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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】腎臓ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/808 20210101AFI20220307BHJP
   A61M 60/13 20210101ALI20220307BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20220307BHJP
   A61M 60/33 20210101ALI20220307BHJP
   A61M 60/411 20210101ALI20220307BHJP
   A61M 60/523 20210101ALI20220307BHJP
   A61M 60/531 20210101ALI20220307BHJP
   A61M 60/585 20210101ALI20220307BHJP
【FI】
A61M60/808
A61M60/13
A61M60/237
A61M60/33
A61M60/411
A61M60/523
A61M60/531
A61M60/585
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020093277
(22)【出願日】2020-05-28
(62)【分割の表示】P 2019097480の分割
【原出願日】2014-03-13
(65)【公開番号】P2020142117
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】61/779,803
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/914,475
(32)【優先日】2013-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515250945
【氏名又は名称】マジェンタ・メディカル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】シュワンメンタル,エフド
(72)【発明者】
【氏名】トゥヴァル,ヨシ
(72)【発明者】
【氏名】グロズマン,ダニエル
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-505038(JP,A)
【文献】国際公開第2013/032849(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0237357(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0301318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/00-60/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インペラーを備える装置であって、前記インペラーは、
近位端部部分及び遠位端部部分、並びに、当該近位端部部分から当該遠位端部部分へ曲がって進む少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントを含むインペラーフレームと、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結された材料であって、当該材料が連結されている当該少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントが前記インペラーのブレードを画定する、材料と、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントの周りに結合された縫合糸であって、当該少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進するように構成されている、縫合糸と、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記近位端部部分及び遠位端部部分は、近位リング及び遠位リングを備える、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
前記近位端部部分及び遠位端部部分のうちの少なくとも1つは、前記らせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進するように構成された切り欠き部を縁部に画定している、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントは、前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ曲がって進む3つのらせん状の細長いエレメントを備え、
前記材料は、前記らせん状の細長いエレメントに連結され、当該材料が連結されている当該らせん状の細長いエレメントの各々が前記インペラーの各ブレードを画定する、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントは、前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ曲がって進む2つのらせん状の細長いエレメントを備え、
前記材料は、前記らせん状の細長いエレメントに連結され、当該材料が連結されている当該らせん状の細長いエレメントが前記インペラーのブレードを画定する、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれは、らせんの巻線の半分未満を画定する、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、
前記エンペラーは、軸線方向のシャフトを備えていない、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、
前記インペラーは、対象の血管の内側に設置されるように、及び、前記血管に対して回転させることで血管を通して血液をポンピングするように構成されている、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記インペラーと血管の内側壁部との間に配設され、且つ、当該インペラーから血管の壁部を分離させるように構成された半径方向に拡張可能なケージを更に備える、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントは、第1の剛性を有し、
前記材料は、前記第1の剛性より低い剛性を有する材料を備え、
前記縫合糸は、仲介物質としての役割を果たし、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントと前記材料との間の結合を強化するように構成されている、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントは、少なくとも2つのニチノールのらせん状の細長いエレメントを備え、
前記材料は、シリコーンを備え、
前記縫合糸は、仲介物質としての役割を果たし、前記シリコーンと前記ニチノールとの間の結合を強化するように構成されている、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、
前記縫合糸は、前記材料が接触する表面積を増加させて、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントと当該材料との間の結合を強化するように構成されている、装置。
【請求項13】
請求項10に記載の装置において、
前記縫合糸は、前記材料が接触し前記らせん状の細長いエレメントのものよりも多孔性の面を提供して、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントと当該材料との間の結合を強化するように構成されている、装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、
前記インペラーの軸を通過して当該インペラーを支持するように構成された軸線方向の支持部材を更に備える、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置において、
前記材料は、それを通る中空の中心ルーメンを画定するエラストマーを備え、
前記軸線方向の支持部材は、前記中空の中心ルーメンを通る、装置。
【請求項16】
切断されたチューブが構造体の近位端部及び遠位端部において第1及び第2の端部部分を有する当該構造体を画定するように当該チューブを切断するステップであって、当該第1及び第2の端部部分が少なくとも2つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップと、
前少なくとも2つの細長いエレメントの周りに縫合糸を結合するステップと、
前記構造体を軸線方向に圧縮することによって前記少なくとも2つの細長いエレメントを半径方向に拡張させて少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップと、
材料が連結されている前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントが前記インペラーのブレードを画定するように当該材料を当該少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップと、
によって、インペラーを製造するステップを備え、
前記縫合糸は、前記らせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進するように構成されている、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記材料を前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップは、当該材料がそれを通る中空の中心ルーメンを画定して当該中空の中心ルーメンが当該中空の中心ルーメンを通る軸線方向の支持部材の挿入を促進するように当該材料を当該少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップを備える、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記インペラーを製造するステップは、対象の血管の中へ挿入されるように構成されている生体適合性インペラーを製造するステップを備える、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記チューブを切断するステップは、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進するように構成された切り欠き部を前記第1及び第2の端部部分の少なくとも1つの縁部に形成するステップを更に備える、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記チューブを切断するステップは、切断されたチューブが構造体の近位端部及び遠位端部において第1及び第2の端部部分を有する当該構造体を画定するように当該チューブを切断するステップであって、当該第1及び第2の端部部分が3つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを備え、
前記少なくとも2つの細長いエレメントを半径方向に拡張させて少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップは、前記3つの細長いエレメントに3つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップを備え、
前記材料を前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップは、当該材料が連結されている当該細長いエレメントの各々が前記インペラーの各ブレードを画定するように当該材料を前記3つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップを備える、方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法において、
前記チューブを切断するステップは、切断されたチューブが構造体の近位端部及び遠位端部において第1及び第2の端部部分を有する当該構造体を画定するように当該チューブを切断するステップであって、当該第1及び第2の端部部分が2つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを備え、
前少なくとも2つの細長いエレメントを半径方向に拡張させて少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップは、前記2つの細長いエレメントに2つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップを備え、
前記材料を前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップは、当該材料が連結されている当該細長いエレメントが前記インペラーのブレードを画定するように当該材料を前記2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップを備える、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、
前記少なくとも2つの細長いエレメントに前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップは、当該少なくとも2つの細長いエレメントに、らせんの巻線の半分未満を画定する少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントを形成させるステップを備える、方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、
前記チューブを切断するステップは、当該切断チューブが構造体の近位端部及び遠位端部において第1及び第2のリングを有する当該構造体を画定するように、且つ、前記少なくとも2つの細長いエレメントの各々の第1及び第2の端部が当該リングの周囲部に関して互いから50度よりも大きい角度で配設されるように、当該チューブを切断するステップを備える、方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、
前記チューブを切断するステップは、当該切断チューブが構造体の近位端部及び遠位端部において第1及び第2のリングを有する当該構造体を画定するように、且つ、前記少なくとも2つの細長いエレメントの第1及び第2の端部が当該リングの周囲部に関して互いから180度よりも小さい角度で配設されるように、当該チューブを切断するステップを備える、方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、
前記材料を前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントに連結するステップは、当該材料が液体状態にある間に前記構造体の少なくとも一部分を当該材料の中へ浸漬させるステップと、当該材料が当該少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントによって支持されている間に当該材料を乾燥させるステップと、を備える、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
前記少なくとも2つの細長いエレメントの周りに縫合糸を結合するステップは、前記材料が接触する表面積を増加させて、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントと当該材料との間の結合を強化するステップを備える、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、
前記少なくとも2つの細長いエレメントの周りに縫合糸を結合するステップは、前記らせん状の細長いエレメントのものよりも多孔性で前記材料が接触する面を提供して、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントと当該材料との間の結合を強化するステップを備える、方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法において、
前記材料は、シリコーンを含み、
前記材料を乾燥させるステップは、前記シリコーンを硬化させるステップを備える、方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法において、
前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントは、第1の剛性を有し、
前記材料は、前記第1の剛性より低い剛性を有する材料を備え、
前記少なくとも2つの細長いエレメントの周りに縫合糸を結合するステップは、前記少なくとも2つのらせん状の細長いエレメントと前記材料との間の結合を強化するように仲介物質としての当該縫合糸を使用するステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、Schwammenthalによって2013年3月13日に出願された「Renal pump」という表題の米国仮特許出願第61/779,803号、および、Schwammenthalによって2013年12月11日に出願された「Renal pump」という表題の米国仮特許出願61/914,475号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本出願は、Tuvalによって2013年6月6日に出願された「Prosthetic renal valve」という表題の国際特許出願PCT/IL2013/050495(WO13/183060として公開された)に関連しており、それは、Tuvalによって2012年6月6日に出願された「Prosthetic renal valve」という表題の米国仮特許出願第61/656,244号の優先権を主張する。
【0003】
上記に挙げられている出願のすべてが、参照により本明細書に組み込まれている。
【0004】
本発明のいくつかの適用例は、概して、医療用装置に関する。詳細には、本発明のいくつかの適用例は、対象の腎静脈の1つまたは複数の中にポンプを設置することに関連付けされる装置および方法に関する。
【背景技術】
【0005】
心機能障害または鬱血性心不全が腎臓機能障害に発展し、そして、それは、鬱血性心不全の症状が発展または悪化することを引き起こすということがよく見られる。典型的に、心臓収縮期のおよび/または心臓拡張期の心機能障害は、全身静脈の鬱血を引き起こし、腎静脈圧力および間質圧力の増加を生じさせる。圧力の増加は、腎臓機能障害および腎臓の神経ホルモン活性化の両方に起因して、身体による体液貯留が増加することを引き起こし、その両方は、典型的に、腎静脈圧力および間質圧力の増加の結果として発展する。結果として生じる体液貯留は、心臓における血液体積の過負荷を引き起こすことによって、および/または、全身抵抗を増加させることによって、鬱血性心不全が発展または悪化することを引き起こす。同様に、腎臓機能障害および/または腎臓の神経ホルモン活性化が、心機能障害および/または鬱血性心不全へ発展するということがよく見られる。この病態生理学的なサイクルでは、心機能障害および/もしくは鬱血性心不全が、腎臓機能障害および/もしくは腎臓の神経ホルモン活性化につながるか、または、腎臓機能障害および/もしくは腎臓の神経ホルモン活性化が、心機能障害および/もしくは鬱血性心不全につながり、それぞれの機能障害が、他の機能障害の悪化につながり、この病態生理学的なサイクルは、心腎臓症候群と呼ばれる。
【0006】
増加した腎静脈圧力は、高窒素血症、ならびに、糸球体ろ過率、腎血流、尿出力、およびナトリウム排泄の低減を引き起こすことが実験的に示されている。また、血漿レニンおよびアルドステロン、ならびにタンパク質排泄を増加させることが示されている。また、静脈性鬱血は、3つの異なる経路、すなわち、腎臓のエリスロポエチン生成の低減、体液貯留による血液希釈、および、胃腸の鉄取り込みを低減されることにつながる炎症反応を介して貧血に寄与する可能性がある。
【0007】
機構的に、増加した腎静脈圧力は、嚢内圧力、および、その後に、間質尿細管周囲圧力が上昇することを引き起こす可能性がある。尿細管周囲圧力の上昇は、ボーマン嚢の圧力を上昇させることによって、尿細管機能に影響を与え(ナトリウム排泄を低減させる)、糸球体のろ過を減少させる可能性がある。
【0008】
心不全患者において、増加した腎静脈圧力は、増加した中心静脈(右心房)圧力から結果として生じるだけでなく、腎静脈に直接圧力を働かせる腹腔内体液滞留(腹水症)からも結果として生じる可能性がある。(たとえば、穿刺および/または限外ろ過を介する)体液の除去による心不全患者の腹腔内圧力の低減は、血漿クレアチニンレベルを低減させるということが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ウォーキングなどのような身体的活動の間の「脚筋ポンプ」の活性化から結果として生じる静脈還流の増加は、とりわけ、心不全患者の全身静脈圧力を上昇させる可能性があり、腎静脈の中への逆流を結果として生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のいくつかの適用例によれば、心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の急性治療を提供するために、インペラーを含む血液ポンプが、対象の腎静脈の内側に設置され、インペラーが、腎静脈から対象の大静脈へ血液をポンピングするように動かされる。たとえば、インペラーは、1時間を超える(たとえば、1日を超える)期間、1週間未満(たとえば、4日未満)の期間、および/または、1時間から1週間の間(たとえば、1日から4日の間)の期間にわたり、対象の腎静脈の内側に設置され得る。
【0011】
ポンプは、典型的に、下流方向に血液をポンピングし、腎静脈の中の圧力を低減させるように構成されている。典型的に、下流方向への血液のポンピングによって引き起こされる腎静脈の中の圧力の低減に起因して、腎臓のかん流が増加する。そして、これは、腎静脈の中への増加した血液フローに起因して、腎静脈の中の圧力が、ポンピングの始動の直後の腎静脈の中の圧力に対して上昇することを引き起こすことが可能である。典型的に、腎臓のかん流が増加した後でも、ポンプは、腎静脈の中の圧力を、ポンピングの始動の前の腎静脈の中の圧力よりも低い値に維持するように構成されている。
【0012】
典型的に、対象の腎静脈は、腎静脈の中へインペラーの周りにケージを設置することによって、インペラーによって傷つけられることから保護され、ケージは、腎静脈の壁部をインペラーから分離させる。いくつかの適用例では、ケージおよびインペラーは、係合メカニズムによって互いに係合させられており、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、インペラーが、半径方向に圧縮され、それによって、ケージが、腎静脈の壁部とインペラーとの間の分離を維持するようになっている。
【0013】
いくつかの適用例によれば、心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の急性治療を提供するために、ポンプおよび閉塞エレメント(たとえば、バルブ)が、対象の腎静脈の内側に設置されている。たとえば、ポンプおよび閉塞エレメントは、1時間を超える(たとえば、1日を超える)期間、1週間未満(たとえば、4日未満)の期間、および/または、1時間から1週間の間(たとえば、1日から4日の間)の期間にわたり、対象の腎静脈の内側に設置され得る。
【0014】
閉塞エレメントは、閉塞部位において、腎静脈を閉塞させるように構成されている。ポンプは、閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から、閉塞エレメントの下流側に流体連通している部位へ、下流方向に血液をポンピングするように構成されている。そうする際に、ポンプは、腎静脈の中の圧力を低減させる。閉塞エレメントは、大静脈から腎静脈への血液のバックフローから腎静脈を保護するように構成されている。
【0015】
典型的に、下流方向への血液のポンピングによって引き起こされる腎静脈の中の圧力の低減に起因して、腎臓のかん流が増加する。そして、これは、腎静脈の中への増加した血液フローに起因して、腎静脈の中の圧力が、ポンピングの始動の直後の腎静脈の中の圧力に対して上昇することを引き起こすことが可能である。典型的に、腎臓のかん流が増加した後でも、ポンプは、腎静脈の中の圧力を、ポンピングの始動の前の腎静脈の中の圧力よりも低い値に維持するように構成されている。
【0016】
本発明のいくつかの適用例によれば、血液不浸透性のスリーブは、対象の大静脈の中に設置されており、スリーブの下流端部が、対象のすべての腎静脈下流にある第1の場所において、大静脈の壁部に連結されるようになっており、また、スリーブの上流端部が、対象のすべての腎静脈の上流にある第2の場所において、大静脈の壁部に連結されるようになっている。典型的に、カップリング構造体、たとえば、剛体カップリング構造体(たとえば、ステント)は、スリーブの上流端部および下流端部を大静脈に連結するように構成されている。
【0017】
ポンプは、スリーブの外部にある場所から、スリーブの内部に流体連通している場所(たとえば、スリーブの上流または下流の大静脈の中の場所)へ、血液をポンピングする。したがって、ポンプは、対象の腎静脈から対象の大静脈の中へ、血液をポンピングする。スリーブは、大静脈から腎静脈の中への血液のバックフローを防止する。
【0018】
したがって、本発明のいくつかの適用例によれば、
心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患うものとして対象を認定するステップと、
それに応答して、対象の腎静脈の内側にインペラーを設置することによって、および、腎静脈から対象の大静脈へ血液をポンピングするようにインペラーを動かすことによって、対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップと、
を含む、方法が提供される。
【0019】
いくつかの適用例では、腎静脈から大静脈の中へ血液をポンピングするようにインペラーを動かすステップは、ポンプを動かすことがない場合の腎静脈から大静脈の中への血液フローの方向と比較して、血液フローの方向の実質的な変化を引き起こすことなく、腎静脈から大静脈の中への血液フローのレートを強化するステップを含む。
【0020】
いくつかの適用例では、腎静脈から大静脈の中へ血液をポンピングするようにインペラーを動かすステップは、腎静脈から、腎静脈に隣接している大静脈の一部分の中へ、直接的に血液をポンピングするように、インペラーを動かすステップを含む。
【0021】
いくつかの適用例では、腎静脈から大静脈の中へ血液をポンピングするようにインペラーを動かすステップは、対象の静脈系から、静脈でないレセプタクルの中へ、血液を除去することなく、腎静脈から大静脈の中へ血液をポンピングするようにインペラーを動かすステップを含む。
【0022】
いくつかの適用例では、腎静脈の内側にインペラーを設置するステップは、ケージがインペラーの周りに配設され、ケージが腎静脈の内側壁部をインペラーから分離させている状態で、腎静脈の中へインペラーを設置することによって、対象の腎静脈がインペラーによって傷つけられることを保護するステップを含む。
【0023】
いくつかの適用例では、ケージがインペラーの周りに配設されている状態で、腎静脈の中へインペラーを設置するステップは、ケージがインペラーの周りに配設されている状態で、腎静脈の中へインペラーを設置するステップであって、ケージおよびインペラーは、係合メカニズムによって互いに係合されており、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、インペラーが軸線方向に長くされるようになっており、ケージが、腎静脈の壁部とインペラーとの間の分離を維持するようになっている、ステップを含む。
【0024】
本発明のいくつかの適用例によれば、インペラーを含む装置であって、インペラーは、
近位端部部分および遠位端部部分、ならびに、近位端部部分から遠位端部部分へ曲がって進む複数のらせん状の細長いエレメントを含むインペラーフレームと、
材料であって、材料は、らせん状の細長いエレメントに連結されており、材料がそれに連結されているらせん状の細長いエレメントが、インペラーの少なくとも1つのブレードを画定するようになっている、材料と
を含む、装置がさらに提供される。
【0025】
いくつかの適用例では、インペラーが、対象の血管の中へ挿入されるように構成されている生体適合性インペラーを含む。
【0026】
いくつかの適用例では、複数の細長いエレメントが、複数のらせん状のストリップを含む。
【0027】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの少なくとも1つが、可変のピッチを有しており、細長いエレメントの少なくとも1つのピッチは、らせん状の細長いエレメントの長さに沿って変化している。
【0028】
いくつかの適用例では、インペラーは、対象の血管の内側に設置されるように、および、血管に対して回転させることによって、血管を通して血液をポンピングするように構成されており、装置が、半径方向に拡張可能なケージをさらに含み、半径方向に拡張可能なケージは、インペラーと血管の内側壁部との間に配設されるように、および、血管壁部をインペラーから分離させるように構成されている。
【0029】
いくつかの適用例では、近位端部部分および遠位端部部分が、近位リングおよび遠位リングを含む。
【0030】
いくつかの適用例では、近位端部部分および遠位端部部分のうちの少なくとも1つが、その縁部に切り欠き部を画定しており、切り欠き部は、らせん状の細長いエレメントへの材料の連結を促進させるように構成されている。
【0031】
いくつかの適用例では、インペラーが、らせん状の細長いエレメントの周りに結合された縫合糸をさらに含み、縫合糸は、らせん状の細長いエレメントへの材料の連結を促進させるように構成されている。
【0032】
いくつかの適用例では、複数のらせん状の細長いエレメントが、近位端部部分から遠位端部部分へ曲がって進む3つのらせん状の細長いエレメントを含む。
【0033】
いくつかの適用例では、インペラーがその拘束されていない構成になっているときに、インペラーの長手方向軸線に沿って測定される、らせん状の細長いエレメントのそれぞれの長さが、5mmよりも大きい。いくつかの適用例では、インペラーがその拘束されていない構成になっているときに、インペラーの長手方向軸線に沿って測定される、らせん状の細長いエレメントのそれぞれの長さが、14mmよりも小さい。
【0034】
いくつかの適用例では、インペラーがその拘束されていない構成になっているときに、インペラーの長手方向軸線に対して垂直の方向のインペラーのスパンが、8mmよりも大きい。いくつかの適用例では、インペラーのスパンが、10mmよりも大きい。いくつかの適用例では、インペラーのスパンが、15mmよりも小さい。いくつかの適用例では、インペラーのスパンが、12mmよりも小さい。
【0035】
いくつかの適用例では、複数のらせん状の細長いエレメントが、近位端部部分から遠位端部部分へ曲がって進む2つのらせん状の細長いエレメントを含む。
【0036】
いくつかの適用例では、2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれの半径が、互いの20パーセント以内である。いくつかの適用例では、2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれの半径が、互いに同様である。いくつかの適用例では、2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれのピッチが、互いの20パーセント以内である。いくつかの適用例では、2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれのピッチが、互いに同様である。いくつかの適用例では、2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれの長手方向の軸線が、互いに平行になっており、かつ、インペラーの長手方向軸線に対して平行になっている。
【0037】
いくつかの適用例では、材料が、らせん状の細長いエレメントによって支持されている材料の連続的なフィルムを含む。
【0038】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の8分の1以上を画定している。いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の半分未満を画定している。
【0039】
いくつかの適用例では、
らせん状の細長いエレメントが、その近位端部および遠位端部を画定しており、らせん状の細長いエレメントは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するように構成されており、
インペラーは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んでいない。
【0040】
いくつかの適用例では、実質的にインペラーのらせん状の細長いエレメントだけを介して、インペラーの近位端部部分からインペラーの遠位端部部分へ、回転運動が与えられるように、インペラーが構成されている。
【0041】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料を支持するための追加的な支持部材を含まないことによって、インペラーは、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも小さい直径まで、半径方向に圧縮可能であるように構成されている。
【0042】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料を支持するための追加的な支持部材を含まないことによって、インペラーは、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも柔軟性があるように構成されている。
【0043】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料を支持するための追加的な支持部材を含まないことによって、インペラーを軸線方向に長くするために必要とされる力が、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合に必要とされることとなるものよりも所定の量だけ小さくなるように、インペラーが構成されている。
【0044】
本発明のいくつかの適用例によれば、
切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップであって、端部部分は、複数の細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップと、
構造体を軸線方向に圧縮することによって、細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップと、
材料がそれに連結されているらせん状の細長いエレメントが、インペラーの少なくとも1つのブレードを画定するように、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップと
によって、インペラーを製造するステップを含む、方法が追加的に提供される。
【0045】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、チューブをレーザー切断するステップを含む。
【0046】
いくつかの適用例では、インペラーを製造するステップは、対象の血管の中へ挿入されるように構成されている生体適合性インペラーを製造するステップを含む。
【0047】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップであって、端部部分は、複数のストリップによって互いに接続されている、ステップを含む。
【0048】
いくつかの適用例では、細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、らせん状の細長いエレメントの少なくとも1つが、可変のピッチを有することを引き起こすステップであって、細長いエレメントの少なくとも1つのピッチが、らせん状の細長いエレメントの長さに沿って変化する、ステップを含む。
【0049】
いくつかの適用例では、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2のリングを有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップを含む。
【0050】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、端部部分の少なくとも1つの縁部に切り欠き部を形成するステップであって、切り欠き部は、らせん状の細長いエレメントへの材料の連結を促進させるように構成されている、ステップをさらに含む。
【0051】
いくつかの適用例では、方法が、らせん状の細長いエレメントの周りに縫合糸を結合するステップであって、縫合糸は、らせん状の細長いエレメントへの材料の連結を促進させるように構成されている、ステップをさらに含む。
【0052】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップであって、端部部分は、3つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを含み、細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが3つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップを含む。
【0053】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、構造体が、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、15mmよりも大きい長さを有するように、チューブを切断するステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、構造体の長さが、25mmよりも小さくなるように、チューブを切断するステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、細長いエレメントのそれぞれが、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、14mmよりも大きい長さを有するように、チューブを切断するステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、細長いエレメントのそれぞれの長さが、22mmよりも小さくなるように、チューブを切断するステップを含む。
【0054】
いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体が、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、8mmよりも大きい長さを画定するように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体の長手方向軸線に沿って測定される長さが、18mmよりも小さくなるように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、細長いエレメントのそれぞれが、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、5mmよりも大きい長さを画定するように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、細長いエレメントのそれぞれの長さが、14mmよりも小さくなるように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。
【0055】
いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体の長手方向軸線に対して垂直の方向の構造体のスパンが、8mmよりも大きくなるように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体のスパンが、10mmよりも大きくなるように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体のスパンが、15mmよりも小さくなるように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。いくつかの適用例では、構造体を軸線方向に圧縮するステップは、構造体のスパンが、12mmよりも小さくなるように、構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む。
【0056】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップは、材料がその液体状態にある間に、構造体の少なくとも一部分を材料の中へ浸漬させるステップと、材料がらせん状の細長いエレメントによって支持されている間に、材料を乾燥させるステップとを含む。いくつかの適用例では、材料を乾燥させるステップは、材料を硬化させるステップを含む。
【0057】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップであって、端部部分は、2つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを含み、細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップを含む。
【0058】
いくつかの適用例では、材料がらせん状の細長いエレメントによって支持されている間に液体材料を乾燥させるステップは、材料がらせん状の細長いエレメント同士の間に連続的なフィルムを形成することを引き起こすステップであって、連続的なフィルムは、らせん状の細長いエレメントによって支持されている、ステップを含む。
【0059】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、チューブを切断するステップであって、端部部分は、2つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを含み、細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップを含む。
【0060】
いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、第1の端部部分から生じ、第2の端部部分において終端しており、らせん状の細長いエレメントの半径は、互いに同様である、ステップを含む。いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、第1の端部部分から生じ、第2の端部部分において終端しており、らせん状の細長いエレメントの半径は、互いの20パーセント以内である、ステップを含む。
【0061】
いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、第1の端部部分から生じ、第2の端部部分において終端しており、らせん状の細長いエレメントのピッチは、互いに同様である、ステップを含む。いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、第1の端部部分から生じ、第2の端部部分において終端しており、らせん状の細長いエレメントのピッチは、互いの20パーセント以内である、ステップを含む。
【0062】
いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、らせん状の細長いエレメントの両方の長手方向の軸線は、互いに平行になっており、かつ、インペラーの長手方向軸線に対して平行になっている、ステップを含む。
【0063】
いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の8分の1以上を画定している、ステップを含む。いくつかの適用例では、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の半分未満を画定している、ステップを含む。
【0064】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2のリングを有する構造体を画定するように、ならびに、細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、チューブを切断するステップであって、角度は、50度よりも大きい、ステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、チューブを切断するステップであって、角度は、70度よりも大きい、ステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、チューブを切断するステップであって、角度は、90度よりも大きい、ステップを含む。
【0065】
いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、切断チューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2のリングを有する構造体を画定するように、ならびに、細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、チューブを切断するステップであって、角度は、180度よりも小さい、ステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、チューブを切断するステップであって、角度は、150度よりも小さい、ステップを含む。いくつかの適用例では、チューブを切断するステップは、細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、チューブを切断するステップであって、角度は、110度よりも小さい、ステップを含む。
【0066】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料が、らせん状の細長いエレメントによって支持されるように、細長いエレメントに材料を連結するステップを含む。
【0067】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップは、実質的にインペラーのらせん状の細長いエレメントだけを介して、近位端部部分から遠位端部部分へ回転運動が与えられるように、インペラーを構成させるステップを含む。
【0068】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップは、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも小さい直径まで半径方向に圧縮可能となるように、インペラーを構成させるステップを含む。
【0069】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップは、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも柔軟性があるように、インペラーを構成させるステップを含む。
【0070】
いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、らせん状の細長いエレメントに材料を連結するステップは、インペラーを軸線方向に長くするために必要とされる力が、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合に必要とされることとなるものよりも所定の量だけ小さくなるように、インペラーを構成させるステップを含む。
【0071】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、流体をポンピングするように構成されているインペラーと、
インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、インペラーおよびケージの半径方向に拡張させられた構成において、インペラーが、ケージの内側表面から分離されるようになっている、ケージと、
インペラーをケージに係合させるように構成されている係合メカニズムであって、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、係合メカニズムが、インペラーを軸線方向に長くし、インペラーがケージの内側表面から分離されたままになるようになっている、係合メカニズムと
を含む、装置がさらに提供される。
【0072】
いくつかの適用例では、
ケージおよびインペラーが、その軸線方向に長くされた構成を画定しており、ケージは、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、ケージの内側にインペラーを収容するように構成されており、一方、インペラーは、その軸線方向に長くされた構成になっており、
ケージは、支柱を含み、支柱の少なくともいくつかは、少なくともケージがケージの半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルは、ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなっている。
【0073】
いくつかの適用例では、係合メカニズムは、ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、インペラーの回転を許容するように構成されている。
【0074】
いくつかの適用例では、係合メカニズムは、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、ケージの長手方向の運動によって引き起こされる長手方向の運動をインペラーに与えることによって、インペラーを軸線方向に長くするように構成されている。
【0075】
いくつかの適用例では、インペラーが、生体適合性インペラーを含み、生体適合性インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって血管を通して血液をポンピングするように構成されており、ケージは、インペラーと血管の内側壁部との間に配設されるように、および、インペラーから血管壁部を分離するように構成されている。
【0076】
いくつかの適用例では、ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、たとえ、血管壁部がケージのセルを通って突出したとしても、ケージが、インペラーから血管壁部を分離するように構成されている。
【0077】
いくつかの適用例では、
インペラーは、インペラーの長手方向軸線がケージの長手方向軸線に整合させられるように、ケージに連結されており、
ケージが、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が、ケージの長手方向軸線に対して平行になっている。
【0078】
いくつかの適用例では、インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって血管を通して血液をポンピングするように構成されており、ケージは、インペラーと血管の内側壁部との間に配設されるように、および、インペラーから血管の内側壁部を分離するように構成されている。
【0079】
いくつかの適用例では、ケージが、血管の内側で半径方向に拡張するように構成されており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が、血管の内側壁部に係合するようになっており、それによって、ケージの長手方向軸線が血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、ケージが、血管の中で配向されている。
【0080】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、血管を通して血液ポンピングするように構成されているインペラー、および、
インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージ
を、対象の血管の内側に設置するステップと、
インペラーがケージによって血管の内側壁部から分離されるように、ケージおよびインペラーを血管の内側で半径方向に拡張するステップであって、
インペラーは、ケージに係合されており、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、インペラーが、軸線方向に長くされ、インペラーが血管の内側壁部から分離されたままになるようになっている、ステップと、
インペラーを回転させることによって、血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0081】
いくつかの適用例では、血管が、腎静脈を含み、血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップは、対象の腎臓から離れるように対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、制御ユニットを動作させるステップを含む。
【0082】
いくつかの適用例では、方法が、
インペラーの上流にある血管の中の第1の場所において、および、インペラーの下流にある血管の中の第2の場所において、対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
第1および第2の場所において測定された圧力に応答可能にインペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0083】
いくつかの適用例では、
ケージおよびインペラーを血管の内側に設置するステップは、ケージおよびインペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、および、その軸線方向に長くされた構成になっている状態のケージが、インペラーをケージの内側に収容している間に、および、インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、ケージおよびインペラーを血管の内側に設置するステップを含み、
ケージが、支柱を画定するケージを含み、支柱の少なくともいくつかは、少なくともケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
ケージを半径方向に拡張するステップは、支柱の波状部分の波打ちのレベルが、ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなるように、ケージを半径方向に拡張するステップを含む。
【0084】
