(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】監視方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220307BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20220307BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20220307BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
H04N5/232 290
G06T7/20 300Z
G06T7/00 510F
H04N7/18 D
H04N7/18 G
H04N7/18 K
(21)【出願番号】P 2018097137
(22)【出願日】2018-05-21
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田副 佑典
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 廣大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊雄
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-049369(JP,A)
【文献】特開2008-199549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G06T 7/20
G06T 7/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置で実行される監視方法であって、
撮像部により所定位置の人物を撮像して得られる動画像を取得し、
前記動画像を構成するフレームに含まれる人物画像を検出し、
連続する前記フレーム間で同一人物の前記人物画像を追跡し、
同一人物の前記人物画像の中から、第1指標に基づいて、ベストショット画像を選択する第1選択処理を実行し、
前記第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度を算出し、
前記第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値より低い場合、同一人物の前記人物画像の中から、第2指標に従って、ベストショット画像を選択する第2選択処理を実行し、
前記第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が前記第1閾値以上である場合、前記第1選択処理により選択されるベストショット画像と、予め登録される人物画像と、を用いて、前記人物の認証処理を実行し、
前記第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が前記第1閾値より低い場合、前記第2選択処理により選択されるベストショット画像と、前記予め登録された人物画像と、を用いて、前記人物の認証処理を実行し、
前記人物の認証処理の実行結果を表示する、ことを含み、
前記第2指標は、深層学習を用いて算出される、前記認証処理に適した指標である、監視方法。
【請求項2】
前記第2指標は、前記第1指標とは異なる指標である請求項1に記載の監視方法。
【請求項3】
前記第2選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度を算出し、
前記第2選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が第2閾値より低い場合、前記第1指標および前記第2指標を変更する、
ことをさらに含む請求項1または2に記載の監視方法。
【請求項4】
前記人物の認証処理の結果に基づいて、前記第1選択処理および前記第2選択処理におけるベストショット画像の選択方法を変更することをさらに含む請求項1から3のいずれか一に記載の監視方法。
【請求項5】
前記認証処理に用いるベストショット画像と、前記予め登録される人物画像との類似度を算出し、前記類似度に基づいて、前記人物の認証処理を実行し、
前記認証処理に用いる各ベストショット画像について算出される前記類似度の順位と、当該各ベストショット画像のベストショット度の順位と、に基づいて、前記第1選択処理および前記第2選択処理におけるベストショット画像の選択方法を変更する、請求項4に記載の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物を撮像して得られる動画像から、人物の顔を検出し、検出した人物の顔を追跡し、その追跡結果から、人物の顔のベストショット画像を選択し、選択したベストショット画像を用いて人物の認証処理を実行する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-33132号公報
【文献】特開2016-157165号公報
