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  • 特許-樹木注入システムおよび方法 図1
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  • 特許-樹木注入システムおよび方法 図3
  • 特許-樹木注入システムおよび方法 図4a
  • 特許-樹木注入システムおよび方法 図4b
  • 特許-樹木注入システムおよび方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】樹木注入システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20220307BHJP
   A01G 7/06 20060101ALI20220307BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220307BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
A01M7/00 W
A01G7/06 B
B05C11/10
B05C5/00 A
【請求項の数】 1
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019231259
(22)【出願日】2019-12-23
(62)【分割の表示】P 2016546955の分割
【原出願日】2015-01-22
(65)【公開番号】P2020096593
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-01-22
(31)【優先権主張番号】61/930,470
(32)【優先日】2014-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300091441
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】オブリスト ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】ウィース ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴィトマー ウルス
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-505488(JP,A)
【文献】特開平07-284700(JP,A)
【文献】特開平02-078462(JP,A)
【文献】実開平03-034860(JP,U)
【文献】国際公開第95/001225(WO,A3)
【文献】特表2010-507393(JP,A)
【文献】実開平04-014153(JP,U)
【文献】実開昭56-076066(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0262763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
A01G 7/06
B05C 11/10
B05C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木に液体を注入するために使用される注入システムであって、
(A)液体供給アセンブリであって、
周囲圧力で前記アセンブリに前記液体を提供する液体供給入口、
前記液体を加圧し、および周囲圧力を超える第1圧力で前記アセンブリから液体供給出口を通して前記液体を放出する電気ポンプ、及び、
前記供給出口に接続されかつ前記ポンプと電気的に連通する圧力スイッチであって、前記液体供給出口の圧力が前記第1圧力未満になると前記ポンプを選択的に作動させる圧力スイッチを有する液体供給アセンブリと、
(B)注入ガンであって、
前記液体供給アセンブリと流体連通する注入器入口であって、前記第1圧力で前記液体供給アセンブリから前記液体を受け取る注入器入口、
注入器アセンブリから前記液体を放出する注入器出口、及び
前記注入器入口および前記注入器出口と流体連通し、かつ第1位置から第2位置に移動可能なトリガアセンブリを有する注入ガンと、
(C)前記樹木に計量投与量の前記液体を提供する液体投与アセンブリであって、
前記注入器入口および前記注入器出口と交互に流体連通する第1チャンバ、及び、
前記第1チャンバと協働するように関連付けられた第2チャンバであって、前記第1チャンバおよび前記第2チャンバの容積が互いに反比例して変化するように前記第1チャンバを付勢する、周囲圧力を超える第2圧力下でガスを収容するように適合された第2チャンバを備え、前記第1チャンバが、交互に、トリガが前記第1位置にあるときに前記第1圧力で前記注入器入口から前記計量投与量の前記液体を受け取り、および前記トリガが前記第2位置にあるときに前記第2圧力で前記注入器出口に前記計量投与量の前記液体を提供する、液体投与アセンブリと
を備え、
前記圧力スイッチは、前記第1圧力が前記第2圧力より高く、かつ/または前記第1チャンバが液体で充填されている状態に対応しているとき、前記ポンプを停止させるように設定されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、樹木の茎または幹に液体を注入することに関し、より詳細には、本開示は、農薬、生長調節剤、または栄養分および/もしくは肥料等の液体を樹幹の白太に注入することに関する。
【背景技術】
【0002】