いくつかの適用例では、インペラーを回転させるように制御ユニットを動作させるステップは、ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、インペラーを回転させるように制御ユニットを動作させるステップを含む。
【0085】
いくつかの適用例では、ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、ケージを半径方向に拡張するステップは、たとえ、血管壁部がケージのセルを通って突出したとしても、ケージを半径方向に拡張することによって、インペラーから血管壁部を分離するステップを含む。
【0086】
いくつかの適用例では、
インペラーおよびケージを血管の内側に設置するステップは、インペラーおよびケージを血管の内側に設置するステップであって、インペラーが、インペラーの長手方向軸線がケージの長手方向軸線に整合させられるように、ケージに連結されている、ステップを含み、
ケージは、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定するケージを含み、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面は、ケージの長手方向軸線に対して平行になっており、
ケージを血管の内側に半径方向に拡張するステップは、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が血管の内側壁部に係合され、それによって、ケージが、ケージの長手方向軸線が血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、血管の中に配向されるケージを血管の内側に半径方向に拡張するステップを含む。
【0087】
いくつかの適用例では、
血管は、ケージがない場合に所定の直径を有しており、
ケージを半径方向に拡張するステップは、血管の一部分の直径が所定の直径よりも大きくなるように、血管の一部分を広げるステップを含み、
インペラーを半径方向に拡張するステップは、インペラーのスパンが少なくとも所定の直径に等しくなるように、インペラーを半径方向に拡張するステップを含む。
【0088】
いくつかの適用例では、方法は、
血管を通るフローを測定するように、および、
測定されたフローに応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0089】
いくつかの適用例では、血管を通るフローを測定するように制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、制御ユニットを動作させるステップであって、ハウジングは、ハウジングを通る血液フローが、実質的に血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む。
【0090】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、流体をポンピングするように構成されている半径方向に拡張可能なインペラーと、
インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、インペラーおよびケージの半径方向に拡張させられた構成において、インペラーが、ケージの内側表面から分離されるようになっている、ケージと
を含む、装置であって、
インペラーは、インペラーの長手方向軸線がケージの長手方向軸線に整合させられるように、ケージに連結されており、
ケージは、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面は、ケージの長手方向軸線に対して平行になっている、装置がさらに提供される。
【0091】
いくつかの適用例では、
ケージおよびインペラーが、その軸線方向に長くされた構成を画定しており、ケージは、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、ケージの内側にインペラーを収容するように構成されており、一方、インペラーは、その軸線方向に長くされた構成になっており、
ケージは、支柱を含み、支柱の少なくともいくつかは、少なくともケージがケージの半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルは、ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなっている。
【0092】
いくつかの適用例では、
インペラーが、その近位端部および遠位端部において、近位リングおよび遠位をそれぞれ画定しており、
ケージが、その近位端部および遠位端部において、近位リングおよび遠位リングをそれぞれ画定しており、
インペラーは、
インペラーおよびケージの近位リングが互いに整合させられるように、インペラーおよびケージの近位リングが、第1の支持エレメントの上に設置されていることによって、ならびに、
インペラーおよびケージの遠位リングが互いに整合させられるように、インペラーおよびケージの遠位リングが、第2の支持エレメントの上に設置されていることによって、
インペラーの長手方向軸線がケージの長手方向軸線に整合させられるように、ケージに連結されている。
【0093】
いくつかの適用例では、装置は、係合メカニズムをさらに含み、係合メカニズムは、インペラーをケージに係合させるように構成されおり、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、係合メカニズムが、インペラーを軸線方向に長くし、インペラーがケージの内側表面から分離されたままになるようになっている。
【0094】
いくつかの適用例では、係合メカニズムは、ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、インペラーの回転を許容するように構成されている。
【0095】
いくつかの適用例では、係合メカニズムは、ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、ケージの長手方向の運動によって引き起こされる長手方向の運動をインペラーに与えることによって、インペラーを軸線方向に長くするように構成されている。
【0096】
いくつかの適用例では、インペラーは、生体適合性インペラーであり、生体適合性インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって、血管を通して血液をポンピングするように構成されており、ケージは、インペラーと血管の内側壁部との間に配設されるように、および、血管壁部をインペラーから分離させるように構成されている。
【0097】
いくつかの適用例では、ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、たとえ、血管壁部がケージのセルを通って突出したとしても、ケージが、インペラーから血管壁部を分離するように構成されている。
【0098】
いくつかの適用例では、インペラーが、生体適合性インペラーであり、生体適合性インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって血管を通して血液をポンピングするように構成されており、ケージは、インペラーと血管の内側壁部との間に配設されるように、および、インペラーから血管壁部を分離するように構成されている。
【0099】
いくつかの適用例では、ケージが、血管の内側で半径方向に拡張するように構成されており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が、血管の内側壁部に係合するようになっており、それによって、ケージの長手方向軸線が血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、ケージが、血管の中で配向されている。
【0100】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、血管を通して血液をポンピングするように構成されているインペラーと、
インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、インペラーは、インペラーの長手方向軸線がケージの長手方向軸線に整合させられるように、ケージに連結されており、ケージは、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面は、ケージの長手方向軸線に対して平行になっている、半径方向に拡張可能なケージと
を、対象の血管の内側に設置するステップと、
インペラーが、ケージによって、血管の内側壁部から分離されるように、および、
ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が、血管の内側壁部に係合し、それによって、ケージがケージの長手方向軸線が血管の局所的な長手方向軸線に対して平行になるように、血管の中で配向されるように、
血管の内側で、ケージおよびインペラーを半径方向に拡張するステップと、
インペラーを回転させることによって、血管を通して血液をポンピングするように、制御ユニットを動作させるステップと
を含む、方法がさらに提供される。
【0101】
いくつかの適用例では、方法は、
インペラーの上流にある血管の中の第1の場所において、および、インペラーの下流にある血管の中の第2の場所において、対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
第1および第2の場所において測定された圧力に応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0102】
いくつかの適用例では、
血管は、ケージがない場合に所定の直径を有しており、
ケージを半径方向に拡張するステップは、血管の一部分の直径が所定の直径よりも大きくなるように、血管の一部分を広げるステップを含み、
インペラーを半径方向に拡張するステップは、インペラーのスパンが少なくとも所定の直径に等しくなるように、インペラーを半径方向に拡張するステップを含む。
【0103】
いくつかの適用例では、方法は、
血管を通るフローを測定するように、および、
測定されたフローに応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0104】
いくつかの適用例では、血管を通るフローを測定するように制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、制御ユニットを動作させるステップであって、ハウジングは、ハウジングを通る血液フローが、実質的に血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む。
【0105】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、流体をポンピングするように構成されている半径方向に拡張可能なインペラーと、
インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、インペラーおよびケージの半径方向に拡張させられた構成において、インペラーが、ケージの内側表面から分離されるようになっている、ケージと
を含む、装置であって、
ケージおよびインペラーが、その軸線方向に長くされた構成を画定しており、ケージは、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、ケージの内側にインペラーを収容するように構成されており、一方、インペラーは、その軸線方向に長くされた構成になっており、
ケージは、支柱を含み、支柱の少なくともいくつかは、少なくともケージがケージの半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルは、ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなっている、装置がさらに提供される。
【0106】
いくつかの適用例では、波状部分を含む支柱のそれぞれに関して、支柱は、
ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの、支柱の第1の長手方向の端部から支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と、
ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの、支柱の第1の長手方向の端部から支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と
の比が、1.05:1よりも大きくなるように構成されている。
【0107】
いくつかの適用例では、比が、1.4:1よりも小さい。いくつかの適用例では、比が、1.15:1よりも大きい。いくつかの適用例では、比が、1.2:1よりも大きい。
【0108】
いくつかの適用例では、装置は、インペラーをケージに係合させるように構成されている係合メカニズムであって、ケージが軸線方向に長くされることに応答して、インペラーが軸線方向に長くされるようになっており、インペラーがケージの内側表面から分離されたままになるようになっている、係合メカニズムをさらに含む。
【0109】
いくつかの適用例では、係合メカニズムは、ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、インペラーの回転を許容するように構成されている。
【0110】
いくつかの適用例では、係合メカニズムは、ケージが軸線方向に長くされることに応答して、ケージの長手方向の運動によって引き起こされる長手方向の運動をインペラーに与えることによって、インペラーを軸線方向に長くするように構成されている。
【0111】
いくつかの適用例では、
ケージおよびインペラーが、生体適合性であり、また、インペラーがケージの内側に配設されている間に、ならびに、ケージおよびインペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、血管の中へ挿入されるように構成されており、
インペラーは、血管の内側で半径方向に拡張するように、および、回転することによって、血管を通して血液をポンピングするように構成されており、
ケージは、血管の内側で半径方向に拡張するように、および、インペラーと血管の内側壁部との間に配設され、血管の内側壁部をインペラーから分離するように構成されている。
【0112】
いくつかの適用例では、ケージの支柱が、セルを画定するように形状付けされており、たとえ、血管壁部がケージのセルを通って突出したとしても、ケージが、インペラーから血管壁部を分離するように構成されている。
【0113】
いくつかの適用例では、
インペラーは、インペラーの長手方向軸線がケージの長手方向軸線に整合させられるように、ケージに連結されており、
ケージが、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が、ケージの長手方向軸線に対して平行になっている。
【0114】
いくつかの適用例では、インペラーは、生体適合性であり、インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって血管を通して血液をポンピングするように構成されており、ケージは、インペラーと血管の内側壁部との間に配設されるように、および、インペラーから血管の内側壁部を分離するように構成されている。
【0115】
いくつかの適用例では、ケージが、血管の内側で半径方向に拡張するように構成されており、ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面が、血管の内側壁部に係合するようになっており、それによって、ケージの長手方向軸線が血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、ケージが、血管の中で配向されている。
【0116】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、血管を通して血液ポンピングするように構成されているインペラー、および、
インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、ケージは支柱を画定している、ケージ
を、対象の血管の内側に設置するステップであって、
ケージおよびインペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、および、ケージが、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、ケージの内側にインペラーを収容する間に、および、インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、設置するステップは実施される、ステップと、
ケージおよびインペラーが半径方向に拡張させられた構成になるように、および、インペラーがケージによって血管の内側壁部から分離されるように、血管の内側で、ケージおよびインペラーを半径方向に拡張するステップと、
インペラーを動作させることによって、血管を通して、血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップであって、
ケージが、支柱を含み、支柱の少なくともいくつかは、少なくともケージがケージの半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
ケージを半径方向に拡張するステップは、支柱の波状部分の波打ちのレベルが、ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなるように、ケージを半径方向に拡張するステップを含む、ステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0117】
いくつかの適用例では、血管が、腎静脈を含み、血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップは、対象の腎臓から離れるように対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、制御ユニットを動作させるステップを含む。
【0118】
いくつかの適用例では、方法は、
インペラーの上流にある血管の中の第1の場所において、および、インペラーの下流にある血管の中の第2の場所において、対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
第1および第2の場所において測定された圧力に応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0119】
いくつかの適用例では、
血管は、ケージがない場合に所定の直径を有しており、
ケージを半径方向に拡張するステップは、血管の一部分の直径が所定の直径よりも大きくなるように、血管の一部分を広げるステップを含み、
インペラーを半径方向に拡張するステップは、インペラーのスパンが少なくとも所定の直径に等しくなるように、インペラーを半径方向に拡張するステップを含む。
【0120】
いくつかの適用例では、ケージを半径方向に拡張するステップは、波状部分を含む支柱のそれぞれに関して、
ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの、支柱の第1の長手方向の端部から支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と、
ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの、支柱の第1の長手方向の端部から支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と
の比が、1.05:1よりも大きくなるように、ケージを半径方向に拡張するステップを含む。
【0121】
いくつかの適用例では、ケージを半径方向に拡張するステップは、波状部分を含む支柱のそれぞれに関して、比が1.4:1よりも小さくなるように、ケージを半径方向に拡張するステップを含む。いくつかの適用例では、ケージを半径方向に拡張するステップは、波状部分を含む支柱のそれぞれに関して、比が1.15:1よりも大きくなるように、ケージを半径方向に拡張するステップを含む。いくつかの適用例では、ケージを半径方向に拡張するステップは、波状部分を含む支柱のそれぞれに関して、比が1.2:1よりも大きくなるように、ケージを半径方向に拡張するステップを含む。
【0122】
いくつかの適用例では、方法は、
血管を通るフローを測定するように、および、
測定されたフローに応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0123】
いくつかの適用例では、血管を通るフローを測定するように制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、制御ユニットを動作させるステップであって、ハウジングは、ハウジングを通る血液フローが、実質的に血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む。
【0124】
本発明のいくつかの適用例によれば、
半径方向に拡張可能な構造体を対象の血管の内側に設置するステップであって、血管は、半径方向に拡張可能な構造体がない場合に所定の直径を有している、ステップと、
半径方向に拡張可能な構造体を血管の一部分の内側で拡張することによって、血管の一部分の直径が所定の直径よりも大きくなるように、血管の一部分を広げるステップと、
血管の一部分の内側にインペラーを設置するステップであって、インペラーは、インペラーブレードを含み、インペラーブレードのスパンは、少なくとも所定の直径に等しい、ステップと、
血管に対してインペラーを回転させることによって、血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップと、を含む、方法がさらに提供される。
【0125】
いくつかの適用例では、半径方向に拡張可能な構造体を拡張するステップは、インペラーがケージによって血管の内側壁部から分離されるように、インペラーの周りに配設されている、半径方向に拡張可能なケージを拡張するステップを含む。
【0126】
いくつかの適用例では、血管が、腎静脈を含み、血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップは、対象の腎臓から離れるように対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、制御ユニットを動作させるステップを含む。
【0127】
いくつかの適用例では、方法は、
インペラーの上流にある血管の中の第1の場所において、および、インペラーの下流にある血管の中の第2の場所において、対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
第1および第2の場所において測定された圧力に応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0128】
いくつかの適用例では、方法は、
血管を通るフローを測定するように、および、
測定されたフローに応答可能に、インペラーの回転を制御するように、
制御ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0129】
いくつかの適用例では、血管を通るフローを測定するように制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、制御ユニットを動作させるステップであって、ハウジングは、ハウジングを通る血液フローが、実質的に血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む。
【0130】
いくつかの適用例では、血管の一部分を広げるステップは、半径方向に拡張可能な構造体を血管の一部分の内側で拡張することによって、血管の一部分の直径が所定の直径の105パーセントよりも大きくなるように、血管の一部分を広げるステップを含む。いくつかの適用例では、血管の一部分を広げるステップは、半径方向に拡張可能な構造体を血管の一部分の内側で拡張することによって、血管の一部分の直径が所定の直径の115パーセントよりも大きくなるように、血管の一部分を広げるステップを含む。いくつかの適用例では、血管の一部分を広げるステップは、半径方向に拡張可能な構造体を血管の一部分の内側で拡張することによって、血管の一部分の直径が所定の直径の125パーセントよりも小さくなるように、血管の一部分を広げるステップを含む。
【0131】
本発明のいくつかの適用例によれば、
対象の血管を通して血液をポンピングするように構成されている血液ポンプであって、血液ポンプは、
細長いエレメント、および、
細長いエレメントの遠位端部に配設されているインペラーであって、インペラーは、回転することによって、血管を通して血液をポンピングするように構成されている、インペラー
を含む、血液ポンプと、
ポンピングされる血液のフローを測定するように構成されているサーマル式流量センサーであって、サーマル式流量センサーは、細長いエレメントの長さの一部分に沿って連続して配設されている、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーを含む、サーマル式流量センサーと、
ハウジングを含む細長いエレメントであって、ハウジングは、サーマル式流量センサーを格納するように構成されており、ハウジングは、ハウジングを通る血液フローが実質的に血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向になるように構成されている、細長いエレメントと
を含む、装置がさらに提供される。
【0132】
いくつかの適用例では、ハウジングは、陥凹部をその中に画定するように形状付けされている細長いエレメントの外側表面の一部分を含み、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーが、陥凹部に沿って連続して配設されている。
【0133】
いくつかの適用例では、陥凹部の長さと陥凹部の幅との比が、4:1よりも大きい。
【0134】
いくつかの適用例では、装置は、カバーをさらに含み、カバーは、細長いエレメントに連結されており、サーマル式センサーをカバーするように配設されている。
【0135】
いくつかの適用例では、ハウジングは、細長いエレメントの外側表面の上に配設されているハウジングを含み、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーが、ハウジングの内側に沿って連続して配設されている。
【0136】
いくつかの適用例では、ハウジングは、細長いエレメントの外側表面の上に配設されている圧縮可能なチューブを含む。
【0137】
いくつかの適用例では、ハウジングの長さとハウジングの幅との比が、4:1よりも大きい。いくつかの適用例では、ハウジングの長さとハウジングの高さとの比が、4:1よりも大きい。
【0138】
本発明のいくつかの適用例によれば、
対象の血管の中へ血液ポンプを設置するステップであって、血液ポンプは、
細長いエレメント、および、
細長いエレメントの遠位端部に配設されているインペラー
を含む、ステップと、
サーマル式流量センサーを使用して、ポンピングされる血液のフローを測定するように制御ユニットを動作させるステップであって、サーマル式流量センサーは、細長いエレメントの長さの一部分に沿って連続して配設されている、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーを含み、
細長いエレメントは、ハウジングを含み、ハウジングは、サーマル式流量センサーを格納するように構成されており、ハウジングは、ハウジングを通る血液フローが実質的に血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向になるように構成されている、ステップと、
測定されるフローに少なくとも部分的に応答してインペラーを回転させることによって、血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0139】
本発明のいくつかの適用例によれば、
流体をポンピングするように構成されているポンプであって、ポンプは、
細長いエレメント、および、
細長いエレメントの遠位端部に配設されているインペラーであって、インペラーは、回転することによって、流体をポンピングするように構成されている、インペラー
を含む、ポンプと、
ポンピングされる流体のフローを測定するように構成されているサーマル式流量センサーであって、サーマル式流量センサーは、細長いエレメントの長さの一部分に沿って連続して配設されている、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーを含む、サーマル式流量センサーと、
ハウジングを含む細長いエレメントであって、ハウジングは、サーマル式流量センサーを格納するように構成されており、ハウジングは、ハウジングを通る流体のフローが実質的に細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な方向になるように構成されている、細長いエレメントと
を含む、装置がさらに提供される。
【0140】
いくつかの適用例では、ハウジングは、陥凹部をその中に画定するように形状付けされている細長いエレメントの外側表面の一部分を含み、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーが、陥凹部に沿って連続して配設されている。
【0141】
いくつかの適用例では、陥凹部の長さと陥凹部の幅との比が、4:1よりも大きい。
【0142】
いくつかの適用例では、装置は、カバーをさらに含み、カバーは、細長いエレメントに連結されており、サーマル式センサーをカバーするように配設されている。
【0143】
いくつかの適用例では、ハウジングは、細長いエレメントの外側表面の上に配設されているハウジングを含み、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーが、ハウジングの内側に沿って連続して配設されている。
【0144】
いくつかの適用例では、ハウジングは、細長いエレメントの外側表面の上に配設されている圧縮可能なチューブを含む。
【0145】
いくつかの適用例では、ハウジングの長さとハウジングの幅との比が、4:1よりも大きい。いくつかの適用例では、ハウジングの長さとハウジングの高さとの比が、4:1よりも大きい。
【0146】
本発明のいくつかの適用例によれば、
主静脈に供給する複数の支流静脈とともに使用するための方法であって、方法は、
複数の静脈の中の血液を、主静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ機械的に隔離するステップと、
コンパートメントから主静脈へ血液をポンピングすることによって、複数の静脈から主静脈への血液フローを制御するステップと
を含む、方法がさらに提供される。
【0147】
いくつかの適用例では、方法は、ポンピングされる血液に限外ろ過を実施するステップをさらに含む。
【0148】
いくつかの適用例では、
複数の静脈を隔離するステップは、
血液不浸透性のスリーブ、および、スリーブの周りに配設されているらせん状支持エレメントを、主静脈の中へ設置するステップと、
らせん状支持エレメントを使用して、スリーブを主静脈の壁部に連結するステップと
を含み、
コンパートメントから主静脈へ血液をポンピングするステップは、らせん状支持エレメントを使用して、血液ポンプの遠位部分をコンパートメントの中へガイドするステップと、血液ポンプを使用して、血液をポンピングするステップとを含む。
【0149】
いくつかの適用例では、
複数の静脈を隔離するステップは、
血液不浸透性のスリーブ、および、血液ポンプのらせん状部分を、主静脈の中へ設置するステップであって、らせん状部分は、スリーブの周りに配設されており、スリーブを支持するように構成されている、ステップと、
スリーブを主静脈の壁部に連結するステップと
を含み、
コンパートメントから主静脈へ血液をポンピングするステップは、血液ポンプのらせん状部分によって画定されている、血液ポンプの入口孔部の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0150】
いくつかの適用例では、複数の静脈の中の血液を、主静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離するステップは、血液不浸透性のスリーブを対象の大静脈の中に設置することによって、対象の腎静脈の中の血液を、対象の大静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離するステップを含み、スリーブの下流端部が、対象の腎静脈のすべての下流にある第1の場所において、大静脈の壁部に連結されるようになっており、また、スリーブの上流端部が、対象のすべての腎静脈上流にある第2の場所において、大静脈の壁部に連結されるようになっており、
コンパートメントから主静脈へ血液をポンピングするステップは、コンパートメントから、スリーブの内部に流体連通している場所へ、血液をポンピングするように、ポンプを動作させるステップを含む。
【0151】
いくつかの適用例では、コンパートメントから血液をポンピングするステップは、腎静脈を通して下流方向に血液を引き出すステップを含む。
【0152】
いくつかの適用例では、スリーブを大静脈の中に設置するステップは、1週間未満にわたってスリーブを大静脈の中に設置するステップを含み、ポンプを動作させるステップは、1週間未満にわたってポンプを動作させるステップを含む。
【0153】
いくつかの適用例では、方法は、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として対象を認定するステップをさらに含み、ポンプを動作させるステップは、状態を患うものとして対象を認定するステップに応答して、ポンプを動作させることによって、対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む。
【0154】
いくつかの適用例では、スリーブを対象の大静脈の中に設置するステップは、ポンプを動作させることによって、大静脈がスリーブの少なくとも一部分の周りで縮小することを引き起こすことによって、スリーブを大静脈にアンカー固定するステップを含む。
【0155】
いくつかの適用例では、コンパートメントから、スリーブの内部に流体連通している場所へ、血液をポンピングするように、ポンプを動作させるステップは、コンパートメントから、スリーブの上流にある大静脈の部位へ、血液をポンピングするように、ポンプを動作させるステップを含む。
【0156】
いくつかの適用例では、コンパートメントから、スリーブの内部に流体連通している場所へ、血液をポンピングするように、ポンプを動作させるステップは、コンパートメントから、スリーブの下流にある大静脈の部位へ、血液をポンピングするように、ポンプを動作させるステップを含む。
【0157】
いくつかの適用例では、スリーブを大静脈の中に設置するステップは、
拡大したその上流端部および下流端部を画定するように形状付けされているステントであって、上流端部および下流端部は、ステントの中央部分に対して拡大している、ステント、ならびに、
ステントに連結されている血液不浸透性のスリーブであって、スリーブは、そのフレア形状の上流端部および下流端部を画定しており、上流端部および下流端部は、それぞれ、ステントの拡大した上流端部および下流端部に連結されている、血液不浸透性のスリーブ
を、大静脈の中へ設置するステップと、
スリーブのフレア形状の端部の少なくとも1つの第1の側部にかかる血圧が、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の第2の側部にかかる血圧よりも大きくなっていることに応答して、血液が、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の外側と血管の内側壁部との間に流れるように、および、
スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の第1の側部にかかる血圧が、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の第2の側部にかかる血圧よりも小さくなっていることに応答して、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部が、血管の内側壁部に接触することによって、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の外側と血管の内側壁部との間の血液フローを閉塞させるように、
ステントを血管に連結するステップと
を含む。
【0158】
いくつかの適用例では、スリーブを大静脈の中に設置するステップは、
スリーブであって、スリーブは、そのフレア形状の端部、および、フレア形状の端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされている、スリーブと、
ステントであって、ステントは、
スリーブ支持フレームであって、スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、ステントの拡大した端部よりも幅の狭い拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、スリーブは、ステントのスリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、血管壁支持フレームは、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分に連結されており、スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、ステントと
を、大静脈の中へ設置するステップを含む。
【0159】
いくつかの適用例では、コンパートメントから血液をポンピングするステップは、スリーブの外側と大静脈の内側壁部との間の部位から血液をポンピングするステップを含む。
【0160】
いくつかの適用例では、方法は、ポンプがそれを通して挿入可能であるスリーブの中の開口部を介して、コンパートメントの中へポンプを挿入するステップをさらに含む。
【0161】
いくつかの適用例では、開口部を通してポンプを挿入するステップは、2mmから10mmの間の直径を有する開口部を通してポンプを挿入するステップを含む。
【0162】
いくつかの適用例では、開口部を通してポンプを挿入するステップは、開口部がポンプの周りにシールを形成するように、開口部を通してポンプを挿入するステップを含む。
【0163】
いくつかの適用例では、方法は、スリーブから突出するポンプ収容スリーブを介して、コンパートメントの中へポンプを挿入するステップをさらに含む。
【0164】
いくつかの適用例では、ポンプ収容スリーブを介してコンパートメントの中へポンプを挿入するステップは、2mmから10mmの間の直径を有するポンプ収容スリーブを介して、コンパートメントの中へポンプを挿入するステップを含む。
【0165】
いくつかの適用例では、ポンプ収容スリーブを介してコンパートメントの中へポンプを挿入するステップは、ポンプ収容スリーブがポンプの周りにシールを形成するように、ポンプ収容スリーブを介してコンパートメントの中へポンプを挿入するステップを含む。
【0166】
本発明のいくつかの適用例によれば、
血液不浸透性のスリーブと、
スリーブの第1および第2の端部を対象の血管に連結するように構成されている少なくとも1つの支持構造体と、
スリーブの外部から、スリーブの内部に流体連通している場所へ、血液をポンピングするように構成されているポンプと
を含む、装置がさらに提供される。
【0167】
いくつかの適用例では、ポンプが、血液に限外ろ過を実施するように構成されている。
【0168】
いくつかの適用例では、ポンプが、血管が構造体の少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、構造体を血管にアンカー固定するように構成されている。
【0169】
いくつかの適用例では、
構造体が、ステントを含み、ステントは、ステントの中央部分と比較して拡大した、その拡大した端部を画定するように形状付けされており、
スリーブは、ステントに連結されているスリーブを含み、
スリーブは、ステントの拡大した端部に連結されている、そのフレア形状の端部を画定しており、
スリーブのフレア形状の端部の少なくとも1つが、圧力がスリーブのフレア形状の端部に加えられていることに応答して、それが連結されているステントの拡大した端部から少なくとも部分的に分離させることによって、バルブとしての役割を果たすように構成されている。
【0170】
いくつかの適用例では、
支持構造体が、スリーブの周りに配設されているらせん状支持エレメントを含み、
血液ポンプの遠位部分が、らせん状支持エレメントを使用して、スリーブの外部の周りに配設されるように、ガイドされるように構成されている。
【0171】
いくつかの適用例では、
支持構造体が、血液ポンプのらせん状部分を含み、らせん状部分は、スリーブの周りに配設されており、スリーブを支持するように構成されており、
ポンプが、血液ポンプのらせん状部分によって画定されているポンプの入口孔部の中へ血液をポンピングすることによって、スリーブの外部から血液をポンピングするように構成されている。
【0172】
いくつかの適用例では、
スリーブが、そのフレア形状の端部、および、フレア形状の端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、
構造体が、ステントを含み、ステントは、
スリーブ支持フレームであって、スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、ステントの拡大した端部よりも幅の狭い拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、スリーブは、ステントのスリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、血管壁支持フレームは、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分に連結されており、スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている。
【0173】
いくつかの適用例では、ポンプが、スリーブの外側と血管壁支持フレームとの間に設置されていることによって、スリーブの外側と血管の内側壁部との間の部位から血液をポンピングするように構成されている。
【0174】
いくつかの適用例では、構造体は、対象のすべての腎静脈の下流にある第1の場所において、スリーブの下流端部を大静脈の壁部に連結することによって、および、対象のすべての腎静脈の上流にある第2の場所において、スリーブの上流端部を大静脈の壁部に連結することによって、対象の腎静脈の中の血液を、対象の大静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離するように構成されている。
【0175】
いくつかの適用例では、スリーブが、1週間未満にわたって大静脈に連結されるように構成されており、ポンプが、1週間未満にわたって動作するように構成されている。
【0176】
いくつかの適用例では、ポンプが、血液をポンピングすることによって、対象の腎静脈の中の血圧を低減させるように構成されている。
【0177】
いくつかの適用例では、ポンプが、コンパートメントから大静脈の中の部位へ血液をポンピングするように構成されている。
【0178】
いくつかの適用例では、ポンプが、コンパートメントから、スリーブの上流にある大静脈の部位へ、血液をポンピングするように構成されている。
【0179】
いくつかの適用例では、ポンプが、コンパートメントから、スリーブの下流にある大静脈の部位へ、血液をポンピングするように構成されている。
【0180】
いくつかの適用例では、スリーブが、開口部を画定するように形状付けされており、ポンプは、開口部を通して挿入可能である。
【0181】
いくつかの適用例では、開口部の直径は、2mmから10mmの間である。
【0182】
いくつかの適用例では、開口部が、ポンプの周りにシールを形成するようにサイズ決めされている。
【0183】
いくつかの適用例では、装置が、血液不浸透性のスリーブから突出しているポンプ収容スリーブをさらに含み、ポンプ収容スリーブは、それを通して血液不浸透性のスリーブの外部へポンプを挿入することを収容するように構成されている。
【0184】
いくつかの適用例では、ポンプ収容スリーブの内径が、2mmから10mmの間である。
【0185】
いくつかの適用例では、ポンプ収容スリーブが、ポンプの周りにシールを形成するようにサイズ決めされている。
【0186】
本発明のいくつかの適用例によれば、
ステントの設置場所において、血管の内側にステントを設置するステップと、
血管の中に吸引力を加えることによって、血管がステントの少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、設置場所において、ステントを血管に少なくとも部分的にアンカー固定するステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0187】
いくつかの適用例では、血管が、設置場所において所定の直径を有する血管を含み、血管の内側にステントを設置するステップは、所定の直径よりも小さい直径を有するステントを血管の内側に設置するステップを含む。
【0188】
いくつかの適用例では、血管がステントの少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすステップは、血管がステントの少なくとも一部分の周りに縮小させられなかった場合と比較して、ステントを過大にサイズ決めするおかげで、ステントが血管にアンカー固定される程度を低減させるステップを含む。
【0189】
本発明のいくつかの適用例によれば、
ステントの設置場所において、血管の内側に設置されるように構成されているステントと、
血管の中の吸引力を加えることによって、血管がステントの少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、設置場所において、ステントを血管にアンカー固定するように構成されているポンプと
を含む、装置がさらに提供される。
【0190】
いくつかの適用例では、血管が、設置場所において所定の直径を有する血管を含み、ステントが、所定の直径よりも小さい直径を有するステントを含む。
本発明のいくつかの適用例によれば、
血管の内側に設置されるように構成されているステントであって、ステントは、ステントの中央部分と比較して拡大した、その拡大した端部を画定するように形状付けされている、ステントと、
ステントに連結される血液不浸透性のスリーブであって、
スリーブは、ステントの拡大した端部に連結されている、そのフレア形状の端部を画定しており、
スリーブのフレア形状の端部の少なくとも1つが、圧力がスリーブのフレア形状の端部に加えられていることに応答して、それが連結されているステントの拡大した端部から少なくとも部分的に分離させることによって、バルブとしての役割を果たすように構成されている、血液不浸透性のスリーブと
を含む、装置が追加的に提供される。
【0191】
本発明のいくつかの適用例によれば、
ステントの中央部分と比較して拡大した、その拡大した上流端部および下流端部を画定するように形状付けされている、ステント、ならびに、
ステントに連結される血液不浸透性のスリーブであって、スリーブは、ステントの拡大した上流端部および下流端部にそれぞれ連結される、そのフレア形状の上流端部および下流端部を画定している、血液不浸透性のスリーブ
を、対象の血管の中へ設置するステップと、
スリーブのフレア形状の端部の少なくとも1つの第1の側部にかかる血圧が、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の第2の側部にかかる血圧よりも大きくなっていることに応答して、血液が、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の外側と血管の内側壁部との間に流れるように、および、
スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の第1の側部にかかる血圧が、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の第2の側部にかかる血圧よりも小さくなっていることに応答して、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部が、血管の内側壁部に接触することによって、スリーブの少なくとも1つのフレア形状の端部の外側と血管の内側壁部との間の血液フローを閉塞させるように、
ステントを血管に連結するステップと
を含む、方法がさらに提供される。
【0192】
本発明のいくつかの適用例によれば、
血液不浸透性のスリーブであって、血液不浸透性のスリーブは、そのフレア形状の端部、および、フレア形状の端部同士の間に幅の狭い中央部分を画定している、血液不浸透性のスリーブと、
血管の内側に設置されるように構成されているステントであって、ステントは、
スリーブ支持フレームであって、スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、ステントの拡大した端部よりも幅の狭い拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、スリーブは、ステントのスリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、血管壁支持フレームは、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分に連結されており、スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、ステントと
を含む、装置が追加的に提供される。
【0193】
いくつかの適用例では、装置が、血液ポンプをさらに含み、血液ポンプは、スリーブの外側と血管壁支持フレームとの間に設置されていることによって、スリーブの外側と血管の内側壁部との間から血液をポンピングするように構成されている。
【0194】
いくつかの適用例では、スリーブの幅の狭い中央部分の直径が、8mmから35mmの間である。
【0195】
いくつかの適用例では、スリーブのフレア形状の端部の最大直径が、10mmから45mmの間である。
【0196】
いくつかの適用例では、スリーブのフレア形状の端部の最大直径と、スリーブの幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から2:1の間である。
【0197】
いくつかの適用例では、血管壁支持フレームの最大直径が、10mmから50mmの間である。
【0198】
いくつかの適用例では、壁部支持フレームの最大直径と、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から5:1の間である。いくつかの適用例では、比が、1.5:1よりも大きい。
【0199】
いくつかの適用例では、スリーブの長さが、6mmよりも大きい。いくつかの適用例では、スリーブの長さが、80mmよりも小さい。いくつかの適用例では、スリーブのフレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、3mmよりも大きい。いくつかの適用例では、スリーブのフレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、40mmよりも小さい。いくつかの適用例では、スリーブの幅の狭い中央部分の長さが、3mmよりも大きい。いくつかの適用例では、スリーブの幅の狭い中央部分の長さが、70mmよりも小さい。
【0200】
本発明のいくつかの適用例によれば、
血液不浸透性のスリーブであって、血液不浸透性のスリーブは、フレア形状の端部、および、フレア形状の端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定している、血液不浸透性のスリーブ、
ステントであって、ステントは、
スリーブ支持フレームであって、スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、ステントの拡大した端部よりも幅の狭い拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、スリーブは、ステントのスリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、血管壁支持フレームは、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分に連結されており、スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、ステント
を、対象の血管の中へ設置するステップと、
ステントの血管壁支持フレームが、血管の壁部を支持することによって、血管を開けたままにしておくように、および、スリーブ支持フレームが血管の中でスリーブを支持するように、ステントを血管に連結するステップとを含む、方法が追加的に提供される。
【0201】
いくつかの適用例では、方法は、スリーブの外側と血管壁支持フレームとの間にポンプを設置することによって、スリーブの外側と血管の内側壁部との間の部位から血液をポンピングするステップをさらに含む。
【0202】
いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブの幅の狭い中央部分の直径は、8mmから35mmの間である、ステップを含む。
【0203】
いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブのフレア形状の端部の最大直径は、10mmから45mmの間である、ステップを含む。
【0204】
いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブのフレア形状の端部の最大直径と、スリーブの幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から2:1の間である、ステップを含む。
【0205】
いくつかの適用例では、ステントを血管の中へ設置するステップは、ステントを血管の中へ設置するステップであって、血管壁支持フレームの最大直径が、10mmから50mmの間である、ステップを含む。
【0206】
いくつかの適用例では、ステントを血管の中へ設置するステップは、ステントを血管の中へ設置するステップであって、壁部支持フレームの最大直径と、スリーブ支持フレームと幅の狭い中央部分と直径との比が、1.1:1から5:1の間である、ステップを含む。いくつかの適用例では、ステントを血管の中へ設置するステップは、ステントを血管の中へ設置するステップであって、比が、1.5:1よりも大きい、ステップを含む。
【0207】
いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブの長さが、6mmよりも大きい、ステップを含む。いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブの長さが、80mmよりも小さい、ステップを含む。いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブのフレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、3mmよりも大きい、ステップを含む。いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブのフレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、40mmよりも小さい、ステップを含む。いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブの幅の狭い中央部分の長さが、3mmよりも大きい、ステップを含む。いくつかの適用例では、スリーブを血管の中へ設置するステップは、スリーブを血管の中へ設置するステップであって、スリーブの幅の狭い中央部分の長さが、70mmよりも小さい、ステップを含む。
