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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220308BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 342
G09F9/00 366A
G06F3/041 662
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017251831
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019117327
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 瞬
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242805(JP,A)
【文献】特開2007-286156(JP,A)
【文献】特開2005-062777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0120674(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102981658(CN,A)
【文献】特開2007-293810(JP,A)
【文献】特開2009-037182(JP,A)
【文献】特開2012-168257(JP,A)
【文献】特開2013-052774(JP,A)
【文献】特開2015-138088(JP,A)
【文献】特開2015-187618(JP,A)
【文献】国際公開第2009/031266(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/162019(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133
1/1333-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G06F3/03
G06F3/033-3/039
G06F3/041-3/047
G09F9/00
G09F9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの外周を覆った矩形の枠部と、
前記表示パネルと対面して配置され、前記表示パネルの外形より大きい外形を有するカバーパネルと、
前記枠部と前記カバーパネルとの間に介在して前記枠部と前記カバーパネルとを接着する、前記枠部の各辺に沿って配置された4つの接着部材と、
を備え、
前記枠部の3つの角部に、前記表示パネルと前記カバーパネルと前記接着部材とで囲われた空間部により枠部の外側と連通し、前記空間部と前記枠部の外側との間に曲部を有する連通路を構成し、
前記枠部は、他の角部に、前記接着部材の非貼着領域であり、前記枠部が露出した位置決め部を有し、
前記連通路は、前記角部において隣接する一方の前記接着部材の前記角部側の端部に形成された凸部と、他方の前記接着部材の前記角部側の端部と前記端部に形成された凸部と前記端部に形成された切欠部との間に形成された、前記曲部に対応して位置する貯留部を有し、
前記枠部の外側と前記曲部との間の空気の流通方向と、前記空間部と前記曲部との間の空気の流通方向との間の角度は、鋭角であり、
前記貯留部は、前記連通路より幅が広く、前記枠部の外側と前記曲部との間の前記連通路の突き当りに位置する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記他の角部において隣接する一方の前記接着部材の前記他の角部側の端部と、他方の前記接着部材の前記他の角部側の端部との間に位置した矩形状に形成され、前記枠部と前記カバーパネルとを接着する際に、前記枠部の前記他の角部に対して前記カバーパネルの角部を押し付けて位置決め可能な形状に形成されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記連通路は、前記連通路を流れる空気の流通方向における外部空間側の端部において、前記連通路の幅が狭められている請求項1または2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、AV一体型のカーナビゲーションシステムまたはカーオーディオなど、表示面を有する表示パネルとタッチパネルとが接着された表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、枠状の液晶カバーの前面に部分的にのみタッチパネル本体を貼着し、残余の非貼着部分にはタッチパネル本体に密接する防塵用スペーサーを介在させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-242423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着した表示パネルとタッチパネルとの間には、空間部が形成される。パネル間の空間部で結露を生じないように、空間部と外部との間に空気の流路を確保する必要がある。ところが、流路の大きさまたは形状によっては、空間部へ外部から埃が侵入するおそれがある。そこで、空間部への埃の侵入を抑制することが望まれている。
【0005】
また、表示装置の組み付け時、タッチパネルを表示パネルに対して位置決めする際に、タッチパネルが表示パネル上の接着部材に接触すると、タッチパネルの位置の調整が困難になるおそれがある。そこで、タッチパネルの位置の調整を可能にし、組み付けを容易にすることが望まれている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、パネル間の空間部への埃の侵入を抑制し、組み付けを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの外周を覆った枠部と、前記表示パネルと対面して配置されるカバーパネルと、前記枠部と前記カバーパネルとの間に介在して前記枠部と前記カバーパネルとを接着する接着部材と、を備え、前記枠部の角部に、前記枠部と前記カバーパネルと前記接着部材とで囲われた空間により枠部の外側と連通する連通路を構成し、前記枠部は、他の角部に、前記接着部材の非貼着領域であり、前記枠部が露出した位置決め部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パネル間の空間部への埃の侵入を抑制し、組み付けを容易にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態に係る表示装置の表示パネルと接着部材とを示す正面図である。
