(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】管状のエアロゾル発生物品および保持機構を備えた電気的に作動するエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20220307BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20220307BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20220307BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2018556803
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2017062763
(87)【国際公開番号】W WO2017207435
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-05-18
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-509160(JP,A)
【文献】登録実用新案第3071682(JP,U)
【文献】登録実用新案第3112357(JP,U)
【文献】特開平05-164117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要ユニットの外部表面に加熱部分を含む主要ユニットであって、前記加熱部分は1つ以上の電気ヒーターを含む、主要ユニット、および、
管状のエアロゾル発生物品であって、
管状のエアロゾル形成基体と、
内部通路と、を含む、管状のエアロゾル発生物品、を備え、
前記管状のエアロゾル発生物品の前記内部通路は、前記主要ユニットの前記加熱部分を受けるように構成され、
前記1つ以上の電気ヒーターは、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記管状のエアロゾル形成基体を加熱するように配置され、
前記主要ユニットと前記管状のエアロゾル発生物品の少なくとも一方は、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記管状のエアロゾル発生物品を前記主要ユニットの前記加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される、少なくとも1つの保持機構を含
み、
前記少なくとも1つの保持機構は、磁性材料を含む、電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保持機構は、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記管状のエアロゾル発生物品と係合するように構成される、少なくとも1つの突出部を含む、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記1つ以上の突出部は、前記主要ユニットを実質的に囲む、請求項2に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記管状のエアロゾル発生物品は、前記内部通路内に1つ以上の凹部を含み、前記1つ以上の凹部は、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に前記主要ユニットの1つ以上の突出部を受けるように構成される、請求項2または3に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持機構は、
前記管状のエアロゾル発生物品上に配置される第一の磁性材料と、
前記主要ユニット上に配置される第二の磁性材料と、を含む、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記第一の磁性材料の少なくとも一部分は、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記第二の磁性材料の少なくとも一部分と隣接するように配置される、請求項5に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記第一および第二の磁性材料は、同一の磁性材料を含むか、または、前記第一および第二の磁性材料は異なる磁性材料を含むか、のいずれかである、請求項5または6に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記管状のエアロゾル発生物品は、
前記物品の前記内部通路が電気的に作動するエアロゾル発生システムの前記主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される、使用構成と、
物品が平坦化される、ストレージ構成との間で変形可能である、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記管状のエアロゾル発生物品は、前記使用構成から前記ストレージ構成に向かって弾性的に付勢される、請求項8に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの保持機構は、突出部、凹部、または弾性的付勢のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記管状のエアロゾル発生物品が、
前記管状のエアロゾル形成基体と、
前記電気的に作動するエアロゾル発生システムの前記主要ユニットの前記加熱部分を受けるように構成される前記内部通路と、
前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記管状のエアロゾル発生物品を前記主要ユニットの前記加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される、少なくとも1つの保持機構と、を備え、
前記少なくとも1つの保持機構は、磁性材料を含む、請求項1~10のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム用の管状のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記主要ユニットは、
前記主要ユニットの外部表面に、前記1つ以上の電気ヒーターを含む前記加熱部分と、
前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記管状のエアロゾル発生物品を前記主要ユニットの前記加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される、前記少なくとも1つの保持機構と、を備え、
前記少なくとも1つの保持機構は、磁性材料を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム用の主要ユニット。
【請求項13】
前記主要ユニットは近位端と遠位端を含み、前記少なくとも1つの保持機構は前記主要ユニットの前記加熱部分と前記近位端との間に配置される、請求項12に記載の主要ユニット。
【請求項14】
前記主要ユニットは近位端と遠位端を含み、前記少なくとも1つの保持機構は前記主要ユニットの前記加熱部分と前記遠位端との間に配置される、請求項12に記載の主要ユニット。
【請求項15】
加熱部分を含む主要ユニットと、
その外部表面に配置される1つ以上の電気ヒーターを含む加熱部分と、
前記主要ユニットの前記加熱部分上をスライドするよう変形可能である平坦なエアロゾル発生物品と、を備え、
前記主要ユニットと前記平坦なエアロゾル発生物品の少なくとも一方は、前記平坦なエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記平坦なエアロゾル発生物品を前記主要ユニットの前記加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される、少なくとも1つの保持機構を含み、
前記少なくとも1つの保持機構は、磁性材料を含む、電気的に作動するエアロゾル発生システム用のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気的に作動するエアロゾル発生システムに関連する。詳細には、本発明は、管状のエアロゾル発生物品および主要ユニットを備える電気的に作動するエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
周知の手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムは一般に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル発生装置で使用するために特別に設計されたエアロゾル発生物品を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置または主要ユニットを備える。一部の例において、エアロゾル発生物品は、たばこロッドまたはたばこプラグなどのエアロゾル形成基体を備える。たばこなどのエアロゾル形成基体は、一般的にはエアロゾル発生装置内で加熱された時にエアロゾルを形成する1つ以上の揮発性化合物を含む。エアロゾル発生装置の中に収容されるヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中へと挿入される時に、エアロゾル形成基体の中へと、またはその周りに挿入される。一部の電気的に作動するエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生物品は、容器に入っていないたばこなどのエアロゾル形成基体を収容するカプセルを備えてもよい。
【0003】
エアロゾル発生物品と主要ユニットとを備える電気的に作動するエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によれば、主要ユニットおよび管状のエアロゾル発生物品を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムが提供されている。管状のエアロゾル発生物品は、内部通路を有する管状のエアロゾル形成基体を備える。主要ユニットは、主要ユニットの外部表面に加熱部分を備え、加熱部分は1つ以上の電気ヒーターを有する。管状のエアロゾル形成基体の内部通路は、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成され、主要ユニットの加熱部分の1つ以上の電気ヒーターは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル形成基体を加熱するように配置される。主要ユニットおよび管状のエアロゾル発生物品の少なくとも一方は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットの加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される保持手段を備える。保持手段は、少なくとも1つの保持機構の形態で提供される。
【0005】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱された時に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体を含む物品を記述するために使用される。
【0006】
本明細書で使用される「主要ユニット」という用語は、管状のエアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生する装置を記述するために使用される。主要ユニットは一般的に、電気エネルギーの供給源と、1つ以上の発熱体を作動させるための関連する電気回路とを含む。
【0007】
本明細書で使用される「内部」および「外部」という用語は、管状のエアロゾル発生物品または主要ユニットの部品の相対位置を指す。
【0008】
本明細書で使用される「内部表面」という用語は、物品または主要ユニットの内部に面する物品または主要ユニットの表面を指す。例えば、管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、内部表面によって画定されうる。同様に、「外部表面」という用語は、システムの外部に向かって、またはシステムから外向きに面する物品または主要ユニットの表面を指す。例えば、主要ユニットの加熱部分は主要ユニットの外部表面に配置される。そのため、1つ以上の電気ヒーターは、主要ユニットの外部表面に配置され、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられない時にユーザーに見える場合がある。
【0009】
少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分から偶発的に取り外されることを抑制または防ぎうる。少なくとも1つの保持機構は、エアロゾル発生物品が管状のエアロゾル発生物品をスライドするまたはエアロゾル発生物品から落ちることなく、エアロゾル発生システムが任意の方向でユーザーによって保持されることを可能にしうる。少なくとも1つの保持機構は、エアロゾル発生システムの使用中に、主要ユニットの加熱部分の1つ以上の電気ヒーターに対する管状のエアロゾル形成基体の所望の配置を維持しうる。このことは、1つ以上の電気ヒーターから管状のエアロゾル形成基体への伝導性熱伝達を改善しうる。
