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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】喫煙物品の生分解性セグメント
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20220307BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20220307BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20220307BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D3/04
A24D1/20
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020517290
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2019077231
(87)【国際公開番号】W WO2020141027
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2020-05-26
(31)【優先権主張番号】102019100112.9
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512252548
【氏名又は名称】デルフォルトグループ、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】DELFORTGROUP AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100188651
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 広介
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー、フォルガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、バッハマン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016105235(DE,A1)
【文献】特開2006-081470(JP,A)
【文献】特開2016-195585(JP,A)
【文献】特表2016-509852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/17
A24D 3/04
A24D 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙の間加熱されるが燃焼しないエアロゾル形成材およびセグメントを含んでなる喫煙物品であって、前記セグメントは、繊維系ウェブ材料と、前記繊維系ウェブ材料を包装する包装材料とを含んでなり、
前記繊維系ウェブ材料は、
- ウェブ材料の質量に対して、それぞれ、40%以上のパルプ繊維と10%未満の非天然ポリマーとを含んでなり、
- 10g/m以上70g/m以下の坪量を有し、かつ、
- 25μm以上400μm以下の厚さを有し、
セグメント内の前記ウェブ材料は、セグメント体積cm当たり20cm以上90cm以下の面積を有し、
包装材料を含まないセグメントは、50kg/m以上300kg/m以下の密度を有し、かつ、
Z=ρWeb+5・ρSeg+12・AWeb
で定義されるパラメーターZは、不等式1350≦Z≦2600を満たし、式中、
ρWebは、ウェブ材料の密度kg/mであり、
ρSegは、包装材料を含まないセグメントの密度kg/mであり、かつ、
Webは、セグメントの体積当たりのウェブ材料の面積cm/cmであり、
前記包装材料は、20g/m以上150g/m以下の坪量を有する紙により形成され、かつ、
前記包装材料は、0.05Nmm以上0.90Nmm以下の曲げ剛性を有する、喫煙物品。
【請求項2】
前記ウェブ材料中のパルプ繊維の含量が、ウェブ材料の質量に対して、60%以上である、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記ウェブ材料中のパルプ繊維の含量が、ウェブ材料の質量に対して、90%以上である、請求項2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記パルプ繊維が、落葉樹または針葉樹、アサ、アマ、サイザルアサ、ジュート、マニラアサもしくはアフリカハネガヤ、またはそれらの混合物から供給される木材パルプ繊維により形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記ウェブ材料が、その質量の5%未満の非天然ポリマーを含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記ウェブ材料が、再生セルロース由