(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】聴覚機器用のマルチアームダイポールアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/00 20060101AFI20220307BHJP
H04R 25/00 20060101ALI20220307BHJP
H01Q 1/44 20060101ALI20220307BHJP
H01Q 5/371 20150101ALI20220307BHJP
【FI】
H01Q7/00
H04R25/00 Z
H01Q1/44
H01Q5/371
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018220689
(22)【出願日】2018-11-26
【審査請求日】2021-06-28
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セーレン クヴィスト
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-042691(JP,A)
【文献】特開2011-010017(JP,A)
【文献】特開2016-178676(JP,A)
【文献】特開2015-111825(JP,A)
【文献】特開2015-111824(JP,A)
【文献】特開2015-156634(JP,A)
【文献】特開2017-147566(JP,A)
【文献】特開平03-114303(JP,A)
【文献】特開2005-347798(JP,A)
【文献】特開2014-007504(JP,A)
【文献】特開2018-201080(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321685(US,A1)
【文献】特開2002-111352(JP,A)
【文献】特開2014-11560(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0063180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
H04R 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
・音声を受信し、当該受信した音声を対応する第1オーディオ信号に変換するマイクロフォンと、
・前記第1オーディオ信号を処理して、当該聴覚機器のユーザの聴力損失を補う第2オーディオ信号を得る信号プロセッサと、
・前記信号プロセッサの出力に接続され、前記第2オーディオ信号を出力音声信号に変換するスピーカと、
・無線データ通信用に構成された無線通信ユニットと、
・電磁場を放射/受信し、
送受信波長(λ)を有する電磁場を放射/受信するように構成され、第1アンテナ素子と、複数のさらなるアンテナ素子とを有
し、各アンテナ素子の長さが前記送受信波長の半分の長さ(λ/2)に対応する、アンテナと、を有し、
前記第1アンテナ素子は第1ブランチと、第2ブランチとを有し、前記第1ブランチと、前記第2ブランチとは前記無線通信ユニットに相互接続され、前記第1ブランチは第1接続領域を有し、前記第2ブランチは第2接続領域を有し、
前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、前記第1接続領域と、前記第2接続領域とを相互接続させる、聴覚機器。
【請求項2】
前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、前記第1アンテナ素子と共に共振アンテナ構造を形成する、請求項1に記載の聴覚機器。
【請求項3】
前記複数のさらなるアンテナ素子は、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む、請求項1または2に記載の聴覚機器。
【請求項4】
前記第1ブランチは、第1給電領域に前記アンテナ構造の第1給電部を有し、前記第2ブランチは、第2給電領域に前記アンテナ構造の第2給電部を有し、前記第1給電領域と前記第2給電領域とは、それぞれ、前記第1ブランチと前記第2ブランチの第1端に沿って設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【請求項5】
前記第1接続領域は、前記第1給電領域から第1距離離間し、前記第2接続領域は、前記第2給電領域から第2距離離間し、当該距離が、前記アンテナ素子に沿って測定される、請求項4に記載の聴覚機器。
【請求項6】
前記第1距離および/または前記第2距離は、前記送受信波長の1/8から3/8であり、さらに/あるいは各アンテナ素子の長さは、前記送受信波長の半分
の長さに対応する、請求項5に記載の聴覚機器。
【請求項7】
前記聴覚機器は、第1面と第2面とを有し、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子のそれぞれは、前記第1面から前記第2面に延在し、さらに/あるいは前記第1接続領域は前記第1面に設けられ、前記第2接続領域は前記第2面に設けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【請求項8】
前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれが、前記第1面から前記第2面に延在し、それにより、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれの少なくとも第1部位が、前記聴覚機器の前記第1面から前記第2面に延在し、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれの中点は、前記第1面から前記第2面に延在する前記アンテナ素子の前記第1部位に設けられる、請求項7に記載の聴覚機器。
【請求項9】
前記アンテナは、電磁場放射の際に、前記アンテナを流れる電流の振幅が、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれの、前記聴覚機器の前記第1面から前記第2面に延在する前記第1部位においてまたはその近傍で最大となるように構成される、請求項8に記載の聴覚機器。
【請求項10】
前記第1ブランチは、前記第1面に沿って延在し、前記第1接続領域は前記第1面に設けられ、前記第2ブランチは、前記第2面に沿って延在し、前記第2接続領域は前記第2面に設けられる、請求項7から9のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【請求項11】
前記第1面に沿って延在する前記第1ブランチと、前記第2面に沿って延在する前記第2ブランチとは、同様の形状および/または形態を有する、請求項10に記載の聴覚機器。
【請求項12】
前記第1アンテナ素子と、前記複数のさらなるアンテナ素子との内の少なくとも2つが、互いに包み込まれる、請求項1から11のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【請求項13】
前記第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれは、前記聴覚機器の前記第1面に沿って、前記第1接続領域から延在する第2部位と、前記聴覚機器の前記第2面に沿って、前記第2接続領域から延在する第3部位とを有し、前記第1アンテナ素子の前記第1ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の前記第2部位とは、蛇行形状および/または形態に配置され、さらに/あるいは前記第1アンテナ素子の前記第2ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の前記第3部位とは、蛇行形状および/または形態に配置される、請求項9から12のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【請求項14】
前記第1アンテナ素子の第1ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の第2部位は、コイル形態に配置され、さらに/あるいは前記第1アンテナ素子の第2ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の第3部位は、コイル形態に配置される、請求項13に記載の聴覚機器。
【請求項15】
複数の前記さらなるアンテナ素子が、異なる平面に設けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの聴力損失を補う聴覚機器等に関する。特に、無線通信機能を有する聴覚機器したがって通信用アンテナを有する聴覚機器等の補聴器のような聴覚機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、聴覚機器は周辺通信機能を拡大させている。例えばリモコン、スパウスマイクロフォン、別の聴覚機器との通信が実現されてきたが、最近ではスマートフォンやその他外部電子機器との直接通信が可能となっている。
【0003】
聴覚機器は非常に小型で繊細な装置であり、上述の通信を実現するために、数多くの電子的および金属的構成要素をハウジング内に有する必要がある。そのハウジングは人の外耳道内または外耳の後ろに装着できる程小さくなくてはならない。このように多くの電子的および金属的構成要素が必要であること、さらに聴覚機器ハウジングが小型である必要があることで、無線通信機能を有する聴覚機器における無線周波数アンテナの使用に関する設計がかなり限定される。アンテナが、電磁場の送受信波長と比べて小型になるほど、帯域および効率との根本的なトレードオフが顕著となる。
【0004】
さらに、聴覚機器におけるアンテナ、典型的には無線周波数アンテナは、十分な電池寿命を実現し、あらゆる環境において頭部、耳、髪型のあらゆるサイズおよび形状に対する良好な通信を実現するように、また、聴覚機器のサイズによる空間的制約やその他の設計的制限の中で可能な限り広い周波数帯を実現するように設計される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を少なくとも一部解決することであり、さらなる目的は無線通信可能な聴覚機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では聴覚機器が提供され、前記聴覚機器は、音声を受信し、当該受信した音声を対応する第1オーディオ信号に変換するマイクロフォンと、前記第1オーディオ信号を処理して、当該聴覚機器のユーザの聴力損失を補う第2オーディオ信号を得る信号プロセッサと、前記信号プロセッサの出力に接続され、前記第2オーディオ信号を出力音声信号に変換するスピーカと、無線データ通信用に構成された無線通信ユニットと、電磁場を放射/受信し、第1アンテナ素子と、複数のさらなるアンテナ素子とを有するアンテナと、を有し、前記第1アンテナ素子は第1ブランチと、第2ブランチとを有し、前記第1ブランチと、前記第2ブランチとは前記無線通信ユニットに相互接続され、前記第1ブランチは第1接続領域を有し、前記第2ブランチは第2接続領域を有し、前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、前記第1接続領域と、前記第2接続領域とを相互接続させる。
