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  • 特許-レンズモジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220307BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
G02B7/02 D
G02B7/02 B
G02B5/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020126175
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2021033268
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-07-27
(31)【優先権主張番号】201921310011.4
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】高 玉▲嬋▼
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-105702(JP,A)
【文献】特開2018-072795(JP,A)
【文献】特開2015-090484(JP,A)
【文献】特開2010-164755(JP,A)
【文献】特開平10-282389(JP,A)
【文献】実開昭57-072403(JP,U)
【文献】特開2020-109480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G02B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒内に設けられて光軸を有するレンズ群とを備えるレンズモジュールにおいて、前記レンズ鏡筒が、通光孔が開設される第1筒壁と、前記第1筒壁から折り曲げて延在する第2筒壁とを備え、前記第1筒壁と第2筒壁とが取り囲むことにより、前記レンズ群を収容する収容空間が形成され、前記レンズ群が、少なくとも第1レンズを備え、前記第1レンズが、物体側に近接する第1表面と、像側に近接して前記第1表面に対向するように設けられる第2表面と、前記第1表面及び第2表面を接続する側面とを含むレンズモジュールであって、
前記側面は、前記光軸方向に沿って間隔を空けて設けられる平面を少なくとも2つ含み、前記平面は、前記第2筒壁に対向するように設けられ、前記側面は、隣り合う2つの前記平面の間に接続される延在面を更に含み、前記延在面は、第1延在面及び第2延在面を含み、前記第1延在面は、前記第2延在面よりも前記通光孔に近接し、前記第1延在面は、前記第2延在面から、前記光軸を離れる方向へ延在し、前記第2延在面は、前記第1延在面から、前記光軸を離れる方向へ延在し、
少なくとも一部の前記平面は、前記第2筒壁に当接し、
一部の前記平面は、前記第2筒壁とは間隔を設け、
全ての前記平面は、面一となるように設けられ
前記平面と前記延在面は、前記側面全体にわたって交互に設けられ、
前記第1レンズは、平面をなす側面により前記第2筒壁に当接する2つのレンズの間に設置されていることを特徴とするレンズモジュール。
【請求項2】
前記延在面の前記第2筒壁における正投影は、隣り合う2つの前記平面の前記第2筒壁における正投影の間に位置することを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記第1延在面と前記第2延在面は、何れも傾斜平面であることを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記平面のそれぞれは、何れも環状をなすことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
前記第1延在面と前記第2延在面との間の夾角は、鋭角であることを特徴とする請求項3に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記第1レンズは、円形ガラスレンズ又は円形プラスチックレンズであることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項7】
前記平面は、等間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学結像分野に関し、特に写真撮り・撮像製品分野に適用されるレンズモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩につれて、カメラヘッドの応用が益々広くなってきている。現在、カメラの他に、携帯電話、コンピュータ等の電子製品にもカメラヘッドが配備されている。これにより、人々が何時でも何処でも写真を便利に取ることができ、人々の生活へ利便性及び楽しみを与えている。