【0208】
本発明のいくつかの適用例によれば、対象の血管の内側に配設されている血液ポンプを動作させるための方法であって、方法は、
血管の中に閉塞エレメントを設置するステップであって、閉塞エレメントは、その閉塞状態およびその非閉塞状態を有し、閉塞状態では、閉塞エレメントは、血管を閉塞させ、非閉塞状態では、閉塞エレメントは、血管を閉塞させない、ステップと、
閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から下流方向に血液を引き出すステップと、
閉塞エレメントの下流側に流体連通している対象の血管系の部位の中へ血液をポンピングするステップと
を含み、
対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップは、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持する様式で実施され、閉塞状態では、閉塞エレメントが血管を閉塞させる、方法がさらに提供される。
【0209】
いくつかの適用例では、方法が、対象の血管系の部位の中へ血液をポンピングする前に、血液に限外ろ過を実施するステップをさらに含む。
【0210】
いくつかの適用例では、血管の中に閉塞エレメント設置するステップは、1週間未満にわたって血管の中に閉塞エレメントを設置するステップを含み、血液をポンピングするステップは、1週間未満にわたって血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。いくつかの適用例では、血管の中に閉塞エレメント設置するステップは、1週間以上にわたって血管の中に閉塞エレメントを設置するステップを含み、血液をポンピングするステップは、1週間未満にわたって血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0211】
いくつかの適用例では、方法が、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として対象を認定するステップをさらに含み、血管が、対象の腎静脈を含み、閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から下流方向に血液を引き出すステップは、状態を患うものとして対象を認定するステップに応答して、下流方向に血液を引き出すことによって、対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む。
【0212】
いくつかの適用例では、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持する様式で、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップは、対象の血管系の中へポンピングされる血液の動圧が、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0213】
いくつかの適用例では、血管の中に閉塞エレメントを設置するステップは、バルブリーフレット(leaflets)を有するバルブを血管の中に設置するステップを含み、対象の血管系の中へポンピングされる血液の動圧が、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップは、対象の血管系の中へポンピングされる血液が、バルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0214】
いくつかの適用例では、血管の中にバルブを設置するステップは、
バルブリーフレットの上流側にかかる血圧が、バルブリーフレットの下流側にかかる圧力を超えていることに応答して、血液が、バルブリーフレットの先端部(cusps)と血管の内側壁部との間で順行性方向に流れるように、および、
バルブリーフレットの下流側にかかる血圧が、バルブリーフレットの上流側にかかる圧力を超えていることに応答して、バルブリーフレットの先端部が血管の内側壁部に接触していることによって、バルブが、逆行性の血液フローを閉塞させるように、
血管の中にバルブを設置するステップを含む。
【0215】
いくつかの適用例では、対象の血管系の中へポンピングされる血液がバルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップは、バルブリーフレットをフラッシングすることによって、バルブリーフレットにおける血栓を低減させるステップを含む。
【0216】
いくつかの適用例では、方法が、抗凝固剤がバルブリーフレットに直接的に衝突するように、対象の血管系の中へポンピングされる血液とともに、対象の血管系の中へ抗凝固剤をポンピングするステップをさらに含む。
【0217】
いくつかの適用例では、血管の中にバルブを設置するステップは、バルーンを膨張させることによって、バルブリーフレットの一部分を、血管の壁部に接触している状態に維持するステップを含む。
【0218】
いくつかの適用例では、血管の中へバルブを設置するステップは、スリットチューブの一部分を半径方向外向きに拡張させることによって、バルブリーフレットの一部分を、血管の壁部に接触している状態に維持するステップを含む。
【0219】
いくつかの適用例では、血液がバルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、血液をポンピングするステップは、バルブリーフレットの下流側に向けて血液を方向付けするように形状付けされている孔部を介して、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0220】
いくつかの適用例では、血液がバルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、血液をポンピングするステップは、ポンプカテーテルを介して対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップであって、ポンプカテーテルは、それからの半径方向突出部を画定するように形状付けされており、半径方向突出部は、カテーテルの遠位端部に向けて凹形に湾曲しており、半径方向突出部は、血管系の中へポンピングされる血液をバルブリーフレットに向けて方向付けするように構成されている、ステップを含む。
【0221】
いくつかの適用例では、血液がバルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、血液をポンピングするステップは、バルブリーフレットのベースに隣接して配設されている孔部を介して、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0222】
いくつかの適用例では、血液がバルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、血液をポンピングするステップは、バルブリーフレットの長さに沿って、リーフレットの先端部とリーフレットのベースとの中間以下にある場所に隣接して配設されている孔部を介して、対象の血管系の中へ血液をポンピングするステップを含む。
【0223】
本発明のいくつかの適用例によれば、対象の血管とともに使用するための装置であって、装置は、
血管の中に設置されるように構成されている閉塞エレメントであって、閉塞エレメントは、その閉塞状態およびその非閉塞状態を有し、閉塞状態では、閉塞エレメントは血管を閉塞させ、非閉塞状態では、閉塞エレメントは、血管を閉塞させない、閉塞エレメントと、
血液ポンプであって、血液ポンプは、
閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から下流方向に血液を引き出すように、および
閉塞エレメントの下流側に流体連通している部位において、対象の血管系の中へ血液をポンピングするように、
構成されており、ポンプは、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持する様式で、血管の中へ血液をポンピングすることを実施するように構成されている、血液ポンプと
を含む、装置がさらに提供される。
【0224】
いくつかの適用例では、血液ポンプが、対象の血管系の中へ血液をポンピングする前に、血液の限外ろ過を実施するように構成されている。
【0225】
いくつかの適用例では、閉塞エレメントが、1週間未満にわたって血管の中に設置されるように構成されており、ポンプが、1週間未満にわたって血管系の中へ血液をポンピングするように構成されている。いくつかの適用例では、閉塞エレメントが、1週間以上にわたって血管の中に設置されるように構成されており、ポンプが、1週間未満にわたって血管系の中へ血液をポンピングするように構成されている。
【0226】
いくつかの適用例では、ポンプは、対象の血管系の中へポンピングされる血液の動圧が、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングすることによって、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持する様式で、対象の血管系の中へ血液をポンピングするように構成されている。
【0227】
いくつかの適用例では、閉塞エレメントが、バルブリーフレット有するバルブを含み、ポンプは、対象の血管系の中へポンピングされる血液が、バルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングすることによって、血液の動圧が、閉塞エレメントをその閉塞状態に維持するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングするように構成されている。
【0228】
いくつかの適用例では、
バルブリーフレットの上流側にかかる血圧が、バルブリーフレットの下流側にかかる圧力を超えていることに応答して、血液が、バルブリーフレットの先端部と血管の内側壁部との間で順行性方向に流れるように、および、
バルブリーフレットの下流側にかかる血圧が、バルブリーフレットの上流側にかかる圧力を超えていることに応答して、バルブリーフレットの先端部が血管の内側壁部に接触していることによって、バルブが閉じるように、
バルブが構成されている。
【0229】
いくつかの適用例では、対象の血管系の中へポンピングされる血液がバルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、対象の血管系の中へ血液をポンピングすることによって、ポンプは、バルブリーフレットをフラッシングすることによって、バルブリーフレットにおける血栓を低減させるように構成されている。
【0230】
いくつかの適用例では、装置が、抗凝固剤とともに使用するためのものであり、ポンプは、抗凝固剤がバルブリーフレットに直接的に衝突するように、対象の血管系の中へポンピングされる血液とともに、対象の血管系の中へ抗凝固剤をポンピングするように構成されている。
【0231】
いくつかの適用例では、装置が、バルーンをさらに含み、バルーンは、膨張させられることによって、バルブリーフレットの一部分を、血管の壁部に接触している状態に維持するように構成されている。
【0232】
いくつかの適用例では、装置が、スリットチューブをさらに含み、スリットチューブは、血管の中へ挿入されように構成されており、スリットチューブは、スリット同士の間のスリットチューブの一部分が半径方向外向きに拡張させられることによって、バルブリーフレットの一部分を、血管の壁部に接触している状態に維持するように構成されている。
【0233】
いくつかの適用例では、血液ポンプが、バルブに連結されるように構成されており、血液ポンプは、出口孔部を含み、出口孔部を介して、血液は、対象の血管系の中へポンピングされ、血液ポンプがバルブに連結されているときに、出口孔部がバルブリーフレットの下流側に向けて血液を方向付けするように、出口孔部が形状付けされている。
【0234】
いくつかの適用例では、血液ポンプが、バルブに連結されるように構成されており、血液ポンプは、血液ポンプカテーテルを含み、血液ポンプカテーテルは、それからの半径方向突出部を画定しており、半径方向突出部は、カテーテルの遠位端部に向けて凹形に湾曲しており、半径方向突出部は、血液ポンプがバルブに連結されているときに、半径方向突出部が、血管系の中へポンピングされる血液をバルブリーフレットに向けて方向付けするように構成されている。
【0235】
いくつかの適用例では、血液ポンプが、バルブに連結されるように構成されており、血液ポンプは、出口孔部を含み、出口孔部を介して、血液が対象の血管系の中へポンピングされ、出口孔部は、血液ポンプの上に配設されており、血液ポンプがバルブに連結されているときに、孔部が、バルブリーフレットのベースに隣接して配設されるようになっている。
【0236】
いくつかの適用例では、出口孔部が、血液ポンプの上に配設されており、血液ポンプが、バルブに連結されているときに、出口孔部が、バルブリーフレットの長さに沿って、リーフレットの先端部とリーフレットのベースとの中間以下にある場所に隣接して配設されるようになっている。
【0237】
本発明のいくつかの適用例によれば、対象の血管とともに使用するための装置であって、装置は、
血液ポンプであって、血液ポンプは、血管を通してポンプの中へ下流方向に血液を引き出すように構成されている、血液ポンプと、
その剛体部分を含むバルブであって、剛体部分は、バルブを血管に連結するように構成されており、バルブは、血液ポンプの遠位部分に連結されるように、および、血液がバルブを逆行性方向に通過して流れることを防止するように構成されている、バルブと
を含む、装置がさらに提供される。
【0238】
いくつかの適用例では、バルブが、柔軟性のあるバルブリーフレットをさらに含み、バルブリーフレットは、バルブの剛体部分に連結されている。
本発明のいくつかの適用例によれば、
バルブリーフレットを画定する人工バルブを提供するステップと、
バルブリーフレットの上流側にかかる血圧が、バルブリーフレットの下流側にかかる圧力を超えていることに応答して、血液が、バルブリーフレットの先端部と血管の内側壁部との間で順行性方向に流れるように、および、
バルブリーフレットの下流側にかかる血圧が、バルブリーフレットの上流側にかかる圧力を超えていることに応答して、バルブリーフレットの先端部が血管の内側壁部に接触していることによって、バルブが閉じるように、
血管の中にバルブを設置するステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0239】
本発明のいくつかの適用例によれば、柔軟性のあるバルブリーフレットおよび剛体バルブフレームを含む人工バルブを含む装置であって、バルブリーフレットは、
バルブリーフレットの第1の側部にかかる圧力が、バルブリーフレットの第2の側部にかかる圧力を超えていることに応答して、バルブリーフレットの先端部が剛体フレームから分離することによって、リーフレットが開くように、および、
バルブリーフレットの第2の側部にかかる血圧が、バルブリーフレットの第1の側部にかかる圧力を超えていることに応答して、リーフレットの先端部が剛体フレームに接触することによって、バルブが閉じるように、
バルブフレームに連結されている、装置がさらに提供される。
【0240】
本発明のいくつかの適用例によれば、血液ポンプを含む装置であって、血液ポンプは、
チューブと、
チューブの近位端部および遠位端部にそれぞれ配設されている第1および第2の一方向バルブと、
膜であって、膜は、チューブの内側に連結されており、バルブに流体連通している第1のコンパートメント、および、バルブに流体連通していない第2のコンパートメントへと、チューブを区切るようになっている、膜と、
チューブに対して膜を移動させることによって、第1のコンパートメントのサイズを増加させ、その後に減少させることによって、チューブを通して流体をポンピングするように構成されているポンピングメカニズムと
を含む、装置が追加的に提供される。
【0241】
いくつかの適用例では、チューブが、ステントと、ステントの上に配設されている材料とを含む。
【0242】
いくつかの適用例では、閉塞エレメントが、1週間未満にわたって血管の中に設置されるように構成されている。
【0243】
いくつかの適用例では、バルブの1つが、チューブから血管の中への血液のバックフローを防止するように構成されており、バルブの第2のものが、血管からチューブの中への血液のバックフローを防止するように構成されている。
【0244】
いくつかの適用例では、血液ポンプが、対象の腎静脈の中に設置されるように、および、腎静脈から対象の大静脈へ下流方向に血液をポンピングするように構成されている。
【0245】
いくつかの適用例では、血液ポンプが、大静脈から腎静脈への血液のバックフローを閉塞させるように構成されている。
【0246】
本発明のいくつかの適用例によれば、
チューブを対象の血管の内側壁部に連結するステップであって、
第1および第2の一方向バルブが、チューブの近位端部および遠位端部にそれぞれ配設されており、
膜が、チューブの内側に連結されており、バルブに流体連通している第1のコンパートメント、および、バルブに流体連通していない第2のコンパートメントへと、チューブを区切るようになっている、ステップと、
チューブに対して膜を移動させることによって、第1のコンパートメントのサイズを増加させ、その後に減少させることによって、チューブを通して血液をポンピングするように、ポンピングメカニズムを動作させるステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0247】
いくつかの適用例では、チューブが、ステントと、ステントの上に配設されている材料とを含み、チューブを血管の内側壁部に連結するステップは、ステントおよび材料を血管の内側壁部に連結するステップを含む。
【0248】
いくつかの適用例では、チューブを血管の内側壁部に連結するステップは、1週間未満にわたってチューブを血管の内側壁部に連結するステップを含む。
【0249】
いくつかの適用例では、ポンピングメカニズムを動作させるステップは、バルブの1つが、チューブから血管の中への血液のバックフローを防止するように、および、バルブの第2のものが、血管からチューブの中への血液のバックフローを防止するように、ポンピングメカニズムを動作させるステップを含む。
【0250】
いくつかの適用例では、チューブを血管の内側壁部に連結するステップは、チューブを対象の腎静脈の内側壁部に連結するステップを含み、ポンピングメカニズムを動作させるステップは、腎静脈から対象の大静脈へ下流方向に血液をポンピングするステップを含む。
【0251】
いくつかの適用例では、チューブを腎静脈の内側壁部に連結するステップは、大静脈から腎静脈への血液のバックフローを閉塞させるステップを含む。
【0252】
いくつかの適用例では、方法が、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として対象を認定するステップをさらに含み、ポンプを動作させるステップは、状態を患うものとして対象を認定するステップに応答して、腎静脈から大静脈へ下流方向に血液をポンピングするようにポンプを動作させることによって、対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む。
【0253】
本発明のいくつかの適用例によれば、
第1の静脈を通して下流方向に血液をポンピングするように血液ポンプを動作させるステップであって、第1の静脈は、第2の静脈の支流であり、第2の静脈との接合部を形成している、ステップと、
第2の静脈の中に配設される入口部カバー用の傘によって、接合部における入口部(ostium)をカバーすることによって、第2の静脈から第1の静脈への血液のバックフローを防止するステップと
を含む、方法がさらに提供される。
【0254】
いくつかの適用例では、血液ポンプを動作させるステップは、ポンピングされる血液に限外ろ過を実施するステップを含む。
【0255】
いくつかの適用例では、入口部カバー用の傘が、開いた構成になっているときに、6mmよりも大きい直径を有する入口部カバー用の傘を含み、入口部を傘によってカバーするステップは、6mmよりも大きい直径を有する傘によって入口部をカバーするステップを含む。
【0256】
いくつかの適用例では、血液ポンプを動作させるステップは、入口部カバー用の傘が、入口部を取り囲む第2の静脈の壁部に対してシールされることを引き起こすステップを含む。
【0257】
いくつかの適用例では、第1の静脈が、対象の腎静脈を含み、第2の静脈が、対象の大静脈を含み、下流方向に血液をポンピングするステップは、腎静脈から大静脈に向けて下流方向に血液をポンピングするステップを含む。
【0258】
いくつかの適用例では、第2の静脈から第1の静脈への血液のバックフローを防止するステップは、大静脈から腎静脈への血液のバックフローを防止するステップを含む。
【0259】
いくつかの適用例では、方法が、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として対象を認定するステップをさらに含み、ポンプを動作させるステップは、状態を患うものとして対象を認定するステップに応答して、腎静脈から大静脈へ下流方向に血液をポンピングするようにポンプを動作させることによって、対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む。
【0260】
本発明のいくつかの適用例によれば、対象の第1の静脈とともに使用するための装置であって、第1の静脈は、第2の静脈の支流であり、第2の静脈との接合部を形成しており、装置は、
第1の静脈の中に設置されるように構成されているカテーテルであって、カテーテルの遠位端部は、第1の静脈を通してカテーテルの中へ下流方向に血液をポンピングするように構成されている、カテーテルと、
入口部カバー用の傘であって、入口部カバー用の傘は、カテーテルの外側の周りに配設され、接合部において第2の静脈の中に設置されるように構成されており、入口部閉塞用の傘が、第2の静脈の中の場所から接合部における入口部をカバーすることによって、傘が、第2の静脈から第1の静脈への血液のバックフローを防止するようになっている、入口部カバー用の傘と
を含む、装置がさらに提供される。
【0261】
いくつかの適用例では、血液をポンピングすることによって、入口部カバー用の傘が、入口部を取り囲む第2の静脈の壁部に対してシールされることを引き起こすように、カテーテルが構成されている。
【0262】
いくつかの適用例では、入口部カバー用の傘が、開いた構成になっているときに、6mmよりも大きい直径を有している。
【0263】
いくつかの適用例では、第1の静脈が、対象の腎静脈を含み、第2の静脈が、対象の大静脈を含み、カテーテルは、腎静脈から下流方向に血液をポンピングすることによって、血液をポンピングするように構成されている。
【0264】
いくつかの適用例では、入口部閉塞用の傘が、大静脈の中の場所から、腎静脈および大静脈の接合部における入口部をカバーすることによって、入口部カバー用の傘は、大静脈から腎静脈への血液のバックフローを防止するように構成されている。
【0265】
本発明のいくつかの適用例によれば、
カテーテルと、
カテーテルの遠位端部の中へ流体を吸い込むように構成されているポンピングメカニズムと、
カテーテルの外側の周りに配設される入口部カバー用の傘であって、傘は、その開いた構成になっているときに少なくとも6mmの直径を有している、入口部カバー用の傘と
を含む、装置がさらに提供される。
【0266】
いくつかの適用例では、入口部カバー用の傘の直径が、10mmから20mmの間である。いくつかの適用例では、入口部カバー用の傘の直径が、15mmから25mmの間である。
【0267】
本発明のいくつかの適用例によれば、血管の中のフローを測定するための方法であって、方法は、
閉塞エレメントによって血管を閉塞させるステップと、
閉塞エレメントの上流側から閉塞エレメントの下流側へ血液をポンピングするステップと、
閉塞エレメントの上流側および下流側の血圧を測定するステップと、
閉塞エレメントの下流側の圧力が、閉塞エレメントの上流側の圧力に等しくなるように、ポンピングを調節するステップと、
閉塞エレメントの下流側の圧力が、閉塞エレメントの上流側の圧力に等しいときに、ポンプを通る血液の流量を測定するステップと、
測定された流量をベースライン流量として指定するステップと、
その後に、ベースライン流量と比較して、ポンプを通る血液の流量を測定するステップと
を含む、方法が追加的に提供される。
【0268】
いくつかの適用例では、方法が、ベースライン流量を指定するステップに応答して、対象の血管抵抗のベースライン測定値を指定するステップと、その後に、ベースライン血管抵抗と比較して、対象の血管抵抗を測定するステップとをさらに含む。
【0269】
本発明は、図面を基にして、その実施形態の以下の詳細な説明からより完全に理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0270】
図1図1Aは、心臓拡張期の間の健康な対象の右の心臓の概略図である。図1Bは、心臓収縮期の間の健康な対象の右の心臓の概略図である。図1Cは、対象のECGサイクルに関して、健康な対象の中心静脈流速プロファイルおよび中心静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットを示す図である。
図2図2Aは、心臓拡張期の間の、鬱血性心不全を患う対象の右の心臓の概略図である。図2Bは、心臓収縮期の間の、鬱血性心不全を患う対象の右の心臓の概略図である。図2Cは、対象のECGサイクルに関して、鬱血性心不全を患う対象の中心静脈流速プロファイルおよび中心静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットを示す図である。
図3図3Aは、鬱血性心不全を患う対象の腎臓に向かって逆流する血液の概略図である。図3Bは、対象のECGサイクルに関して、鬱血性心不全を患う対象の中心静脈流速プロファイルおよび腎静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットを示す図である。
図4図4Aは、本発明のいくつかの適用例による、鬱血性心不全を患う対象の左腎静脈および右腎静脈の中に設置されているポンプおよび閉塞エレメントの概略図である。図4Bは、本発明のいくつかの適用例による、対象の左腎静脈および右腎静脈の中に血液ポンプを設置することに続いて、対象のECGサイクルに関して、鬱血性心不全を患う対象の中心静脈流速プロファイルおよび腎静脈圧力プロファイルと血液ポンプの動作を示すグラフのセットを示す図である。
図5A】本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプカテーテルの周りに配設されている反転バルブ(inverted valve)の概略図である。
図5B】本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプカテーテルの周りに配設されている反転バルブの概略図である。
図5C】本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプカテーテルの周りに配設されている反転バルブの概略図である。
図5D】本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプカテーテルの周りに配設されている反転バルブの概略図である。
図6A】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図6B】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図6C】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図6D】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図6E】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図6F】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図6G】本発明のいくつかの適用例による、反転バルブとともに使用されている血液ポンプカテーテルの構成の概略図である。
図7図7Aは、本発明のいくつかの適用例による、腎静脈の中に設置される血液ポンプカテーテルおよび非反転バルブの概略図であり、非反転バルブが、その閉状態にあるときを示す図である。図7Bは、本発明のいくつかの適用例による、腎静脈の中に設置される血液ポンプカテーテルおよび非反転バルブの概略図であり、非反転バルブが、その開状態にあるときを示す図である。
図8図8Aは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのそれぞれの視点による概略図である。図8Bは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのそれぞれの視点による概略図である。
図9図9Aは、本発明のいくつかの適用例による、図8A図8Bの血液ポンプの動作のサイクルの段階の概略図である。図9Bは、本発明のいくつかの適用例による、図8A図8Bの血液ポンプの動作のサイクルの段階の概略図である。図9Cは、本発明のいくつかの適用例による、図8A図8Bの血液ポンプの動作のサイクルの段階の概略図である。図9Dは、本発明のいくつかの適用例による、図8A図8Bの血液ポンプの動作のサイクルの段階の概略図である。
図10A】本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているスリーブの概略図である。
図10B】本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているスリーブの概略図である。
図10C】本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているスリーブの概略図である。
図10D】本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているスリーブの概略図である。
図10E】本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているらせん状支持エレメントを使用して、大静脈に連結されているスリーブの概略図である。
図10F】本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているらせん状支持エレメントを使用して、大静脈に連結されているスリーブの概略図である。
図10G】本発明のいくつかの適用例による、らせん状の血液ポンプカテーテルに連結されているスリーブの概略図であり、スリーブおよび血液ポンプカテーテルが、対象の大静脈から対象の腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されていることを示す図である。
図11図11Aは、本発明のいくつかの適用例による、対象の腎静脈の中に設置されている血液ポンプカテーテルの概略図であり、カテーテルの外側の周りに配設されている入口部カバー用の傘が、対象の大静脈と腎静脈との間の接合部において、入口部をカバーするようになっていることを示す図である。図11Bは、本発明のいくつかの適用例による、対象の腎静脈の中に設置されている血液ポンプカテーテルの概略図であり、カテーテルの外側の周りに配設されている入口部カバー用の傘が、対象の大静脈と腎静脈との間の接合部において、入口部をカバーするようになっていることを示す図である。図11Cは、本発明のいくつかの適用例による、対象の腎静脈の中に設置されている血液ポンプカテーテルの概略図であり、カテーテルの外側の周りに配設されている入口部カバー用の傘が、対象の大静脈と腎静脈との間の接合部において、入口部をカバーするようになっていることを示す図である。
図12Ai】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なケージの内側に配設されているインペラーを含む血液ポンプの概略図である。
図12Aii】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なケージの内側に配設されているインペラーを含む血液ポンプの概略図である。
図12B】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なケージの内側に配設されているインペラーを含む血液ポンプの概略図である。
図12C】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なケージの内側に配設されているインペラーを含む血液ポンプの概略図である。
図12D】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なケージの内側に配設されているインペラーを含む血液ポンプの概略図である。
図12E】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なケージの内側に配設されているインペラーを含む血液ポンプの概略図である。
図13図13Aは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのためのインペラーの製造の方法の段階の概略図である。図13Bは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのためのインペラーの製造の方法の段階の概略図である。図13Cは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのためのインペラーの製造の方法の段階の概略図である。図13Dは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのためのインペラーの製造の方法の段階の概略図である。
図14図14Aは、本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームの一部分の周りに結合された縫合糸の概略図である。図14Bは、本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームの一部分の周りに結合された縫合糸の概略図である。
図15】本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのためのインペラーの概略図である。
図16図16Aは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのための3つのブレード付きのインペラーの概略図である。図16Bは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプのための3つのブレード付きのインペラーの概略図である。
図17】本発明のいくつかの適用例による、インペラーベースの血液ポンプとともに使用するための半径方向に拡張可能なケージの概略図である。
図18Ai】本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームのそれぞれの視点によるおよび/またはそれぞれの構成による概略図である。
図18Aii】本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームのそれぞれの視点によるおよび/またはそれぞれの構成による概略図である。
図18Aiii】本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームのそれぞれの視点によるおよび/またはそれぞれの構成による概略図である。
図18Bi】本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームのそれぞれの視点によるおよび/またはそれぞれの構成による概略図であり、図18B1のインペラーフレームは、図18Aiに示されているインペラーフレームのものよりも大きい横断面積に広がるブレードを画定するように構成されていることを示す図である。
図18Bii】本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームのそれぞれの視点によるおよび/またはそれぞれの構成による概略図であり、図18Biiのインペラーフレームは、図18Aiiに示されているインペラーフレームのものよりも大きい横断面積に広がるブレードを画定するように構成されていることを示す図である。
図18Biii】本発明のいくつかの適用例による、インペラーのフレームのそれぞれの視点によるおよび/またはそれぞれの構成による概略図であり、図18Biiiのインペラーフレームは、図18Aiiiに示されているインペラーフレームのものよりも大きい横断面積に広がるブレードを画定するように構成されていることを示す図である。
図18C】本発明のいくつかの適用例による、その波状部分を有している支柱を含む、半径方向に拡張可能なケージの概略図である。
図18D】本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張させられたケージの端面図の概略図である。
図19A】本発明のいくつかの適用例による、ケージに加えられている任意の力がない場合は、概して円筒形状の中央部分を画定するように形状付けされているインペラーケージの概略図である。
図19B】本発明のいくつかの適用例による、ケージに加えられている任意の力がない場合は、概して円筒形状の中央部分を画定するように形状付けされているインペラーケージの概略図である。
図20】本発明のいくつかの適用例によるインペラーケージの概略図であり、インペラーケージは、血管の内側に設置されるように構成されており、血管の一部分の直径が、インペラーケージがない場合の血管の一部分の直径と比較して、拡張させられることを引き起こすようになっていることを示す図である。
図21A】本発明のいくつかの適用例による、対象の大腿静脈を介して、対象の左腎静脈および右腎静脈の中へ挿入されているインペラーベースの血液ポンプの概略図である。
図21B】本発明のいくつかの適用例による、対象の鎖骨下静脈を介して、対象の左腎静脈および右腎静脈の中へ挿入されているインペラーベースの血液ポンプの概略図である。
図22Ai】本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー、および、サーマル式流量センサーを格納するハウジングの概略図である。
図22Aii】本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー、および、サーマル式流量センサーを格納するハウジングの概略図である。
図22Bi】本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー、および、サーマル式流量センサーを格納するハウジングの概略図である。
図22Bii】本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー、および、サーマル式流量センサーを格納するハウジングの概略図である。
図22Ci】本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー、および、サーマル式流量センサーを格納するハウジングの概略図である。
図22Cii】本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー、および、サーマル式流量センサーを格納するハウジングの概略図である。
図23】本発明のいくつかの適用例による、インペラーベースの血液ポンプを使用して、豚に実施された実験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0271】
ここで、図1A図1Bを参照すると、図1A図1Bは、それぞれ、心臓拡張期および心臓収縮期の間の健康な対象の心臓の概略図である。図1Aに示されているように、心臓拡張期の間に、血液は、対象の右心房(RA)20から対象の右心室(RV)22へ流れる。図1Bに示されているように、心臓収縮期の間に、右心室が対象の肺に向けて血液をポンピングするときに、右心房から右心室を分離している三尖弁24が閉まる。心臓収縮期の右心室の長軸収縮の間に、右心房は、大静脈26からの血液で充填され、右心房は、右心房の中へ血液を引き込むように拡張する。
【0272】
図1Cは、対象のECGサイクルに関して、健康な対象の中心静脈流速プロファイルおよび中心静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットである。流速プロファイルは、二相性の前方へのフローによって特徴付けられており、心臓収縮期の間のフローは、心臓拡張期の間のフローよりも大きい。典型的に、心房収縮の間に、小さい量のリバースフローARが存在している。中心静脈圧力プロファイルは、心臓周期の持続時間にわたり、比較的に低い圧力によって特徴付けられており、A波(すなわち、心房収縮の間の圧力)は、典型的に、V波(すなわち、心臓収縮期の間の圧力)よりも大きくなっている。
【0273】
ここで図2A図2Bを参照すると、図2A図2Bは、それぞれ、心臓拡張期および心臓収縮期の間の、鬱血性心不全を患う対象の心臓の概略図である。図2Aに示されているように、健康な心臓と同様に、心臓拡張期の間に、血液は、対象の右心房20から対象の右心室22へ流れる。図2Bに示されているように、心臓収縮期の間に、右心房圧が高過ぎることに起因して、対象の右心房を充填することが早めに切り上げられ、高い心房圧が大静脈に伝達されるので、大静脈26の中に圧力の増加が存在することを引き起こす。場合によっては(たとえば、非常に高い右心房圧、三尖弁逆流、または心房細動の場合)、右心房を充填することが早めに切り上げられることに起因して、右心房から大静脈26の中へ、および/または大静脈の支流の中へ、血液の逆行性フローが存在する可能性がある。
【0274】
図2Cは、対象のECGサイクルに関して、鬱血性心不全を患う対象の中心静脈流速プロファイルおよび中心静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットである。流速プロファイルは、逆行性フローARが心臓拡張期の終わりに増加されていることによって、および、心臓収縮期の間の順行性フローが心臓拡張期のものよりも小さいことによって、特徴付けられている。たとえば、対象によっては、心臓収縮期の間に、ゼロフロー、またはリバースフローが存在する。中心静脈圧力プロファイルは、心臓周期の持続時間にわたり、比較的に高い圧力によって特徴付けられており、V波は、健康な心臓のV波に対してとりわけ高くなっており、また、対象のA波に対してとりわけ高くなっている。
【0275】
ここで図3Aを参照すると、図3Aは、対象の左腎静脈および右腎静脈32を介して、鬱血性心不全を患う対象の腎臓30に向かって逆流する血液の概略図である。図3Bは、対象のECGサイクルに関して、鬱血性心不全を患う対象の中心静脈流速プロファイルおよび腎静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットである。図3Bに示されている圧力プロファイルが、腎静脈の圧力プロファイルであり、一方、図2Cに示されている圧力プロファイルは、中心静脈圧力プロファイルであるということ以外は、図3Bに示されているグラフは、図2Cに示されているグラフと同じであるということが留意される。示されているように、典型的に、(本発明のいくつかの適用例に従って実施されるような)腎静脈の中に設置されているデバイスがない場合は、および、腎静脈が中心静脈系と同じ高さにあると仮定すると、腎静脈圧力プロファイルは、中心静脈圧力プロファイルと同一である。腎静脈圧力プロファイルは、心臓周期の持続時間にわたり、比較的に高い圧力によって特徴付けられており、V波は、健康な心臓のV波に対してとりわけ高くなっている。
【0276】
ここで図4Aを参照すると、図4Aは、本発明のいくつかの適用例による、鬱血性心不全を患う対象の左腎静脈および右腎静脈32の中に設置されている血液ポンプ34および閉塞エレメント36の概略図である。心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の急性治療を提供するために、ポンプおよび閉塞エレメントは、典型的に、対象の腎静脈の内側に設置されている。たとえば、ポンプおよび閉塞エレメントは、1時間を超える(たとえば、1日を超える)期間、1週間未満(たとえば、4日未満)の期間、および/または、1時間から1週間の間(たとえば、1日から4日の間)の期間にわたり、対象の腎静脈の内側に設置され得る。いくつかの適用例では、心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の長期治療を提供するために、ポンプおよび閉塞エレメントは、対象の腎静脈の内側に長期的に設置されている。いくつかの適用例では、一連の治療が、数週間、数カ月、または数年にわたって対象に適用され、一連の治療において、ポンプおよび閉塞エレメントは、対象の腎静脈の内側に間欠的に設置され、対象は、本明細書で説明されている技法に従って間欠的に治療される。たとえば、対象は、数日、数週間、または数カ月の間隔で間欠的に治療され得る。
【0277】
閉塞エレメントは、閉塞部位において、腎静脈を閉塞させるように構成されている。ポンプは、閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から、閉塞エレメントの下流側に流体連通している部位へ、下流方向に血液をポンピングするように構成されている。そうする際に、ポンプは、腎静脈の中の圧力を低減させる。閉塞エレメントは、大静脈から腎静脈への血液のバックフローから腎静脈を保護するように構成されている。
【0278】
典型的に、下流方向への血液のポンピングによって引き起こされる腎静脈の中の圧力の低減に起因して、腎臓のかん流が増加する。そして、これは、腎静脈の中への増加した血液フローに起因して、腎静脈の中の圧力が、ポンピングの始動の直後の腎静脈の中の圧力に対して上昇することを引き起こすことが可能である。典型的に、腎臓のかん流が増加した後でも、ポンプは、腎静脈の中の圧力を、ポンピングの始動の前の腎静脈の中の圧力よりも低い値に維持するように構成されている。いくつかの適用例では、対象の腎静脈圧力を低下させること、および/または、対象の腎臓のかん流を増加させることに加えて、血液ポンプは、対象の血液に対して限外ろ過を実施する。
【0279】
いくつかの適用例では、下流方向に血液をポンピングすることによって引き起こされる腎静脈の中の圧力の低減に起因して、たとえば、Haddyらによる「Effect of elevation of intraluminal pressure on renal vascular resistance」(Circulation Research,1956)という表題の記事の中に説明されている生理学的なメカニズムに従って、対象の腎血管抵抗が減少するということが留意され、その記事は、参照により本明細書に組み込まれている。対象の腎動脈の中の血圧を増加させることによって、腎かん流を増加させる対象の治療は、典型的に、上述の生理学的なメカニズムをもたらすこととならないということがさらに留意される。
【0280】
典型的に、本明細書で説明されているような血液ポンプが、対象の腎静脈の中の圧力を低減させるために使用されるとき、腎静脈圧力の低減に起因して、対象への利尿薬の投与に対する対象の反応性の改善が存在することとなるということが期待される。したがって、いくつかの適用例では、本明細書で説明されている技法を実施しない場合に対象に投与されることとなる利尿薬の投薬量と比較して、低減された利尿薬の投薬量が、対象に投与され得る。代替的に、利尿薬の普通の投薬量が対象に投与され得るが、腎静脈圧力の低減に起因して、利尿薬は、対象に対して、より大きい効果を有することが可能である。
【0281】
高い中心静脈圧力は、心臓の中の高レベルの血圧につながり、そして、それは、対象による、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)の放出につながり、その両方が、自然の利尿薬としての役割を果たす。典型的に、本明細書で説明されているような血液ポンプが、対象の腎静脈の中の圧力を低減させるために使用されるときには、腎静脈圧力の低減に起因して、対象による自然の利尿薬の放出に対する対象の反応性の改善が存在することが期待される。いくつかの適用例では、本明細書で説明されている血液ポンプを使用して、対象の中心静脈圧力は低下させられないので、本明細書で説明されている血液ポンプの使用によって対象の腎静脈圧力が低減されている間でも、対象は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)を放出し続けるということが期待される。したがって、いくつかの適用例では、本明細書で説明されている血液ポンプを使用することは、対象が、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)を放出し続けるということを結果として生じさせることが可能であり、また、上述の自然の利尿薬の有効性が、血液ポンプの使用がない場合の利尿薬の有効性よりも大きくなることを結果として生じさせる。
【0282】
いくつかの適用例では、圧力センサーおよび/または流量センサーが、カテーテルの遠位端部に配設されており、ポンプによって腎静脈に加えられる吸い込み圧力が、圧力センサーおよび/または流量センサーからのフィードバックに応答して調節される。たとえば、第1の圧力センサー35が、より腎臓に近い閉塞エレメントの側に配設され得、第2の圧力センサー37が、より大静脈に近い閉塞エレメントの側に配設され得る。ポンプのポンピングが始動させられるときに、ポンピングの流量が調節され(たとえば、自動的に調節されるか、または手動で調節され)、第1のセンサーによって測定される圧力(それは、腎静脈の中の圧力を示す)が、第2のセンサーによって測定される圧力(それは、中心静脈圧力を示す)に等しくなることを引き起こすようになっている。第1のセンサーによって測定される圧力が、第2のセンサーによって測定される圧力に等しいときに、ポンプ制御ユニットは、ポンピングの流量が、対象の腎静脈から対象の大静脈への自然のままの血液流量を示していると解釈する。その理由は、閉塞エレメントが腎静脈の中へ挿入される前には、腎静脈圧力は、中心静脈圧力に等しかったからである。いくつかの適用例では、ポンプ制御ユニットは、上述の測定される流量をベースライン流量として指定する。その後に、ポンプが動かされ、中心静脈圧力に対して腎静脈の中の圧力を低下させるときに、ポンプ制御ユニットは、指定されたベースライン流量と比較して、ポンピングされる血液の流量を測定する。
【0283】
いくつかの適用例では、第3のセンサー(たとえば、非侵襲性の血圧センサー、または侵襲性の血圧センサー)が、対象の動脈血圧を測定するために使用される。上記に説明されているように、ポンプのポンピングが始動させられるときに、ポンピングの流量が調節され、第1のセンサーによって測定される圧力が、第2のセンサーによって測定される圧力に等しくなることを引き起こすようになっている。第1のセンサーによって測定される圧力が、第2のセンサーによって測定される圧力に等しいときに、ポンプ制御ユニットは、測定される動脈圧力と静脈圧力との間の差を測定することによって、および、その差をベースライン流量によって割ることによって、対象の腎血管抵抗のベースライン測定値を決定する。その後に、ポンプが動かされ、中心静脈圧力に対して腎静脈の中の圧力を低下させるときに、ポンプ制御ユニットは、指定されたベースライン腎血管抵抗に対して、(測定される動脈圧力と静脈圧力との間の現在の差、および、現在の流量に基づいて、)現在の腎血管抵抗を測定する。
【0284】
図4Bは、対象の左腎静脈および右腎静脈32の中に血液ポンプ34および閉塞エレメント36を設置することに続いて、対象のECGサイクルに関して、鬱血性心不全を患う対象の中心静脈流速プロファイルおよび腎静脈圧力プロファイルを示すグラフのセットである。腎静脈圧力グラフは、オリジナルの静脈圧力プロファイルを点線の曲線として示しており、また、静脈の中へのポンプおよび閉塞エレメントの設置、ならびに、ポンプの動作に続く、腎静脈圧力を示す2つの曲線を示している。典型的に、静脈の中へのポンプおよび閉塞エレメントの設置、ならびに、ポンプの動作に続いて、静脈圧力曲線の高さは、オペレーターがポンプを介して腎静脈に適用するポンピングのレートに依存する。したがって、静脈の中へのポンプおよび閉塞エレメントの設置、ならびに、ポンプの動作に続く腎静脈圧力に関して、2つの曲線が示されている。示されているように、静脈の中へのポンプおよび閉塞エレメントの設置、ならびに、ポンプの動作は、典型的に、対象の中心静脈圧力が上昇したとしても、腎静脈圧力プロファイルを低下させることおよび平坦化させることを引き起こす。いくつかの適用例では、腎静脈圧力プロファイルは、完全には平坦化されていない。その理由は、対象の心臓周期の持続時間の全体を通して、ポンプが一定の吸い込み圧力を腎静脈に加えるが、血圧の周期的な小さな変化が、腎毛細血管系を介して腎静脈に伝達されるからである。代替的に、静脈の中へのポンプおよび閉塞エレメントの設置、ならびに、ポンプの動作に続いて、腎静脈圧力プロファイルは、平坦化させられる。
【0285】
ここで図5A図5Dを参照すると、図5A図5Dは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプカテーテル42の周りに配設されている反転バルブ40の概略図である。反転バルブ40は、図4A図4Bを参照して上記に説明されている閉塞エレメント36の例であり、血液ポンプカテーテル42は、図4A図4Bを参照して上記に説明されている血液ポンプ34の例である。
【0286】
反転バルブ40は、典型的に、剛体フレーム44を含み、剛体フレーム44は、反転バルブを腎静脈32にアンカー固定するように構成されている。(図5A図5Bでは、反転バルブ40は、左腎静脈の内側に示されているが、本発明の範囲は、反転バルブ40および血液ポンプカテーテル42を右腎静脈の中に設置することを含み、また、典型的によくあることであるが、反転バルブ40および血液ポンプカテーテル42を対象の腎静脈のそれぞれの中に設置することを含む。)また、反転バルブ40は、バルブリーフレット46を含む。バルブリーフレットの上流側の血圧がバルブリーフレットの下流側の圧力を超えていることに応答して、バルブリーフレットは、血管の壁部から分離させることによって、(および、典型的に、バルブの剛体フレームから分離させることによって、)開くように構成されており、血液が、バルブリーフレットの先端部と血管の内側壁部との間で、順行性方向に流れるようになっている。この意味で、反転バルブは、普通の血管バルブに対して反転させられており、そのリーフレットは、互いから分離するリーフレットの先端部によって開き、バルブリーフレットの上流側の血圧がバルブリーフレットの下流側の圧力を超えていることに応答して、リーフレット同士の間の血液フローを可能にするように構成されている。そのうえ、典型的な血管バルブは、血管の中に配設されており、バルブリーフレットが下流方向に互いに向かって収束するようになっているが、一方、図5A図5Bに示されているように、バルブ40のリーフレット46は、下流方向に互いから発散している。
【0287】