【0007】
無線通信ユニットは、無線データ通信を含む無線通信を行うように構成され、そのために電磁場の放射および受信のためのアンテナと相互接続される。無線通信ユニットはトランスミッタと、レシーバと、送受信機等のトランスミッタとレシーバの組と、無線機ユニットと、を含み得る。無線通信ユニットは、当業者が知り得る任意のプロトコルを使用して通信を行うように構成されてもよい。当該プロトコルとしては、Bluetooth(登録商標) Low EnergyやBluetooth Smart等を含むBluetooth、WLAN標準規格、製造業者特有のプロトコル、例えば、専用近接アンテナプロトコル、例えばプロプラエタリプロトコル、例えば低電力無線通信プロトコル、例えばCSRメッシュ等が挙げられる。
【0008】
聴覚機器は、当該聴覚機器のユーザの聴力損失を補うあらゆる聴覚機器または補聴器、あるいはユーザに音声を提供するあらゆる聴覚機器等の、あらゆる聴覚機器であってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、第1アンテナ素子と共に共振アンテナ構造を形成する。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のさらなるアンテナ素子は、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む。複数のさらなるアンテナ素子は、さらに第4アンテナ素子、第5アンテナ素子等を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1ブランチはアンテナの第1給電部に接続される第1給電領域を有し、第2ブランチはアンテナの第2給電部に接続される第2給電領域を有する。第1給電領域は、第1ブランチの第1端に沿って設けられ、第2給電領域は、第2ブランチの第1端に沿って設けられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子の第1ブランチおよび第2ブランチは、いずれも被駆動導体として、無線通信ユニットに接続されてもよい。
【0013】
第1ブランチと第2ブランチとは、無線通信ユニットに第1および第2送電線を介して相互接続される。第1および第2送電線は、無放射送電線であってもよい。第1および第2送電線は、それらからの電磁放射を最小限にとどめるように構成されてもよい。第1および第2送電線は、平衡線路であってもよい。無線通信ユニットから、第1ブランチの第1給電部に流れる電流と、第2ブランチの第2給電部に流れる電流とは、略同一の大きさだが、流れる方向が逆となる。これにより、平衡給電線が実現される。なお、電流の大きさは完全に同一でなくてもよく、原則的には好ましいものではないが、ある程度の放射が給電線から生じ得ることが想定される。
【0014】
第1ブランチは第1接続領域を有し、第2ブランチは第2接続領域を有する。複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、第1接続領域と第2接続領域とを相互接続させる。第1接続領域は、第1ブランチの第2端に設けられてもよい。第2接続領域は、第2ブランチの第2端に設けられてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数のさらなるアンテナ素子の内の少なくとも1つの第1端(複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれの第1端等)が、第1接続領域に接続される。複数のさらなるアンテナ素子の内の少なくとも1つの第2端(複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれの第2端等)が、第2接続領域に接続されてもよい。第1アンテナ素子と、複数のさらなるアンテナ素子の内の少なくとも1つはループを形成してもよい。第1アンテナ素子の第1および第2接続領域に接続された複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれが、ループを形成してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1接続領域は、第1給電領域から第1距離離間し、第2接続領域は、第2給電領域から第2距離離間し、当該距離が、アンテナ素子に沿って測定されてもよい。第1距離と第2距離とは同一であってもよい。第1距離は、第2距離と同様であってもよい(同じ長さを有することを含む)。例えば、第1距離は、第2距離+/-10%に相当してもよい。あるいは、第1距離は第2距離と異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、給電領域が接続領域に一致してもよい。
【0017】
第1および第2ブランチは、形状および/または形態が同様または同一であってもよいし、形状および/または形態が異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2ブランチは、ダイポールアンテナを形成してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子の第1ブランチの長さが、第1アンテナ素子に沿って測定された距離等である第1距離に相当してもよい。第1距離は、第1接続領域の中心から、第1給電領域の中心まで等、第1接続領域から第1給電領域まで測定されてもよい。第1アンテナ素子の第2ブランチの長さは、第1アンテナ素子に沿って測定された距離等である、第2距離に相当してもよい。第2距離は、第2接続領域の中心から、第2給電領域の中心まで等、第2接続領域から第2給電領域まで測定されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1接続領域は、第1給電領域から第1距離離間し、第2接続領域は、第2給電領域から第2距離離間し、当該距離が、アンテナ素子に沿って測定される。
【0020】
典型的には、アンテナ素子の長さは、ユーザの耳の所期の動作位置に配置された聴覚機器から放射される電磁放射の波長λに基づいて定義される。なお、アンテナが共振するためには、共振素子の長さは、聴覚機器から放射される電磁放射の波長λの1/4波長λ/4倍数に対応するように選択される。無線通信部に接続される2つのブランチ(2つの被駆動導体等)を有するアンテナ(ダイポールアンテナ等)の場合、典型的には両ブランチは、聴覚機器から放射される電磁放射の波長の1/4に対応する長さを有する。
【0021】
聴覚機器は、典型的には特定の周波数範囲または周波数帯内で、電磁場を放射および受信をするように構成される。いくつかの実施形態では、周波数帯はアンテナ素子の共振周波数を含むように設定される。典型的には、アンテナ素子の長さは、ピーク共振周波数を中心とした、またはピーク共振周波数から広がる帯域等、当該特定の周波数帯内での使用のために最適化される。
【0022】
典型的には、所望の周波数帯内等、特定の周波数で最適な共振が実現されるように選択されたもの等の特定の周波数または特定の周波数帯内において使用されるアンテナを最適化するように、アンテナ素子の長さは選択される。典型的には、アンテナは、GSM(登録商標)バンドまたはWLANを含むISMバンド、例えばセルラーバンドまたはWLANバンドを含むように最適化される。
【0023】
周波数帯は、433MHz、800MHz、915MHz、1800MHz、2.4GHz、5.8GHz等から選択される周波数を含む周波数帯であってもよい。したがって、周波数帯はこれら周波数の内の任意のものを1つまたは複数含むISMバンド、GSMバンド、またはWLANバンド等として選択されてもよい。
【0024】
本明細書開示の聴覚機器は、ISM周波数帯で動作するように構成されてもよい。好ましくは、アンテナは800MHz以上、1GHz以上、1.5GHzから6GHzの間の周波数、1.5GHzから3GHzの間の周波数、2.4GHzの周波数等、少なくとも400MHzの周波数で動作するように構成される。アンテナは、400MHzと1GHzの間、800MHzと1GHzの間、800MHzと6GHzの間、800MHzと3GHzの間等、400MHzと6GHzとの間の周波数で動作するように最適化されてもよい。
【0025】
ただし、本明細書で開示される聴覚機器は、当該周波数帯での動作に限定されるものではなく、任意の周波数帯で動作するように構成されてもよいことが想定される。
【0026】
したがって、いくつかの実施形態では、アンテナは送受信波長λを有する電磁場を放射/受信するように構成される。第1距離および/または第2距離は、送受信波長λの1/8~3/8であってもよい。当業者には、聴覚機器の送受信波長は、聴覚機器の材料の誘電率に依存することがよく知られている。
【0027】
いくつかの実施形態では、アンテナは送受信波長(λ)を有する電磁場を放射/受信するように構成される。各アンテナ素子の長さは、送受信波長の半分の長さλ/2に対応してもよい(送受信波長の略半分、送受信波長λの半分+/-10%を含む)。
【0028】
いくつかの実施形態では、聴覚機器は第1面と第2面とを有する。第1面と第2面とは、聴覚機器のそれぞれ反対側であってもよい。いくつかの実施形態では、第1面は、所期の動作位置に配置された際に、聴覚機器の、ユーザの頭部に対して平行になるように構成された面であってもよい。第1面は、聴覚機器の、ユーザの頭部に隣接する面であってもよい。例えば、第1面は耳かけモジュールの縦長面であって、ユーザの頭部に隣接する面であってもよい。同様に、第1面は、耳あなモジュールの端面であって、ユーザの内耳に面する面であってもよい。
【0029】
第2面は、聴覚機器の、ユーザの頭部から最も遠い面であってもよい。例えば、第2面は、耳かけモジュールの縦長面であってもよい。第2面は、耳の耳たぶ側であってもよい。同様に、第2面は、耳あなモジュールの端面であって、ユーザの周辺に向いた面であってもよい。第2面は、耳あなモジュールのフェースプレートであってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2アンテナ素子、第3アンテナ素子等の複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、第1面から第2面に延在する。したがって、少なくとも第2および第3アンテナ素子のそれぞれは、第1面から第2面に延在してもよい。
【0031】
第1ブランチは第1接続領域を有し、第2ブランチは第2接続領域を有する。いくつかの実施形態では、第1接続領域は聴覚機器の第1面に設けられ、第2接続領域は聴覚機器の第2面に設けられる。第1接続領域は、第2接続領域の反対側に設けられてもよい。
【0032】
