まれる。
なお、本実施形態で広告放送用形式のファイルとして、テレビCM用のものを用いたが、これに限定されず、例えば、インターネットCM用の動画データであってもよく、仕様によっては他の用途で用いられる媒体データであってもよい。
【0070】
第1の実施形態では、メイン処理部32は、MXFファイルからペイロード(CM部分)を抽出した動画データ(完全パケットメディア動画)を変換処理部33にエンコードさせる。
【0071】
より具体的には、メイン処理部32は、ジョブ定義ファイル36内のScript記述箇所に、MXFファイルにおける、タイムコード上のIN点(CM開始地点)とOUT点(CM終了地点)を指定する処理を書き換える。このIN点は、例えば、10秒地点と静的に定めることができるが、OUT点は10秒地点+変換元ファイルのCM部分の尺秒数を計算し、Script記述を書き換えてエンコードを投入する。
【0072】
図10は、第1の実施形態におけるメイン処理部の形式変換処理のフローチャートを示す図である。メイン処理部32は、アップロードされた変換元ファイルと媒体IDとを取得すると(S11)、許容形式情報37に基づいてその変換元ファイルの形式が許容された形式に適合しているかをチェックする(S12)。変換元ファイルの形式が許容された形式に適合していない場合には(S13でNO)、本フローは終了する。
【0073】
変換元ファイルの形式が許容された形式に適合している場合には(S13でYES)、メイン処理部32は、ファイル種別テーブル47から変換元ファイルの種別(ファイル種別)に対応するファイル種別IDを取得する(S14)。メイン処理部32は、指定された媒体IDと取得したファイル種別IDをキーとして、変換定義組み合わせテーブル42から変換定義IDを取得する(S15)。
【0074】
メイン処理部32は、取得した変換定義IDをキーとして、変換定義テーブル43から、ジョブ定義ファイルIDを取得する(S16)。メイン処理部32は、ジョブ定義ファイル群36から、取得したジョブ定義ファイルIDに対応するジョブ定義ファイルを取得する(S17)。
【0075】
ここで、メイン処理部32は、変換元ファイルがMXFファイルの場合、MXFファイルにおけるペイロード部分(CM)の開始位置及び終了位置に応じて、ジョブ定義ファイル内のエンコード開始位置とエンコードの終了地点を書き換える(S18)。
【0076】
メイン処理部32は、ジョブ定義ファイル(S18で書き換えられた場合は書き換え後のジョブ定義ファイル)に基づいて、変換処理部33に、変換元ファイルの形式変換処理を実行させる(S19)。
【0077】
第1の実施形態によれば、所定の形式で形成された変換元ファイルを表示媒体に応じて、予め設定された形式に変換することができるので、複数の媒体社毎に応じたファイルデータの提供の際の負担の軽減を図ることができる。
【0078】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、変換済ファイルを広告会社が各媒体社に提供したが、第2の実施形態では、表示媒体側の方で、必要に応じて変換済ファイル(自社用素材ファイル)を取得できるようにする。
【0079】
図11は、第2の実施形態における配信システムの全体の流れを説明する概要図である。配信システム50は、第1の実施形態に、さらに配信サーバ51を追加したものである。なお、第2の実施形態に係る配信システムでは、セキュリティの観点から、配信サーバ51が形式変換サーバ13とは別のサーバであるものとして説明するが、これに限定されず、配信サーバ51は、形式変換サーバ13の機能の一部であってもよい。
【0080】
広告会社12は、第1の実施形態で説明したように媒体IDで指定して、変換元ファイルを形式変換サーバ13にアップロードすると共に、変換元ファイルのメタデータとして、例えば、「広告主」、「コンテンツ名」、「放映媒体」、「使用期限」等を登録する。形式変換サーバ13は、第1の実施形態で説明したように変換元ファイルを表示媒体に応じた形式に変換し、この変換された変換済ファイルを素材ファイルとして配信サーバ51に登録すると共に、放映対象の表示媒体を指定する(S21)。なお、配信サーバ51にアップロードされた素材ファイルはアップロードから所定期間経過すると、配信サーバ51によって削除される。
【0081】
それから、広告会社12は、各媒体社の担当者に対して、配信サーバ51において管理される素材ファイルの識別情報(素材ID)を通知する。これにより、媒体社14の担当者は、その素材ファイルを特定することができる。
【0082】
配信サーバ51には、他のPCがアクセスして変換済ファイルをダウンロード可能なようにアプロケーションプログラムインターフェース(API)が搭載されている。これにより、媒体社14のPC23では、例えば、WEBブラウザを介して、配信サーバ51にアクセスし(S22)、所望の変換済ファイルをダウンロードすることができる。
【0083】
例えば、媒体社14のユーザは、媒体社14のPC23を用いて、WEBブラウザを介して、配信サーバ51にアクセスし、ステータス情報を確認して、配信サーバ51の稼働状況を確認する(S23)。ステータス情報が正常稼働を示す場合には、ユーザは、PC23を用いて、媒体社ID/媒体IDにより自社社宛ての広告素材ファイル一覧を取得する(S24)。次に、ユーザは、PC23を操作して、素材ファイル一覧から、素材IDにより変換済み素材ファイルを取得する(S25)。さらに、ユーザは、PC23を操作して、マスターデータ(媒体社マスタ、媒体名マスタ、広告会社マスタ、広告主マスタ)を取得することができる。
【0084】
このように、媒体社14では、自社の表示媒体に紐づく素材ファイルをAPIで配信サーバ51より取得することができる。APIを用いて、自社の放映指示システム上で配信サーバ51に登録された素材ファイルを取得し、利用することができる。また、APIを用いて、原則、何度でも素材ファイルを取得することができる。APIの使用期限が到来する場合、APIを用いて配信サーバ51から素材ファイルを取得することができなくなる。
【0085】
図12は、第2の実施形態における素材ファイル取得画面の一例を示す図である。素材ファイル取得画面61は、画面名欄62、絞り込み条件入力欄63,64,65、「絞り込み」ボタン66、素材ファイル一覧67を含む。