【0010】
少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットの加熱部分から取り外すのにユーザーによって中程度の力を管状のエアロゾル発生物品上に適用する必要があるように、構成されうる。少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットから取り外すのに環状のエアロゾル発生物品の重量よりも大きな力を管状のエアロゾル発生物品上に適用する必要があるように、構成されうる。少なくとも1つ以上の保持機構は、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットから取り外すのにユーザーによって中程度の力を主要ユニットの加熱部分の長さに実質的に平行な方向で管状のエアロゾル発生物品上に適用する必要があるように、構成されうる。少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットから取り外すのにユーザーによって中程度の力を主要ユニットの加熱部分の長さに実質的に垂直な方向で管状のエアロゾル発生物品上に適用する必要があるように、構成されうる。
【0011】
少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットの加熱部分の上に取り外し可能なように保持するための適切な任意の特徴を含みうる。管状のエアロゾル発生物品は、少なくとも1つの保持機構を含みうる。主要ユニットは、少なくとも1つの保持機構を含んでもよく、または、いくつかの保持機構を含んでもよい。管状のエアロゾル発生物品と主要ユニットの両方は、少なくとも1つの保持機構を含みうる。
【0012】
少なくとも1つの保持機構は次の、突出部、凹部、磁性材料、または弾性的付勢のうちの1つ以上を含みうる。少なくとも1つの保持機構は、任意のその他の適切な特徴も含みうる。
【0013】
管状のエアロゾル発生物品および主要ユニットの両方が少なくとも1つの保持機構を含む場合、主要ユニットの少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の少なくとも1つの保持機構と協働するように構成されうる。例えば、管状のエアロゾル発生物品は、雌または雄のねじ山を含んでもよく、また、主要ユニットは相補的な雌または雄のねじ山を含んでもよい。主要ユニットのねじ山は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の相補的なねじ山と係合するように構成されてもよい。別の例では、管状のエアロゾル発生物品は、雄または雌の差込みピンコネクタを含んでもよく、そして、主要ユニットは、相補的な雌または雄の差込みピンコネクタを含んでもよい。主要ユニットの差込みピンコネクタは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の相補的な差込みピンコネクタと係合するように構成されうる。
【0014】
保持機構を、管状のエアロゾル発生物品の上ではなく主要ユニットの上に提供することで、管状のエアロゾル発生物品の構造を、少ない構成要素で単純に保つことが可能になりうる。このことは、管状のエアロゾル発生物品の単純な製造を可能にしうる。これにより、管状のエアロゾル発生物品を低コストで製造することが可能になりうる。これは、特に、各エアロゾル発生物品が一度の使用の後に処分可能に構成される場合に、ユーザーに対するエアロゾル発生システムの複数回の使用の費用を低減しうる。
【0015】
主要ユニットが少なくとも1つの保持機構を含む場合、少なくとも1つの保持機構は、主要ユニットの加熱部分に、またはそれに向けて配置されうる。少なくとも1つの保持機構は、主要ユニットの近位端に、またはそれに向けて配置されうる。少なくとも1つの保持機構は、加熱部分の近位に配置されてもよい。少なくとも1つの保持機構は、主要ユニットの加熱部分と近位端との間に配置されうる。少なくとも1つの保持機構は、加熱部分の遠位に配置されてもよい。少なくとも1つの保持機構は、主要ユニットの加熱部分と遠位端との間に配置されてもよい。一部の実施形態では、主要ユニットは、主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間にショルダー部を含みうる。少なくとも1つの保持機構は、ショルダー部に、またはそれに向けて提供されうる。1つ以上の保持機構を備える実施形態では、保持機構は、上述の1つ以上の位置に配置されうる。
【0016】
本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は、本発明のエアロゾル発生システム、エアロゾル発生物品または主要ユニットの構成要素または部分の相対位置を記述するために使用される。本明細書で使用されるシステムの「近位」端は、使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーが吸い出しうる端である。「近位」端は口側の端と呼ばれることもある。エアロゾル発生システムの「遠位」端は、「近位」端と向かい合った端である。「遠位」端は、使用時に、ユーザーから最も遠い端である。
【0017】
主要ユニットは、1つ以上の突出部を含みうる。少なくとも1つの保持機構は、1つ以上の突出部を含みうる。1つ以上の突出部は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品と係合するように構成されうる。1つ以上の突出部は、主要ユニットの加熱部分の長さの方向から傾斜した方向で、主要ユニットから延在しうる。1つ以上の突出部は、主要ユニットの加熱部分の長さの方向に実質的に垂直な方向で延在しうる。1つ以上の突出部は、実質的に半径方向外向きに延在してもよい。
【0018】
1つ以上の突出部は、主要ユニット上の適切な任意の位置に配置されうる。1つ以上の突出部は、主要ユニットの近位端に配置されてもよい。1つ以上の突出部は、加熱部分の近位に配置されてもよい。1つ以上の突出部は、加熱部分の遠位に配置されてもよい。
【0019】
主要ユニットは、1つ以上の突出部において加熱部分の幅よりも大きい幅を有してもよい。そのため、1つ以上の突出部における主要ユニットの幅は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の幅よりも大きくてもよい。
【0020】
本明細書に使用される「幅」という用語は、エアロゾル発生システム、管状のエアロゾル発生物品、および主要ユニットの横方向での最大寸法を記述するために使用される。本明細書で使用される時、「長さ」という用語は、エアロゾル発生システム、管状のエアロゾル発生物品、および主要ユニットの長手方向における最大寸法を記述するために使用される。
【0021】
本明細書で使用される「長手方向」という用語は、エアロゾル発生システムの近位端または口側の端と遠位端との間の方向を記述するために使用され、また「横断」という用語は、長手方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。
【0022】
1つ以上の突出部は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品と係合するように構成されうる。1つ以上の突出部は停止部として作用して、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分から取り外されることを抑制しうる。1つ以上の突出部は、管状のエアロゾル発生物品の、主要ユニットに対する近位方向の移動を抑制するように配置されうる。例えば、1つ以上の突出部が加熱部分の近位に配置される場合、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品の近位端が1つ以上の突出部と当接しうる。これは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分から取り外されることを抑制しうる。
【0023】
1つ以上の突出部は、実質的に主要ユニットを囲みうる。言い換えると、1つ以上の突出部は、主要ユニットの周囲の周りに延在する、リップなどの拡張部分を形成しうる。
【0024】
1つ以上の突出部は、管状のエアロゾル発生物品が1つ以上の突出部上を主要ユニットに対して遠位方向に、主要ユニットの加熱部分に向かって移動する時に、引き込むように構成されうる。言い換えると、1つ以上の突出部は、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品の内部通路の中へと挿入される時に、主要ユニットに対して半径方向内側に移動または変形するように構成されうる。1つ以上の突出部は、変形可能であってもよい。1つ以上の突出部は、圧縮可能である、または曲げることができてもよい。1つ以上の突出部は、弾性であってもよい。1つ以上の突出部は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に完全に受けられる時に非格納または非変形構成に戻るように付勢されてもよい。
【0025】
主要ユニットは、1つ以上の突出部を引き込むための手段を備えてもよい。言い換えると、主要ユニットは、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品の内部通路の中へと挿入されうるように、または管状のエアロゾル発生物品の内部通路から取り外されうるように、1つ以上の突出部を主要ユニットに対して半径方向内側に移動または変形させる手段を備えうる。引き込み手段は、ユーザーが動作させるものであってもよい。これは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分から取り外される時にユーザーが制御することを可能にしうる。
【0026】
管状のエアロゾル発生物品は、本明細書の後節でより詳述されるように、可撓性または変形可能であってもよい。具体的には、管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、変形可能であってもよい。管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品の内部通路の中へと挿入され、管状のエアロゾル発生物品の内部通路から取り外される時に、内部通路の幅が増大して主要ユニットの1つ以上の突出部を収容するように、変形するように構成されうる。管状のエアロゾル発生物品は、弾性であってもよい。管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に完全に受けられる時に、非変形構成に戻るように構成されうる。
【0027】
主要ユニットが1つ以上の突出部を含む場合、管状のエアロゾル発生物品は、1つ以上の凹部を含んでもよい。1つ以上の凹部は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、1つ以上の突出部を受けるように構成されうる。1つ以上の凹部は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路内にあってもよい。1つ以上の凹部は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の内部表面内に形成されてもよい。
【0028】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、2つの開端部を含みうる。言い換えると、管状のエアロゾル発生物品は、端の開いた中空管を含みうる。内部通路の開端部それぞれは、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成されうる。
【0029】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路が、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を備える場合、管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル発生物品の長さの中央に向かって配置される1つ以上の凹部を含みうる。また、主要ユニットは、加熱部分の長さの中央に向かって配置される1つ以上の突出部を含みうる。これは、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品のいずれかの開端部の中へと挿入され、環状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に完全に受けられる時に、主要ユニットの1つ以上の突出部が管状のエアロゾル発生物品の1つ以上の凹部に受けられることを可能にしうる。
【0030】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路が主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を含む場合、管状のエアロゾル発生物品は1つ以上の一対の凹部を含んでもよい。一対の凹部それぞれは、内部通路の長さの中央の周りに対称に配置される第一の凹部と第二の凹部を含みうる。これは、物品が加熱部分の上に完全に受けられる時に、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品のいずれかの開端部の中へと挿入され、1つ以上の突出部が管状のエアロゾル発生物品の凹部に受けられることを可能にしうる。また、主要ユニットは、1つ以上の一対の突出部も含みうる。一対の突出部のそれぞれは、加熱部分の長さの中央の周りに対称に配置される第一の突出部と第二の突出部を含みうる。