アーボリストは、樹木の健康を維持または改善する取り組みとして、樹幹の白太に殺虫剤、殺菌剤、生長調節剤、栄養分および/または肥料等の液体を注入する場合がある。たとえば、既知の方法の1つでは、白太に孔を形成し、その後、孔の外端に栓を固定して取り付けることにより、孔の外端を閉鎖し、その後、注入器の針を、針の先端が栓よりも孔の中にさらに突出するように、栓の隔壁を通して挿入する。その後、注入器は、孔の中に栓より先に突出している針の部分を用いて、孔の中に液体を放出することができる。栓から針を引き抜くことができ、注入された液体が樹木の白太において上方に吸い上げられるまで、注入された液体が孔の内部に収容されるように、栓の隔壁が栓を封止することができる。別法として、逆止弁を有する栓とともに使用される不要な注入器を採用する。いずれの場合も、その後栓を介して処理を行うために、栓は、任意選択的に樹幹に取り付けられたままであり得る。
【0003】
たとえば、「Tree Injection Apparatus and Methods」という名称の公開PCT出願国際公開第2012114197号パンフレットは、胴部、投与アセンブリ、トリガアセンブリおよびマニホルドアセンブリの間に取り付けられたT継手を含み、マニホルドアセンブリから、加圧された容器からの注入用の供給配合物が提供される、注入器および関連する液体供給アセンブリを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した樹木注入器具は、樹木注入配合物をかさのある製品容器から樹木注入器具内に注ぐときなど、労力を必要としかつ時間がかかると考えられ、またはこうした器具に加圧された製品容器の使用が必要である場合、場合によっては衛生的でなくなると考えられ得る。したがって、樹木管理を改善するために特性の新たなバランスを提供する、樹木注入システム、装置および方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの態様が基本的に理解されるために、以下に本開示の簡略化した概要を提示する。この概要は、本開示の広範な概観ではなく、本発明の主要なまたは重要な要素を特定するように、または本発明の範囲を明確にするようには意図されていない。このセクションの目的は、後に提示するより詳細な記載に対する前置きとして、本開示のいくつかの概念を簡略化した形態で提示することである。
【0006】
本発明により、樹木に液体を注入するために使用される注入システムが提供され、システムは、(A)液体供給アセンブリであって、周囲圧力でアセンブリに液体を提供する液体供給入口と、液体を加圧し、および周囲圧力を超える第1圧力でアセンブリから液体供給出口を通して液体を放出する電気ポンプと、供給出口に接続されかつポンプと電気的に連通する圧力スイッチであって、液体供給出口の圧力が前記第1圧力未満になるとポンプを選択的に作動させる圧力スイッチとを備える液体供給アセンブリを備える。
【0007】
本発明のシステムは、(B)注入ガンであって、液体供給アセンブリ(A)と流体連通する注入器入口であって、前記第1圧力で液体供給アセンブリから液体を受け取る注入器入口と、注入器アセンブリから液体を放出する注入器出口と、注入器入口および前記注入器出口と流体連通し、かつ第1位置から第2位置に移動可能なトリガアセンブリとを備える注入ガンと、(C)樹木に計量投与量の前記液体を提供する液体投与アセンブリとをさらに備える。
【0008】
有利には、投与アセンブリ(C)は、液体供給システム(A)と、特に液体供給システムに関連する圧力スイッチと協働して作用する。投与アセンブリ(C)は、注入器入口および注入器出口と交互に流体連通する第1チャンバと、システムが動作状態にあるときに、前記第1圧力より低い、周囲圧力を超える第2圧力下でガスを収容する第2チャンバとを備える。トリガが、第1チャンバが注入器入口と流体連通している第1位置から、第1チャンバが注入器出口と流体連通している第2位置まで移動すると、第2チャンバが、ピストンまたはダイヤフラム構成を介して第1チャンバを付勢するように、第2チャンバは第1チャンバと協働するように関連付けられている。動作中、第1チャンバおよび第2チャンバのそれぞれの容積は、第1チャンバ内の液体が注入器出口から放出されるときと、第1チャンバが、注入器入口を介して液体供給チャンバから受け取られる液体で再充填されるときとの両方において、互いに反比例して変化する。これに関して、第1チャンバは、交互に、トリガが第1位置にあるときに前記第1圧力で注入器入口から計量投与量の液体を受け取り、およびトリガが第2位置にあるときに前記第2圧力で出口に計量投与量の液体を提供する。
【0009】
トリガされると、任意選択的な栓を有する適切な孔と係合している注入ガンの先端にある放出ノズルを通して、計量投与量が樹木内に注入される。圧力スイッチにより圧力差が検出されると、トリガが開始位置に戻り、それにより非加圧供給容器から液体を回収するようにポンプが選択的に作動すると、後続する計量投与量が液体供給システムからガンに受け入れられる。本発明のシステムは、たとえば、参照により本明細書に組み込まれる公開PCT出願国際公開第2012/114197号パンフレットまたは同第2013/149993号パンフレットに開示されているもの等、あらゆる既知の注入プロトコルで使用することができる。好適なプロトコルは、注入針があるまたはない、および/あるいは注入栓を用いるまたは用いない注入ガンを使用するプロトコルであり得る。適切なプロトコルは、ノズル先端、樹木種、標的(虫、線虫、病気、非生物的ストレス等)、注入液成分および/または粘度、必要な投与量ならびに注入圧を含むさまざまな要素によって決まる。注入が行われた後、トリガ機構は、基本「非トリガ」位置にリセットされ、液体供給アセンブリの圧力スイッチは、投与アセンブリの第1チャンバが再充填されて後続する注入の用意ができるまで、ポンプを作動させる。