複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれは、第1接続領域と第2接続領域とを相互接続させる。いくつかの実施形態では、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれが、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む複数のさらなるアンテナ素子の少なくとも第1部位が聴覚機器の第1面から第2面に延在するように、第1面から第2面に延在する。少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれの中点は、第1面から第2面に延在するアンテナ素子の第1部位に設けられる。さらなるアンテナ素子のそれぞれの中点は、各接続領域から、送受信波長の1/4に存在してもよい(各接続領域から、送受信波長(λ)の1/4+/-10%のように送受信波長の略1/4となることを含む。送受信波長の約1/4、λ/4に対応する距離で離間することを含む。)。さらなるアンテナ素子のそれぞれの中点と、第1接続領域および/または第2接続領域との間の距離および/または波長は、さらなるアンテナ素子のそれぞれに沿って測定されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子の中点は、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれに沿った、第1接続領域および第2接続領域への距離がそれぞれ同じとなる位置である。したがって、さらなるアンテナ素子の中点は、さらなるアンテナ素子のそれぞれに沿った、第1接続領域および第2接続領域への距離がそれぞれ同等、略同一等、同様となるような点、場所等の個所となる。
【0034】
いくつかの実施形態では、アンテナは、所期の動作中、電磁場放射の際に、当該アンテナを流れる電流の振幅が、聴覚機器の第1面から第2面に延在する、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれの第1部位においてまたはその近傍で最大となるように構成される。アンテナを流れる電流の振幅が、電磁場放射の際に、聴覚機器の第1面から第2面に延在するさらなるアンテナ素子のそれぞれの第1部位においてまたはその近傍で最大となることは有利である。これにより、アンテナ構造の最大/高電流部が、ユーザの耳間軸に沿った方向に設けられるためである。即ち、アンテナの高電流部が、ユーザの頭から離間する方向に配置される。当該方向は、聴覚機器がユーザの耳内または耳裏における所期の動作位置に装着された際に、ユーザの側頭部に対して直交、または略直交する方向である。これは、ユーザの頭部周りで伝播する電磁場が強まる、即ちより効率的にユーザの頭部周りで伝播する等の利点がある。したがって、ロバストかつロスが少ない無線データ通信が実現できる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1ブランチは第1面に沿って延在し、第1接続領域が第1面に設けられる。第2ブランチは第2面に沿って延在し、第2接続領域が第2面に設けられてもよい。第1アンテナ素子の第1ブランチおよび第2ブランチは、聴覚機器のそれぞれ反対側に沿って延在してもよい。第1アンテナ素子の第1接続領域と第2接続領域とは、聴覚機器のそれぞれ反対側に設けられてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1面に沿って延在する第1ブランチと、第2面に沿って延在する第2ブランチとは、同様の形状および/または形態(蛇行形状および/または形態、幾何学的形状および/または形態、コイル形状および/または形態等)を有する。第1ブランチおよび第2ブランチは、対称状のブランチであってもよい。即ち、第1ブランチの形状および/または形態は、第2ブランチの形状および/または形態に対応する。あるいは、第1面に沿って延在する第1ブランチと、第2面に沿って延在する第2ブランチとは、異なる(不均一、非同一等の)形状および/または形態(蛇行形状および/または形態、幾何学的形状および/または形態、コイル形状および/または形態等)を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子と、複数のさらなるアンテナ素子との少なくとも2つは、互いに包み込まれる(互いに沿って配置される、同様のパターンを辿る、互いに沿って同様のパターンを辿る、さらなるアンテナ素子が略一定の距離等の一定の距離を保って同様のパターンを辿る、互いに丸め込まれる、互いに折り畳まれる等)。このパターンは、蛇行パターン、円形パターン、楕円パターンであってもよく、コンパクトなアンテナ構造が実現できるあらゆるパターンであってもよい。コンパクトなアンテナ構造とは、全体的に小型化したものであってもよい。好ましくは、アンテナ構造が占める面積を、非コンパクト(例えば縦長のパターン)のものと比して、75%等、50%低減するものである。
【0038】
複数のさらなるアンテナ素子は少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む。いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子と、複数のさらなる素子の内の少なくとも2つが、互いに包み込まれると、アンテナの小型を実現できるため、有利である。包み込まれたアンテナ素子に流れる電流の整列が向上するというさらなる利点がある。例えば、電流の大きさ、方向を示す電流ベクトルの整列が向上する。したがって、電流ベクトルの整列が最大限向上する。さらに、いくつかの実施形態では、同じ長さの銅トレースについて共鳴周波数が低減できるという利点もある。したがって、アンテナ構造はその共鳴周波数を低く(所望どおりに、最適に)とどめた状態で、小型化可能である。
【0039】
いくつかの実施形態では、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれは、聴覚機器の第1面に沿って、第1接続領域から延在する第2部位を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれは、聴覚機器の第2面に沿って、第2接続領域から延在する第3部位を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子の第1ブランチと、さらなるアンテナ素子の第2部位(1つ以上のさらなるアンテナ素子の第2部位等)とは、蛇行形状および/または形態に配置される。さらに/あるいは、第1アンテナ素子の第2ブランチと、さらなるアンテナ素子の第3部位とは、蛇行形状および/または形態に配置される。いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子の第1ブランチと、さらなるアンテナ素子の第2部位(1つ以上のさらなるアンテナ素子の第2部位等)とは、コイル形態(螺旋形態、渦巻き形態、カール形態、丸まり形態等)に配置される。さらに/あるいは、第1アンテナ素子の第2ブランチと、さらなるアンテナ素子の第3部位(1つ以上のさらなるアンテナ素子の第3部位等)とは、コイル形態(螺旋形態、渦巻き形態、カール形態、丸まり形態等)に配置される。したがって、アンテナが小型化できる。さらに、アンテナ素子を流れる電流の大きさおよび方向を示す電流ベクトルの整列が向上する。したがって、電流ベクトルの整列が最大限向上する。さらに、同じ長さの銅トレースについて共鳴周波数が低減でき、アンテナ構造はその共鳴周波数を低く(所望どおりに、最適に)とどめた状態で、小型化可能である。
【0041】
第1アンテナ素子の第1ブランチおよび複数のさらなるアンテナ素子(複数のさらなるアンテナ素子の1つ以上等)の第2部位は、第1アンテナ素子の第2ブランチおよび複数のさらなるアンテナ素子の第3部位と、同一または同様の形状および形態(同一または同様の長さ、同一または同様の幾何学的形状等)を有してもよい。あるいは、第1アンテナ素子の第1ブランチおよび複数のさらなるアンテナ素子(さらなるアンテナ素子の1つ以上等)の第2部位は、第1アンテナ素子の第2ブランチおよび複数のさらなるアンテナ素子の第3部位とは異なる形状および形態(長さが異なるまたは非同一である、幾何学的形状が異なるまたは非同一である等、)を有してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子の第1ブランチと、さらなるアンテナ素子の第2部位(1つ以上のさらなるアンテナ素子の第2部位等)とが同じ経路を辿るように、第1アンテナ素子の第1ブランチと、さらなるアンテナ素子の第2部位(1つ以上のさらなるアンテナ素子の第2部位等)とは、同じコイル形状となる。さらに/あるいは、第1アンテナ素子の第2ブランチと、さらなるアンテナ素子の第3部位とが同じ経路を辿るように、第1アンテナ素子の第1ブランチと、さらなるアンテナ素子の第3部位とは、同じコイル形状となる。したがって、第1アンテナ素子の第1ブランチおよびさらなるアンテナ素子の第2部位が辿る経路と、第1アンテナ素子の第2ブランチおよびさらなるアンテナ素子の第3部位が辿る経路とが対称となり得る。これにより、聴覚機器は、ユーザの左耳に装着された場合と、右耳に装着された場合とで、略同じ電磁場を放射でき得る。あるいは、第1アンテナ素子の第1ブランチと、複数のさらなるアンテナ素子の第2部位とが辿る経路が、第1アンテナ素子の第2ブランチと、複数のさらなるアンテナ素子の第3部位とが辿る経路と非対称であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ素子の第1ブランチとさらなるアンテナ素子の第2部位とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。さらに/あるいは第1アンテナ素子の第2ブランチとさらなるアンテナ素子の第3部位とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。したがって、当該部位の全長の少なくとも一部で、素子間の距離が一定となる。
【0044】
いくつかの実施形態では、さらなるアンテナ素子のそれぞれは、同様の長さ等、略同一の長さを有する。さらに/あるいは、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む複数のさらなるアンテナ素子等の、さらなるアンテナ素子のそれぞれの長さは、若干異なっていてもよい(互いに若干ずれている、+/-10%ずれている、+/-5%ずれている等を含む)。
【0045】
いくつかの実施形態では、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む複数のさらなるアンテナ素子等の、さらなるアンテナ素子の少なくとも一部の第1部位は、直線部位である。
【0046】
いくつかの実施形態では、複数のさらなるアンテナ素子等の、さらなるアンテナ素子は、それぞれ異なる平面に設けられる。あるいは、複数のさらなるアンテナ素子等の、さらなるアンテナ素子の少なくとも一部は、同一平面に設けられる。あるいは、複数のさらなるアンテナ素子等の、さらなるアンテナ素子は全て、同一平面に設けられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含むさらなるアンテナ素子等の、複数のさらなるアンテナ素子は、並列接続される。いくつかの実施形態では、複数のさらなるアンテナ素子を並列接続することで、放射抵抗や、アンテナ効率が向上でき得る。
【0048】
包み込まれた第1アンテナ素子と、複数の包み込まれたさらなるアンテナ素子とを相互接続する(第1アンテナ素子と、アンテナ素子の内の少なくとも2つが互いに包み込まれた複数のさらなるアンテナ素子とを相互接続することを含む)等、第1アンテナ素子と、複数のさらなるアンテナ素子とを相互接続することで、放射抵抗や、アンテナ効率が向上できることが確認された。
【0049】