【0031】
少なくとも1つの保持機構は、1つ以上の磁性材料を含みうる。「磁性材料」という用語は、本明細書で使用される場合、常磁性および強磁性の両方の材料を含む、磁場と相互作用することができる材料を記述するために使用される。磁性材料は、外部磁場が存在する場合でのみ磁化された状態となるように、常磁性材料としうる。磁性材料は、外部磁場が存在する場合に磁化され、外部磁場が除去された後でも磁化された状態となる材料(例えば、強磁性材料など)としうる。「磁性材料」という用語は、本明細書で使用される場合、両方のタイプの磁化可能な材料の他、既に磁化された材料も含む。
【0032】
少なくとも1つの保持機構は、管状のエアロゾル発生物品上に配置される第一の磁性材料と、主要ユニット上に配置される第二の磁性材料とを含みうる。第二の磁性材料は、第一の磁性材料を磁力で引き付けるように構成されうる。第一の磁性材料および第二の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、第一の磁性材料が第二の磁性材料に隣接または近接するように配置されうる。第一の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、第二の磁性材料に当接または接触するように配置されうる。この配置では、第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の誘引性の磁力は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分から取り外されれることを抑制するのに十分でありうる。
【0033】
第一および第二の磁性材料は、ユーザーによって管状のエアロゾル発生物品上に中程度の力が適用されると、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分から取り外されるように、形状付けられて配置されうる。
【0034】
第一および第二の磁性材料は、適切な任意の磁性材料を含みうる。第一および第二の磁性材料は、同一の磁性材料を含みうる。第一および第二の磁性材料は、異なる磁性材料を含みうる。第一および第二の材料はそれぞれ、単一の磁性材料を含みうる。第一および第二の磁性材料はそれぞれ、異なる磁性材料の混合物を含みうる。適切な磁性材料には、鉄、コバルト、ニッケル、バリウム・フェライト、ストロンチウム・フェライト、コバルト・フェライト、希土類コバルト材料(例えば、サマリウム‐ペンタコバルト、プラセオジミウム‐ペンタコバルト、イットリウム‐ペンタコバルト、ランタン‐ペンタコバルト、およびセリウム‐ペンタコバルト)、マンガン-ビスマス、およびマンガン-アルミニウムが含まれる。
【0035】
第一および第二の磁性材料は、磁性材料のストリップとしうる。第一および第二の磁性材料は、箔のストリップとしてもよい。第一および第二の磁性材料は、同一の磁性材料から形成されてもよい。第一および第二の磁性材料は、異なる磁性材料から形成されてもよい。
【0036】
第一の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品上の適切な任意の位置に配置されうる。第一の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品の端部に、またはそれに向けて配置されうる。第一の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品の端面に配置されてもよい。第一の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の内部表面に配置されてもよい。第一の磁性材料は、内部通路の端部に、またはそれに向けて配置されてもよい。第一の磁性材料は、内部通路の長さの中央に、またはそれに向けて配置されてもよい。管状のエアロゾル発生物品の内部通路が主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を含む場合、第一の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品の両端に、またはそれに向けて配置されてもよい。
【0037】
第一の磁性材料は、任意の適切な形状としうる。第一の磁性材料は、細長くてもよい。第一の磁性材料は、1つ以上の細長いストリップを含みうる。1つ以上の細長いストリップは、内部通路の内部表面に配置されうる。1つ以上の細長いストリップは、実質的に内部通路の長さに延在しうる。第一の磁性材料は、実質的に環状としうる。第一の磁性材料は、1つ以上の環状のリングを含みうる。第一の磁性材料の1つ以上のリングは、実質的に内部通路の内部表面の一部分を囲みうる。第一の磁性材料の1つ以上のリングは、実質的に管状のエアロゾル発生物品の少なくとも1つの端面の一部分を囲みうる。
【0038】
第二の磁性材料は、主要ユニットの適切な任意の位置に配置されうる。第二の磁性材料は、主要ユニットの外部表面に配置されうる。第二の磁性材料は、主要ユニットの近位端に、またはそれに向けて配置されうる。第二の磁性材料は、加熱部分の近位に配置されてもよい。第二の磁性材料は、主要ユニットの加熱部分に、またはそれに向けて配置されてもよい。第二の磁性材料は、加熱部分の端部に、またはそれに向けて配置されてもよい。第二の磁性材料は、加熱部分の遠位に配置されてもよい。主要ユニットが主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間にショルダー部を含む場合、第二の磁性材料はショルダー部に配置されてもよい。
【0039】
第二の磁性材料は、任意の適切な形状としてもよい。第二の磁性材料は、細長くてもよい。第二の磁性材料は、1つ以上の細長いストリップを含んでもよい。1つ以上の細長いストリップは、主要ユニットの外部表面に配置されてもよい。1つ以上の細長いストリップは、実質的に加熱部分の長さに延在してもよい。第二の磁性材料は、実質的に環状でもよい。第二の磁性材料は、1つ以上の環状のリングを含んでもよい。第2の磁性材料の1つ以上のリングは、実質的に主要ユニットの外部表面の一部分を囲んでもよい。主要ユニットが主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間にショルダー部を含む場合、第二磁性材料は、実質的にショルダー部の一部分を囲む1つ以上のリングを含みうる。
【0040】
第一の磁性材料および第二の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品および主要ユニット上にそれぞれ相補的に配置されうる。第一の磁性材料および第二の磁性材料は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の距離が小さいか最小となるように配置されうる。例えば、第二の磁性材料が加熱部分の長さの中央に配置される場合、第一の磁性材料は、内部通路の長さの少なくとも中央に配置されうる。
【0041】
第一の磁性材料のリングおよび第二の磁性材料のリングの少なくとも1つを提供することは、主要ユニットを管状のエアロゾル発生物品の内部通路の中へと挿入する時に、管状のエアロゾル発生物品の主要ユニットに対する特定の回転方向を維持する必要性を除去しうる。
【0042】
主要ユニットは、1つ以上の電磁石を含みうる。1つ以上の電磁石は、第二の磁性材料と置換えうる。1つ以上の電磁石は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品の第一の磁性材料を引き付けるように構成されうる。1つ以上の電磁石は、第二の磁性材料と類似して形状付けられて配置されてもよい。
【0043】
主要ユニットは、1つ以上の電磁石への電力の供給を制御するように構成される電気回路を含みうる。電気回路は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に1つ以上の電磁石に電力を供給するように構成されうる。電気回路は、電力が1つ以上の電気ヒーターに供給される時に、1つ以上の電磁石に電力を供給するように構成されうる。電気回路は1つ以上の電気ヒーターの温度を感知するように配置されうる。電気回路は、感知された1つ以上の電気ヒーターの温度が所定の閾値未満となるまで、1つ以上の電磁石に電力を供給するように構成されうる。これは、エアロゾル発生システムの使用中にユーザーが管状のエアロゾル発生物品を加熱部分から取り外さないことを確実にしうる。
【0044】
管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットの加熱部分上に半径方向内側に、力を適用するための手段を備えてもよい。言い換えると、管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットの加熱部分を把持するための手段を備えてもよい。
【0045】
例えば、管状のエアロゾル発生物品は、変形可能であってもよい。管状のエアロゾル発生物品は、使用構成とストレージ構成との間で変形可能であってもよい。使用構成では、管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される。ストレージ構成では、物品は平坦化されてもよい。ストレージ構成では、エアロゾル発生物品は、実質的に平坦であってもよい。ストレージ構成では、物品は、実質的に平面を含みうる。ストレージ構成では、内部通路は、内部通路が主要ユニットの加熱部分を受けるように構成されないように、実質的に閉じられていてもよい。
【0046】
言い換えると、管状のエアロゾル発生物品は、使用構成からストレージ構成に、折り畳まれるか平坦化されてもよい。これは、ストレージ構成におけるエアロゾル発生物品の閉じた積み重ねを可能にしうる。これにより、管状のエアロゾル発生物品を保存および搬送するのに必要な空間が低減しうる。これにより、管状のエアロゾル発生物品を包装するのに必要な包装材料の量が低減しうる。
【0047】
管状のエアロゾル発生物品は、1つ以上の変形可能な部分を含んでもよい。1つ以上の変形可能な部分は、管状のエアロゾル発生物品をストレージ構成と使用構成との間で変形させることを可能にしうる。例えば、管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル発生物品の向かい合った面に配置される1つ以上の一対の変形可能な部分を含みうる。1つ以上の一対の変形可能な部分は、管状のエアロゾル発生物品の長さに沿って延在しうる。1つ以上の変形可能な部分は、圧縮可能な材料を含みうる。このように、変形可能な部分は、ストレージ構成に圧縮されて、管状のエアロゾル発生物品を平坦化してもよく、使用構成へと拡張可能であってもよい。
【0048】
管状のエアロゾル発生物品は、弾性であってもよい。管状のエアロゾル発生物品は、使用構成からストレージ構成に向かって弾性的に付勢されてもよい。言い換えると、弾性の管状のエアロゾル発生物品は、ストレージ構成に戻るように付勢されてもよい。このように、変形可能なエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、主要ユニットの加熱部分に向けて半径方向内側に力を加えるように構成されうる。半径方向内側の力は、管状のエアロゾル発生物品を加熱部分上に保持することを容易にしうる。
【0049】
本発明のエアロゾル発生システムは、管状のエアロゾル形成基体を含む管状のエアロゾル発生物品を備える。エアロゾル発生物品およびエアロゾル形成基体の管状の構成は、主要ユニットの1つ以上の電気ヒーターからエアロゾル形成基体への改善された伝導熱伝達を容易にしうる。管状のエアロゾル形成基体は、内部通路を有さない、同等のサイズの従来のエアロゾル形成基体の本体またはプラグよりも容積比に対して大きい表面積を有しうる。エアロゾル形成基体の管状形状は、エアロゾル形成基体の最大厚さを低減しうる。このことは、エアロゾル形成基体を通した熱の伝播を容易にしうる。これにより、エアロゾルの発生が容易になりうる。
【0050】
管状のエアロゾル発生物品は、適切な任意の形状およびサイズであってもよい。管状のエアロゾル発生物品は、実質的に円筒形でもよい。管状のエアロゾル発生物品は、実質的に細長くてもよい。管状のエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の円筒形の端の開いた中空管を含んでもよい。管状のエアロゾル発生物品は、適切な任意の断面を有してもよい。例えば、管状のエアロゾル発生物品の断面は、実質的に円形、円筒形、正方形、または長方形であってもよい。
【0051】
管状のエアロゾル発生物品の幅は、約5mm~約20mm、約5mm~約12mm、または約8mmでありうる。
【0052】
管状のエアロゾル発生物品の長さは、約10mm~約100mm、または約10mm~約50mm、約30mm~約60mm、または約45mmでありうる。
【0053】
管状のエアロゾル発生物品の長さは、主要ユニットの加熱部分の長さと実質的に類似していてもよい。管状のエアロゾル発生物品の長さは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品が1つ以上の電気ヒーターを覆うように、主要ユニットの加熱部分の長さ以上としてもよい。
【0054】
管状のエアロゾル発生物品は、内部通路を備える。本明細書で使用される「内部通路」という用語は、物品の少なくとも一部を通って延在する通路を指す。内部通路は、環状の本体によって囲まれてもよく、実質的に物品の長手方向軸に沿って延在してもよい。