【0010】
本発明のシステムの特定の利点は、標準的な非加圧製品容器によって、注入すべき液体を提供することができることである。これにより、使用中の望ましくない機器の漏れの可能性と付随する衛生問題とが低減するとともに、加圧ボトルまたは容器を維持する必要もなくなる。
【0011】
このように本発明について一般的な用語で説明したが、ここで、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による液体供給アセンブリの第1側の斜視図である。
図2】液体供給マニホルドから製品容器が取り除かれている、図1に示す液体供給アセンブリの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による液体供給アセンブリの第2側の斜視図である。
図4a図1に示す液体供給アセンブリの正面図である。
図4b】本発明の一実施形態による注入ガンアセンブリの側面図である。
図5】本発明の一実施形態による液体供給アセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のいくつかの例示的な実施形態について、以下に記載しかつ添付の図に示す。記載する実施形態は、本発明を例示することのみを目的とし、本発明の範囲を限定するものとして解釈するべきではない。本発明は、当然ながら、後述する特許請求の範囲によってのみ限定される。本発明の他の実施形態ならびに記載する実施形態のいくつかの変更形態および改良形態が、当業者には想到されるであろう。すべてのこうした代替実施形態、変更形態および改良形態は、本発明の範囲内にある。
【0014】
本開示の第1実施形態に従って、本発明の樹木注入システムの一例について、少なくとも最初に図1図3を参照して以下に記載する。液体供給システム10は、側壁12a~12dによって形成されたハウジング筐体と、安定板14を含む基部と、マニホルドカバー26およびさまざまな制御構成要素28、30および32を含む上部とを含む。筐体は、図5に示すような、特に、ポンプ68、モータ70、バッテリ74、圧力スイッチ72および再循環弁78を含む、液体供給システムのさまざまな構成要素を収容することができる。
【0015】
例示する実施形態では、注入すべき液体製品62(図5)を収容する製品ボトル等の液体容器20が、ボトル蓋(図示せず)を取り除き、ボトル20をマニホルド24の下方で基部14の上に配置することによりボトル20の頂部に液体供給入口34を挿入することによって、液体供給システムに取外し可能に取り付けられる。たとえば、液体製品は、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、生長調節剤、肥料、栄養分、および/または樹木に注入されるのに好適な他の液体のうちの1つまたは複数であり得る。ボトル20は、適切に配置された後、ボトルケージ18aおよび18bを通して矢印35の方向に持ち上げられ、マニホルド24の底部に取り付けられているねじぶた22と係合する。液体供給入口34および液体再循環/通気管66がマニホルド24を通過して、周囲圧力でそれぞれポンプ68およびボトル20との流体連通を可能にする。ボトル20がねじぶた20に取り付けられた後にブラケット16が閉鎖され、その後、樹木注入システムを起動することができる。
【0016】
ここで図4aおよび図4bを参照すると、システムを起動するために、事前に完了していない場合、選択された液体62の適切な注入投与量(通常、10ml未満)を受け取るように、投与チャンバ50が校正され、その後、空気供給弁52にハンドエアポンプを取り付けて、投与アセンブリ46の空気チャンバ48を、選択された注入プロトコルに対して適切な注入圧、たとえば、典型的には2~4バールまで加圧することができる。適切な注入圧は、注入システムが問い合わせるプロトコルおよび/または樹木種によって決まる。その後、ポンプモータ70に通電しポンプ68を始動させるために、電源スイッチ32がオン位置になる(一方で、緊急遮断スイッチ30がオフ位置にあることを確実にする)。次に、ポンプ68を充填するために、すなわち、ハウジング内の製品チューブ36の部分が液体62で充填されるまで、スイッチ28によって再循環弁78が開放される(たとえば、4~5秒間)。再循環動作または通常動作中のヘッドスペース64の周囲圧力は、背圧通気孔80によって維持される。例示する実施形態では、弁78を開放することにより、製品ボトル20から液体が汲み出され、再循環管66を介してボトル20に戻るように再循環する)。圧力スイッチ72は、空気チャンバ48の圧力を超える圧力に事前設定されており、それにより、再循環弁78が閉鎖されると、液体62は、ポート38から出てガン40のチューブ36を通って入口41を介して投与チャンバ50内に圧送され、一方で、トリガ56は、(図示するような)第1上方位置にあり続ける。投与チャンバ50は、トリガ56がこうした上方位置にある間、液体供給システム10と流体連通している。投与チャンバ50が充填されるまでポンプ68が作動状態であり続けるように、圧力スイッチ72および投与チャンバ50は協働して関連付けられる。たとえば、システム内のポンプ68の下流の液圧が、空気チャンバ48内の圧力より高くかつ投与チャンバ50が注入液62で充填されている状態を示す値に達すると、ポンプ68をオフにするように圧力スイッチ72を設定することができる。これは、たとえば、5~7バールの設定であり得る。同時に、供給入口34および製品ボトルヘッドスペース64を含むポンプ68の上流の圧力は、周囲圧力のままである。