本開示の実施形態により、アンテナサイズと、帯域および効率との根本的なトレードオフをより制御しやすく成り得る。さらに、アンテナ効率を下げずに、アンテナを小型化でき得る。したがって、十分(妥当、一般的、標準的、適切等)なアンテナ効率レベルを、下げることなく(維持、確保等を含む)、小型化(より小さくなる等を含む)したアンテナが得られる。したがって、小型且つ効率的なアンテナが実現できる。
【0050】
「複数のさらなるアンテナ素子」と「さらなるアンテナ素子」という用語は、本明細書において同義として使用される。同様に、「アンテナ構造」という用語は、「アンテナ」という用語と同義として使用される。したがって、これら用語の一方が他方の代わりに使用されても、限定的にとらえられるべきではない。
【0051】
以下の実施形態では、主に補聴器等の聴覚機器についての説明がなされる。聴覚機器は両耳用聴覚機器であってもよい。ただし、任意の一態様に関して記載されたあらゆる実施形態または要素は、同様にその他態様や実施形態でも適用可能であることが想定される。
【0052】
本発明の上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら、例示的実施形態の以下の詳細な説明により当業者には容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本開示に係る例示的な聴覚機器を示すブロック図である。
【
図2】本開示に係る聴覚機器の例示的なアンテナを概略的に示す。
【
図3a】本開示に係る聴覚機器の例示的なアンテナを概略的に示す。
【
図3b】本開示に係る聴覚機器の例示的なアンテナを概略的に示す。
【
図4】本開示に係る聴覚機器の例示的なアンテナを概略的に示す。
【
図5】本開示に係る聴覚機器の例示的なアンテナを概略的に示す
【
図6a】本開示に係る例示的なアンテナを有する耳かけ聴覚機器を概略的に示す。
【
図6b】本開示に係る例示的なアンテナを有する耳かけ聴覚機器を概略的に示す。
【
図7a】本開示に係る例示的なアンテナを有する耳かけ聴覚機器を概略的に示す。
【
図7b】本開示に係る例示的なアンテナを有する耳かけ聴覚機器を概略的に示す。
【
図8】本開示に係る耳あな聴覚機器用に構成されたアンテナの二次元形状を概略的に示す。
【
図9】本開示に係る耳あな聴覚機器用に構成されたアンテナの三次元形状を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
いくつかの実施形態では、聴覚機器は所期の動作位置に設けられた際に、ユーザの耳の後ろに配置されるように構成された少なくとも1つの耳かけ(BTE)モジュールを備える。耳かけモジュールは、従来から少なくとも信号プロセッサと無線通信ユニットとを備え、いくつかの実施形態では少なくとも1つのアンテナ素子を備える。典型的には、聴覚機器電池も、耳かけ要素内に設けられる。
【0055】
聴覚機器は耳かけ聴覚機器であってもよい。その場合、耳かけモジュールが、動作位置においてユーザの耳の後ろに装着されるように構成されたハウジング内に、組立部品として設けられ、かつ配置された聴覚機器部品を有する。典型的には、音声管が聴覚機器ハウジングからユーザの外耳道内へと延びる。
【0056】
聴覚機器は、耳挿入レシーバ(RITE)型聴覚機器であってもよい。その場合、使用中にレシーバはユーザの外耳道内等、耳内に配置されて、例えば耳あな(ITE)モジュールの一部となる。一方、プロセッサ、無線通信ユニット、電池等のその他聴覚機器構成要素は耳かけモジュールとして設けられる。典型的には、ワイヤ/ケーブルまたは管は耳あなモジュールと耳かけモジュールとを接続する。管またはワイヤ/ケーブルを備える管モジュールは、さらなる聴覚機器構成要素やコネクタを備えてもよく、ワイヤ/ケーブルは管内に設けられてもよいことが想定される。
【0057】
聴覚機器は、耳あなまたは完全外耳道挿入型聴覚機器であってもよい。この構成では、聴覚機器は、ユーザの耳内に設けられる。この場合、耳あなモジュールはプロセッサ、無線通信ユニット、電池、マイクロフォン、スピーカ等を含む聴覚機器構成要素を備える。
【0058】
耳あなモジュールは、外耳道内に延びる部位を1または複数有してもよい。したがって、耳あなモジュールは、耳内および外耳道内に配置されるように構成されてもよい。
【0059】
上述のように、モジュールの任意の組み合わせ、およびモジュール間の聴覚機器構成要素の任意の配置が考えられる。例えば、聴覚機器構成要素の多くが耳あなモジュールに設けられた聴覚機器は、例えば電池等の電源が耳かけモジュールに設けられて、かつ電源接続のみが管モジュールを介して実現されてもよい。いくつかの例では、このような耳かけモジュールは、1または複数のアンテナ素子も備えてもよい。
【0060】
例えば、いくつかの実施形態では、耳かけ聴覚機器は耳かけモジュールと、耳あなモジュールと、管モジュールのようなこれら2つのモジュール間の接続部と、を有するように設けられてもよい。典型的には、聴覚機器構成要素はこれらモジュール間に分散されてもよい。多くの聴覚機器において、レシーバは耳あなモジュール内に配置される。
【0061】
いくつかの実施形態では、聴覚機器は耳あなモジュールを有し、耳かけモジュールを有さなくてもよい。例えば、聴覚機器は、聴覚機器構成要素が全て設けられた耳あなモジュールから成ってもよい。いくつかの実施形態では、聴覚機器は耳あなモジュールと、耳あなモジュールに相互接続される追加モジュールとを有してもよい。追加モジュールは、耳甲介内、耳輪内等、外耳内に設けられるように構成されてもよい。追加モジュールは、ユーザの耳の後ろ以外の、耳の任意の部分に配置されるように構成されてもよい。追加モジュールは、マイクロフォンおよび/またはその他トランスデューサ構成要素、電池等を備えてもよい。
【0062】
この種の、およびその他種類の聴覚機器は、典型的には耳あな型(ITE)、フルシェル、耳かけ型(RIE)、ハーフシェル、外耳道挿入型(ITC)、極小耳あな型(IIC)、完全外耳道挿入型(CIC)、外マイク耳あな型(MIH)等の名称で市販されている。
【0063】
聴覚機器のスピーカは、本技術分野では「レシーバ」としても知られていることが理解されよう。
【0064】
図面を参照しつつ、本明細書で以下に種々の実施形態を記載する。同様の参照番号は、全体にわたって同様の要素を指す。したがって、同様の要素は、それぞれの図面の記載に関して、詳細に記載されたものではないだろう。図面は、実施形態の説明を容易にすることだけを意図していることも注記しておくべきである。図面は、特許請求の範囲に記載された発明の包括的な記載であることは意図しておらず、又は特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものであることは意図していない。これに加え、図示されている実施形態は、示されている全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態と関連して記載される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、図示されていない場合であっても、又はそのように明確に記載されていない場合であっても、任意の他の実施形態で実施することができる。
【0065】
全体にわたって、同じ参照番号は、同一の部品又は対応する部品に使用される。
【0066】
図1は、例示的な聴覚機器2のブロック図である。聴覚機器2は、入ってくる音声を受信し、それをオーディオ信号、すなわち第1オーディオ信号に変換するためのマイクロフォン3を備える。第1オーディオ信号は、第1オーディオ信号を聴覚機器2のユーザの聴力損失を補う第2オーディオ信号に処理する信号プロセッサ9に供給される。スピーカ5は、信号プロセッサ9の出力に接続されて、第2オーディオ信号を出力音声信号(例えばユーザの聴力損失を補うように改変された信号)に変換する。
【0067】
したがって、聴覚機器信号プロセッサ9は、アンプ、コンプレッサ、ノイズリダクションシステム等の要素を備える。聴覚機器は更に、出力信号を最適化するための、調整フィルタ12等のフィルタ機能を有してもよい。聴覚機器は更に、電磁場の放射および受信のためのアンテナ10と相互接続された、無線データ通信用の無線通信ユニット8を備えてもよい。無線機または送受信機等の無線通信ユニット8は、聴覚機器信号プロセッサ9とアンテナ10とに接続されることで、外部装置や別の聴覚機器と通信する。別の聴覚機器は、特に両耳用聴覚機器システムの場合、他方の耳における他方の聴覚機器である。聴覚機器2は更に、電池等の電源11を備える。
【0068】
聴覚機器は、ユーザの耳の後ろに設けられるように構成された部分を有してもよい。聴覚機器は、耳かけモジュールを有してもよい。聴覚機器は、耳かけ聴覚機器であってもよい。あるいは、聴覚機器はユーザの耳内に設けられるように構成された部分を有してもよい。聴覚機器は、耳あなモジュールを有してもよい。聴覚機器は、耳あな聴覚機器であってもよい。
【0069】
図2は、本開示の一実施形態に係る例示的なアンテナ10を示す。アンテナ10は、フレキシブルプラスチック基板等のフレキシブル基板21上に設けられるように図示されている。アンテナ10は、耳かけモジュール内等、耳かけ聴覚機器(図示せず)内に設けられるように構成される。
【0070】
アンテナ10は、第1アンテナ素子13(一点鎖線)と、複数のさらなるアンテナ素子14、16(実線および点線)とを有する。第1アンテナ素子13と、複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれにより、共振アンテナ構造が形成される。複数のさらなるアンテナ素子14、16は、少なくとも第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16とを有する。但し、複数のさらなるアンテナ素子は3つ以上のアンテナ素子を有することも想定され得る。例えばさらなるアンテナ素子が3個、4個、5個、ひいては10個まで存在し得る。
【0071】
第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット(図示せず)と相互接続される。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。
【0072】
図2に示されるように、第1ブランチ18は、第1給電領域32に第1給電部を有し、第2ブランチ20は、第2給電領域38に第2給電部を有する。第1給電領域32は、第1ブランチ18の第1端40に沿って設けられる。第2給電領域38は、第2ブランチ20の第1端42に沿って設けられる。アンテナ10の第1給電部と、第2給電部とは無線通信ユニット(図示せず)に接続される。アンテナの片方の給電部は、無線通信ユニットの接地電位等の接地電位に接続されてもよく、アンテナの他方の給電部は、無線通信ユニット内の送受信機または無線等、無線通信ユニットに接続されてもよい。
【0073】
第1アンテナ素子13、第2アンテナ素子14、第3アンテナ素子16は、蛇行形状および/または形態となるように配置される。蛇行アンテナパターンにより、コンパクトなアンテナ構造が実現されることが示される。
