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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】無機繊維
(51)【国際特許分類】
   C03C 13/00 20060101AFI20220307BHJP
   D01F 9/08 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
C03C13/00
D01F9/08 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018555852
(86)(22)【出願日】2017-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 US2017013932
(87)【国際公開番号】W WO2017127424
(87)【国際公開日】2017-07-27
【審査請求日】2020-01-10
(31)【優先権主張番号】15/407,100
(32)【優先日】2017-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/280,155
(32)【優先日】2016-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514155913
【氏名又は名称】ユニフラックス ワン リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100196405
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 邦光
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ドンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ゾイトス ブルース ケイ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレヤック マイケル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン ジェイソン エム
【審査官】大塚 晴彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0273702(US,A1)
【文献】特開平04-343713(JP,A)
【文献】米国特許第03449137(US,A)
【文献】特開昭58-098427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0175477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00 -14/00
D01F 9/08
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5~6質量%のシリカ、4~5質量%のマグネシア、および0質量%を超え質量%までの意図的に添加した酸化クロム、の繊維化生成物を含む無機繊維であって、24時間1400℃の温度に曝露した後、5%以下の収縮率、および0%以上の圧縮回復率を示すことを特徴とする、無機繊維。
【請求項2】
24時間1260℃の温度に曝露した後、4%以下の収縮率を示す、請求項1に記載の無機繊維。
【請求項3】
24時間1260℃の温度に曝露した後、0~5パーセントの圧縮回復率を示す、請求項1に記載の無機繊維。
【請求項4】
0~0質量%のシリカ、5~5質量%のマグネシア、0質量%を超え質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、請求項1に記載の無機繊維。
【請求項5】
0~0質量%のシリカ、5~5質量%のマグネシア、0質量%を超え質量%までの酸化クロム、0質量%を超え質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、請求項4に記載の無機繊維。
【請求項6】
0~0質量%のシリカ、5~5質量%のマグネシア、.1~質量%の酸化クロム、および0質量%を超え質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、請求項1に記載の無機繊維。
【請求項7】
2~6質量%のシリカ、2.5~6.5質量%のマグネシア、.1~質量%の酸化クロム、0質量%を超え質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、請求項1に記載の無機繊維。
【請求項8】
5~9質量%のシリカ、5~0質量%のマグネシア、.1~質量%の酸化クロム、0質量%を超え質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、請求項1に記載の無機繊維。
【請求項9】
(i)0質量%を超え質量%までの酸化クロム、
(ii)0質量%を超え質量%までの酸化クロム、
(iii)0質量%を超え質量%までの酸化クロム、
(iv)0質量%を超え質量%までの酸化クロム、
(v).125~質量%の酸化クロム、
(vi).25~質量%の酸化クロム、
(vii).3~質量%の酸化クロム、
(viii).4~質量%の酸化クロム、
(ix).5~質量%の酸化クロム、
(x).6~質量%の酸化クロム、
(xi).75~質量%の酸化クロム、
(xii).8~質量%の酸化クロム、
(xiii)質量%の酸化クロム、
(xiv).75質量%の酸化クロム、
(xv).5質量%の酸化クロム、または
(xvi).75質量%の酸化クロム
のうちのいずれか1つの繊維化生成物を含む、請求項4に記載の無機繊維。
【請求項10】