【文献】特開2013-65118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、人物の顔のベストショット画像の選択に際して、人物の認証処理に適した人物の顔が選択されない場合があり、人物の認証処理の分野において、人物の認証処理に最適な画像を選択することに対して有効な選択方法が確立されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の監視方法は、監視装置で実行され、撮像部により所定位置の人物を撮像して得られる動画像を取得し、動画像を構成するフレームに含まれる人物画像を検出し、連続するフレーム間で同一人物の人物画像を追跡し、同一人物の人物画像の中から、第1指標に基づいて、ベストショット画像を選択する第1選択処理を実行し、第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度を算出し、第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値より低い場合、同一人物の人物画像の中から、第2指標に従って、ベストショット画像を選択する第2選択処理を実行し、第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値以上である場合、第1選択処理により選択されるベストショット画像と、予め登録される人物画像と、を用いて、人物の認証処理を実行し、第1選択処理により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値より低い場合、第2選択処理により選択されるベストショット画像と、予め登録された人物画像と、を用いて、人物の認証処理を実行し、人物の認証処理の実行結果を表示する、ことを含む、第2指標は、深層学習を用いて算出される、認証処理に適した指標である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態にかかる監視システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態にかかる監視システムにおける人物の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第2の実施形態にかかる監視システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第2の実施形態にかかる監視システムにおける人物の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる監視方法を適用した監視システムについて説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる監視システムの構成の一例を示す図である。本実施形態にかかる監視システムは、UI(User Interface)11と、撮像部12と、監視装置13と、を備える。UI11および撮像部12は、バス201を介して、監視装置13に接続されている。
【0009】
UI11は、表示装置111と、入力装置112と、を有する。表示装置111は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等であり、各種画像を表示する。
【0010】
入力装置112は、キーボード、マウス、スイッチ、マイク等であり、ユーザが各種操作指示を入力可能である。また、UI11は、表示装置111および入力装置112の両方の機能を有するタッチパネルであっても良い。
【0011】
撮像部113は、デジタルカメラ等であり、所定位置(例えば、駅の通路)を通過する認証対象物(例えば、人物の顔)を撮像可能に設けられる。そして、撮像部113は、所定位置を撮像して得られる動画像(撮像画像)を監視装置13に出力する。本実施形態では、撮像部113は、所定位置を通過する人物の顔を正面から撮像可能に設けられる監視カメラである。
【0012】
監視装置13は、撮像部113から出力される動画像を用いて、所定位置を通過する人物の認証処理を実行する。本実施形態では、監視装置13は、第1処理部131、第2処理部132、記憶部133、および通信部134を有する。第1処理部131、第2処理部132、記憶部133、および通信部134は、バス201を介して、互いに接続されている。
【0013】
記憶部133は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であり、後述する第1処理部131および第2処理部132により実行されるプログラム等の各種情報を記憶する。また、記憶部133は、第1処理部131および第2処理部132の作業領域として機能する。記憶部133は、複数の記憶媒体によって構成されていても良い。
【0014】
通信部134は、有線または無線で接続される外部装置と各種情報を送受信するためのインタフェースである。
【0015】
第1処理部131は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部133に記憶されるプログラムを実行することによって、画像取得部135、検出部136、追跡部137、第1計算部138、第1判定部139、および照合部140を実現する。第2処理部132は、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部133に記憶されるプログラムを実行することによって、第2計算部141を実現する。
【0016】