【0074】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18は、フレキシブル基板21の第1区画X1に配置されるように構成され、第1アンテナ素子20の第2ブランチ20は、フレキシブル基板21の第2区画X2に配置されるように構成される。フレキシブル基板のブリッジ部X3は、フレキシブル基板の第1区画X1と、第2区画X2とを相互接続するように構成される。フレキシブル基板は、耳かけ聴覚機器または耳かけモジュールのような聴覚機器周り等、聴覚機器周りで折り畳まれるように構成される。例えば、ブリッジ部X3が耳かけ聴覚機器またはモジュールの上面に配置され、そして、フレキシブル基板の第1区画X1および第2区画X2が耳かけ聴覚機器または耳かけモジュールの両側に配置されるように、当該区画X1およびX2が第1および第2面に沿って配置されるように、フレキシブル基板が折り畳まれる。
【0075】
図3aは、本開示の別の実施形態に係る例示的なアンテナ10を示す。アンテナ10は、フレキシブル基板21上に配置されるように図示されており、耳かけモジュールに設けられる等、耳かけ聴覚機器(図示せず)に設けられるように構成されてもよい。
【0076】
アンテナ10は、第1アンテナ素子13(実線)と、第2アンテナ素子24(一点鎖線)とを有する。第1アンテナ素子13は第2アンテナ素子24に相互接続される。第2アンテナ素子24は、第1アンテナ素子13と共に、共振アンテナ構造を形成するように構成される。
【0077】
第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット(図示せず)と相互接続される。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。第2アンテナ素子24は、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。
【0078】
図3aに示されるように、第1ブランチ18は、第1給電領域32にアンテナ10の第1給電部を有し、第2ブランチ20は、第2給電領域38にアンテナ10の第2給電部を有する。第1給電領域32は、第1ブランチ18の第1端40に沿って設けられる。第2給電領域38は、第2ブランチ20の第1端42に沿って設けられる。アンテナ10の第1給電部と、第2給電部とは無線通信ユニット(図示せず)に接続される。アンテナの片方の給電部は、無線通信ユニットの接地電位等の接地電位に接続されてもよく、アンテナの他方の給電部は、無線通信ユニット内の送受信機または無線等、無線通信ユニットに接続されてもよい。
【0079】
第1軸301と、第2軸302とにより、第2アンテナ素子24が第1部位54、第2部位74、第3部位84に分割される。
【0080】
フレキシブル基板21は、耳かけ聴覚機器、または耳かけモジュールの少なくとも一部の周り等、聴覚機器の少なくとも一部の周りに折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態では、第1軸301および第2軸302は、聴覚機器またはモジュールの縁部分を示すものであってもよい。即ち、これにより例えば第2部位74が聴覚機器の第1面に沿って延在し、第3部位84が聴覚機器の別の面に沿って延在するようになる。第1面は、第2面の反対側であってもよい。第1面および第2面は、それぞれ聴覚機器の第1の縦長面および第2縦長面であってもよい。第1部位54は、第2部位74と、第3部位84とを相互接続させ、例えば聴覚機器またはモジュールの上面に配置されるように構成されてもよい。
【0081】
第2アンテナ素子24の第2部位74は、第1接続領域22から延在する。第2アンテナ素子24の第3部位84は、第2接続領域23から延在する。第1部位54は、直線部位、または略直線部位である。第1部位54は、第2部位74と第3部位84とを接続する。
【0082】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74とが互いに包み込まれ、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第3部位84とが互いに包み込まれるように、第1アンテナ素子13と第2アンテナ素子24とが互いに包み込まれる。
【0083】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74は、蛇行形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第3部位は、蛇行形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74は、コイル形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第3部位84とはコイル状および/または形態に配置される。
【0084】
図3aに示されるように、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18および第2アンテナ素子24の第2部位74は互いに包み込まれる。これは、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第2ブランチ20および第2アンテナ素子24の第3部位84と鏡面対象、および/または同様の形状および/または形態となる。あるいは、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第1ブランチ18および第2アンテナ素子24の第2部位74の形状および/または形態は、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第2ブランチ20および第2アンテナ素子24の第3部位84の形状および/または形態と異なってもよい。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18および第2アンテナ素子24の第2部位74が互いに包み込まれると、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18および第2アンテナ素子24の第2部位74が同一または同様のパターンとなる。第1ブランチ18と、第2部位74とが整列し、アンテナ素子を流れるあらゆる電流の電流ベクトルが整列される。第1ブランチ18と第2部位74との間の距離は、包み込み部位/要素の大部分にわたって同一、または同様の寸法であるように示されている。第1ブランチ18と第2部位74との間の距離は、包み込み部位/要素の大部分(例えば包み込み部位/要素の80%)にわたって同じであってもよい。第1アンテナ素子13の第2ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74とについても同様である。
【0085】
図示のように、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74とは、同一のコイル形状および/または形態に配置される。即ち、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74とが同一の経路を辿る。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と第2アンテナ素子24の第3部位84とは、同一のコイル形状および/または形態に配置される。即ち、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第3部位84とが同一の経路を辿る。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と第2アンテナ素子24の第2部位74とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と第2アンテナ素子24の第3部位84とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。
【0086】
図3bは、本開示の別の実施形態に係る例示的なアンテナ10を示す。アンテナ10は、フレキシブルプラスチック基板(灰色線)等のフレキシブル基板21上に設けられるように図示されており、耳かけモジュールに設けられる等、耳かけ聴覚機器(図示せず)に設けられるように構成される。
【0087】
アンテナ10は、第1アンテナ素子13(実線)と、複数のさらなるアンテナ素子24、26とを有する。複数のさらなるアンテナ素子は、第2アンテナ素子24(一点鎖線)と、第3アンテナ素子26(点線)とを含む。第1アンテナ素子13は、第2アンテナ素子24と第3アンテナ素子26とを含む複数のさらなるアンテナ素子24、26に相互接続される。第2アンテナ素子24と第3アンテナ素子26とを含む複数のさらなるアンテナ素子24、26のそれぞれは、第1アンテナ素子13と共に共振アンテナ構造を形成する。
【0088】
第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット(図示せず)と相互接続される。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。第2アンテナ素子24と第3アンテナ素子26とを含む複数のさらなるアンテナ素子24、26のそれぞれは、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。
【0089】
図3bに示されるように、第1ブランチ18は、第1給電領域32にアンテナ構造の第1給電部28を有する。第2ブランチ20は、第2給電領域38にアンテナ構造の第2給電部30を有する。第1給電領域32は、第1ブランチ18の第1端40に沿って設けられる。第2給電領域38は、第2ブランチ20の第1端42に沿って設けられる。アンテナ構造の第1給電部28と、第2給電部30とは無線通信ユニット(図示せず)に接続される。アンテナの片方の給電部は、無線通信ユニットの接地電位等の接地電位に接続されてもよく、アンテナの他方の給電部は、無線通信ユニット内の送受信機または無線等、無線通信ユニットに接続されてもよい。
【0090】
第1軸301と、第2軸302が、第2アンテナ素子24および第3アンテナ素子26を含む複数のさらなるアンテナ素子24、26を、第1部位54、56と、第2部位74、76と、第3部位84、86とに分割する。第2アンテナ素子24および第3アンテナ素子26の第2部位74、76は、第1接続領域22から延在する。第2アンテナ素子24および第3アンテナ素子26の第3部位84、86は、第2接続領域23から延在する。第1部位54、56は、直線部位、または略直線部位である。第1部位54、56は、第2部位74、76と第3部位84、86とを接続する。
【0091】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2および第3アンテナ素子24、26の第2部位74、76とが互いに包み込まれ、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2および第3アンテナ素子24、26の第3部位84、86とが互いに包み込まれるように、第1アンテナ素子13、第2アンテナ素子24および第3アンテナ素子26が互いに包み込まれる。
