(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】患者の皮膚の下へ鈍端カニューレを挿入するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
A61M25/06 510
A61M25/06 514
A61M25/06 556
(21)【出願番号】P 2020134531
(22)【出願日】2020-08-07
(62)【分割の表示】P 2017506656の分割
【原出願日】2015-08-04
【審査請求日】2020-09-02
(32)【優先日】2014-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517034787
【氏名又は名称】ソフト メディカル アスセティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】セバン サンドリン
(72)【発明者】
【氏名】コルバン ジャン イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォプレ マキシム
(72)【発明者】
【氏名】デステ マチアス
(72)【発明者】
【氏名】ジャンソン イザベル
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03630198(US,A)
【文献】特表2005-537060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0177163(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0178798(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性製品を注入することを目的として患者の皮膚の下へ鈍端(20a)
を有する注入カニューレ(20)を挿入するためのデバイスであって、
上記デバイスは、矢状面(S)に沿って延びている溝(2)が設けられた中心体(1)を備え、
上記中心体は、上記皮膚に突き刺すために該中心体の遠位端(1a)から突出した鋭い遠位先端(2a)を有し、
上記溝は、上記
注入カニューレ(20)を、該溝に沿って遠位先端を超えて、上記皮膚の下に位置する少なくとも1つの治療される領域に向かってスライドさせるように配置されており、
上記デバイスは、上記中心体(1)に、上記矢状面(S)の両側において横断方向(D)へ対称的に延びている2つの側方把持アーム(4)が備えられていることで特徴付けられ、
上記横断方向(D)は、上記矢状面と、30°~85°の角度(α)を形成しており、
それぞれの把持アーム(4)は、さらに、上記中心体(1)の遠位端(1a)から8mm~30mmの距離(d)
に位置する中心点(C)を有する前方中央部(5a)を有するつまみ面(5)を有し
、
それぞれの側方把持アーム(4)は、スロープ(9)を有する近位端(4a)を有し、
上記中心体(1)は、上記溝(2)への上記注入カニューレ(20)の配置を容易にするために構成されたクリアランスゾーン(10)を有する上板(1c)をさらに含み、
上記クリアランスゾーン(10)は上記上板(1c)とそれぞれの側方把持アーム(4)の近位端(4a)のスロープ(9)とによって形成されている、デバイス。
【請求項2】
上記溝(2)は、上記矢状面(S)に垂直な横断面(T)を定義しており、
上記横断面(T)において、上記溝(2)は、その遠位先端(2a)へ延び、
上記横断面は、上記遠位先端を通り、
上記中心体(1)は、上記横断面と15°以下の角度(β)を形成することによって上記横断面の下へ延びている下位部(1d)を有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
上記溝(2)は、上記中心体(1)の近位壁(1b)へ開放されている開放近位端(2b)を有しており、
上記近位壁は、後方クリアランスゾーン(11)に囲まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
上記中心体(1)の遠位端(1a)は、尖っていない形態を有
することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
上記中心体(1)の遠位端(1a)の尖っていない形態は、丸いことを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
それぞれの把持アーム(4)は、その横断方向(D)の周囲に、実質的に円筒状の形状を有することを特徴とする、請求項1~
5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
それぞれのつまみ面(5)は、前方中央部(5a)が形成されている前方平面(7)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
上記溝(2)は、該溝の長さの少なくとも一部にわたって延びている上部スロット(3)を有し、
上記
上部スロット
(3)は、上記中心体(1)の上板(1c)によって囲まれていることを特徴とする、請求項1~
7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
上記上板(1c)は、上記溝(2)の両側に延びているクリアランスゾーン(10)を有することを特徴とする、請求項
8に記載のデバイス。
【請求項10】
上記溝(2)は、上記矢状面(S)に垂直に延びている前額面を定義しており、
上記把持アーム(4)は、上記前額面に対して互いに90°~180°の角度(γ)によって延びていることを特徴とする、請求項1~
9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
生体適合性製品を注入するためのキットであって、
上記キットは、少なくとも1つの鈍端(20a)
を有する注入カニューレ(20)とともに、請求項1~
10のいずれか1項に記載の挿入するためのデバイスを備え、上記溝(2)は、上記
注入カニューレ
(20)を、該溝上にその遠位先端(2a)を超えて、患者の上記皮膚の下に位置する少なくとも1つの治療される領域に向かってスライドさせるように配置されている、キット。
【請求項12】
上記注入カニューレ(20)は、少なくとも1つの注入オリフィス(21)を有し、
上記
注入オリフィス
(21)は、上記鈍端(20a)の近傍において側方に配置されていることを特徴とする、請求項
11に記載のキット。
【請求項13】
上記溝(2)は、該溝(2)上をスライドする注入カニューレ(20)の外側の口径よりも大きい内法を有することを特徴とする、請求項
11または
12に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、生体適合性製品を注入することを目的として患者の皮膚の下へ鈍端カニューレ(blunt-tip cannula)を挿入するためのデバイス、該デバイスと、少なくとも1つの鈍端注入カニューレとを備えた注入するためのキット、および、該キットを用いて美的介入(aesthetic intervention)の枠内で生体適合性製品を注入する方法に関する。
【0002】