来の繊維を含有し、その含量がウェブ材料の質量の60%未満である、請求項1~のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記ウェブ材料が充填材を含有し、前記充填材は、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、ケイ酸塩またはそれらの混合物により形成される、請求項1~のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記ウェブ材料の質量に対する充填材の含量が、5%以上35%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記ウェブ材料が、ポリビニルアルコールまたは多糖で、コーティングされている、請求項1~のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記多糖が、デンプン、カルボキシメチルセルロース、グアー、デキストリン、ペクチンまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記ウェブ材料に、グリセロールまたはプロピレングリコールが、含浸される、請求項1~10のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記ウェブ材料が香味剤を含有し、前記香味剤は、ウェブ材料中に、化学的に結合した形態または物理的に結合した形態で含有されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記ウェブ材料が、メントール、エチルバニリングルコシド、バニリンおよびエチルバニリンからなる群から選択される香味剤を含有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記ウェブ材料の坪量が20g/m~60g/ ある、請求項1~13のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項15】
前記ウェブ材料の厚さが35μm~150μmである、請求項1~14のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項16】
前記ウェブ材料の密度が200kg/m~700kg/ ある、請求項1~15のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項17】
5cm/cm~70cm/cmのセグメント体積cm当たりのウェブ材料を含有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項18】
包装材料を含まない密度が70kg/m~200kg/mである、請求項1~17のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項19】
前記パラメーターZが1400以上2400以下である、請求項1~18のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項20】
前記包装材料が、50g/m以上120g/m以下の坪量を有する紙により形成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項21】
前記包装材料が、0.10Nmm以上0.80Nmm以下の曲げ剛性を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項22】
前記セグメントが、円筒形であり、かつ、5mm以上9mm以下の直径を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項23】
前記セグメントが、4mm以上40mm以下の長さである、請求項1~22のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項24】
前記セグメントがエアロゾル形成材とフィルターセグメントの間に配置される、請求項1~23のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品のセグメント(ein Segment eines Rauchartikels)、特に、従来技術で既知のセグメントよりも良好に生分解し、かつ、通気抵抗(Zugwiderstand)および濾過効率に関して特性の良好な組合せを提供する、喫煙物品内のエアロゾル流の冷却または濾過のためのセグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品は一般に、互いに隣接して配置された少なくとも2つの棒状セグメントからなる棒状物品である。1つのセグメントは、加熱時にエアロゾルを発生し得る材料を含有し、少なくとも1つのさらなるセグメントは、エアロゾルの特性に影響を与える働きをする。
【0003】
