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  • 特許-高品質耐熱性ロールの製作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】高品質耐熱性ロールの製作方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/06 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
C03B17/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019503929
(86)(22)【出願日】2017-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2017043184
(87)【国際公開番号】W WO2018022435
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】62/366,784
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】エル カーラウト,アーディ
(72)【発明者】
【氏名】グェン,トゥアン クォック
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-155777(JP,A)
【文献】特開2010-265167(JP,A)
【文献】特開2006-069825(JP,A)
【文献】特開2010-111541(JP,A)
【文献】特開2010-095437(JP,A)
【文献】特開平06-279834(JP,A)
【文献】国際公開第2013/102950(WO,A1)
【文献】特開2013-018681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 17/06,35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスシートの形成処理に用いられる耐熱性ロールの製作方法において、
複数の耐熱性ディスクを予め選択する工程と、
前記予め選択したディスクのうち、少なくとも選択した一部のディスク同士を押し付けて、前記押し付けたディスクの全軸方向厚さが、押し付ける前の該選択したディスクの全軸方向厚さに対して、所定の範囲となるようにする工程と、
を含み、
前記押し付けたディスクの前記全軸方向厚さは、押し付ける前の前記選択したディスクの前記全軸方向厚さの75%超且つ85%以下である、方法。
【請求項2】
前記複数の予め選択したディスクを焼成する工程を、更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の予め選択した耐熱性ディスクの平均軸方向厚さを測定する工程と、
前記押し付ける工程の前に、所定の範囲の平均軸方向厚さを有する少なくとも2つのディスクを、前記測定したディスクから選択する工程と、
を更に含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記押し付ける工程の前に、前記少なくとも2つの選択したディスクの重さを計る工程を、更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予め選択したディスクのうち、前記選択した一部のディスクの前記全軸方向厚さを測定する工程を、更に含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の予め選択した耐熱性ディスクを、少なくとも1つの品質要素に基づいて選択する工程を、更に含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの品質要素は、表面皺密度、表面皺間隔、表面皺深さ、および、空隙密度からなる群から選択されるものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記表面皺密度は、該ディスクの表面の任意の2,000平方ミリメートル面積あたり、約5つ未満の視認可能な皺である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記表面皺間隔は、該ディスク上の最も近い視認可能な皺同士が、少なくとも約3ミリメートルの間隔である、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記表面皺深さは、該ディスクの表面の最も深い視認可能な皺が、約0.3ミリメートル未満の深さを有するものである、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記空隙密度は、該ディスクの10,000平方ミリメートル毎の表面面積あたり、少なくとも約2ミリメートルの最大寸法を有する2つ未満の空隙、および、少なくとも約1ミリメートルの最大寸法を有する5つ未満の空隙である、請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各前記複数の予め選択した耐熱性ディスクの前記平均軸方向厚さは、該ディスク上の少なくとも2つの位置で測定されるものである、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つの選択したディスクの最大平均軸方向厚さと最小平均軸方向厚さの差は、該最大平均軸方向厚さを有する該少なくとも2つの選択したディスクの該平均軸方向厚さの約10%未満である、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記選択したディスクの最高密度と最低密度の差は、前記最高密度を有する該選択したディスクの該密度の約10%未満である、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2016年7月26日出願の米国仮特許出願第62/366,784号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、耐熱性ロールの製作方法に関し、特に、品質が改良された耐熱性ロールの製作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