図5Aは、開状態の反転バルブを示しており、矢印48は、バルブリーフレットの先端部と腎静脈32の内側壁部との間の順行性方向の血液フローを示している。典型的に、反転バルブ40および血液ポンプカテーテル42が腎静脈の内側に設置されているとき、ならびに、血液ポンプカテーテルが動かされていないときには、バルブリーフレットは開くこととなり、リーフレット46の上流側に圧力を働かせる腎静脈の中の血圧に応答して、腎静脈から大静脈への血液フローを許容するようになっている。
【0288】
図5Bは、閉状態の反転バルブ40を示している。示されているように、バルブの閉状態において、バルブは、閉塞部位49において腎静脈の内側壁部に接触しているバルブリーフレット46の先端部によって、腎静脈から大静脈への血液フローを閉塞させる。いくつかの適用例では、バルブの閉塞状態において、バルブリーフレットの先端部は、バルブの剛体フレームの一部分と接触している。典型的に、バルブは、バルブリーフレットの下流側の血圧がバルブリーフレットの上流側の圧力を超えていることに応答して閉じる。カテーテル血液ポンプが動かされているとき、ポンプは、バルブの上流側に流体連通している部位から下流方向に血液を引き出し、大静脈の中の部位または腎静脈の中の部位などのような、バルブの下流側に流体連通している部位における静脈系の中へ血液をポンピングして戻す。たとえば、カテーテル血液ポンプは、入口孔部50を画定することが可能であり、入口孔部50は、バルブの上流側に流体連通しており、血液は、入口孔部50を通して、ポンプの中へポンピングされ、また、カテーテル血液ポンプは、出口孔部52をさらに画定することが可能であり、出口孔部52は、バルブの下流側に流体連通して配設されており、血液は、出口孔部52を通して、腎静脈または大静脈の中へポンピングされる。いくつかの適用例では、カテーテル血液ポンプは、インペラー54を使用して、血液をポンピングし、インペラー54は、示されているように、カテーテル血液ポンプによって画定されているルーメン56の内側に配設されている。
【0289】
いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテル42は、血液ポンプカテーテル42およびバルブ40が対象の身体の中へ挿入される前に、バルブ40のフレーム44に連結されている。ポンプは、バルブフレームに連結されており、腎静脈の内側に設置されているときに、入口孔部50が、バルブリーフレット46の上流側に流体連通しており、出口孔部52が、バルブの下流側に流体連通して配設されるようになっている。いくつかの適用例では、バルブ40および血液ポンプカテーテル42は、対象の腎静脈の中へ別々に挿入されている。たとえば、バルブが、腎静脈の中へ挿入され得、その後に、血液ポンプカテーテルが、バルブを通して挿入され得、血液ポンプカテーテルがバルブフレーム44に連結されるようになっている。代替的に、血液ポンプカテーテルが、腎静脈の中へ挿入され得、その後に、バルブが、血液ポンプカテーテルの上に、腎静脈の中へ挿入され得る。典型的に、血液ポンプカテーテルおよびバルブフレームは、カップリングメカニズムを画定しており、カップリングメカニズムは、血液ポンプカテーテルをバルブフレームに連結し、入口孔部50が、バルブリーフレット46の上流側に流体連通するようになっており、また、出口孔部52が、バルブの下流側に流体連通して配設されるようになっている。
【0290】
典型的に、血液ポンプカテーテル42は、反転バルブ40がその閉塞状態となることを引き起こす様式で、および/または、反転バルブ40をその閉塞状態に維持する様式で、腎静脈の中へ血液をポンピングするように構成されている。たとえば、出口孔部52から流出する血液がバルブリーフレット46の下流側に直接的に衝突し、それによって、リーフレットの先端部が、腎静脈の内側壁部と接触することになり、および/または、それを維持することを引き起こすような様式で、血液ポンプカテーテルは、出口孔部から血液をポンピングするように構成され得る。したがって、対象の血管系の中へポンピングされる血液の動圧は、リーフレットの先端部が腎静脈の内側壁部と接触することになり、および/または、それを維持することを引き起こす。いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテルは、たとえば、図6B図6Dを参照して本明細書で以下に説明されている本発明の適用例による、上述の様式で出口孔部から血液をポンピングするように構造的に構成されている。典型的に、バルブ40および血液ポンプカテーテル42は、血液ポンプカテーテル42が(たとえば、ポンプへの電力の喪失に起因して)不活性になることに応答して、バルブリーフレット46が開くこととなり、対象の腎静脈の中の血液によってバルブリーフレットの上流側に圧力が働かせられることに応答して、腎静脈から大静脈への血液フローを可能にするように構成されている。
【0291】
上記に説明されているように、いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテル42は、出口孔部52から流出する血液がバルブリーフレット46の下流側に直接的に衝突するような様式で、出口孔部から血液をポンピングするように構成されている。いくつかの適用例では、バルブリーフレットの下流側に対して直接的に血液をポンピングすることは、抗血栓効果を有しており、それは、血液がバルブリーフレットに対して直接的にポンピングされないとした場合と比較して、リーフレットに対してポンピングされる血液が、リーフレットをフラッシングし、バルブリーフレットの上の血栓の蓄積および/または組織成長を低減させることによるものである。代替的にまたは追加的に、血液ポンプカテーテルは、リーフレットに向けて直接的にポンピングされる血液とともに、リーフレットに向けて抗凝固剤を直接的にポンピングする。いくつかの適用例では、リーフレットに向けて抗凝固剤を直接的にポンピングすることによって、たとえば、抗凝固剤が対象に全身投与されたとした場合よりも高い投与量の抗凝固剤が、リーフレットに提供される。したがって、対象に投与される抗凝固剤の投与量は、抗凝固剤が対象に全身投与されたとした場合と比較して低下させられ得、および/または、抗凝固剤は、抗凝固剤が対象に全身投与されたとした場合と比較して、リーフレットにおける血栓および/または組織成長を低減させるのにより効果的であり得る。いくつかの適用例では、バルブリーフレットは、それを通して小さい孔部を画定しており、小さい孔部は、バルブリーフレットの上流側への抗凝固剤のフローを許容するように構成されている。
【0292】
図5A図5Bの説明によれば、したがって、反転バルブ40および血液ポンプカテーテル42の組み合わせは、(a)血液ポンプが不活性であるときには、腎静脈の中の血液によってバルブリーフレットの上流側に働かせられる圧力に応答して、反転バルブが開くように、および、(b)血液ポンプが活性であるときには、リーフレット46の下流側の腎静脈の中へ血液をポンピングすることが、バルブをその閉塞状態に維持するように、構成されている。
【0293】
図5C図5Dは、反転バルブ40および血液ポンプカテーテル42上流端部のそれぞれの視点による概略図であり、バルブが、それぞれ、その非閉塞状態および閉塞状態にあるときを示している。図5Cに示されているように、バルブがその非閉塞状態にあるときには、リーフレット46の先端部58は、バルブフレームから分離し、バルブリーフレットの先端部と血管(血管は示されていない)の内側壁部との間の血液フローを可能にするようになっている。いくつかの適用例では、バルブフレームの構造は、図5C図5Dに示されているものとは異なるということが留意される。たとえば、バルブフレームは、図5A図5Bに示されているような構造を有することが可能であり、バルブがその閉塞状態にあるときでも、リーフレットの先端部は、バルブフレームの一部分と直接的に接触しないが、血管の内側壁部と接触するようになっている。
【0294】
ここで図6A図6Gを参照すると、図6A図6Gは、本発明のいくつかの適用例による、反転バルブ40とともに使用されている血液ポンプカテーテル42の構成の概略図である。
【0295】
図6Aは、ポンプ制御ユニット60を示しており、ポンプ制御ユニット60は、血液ポンプカテーテル42のポンピングを制御するために使用されている。点線のボックス62は、本発明のそれぞれの適用例に従って、血液ポンプモーターの場所を示している。いくつかの適用例では、血液ポンプモーターは、ボックス62Aによって示されている場所に配設されており、ボックス62Aは、対象の身体の外側で、ポンプ制御ユニットの付近にある(たとえば、ポンプ制御ユニットと同じハウジングの中にある)。いくつかの適用例では、モーターが対象の身体の外側に配設されているということは、血液ポンプカテーテルに関して、モーターがカテーテルの内側に配設されたとした場合に必要とされることとなるよりも小さい直径のカテーテルの使用を可能にする。代替的に、血液ポンプモーターは、ボックス62Bによって示されている場所に配設されており、血液ポンプカテーテルの遠位端部が腎静脈32の内側に配設されているときに、モーターは大静脈の中に配設されるようになっている。いくつかの適用例では、大静脈の中に配設されているカテーテルの一部分の中にモーターが配設されているということは、腎静脈の内側に設置されているカテーテルの遠位部分が、モーターがカテーテルの遠位部分の内側に配設されたとした場合に必要とされることとなるものよりも小さくなることを可能にする。さらに代替的に、血液ポンプモーターは、ボックス62Cによって示されている場所に配設されており、ボックス62Cは、腎静脈の内側に設置されているカテーテルの遠位部分の中にある。いくつかの適用例では、血液ポンプモーターは、インペラー54の付近に(たとえば、ボックス62Cによって示されている場所に)配設されており、血液ポンプモーターがインペラー54からより大きい距離に配設されたとした場合と比較して、ポンプモーターが、インペラーに回転運動をより効率的に与えるようになっている。
【0296】
図6B図6Dは、血液ポンプカテーテル42の概略図であり、ポンプは、反転バルブ40をその閉塞状態に維持する様式で、出口孔部52から血液をポンピングするように構造的に構成されている。
【0297】
図6Bに示されているように、いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテルがバルブを通して設置され(たとえば、バルブに連結されている)、入口孔部50がバルブの上流側に流体連通して配設されているときに、出口孔部がバルブリーフレット46のベース64に隣接して配設されるように、出口孔部が位置付けされている。たとえば、ポンプの出口孔部は、バルブリーフレットの長さに沿って、リーフレットの先端部58とリーフレットのベース64との中間以下の場所に隣接して配設され得る。典型的に、バルブリーフレットに対する出口孔部の配設に起因して、出口孔部から流出する血液は、バルブリーフレット46の下流側部に対して流れ、それによって、リーフレットの先端部が、腎静脈の内側壁部との接触を維持することを引き起こし、すなわち、それによって、バルブを閉塞状態(すなわち、閉状態)に維持する。
【0298】
いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテルは、それからの半径方向突出部66を画定するように形状付けされており、半径方向突出部66は、図6Cに示されているように、カテーテルの遠位端部に向かって凹形に湾曲している。突出部66の湾曲および配設は、典型的に、カテーテルに連結されている突出部の第1の端部が、出口孔部52の近位に配設され、半径方向突出部のもう一方の端部が、出口孔部の遠位に配設されるようになっている。典型的に、出口孔部から流出する血液は、半径方向突出部66によって、バルブリーフレット46の下流側部に向けて方向付けされ、それによって、リーフレットの先端部が、腎静脈の内側壁部との接触を維持することを引き起こし、すなわち、それによって、バルブを閉塞状態(すなわち、閉状態)に維持する。
【0299】
いくつかの適用例では、出口孔部52は、孔部から遠位方向に(すなわち、カテーテルポンプの上流端部に向けて)血液を方向付けするように形状付けされている。たとえば、図6Dに示されているように、孔部を画定している表面68は、ポンプカテーテルの遠位端部に向かって湾曲していることが可能である。したがって、出口孔部から流出する血液は、バルブリーフレット46の下流側部に向けて方向付けされ、それによって、リーフレットの先端部が、腎静脈の内側壁部との接触を維持することを引き起こし、すなわち、それによって、バルブを閉塞状態(すなわち、閉状態)に維持する。
【0300】
図6E図6Gは、支持構造体を示しており、支持構造体は、フレーム40(たとえば、図5A図5Dに示されている)の代替例として、または、フレーム40に加えて、反転バルブ40を腎静脈の中に支持するために使用される。
【0301】
いくつかの適用例では、バルブ40は、3個式リーフレットバルブである。代替的に、バルブは、2個式リーフレットバルブであることが可能であり、または、4つ以上のリーフレットを有することが可能である。リーフレットは、バルブリーフレットの継ぎ目において、腎静脈と接触している状態に維持されている。バルブリーフレットの継ぎ目同士の間において、バルブが、バルブの閉塞状態にあるときには、バルブリーフレットの先端部は腎静脈壁部に接触しており、バルブが、バルブの非閉塞状態にあるときには、バルブリーフレットの先端部は、腎静脈壁部から離れており、バルブリーフレットと腎静脈壁部との間の血液フローを許容するようになっている。
【0302】
いくつかの適用例では(たとえば、図5A図5Dに示されている)、リーフレットは、バルブリーフレットの継ぎ目において、バルブフレーム48に連結されており、バルブフレームは、バルブリーフレットの継ぎ目を、腎静脈壁部と接触している状態に維持している。代替的にまたは追加的に、図6Eに示されているように、スリットチューブ72が、血液ポンプカテーテル42の上に前進させられている。チューブは、チューブの遠位端部がカテーテルの遠位端部に向けて押されているときに、スリット同士の間のチューブの一部分が半径方向外向きに拡張するように構成されている。半径方向に拡張させられたチューブの一部分は、バルブリーフレットの継ぎ目を、腎静脈壁部と接触している状態に維持するように構成されている。
【0303】
さらに代替的にまたは追加的に、星形形状の断面(たとえば、示されているように、3頂点の星形断面)を有するバルーン74が、バルブ40の内側に配設されている血液ポンプカテーテル42の一部分の周りに配設されている。バルーン74、血液ポンプカテーテル42、およびバルブ40のそれぞれの図が、図6F図6Gに示されている。いくつかの適用例では、バルーン74の3次元の形状は、バルーンがその膨張状態にあるときに、カランボラ(すなわち、スターフルーツ)の形状と同様である。典型的に、バルーンは、バルーンの断面の星形の頂点において、バルーンが、バルブリーフレットの継ぎ目を、腎静脈壁部と接触している状態に維持するように膨張させられる。
【0304】
上記に説明されているように、典型的に、反転バルブ40および血液ポンプカテーテル42は、対象に急性治療を適用するために使用される。たとえば、反転バルブおよび血液ポンプカテーテルは、1時間を超える(たとえば、1日を超える)期間、1週間未満(たとえば、4日未満)の期間、および/または1時間から1週間の間(たとえば、1日から4日の間)の期間にわたり、対象の腎静脈の内側に設置され得る。いくつかの適用例では、スリットチューブ72またはバルーン74を使用して、バルブ継ぎ目を、腎静脈壁部と接触している状態に維持することは、治療の終了に続いて、腎静脈からのバルブの除去を促進させる。たとえば、腎静脈からバルブを除去するために、スリットチューブが後退させられ得、半径方向に拡張させられたチューブの一部分が半径方向に縮小し、バルブリーフレットが、もはや腎静脈壁部と接触している状態に維持されなく、および/または、バルブリーフレットがもはや腎静脈壁部と接触している状態に維持されないようにバルーン74がしぼませられ得るようになっている。
【0305】
ここで図7A図7Bを参照すると、図7A図7Bは、血液ポンプカテーテル42および非反転バルブ80の概略図であり、非反転バルブが、本発明のいくつかの適用例に従って、それぞれ、その閉塞状態および非閉塞状態にあるときを示している。いくつかの適用例では、反転バルブを通して設置されていることの代替例として、血液ポンプカテーテル42は、図7A図7Bに示されているように、非反転バルブを通して挿入されている。非反転バルブ80は、図4A図4Bを参照して上記に説明されている閉塞エレメント36の例である。非反転バルブは、典型的に、剛体フレーム82およびバルブリーフレット84を含む。
【0306】
典型的に、血液ポンプカテーテル42は、バルブリーフレット84の上流側に流体連通している部位から、大静脈の中の部位または腎静脈の中の部位などのような、バルブリーフレットの下流側に流体連通している静脈系の部位へ、下流方向に血液をポンピングするために使用される。バルブ80は、バルブリーフレットの下流側の圧力がバルブリーフレットの上流側の圧力を超えていることに応答して、カテーテルに接触しているバルブリーフレットの先端部86によって、血液のバックフローを防止するように構成されている。バルブ80は、バルブリーフレットの上流側の圧力がバルブリーフレットの下流側の圧力を超えていることに応答して、カテーテルから分離しているリーフレットの先端部によって、バルブを横切る血液のフローを可能にし、それによって、血液が、リーフレットと血液ポンプカテーテルとの間で矢印88(図7A)の方向に流れることを可能にするようにさらに構成されている。
【0307】
いくつかの適用例では、初期には、バルブ(たとえば、図5A図5Dおよび図6A図6Gに示されているような反転バルブ、または、図7A図7Bに示されているような非反転バルブ)ならびにポンプの組み合わせが、対象を治療するために使用される。その後に(たとえば、1時間を超える期間、1週間未満の期間、および/または、1時間から1週間の間の期間の後に)、ポンプが、対象の腎静脈から除去され、バルブは、腎静脈の中の適切な場所に残される。ポンプがない場合でも、バルブは、対象の大静脈から対象の腎静脈の中への血液のバックフローを防止することによって、および、対象の腎静脈から対象の大静脈への血液のフローを許容することによって、バルブがない場合の対象の腎静脈の中の腎静脈圧力と比較して、対象の腎静脈の中の圧力を低減させるように構成されている。したがって、いくつかの適用例では、バルブが腎静脈の内側に残され、(バルブと組み合わせてポンプを使用する)対象の急性治療が終了した後でも、長期治療を対象に提供するようになっている。
【0308】
ここで図8A図8Bを参照すると、図8A図8Bは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプ90のそれぞれの視点による概略図である。ポンプ90は、図4A図4Bを参照して上記に説明されている閉塞エレメント36およびポンプ34の両方の例である。その理由は、ポンプ90は、対象の腎静脈の中に設置されているときに、腎静脈を閉塞させること、および、ポンプの上流側に流体連通している部位から、ポンプの下流側に流体連通している部位へ、下流に血液をポンピングすることの両方のために構成されているからである。
【0309】
ポンプ90は、外側チューブ92を含み、チューブの外側表面は、腎静脈の内側壁部に接触するように構成されている。典型的に、外側チューブ92は、材料(典型的に、血液不浸透性の材料)がその上に配設されているステントを含む。第1および第2の一方向バルブ94および96が、チューブのそれぞれの端部に配設されており、バルブは、単に、チューブの中へおよびチューブから、血液が下流方向に流れることを許容する。膜98が、チューブの内側に連結されており、膜が、チューブを第1のコンパートメント100および第2のコンパートメント102へ区切るようになっており、第1のコンパートメント100は、バルブに流体連通しており、第2のコンパートメント102は、バルブに流体連通していない。ポンピングメカニズム104、たとえば、電磁駆動式のポンピングメカニズムが、チューブに対して移動するように周期的に膜を駆動し、第1および第2のコンパートメントの相対的なサイズが変化するようになっている。
【0310】
ここで図9A図9Dを参照すると、図9A図9Dは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプ90の動作のサイクルのそれぞれの段階の概略図である。図9Aは、血液ポンプの動作のサイクルの中の任意の開始点における血液ポンプを示しており、その点において、バルブ94およびバルブ96の両方が閉じている。図9Aから図9Bへの移行、および図9Bから図9Cへの移行に示されているように、ポンプメカニズム104は、膜98が移動することを引き起こし、たとえば、第2のコンパートメントから出てくるポンピングメカニズムのポンピング流体(たとえば、空気または生理食塩水)によって、第1のコンパートメント100の体積が増加するようになっている。第1のコンパートメントの体積の増加は、第1のコンパートメントの内側の圧力が、第1のバルブ94の上流側の圧力に対して減少することを引き起こし、バルブ94が開き、血液が第1のコンパートメントの中へ引き込まれることを引き起こす。その後に、ポンピングメカニズムは、膜を移動させ、たとえば、図9Cから図9Dへの移行、および図9Dから図9Aへの移行に示されているように、第2のコンパートメントの中へのポンピング流体によって、第2のコンパートメントの体積を増加させるようになっている。膜の移動は、第1のコンパートメントの体積が減少し、第1のコンパートメントの中の圧力が増加することを引き起こす。第1のコンパートメントの中の圧力は、バルブ94が閉まることを引き起こし、また、バルブ96が開くことを引き起こし、第1のコンパートメントの内側にあった血液が、ポンプ90の下流側に流れることを引き起こす。
【0311】
ここで図10A図10Dを参照すると、図10A図10Dは、本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈26から対象の腎静脈32への血液フローを閉塞させるように構成されている血液不浸透性のスリーブ110の概略図である。典型的に、スリーブは、大静脈の中に設置されており、スリーブの下流端部112が、対象のすべての腎静脈(たとえば、2つの腎静脈を有する典型的な対象の中の左腎静脈および右腎静脈)の下流にある第1の場所114において、大静脈の壁部に連結されるようになっており、また、スリーブの上流端部116が、対象のすべての腎静脈の上流にある第2の場所118において、大静脈の壁部に連結されるようになっている。したがって、スリーブは、腎静脈の中の血液を、大静脈を通る血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離している。典型的に、剛体構造体、たとえば、示されているようなステント120は、スリーブの上流端部および下流端部を大静脈に連結するように構成されている。
【0312】
ポンプ122は、スリーブ110の外部にある場所から(すなわち、隔離されているコンパートメントから)、スリーブの内部に流体連通している場所(たとえば、スリーブの上流または下流の大静脈の中の場所)へ、血液をポンピングするように構成されている。したがって、ポンプは、対象の腎静脈から対象の大静脈の中へ、血液をポンピングする。スリーブは、大静脈から腎静脈の中への血液のバックフローを防止する。
【0313】
いくつかの適用例では、示されているように、ステント120が、そのフレア形状の端部を画定している。また、スリーブ110も、そのフレア形状の端部を画定している。スリーブのフレア形状の端部は、大静脈の中の圧力が腎静脈の中の圧力以上である場合には、大静脈の壁部に接触することによって、大静脈から腎静脈への血液のフローを閉塞させるように構成されている。いくつかの適用例では、スリーブのフレア形状の端部の少なくとも1つが、たとえば、スリーブの外側の血液の圧力および/またはオーバーフローを解放するために、スリーブの外側から大静脈へ血液フローを提供することによって、バルブとしての役割を果たすように構成されている。腎静脈の中の血圧が大静脈の中の血圧を超えていることに応答して、スリーブのフレア形状の端部は、大静脈の壁部から少なくとも部分的に分離するように構成されており、スリーブのフレア形状の端部の外側と大静脈の内側壁部との間に、血液が流れるようになっている。いくつかの適用例では、スリーブの上流端部および下流端部は、変更すべきとことは変更して、上述の様式でバルブとしての役割を果たすように構成されている。図10Aは、スリーブの上流端部および下流端部が閉じられており、スリーブの外側と大静脈の壁部との間の血液のフローを閉塞させるようになっているときのスリーブを示している。図10Bは、スリーブの上流端部および下流端部が開けられており、スリーブの外側と大静脈の壁部との間において、腎静脈から大静脈への血液のフローを可能にするようになっているスリーブを示している。
【0314】
図10A図10Bおよび図10Dに示されているように、いくつかの適用例では、ポンプ収容スリーブ124が、スリーブ110のフレア形状の端部の1つの外側から突出している(たとえば、示されているように、スリーブ110のフレア形状の下流端部)。ポンプ収容スリーブは、それを通したポンプ122の挿入を促進させるように形状付けされている。ポンプ収容スリーブは、ポンプの周りにシールを形成するように構成されており、ポンプの外側とポンプ収容スリーブの内側との間に、最小またはゼロの血液フローが存在するようになっている。いくつかの適用例では(図示せず)、ポンプ収容スリーブを使用して、ポンプの外側の周りにシールを形成するというよりもむしろ、スリーブのフレア形状の端部が、開口部(たとえば、孔部)を画定しており、開口部を通して、ポンプが挿入されており、開口部は、ポンプの外側とスリーブのフレア形状の遠位端部との間の接触面がシールされるようにサイズ決めされている。
【0315】
ポンプ収容スリーブは、スリーブのフレア形状の上流端部の外側から突出するように示されているが、いくつかの適用例では、ポンプが、スリーブのフレア形状の下流端部を通して挿入されており、スリーブのフレア形状の下流端部がポンプ収容スリーブまたは孔部を画定しており、それを通して、ポンプが挿入されているということが留意される。一般的に、本発明の範囲は、大静脈を介して腎静脈にアプローチすることによって、腎静脈の上方から、または、腎静脈の下方から、本明細書で説明されている血液ポンプおよび閉塞式エレメントを腎静脈に向けて挿入することを含む。たとえば、腎静脈は、大腿静脈を介して上流方向から、または、頸静脈を介して下流方向から、大静脈を通してアプローチされ得る。
【0316】
それぞれの適用例によれば、ポンプ122は、スリーブの上流または下流にある部位において、大静脈の中へ血液をポンピングする。いくつかの適用例では、ポンプは、スリーブの下流にある部位において、大静脈の中へ血液をポンピングし、ポンプがスリーブの上流にある部位において大静脈の中へ血液をポンピングしたとした場合と比較して、スリーブを通る血液のフローを低減させるようになっている。いくつかの適用例では、スリーブは、スリーブを通る血液フローの抵抗器としての役割を果たすので、上述の様式で、スリーブを通る血液のフローを低減させることが有利である。上記に説明されているように、および、たとえば、図10D示されているように、いくつかの適用例では、ポンプは、スリーブの上流にある部位において、大静脈の中へ血液をポンピングする。
【0317】
いくつかの適用例では、スリーブ110およびステント120が、対象の大静脈の中へ挿入されており、一方、ガイドワイヤー126が、ポンプ収容スリーブ124の内側に配設されている。スリーブ110およびステント120を大静脈にアンカー固定することに続いて、ガイドワイヤーの上でポンプを前進させることによって、ポンプ122が、ポンプ収容スリーブを通して挿入される。
【0318】
図10Cに示されているように、いくつかの適用例では、ステント120は、スリーブ支持フレーム128を画定するように形状付けされており、スリーブ支持フレーム128は、概して、スリーブの形状に適合するように形状付けされている。典型的に、スリーブ支持フレームは、拡大した端部130と、拡大した端部同士の間に延在する幅の狭い中央部分132とを画定するように形状付けされており、フレア形状の端部は、幅の狭い中央部分の端部から延在している。加えて、ステントは、血管壁支持フレーム134を画定しており、血管壁支持フレーム134は、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分に連結されており、血管壁支持フレーム134は、スリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分の側部から半径方向外向きに突出している。
【0319】
いくつかの適用例では、スリーブの外側からポンプ122によって血液をポンピングすることは、大静脈の壁部が内向きに引っ張られることを引き起こす。血管壁支持フレーム134は、大静脈の内側壁部を支持しており、大静脈の内側壁部が、ステントのスリーブ支持フレーム128の幅の狭い中央部分132の周りでつぶれることを防止する。典型的に、ポンプの動作の間に、ポンプヘッドの入口孔部125を含むポンプヘッドは、ステントのスリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分(ステントは、スリーブを支持している)と血管壁支持フレーム(血管壁支持フレームは、大静脈の壁部を支持している)との間のギャップの中に配設されている。
【0320】
上記に説明されているように、いくつかの適用例では、スリーブの外側からポンプ122によって血液をポンピングすることは、大静脈の壁部が内向きに引っ張られることによって縮小することを引き起こす。いくつかの適用例では、ポンプは、大静脈に吸引力を加えることによって、大静脈がステントの少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、ステント120を大静脈にアンカー固定するように構成されている。いくつかの適用例では、大静脈に対して実質的に過大にサイズ決めされていないステント、および/または、大静脈の直径よりも小さい直径を有するステントが、ポンプによって大静脈に加えられる吸引力に起因して、大静脈がステントの少なくとも一部分の周りに縮小するおかげで、大静脈にアンカー固定される。
【0321】
上記に説明されているように、典型的に、スリーブ支持フレーム128は、スリーブの形状に概して適合するように形状付けされている。スリーブおよびスリーブ支持フレームは、幅の狭い中央部分の直径D1(図10C)と、スリーブのフレア形状の遠位端部の端部における最大直径D2とを画定している。いくつかの適用例では、D1は、8mmよりも大きく、35mmよりも小さく、および/または、8mmから35mmの間である。いくつかの適用例では、D2は、10mmよりも大きく、45mmよりも小さく、および/または、10mmから45mmの間である。いくつかの適用例では、D2:D1の比は、1.1:1よりも大きく、2:1よりも小さく、および/または、1.1:1から2:1の間である。いくつかの適用例では、スリーブの全長L1は、6mmよりも大きく、80mmよりも小さく、および/または、6mmから80mmの間である。いくつかの適用例では、スリーブのフレア形状の端部の長さL2(すなわち、スリーブがフレア形状になり始める場所からスリーブの端部までの長さ)は、3mmよりも大きく、40mmよりも小さく、および/または、3mmから40mmの間である。いくつかの適用例では、スリーブおよびスリーブ支持フレームの幅の狭い中央部分の長さL3は、3mmよりも大きく、70mmよりも小さく、および/または、3mmから70mmの間である。
【0322】
いくつかの適用例では、ステント120の血管壁支持フレーム134の最大直径D3は、10mmよりも大きく、50mmよりも小さく、および/または、10mmから50mmの間である。いくつかの適用例では、D3:D1の比は、1.1:1よりも大きく(たとえば、1.5:1よりも大きいか、もしくは、2:1よりも大きい)、5:1よりも小さく、および/または、1.1:1から5:1の間である。
【0323】
いくつかの適用例では、ポンプ収容スリーブ124の内径D4(図10A)は、2mmよりも大きく、10mmよりも小さく、および/または、2mmから10mmの間である。スリーブ110が開口部を画定し、開口部を通してポンプ122が挿入されている適用例では、ポンプがそれを通して挿入される開口部の直径は、典型的に、2mmよりも大きく、10mmよりも小さく、および/または、2mmから10mmの間である。
【0324】
いくつかの適用例では、ポンプ122は、たとえば、図5A図5Dを参照して上記に説明されているカテーテル血液ポンプ42と概して同様である。たとえば、図10Dに示されているように、血液ポンプは、血液をポンピングするためのインペラー123を含むことが可能である。血液は、腎静脈から入口孔部125を介してカテーテルの中へ引き込まれ、入口孔部125は、スリーブの外側と大静脈の壁部との間に配設されており、血液は、出口孔部127を介して大静脈の中へポンピングされ、出口孔部127は、大静脈の中に、たとえば、図10Dに示されているように、スリーブの上流の場所に配設されている。
【0325】
ここで図10E図10Fを参照すると、図10E図10Fは、本発明のいくつかの適用例による、対象の大静脈から対象の腎静脈32への血液フローを閉塞させるように構成されているらせん状支持エレメント136を使用して、大静脈26に連結されている血液不浸透性のスリーブ135の概略図である。それぞれの適用例によれば、らせん状支持エレメントは、膨張可能ならせん状支持エレメント(たとえば、らせん状バルーン)であるか、または、ニチノールなどのような形状記憶合金から作製されているらせん状支持エレメントである。典型的に、らせん状支持エレメントは、大静脈に連結されることになり、らせん状支持エレメントの下流端部が、対象のすべての腎静脈(たとえば、2つの腎静脈を有する典型的な対象の中の左腎静脈および右腎静脈)の下流にある第1の場所114において、大静脈の壁部に連結されるようになっており、また、らせん状支持エレメントの上流端部が、対象のすべての腎静脈の上流にある第2の場所118において、大静脈の壁部に連結されるようになっている。したがって、らせん状支持エレメントは、腎静脈の中の血液を、大静脈を通る血液フローから分離されているスリーブの外側のコンパートメントの中へ隔離している。スリーブ135は、大静脈の壁部に接触することによって、大静脈から腎静脈への血液フローを閉塞させるように構成されているフレア形状の端部を、必ずしも有していないということが留意される。むしろ、示されているように、らせん状支持エレメントが、大静脈の壁部に接触することによって、大静脈から腎静脈への血液のフローを閉塞させることが可能である。代替的に、スリーブ135は、図10A図10Dを参照して上記に説明されているスリーブ110と概して同様の形状を有しており、スリーブは、大静脈の壁部に接触するように構成されているフレア形状の端部を画定している。
【0326】
典型的に、血液ポンプカテーテル137は、送達デバイス138を介して大静脈の中へ挿入されている(図10F)。図10Eから図10Fへの移行に示されているように、いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテルは、らせん状支持エレメントの上で前進させられることによって、スリーブの外側のコンパートメントの中へガイドされる。いくつかの適用例では、血液ポンプカテーテルの遠位部分は、送達デバイスから出て前進させられると、自動的にらせん形状をとるように構成されている。代替的に、らせん状支持エレメントの上で前進させられることによって、血液ポンプカテーテルの遠位部分は、らせん形状をとるようにさせられる。典型的に、血液ポンプカテーテルは、血液ポンプカテーテルの遠位部分(すなわち、らせん状支持エレメントの上で前進させられることによって、スリーブの外側のコンパートメントの内側に設置されている血液ポンプカテーテルの部分)の長さのほとんどに沿って(たとえば、長さの50パーセント以上、または75パーセント以上)、入口孔部139を画定している。血液ポンプカテーテルは、スリーブの外側のコンパートメントから(すなわち、腎静脈から)入口孔部の中へ血液をポンピングする。血液ポンプは、典型的に、出口孔部(図示せず)を画定しており、出口孔部は、(たとえば、スリーブの上流にある大静脈の場所、または、スリーブの下流にある大静脈の場所において、)スリーブの内部に流体連通している大静脈の中に配設されるように構成されている。ポンプは、出口孔部を介して大静脈の中へ血液をポンピングする。
【0327】
ここで図10Gを参照すると、図10Gは、本発明のいくつかの適用例による、らせん状の血液ポンプカテーテル143に連結されている血液不浸透性のスリーブ141の概略図であり、スリーブおよび血液ポンプカテーテルが、対象の大静脈26から対象の腎静脈32への血液フローを閉塞させるように構成されていることを示している。典型的に、スリーブ141は、示されているように、そのフレア形状の端部145を画定するように形状付けされている。典型的に、スリーブ141は、図10A図10Dを参照して上記に説明されているスリーブ110と概して同様の形状を有しており、スリーブは、大静脈の壁部に接触するように構成されているフレア形状の端部を画定している。
【0328】
スリーブ141および血液ポンプカテーテル143は、送達デバイス149を介して大静脈の中へ挿入されている。カテーテル143の遠位端部(すなわち、それは、挿入場所からから最も離れているカテーテルの端部であり、その挿入場所を介して、カテーテルが対象の身体の中へ挿入される)は、カップリング場所147において、スリーブの遠位端部(たとえば、示されているように、スリーブの下流端部)に連結されている。血液ポンプカテーテルは、事前形状付けされており、挿入デバイスの遠位端部から前進させられると、カテーテルの遠位部分が、スリーブの外側の周りに配設されるらせん形状をとるようになっている。典型的に、らせん形状をとることによって、カテーテルの遠位部分は、軸線方向にスリーブを開けたままにしておく(すなわち、スリーブが軸線方向につぶれることを防止する)。いくつかの適用例では、形状記憶材料(たとえば、ニチノールなど)から作製されたリング151が、スリーブの近位端部に連結されており、スリーブの近位端部を支持するように構成されている。典型的に、血液ポンプカテーテルは、血液ポンプカテーテルの遠位部分(すなわち、スリーブの周りに配設されている血液ポンプカテーテルのらせん状部分)の長さのほとんどに沿って(たとえば、長さの50パーセント以上、または75パーセント以上)、入口孔部153を画定している。血液ポンプカテーテルは、スリーブの外側から(すなわち、腎静脈から)入口孔部の中へ血液をポンピングする。典型的に、スリーブは、大静脈の中に設置されており、スリーブの下流端部が、対象のすべての腎静脈(たとえば、2つの腎静脈を有する典型的な対象の中の左腎静脈および右腎静脈)の下流にある第1の場所114において、大静脈の壁部に連結されるようになっており、また、スリーブの上流端部が、対象のすべての腎静脈の上流にある第2の場所118において、大静脈の壁部に連結されるようになっている。さらに典型的に、入口孔部の中へ血液をポンピングすることは、大静脈がスリーブの外側の周りに縮小することを引き起こし、腎静脈の中の血液が、大静脈を通る血液フローから分離されているスリーブの外側のコンパートメントの中へ隔離されるようになっている。
【0329】
血液ポンプは、典型的に、出口孔部(図示せず)を画定しており、出口孔部は、(たとえば、スリーブの上流にある大静脈の場所、または、スリーブの下流にある大静脈の場所において、)スリーブの内部に流体連通している大静脈の中に配設されるように構成されている。ポンプは、出口孔部を介して大静脈の中へ血液をポンピングする。
【0330】
図10E図10Gでは、血液ポンプが、スリーブの上流端部からスリーブの外側に挿入されているように示されているが、いくつかの適用例では、ポンプは、スリーブの下流端部からスリーブの外側に挿入されているということが留意される。一般的に、本発明の範囲は、大静脈を介して腎静脈にアプローチすることによって、腎静脈の上方から、または、腎静脈の下方から、本明細書で説明されている血液ポンプおよび閉塞式エレメントを腎静脈に向けて挿入することを含む。たとえば、腎静脈は、大腿静脈を介して上流方向から、または、頸静脈を介して下流方向から、大静脈を通してアプローチされ得る。
【0331】
ここで図11A図11Cを参照すると、図11A図11Cは、本発明のいくつかの適用例による、対象の腎静脈32の中に設置されている血液ポンプカテーテル42の概略図であり、入口部カバー用の傘140が、カテーテルの外側の周りに配設され、大静脈の中に配設されており、入口部カバー用の傘140が、対象の大静脈25と腎静脈32との間の接合部142において、入口部をカバーするようになっていることを示している。入口部カバー用の傘は、「傘」として説明されているが、本発明の範囲は、カテーテルの外側の周りに配設されるように構成されており、柔軟性のある部分(たとえば、柔軟性のある組織部分)から作製されている任意の入口部カバー用エレメントと、入口部カバー用エレメントに形状および構造を提供する剛体支持エレメントとによって、入口部をカバーすることを含むということが留意される。入口部カバー用の傘140は、図4A図4Bを参照して上記に説明されている閉塞エレメント36の例であり、血液ポンプカテーテル42は、図4A図4Bを参照して上記に説明されている血液ポンプ34の例である。(図11A図11Cでは、入口部カバー用の傘140は、左腎静脈入口部をカバーするように示されているが、本発明の範囲は、入口部カバー用の傘140によって右腎静脈入口部をカバーすることを含み、また、典型的によくあることであるが、左腎静脈および右腎静脈のそれぞれと大静脈の接合部の入口部において、入口部カバー用の傘を設置することを含む。)
【0332】
図11A図11Cに示されているように、血液ポンプカテーテル42および入口部カバー用の傘140は、挿入デバイス144を介して大静脈26の中へ挿入されている。挿入の間に、入口部カバー用の傘は、典型的に、その閉状態にある。血液ポンプカテーテルおよび入口部カバー用の傘は、挿入デバイスから前進させられており、入口部カバー用の傘は、挿入デバイスの遠位端部から前進させられることに応答して開く(図11B)。入口部カバー用の傘は、接合部142の付近に設置されている。血液ポンプカテーテルが、血液ポンプカテーテルの遠位端部において、腎静脈を通して入口孔部50の中へ血液を下流にポンピングするために動かされる。典型的に、血液ポンプの吸い込み力に起因して、入口部カバー用の傘は、接合部142において入口部を取り囲む大静脈の壁部に対して引っ張られる(図11C)。
【0333】
典型的に、入口部カバー用の傘140は、大静脈から腎静脈へ流れる血液に応答して、接合部142における入口部を取り囲む大静脈の壁部に対して押されることによって、大静脈から腎静脈への血液のバックフローを閉塞させる。さらに典型的に、血液ポンプが活性である間には、入口部カバー用の傘が、血液ポンプによって発生させられる吸い込み力に起因して、接合部142における入口部を取り囲む大静脈の壁部に対してシールされることによって、入口部カバー用の傘は、腎静脈から大静脈への血液フローおよび大静脈から腎静脈への血液フローの両方を閉塞させる。(たとえば、ポンプの電力の喪失に起因して)ポンプ42が不活性になることに応答して、接合部142における入口部を取り囲む傘は、血液が腎静脈から大静脈へ矢印146の方向に流れることを可能にする(図11B)。その理由は、ポンプが不活性であるときには、傘は、大静脈の壁部に対してシールされないからである。
【0334】
いくつかの適用例では、入口部カバー用の傘140の直径D5は、入口部カバー用の傘がその開状態にあるときには、5mmよりも大きく(たとえば、10mmよりも大きいか、もしくは、20mmよりも大きい)、30よりも小さく(たとえば、25mmよりも小さいか、もしくは、20mmよりも小さい)、および/または、5mmから30mmの間である(たとえば、10mmから20mmの間であるか、もしくは、15mmから25mmの間である)。
【0335】
ここで図12Ai~図12Aiiおよび図12Bを参照すると、図12Ai~図12Aiiおよび図12Bは、本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張可能なインペラーケージ154の内側に配設されているインペラー152を含む血液ポンプ150の概略図である。図12Aiおよび図12Aiiは、血液ポンプ150のそれぞれの図を示している。さらに図12C図12Dを参照すると、図12C図12Dは、本発明のいくつかの適用例による、ケージ154が、それぞれ、その相対的に半径方向に拡張させられた構成、および、その半径方向に圧縮された構成になっているときの、腎静脈32の内側に配設されている血液ポンプ150の側面図を示している。また、図12Eを参照すると、図12Eは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプ150が腎静脈32の内側に配設されているときの、ケージ154の支柱204の断面図および腎静脈32の断面図と組み合わせられたインペラー152の端面図を示している。
【0336】
「インペラー」の用語は、図12Ai~図12Eに示されているように、ブレード付きのローターを表すために本明細書で使用されているということが留意される。ブレード付きのローターが、血管(たとえば、腎静脈32など)の内側に設置されて回転させられるときに、ブレード付きのローターは、血管を通る血液のフローを増加させることによって、および/または、インペラーの上流端部と下流端部との間に圧力差を発生させることによって、インペラーとしての機能を果たす。
【0337】
いくつかの適用例では、血液ポンプ150は、対象の腎静脈の1つまたは両方(または、すべて)の中に設置されており、また、腎静脈を通して大静脈に向けて下流方向に血液をポンピングするために使用され、腎静脈圧力を低減させるように、および/または、対象の腎臓のかん流を強化するようになっている。
【0338】
心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の急性治療を提供するために、血液ポンプ150は、典型的に、対象の腎静脈の内側に設置されている。たとえば、ポンプは、1時間を超える(たとえば、1日を超える)期間、1週間未満(たとえば、4日未満)の期間、および/または、1時間から1週間の間(たとえば、1日から4日の間)の期間にわたり、対象の腎静脈の内側に設置され得る。いくつかの適用例では、心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の長期治療を提供するために、ポンプは、対象の腎静脈の内側に長期的に設置されている。いくつかの適用例では、一連の治療が、数週間、数カ月、または数年にわたって対象に適用され、一連の治療において、ポンプは、対象の腎静脈の内側に間欠的に設置され、対象は、本明細書で説明されている技法に従って間欠的に治療される。たとえば、対象は、数日、数週間、または数カ月の間隔で間欠的に治療され得る。
【0339】
典型的に、心機能障害、鬱血性心不全、低腎血流、高腎血管抵抗、動脈性高血圧、および/または腎臓機能障害を患う対象の腎静脈を通る血液をポンピングする効果は、図4Bを参照して説明されているものと概して同様である。すなわち、ポンピングは、対象の中心静脈圧力が上昇したとしても、対象の腎静脈圧力プロファイルを低下させることおよび平坦化させることを引き起こす。上記の図4Bの説明によれば、腎静脈圧力グラフは、オリジナルの静脈圧力プロファイルを点線の曲線として示しており、また、血液ポンプの動作に続く腎静脈圧力を示す2つの曲線を示している。典型的に、腎静脈を通る血液をポンピングする間に、静脈圧力曲線の高さは、図4Bに示されている2つの実線の曲線によって示されているように、オペレーターがポンプを介して腎静脈に加えるポンピングの量に依存しており、その曲線は、血液ポンプ150のポンピングのそれぞれのレートにおける腎静脈圧力プロファイルを表している。いくつかの適用例では、示されているように、腎静脈圧力プロファイルは、完全には平坦化されていない。その理由は、血圧の周期的な小さな変化が、腎毛細血管系を介して腎静脈に伝達されるからである。
【0340】
典型的に、ポンプ150による下流方向への血液のポンピングによって引き起こされる腎静脈の中の圧力の低減に起因して、腎臓のかん流が増加する。そして、これは、腎静脈の中への増加した血液フローに起因して、腎静脈の中の圧力が、ポンピングの始動の直後の腎静脈の中の圧力に対して上昇することを引き起こすことが可能である。典型的に、腎臓のかん流が増加した後でも、ポンプは、腎静脈の中の圧力を、ポンピングの始動の前の腎静脈の中の圧力よりも低い値に維持するように構成されている。いくつかの適用例では、対象の腎静脈圧力を低下させること、および/または、対象の腎臓のかん流を増加させることに加えて、血液ポンプは、対象の血液に対して限外ろ過を実施する。
【0341】
いくつかの適用例では、ポンプ150によって下流方向に血液をポンピングすることによって引き起こされる腎静脈の中の圧力の低減に起因して、たとえば、Haddyらによる「Effect of elevation of intraluminal pressure on renal vascular resistance」(Circulation Research,1956)という表題の記事の中に説明されている生理学的なメカニズムに従って、対象の腎血管抵抗が減少するということが留意され、その記事は、参照により本明細書に組み込まれている。対象の腎動脈の中の血圧を増加させることによって、腎かん流を増加させる対象の治療は、典型的に、上述の生理学的なメカニズムをもたらすこととならないということがさらに留意される。
【0342】
上記に説明されているように、典型的に、血液ポンプ150が、対象の腎静脈の中の圧力を低減させるために使用されるとき、腎静脈圧力の低減に起因して、対象への利尿薬の投与に対する対象の反応性の改善が存在することとなるということが期待される。したがって、いくつかの適用例では、本明細書で説明されている技法を実施しない場合に対象に投与されることとなる利尿薬の投薬量と比較して、低減された利尿薬の投薬量が、対象に投与され得る。代替的に、利尿薬の普通の投薬量が対象に投与され得るが、腎静脈圧力の低減に起因して、利尿薬は、対象に対して、より大きい効果を有することが可能である。
【0343】
高い中心静脈圧力は、心臓の中の高レベルの血圧につながり、そして、それは、対象による、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)の放出につながり、その両方が、自然の利尿薬としての役割を果たす。典型的に、血液ポンプ150が、対象の腎静脈の中の圧力を低減させるために使用されるときには、腎静脈圧力の低減に起因して、対象による自然の利尿薬の放出に対する対象の反応性の改善が存在することが期待される。いくつかの適用例では、血液ポンプ150を使用して、対象の中心静脈圧力は低下させられないので、血液ポンプ150の使用によって対象の腎静脈圧力が低減されている間でも、対象は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)を放出し続けるということが期待される。したがって、いくつかの適用例では、血液ポンプ150を使用することは、対象が、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびB-タイプナトリウム利尿ペプチド(BNP)を放出し続けるということを結果として生じさせることが可能であり、また、上述の自然の利尿薬の有効性が、血液ポンプ150の使用がない場合の利尿薬の有効性よりも大きくなることを結果として生じさせる。
【0344】
典型的に、血液ポンプ150は、腎静脈を通る大静脈の中への血液フローの流量を強化する様式で血液をポンピングするが、腎静脈を通るフローの自然の方向、または腎静脈から大静脈へのフローの自然の方向に対して(すなわち、ポンプによるポンピングがない場合の血液フローに対して)、血液フローの方向の実質的な変化を引き起こさないということが留意される。換言すれば、たとえば、腎静脈から対象の静脈の異なる部分(たとえば、大静脈の中の上流の場所など)の中へ血液をポンピングするというよりも、血液ポンプは、腎静脈を通して下流方向に、次いで、腎静脈に隣接している大静脈の一部分の中へ直接的に血液をポンピングする。さらに典型的に、血液ポンプ150は、対象の静脈系から、血液ポンプの人工のルーメンなどのような、静脈でないレセプタクルの中へ、血液を除去することなく、腎静脈を通る血液フローを強化する。
【0345】
典型的に、ケージ154は、その拘束されずに半径方向に拡張させられた構成、および、半径方向に圧縮された構成を画定し、ケージに加えられている任意の力がない場合に、ケージは、拘束されずに半径方向に拡張させられた構成をとり、ケージが軸線方向に長くされているときに、ケージは、半径方向に圧縮された構成をとる。同様に、典型的に、インペラー152は、その拘束されずに半径方向に拡張させられた構成、および、半径方向に圧縮された構成を画定し、インペラーに加えられている任意の力がない場合に、インペラーは、拘束されずに半径方向に拡張させられた構成をとり、インペラーが軸線方向に長くされているときに、インペラーは、半径方向に圧縮された構成をとる。
【0346】
典型的に、ケージ154およびインペラー152を対象の腎静脈の中へ挿入する間に、ケージおよびインペラーを軸線方向に長くすることによって、ケージおよびインペラーはクリンプされ(crimped)、ケージおよびインペラーは、半径方向に圧縮されるようになっている。挿入デバイス155、たとえば、カテーテルによって、ケージおよびインペラーが半径方向に圧縮された構成に維持されている状態で、ケージおよびインペラーは、腎静脈の中へ挿入される。ケージおよびインペラーは、挿入デバイスの遠位端部から腎静脈の中へ前進させられる。挿入デバイスの遠位端部から前進させられることに応答して、ケージおよびインペラーは、自動的に半径方向に拡張し、軸線方向に収縮する。
【0347】
典型的に、ケージ154は、腎静脈の内側壁部を開けたままにしておくように、および、腎静脈の内側壁部をインペラーから分離するように構成されており、腎静脈がインペラーによって傷つけられないようになっている。さらに典型的に、血液ポンプ150は、係合メカニズム156を含み、係合メカニズム156は、インペラーをケージに係合させるように構成されている。図12Bは、インペラーおよびケージの断面図を示しており、たとえば、図12Bに示されているように、近位および遠位軸受250Pおよび250Dは、インペラー152の近位端部および遠位端部に隣接して配設されており、回転運動をインペラーに与えるように構成されている。係合メカニズム156は、ケージの遠位端部に配設されているリング202(図17を参照して下記に説明されている)と遠位軸受250Pの表面252との間に配設されており、リング202が遠位に移動するときに、リングが係合メカニズムを遠位に押し、そして、係合メカニズムが遠位軸受を遠位に押すようになっている。遠位軸受は、インペラーの遠位リング164(図13A図13Dを参照して下記に説明されている)に連結されており、遠位軸受の遠位運動が、インペラーの遠位リングを遠位に引っ張り、それによって、インペラーを軸線方向に長くするようになっている。
【0348】
したがって、係合メカニズムは、インペラーをケージに係合させており、ケージが半径方向に収縮させられ、軸線方向に長くされることに応答して(たとえば、腎静脈が半径方向の圧力をケージに働かせることに応答して)、インペラーが、軸線方向に長くされ、半径方向に収縮するようになっている。たとえば、図12Cから図12Dへの移行に示されているように、腎静脈が圧力Pをケージ154に働かせることに応答して、ケージは、部分的に半径方向に圧縮されることになり、たとえば、ケージの遠位端部が矢印160の方向に移動することによって、ケージが長くされることを引き起こす。係合メカニズム156は、ケージが長くされることに応答して、インペラーが長くされることを引き起こす。