【0055】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、適切な任意の形状でもよく、適切な任意の断面を有してもよい。例えば、内部通路の断面は、実質的に円形、円筒形、正方形、または長方形としうる。
【0056】
内部通路は、管状のエアロゾル発生物品の実質的に中央に配置されてもよい。そのため、管状のエアロゾル形成基体の厚さは、管状のエアロゾル発生物品の周囲の周りで実質的に一定としうる。このことは、管状のエアロゾル発生物品の周囲の周りの管状のエアロゾル形成基体の均一な加熱を可能にしうる。
【0057】
内部通路の幅は、約2mm~約18mm、約2mm~約10mm、または約4mmでありうる。
【0058】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路の幅は、主要ユニットの加熱部分の幅と実質的に類似していてもよい。そのため、内部通路の内部表面は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、主要ユニットの加熱部分の外部表面に接触または当接しうる。管状のエアロゾル発生物品の内部通路の幅は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に摩擦ばめまたは締まりばめによって受けられるように、主要ユニットの加熱部分の幅よりも小さくてもよい。
【0059】
管状のエアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であってもよい。管状のエアロゾル形成基体は室温で固体のエアロゾル形成基体であってもよい。管状のエアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0060】
固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち1つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。
【0061】
固体のエアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含んでもよく、それは固体のエアロゾル形成基体の加熱に応じて放出される。
【0062】
固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートの形態をとってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよい。固体のエアロゾル形成基体は、使用中に均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0063】
管状のエアロゾル形成基体は、均質化されたたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突出部、および穿孔の1つ以上を含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。均質化したたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化したたばこ材料シートの集結を容易にして管状のエアロゾル形成基体を形成してもよい。
【0064】
本明細書で使用される「シート」という用語は、実質的に厚さより大きい幅および長さを有する薄層状の要素を指す。本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途管状のエアロゾル発生物品の長手方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を指す。
【0065】
管状のエアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有するシートを指す。実質的に平行な隆起または波型形状は、管状のエアロゾル発生物品の長手方向軸に沿って、またはそれに平行に延在することが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にして管状のエアロゾル発生物品を形成しうる。しかし、管状のエアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは追加的に、管状のエアロゾル発生物品の長手方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有してもよいことが理解される。
【0066】
管状のエアロゾル形成基体は、1つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、2つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約5パーセントを超えてもよい。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約5パーセント~約30パーセントであってもよい。管状のエアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約20パーセントであってもよい。
【0067】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用において、エアロゾルの形成を容易にし実質的に管状のエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を指す。適切なエアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0068】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体を囲む1つ以上の層を含みうる。例えば、管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体に巻き付けられる1つ以上のラッパーを含みうる。
【0069】
1つ以上の層は、断熱性材料を含んでもよい。断熱性材料の層を管状のエアロゾル形成基体に巻き付けることにより、管状のエアロゾル発生物品の1つ以上の電気設備からの熱の保持が容易になりうる。これにより、エアロゾル発生システムの伝導熱伝達効率が改善されうる。本明細書で使用される「断熱性材料」という用語は、23°Cで約50ミリワット/メートル・ケルビン(mW/(m・K))未満のバルク熱伝導率、および改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した相対湿度50%を持つ材料を記述するために使用される。断熱性材料は、レーザーフラッシュ法を使用して測定して約0.01平方センチメートル/秒(cm2/s)以下のバルク熱拡散率を有してもよい。
【0070】
1つ以上の層は、空気などの気体に対して実質的に不透過性である材料を備えてもよい。管状のエアロゾル形成基体を気体に対して実質的に不透過性である材料の層で囲むことにより、エアロゾル発生システムにおいて管状のエアロゾル発生物品によって発生した蒸気の保持を容易にし、蒸気をユーザーに向けて方向付けることを容易にしうる。
【0071】
1つ以上の層は任意の適切な材料を含みうる。1つ以上の層は、紙様の材料を含んでもよい。1つ以上の層は、紙巻たばこ用紙を含んでもよい。1つ以上の層は、チッピングペーパーを含んでもよい。
【0072】
管状のエアロゾル形成基体の内部通路は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路であってもよい。そのため、主要ユニットの1つ以上の電気ヒーターは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル形成基体に隣接または接触してもよい。ただし、一部の実施形態では、管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体の内部通路の内部表面を囲む1つ以上の層を含みうる。1つ以上の内側層は、1つ以上の外側層に関して上述するのと実質的に同一の材料を含みうる。
【0073】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路の少なくとも1つの端は、開放されており、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成されてもよい。管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を備えてもよい。
【0074】
管状のエアロゾル発生物品は、追加的な構成要素を備えてもよい。
【0075】
管状のエアロゾル発生物品は、マウスピースを備えうる。マウスピースは、管状のエアロゾル発生物品の近位端に配置されうる。管状のエアロゾル発生物品がマウスピースを備える場合、管状のエアロゾル発生物品は、マウスピースを含む近位端と、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される内部通路の開端部を含む遠位端とを備えうる。
【0076】
マウスピースは単一のセグメントであっても、または構成要素マウスピースであってもよい。マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。マウスピースは、低いかまたは非常に低い濾過効率を含んでもよい。マウスピースは、適切な任意の公知の濾過材料を含む1つ以上のセグメントを含むフィルターを含んでもよい。適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。マウスピースは、管状のエアロゾル発生物品の幅と実質的に等しい幅を有してもよい。
【0077】
管状のエアロゾル発生物品がマウスピースを備える場合、管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品の内部で終わるように構成されてもよい。主要ユニットの近位端は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、マウスピースに当接または接触しうる。主要ユニットの近位端は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、マウスピースから間隙を介してもよい。
【0078】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピースとの間に配置されるエアロゾル冷却要素および移動要素のうちの少なくとも1つを含む、追加的な構成要素を備えてもよい。
【0079】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピースとの間に配置される冷却要素を備えてもよい。冷却要素は複数の長手方向に延在するチャネルを含んでもよい。冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0080】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピースとの間に配置される移動要素、またはスペーサー要素を備えうる。移動要素は、加熱された管状のエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルの冷却を容易にしうる。また、移動要素は、エアロゾル発生システムの長さを所望の値、例えば、従来の紙巻たばこの長さに類似する長さに調整することを容易にしうる。移動要素は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱の移動によって生成されるエアロゾルの温度で実質的に熱安定している1つ以上の適切な材料から形成される少なくとも1つの端の開いた管状中空体を含んでいてもよい。適切な材料は当技術分野で周知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0081】
管状のエアロゾル発生物品が管状のエアロゾル形成基体を囲む1つ以上の層またはラッパーを含む場合、1つ以上の層またはラッパーは、マウスピース、冷却要素、および移動要素などの追加的な構成要素のいずれかも囲みうる。
【0082】
本発明の第二の態様によれば、本発明の第一の態様による電気的に作動するエアロゾル発生システム用の管状のエアロゾル発生物品が提供されている。管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体と、電気的に作動するエアロゾル発生システムの主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される内部通路とを備える。管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットの加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される少なくとも1つの保持機構をさらに備える。
【0083】
本発明のエアロゾル発生システムは、主要ユニットも備える。主要ユニットはハウジングを含みうる。ハウジングは任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはそれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適切な熱可塑性樹脂が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものでありうる。主要ユニットは、近位部分および遠位部分を含んでもよい。主要ユニットの近位部分および遠位部分は、異なる形状および寸法を有してもよい。