テレビ、および、電話やタブレットなどの手で持てる装置を含む表示装置で利用されるガラスシートなどのガラス物品の製造において、フュージョンダウンドロー処理などのガラスを引き出す工程で、耐熱性ロールが使われることが多い。これらのロールは、典型的には、比較的高温で、概して収容された環境で動作するので、高温で長い時間に亘って、良く機能するだけではなく、ガラス表面に付着しうる粒子の放出は低レベルで、更に、ガラスに亀裂も破損も生じることなく、ガラスに力を加えることができるような物性を有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
耐熱性ロールの製作方法は、耐熱性材料のディスク同士を押し付けて、次に、押し付けられたディスクを、望ましい幾何学形状に切断する工程を含む。しかしながら、従来の耐熱性ロール製作方法は、測定された硬さ、および、高品質な表面(例えば、欠陥の発生が低い表面)などの優れた物性を有する耐熱性ロールを、変わらずに製造するのを可能にしうるような処理パラメータおよび条件を、考慮してこなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示の実施形態は、耐熱性ロールの製作方法を含む。その方法は、複数の耐熱性ディスクを予め選択する工程を含む。更に、方法は、予め選択したディスクのうち、少なくとも選択した一部のディスク同士を押しつけて、押し付けたディスクの全軸方向厚さが、押し付ける前の選択したディスクの全軸方向厚さに対して、所定の範囲となるようにする工程も含む。
【0006】
本明細書に開示した実施形態の更なる特徴および利点を、次の詳細な記載に示し、それは、部分的には、当業者には、その記載から明らかであるか、または、次の詳細な記載、請求項、および、添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって分かるだろう。
【0007】
ここまでの概略的記載および次の詳細な記載の両方が、実施形態を示し、請求した実施形態の本質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図すると、理解すべきである。添付の図面は、更なる理解のために含められ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施形態を示し、明細書の記載と共に、その原理および動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的なフュージョンダウンドローガラス製作装置および処理を、概略的に示す図である。
図2A】本明細書に開示の実施形態による耐熱性ディスクの斜視図である。
図2B】本明細書に開示の実施形態による耐熱性ディスクの側面図である。
図2C】本明細書に開示の実施形態による耐熱性ディスクの前面図である。
図3A】本明細書に開示の実施形態による押圧前の複数のディスクの側面図である。
図3B】本明細書に開示の実施形態による押圧後の複数のディスクの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、本開示の好適な実施形態を詳細に記載し、その例を、添付の図面に示している。全図を通して、同じ、または、類似した部分を参照するには、可能な限り、同じ参照番号を用いている。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で実施しうるものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されると、解釈されるべきではない。
【0010】
本明細書において、範囲を、「約」1つの特定の値から、および/または、「約」他の特定の値までと表しうる。そのような範囲を表した場合には、他の実施形態は、その1つの特定の値から、および/または、他の特定の値までの範囲を含む。同様に、値を、例えば、「約」を付けて近似値で表した場合には、その特定の値が、他の実施形態を形成すると理解されよう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係においてと、他方の端点とは独立にとの両方で、重要であることも理解されよう。
【0011】
本明細書において用いたような、例えば、上、下、右、左、前、後ろ、最上部、底部などの方向を表す用語は、示した図面についての記載であり、絶対的な向きを意味することを意図していない。
【0012】