本発明は、見苦しい皮膚の老化(例えば、皮膚の皺および弛み)を解消すると考えられる効果を一時的に奏すること、および/または、表皮の層に潤いを与えることによって上記皮膚を再生することを目的として、特にフィラー製品を、特にヒアルロン酸基剤とともに、患者の体の少なくとも一部の皮膚(例えば、患者の顔および/または首の皮膚)の下に注入することに適用される。
【0003】
本発明はまた、皮膚の老化に起因する見苦しい結果を修正することを目的として、例えば、皮膚の線維芽細胞およびコラーゲンの刺激のために、事前に患者から採取された自家有機製品(例えば、多血小板血漿(PRP))を自家移植注入すること、または、例えば、事故または手術等の外傷に起因する皮膚のボリュームの減少を修正するために脂肪を自家移植注入することに適用され得る。
【0004】
上記介入を実施するために、施術者は一般的に、鈍端と、該鈍端の近傍に配置された少なくとも1つの側方注入オリフィスとを有する注入カニューレを用いる。実際に、このタイプのカニューレは、特に、一般的にある程度粘度が高いフィラー製品に適しており、皮膚の深層の組織および管の外傷(例えば、血腫、痣または水腫、並びに神経損傷)を最小限に抑えることができる。
【0005】
上記介入の間、施術者は、治療される領域へのアクセスを準備するために、鋭い遠位先端(sharp distal tip)を有する針を、治療される領域から離れていないところに位置する皮膚の領域に突き刺すことによって開始する。
【0006】
特に、施術者は、シリンジの先端に針を取り付けることが可能であるように通常配置されたプラスチック製の基部を伴う標準的な注射針を用い、2本の指で該基部をつかむことによって皮膚への突き刺しを実行する。これは、上記針の誤用をもたらす。
【0007】
その後、施術者は、突き刺した針を取り除き、設けられた穴に、上述のような注入カニューレを挿入する。そして、施術者は、治療される領域に注入オリフィスが到達するまで上記カニューレを皮膚の下でスライドさせる。その後、施術者は、カニューレを介して上記製品を、治療される領域へ注入する。該製品は、例えば、カニューレが取り付けられた、シリンジまたは別のタイプの容器に含まれている。
【0008】
しかしながら、このタイプの技術は、2つの異なるステップを必要とするという点において、全体的な満足を提供しない。この場合、施術者は、まず、注入カニューレを挿入することができるようになる前に針を皮膚から完璧に取り除かなければならない。特に、連続する針の出入り、その後のカニューレの出入りは、皮膚組織の外傷をもたらす。
【0009】
さらに、特に、施術者は、注入カニューレを握る前に、針を取り除き、滅菌された表面に置かなければならず、それゆえに、突き刺した領域から一瞬目を離すため、突き刺した針によって形成される穴は、位置を定めることが難しい場合もある。その場合、施術者は、穴の位置決めを試みるために時間を浪費し得る。
【0010】
特に、穴の位置を定めるために、施術者は、時には数回、皮膚をつままなければならないかもしれない。このことは、穴を通じた出血をもたらし、患者にとって苦痛となり、血腫を生じ、出血を目的とした、つまんだ領域の腫れさえ引き起こし得る。それゆえ、患者の回復は先延ばしになり、見苦しい跡の存在は患者の僻みをもたらし得、回復の間、社会的に追い出されることを余儀なくされる。
【0011】
加えて、たとえ施術者が穴の位置を定めても、施術者はまた針の入射角を記憶しなければならない。実際に、施術者が同じ角度を順守していなければ、カニューレが表皮に別の経路を無理やり作る場合があり、これにより、損傷が増加する。
【0012】
さらに、上記技術は、特に患者の皮膚に挿入し、除去するために、突き刺す針の多くの操作を必要とする。このことは、施術者が予想外に穴をあける危険性とともに、上記針の滅菌状態を損なう危険性を増加させる。上記針がこのような使用に特に適していない場合、上記針の取り扱いが人間工学的に損なわれ、予想外に穴をあける危険性は、一層増加する。
【0013】
本発明は、特に、施術者がより容易かつより迅速に、注入カニューレを皮膚の下に挿入し、そして、製品の注入を実行することができるデバイスを提案することによって、先行技術を改善することを目的とする。これにより、患者の外傷の危険性が実質的にさらに減少する。
【0014】
この効果に関し、第一の態様によれば、本発明は、生体適合性製品を注入することを目的として患者の皮膚の下へ鈍端カニューレを挿入するためのデバイスであって、上記デバイスは、矢状面に沿って延びている溝が設けられた中心体を備え、上記中心体は、上記皮膚に突き刺すために該中心体の遠位端から突出した鋭い遠位先端を有し、上記溝は、上記カニューレを、該溝に沿って遠位先端を超えて、上記皮膚の下に位置する少なくとも1つの治療される領域に向かってスライドさせるように配置されており、上記中心体には、上記矢状面の両側において横断方向へ対称的に延びている2つの側方把持アームが備えられており、上記横断方向は、上記矢状面と、30°~85°の角度を形成しており、それぞれの把持アームは、さらに、上記中心体の遠位端から8mm~30mmの距離に位置する前方中央部を有するつまみ面(finger grip surface)を有している、デバイスを提案する。
【0015】
第二の態様によれば、本発明は、生体適合性製品を注入するためのキットであって、上記キットは、少なくとも1つの鈍端注入カニューレとともに、上述の挿入するためのデバイスを備え、上記溝は、上記少なくとも1つのカニューレを、該溝上にその遠位先端を超えて、患者の上記皮膚の下に位置する少なくとも1つの治療される領域に向かってスライドさせるように配置されている、キットを提案する。
【0016】
第三の態様によれば、本発明は、生体適合性製品の美的介入の枠内で、上述のキットを用いて、注入する方法であって、以下の連続する工程を提供する方法を提案する:
少なくとも1つの上記把持アームの上記つまみ面を介して上記デバイスを握る工程;
上記鋭い遠位先端を用いて、患者の皮膚の領域を突き刺す工程;
上記溝上に注入カニューレを配置する工程;
上記注入カニューレを、上記鋭い遠位先端を超えてスライドさせて、上記鈍端を皮膚の下に挿入する工程;
上記皮膚の下に挿入された上記カニューレを残すことによって、上記皮膚から鋭い先端を抜き出すために上記デバイスを除去する工程。
【0017】
本発明の他の特異点および利点は、添付される図面を参照して、以下の記載に見られる:
図1~6は、本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、それぞれ、正面斜視図(
図1)、側面図(
図2)、上面図(
図3)、下面図(
図4)、正面図(
図5)、背面図(
図6)として示している;
図7は、
図1~6のデバイスを用いて挿入するためのキットにおいて使用され得る注入カニューレを示しており、
図7aは、
図7の領域Zの拡大図を示している;
図8~11は、本発明の別の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、それぞれ、正面斜視図(
図8)、側面図(
図9)、上面図(
図10)、正面図(
図11)として示しており、
図7のカニューレはさらに上記デバイスとともに用いることができる。
【0018】
これらの図と関連して、生体適合性製品を注入することを目的として患者の皮膚の下へ鈍端カニューレを挿入するためのデバイス、該デバイスおよび少なくとも1つの鈍端注入カニューレを備えた挿入するためのキット、並びに、該キットを用いて、生体適合性製品の美的介入の枠内で注入する方法が、以下に記載される。
【0019】