バルク繊維、ブランケット、ニードルブランケット、ニードルマット、ニードルペーパー、紙、フェルト、キャストシェイプ、真空キャストフォーム、または組成物のうちの少なくとも1つを含む無機繊維含有物品であって、請求項1から9のいずれか1項に記載の繊維化生成物を含む無機繊維を複数含むことを特徴とする、無機繊維含有物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱的、電気的または音響的絶縁材料として有用であり、1400℃以上の使用温度を有する、耐高温性無機繊維を提供する。耐高温性無機繊維は、原料成分の溶融物から容易に製造可能であり、使用温度に曝露した後に低い収縮率(shrinkage)を示し、使用温度に曝露した後に良好な機械的性能を保持し、生理的体液(physiological fluid)中で低い生体内持続性(biopersistence)を示す。
【背景技術】
【0002】
絶縁材料産業では、熱的、電気的および音響的絶縁用途において、生理的体液中で持続しない繊維、すなわち生理的体液中で低い生体内持続性または高い溶解性を示す繊維組成物を利用することが望ましいと結論付けている。候補材料が提案されてきたが、これらの材料の使用温度限界は、従来の耐高温性アルミノ-シリケート繊維を適用する多くの用途に適応するほどには高くはなかった。
生理的媒体中で非耐久性または分解性である合成ガラス繊維群の材料内の多くの組成物が提案されている。
耐高温性繊維はまた、断熱される物品に効果的な熱的保護を与えるために、予想される使用温度で、および予想される使用温度に長時間または連続的に曝露された後、最小の線収縮率を示すべきである。
断熱に使用する繊維において重要な収縮特性によって表されるような耐温度性に加えて、繊維が使用温度に曝露されている間および曝露された後に、機械的強度特性を有することも要求され、このことにより、繊維は、使用中、その構造的完全性および断熱特性を維持することができる。
無機繊維の機械的完全性の1つの特性は、利用後のその脆砕性である。繊維の脆砕性が高いほど、すなわち、繊維が粉砕または崩壊して粉末になるのが容易なほど、繊維はより低い機械的完全性を有する。一般に、生理的体液中で耐高温性および非耐久性の両方を示す無機繊維は、利用後の高い脆砕性も示す。このことは、利用温度へ曝露した後、その断熱という目的を達成するのに必要な構造を与えることを可能とする、強度または機械的完全性を欠く繊維を、結果としてもたらす。繊維の機械的完全性の他の尺度としては、圧縮強度および圧縮回復率(compression recovery)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、繊維化可能な、所望の成分の溶融物から容易に製造可能であり、1400℃以上の使用温度に曝露している間および曝露した後に低い収縮率を示し、予想される利用温度に曝露した後に低い脆性を示し、1400℃以上の使用温度に曝露した後に機械的完全性を維持する、改良された無機繊維組成物を製造することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含む無機繊維を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含む無機繊維であって、24時間1400℃において、5%以下の収縮率を示す、無機繊維を提供する。特定の例示的な実施形態によれば、無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含み、24時間1260℃において、5%以下の収縮率を示す。
特定の例示的な実施形態によれば、無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含み、24時間1400℃の温度に曝露した後、最大55%の圧縮回復率を示す。
【0006】
特定の例示的な実施形態によれば、無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含み、24時間1260℃の温度に曝露した後、最大70%の圧縮回復率を示す。
また、耐高温性無機繊維を作製するための方法であって、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロム含有原料を含む成分を用いて溶融物を形成する工程と、溶融物から繊維を生成する工程とを含む方法も提供する。この方法は、開示された繊維組成物のいずれかを含んでもよい。
ある範囲の値を本開示に記載する場合、端点を含む範囲内のあらゆる値が開示されたものとみなされるべきであることを意図しているということを、理解するべきである。例えば、「65~86の範囲」は、65~86の間の連続体に沿った可能なそれぞれの数を示すものとして読み取られるべきである。発明者らは、その範囲内のすべての値が特定されたものとみなされ、発明者らが範囲全体およびその範囲内のすべての値を所有しているということを認識および理解しているということが、理解されるべきである。
【0007】
本開示において、値に関連して使用する「約(about)」という用語は、記載された値を含み、文脈によって指示される意味を有する。例えば、この「約」という用語は、少なくとも特定の値の測定と関係した誤差の程度を含む。当業者であれば、本明細書で使用する「約」という用語は、列挙された値の「約」の量が、本開示の組成物および/または方法において、所望の程度の有効性を生じることを意味することを、理解するであろう。当業者であれば、ある実施形態の任意の構成成分のパーセンテージ、量または数量の値に関する「約」の範囲および境界(metes and bounds)は、値を変化させること、各値に対する組成物の有効性を決定すること、および本開示に従って、所望の程度の有効性を有する組成物を生成する値の範囲を決定することによって決定され得るということを、さらに理解するであろう。「約」という用語は、さらに、組成物が、組成物の有効性または安全性を変えない他の物質の微量構成成分を含有し得る可能性を反映するために使用する。
本開示において、「実質的に」という用語は、識別された特性または状況を測定可能に損なうことがない程に小さい偏差の程度を指す。許容される偏差の正確な程度は、特定の状況に依存する場合もある。「実質的に含まない」という句は、組成物が、繊維溶融物に意図的には添加されないが、繊維が生成される未加工の出発物質中に存在し得る微量の不純物より多くの量を含まないということを意味する。
【0008】