【0084】
主要ユニットの近位部分は、加熱部分を含んでもよい。本明細書で使用される「加熱部分」という用語は、1つ以上の電気ヒーターを備える主要ユニットの一部分を記述するために使用される。加熱部分の延長部分は、主要ユニットの長さに沿ったヒーターの延長部分によって決定される。
【0085】
加熱部分は、適切な任意の形状および寸法を有してもよい。加熱部分の形状および寸法は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状および寸法に実質的に類似していてもよい。加熱部分の形状および寸法は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状に対して相補的であってもよい。
【0086】
加熱部分は、実質的に円筒形であってもよい。加熱部分は、実質的に細長くてもよい。加熱部分は、適切な任意の断面を有してもよい。例えば、加熱部分の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形または長方形としうる。加熱部分の形状は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状に実質的に類似していてもよい。加熱部分の形状は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状に対して相補的であってもよい。
【0087】
加熱部分の断面と管状のエアロゾル発生物品の断面が円対称でない場合、管状のエアロゾル発生物品は、特定の回転方向で加熱部分の上に受けられうる。加熱部分の断面と管状のエアロゾル発生物品の断面が円対称である場合、これにより、管状のエアロゾル発生物品を加熱部分で受けるために、管状のエアロゾル発生物品の特定の回転方向を維持する必要がなくなりうる。
【0088】
加熱部分の幅は、約2mm~約18mm、約2mm~約10mm、または約4mmでありうる。加熱部分の長さは、約10mm~約100mm、または約10mm~約50mm、または約45mmでありうる。
【0089】
主要ユニットは、適切な任意の数の電気ヒーターを備えてもよい。主要ユニットは1つの電気ヒーターを備えうる。主要ユニットは、2つ以上の電気ヒーターを備えてもよい。主要ユニットは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つの電気ヒーターを備えてもよい。主要ユニットが2つ以上の電気ヒーターを含む場合、2つ以上の電気ヒーターは、加熱部分の周囲の周りに間隙を介していてもよい。2つ以上の電気ヒーターは、加熱部分の長さに沿って間隙を介していてもよい。加熱部分が3つ以上の電気ヒーターを含む場合、3つ以上の電気ヒーターは、加熱部分にわたって均等に間隙を介していてもよい。3つ以上の電気ヒーターは、加熱部分にわたって不均等に間隙を介していてもよい。
【0090】
1つ以上の電気ヒーターは、任意の適切な形状であってもよい。1つ以上の電気ヒーターは、細長くてもよい。1つ以上の電気ヒーターは、実質的に加熱部分の長さに沿って延在してもよい。1つ以上の電気ヒーターは、実質的に環状であってもよい。1つ以上の電気ヒーターは、1つ以上の環状リングを含みうる。1つ以上のリングは、実質的に主要ユニットの外部表面の一部分を囲んでもよい。1つ以上のリングは、実質的に加熱部分の近位端の一部分を囲んでもよい。1つ以上のリングは、実質的に加熱部分の遠位端の一部分を囲んでもよい。
【0091】
1つ以上の電気ヒーターは、電気抵抗性の材料を含みうる。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄-マンガン-アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。適切な化合物ヒーター要素の例は、US-A-5,498,855号、WO-A-03/095688号およびUS-A-5,514,630号に開示されている。
【0092】
主要ユニットの遠位部分は、適切な任意の形状および寸法であってもよい。
【0093】
遠位部分は、実質的に円筒形であってもよい。遠位部分は、実質的に細長くてもよい。遠位部分は、任意の適切な断面を有してもよい。例えば、遠位部分の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形または長方形としうる。遠位部分は、エアロゾル発生システムの使用中にユーザーによって保持されるように構成されてもよい。
【0094】
主要ユニットの遠位部分の幅は、主要ユニットの近位部分の幅よりも大きくてもよい。このことは、近位部分よりも遠位部分に大きな空間を提供し、遠位部分が電源および電気回路を収容することを可能にしうる。
【0095】
主要ユニットの遠位部分の幅は、管状のエアロゾル発生物品の幅に類似していてもよい。そのため、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、エアロゾル発生システムは、その長さに沿って実質的に一定の幅を有する実質的に円筒形のユニットを形成しうる。このことは、エアロゾル発生システムが、葉巻たばこや紙巻たばこなどの従来の喫煙物品と似ることを可能にしうる。
【0096】
遠位部分の幅は、約5mm~約20mm、約5mm~約12mm、または約8mmでありうる。遠位部分の長さは、約10mm~約100mm、または約10mm~約50mm、または約45mmでありうる。
【0097】
主要ユニットは、主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間にショルダー部を含みうる。ショルダー部は、主要ユニットの近位部分の外部表面を主要ユニットの遠位部分の外部表面に接続しうる。ショルダー部は、主要ユニットの近位部分と主要ユニットの遠位部分を接合する、角度付けられた、傾斜のある、または面取りされた表面を含みうる。ショルダー部は、主要ユニットの近位部分の外部表面から主要ユニットの遠位部分の外部表面に実質的に半径方向外向きに延在する壁を含みうる。
【0098】
主要ユニットの近位部分は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品の遠位端がショルダー部に当接または接触しうるように構成されてもよい。このように、ショルダー部は、管状のエアロゾル発生物品が、主要ユニットに対して遠位方向に加熱部分を超えて移動するのを抑制する止め部として作用しうる。このことは、管状のエアロゾル発生物品を、主要ユニットの長さに沿った所望の位置で主要ユニットの加熱部分の上に位置付けることを容易にしうる。
【0099】
主要ユニットは、遠位停止部をさらに含んでもよい。遠位停止部は、主要ユニットの加熱部分の遠位に配置されてもよい。遠位停止部は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の遠位端と係合するように構成されてもよい。主要ユニットが近位部分と遠位部分との間にショルダー部を含む場合、遠位停止部は、加熱部分とショルダー部との間に配置されうる。
【0100】
主要ユニットは1つ以上の電力供給源を備えうる。1つ以上の電力供給源は、主要ユニットの遠位部分に配置されうる。1つ以上の電源は、電池を備えうる。電池は、例えばリチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池といったリチウム系の電池でもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池でもよい。1つ以上の電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置を含みうる。1つ以上の電源は再充電を必要とする場合があり、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。1つ以上の電源は、1回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの保存を可能にする容量を有してもよい。例えば、1つ以上の電力供給源は従来型の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、1つ以上の電源は所定の回数の吸煙、または加熱手段およびアクチュエータの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有しうる。
【0101】
主要ユニットは、1つ以上の電力供給源から1つ以上の電気ヒーターへの電力供給を制御するように構成される電気回路を含みうる。主要ユニットが2つ以上の電気ヒーターを含む場合、電気回路は、電力を全ての電気ヒーターに同時に供給するように構成されうる。主要ユニットが2つ以上の電気ヒーターを含む場合、電気回路は、電力を各電気ヒーターに別々に供給するように構成されうる。電気回路は各電気ヒーターに選択的に電力を供給するように構成されうる。電気回路は電気ヒーターに逐次的に電力を供給するように構成されうる。電気回路は所定の順序で電気ヒーターのうち選択された1つに電力を供給するように構成されうる。例えば、電気回路は吸煙ごとに1つのヒーターに電力を供給するように構成されうる。別の例では、電気回路は、所定の期間第一のヒーターに電力を供給し、その後に所定の期間第二のヒーターに電力を供給するように構成されうる。このことは、エアロゾル形成基体の一部分の選択的加熱を可能にしうる。これにより、吸煙中にユーザーに供給されるエアロゾルを変化させることが可能になりうる。これによって、エアロゾル形成基体の一部分を異なる温度に加熱することが可能になりうる。このことは、エアロゾル発生システムが、ユーザー体験の吸煙の度にエアロゾル形成基体の未加熱の部分を保存することを可能にしうる。
【0102】
主要は、スイッチまたはボタンなどのユーザー入力を含んでもよい。これにより、ユーザーは、主要ユニットをスイッチオンオフすることが可能になりうる。スイッチまたはボタンは、エアロゾル発生手段を起動させうる。スイッチまたはボタンは、エアロゾル発生を起こしうる。スイッチまたはボタンは、吸煙検出器からの入力を待機するように電気回路を準備してもよい。
【0103】
電気回路は、ユーザーが吸煙をしていることを示すエアロゾル発生システムを通した気流を検出するセンサーまたは吸煙検出器を備えうる。電気回路は、センサーがユーザーが吸煙していることを検出すると1つ以上の電気ヒーターに電力を供給するように構成されうる。
【0104】
主要ユニットはマウスピースを備えうる。マウスピースは、主要ユニットの近位端に配置されてもよい。マウスピースは、ユーザーがマウスピースで吸引、吸煙、または吸い出しを行い、エアロゾル発生システムの1つ以上の気流経路を通して空気および蒸気を引き出すことを可能にするように構成されうる。
【0105】
マウスピースは、本発明による少なくとも1つの保持機構を含みうる。例えば、マウスピースは、1つ以上の突出部のうちの1つ以上を含みうる。別の例では、マウスピースは第二の磁性材料を含みうる。
【0106】
マウスピースは、主要ユニットの上に取り外し可能なように受けられうる。マウスピースが主要ユニットから取り外し可能である場合、マウスピースは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品に重なるように配置されるカバーを備えうる。カバーは、管状のエアロゾル発生物品の周りの熱の保持をさらに容易にし、管状のエアロゾル発生物品の外部表面を通して管状のエアロゾル発生物品から蒸気が出ることを抑制しうる。
【0107】
本発明の第三の態様によれば、本発明の第一の態様による電気的に作動するエアロゾル発生システム用の主要ユニットが提供されている。主要ユニットは、主要ユニットの外部表面に配置される加熱部分を備える。加熱部分は1つ以上の電気ヒーターを含む。主要ユニットは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットの加熱部分の上に取り外し可能なように保持するように構成される少なくとも1つの保持機構をさらに備える。
【0108】
電気的に作動するエアロゾル発生システムが使用するために組み立てられ、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時、エアロゾル発生システムは、実質的に円筒形の形状を有してもよい。エアロゾル発生システムの全長は約70mm~約200mm、または約70mm~150mm、または約120mmとしうる。エアロゾル発生システムの幅は、約5mm~約20mm、約5mm~約10mm、または約8mmでありうる。
【0109】
主要ユニットは、耐久性があるように構成されうる。主要ユニットは、再使用可能に構成されうる。
【0110】
管状のエアロゾル発生物品は、使い捨て可能な構成要素として構成されてもよい。管状のエアロゾル発生物品は、一回のユーザーの体験後に処分されるように構成されてもよい。対照的に、主要ユニットは、耐久性があり、かつ再使用可能に構成されてもよい。主要ユニットは、電源、ヒーター、電気回路などの、エアロゾル発生システムの比較的高価で耐久性のある構成要素を含みうる。
【0111】
管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットとは別個に製造、保管および販売されうる。管状のエアロゾル発生物品各々は、個別に包装されうる。複数の管状のエアロゾル発生物品は、紙巻きたばこなどの従来の喫煙物品と同様に、まとめて包装されて販売されてもよい。