注入するためのキットはまた、医学的介入または獣医学的介入の枠内で生体適合性製品を注入するために使用され得、該製品は例えば主に麻酔薬を含有する。特に、注入するためのキットは、有資格者、特に医療関係者または医療補助員によって使用されることを意図した使い捨て医療デバイスであり得る。
【0020】
美的介入の枠内で、注入される製品は、フィラー製品であり得、例えば、皮膚の老化の見苦しい結果を修正するために、ヒアルロン酸基剤を伴う。特に、皺を緩和することを目的として皮膚を滑らかにするために、流体ヒアルロン酸基剤を伴う製品が用いられ得る。同様に、架橋されたヒアルロン酸基剤を伴い、それゆえに粘度が高い製品は、皮膚の領域が、対称的な領域に比べてより多くの弛みおよび/またはボリュームの損失を有する場合、皮膚の弾性の損失に起因する弛みを平衡させる目的および/または非対称性を修正する目的で、皮膚のボリュームを回復させるため、および/または、皮膚を伸ばすために使用され得る。
【0021】
注入される製品はまた、注入の間に患者が感じ得る痛みを緩和するために、例えばリドカイン基剤を伴う、麻酔性を有する添加剤を含み得る。この痛みは、上記製品の粘度が高い場合、ますます大きくなる。注入される製品はまた、治療される領域における皮膚の層を再生するビタミンとともに、例えばマンニトール基剤を伴う、抗酸化性を有する添加剤を含み得る。
【0022】
注入される製品はまた、純粋な美的目的および/または自家移植注入を可能とするため、特に、事故または手術等の外傷に起因する見苦しい結果を修正するために、事前に患者から採取された自家有機製品(例えば、多血小板血漿(PRP)または脂肪等)であり得る。
【0023】
治療される領域は、患者の顔および/または首、特に、皺または弛み等の皮膚の老化の見苦しい結果の影響を最も受けやすい顔または首の部分に位置し得る。
【0024】
例えば、治療される領域は、唇の隅(「苦味皺(bitterness folds)」の影響を受けやすい)、目尻(「カラスの足跡」皺の影響を受けやすい)、こめかみ、額、特に眉間(「ライオン皺(lion wrinkles)」の影響を受けやすい)、眼窩領域(円および/または窪みが現れ得る)、涙の溝(tear trough)(目の下に位置する)、頬骨または頬(皮膚の弛みおよび/または皮膚のボリュームの損失が観察され得る)に位置し得る。
【0025】
治療される領域はまた、上記老化の結果の影響を受けやすい体の他の部分、例えば、手、それだけではなく腕、もも、女性の胸、特に襟足、頭皮、腹、または足に位置し得る。
【0026】
注入される製品および所望の美的効果に基づけば、治療される領域は、患者の皮膚の様々な深さに位置し得る。例えば、皺を修正する目的では、治療される領域は一般的に、皮膚の表層、特に表皮または真皮に位置する。一方、皮膚の弛み、ボリュームの損失、および、その結果の非対称性を修正するためには、治療される領域はむしろ皮膚の深層、特に下皮に位置し得る。
【0027】
特に、治療される領域は、顆粒層、すなわち、表皮の有核細胞の最後の層に位置し得る。治療される領域はまた、表皮の下、特に真皮と骨との間、とりわけ真皮下部(deep dermis)と骨膜との間に位置し得る。
【0028】
介入を進める前に、ボリュームの不足およびその結果であり得る非対称性を検出する目的だけではなく、患者の外傷が生じることを避けるために血管を検出する目的で、施術者は、患者を注意深く検査すること(特に適切な照明を用いた検査)によって、治療される領域を決定し得る。
【0029】
見苦しい結果を調和のとれた方法で修正し、患者に自然な結果を保証するために、この検査は局所的な観察だけではなく、特に顔を伴う全体的な観察を含む。治療される領域が一旦特定されれば、施術者は低刺激性の鉛筆を用いて該領域に印を付けることができる。
【0030】
さらに、感染の危険性を制限するために、施術者は当然、衛生的な対策をとらなければならない。このような対策は、特に治療される領域に印を付ける前にとらなければならない。これを行うために、施術者は、不純物(特に化粧品)を除去する目的で、皮膚を洗浄し、消毒液を塗ることができる。
【0031】
製品を注入するために、キットは、鈍端20aを伴う少なくとも1つのカニューレ20を含み、該カニューレは、少なくとも1つの注入オリフィス21を有し、特に該オリフィスは、上記鈍端の近傍において側方に配置され得る。特にオリフィス21は、0.05mm~1mmの直径を有し、鈍端20aから約2mmに位置する。
【0032】
公知の方法において、鈍端注入カニューレは、患者の皮膚の下に挿入する間に血管の切断および神経損傷を防ぎ、患者の外傷を制限することができるだけではなく、施術者が予想外に穴をあける危険性も制限できるという観点から、美的介入の枠内で特に有利である。
【0033】
進入孔(access hole)に関して、注入される製品、治療される領域の深さおよび/またはその位置に基づき、カニューレ20の寸法は変化し得る。特に、カニューレ20は、製品が流体である場合、縮小された外側の口径(external calibre)を有し、一方、製品の粘度が高い場合、より大きい(substantial)。例えば、カニューレ20は、14G(14ゲージ。これは直径2mmに対応する)~33G(0.2mm)、特に22G(0.7mm)~25G(0.5mm)の外側の口径を有する。
【0034】
カニューレ20はまた、より大きな、またはそれほど大きくない内側の口径(internal calibre)を有し得る。内側の口径は、特に3つの標準的な大きさ(普通、薄い壁、極薄の壁)から選択される。内側の口径は、特に注入の間に製品へと加わる圧力に影響を与える。そのようなものとして、薄い壁の内側の口径を用いる場合、施術者は、粘度の高い製品を、該製品に過度の圧力を加えることなく、注入することができる。これにより、注入が容易になり、患者の痛みを緩和することができる。さらに、加わる圧力が少ないことにより、製品の分子は、物理的な制約が少なくなり、それゆえ、あまり劣化しない。
【0035】
さらに、進入孔に対する、カニューレを用いて治療される領域の深さおよび/または位置に基づき、カニューレ20は様々な長さを有し得る。この長さは、特に13mm~110mm、とりわけ25mm~70mmであり得る。
【0036】
カニューレ20は、治療される領域へそれを導くこと、そして、治療される領域における注入オリフィス21の位置を合わせることを容易にするために有利に柔軟である。特に、カニューレ20の柔軟性は、外側の口径に結びついており、特に外側の口径と内側の口径との関係性に結びついている。該柔軟性は、該関係性に一層影響を受けやすく、それゆえ、カニューレ20の壁の厚さは、減少する。
【0037】
さらに、カニューレ20は、少なくとも部分的にステンレス鋼、特にSUS304合金またはAISI304合金(大体の化学式(crude chemical formula)はFeCr18Ni10)で作られ得る。後者は特に柔軟性、丈夫さ、弾性、耐食性および患者の有機体による耐性の観点から顕著に性能が良い。これらとともに/あるいは、カニューレ20は、形状記憶合金から作られてもよい。
【0038】
加えて、患者の皮膚の下にカニューレを挿入することを容易にし、それゆえに、患者の外傷(特に血腫、痣または水腫)を最小限に抑えるために、カニューレ20の外表面は、特別な処理、例えばシリコン基剤による処理を施され得る。
【0039】
公知の方法において、治療用製品を注入するために、カニューレ20は、上記製品の分量が調整されたシリンジまたは別のタイプの容器に取り付けられる。
【0040】