【0092】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とは蛇行形状および/形態に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とは、蛇行形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とは、螺旋形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とは、螺旋状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とが同一または同様のパターンとなるように、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とが互いに包み込まれる。第1ブランチ18と、第2部位74および第2部位76とが整列され、アンテナ素子を流れるあらゆる電流の電流ベクトルが整列される。第1ブランチ18と第2部位74および第2部位76との間の距離は、包み込み部位/要素の大部分(例えば包み込み部位/要素の80%)にわたって同一、または同様の寸法であるように示されている。第1ブランチ18と、第2部位74および第2部位76のそれぞれとの距離は、包み込み部位/要素の大部分(例えば包み込み部位/要素の80%)にわたって一定であってもよい。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20、第2アンテナ素子24の第3部位84、第3アンテナ素子26の第3部位86についても同様である。
【0093】
図3bは、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2および第3アンテナ素子24、26の第2部位74、76との形状および/または形態が、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2および第3アンテナ素子24、26の第3部位84、86の形状および/または形態と、鏡面対象である、または同様である様子を示す。あるいは、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2および第3アンテナ素子24、26との形状および/または形態が、互いに包み込まれた第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2および第3アンテナ素子24、26の第3部位84、86の形状および/または形態と異なっていてもよい。
【0094】
図示のように、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とは、同一の形状および/または形態に配置される。即ち、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2アンテナ素子24の第2部位74と、第3アンテナ素子26の第2部位76とが同一の経路を辿る。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第3部位84と、第3アンテナ素子26の第3部位86とは、同一の形状および/または形態に配置される。即ち、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2アンテナ素子24の第3部位84と、第3アンテナ素子26の第3部位86とが同一の経路を辿る。第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2および第3アンテナ素子24、26の第2部位74、76とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第2および第3アンテナ素子24、26の第3部位84、86とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。
【0095】
図4は、本開示に係るさらなる例示的なアンテナ10を概略的に示す。アンテナ10は、第1アンテナ素子13と、複数のさらなるアンテナ素子14、16、17とを有する。複数のさらなるアンテナ素子は、第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16と、第4アンテナ素子17とを含む。第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット(図示せず)と相互接続される。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16と、第4アンテナ素子17とを含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17は、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。第2、第3、第4アンテナ素子14、16、17を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17のそれぞれは、第1アンテナ素子13と共に共振アンテナ構造を形成する。
【0096】
第2アンテナ素子14、第3アンテナ素子16、第4アンテナ素子17を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれは、略同一の長さを有する。
【0097】
図4に示されるように、第2アンテナ素子14、第3アンテナ素子16、第4アンテナ素子17を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17は、それぞれ異なる平面に設けられる。第2アンテナ素子14、第3アンテナ素子16、第4アンテナ素子17を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17は、並列接続される。
【0098】
接続領域22、23は、アンテナ構成に応じた形状と範囲を有してもよいことが強調される。接続領域は、点状の領域でもよいし、細長い領域であってもよい。また、接続領域は、接続領域内で複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれが接続されるように、接続領域の長さが設定される等してもよい。
【0099】
図5は、本開示に係る、さらなる例示的なアンテナ10の例を概略的に示す。アンテナ10は、第1アンテナ素子13と、複数のさらなるアンテナ素子14、16、17とを有する。複数のさらなるアンテナ素子は、第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16と、第4アンテナ素子17とを含む。第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット8と相互接続される。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16と、第4アンテナ素子17とを含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17は、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。第1アンテナ素子13は、第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16と、第4アンテナ素子17とを含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17と相互接続される。第2、第3、第4アンテナ素子14、16、17を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16、17のそれぞれは、第1アンテナ素子13と共に共振アンテナ構造を形成する。
【0100】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18は、蛇行形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20は、蛇行形状および/または形態に配置される。
図5に示されるように、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20とは、異なる形状および/または形態となっている。あるいは、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは同様の形状および/または形態となってもよい。第1ブランチ18および/または第2ブランチ20は、任意の形状および/または形態を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは同じ、または同様の長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは異なる長さを有する。
【0101】
第1ブランチ18は、第1給電領域32に第1給電部28を有する。第2ブランチ20は、第2給電領域38に第2給電部30を有する。第1給電領域32は、第1ブランチ18の第1端40に沿って設けられる。第2給電領域38は、第2ブランチ20の第1端42に沿って設けられる。アンテナ13の第1給電部28と、第2給電部30とは無線通信ユニット8に接続される。アンテナの片方の給電部は、無線通信ユニットの接地電位等の接地電位に接続されてもよく、アンテナの他方の給電部は、無線通信ユニット内の送受信機または無線等、無線通信ユニットに接続されてもよい。
【0102】
第2アンテナ素子24、第3アンテナ素子26、第4アンテナ素子27を含むさらなるアンテナ素子のそれぞれは、略同一の長さを有する。
【0103】
第2アンテナ素子24、第3アンテナ素子26、第4アンテナ素子27を含む複数のさらなるアンテナ素子は、並列接続される。
【0104】
第1接続領域22は、第1給電領域32から、第1距離43離間している。第1距離43は、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18に沿って等、第1アンテナ素子13に沿って測定される。第2接続領域23は、第2給電領域38から、第2距離48離間している。第2距離48は、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20に沿って等、第1アンテナ素子13に沿って測定される。アンテナ10は、送受信波長(λ)を有する電磁場を放射/受信するように構成される。第1距離43および/または第2距離48は、送受信波長(λ)の1/8から3/8の間である。図示の様に、第1距離43と第2距離48とは異なっていてもよい。あるいは、第1距離43は第2距離48に等しくても(同一等であっても)よい。
【0105】
さらなるアンテナ素子14、16、17のそれぞれは、略同一の長さを有する。第1アンテナ素子13の長さや、複数のさらなるアンテナ素子14、16、17の長さ等、各アンテナ素子の長さは、送受信波長(λ)の半分に対応する。
【0106】
図6aおよび6bは、本開示の一実施形態に係るアンテナ10を有する例示的な聴覚機器2を示す。アンテナ10は、フレキシブルプラスチック基板21(灰色線)上に設けられるように図示されている。アンテナ10を有するフレキシブルプラスチック基板21は、耳かけ聴覚機器を包むように等、聴覚機器2を包むように図示されている。
【0107】
聴覚機器2は第1面50と第2面52とを有する。聴覚機器2はさらに第3面58を有する。
図6aおよび6bは、それぞれ聴覚機器2を別の角度で見た図である。
図6aは、第1面50と第3面58とを示す。