そうでないと明示しない限りは、本明細書に示した、いずれの方法においても、その工程を特定の順序で行うことを必要とするとも、いずれの装置においても、特定の向きであることを必要とするとも、解釈されることを全く意図していない。したがって、方法の請求項が、その工程が行われる順序を実際に記載しないか、または、いずれの装置の請求項も、個々の構成要素の順序も向きも実際に記載しないか、若しくは、そうではなく、具体的に、請求項または明細書の記載で、工程は特定の順序に限定されると記載しないか、若しくは、装置の構成要素の具体的な順序も向きも記載しない場合には、いかなる点でも、順序も向きも推定されることを、全く意図していない。このことは、工程の配列、動作フロー、構成要素の順序、または、構成要素の向きについての論理事項、文法構成または句読点に由来する単純な意味、並びに、本明細書に記載の実施形態の数を含む、記載がないことに基づく解釈に当てはまる。
【0013】
本明細書において用いたように、原文の英語で単数を表す不定冠詞および定冠詞は、文脈から、そうでないことが明らかでない限りは、複数のものについての記載を含む。したがって、例えば、単数を表す不定冠詞を用いて、構成要素を記載した場合には、文脈から、そうでないことが明らかでない限りは、そのような構成要素を2つ以上含む態様を包含する。
【0014】
本明細書において、「複数の耐熱性ディスクを予め選択」という語句は、複数のディスクを、より多くのディスクの集まりから選択することを称し、複数のディスクを選択する基準は、本明細書に記載したような少なくとも1つの品質要素など、ディスクの少なくとも1つの所定の特徴に基づくものである。
【0015】
図1は、例示的なガラス製造装置10を示している。いくつかの例において、ガラス製造装置10は、溶融槽14を有しうるガラス溶融炉12を含みうる。ガラス溶融炉12は、溶融槽14に加えて、原料を加熱し、原料を溶融ガラスに変える加熱部(例えば、燃焼バーナーまたは電極)など、1つ以上の更なる構成要素を、任意で含みうる。更なる例において、ガラス溶融炉12は、溶融槽の近くから失われる熱を減らす熱管理装置(例えば、断熱部)を含みうる。更なる例において、ガラス溶融炉12は、原料を溶かして溶融ガラスにするのを容易にする電子装置および/または電気機械装置を含みうる。更に、ガラス溶融炉12は、支持構造(例えば、支持台、支持部材など)、または、他の構成要素を含みうる。
【0016】
ガラス溶融槽14は、典型的には、耐火性セラミック材料、例えばアルミナまたはジルコニアを含む耐火性セラミック材料などの耐火性材料を含む。いくつかの例において、ガラス溶融槽14を、耐火性セラミックレンガから構成しうる。ガラス溶融槽14の具体的な実施形態を、次に、より詳細に記載する。
【0017】
いくつかの例において、ガラス溶融炉を、ガラス製造装置の構成要素として組み込んで、ガラス基板、例えば、連続した長さのガラスリボンを作製しうる。いくつかの例において、本開示のガラス溶融炉を、スロットドロー装置、フロートバス装置、フュージョン処理などのダウンドロー装置、アップドロー装置、押圧ローリング装置、管ドローイング装置、または、本明細書に開示した態様の恩恵を受けうる任意の他のガラス製造装置を含む、ガラス製造装置の構成要素として組み込みうる。例として、図1は、ガラス溶融炉12を、ガラスを次に個々のガラスシートに処理するためにフュージョンドローするフュージョンダウンドローガラス製造装置10の構成要素として、概略的に示している。
【0018】
ガラス製造装置10(例えば、フュージョンダウンドロー装置10)は、任意で、ガラス溶融槽14に対して上流側に配置された上流側ガラス製造装置16を含みうる。いくつかの例において、上流側ガラス製造装置16の一部または全部を、ガラス溶融炉12の一部として組み込みうる。
【0019】
図示した例が示すように、上流側ガラス製造装置16は、貯留容器18、原料送出装置20、および、原料送出装置に接続されたモータ22を含みうる。貯蔵容器18は、ガラス溶融炉12の溶融槽14に、矢印26が示すように供給されうる多量の原料24を貯蔵するように構成しうる。原料24は、典型的には、1つ以上のガラス形成酸化金属、および、1つ以上の改質剤を含む。いくつかの例において、原料送出装置20は、モータ22によって動かされて、原料送出装置20が、所定の量の原料24を貯蔵容器18から溶融槽14に送出するようにしうる。更なる例において、モータ22は、原料送出装置20に動力を加えて、原料24を、溶融槽14の下流側で感知された溶融ガラスのレベルに基づいて制御した速度で導きうる。その後、溶融槽14内の原料24を加熱して、溶融ガラス28を形成しうる。
【0020】
ガラス製造装置10は、任意で、ガラス溶融炉12に対して下流側に配置された下流側ガラス製造装置30も含みうる。いくつかの例において、下流側ガラス製造装置30の一部を、ガラス溶融炉12の一部として組み込みうる。いくつかの例において、以下に記載する第1の接続管32、または、下流側ガラス製造装置30の他の部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込みうる。第1の接続管32を含む下流側ガラス製造装置の構成要素を、貴金属から形成しうる。適した貴金属は、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、および、パラジウムからなる金属の群から選択された白金族金属、若しくは、それらの合金を含む。例えば、ガラス製造装置の下流側構成要素は、約70から約90質量%の白金、および、約10%から約30質量%のロジウムを含む白金ロジウム合金から形成しうる。しかしながら、他の適した金属は、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、および、それらの合金を含みうる。