喫煙物品は、第1のセグメントがエアロゾル形成材(das aerosolbildende Material)、特に、タバコを含有し、さらなるセグメントがフィルターとして形成され、かつ、エアロゾルの濾過を果たすフィルター付きシガレットであり得る。この場合、エアロゾルは、エアロゾル形成材を燃焼させることによって生成され、フィルターは主としてエアロゾルを濾過し、フィルター付きシガレットに所定の通気抵抗を与える働きをする。
【0004】
しかしながら、喫煙物品はまた、エアロゾル形成材が加熱されるだけで燃焼しない、いわゆる加熱タバコ製品である場合もある。この場合、エアロゾル中の有害物質の数および量が少なくなる。このような喫煙物品もまた、多くの場合には少なくとも2つ、しかしながらそれを超える、特には4つのセグメントからなる。1つのセグメントは、一般にタバコ、再構成タバコまたは他の方法によって調製されたタバコを含んでなるエアロゾル形成材を含有する。ある程度任意選択である喫煙物品のさらなるセグメントは、エアロゾルを移行させる、エアロゾルを冷却する、またはエアロゾルを濾過する働きをする。
【0005】
これらのセグメントは、通常、包装材料により包装される。大抵の場合、紙が包装材料として使用される。
【0006】
以下、明記されない場合または文脈から直接推論できない場合には、「セグメント」は、エアロゾル形成材を含有しないが、例えば、エアロゾルを移行させる、冷却するまたは濾過する働きをする、喫煙物品のセグメントを意味すると理解されるべきである。
【0007】
従来技術から、酢酸セルロースまたはポリ乳酸などの非天然ポリマーからこのようなセグメントを生産することが知られている。喫煙物品の消費の後、その喫煙物品は適切に処分しなければならない。しかしながら、多くの場合、消費者は消費した喫煙物品を単に環境中に投げ捨て、啓発または罰金でこの行動を制限する試みはほとんど成功しなかった。
【0008】
酢酸セルロースおよびポリ乳酸は、環境中で極めて緩慢にしか分解されないので、当業界では、より良好に生分解する他の材料から喫煙物品のセグメントを生産することに関心が寄せられている。さらに、例えば、欧州連合は喫煙物品における非天然ポリマーの使用を実質的に削減するまたは禁止する方向にあり、従って、このような理由でも、喫煙物品用の利用可能な代替セグメントに関心が寄せられている。
【0009】
喫煙物品のセグメントは、様々な要件を満たさなければならない。第1の要件は、エアロゾルを濾過することである。多くの場合、この濾過は選択的であり、これは、特定の物質がエアロゾルから除去されることを意味し、従って、それはエアロゾルの味に影響を及ぼす。濾過に関しては、例えば、セグメントが主として濾過を果たす場合には、特に高い濾過効率を有するセグメント、また、濾過効率、例えば、セグメントが主としてエアロゾルの移行または冷却に意図される場合には、低い濾過効率を有するものが求められるであろう。
【0010】
さらなる要件は、特定の通気抵抗を提供することである。喫煙中、消費者は、喫煙物品からエアロゾルを吸入するために特定の抵抗、すなわち、特定の圧力差を期待する。従って、喫煙物品用のセグメントは、多くの場合、特定の通気抵抗を有するように設計される。
【0011】
さらなる要件は、エアロゾルを冷却することである。その発生直後では、エアロゾルは数100℃の温度であり、エアロゾルがその喫煙物品中を流動している間に消費者に許容される温度まで冷却されなければならない。従来技術によれば、これは一般にエアロゾルからの熱の伝導によって達成される。
【0012】
最後に、さらなる要件は、喫煙物品に十分な機械的安定性を提供することである。消費者は喫煙物品の通常の消費中に誤って喫煙物品を圧縮できてはならず;従って、セグメントは特定の硬度を有する必要がある。これもまた、一つには、好適な包装材料の選択によって達成される。
【0013】
これらの要件の総てを良好な生分解性と合わせる試みは、これまでには十分に成功してこなかった。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、喫煙物品の従来のセグメントよりも良好に生分解することができ、かつ、濾過特性、冷却効果および通気抵抗に関して従来のセグメントよりも、いずれの場合にも劣らない、喫煙物品用のセグメントを提供することである。
【0015】
この目的は、請求項1に記載のセグメントおよび請求項21に記載の喫煙物品によって達成される。有利なさらなる実施態様は従属クレームに開示される。
【0016】
本発明者らは、喫煙物品のセグメント用の特定の繊維系ウェブ材料が、少なくとも生分解性に関する要件を満たすのに好適であることを見出した。繊維系ウェブ材料は、喫煙物品用のセグメントに形成可能な短繊維(Stapelfasern)に由来する総てのウェブ状材料を表す。好適な繊維系ウェブ材料は特に、紙または不織布である。以下、例外なく、「ウェブ材料」は、喫煙物品で使用するための繊維系ウェブ材料を意味すると理解される。
【0017】
本発明者らはさらに、ウェブ材料とそれから製造されたセグメントの特性の特定の組合せは、種々の付加的要件を特に有利な様式で満たすことを可能とすることを見出した。
【0018】