【0017】
投与チャンバ50が充填されると、アーボリスト等の操作者は、パームグリップ58およびハンドル60を介してガン40を握り、適切な孔または開口部を介して目標の樹木に注入ガン出口45を係合させることができる。上述したように、当技術分野において既知である注入プロトコルとともに本発明の注入システムを使用することができ、アーボリスト/操作者が採用している樹木注入プロトコルによって規定されるとおりに、出口45を、針を収容する、針なしプロトコルで使用される、栓をセットするなどのように構成することができる。ガン出口45が樹木注入部位と係合すると、操作者は、トリガ56を、ガン40の本体のT継手42に向かって、第2位置(図示せず)まで下方に移動させる。この第2トリガ位置により、投与チャンバ50の液体供給システム10への流体連通が閉鎖され、胴部44を介する投与チャンバ50のガン出口45への流体連通が開放される。これが発生すると、ピストン54は空気チャンバ48内の(周囲圧力を超える)圧力によって移動し、この圧力により、投与チャンバ50からガン出口45を通ってこうした圧力で液体が放出される。
【0018】
注入が完了した後、トリガ56は、(たとえば、ばね機構等を介して)第1位置に戻るように解除され、空の投与チャンバ50は、再度、液体供給アセンブリ10と流体連通する。トリガの機能は、当然ながら、スイッチ、ボタン等の他の作動手段により、または当業者には既知であるように遠隔で達成することができる。この時点で、システム内のポンプ68の下流の液圧は、空気チャンバ48内の圧力によって提供される。本発明の実施形態によれば、空気チャンバ48内の圧力が圧力スイッチ72に対して選択された値より低いため、圧力が、投与チャンバ50が充填状態である圧力にも対応する周囲圧力を超える事前設定値に戻るまで、スイッチ72はポンプ68を作動させる。したがって、本発明の注入システムの使用では、複数の樹木および/または複数の注入部位がある樹木に注入するために必要な時間が大幅に短くなり、それは、製品ボトル20が空になるまで、またはバッテリ74が放電されるまで、投与チャンバを間断なく迅速にかつ自動的に空にし、かつ充填することができるためである。放電したバッテリ74は、充電ジャック76を介して固定または可動電源から再充電することができる。さらに、ボトルおよびマニホルド24は周囲圧力のままであるため、システムをオフにすることなく、空の製品ボトル20を充填されたボトル20と迅速に交換することができる。本発明の樹木注入システムはまた、液体製品を注ぐことが不要になり、操作者の安全性および衛生を向上させる加圧された製品ボトルの使用が不要になる。
【0019】
予測できない状況の場合に、例示した実施形態に示したように、緊急遮断スイッチ30のスイッチキャップ30aを押下することにより、システムをリセットすることができる。遮断スイッチ30は、ポンプモータ70をオフにする緊急電気スイッチ82を作動させるとともに、再循環弁78を開放する。例示する実施形態では、スイッチキャップ30aが再循環弁スイッチ28のリップ28aと係合すると、再循環弁が開放される。これが発生すると、投与アセンブリ46の空気チャンバ48によって下流システム圧が提供され、それにより、ガン40およびライン36内に存在する液体の大部分が製品ボトル20に戻るように再循環する。
【0020】
概要として、図5の概略図は、樹木注入液62を収容する、周囲圧力で維持された製品容器20を開示しており、樹木注入液62は、ポンプ68により、液体供給ライン34から供給チューブ36を介して樹木注入ガンジェット40に、周囲圧力を超えかつ(同様に周囲圧力を超えるように設定される)空気チャンバ48内の圧力を超える選択された圧力で圧送される。ポンプ68の動作中、液体62はボトル20から汲み上げられ、周囲圧力を超える圧力で出口36を通って放出されるため、ボトル20のヘッドスペース64は、(場合により弁80および通気管66の動作を介して)周囲圧力で維持される。ポンプ68は、好適には、ライン圧力が事前設定限界(たとえば、4~7バール、より詳細には5~7バール、または5~6バール)に達したときにポンプを停止させる圧力弁72によって誘導される、投与チャンバ46から液体を放出するようにガンジェット40がトリガされた後に選択的に作動される膜ポンプであり、好適には、上記限界は、投与チャンバ48が充填状態にある場合に対応するように選択される。一実施形態では、ポンプおよび他の電気部品は、バッテリ74によって通電される。動作後、主電源32は切断される。システムを清潔にするために、製品ボトル20を水ボトルと交換することができ、システムをオンにする。注入ガン40を通して水を数回排出することにより、チューブ34/36および注入ガン40をすすぐことができる。好適には、排出されたすすぎ水は、適切に廃棄するために印がつけられた水ボトルに収集される。
【0021】
本発明のごくわずかな例示的な実施形態について詳細に上述したが、当業者は、本発明の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態における多くの変更形態が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、すべてのこうした変更形態は、以下の特許請求の範囲で定義されるように本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5