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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】フライヤー
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
A47J37/12 351
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020152932
(22)【出願日】2020-09-11
(62)【分割の表示】P 2016135257の分割
【原出願日】2016-07-07
(65)【公開番号】P2021000476
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】2015902715
(32)【優先日】2015-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】508337053
【氏名又は名称】ティエヌエイ オーストラリア ピーティワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】エルセンドーン、 ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ジャンドール、 デニス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン トル、 トン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-152755(JP,A)
【文献】特開2005-296417(JP,A)
【文献】米国特許第04867049(US,A)
【文献】実開昭61-041634(JP,U)
【文献】特公昭41-003073(JP,B1)
【文献】特開2010-022371(JP,A)
【文献】特開昭52-156942(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102086939(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0049923(US,A1)
【文献】米国特許第05085137(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続フライヤーであって、
加熱された調理用の油を受容するキャビティを有する容器と、
前記キャビティの上流端から下流端への所定の方向に、前記キャビティを通して前記油を流すべく、前記キャビティへと送達されるフライ対象の生産品が前記所定の方向に移動するように前記油を循環させるポンプと、
前記油を前記上流端へと送達するように流して前記容器の中の油における乱流を低減する流量制御装置と
を含み、
前記流量制御装置は、前記所定の方向の自身を通る流れの流速を、前記流れの横断方向にわたって制御するべく構成され、
前記流量制御装置は、前記油が前記上流端へと送達される前記所定の方向に延びる複数の塊体通路を有する塊体であり、
前記流量制御装置は、それぞれが複数の通路を有する複数の板を含み、
前記複数の板は、前記複数の通路が前記塊体通路に対して動いて前記流れを調整するように前記塊体に可動に取り付けられる、連続フライヤー。
【請求項2】
前記上流端に隣接する前記容器の床が前記所定の方向に向かって下方に傾斜する、請求項1の連続フライヤー。
【請求項3】
前記連続フライヤーは生産品移動装置を含み、
前記生産品移動装置は、前記油を引き入れる複数の離間したパドルを含み、
前記パドルは、前記生産品が前記所定の方向に移動するのを補助するべく前記所定の方向に動かされる、請求項1又は2の連続フライヤー。
【請求項4】
前記パドルは、
それぞれのパドルが前記容器に沿って前記所定の方向に離間した間隔で配置された第1組のパドルと、
前記第1組のパドルからの油の流れに対して上流側にある第2組のパドル
を含み、
前記第2組のパドルを前記第1組のパドルとは異なる速度で駆動するべく動作可能な駆動アセンブリをさらに含む、請求項3の連続フライヤー。
【請求項5】
前記パドルは、複数のパドルが延びる起点となる複数のシャフトを含むパドルシステムの一部であり、
前記パドルは一定の角速度で駆動され、
前記第組のパドルは、前記第1組のパドルとは異なる速度で駆動され、請求項4の連続フライヤー。
【請求項6】