本実施形態では、画像取得部135、検出部136、追跡部137、第1計算部138、第1判定部139、照合部140、および第2計算部141は、異なるプロセッサにより実現されているが、1つのプロセッサにより実現されても良い。また、本実施形態では、画像取得部135、検出部136、追跡部137、第1計算部138、第1判定部139、照合部140、および第2計算部141は、回路基板に実装されるプロセッサがプログラムを実行することにより実現されているが、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されても良い。
【0017】
画像取得部135は、撮像部113から出力される動画像を取得する。
【0018】
検出部136は、取得した動画像を構成するフレームから、人物の顔を検出する。本実施形態では、検出部136は、複数の顔の矩形領域を平均化した平均画像をテンプレート(以下、顔テンプレートと言う)として予め作成し、取得した動画像を構成するフレーム内において、顔テンプレートを平行移動、回転、拡大縮小等させながら走査する。そして、検出部136は、フレーム内において、顔テンプレートとの輝度値の差分が最も小さい位置を、人物の顔として検出する。
【0019】
本実施形態では、検出部136は、顔テンプレートを用いて、人物画像を検出しているが、これに限定するものではない。例えば、検出部136は、動画像を構成するフレーム内において、人物が装着する服や装着物等の位置に基づいて、当該人物の胴体を検出し、検出した胴体の上方の領域を、人物の顔として検出しても良い。
【0020】
追跡部137は、連続するフレーム間において同一人物の人物画像を追跡する。そして、追跡部137は、連続するフレームに含まれる同一人物の人物画像を追跡結果(トラックレット)として取得する。本実施形態では、追跡部137は、連続するフレームにおいて検出される人物画像が重なる面積が所定値以上である場合、当該人物画像が、同一人物の人物画像と判断する。
【0021】
一方、追跡部137は、連続するフレームにおいて検出される人物画像が重なる面積が所定値より小さい場合、当該人物画像が、異なる人物の人物画像と判断する。そして、追跡部137は、連続するフレームにおいて検出される人物画像が、異なる人物の人物画像であると判断した場合、人物画像の追跡を終了する。
【0022】
本実施形態では、追跡部137は、連続するフレームにおいて検出される人物画像が、異なる人物の人物画像であると判断した場合、直ちに、人物画像の追跡を終了させているが、これに限定するものではない。例えば、追跡部137は、連続するフレームにおいて検出される人物画像が異なる人物の人物画像であると判断された後、予め設定された数のフレームまで、人物画像の追跡を継続し、その後、人物画像の追跡を終了させても良い。
【0023】
第1計算部138は、同一人物の人物画像(同一人物の人物画像の追跡結果であるトラックレット)の中から、第1指標に基づいて、ベストショット画像を選択する第1選択処理を実行する。ここで、ベストショット画像は、人物画像を用いた人物の認証処理に適した画像である。また、第1指標は、ベストショット画像を選択するための指標であり、例えば、ベストショット画像として選択する画像に関わる画像情報(例えば、画像のサイズやブラー)である。
【0024】
また、第1計算部138は、ベストショット画像の属性(例えば、顔の隠蔽、顔の表情、顔に対する眼鏡等の装着物の有無、顔の向き、予め登録された人物画像との類似度)に基づいて、回帰式によって、第1指標を算出しても良い。また、第1計算部138は、ベストショット画像となる顔の隠蔽度(オクルージョン)を第1指標として予め学習しておき、当該学習した隠蔽度と、追跡部137により追跡した人物画像の隠蔽度とを比較して、第1ベストショット画像を選択しても良い。
【0025】
本実施形態では、第1計算部138は、第1指標に基づいて、同一人物の人物画像に対して、ベストショット画像の度合い(以下、ベストショット度と言う)を算出する。例えば、第1計算部138は、浮動小数点の数値でベストショット度を算出する。そして、第1計算部138は、算出したベストショット度が予め設定された値以上の人物画像をベストショット画像として選択する。また、第1計算部138は、ランダムフォレストやブースティング等の回帰によって、ベストショット度を算出しても良い。
【0026】
第1判定部139は、第1計算部138によって選択されるベストショット画像の信頼度を算出する。そして、第1判定部139は、算出した信頼度が第1閾値以上である場合、第1計算部138により選択されるベストショット画像を信頼すると判定する。一方、第1判定部139は、算出した信頼度が第1閾値より低い場合、第1計算部138により選択されるベストショット画像を信頼しないと判定する。ここで、第1閾値は、予め設定された閾値であり、第1計算部138により選択されるベストショット画像を信頼すると判定する信頼度の下限である。
【0027】
本実施形態では、第1判定部139は、1つのトラックレットに含まれるベストショット画像のベストショット度の平均および分散に基づいて、第1計算部138により選択されるベストショット画像を、信頼するまたは信頼しないに分類する二項分類を行う。
【0028】
例えば、第1判定部139は、人物の認証に成功したベストショット画像のベストショット度(言い換えると、正解のベストショット度)を学習して得られるベストショット度の平均および分散を求める。そして、第1判定部139は、学習により得られるベストショット度の平均および分散と、1つのトラックレットに含まれるベストショット画像のベストショット度の平均および分散とを比較して、ベストショット画像を、信頼するまたは信頼しないに分類する二項分類を行う。
【0029】