本明細書で開示する組成物の質量パーセンテージは、繊維の全質量に基づく。繊維の全質量パーセントが100%を超えるはずがないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、当業者であれば、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシアおよび0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムを含む繊維組成物が、100%を超えないことを、容易に認識し、理解するであろう。当業者であれば、シリカおよびマグネシアの量が、繊維の100質量%を超えずに所望の量のシリカ、マグネシアおよびクロムを含むように調整されることを理解するであろう。
開示された無機繊維のうちのいずれか1つの複数から作製した繊維状断熱材を用いて物品を断熱する方法もまた、提供する。方法は、断熱するべき物品の上、その中、近く、またはその周囲に、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含む無機繊維などの、本明細書で開示する繊維のうちのいずれか1つの繊維化生成物を含む複数の無機繊維を含む断熱材料を配置する工程と、断熱するべき物品を、1400℃以上の温度に曝露する工程とを含む。
特定の例示的な実施形態によれば、物品を断熱する方法は、断熱するべき物品の上、その中、近く、またはその周囲に、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および意図的に添加した酸化クロムの繊維化生成物を含む無機繊維などの、開示された無機繊維のうちのいずれか1つの複数を含む断熱材料を配置する工程と、断熱する物品を、1260℃以上の温度に曝露する工程とを含む。
【0009】
熱的、電気的および音響的絶縁材料として有用である無機繊維を提供する。開示された組成物のいずれかによる無機繊維は、1260℃の連続利用温度または連続使用温度を有する一方、4%以下の線収縮率を示す。他の実施形態によれば、開示された組成物のいずれかによる無機繊維は、1400℃の連続利用温度または連続使用温度を有する一方、5%以下の線収縮率を示す。繊維含有断熱物品の線収縮率は、後述する線収縮試験法により決定する。
ガラス組成物が満足のいく耐高温性繊維製品を製造するための実行可能な候補であるためには、製造する繊維は、成分の溶融物から製造可能であり、生理的体液中で十分に溶解し、高利用温度に曝露している間および曝露した後に、最小限の線収縮率および最小限の機械的完全性の損失で、高温に耐えることができなくてはならない。
本無機繊維は、生理的体液中で非生体内持続性である。生理的体液中での「非生体内持続性」とは、インビトロ試験において、模擬肺液などのそのような生理的体液に無機繊維が少なくとも部分的に溶解することを意味する。無機繊維の生体内持続性は、ヒトの肺に見られる温度および化学的条件をシミュレートした条件下で、繊維から質量が失われる速度(ng/cm2-時)を測定することによって試験することができる。
【0010】
「粘度」とは、ガラス溶融物が流れまたはせん断応力に抵抗する能力を指す。粘度-温度の関係は、原料成分の溶融物から所与のガラス組成物を繊維化することが可能であるか否かを決定する上で重要である。最適粘度曲線は、繊維化温度で低粘度(5~50ポアズ)を有し、温度が低下するにつれて徐々に増加するであろう。繊維化温度で溶融物が十分に粘性でない(すなわち、薄すぎる)場合、得られるものは、未繊維化材料(ショット)の割合が高い、短い、薄い繊維である。繊維化温度で溶融物の粘性が高すぎると、得られる繊維は非常に粗く(直径が大きく)、短くなる。
粘度は溶融化学に依存し、粘度調整剤として作用する元素または化合物の影響も受ける。粘度調整剤により、繊維を繊維溶融物からブロー成形または紡糸することが可能となる。しかし、そのような粘度調整剤は、種類または量のいずれかによって、ブロー成形されたまたは紡糸された繊維の溶解性、収縮抵抗性、または機械的強度に悪影響を与えないことが望ましい。
【0011】
定義された組成の繊維が許容可能な品質レベルで容易に製造できるかどうかを試験する1つのアプローチは、実験化学の粘度曲線が、容易に繊維化できる公知の製品の粘度曲線と一致するかどうかを判断することである。粘度温度プロファイルは、高温で操作可能な粘度計で測定することができる。さらに、製造された繊維の質(指数、直径、長さ)を調べるルーチン実験によって、適切な粘度プロファイルを推測することができる。ガラス組成物の粘度対温度曲線の形状は、溶融物が繊維化する容易さ、したがって、(例えば、繊維のショット含有量、繊維の直径および繊維の長さに影響を与える)得られる繊維の品質を表す。ガラスは、一般に高温では粘度が低い。温度が低下するにつれて、粘度が増加する。所与の温度での粘度の値は、粘度対温度曲線の全体的な急峻さと同様に、組成物の関数として変化する。
無機繊維の線収縮率は、高温における繊維の寸法安定性、または特定の連続的利用温度または使用温度における繊維の性能の尺度である。繊維をマットに形成し、マットをニードルパンチ加工して、約8ポンド/立方フィートの密度および約1インチの厚さのパッドにすることによって、繊維の収縮率について試験する。そのようなパッドは3インチ×5インチの片に切断して、プラチナ製のピンを材料の面内に挿入する。次いで、これらのピンの離間距離を慎重に測定し、記録する。次いで、パッドを炉内に置き、試験温度まで上げ、その温度で一定時間保持する。加熱後、ピンの離間距離を再び測定して、パッドが試験条件中に経験した線収縮率を決定する。
そのような1つの試験では、繊維パッドの長さと幅を慎重に測定し、パッドを炉内に置き、24、168、または672時間、1400℃の温度にした。冷却後、横方向寸法を測定し、加熱「前」と加熱「後」の測定値を比較することによって、線収縮率を決定した。繊維がブランケット形態で入手可能である場合、パッドを形成する必要なく、直接ブランケットについて測定を行うことができる。
【0012】