【0021】
下流側ガラス製造装置30は、清澄槽34などの第1の調整(つまり、処理)槽を含み、それは、溶融槽14の下流側に位置して、溶融槽14に上記第1の接続管32を通って連結されうる。いくつかの例において、溶融ガラス28を、溶融槽14から清澄槽34へ、第1の接続管32を通って重力送りしうる。例えば、重力が、溶融ガラス28を、溶融槽14から清澄槽34へ、第1の接続管32の内側経路を通って通過させうる。しかしながら、他の調整槽を、溶融槽14の下流側、例えば、溶融槽14と清澄槽34の間に配置しうると理解すべきである。いくつかの実施形態において、調整槽を、溶融槽と清澄槽の間に採用して、そこで、第1の溶融槽からの溶融ガラスを、清澄槽に入る前に、更に加熱して溶融処理を続けるか、または、溶融槽内の溶融ガラスの温度より低い温度まで冷却しうる。
【0022】
気泡を、清澄槽34内の溶融ガラス28から、様々な技術によって除去しうる。例えば、原料24は、加熱された場合に、化学還元反応を生じて酸素を放出する酸化スズなどの多価化合物(つまり、清澄剤)を含みうる。他の適した清澄剤は、限定するものではないが、ヒ素、アンチモン、鉄、および、セリウムを含む。清澄槽34を、溶融槽の温度より高い温度まで加熱して、それによって、溶融ガラスおよび清澄剤を加熱する。清澄剤の温度誘起された化学還元反応で生成された酸素の気泡が、清澄槽内の溶融ガラスを通って上昇し、溶融炉で生成された溶融ガラス内の気体が、清澄剤によって生成された空気の気泡の中に拡散または融合しうる。次に、拡大した気泡は、清澄槽内の溶融ガラスの自由表面へと上昇し、その後、清澄槽から放出されうる。酸素の気泡は、更に、清澄槽内の溶融ガラスを力学的に混合しうる。
【0023】
下流側ガラス製造装置30は、溶融ガラスを混合する混合槽36などの他の調整槽を、更に含みうる。混合槽36は、清澄槽34の下流側に配置されうる。混合槽36を用いて、均一なガラス溶融組成物を提供し、それにより、そうでない場合には清澄槽を出る清澄された溶融ガラス内に存在する帯状の化学的または熱の不均一な分布を、削減しうる。図示したように、清澄槽34を、混合槽36へ、第2の接続管38を通って連結しうる。いくつかの例において、溶融ガラス28を、清澄槽34から混合槽36へ、第2の接続管38を通って重力送りしうる。例えば、重力が、溶融ガラス28を、清澄槽34から混合槽36へ、第2の接続管38の内側経路を通って通過させうる。混合槽36を清澄槽34の下流側に示しているが、混合槽36は、清澄槽34の上流側に配置しうることに留意すべきである。いくつかの実施形態において、下流側ガラス製造装置30は、多数の混合槽、例えば、清澄槽34の上流側の混合槽、および、清澄槽34の下流側の混合槽を含みうる。これらの多数の混合槽は、同じように設計されるか、または、異なるように設計されてもよい。
【0024】
下流側ガラス製造装置30は、混合槽36の下流側に配置されうる送出槽40などの他の調整槽を、更に含みうる。送出槽40は、下流側の形成装置へと供給すべき溶融ガラス28を調整しうる。例えば、送出槽40は、蓄積部、および/または、流量制御部として作用し、出口管44を通って形成体42に送られる溶融ガラス28の一定の流れを、調節および/または供給しうる。図示したように、混合槽36は、送出槽40に、第3の接続管46を通って連結されうる。いくつかの例において、溶融ガラス28を、混合槽36から送出槽40へ、第3の接続管46を通って重力送りしうる。例えば、重力が、溶融ガラス28を、混合槽36から送出槽40へ、第3の接続管46の内側経路を通って押し出しうる。
【0025】
下流側ガラス製造装置30は、上記のような形成体42および投入管50を有する形成装置48を、更に含みうる。出口管44は、溶融ガラス28を、送出槽40から形成装置48の投入管50に送出するように、配置されうる。例えば、いくつかの例において、出口管44を、投入管50の中に、投入管50の内面から離間させて収めて、それにより、出口管44の外面と投入管50の内面の間に位置する溶融ガラスの自由表面を提供しうる。フュージョンダウンドローガラス製作装置の形成体42は、形成体の上面に位置する溝部52、および、形成体の底縁部56に沿ってドロー方向に収束する収束形成面54を含みうる。形成体の溝部に、送出槽40、出口管44、および、投入管50を介して送出された溶融ガラスは、溝部の側壁を越えて溢れ、溶融ガラスの別々の流れとして、収束形成面54に沿って下降する。その溶融ガラスの別々の流れは、下方で底縁部56に沿って合わさり、ガラス58の1本のリボンを生成し、そのガラスリボンに、重力、縁部ロール72および引張ロール82などにより張力を加えることによって、ガラスリボンは底縁部56からドロー方向60に引き出されて、ガラスが冷却されてガラスの粘度が上昇する時に、ガラスリボンの寸法を制御する。したがって、ガラスリボン58は、粘弾性が変化し、ガラスリボン58に安定した寸法特性を与える機械的物性を取得する。いくつかの実施形態において、ガラスリボン58を、ガラス分離装置100によって、ガラスリボンの弾性領域で個々のガラスシート62に分離しうる。次に、ロボット64が、個々のガラスシート62を、把持具65を用いて、搬送システムに転送し、そこで、個々のガラスシートを、更に処理しうる。
【0026】