インペラーを長くすることは、インペラーが半径方向に収縮することを引き起こす。
【0349】
典型的に、係合メカニズム156は、インペラーとケージの内側表面との間の分離S1(図12Cおよび図12D)が最小になる円周方向の場所においても、たとえ、ケージが半径方向に収縮したとしても、インペラーとケージの内側表面との間の分離が維持される(すなわち、インペラーとケージの内側表面とが、依然として互いから分離されている)ように構成されている。なおさら、インペラーとケージの外側表面との間の分離S2が最小になる円周方向の場所においても、たとえ、ケージが半径方向に収縮したとしても、係合メカニズムが、インペラーとおよびケージの外側表面との間の分離を維持する(すなわち、インペラーとケージの外側表面とが、依然として互いから分離されている)。腎静脈の内側壁部は、ケージの外側表面によって支持されているので、インペラーとケージの外側表面との間の分離S2は、典型的に、腎静脈の内側壁部がインペラーに最も近くなっている場所における、インペラーと腎静脈の内側壁部との間の分離でもある。したがって、腎静脈の内側壁部がインペラーに最も近くなる場所においても、および、腎静脈がケージに圧力を働かせ、ケージが半径方向に収縮するようになっているときでも、係合メカニズムは、インペラーと腎静脈の内側壁部との間の分離を維持する。
【0350】
腎静脈が圧力Pをケージ154に働かせることに応答して、および、ケージが半径方向に収縮することを引き起こすことに応答して、インペラーとケージの内側表面との間の分離S1、および/または、インペラーとケージの外側表面との間の分離S2は、減少する可能性があるということが留意される。しかし、係合メカニズムは、たとえ、ケージが半径方向に収縮したとしても、インペラーおよびケージの内側表面が互いから分離されているままであることを引き起こすようになっている。このように、ケージは、たとえ、腎静脈が収縮したとしても、インペラーによって傷つけられることから腎静脈を保護する。腎静脈の内側壁部は、ケージの外側表面によって支持されているが、ケージは、典型的に、セルを画定する支柱を含み、および腎静脈の壁部は、典型的に、セルを通ってケージの内側へ突出する可能性があるということがさらに留意される。インペラーとケージの内側表面との間の分離S1を維持することによって、係合メカニズムは、たとえ、腎静脈の内側壁部がケージの内側に突出したとしても、インペラーから腎静脈の内側壁部を保護する。
【0351】
血液ポンプ150が、腎静脈32などのような血管の内側に配置されると、ケージ154は、血管の内側壁部に対して拡張し、ケージが、血管の内側壁部に対して回転方向に固定されるようになっている。ケージは、血管の壁部に対して回転方向に固定されているが、インペラー152は、回転し、血管を通して血液をポンピングするようになっている。係合メカニズム156は、インペラーをケージに係合させるように構成されており、(a)ケージが半径方向に圧縮されるときに、インペラーが半径方向に圧縮され、(b)ケージが軸線方向に長くされるときに、インペラーが軸線方向に長くされるが、(c)ケージが適切な位置に回転方向に固定されたとしても、インペラーは回転することができるようになっている。係合メカニズムは、ケージが適切な位置に回転方向に固定されたとしても、係合メカニズムが係合メカニズムの中での遠位軸受250Dの回転を許容することによって、インペラーの回転を許容するように構成されている。
【0352】
典型的に、ケージおよびインペラーを血管の中へ挿入するために、ケージは、クリンプされた構成で、挿入デバイス155の内側に設置されている。典型的に、ケージが軸線方向に長くされた構成をとるようにケージをクリンプすることは、インペラーが軸線方向に長くされた構成を自動的に引き起こす。その理由は、係合メカニズムが、上記に説明されている様式で、ケージの遠位端部の長手方向の運動を、インペラーの遠位端部に与えるからである。
【0353】
たとえば、図12C図12Dに示されているように、いくつかの適用例では、圧力センサー157および159が、血液ポンプ150の上流側および下流側に配設されている。血液ポンプ150が腎静脈の内側に配設されているときに、図12C図12Dに示されているように、たとえば、上流の圧力センサー157によって測定される圧力は、腎静脈の中の血液ポンプの上流の血圧を表しており、下流の圧力センサー159によって測定される圧力は、中心静脈圧力を表している。いくつかの適用例では、1つまたは複数のさらなるセンサー161が、血液ポンプの上に(たとえば、図12C図12Dに示されているように血液ポンプの下流側に、または、血液ポンプの上流側に)配設されており、腎静脈を通るフロー、および/または、腎静脈の中の酸素飽和度などのような、1つまたは複数の追加的なパラメーターを測定するように構成されている。代替的にまたは追加的に、サーマル式流量センサーが、腎静脈を通るフローを測定するために使用される。たとえば、サーマル式流量センサー260は、図22Ai~図22Ciiを参照して下記に説明されているように、対象の腎静脈を通るフローを測定するために使用され得る。
【0354】
図12Eは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプ150が腎静脈32の内側に配設されているときの、ケージ154の支柱204の断面図および腎静脈32の断面図と組み合わせられたインペラー152の端面図を示している。ケージおよび腎静脈の断面図は、ケージの長手方向軸線の中央における長手方向の場所において、ケージの長手方向軸線222に対して垂直の平面の中にある。典型的に、この場所において、ケージの長手方向軸線に対して垂直のケージの直径は、その最大となっている。さらに典型的に、この場所において、インペラーの長手方向軸線224に対して垂直のインペラーのスパンSPも、その最大となっている。いくつかの適用例では、インペラーの外側縁部と、ケージの支柱の内側表面とは、この長手方向の場所において互いから最小に分離されており、また、インペラーの外側縁部と、ケージの支柱の外側表面とは、この長手方向の場所において互いから最小に分離されている。
【0355】
ケージは支柱204を含み、支柱204はセルを画定するように形状付けされているので、ケージは、典型的に、ケージによって画定されているセルを通る血液フローを可能にすることによって、ケージを通る血液フローを可能にする。図12Eに示されているように、典型的に、ケージおよびインペラーが、腎静脈32などのような血管の内側で、その半径方向に拡張させられた構成をとるときに、インペラーの外側縁部と支柱204との間に最小分離S1が存在し、また、インペラーの外側縁部とケージの支柱204の外側表面との間に最小分離S2が存在する(それは、典型的に、インペラーの外側縁部と血管の内側壁部との間の最小分離でもある)。さらに典型的に、インペラーのブレード同士の間にスペースが存在している。典型的に、たとえ、インペラーが血管を通して血液をアクティブにポンピングしなかったとしても、ケージによって画定されているセルを通って流れることによって、ならびに、インペラーとケージとの間の分離を通って、インペラーと血管壁部との間の分離を通って、ならびに/または、インペラーのブレード同士の間の分離を通って流れることによって、血液は、血液ポンプを通って流れることができる。
【0356】
血液ポンプ150は、典型的に血液ポンプを通る血液の逆行性フローを防止するための閉塞エレメント(たとえば、シーリングエレメントなど)を含まないということが留意される。いくつかの適用例では、血液ポンプが血液を順行性方向にポンピングしている間に、インペラーとケージとの間の分離を通して、インペラーと血管壁部との間の分離を通して、ならびに/または、(たとえば、インペラーの中心の付近の)インペラーのブレード同士の間の分離を通して、いくらかの血液の逆行性フローが存在している。代替的にまたは追加的に、血液ポンプが血液を下流方向にポンピングしている間に、インペラーとケージとの間の分離を通して、インペラーと血管壁部との間の分離を通して、ならびに/または、(たとえば、インペラーの中心に向けて)インペラーのブレード同士の間の分離を通して、血液の順行性フローが存在している。典型的に、上述の領域を通る血液のフローが、逆行性方向であろうと、順行性方向であろうと、これらの領域を通る血液のフローは、血液がこれらの領域の中に停滞する傾向を低減させる。
【0357】
いくつかの適用例では、インペラーが、(図12Eに示されているように)その拘束されずに半径方向に拡張させられた構成になっているときに、インペラーの長手方向軸線に対して垂直の方向のインペラーのスパンSPは、8mmよりも大きく、15mmよりも小さく、および/または、8mmから15mmの間である。たとえば、スパンSPは、8mmよりも大きく、12mmよりも小さく、および/または、8mmから12mmの間であることが可能である。または、スパンSPは、10mmよりも大きく、15mmよりも小さく、および/または、10mmから15mmの間であることが可能である。
【0358】
ここで図13A図13Dを参照すると、図13A図13Dは、本発明のいくつかの適用例による、インペラー(すなわち、ブレード付きのローター)152の製造の方法のそれぞれの段階の概略図である。いくつかの適用例では、チューブ162(たとえば、ニチノール、ステンレス鋼、またはプラスチックチューブ)が、図13Aに示されている点線に沿って切断され(たとえば、レーザー切断)、切断チューブ(図13B)が、構造体165を画定するようになっており、構造体165は、構造体の端部において、第1および第2の端部部分、たとえば、リング164を有しており、リングは、複数の(たとえば、図13Bに示されているように2つの、または、3つ以上の)細長いエレメント166(たとえば、示されているように、細長いストリップ)によって、互いに接続されている。細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部は、典型的に、リングの周囲部に関して、互いから角度アルファで配設されている。典型的に、角度アルファは、5度よりも大きく(たとえば、50度よりも大きいか、70度よりも大きいか、もしくは90度よりも大きい)、360度よりも小さく(たとえば、180度よりも小さいか、150度よりも小さいか、もしくは110度よりも小さい)、および/または、5度から360度の間である(たとえば、50度から180度の間であるか、70度から150度の間であるか、もしくは、90度から110度の間である)。
【0359】
細長いエレメント166は、ストリップとして説明され示されているが、本発明の範囲は、変更すべきとことは変更して、細長いチューブ状の構造体、細長いロッド構造体などのような、他の構造体を有する細長いエレメントを使用することを含むということが留意される。
【0360】
構造体165は、たとえば、2つのリングを互いに向けて押すことによって軸線方向に圧縮され、細長いエレメント166が、図13Bから図13Cへの移行に示されているように、半径方向に拡張するようになっている。典型的に、構造体が軸線方向に圧縮される前に(すなわち、軸線方向に長くされた構造体の構成において)、構造体の長手方向軸線に沿って測定される構造体の長さL4は、15mmよりも大きく、25mmよりも小さく、および/または、15mmから25mmの間である。構造体が軸線方向に圧縮される前に(すなわち、軸線方向に長くされた構造体の構成において)、構造体の長手方向軸線に沿って測定される、細長いエレメントのそれぞれの長さL5は、14mmよりも大きく、22mmよりも小さく、および/または、14mmから22mmの間である。典型的に、インペラー152が軸線方向に長くされているときに、インペラーの長手方向軸線に沿って測定される、インペラー152の長さおよび細長いエレメント166の長さは、それぞれ、長さL4およびL5と同じである。さらに典型的に、インペラー152が軸線方向に長くされているときに、インペラーの長手方向軸線に沿って測定される、インペラーブレード168の長さは、L5と同じである。
【0361】
典型的に、構造体は、軸線方向に圧縮された構造体の状態に設定された形状である。構造体165は、インペラー152のフレームを形成している。さらに典型的に、軸線方向に圧縮された構造体の状態では、構造体165の細長いエレメント166のそれぞれが、らせん形状を形成している。らせん状の細長いエレメントのそれぞれは、端部部分の第1のもの(たとえば、リング164)から生じており、端部部分(たとえば、リング164)の第2のものにおいて終了している。らせん状の細長いエレメントのそれぞれのピッチは、典型的に、互いの20パーセント以内にあり、らせん状の細長いエレメントは、典型的に、互いに同じピッチを有している。いくつかの適用例では、らせん状の細長いエレメントのピッチは、らせん状の細長いエレメントの長さに沿って変化している。らせん状の細長いエレメントのそれぞれの半径は、典型的に、互いの20パーセント以内であり、典型的に、らせん状の細長いエレメントは、互いに同じ半径を有している。いくつかの適用例では、2つの細長いエレメントによって画定されているらせんは、互いに対して対称的ではない。らせん状の細長いエレメントのそれぞれのものの長手方向軸線は、典型的に、らせん状の細長いエレメントの他方の長手方向軸線に対して平行であり、典型的に、インペラーの長手方向軸線に対して平行である。いくつかの適用例では、細長いエレメントのそれぞれは、らせんの巻線の8分の1より大きく、および/または、らせんの巻線の半分未満を画定しており、たとえば、らせんの巻線の8分の1から巻線の半分の間を画定している。
【0362】
細長いエレメントのそれぞれは、らせん状であるとして説明されているが、いくつかの適用例では、細長いエレメントは、数学的に正確ならせんを画定していないが、細長いエレメントが端部部分(たとえば、リング)の第1のものから軸線方向に離れるように延在しながら、端部部分の第1のものから半径方向外向きに渦巻き状になっており、次いで、端部部分の第2のものに向かって軸線方向に延在しながら、端部部分の第2のものに向かって半径方向内向きに渦巻き状になるという点で、細長いエレメントのそれぞれは、概してらせん形状を画定しているということが留意される。
【0363】
典型的に、角度アルファが上記に説明されているようになるようにチューブ162を切断することは、所望のらせん形状への細長いエレメント166の形状付けを促進させるということが留意される。いくつかの適用例では、チューブは、角度アルファが上記に説明されているようにならないように切断されており、それにもかかわらず、細長いエレメント166は、形状設定処理を構造体165に適用しながら、構造体165を捩じることによって、所望のらせん形状へと形状付けされている。典型的に、他の条件が等しければ、角度アルファが上記に説明されているようになるようにチューブ162を切断することは、角度アルファが上記に説明されているようになるようにチューブを切断することなく細長いエレメントが所望のらせん形状へと形状付けされたとした場合に細長いエレメントにかかる応力と比較して、細長いエレメント166にかかる応力を低減させながら、所望のらせん形状の細長いエレメント166の形状付けを促進させる。
【0364】
典型的に、軸線方向に圧縮された構造体の構成では、構造体の長手方向軸線に沿って測定される構造体の長さL6は、8mmよりも大きく、18mmよりも小さく、および/または、8mmから18mmの間である。さらに典型的に、軸線方向に圧縮された構造体の構成では、構造体の長手方向軸線に沿って測定される細長いエレメントのそれぞれの長さL7は、5mmよりも大きく、14mmよりも小さく、および/または、5mmから14mmの間である。典型的に、インペラー152が、その圧縮されていない半径方向に拡張させられた構成になっているときに、インペラーの長手方向軸線に沿って測定される、インペラー152の長さおよび細長いエレメント166の長さは、それぞれ、長さL6および長さL7と同じである。さらに典型的に、インペラー152が、その拘束されずに半径方向に拡張させられた構成になっているときに、インペラーの長手方向軸線に沿って測定されるインペラーブレード168の長さは、典型的に、L7と同じである。
【0365】
構造体165を軸線方向に圧縮することに続いて、材料168(たとえば、シリコーン、ポリウレタン、および/またはポリエステルなどのような、柔軟性のあるポリマー材料)が、構造体165の少なくとも一部分に、たとえば、構造体165のらせん状の細長いエレメントに連結される。典型的に、材料168は、材料168がその液体状態にある間に、構造体165が材料168の中へ浸漬されることによって、構造体165の一部分に連結される。たとえば、構造体165は、液体シリコーン、シリコーンベースのエラストマー、および/または異なるエラストマーの中へ浸漬され得る。その後に、材料は、(たとえば、硬化および/または重合プロセスによって)乾燥させられ、構造体165のらせん状の細長いエレメントによって支持された材料のフィルムが形成されるようになっている。いくつかの適用例では、下記に説明されているように、構造体165の上へのフィルムの形成、および/または、構造体165のらせん状の細長いエレメントへの材料の連結を促進させるために技法が使用される。いくつかの適用例では、材料168を乾燥させる間に、構造体165が、その長手方向軸線の周りに回転させられ、均一な厚さを有する材料168のフィルムの形成を促進させるようになっている。いくつかの適用例では、材料168は、たとえば、柔軟性のあるポリマー材料(たとえば、シリコーン、ポリウレタン、および/またはポリエステルなど)を構造体165のらせん状の細長いエレメントに縫合および/またはエレクトロスピニングすることを介して、上述の様式とは異なる様式で、構造体165に連結されている。
【0366】
材料がそれに連結されているらせん状の細長いエレメント166は、インペラーブレードを画定している。図13Dに示されているように、単一のブレードを備えるインペラー152を形成するために、チューブ162が、リング164同士の間に2つのらせん状の細長いエレメントを画定する構造体を画定するように切断される。(図13Dに示されているインペラーは、代替的に、2つのブレード付きのインペラーとして説明され得、材料がそれに連結されているこれらの細長いエレメントのそれぞれがブレードを画定するということが留意される。たとえば、図18Aiに示されているインペラーの端面図では、リング164のそれぞれの側のインペラーの一部分が、それぞれ、ブレードととみなされ得る。それにもかかわらず、本出願の文脈において、図13Dに示されているような2つのらせん状の細長いエレメントを含むインペラーは、単一のブレードを有するものとして説明される。)いくつかの適用例では、3つのブレード付きのインペラーが、チューブ162を切断することによって形成され、リング164同士の間に3つの細長いエレメントを画定する構造体を画定しており、構造体が軸線方向に圧縮されるときに、構造体が、たとえば、図16A図16Bを参照して下記に説明されているように、3つのらせん状の細長いエレメントを画定するようになっている。代替的にまたは追加的に、異なる数のブレード、たとえば、4~8ブレードを有するインペラーが使用される。
【0367】
典型的に、材料が細長いエレメント166同士の間に連続的な層(たとえば、連続的なフィルム)を形成するように、材料168は、構造体165に連結されている。典型的に、材料が(たとえば、硬化または重合プロセスによって)乾燥させられている間に、材料がらせん状の細長いエレメント166によって支持されているおかげで、および、形状付けマンドレルなどのような、ブレードに形状を与えるように構成されている任意の器具の使用を必要とすることなく、材料168は、1つまたは複数のブレードを形成するように形状付けされているということがさらに留意される。
【0368】
図13Dに示されているように、インペラーブレードが、典型的に、らせん状の細長いエレメント166によって支持されている材料168の連続的なフィルムから形成されており、らせん状の細長いエレメントは、典型的に、インペラーのブレードの外側縁部を形成している。典型的に、インペラーは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、インペラーの軸線に沿って、材料のフィルムに対する支持を提供するための軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含まないということが留意される。より一般的に、インペラーは、典型的に、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料168のフィルムに対する支持を提供するための任意の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含まない。したがって、典型的に、らせん状の細長いエレメント同士の間に配設される材料のフィルムの連続性を破壊する支持部材は存在していない。そのうえ、回転運動は、インペラーのらせん状の細長いエレメントを介して(たとえば、実質的に、らせん状の細長いエレメントだけを介して)、および、軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を介さずに、インペラーの近位端部部分(たとえば、近位リング164)からインペラーの遠位端部部分(たとえば、遠位リング164)へ与えられる。
【0369】
挿入デバイス155を介してインペラーを挿入する間に(図12Ai)、インペラーは、構造体165を軸線方向に長くされることによって、半径方向に圧縮されており、らせん状の細長いエレメント166が真っ直ぐにされるようになっている。典型的に、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料168に対して支持を提供する追加的な支持部材が存在しないので、材料168のフィルムは、構造体165を軸線方向に長くする間にらせん状の細長いエレメントが受ける形状変化に従う。さらに典型的に、他の条件が等しければ、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)が欠如しているということは、インペラーの半径方向の圧縮を促進させ、インペラーがその最大限に半径方向に圧縮された構成になっているときのインペラーの最大直径は、すべての他の態様で同様であるが軸線方向の支持部材を含むインペラーの最大直径よりも小さく、すなわち、インペラーは、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも小さい直径まで、半径方向に圧縮可能であるように構成されている。
【0370】
いくつかの適用例では、他の条件が等しければ、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)が欠如していることに起因して、インペラーは、すべての他の態様で同様であるが軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含むインペラーよりも柔軟性を有する。腎静脈の中への挿入の間に、インペラーおよびケージは、典型的に、血管の接合部を通して挿入され、それは、互いに比較的に鋭角(たとえば、70度よりも大きい角度)を形成しており、互いから比較的に短い距離配設されている。たとえば、インペラーおよびケージは、大腿静脈、腸骨静脈を通して、大静脈の中へ、次いで、腎静脈の中へ通され得る。インペラーの柔軟性は、典型的に、腎静脈の中へのインペラーの挿入を促進させる。
【0371】
そのうえ、他の条件が等しければ、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)が欠如していることは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含むインペラーを所定の長さだけ軸線方向に長くするために必要とされることとなるよりも小さい力を使用して、インペラーを所定の長さだけ軸線方向に長くすることを促進させる。その理由は、軸線方向の支持部材を含むインペラーを軸線方向に長くすることは、典型的に、(たとえば、支持部材の軸線方向の延伸を介して)軸線方向の支持部材を軸線方向に長くすることを必要とすることとなるからである。同様に、他の条件が等しければ、インペラーを軸線方向に長くするように、所定の力がインペラーに加えられる場合には、インペラーの軸線方向の伸びは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含む概して同様のインペラーが受けることとなる軸線方向の伸びよりも大きい。
【0372】
本発明のいくつかの代替的な適用例では、インペラーの材料168自体は、それを通して軸線方向の支持部材に挿入することを促進させるように成形されている。たとえば、エラストマー(たとえば、シリコーン、またはシリコーンベースのエラストマー)は、材料168として使用され得、エラストマーは、それを通る中空の中心ルーメンを形成するように成形され得る。軸線方向の支持部材は、エラストマーによって画定される中空の中心ルーメンを通されることによって、インペラーに連結され得る。
【0373】
ここで図14A図14Bを参照すると、図14A図14Bは、本発明のいくつかの適用例による構造体165の概略図であり、インペラー152は、構造体165から形成され、構造体は、構造体の一部分の周りに結合される縫合糸170を有していることを示している。また、図15を参照すると、図15は、本発明のいくつかの適用例によるインペラー152の概略図である。
【0374】
上記に説明されているように、典型的に、材料168は、材料168がその液体状態である間に、構造体165が材料168の中へ浸漬されることによって、構造体165の少なくとも一部分に連結される。たとえば、構造体165は、液体シリコーンの中へ浸漬され得る。その後に、材料は、(たとえば、硬化および/または重合プロセスによって)乾燥させられ、構造体165のらせん状の細長いエレメントによって支持された材料のフィルムが形成されるようになっている。いくつかの適用例では、構造体165の上への材料168のフィルムの形成を促進させるために、および/または、構造体165のらせん状の細長いエレメント166への材料168の連結を促進させるために、縫合糸170は、構造体165の一部分の周りに結合されている。たとえば、縫合糸は、図14Aに示されているように、構造体165のらせん状の細長いエレメント166の周りに結合され得、図14Aは、材料168が構造体165に連結される前に、らせん状の細長いエレメント166の周りに結合された縫合糸170を示している。
【0375】
いくつかの適用例では、縫合糸は、材料168がその液体状態である間に、材料168が接触する表面積を増加させる。代替的にまたは追加的に、縫合糸の表面は、細長いエレメント166(それは、典型的に、ニチノールから作製されている)のものよりも粗くおよび/または多孔性である。したがって、材料168が、材料168と細長いエレメント166との間の連結のものよりも強い連結強度で、縫合糸に連結されるようになる。いくつかの適用例では、縫合糸は、細長いエレメントが作製される材料(それは、典型的に、比較的に高い剛性を有している(また、典型的に、ニチノールである))と、および材料168(それは、典型的に、比較的に低い剛性を有するエラストマーである)との間の仲介物質としての役割を果たしている。それによって、縫合糸は、材料が乾燥すると、材料168とらせん状の細長いエレメント166との間の連結の強度を強化する。いくつかの適用例では、材料168とらせん状の細長いエレメント166との間の連結の強度を強化することによって、縫合糸は、材料168の乾燥の間に、および/または、材料168の乾燥の後に、ギャップが材料とらせん状の細長いエレメント166との間に形成されることを防止する。このように、縫合糸は、らせん状の細長いエレメント同士の間に材料168の連続的なフィルムを形成することを促進させる。図14Bは、構造体165の上への材料168のフィルムの形成に続くインペラー152を示しており、フィルムは、構造体165のらせん状の細長いエレメント166によって支持されている。
【0376】
代替的にまたは追加的に、構造体165の上への材料168のフィルム形成を促進させるために、らせん状の細長いエレメント166の最も近くにある、構造体165の端部部分(たとえば、リング164)の縁部は、図15に示されているように、その中に切り欠き部180を画定している。上記に説明されているように、典型的に、材料168は、材料168がその液体状態である間に、構造体165が材料168の中へ浸漬されることによって、構造体165の少なくとも一部分に連結される。たとえば、構造体165は、液体シリコーンの中へ浸漬され得る。典型的に、液体材料のいくらかが、端部部分(たとえば、リング164)の中の切り欠き部180の中へ進入しており、材料と構造体との間の接触の面積が、端部部分が切り欠き部を画定していないとした場合と比較して、増加させられるようになっている。したがって、材料がその後に乾燥させられると、構造体165に対する材料の連結の強度が強化される。
【0377】
ここで図16A図16Bを参照すると、図16A図16Bは、本発明のいくつかの適用例によるインペラー152の概略図であり、インペラーは、3つのブレード190を画定していることを示している。典型的に、インペラー152は、図13A図13Dを参照して説明されているインペラーを参照して上記に説明されているものと概して同様の技法を使用して、3つのブレードを有するように製造されている。しかし、2つの細長いエレメント166(図13B)を画定するようにチューブ162(図13A)を切断するというよりもむしろ、チューブ162は、3つの細長いエレメントを画定するように切断されている。次いで、チューブは、軸線方向に圧縮され、細長いエレメントが3つのらせん形状を形成するようになっており、チューブは、軸線方向に圧縮された構成で形状設定される。次いで、材料168は、構造体165の少なくとも一部分に連結される。典型的に、材料は、材料168がその液体状態にある間に、構造体165が材料168の中へ浸漬されることによって、構造体165の少なくとも一部分に連結される。たとえば、構造体165は、液体シリコーンの中へ浸漬され得る。典型的に材料は、(たとえば、硬化および/または重合によって)らせん状の細長いエレメントの上で乾燥させられ、材料がそれに連結されているらせん状の細長いエレメントが、図16A図16Bに示されているように、3つのブレード付きのインペラーを形成するようになっている。
【0378】
典型的に、図16A図16Bに示されている3つのブレード付きのインペラーは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、および、インペラーの軸線に沿って、材料168に対して支持を提供するための軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含まないということが留意される。より一般的に、典型的に、インペラーは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、らせん状の細長いエレメントに加えて材料168に対して支持を提供するための支持部材(たとえば、シャフトなど)を含まない。そのうえ、回転運動は、インペラーのらせん状の細長いエレメントを介して(たとえば、実質的に、らせん状の細長いエレメントだけを介して)、および、軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を介さずに、インペラーの近位端部部分(たとえば、近位リング164)からインペラーの遠位端部部分(たとえば、遠位リング164)へ与えられる。
【0379】
挿入デバイス155を介してインペラーを挿入する間に(図12Ai)、インペラーは、インペラーを軸線方向に長くすることによって、半径方向に収縮されており、らせん状の細長いエレメント166が真っ直ぐにされるようになっている。典型的に、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に、材料168に対して支持を提供する追加的な支持部材(たとえば、シャフトなど)が存在しないので、材料168は、構造体165を軸線方向に長くする間にらせん状の細長いエレメントが受ける形状変化に従う。さらに典型的に、他の条件が等しければ、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)が欠如しているということは、インペラーの半径方向の圧縮を促進させ、インペラーがその最大限に半径方向に圧縮された構成になっているときのインペラーの最大直径は、すべての他の態様で同様であるが軸線方向の支持部材を含むインペラーの最大直径よりも小さく、すなわち、インペラーは、インペラーがらせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも小さい直径まで、半径方向に圧縮可能であるように構成されている。
【0380】
いくつかの適用例では、他の条件が等しければ、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)が欠如していることに起因して、インペラーは、すべての他の態様で同様であるが軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含むインペラーよりも柔軟性を有する。腎静脈の中への挿入の間に、インペラーおよびケージは、典型的に、血管の接合部を通して挿入され、それは、互いに比較的に鋭角(たとえば、70度よりも大きい角度)を形成しており、互いから比較的に短い距離配設されている。たとえば、インペラーおよびケージは、大腿静脈、腸骨静脈を通して、大静脈の中へ、次いで、腎静脈の中へ通され得ることによって、腎静脈の中へ挿入され得る。インペラーの柔軟性は、典型的に、腎静脈の中へのインペラーの挿入を促進させる。
【0381】
そのうえ、上記に説明されているように、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)が欠如していることは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含むインペラーを所定の長さだけ軸線方向に長くするために必要とされることとなるよりも小さい力を使用して、インペラーを所定の長さだけ軸線方向に長くすることを促進させる。同様に、他の条件が等しければ、インペラーを軸線方向に長くするように、所定の力がインペラーに加えられる場合には、インペラーの軸線方向の伸びは、らせん状の細長いエレメントの近位端部と遠位端部との間に軸線方向の支持部材(たとえば、シャフトなど)を含む概して同様のインペラーが受けることとなる軸線方向の伸びよりも大きい。
【0382】
本発明のいくつかの代替的な適用例では、インペラーの材料168自体は、それを通して軸線方向の支持部材に挿入することを促進させるように成形されている。たとえば、エラストマー(たとえば、シリコーン、またはシリコーンベースのエラストマー)は、材料168として使用され得、エラストマーは、それを通る中空の中心ルーメンを形成するように成形され得る。軸線方向の支持部材は、エラストマーによって画定される中空の中心ルーメンを通されることによって、インペラーに連結され得る。
【0383】
ここで図17を参照すると、図17は、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプ150の保護ケージ154の概略図である。典型的に、ケージは、近位リングおよび遠位リング202を含む。近位リングと遠位リングとの間で、ケージは、支柱204を含み、支柱204は、セルを画定するように形状付けされている。いくつかの適用例では、圧縮されていない半径方向に拡張させられたケージの構成では(すなわち、ケージに加えられている任意の力がない場合は)、近位リングと遠位リングとの間で、ケージは、図17に示されているように、概して球形または卵形の形状を画定している。係合メカニズム156(図12B)は、典型的に、インペラーのリング164(図13A図13D)、ケージのリング202、および遠位軸受250D(図12B)を介して、インペラーをケージ154に係合させている。
【0384】
いくつかの適用例では、ケージ154がその半径方向に拡張させられた構成になっているときに、ケージの長手方向軸線に沿って測定され、かつ、ケージのリング202を含む、ケージの長さL8は、17mmよりも大きく、26mmよりも小さく、および/または、17mmから26mmの間である。ケージの長手方向軸線に沿って測定され、かつ、ケージのリング202を含まない、ケージの長さL9は、12mmよりも大きく、21mmよりも小さく、および/または、12mmから21mmの間である。いくつかの適用例では、ケージが、クリンプされることによって、軸線方向に長くされ、半径方向に圧縮されているときには(示されていない構成)、ケージの長手方向軸線に沿って測定され、かつケージのリング202を含む、ケージの長さは、22mmよりも大きく、35mmよりも小さく、および/または、22mmから35mmの間である。典型的に、そのような適用例では、ケージが、クリンプされることによって、軸線方向に長くされているときには(示されていない構成)、ケージの長手方向軸線に沿って測定され、かつ、ケージのリング202を除く、ケージの長さは、18mmよりも大きく、30mmよりも小さく、および/または、18mmから30mmの間である。いくつかの適用例では、ケージ154がその半径方向に拡張させられた構成になっているときに、ケージの直径D7は、8mmよりも大きく、20mmよりも小さく、および/または、8mmから20mmの間である。たとえば、直径D7は、8mmよりも大きく、15mmよりも小さく、および/または、8mmから15mmの間であることが可能である。または、直径D7は、13mmよりも大きく、19mmよりも小さく、および/または、13mmから19mmの間であることが可能である。
【0385】
ケージは、典型的に、そのクリンプされた構成になっている状態で(すなわち、圧縮されていないケージの構成に対して、ケージが、軸線方向に長くされ、半径方向に圧縮されている状態で)、血管の中へ(たとえば、腎静脈の中へ)挿入される。上記に説明されているように、インペラーを血管の中へ挿入する間に、インペラーは、構造体165を軸線方向に長くすることによって、半径方向に収縮されており、らせん状の細長いエレメント166が真っ直ぐにされるようになっている。典型的に、材料168のフィルムは、インペラーを長くする間にらせん状の細長いエレメントが受ける形状変化に従う。さらに典型的に、血液ポンプを血管の中へ挿入する間に、インペラー152は、ケージの内側にすでに配設されている。したがって、血液ポンプ150を血管の中へ挿入する間に、インペラー152は、ケージがそのクリンプされた構成になっている状態で、および、インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている状態で、ケージの内側に配設されており、インペラーのらせん状の細長いエレメントは真っ直ぐにされている。典型的に、血管の内側の挿入デバイスから放出されることに応答して、ケージは、圧縮されていない半径方向に拡張させられたケージの構成を自動的にとる。同様に、インペラーは、典型的に、ケージおよびインペラーが挿入デバイスから放出されることに応答して、ケージの内側で自動的に半径方向に拡張し、その圧縮されていない半径方向に拡張させられた構成をとるようになっている。
【0386】
ここで図18Ai~図18Aiiiを参照すると、図18Ai~図18Aiiiは、本発明のいくつかの適用例による、インペラー152のフレームを形成する構造体165の例の概略図である。
【0387】
内側の点線の円形194によって示されているように、内側の点線の円形194は、図18Ai~図18Aiiiの両方でサイズが同じであり、図18Aiおよび図18Biのそれぞれに示されているインペラーは、同じサイズを有する円形領域を包含するように回転する。したがって、外側点線の円形196によって示されているように、外側点線の円形196は、図18Ai~図18Aiiiの両方でサイズが同じであり、図18Aiおよび図18Biのそれぞれに示されているインペラーは、所定の断面積を有する血管の内側に設置されるのに適切であり、上記に説明されているように、血管の内側壁部とインペラーとの間に分離が存在するようになっている。(外側点線の円形は、血管の内側壁部の断面を表しており、その中にインペラーが設置されている。)同様にサイズ決めされている血管の中に設置されるのに適切であるにもかかわらず、図18Bi~図18Biiiに示されているインペラーの構造体165は、構造体から形成されるインペラーのブレードが、図18Ai~図18Aiiiに示されているような構造体165から形成されるインペラーブレードよりも大きい横断面積に広がるように構成されている。換言すれば、(図18Aiおよび図18Biに示されているように)インペラーの端部から見たときに、図18Bi~図18Biiiに示されているインペラーフレームのブレードは、図18Ai~図18Aiiiに示されているインペラーフレームのブレードによって広がる横断面積よりも大きい横断面積(すなわち、インペラーの軸線に対して横断方向の面積)に広がっている。同様に、(図18Aiおよび図18Biに示されているように)インペラーの端部から見たときに、図18Bi~図18Biiiに示されているインペラーフレームのブレードのそれぞれは、インペラーの長手方向軸線の周りに角度シータを画定しており、それは、図18Ai~図18Aiiiに示されているインペラーフレームのブレードのそれぞれによって画定されているものよりも小さい。
【0388】
典型的に、他の条件が等しければ、所定の直径を有する血管の内側に設置されているインペラーに関して、インペラーの所定の回転レートにおいて血管を通る血液の推進力は、インペラーのブレードが広がる血管の横断面積(すなわち、血管の長手方向軸線に対して横断方向の血液の面積)が大きくなるほど、より大きくなる(したがって、インペラーの効率がより大きくなる)。図18Ai~図18iiiおよび図18Bi~図18iiiに示されているようなインペラーに関して、インペラーの効率は、インペラーの長手方向軸線のそれぞれの側の周りにインペラーブレードによって画定される角度シータが大きくなるほど、典型的に、より大きくなる。したがって、図18Ai~図18Aiiiおよび図18Bi~図18Biiiに関して、他の条件が等しければ、図18Bi~図18Biiiに示されているインペラーは、典型的に、図18Ai~図18Aiiiに示されているものよりも効率的に血液をポンピングすることとなる。しかし、より詳細に以下に説明されているように、インペラーが軸線方向に長くされるときに、そして、他の条件が等しければ、より大きい横断面積に広がるブレードを画定するインペラーは、より小さい横断面積に広がるブレードを画定するインペラーよりも、典型的に長くなることとなる。
【0389】
いくつかの適用例では、本明細書で説明されているような単一のブレード付きのインペラーが使用され、シータの値(すなわち、インペラーの長手方向軸線のそれぞれの側の周りに、インペラーのブレードによって画定される角度)は、5度よりも大きく(たとえば、50度よりも大きいか、70度よりも大きいか、もしくは90度よりも大きい)、360度よりも小さく(たとえば、180度よりも小さいか、150度よりも小さいか、もしくは110度よりも小さい)、および/または、5度から360度の間である(たとえば、50度から180度の間であるか、70度から150度の間であるか、もしくは、90度から110度の間である)ということが留意される。
【0390】
血液ポンプ150を血管の中へ挿入する間に、インペラー152は、ケージが軸線方向に長くされたクリンプされた構成になっている状態で、および、インペラーがその軸線方向に長くされたクリンプされた構成になっている状態で、典型的に、ケージ154の内側に配設されている。したがって、インペラーがその軸線方向に長くされたクリンプされた構成になっているときにインペラーが画定する長さは、典型的に、ケージがその軸線方向に長くされたクリンプされた構成になっているときのケージの長さよりも小さい。そして、ケージの寸法は制限されている。その理由は、半径方向に拡張させられたケージの構成になっているケージの直径は、血液ポンプがその中へ設置されることとなる血管のサイズに基づいて制限されるからである。
【0391】
いくつかの適用例では、ケージは、支柱204を含むように構成されており、支柱204は、図18Cに示されているように、波打っている部分210を含むように形状設定されている(それは、さらに詳細に以下に説明されている)。典型的に、ケージがその半径方向に拡張させられた構成になっているときのケージの支柱の波状部分の波打ちレベルは、ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの支柱の波状部分の波打ちのレベルよりも大きい。いくつかの適用例では、波打っている部分を有する支柱を含むことによって、その半径方向に拡張させられた構成において所定の直径および/または外側プロファイルを有するケージは、ケージが長くされるときに、波打っている部分を有する支柱を含まない同様の直径および/または外側プロファイルを有するケージよりも大きい長さを画定するように長くされ得る。このように、ケージは、(a)その軸線方向に長くされた構成では、波打っている部分を有する支柱を含まないケージが収容することができることとなるものよりも長くなる(したがって、それは、その半径方向に拡張させられた構成では、より大きい横断面積を画定する)、インペラーを収容することができるが、(b)その半径方向に拡張させられた構成になっている状態のケージの直径および/または外側プロファイルは、波打っている部分を有する支柱を含まないケージと概して同様である。
【0392】
図18Ai~図18Cのより詳細な説明が続く。
【0393】
上記に説明されているように、図18Bi~図18Biiiに示されているインペラーの構造体165は、構造体から形成されるインペラーのブレードが、図18Ai~図18Aiiiに示されているような構造体165によって形成されるインペラーブレードよりも大きい横断面積に広がるように、構成されている。図18Aiiおよび図18Biiは、構造体165の2つの例の側面図を示しており、図18Aiiiおよび図18Biiiは、軸線方向に長くされた構造体の構成になっている構造体165の例の図を示しており、構造体のらせん状の細長いエレメントは真っ直ぐにされている。上記に説明されているように、血液ポンプ150を血管の中へ挿入する間に、インペラーは、典型的に、図18Aiiiおよび図18Biiiに示されているように、軸線方向に長くされた構成になっている。インペラーブレードが(図18Biに示されているように)より大きい横断面積に広がるようにするために、細長いエレメント166の長さは、典型的に、(図18Aiに示されているように)より小さい横断面積に広がるブレードを有するインペラーの長さよりも長い。したがって、インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっているときに、図18Bi~図18Biiiに示されているインペラーの長さLBは、図18Ai~図18Aiiiに示されているインペラーの長さLAよりも大きい。
【0394】
ここで図18Cを参照すると、図18Cは、本発明のいくつかの適用例によるケージ154の概略図であり、ケージは、少なくともいくつかの支柱204を含み、支柱204は、その波状部分210を有していることを示している。また、図18Dを参照すると、図18Dは、本発明のいくつかの適用例による、半径方向に拡張させられたケージ154の端面図の概略図であり、ケージ154の1つは、その波状部分210を有する支柱204を含み(左のケージ)、また、ケージ154の他方は、その波状部分を有する支柱を含んでいない(中間のケージ)ことを示している。または、図18Dの右側は、その波状部分を有する支柱を含むケージが、その波状部分を有する支柱を含まないケージの上に重ね合わせられており、波状部分を含む支柱は、実線で示されており、波状部分を含まない第2のケージの対応する支柱は、点線で示されている。重ね合わせられたケージを示す図18Dの一部分に観察することができるように、支柱のいくつかの中に波状部分を含むことは、ケージの外側プロファイルを変化させない。しかし、支柱の波状部分は、支柱に長さを追加し、他の条件が等しければ、波状部分を有する支柱を含むステントの、軸線方向に長くされた全体の長さが、波状部分を有する支柱を含まないステントの、軸線方向に長くされた全体の長さよりも大きくなるようになっている。
【0395】
上記に説明されているように、典型的に、インペラーがその軸線方向に長くされてクリンプされた構成になっているときのインペラーの長さは、ケージがその軸線方向に長くされたクリンプされた構成になっているときのケージの長さよりも小さくなっており、クリンプされたケージが、軸線方向に長くされたインペラーを収容することができるようになっている。そして、そして、ケージの寸法は制限されている。その理由は、半径方向に拡張させられたケージの構成になっているケージの直径は、血液ポンプがその中へ設置されることとなる血管のサイズに基づいて制限されるからである。図17に示されているような構造体を有するケージに関して、より長いクリンプされた長さを有するケージは、典型的に、血管の内側で、より大きい最大直径を有するように拡張し、それは、望ましくない可能性がある。
【0396】
いくつかの適用例では、半径方向に拡張させられたケージの構成でのケージの直径を増加させることなく、軸線方向に長くされたケージの長さを増加させるために、図18Cに示されているようなケージが使用される。図18Cに示されているケージは、波状部分210を含む支柱を含む。ケージをクリンプする間に、波状部分は、少なくとも部分的に真っ直ぐにされるように構成されており、それによって、部分210が波状になっていなかったとした場合と比較して、クリンプされたケージの長さを増やす。ケージが血管の内側で半径方向に拡張するときに、波状部分は波状になるが、ケージの直径を増やさず、または、そうでなければ、波状部分が真っ直ぐであるとした場合と比較して、ケージの外側プロファイルを変化させない。したがって、一般的に、ケージがそのクリンプされた構成になっているときに波状部分によってケージに提供される過剰な長さは、ケージが血管の内側で拡張するときのケージの直径を増やさない。
【0397】
説明されているように、ケージを腎静脈の中へ挿入する間に、ケージの支柱の波状部分は、少なくとも部分的に真っ直ぐにされている。ケージが腎静脈の内側で半径方向に拡張させられた構成をとると、ケージの支柱の波状部分の波打ちのレベルが増加する。いくつかの適用例では、波状部分を画定する支柱のそれぞれに関して、支柱は、
(a)ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの(すなわち、波状部分が少なくとも部分的に真っ直ぐにされているときの)、支柱の第1の長手方向の端部から支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と、
(b)ケージがその半径方向に拡張させられた構成になっているときの(すなわち、波状部分が、支柱が形状設定された波打ちのレベルになっているときの)、支柱の第1の長手方向の端部から支柱の第2の長手方向の端部への最短距離
との比が、1.05:1よりも大きいか、たとえば、1.15:1よりも大きいか、または1.2:1よりも大きくなるように構成されている。
【0398】
いくつかの適用例では、上述の比が、1.4:1よりも小さく、たとえば、比は、1.05:1から1.4:1の間であるか、1.15:1から1.4:1の間であるか、または、1.2:1から1.4:1の間であることが可能である。
【0399】
ここで図19A図19Bを参照すると、図19A図19Bは、本発明のいくつかの適用例によるインペラーケージ154の概略図であり、ケージは、ケージに加えられている任意の力がない場合は、概して円筒状の形状を有する中央部分を画定するように形状付けされていることを示している。ケージの概して円筒形状の部分におけるケージの外側表面は、ケージの長手方向軸線222に対して平行である。図19Aは、ケージ自体を示しており、図19Bは、血管、たとえば、腎静脈32の内側に配設されているケージを示している。
【0400】
図19Bは、ケージ154を示しており、ケージは、血管(たとえば、内側の腎静脈32)の内側に半径方向に拡張させられており、ケージが血管にアンカー固定されるようになっている。上記に説明されているように、血液ポンプ150のインペラー152(図12Ai)は、血管の内側で回転させることによって、血管を通して軸線方向に血液をポンピングするように構成されている。典型的に、インペラーが血管を通して血液を効率的にポンピングするようにするために、インペラーの長手方向軸線224が、血管の長手方向軸線226に整合させられているということが望ましい。さらに典型的に、インペラー152のリング164は、ケージ154のリング202と整合させられており、インペラーおよびケージの長手方向の軸線が、互いに整合させられるようになっている。たとえば、図12Bに示されているように、(a)インペラーおよびケージの両方の近位リングを、第1の支持エレメント(たとえば、近位軸受250Pなど)の周りに設置し、インペラーおよびケージの近位リングが、互いに整合させられるようになることによって、ならびに、(b)インペラーおよびケージの両方の遠位リングを、第2の支持エレメント(たとえば、遠位軸受250Dなど)の周りに設置し、インペラーおよびケージの遠位リングが、互いに整合させられることによって、インペラーおよびケージの長手方向の軸線は、互いに整合させられ得る。
【0401】
図19Bに示されているように、ケージ154の概して円筒形状の中央部分220は、血管にアンカー固定され、ケージの長手方向軸線が、血管の長手方向軸線に整合させられるようになっている。インペラーおよびケージの長手方向の軸線は、互いに整合させられているので、ケージの概して円筒形状の中央部分は、インペラーの長手方向軸線が血管の長手方向軸線に整合させられるように、インペラーが血管の中に配設されることを引き起こす。
【0402】
本出願で使用されているように(特許請求の範囲で使用されることを含む)、構造体の「長手方向軸線」は、構造体に沿う、構造体の断面セクションのすべてのセントロイドのセットである。したがって断面セクションは、構造体に沿って走る長手方向軸線に対して局所的に垂直である。(構造体は断面が円形である場合には、セントロイドは、円形断面セクションの中心に相当する。)
ここで図20を参照すると、図20は、インペラーケージ154の概略図であり、ケージは、血管(たとえば、腎静脈32)の内側に設置されるように構成されており、血管の一部分の直径が、インペラーケージがない場合の血管の直径と比較して、増加することを引き起こすようになっている。図20に示されているように、いくつかの適用例では、ケージは、ケージがない場合に直径D6を有する血管を拡張するように構成されており、血管の一部分が、D6よりも大きい直径を有するようになっている。たとえば、ケージは、血管を広げることが可能であり、血管が拡大したときに、血管の直径が、直径D6の105パーセントよりも大きいか、たとえば、110パーセントよりも大きいか、または、115パーセントよりも大きくなるようになっている。いくつかの適用例では、ケージは、血管を広げ、血管が拡大したときに、血管の直径が、直径D6の125パーセントよりも小さくなるようになっている。たとえば、拡大した直径は、直径D6の105~125パーセント、110~125パーセント、および/または115~125パーセントであることが可能である。いくつかの適用例では、血液ポンプ150のインペラー152は、少なくとも血管の直径D6に等しい直径に広がるように構成されている。典型的に、すべての他の要因が等しければ、インペラーが広がる直径が大きくなるほど、インペラーが血管を通して血液をポンピングすることができる流量が大きくなる。
【0403】