【0003】
図1を参照すると、図1は、従来技術のレンズモジュールの構造模式図である。関連技術のレンズモジュール100’は、レンズ鏡筒1’と、前記レンズ鏡筒1’内に設けられて光軸30’を有するレンズ群3’とを備える。前記レンズ鏡筒1’は、通光孔10’が開設される第1筒壁11’と、前記第1筒壁11’から折り曲げて延在する第2筒壁12’とを備え、前記第1筒壁11’と第2筒壁12’とが取り囲むことにより、前記レンズ群を収容する収容空間20’は形成され、前記レンズ群3’は、少なくとも第1レンズ31’を備え、前記第1レンズ31’は、物体側に近接する第1表面311’と、像側に近接して前記第1表面311’に対向するように設けられる第2表面312’と、前記第1表面311’及び第2表面312’を接続する側面313’とを含み、前記側面313’は、滑らかな平面である。外部光線が前記第1レンズ31’を通過したときに、その光線が前記第1レンズ31’の屈折によって繰り返して前記第1レンズ31’内を伝搬し、複数本の光線経路は形成される。図1における連続的な矢印に示すように、こうして、レンズモジュール内で多くの迷光が発生し、レンズモジュールの結像品質が劣化してしまう。
【0004】
特に物体側に近接するレンズほど、発生する迷光は、酷くなる。幾つかの技術案では、よく間隔ユニットを用いて迷光を吸収する。当該方式では、像側に最も近接するレンズから結像面へ反射された迷光がある程度解消されたが、間隔ユニットのプレスコストが高く、構造が複雑過ぎる。
【0005】
したがって、上記問題を解決すべく、構造が簡単であり、迷光解消効果が良好であるレンズモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術問題は、構造が簡単であり、光学性能が良好であるレンズモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術問題を解決すべく、本発明は、レンズモジュールを提供する。前記レンズモジュールは、レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒内に設けられて光軸を有するレンズ群とを備え、前記レンズ鏡筒は、通光孔が開設される第1筒壁と、前記第1筒壁から折り曲げて延在する第2筒壁とを備え、前記第1筒壁と第2筒壁とが取り囲むことにより、前記レンズ群を収容する収容空間は形成され、前記レンズ群は、少なくとも第1レンズを備え、前記第1レンズは、物体側に近接する第1表面と、像側に近接して前記第1表面に対向するように設けられる第2表面と、前記第1表面及び第2表面を接続する側面とを含み、前記側面は、前記光軸方向に沿って間隔を空けて設けられる平面を少なくとも2つ含み、前記平面は、前記第2筒壁に対向するように設けられ、前記側面は、隣り合う2つの前記平面の間に接続される延在面を更に含み、前記延在面は、第1延在面及び第2延在面を含み、前記第1延在面は、前記第2延在面よりも前記通光孔に近接し、前記第1延在面は、前記第2延在面から、前記光軸を離れる方向へ延在し、前記第2延在面は、前記第1延在面から、前記光軸を離れる方向へ延在し、少なくとも一部の前記平面は、前記第2筒壁に当接し、一部の前記平面は、前記第2筒壁とは間隔を設け、全ての前記平面は、面一となるように設けられている
【0009】
好ましくは、前記延在面の前記第2筒壁における正投影は、隣り合う2つの前記平面の前記第2筒壁における正投影の間に位置する。
【0010】
好ましくは、前記第1延在面と前記第2延在面は、何れも傾斜平面である。
【0011】
好ましくは、前記平面のそれぞれは、何れも環状をなす。
【0013】
好ましくは、前記第1延在面と前記第2延在面との間の夾角は、鋭角である。
【0014】
好ましくは、前記第1レンズは、円形ガラスレンズ又は円形プラスチックレンズである。
【0015】
好ましくは、前記平面は、等間隔で設けられている。
【発明の効果】
【0016】
従来技術よりも、本発明のレンズモジュールは、以下の有利な作用効果を有する。
1、前記第1延在面と前記第2延在面とが連携して、前記通光孔から前記側面へ照射された光線を2回の反射を経過させることにより、前記側面の光吸収性が極めて大きく向上し、且つ、遮光板の採用により、前記側面から反射された迷光が最大限で解消される。
2、前記第1延在面と前記第2延在面とが傾斜面であり、前記平面と連携する。当該構造は、艶消し処理を行うことに有利であり、前記側面の光吸収性も向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術のレンズモジュールの構造模式図である。
図2】本発明に係るレンズモジュールの構造模式図である。
図3図1に示すA部分の部分拡大図である。
図4図2の動作・仕組みの模式図である。