図2A、2B、2Cは、各々、本明細書に開示の実施形態による耐熱性ディスク102の斜視図、側面図、および、前面図である。耐熱性ディスク102の軸方向厚さは、図2BのTで示している。耐熱性ディスク102の軸方向厚さを、例えば、ディスクの厚さをディスクのある位置で測定することによって、測定しうる。耐熱性ディスク102の平均軸方向厚さを、例えば、ディスクの厚さを、ディスクの少なくとも2つの位置で、例えば、ディスクの少なくとも3つの位置で、更には、ディスクの少なくとも4つの位置などで測定することによって、測定し、次に、全ての測定で取得した厚さの合計を測定回数で割りうる。
【0027】
例えば、図2Cは、耐熱性ディスク102の平均軸方向厚さを、図2CにA、B、C、Dとして示したディスクの4つの位置についてディスクの軸方向厚さを測定することによって、測定した実施形態を示しており、A、B、C、Dは、互いに略等間隔で離間し、各A、B、C、Dは、ディスク材料の内側半径と外側半径の間で半径方向に略等距離である。図2Cに示した実施形態において、ディスク102の平均軸方向厚さを、A、B、C、Dの位置で測定した軸方向厚さを合計し、次に、その合計を4で割ることによって取得しうる。
【0028】
本明細書に開示の実施形態において、耐熱性ディスクの平均軸方向厚さは、限定するものではないが、例えば、約5から約7ミリメートル、更に、約5.5から約6.5ミリメートルなど、約4から約8ミリメートルの範囲で、約6ミリメートルを含みうる。そのようなディスクは、例えば、約100から約150ミリメートルなど、約50から約180ミリメートルの外径を有し、外径は、約140ミリメートルを含みうるもので、更に、約50から約70ミリメートルなど、約25から約90ミリメートルの直径を有する中心開口部を有し、それは、約64ミリメートルを含みうる。
【0029】
耐熱性ディスクの材料は、限定するものではないが、高温環境(例えば、500℃を超えた温度)に、長い時間、耐えることができるべきである。本明細書に開示の実施形態で用いた場合に有用でありうる、そのような耐熱性ディスクの材料は、例えば、粘土、雲母、ガラスファイバ、および、セルロースファイバの複合材料を含み、それは、例えば、米国特許第6,896,646号明細書に開示され、その開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、耐熱性ディスクは、東京のニチアス株式会社、日本から製造番号SD-115で販売されている上記組成物を有する複合材料を含みうる。この製品は、約6ミリメートルの厚さを有するシート形状で供給されて、円形の外周(例えば、約140mmの直径)、および、中心開口部(例えば、約64ミリメートルの直径を有する円形の開口部)を有するディスクへと、例えば、ウォータージェット切断器、または、適切な大きさのパンチを用いて、切断されうる。
【0030】
その代わりに、その複合材料のシートを、例えば、(1)粘土(例えば、GLOMAX LL)、雲母、ガラスファイバ(例えば、10質量%のAl‐SiOファイバ)、木質繊維(例えば、カナダのHIBRITE)、および、デンプンの水性スラリーを生成し、(2)層を、スラリーから、回転ドラム「製紙」機を用いて形成し、(3)(例えば、20層の)層を積み重ねて、厚さ6mmのミルボードを製作し、(4)ミルボードを、乾燥ラックに掛けて、少なくとも24時間、自然乾燥させ、(5)乾燥ラックを、110℃のオーブンに24時間置くことによって、用意しうる。
【0031】
本明細書に開示の実施形態に有用でありうる耐熱性ディスクの他の材料は、例えば、アルミノケイ酸塩の耐火性ファイバ、ケイ酸塩、雲母、および、カオリン粘土を含むミルボード材を含み、それは、例えば、米国特許第7,507,194号明細書に開示され、その開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、耐熱性ディスクは、約5から約30質量部のアルミノケイ酸塩の耐火性ファイバ、約10から約30質量部のケイ酸塩、約5から約25質量部の雲母、および、約10から約35質量部のカオリン粘土を含むミルボード材を含み、上記成分の組合せは、少なくとも85質量パーセントのミルボード材を含みうる。
【0032】
本明細書に開示の実施形態は、耐熱性ロールの製作方法を含み、その方法は、複数の耐熱性ディスクを予め選択する工程を含む。そのようなディスクは、本明細書に記載の任意の耐熱性ディスク材料から予め選択しうる。複数の予め選択した耐熱性ディスクは、少なくとも1つの品質要素に基づいて選択したものであってもよい。
【0033】
少なくとも1つの品質要素は、例えば、表面皺密度、表面皺間隔、表面皺深さ、および、空隙密度からなる群から選択しうる。
【0034】
ある例示的な実施形態において、複数の予め選択した耐熱性ディスクは、各々、ディスクの表面の任意の2,000平方ミリメートル面積あたり、約4つ未満の視認可能な皺、更に、約3つ未満の視認可能な皺、更に、約2つ未満の視認可能な皺、更に、約1つ未満の視認可能な皺など、約5つ未満の視認可能な皺である、表面皺密度を有する。「視認可能な皺」という用語は、拡大せずに、裸眼で視認可能な皺のことを称する。
【0035】
ある例示的な実施形態において、複数の予め選択した耐熱性ディスクは、各々、ディスク上の最も近い視認可能な皺同士が、少なくとも約4ミリメートル、更に、少なくとも約5ミリメートル、更に、少なくとも約6ミリメートル、更に、少なくとも約7ミリメートなど、少なくとも約3ミリメートルの表面皺間隔を有する。「最も近い視認可能な皺」という用語は、ディスクの表面上で、互いに最も近い視認可能な皺のことを称する。
【0036】