ここで図21Aを参照すると、図21Aは、本発明のいくつかの適用例による、対象の大腿静脈230を介して、対象の左腎静脈および右腎静脈32の中へ挿入されているインペラーベースの血液ポンプ150の概略図である。血液ポンプ150の詳細は、図21Aに示されていないが、ポンプは、概して上記に説明されているようなものであるということが留意される。典型的に、血液ポンプは、左腎静脈および右腎静脈の中へ、それぞれのカテーテル155を介して挿入されており、カテーテルは、両方とも大腿静脈を介して挿入されている。代替的に(図示せず)、血液ポンプは、大腿骨のアクセスポイントから対象の大静脈へ通る単一のカテーテルを介して挿入される。
【0404】
典型的に、血液ポンプ150のインペラーは、モーター232に連結されており、モーター232は、インペラーに回転運動を与える。それぞれの適用例によれば、モーターは、(示されているように)対象の身体の外側に配設されているか、または、対象の身体の内側に設置されている(図示せず)。典型的に、制御ユニット234およびユーザーインターフェース236が、対象の身体の外側に配設されている。さらに典型的に、制御ユニットは、圧力センサー157および159から入力を受信し、圧力センサー157および159は、図12C図12Dを参照して上記に説明されているように、血液ポンプの上流側および下流側に配設されている。血液ポンプ150が、(たとえば、図21Aに示されているように)腎静脈の内側に配設されているとき、上流の圧力センサー157によって測定される圧力は、腎静脈の内側の、血液ポンプの上流の血圧を表しており、下流の圧力センサー159によって測定される圧力は、中心静脈圧力を表している。いくつかの適用例では、制御ユニットは、追加的なセンサー161(たとえば、流量センサーおよび/または酸素飽和度センサー)から入力を受信し、追加的なセンサー161は、血液ポンプの上に(たとえば、図12Aiに示されているように、血液ポンプの下流側に)配設されている。代替的にまたは追加的に、制御ユニットは、図22Ai~図22Ciiを参照して下記に説明されているサーマル式流量センサー260などのような、サーマル式流量センサーから入力を受信する。
【0405】
いくつかの適用例では、制御ユニット234は、上述の入力の1つまたは複数に応答可能に、モーター232を制御することによって、インペラー152の回転を制御する。典型的に、ユーザーインターフェース236は、センサー157および159によって測定される圧力に基づいて、対象の現在の腎静脈圧力および中心静脈圧力を表示する。典型的に、対象の腎静脈圧力および中心静脈圧力の現在の値に基づいて、ユーザー(たとえば、医療従事者など)は、ユーザーインターフェースを介して、対象腎静脈圧力に関する目標値を入力する。それに応答して、制御ユニット234は、インペラーの回転の速度を制御し、ユーザーによって示されるように、腎静脈圧力を目標レベルに向けて低減させるようになっている流量で、インペラーが、腎静脈を通して大静脈に向けてポンピングするようになっている。いくつかの適用例では、中心静脈圧力が目標腎静脈圧力となっているということを示す、下流のセンサー159から受信される信号に応答して、制御ユニットは、インペラーの回転を停止させる。一般的に、制御ユニットは、典型的に、圧力センサー157および159からの入力に応答可能に、インペラーの回転の速度を制御する。いくつかの適用例では、制御ユニットは、追加的なセンサー161、および/またはサーマル式流量センサー260(図22Ai~図22Ciiに示されている)からの入力に応答可能に、インペラーの回転の速度を制御する。
【0406】
本出願において明細書および特許請求の範囲に説明されているような「制御ユニット」は、本明細書で説明されているアクションを実行するように構成されている任意のタイプのプロセッサー(たとえば、コンピュータープロセッサーなど)を含むということが留意される。「ユーザーインターフェース」は、ユーザーから入力を受信するように、および/または、ユーザーに出力を提供するように構成されている、任意のタイプのユーザーインターフェースを含む。たとえば、ユーザーインターフェースは、1つまたは複数の入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、タッチスクリーンモニター、タッチパッド、ボイスコマンドインターフェース、スマートフォン、タブレットコンピューター、および/もしくは、当技術分野で公知の他のタイプの入力デバイスなど)、ならびに/または、1つまたは複数の出力デバイス(たとえば、モニター、オーディオ出力デバイス、スマートフォン、タブレットコンピューター、および/もしくは、当技術分野で公知の他のタイプの出力デバイスなど)を含むことが可能である。
【0407】
ここで図21Bを参照すると、図21Bは、本発明のいくつかの適用例による、対象の鎖骨下静脈240を介して、対象の左腎静脈および右腎静脈32の中へ挿入されているインペラーベースの血液ポンプ150の概略図である。血液ポンプ150の詳細は、図21Bに示されていないが、ポンプは、概して上記に説明されているようなものであるということが留意される。典型的に、血液ポンプは、左腎静脈および右腎静脈の中へ、それぞれのカテーテルを介して挿入されており、カテーテルは、両方とも鎖骨下静脈を介して挿入されている。代替的に(図示せず)、血液ポンプは、鎖骨下のアクセスポイントから対象の大静脈へ通る単一のカテーテルを介して挿入される。腎静脈の中へ異なる静脈を介して挿入されているということは別として、図21Bに示されているような血液ポンプ150は、すべての他の点において、図21Aに示されているような血液ポンプ150と概して同様である。
【0408】
ここで図22Ai~図22Ciiを参照すると、図22Ai~図22Ciiは、本発明のいくつかの適用例による、血液ポンプ150とともに使用するためのサーマル式流量センサー260の概略図である。サーマル式流量センサーは、典型的に、上流の温度センサー262、下流の温度センサー264、および、上流の温度センサーと下流の温度センサーとの間に配設されている加熱エレメント266を含む。図22Aiの中のサーマル式流量センサーの拡大図に示されているフロー矢印によって示されているように、血液フローは、上流の温度センサーを通過して加熱エレメントに至る。加熱エレメントは、血液が加熱エレメントを通過して流れるときに、血液を加熱する。次いで、加熱された血液は、下流の温度センサーへ流れる。下流の温度センサーを通過して流れる血液が加熱エレメントによって加熱される程度は、血液の流量に依存する。したがって、サーマル式流量センサーは、上流の温度センサーと下流の温度センサーとの間の血液の温度の変化を測定し、それに応答可能に血液のフローを決定する。
【0409】
図21A図21Bを参照して説明されているように、いくつかの適用例では、制御ユニットは、サーマル式流量センサー260からの入力に応答可能に、インペラーの回転の速度を制御する。典型的に、腎静脈を通る血液フローの軸線方向の成分を測定するということ、すなわち、腎静脈の局所的な長手方向軸線に対して平行である血液フローの軸線方向成分を測定するということが、関心対象である。その理由は、これは、対象の腎臓から離れる血液の流量を決定するからである。しかし、インペラーの回転に起因して、インペラーの下流の血液フローは、典型的に、軸線方向成分以外の成分(たとえば、回転方向成分および半径方向成分)を含む。いくつかの適用例では、サーマル式流量センサーは、ハウジング268の内側に配設されており、ハウジングを通る血液フローが、実質的に軸線方向になるように、および、血液フローの軸線方向成分以外の成分(たとえば、回転方向成分および半径方向成分)が、ハウジングの外側の腎静脈を通る血液フローと比較して低減されるように、ハウジング268は構成されている。
【0410】
ここで図22Aiおよび図22Aiiを参照すると、図22Aiおよび図22Aiiは、それぞれ、本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー260およびハウジング268の断面図および上面図の概略図である。典型的に、血液ポンプ150のインペラー152およびケージ154は、血液ポンプの細長いエレメント270(たとえば、チューブ)の端部に配設されている。いくつかの適用例では、細長いエレメント270は、陥凹部を画定しており、サーマル式流量センサーは、陥凹部の内側に格納されており、したがって、陥凹部を画定している細長いエレメント170の外側表面は、ハウジング168を含む。示されているように、上流の温度センサー262、加熱エレメント266、および下流の温度センサー264は、典型的に、陥凹部の長さに沿って、連続して配設されている。典型的に、陥凹部の長さLIと陥凹部の幅WIとの比は、4:1よりも大きく、および/または、8:1よりも小さく、たとえば、4:1から8:1の間である。陥凹部を通る血液フローが、実質的に、腎静脈の局所的な長手方向軸線に対して平行な(および、細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な)方向となるように、ならびに、血液フローの軸線方向成分以外の成分(たとえば、回転方向成分および半径方向成分)が、ハウジングの外側で腎静脈を通る血液フローと比較して低減されるように、典型的に、長さLIと幅WIとの比はなっている。サーマル式センサーは、陥凹部の内側に格納されているので、サーマル式流量センサーは、実質的に、腎静脈の局所的な長手方向軸線に対して平行な(および、細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な)方向の血液フローを測定する。
【0411】
いくつかの適用例では(図示せず)、単一のサーミスタが、フローを測定するために使用され、単一のサーミスタは、ハウジングの内側に設置されており、図22Ai~図22Ciiを参照して説明されているような技法を使用して、変更すべきとことは変更して、ハウジングを通る血液フローが、実質的に、腎静脈の局所的な長手方向軸線に対して平行な(および、細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な)方向となるように、ならびに、血液フローの軸線方向成分以外の成分(たとえば、回転方向成分および半径方向成分)が、ハウジングの外側で腎静脈を通る血液フローと比較して低減されるように、典型的に、ハウジングはなっている。そのような適用例では、ハウジングの長さとハウジングの幅との比は、典型的に、1:1よりも大きく、たとえば、4:1よりも大きく、および/または、8:1よりも小さく、たとえば、4:1から8:1の間にある。そのような適用例では、図22Ci~図22Ciiに示されているようなハウジングが使用されるときに、ハウジングの長さとハウジングの高さとの比は、典型的に、1:1よりも大きく、たとえば、4:1よりも大きく、および/または8:1よりも小さく、たとえば、4:1から8:1の間にある。
【0412】
ここで図22Biおよび図22Biiを参照すると、図22Biおよび図22Biiは、それぞれ、本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー260およびハウジング268の断面図および上面図の概略図である。細長いエレメント270の中の陥凹部の内側に格納されていることに加えて、図22Bi~図22Bに示されているサーマル式センサーが、カバー272によってカバーされているということ以外は、図22Bi~図22Biiに示されているようなハウジング268は、図22Ai~図22Aiiに示されているものと概して同様である。他の態様では、サーマル式センサーおよびハウジング268は、図22Ai~図22Aiiを参照して概して説明されているようなものである。
【0413】
ここで図22Ci~図22Ciiを参照すると、図22Ci~図22Ciiは、本発明のいくつかの適用例による、サーマル式流量センサー260およびハウジング268のそれぞれの断面図の概略図である。いくつかの適用例では、ハウジング268は、サーマル式センサー260を格納しており、血液ポンプ150の細長いエレメント270の外側表面に連結されているチューブなどのようなハウジングを含む。典型的に、ハウジングは、圧縮可能であり、挿入デバイス155を介して対象の血管の中へ血液ポンプ150を挿入する間に、ハウジングが圧縮され得るようになっている。
【0414】
示されているように、上流の温度センサー262、加熱エレメント266、および下流の温度センサー264は、典型的に、ハウジングの中で、ハウジングの長さに沿って連続して配設されている。典型的に、ハウジングの長さLHとハウジングの幅WHとの比は、4:1よりも大きく、および/または、8:1よりも小さく、たとえば、4:1から8:1の間である。さらに典型的に、ハウジングの長さLHとハウジングの高さHHとの比は、4:1よりも大きく、および/または、8:1よりも小さく、たとえば、4:1から8:1の間である。ハウジングを通る血液フローが、実質的に、腎静脈の局所的な長手方向軸線に対して平行な(および、細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な)方向となるように、ならびに、血液フローの軸線方向成分以外の成分(たとえば、回転方向成分および半径方向成分)が、ハウジングの外側で腎静脈を通る血液フローと比較して低減されるように、典型的に、長さLHと幅WHとの比、および、長さLHと高さHHとの比はなっている。サーマル式センサーは、陥凹部の内側に格納されているので、サーマル式流量センサーは、実質的に、腎静脈の局所的な長手方向軸線に対して平行な(および、細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な)方向の血液フローを測定する。
【0415】
図22Ciiでは、例示目的のために、細長いエレメント270の内側が斜線を付けられているということが留意される。しかし、典型的に、細長いエレメント270は、インペラー152およびケージ154の運動を制御するための制御メカニズムを格納している。
【0416】
実験結果
ここで図23を参照すると、図23は、本発明のいくつかの適用例による、インペラーベースの血液ポンプ150を使用して、健康な豚に実施された実験の結果を示すグラフを示している。実験の全体を通して、豚の左腎静脈圧力は、豚の左腎静脈の中に配設されている圧力センサーを使用して直接的に測定された。加えて、豚の右腎静脈圧力は、腎静脈のレベルにおいて、下大静脈の中の圧力センサーを使用して測定された。また、左腎臓および右腎臓から出力される左腎血流、および尿のベースラインレベルが測定され、また、上述のパラメーターが、実験の間に、適切な時間に、特定のポイントで再度測定された。
【0417】
バルーンが、大静脈と左腎静脈および右腎静脈の両方との間の接合部の下流の豚の大静脈の中で膨張させられた。バルーンは、腎静脈の下流の大静脈を通る血液フローを部分的に塞ぐことによって、腎静脈の下流の豚の大静脈の中の血圧の増加を引き起こすように膨張させられた。バルーンが豚の大静脈の内側で膨張させられたのと同時に、インペラーベースの血液ポンプが、本明細書で説明されているように、豚の左腎静脈を通る血液をポンピングするように動作させられ、一方、豚の右腎静脈を通る血液のフローには、支援が提供されなかった。バルーンが依然として膨張状態にある間に、左腎静脈の中の血液ポンプは、ある時間の期間にわたって一時的にスイッチを切られ、その後、再度、スイッチを入れられた。その後に、大静脈の中のバルーンはしぼませられ、血液ポンプがスイッチを切られた。
【0418】
図23の中の上部のグラフは、実験の間に測定されるように、左腎静脈圧力および右腎静脈圧力を示しており、左腎静脈圧力は、実線の曲線によって示されており、右腎静脈圧力は、点線の曲線によって示されている。左腎静脈圧力測定および右腎静脈圧力測定をより明確に示すために、左腎静脈圧力測定および右腎静脈圧力測定が同一である場所では(たとえば、おおよそ12:35から13:28の間)、2つの曲線が、わずかに分離されているということが留意される。加えて、静脈圧力の小さい変化は無視されている。示されているように、初期には、ベースライン期間の間に、左腎静脈圧力および右腎静脈圧力が、おおよそ8mmHgにおいて、互いに同様であった。その後に、13:28において、バルーンが膨張させられ、インペラーベースの血液ポンプが、左腎静脈の中で動かされた。バルーンが膨張させられる結果として、大静脈の中の圧力が上昇し、したがって、右腎静脈圧力が、おおよそ22mmHgまで上昇した。大静脈の中の圧力の上昇にもかかわらず、左腎静脈を通る血液のポンピングに起因して、左腎静脈圧力は増加しなかった。おおよそ14:10において、左腎静脈の中の血液ポンプが、スイッチを切られ、結果として、左腎静脈圧力が、大静脈の中の静脈圧力のレベルまで上昇した。その後に、おおよそ14:40において、ポンプが、再度、スイッチを入れられ、結果として、左腎静脈の中の圧力が降下した。その後に、15:24において、バルーンがしぼませられ、大静脈の中の静脈圧力、および、したがって、右腎静脈圧力が降下した。これらの結果は、たとえ、対象の中心静脈圧力が上昇したとしても、本明細書で説明されているようなインペラーベースの血液ポンプが、腎静脈圧力を効果的に低減させることが可能であるということを示している。
【0419】
図23の中間のグラフは、左腎静脈の中で測定されるような腎血流を示している。示されているように、左腎血流のベースライン値は、おおよそ360ml/minであった。バルーンが大静脈の中で膨張させられ、血液ポンプが左腎静脈の中で動作しているときに、左腎血流が、再度測定された。示されているように、血液ポンプによる血液のポンピングに起因して、左腎血流は、おおよそ440ml/minまで上昇した。その後に、バルーンが大静脈の中で膨張させられている間に、および、血液ポンプがスイッチを切られている間に、左腎血流が測定され、腎血流は、おおよそ380ml/minまで落ちた。その後に、血液ポンプがもう一度スイッチを入れられたきに、左腎血流が再度測定され、左腎血流は、おおよそ340ml/minまで上昇した。これらの結果は、たとえ、対象の中心静脈圧力が上昇したとしても、本明細書で説明されているようなインペラーベースの血液ポンプが、腎血流を効果的に増加させることが可能であるということを示している。
【0420】
例示目的のために、1つのデータポイントと次のデータポイントとの間の腎血流の変化が、一定のレートで起こっているものとして、グラフの上に示されているということが留意される。しかし、本発明者は、腎血流の変化は、実質的に、血液ポンプが左腎静脈の内側でスイッチを入り切りされることに起因しており、および/または、大静脈の内側でのバルーンの膨張に起因しおり、腎血流の変化のほとんどが、上述の事象の発生に従って発生することとなったということを仮定している。
【0421】
図23の下部のグラフは、実験の間の特定の時間において、豚の左腎臓(実線の曲線によって示されている)および右腎臓(点線の曲線によって示されている)において測定された尿出力を示している。一般的に、腎臓を通る血液フローのレートは、尿出力のレートに対して影響を有するということが知られているということが留意される。示されているように、ベースライン期間の間に測定されるときに、左腎臓および右腎臓からの尿生成は、10分当たりおおよそ21mlであった。その後に、バルーンが大静脈の内側で膨張させられている間に、および、血液ポンプが左腎静脈の内側で動作している間に、尿出力は、おおよそ14:00において測定された。示されているように、左腎臓からの尿出力は上昇し、一方、右腎臓からの尿生成は落ちた。これらの結果は、中心静脈圧力が上昇したときでも(それは、(右腎臓からの尿出力によって示されているように)尿出力を低減されることにつながり得る)、(左腎静脈の中で実施されるように)血液ポンプを使用して血液をポンピングすることによって腎血流を増加させることが、尿出力を増加させ得るということを示している。
【0422】
その後に、バルーンが大静脈の内側で依然として膨張させられている間に、しかし、血液ポンプがスイッチを切られている間に、おおよそ14:35において、左腎臓および右腎臓からの尿出力が測定された。このポイントにおいて、右腎臓における尿生成は落ち続け、一方、左腎臓からの尿出力も落ちた。その後に、大静脈バルーンが依然として膨張させられる間に、血液ポンプが再度スイッチを入れられた後に、右腎臓からの尿出力は、おおよそ10分当たり14mlで頭打ちになり、一方、右腎臓からの尿出力は、実質的に、10分当たり48mlまで上昇した。
【0423】
例示目的のために、1つのデータポイントと次のデータポイントとの間の尿生成の変化が、一定のレートで起こっているものとして、グラフの上に示されているということが留意される。しかし、本発明者は、尿生成の変化は、実質的に、血液ポンプが左腎静脈の内側でスイッチを入り切りされることに起因しており、および/または、大静脈の内側でのバルーンの膨張に起因しおり、尿生成の変化のほとんどが、上述の事象の発生に従って発生することとなったということを仮定している。
【0424】
さらなる実験では、本明細書で説明されているようなインペラーベースの血液ポンプが、3時間の連続的な期間にわたって、異なる豚の腎静脈を通る血液をポンピングするために使用された。この時間期間の間に、血栓、または、溶血の異常なレベルのいずれかの発生は起こらなかった。これは、本明細書で説明されているようなインペラーベースの血液ポンプが使用され、血栓および/または溶血の異常なレベルのリスクを引き起こすことなく、対象の腎静脈を通る血液フローを増加させ、それによって、腎静脈の中の圧力を低減させることが可能であるということを示している。上述の実験の間に、抗凝固剤が豚に投与されたということが留意される。それにもかかわらず、本明細書で説明されているようなインペラーベースの血液ポンプを使用して人間の対象に実施される典型的な手順では、対象は、抗凝固剤を投与されることとなるので、この結果は、本明細書で説明されているようなインペラーベースの血液ポンプが使用され、溶血および/または血栓のリスクを引き起こすことなく、対象の腎静脈を通る血液フローを増加させ、それによって、腎静脈の中の圧力を低減させることが可能であるということを示しているということは依然として事実である。
【0425】
一般的に、上述の実験では、および、豚の中で血液ポンプ150をして、本出願の本発明者によって実施された追加実験では、以下の観察が行われた。
1. 血液ポンプ150が、1分未満でスムーズに配置および回収された。
【0426】
2. 腎静脈圧力は、変化の最小マージン以内で、約20mmHgから事前選択された目標値の8mmHgまで効果的におよび連続的に低減させられた。
3. 大静脈の中の静脈圧力の上昇が、未治療の腎臓では、尿出力の降下、クレアチニンクリアランス、および分画ナトリウム排泄を引き起こすが、血液ポンプ150を使用して治療された腎臓では、それらを引き起こさない。これらの結果は、血液ポンプ150の使用は、糸球体のおよびチューブ状の腎機能に好ましい影響を有するということを示している。
【0427】
4. 大静脈の中の静脈圧力が上昇したときでも、血液ポンプ150の使用が、腎血流、尿出力、およびナトリウム排泄を保護し、回復させた。
5. 血液ポンプ150が、閉ループモードで上手く動作させられ、閉ループモードにおいて、腎静脈の中の圧力が、3時間以上にわたって一定に維持された。
【0428】
6. 血液ポンプまたはカテーテルのいずれの部分にも血栓は観察されなかった。
7. ポンプが動作されている3時間以上にわたり、臨床的に重大な溶血は観察されなかった。
【0429】
本明細書で説明されているポンプおよび/または閉塞エレメントのいくつかが、対象の腎静脈の所定の1つの中へ挿入されるものとして示されているが、本発明の範囲は、左腎静脈もしくは右腎静脈のいずれかの中へ、または、対象の腎静脈の両方の中へ、ポンプおよび閉塞エレメントを挿入することを含むということが留意される。そのうえ本発明の範囲は、一部の人々の場合のように、3つ以上の腎静脈を有する対象の3つ以上の腎静脈の中へポンプおよび閉塞エレメントを挿入することを含む。
【0430】
本明細書で説明されているポンプおよび/または閉塞エレメントのいくつかは、対象の腎静脈の中へ挿入されるものとして示されているが、本発明の範囲は、変更すべきとことは変更して、対象の他の血管の中へポンプおよび閉塞エレメントを挿入することを含むということが留意される。たとえば、静脈の中の静脈圧力を低減させるために、および/または、静脈が血液をそこから引き出す臓器の中の圧力を低減させるために(たとえば、鬱血肝を低減させるために)、反転バルブ40(図5A図5D、および図6A図6F)が、対象の肝静脈、腸静脈、または副腎静脈の中に設置され得る。
【0431】
代替的にまたは追加的に、静脈の中の静脈圧力を低減させるために、および/または、静脈が血液をそこから引き出す臓器の中の圧力を低減させるために(たとえば、鬱血肝を低減させるために)、血液ポンプ90(図8A図8Bおよび図10A図10D)が、対象の肝静脈、腸静脈、または副腎静脈の中に設置され得る。または、チャンバーから脳脊髄流体を排出させることによって、頭蓋内圧を低減させるために、血液ポンプ90が、流体充填された脳の内側のチャンバーの中に設置され得る。代替的にまたは追加的に、対象の大動脈の中に設置されることによって、および、左心室から離れるように血液をポンピングすることによって、血液ポンプ90は、左心室の支援デバイスとして使用され得る。さらに代替的にまたは追加的に、血液ポンプ90が、尿道の中に設置され得、対象の前立腺を開けたままにしておくようになっており、対象の膀胱を排出させるようになっている。
【0432】
一般的に、スリーブ110(図10A図10C)が、主静脈に供給する複数の支流静脈の中にある血液を、主静脈の中の血液フローから別々のコンパートメントへと隔離するために使用され得、次いで、ポンプ122が、コンパートメントから主静脈への血液のフローを制御するために使用され得る。
【0433】
いくつかの適用例では、入口部カバー用の傘140(図11A図11C)が、対象の肝静脈、腸静脈、または副腎静脈と別の静脈の間との接合部における入口部をカバーするために使用され得、また、静脈の中の静脈圧力を低減させるために、および/または、静脈が血液をそこから引き出す臓器の中の圧力を低減させるために(たとえば、鬱血肝を低減させるために)、血液ポンプカテーテル42が、肝静脈、腸静脈、または副腎静脈から他の静脈への血液のフローを制御するために使用される。
【0434】
いくつかの適用例では、血液ポンプ150(図12Ai~図12E)が、抹消四肢(peripheral limb)に供給する動脈の中に設置されており、たとえば、壊疽性四肢を治療するために、抹消四肢のかん流を強化するようになっている。代替的にまたは追加的に、血液ポンプ150などのような血液ポンプは、心臓から離れるように血液を推進するために、下行大動脈などのような動脈の中に設置されており、後負荷を低減させるようになっており、および/または、そうでなければ、心機能を改善させるようになっている。
【0435】
一般的に、本出願の明細書および特許請求の範囲では、用語の「近位」および関連の用語は、デバイスまたはその一部分を参照して使用されるときには、デバイスまたはその一部分の端部を意味するように解釈されるべきであり、その端部は、対象の身体の中へ挿入されるときに、典型的に、デバイスが対象の身体の中へそれを通して挿入される場所のより近くにある。用語の「遠位」および関連の用語は、デバイスまたはその一部分を参照して使用されるときには、デバイスまたはその一部分の端部を意味するように解釈されるべきであり、その端部は、対象の身体の中へ挿入されるときに、典型的に、デバイスが対象の身体の中へそれを通して挿入される場所からより遠くにある。
【0436】
一般的に、本出願の明細書および特許請求の範囲では、用語の「下流に」および関連の用語は、血管を参照して使用されるときには、または、血管の内側に設置されるように構成されているデバイスの一部分を参照して使用されるときには、血管の中の場所、または、血管の中の場所に設置することを意図しているデバイスの一部分を意味するように解釈されるべきであり、それは、血管の中の異なる場所と比較して、血管を通る順行性の血液フローの方向に対して下流である。用語の「上流に」および関連の用語は、血管を参照して使用されるときには、または、血管の内側に設置されるように構成されているデバイスの一部分を参照して使用されるときには、血管の中の場所、または、血管の中の場所に設置することを意図しているデバイスの一部分を意味するように解釈されるべきであり、それは、血管の中の異なる場所と比較して、血管を通る順行性の血液フローの方向に対して上流である。
【0437】
したがって、本発明のいくつかの適用例に従って、以下の発明概念が提供される。
発明概念1
主静脈に供給する複数の支流静脈とともに使用するための方法であって、前記方法は、
前記複数の静脈の中の血液を、前記主静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ機械的に隔離するステップと、
前記コンパートメントから前記主静脈へ血液をポンピングすることによって、前記複数の静脈から前記主静脈への血液フローを制御するステップと
を含む、方法。
【0438】
発明概念2
発明概念1に記載の方法であって、前記方法は、前記ポンピングされる血液に限外ろ過を実施するステップをさらに含む、方法。
【0439】
発明概念3
発明概念1に記載の方法であって、
前記複数の静脈を隔離するステップは、
血液不浸透性のスリーブ、および、前記スリーブの周りに配設されているらせん状支持エレメントを、前記主静脈の中へ設置するステップと、
前記らせん状支持エレメントを使用して、前記スリーブを前記主静脈の壁部に連結するステップと
を含み、
前記コンパートメントから前記主静脈へ血液をポンピングするステップは、前記らせん状支持エレメントを使用して、血液ポンプの遠位部分を前記コンパートメントの中へガイドするステップと、前記血液ポンプを使用して、前記血液をポンピングするステップとを含む、方法。
【0440】
発明概念4
発明概念1に記載の方法であって、
前記複数の静脈を隔離するステップは、
血液不浸透性のスリーブ、および、血液ポンプのらせん状部分を、前記主静脈の中へ設置するステップであって、前記らせん状部分は、前記スリーブの周りに配設されており、前記スリーブを支持するように構成されている、ステップと、
前記スリーブを前記主静脈の壁部に連結するステップと
を含み、
前記コンパートメントから前記主静脈へ血液をポンピングするステップは、前記血液ポンプの前記らせん状部分によって画定されている、前記血液ポンプの入口孔部の中へ血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0441】
発明概念5
発明概念1~4のいずれか1つに記載の方法であって、
前記複数の静脈の中の血液を、前記主静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離するステップは、血液不浸透性のスリーブを前記対象の大静脈の中に設置することによって、前記対象の腎静脈の中の血液を、前記対象の大静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離するステップを含み、前記スリーブの下流端部が、前記対象の前記腎静脈のすべての下流にある第1の場所において、前記大静脈の壁部に連結されるようになっており、また、前記スリーブの上流端部が、前記対象のすべての前記腎静脈上流にある第2の場所において、前記大静脈の前記壁部に連結されるようになっており、
前記コンパートメントから前記主静脈へ血液をポンピングするステップは、前記コンパートメントから、前記スリーブの内部に流体連通している場所へ、血液をポンピングするように、ポンプを動作させるステップを含む、方法。
【0442】
発明概念6
発明概念5に記載の方法であって、前記コンパートメントから血液をポンピングするステップは、前記腎静脈を通して下流方向に血液を引き出すステップを含む、方法。
【0443】
発明概念7
発明概念5に記載の方法であって、前記スリーブを前記大静脈の中に設置するステップは、1週間未満にわたって前記スリーブを前記大静脈の中に設置するステップを含み、前記ポンプを動作させるステップは、1週間未満にわたって前記ポンプを動作させるステップを含む、方法。
【0444】
発明概念8
発明概念5に記載の方法であって、前記方法は、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として前記対象を認定するステップをさらに含み、前記ポンプを動作させるステップは、前記状態を患うものとして前記対象を認定するステップに応答して、前記ポンプを動作させることによって、前記対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む、方法。
【0445】
発明概念9
発明概念5に記載の方法であって、前記スリーブを前記対象の大静脈の中に設置するステップは、前記ポンプを動作させることによって、前記大静脈が前記スリーブの少なくとも一部分の周りで縮小することを引き起こすことによって、前記スリーブを前記大静脈にアンカー固定するステップを含む、方法。
【0446】
発明概念10
発明概念5に記載の方法であって、前記コンパートメントから、前記スリーブの内部に流体連通している前記場所へ、血液をポンピングするように、前記ポンプを動作させるステップは、前記コンパートメントから、前記スリーブの上流にある前記大静脈の部位へ、血液をポンピングするように、前記ポンプを動作させるステップを含む、方法。
【0447】
発明概念11
発明概念5に記載の方法であって、前記コンパートメントから、前記スリーブの内部に流体連通している前記場所へ、血液をポンピングするように、前記ポンプを動作させるステップは、前記コンパートメントから、前記スリーブの下流にある前記大静脈の部位へ、血液をポンピングするように、前記ポンプを動作させるステップを含む、方法。
【0448】
発明概念12
発明概念5に記載の方法であって、前記スリーブを前記大静脈の中に設置するステップは、
拡大したその上流端部および下流端部を画定するように形状付けされているステントであって、前記上流端部および下流端部は、前記ステントの中央部分に対して拡大している、ステント、ならびに、
前記ステントに連結されている血液不浸透性のスリーブであって、前記スリーブは、そのフレア形状の上流端部および下流端部を画定しており、前記上流端部および下流端部は、それぞれ、前記ステントの前記拡大した上流端部および下流端部に連結されている、血液不浸透性のスリーブ
を、前記大静脈の中へ設置するステップと、
前記スリーブの前記フレア形状の端部の少なくとも1つの第1の側部にかかる血圧が、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の第2の側部にかかる血圧よりも大きくなっていることに応答して、血液が、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の外側と前記血管の内側壁部との間に流れるように、および、
前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の前記第1の側部にかかる血圧が、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の前記第2の側部にかかる血圧よりも小さくなっていることに応答して、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部が、前記血管の前記内側壁部に接触することによって、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の前記外側と前記血管の前記内側壁部との間の血液フローを閉塞させるように、
前記ステントを前記血管に連結するステップと
を含む、方法。
【0449】
発明概念13
発明概念5に記載の方法であって、前記スリーブを前記大静脈の中に設置するステップは、
スリーブであって、前記スリーブは、そのフレア形状の端部、および、前記フレア形状の端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされている、スリーブと、
ステントであって、前記ステントは、
スリーブ支持フレームであって、前記スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、前記ステントの前記拡大した端部よりも幅の狭い前記拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、前記スリーブは、前記ステントの前記スリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、前記血管壁支持フレームは、前記スリーブ支持フレームの前記幅の狭い中央部分に連結されており、前記スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、ステントと
を、前記大静脈の中へ設置するステップを含む、方法。
【0450】
発明概念14
発明概念13に記載の方法であって、前記コンパートメントから血液をポンピングするステップは、前記スリーブの外側と前記大静脈の内側壁部との間の部位から血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0451】
発明概念15
発明概念5に記載の方法であって、前記方法は、前記ポンプがそれを通して挿入可能である前記スリーブの中の開口部を介して、前記コンパートメントの中へ前記ポンプを挿入するステップをさらに含む、方法。
【0452】
発明概念16
発明概念15に記載の方法であって、前記開口部を通して前記ポンプを挿入するステップは、2mmから10mmの間の直径を有する開口部を通して前記ポンプを挿入するステップを含む、方法。
【0453】
発明概念17
発明概念15に記載の方法であって、前記開口部を通して前記ポンプを挿入するステップは、前記開口部が前記ポンプの周りにシールを形成するように、前記開口部を通して前記ポンプを挿入するステップを含む、方法。
【0454】
発明概念18
発明概念5に記載の方法であって、前記方法は、前記スリーブから突出するポンプ収容スリーブを介して、前記コンパートメントの中へ前記ポンプを挿入するステップをさらに含む、方法。
【0455】
発明概念19
発明概念18に記載の方法であって、前記ポンプ収容スリーブを介して前記コンパートメントの中へ前記ポンプを挿入するステップは、2mmから10mmの間の直径を有するポンプ収容スリーブを介して、前記コンパートメントの中へ前記ポンプを挿入するステップを含む、方法。
【0456】
発明概念20
発明概念18に記載の方法であって、前記ポンプ収容スリーブを介して前記コンパートメントの中へ前記ポンプを挿入するステップは、前記ポンプ収容スリーブが前記ポンプの周りにシールを形成するように、前記ポンプ収容スリーブを介して前記コンパートメントの中へ前記ポンプを挿入するステップを含む、方法。
【0457】
発明概念21
血液不浸透性のスリーブと、
前記スリーブの第1および第2の端部を対象の血管に連結するように構成されている少なくとも1つの支持構造体と、
前記スリーブの外部から、前記スリーブの内部に流体連通している場所へ、血液をポンピングするように構成されているポンプと
を含む、装置。
【0458】
発明概念22
発明概念21に記載の装置であって、前記ポンプが、前記血液に限外ろ過を実施するように構成されている、装置。
【0459】
発明概念23
発明概念21に記載の装置であって、前記ポンプが、前記血管が前記構造体の少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、前記構造体を前記血管にアンカー固定するように構成されている、装置。
【0460】
発明概念24
発明概念21に記載の装置であって、前記構造体が、ステントを含み、前記ステントは、前記ステントの中央部分と比較して拡大した、その拡大した端部を画定するように形状付けされており、
前記スリーブは、前記ステントに連結されているスリーブを含み、
前記スリーブは、前記ステントの前記拡大した端部に連結されている、そのフレア形状の端部を画定しており、
前記スリーブの前記フレア形状の端部の少なくとも1つが、圧力が前記スリーブの前記フレア形状の端部に加えられていることに応答して、それが連結されている前記ステントの拡大した端部から少なくとも部分的に分離させることによって、バルブとしての役割を果たすように構成されている、装置。
【0461】
発明概念25
発明概念21に記載の装置であって、
前記支持構造体が、前記スリーブの周りに配設されているらせん状支持エレメントを含み、
前記血液ポンプの遠位部分が、前記らせん状支持エレメントを使用して、前記スリーブの前記外部の周りに配設されるように、ガイドされるように構成されている、装置。
【0462】
発明概念26
発明概念21に記載の装置であって、
前記支持構造体が、前記血液ポンプのらせん状部分を含み、前記らせん状部分は、前記スリーブの周りに配設されており、前記スリーブを支持するように構成されており、
前記ポンプが、前記血液ポンプの前記らせん状部分によって画定されている前記ポンプの入口孔部の中へ血液をポンピングすることによって、前記スリーブの前記外部から血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0463】
発明概念27
発明概念21~24のいずれか1つに記載の装置であって、
スリーブが、そのフレア形状の端部、および、前記フレア形状の端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、
前記構造体が、ステントを含み、前記ステントは、
スリーブ支持フレームであって、前記スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、前記ステントの前記拡大した端部よりも幅の狭い前記拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、前記スリーブは、前記ステントの前記スリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、前記血管壁支持フレームは、前記スリーブ支持フレームの前記幅の狭い中央部分に連結されており、前記スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、装置。
【0464】
発明概念28
発明概念27に記載の装置であって、前記ポンプが、前記スリーブの前記外側と前記血管壁支持フレームとの間に設置されていることによって、前記スリーブの外側と前記血管の内側壁部との間の部位から血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0465】
発明概念29
発明概念21~26のいずれか1つに記載の装置であって、前記構造体は、前記対象のすべての腎静脈の下流にある第1の場所において、前記スリーブの下流端部を前記大静脈の壁部に連結することによって、および、前記対象のすべての腎静脈の上流にある第2の場所において、前記スリーブの上流端部を前記大静脈の壁部に連結することによって、前記対象の腎静脈の中の血液を、前記対象の大静脈の中の血液フローから分離されているコンパートメントの中へ隔離するように構成されている、装置。
【0466】
発明概念30
発明概念29に記載の装置であって、前記スリーブが、1週間未満にわたって前記大静脈に連結されるように構成されており、前記ポンプが、1週間未満にわたって動作するように構成されている、装置。
【0467】
発明概念31
発明概念29に記載の装置であって、前記ポンプが、血液をポンピングすることによって、前記対象の腎静脈の中の血圧を低減させるように構成されている、装置。
【0468】
発明概念32
発明概念29に記載の装置であって、前記ポンプが、前記コンパートメントから前記大静脈の中の部位へ血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0469】
発明概念33
発明概念32に記載の装置であって、前記ポンプが、前記コンパートメントから、前記スリーブの上流にある前記大静脈の部位へ、血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0470】
発明概念34
発明概念32に記載の装置であって、前記ポンプが、前記コンパートメントから、前記スリーブの下流にある前記大静脈の部位へ、血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0471】
発明概念35
発明概念21~26のいずれか1つに記載の装置であって、前記スリーブが、開口部を画定するように形状付けされており、前記ポンプは、前記開口部を通して挿入可能である、装置。
【0472】
発明概念36
発明概念35に記載の装置であって、前記開口部の直径は、2mmから10mmの間である、装置。
【0473】
発明概念37
発明概念35に記載の装置であって、前記開口部が、前記ポンプの周りにシールを形成するようにサイズ決めされている、装置。
【0474】
発明概念38
発明概念21~26のいずれか1つに記載の装置であって、前記装置が、前記血液不浸透性のスリーブから突出しているポンプ収容スリーブをさらに含み、前記ポンプ収容スリーブは、それを通して前記血液不浸透性のスリーブの前記外部へ前記ポンプを挿入することを収容するように構成されている、装置。
【0475】
発明概念39
発明概念38に記載の装置であって、前記ポンプ収容スリーブの内径が、2mmから10mmの間である、装置。
【0476】
発明概念40
発明概念38に記載の装置であって、前記ポンプ収容スリーブが、前記ポンプの周りにシールを形成するようにサイズ決めされている、装置。
【0477】
発明概念41
ステントの設置場所において、血管の内側に前記ステントを設置するステップと、
前記血管の中に吸引力を加えることによって、前記血管が前記ステントの少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、前記設置場所において、前記ステントを前記血管に少なくとも部分的にアンカー固定するステップと
を含む、方法。
【0478】
発明概念42
発明概念41に記載の方法であって、前記血管が、前記設置場所において所定の直径を有する血管を含み、前記血管の内側に前記ステントを設置するステップは、前記所定の直径よりも小さい直径を有するステントを前記血管の内側に設置するステップを含む、方法。
【0479】
発明概念43
発明概念41に記載の方法であって、前記血管が前記ステントの少なくとも前記一部分の周りに縮小することを引き起こすステップは、前記血管が前記ステントの少なくとも前記一部分の周りに縮小させられなかった場合と比較して、前記ステントを過大にサイズ決めするおかげで、前記ステントが前記血管にアンカー固定される程度を低減させるステップを含む、方法。
【0480】
発明概念44
ステントの設置場所において、血管の内側に設置されるように構成されているステントと、
前記血管の中の吸引力を加えることによって、前記血管が前記ステントの少なくとも一部分の周りに縮小することを引き起こすことによって、前記設置場所において、前記ステントを前記血管にアンカー固定するように構成されているポンプと
を含む、装置。
【0481】
発明概念45
発明概念44に記載の装置であって、前記血管が、前記設置場所において所定の直径を有する血管を含み、前記ステントが、前記所定の直径よりも小さい直径を有するステントを含む、装置。
【0482】
発明概念46
血管の内側に設置されるように構成されているステントであって、前記ステントは、前記ステントの中央部分と比較して拡大した、その拡大した端部を画定するように形状付けされている、ステントと、
前記ステントに連結される血液不浸透性のスリーブであって、
前記スリーブは、前記ステントの前記拡大した端部に連結されている、そのフレア形状の端部を画定しており、
前記スリーブの前記フレア形状の端部の少なくとも1つが、圧力が前記スリーブの前記フレア形状の端部に加えられていることに応答して、それが連結されている前記ステントの拡大した端部から少なくとも部分的に分離させることによって、バルブとしての役割を果たすように構成されている、血液不浸透性のスリーブと
を含む、装置。
【0483】
発明概念47
前記ステントの中央部分と比較して拡大した、その拡大した上流端部および下流端部を画定するように形状付けされている、ステント、ならびに、
前記ステントに連結される血液不浸透性のスリーブであって、前記スリーブは、前記ステントの前記拡大した上流端部および下流端部にそれぞれ連結される、そのフレア形状の上流端部および下流端部を画定している、血液不浸透性のスリーブ
を、対象の血管の中へ設置するステップと、
前記スリーブの前記フレア形状の端部の少なくとも1つの第1の側部にかかる血圧が、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の第2の側部にかかる血圧よりも大きくなっていることに応答して、血液が、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の外側と前記血管の内側壁部との間に流れるように、および、
前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の前記第1の側部にかかる血圧が、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の前記第2の側部にかかる血圧よりも小さくなっていることに応答して、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部が、前記血管の前記内側壁部に接触することによって、前記スリーブの前記少なくとも1つのフレア形状の端部の前記外側と前記血管の前記内側壁部との間の血液フローを閉塞させるように、
前記ステントを前記血管に連結するステップと
を含む、方法。
【0484】
発明概念48
血液不浸透性のスリーブであって、前記血液不浸透性のスリーブは、そのフレア形状の端部、および、前記フレア形状の端部同士の間に幅の狭い中央部分を画定している、血液不浸透性のスリーブと、
血管の内側に設置されるように構成されているステントであって、前記ステントは、
スリーブ支持フレームであって、前記スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、前記ステントの前記拡大した端部よりも幅の狭い前記拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、前記スリーブは、前記ステントの前記スリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、前記血管壁支持フレームは、前記スリーブ支持フレームの前記幅の狭い中央部分に連結されており、前記スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、ステントと
を含む、装置。
【0485】
発明概念49
発明概念48に記載の装置であって、前記装置が、血液ポンプをさらに含み、前記血液ポンプは、前記スリーブの外側と前記血管壁支持フレームとの間に設置されていることによって、前記スリーブの前記外側と前記血管の内側壁部との間から血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0486】
発明概念50
発明概念48に記載の装置であって、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の直径が、8mmから35mmの間である、装置。
【0487】
発明概念51
発明概念48に記載の装置であって、前記スリーブの前記フレア形状の端部の最大直径が、10mmから45mmの間である、装置。
【0488】
発明概念52
発明概念48に記載の装置であって、前記スリーブの前記フレア形状の端部の最大直径と、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から2:1の間である、装置。
【0489】
発明概念53
発明概念48に記載の装置であって、前記血管壁支持フレームの最大直径が、10mmから50mmの間である、装置。
【0490】
発明概念54
発明概念48~53のいずれか1つに記載の装置であって、前記壁部支持フレームの最大直径と、前記スリーブ支持フレームの前記幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から5:1の間である、装置。
【0491】
発明概念55
発明概念54に記載の装置であって、前記比が、1.5:1よりも大きい、装置。
【0492】
発明概念56
発明概念48~53のいずれか1つに記載の装置であって、前記スリーブの長さが、6mmよりも大きい、装置。
【0493】
発明概念57
発明概念56に記載の装置であって、前記スリーブの前記長さが、80mm未満である、装置。
【0494】
発明概念58
発明概念56に記載の装置であって、前記スリーブの前記フレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、3mmよりも大きい、装置。
【0495】
発明概念59
発明概念58に記載の装置であって、前記スリーブの前記フレア形状の端部のそれぞれのものの前記長さが、40mmよりも小さい、装置。
【0496】
発明概念60
発明概念56に記載の装置であって、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の長さが、3mmよりも大きい、装置。
【0497】
発明概念61
発明概念60に記載の装置であって、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の前記長さが、70mmよりも小さい、装置。
【0498】
発明概念62
血液不浸透性のスリーブであって、前記血液不浸透性のスリーブは、フレア形状の端部、および、前記フレア形状の端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定している、血液不浸透性のスリーブ、
ステントであって、前記ステントは、
スリーブ支持フレームであって、前記スリーブ支持フレームは、その拡大した端部、および、前記ステントの前記拡大した端部よりも幅の狭い前記拡大した端部同士の間の幅の狭い中央部分を画定するように形状付けされており、前記スリーブは、前記ステントの前記スリーブ支持フレームに連結されている、スリーブ支持フレーム、ならびに、
血管壁支持フレームであって、前記血管壁支持フレームは、前記スリーブ支持フレームの前記幅の狭い中央部分に連結されており、前記スリーブ支持フレームから半径方向に突出する、血管壁支持フレーム
を画定するように形状付けされている、ステント
を、対象の血管の中へ設置するステップと、
前記ステントの前記血管壁支持フレームが、前記血管の前記壁部を支持することによって、前記血管を開けたままにしておくように、および、前記スリーブ支持フレームが前記血管の中で前記スリーブを支持するように、前記ステントを前記血管に連結するステップと
を含む、方法。
【0499】
発明概念63
発明概念62に記載の方法であって、前記方法は、前記スリーブの外側と前記血管壁支持フレームとの間にポンプを設置することによって、前記スリーブの前記外側と前記血管の内側壁部との間の部位から血液をポンピングするステップをさらに含む、方法。
【0500】
発明概念64
発明概念62に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の直径は、8mmから35mmの間である、ステップを含む、方法。
【0501】
発明概念65
発明概念62に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記フレア形状の端部の最大直径は、10mmから45mmの間である、ステップを含む、方法。
【0502】
発明概念66
発明概念62に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記フレア形状の端部の最大直径と、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から2:1の間である、ステップを含む、方法。