第2計算部141は、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値より低い場合に、同一人物の人物画像の中から、第2指標に基づいて、ベストショット画像を選択する第2選択処理を実行する。ここで、第2指標は、CNN(Convolution Neural Network)等の深層学習によって算出される、人物の認証処理(後述する照合部140により実行される認証処理)に適した指標である。これにより、人物の自動的な認証処理に適したベストショット画像を選択できるので、人物の認証処理の精度を向上させることができる。本実施形態では、第2指標は、第1指標とは異なる指標であるものとする。例えば、第2指標は、画像情報、顔の隠蔽度、ベストショット画像の属性等である。
【0030】
照合部140は、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値以上である場合、第1計算部138により選択されるベストショット画像と、予め登録される人物画像と、を用いて、人物の認証処理を実行する。また、照合部140は、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値より低い場合、第2計算部141により選択されるベストショット画像と、予め登録される人物画像と、を用いて、人物の認証処理を実行する。
【0031】
本実施形態では、照合部140は、第1計算部138または第2計算部141により選択されるベストショット画像と、予め登録される人物画像と、の類似度を浮動小数点の数値で算出する。そして、照合部140は、算出した類似度と、予め設定される閾値との大小関係に基づいて、人物の認証処理を実行する。具体的には、照合部140は、算出した類似度が予め設定される閾値以上である場合、人物の認証処理に成功したと判断する。一方、照合部140は、算出した類似度が予め設定される閾値より小さい場合、人物の認証処理に失敗したと判断する。
【0032】
そして、照合部140は、人物の認証処理の実行結果を、表示装置111に表示させる。本実施形態では、照合部140は、第1計算部138または第2計算部141により選択されるベストショット画像と、予め登録される人物画像と、人物の認証処理の実行結果と、を含む画面を表示装置111に表示させる。その際、人物の認証処理の実行結果は、人物の認証処理が成功したかまたは失敗したかを文章で示すものであっても良いし、〇や×等の記号や、絵、アニメーション等であっても良い。
【0033】
図2は、第1の実施形態にかかる監視システムにおける人物の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像取得部135は、撮像部113から出力される動画像を取得する(ステップS210)。
【0034】
検出部136は、画像取得部135により取得される動画像を構成する各フレームから、人物画像の一例である顔を検出する(ステップS211)。その際、検出部136は、各フレームに含まれる全ての顔を検出しても良いし、各フレームの予め設定された位置(例えば、フレームの中央部)に位置する顔のみを検出しても良いし、または予め設定された顔のみを検出しても良い。
【0035】
追跡部137は、連続するフレーム間において同一人物の顔を追跡する(ステップS212)。そして、追跡部137は、連続するフレームに含まれる同一人物の顔をトラックレットとして取得する。
【0036】
第1計算部138は、第1指標に基づいて、追跡部137により取得されるトラックレットに含まれる複数の顔それぞれのベストショット度を算出し、算出したベストショット度が最も高い顔をベストショット画像として選択する(ステップS213)。または、第1計算部138は、算出したベストショット度が高い顔から順に、予め設定された数N(N>1)の顔をベストショット画像として選択しても良い。
【0037】
第1判定部139は、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度を算出する(ステップS214)。例えば、第1判定部139は、第1計算部138により選択されるベストショット画像のベストショット度の平均を、信頼度として算出する。そして、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値以上である場合(ステップS215:Yes)、照合部140は、第1計算部138により選択されるベストショット画像と、予め登録される顔と、を用いて、人物の認証処理を実行する(ステップS216)。その後、照合部140は、人物の認証処理の実行結果を、表示装置111に表示させる(ステップS217)。
【0038】
一方、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値より低い場合(ステップS215:No)、第2計算部141は、第2指標に基づいて、追跡部137により取得されるトラックレットに含まれる複数の顔それぞれのベストショット度を算出し、算出したベストショット度が最も高い顔をベストショット画像として選択する(ステップS218)。または、第2計算部141は、算出したベストショット度が高い顔から順に、予め設定された数N(N>1)の顔をベストショット画像として選択しても良い。
【0039】