これを行うために、カニューレ20は、鈍端20aとは反対側の該カニューレの近位端20bが取り付けられた基部22を有し、基部は、例えば、この目的のために基部に設けられた筐体において、接着剤を用いて固定することによって取り付けられる。該基部は、注入される製品を含むシリンジの先端に取り付けられることを意図されている。
【0041】
例えば、基部22は、Luer-Lock(登録商標)タイプまたはLuer-Slip(登録商標)タイプであり得、それぞれ、シリンジの先端にねじ込みまたは摩擦によって取り付けられる。これらのタイプは、シリンジまたは他の容器の全てのタイプとともにカニューレ20を用いることができるようにするという目的において、有利に普遍的である。特に、基部22は、シリンジタイプの容器と連結できるように、ひれ25を備える。あるいは、基部22は、スクリューピッチを有し得る。
【0042】
さらに、基部20は、ポリプロピレンまたはポリプロピレン共重合体(特にエチレン-ポリプロピレン)から作られ得る。一般的に、基部20は、不燃性の材料(特に発熱物質を含まない材料)から作られ得る。
【0043】
施術者がカニューレ20の外側の口径および/または内側の口径を迅速に特定できるように、並びにそのようにして施術者のニーズに基づいて上記カニューレを選択できるように、上記カニューレの基部22は、その外側の口径および/または内側の口径の特定用マーキングを含み得る。
【0044】
特に、特定用マーキングは、基部22の着色からなり、カニューレ20の外側の口径および/または内側の口径に対応した着色を伴い、そのようにして特に規格NF EN ISO 6009によって定義される。
【0045】
そのようなカニューレ20を患者の皮膚の下に挿入することができるように、上記方法は、皮膚の領域を突き刺し、カニューレ20のために該皮膚の下に進入孔を設ける工程を提供する。
【0046】
これを行うために、注入するためのキットは、患者の皮膚の下へカニューレ20を挿入するためのデバイスを備え、上記デバイスは、溝2が設けられた中心体1を備え、上記中心体は、上記皮膚に突き刺すために該中心体の遠位端1aから突出した鋭い遠位先端2aを有する。
【0047】
図と関連して、溝2は、デバイスに対して(特に中心体1に対して)対称的な面を形成している矢状面Sに沿って延び、上記デバイスは、
図2において上記矢状面に基づいて示されている。
【0048】
さらに溝2は以下を定義する:
矢状面Sに垂直な横断面Tであって、該横断面Tにおいて、溝2は、その遠位先端2aへ延び、上記横断面は、特に上記遠位先端を通り、上記デバイスは、
図3、4において上記横断面に基づいて示されている、横断面T;および、
上記矢状面Sに垂直に延びている前額面であって、上記デバイスは、
図5、6において上記前額面に基づいて示されている、前額面。
【0049】
特に、鋭い遠位先端2aの長さは、患者の皮膚の制限された深さにわたる該先端の貫通を保証し、そのようにして皮膚の深層の組織および血管における外傷(例えば、血腫、痣または外傷、並びに神経損傷)を防ぐために、制限されている。
【0050】
中心体1の遠位端1aは、鋭い先端2aが完全に皮膚に挿入された場合に、皮膚に対する遠位端の外傷にならない接触を保証するために、先端が尖っておらず、特に丸い形態を有し、同様に横断面Tにおいて口を広げた形態(flared shape)である。そのような接触は、さらに患者を心理学的に安心させるという利点を有する。
【0051】
突き刺される領域は、特に患者の顔、例えば、耳の近く(下顎後方点)、鼻唇領域中(蝸牛軸上、鼻唇点)、頬骨(頬骨点)、こめかみ(側頭点または前頭点)または、眉間より上(眉間点)、に位置し得る。従って、施術者は、患者の顔および/または首に位置している、治療されるいくつかの領域へ、上記突き刺される領域に設けられた同じ穴から、到達することが可能であり、このことは、皮膚の突き刺しを制限することを可能とし、それ故に、患者に対する外傷を制限することを可能とする。特に、顔上の介入に対して、突き刺される領域の数は、上記顔のそれぞれの側面に対して1つ~5つであり得る。
【0052】
突き刺される領域はまた、患者の体の任意の他の部分、特に手、腕またはもも、胸、特に襟足、頭皮、腹、または足に位置し得る。
【0053】
患者の皮膚に突き刺すために、施術者は、上記皮膚を下処理した後に、施術者の指でデバイスを握り、上記皮膚に鋭い遠位先端2aを挿入する。
【0054】
一旦患者の皮膚が突き刺されると、上記方法は、デバイスの鋭い先端2aは皮膚の中に埋め込まれているままで、溝2上に注入カニューレ20を配置することを提供する。それから、上記方法は、注入カニューレ20を、鋭い遠位先端2aを超えてスライドさせて、鈍端20aを皮膚の下に挿入する、連続的な工程を提供する。
【0055】
これを行うために、溝2は、注入カニューレ20を、溝2に沿って該溝2の遠位先端2aを超えて、患者の皮膚の下に位置する少なくとも1つの治療される領域に向かってスライドさせることができるように配置されている。特に、溝2は、該溝2上をスライドする注入カニューレ20の外側の口径よりも大きい内法を有している。
【0056】
図面に関連して、溝2は、中心体1の近位壁1bへ開放されている開放近位端2bを有している。従って、特に直感的に、上記方法は、カニューレ20の鈍端20aを近位端2bへ挿入することによって、カニューレ20を溝2上に配置し、それから上記鈍端を溝2の全長にわたってスライドさせることを提供できる。
【0057】
さらに、溝2は、中心体の上板1cによって囲まれている、上部スロット3を有し、上記スロットは、上記溝の長さの少なくとも一部にわたって、好ましくは上記長さの全体にわたって、延びている。
【0058】
特に、スロット3は、カニューレ20の外側の口径よりも大きい間隙を有し得る。従って、カニューレ20を溝2にわたってスライドさせることを可能にするために、施術者は、スロット3を経由して側面に沿って鈍端20aを挿入することによって、上記鈍端20aを上記溝の任意の点上に配置することが可能である。スロット3は、上記配置を容易にし、施術者が時間を節約することを可能にする。
【0059】
あるいは、スロット3は、カニューレ20の外側の口径よりも小さい間隙を有し得る。その場合には、上記カニューレを、上記スロットを経由して溝2から側面に沿って引き抜くことができない。この場合には、カニューレ20を溝2上に配置するために、施術者は、上記カニューレの鈍端20aを、上記溝の近位端2bの中へだけ、挿入することが可能である。
【0060】
示された実施形態において、溝2は、長手方向に円筒状の断面の形状を、特に半円筒状の形状を、有している。上記半円筒状の形状は、該溝2の長さの全てまたは一部にわたって、長手方向に針を半分にした形状(half-needle)に切断する手段によって実行される。従って、溝2は、注入カニューレ20の形状に相補的な形態の形状を有しており、このことは、上記カニューレを上記溝にわたってスライドさせることを容易にすることを可能にする。
【0061】
特に、溝2の内径は、円筒状の切断が実行されてなる直径の比率に依存し、上記直径は一層大きいため、上記比率は低い。従って、溝2が半円筒状の形状を有している場合には、該溝2の内径は、スロット3の間隙に相当し、カニューレ20の外側の口径よりも大きい。このことは、鈍端20aを上記溝の任意の点上へ挿入することによって、上記カニューレを上記溝上に配置することを可能にする。
【0062】