ある例示的な実施形態において、複数の予め選択した耐熱性ディスクは、各々、ディスクの表面の最も深い視認可能な皺が、約0.25ミリメートル未満、更に、約0.2ミリメートル未満、更に、約0.15ミリメートル未満、更に、約0.1ミリメートル未満など、約0.3ミリメートル未満の深さであるような表面皺深さ特性を有する。「皺深さ」という用語は、ディスクの主表面によって形成される平面に対する、皺の垂直方向の深さのことを称する。
【0037】
ある例示的な実施形態において、複数の予め選択した耐熱性ディスクは、各々、ディスクの10,000平方ミリメートル毎の表面面積あたり、少なくとも約2ミリメートルの最大寸法を有する1つ未満の空隙など、少なくとも約2ミリメートルの最大寸法を有する2つ未満の空隙である空隙密度を有する。更に、複数の予め選択した耐熱性ディスクは、各々、ディスクの10,000平方ミリメートル毎の表面面積あたり、少なくとも約1ミリメートルの最大寸法を有する4つ未満の空隙、更に、少なくとも約1ミリメートルの最大寸法を有する3つ未満の空隙、更に、少なくとも約1ミリメートルの最大寸法を有する2つ未満の空隙など、少なくとも約1ミリメートルの最大寸法を有する5つ未満の空隙である空隙密度も有する。「最大寸法」という用語は、ディスクの主表面によって形成された平面に沿った、空隙の最大寸法のことを称する。
【0038】
上記のような品質要素を、例えば、マイクロメータを用いた目視検査方法によって、測定しうる。
【0039】
ある例示的な実施形態において、複数の予め選択した耐熱性ディスクの各々の平均密度は、約0.7グラム毎立方センチメートルから約1.1グラム毎立方センチメートル、更に、約0.8グラム毎立方センチメートルから約1グラム毎立方センチメートルなど、約0.6グラム毎立方センチメートルから約1.2グラム毎立方センチメートルの範囲である。
【0040】
ある例示的な実施形態において、複数の予め選択した耐熱性ディスクの各々の平均圧縮強度は、約15から約100、更に、約20から約95、更に、約40から約75ニュートン毎平方ミリメートルなど、少なくとも約15ニュートン毎平方ミリメートルである。
【0041】
複数の耐熱性ディスクを予め選択する工程に続けて、複数の予め選択した耐熱性ディスクの平均軸方向厚さを、例えば、任意の本明細書に記載したような測定技術を用いて、測定しうるもので、それは、複数の予め選択した耐熱性ディスクの平均軸方向厚さを、ディスク上の少なくとも2つの位置で測定する上記のような測定技術を含み、図2Cに示した実施形態では、平均軸方向厚さを、ディスク上の4つの位置について測定している。
【0042】
本明細書に開示の実施形態は、測定したディスクから、所定の範囲の平均軸方向厚さを有する複数のディスクなど、少なくとも2つのディスクを選択する工程も含む。平均軸方向厚さの所定の範囲は、限定するものではないが、例えば、約5から約7ミリメートル、更に、約5.5から約6.5ミリメートルなど、約4から約8ミリメートルの範囲で、約6ミリメートルを含みうる。
【0043】
ある例示的な実施形態において、選択したディスクの最大平均軸方向厚さと最小平均軸方向厚さの差は、最大平均軸方向厚さを有する選択したディスクの平均軸方向厚さの約9%未満、更に、約8%未満、更に、約7%未満、更に、約6%未満、更に、約5%未満など、約10%未満である。
【0044】
例えば、選択したディスクのうち、いずれかのディスクの最大平均軸方向厚さが、約6.4ミリメートルの場合、この厚さの約10%未満は、約0.64ミリメートル未満となるだろう。そのような実施形態において、選択した各ディスクは、約6.4ミリメートル以下、かつ、約5.76ミリメートル以上の厚さを有し、選択したディスクの最大平均軸方向厚さと最小平均軸方向厚さの差は、最大平均軸方向厚さを有する選択したディスクの平均軸方向厚さの約10%未満となるだろう。
【0045】
同様に、選択したディスクのいずれかのディスクの最大平均軸方向厚さは、約6.4ミリメートルで、この厚さの約5%未満は、約0.32ミリメートル未満となるだろう。そのような実施形態において、選択した各ディスクは、約6.4ミリメートル以下、かつ、約6.08ミリメートル以上の厚さを有し、選択したディスクの最大平均軸方向厚さと最小平均軸方向厚さの差は、最大平均軸方向厚さを有する選択したディスクの平均軸方向厚さの約5%未満となるだろう。
【0046】
ある例示的な実施形態において、選択したディスクの最高密度と最低密度の差は、最高密度を有する選択したディスクの密度の約9%未満、更に、約8%未満、更に、約7%未満、更に、約6%未満、更に、約5%未満など、約10%未満である。
【0047】
例えば、選択したディスクのいずれかのディスクの最高密度が、約1グラム毎立方センチメートルの場合には、この密度の約10%未満は、約0.1グラム毎立方センチメートル未満となるだろう。そのような実施形態において、選択した各ディスクは、約1グラム毎立方センチメートル以下、かつ、約0.9グラム毎立方センチメートル以上の密度を有し、選択したディスクの最高密度と最低密度の差は、最高密度を有する選択したディスクの密度の約10%未満となるだろう。
【0048】
同様に、選択したディスクのいずれかのディスクの最高密度が、約1グラム毎立方センチメートルの場合には、この密度の約5%未満は、約0.05グラム毎立方センチメートル未満となるだろう。そのような実施形態において、選択した各ディスクは、約1グラム毎立方センチメートル以下、かつ、約0.95グラム毎立方センチメートル以上の密度を有し、選択したディスクの最高密度と最低密度の差は、最高密度を有する選択したディスクの密度の約5%未満となるだろう。
【0049】