具体的には、本発明によるセグメントは、包装材料と前記包装材料により包装されたウェブ材料とを含んでなる。ウェブ材料は、40%以上(mindestens 40%)のパルプ繊維と10%未満の非天然ポリマーとを含んでなり、これらのパーセンテージはウェブ材料の質量に対して表したものである。さらに、ウェブ材料は、10g/m以上70g/m以下(hoechstens 70 g/m2)の坪量、25μm以上400μm以下の厚さを有する。セグメントにおいて、前記ウェブ材料は、セグメント体積cm当たり20cm以上90cm以下の面積を有する。ウェブ材料から製造されたセグメントは、包装材料を含まない密度が50kg/m以上300kg/m以下である。最後に、ウェブ材料の密度(ρWeb)kg/m、包装材料を含まないセグメントの密度(ρSeg)kg/mおよびセグメント体積cm当たりのウェブ材料の面積(AWeb)cm/cmに関して、以下の不等式が成り立たなければならない。
1300≦ρWeb+5・ρSeg+12・AWeb≦2800
【0019】
本発明者らの発見によれば、セグメントの通気抵抗、濾過効率および冷却効果は、セグメント中のウェブ材料の構造および量によって決定される。これに関して、ウェブ材料の多孔構造は、熱伝達および濾過効率を高める。ウェブ材料の構造の他、セグメント中のウェブ材料の量も重要である。それは一方でセグメント体積当たりのセグメント中のウェブ材料の面積によって特定され、体積当たりの面積が大きいほど通気抵抗、濾過効率および熱伝達を増し、他方で、包装材料を含まないセグメントの密度で特定され、密度が高いほど主として通気抵抗を増す。特に、セグメントの冷却効果については、熱伝達に利用可能な面積の他、ウェブ材料およびセグメントの密度も熱の伝導を決定することから、それらも重要である。
【0020】
今般、本発明者らは、ウェブ材料の坪量、ウェブ材料の厚さ、ウェブ材料の密度、セグメント中の体積当たりのウェブ材料の面積および包装材料を含まないセグメントの密度に関する上記の制限の範囲内で、特性の特に良好な組合せは、ウェブ材料の密度、包装材料を含まないセグメントの密度およびセグメント体積当たりのウェブ材料の面積から計算されたパラメーターについて上記の不等式が満たされる場合に達成され得ることを見出した。
【0021】
喫煙物品のセグメント中のウェブ材料は、パルプ繊維を含んでなり、ウェブ材料の質量の40%以上がパルプ繊維により形成される。パルプ繊維は天然ポリマーからなり、本発明の第1の利点であるところの、十分に生分解可能である。本発明に必須のさらなる利点は、パルプ繊維が吸湿性であるということから得られる。喫煙物品中のエアロゾルは水を含有し、パルプ繊維はこの水の部分を吸収することができ、従って、エアロゾルの冷却に寄与する。これに関して、他の材料からのセグメントとは対照的に、熱はもはや伝達されないが、エアロゾル中の水の一部はその水に含まれる熱エネルギーとともに保持される。従って、エアロゾルは喫煙物品の消費者に到達し、それは実質的に低下させる必要のない温度であるが、実質的に熱エネルギーをほとんど含まないので、消費者により許容度が高い。
【0022】
従って、好ましくは、ウェブ材料中のパルプ繊維の含量はより高く、ウェブ材料の質量に対して、それぞれ、好ましくは60%以上、特に好ましくは90%以上、極めて特に好ましくは99%以上である。
【0023】
パルプ繊維は、落葉樹または針葉樹、また、アサ、アマ、サイザルアサ、ジュート、マニラアサまたはアフリカハネガヤなどの他の植物に由来する木材パルプ繊維であり得、当技術分野で公知の手順に従って製造される。起源の異なるパルプ繊維の混合物もまた使用可能である。
【0024】
セグメントの良好な生分解性を保証するために、ウェブ材料が含有する非天然ポリマーはその質量の10%未満であるべきである。これに関して、天然ポリマーは、化学修飾または組成の改変のない天然原料に直接起源するか、または天然から供給されるこのようなポリマーと化学的に同一であるポリマーである。具体的には、パルプ繊維は天然ポリマー、また、天然ポリマーに属す再生セルロース由来の繊維からなる。しかしながら、酢酸セルロースおよびポリ乳酸については、化学修飾が起こっており、従って、それらは、原料が天然に存在したとしても天然ポリマーに属さず、これらの原料は、少なくとも、急速な生分解がもはや起こらないように修飾されている。加えて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたはポリスチレンなどの鉱油から供給されるポリマーは総て非天然ポリマーである。
【0025】
好ましくは、ウェブ材料が含有する非天然ポリマーはウェブ材料の質量の5%未満であり、特に好ましくはウェブ材料の質量の1%未満である。最適な生分解性は、ウェブ材料が非天然ポリマーを含有しない場合に達成され、そのためにこれが極めて特に好ましい実施態様である。
【0026】
ウェブ材料は、ビスコース繊維、モーダル繊維(Modalfasern)、リヨセル(商標)またはテンセル(商標)などの再生セルロース由来の繊維を含有することができ、それらの含量は、好ましくは、ウェブ材料の質量の60%未満、特に好ましくはウェブ材料の質量の40%未満である。再生セルロース由来の繊維の量は、濾過効率をさらに最適化するために選択することができる。