機械的完全性はまた、繊維がいかなる用途においても繊維自身の質量を支持しなければならず、空気またはガスの移動による摩耗にも耐えることができなくてはならないので、重要な特性である。繊維の完全性および機械的強度の指標は、利用温度に曝露した後の繊維の視覚的および触覚的観察、ならびにこれらの特性の機械的測定によって提供される。使用温度に曝露した後、その完全性を維持する繊維の能力は、圧縮強度および圧縮回復率を試験することによって機械的に測定することもできる。これらの試験では、パッドがどのくらいに容易に変形し得るか、および50%の圧縮後にパッドが示す弾性量(または圧縮回復率)をそれぞれ測定する。視覚的および触覚的観察は、本無機繊維が、少なくとも24時間少なくとも1400℃の使用温度に曝露した後に、そのまま維持され、かつその形態を維持していることを示す。
低収縮性、耐高温性無機繊維は、主成分としてのマグネシアおよびシリカを、意図的な添加物の適量の酸化クロムと共に含有する溶融物の繊維化生成物を含む。非耐久性無機繊維は、標準的なガラス繊維およびセラミック繊維製造方法によって製造する。シリカ、およびエンスタタイト、フォルステライト、マグネシア、マグネサイト、焼成マグネサイト、マグネシウムジルコネート、ペリクレース、ステアタイト、またはタルクなどの任意の好適なマグネシア源などの原料を、使用してもよい。ジルコニアが繊維溶融物内に含まれる場合、バデレアイト、マグネシウムジルコネート、ジルコンまたはジルコニアなどの任意の好適なジルコニア源を、使用してもよい。原料成分は、好適な炉内に導入し、この炉内で溶融し、繊維化ノズルを用いてブロー成形するか、または繊維紡糸装置によってバッチ方式もしくは連続方式で紡糸する。
【0013】
低収縮性、耐高温性無機繊維はまた、繊維溶融化学の一部として意図的に添加した酸化クロム含有原料構成成分を含む。「意図的に添加した」という語句は、酸化クロム含有原料が意図した溶融構成成分であることを意味する。酸化クロム含有構成成分は、溶融物への添加剤として、または、クロムを含有する適切な量の材料を溶融物の成分として使用することによって、構成成分として、または添加剤および構成成分の両方として提供してもよい。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシアおよび0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
【0014】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない、繊維化生成物を含む。
【0015】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、約0.1~約5質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、約0.1~約5質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までの、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない、アルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、カルシアおよび0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、約1質量%以下のカルシア、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、約0.75質量%以下のカルシア、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
【0016】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、約0.50質量%以下のカルシア、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、シリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、約0.25質量%以下のカルシア、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、カルシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
【0017】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、約1質量%以下のカルシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0018】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、カルシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
【0019】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約14~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約86質量%のシリカ、約12.5~約26.5質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
【0020】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0021】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約3質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約3質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