従って、施術者は、従来の注入技術に対して、時間を節約することが可能であり、これは、施術者は突き刺すことによって形成される穴の位置決めを行わなくてよいからであり、上記穴をあけるために用いられるデバイスは、上記穴において位置づけられたままであり、治療される領域へのアクセスは、溝2によって具体化されるからであり、これらのことは、位置決めすることを容易にする。それ故に、施術者は、例えば出血させる危険のある穴を位置決めするために、上記患者の皮膚を何度か突き刺すことなどのように、患者に対して、外傷性の実施に頼る必要はない。
【0063】
さらに、溝2によるカニューレ20の誘導のおかげで、施術者は、上記カニューレの挿入の間、探索することがより少なくなり、このことはまた、患者に対する外傷をより少なくする。
【0064】
加えて、突き刺しデバイスを操作する工程は制限され、このことは、施術者が予想外に穴をあける危険性、および、上記デバイスの鋭い先端2aの滅菌状態を損なう危険性、を制限することを可能とする。
【0065】
治療される領域の深さ、および/または、進入孔に対する治療される領域の位置、に基づいて、カニューレ20は、上記皮膚に対して多様な角度の方向において、皮膚の下へ挿入され得る。特に、カニューレ20は、特に製品が単一の領域の中へ、または、実質的に同じ進行経路上に位置するいくつかの領域の中へ、注入されるべきである場合に、上記皮膚の表面に対して実質的に接線である方向において、挿入され得る。これに対して、カニューレ20は、特に製品が、明らかに異なる方向に位置するいくつかの領域の中へ注入されるべきである場合に、上記皮膚の表面に対して実質的に垂直である方向において、挿入され得る。さらに、皮膚の厚さ、および/または、該皮膚の質感はまた、カニューレ20の挿入の角度に、影響を与え得る。
【0066】
それ故に、カニューレ20を、治療される領域(単数または複数)へ正しく導くために、溝2は(それ故にデバイスは)、皮膚の中への鋭い先端2aの挿入の間、上記カニューレの挿入の角度の方向へ、向けられるべきである。施術者はさらに、上記方向づけにおいて、少なくとも上記カニューレの鈍端20aが上記皮膚の下へ挿入されるまで、上記デバイスを維持するべきである。
【0067】
これを行うために、中心体1は、広げられた形態の2つの側方把持アーム4が備えられており、上記広げられた形態は、矢状面Sの両側において対称的に延びており、それぞれの把持アーム4は、つまみ面5を有している。
【0068】
特に、把持アーム4の広げられた形態、および、溝2の両側における該把持アームの側方の配置は、施術者が、該デバイスのつまみ面5を介して、特に、前方中央部5a上、および上記面に向かい合った後方部5b上を経由して、上記アームのただ一つを握ることによって(例えば、施術者の親指および人差し指の間で上記アームをつまむことによって)、容易にデバイスを握ることを可能とする。
【0069】
従って、デバイスを握る施術者の手は、溝2の軸Aから、および矢状面Sから(それ故にカニューレ20の誘導軸から)、容易に離されて配置され得る。このことは、上記施術者に、上記主要配置によって、該施術者の手首に対して長い時間居心地が悪く、もしかすると苦痛であるかもしれない位置を強制的にとらせることはない。これのおかげで、施術者は、二つの手がそれぞれ他の手を互いに妨害することなく、施術者の他の手を使用して、溝2にわたってカニューレ20を容易に配置、およびスライドさせることが可能である。
【0070】
図面、特に
図3および
図4に関連して、側方アーム4それぞれは、横断方向Dへ延びており、該横断方向Dは、矢状面Sと30°~85°の、特に65°の、角度αを形成している。
【0071】
この角度の範囲は、(1)該デバイスのアーム4の一つを二本の指でつまむことによってデバイスの維持を容易にすること、および、(2)上記デバイスを手で維持することによって溝2の軸の妨害を制限すること、の両方に対して、よい妥協案を提供する。
【0072】
実際に、二本の指でつまむことを介したデバイスの最適な維持に対して、アーム4の横断方向Dは、矢状面Sから過剰に引き離されるべきではなく、これは、溝2の軸Aに対して、皮膚に穴をあけるために提供される作動軸を、過剰に引き離さないためである。特に、角度αが85°より大きい場合には、デバイスは二本の指でつまむことによって維持することに適しておらず、これは、そのような維持が、皮膚を突き刺すことに対して不利であるカンチレバー効果を生み出すからである。
【0073】
さらに、角度αが小さければ小さいほど、皮膚に穴をあけるために加わる力は、軸Aに対して近くなるが、代償として、手は溝2の軸Aをさらに塞ぎ、これは、カニューレ20の誘導のためには不利である。特に、角度αが30°未満の場合には、施術者の手が互いに互いを妨害するという点で、デバイスの人間工学は妥協される。これは、上記施術者に、手がデバイスを握ることによって、居心地が悪く、もしかすると苦痛かもしれない姿勢を強制的にとらせる。このことは、例えば、上記手を実質的に患者の皮膚に対して平行に配置すること、および、施術者の手首に対してとても自然ではない角度に基づいて配置すること、による。
【0074】
都合よく、角度αは45°~80°であり、より特別には65°~80°であり、これは、デバイスに対して最適な人間工学を与える。
【0075】
さらに、角度αが30°~40°であるために、アーム4の形態は、カニューレの誘導のために軸Aをさらに自由にするように適応され得る。特に、アーム4は、該アーム4の横断方向Dにおいて、曲がった形態を有し得る。上記形態の曲率半径は、アーム4を容易につまむために、さらに十分に大きく、特に20mmより大きい。
【0076】
さらに、それぞれの把持アーム4は、中心体1の近位壁1bの近傍と一体化している近位端4aを有し、それぞれのアーム4の前方中央部5aは、上記近位端から約10mmの距離eにおいて延びている中心点Cを有している。上記中心点は、施術者がアーム4を握る場合には、指によって与えられた圧力の中心点に相当する。ここで留意すべきは、それぞれのアーム4の長さは、実質的に人間工学に影響を与えず、それ故に実質的に中心点Cの位置に影響を与えないことである。
【0077】
特に、それぞれのつまみ面5の前方中央部5aは、特に該つまみ面5の中心点C上に、中心体1の遠位端1aから8mm~30mmの距離dにおいて位置しており、値のそのような範囲は、指の平均的な厚さに相当する。
【0078】
従って、施術者が、施術者の人差し指をアーム4のつまみ面5の前方中央部5a上に配置し、施術者の親指を上記面の後方部5b上に配置することによって、デバイスを握り、それから上記デバイスそれ自体を維持することによって皮膚に穴をあける場合には、施術者の人差し指は皮膚と上記アームとの間に配置される。特に、鋭い先端20aが、実質的に上記皮膚に対して垂直である角度に基づいて挿入される場合には、施術者の人差し指が皮膚と上記アームとの間に配置されることは、上記挿入を妨害しない。さらに、仮に距離dが実質的に小さい場合には、人差し指は皮膚に対してできる限り近くなり得、特に把持アーム4および上記皮膚に接し、これは、デバイスに対してより良い安定性を提供し、カニューレ20を皮膚の下へ挿入している間に、該デバイスの維持を容易にする。
【0079】
特に、距離dは10~25mmであり、特に13mmと等しく、これは、最適な人間工学を有しているデバイスを提供する。距離dが8mm未満に定められる場合には、前方中央部5aに載せている指は皮膚の突き刺しを妨害するだろう、という理由で、デバイスは、アーム4を二本の指でつまむことに適していない。さらに、距離dが30mmを超えて定められる場合、施術者は、突き刺しの間、施術者の指を皮膚に寄り掛からせることができず、それ故に、上記突き刺しの精度に対して負の影響がある。