【0112】
ここで本発明による実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみではあるが詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【
図1】
図1は、主要ユニットと管状のエアロゾル発生物品を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図2】
図2は、主要ユニットの上に完全に受けられている管状のエアロゾル発生物品を示す、
図1の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図3】
図3は、エアロゾル発生物品が主要ユニットの上に完全に受けられ、そしてユーザーがマウスピースを吸い出す時のエアロゾル発生システムを通した気流を示す、
図1の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図4】
図4は、管状のエアロゾル発生物品の別の例の概略図である。
【
図5】
図5は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの上に完全に受けられ、そしてユーザーがマウスピースを吸い出す時の管状のエアロゾル発生物品を通した気流を示す、
図4の管状のエアロゾル発生物品の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の別の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図10】
図10は、主要ユニットの上に完全に受けられている管状のエアロゾル発生物品を示す、
図9の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図12】
図12は、主要ユニットの上に完全に受けられている管状のエアロゾル発生物品を示す、
図11の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図14】
図14は、主要ユニットの上に完全に受けられている管状のエアロゾル発生物品を示す、
図13の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図15】
図15は、主要ユニットの上に完全に受けられている管状のエアロゾル発生物品を示す、
図13の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図16】
図16は、ストレージ構成においてまとめて包装される管状のエアロゾル発生物品を示す、
図13の電気的に作動するエアロゾル発生システムの複数の管状のエアロゾル発生物品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0114】
管状のエアロゾル発生物品を有する例示的な電気的に作動するエアロゾル発生システムを
図1~3に示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム1は、管状のエアロゾル発生物品2と主要ユニット3とを備える。
【0115】
管状のエアロゾル発生物品2は、エアロゾル形成基体4の円筒形の端の開いた中空管を含む。内部通路5は、内部通路5の両端が開放されるように、管状のエアロゾル形成基体4を通して中央に延在し、かつ管状のエアロゾル形成基体4の長さに延在する。内部通路5の両開端部は、主要ユニット3の近位部分7を受けるように構成される。
【0116】
エアロゾル形成基体4の管状の本体は、外側ラッパー(図示せず)によって囲まれたたばこの1つ以上のシートの集合体を含み、これは、エアロゾル形成基体4の管状の本体の円筒形の外部表面を覆う。外側ラッパーは、周囲空気が円筒形の外部表面を通して管状のエアロゾル発生物品2内に引き出されることを実質的に防ぐように、気体に対して実質的に不透過性である材料で形成される。また、外側ラッパーは、加熱されたエアロゾル形成基体4からの蒸気が円筒形の外部表面を介して管状のエアロゾル発生物品2から出るのも実質的に防ぐ。
【0117】
外側ラッパーは、管状のエアロゾル形成基体4の環状の端面6が周囲空気に露出するように、管状のエアロゾル形成基体4の環状の端面6の上に延在しない。周囲空気は、いずれかの環状の端面6を通して管状のエアロゾル発生物品2内に引き出されうる。同様に、主要ユニット3の近位部分7が内部通路5のいずれかの端の中へと挿入されうるように、内部通路5の開端部は外側ラッパーによって覆われない。
【0118】
主要ユニット3は、PEEKなどの、剛直な断熱性材料で形成される実質的に環状の円筒形の中空のハウジングを備える。主要ユニット3は、ショルダー部9によって分離される近位部分7と遠位部分8を備える。
【0119】
近位部分7は、7つの同一の電気ヒーター11を有する加熱部分10を含む。7つの電気ヒーター11は、加熱部分10の周囲の周りに均等に間隙を介している。電気ヒーター11の各々は細長く、主要ユニット3の長手方向軸Aに沿った方向に延在するその長さに配置される。各電気ヒーター11の長さは、管状のエアロゾル発生物品2の長さと実質的に類似している。そのため、管状のエアロゾル発生物品2が主要ユニット3の加熱部分10の上に受けられる時、管状のエアロゾル発生物品2はそれらの全長に沿って電気ヒーター11と重なって電気ヒーター11を覆う。これにより、エアロゾル発生システムの使用中に、ヒーター11によって発生した熱の相当な割合を、周囲空気よりもエアロゾル形成基体4に伝達することが可能になる。
【0120】
主要ユニット3の加熱部分10は、管状のエアロゾル発生物品2の内部通路5の断面と実質的に類似した環状の円筒形の断面を有する。加熱部分10の幅は、内部通路5の幅よりもわずかに大きい。そのため、主要ユニット3の加熱部分10は、締まりばめまたは摩擦ばめによって管状のエアロゾル発生物品の内部通路5の中へと挿入されうる。締まりばめまたは摩擦ばめは、エアロゾル発生物品2が加熱部分10の上に受けられる時に、主要ユニット3の加熱部分10の外部表面における電気ヒーター11と管状のエアロゾル発生物品2の内部通路5の内部表面との間の接触を確実にする。この接触により、ヒーター11と管状のエアロゾル形成基体4との間の熱伝達が容易になる。また、締まりばめまたは摩擦ばめは、主要ユニット3の長手方向軸Aに沿った管状のエアロゾル発生物品2の移動に対するいくらかの抵抗性も提供する。このように、締まりばめまたは摩擦ばめは、管状のエアロゾル発生物品2を主要ユニット3の加熱部分10の上に保持するのに役立つ。
【0121】
主要ユニット3の近位部分7は、主要ユニット3の近位端に、エアロゾル発生システムによって発生するエアロゾルを受けるためにユーザーが吸い出すための先細のマウスピース12をさらに備える。
【0122】
主要ユニット3の遠位部分8は、管状のエアロゾル発生物品2の円筒形の断面に実質的に類似した円筒形の断面を有する。遠位部分8の幅は、管状のエアロゾル発生物品2の幅と実質的に類似している。そのため、
図2に示すように、管状のエアロゾル発生物品2が主要ユニット3の加熱部分10の上に受けられる時に、電気的に作動するエアロゾル発生システム1は、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこに似た一定の幅または直径を有する実質的に環状の円筒形のユニットを形成する。
【0123】
主要ユニット2の遠位部分8は、電池(図示せず)および電気回路(図示せず)を中空のハウジング内に収容する。電池は、加熱部分10の電気ヒーター11に電力を供給するように配置および構成される。電気回路は、電池から電気ヒーター11への電力供給を制御するように構成される。電気回路は、マウスピース12でのユーザーの吸煙を検出するためのセンサーを備える。
【0124】
電気回路は、所定の順序で同時または個別に電気ヒーター11に電力を供給するように構成される。言い換えると、電気回路は、同時加熱モードや逐次的加熱モードなどの異なる加熱モードで電気ヒーター11に電力を供給するように構成される。例えば、同時加熱モードでは、電気回路は、吸煙が検出される時に全てのヒーター11に電力を供給するように構成される。別の例では、逐次的なモードにおいて、電気回路は、第一の吸煙が検出される時にヒーター11の第一のヒーターに電力を供給し、第二の吸煙が検出された時にヒーター11の第二のヒーターに電力を供給し、そして、全ての電気ヒーターが起動されるまで検出された吸煙それぞれに対して順に、残りのヒーター11の個々のヒーターに電力を供給するように構成される。
【0125】
また、プッシュボタン13が主要ユニット3の遠位部分8上に提供される。電気回路は、プッシュボタン13の押下げで加熱モード間を切り替えるように構成される。プッシュボタン13の連続的な押下げは、逐次的な加熱モード、同時加熱モード、および無電力モード(オフ)の間で電気回路の加熱モードを切り替える。
【0126】
主要ユニット3の遠位部分8の幅は、近位部分7の幅よりも大きい。そのため、主要ユニット3は、近位部分7を遠位部分8から分離するショルダー部9を備える。ショルダー部9は、近位部分7の遠位端から遠位部分8の近位端に実質的に半径方向外向きに延在する壁を備える。
【0127】
遠位停止部(図示せず)は、加熱部分10とショルダー部9との間に、主要ユニット3の近位部分7上に配置される。遠位停止部は、管状のエアロゾル発生物品2が加熱部分10の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品2の遠位端と係合するように構成される。遠位停止部は、管状のエアロゾル発生物品2が遠位部分8に向かって遠位方向に加熱部分10を超えて移動することを実質的に防ぐ。
【0128】
一部の実施形態では、ショルダー部9は管状のエアロゾル発生物品2の遠位停止部として作用しうることが理解される。これらの実施形態において、ショルダー部9は、管状のエアロゾル発生物品2が加熱部分10の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品2の遠位端に当接または接触しうる。
【0129】
図3に示すように、空気通路14は、主要ユニット3の近位部分7を通して延在する。複数の空気吸込み口16は、電気ヒーター11の間で、加熱部分10の外側面に配置され、空気出口17はマウスピース12に提供される。複数の空気吸込み口16および空気出口17は、空気通路14に流体接続して、ユーザーがマウスピース12を吸い出す時に空気が空気通路14を通して引き出されることを可能にする。
【0130】
使用するために電気的に作動するエアロゾル発生システム1を組み立てるために、ユーザーは、主要ユニット3および管状のエアロゾル発生物品2の内部通路を、共通の長手方向軸Aに沿って、主要ユニット3の近位端に面した管状のエアロゾル発生物品2のいずれかの端と整合させる。ユーザーは、主要ユニット3の近位端が内部通路5の遠位開端部の中へと挿入されるように、管状のエアロゾル発生物品2を共通軸Aに沿って主要ユニット3に向かって移動させる。ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品2の遠位端が遠位停止部(図示せず)に当接するまで、主要ユニット3の近位部分7上で管状のエアロゾル発生物品2を遠位部分8に向けてスライドする。
図2および3に示すように、この位置において、管状のエアロゾル発生物品2は主要ユニット3の加熱部分10の上に完全に受けられ、管状のエアロゾル発生物品2は電気ヒーター11と空気吸込み口16を覆う。
【0131】
使用時、ユーザーは、プッシュボタン13を押下して主要ユニット3をオフモードから逐次的な加熱モードに切り替える。ユーザーが主要ユニット3のマウスピース12を吸い出すと、電気回路(図示せず)がマウスピース12上のユーザーの吸煙を検出する。ユーザーの吸煙を検出すると、電気回路は、電源(図示せず)から電気ヒーター11の1つに電力を供給する。給電された電気ヒーター11は、管状のエアロゾル発生物品2の管状のエアロゾル形成基体4の一部分を加熱する。エアロゾル形成基体4の一部分が加熱されると、エアロゾル形成基体の揮発性化合物が気化して蒸気を発生する。
【0132】
ユーザーが主要ユニット3のマウスピース12を吸い出すと、周囲空気が管状のエアロゾル形成基体4の環状の端面6を通して管状のエアロゾル発生物品2内に引き出される。管状のエアロゾル発生物品2内に引き出された空気は、主要ユニット3の空気吸込み口16に向かって管状のエアロゾル形成基体4を通して引き出される。加熱されたエアロゾル形成基体によって発生した蒸気は、エアロゾル形成基体4を通して引き出された空気に混入する。混入された蒸気は、内部通路5の内側面において管状のエアロゾル形成基体4から引き出され、空気吸込み口16を通して主要ユニット3の空気通路14に入る。混入された蒸気は、マウスピース12に向かって近位方向に空気通路14を通して引き出される。蒸気が空気通路14を通して引き出されると、蒸気は冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、マウスピース12の空気出口17を通して空気通路14から引き出され、吸入のためにユーザーに送達される。システム1を通る気流の方向を、
図3において矢印で示す。
【0133】