図2図2は、第一実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図3図3は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。
図4図4は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。
図5図5は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。
図6図6は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。
図7図7は、第一実施形態に係る表示装置の断面図である。
図8図8は、第一実施形態に係る表示装置の断面図である。
図9図9は、第二実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。
図10図10は、第三実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る表示装置1の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
図1は、第一実施形態に係る表示装置の表示パネルと接着部材とを示す正面図である。図2は、第一実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図3は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。図4は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。図5は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。図6は、第一実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。表示装置1は、例えば、AV一体型のカーナビゲーションシステムまたはカーオーディオなどにおいて映像を表示する。
【0012】
以下の説明において、各方向は、表示装置1を車両に搭載した状態で定義する。前後方向とは、車両直進時の進行方向と平行な方向であり、ウインドシールドから運転席に向かう側を前後方向の「前」、運転席からウインドシールドに向かう側を前後方向の「後」とする。前後方向を、X軸方向とする。左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。ウインドシールドへ向かって、左手側が「左」、右手側が「右」である。左右方向を、Y軸方向とする。上下方向とは、前後方向および左右方向に対して直交する方向である。上下方向を、Z軸方向とする。したがって、前後方向、左右方向および鉛直方向は、3次元で直交する。
【0013】
表示装置1は、運転席に面して配置される。表示装置1は、表示パネルユニット2と、タッチパネル(カバーパネル)3と、接着テープ(接着部材)4とを有する。
【0014】
表示パネルユニット2は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイを含むディスプレイを有するユニットである。表示パネルユニット2は、映像を表示する。表示パネルユニット2は、表示パネル21と枠部22とを有する。
【0015】
表示パネル21は、映像を表示するディスプレイ本体である。表示パネル21は、表示面が運転席と向かい合って配置される。本実施形態では、表示パネル21は、矩形の平面状に形成されている。
【0016】
枠部22は、表示パネル21の外周を覆う枠状に配置されている。言い換えると、枠部22の内側に、表示パネル21が配置されている。X軸方向視において、枠部22は、表示パネル21の上下左右に張り出している。本実施形態では、枠部22は、表示パネル21に対応した開口を有する壁部221と壁部221の周縁部からX軸方向に立設された側壁部222とが一体に形成されている。枠部22は、例えば、樹脂材で構成されている。
【0017】
壁部221は、枠状に形成されている。壁部221は、一対の右壁部2211および左壁部2212と、一対の上壁部2213および下壁部2214とが一体に形成されている。右壁部2211と上壁部2213との接続部を角部221Aという。右壁部2211と下壁部2214との接続部を角部221Bという。左壁部2212と下壁部2214との接続部を角部221Cという。左壁部2212と上壁部2213との接続部を角部(他の角部)221Dという。
【0018】
壁部221は、角部221Dにおいて、接着テープ4が貼り付けられず、壁部221が露出する位置決め部223を有する。
【0019】
側壁部222は、筒状に形成されている。側壁部222は、壁部221の周縁からX軸方向に立設されている。言い換えると、筒状の側壁部222のX軸方向の中間部に、壁部221が配置されている。側壁部222は、右壁部2211からX軸方向に立設された右側壁部2221と、左壁部2212からX軸方向に立設された左側壁部2222と、上壁部2213からX軸方向に立設された上側壁部2223と、下壁部2214からX軸方向に立設された下側壁部2224とが一体に形成されている。
【0020】
位置決め部223は、表示パネルユニット2にタッチパネル3を組み付ける際に、表示パネル21に対してタッチパネル3を押し当てながら位置決めする部分である。位置決め部223は、表示パネルユニット2とタッチパネル3とを接着する際に、角部221Dに対してタッチパネル3を押し付けて位置決め可能な形状に形成されている。本実施形態では、位置決め部223の寸法は、例えば、縦3mm程度以上、横5mm程度以下の矩形状に形成されている。位置決め部223は、壁部221において接着テープ4が貼り付けられていない、接着テープ4の非貼付領域である。本実施形態では、位置決め部223は、表示パネル21の上側の端部21bより上側で左側の端部21dより左側の領域である。