【0027】
ウェブ材料は充填材を含有することができ、充填材は、好ましくは、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタンおよびケイ酸塩またはそれらの混合物により形成される。特に好ましい充填材は、沈降炭酸カルシウムである。ウェブ材料の質量に対する充填材の含量は、好ましくは0%以上、特に好ましくは5%以上、極めて特に好ましくは10%以上、かつ、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、特に好ましくは35%以下、極めて特に好ましくは30%以下である。充填材が吸収する水はパルプ繊維よりも実質的に少ないので、同じ坪量のウェブ材料に対する充填材含量の増大は、水の濾過効率の低減に寄与し得る。このように、セグメントの冷却効果に影響を与えることができる。
【0028】
ウェブ材料はまたコーティングされてもよい。好ましい実施態様では、ウェブ材料はポリビニルアルコールまたは多糖でコーティングされ、その結果、水の濾過効率は低下し、従って、エアロゾルはあまり乾燥されない。特に好ましい実施態様では、多糖は、デンプン、カルボキシメチルセルロース、グアー、デキストリン、ペクチンまたはそれらの混合物からなる群から選択される。ポリビニルアルコールは天然ポリマーでなく、非天然ポリマーの量はウェブ材料の質量の10%を超えないことに留意すべきである。
【0029】
ウェブ材料はまた含浸させてもよい。コーティングとは対照的に、含浸の場合には、適用される組成物は表面に留まるだけでなく、ウェブ材料の構造中に本質的に浸透する。好ましい実施態様では、ウェブ材料にグリセロールまたはプロピレングリコールを含浸させる。これらの物質は、グリセロールの濾過効率を高めることができ、これが多くの場合、喫煙物品のエアロゾル形成材中で保湿剤として働き、エアロゾルの発生を促進する。
【0030】
ウェブ材料はまた、エアロゾルの味を調整するために香味剤も含有し得る。香味剤は、ウェブ材料中に、化学的に結合した形態または物理的に結合した形態で含有され、例えば、封入され得る。好ましくは、香味剤は、メントール、エチルバニリングルコシド、バニリンおよびエチルバニリンからなる群から選択される。
【0031】
当業者は、サイジング剤、例えば、AKD、ASAもしくは樹脂などのウェブ材料のさらなる成分、または経験に従ったさらなる添加剤および手順を選択することができ、ここで、非天然ポリマーの量はウェブ材料の質量の10%未満でなければならないことに留意すべきである。
【0032】
ウェブ材料の坪量は、10g/m~70g/m、好ましくは20g/m~60g/m、特に好ましくは25g/m~50g/mである。坪量はISO 536:2012に従って決定することができる。坪量の選択は、ウェブ材料の加工性、特に、圧着または折り畳みの工程、およびセグメントに対する材料の量に影響を及ぼす。好ましい範囲は、材料の量と得られるセグメント特性を特に十分に兼ね備える。
【0033】
ウェブ材料の厚さは、25μm~400μm、好ましくは35μm~150μm、特に好ましくは40μm~100μmである。坪量と同様に、ウェブ材料の厚さも加工性に重要であり、セグメントの所望の特性の場合、好ましい範囲は、圧着または折り畳みに特に十分に適合された厚さをもたらす。厚さはISO 534:2011に従って決定することができる。
【0034】
坪量および厚さは一緒に、その密度を介して、ウェブ材料から製造されたセグメントの特性に影響を及ぼす。ウェブ材料の密度は、好ましくは100kg/m~1200kg/m、特に好ましくは200kg/m~700kg/m、極めて特に好ましくは300kg/m~600kg/mである。密度は、ウェブ材料の多孔構造、従って、濾過効率、熱伝達および通気抵抗の量を表す。好ましい範囲は、通気抵抗と濾過効率の良好な組合せを可能とする。密度は、ISO 534:2011に従って決定することができる。
【0035】
セグメントは、セグメント体積cm当たり20cm~90cmのウェブ材料、セグメント体積に対して、それぞれ、好ましくは30cm/cm~80cm/cm、特に好ましくは35cm/cm~70cm/cmを含有する。セグメント体積当たりのウェブ材料の面積は、どの程度密集してウェブ材料がセグメント内に充填されたかを表す。従って、それは通気抵抗に影響するだけでなく、セグメントの濾過特性、熱伝達および硬度にも影響する。ウェブ材料の面積は、例えば、ウェブ材料を秤量し、ウェブ材料の公称または測定坪量から計算することによって決定することができる。
【0036】