【0503】
発明概念67
発明概念62に記載の方法であって、前記ステントを前記血管の中へ設置するステップは、前記ステントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記血管壁支持フレームの最大直径が、10mmから50mmの間である、ステップを含む、方法。
【0504】
発明概念68
発明概念62~67のいずれか1つに記載の方法であって、前記ステントを前記血管の中へ設置するステップは、前記ステントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記壁部支持フレームの最大直径と、前記スリーブ支持フレームの前記幅の狭い中央部分の直径との比が、1.1:1から5:1の間である、ステップを含む、方法。
【0505】
発明概念69
発明概念68に記載の方法であって、前記ステントを前記血管の中へ設置するステップは、前記ステントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記比が、1.5:1よりも大きい、ステップを含む、方法。
【0506】
発明概念70
発明概念62~67のいずれか1つに記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの長さが、6mmよりも大きい、ステップを含む、方法。
【0507】
発明概念71
発明概念70に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記長さが、80mmよりも小さい、ステップを含む、方法。
【0508】
発明概念72
発明概念70に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記フレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、3mmよりも大きい、ステップを含む、方法。
【0509】
発明概念73
発明概念72に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記フレア形状の端部のそれぞれのものの長さが、40mmよりも小さい、ステップを含む、方法。
【0510】
発明概念74
発明概念70に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の長さが、3mmよりも大きい、ステップを含む、方法。
【0511】
発明概念75
発明概念74に記載の方法であって、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップは、前記スリーブを前記血管の中へ設置するステップであって、前記スリーブの前記幅の狭い中央部分の前記長さが、70mmよりも小さい、ステップを含む、方法。
【0512】
発明概念76
対象の血管の内側に配設されている血液ポンプを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記血管の中に閉塞エレメントを設置するステップであって、前記閉塞エレメントは、その閉塞状態およびその非閉塞状態を有し、前記閉塞状態では、前記閉塞エレメントは、前記血管を閉塞させ、非閉塞状態では、前記閉塞エレメントは、前記血管を閉塞させない、ステップと、
前記閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から下流方向に血液を引き出すステップと、
前記閉塞エレメントの下流側に流体連通している前記対象の血管系の部位の中へ血液をポンピングするステップと
を含み、
前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングする前記ステップは、前記閉塞エレメントをその閉塞状態に維持する様式で実施され、前記閉塞状態では、前記閉塞エレメントが前記血管を閉塞させる、方法。
【0513】
発明概念77
発明概念76に記載の方法であって、前記方法が、前記対象の血管系の前記部位の中へ前記血液をポンピングする前に、前記血液に限外ろ過を実施するステップをさらに含む、方法。
【0514】
発明概念78
発明概念76に記載の方法であって、前記血管の中に前記閉塞エレメント設置するステップは、1週間未満にわたって前記血管の中に前記閉塞エレメントを設置するステップを含み、前記血液をポンピングするステップは、1週間未満にわたって前記血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0515】
発明概念79
発明概念76に記載の方法であって、前記血管の中に前記閉塞エレメント設置するステップは、1週間以上にわたって前記血管の中に前記閉塞エレメントを設置するステップを含み、前記血液をポンピングするステップは、1週間未満にわたって前記血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0516】
発明概念80
発明概念76に記載の方法であって、前記方法が、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として前記対象を認定するステップをさらに含み、前記血管が、前記対象の腎静脈を含み、前記閉塞エレメントの前記上流側に流体連通している前記部位から前記下流方向に血液を引き出すステップは、前記状態を患うものとして前記対象を認定するステップに応答して、前記下流方向に前記血液を引き出すことによって、前記対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む、方法。
【0517】
発明概念81
発明概念76~80のいずれか1つに記載の方法であって、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持する様式で、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップは、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液の動圧が、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0518】
発明概念82 発明概念81に記載の方法であって、前記血管の中に前記閉塞エレメントを設置するステップは、バルブリーフレットを有するバルブを前記血管の中に設置するステップを含み、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液の動圧が、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップは、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液が、前記バルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0519】
発明概念83
発明概念82に記載の方法であって、前記血管の中に前記バルブを設置するステップは、
前記バルブリーフレットの上流側にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記下流側にかかる圧力を超えていることに応答して、血液が、前記バルブリーフレットの先端部と前記血管の内側壁部との間で順行性方向に流れるように、および、
前記バルブリーフレットの前記下流側にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記上流側にかかる圧力を超えていることに応答して、前記バルブリーフレットの前記先端部が前記血管の前記内側壁部に接触していることによって、前記バルブが、逆行性の血液フローを閉塞させるように、
前記血管の中に前記バルブを設置するステップを含む、方法。
【0520】
発明概念84
発明概念82に記載の方法であって、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液が前記バルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップは、前記バルブリーフレットをフラッシングすることによって、前記バルブリーフレットにおける血栓を低減させるステップを含む、方法。
【0521】
発明概念85
発明概念82に記載の方法であって、前記方法が、前記抗凝固剤が前記バルブリーフレットに直接的に衝突するように、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液とともに、前記対象の血管系の中へ抗凝固剤をポンピングするステップをさらに含む、方法。
【0522】
発明概念86
発明概念82に記載の方法であって、前記血管の中に前記バルブを設置するステップは、バルーンを膨張させることによって、前記バルブリーフレットの一部分を、前記血管の壁部に接触している状態に維持するステップを含む、方法。
【0523】
発明概念87
発明概念82に記載の方法であって、前記血管の中へ前記バルブを設置するステップは、スリットチューブの一部分を半径方向外向きに拡張させることによって、前記バルブリーフレットの一部分を、前記血管の壁部に接触している状態に維持するステップを含む、方法。
【0524】
発明概念88
発明概念82に記載の方法であって、前記血液が前記バルブリーフレットの前記下流側に直接的に衝突するように、前記血液をポンピングするステップは、前記バルブリーフレットの前記下流側に向けて前記血液を方向付けするように形状付けされている孔部を介して、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0525】
発明概念89
発明概念82に記載の方法であって、前記血液が前記バルブリーフレットの前記下流側に直接的に衝突するように、前記血液をポンピングするステップは、ポンプカテーテルを介して前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップであって、前記ポンプカテーテルは、それからの半径方向突出部を画定するように形状付けされており、前記半径方向突出部は、前記カテーテルの遠位端部に向けて凹形に湾曲しており、前記半径方向突出部は、前記血管系の中へポンピングされる血液を前記バルブリーフレットに向けて方向付けするように構成されている、ステップを含む、方法。
【0526】
発明概念90
発明概念82に記載の方法であって、前記血液が前記バルブリーフレットの前記下流側に直接的に衝突するように、前記血液をポンピングするステップは、前記バルブリーフレットのベースに隣接して配設されている孔部を介して、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0527】
発明概念91
発明概念90に記載の方法であって、前記血液が前記バルブリーフレットの前記下流側に直接的に衝突するように、前記血液をポンピングするステップは、前記バルブリーフレットの長さに沿って、前記リーフレットの先端部と前記リーフレットのベースとの中間以下にある場所に隣接して配設されている孔部を介して、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0528】
発明概念92
対象の血管とともに使用するための装置であって、前記装置は、
前記血管の中に設置されるように構成されている閉塞エレメントであって、前記閉塞エレメントは、その閉塞状態およびその非閉塞状態を有し、前記閉塞状態では、前記閉塞エレメントは前記血管を閉塞させ、前記非閉塞状態では、前記閉塞エレメントは、前記血管を閉塞させない、閉塞エレメントと、
血液ポンプであって、前記血液ポンプは、
前記閉塞エレメントの上流側に流体連通している部位から下流方向に血液を引き出すように、および
前記閉塞エレメントの下流側に流体連通している部位において、前記対象の血管系の中へ血液をポンピングするように、
構成されており、前記ポンプは、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持する様式で、前記血管の中へ前記血液をポンピングすることを実施するように構成されている、血液ポンプと
を含む、装置。
【0529】
発明概念93
発明概念92に記載の装置であって、前記血液ポンプが、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングする前に、前記血液の限外ろ過を実施するように構成されている、装置。
【0530】
発明概念94
発明概念92に記載の装置であって、前記閉塞エレメントが、1週間未満にわたって前記血管の中に設置されるように構成されており、前記ポンプが、1週間未満にわたって前記血管系の中へ血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0531】
発明概念95
発明概念92に記載の装置であって、前記閉塞エレメントが、1週間以上にわたって前記血管の中に設置されるように構成されており、前記ポンプが、1週間未満にわたって前記血管系の中へ血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0532】
発明概念96
発明概念92~95のいずれか1つに記載の装置であって、前記ポンプは、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液の動圧が、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングすることによって、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持する様式で、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0533】
発明概念97
発明概念96に記載の装置であって、前記閉塞エレメントが、バルブリーフレット有するバルブを含み、前記ポンプは、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液が、前記バルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングすることによって、前記血液の動圧が、前記閉塞エレメントをその前記閉塞状態に維持するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0534】
発明概念98
発明概念97に記載の装置であって、
前記バルブリーフレットの上流側にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記下流側にかかる圧力を超えていることに応答して、血液が、前記バルブリーフレットの先端部と前記血管の内側壁部との間で順行性方向に流れるように、および、
前記バルブリーフレットの前記下流側にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記上流側にかかる圧力を超えていることに応答して、前記バルブリーフレットの前記先端部が前記血管の前記内側壁部に接触していることによって、前記バルブが閉じるように、
前記バルブが構成されている、装置。
【0535】
発明概念99
発明概念97に記載の装置であって、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液が前記バルブリーフレットの下流側に直接的に衝突するように、前記対象の血管系の中へ前記血液をポンピングすることによって、前記ポンプは、前記バルブリーフレットをフラッシングすることによって、前記バルブリーフレットにおける血栓を低減させるように構成されている、装置。
【0536】
発明概念100
発明概念97に記載の装置であって、前記装置が、抗凝固剤とともに使用するためのものであり、前記ポンプは、前記抗凝固剤が前記バルブリーフレットに直接的に衝突するように、前記対象の血管系の中へポンピングされる前記血液とともに、前記対象の血管系の中へ抗凝固剤をポンピングするように構成されている、装置。
【0537】
発明概念101
発明概念97に記載の装置であって、前記装置が、バルーンをさらに含み、前記バルーンは、膨張させられることによって、前記バルブリーフレットの一部分を、前記血管の壁部に接触している状態に維持するように構成されている、装置。
【0538】
発明概念102
発明概念97に記載の装置であって、前記装置が、スリットチューブをさらに含み、前記スリットチューブは、前記血管の中へ挿入されように構成されており、前記スリットチューブは、前記スリット同士の間の前記スリットチューブの一部分が半径方向外向きに拡張させられることによって、前記バルブリーフレットの一部分を、前記血管の壁部に接触している状態に維持するように構成されている、装置。
【0539】
発明概念103
発明概念97に記載の装置であって、前記血液ポンプが、前記バルブに連結されるように構成されており、前記血液ポンプは、出口孔部を含み、前記出口孔部を介して、前記血液は、前記対象の血管系の中へポンピングされ、前記血液ポンプが前記バルブに連結されているときに、前記出口孔部が前記バルブリーフレットの前記下流側に向けて前記血液を方向付けするように、前記出口孔部が形状付けされている、装置。
【0540】
発明概念104
発明概念97に記載の装置であって、前記血液ポンプが、前記バルブに連結されるように構成されており、前記血液ポンプは、血液ポンプカテーテルを含み、前記血液ポンプカテーテルは、それからの半径方向突出部を画定しており、前記半径方向突出部は、前記カテーテルの遠位端部に向けて凹形に湾曲しており、前記半径方向突出部は、前記血液ポンプが前記バルブに連結されているときに、前記半径方向突出部が、前記血管系の中へポンピングされる血液を前記バルブリーフレットに向けて方向付けするように構成されている、装置。
【0541】
発明概念105
発明概念97に記載の装置であって、前記血液ポンプが、前記バルブに連結されるように構成されており、前記血液ポンプは、出口孔部を含み、前記出口孔部を介して、前記血液が前記対象の血管系の中へポンピングされ、前記出口孔部は、前記血液ポンプの上に配設されており、前記血液ポンプが前記バルブに連結されているときに、前記孔部が、前記バルブリーフレットのベースに隣接して配設されるようになっている、装置。
【0542】
発明概念106
発明概念105に記載の装置であって、前記出口孔部が、前記血液ポンプの上に配設されており、前記血液ポンプが、前記バルブに連結されているときに、前記出口孔部が、前記バルブリーフレットの長さに沿って、前記リーフレットの先端部と前記リーフレットのベースとの中間以下にある場所に隣接して配設されるようになっている、装置。
【0543】
発明概念107
対象の血管とともに使用するための装置であって、前記装置は、
血液ポンプであって、前記血液ポンプは、前記血管を通して前記ポンプの中へ下流方向に血液を引き出すように構成されている、血液ポンプと、
その剛体部分を含むバルブであって、前記剛体部分は、前記バルブを前記血管に連結するように構成されており、前記バルブは、前記血液ポンプの遠位部分に連結されるように、および、血液が前記バルブを逆行性方向に通過して流れることを防止するように構成されている、バルブと
を含む、装置。
【0544】
発明概念108
発明概念107に記載の装置であって、前記バルブが、柔軟性のあるバルブリーフレットをさらに含み、前記バルブリーフレットは、前記バルブの前記剛体部分に連結されている、装置。
【0545】
発明概念109
バルブリーフレットを画定する人工バルブを提供するステップと、
前記バルブリーフレットの上流側にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記下流側にかかる圧力を超えていることに応答して、血液が、前記バルブリーフレットの先端部と前記血管の内側壁部との間で順行性方向に流れるように、および、
前記バルブリーフレットの前記下流側にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記上流側にかかる圧力を超えていることに応答して、前記バルブリーフレットの前記先端部が前記血管の前記内側壁部に接触していることによって、前記バルブが閉じるように、
血管の中に前記バルブを設置するステップと
を含む、方法。
【0546】
発明概念110
柔軟性のあるバルブリーフレットおよび剛体バルブフレームを含む人工バルブを含む装置であって、前記バルブリーフレットは、
前記バルブリーフレットの第1の側部にかかる圧力が、前記バルブリーフレットの第2の側部にかかる圧力を超えていることに応答して、前記バルブリーフレットの先端部が前記剛体フレームから分離することによって、前記リーフレットが開くように、および、
前記バルブリーフレットの前記第2の側部にかかる血圧が、前記バルブリーフレットの前記第1の側部にかかる圧力を超えていることに応答して、前記リーフレットの前記先端部が前記剛体フレームに接触することによって、前記バルブが閉じるように、
前記バルブフレームに連結されている、装置。
【0547】
発明概念111
血液ポンプを含む装置であって、前記血液ポンプは、
チューブと、
前記チューブの近位端部および遠位端部にそれぞれ配設されている第1および第2の一方向バルブと、
膜であって、前記膜は、前記チューブの内側に連結されており、前記バルブに流体連通している第1のコンパートメント、および、前記バルブに流体連通していない第2のコンパートメントへと、前記チューブを区切るようになっている、膜と、
前記チューブに対して前記膜を移動させることによって、前記第1のコンパートメントの前記サイズを増加させ、その後に減少させることによって、前記チューブを通して流体をポンピングするように構成されているポンピングメカニズムと
を含む、装置。
【0548】
発明概念112
発明概念111に記載の装置であって、前記チューブが、ステントと、前記ステントの上に配設されている材料とを含む、装置。
【0549】
発明概念113
発明概念111に記載の装置であって、前記閉塞エレメントが、1週間未満にわたって血管の中に設置されるように構成されている、装置。
【0550】
発明概念114
発明概念111に記載の装置であって、前記バルブの1つが、前記チューブから前記血管の中への血液のバックフローを防止するように構成されており、前記バルブの第2のものが、前記血管から前記チューブの中への血液のバックフローを防止するように構成されている、装置。
【0551】
発明概念115
発明概念111~114のいずれか1つに記載の装置であって、前記血液ポンプが、対象の腎静脈の中に設置されるように、および、前記腎静脈から前記対象の大静脈へ下流方向に血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0552】
発明概念116 発明概念115に記載の装置であって、前記血液ポンプが、前記大静脈から前記腎静脈への血液のバックフローを閉塞させるように構成されている、装置。
【0553】
発明概念117
チューブを対象の血管の内側壁部に連結するステップであって、
第1および第2の一方向バルブが、前記チューブの近位端部および遠位端部にそれぞれ配設されており、
膜が、前記チューブの内側に連結されており、前記バルブに流体連通している第1のコンパートメント、および、前記バルブに流体連通していない第2のコンパートメントへと、前記チューブを区切るようになっている、ステップと、
前記チューブに対して前記膜を移動させることによって、前記第1のコンパートメントの前記サイズを増加させ、その後に減少させることによって、前記チューブを通して血液をポンピングするように、ポンピングメカニズムを動作させるステップと
を含む、方法。
【0554】
発明概念118
発明概念117に記載の方法であって、前記チューブが、ステントと、前記ステントの上に配設されている材料とを含み、前記チューブを前記血管の前記内側壁部に連結するステップは、前記ステントおよび前記材料を前記血管の前記内側壁部に連結するステップを含む、方法。
【0555】
発明概念119
発明概念117に記載の方法であって、前記チューブを前記血管の前記内側壁部に連結するステップは、1週間未満にわたって前記チューブを前記血管の前記内側壁部に連結するステップを含む、方法。
【0556】
発明概念120
発明概念117に記載の方法であって、前記ポンピングメカニズムを動作させるステップは、前記バルブの1つが、前記チューブから前記血管の中への血液のバックフローを防止するように、および、前記バルブの第2のものが、前記血管から前記チューブの中への血液のバックフローを防止するように、前記ポンピングメカニズムを動作させるステップを含む、方法。
【0557】
発明概念121
発明概念117~120のいずれか1つに記載の方法であって、前記チューブを前記血管の前記内側壁部に連結するステップは、前記チューブを対象の腎静脈の内側壁部に連結するステップを含み、前記ポンピングメカニズムを動作させるステップは、前記腎静脈から前記対象の大静脈へ下流方向に血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0558】
発明概念122
発明概念121に記載の方法であって、前記チューブを前記腎静脈の前記内側壁部に連結するステップは、前記大静脈から前記腎静脈への血液のバックフローを閉塞させるステップを含む、方法。
【0559】
発明概念123
発明概念121に記載の方法であって、前記方法が、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として前記対象を認定するステップをさらに含み、前記ポンプを動作させるステップは、前記状態を患うものとして前記対象を認定するステップに応答して、前記腎静脈から前記大静脈へ前記下流方向に血液をポンピングするように前記ポンプを動作させることによって、前記対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む、方法。
【0560】
発明概念124
第1の静脈を通して下流方向に血液をポンピングするように血液ポンプを動作させるステップであって、前記第1の静脈は、第2の静脈の支流であり、前記第2の静脈との接合部を形成している、ステップと、
前記第2の静脈の中に配設される入口部カバー用の傘によって、前記接合部における入口部をカバーすることによって、前記第2の静脈から前記第1の静脈への血液のバックフローを防止するステップと
を含む、方法。
【0561】
発明概念125
発明概念124に記載の方法であって、前記血液ポンプを動作させるステップは、前記ポンピングされる血液に限外ろ過を実施するステップを含む、方法。
【0562】
発明概念126
発明概念124に記載の方法であって、前記入口部カバー用の傘が、開いた構成になっているときに、6mmよりも大きい直径を有する入口部カバー用の傘を含み、前記入口部を前記傘によってカバーするステップは、6mmよりも大きい直径を有する前記傘によって前記入口部をカバーするステップを含む、方法。
【0563】
発明概念127
発明概念124に記載の方法であって、前記血液ポンプを動作させるステップは、前記入口部カバー用の傘が、前記入口部を取り囲む前記第2の静脈の壁部に対してシールされることを引き起こすステップを含む、方法。
【0564】
発明概念128
発明概念124~127のいずれか1つに記載の方法であって、前記第1の静脈が、前記対象の腎静脈を含み、前記第2の静脈が、前記対象の大静脈を含み、前記下流方向に血液をポンピングするステップは、前記腎静脈から前記大静脈に向けて下流方向に血液をポンピングするステップを含む、方法。
【0565】
発明概念129
発明概念128に記載の方法であって、前記第2の静脈から前記第1の静脈への血液のバックフローを防止するステップは、前記大静脈から前記腎静脈への血液のバックフローを防止するステップを含む、方法。
【0566】
発明概念130
発明概念128に記載の方法であって、前記方法が、心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患う対象として前記対象を認定するステップをさらに含み、前記ポンプを動作させるステップは、前記状態を患うものとして前記対象を認定するステップに応答して、前記腎静脈から前記大静脈へ前記下流方向に血液をポンピングするように前記ポンプを動作させることによって、前記対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップを含む、方法。
【0567】
発明概念131
対象の第1の静脈とともに使用するための装置であって、前記第1の静脈は、第2の静脈の支流であり、前記第2の静脈との接合部を形成しており、前記装置は、
前記第1の静脈の中に設置されるように構成されているカテーテルであって、前記カテーテルの遠位端部は、前記第1の静脈を通して前記カテーテルの中へ下流方向に血液をポンピングするように構成されている、カテーテルと、
入口部カバー用の傘であって、前記入口部カバー用の傘は、前記カテーテルの外側の周りに配設され、前記接合部において前記第2の静脈の中に設置されるように構成されており、前記入口部閉塞用の傘が、前記第2の静脈の中の場所から前記接合部における入口部をカバーすることによって、前記傘が、前記第2の静脈から前記第1の静脈への血液のバックフローを防止するようになっている、入口部カバー用の傘と
を含む、装置。
【0568】
発明概念132
発明概念131に記載の装置であって、前記血液をポンピングすることによって、前記入口部カバー用の傘が、前記入口部を取り囲む前記第2の静脈の壁部に対してシールされることを引き起こすように、前記カテーテルが構成されている、装置。
【0569】
発明概念133
発明概念131に記載の装置であって、前記入口部カバー用の傘が、開いた構成になっているときに、6mmよりも大きい直径を有している、装置。
【0570】
発明概念134
発明概念131~133のいずれか1つに記載の装置であって、前記第1の静脈が、前記対象の腎静脈を含み、前記第2の静脈が、前記対象の大静脈を含み、前記カテーテルは、前記腎静脈から下流方向に血液をポンピングすることによって、血液をポンピングするように構成されている、装置。
【0571】
発明概念135
発明概念134に記載の装置であって、前記入口部閉塞用の傘が、前記大静脈の中の場所から、前記腎静脈および前記大静脈の接合部における入口部をカバーすることによって、前記入口部カバー用の傘は、前記大静脈から前記腎静脈への血液のバックフローを防止するように構成されている、装置。
【0572】
発明概念136
カテーテルと、
前記カテーテルの遠位端部の中へ流体を吸い込むように構成されているポンピングメカニズムと、
前記カテーテルの外側の周りに配設される入口部カバー用の傘であって、前記傘は、その開いた構成になっているときに少なくとも6mmの直径を有している、入口部カバー用の傘と
を含む、装置。
【0573】
発明概念137
発明概念136に記載の装置であって、前記入口部カバー用の傘の前記直径が、10mmから20mmの間である、装置。
【0574】
発明概念138
発明概念136に記載の装置であって、前記入口部カバー用の傘の前記直径が、15mmから25mmの間である、装置。
【0575】
発明概念139
血管の中のフローを測定するための方法であって、前記方法は、
閉塞エレメントによって前記血管を閉塞させるステップと、
前記閉塞エレメントの上流側から前記閉塞エレメントの下流側へ血液をポンピングするステップと、
前記閉塞エレメントの前記上流側および下流側の血圧を測定するステップと、
前記閉塞エレメントの前記下流側の圧力が、前記閉塞エレメントの前記上流側の圧力に等しくなるように、前記ポンピングを調節するステップと、
前記閉塞エレメントの前記下流側の前記圧力が、前記閉塞エレメントの前記上流側の圧力に等しいときに、前記ポンプを通る血液の流量を測定するステップと、
前記測定された流量をベースライン流量として指定するステップと、
その後に、前記ベースライン流量と比較して、前記ポンプを通る血液の流量を測定するステップと
を含む、方法。
【0576】
発明概念140
発明概念139に記載の方法であって、前記方法が、前記ベースライン流量を指定するステップに応答して、前記対象の血管抵抗のベースライン測定値を指定するステップと、その後に、前記ベースライン血管抵抗と比較して、前記対象の血管抵抗を測定するステップとをさらに含む、方法。
【0577】
本発明は、とりわけ、上記に示されて説明されてきたものに限定されないということが、当業者によって認識されることとなる。むしろ、本発明の範囲は、上記に説明されている様々な特徴、ならびに、先行技術にないその変形例および修正例の、組み合わせおよびサブコンビネーションの両方を含み、それは、先述の説明を読むと、当業者に思い付くこととなる。
〔態様1〕
心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患うものとして対象を認定するステップと、
それに応答して、前記対象の腎静脈の内側にインペラーを設置することによって、および、前記腎静脈から前記対象の大静脈へ血液をポンピングするように前記インペラーを動かすことによって、前記対象の腎静脈の中の血圧を低減させるステップと、
を含む、方法。
〔態様2〕
態様1に記載の方法であって、前記腎静脈から前記大静脈の中へ血液をポンピングするように前記インペラーを動かすステップは、前記ポンプを動かすことがない場合の前記腎静脈から前記大静脈の中への血液フローの方向と比較して、前記血液フローの方向の実質的な変化を引き起こすことなく、前記腎静脈から前記大静脈の中への血液フローのレートを強化するステップを含む、方法。
〔態様3〕
態様1に記載の方法であって、前記腎静脈から前記大静脈の中へ血液をポンピングするように前記インペラーを動かすステップは、前記腎静脈から、前記腎静脈に隣接している前記大静脈の一部分の中へ、直接的に血液をポンピングするように、前記インペラーを動かすステップを含む、方法。
〔態様4〕
態様1に記載の方法であって、前記腎静脈から前記大静脈の中へ血液をポンピングするように前記インペラーを動かすステップは、前記対象の静脈系から、静脈でないレセプタクルの中へ、血液を除去することなく、前記腎静脈から前記大静脈の中へ血液をポンピングするように前記インペラーを動かすステップを含む、方法。
〔態様5〕
態様1~4のいずれか一項に記載の方法であって、前記腎静脈の内側に前記インペラーを設置するステップは、ケージが前記インペラーの周りに配設され、前記ケージが前記腎静脈の内側壁部を前記インペラーから分離させている状態で、前記腎静脈の中へ前記インペラーを設置することによって、前記対象の腎静脈が前記インペラーによって傷つけられることを保護するステップを含む、方法。
〔態様6〕
態様5に記載の方法であって、前記ケージが前記インペラーの周りに配設されている状態で、前記腎静脈の中へ前記インペラーを設置するステップは、前記ケージが前記インペラーの周りに配設されている状態で、前記腎静脈の中へ前記インペラーを設置するステップであって、前記ケージおよび前記インペラーは、係合メカニズムによって互いに係合されており、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記インペラーが軸線方向に長くされるようになっており、前記ケージが、前記腎静脈の前記壁部と前記インペラーとの間の分離を維持するようになっている、ステップを含む、方法。
〔態様7〕
インペラーを含む装置であって、前記インペラーは、
近位端部部分および遠位端部部分、ならびに、前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ曲がって進む複数のらせん状の細長いエレメントを含むインペラーフレームと、
材料であって、前記材料は、前記らせん状の細長いエレメントに連結されており、前記材料が連結されている前記らせん状の細長いエレメントが、前記インペラーの少なくとも1つのブレードを画定するようになっている、材料と
を含む、装置。
〔態様8〕
態様7に記載の装置であって、前記インペラーが、対象の血管の中へ挿入されるように構成されている生体適合性インペラーを含む、装置。
〔態様9〕
態様7に記載の装置であって、前記複数の細長いエレメントが、複数のらせん状のストリップを含む、装置。
〔態様10〕
態様7に記載の装置であって、前記らせん状の細長いエレメントの少なくとも1つが、可変のピッチを有しており、前記細長いエレメントの前記少なくとも1つの前記ピッチは、前記らせん状の細長いエレメントの長さに沿って変化している、装置。
〔態様11〕
態様7に記載の装置であって、前記インペラーは、対象の血管の内側に設置されるように、および、前記血管に対して回転させることによって、前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、前記装置が、半径方向に拡張可能なケージをさらに含み、前記半径方向に拡張可能なケージは、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設されるように、および、前記血管壁部を前記インペラーから分離させるように構成されている、装置。
〔態様12〕
態様7に記載の装置であって、前記近位端部部分および遠位端部部分が、近位リングおよび遠位リングを含む、装置。
〔態様13〕
態様7に記載の装置であって、前記近位端部部分および遠位端部部分のうちの少なくとも1つが、その縁部に切り欠き部を画定しており、前記切り欠き部は、前記らせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進させるように構成されている、装置。
〔態様14〕
態様7に記載の装置であって、前記インペラーが、前記らせん状の細長いエレメントの周りに結合された縫合糸をさらに含み、前記縫合糸は、前記らせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進させるように構成されている、装置。
〔態様15〕
態様7に記載の装置であって、前記複数のらせん状の細長いエレメントが、前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ曲がって進む3つのらせん状の細長いエレメントを含む、装置。
〔態様16〕
態様7~15のいずれか一項に記載の装置であって、前記インペラーがその拘束されていない構成になっているときに、前記インペラーの長手方向軸線に沿って測定される、前記らせん状の細長いエレメントのそれぞれの長さが、5mmよりも大きい、装置。
〔態様17〕
態様16に記載の装置であって、前記インペラーがその拘束されていない前記構成になっているときに、前記インペラーの前記長手方向軸線に沿って測定される、前記らせん状の細長いエレメントのそれぞれの前記長さが、14mmよりも小さい、装置。
〔態様18〕
態様7~15のいずれか一項に記載の装置であって、前記インペラーがその拘束されていない構成になっているときに、前記インペラーの長手方向軸線に対して垂直の方向の前記インペラーのスパンが、8mmよりも大きい、装置。
〔態様19〕
態様18に記載の装置であって、前記インペラーの前記スパンが、10mmよりも大きい、装置。
〔態様20〕
態様19に記載の装置であって、前記インペラーの前記スパンが、15mmよりも小さい、装置。
〔態様21〕
態様18に記載の装置であって、前記インペラーの前記スパンが、15mmよりも小さい、装置。
〔態様22〕
態様21に記載の装置であって、前記インペラーの前記スパンが、12mmよりも小さい、装置。
〔態様23〕
態様7~14のいずれか一項に記載の装置であって、前記複数のらせん状の細長いエレメントが、前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ曲がって進む2つのらせん状の細長いエレメントを含む、装置。
〔態様24〕
態様23に記載の装置であって、前記2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれの半径が、互いの20パーセント以内である、装置。
〔態様25〕
態様23に記載の装置であって、前記2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれの半径が、互いに同様である、装置。
〔態様26〕
態様23に記載の装置であって、前記2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれのピッチが、互いの20パーセント以内である、装置。
〔態様27〕
態様23に記載の装置であって、前記2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれのピッチが、互いに同様である、装置。
〔態様28〕
態様23に記載の装置であって、前記2つのらせん状の細長いエレメントのそれぞれの長手方向の軸線が、互いに平行になっており、かつ、前記インペラーの長手方向軸線に対して平行になっている、装置。
〔態様29〕
態様23に記載の装置であって、前記材料が、前記らせん状の細長いエレメントによって支持されている材料の連続的なフィルムを含む、装置。
〔態様30〕
態様7~15のいずれか一項に記載の装置であって、前記らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の8分の1以上を画定している、装置。
〔態様31〕
態様30に記載の装置であって、前記らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の半分未満を画定している、装置。
〔態様32〕
態様7~15のいずれか一項に記載の装置であって、
前記らせん状の細長いエレメントが、その近位端部および遠位端部を画定しており、前記らせん状の細長いエレメントは、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するように構成されており、
前記インペラーは、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んでいない、装置。
〔態様33〕
態様32に記載の装置であって、実質的に前記インペラーの前記らせん状の細長いエレメントだけを介して、前記インペラーの前記近位端部部分から前記インペラーの前記遠位端部部分へ、回転運動が与えられるように、前記インペラーが構成されている、装置。
〔態様34〕
態様32に記載の装置であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に、前記材料を支持するための追加的な支持部材を含まないことによって、前記インペラーは、前記インペラーが前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも小さい直径まで、半径方向に圧縮可能であるように構成されている、装置。
〔態様35〕
態様32に記載の装置であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に、前記材料を支持するための追加的な支持部材を含まないことによって、前記インペラーは、前記インペラーが前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも柔軟性があるように構成されている、装置。
〔態様36〕
態様32に記載の装置であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に、前記材料を支持するための追加的な支持部材を含まないことによって、前記インペラーを軸線方向に長くするために必要とされる力が、前記インペラーが前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合に必要とされることとなるものよりも所定の量だけ小さくなるように、前記インペラーが構成されている、装置。
〔態様37〕
切断されたチューブが構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する前記構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップであって、前記端部部分は、複数の細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップと、
前記構造体を軸線方向に圧縮することによって、前記細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップと、
材料が連結されている前記らせん状の細長いエレメントが、前記インペラーの少なくとも1つのブレードを画定するように、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップと
によって、インペラーを製造するステップを含む、方法。
〔態様38〕
態様37に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記チューブをレーザー切断するステップを含む、方法。
〔態様39〕
態様37に記載の方法であって、前記インペラーを製造するステップは、対象の血管の中へ挿入されるように構成されている生体適合性インペラーを製造するステップを含む、方法。
〔態様40〕
態様37に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップであって、前記端部部分は、複数のストリップによって互いに接続されている、ステップを含む、方法。
〔態様41〕
態様37に記載の方法であって、前記細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記らせん状の細長いエレメントの少なくとも1つが、可変のピッチを有することを引き起こすステップであって、前記細長いエレメントの前記少なくとも1つの前記ピッチが、前記らせん状の細長いエレメントの長さに沿って変化する、ステップを含む、方法。
〔態様42〕
態様37に記載の方法であって、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2のリングを有する構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップを含む、方法。
〔態様43〕
態様37に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記端部部分の少なくとも1つの縁部に切り欠き部を形成するステップであって、前記切り欠き部は、前記らせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進させるように構成されている、ステップをさらに含む、方法。
〔態様44〕
態様37に記載の方法であって、前記方法が、前記らせん状の細長いエレメントの周りに縫合糸を結合するステップであって、前記縫合糸は、前記らせん状の細長いエレメントへの前記材料の連結を促進させるように構成されている、ステップをさらに含む、方法。
〔態様45〕
態様37に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップであって、前記端部部分は、3つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを含み、前記細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが3つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップを含む、方法。
〔態様46〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、前記構造体が、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される、15mmよりも大きい長さを有するように、前記チューブを切断するステップを含む、方法。
〔態様47〕
態様46に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、前記構造体の前記長手方向軸線に沿って測定される、前記構造体の前記長さが、25mmよりも小さくなるように、前記チューブを切断するステップを含む、方法。
〔態様48〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、前記細長いエレメントのそれぞれが、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される、14mmよりも大きい長さを有するように、前記チューブを切断するステップを含む、方法。
〔態様49〕
態様48に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記構造体に加えられている軸線方向の圧縮がない場合に、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される、前記細長いエレメントのそれぞれの前記長さが、22mmよりも小さくなるように、前記チューブを切断するステップを含む、方法。
〔態様50〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体が、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される、8mmよりも大きい長さを画定するように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様51〕
態様50に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される前記長さが、18mmよりも小さくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様52〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記細長いエレメントのそれぞれが、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される、5mmよりも大きい長さを画定するように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様53〕
態様52に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の長手方向軸線に沿って測定される、前記細長いエレメントのそれぞれの前記長さが、14mmよりも小さくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様54〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の長手方向軸線に対して垂直の方向の前記構造体のスパンが、8mmよりも大きくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様55〕
態様54に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の前記スパンが、10mmよりも大きくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様56〕
態様55に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の前記スパンが、15mmよりも小さくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様57〕
態様54に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の前記スパンが、15mmよりも小さくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様58〕
態様57に記載の方法であって、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップは、前記構造体の前記スパンが、12mmよりも小さくなるように、前記構造体を軸線方向に圧縮するステップを含む、方法。
〔態様59〕
態様37~44のいずれか一項に記載の方法であって、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップは、前記材料がその液体状態にある間に、前記構造体の少なくとも一部分を前記材料の中へ浸漬させるステップと、前記材料が前記らせん状の細長いエレメントによって支持されている間に、前記材料を乾燥させるステップとを含む、方法。
〔態様60〕
態様59に記載の方法であって、前記材料を乾燥させるステップは、前記材料を硬化させるステップを含む、方法。
〔態様61〕
態様59に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップであって、前記端部部分は、2つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを含み、前記細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップを含む、方法。
〔態様62〕
態様61に記載の方法であって、前記材料が前記らせん状の細長いエレメントによって支持されている間に前記液体材料を乾燥させるステップは、前記材料が前記らせん状の細長いエレメント同士の間に連続的なフィルムを形成することを引き起こすステップであって、前記連続的なフィルムは、前記らせん状の細長いエレメントによって支持されている、ステップを含む、方法。
〔態様63〕
態様37~44のいずれか一項に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2の端部部分を有する構造体を画定するように、前記チューブを切断するステップであって、前記端部部分は、2つの細長いエレメントによって互いに接続されている、ステップを含み、前記細長いエレメントが半径方向に拡張し、らせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップを含む、方法。
〔態様64〕
態様63に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、前記第1の端部部分から生じ、前記第2の端部部分において終端しており、前記らせん状の細長いエレメントの半径は、互いに同様である、ステップを含む、方法。
〔態様65〕
態様63に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、前記第1の端部部分から生じ、前記第2の端部部分において終端しており、前記らせん状の細長いエレメントの半径は、互いの20パーセント以内である、ステップを含む、方法。
〔態様66〕
態様63に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、前記第1の端部部分から生じ、前記第2の端部部分において終端しており、前記らせん状の細長いエレメントのピッチは、互いに同様である、ステップを含む、方法。
〔態様67〕
態様63に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記2つのらせん状の細長いエレメントの両方が、前記第1の端部部分から生じ、前記第2の端部部分において終端しており、前記らせん状の細長いエレメントのピッチは、互いの20パーセント以内である、ステップを含む、方法。
〔態様68〕
態様63に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記らせん状の細長いエレメントの両方の長手方向の軸線は、互いに平行になっており、かつ、前記インペラーの長手方向軸線に対して平行になっている、ステップを含む、方法。
〔態様69〕
態様63に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の8分の1以上を画定している、ステップを含む、方法。
〔態様70〕