前記第1組のパドルは、前記上流端の油と実質的に同じ周方向速度を有する、請求項4又は5の連続フライヤー。
【請求項7】
前記通路は前記塊体によって囲まれる、請求項1から6のいずれか一項の連続フライヤー。
【請求項8】
前記流量制御装置の下流にある複数の温度センサと、
各温度センサから信号を受信する制御器と、
前記複数の板のそれぞれに動作可能に関連づけられたモータと
をさらに含み、
前記モータは、関連づけられた板を、前記板の動きが前記温度センサによって少なくとも部分的に決定されるように動かす、請求項1から7のいずれか一項の連続フライヤー。
【請求項9】
前記複数の板はそれぞれが、前記油が前記塊体の通路を出るように流れる複数の通路を含み、
前記板の通路は前記塊体の通路に対し、前記塊体の通路を通る流れを調整するべく動かされる、請求項の連続フライヤー。
【請求項10】
前記流量制御装置は、前記上流端において油が均質かつ層状に流れるように構成される、請求項1からのいずれか一項の連続フライヤー。
【請求項11】
前記上流端における油は一定の幅及び深さを有し、
前記上流端における油が、前記幅及び深さにわたって前記所定の方向に直線状に流れる、請求項1から10のいずれか一項の連続フライヤー。
【請求項12】
前記流量制御装置は前記温度センサに基づいて前記流れの横断方向にわたる前記油の温度分布を調整する、請求項の連続フライヤー。
【請求項13】
連続フライヤーであって、
加熱された調理用の油を受容するキャビティを有する容器と、
前記キャビティの上流端から下流端への所定の方向に、前記キャビティを通して前記油を流すべく、前記キャビティへと送達されるフライ対象の生産品が前記所定の方向に移動するように前記油を循環させるポンプと、
前記油を前記上流端へと送達するように流す流量制御装置と
を含み、
前記流量制御装置は、
前記油が前記上流端へと送達される前記所定の方向に延びる複数の塊体通路を有する塊体と、
それぞれが複数の通路を有する少なくとも2つの流量制御板
を含み、
前記少なくとも2つの流量制御板はそれぞれが、
前記塊体通路に対して各流量制御板の複数の通路を、整合する位置、部分的に整合する位置、及び整合しない位置の間で動かすべく、前記塊体に対して個別に可動に取り付けられて前記少なくとも2つの流量制御板のそれぞれを通る板流速を調整し、
上流端流速を制御することにより前記上流端において前記油を均質かつ層状に流す、連続フライヤー。
【請求項14】
前記上流端には、とい式流路が設けられる、請求項13の連続フライヤー。
【請求項15】
前記連続フライヤーは生産品移動装置を含み、
前記生産品移動装置は複数の離間したパドル板を含み、
前記パドル板は、前記パドル板とともに動くように前記油及び生産品を引き入れ、
前記パドル板は、前記生産品が前記所定の方向に動くのを補助するべく前記所定の方向に動かされる、請求項13の連続フライヤー。
【請求項16】
前記パドル板は、第1組のパドル板及び第2組のパドル板を含み、
前記第1組のパドル板は、前記所定の方向に前記容器に沿って離間した間隔で配置され、
前記第2組のパドル板は、前記第1組のパドル板よりも前記油の流れに対して上流側にあり、
駆動アセンブリが、前記第2組のパドル板を前記第1組のパドル板とは異なる速度で駆動するべく動作可能である、請求項15の連続フライヤー。
【請求項17】
前記パドル板は、前記複数のパドル板が延びる起点となる複数のシャフトを含むパドルシステムの一部であり、
前記パドル板は一定の角速度で駆動され、
前記第1組のパドル板は、前記第2組のパドル板とは異なる角速度で駆動される、請求項16の連続フライヤー。
【請求項18】
前記油は前記所定の方向に速度を有し、
前記第1組のパドル板は、前記上流端での前記油の速度と実質的に同じ周方向速度を有する、請求項16の連続フライヤー。
【請求項19】
前記塊体通路は前記塊体によって囲まれる、請求項13の連続フライヤー。
【請求項20】
前記流量制御装置の下流の少なくとも一つの温度センサと、
各温度センサから信号を受信する制御器と、
各流量制御板に動作可能に関連づけられたモータと
をさらに含み、
前記モータは、関連づけられた流量制御板を、前記流量制御板の動きが前記温度センサによって少なくとも部分的に決定されるように動かす、請求項13の連続フライヤー。
【請求項21】
前記連続フライヤーは生産品移動装置を含み、
前記生産品移動装置は複数の離間したパドル板を含み、
前記パドル板は前記油を引き入れ、
前記パドル板は、前記生産品が前記所定の方向に動くのを補助するべく前記所定の方向に動かされる、請求項14の連続フライヤー。