この場合、照合部140は、第2計算部141により選択されるベストショット画像と、予め登録される顔と、を用いて、人物の認証処理を実行する(ステップS216)。そして、照合部140は、人物の認証処理の実行結果を、表示装置111に表示させる(ステップS217)。
【0040】
照合部140は、第1計算部138または第2計算部141によってベストショット画像がN個(N>1)選択された場合、N個のベストショット画像のそれぞれと、予め登録される顔と、の類似度を算出する。そして、照合部140は、N個のベストショット画像のうち、予め設定された類似度のベストショット画像を選択する。または、照合部140は、N個のベストショット画像の中から、深層学習(例えば、Max Out方式)により、人物の認証処理に適したベストショット画像を選択しても良い。その後、照合部140は、選択されたベストショット画像と、予め登録される顔と、を用いて、人物の認証処理を実行する。
【0041】
このように、第1の実施形態にかかる監視システムによれば、人物の自動的な認証処理に適したベストショット画像を選択できるので、人物の認証処理の精度を向上させることができる。
【0042】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第2計算部により選択されるベストショット画像の信頼度が予め設定される閾値以下である場合、第1指標および第2指標を変更する例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0043】
図3は、第2の実施形態にかかる監視システムの構成の一例を示す図である。本実施形態にかかる監視システムは、UI11と、撮像部12と、監視装置300と、指標保存部301と、を備える。UI11、撮像部12、および指標保存部301は、バス201を介して、監視装置300に接続されている。指標保存部301は、監視装置300の外部装置(例えば、サーバ)が有する記憶装置によって実現され、第1指標および第2指標として選択可能な指標の候補を記憶する。
【0044】
本実施形態では、監視装置300の第1処理部302は、記憶部133に記憶されるプログラムを実行することによって、画像取得部135、検出部136、追跡部137、第1計算部138、第1判定部139、変更部303、照合部140、および適用部304を実現する。また、監視装置300の第2処理部305は、記憶部133に記憶されるプログラムを実行することによって、第2計算部141、および第2判定部306を実現する。
【0045】
第2判定部306は、第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度を算出する。本実施形態では、第2判定部306は、第1判定部139と同様にして、第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度を算出するものとする。
【0046】
変更部303は、第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度が第2閾値以下である場合に、第1指標および第2指標を変更する。これにより、ベストショット画像の信頼度に応じて、ベストショット画像の選択に用いる指標を動的に変更できるので、監視システムの設置環境が変化した場合でも、当該設置環境に適した指標を用いて、ベストショット画像を選択することができる。ここで、第2閾値は、予め設定された閾値であり、第2計算部141により選択されるベストショット画像を信頼すると判定する信頼度の下限である。
【0047】
本実施形態では、変更部303は、通信部134を介して、指標保存部301にアクセスして、指標保存部301に記憶されている指標の中から、第1指標および第2指標として用いる指標を読み出す。そして、変更部303は、読み出した指標によって、第1指標および第2指標を変更する。
【0048】
本実施形態では、変更部303は、指標保存部301に記憶される指標の中から、ベストショット画像の信頼度が高くなる指標を読み出し、当該読み出した指標によって第1指標および第2指標を変更している。例えば、変更部303は、撮像部12の画角に基づいて、ベストショット画像の信頼度が高くなる指標を特定し、当該特定した指標によって第1指標および第2指標を変更する。例えば、駅の監視カメラ等のように天井付近に撮像部12が設置されて、当該撮像部12の画角が人物を上方から見た画角なる場合と、人物の頭部の高さ付近でありかつ地面と平行に撮像部12が設置されて、当該撮像部12の画角が人物を正面から見た画角となる場合とでは、人物画像における人物の見え方が異なる。そのため、変更部303は、ベストショット画像の信頼度が高くなるように、それぞれの画角に適した指標を特定し、当該特定した指標によって第1指標および第2指標を変更する。
【0049】
適用部304は、照合部140による人物の認証処理の結果に基づいて、第1計算部138および第2計算部141によるベストショット画像の選択方法を変更する。これにより、第1計算部138または第2計算部141により選択されるベストショット画像と、照合部140による人物の認証処理に適した人物画像とに差異がある場合に、人物の認証処理に適したベストショット画像が選択されるように、第1計算部138および第2計算部141によるベストショット画像の選択方法を逐次変更できるので、人物の認証処理の精度を向上させることができる。
【0050】