一部の実施例において、管状のエアロゾル発生物品は、円筒形の外側面において、管状のエアロゾル形成基体を囲む外側層または外側ラッパーに1つ以上の穿孔の形態の1つ以上の空気吸込み口を備えうることが理解される。これらの実施形態において、空気は、円筒形の外側面における穿孔を通して管状のエアロゾル発生物品内に引き出されうる。主要ユニットは、加熱部分に遠位または近位に配置される追加的な空気吸込み口を含んでもよい。これらの追加的な空気吸込み口は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品によって覆われない場合がある。そのため、これらの追加的な空気吸込み口は、周囲空気が主要ユニットの空気通路内に直接引き出されることを可能にし、ユーザーによる吸入の前に蒸気およびエアロゾルを冷却するのに役立ちうる。これはユーザーの体験を向上させうる。
【0134】
管状のエアロゾル発生物品を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムの別の例を、
図4および5に示す。
図4および5に示す電気的に作動するエアロゾル発生システム101は、管状のエアロゾル発生物品102と主要ユニット103とを備える。
【0135】
管状のエアロゾル発生物品102は、エアロゾル形成基体104の円筒形の端の開いた中空管を含む。内部通路105は、内部通路105の両端が開放されるように、管状のエアロゾル形成基体104を通して中央に延在し、かつ管状のエアロゾル形成基体104の長さに延在する。
【0136】
管状のエアロゾル発生物品102は、マウスピース106をさらに備える。マウスピース106は、管状のエアロゾル形成基体104と実質的に類似する環状の断面および幅を有する、酢酸セルロースの環状の円筒形の本体を備える。管状のエアロゾル形成基体104およびマウスピース106は、管状のエアロゾル形成基体104およびマウスピース106がロッドを形成するように構成されるように、当接する同軸配列において配置される。管状のエアロゾル形成基体104の近位端は、マウスピース106の遠位端に当接する。
【0137】
管状のエアロゾル形成基体104とマウスピース106は、外側ラッパー107によって囲まれる。外側ラッパー107は、管状のエアロゾル形成基体104をマウスピース106に固定する。外側ラッパー107は、外側ラッパー107が周囲空気が円筒形の外部表面を通して管状のエアロゾル発生物品102内に引き出されることを実質的に防ぐように、気体に対して実質的に不透過性である材料で形成される。外側ラッパー107は、空気が遠位端面108から近位端面109まで管状のエアロゾル発生物品102を通して引き出されうるように、管状のエアロゾル形成基体104の円筒形の外部表面およびマウスピース106を覆うが端面上には延在しない。
【0138】
内部通路105の遠位端は開放しており、主要ユニット103の近位部分を受けるように構成される。内部通路105の近位端は、マウスピース106の遠位端に配置される。
【0139】
管状のエアロゾル発生物品102は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピース106との間に追加的な構成要素をさらに備えうることが理解される。
【0140】
主要ユニット103は、
図1~3に示す実施例に関して上述する主要ユニット3に実質的に類似している。ただし、主要ユニット103は、近位部分を通る空気通路を含まない。その結果、主要ユニット103はエアロゾル発生システム101を通る気流経路の一部を形成しない。言い換えると、主要ユニット103は、エアロゾル発生システム101を通して引き出される空気から実質的に分離されている。
【0141】
さらに、主要ユニット103は、マウスピースを備えない。主要ユニット103のヒーター(図示せず)は、主要ユニットの近位端が加熱部分の近位端となるように、主要ユニット103の近位端まで延在する。
【0142】
主要ユニットはエアロゾル発生システム101を通して引き出された空気から実質的に分離されているため、電気回路は、ユーザーの吸煙を検出するためのセンサーを備えない。この例において、電気回路は、ユーザーによるプッシュボタンの起動によっていつ電気ヒーターに電力を供給するかを判定する。
【0143】
主要ユニット103は、主要ユニット103の加熱部分の遠位端とショルダー部との間に配置される遠位停止部(図示せず)を含む。ただし、管状のエアロゾル発生物品102が加熱部分の上に完全に受けられる時に主要ユニットの近位端がマウスピース106の遠位端に当接しうる場合、遠位停止部は必要ではない場合があることが理解される。
【0144】
使用するために電気的に作動するエアロゾル発生システム101を組み立てるために、ユーザーは、主要ユニット103および管状のエアロゾル発生物品102の内部通路105を、共通の長手方向軸に沿って、主要ユニット103の近位端に面した管状のエアロゾル発生物品102の遠位端108と整合させる。ユーザーは、主要ユニット103の近位端が内部通路105の開遠位端の中へと挿入されるように、主要ユニット103に向かって共通軸に沿って管状のエアロゾル発生物品102を移動させる。ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品102の遠位端108が遠位停止部に当接し、主要ユニット103の近位端がマウスピース106の遠位端に当接するまで、主要ユニット103の近位部分上で管状のエアロゾル発生物品102を遠位部分に向けて遠位方向にスライドする。
図5に示すように、この位置において、管状のエアロゾル発生物品102は、主要ユニット103の加熱部分の上に完全に受けられ、管状のエアロゾル発生物品102は電気ヒーターを覆う。
【0145】
使用時、ユーザーはプッシュボタンを押下して主要ユニット103をオフモードから逐次的な加熱モードに切り替え、電気回路が電源(図示せず)から電気ヒーターの1つに電力を供給する。給電された電気ヒーターは、管状のエアロゾル発生物品102の管状のエアロゾル形成基体104の一部分を加熱する。エアロゾル形成基体104の一部分が加熱されると、エアロゾル形成基体の揮発性化合物が気化して蒸気を発生する。
【0146】
ユーザーが管状のエアロゾル発生物品102のマウスピース106を吸い出すと、周囲空気が管状のエアロゾル形成基体104の遠位端面108を通して管状のエアロゾル発生物品102内に引き出される。管状のエアロゾル発生物品102内に引き出された空気は、管状のエアロゾル形成基体104を通してマウスピース106に向けて近位方向に引き出される。加熱されたエアロゾル形成基体104によって発生した蒸気は、エアロゾル形成基体104を通して引き出された空気に混入する。混入した蒸気は、近位端において管状のエアロゾル形成基体104から引き出され、マウスピース106に入る。混入した蒸気は、マウスピース106を通して近位端109に向けて引き出される。蒸気がマウスピース106を通して引き出されると、蒸気は冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、近位端109においてマウスピース106から引き出され、吸入のためにユーザーに送達される。システム101を通る気流の方向を、
図5において矢印で示す。
【0147】
また、管状のエアロゾル発生物品102などの、マウスピースを備える管状のエアロゾル発生物品は、
図1~3に示す実施例に関して上述する主要ユニット3などの、空気通路を含む主要ユニットと共に使用されうることが理解される。こうしたシステムでは、主要ユニットがマウスピースを備えるのではなく、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品のマウスピースと流体連通する空気出口を備える場合がある。
【0148】
本発明のいくつかの実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムを
図6~16に示す。
【0149】
図6は、本発明の第一の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム201を示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム201は、管状のエアロゾル発生物品202と主要ユニット203とを備える。管状のエアロゾル発生物品202および主要ユニット203は、
図1~3に関して上述する管状のエアロゾル発生物品2および主要ユニット3と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0150】
管状のエアロゾル発生物品202は、内部通路205の内部表面の一部分を囲む2つの磁気リング221、222を備える。第一のリング221は内部通路205の一端に配置され、第二のリング222は内部通路205の向かい合った端に配置される。第一および第二の磁性リング221、222は、コバルト・フェライトなどの第一の磁性材料からなる。
【0151】
主要ユニット203は、近位部分207の外部表面の一部分を囲む第三の磁性リング223を備える。第三のリング223は、第二の磁性材料からなる。第二の磁性材料は、第一の磁性材料と同一の磁性材料を備えてもよい。第二の磁性材料は、第一の磁性材料が主要ユニット203の近位部分207の外部表面に配置される時に、第一の磁性材料を磁力で引き付けるように構成されて配置される。
【0152】
第三のリング223は、管状のエアロゾル発生物品202が加熱部分210の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品202の近位端が第三のリング223と重なるように、加熱部分210とマウスピース212との間に配置される。
【0153】
使用するために電気的に作動するエアロゾル発生システム201を組み立てるために、主要ユニット203の近位部分207は、管状のエアロゾル発生物品202のいずれかの開端部の中に挿入されうる。近位部分207が第二のリング222を含む開端部の中へと挿入され、管状のエアロゾル発生物品202が加熱部分210の上に完全に受けられるまで内部通路205を通して移動する場合、管状のエアロゾル発生物品202の第一の磁性リング221は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分210の上に完全に受けられる時に第三のリング223の上方に直接配置される。同様に、近位部分207が第一のリング221を含む開端部の中へと挿入され、管状のエアロゾル発生物品202が加熱部分210の上に完全に受けられるまで内部通路205を通して移動する場合、管状のエアロゾル発生物品202の第二の磁性リング222は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分210の上に完全に受けられる時に第三のリング223の上方に直接配置される。
【0154】
管状のエアロゾル発生物品202が主要ユニット203の加熱部分210の上に完全に受けられる時、第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の磁性引力は、管状のエアロゾル発生物品202上に力を加熱部分210に向けて半径方向内側に適用する。この力は、管状のエアロゾル発生物品202を主要ユニット203の加熱部分210の上に保持する。第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の磁性引力は、管状のエアロゾル発生物品202を主要ユニット203の加熱部分210から取り外すために、ユーザーが、中程度の力を管状のエアロゾル発生物品202に近位方向に適用することを必要とするものである。
【0155】
図7は、本発明の第二の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム301を示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム301は、管状のエアロゾル発生物品302と主要ユニット303とを備える。管状のエアロゾル発生物品302および主要ユニット303は、
図4および5に関して上述する管状のエアロゾル発生物品102および主要ユニット103と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0156】
管状のエアロゾル発生物品302は、内部通路305の内部表面の近位部分を囲む第一の磁性リング321を備える。第一の磁性リング321は、コバルト・フェライトなどの第一の磁性材料から成る。
【0157】
主要ユニット303は、近位部分307の外部表面の一部分を囲む第二の磁性リング322を備える。第二のリング322は、第二の磁性材料から成る。第二の磁性材料は、第一の磁性材料と同一の磁性材料を備えてもよい。第二の磁性材料は、第一の磁性材料が主要ユニット303の近位部分307の外部表面に配置される時に、第一の磁性材料を磁力で引き付けるように構成されて配置される。
【0158】
第二の磁性リング322は、管状のエアロゾル発生物品302が加熱部分310の上に完全に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品302の第一の磁性リング321が第二の磁性リング322の上方に直接配置されるように、主要ユニット303の近位部分の近位端に、加熱部分310と近位部分307の近位端との間に配置される。
【0159】