態様69に記載の方法であって、前記細長いエレメントが前記2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップは、前記細長いエレメントが2つのらせん状の細長いエレメントを形成することを引き起こすステップであって、前記らせん状の細長いエレメントのそれぞれが、らせんの巻線の半分未満を画定している、ステップを含む、方法。
〔態様71〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2のリングを有する構造体を画定するように、ならびに、前記細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、前記リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、前記チューブを切断するステップであって、前記角度は、50度よりも大きい、ステップを含む、方法。
〔態様72〕
態様71に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、前記リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、前記チューブを切断するステップであって、前記角度は、70度よりも大きい、ステップを含む、方法。
〔態様73〕
態様72に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、前記リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、前記チューブを切断するステップであって、前記角度は、90度よりも大きい、ステップを含む、方法。
〔態様74〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記切断チューブが前記構造体の近位端部および遠位端部において第1および第2のリングを有する構造体を画定するように、ならびに、前記細長いエレメントのそれぞれの第1および第2の端部が、前記リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、前記チューブを切断するステップであって、前記角度は、180度よりも小さい、ステップを含む、方法。
〔態様75〕
態様74に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記細長いエレメントのそれぞれの前記第1および第2の端部が、前記リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、前記チューブを切断するステップであって、前記角度は、150度よりも小さい、ステップを含む、方法。
〔態様76〕
態様75に記載の方法であって、前記チューブを切断するステップは、前記細長いエレメントのそれぞれの前記第1および第2の端部が、前記リングの周囲部に関して互いからある角度で配設されるように、前記チューブを切断するステップであって、前記角度は、110度よりも小さい、ステップを含む、方法。
〔態様77〕
態様37~45のいずれか一項に記載の方法であって、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップは、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に、前記材料が、前記らせん状の細長いエレメントによって支持されるように、前記細長いエレメントに前記材料を連結するステップを含む、方法。
〔態様78〕
態様77に記載の方法であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップは、実質的に前記インペラーの前記らせん状の細長いエレメントだけを介して、前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ回転運動が与えられるように、前記インペラーを構成させるステップを含む、方法。
〔態様79〕
態様77に記載の方法であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップは、前記インペラーが前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも小さい直径まで半径方向に圧縮可能となるように、前記インペラーを構成させるステップを含む、方法。
〔態様80〕
態様77に記載の方法であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップは、前記インペラーが前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合よりも柔軟性があるように、前記インペラーを構成させるステップを含む、方法。
〔態様81〕
態様77に記載の方法であって、前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材がない場合に、前記らせん状の細長いエレメントに前記材料を連結するステップは、前記インペラーを軸線方向に長くするために必要とされる力が、前記インペラーが前記らせん状の細長いエレメントの前記近位端部と前記遠位端部との間に前記材料を支持するための追加的な支持部材を含んだとした場合に必要とされることとなるものよりも所定の量だけ小さくなるように、前記インペラーを構成させるステップを含む、方法。
〔態様82〕
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、流体をポンピングするように構成されているインペラーと、
前記インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、前記インペラーおよび前記ケージの半径方向に拡張させられた構成において、前記インペラーが、前記ケージの内側表面から分離されるようになっている、ケージと、
前記インペラーを前記ケージに係合させるように構成されている係合メカニズムであって、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記係合メカニズムが、前記インペラーを軸線方向に長くし、前記インペラーが前記ケージの前記内側表面から分離されたままになるようになっている、係合メカニズムと
を含む、装置。
〔態様83〕
態様82に記載の装置であって、
前記ケージおよび前記インペラーが、その軸線方向に長くされた構成を画定しており、前記ケージは、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記ケージの内側に前記インペラーを収容するように構成されており、一方、前記インペラーは、その軸線方向に長くされた構成になっており、
前記ケージは、支柱を含み、前記支柱の少なくともいくつかは、少なくとも前記ケージが前記ケージの前記半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている前記支柱の一部分を含み、
前記ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルは、前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなっている、装置。
〔態様84〕
態様82に記載の装置であって、前記係合メカニズムは、前記ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、前記インペラーの回転を許容するように構成されている、装置。
〔態様85〕
態様82に記載の装置であって、前記係合メカニズムは、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記ケージの長手方向の運動によって引き起こされる長手方向の運動を前記インペラーに与えることによって、前記インペラーを軸線方向に長くするように構成されている、装置。
〔態様86〕
態様82~85のいずれか一項に記載の装置であって、前記インペラーが、生体適合性インペラーを含み、前記生体適合性インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、前記ケージは、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設されるように、および、前記インペラーから前記血管壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様87〕
態様86に記載の装置であって、前記ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、たとえ、前記血管壁部が前記ケージのセルを通って突出したとしても、前記ケージが、前記インペラーから前記血管壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様88〕
態様82~85のいずれか一項に記載の装置であって、
前記インペラーは、前記インペラーの長手方向軸線が前記ケージの長手方向軸線に整合させられるように、前記ケージに連結されており、
前記ケージが、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの外側表面が、前記ケージの前記長手方向軸線に対して平行になっている、装置。
〔態様89〕
態様88に記載の装置であって、前記インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、前記ケージは、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設されるように、および、前記インペラーから前記血管の前記内側壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様90〕
態様89に記載の装置であって、前記ケージが、前記血管の内側で半径方向に拡張するように構成されており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの前記外側表面が、前記血管の前記内側壁部に係合するようになっており、それによって、前記ケージの前記長手方向軸線が前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、前記ケージが、前記血管の中で配向されている、装置。
〔態様91〕
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、血管を通して血液をポンピングするように構成されているインペラー、および、
前記インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージ
を、対象の血管の内側に設置するステップと、
前記インペラーが前記ケージによって前記血管の内側壁部から分離されるように、前記ケージおよび前記インペラーを前記血管の内側で半径方向に拡張するステップであって、
前記インペラーは、前記ケージに係合されており、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記インペラーが、軸線方向に長くされ、前記インペラーが前記血管の前記内側壁部から分離されたままになるようになっている、ステップと、
前記インペラーを回転させることによって、前記血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップと
を含む、方法。
〔態様92〕
態様91に記載の方法であって、前記血管が、腎静脈を含み、前記血管を通して血液をポンピングするように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記対象の腎臓から離れるように前記対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様93〕
態様91に記載の方法であって、前記方法が、
前記インペラーの上流にある前記血管の中の第1の場所において、および、前記インペラーの下流にある前記血管の中の第2の場所において、前記対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
前記第1および第2の場所において測定された前記圧力に応答可能に前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様94〕
態様91に記載の方法であって、
前記ケージおよび前記インペラーを前記血管の内側に設置するステップは、前記ケージおよび前記インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、および、その軸線方向に長くされた構成になっている状態の前記ケージが、前記インペラーを前記ケージの内側に収容している間に、および、前記インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記ケージおよび前記インペラーを前記血管の内側に設置するステップを含み、
前記ケージが、支柱を画定するケージを含み、前記支柱の少なくともいくつかは、少なくとも前記ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルが、前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様95〕
態様91に記載の方法であって、前記インペラーを回転させるように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、前記インペラーを回転させるように前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様96〕
態様91に記載の方法であって、前記ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、たとえ、前記血管壁部が前記ケージのセルを通って突出したとしても、前記ケージを半径方向に拡張することによって、前記インペラーから前記血管壁部を分離するステップを含む、方法。
〔態様97〕
態様91に記載の方法であって、
前記インペラーおよび前記ケージを前記血管の内側に設置するステップは、前記インペラーおよび前記ケージを前記血管の内側に設置するステップであって、前記インペラーが、前記インペラーの長手方向軸線が前記ケージの長手方向軸線に整合させられるように、前記ケージに連結されている、ステップを含み、
前記ケージは、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定するケージを含み、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの外側表面は、前記ケージの前記長手方向軸線に対して平行になっており、
前記ケージを前記血管の内側に半径方向に拡張するステップは、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの前記外側表面が前記血管の前記内側壁部に係合され、それによって、前記ケージが、前記ケージの長手方向軸線が前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、前記血管の中に配向される、前記ケージを前記血管の内側に半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様98〕
態様91に記載の方法であって、
前記血管は、前記ケージがない場合に所定の直径を有しており、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記血管の一部分の直径が前記所定の直径よりも大きくなるように、前記血管の前記一部分を広げるステップを含み、
前記インペラーを半径方向に拡張するステップは、前記インペラーのスパンが少なくとも前記所定の直径に等しくなるように、前記インペラーを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様99〕
態様91~98のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法は、
前記血管を通るフローを測定するように、および、
前記測定されたフローに応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様100〕
態様99に記載の方法であって、前記血管を通るフローを測定するように前記制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、前記制御ユニットを動作させるステップであって、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る血液フローが、実質的に前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む、方法。
〔態様101〕
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、流体をポンピングするように構成されている半径方向に拡張可能なインペラーと、
前記インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、前記インペラーおよび前記ケージの半径方向に拡張させられた構成において、前記インペラーが、前記ケージの内側表面から分離されるようになっている、ケージと
を含む、装置であって、
前記インペラーは、前記インペラーの長手方向軸線が前記ケージの長手方向軸線に整合させられるように、前記ケージに連結されており、
前記ケージは、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの外側表面は、前記ケージの前記長手方向軸線に対して平行になっている、装置。
〔態様102〕
態様101に記載の装置であって、
前記ケージおよび前記インペラーが、その軸線方向に長くされた構成を画定しており、前記ケージは、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記ケージの内側に前記インペラーを収容するように構成されており、一方、前記インペラーは、その軸線方向に長くされた構成になっており、
前記ケージは、支柱を含み、前記支柱の少なくともいくつかは、少なくとも前記ケージが前記ケージの前記半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている前記支柱の一部分を含み、
前記ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルは、前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなっている、装置。
〔態様103〕
態様101に記載の装置であって、
前記インペラーが、その近位端部および遠位端部において、近位リングおよび遠位をそれぞれ画定しており、
前記ケージが、その近位端部および遠位端部において、近位リングおよび遠位リングをそれぞれ画定しており、
前記インペラーは、
前記インペラーおよび前記ケージの前記近位リングが互いに整合させられるように、前記インペラーおよび前記ケージの前記近位リングが、第1の支持エレメントの上に設置されていることによって、ならびに、
前記インペラーおよび前記ケージの前記遠位リングが互いに整合させられるように、前記インペラーおよび前記ケージの前記遠位リングが、第2の支持エレメントの上に設置されていることによって、
前記インペラーの前記長手方向軸線が前記ケージの前記長手方向軸線に整合させられるように、前記ケージに連結されている、装置。
〔態様104〕
態様101~103のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、係合メカニズムをさらに含み、前記係合メカニズムは、前記インペラーを前記ケージに係合させるように構成されており、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記係合メカニズムが、前記インペラーを軸線方向に長くし、前記インペラーが前記ケージの前記内側表面から分離されたままになるようになっている、装置。
〔態様105〕
態様104に記載の装置であって、前記係合メカニズムは、前記ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、前記インペラーの回転を許容するように構成されている、装置。
〔態様106〕
態様104に記載の装置であって、前記係合メカニズムは、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記ケージの長手方向の運動によって引き起こされる長手方向の運動を前記インペラーに与えることによって、前記インペラーを軸線方向に長くするように構成されている、装置。
〔態様107〕
態様104に記載の装置であって、前記インペラーは、生体適合性インペラーであり、前記生体適合性インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって、前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、前記ケージは、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設されるように、および、前記血管壁部を前記インペラーから分離させるように構成されている、装置。
〔態様108〕
態様107に記載の装置であって、前記ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、たとえ、前記血管壁部が前記ケージのセルを通って突出したとしても、前記ケージが、前記インペラーから前記血管壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様109〕
態様101~103のいずれか一項に記載の装置であって、前記インペラーが、生体適合性インペラーであり、前記生体適合性インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、前記ケージは、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設されるように、および、前記インペラーから前記血管壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様110〕
態様109に記載の装置であって、前記ケージが、前記血管の内側で半径方向に拡張するように構成されており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの前記外側表面が、前記血管の前記内側壁部に係合するようになっており、それによって、前記ケージの前記長手方向軸線が前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、前記ケージが、前記血管の中で配向されている、装置。
〔態様111〕
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、前記血管を通して血液をポンピングするように構成されているインペラーと、
前記インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、前記インペラーは、前記インペラーの長手方向軸線が前記ケージの長手方向軸線に整合させられるように、前記ケージに連結されており、前記ケージは、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの外側表面は、前記ケージの前記長手方向軸線に対して平行になっている、半径方向に拡張可能なケージと
を、対象の血管の内側に設置するステップと、
前記インペラーが、前記ケージによって、前記血管の内側壁部から分離されるように、および、
前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの前記外側表面が、前記血管の前記内側壁部に係合し、それによって、前記ケージが前記ケージの長手方向軸線が前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行になるように、前記血管の中で配向されるように、
前記血管の内側で、前記ケージおよび前記インペラーを半径方向に拡張するステップと、
前記インペラーを回転させることによって、前記血管を通して血液をポンピングするように、制御ユニットを動作させるステップと
を含む、方法。
〔態様112〕
態様111に記載の方法であって、前記血管が、腎静脈を含み、前記血管を通して血液をポンピングするように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記対象の腎臓から離れるように前記対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様113〕
態様111に記載の方法であって、前記方法は、
前記インペラーの上流にある前記血管の中の第1の場所において、および、前記インペラーの下流にある前記血管の中の第2の場所において、前記対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
前記第1および第2の場所において測定された前記圧力に応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様114〕
態様111に記載の方法であって、
前記ケージおよび前記インペラーを前記血管の内側に設置するステップは、前記ケージおよび前記インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、および、その軸線方向に長くされた構成になっている状態の前記ケージが、前記インペラーを前記ケージの内側に収容している間に、および、前記インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記ケージおよび前記インペラーを前記血管の内側に設置するステップを含み、
前記ケージが、支柱を画定するケージを含み、前記支柱の少なくともいくつかは、少なくとも前記ケージが前記ケージの半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルが、前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様115〕
態様111に記載の方法であって、前記ケージが、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、たとえ、前記血管壁部が前記ケージのセルを通って突出したとしても、前記ケージを半径方向に拡張することによって、前記インペラーから前記血管壁部を分離するステップを含む、方法。
〔態様116〕
態様111に記載の方法であって、
前記血管は、前記ケージがない場合に所定の直径を有しており、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記血管の一部分の直径が前記所定の直径よりも大きくなるように、前記血管の前記一部分を広げるステップを含み、
前記インペラーを半径方向に拡張するステップは、前記インペラーのスパンが少なくとも前記所定の直径に等しくなるように、前記インペラーを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様117〕
態様111~116のいずれか一項に記載の方法であって、前記血管の内側に前記インペラーおよび前記ケージを設置するステップは、前記血管の内側に前記インペラーおよび前記ケージを設置するステップであって、前記インペラーは、前記ケージに係合されており、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記インペラーが軸線方向に長くされるようになっており、前記インペラーが前記血管の前記内側壁部から分離されたままになるようになっている、ステップを含む、方法。
〔態様118〕
態様117に記載の方法であって、前記インペラーを回転させるように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、前記インペラーを回転させるように前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様119〕
態様111~116のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法は、
前記血管を通るフローを測定するように、および、
前記測定されたフローに応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様120〕
態様119に記載の方法であって、前記血管を通るフローを測定するように前記制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、前記制御ユニットを動作させるステップであって、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る血液フローが、実質的に前記血管の前記局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む、方法。
〔態様121〕
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、流体をポンピングするように構成されている半径方向に拡張可能なインペラーと、
前記インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、前記インペラーおよび前記ケージの半径方向に拡張させられた構成において、前記インペラーが、前記ケージの内側表面から分離されるようになっている、ケージと
を含む、装置であって、
前記ケージおよび前記インペラーが、その軸線方向に長くされた構成を画定しており、前記ケージは、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記ケージの内側に前記インペラーを収容するように構成されており、一方、前記インペラーは、その軸線方向に長くされた構成になっており、
前記ケージは、支柱を含み、前記支柱の少なくともいくつかは、少なくとも前記ケージが前記ケージの前記半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている前記支柱の一部分を含み、
前記ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルは、前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなっている、装置。
〔態様122〕
態様121に記載の装置であって、前記波状部分を含む前記支柱のそれぞれに関して、前記支柱は、
前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの、前記支柱の第1の長手方向の端部から前記支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と、
前記ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの、前記支柱の前記第1の長手方向の端部から前記支柱の前記第2の長手方向の端部への最短距離と
の比が、1.05:1よりも大きくなるように構成されている、装置。
〔態様123〕
態様122に記載の装置であって、前記比が、1.4:1よりも小さい、装置。
〔態様124〕
態様122に記載の装置であって、前記比が、1.15:1よりも大きい、装置。
〔態様125〕
態様124に記載の装置であって、前記比が、1.2:1よりも大きい、装置。
〔態様126〕
態様121に記載の装置であって、前記装置は、前記インペラーを前記ケージに係合させるように構成されている係合メカニズムであって、前記ケージが軸線方向に長くされることに応答して、前記インペラーが軸線方向に長くされるようになっており、前記インペラーが前記ケージの前記内側表面から分離されたままになるようになっている、係合メカニズムをさらに含む、装置。
〔態様127〕
態様126に記載の装置であって、前記係合メカニズムは、前記ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、前記インペラーの回転を許容するように構成されている、装置。
〔態様128〕
態様126に記載の装置であって、前記係合メカニズムは、前記ケージが軸線方向に長くされることに応答して、前記ケージの長手方向の運動によって引き起こされる長手方向の運動を前記インペラーに与えることによって、前記インペラーを軸線方向に長くされように構成されている、装置。
〔態様129〕
態様126のいずれか一項に記載の装置であって、
前記ケージおよび前記インペラーが、生体適合性であり、また、前記インペラーが前記ケージの内側に配設されている間に、ならびに、前記ケージおよび前記インペラーがその前記軸線方向に長くされた構成になっている間に、血管の中へ挿入されるように構成されており、
前記インペラーは、前記血管の内側で半径方向に拡張するように、および、回転することによって、前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、
前記ケージは、前記血管の内側で半径方向に拡張するように、および、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設され、前記血管の前記内側壁部を前記インペラーから分離するように構成されている、装置。
〔態様130〕
態様129に記載の装置であって、前記ケージの前記支柱が、セルを画定するように形状付けされており、たとえ、前記血管壁部が前記ケージのセルを通って突出したとしても、前記ケージが、前記インペラーから前記血管壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様131〕
態様121に記載の装置であって、
前記インペラーは、前記インペラーの長手方向軸線が前記ケージの長手方向軸線に整合させられるように、前記ケージに連結されており、
前記ケージが、概して円筒状の形状を有するその中央部分を画定しており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの外側表面が、前記ケージの前記長手方向軸線に対して平行になっている、装置。
〔態様132〕
態様131に記載の装置であって、前記インペラーは、生体適合性であり、前記インペラーは、血管の内側に設置されるように、および、回転することによって前記血管を通して血液をポンピングするように構成されており、前記ケージは、前記インペラーと前記血管の内側壁部との間に配設されるように、および、前記インペラーから前記血管の前記内側壁部を分離するように構成されている、装置。
〔態様133〕
態様132に記載の装置であって、前記ケージが、前記血管の内側で半径方向に拡張するように構成されており、前記ケージの前記概して円筒形状の部分における前記ケージの前記外側表面が、前記血管の前記内側壁部に係合するようになっており、それによって、前記ケージの前記長手方向軸線が前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行となるように、前記ケージが、前記血管の中で配向されている、装置。
〔態様134〕
半径方向に拡張させられた構成において、回転することによって、血管を通して血液ポンピングするように構成されているインペラー、および、
前記インペラーの周りに配設されている半径方向に拡張可能なケージであって、前記ケージは支柱を画定している、ケージ
を、対象の血管の内側に設置するステップであって、
前記ケージおよび前記インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、および、前記ケージが、その軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記ケージの内側に前記インペラーを収容する間に、および、前記インペラーがその軸線方向に長くされた構成になっている間に、前記設置するステップは実施される、ステップと、
前記ケージおよび前記インペラーが半径方向に拡張させられた構成になるように、および、前記インペラーが前記ケージによって前記血管の内側壁部から分離されるように、前記血管の内側で、前記ケージおよび前記インペラーを半径方向に拡張するステップと、
前記インペラーを回転させることによって、前記血管を通して、血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップであって、
前記ケージが、支柱を含み、前記支柱の少なくともいくつかは、少なくとも前記ケージが前記ケージの前記半径方向に拡張させられた構成になっているときに、波状になっている支柱の一部分を含み、
前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルが、前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの前記支柱の前記波状部分の波打ちのレベルよりも大きくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、ステップと
を含む、方法。
〔態様135〕
態様134に記載の方法であって、前記血管が、腎静脈を含み、前記血管を通して血液をポンピングするように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記対象の腎臓から離れるように前記対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様136〕
態様134に記載の方法であって、前記方法は、
前記インペラーの上流にある前記血管の中の第1の場所において、および、前記インペラーの下流にある前記血管の中の第2の場所において、前記対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
前記第1および第2の場所において測定された前記圧力に応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様137〕
態様134に記載の方法であって、前記ケージの前記支柱が、セルを画定するように形状付けされている支柱を含み、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、たとえ、前記血管壁部が前記ケージのセルを通って突出したとしても、前記ケージを半径方向に拡張することによって、前記インペラーから前記血管壁部を分離するステップを含む、方法。
〔態様138〕
態様134に記載の方法であって、
前記血管は、前記ケージがない場合に所定の直径を有しており、
前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記血管の一部分の直径が前記所定の直径よりも大きくなるように、前記血管の前記一部分を広げるステップを含み、
前記インペラーを半径方向に拡張するステップは、前記インペラーのスパンが少なくとも前記所定の直径に等しくなるように、前記インペラーを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様139〕
態様134~138のいずれか一項に記載の方法であって、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記波状部分を含む前記支柱のそれぞれに関して、
前記ケージがその軸線方向に長くされた構成になっているときの、前記支柱の第1の長手方向の端部から前記支柱の第2の長手方向の端部への最短距離と、
前記ケージが半径方向に拡張させられた構成になっているときの、前記支柱の前記第1の長手方向の端部から前記支柱の前記第2の長手方向の端部への最短距離と
の比が、1.05:1よりも大きくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様140〕
態様139に記載の方法であって、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記波状部分を含む前記支柱のそれぞれに関して、前記比が1.4:1よりも小さくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様141〕
態様139に記載の方法であって、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記波状部分を含む前記支柱のそれぞれに関して、前記比が1.15:1よりも大きくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様142〕
態様141に記載の方法であって、前記ケージを半径方向に拡張するステップは、前記波状部分を含む前記支柱のそれぞれに関して、前記比が1.2:1よりも大きくなるように、前記ケージを半径方向に拡張するステップを含む、方法。
〔態様143〕
態様134~138のいずれか一項に記載の方法であって、前記血管の内側に前記インペラーおよび前記ケージを設置するステップは、前記血管の内側に前記インペラーおよび前記ケージを設置するステップであって、前記インペラーは、前記ケージに係合されており、前記ケージが半径方向に圧縮されることに応答して、前記インペラーが軸線方向に長くされるようになっており、前記インペラーが前記血管の前記内側壁部から分離されたままになるようになっている、ステップを含む、方法。
〔態様144〕
態様143に記載の方法であって、前記インペラーを回転させるように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記ケージが回転方向に固定された位置に維持されている状態で、前記インペラーを回転させるように前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様145〕
態様134~138のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法は、
前記血管を通るフローを測定するように、および、
前記測定されたフローに応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様146〕
態様145に記載の方法であって、前記血管を通るフローを測定するように前記制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、前記制御ユニットを動作させるステップであって、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る血液フローが、実質的に前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む、方法。
〔態様147〕
半径方向に拡張可能な構造体を対象の血管の内側に設置するステップであって、前記血管は、前記半径方向に拡張可能な構造体がない場合に所定の直径を有している、ステップと、
前記半径方向に拡張可能な構造体を前記血管の前記一部分の内側で拡張することによって、前記血管の前記一部分の直径が前記所定の直径よりも大きくなるように、前記血管の一部分を広げるステップと、
前記血管の前記一部分の内側にインペラーを設置するステップであって、前記インペラーは、インペラーブレードを含み、前記インペラーブレードのスパンは、少なくとも前記所定の直径に等しい、ステップと、
前記血管に対して前記インペラーを回転させることによって、前記血管を通して血液をポンピングするように制御ユニットを動作させるステップと、
を含む、方法。
〔態様148〕
態様147に記載の方法であって、前記半径方向に拡張可能な構造体を拡張するステップは、前記インペラーが前記ケージによって前記血管の内側壁部から分離されるように、前記インペラーの周りに配設されている、半径方向に拡張可能なケージを拡張するステップを含む、方法。
〔態様149〕
態様147に記載の方法であって、前記血管が、腎静脈を含み、前記血管を通して血液をポンピングするように前記制御ユニットを動作させるステップは、前記対象の腎臓から離れるように前記対象の大静脈に向けて血液をポンピングするように、前記制御ユニットを動作させるステップを含む、方法。
〔態様150〕
態様147に記載の方法であって、前記方法は、
前記インペラーの上流にある前記血管の中の第1の場所において、および、前記インペラーの下流にある前記血管の中の第2の場所において、前記対象の血管の中の圧力を測定するように、ならびに、
前記第1および第2の場所において測定された前記圧力に応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様151〕
態様147~150のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法は、
前記血管を通るフローを測定するように、および、
前記測定されたフローに応答可能に、前記インペラーの回転を制御するように、
前記制御ユニットを動作させるステップをさらに含む、方法。
〔態様152〕
態様151に記載の方法であって、前記血管を通るフローを測定するように前記制御ユニットを動作させるステップは、ハウジングの中に配設されているサーマル式流量センサーを介して血液フローを測定するように、前記制御ユニットを動作させるステップであって、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る血液フローが、実質的に前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向となるように構成されている、ステップを含む、方法。
〔態様153〕
態様147~150のいずれか一項に記載の方法であって、前記血管の前記一部分を広げるステップは、前記半径方向に拡張可能な構造体を前記血管の前記一部分の内側で拡張することによって、前記血管の前記一部分の前記直径が前記所定の直径の105パーセントよりも大きくなるように、前記血管の前記一部分を広げるステップを含む、方法。
〔態様154〕
態様153に記載の方法であって、前記血管の前記一部分を広げるステップは、前記半径方向に拡張可能な構造体を前記血管の前記一部分の内側で拡張することによって、前記血管の前記一部分の前記直径が前記所定の直径の115パーセントよりも大きくなるように、前記血管の前記一部分を広げるステップを含む、方法。
〔態様155〕
態様153に記載の方法であって、前記血管の前記一部分を広げるステップは、前記半径方向に拡張可能な構造体を前記血管の前記一部分の内側で拡張することによって、前記血管の前記一部分の前記直径が前記所定の直径の125パーセントよりも小さくなるように、前記血管の前記一部分を広げるステップを含む、方法。
〔態様156〕
対象の血管を通して血液をポンピングするように構成されている血液ポンプであって、前記血液ポンプは、
細長いエレメント、および、
前記細長いエレメントの遠位端部に配設されているインペラーであって、前記インペラーは、回転することによって、前記血管を通して血液をポンピングするように構成されている、インペラー
を含む、血液ポンプと、
前記ポンピングされる血液のフローを測定するように構成されているサーマル式流量センサーであって、前記サーマル式流量センサーは、前記細長いエレメントの長さの一部分に沿って連続して配設されている、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーを含む、サーマル式流量センサーと、
を含む、装置であって、
前記細長いエレメントは、ハウジングを含み、前記ハウジングは、前記サーマル式流量センサーを格納するように構成されており、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る血液フローが実質的に前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向になるように構成されている、装置。
〔態様157〕
態様156に記載の装置であって、前記ハウジングは、陥凹部をその中に画定するように形状付けされている前記細長いエレメントの外側表面の一部分を含み、前記上流の温度センサー、前記加熱エレメント、および前記下流の温度センサーが、前記陥凹部に沿って連続して配設されている、装置。
〔態様158〕
態様157に記載の装置であって、前記陥凹部の長さと前記陥凹部の幅との比が、4:1よりも大きい、装置。
〔態様159〕
態様157に記載の装置であって、前記装置は、カバーをさらに含み、前記カバーは、前記細長いエレメントに連結されており、前記サーマル式センサーをカバーするように配設されている、装置。
〔態様160〕
態様156に記載の装置であって、前記ハウジングは、前記細長いエレメントの外側表面の上に配設されているハウジングを含み、前記上流の温度センサー、前記加熱エレメント、および前記下流の温度センサーが、前記ハウジングの内側に沿って連続して配設されている、装置。
〔態様161〕
態様160に記載の装置であって、前記ハウジングは、前記細長いエレメントの前記外側表面の上に配設されている圧縮可能なチューブを含む、装置。
〔態様162〕
態様160に記載の装置であって、前記ハウジングの長さと前記ハウジングの幅との比が、4:1よりも大きい、装置。
〔態様163〕
態様160に記載の装置であって、前記ハウジングの長さと前記ハウジングの高さとの比が、4:1よりも大きい、装置。
〔態様164〕
対象の血管の中へ血液ポンプを設置するステップであって、前記血液ポンプは、
細長いエレメント、および、
前記細長いエレメントの遠位端部に配設されているインペラー
を含む、ステップと、
サーマル式流量センサーを使用して、前記ポンピングされる血液のフローを測定するように制御ユニットを動作させるステップであって、前記サーマル式流量センサーは、前記細長いエレメントの長さの一部分に沿って連続して配設されている、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーを含み、
前記細長いエレメントは、ハウジングを含み、前記ハウジングは、前記サーマル式流量センサーを格納するように構成されており、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る血液フローが実質的に前記血管の局所的な長手方向軸線に対して平行な方向になるように構成されている、ステップと、
前記測定されるフローに少なくとも部分的に応答して前記インペラーを回転させることによって、前記血管を通して血液をポンピングするように前記制御ユニットを動作させるステップと
を含む、方法。
〔態様165〕
態様164に記載の方法であって、前記ハウジングを含む前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記細長いエレメントの外側表面の一部分は、陥凹部をその中に画定するように形状付けされており、前記上流の温度センサー、前記加熱エレメント、および前記下流の温度センサーが、前記陥凹部に沿って連続して配設されている、ステップを含む、方法。
〔態様166〕
態様165に記載の方法であって、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記細長いエレメントの前記外側表面の前記一部分によって画定される前記陥凹部の長さと前記陥凹部の幅との比が、4:1よりも大きい、ステップを含む、方法。
〔態様167〕
態様165に記載の方法であって、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記細長いエレメントは、それに連結されているカバーを含み、前記カバーは、前記サーマル式センサーをカバーするように配設されている、ステップを含む、方法。
〔態様168〕
態様164に記載の方法であって、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記ハウジングは、前記細長いエレメントの外側表面の上に配設されており、前記上流の温度センサー、前記加熱エレメント、および前記下流の温度センサーが、前記ハウジングの内側に沿って連続して配設されている、ステップを含む、方法。
〔態様169〕
態様168に記載の方法であって、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記ハウジングは、前記細長いエレメントの前記外側表面の上に配設されている圧縮可能なチューブを含む、ステップを含む、方法。
〔態様170〕
態様168に記載の方法であって、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記ハウジングの長さと前記ハウジングの幅との比が、4:1よりも大きい、ステップを含む、方法。
〔態様171〕
態様168に記載の方法であって、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップは、前記細長いエレメントを前記血管の中へ設置するステップであって、前記ハウジングの長さと前記ハウジングの高さとの比が、4:1よりも大きい、ステップを含む、方法。
〔態様172〕
流体をポンピングするように構成されているポンプであって、ポンプは、
細長いエレメント、および、
前記細長いエレメントの遠位端部に配設されているインペラーであって、前記インペラーは、回転することによって、前記流体をポンピングするように構成されている、インペラー
を含む、ポンプと、
前記ポンピングされる流体のフローを測定するように構成されているサーマル式流量センサーであって、前記サーマル式流量センサーは、前記細長いエレメントの長さの一部分に沿って連続して配設されている、上流の温度センサー、加熱エレメント、および下流の温度センサーを含む、サーマル式流量センサーと、
を含む、装置であって、
前記細長いエレメントはハウジングを含み、前記ハウジングは、前記サーマル式流量センサーを格納するように構成されており、前記ハウジングは、前記ハウジングを通る前記流体のフローが実質的に前記細長いエレメントの局所的な長手方向軸線に対して平行な方向になるように構成されている、装置。
〔態様173〕
態様172に記載の装置であって、前記ハウジングは、陥凹部をその中に画定するように形状付けされている前記細長いエレメントの外側表面の一部分を含み、前記上流の温度センサー、前記加熱エレメント、および前記下流の温度センサーが、前記陥凹部に沿って連続して配設されている、装置。
〔態様174〕
態様173に記載の装置であって、前記陥凹部の長さと前記陥凹部の幅との比が、4:1よりも大きい、装置。
〔態様175〕
態様173に記載の装置であって、前記装置は、カバーをさらに含み、前記カバーは、前記細長いエレメントに連結されており、前記サーマル式センサーをカバーするように配設されている、装置。
〔態様176〕
態様172に記載の装置であって、前記ハウジングは、前記細長いエレメントの外側表面の上に配設されているハウジングを含み、前記上流の温度センサー、前記加熱エレメント、および前記下流の温度センサーが、前記ハウジングの内側に沿って連続して配設されている、装置。
〔態様177〕
態様176に記載の装置であって、前記ハウジングは、前記細長いエレメントの前記外側表面の上に配設されている圧縮可能なチューブを含む、装置。
〔態様178〕
態様176に記載の装置であって、前記ハウジングの長さと前記ハウジングの幅との比が、4:1よりも大きい、装置。
〔態様179〕
態様176に記載の装置であって、前記ハウジングの長さと前記ハウジングの高さとの比が、4:1よりも大きい、装置。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図11
図12Ai
図12Aii
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15
図16
図17
図18Ai
図18Aii
図18Aiii
図18Bi
図18Bii
図18Biii
図18C
図18D
図19A
図19B
図20
図21A
図21B
図22Ai
図22Aii
図22Bi
図22Bii
図22Ci
図22Cii
図23