ある例示的な実施形態において、選択したディスクを、焼成工程において、加熱しうる。焼成工程は、例えば、選択したディスクを、約760℃から約1,000℃など、約650℃から約1,000℃の温度まで、少なくとも2時間、加熱する工程を含みうる。
【0050】
他の例示的な実施形態において、選択したディスクを、焼成工程で加熱しなくてもよい(例えば、選択したディスクを、焼成していない、または、「未焼成」状態で押圧しうる)。
【0051】
選択したディスク同士を押し付けて、押し付けたディスクの全軸方向厚さが、押し付ける前の選択したディスクの全軸方向厚さに対して、所定の範囲となるようにしうる。
【0052】
ある例示的な実施形態において、選択したディスクを押し付ける前に、それらの重さを計りうる。選択したディスクの全重さ、または、累積した重さが所定の範囲以外の場合には、次に、例示的な実施形態は、選択したディスクの全重さ、または、累積した重さを所定の範囲内に調節するために、少なくとも1つの選択したディスクを他の予め選択したディスクと交換する態様も含みうる。
【0053】
ある例示的な実施形態において、選択したディスクを押し付ける前に、それらの全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さを測定しうる。選択したディスクの全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さが所定の範囲以外の場合には、次に、例示的な実施形態は、選択したディスクの全重さ、または、累積した軸方向厚さを所定の範囲内に調節するために、少なくとも1つの選択したディスクを他の予め選択したディスクと交換する態様も含みうる。
【0054】
例えば、約10,000ポンド(約44,482N)から約25,000ポンド(約111,206N)の範囲の力を加えて、力学的または水圧による垂直または水平方向の押圧力を用いて、軸方向の圧縮力を複数のディスクに加えることによって、複数のディスクなどの選択したディスク同士を、押し付けうる。図3A、3Bは、各々、押圧前と押圧後の本明細書に開示の実施形態による複数のディスク102の側面図を示している。図3Aでは、押圧前の複数のディスク102の全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さを、Lで示し、図3Bでは、押圧後の複数のディスク102の全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さを、Lで示している。
【0055】
図3A図3Bと比べることで分かるように、押圧前の複数のディスク102の全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さLは、押圧後の複数のディスクの全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さLより厚い。この点について、LとLの関係は、以下のように定義しうる圧縮率として、定義しうる:
【0056】
【数1】
【0057】
例えば、ある例示的な実施形態において、選択したディスク同士を押し付けて、約12から約28、更に、約20から約25など、約10から約30の範囲の圧縮率を実現し、それは、約22の圧縮率を含みうる。
【0058】
この関係を、換言すれば、押し付けたディスクの全軸方向厚さ、または、累積した軸方向厚さLを、押圧前の選択したディスクの全軸方向厚さLの百分率として表すことによって、記載しうる。例えば、ある例示的な実施形態において、押し付けたディスクの全軸方向厚さLは、押圧前の選択したディスクの全軸方向厚さLの約72%から約83%、更に、約75%から約80%など、約70%から約85%の範囲である。
【0059】
最適なロール品質を実現するには、圧縮率は、本明細書に開示した範囲など、所定の範囲内であることが望ましい。例えば、圧縮率が低すぎる場合には、空隙、間隙、および、大きい孔が、特にディスク同士の間の領域において、容認できないレベルで存在しうる。逆に、圧縮率が高すぎると、ディスクの亀裂を生じ、それは、壊滅的なロールの破損に繋がりうる。
【0060】
本明細書に記載の実施形態により、複数の選択したディスクなど、選択したディスク同士を押し付けた後に、本明細書に開示の実施形態による方法は、複数の押し付けたディスクなどの押し付けたディスクを、所定の形状へと、切断する工程、研削する工程、および、研磨する工程の少なくとも1つの工程を、更に含みうる。所定の形状は、フュージョンドローダウン処理などのガラスシート処理方法における引張ロールまたは縁部ロールとしての利用など、予定される耐熱性ロールの利用領域の関数でありうる。
【0061】
本明細書に開示の実施形態は、優れた表面特性だけではなく、25℃で約30から約60のショア硬さを有する耐熱性ロールなど、優れたものであると共に変わらない硬さを有する耐熱性ロールを、非常に高い信頼度で変わらずに製造することを、可能にしうる。
【0062】
上記実施形態を、フュージョンダウンドロー処理について記載したが、そのような実施形態は、フロート処理、スロットドロー処理、アップドロー処理、および、プレスローリング処理などの他のガラス形成処理にも利用できることを理解すべきである。
【0063】
当業者には、本開示の実施形態に、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更および変形が可能なことが分かるだろう。したがって、本開示は、そのような変更および変形も、添付の請求項、および、それらの等価物である限りは、網羅することを意図する。