【0022】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約3質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約3質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約3質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約3質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0023】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約72~約80質量%のシリカ、約20~約28質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約3質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0024】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0025】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0026】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約70~約80質量%のシリカ、約15~約30質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、および0質量%を超え約5質量%までの酸化クロムの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
【0027】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0028】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0029】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
【0030】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約4質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
【0031】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約2質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
【0032】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約2質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約2質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約2質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約1質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約1質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約1質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0033】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、約75~約79質量%のシリカ、約18~約24質量%のマグネシア、約0.1~約1質量%の酸化クロム、0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナの、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない、繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、カルシア、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、約1質量%以下のカルシア、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含む。
【0034】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0035】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0036】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本の無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0037】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、およびカルシアの繊維化生成物を含む。
【0038】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.75質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および約0.25質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含む。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
【0039】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および0.5質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および0.3質量%以下のカルシアの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、約0.1~約5質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
【0040】
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
特定の実施形態によれば、本無機繊維は、70質量%以上のシリカ、マグネシア、0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナの繊維化生成物を含み、24時間1400℃に曝露した後、5%以下の収縮率を示す。
無機繊維の記載されたすべての実施形態に関連して、マグネシア、シリカおよび酸化クロムに加えて、意図的な酸化クロム添加物を含有するマグネシウム-シリケート繊維は、カルシア不純物を含有してもよい。特定の実施形態では、繊維は、約1質量%を超えるカルシア不純物を含有しない。他の実施形態では、繊維は、0.75質量%未満のカルシア不純物を含有する。他の実施形態では、繊維は、0.5質量%未満のカルシア不純物を含有する。他の実施形態では、繊維は、0.25質量%未満のカルシアを含有する。
【0041】
無機繊維の記載されたすべての実施形態に関連して、マグネシア、シリカに加えて、繊維は、0質量%を超え約5質量%までの量で、0質量%を超え約4.5質量%までの量で、0質量%を超え約4質量%までの量で、0質量%を超え約3.5質量%までの量で、0質量%を超え約3質量%までの量で、0質量%を超え約2.5質量%までの量で、0質量%を超え約2質量%までの量で、0質量%を超え約1質量%までの量で、0質量%を超え約0.75質量%までの量で、0質量%を超え約0.5質量%までの量で、0質量%を超え約0.25質量%までの量で、約1~約5質量%の量で、約1.25~約5質量%の量で、約1.5~約5質量%の量で、約2~約5質量%の量で、約2.5~約5質量%の量で、約3~約5質量%の量で、約3.5~約5質量%の量で、約4~約5質量の量で、または約4.5~約5質量%の量で、約1~約4質量%の量で、約1.25~約4質量%の量で、約1.5~約4質量%の量で、約2~約4質量%の量で、約2.5~約4質量%の量で、約3~約4質量%の量で、約3.5~約4質量%の量で、約1~約3質量%の量で、約1.25~約3質量%の量で、約1.5~約3質量%の量で、約2~約3質量%の量で、約2.5~約3質量%の量で、約1~約2質量%の量で、約1.25~約2質量%の量で、約1.5~約2質量%の量で、または約1.75~約2質量%の量で、0.1~約3質量%の量で、0.2~約3質量%の量で、0.3~約3質量%の量で、0.4~約3質量%の量で、0.5~約3質量%の量で、0.6~約3質量%の量で、0.7~約3質量%の量で、0.8~約3質量%の量で、0.9~約3質量%の量で、0.1~約1.5質量%の量で、0.2~約1.5質量%の量で、0.3~約1.5質量%の量で、0.4~約1.5質量%の量で、0.5~約1.5質量%の量で、0.6~約1.5質量%の量で、0.7~約1.5質量%の量で、0.8~約1.5質量%の量で、0.9~約1.5質量%の量で、0.1~約1質量%の量で、0.2~約1質量%の量で、0.3~約1質量%の量で、0.4~約1質量%の量で、0.5~約1質量%の量で、0.6~約1質量%の量で、0.7~約1質量%の量で、0.8~約1質量%の量で、0.9~約1質量%の量で、意図的な酸化クロム添加物を含有してもよい。
【0042】
本明細書で記載する繊維化生成物のすべての実施形態について、繊維の構成成分の総質量は100%である。
記載された無機繊維のすべての実施形態に関連して、意図的な酸化クロム添加物を含有する繊維は、24時間1400℃の利用温度に曝露した後、5%以下の線収縮率を示す。特定の実施形態では、意図的な酸化クロム添加物を含有する繊維は、24時間1260℃の利用温度に曝露した後、5%以下の線収縮率を示す。特定の実施形態では、意図的な酸化クロム添加物を含有する繊維は、24時間1400℃の利用温度に曝露した後、5%以下の線収縮率を示し、24時間1260℃の利用温度に曝露した後、4%以下の線収縮率を示す。
意図的な酸化クロム添加物を含有する繊維は、少なくとも1400℃以上の連続利用温度または動作温度で、断熱用途に有用である。特定の実施形態によれば、酸化クロムを含有する繊維は、少なくとも1400℃の連続利用温度または動作温度で断熱用途に有用であり、酸化クロム添加物を含有する繊維は、1500℃以上の温度に曝露されるまで溶融しないことが見出された。
【0043】
無機繊維は、繊維ブロー成形または繊維紡糸技術により作製してもよい。好適な繊維ブロー成形技術は、マグネシア、シリカおよび酸化クロム含有化合物を含有する出発原料を一緒に混合して、成分の材料混合物を形成する工程と、好適な容器またはコンテナに成分の材料混合物を導入する工程と、成分の材料混合物を溶融して、好適なノズルを介して放出する工程と、成分の溶融材料混合物を放出した流れに高圧ガスを吹き込み、繊維を形成する工程とを含む。
好適な繊維紡糸技術は、マグネシア、シリカおよび酸化クロム含有化合物を含有する出発原料を一緒に混合して、成分の材料混合物を形成する工程と、好適な容器またはコンテナに成分の材料混合物を導入し、成分の材料混合物を溶融して、好適なノズルを介して紡糸ホイール上に放出する工程とを含む。次いで、溶融流は、ホイール上に滝のように落下し、ホイールをコーティングし、求心力を介して投げ出され、これによって繊維を形成する。
【0044】
いくつかの実施形態では、繊維は、溶融流を高圧/高速空気の噴流に供することにより、または溶融物を急速に紡糸ホイールに注ぎ、遠心分離で繊維を紡糸することにより、原料の溶融物から製造する。酸化クロム含有化合物を溶融物への添加剤として提供する場合には、酸化クロム原料の好適な供給源は、溶融する原料に適切な量で単純に添加する。
意図的な酸化クロム含有化合物の添加物は、繊維化された原料溶融物の構成成分として、または繊維の外表面に塗布されるコーティングとして、またはその両方としてのものであってよい。予想外に、意図した酸化クロム含有化合物を繊維化構成成分として含む無機繊維は、酸化クロム含有化合物でコーティングされた同様の繊維と比較して、生体内持続性の低下などの優れた特性を示すことが見出された。意図的に添加した酸化クロムを含むことによって、使用温度に曝露した後に、得られる繊維の線収縮率が低減する。繊維化する原材料の構成成分として、意図した酸化クロム含有化合物を添加すると、収縮率の改善に加えて、凝固温度が低下し、繊維化溶融物の粘度を改善する。
【0045】
酸化クロム含有化合物に加えて、成分の材料溶融物の粘度は、所望の用途に必要な繊維化をもたらすのに十分な量で、他の粘度調整剤の存在によって制御してもよい。粘度調整剤は、溶融物の主構成成分を供給する原料中に存在していてもよいし、少なくとも一部、別々に添加してもよい。原料の所望の粒子サイズは、炉サイズ(SEF)、鋳込み速度、溶融温度、滞留時間などを含む炉内状況によって決定する。