【請求項22】
前記油は前記所定の方向に速度を有し、
前記パドル板は、第1組のパドル板及び第2組のパドル板を含み、
前記第1組のパドル板は、前記所定の方向に前記容器に沿って離間した間隔で配置され、
前記第2組のパドル板は、前記第1組のパドル板よりも前記油の流れに対して上流側にあり、
駆動アセンブリが、前記第2組のパドル板を前記第1組のパドル板とは異なる速度で駆動するべく動作可能であり、
前記パドル板は、前記複数のパドル板が延びる起点となる複数のシャフトを含むパドルシステムの一部であり、
前記パドル板は一定の角速度で駆動され、
前記第1組のパドル板は、前記第2組のパドル板とは異なる速度で駆動され、
前記第1組のパドルは、前記上流端の油と実質的に同じ周方向速度を有する、請求項21の連続フライヤー。
【請求項23】
前記流量制御装置は、
前記流量制御装置の下流の少なくとも一つの温度センサと、
各温度センサから信号を受信する制御器と、
各流量制御板に動作可能に関連づけられたモータと
をさらに含み、
前記モータは、関連づけられた流量制御板を、前記流量制御板の動きが前記温度センサによって少なくとも部分的に決定されるように動かす、請求項22の連続フライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続フライヤーに関し、詳しくは単一フロー及び多重フローの連続大気圧フライヤー及び真空フライヤーに関するがこれらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
大気圧フライヤー及び真空フライヤーは典型的に、生産品を揚げるべく通過させる一定数の領域を有する。フライヤーは、加熱された油を受容するフライ鍋を含む。当該鍋は入口端及び排出端を有し、その間を油が流れる。油は、出口端から入口端まで、ポンプ、ろ過器及び加熱器を介して通過する。
【0003】
コンベヤが生産品を、鍋の上流端へと送達し、当該生産品は、油とともに下流方向へと流れる。鍋の長さ沿いには通常、パドルが設けられる。パドルは、油の流れの中に入って当該油の流れとともに動き、生産品が下流方向へと動くのを補助する。
【0004】
真空フライヤーは特許文献1に記載されている。
【0005】
従前の連続フライヤーは、滞留時間の偏差が高いゆえに生産品の揚がりが不均一になることを含む一定数の不利点を被っていた。これは、生産品に関する品質の低下及び品質の一貫性をもたらし得る。例えば、じゃがいものような生産品の自然の味が劣化し、当該生産品の形状が歪み、他方では、生産品のアクリルアミド含有量が上昇する。他の不利点は、(揚げ過ぎの)油っこいチップ、フライヤー内の、油品質問題をもたらす生産品小片量の増加、及び洗浄時間の長時間化である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2007/086724(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の不利点を克服し又は実質的に改善することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示されるのは、加熱された調理用の油を受容するキャビティを有する容器と、当該キャビティの上流端から下流端への所定の方向に、当該キャビティを通して当該油を流すべく、当該キャビティへと送達されるフライ対象生産品が当該所定の方向に移動するように当該油を循環させるポンプと、当該油を当該上流端へと送達するように流して当該容器の中の油における乱流を低減する流量制御装置とを含む連続フライヤーである。
【0009】
好ましくは、上流端には、とい式流路が設けられる。
【0010】
好ましくは、フライヤーは生産品移動装置を含む。これは、油を引き入れる複数の離間した板を含む。この板は、当該生産品が当該方向に移動するのを補助するべく当該方向に動かされる。
【0011】
好ましくは、板は、それぞれの板が容器に沿って当該方向に離間した間隔で配置された第1組の板と、当該第1組の板からの油の流れに対して上流側にある第2組の板とを含み、当該第2組の板を当該第1組の板とは異なる速度で駆動するべく動作可能な駆動アセンブリをさらに含む。
【0012】
好ましくは、板は、複数のパドルが延びる起点となる複数のシャフトを含むパドルシステムの一部である。パドルは一定の角速度で駆動され、第1組のパドルは、第1組のパドルとは異なる速度で駆動され得る。
【0013】