【0086】
画面名欄62には、ログイン時に入力された媒体社IDに対応する媒体社名の登録済み素材ファイル一覧を示す画面名が表示される。絞り込み条件入力欄63,64,65には、素材ファイル一覧67に表示させる素材ファイルの絞り込み条件を入力することができる。「絞り込み」ボタン66は、絞り込み条件入力欄63,64,65に入力した絞り込み条件について絞り込みを実行する場合に押下するボタンである。
【0087】
素材ファイル一覧67には、配信サーバ51より登録され、利用可能な素材ファイル(変換済ファイル)が表示される。素材ファイル一覧67は、「No」68、「サムネイル」69、「広告主」70、「タイトル」71、「秒数」72、「登録日時」73、「媒体指定確認」74、「変換ファイル取得」75の項目を含む。
【0088】
「No」68には、素材ファイル一覧67に表示された素材ファイルのレコード順に昇順で番号が表示される。「サムネイル」69には、素材ファイル69の内容を視覚的に確認できるようにサムネイルが表示される。「広告主」70には、その素材ファイルの広告主名が表示される。「タイトル」71には、その素材ファイルのタイトルが表示される。「秒数」72には、その素材ファイルの放映時間が表示される。「登録日時」73には、その素材ファイルが配信サーバ51に登録された日時が表示される。「媒体指定確認」74には、その素材ファイルをどの媒体用に登録したのかを確認、変更する場合に押下するボタンが表示される。「変換ファイル取得」75には、その素材ファイルをダウンロードする場合に押下するボタンが表示される。
【0089】
第2の実施形態によれば、配信サーバ51にアップロードされた変換済ファイルを素材ファイルとして、各媒体社は、APIを介して必要に応じてダウンロードすることができる。
【0090】
図13は、本発明の実施形態におけるプログラムを実行するコンピュータのハードウェア環境の構成ブロック図の一例である。コンピュータ81は、形式変換サーバ13、配信サーバ51、PC21,22,23として機能する。コンピュータ81は、CPU82、ROM83、RAM84、記憶装置85、入力I/F86、出力I/F87、通信I/F88、読取装置89、バス39によって構成されている。
【0091】
ここで、CPUは、中央演算装置を示す。ROMは、リードオンリメモリを示す。RAMは、ランダムアクセスメモリを示す。I/Fは、インターフェースを示す。バス39には、CPU82、ROM83、RAM84、記憶装置85、入力I/F86、出力I/F87、通信I/F88、及び読取装置89が接続されている。
【0092】
CPU82は、記憶装置85から本実施形態に係るプログラムを読み出し、制御部31として当該プログラムを実行する。ROM83は、読み出し専用のメモリを示す。RAM84は、一時的に記憶するメモリである。
【0093】
記憶装置85は、大容量の情報を記憶する装置である。記憶装置85としては、ハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリカードなど様々な形式の記憶装置を使用することができる。記憶装置85には、本発明の実施形態に係るプログラムが格納されている。また、コンピュータ81が形式変換サーバ13である場合には、記憶装置85には、記憶部34として、DB35,ジョブ定義ファイル群36、許容形式情報37等が記憶されている。
【0094】
入力I/F86は、キーボード、マウス、電子カメラ、ウェブカメラ、マイク、スキャナ、センサ、タブレット、タッチパネル等の入力装置と接続することが可能である。また、出力I/F87は、ディスプレイ、タッチパネル、プリンタ、スピーカ等の出力装置と接続することが可能である。
【0095】
コンピュータ81が形式変換サーバ13である場合には、通信I/F88は、入出力部38として、通信ネットワークと接続して他の装置と通信するためのポート等のインターフェースである。また、コンピュータ81がPC22,23である場合にはそれぞれ、通信部3a、受信部4aとして、通信I/F88は、通信ネットワークと接続して他の装置と通信するためのポート等のインターフェースである。通信ネットワークは、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、専用線、有線、無線等の通信網であってよい。読取装置89は、可搬型記録媒体を読み出す装置である。
【0096】
上記実施形態で説明した処理を実現するプログラムは、プログラム提供者側から通信ネットワーク24、および通信I/F88を介して、例えば記憶装置85に格納されてもよい。また、上記実施形態で説明した処理を実現するプログラムは、市販され、流通している可搬型記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、この可搬型記憶媒体は読取装置89にセットされて、CPU82によってそのプログラムが読み出されて、実行されてもよい。可搬型記憶媒体としてはCD-ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、USBメモリ装置、半導体メモリカードなど様々な形式の記憶媒体を使用することができる。このような記憶媒体に格納されたプログラムが読取装置89によって読み取られる。
【0097】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 ファイル形式変換システム
2 ファイル形式変換装置
2a 記憶部
2b 取得部
2c 抽出部
2d 変換部
2e 送信部
3 第1の通信端末
3a 通信部
4 第2の通信端末
4a 受信部
10 形式変換システム
11 制作会社
12 広告会社
13 形式変換サーバ
14(14a,14b,14c) 媒体社
21,22,23(23a,23b,23c) PC
24 通信ネットワーク
31 制御部
32 メイン処理部
33 変換処理部
34 記憶部
35 DB
36 ジョブ定義ファイル群
37 許容形式情報
41 媒体テーブル
42 変換定義組み合わせテーブル
43 変換定義テーブル
44 広告会社テーブル
45 媒体会社テーブル
46 ジョブ定義テーブル
47 ファイル種別テーブル
51 配信サーバ