管状のエアロゾル発生物品302が加熱部分310の上に完全に受けられる時、第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の磁性引力は、管状のエアロゾル発生物品上に、加熱部分310に向かって半径方向内側に力を適用する。これは、管状のエアロゾル発生物品302を主要ユニット303の加熱部分310の上に保持する。第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の磁性引力は、管状のエアロゾル発生物品302を主要ユニット303の加熱部分310から取り外すために、ユーザーが、中程度の力を管状のエアロゾル発生物品302に近位方向に適用することを必要とするものである。
【0160】
図8は、本発明の第三の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム401を示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム401は、管状のエアロゾル発生物品402と主要ユニット403とを備える。管状のエアロゾル発生物品402および主要ユニット403は、
図4および5に関して上述する管状のエアロゾル発生物品302および主要ユニット303と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0161】
管状のエアロゾル発生物品402は、上述の第一の磁性リング321と実質的に類似した第一の磁性リング421を備える。ただし、第一の磁性リング421は、管状のエアロゾル発生物品の遠位端面に配置される。また、主要ユニット403は、上述の第二の磁性リング322に実質的に類似した第二の磁性リング422を含む。ただし、第二の磁性リング422は、主要ユニットのショルダー部409上に配置される。
【0162】
管状のエアロゾル発生物品402が主要ユニット403の加熱部分410の上に完全に受けられる時に、第一の磁性リング421は第二の磁性リング422に隣接して配置される。この配置では、第一の磁性材料と第二の磁性材料との間の磁性引力は、力を管状のエアロゾル発生物品上に、主要ユニットのショルダー部409に向けて遠位方向に適用する。これは、管状のエアロゾル発生物品302を主要ユニット403の加熱部分410の上に保持する。
【0163】
図9および10は、本発明の第四の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム501を示す。
【0164】
電気的に作動するエアロゾル発生システム501は、管状のエアロゾル発生物品502と主要ユニット503とを備える。管状のエアロゾル発生物品502および主要ユニット503は、
図1~3に関して上述する管状のエアロゾル発生物品2および主要ユニット3と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0165】
主要ユニット503は、近位部分507の近位端に、マウスピース512と加熱部分510との間に拡張部分520を備える。拡張部分は、主要ユニット503の近位部分507から半径方向外側に延在し、実質的に近位部分507を囲む。拡張部分520の幅は、加熱部分510の幅よりも大きい。そのため、拡張部分520の幅は、管状のエアロゾル発生物品502の内部通路505の幅よりも大きい。
【0166】
使用のために電気的に作動するエアロゾル発生システム501を組み立てるために、ユーザーは主要ユニット503の近位部分507を管状のエアロゾル発生物品502のいずれかの開端部の中へと挿入する。管状のエアロゾル発生物品が拡張部分520と遭遇すると、ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品502上に中程度の力を拡張部分520に向けた方向に適用する。中程度の力は、内部通路505の幅が一時的に増大して主要ユニット503の拡張部分520を収容するように、管状のエアロゾル発生物品502を半径方向外側に曲げる、または変形させる。ユーザーは、拡張部分520上で変形した管状のエアロゾル発生物品502を、主要ユニットの加熱部分510の上にスライドする。また、管状のエアロゾル発生物品502は、一旦管状のエアロゾル発生物品502が主要ユニット503の加熱部分510の上に完全に受けられると、内部通路505がその元の非変形サイズに戻るように、弾性となるように構成される。
【0167】
図10に示すように、管状のエアロゾル発生物品502が加熱部分505の上に完全に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品502の近位端面は、拡張部分520と係合または当接する。そのため、拡張部分520は、管状のエアロゾル発生物品502が主要ユニット503から取り外されるのを実質的に防ぐ近位停止部として作用する。
【0168】
管状のエアロゾル発生物品502を加熱部分505から取り外すのに、ユーザーは、中程度の力を拡張部分520に向けた近位方向に管状のエアロゾル発生物品502に適用する必要がある。この中程度の力は、管状のエアロゾル発生物品502が拡張部分520上を主要ユニット503からスライドしうるように、管状のエアロゾル発生物品502を曲げる、または変形させる。
【0169】
図11および12は、本発明の第五の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム601を示す。
【0170】
電気的に作動するエアロゾル発生システム601は、管状のエアロゾル発生物品602と主要ユニット603とを備える。管状のエアロゾル発生物品602および主要ユニット603は、
図4および5に関して上述する管状のエアロゾル発生物品102および主要ユニット103と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0171】
主要ユニット603は、近位部分607の近位端に拡張部分620を備える。拡張部分620は、主要ユニット603の近位部分607から半径方向外側に延在し、近位部分607を囲んでいる。拡張部分620の幅は、加熱部分610の幅よりも大きい。そのため、拡張部分620の幅は、管状のエアロゾル発生物品602の内部通路605の幅よりも大きい。
【0172】
管状のエアロゾル発生物品602は、内部通路605の遠位端に凹部621を備える。凹部621の形状およびサイズは、主要ユニットの拡張部分620の形状およびサイズに対応する。そのため、管状のエアロゾル発生物品602が主要ユニット603の加熱部分610の上に受けられる時、拡張部分620は凹部621内に適合する。
【0173】
使用のために電気的に作動するエアロゾル発生システム601を組み立てるために、主要ユニット603の近位部分607は、管状のエアロゾル発生物品602の開遠位端の中へと挿入される。管状のエアロゾル発生物品が拡張部分620に到達すると、ユーザーは、中程度の力を拡張部分620に向けて管状のエアロゾル発生物品602に適用しうる。中程度の力は、内部通路605の幅が一時的に増大して主要ユニット603の拡張部分620を収容するように、管状のエアロゾル発生物品602を半径方向外側に曲げる、または変形させる。変形した管状のエアロゾル発生物品602は、拡張部分620上を、そして主要ユニットの加熱部分610の上をスライドする。また、管状のエアロゾル発生物品602は、一旦管状のエアロゾル発生物品602が主要ユニット603の加熱部分610の上に完全に受けられると、内部通路605の幅がその元のサイズに戻るように、弾性となるように構成される。
【0174】
図12に示すように、管状のエアロゾル発生物品602が加熱部分605の上に完全に受けられる時、拡張部分は内部通路605の凹部621内に受けられる。そのため、凹部621は、管状のエアロゾル発生物品502が主要ユニット603から取り外されるのを実質的に防ぐために拡張部分620と係合する。
【0175】
管状のエアロゾル発生物品602を加熱部分605から取り外すのに、ユーザーは、中程度の力を近位方向で管状のエアロゾル発生物品602に適用し、管状のエアロゾル発生物品602が拡張部分620上を主要ユニット603からスライドするように、管状のエアロゾル発生物品602を曲げる、または変形させる。
【0176】
任意の数の突出部および拡張部分が主要ユニットの近位部分上に提供されうることが理解される。また、1つ以上の突出部または拡張部分は、主要ユニットの近位部分の長さに沿った任意の位置に配置されうることが理解される。同様に、適切な任意の数の凹部を管状のエアロゾル発生物品の内部通路に提供してもよい。凹部は、主要ユニットの1つ以上の突出部および拡張部分の位置に対応する内部通路の長さに沿った適切な位置に配置されうる。
【0177】
図13~16は、本発明の第六の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム701を示す。
【0178】
電気的に作動するエアロゾル発生システム701は、管状のエアロゾル発生物品702と主要ユニット703とを備える。管状のエアロゾル発生物品702および主要ユニット703は、
図1~3に関して上述する管状のエアロゾル発生物品2および主要ユニット3と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0179】
管状のエアロゾル発生物品702は、部品の向かい合った側面に変形可能な部分(図示せず)を備える。変形可能な部分は、圧縮可能なエアロゾル形成基体で形成される圧縮可能なセクションである。エアロゾル形成基体の圧縮可能な部分を提供することで、物品は、変形可能な部分が圧縮される時に平坦化され、そして変形可能な部分が膨張する時に使用構成において内部通路705を備えた環状の本体内に開かれように構成される。
【0180】
使用の前、管状のエアロゾル発生物品702の変形可能な部分は、エアロゾル発生物品702がストレージ構成にあるように、圧縮状態にある。ストレージ構成において、管状のエアロゾル発生物品702は平坦化され、
図13に示すように、実質的に平面の向かい合った2つの面720を含む。
【0181】
使用のために電気的に作動するエアロゾル発生システム701を組み立てるために、ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品702を実質的に平面の向かい合った面720のいずれかの側面で内側に圧迫する。中程度の、内方の力は、向かい合った平面720を、分離させて半径方向外側に変形させ、そして変形可能な部分を膨張させる。内部通路705が部分的に開放しているとき、
図14に示すように、主要ユニット703の近位端は内部通路705のいずれかの開端部の中へと挿入される。
図15に示すように、ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品702が主要ユニット701の加熱部分の上に完全に受けられるまで、管状のエアロゾル発生物品702を主要ユニット702の近位部分の上で遠位端に向けてスライドする。管状のエアロゾル発生物品702が主要ユニット703の加熱部分の上に完全に受けられる時、内部通路705は完全に開放され、管状のエアロゾル発生物品702は使用構成に構成される。
【0182】
図16は、ストレージ構成において一緒に積み重ねられる複数のエアロゾル発生物品702を示す。平坦化された物品702の実質的な平面720は、エアロゾル発生物品702が近接または密接に一緒に積み重ねられることを可能にする。管状のエアロゾル発生物品702の各々は、ストレージ構成において個別に包装されうる。
【0183】
図16に示す配置において、積み重ねられたエアロゾル発生物品702は、長方形のボックス731の上に摺動可能に外側スリーブ732によって囲まれた開いた長方形の本体731を含む、長方形のボックス730内に配置される。包装330は、紙巻たばこなどの従来の喫煙物品に使用される包装と類似していてよい。
【0184】
管状のエアロゾル発生物品は、その他の手段によって変形可能であってもよいことが理解される。例えば、管状のエアロゾル形成基体は、可撓性であってもよい。例えば、管状のエアロゾル形成基体は、2つ以上の片を含んでもよく、2つ以上の片は、互いに移動可能であって、使用構成とストレージ構成との間で管状のエアロゾル発生物品を変形する。
【0185】
図1~5の管状の物品102は、一実施形態において、ストレージ構成において平坦なエアロゾル発生物品702から形成されうることが理解される。
【0186】
管状のエアロゾル発生物品は、弾性であり、ストレージ構成に付勢されうることが理解される。管状のエアロゾル発生物品の弾性は、弾性材料からなりうる、外側ラッパーに起因しうる。管状のエアロゾル発生物品の弾性は、スプリングワイヤフレームなどの管状のエアロゾル発生物品内に配置された構造に起因しうる。そのため、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時、管状のエアロゾル発生物品は、半径方向内側の力を、主要ユニットの加熱部分に向けて適用しうる。管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に完全に受けられる時、管状のエアロゾル発生物品からの半径方向内側の力が管状のエアロゾル発生物品を主要ユニットの加熱部分上に固定しうる。弾性およびストレージ構成への付勢は、本発明の少なくとも1つの保持機構を提供しうる。
【0187】
本明細書に記述された例は端的な例であること、および異なる機能性またはより高度な機能性を提供するために、例示された回路に変更・修正がなされうることが理解される。一の実施形態を参照して本明細書に記載する特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態にも適用されうることが理解される。