【0080】
図1~6に関連して、アーム4それぞれは、アーム4それぞれをつまむことを容易にするために、大きな塊の形状(volume geometry)を有しており、特に、アーム4それぞれの
横断方向Dの周囲に、実質的に円筒状の形状を有している。従って、施術者は、施術者の好み、患者に対する施術者の体の位置、突き刺される領域、および/またはカニューレ20が準じて挿入されるべき角度の方向、に基づいて、多様な様式において、デバイスを握ることが可能である。
【0081】
あるいは、
図8~11において示されたように、アーム4は、より平らな形態を有している形状、特に、長方形の形状、を有し得る。これは、上記アームを二本の指でつまむことを容易にするためである。
【0082】
特に、アーム4は、わずかに先端が切り取られた円錐の形状を有しており、このことは、施術者が左利きであろうとまたは右利きであろうと、上記アームを二本の指でつまむために、上記施術者の人差し指および親指の、リラックスした、かつ正確な姿勢を可能とする。さらに、小さな回転を経て、施術者は、鋭い遠位先端2aを連続的に探索することによって位置を合わせることが可能であり、かつ、皮膚の下への挿入の、鋭い遠位先端2aの角度の方向を調節することが可能である。
【0083】
特に、施術者の指がつまみ面5上をスライドすることを防ぐことによって、これらの小さな回転を容易にするために、上記面それぞれは、つまみやすくするための浮き彫りになった連続するパターン6を延ばしている少なくとも1つの部分を有している。
図1~6において、パターン6は、アーム4の横断方向Dに延びている。あるいは、パターン6は、特に別の方向(例えば、横断方向Dに対して垂直)に延びることによって、別の構成を有し得る。
【0084】
図1~6に関連して、それぞれのつまみ面5は、上記前方中央部5aの反対側の後方部5bにわたって延びている連続するパターン6、と同様に、前方中央部5aが形成されている前方平面7を有している。従って、施術者は、前方平面7上に施術者の人差し指を、かつ、後方部5b上に施術者の親指を、配置することによって、アーム4をつまむことが可能である。前方平面7上に施術者の人差し指を配置することは、上記人差し指に対して良好な安定性を与え、後方部5b上に施術者の親指を配置することは、上記親指のみを使用して小さな回転を実行するためであり、従ってこれらのことは、鋭い先端2aを正確に位置付ける。
【0085】
さらに、それぞれの把持アーム4は、つまみやすくするための浮き彫りになったパターン8が形成されている遠位端4bを有している。従って、施術者はまた、それぞれのアーム4の遠位端4bを、施術者のそれぞれの親指と人差し指とでつまむことによって、デバイスを握ることが可能である。浮き彫りになったパターン8は、上記指の間での上記デバイスの旋回運動なしに、維持することを可能とする。
【0086】
特に、図面において示されたように、パターン8は、それぞれの遠位端4bの中心を通る、長方形の形状を有している。しかし、パターン8はまた、例えば中心を外れた突出部または二つの切断部のような、他の形状においても、長方形の形状を有している。
【0087】
さらに、それぞれのアーム4の遠位端4bは、横断面Tにおいて約34mmの距離fによって互いに離されており、これは、施術者が、施術者の指の間で正確な分離を伴って、上記端をつまむことを可能にするためである。すなわち分離は、長期間の疲労を生み出さないために、過剰に大きくなく、また、皮膚の下へのカニューレ20の挿入および誘導を妨害しないために、極端に小さくない。
【0088】
図2に関連して、中心体1は、下位部1dを有しており、下位部1dは、上記横断面と(それ故に鋭い先端2aと)、角度βを形成することによって、上記横断面の下へ延びている。従って、溝2の軸Aの下へ(それ故に鋭い先端2aの下へ)、中心体1の材料の延長を制限することによって、デバイスは、皮膚の表面に対して接線の方向において鋭い先端2aを挿入するのと同様な方法で、方向付けられ、これは、そのような方向において、カニューレ20を挿入することを可能にするためである。
【0089】
図8~11において示されたように、角度βはとても低い値を、実質的にはゼロでさえ、有し得る。しかしながら、施術者は、例えば、上記突き刺しの正確な位置を思案するために、突き刺すより前に皮膚に沿ってデバイスをスライドさせたいと思い、そして、過度に小さい角度βは、施術者が不正確な位置において、うっかり皮膚を突き刺し得るという理由で、この操作をより繊細なものにするだろう。
【0090】
角度βはまた、より大きな値を有し得るが、15°を超えてはならない。そうでなければ、デバイスは、皮膚に接して突き刺すことに適さないだろう。
【0091】
特に、角度βが0~6°であるために、特に3°と等しいために、デバイスは最適な人間工学を有している。さらに、接線にそった突き刺しの実現性に関して、角度βは、一般的に12°以下に修正される。
【0092】
溝2に対するアクセスを改善するために、それ故に上記溝上へのカニューレ20の配置を容易にするために、中心体1の上板1cは、上記溝の両側に延びているクリアランスゾーン(clearance zone)10を有している。
【0093】
図面に関連して、中心体1は、Vの形態における形状を有しており、上板1cそれ自体は、溝2が配置されている中心点において、フレア付き通路(flared channel)を形成している。さらに、把持アーム4の近位端4aそれぞれは、上記近位端が上記上板とともに溝2への進入路の上部クリアランスゾーン10を形成するような方法で、上板1cのそれぞれの部分の延長に伸びているスロープ9を有している。
【0094】
さらに、把持アーム4は、前額面に対して互いに90°~180°、特に172°、の角度γによって延びており、そのような角度の範囲は、上部クリアランスゾーン10を経由して、溝2へ申し分なく確実に接近することを可能にする。
【0095】
同様に、中心体1の近位壁1bは、後方クリアランスゾーン11によって囲まれている。後方クリアランスゾーン11は、短い長さの注入カニューレ20の使用を可能にさせるように配置されており、これは、特に、上記カニューレの基部22が溝2上をスライドされて、それから患者の皮膚の下へ挿入された場合に、中心体1の近位壁1bと上記カニューレの基部22との間の衝突の危険を避けることによる。
【0096】
図面に関連して、後方クリアランスゾーン11は、円弧の形態を有し、特に、把持アーム4の近位端4aにわたって延びることによって、中心体1の近位壁1bの両側に延びている。特に、後方クリアランスゾーン11は約5mmの曲率半径を有している。
【0097】
一旦皮膚の下へカニューレ20が挿入されると、上記方法は、上記皮膚から該デバイスの鋭い先端2aを抜き出すために、デバイスを除去することを提供し得る。その一方、上記皮膚の下に挿入されたカニューレ20は残されている。特に、上記方法は、皮膚の下に挿入されたカニューレ20に対して溝2をスライドさせることによって、デバイスを除去することを提供することが可能である。
【0098】
デバイスが除去された後、施術者は、両手を使用してカニューレ20の位置決めを終了し、これは特に、カニューレ20の注入オリフィス21が治療される領域に到達するまで皮膚の下に上記カニューレをスライドさせることによって行われ、これはまた、治療される領域の中に製品を注入することを可能にするために行われる。