図6bは、第2面52と第3面58とを示す。さらに、聴覚機器は上面60を有する。上面60は、座っている、または直立しているユーザが使用中の聴覚機器2の、おおよそ上側および/または後ろ側を指す面である。
【0108】
アンテナ10は、第1アンテナ素子13(一点鎖線)と、複数のさらなるアンテナ素子14、16(実線および点線)とを有する。第1アンテナ素子13と、複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれにより、共振アンテナ構造が形成される。複数のさらなるアンテナ素子14、16は、第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16とを含む。あるいは、複数のさらなるアンテナ素子14、16は、第4アンテナ素子、第5アンテナ素子等、さらなるアンテナ素子を含んでもよい。
【0109】
第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16とを含む複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、聴覚機器2の第1面50から第2面52に延在する。即ち、複数のさらなるアンテナ素子14、16は聴覚機器2の上面60を越えて延在する。第1面50は第2面52の反対側である。
【0110】
第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。第1ブランチ18は第1面50に沿って延在する。第1接続領域22は第1面50に設けられる。第2ブランチ20は第2面52に沿って延在する。第2接続領域23は第2面52に設けられる。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット(図示せず)と相互接続される。複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。
【0111】
図6に示されるように、第1ブランチ18は、第1給電領域32にアンテナ構造の第1給電部28を有する。第2ブランチ20は、第2給電領域38にアンテナ構造の第2給電部30を有する。第1給電領域32は、第1ブランチ18の第1端40に沿って設けられる。第2給電領域38は、第2ブランチ20の第1端42に沿って設けられる。アンテナ構造の第1給電部28と、第2給電部30とは無線通信ユニット(図示せず)に接続される。
【0112】
第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、第1面50から第2面52へ延在する。したがって、第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの少なくとも第1部位54、56は、聴覚機器2の第1面50から第2面52へ延在する。第1部位54、56は上面60に沿って延在する。さらなるアンテナ素子14、16の第1部位54、56は、直線部位である。第2アンテナ素子24および第3アンテナ素子26を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの中点64、66は、上面60に設けられ、即ち、第1面50から第2面52へ延在するさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの第1部位54、56に設けられる。第2アンテナ素子24および第3アンテナ素子26を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16の中点64、66は、さらなるアンテナ素子14、16のそれぞれに沿った、第1接続領域22と第2接続領域23までの距離が同一(おおよそ同じ、略同一を含む)である位置を指す。たとえば、中点は各接続領域から波長の約1/4にあってもよい。
【0113】
アンテナ10は、アンテナ10を流れる電流の振幅が、上面またはその近傍で最大となるように構成される。したがって、アンテナ10は、当該アンテナ10を流れる電流の振幅が、電磁場放射の際に、聴覚機器2の第1面50から第2面52に延在する、第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの第1部位54、56近傍で最大となるように構成される。
【0114】
第1面50に沿って延在する第1ブランチ18と、第2面52に沿って延在する第2ブランチ20とは、同様の蛇行形状/形態等の、同様の形状および/または形態を有する。あるいは、第1面50に沿って延在する第1ブランチ18と、第2面52に沿って延在する第2ブランチ20とは、異なる形状/形態であってもよい。
【0115】
第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、聴覚機器2の第1面50に沿って第1接続領域22から延在する第2部位74、76を有する。第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、聴覚機器2の第2面52に沿って第2接続領域23から延在する第3部位84、86を有する。
【0116】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、さらなるアンテナ素子14、16の第2部位74、76とは、蛇行形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、さらなるアンテナ素子14、16の第3部位84、86とは、蛇行形状および/または形態に配置される。
【0117】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18とさらなるアンテナ素子14、16の第2部位74、76とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20とさらなるアンテナ素子14、16の第3部位84、86とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。
【0118】
図7aおよび7bは、本開示の別実施形態に係るアンテナ10を有する例示的な聴覚機器2を示す。アンテナ10は、耳かけ型聴覚機器のような聴覚機器2に対して包み込むまたは折り畳むように示されている。
【0119】
聴覚機器2は第1面50と第2面52とを有する。聴覚機器2はさらに第3面58を有する。
図7aおよび7bは、それぞれ聴覚機器2を別の角度で見た図である。
図7aは、第1面50と第3面58とを示す。
図7bは、第2面52と第3面58とを示す。さらに、聴覚機器は上面60を有する。上面60は、座っている、または直立しているユーザが使用中の聴覚機器2の、おおよそ上側および/または後ろ側を指す面である。
【0120】
アンテナ10は、第1アンテナ素子13(実線)と、複数のさらなるアンテナ素子14、16(一点鎖線および点線)とを有する。第1アンテナ素子13と、複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれにより、共振アンテナ構造が形成される。複数のさらなるアンテナ素子14、16は、第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16とを含む。あるいは、複数のさらなるアンテナ素子14、16は、第4アンテナ素子、第5アンテナ素子等、さらなるアンテナ素子を含んでもよい。
【0121】
第2アンテナ素子14と、第3アンテナ素子16とを含む複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、聴覚機器2の第1面50から第2面52に延在する。即ち、複数のさらなるアンテナ素子14、16は聴覚機器2の上面60を越えて延在する。第1面50は第2面52の反対側である。
【0122】
第1アンテナ素子13は、第1ブランチ18と、第2ブランチ20とを有する。第1ブランチ18は、第1接続領域22を有する。第2ブランチ20は、第2接続領域23を有する。第1ブランチ18は第1面50に沿って延在する。第1接続領域22は第1面50に設けられる。第2ブランチ20は第2面52に沿って延在する。第2接続領域23は第2面52に設けられる。第1ブランチ18と、第2ブランチ20とは、無線通信ユニット(図示せず)と相互接続される。複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、第1接続領域22と、第2接続領域23とを相互接続させる。
【0123】
図7に示されるように、第1ブランチ18は、第1給電領域32にアンテナ構造の第1給電部28を有する。第2ブランチ20は、第2給電領域38にアンテナ構造の第2給電部30を有する。第1給電領域32は、第1ブランチ18の第1端40に沿って設けられる。第2給電領域38は、第2ブランチ20の第1端42に沿って設けられる。アンテナ構造の第1給電部28と、第2給電部30とは無線通信ユニット(図示せず)に接続される。アンテナの片方の給電部は、無線通信ユニットの接地電位等の接地電位に接続されてもよく、アンテナの他方の給電部は、無線通信ユニット内の送受信機または無線等、無線通信ユニットに接続されてもよい。
【0124】
第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含む複数のさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、第1面50から第2面52へ延在する。したがって、第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの少なくとも第1部位54、56は、聴覚機器2の第1面50から第2面52へ延在する。第1部位54、56は上面60に沿って延在する。さらなるアンテナ素子14、16の第1部位54、56は、直線部位である。第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの中点64、66は、上面60に設けられ、即ち、第1面50から第2面52へ延在するさらなるアンテナ素子の第1部位54、56に設けられる。第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16の中点64、66は、第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16それぞれに沿った、第1接続領域22と第2接続領域23までの距離がおおよそ同じ、または略同一である位置を指す。たとえば、中点は各接続領域から波長の約1/4にあってもよい。
【0125】
アンテナ10は、アンテナ10を流れる電流の振幅が、上面またはその近傍で最大となるように構成される。したがって、アンテナ10は、当該アンテナ10を流れる電流の振幅が、電磁場放射の際に、聴覚機器2の第1面50から第2面52に延在する、第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれの第1部位54、56近傍で最大となるように構成される。
【0126】
第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、聴覚機器2の第1面50に沿って第1接続領域22から延在する第2部位74、76を有する。第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16のそれぞれは、聴覚機器2の第2面52に沿って第2接続領域23から延在する第3部位84、86を有する。