【0064】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0065】
実施形態1
耐熱性ロールの製作方法において、
複数の耐熱性ディスクを予め選択する工程と、
前記予め選択したディスクのうち、少なくとも選択した一部のディスク同士を押し付けて、前記押し付けたディスクの全軸方向厚さが、押し付ける前の該選択したディスクの全軸方向厚さに対して、所定の範囲となるようにする工程と、
を含む方法。
【0066】
実施形態2
前記複数の予め選択したディスクを焼成する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0067】
実施形態3
前記複数の予め選択した耐熱性ディスクの平均軸方向厚さを測定する工程と、
前記押し付ける工程の前に、所定の範囲の平均軸方向厚さを有する少なくとも2つのディスクを、前記測定したディスクから選択する工程と、
を更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0068】
実施形態4
前記押し付ける工程の前に、前記少なくとも2つの選択したディスクの重さを計る工程を、
更に含む、実施形態3に記載の方法。
【0069】
実施形態5
前記予め選択したディスクのうち、前記選択した一部のディスクの前記全軸方向厚さを測定する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0070】
実施形態6
前記複数の予め選択した耐熱性ディスクを、少なくとも1つの品質要素に基づいて選択する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0071】
実施形態7
前記少なくとも1つの品質要素は、表面皺密度、表面皺間隔、表面皺深さ、および、空隙密度からなる群から選択されるものである、実施形態6に記載の方法。
【0072】
実施形態8
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記表面皺密度は、該ディスクの表面の任意の2,000平方ミリメートル面積あたり、約5つ未満の視認可能な皺である、実施形態7に記載の方法。
【0073】
実施形態9
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記表面皺間隔は、該ディスク上の最も近い視認可能な皺同士が、少なくとも約3ミリメートルの間隔である、実施形態7に記載の方法。
【0074】
実施形態10
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記表面皺深さは、該ディスクの表面の最も深い視認可能な皺が、約0.3ミリメートル未満の深さを有するものである、実施形態7に記載の方法。
【0075】
実施形態11
各前記予め選択した耐熱性ディスクの前記空隙密度は、該ディスクの10,000平方ミリメートル毎の表面面積あたり、少なくとも約2ミリメートルの最大寸法を有する2つ未満の空隙、および、少なくとも約1ミリメートルの最大寸法を有する5つ未満の空隙である、実施形態7に記載の方法。
【0076】
実施形態12
各前記複数の予め選択した耐熱性ディスクの前記平均軸方向厚さは、該ディスク上の少なくとも2つの位置で測定されるものである、実施形態3に記載の方法。
【0077】
実施形態13
前記少なくとも2つの選択したディスクの前記平均軸方向厚さは、約4から約8ミリメートルの範囲である、実施形態3に記載の方法。
【0078】
実施形態14
前記少なくとも2つの選択したディスクの最大平均軸方向厚さと最小平均軸方向厚さの差は、該最大平均軸方向厚さを有する該少なくとも2つの選択したディスクの該平均軸方向厚さの約10%未満である、実施形態3に記載の方法。
【0079】
実施形態15
前記押し付けたディスクの前記全軸方向厚さは、押し付ける前の前記選択したディスクの前記全軸方向厚さの約70%から約85%の範囲である、実施形態1に記載の方法。
【0080】
実施形態16
各前記複数の予め選択した耐熱性ディスクの平均密度は、約0.6グラム毎立方センチメートルから約1.2グラム毎立方センチメートルの範囲である、実施形態1に記載の方法。
【0081】
実施形態17
前記選択したディスクの最高密度と最低密度の差は、前記最高密度を有する該選択したディスクの該密度の約10%未満である、実施形態1に記載の方法。
【0082】
実施形態18
前記複数の予め選択した耐熱性ディスクは、ミルボード材を含むものである、実施形態1に記載の方法。
【0083】
実施形態19
前記ミルボード材は、粘土、雲母、ガラスファイバ、および、セルロースファイバからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含むものである、実施形態18に記載の方法。
【0084】
実施形態20
各前記押し付けたディスクの25℃でのショア硬さは、約30から約60の範囲である、実施形態1に記載の方法。
【0085】
実施形態21
前記押し付けたディスクを、所定の形状へと、切断する工程、研削する工程、および、研磨する工程の少なくとも1つの工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【符号の説明】
【0086】
10 ガラス製造装置
12 ガラス溶融炉
14 ガラス溶融槽
30 下流側ガラス製造装置
48 形成装置
102 耐熱性ディスク
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B