包装材料を含まないセグメント自体の密度は、50kg/m~300kg/m、好ましくは60kg/m~250kg/m、特に好ましくは70kg/m~200kg/mである。このパラメーターはまた、セグメントの通気抵抗、濾過効率および硬度にも本質的に影響を及ぼす。セグメントの密度は、包装材料は通気抵抗、濾過効率または熱伝達にほとんど影響を及ぼさないことから、包装材料を含まない、と示される。セグメントの密度の決定は計算によるものであり得る。これに関して、第一に、セグメント体積が決定されるが、これは例えば、円筒形セグメントの直径および長さから計算することができる。直径に対する包装材料の影響は無視できる。セグメントの質量は秤量により決定することができ、セグメントは包装材料で包装されている。包装材料の質量は、包装材料の面積と包装材料の公称または測定坪量から決定することができる。一例として、典型的な円筒形セグメントの場合、包装材料の面積は、セグメントの円周および包装材料のそれ自体との重なりならびにセグメントの長さから求める。
【0037】
包装材料の質量を、包装材料を含むセグメントの質量から減算し、セグメント体積で割ってその密度を計算する。数値例はさらに以下で詳細に示す。
【0038】
ウェブ材料の密度、包装材料を含まないセグメントの密度およびセグメント体積当たりのセグメント中のウェブ材料の面積は総て、セグメントの通気抵抗、濾過効率および熱伝達に影響を及ぼし、それにより、複雑な様式で相互作用するので、本発明者らは、これらの特性のある特定の組合せだけがセグメントの要件を適切に満たし得ることを見出した。これらの特性から計算されるパラメーターZは、そのために適切であることが見出され、パラメーターZは、
Z=ρWeb+5・ρSeg+12・AWeb
により計算され、式中、
ρWebは、ウェブ材料の密度kg/mであり、
ρSegは、包装材料を含まないセグメントの密度kg/mであり、かつ、
Webは、セグメントの体積当たりのウェブ材料の面積cm/cmである。
【0039】
このパラメーターZは、1300以上2800以下、好ましくは1350以上2600以下、特に好ましくは1400以上2400以下であるべきである。このような場合にのみ有利な特性を備えたセグメントが得られ、好ましい範囲でのみ、通気抵抗および濾過効率に特に有利な妥当性が得られる。
【0040】
セグメントの包装材料は、好ましくは紙、特に好ましくは、20g/m以上150g/m以下の坪量を有する紙、特に好ましくは、50g/m以上120g/m以下の坪量を有する紙である。セグメントに有利な特性を得るためには、セグメントの密度、従って硬度は比較的低い。よって、50g/m~150g/mの坪量を有する包装材料は、セグメントの硬度をさらに改善することができる。しかしながら、坪量は大きすぎてはならず、これはそうでなければ、包装材料の復元力がセグメントの製造、特に、包装材料のそれ自体との接着をより困難とするためである。
【0041】
包装材料の曲げ剛性は、セグメントの有利な硬度を得るために坪量と同じく重要である。従って、曲げ剛性は、好ましくは0.05Nmm以上0.90Nmm以下、特に好ましくは0.10Nmm以上0.80Nmm以下であるべきである。曲げ剛性は、ISO 5628:2012に従って、特に、この規格に記載される二点法に従って決定することができる。曲げ剛性は、そのサンプルがウェブ材料から採取された方向に依存し得る。上記の好ましい、および特に好ましい範囲によって定義される特徴は、少なくとも一方向の曲げ剛性が定義された好ましい、または特に好ましい範囲にある場合に得られる。
【0042】
本発明によるセグメントは、好ましくは円筒形であり、好ましくは、5mm以上9mm以下、特に好ましくは、7mm以上8.5mm以下の直径を有する。
【0043】
本発明によるセグメントは、好ましくは、4mm以上40mm以下の長さ、特に好ましくは、6mm以上35mm以下、極めて特に好ましくは、10mm以上28mm以下である。
【0044】
本発明によるセグメントは、喫煙物品の一成分であり得、従って、本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成材と本発明によるセグメントを含んでなる。
【0045】
好ましい実施態様では、喫煙物品は、少なくとも本発明によるセグメント、およびタバコを含有するさらなるセグメントを含んでなるフィルター付きシガレットである。特に好ましい実施態様では、本発明によるセグメントは、フィルター付きシガレットのフィルターのセグメントである。
【0046】
さらに好ましい実施態様では、喫煙物品は、この喫煙物品の意図した使用の間加熱されるのみで燃焼しない(das beim bestimmungsgemaessen Gebrauch des Rauchartikelsnur aufgeheizt aber nicht verbrannt wird)エアロゾル形成材を含有し、かつ、少なくとも1つの本発明によるセグメント、およびフィルターセグメントを含有する喫煙物品であり、ここで、前記の少なくとも1つの本発明によるセグメントは、エアロゾル形成材とフィルターセグメントの間に配置される。この配置では、少なくとも1つの本発明によるセグメントは、主としてエアロゾルを冷却する働きをする。
【0047】
本発明によるセグメントは、当技術分野で公知の手順に従って製造することができる。このような手順は一般に、ウェブ材料の圧着または折り畳み、前記ウェブ材料からの連続ロッドの製造、前記連続ロッドの包装材料による包装、および包装されたロッドの所望のサイズのセグメントへの切断を含んでなる。