図5図4に示すB部分の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術案及びその各態様のメリットがより良好に理解できるように、以下では、具体的な実施形態及び図面を組み合わせて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例において、紙面の左右方向は、水平方向と呼称され、紙面の水平方向に垂直な方向、即ち、紙面の上下方向は、鉛直方向と呼称される。本発明において、中心軸線の方向は、鉛直方向に平行となる。
【0019】
図2および図3を参照すると、図2は、本発明に係るレンズモジュールの構造模式図であり、図3は、図1に示すA部分の部分拡大図である。前記レンズモジュール100は、レンズ鏡筒1と、前記レンズ鏡筒1内に設けられて光軸30を有するレンズ群3とを備え、前記レンズ鏡筒1は、通光孔10が開設される第1筒壁11と、前記第1筒壁11から折り曲げて延在する第2筒壁12とを備え、前記第1筒壁11と第2筒壁12とが取り囲むことにより、前記レンズ群3を収容する収容空間20は形成される。
【0020】
前記レンズ群3は、少なくとも第1レンズ31を備える。本実施例において、前記第1レンズ31は、円形ガラスレンズ又は円形プラスチックレンズであり、前記第1レンズ31は、物体側に近接する第1表面311と、像側に近接して前記第1表面311に対向するように設けられる第2表面312と、前記第1表面311および第2表面312を接続する側面313とを含む。
【0021】
図4図5を参照すると、図4は、図2の動作・仕組みの模式図であり、図5は、図4に示すB部分の部分拡大図である。前記側面313は、前記光軸30方向に沿って間隔を空けて設けられる平面3131を少なくとも2つ含み、前記平面3131は、前記第2筒壁12に対向するように設けられ、少なくとも一部の前記平面3131は、前記第2筒壁12に当接し、一部が前記第2筒壁12とは間隔201を設け、前記第1レンズ31の反射により、当該間隔201に入射された一部の光線は、前記第2筒壁12へ入射されて更に迷光を解消させる。好ましくは、前記平面3131は、等間隔で設けられ、前記平面3131のそれぞれは、何れも環状をなす。
【0022】
前記側面313は、隣り合う2つ前記平面3131の間に接続される延在面3132を更に含み、具体的に、全ての前記平面3131は、面一となるように設けられ、前記延在面3132は、第1延在面3132a及び第2延在面3132bを含み、前記第1延在面3132aは、前記第2延在面3132bよりも前記通光孔10に近接し、前記第1延在面3132aは、前記第2延在面3132bから、前記光軸30を離れる方向へ延在し、前記第2延在面3132bは、前記第1延在面3132aから、前記光軸30を離れる方向へ延在する。
【0023】
本実施例において、前記第1延在面3132aと前記第2延在面3132bは、何れも傾斜平面であり、前記第1延在面と前記第2延在面との間の夾角は、鋭角である、当該構造は、艶消し処理を実施することに有利であり、艶消し処理は、前記平面3131、第1延在面3132aと前記第2延在面3132bの粗さを増やすことで実施可能である。
【0024】
前記第1延在面3132aと前記第2延在面3132bが連携して、図5における連続的な矢印に示すように、前記通光孔11から前記側面313へ照射された光線を2回の反射を経過させることにより、前記側面313の光吸収性が極めて大きく向上し、前記側面313から反射された迷光が最大限で解消される。
【0025】
説明すべきことは、前記延在面3132の前記第2筒壁12における正投影は、隣り合う2つの前記平面3131の、前記第2筒壁12における正投影の間に位置する。これにより、通光孔10から入射された光線の殆どを前記延在面3132に入射することは、保証可能である。
【0026】
従来技術よりも、本発明のレンズモジュール100は、以下の有利な作用効果を有する。
1、前記第1延在面と前記第2延在面とが連携して、前記通光孔から前記側面へ照射された光線を2回の反射を経過させることにより、前記側面の光吸収性が極めて大きく向上し、且つ、遮光板の採用により、前記側面から反射された迷光が最大限で解消される。
2、前記第1延在面と前記第2延在面とが傾斜面であり、前記平面と連携する。当該構造は、艶消し処理を行うことに有利であり、前記側面の光吸収性も向上させる。
【0027】
上述したのは、単に本発明の実施例であり、本発明の特許保護範囲を制限するためのものではない。本発明の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価構成若しくは等価フロー変換、又は、他の関連技術分野への直接若しくは間接な運用は、何れも本発明の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5