繊維溶融物の粘度を高めるために利用し得る他の化合物としては、アルカリ金属酸化物、アルミナおよびボリアが挙げられる。他の元素または化合物は、溶融物に添加すると、溶融粘度に影響を及ぼす粘度調整剤として利用することができ、これにより、この溶融物は、容易に繊維化可能な溶融物の粘度/温度曲線のプロファイルまたは形状に近似する。
意図的な酸化クロム添加物を含有し、少なくとも1400℃以上の使用温度を有する低収縮性、耐高温性の繊維を作製するための方法を提供する。繊維を形成する方法は、マグネシア、シリカ、および酸化クロム含有化合物を含む成分の材料溶融物を形成する工程と、成分の溶融物から繊維を形成する工程とを含む。シリカ、マグネシア、酸化クロム含有化合物および付随する原料不純物の量は、上記の例示的な実施形態のいずれかから選択することができる。
【0046】
他の実施形態では、繊維を形成する方法は、マグネシア、およびシリカを含む成分の材料溶融物を形成する工程と、成分の溶融物から繊維を形成する工程と、繊維化の時点または繊維化の後に、得られる繊維を意図したクロム酸化物含有化合物でコーティングする工程とを含む。シリカ、マグネシア、および酸化クロム含有化合物の量は、上記の例示的な実施形態のいずれかから選択することができる。
他の実施形態では、繊維を形成する方法は、マグネシア、シリカ、および意図した酸化クロム含有化合物を含む成分の材料溶融物を形成する工程と、成分の溶融物から繊維を形成する工程と、繊維化の時点または繊維化の後に、得られる繊維を意図したクロム酸化物含有化合物でコーティングする工程とを含む。
繊維は、既存の繊維化技術を用いて製造し、複数の断熱製品形態に形成してもよく、断熱製品形態としてはバルク繊維、繊維含有ブランケット、ボード、紙、フェルト、マット、ブロック、モジュール、コーティング、セメント、成形可能な組成物、ポンプ輸送可能な組成物、パテ、ロープ、編組、ウィッキング、織物(布、テープ、スリーブ、紐、糸など)、真空キャストシェイプおよび複合材が挙げられるが、これらに限定されない。繊維は、従来の耐火性セラミック繊維の代替物として、繊維含有ブランケット、真空キャストシェイプおよび複合材の製造に利用する従来の材料と組み合わせて、使用してもよい。繊維は、繊維含有紙およびフェルトの製造において、単独で、または結合剤などの他の材料と組み合わせて使用してもよい。
【0047】
開示された繊維のいずれか1つを含有する断熱材を使用して、1260℃以上、または1400℃以上の温度で物品を断熱する方法もまた、提供する。物品を断熱する方法は、断熱するべき物品の上、その中、近く、またはその周囲に、意図的な酸化クロム添加物を含有する繊維を含有する断熱材料を、配置する工程を含む。
耐高温性無機繊維は、繊維のブロー成形または紡糸に好適な粘度を有する溶融物から容易に製造可能であり、生理的体液中で実質的に非生体内持続性であり、最高利用温度で良好な機械的強度を示し、最高1400℃で、優れた線収縮率を示し、繊維化の粘度の改善を示す。
【実施例
【0048】
以下の例を示して、意図的な酸化クロム添加物を含有する繊維の例示的な実施形態をさらに詳細に説明し、無機繊維を作製し、これらの繊維を含有する断熱物品を作製し、これらの繊維を断熱材として使用する方法を例証する。しかし、これら例は、繊維、繊維含有物品、または任意の方法で繊維を製造し、または断熱材として使用する方法を限定するものとして解釈すべきではない。
線収縮率
収縮パッドを、一揃いのフェルトニードルを用いて繊維マットをニードル処理することによって作製した。3インチ×5インチの試験片をパッドから切り取り、収縮試験に使用した。試験パッドの長さおよび幅を、慎重に測定した。次いで、試験パッドを炉内に置き、24時間1400℃の温度にした。24時間加熱した後、試験パッドを試験炉から取り出し、冷却した。冷却後、試験パッドの長さおよび幅を、再び測定した。試験パッドの線収縮率は、加熱「前」および「後」の寸法測定値を比較することによって決定した。
【0049】
圧縮回復率
無機繊維が使用温度に曝露された後に機械的強度を保持する能力は、圧縮回復試験によって評価した。圧縮回復率は、無機繊維を所与の時間にわたって所望の使用温度に曝露したことに対応する、無機繊維の機械的性能の尺度である。圧縮回復率は、無機繊維材料から製造した試験パッドを、選択した時間にわたって試験温度に焼成することによって測定する。その後、焼成した試験パッドを、元の厚さの半分にまで圧縮し、回復させる。回復の量は、圧縮したパッドの厚さのパーセント回復率として測定する。圧縮回復率は、24時間1260℃および1400℃の使用温度に曝露した後に測定した。特定の例示的な実施形態によれば、無機繊維から製造した試験パッドは、少なくとも10%の圧縮回復率を示す。
繊維溶解
無機繊維は、生理的体液中で非耐久性または非生体内持続性である。生理的体液中での「非耐久性」または「非生体内持続性」とは、インビトロ試験において、模擬肺液などのそのような体液に無機繊維が少なくとも部分的に溶解または分解することを意味する。
【0050】
耐久性試験は、ヒトの肺に見られる温度および化学的条件をシミュレートした条件下で、繊維から質量が失われる速度(ng/cm2-時)を測定する。特に、本明細書で論じる繊維は、pH7.4において模擬肺液に対して高度に可溶である。
模擬肺液中の繊維の溶解速度を測定するために、約0.1gの繊維を、37℃に加温した模擬肺液を含有する50mlの遠心管に入れる。次いで、これを振とうインキュベーターに6時間入れ、毎分100サイクルでかき混ぜる。試験の終了時に、管を遠心分離にかけ、溶液を60mlシリンジに注ぎ入れる。次いで、溶液を、強制的に0.45μmのフィルターに通して、あらゆる微粒子を除去し、誘導結合プラズマ分光分析を用いて、ガラス成分について試験する。この試験は、中性に近いpH溶液または酸性溶液のいずれかを用いて実施してよい。特定の溶解速度基準は存在しないが、100ng/cm2-時を超える溶解値を有する繊維は、非生体内持続性繊維であることを示すものと考えられる。本発明の繊維組成物の耐久性を試験するために用いた、模擬肺液の組成:
約18リットルの脱イオン水に、上記の表に示す量で上記の試薬を逐次加える。混合物を脱イオン水で20リットルに希釈し、磁気撹拌棒または他の好適な手段で、少なくとも15分間内容物を撹拌し続ける。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