【0127】
第1アンテナ素子と、第2アンテナ素子14および第3アンテナ素子16を含むさらなるアンテナ素子14、16とは、互いに包み込まれる。
【0128】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、さらなるアンテナ素子14、16の第2部位74、76とは、蛇行形状および/または形態に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、さらなるアンテナ素子14、16の第3部位84、86とは、蛇行形状および/または形態に配置される。
【0129】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、さらなるアンテナ素子14、16の第2部位74、76とは、コイル形状および/または形態(螺旋形態、渦巻き形態、カール形態、丸まり形態等)に配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、さらなるアンテナ素子14、16の第3部位84、86とは、コイル形態(螺旋形態、渦巻き形態、カール形態、丸まり形態等)に配置される。
【0130】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、さらなるアンテナ素子14、16の第2部位74、76とは、同じコイル形態に配置される。したがって、第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、第2部位74、76とが同じ経路を辿る。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、さらなるアンテナ素子14、16の第3部位84、86とは、同じコイル形態に配置される。したがって、第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、第3部位84、86とが同じ経路を辿る。
【0131】
第1アンテナ素子13の第1ブランチ18と、さらなるアンテナ素子14、16の第2部位74、76とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。第1アンテナ素子13の第2ブランチ20と、さらなるアンテナ素子14、16の第3部位84、86とは、経路の少なくとも一部で、一定の間隔を空けて配置される。
【0132】
図8は、耳あな聴覚機器(図示せず)用に構成されたアンテナ10を概略的に示す。周期境界の箱100を用いて、
図8はアンテナ10の二次元構造を示す。アンテナ10は、円筒構造を包み込んで、3次元構造となる。周期境界の箱の一端の境界点101、102、103、104は、周期境界の箱100の反対端のそれぞれ対応する101’、102’、103’、104’に接続されて、3次元構造が形成される。アンテナ10は、第1アンテナ素子13と、第2アンテナ素子24と、第3アンテナ素子26とを有する。第1アンテナ素子13、第2アンテナ素子24、および第3アンテナ素子26は全てそれぞれ第1接続領域22および第2接続領域23において接続される。アンテナ10は、第1給電領域32の第1給電部28と、第2給電領域38の第2給電部30とをそれぞれ介して給電される。
【0133】
図9は、耳あな聴覚機器用に構成されたアンテナ10を示す。図中、アンテナ10は三次元構造となっており、第1アンテナ素子13と、複数のさらなるアンテナ素子14、16、17とを有する。アンテナ10は、聴覚機器2の電池および/または電子部品を包み込むように構成される。
【0134】
特定の特徴を示し、記載してきたが、これらの特徴は、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図していないことが理解され、特許請求の範囲に記載された発明の思想および範囲から逸脱することなく種々の変更および改変が行われてもよいことが当業者に明らかになるだろう。したがって、明細書および図面は、限定するという観点ではなく、実例であると考えるべきである。特許請求の範囲に記載された発明は、全ての代替例、改変および均等物を包含することを意図している。
【0135】
以下の項目は、本出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
・音声を受信し、当該受信した音声を対応する第1オーディオ信号に変換するマイクロフォンと、
・前記第1オーディオ信号を処理して、当該聴覚機器のユーザの聴力損失を補う第2オーディオ信号を得る信号プロセッサと、
・前記信号プロセッサの出力に接続され、前記第2オーディオ信号を出力音声信号に変換するスピーカと、
・無線データ通信用に構成された無線通信ユニットと、
・電磁場を放射/受信し、第1アンテナ素子と、複数のさらなるアンテナ素子とを有するアンテナと、を有し、
前記第1アンテナ素子は第1ブランチと、第2ブランチとを有し、前記第1ブランチと、前記第2ブランチとは前記無線通信ユニットに相互接続され、前記第1ブランチは第1接続領域を有し、前記第2ブランチは第2接続領域を有し、
前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれはそれぞれ、前記第1接続領域と、前記第2接続領域とを相互接続させる、聴覚機器。
[項目2]
前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれはそれぞれ、前記第1アンテナ素子と共に共振アンテナ構造を形成する、項目1に記載の聴覚機器。
[項目3]
前記複数のさらなるアンテナ素子は、少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む、項目1または2に記載の聴覚機器。
[項目4]
前記第1ブランチは、第1給電領域に前記アンテナ構造の第1給電部を有し、前記第2ブランチは、第2給電領域に前記アンテナ構造の第2給電部を有し、前記第1給電領域と前記第2給電領域とは、それぞれ、前記第1ブランチと前記第2ブランチの第1端に沿って設けられる、項目1から3のいずれか一項に記載の聴覚機器。
[項目5]
前記第1接続領域は、前記第1給電領域から第1距離離間し、前記第2接続領域は、前記第2給電領域から第2距離離間し、当該距離が、前記アンテナ素子に沿って測定される、項目4に記載の聴覚機器。
[項目6]
前記アンテナは、送受信波長を有する電磁場を放射/受信するように構成され、前記第1距離および/または前記第2距離は、前記送受信波長の1/8から3/8であり、さらに/あるいは各アンテナ素子の長さは、前記送受信波長の半分に対応する、項目5に記載の聴覚機器。
[項目7]
前記聴覚機器は、第1面と第2面とを有し、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子のそれぞれはそれぞれ、前記第1面から前記第2面に延在し、さらに/あるいは前記第1接続領域は前記第1面に設けられ、前記第2接続領域は前記第2面に設けられる、項目1から6のいずれか一項に記載の聴覚機器。
[項目8]
前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記複数のさらなるアンテナ素子のそれぞれが、前記第1面から前記第2面に延在し、はそれぞれ、そのため、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれの少なくとも第1部位が、前記聴覚機器の前記第1面から前記第2面に延在し、するように、前記第1面から前記第2面に延在し、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれの中点は、前記第1面から前記第2面に延在する前記アンテナ素子の前記第1部位に設けられる、項目7に記載の聴覚機器。
[項目9]
前記アンテナは、電磁場放射の際に、前記アンテナを流れる電流の振幅が、前記少なくとも第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれの、前記聴覚機器の前記第1面から前記第2面に延在する前記第1部位においてまたはその近傍で最大となるように構成される、項目8に記載の聴覚機器。
[項目10]
前記第1ブランチは、前記第1面に沿って延在し、前記第1接続領域は前記第1面に設けられ、前記第2ブランチは、前記第2面に沿って延在し、前記第2接続領域は前記第2面に設けられる、項目7から9のいずれか一項に記載の聴覚機器。
[項目11]
前記第1面に沿って延在する前記第1ブランチと、前記第2面に沿って延在する前記第2ブランチとは、同様の形状および/または形態を有する、項目10に記載の聴覚機器。
[項目12]
前記第1アンテナ素子と、前記複数のさらなるアンテナ素子との内の少なくとも2つが、互いに包み込まれる、項目1から11のいずれか一項に記載の聴覚機器。
[項目13]
前記第2および第3アンテナ素子を含む前記さらなるアンテナ素子のそれぞれはそれぞれ、前記聴覚機器の前記第1面に沿って、前記第1接続領域から延在する第2部位と、前記聴覚機器の前記第2面に沿って、前記第2接続領域から延在する第3部位とを有し、前記第1アンテナ素子の前記第1ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の前記第2部位とは、蛇行形状および/または形態に配置され、さらに/あるいは前記第1アンテナ素子の前記第2ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の前記第3部位とは、蛇行形状および/または形態に配置される、項目9から12のいずれか一項に記載の聴覚機器。
[項目14]
前記第1アンテナ素子の第1ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の第2部位は、螺旋形態、渦巻き形態、カール形態、丸まり形態等の、コイル形態に配置され、さらに/あるいは前記第1アンテナ素子の第2ブランチと、前記さらなるアンテナ素子の第3部位は、螺旋形態、渦巻き形態、カール形態、丸まり形態等の、コイル形態に配置される、項目13に記載の聴覚機器。
[項目15]
複数の前記さらなるアンテナ素子が、それぞれ異なる平面に設けられる、項目1から14のいずれか一項に記載の聴覚機器。
【符号の説明】
【0136】
2 聴覚機器
3 マイクロフォン
5 スピーカ
8 無線通信ユニット
9 信号プロセッサ
10 アンテナ
11 電源
12 補償フィルタ
13 第1アンテナ素子
14、16、17 複数のさらなるアンテナ素子
18 第1ブランチ
20 第2ブランチ
21 基板
22 第1接続領域
23 第2接続領域
14 第2アンテナ素子
16 第3アンテナ素子
17 第4アンテナ素子
28 第1給電部
30 第2給電部
32 第1給電領域
38 第2給電領域
40 第1ブランチの第1端
42 第2ブランチの第1端
43 第1距離
48 第2距離
50 第1面
52 第2面
54、56 各さらなるアンテナ素子の第1部位
58 第3面
60 上面
64、66 各さらなるアンテナ素子の中点
74、76 各さらなるアンテナ素子の第2部位
84、86 各さらなるアンテナ素子の第3部位
100 周期境界の箱
101 第1境界点
102 第2境界点
103 第3境界点
104 第4境界点