本実施形態では、適用部304は、人物の認証処理に用いる各ベストショット画像(第1計算部138または第2計算部141により選択される各ベストショット画像)と、当予め登録される人物画像と、の類似度の順位(以下、本人類似度順位と言う)を求める。また、適用部304は、人物の認証処理に用いる各ベストショット画像のベストショット度の順位(以下、ベストショット順位と言う)を求める。
【0051】
そして、適用部304は、本人類似度およびベストショット順位に基づいて、第1計算部138および第2計算部141によるベストショット画像の選択方法を変更する。例えば、本人類似度が1位のベストショット画像のベストショット順位が、本人類似度が2位以下のベストショット画像のベストショット順位より低い場合、適用部304は、ベストショット順位が2位以下の人物画像をベストショット画像として選択する選択方法を、第1計算部138および第2計算部141に適用する。
【0052】
図4は、第2の実施形態にかかる監視システムにおける人物の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態では、第2計算部141によってベストショット画像が選択されると(ステップS218)、第2判定部306は、第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度を算出する。そして、第2判定部306は、算出した信頼度が第2閾値以上であるか否かを判断する(ステップS401)。
【0053】
第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度が第2閾値より低い場合(ステップS401:No)、変更部303は、第1指標および第2指標を変更する(ステップS402)。監視装置300は、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値以上となるまで、または第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度が第2閾値以上となるまで、ステップS213~ステップS217、ステップS401、およびステップS402に示す処理を繰り返す。
【0054】
そして、第1計算部138により選択されるベストショット画像の信頼度が第1閾値以上となった場合(ステップS215:Yes)、照合部140は、第1の実施形態と同様にして、第1計算部138により選択されるベストショット画像と、予め登録される顔と、を用いて、人物の認証処理を実行する(ステップS218)。また、第2計算部141により選択されるベストショット画像の信頼度が第2閾値以上となった場合(ステップS401:Yes)、照合部140は、第1の実施形態と同様にして、第2計算部141により選択されるベストショット画像と、予め登録される顔と、を用いて、人物の認証処理を実行する(ステップS218)。
【0055】
その後、適用部304は、照合部140による人物の認証処理の結果に基づいて、第1計算部138および第2計算部141によるベストショット画像の選択方法を変更する(ステップS403)。
【0056】
このように、第2の実施形態にかかる監視システムによれば、ベストショット画像の信頼度に応じて、ベストショット画像の選択に用いる指標を動的に変更できるので、監視システムの設置環境が変化した場合でも、当該設置環境に適した指標を用いて、ベストショット画像を選択することができる。
【0057】
以上説明したとおり、第1,2の実施形態によれば、人物の自動的な認証処理に適したベストショット画像を選択できるので、人物の認証処理の精度を向上させることができる。
【0058】
本実施形態の監視装置13,300で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0059】
また、本実施形態の監視装置13,300で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の監視装置13,300で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態の監視装置13,300で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0060】
本実施形態の監視装置13,300で実行されるプログラムは、上述した各部(画像取得部135、検出部136、追跡部137、第1計算部138、第1判定部139、変更部303、照合部140、適用部304、第2計算部141、および第2判定部306)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはプロセッサが上記記憶媒体から~プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、画像取得部135、検出部136、追跡部137、第1計算部138、第1判定部139、変更部303、照合部140、適用部304、第2計算部141、および第2判定部306が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
11 UI
12 撮像部
13,300 監視装置
111 表示装置
112 入力装置
131,302 第1処理部
132,305 第2処理部
133 記憶部
134 通信部
135 画像取得部
136 検出部
137 追跡部
138 第1計算部
139 第1判定部
140 照合部
141 第2計算部
303 変更部
304 適用部
306 第2判定部