【0048】
本発明によるセグメントを用いた喫煙物品もまた、当技術分野での手順に従って製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は、25のウェブ材料の組成をまとめた表(表1)を示す。
図2図2は、表1の25のウェブ材料のウェブ材料特性(幅、坪量、厚さ、密度)をまとめた表(表2)を示す。
図3図3は、表1および2のウェブ材料から製造された25のセグメントの特性(質量、密度、面積、パラメーターZ)をまとめた表(表3)を示す。
図4図4は、表3のセグメント機能的特性(通気抵抗、ニコチン、水およびグリセロールに関する濾過効率)をまとめた表(表4)を示す。
【0050】
好ましい実施態様の説明
以下、本発明を、いくつかの本発明による実施態様により、また本発明でない例と比較してより厳密に説明する。
【0051】
種々の繊維系ウェブ材料を当技術分野で公知の手順に従って製造し、幅175mm~315mmのリールを切り取った。これらのウェブ材料のリールを圧着し、それぞれの連続ロッドを製造し、坪量78g/mの包装材料で包装した。包装材料を含めたロッドの直径は7.85mmであり、ここで、包装材料の幅は27mmであり、従って、それ自体に接着するために約2.3mmの重なりがあった。
【0052】
ウェブ材料の組成を表1に示す。ウェブ材料は総て木材パルプから製造し、2つのウェブ材料22番と23番では、リヨセル(商標)繊維も使用し、示された40%というパーセンテージは、そのウェブ材料における総繊維質量中のリヨセル(商標)繊維の質量に関するものである。ウェブ材料4~6、12および13はまた、それらの質量の29.5%の沈降炭酸カルシウム(CaCO)も含有した。
【0053】
ウェブ材料16~21、24および25は酸化デンプンでコーティングし、ウェブ材料14、15、18および19にはグリセロールを含浸させた。ウェブ材料20および21にはプロピレングリコールを含浸させた。
【0054】
ウェブ材料の坪量は、ISO 536:2012に従って決定し、厚さおよび密度は、ISO 534:2011に従って決定した。結果を表2に示し、ここでは、ウェブ材料の番号は表1の番号に相当する。
【0055】
ウェブ材料から製造されたロッドを長さ各108mmのロッドに切断し、それらの質量を秤量により決定した。
【0056】
ウェブ材料1~25から製造されたロッドに関するデータを表3に示し、ここでもまた、ウェブ材料の番号は表1の番号に相当する。これに関して、表3の質量は、坪量78g/mの包装材料を含む長さ108mmのロッドの質量である。密度はロッドの質量および既知の外形から次のように計算した。
【0057】
幅27mmおよび長さ108mmの包装材料の質量は、
78g/m×0.027m×0.108m=0.227g
【0058】
ロッドの体積は、既知の外形から計算した。従って、
π/4×(7.85mm)×108mm=5227mm
【0059】
これに関して、包装材料の厚さは無視した。包装材料の質量を、包装材料を含むロッドの質量から減算し、結果を体積で割った。従って、例えば、ウェブ材料1から製造されたロッドの密度は、
(0.71g-0.227g)/5227mm=92.4kg/m
であった。
【0060】
パラメーターZも表3に示し、これは、
Z=ρWeb+5・ρSeg+12・AWeb
から計算し、式中、
ρWebは、ウェブ材料の密度kg/mであり、
ρSegは、包装材料を含まないセグメントの密度kg/mであり、かつ、
Webは、セグメントの体積当たりのウェブ材料の面積cm/cmである。
【0061】
パラメーターZは、ロッドまたはセグメントの外形、特に、直径および長さには依存せず、セグメントの内部構造だけを特徴付ける。
【0062】
長さ108mmのロッドの通気抵抗は、ISO 6565に従って測定した。長さ18mmのセグメントをロッドから切り取り、それから喫煙物品を製造した。
【0063】
喫煙物品は、いわゆる、加熱タバコ製品であり、喫煙物品中に含まれているタバコが加熱されるだけである。喫煙物品は、タバコを含むセグメント、流動方向に、その後に、エアロゾルを凝縮することができる移行セグメント、さらにその後に、主としてエアロゾルを冷却する働きをする本発明によるセグメント、最後にフィルターセグメントからなった。
【0064】
喫煙物品は市販の加熱装置で加熱し、ISO 3308に示されている方法に従って発煙させた。ウェブ材料8~25から製造されたセグメントについて、ニコチン、水およびグリセロールの濾過効率を測定した。これに関して、濾過効率は、セグメントに流入する物質の量に対する、セグメントに流入する物質の量とセグメントから流出する物質の量の差である。濾過効率は、パーセンテージとして表され、長さ18mmのセグメントに対するニコチン、水およびグリセロールに関してこの方法により決定した。
【0065】
表4では、長さ108mmのロッドの通気抵抗ならびにニコチン、水およびグリセロールに関する長さ18mmのセグメントの濾過効率を示す。ここでもまた、ウェブ材料の番号は表1の番号に相当する。