【0099】
治療される領域における、注入オリフィス21の位置決めを容易にするために、特に、治療される領域が、実質的に深くに、および/または進入孔から実質的に遠くに位置される場合には、カニューレ20は、該カニューレの長さにわたって、規則正しい間隔で(例えばセンチメートルごとで)配置された、目盛23を有し得る。
【0100】
さらに、カニューレ20の基部22は、注入オリフィス21と一直線に揃えられる、注入オリフィス21の位置を示すためのマーク24を該基部の外周上に備えていてもよく、これは、注入オリフィスが治療される領域において位置づけられた場合に、施術者が上記注入オリフィスを正しく方向付けることを可能とする。
【0101】
図7に関連して、位置を示すためのマークは、基部22の外周上に配置された点24を有しており、上記点は、上記基部の色に対して明暗を有すると判別することが十分容易である色で実施されている。
【0102】
あるいは、位置を示すためのマーク24は、別のパターン、特に、矢の形状におけるパターン、を有し得る。それはさらに、例えば、上記基部の成形の間、基部22上で浮き彫りにして実施され得、また、あるいは、上記基部と異なる色彩で色付けされ得る。
【0103】
介入の間、患者によって感じられる痛みを制限するために、上記方法は、皮膚の突き刺しの前に、少なくとも突き刺される領域上、および/または、領域中に、麻酔剤を適応するステップを提供し得る。該ステップは、上記突き刺しに起因する痛み、およびカニューレ20の挿入に起因する痛み、の両方を制限し得る。特に、麻酔剤は、クリーム、および/または、パッチ(例えば、Emla(登録商標)型のパッチ)の形状で、局所的に適用され得る。
【0104】
さらに、上記方法は、同じ進入孔を使用して、いくつかの領域へアクセスすることにより、該いくつかの領域を連続的に治療することを提供し得る。特に、治療されるいくつかの領域への同じ製品の注入のために、上記方法は、最初の領域の中に上記製品を注入した後に、患者の皮膚の中にすでに挿入されたカニューレ20を、治療される別の領域へ配置させることを提供することが可能である。
【0105】
特に、上記方法は、治療される新しい領域の中への新規の注入を進めるために、まさに治療された領域と、治療される新しい領域との間の、放射状の配置を提供することが可能である。
【0106】
さらに、上記方法は、少なくとも1度は、そのような、治療された領域から、治療される別の領域への放射状の配置の繰り返しを提供することが可能であり、該方法は、上記他の領域の中へ製品を注入する、連続したステップを提供することが可能である。従って、施術者は、単一の進入孔を使用して、顔の領域全体を治療することが可能であり、例えば、額、こめかみ、または頬を治療することが可能である。
【0107】
顔の領域にわたって広く広がった(例えば、額、こめかみ、または頬に広がった)、皮膚の弛みを正すために、ボーラス注射によって製品を注入する、既知の技術が存在する。すなわち、上記領域におけるいくつかの配置を実行することによって、上記領域全体にわたって、いくつかの小規模な用量の製品を配置する、既知の技術が存在する。これらは、さらに該皮膚にボリュームを与えると同時に、領域全体にわたって、上記皮膚を引き伸ばすことを目的とする。
【0108】
特に、施術者は、同じ領域において、特に扇風機のように、いくつかの放射状の配置を実行することによって、ボーラス注射を介して、いくつかの注入を進めることが可能であり、それからマッサージすることが可能である。施術者はまた、「トッピング(topping)」と呼ばれる特定の技術を用いることができ、これは一般的に、表面を滑らかにして皮膚を深くから膨らませる(plump)ために下皮において行われる。
【0109】
皮下層において、すでに挿入されたカニューレ20を、上記層のすでに治療された領域から、治療される別の領域へ、放射状に移動させることによって、上記カニューレは、特に一定の深さにおいて留まる。従って、施術者は、同じ層、特に上記同じ層の同じ深さにおける、トッピング注射(topping injections)の全ての実行を保証されている。
【0110】
これのおかげで、施術者は、製品の一定の厚さで、皮膚の下の層を容易に膨らませることが可能であり、このことは、最終結果の均質性と調和とを保証することを可能にする。
【0111】
さらに、上記方法は、製品のボーラス注射による注入の間に、カニューレ20を後方へ(すなわち、後戻りの移動によって)配置することを提供することが可能であり、これは、相当な深さの隔たりにわたって、および/または、より広い領域にわたって、上記製品を分配することを目的としており、このことは、より調和のとれた、それゆえにより自然な結果を可能にさせる。あるいは、上記方法は、製品のボーラス注射による注入の間に、カニューレ20を前方に、順行性の移動によって、配置することを提供することが可能である。
【0112】
一旦注入が完了されると、施術者は、カニューレ20を除去し、治療された領域上のマッサージを遂行することが可能であり、これは、製品を均一に分配するためであり、かつ、施された修正に対して、より均質な、それ故により自然な様相を与えるためである。その結果、患者はすぐに、目に見え、かつ、支持できる結果を、観察することが可能である。
【0113】
図8~11に関連して、溝2は、適切な材料、特に金属からできている材料、とりわけステンレス鋼(例えば、SUS304合金、および/または、AISI304合金など)からできている材料、のシートを使用して、中心体1と一体に形成されている。これを行うために、そのようなシートにおいて適切な形態が切り出され、それから上記切り出されたシートを打ち抜き加工することによって、適切な形態が3次元として形成される。
【0114】
特に、打ち抜き加工は、材料の可変の厚さが変形することによって、特に、溝2の材料の厚みが少なく、かつ、中心体1およびアーム4上の物質の厚みがより多く、変形することによって、生み出すことを可能にする。
【0115】
さらに、打ち抜き加工は、3次元におけるより豊富な形態を有するデバイスを得るために、材料の引き伸ばしが追加されることが可能である。従って、打ち抜き加工は、例えば、アーム4の浮き彫りを中心体1の浮き彫りに接続することが可能であり、全体として、なお薄い厚さを保つと同時に、より固いデバイスを得ることが可能である。
【0116】
特に、鋭い遠位先端2aを形成するために、および/または、鋭い遠位先端2aを鋭くするために、溝2は、打ち抜き加工の後、鋭くすることによって恩恵を受け得る。
【0117】
図1~6に関連して、溝2および中心体1は、適切な材料の、特にプラスチック材料の注入によって、単一の部分から形成され得る。特に、プラスチック材料は、特に移植可能であることによって、ヒトまたは動物の体に対して害にならない重合体を包含し得る。該重合体は、例えば、ポリプロピレン、またはポリプロピレンをベースとする共重合体(例えば、エチレン-ポリプロピレン)である。一般的に、溝2および中心体1は、不燃性の材料(特に発熱物質を含まない材料)から製造され得る。
【0118】
溝2はまた、上記中心体上に上記溝を接着することによって、または、上記中心体により上記溝をオーバーモールディングすることによって、中心体1上に加えられた別の部品として形成され得る。
【0119】