上記の表IIに示すように、Cr23として測定される意図的な酸化クロム添加物を含むマグネシウム-シリケート繊維サンプルは、アルミノ-シリケート化学および公知の非生体内持続性アルカリ土類シリケート繊維をベースとする、公知の耐火性セラミック繊維と比較して、一般に、優れた線収縮率値を示した。圧縮回復率および溶解速度は依然として満足のいくものであった。意図的に添加した酸化クロムを含有するマグネシウム-シリケート繊維組成物の例は、そのような酸化クロム添加物のないグネシウム-シリケート繊維と比較して、1260℃および1400℃の両方で圧縮回復率の改善を示し、一方で、生体液中で優れた線収縮率および溶解特性を依然として維持している。
【0054】
無機繊維、断熱材、無機繊維を作製する方法、および断熱材を使用して物品を断熱する方法が、様々な実施形態に関連して記載されているが、他の同様の実施形態を使用してもよいし、または同じ機能を実行するために、記載された実施形態に変更または追加を行ってもよいことを理解されたい。さらに、様々な例示的な実施形態を組み合わせて、所望の結果を生成することができる。したがって、無機繊維、断熱材、無機繊維を作製する方法、および断熱材を使用して物品を断熱する方法は、任意の単一の実施形態に限定されるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲の記載に従って幅広く解釈されるべきである。本明細書で記載する実施形態は単なる例示であり、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく変形および変更を行うことができることが、理解されるであろう。そのようなすべての変形および変更は、上記の本発明の範囲内に含まれるものとする。さらに、開示されたすべての実施形態は、本発明の様々な実施形態を組み合わせて所望の結果を提供することができるため、選択的である必要はない。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕約65~約86質量%のシリカ、約14~約35質量%のシリカマグネシア、および0質量%を超え約5質量%までの意図的に添加した酸化クロム、の繊維化生成物を含む無機繊維であって、24時間1400℃の温度に曝露した後、5%以下の収縮率、および約10%以上の圧縮回復率を示すことを特徴とする、無機繊維。
〔2〕24時間1260℃の温度に曝露した後、4%以下の収縮率を示す、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔3〕24時間1260℃の温度に曝露した後、約10~約55パーセントの圧縮回復率を示す、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔4〕約70~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔5〕約70~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、前記〔4〕に記載の無機繊維。
〔6〕約72~約80質量%のシリカ、約17~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔7〕約72~約80質量%のシリカ、約17~約22質量%のマグネシア、0質量%を超え約5質量%までの酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、前記〔6〕に記載の無機繊維。
〔8〕約70~約80質量%のシリカ、約15~約25質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約2質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔9〕約72~約86質量%のシリカ、約12.5~約26.5質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔10〕約72~約86質量%のシリカ、約12.5~約26.5質量%のマグネシア、約0.1~約3質量%の酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、前記〔9〕に記載の無機繊維。
〔11〕約75~約79質量%のシリカ、約15~約20質量%のマグネシア、約0.1~約2質量%の酸化クロム、および0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、の繊維化生成物を含む、前記〔1〕に記載の無機繊維。
〔12〕約75~約79質量%のシリカ、約15~約20質量%のマグネシア、約0.1~約2質量%の酸化クロム、0質量%を超え約4質量%までのアルミナ、および1質量%以下のカルシア、の繊維化生成物を含む、前記〔11〕に記載の無機繊維。
〔13〕
(i)0質量%を超え約4質量%までの酸化クロム、
(ii)0質量%を超え約3質量%までの酸化クロム、
(iii)0質量%を超え約2質量%までの酸化クロム、
(iv)0質量%を超え約1質量%までの酸化クロム、
(v)約0.125~約1質量%の酸化クロム、
(vi)約0.25~約1質量%の酸化クロム、
(vii)約0.3~約1質量%の酸化クロム、
(viii)約0.4~約1質量%の酸化クロム、
(ix)約0.5~約1質量%の酸化クロム、
(x)約0.6~約1質量%の酸化クロム、
(xi)約0.75~約1質量%の酸化クロム、
(xii)約0.8~約1質量%の酸化クロム、
(xiii)約1~約2質量%の酸化クロム、
(xiv)約1~約1.75質量%の酸化クロム、
(xv)約1~約1.5質量%の酸化クロム、または
(xvi)約1~約1.75質量%の酸化クロム
のうちのいずれか1つの繊維化生成物を含む、前記〔4〕に記載の無機繊維。
〔14〕バルク繊維、ブランケット、ニードルブランケット、ニードルマット、ニードルペーパー、紙、フェルト、キャストシェイプ、真空キャストフォーム、または組成物のうちの少なくとも1つを含む無機繊維含有物品であって、前記〔1〕から〔13〕のいずれか1項に記載の繊維化生成物を含む無機繊維を複数含むことを特徴とする、無機繊維含有物品。