【0066】
ウェブ材料1~25から製造されたセグメントは、約1300~約2250のパラメーターZを有する本発明によるセグメントである。長さ108mmのロッドの通気抵抗は、17.9mmWG~63.9mmWGであり、エアロゾルを移行させ、低い通気抵抗を有するにすぎないか、またはエアロゾルを濾過し、かつさらに通気抵抗を増大させるかのセグメントの設計を可能とする。特に、組成に関しては同一であるウェブ材料2と11の比較は、通気抵抗に及ぼすセグメントの密度の影響を示す。セグメント密度が73.3kg/mであるウェブ材料2のセグメントは、23.8mmWGの通気抵抗(108mm)を与え、一方、密度170.5kg/mのウェブ材料11から製造されたセグメントは、54.5mmWGの通気抵抗(108mm)を有する。このことはセグメントの密度の重要性を示し、そのためにこれはパラメーターZの必須成分である。しかしながら、通気抵抗は、セグメントの密度によってだけ決定されるわけではない。
【0067】
ウェブ材料6および7は類似の坪量を有するが、ウェブ材料6は29.5%の炭酸カルシウムを含有するので、密度が実質的に高い。それらから製造されたセグメントは、同等の密度であり、セグメント体積当たりのウェブ材料の面積も同等である。しかしながら、それらは通気抵抗が実質的に異なり、ウェブ材料6から製造されたロッド(108mm)では63.9mmWGであり、ウェブ材料7およびから製造されたロッド(108mm)では30.5mmWGである。このことは、ウェブ材料の密度はそれ自体、それから製造されたセグメントの特性に対して独立した影響を及ぼし、従って、パラメーターZの必須成分をなすことを示す。
【0068】
セグメント体積当たりのウェブ材料の面積は、ウェブ材料の密度および包装材料を含まないセグメントの密度に依存するので、これもまた通気抵抗の必須の特性であり、従って、これもまたパラメーターZの成分である。
【0069】
デンプンでコーティングされたウェブ材料16~21のセグメントは総て、水に対して、比較可能なウェブ材料8、9および11からのセグメントよりも低い濾過効率を示すが、ニコチンおよびグリセロールの濾過効率にほとんど違いはない。従って、このことは、酸化デンプンによるコーティングが水の濾過効率を調整するために使用可能であることを示す。
【0070】
ウェブ材料18~21のグリセロールまたはプロピレングリコールによる含浸は、それから製造されたセグメントに、ニコチンおよびグリセロールに関して、このような含浸のないウェブ材料16および17からのセグメントに比べて実質的に高い濾過効率をもたらす。よって、ニコチンおよびグリセロールの濾過効率は、含浸により調整することができる。
【0071】
まとめると、ウェブ材料1~25から製造された総てのセグメントは、喫煙物品内のセグメントとして有用であり、エアロゾルの冷却ならびにエアロゾルの濾過に役立ち得る。ウェブ材料1~25から製造された総てのセグメントの生分解性は、使用された成分からそのまま得られ、さらに試験しなかった。本発明によるセグメントを用いれば、喫煙物品で使用するための有利な特性が得られ、しかも優れた生分解性が達成できることが示された。
【0072】
本発明ではない下記の二例は、パラメーターZが本発明によるセグメントと本発明ではないセグメントとの差別化に不可欠であることを示す。
【0073】
包装材料を含まない密度が90.4kg/mであり、セグメント体積当たりのウェブ材料の面積が36.9cm/cmであるセグメントがウェブ材料7から製造された。このセグメントのパラメーターZは、
350.0+5・90.4+12・36.9=1244.8
であり、従って、本発明による1300~2800の範囲外にある。
【0074】
このウェブ材料からの長さ108mmのロッドは、12.3mmWGの通気抵抗を持つに過ぎず、これは喫煙物品での適用として低すぎる。加えて、78g/mの包装材料にもかかわらず、セグメントの硬度は、喫煙物品にさらに加工するには十分でない。このセグメントは、パラメーターZに関する要件を除いて本発明による要件の総てを満たしたことに留意すべきである。
【0075】
包装材料を含まない密度が233.9kg/mであり、セグメント体積当たりのウェブ材料の面積が89.9cm/cmであるセグメントがウェブ材料12から製造された。このセグメントのパラメーターZは、
604.7+5・233.9+12・89.9=2853.6
であり、従って、本発明による1300~2800の範囲外にある。
【0076】
水に関するこのセグメントの濾過効率は、ウェブ材料12における高い炭酸カルシウム含量にもかかわらず65%を超え、従って、乾燥しすぎたエアロゾルが生じ、よって、消費者に許容されない味となった。この場合も、このセグメントは、パラメーターZに関する要件を除いて本発明による要件の総てを満たしたことに留意すべきである。
【0077】
よって、本発明ではない2つの比較例は、パラメーターZが満足のいく特性を有するセグメントを得るために不可欠であることを示す。
図1
図2
図3
図4