接着の間、中心体1における溝2の信頼性のある位置決めを容易にするために、余分な厚さが提供され得る。優先的には、3~5mmの長さの厚さが、フレア付き通路を形成している上板1cの近位部において、提供され得る。この余分な厚さは、溝2を支えることができる穴で突き刺され得る。故に、溝2は、接着の間、強制的かつ信頼できる様式において、保持され、かつ位置づけられる。余分な厚さは、少ない厚さ、優先的には15/10ミリメートル未満の厚さ、で作られるべきであり、故に、施術者がデバイスによって作られた穴の中にカニューレを挿入する場合に、余分な厚さは妨害しない。
【0120】
溝2を中心体1に対してしっかり結びつけることを容易にするために、溝の近位端2bは、脆弱連結部(frangible link)の手段によって、最初に、管状の要素と一体化し得る。上記要素は、上記溝と一体に形成されている。
【0121】
特に、管状の要素は、溝2を中心体1にしっかり結びつける間、溝2を維持するため、握るための手段、例えば、工業系製品の枠内のロボットアームの手段を形成する。従って、そのような握る要素の存在は、溝2の鋭い先端2aを介した溝2の把持を避けることを可能とし、従って、上記先端の鋭い端への損傷を避けることを可能とする。そのような要素はまた、溝2の近位端2bによる溝2の把持を避けることを可能とし、そのような把持は、上記溝を中心体1上にしっかり結びつけることを困難にし、まさに不可能にする。
【0122】
一旦溝2が中心体1と一体になると、管状の要素は、脆弱連結部を折ることによって、例えば、上記脆弱連結部の周囲の上記溝に対して、上記管状の要素を旋回させることによって、上記溝から引き離される。
【0123】
しかしながら、脆弱連結部を折った後は、材料の破片が溝2の近位端2b上に残る可能性があり、上記破片はさらに、比較的鋭い可能性があり、施術者に対してけがの危険があり得る。施術者の指とそのような破片との接触を制限するために、中心体1の近位壁1bは、それより上で溝2の近位端2bを開放する収納部を有し得る。上記収容部は、上記溝の軸Aに基づく寸法を有しており、該寸法は、そのような破片が上記収容部を超えて突き出ることを避けるために構成されている。
【0124】
把持アーム4はまた、特に、本明細書中に上述されたような方法によって、中心体1、および/または、溝2と一体に形成され得る。
【0125】
把持アーム4はまた、特にオーバーモールディングによって、中心体1上に加えられ得る。
図8~11において示されたように、特に、中心体1は、打ち抜き加工によって、矢状面Sの両側上で対称的に延びている二つの側方骨組み(lateral armatures)とともに形成され得る。それから、把持アーム4を形成するために、例えば、上記骨組み上に上記材料を過剰注入することによって、上記骨組みは、材料の大量の塊で覆われ得る。
【0126】
そのように製造されたデバイスは、その結果、注入するためのキットを形成するために、少なくともの一つの鈍端20aカニューレ20を条件付けられ得る。これを行うために、同じキットのデバイスおよびカニューレ20は、同じ滅菌した透明なバッグ、特に、ポリプロピレンの、および/または、ポリエチレン系の、バッグにおいて条件付けられ得る。上記バッグはさらに、柔軟性に富むか、もしくは柔軟性がないものであり得、および/または、少なくとも一つの部分は、剥離紙を主成分として含み得る。
【0127】
さらに、そのように条件付けられたキットは、該キットの貯蔵の間、湿気および光から保護するために、同様にバッグにおいて条件付けられた他のキットを含んでいる箱の中に貯蔵され得る。
【0128】
特に、デバイスの中心体1は、カニューレ20の基部22と一致した配色を有し得る。このことは、上記デバイスおよび上記カニューレが、注入するための同じキットに属しているものとして認識することを可能とする。それ故に、施術者はバッグの中において条件付けられたいくつかのキットのうちで、上記キットを認識することが可能であり、施術者は、基部22および中心体1の色を見ることだけが必要である。
【0129】
デバイスはまた、特に、本明細書中に上述されたようなバッグにおいて、単独で条件付けられることも可能であり、これは、特に、研究室に対して販売するために、単独で販売されることを目的としている。
【0130】
さらに、バッグにおいて条件付けられた後、デバイス、またはデバイス/カニューレ20キットは、例えば、エチレンオキシド(ETO)、電離放射線、または蒸気による滅菌の方法を用いて、滅菌される。
【0131】
加えて、バッグは、施術者に対する指示書(ロット番号、カニューレ20の、および/または、デバイスの寸法、資格を与えられた施術者に対して使用を制限する警告書、通知機関に関する参照、および/または、基準(特にCE基準)と一致した適合マーク等)を含み得る。
【0132】
特に、バッグは、該バッグが含む、デバイス、またはデバイス/カニューレ20キットを危険なしに使用するために有益な情報、例えば、滅菌日、および/または、使用期限、を含み得る。さらに、バッグが質の悪い状態であるか、および/または開封された状態である場合には、施術者は、上記袋において条件付けられたデバイスまたはキットは、患者の安全性のために破棄されるべきである、ということを、直ちに知ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【
図1】本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、正面斜視図として示している。
【
図2】本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、側面図として示している。
【
図3】本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、上面図として示している。
【
図4】本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、下面図として示している。
【
図5】本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、正面図として示している。
【
図6】本発明の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、背面図として示している。
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図7】
図1~6のデバイスを用いて挿入するためのキットにおいて使用され得る注入カニューレを示している。
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図8】本発明の別の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、正面斜視図として示している。
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図9】本発明の別の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、側面図として示している。
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図10】本発明の別の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、上面図として示している。
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図11】本発明の別の実施形態に基づくカニューレを挿入するためのデバイスを、正面図として示している。