好ましくは、第1組のパドルは、上流端の油と実質的に同じ周方向速度を有する。
【0014】
好ましくは、流量制御装置は、油が上流端へと送達される当該方向に延びる複数の通路を有する塊体である。
【0015】
好ましくは、通路は塊体によって囲まれる。
【0016】
好ましくは、当該流量制御装置はまた、自身を通る流れを、当該方向の流れが、流れの横断方向に変わるように制御するべく構成される。
【0017】
好ましくは、当該装置は、複数の通路を有する少なくとも一つの板を含む。当該板は、当該板の通路が当該塊体の通路に対して動いて当該流れを調整するように当該塊体に可動に取り付けられる。
【0018】
好ましくは、装置はさらに、当該デバイスの下流にある少なくとも一つの温度センサと、各センサから信号を受信する制御器と、各板に動作可能に関連づけられたモータとを含み、当該モータは、関連づけられた板を、当該板の動きが温度センサによって少なくとも部分的に決定されるように動かす。
【0019】
好ましくは、当該板は、油が塊体の通路を出るように流れる複数の通路を含む。当該板の通路は塊体の通路に対し、当該塊体の通路を通る流れを調整するべく動かされる。
【0020】
好ましくは、当該装置は、当該上流端において油が一般に均質かつ層状に流れるように構成される。
【0021】
好ましくは、当該上流端における油は一定の幅及び深さを有し、当該上流端における油が、当該幅及び深さにわたって当該所定の方向に一般に直線状に流れる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の好ましい形態が、以下の添付図面を参照する例示としてここに記載される。
【0023】
図1図1(a)は、連続フライヤーの模式的な例示であり、図1(b)は、図1(a)に示される流量制御装置の模式的な拡大部分である。
図2図2(a)は、図1(a)の連続フライヤーに用いられる流量制御装置の模式的な等角図であり、図2(b)は、図2の流量制御装置の模式的な分解図であり、図2(c)は、図2(a)の流量制御装置の模式的な正面図であり、図2(d)は、図2(c)に例示される流量制御装置の部分の模式的な正面図であり、図2(e)は、図2(c)の流量制御装置のさらなる部分の模式的な正面図である。
図3図1(a)のフライヤー容器の、流量制御装置を伴う模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面の図1(a)には、模式的に描かれた連続フライヤー10が存在する。本実施形態において、フライヤー10は大気圧フライヤーである。しかしながら、一代替実施形態においてフライヤーは、上述した特許文献1に記載の真空フライヤーでもよい。
【0025】
フライヤー10は、長手方向が方向12に延びる容器(鍋)11を含む。
【0026】
容器11は、上面14を有する油13を受容する。油13は、容器11の中を、上流端15から下流端16へと方向12に動く。
【0027】
コンベヤ17は、上コンベヤ面18によって、(未調理のじゃがいもスライスのような)生産品19を方向20へと動かす。その結果、生産品19は、上流端15に隣接する容器11へと送達される。
【0028】
フライヤー10はまた、複数のパドルアセンブリ21と、さらなるパドルアセンブリ22とを含む。パドルアセンブリ21はそれぞれがシャフト23を含む。シャフト23からは、複数の板(パドル)24が一般に径方向に延びる。
【0029】
シャフト23は、モータ及び動力伝達アセンブリ26によって角方向25に駆動される。その結果、板24は油13の中に存在するときに、実質的に方向12に動き、一般に均一な態様で生産品を方向12に動かす補助をする。好ましくは、アセンブリ26は、複数のシャフト23を、同じ角速度を有するように動作させる。シャフト23は一般に、方向12を横切る方向に延びる。
【0030】
パドルアセンブリ22はシャフト26を含み、シャフト26からは複数の板(パドル)27が径方向に延びる。シャフト26は角方向28に駆動されるので、板27は油13の中に存在するときに、方向12に動き、ひいては生産品を方向12に動かす補助をする。シャフト26は、別個のモータ及び動力伝達アセンブリ28によって駆動される。これは、シャフト26に対し、シャフト23とは異なる角速度を与えることができる。したがって、板27は、油13の中に存在するときに、板24の速度よりも大きな速度を有し得る。板24の速度は、生産品の滞留時間によって決定される。
【0031】
フライヤー10はまた、加熱器(熱交換器)30を含む。油を加熱して当該油を上流端15及び下流端16へと戻す。
【0032】
ポンプ39はライン40を介し、容器11の下流部分からの油を受容し、当該油を加熱器30へと送達する。そこより、ライン41及び42が、油を容器11へと送達する。具体的には、ライン41が油を、上流端15へと延びるライン43、及び下流端16へと延びるライン44へと送達する。
【0033】
ライン40は、ろ過器と、油をフライヤー10へと追加する手段とを含む。
【0034】
容器11の上方には、フライヤー10によって生成された蒸気を除去するスタック33を有するフード32が存在する。
【0035】
上流端15に隣接して配置されるのは、コリメータとなり得る流量制御装置34である。流量制御装置34が、方向12への油の流れの制御を補助する結果、油は、少なくとも上流端において、その深さ及び幅にわたって一般に均質に流れて一般に層状となる。
【0036】
好ましくは、流量制御装置34は、複数の通路36が設けられた板又は塊体35である。複数の通路36は、長手方向が方向12に延び、油が複数の通路36を通って方向12に流れて上流端15へと送達される。通路は、スロットであり、又は塊体35によって囲まれる。
【0037】
好ましくは、油は、一般に閉じられたチャンバ37へと送達される。流量制御装置34がチャンバ37を閉止する。油は、圧力を受けてチャンバ37へと送達され、通路36を通るように流れて上流端35へと送達される。
【0038】
好ましくは、上端15に隣接して、とい式流路が、シャフト26の下において方向12に向かって下方に傾斜する容器の床38によって与えられる。
【0039】
図2(a)~(e)の実施形態において、流量制御装置34は、通路36を有する塊体35を含む。しかしながら、塊体35には一以上の板45が摺動可能に取り付けられる。板45は、塊体35に対し、方向46に直線的に動くように摺動可能に取り付けられる。方向46は一般に、流れ方向12に直交する。
【0040】
各板45には、通路36に整合する位置から、部分的に整合又は整合しない位置へと動かすことができる複数の通路47が設けられる。したがって、板45は、通路36を通る流れを制限するべく動くことができる。
【0041】
好ましくは、板45はそれぞれに、関連づけられたそれぞれの板45を方向46に動かすべく動作可能なモータ(線形アクチュエータ)48が設けられる。
【0042】
図2(d)において、通路47は、通路36と整合するように例示される。図2(e)において、通路47は、流れを制限するべく通路36とわずかに整合しない。
【0043】
好ましくは、容器11の中に配置されかつ油13の中に浸漬された複数の温度センサ49が、装置34の下流に配置される。好ましくは、温度センサ49は、上流端15に隣接して又は上流端15にではあるが、装置34の下流に配置される。センサ49は制御器50に接続される。制御器50がセンサ49からの信号を受信する。当該信号は、特定のセンサ49に隣接する油の温度を示す。制御器50が複数のモータ48それぞれに動作可能に関連づけられるので、制御器50は、板45の位置を調整することにより、各板45ひいては関連づけられた通路36を通る流速を制御し、容器11の横断方向にわたって温度を調整することができる。したがって、センサ49は、板45の位置を決定する補助となる。
【0044】
上述の好ましい実施形態は、上流端5における乱流を低減して均一な製品をもたらすこと、端15における油の速度を増加させること、並びに、アクリルアミドの生成、及び生産品の揚げ過ぎを抑制するべく、揚げるプロセスの制御が可能になることを含む一定数の利点を有する。駆動アセンブリ26及び29の動作によって生産品滞留時間が、生産品の蓄積を抑制して生産品の一貫性に寄与するように制御される。油の速度を制御するさらなる利点は、生産品の小片の蓄積を抑制することである。小片は、容器11の底に蓄積することがない。これにより、油品質が改善されて製造が増える。
【0045】
上述の好ましい実施形態のなおもさらなる利点は、生産品が凝集する傾向がなくなり、再び生産品の品質の一貫性に寄与することである。フライヤー10が、アセンブリ22に後続するフライヤー10の上流領域において単層フライヤーのように動作するからである。
【0046】
生産品19の送達速度は、容器11の中に生産品の蓄積がほとんど存在しないことにより、一般に一定速度に維持することができる。生産品の送達速度が実質的に一定となるので、温度及び滞留時間の変動が低減されて生産品の品質が向上する。すなわち、滞留時間の偏差が低減される。
図1
図2
図3