【0021】
タッチパネル3は、表示パネル21と対面して配置されるタッチ式の入力装置である。タッチパネル3は、表示パネル21に対応したタッチ操作を検出する検出領域を有する。タッチパネル3は、矩形の平面状に形成されている。本実施形態では、タッチパネル3は、表示パネル21の外形より大きい外形を有する。
【0022】
接着テープ4は、枠部22の壁部221とタッチパネル3との間に介在して、表示パネルユニット2とタッチパネル3とを接着する。接着テープ4は、表面と表面と反対側の裏面とに接着剤が塗布されている。本実施形態では、接着テープ4は、4本の接着テープ(接着部材)41と接着テープ(接着部材)42と接着テープ(接着部材)43と接着テープ(接着部材)44とを含む。4本の接着テープ41と接着テープ42と接着テープ43と接着テープ44との区別を特に要しない場合、接着テープ4として説明する。
【0023】
接着テープ41は、上壁部2213にY軸方向に沿って貼り付けられている。接着テープ41は、右側の端部41aが表示パネル21の右側の端部21aより右側に位置している。接着テープ41は、左側の端部41bが表示パネル21の左側の端部21dとY軸方向における同程度の位置にある。
【0024】
接着テープ42は、右壁部2211にZ軸方向に沿って貼り付けられている。接着テープ42は、上側の端部42aが表示パネル21の上側の端部21bより下側に位置している。接着テープ42は、上部に延設部421が配置されている。延設部421は、矩形状に形成されている。延設部421のY軸方向の幅は、接着テープ42のY軸方向の幅より狭い。延設部421は、上側の端部421aが接着テープ41の上側の端部41cとZ軸方向における同程度の位置にある。接着テープ42は、下側の端部42bが表示パネル21の下側の端部21cより下側に位置している。
【0025】
接着テープ43は、下壁部2214にY軸方向に沿って貼り付けられている。接着テープ43は、右側の端部43aが表示パネル21の右側の端部21aより左側に位置している。接着テープ43は、右側部に延設部431が配置されている。延設部431は、矩形状に形成されている。延設部431のZ軸方向の幅は、接着テープ43のZ軸方向の幅より狭い。延設部431は、右側の端部431aが接着テープ42の右側の端部42cとY軸方向における同程度の位置にある。接着テープ43は、左側の端部43bが表示パネル21の左側の端部21dより右側に位置している。接着テープ43は、左側部に延設部432が配置されている。延設部432は、矩形状に形成されている。延設部432のZ軸方向の幅は、接着テープ43のZ軸方向の幅より狭い。延設部432は、左側の端部432aが接着テープ44の左側の端部44bとY軸方向における同程度の位置にある。
【0026】
接着テープ44は、左壁部2212にZ軸方向に沿って貼り付けられている。接着テープ44は、上側の端部44aが表示パネル21の上側の端部21bより下側に位置している。接着テープ44は、下側の端部44cが表示パネル21の下側の端部21cより下側に位置している。
【0027】
このように構成された接着テープ4は、表示パネル21を囲んで、枠部22の壁部221に貼り付けられている。壁部221に貼り付けられた接着テープ4は、角部221Aと角部221Bと角部221Cとに、表示パネル21とタッチパネル3と接着テープ4とで囲われた図示しない空間部(以下、「パネル間の空間部」という。)と枠部22の外側とを連通する連通路S1と連通路S2と連通路S3とを有する。連通路S1と連通路S2と連通路S3とは、枠部22とタッチパネル3と接着テープ4とで囲われた空間により枠部22の外側と連通する。
【0028】
連通路S1は、角部221Aに形成されている。連通路S1は、接着テープ41の右側部と、接着テープ42の上部および延設部421との間に形成される。連通路S1は、一つの屈曲部(曲部)を有するL字型に形成されている。連通路S1の一方の端部S1aは、表示パネル21の右上角部211に面して、左側方に向かって開口している。連通路S1の他方の端部S1bは、枠部22の外側の上方に向かって開口している。連通路S1の空気の流通方向に対する直交方向の幅は、例えば、3mm程度以下にすることが好ましい。
【0029】
連通路S2は、角部221Bに形成されている。連通路S2は、接着テープ42の下部と、接着テープ43の右側部および延設部431との間に形成される。連通路S2は、一つの屈曲部を有するL字型に形成されている。連通路S2の一方の端部S2aは、表示パネル21の右下角部212に面して、上方に向かって開口している。連通路S2の他方の端部S2bは、枠部22の外側の右側方に向かって開口している。連通路S2の空気の流通方向に対する直交方向の幅は、例えば、3mm程度以下にすることが好ましい。
【0030】
連通路S3は、角部221Cに配置されている。連通路S3は、接着テープ43の左側部および延設部432と、接着テープ44の下部との間に形成される。連通路S3は、一つの屈曲部を有するL字型に形成されている。連通路S3の一方の端部S3aは、表示パネル21の左下角部213に面して、上方に向かって開口している。連通路S3の他方の端部S3bは、枠部22の外側の左側方に向かって開口している。連通路S3の空気の流通方向に対する直交方向の幅は、例えば、3mm程度以下にすることが好ましい。
【0031】
また、上述したように壁部221に貼り付けられた接着テープ4は、角部221Dに位置する位置決め部223には貼り付けられない。接着テープ41の左側の端部41bと接着テープ44の上側の端部44aとの間に位置決め部223が形成される。
【0032】
次に、表示装置1の組み付け方法および作用について説明する。表示装置1を車両に組み付ける前に、表示パネルユニット2にタッチパネル3が組み付けられる。表示装置1の組み付け方法は、接着テープ4を表示パネルユニット2に貼り付ける工程と、表示パネルユニット2にタッチパネル3を位置決めする工程と、表示パネルユニット2にタッチパネル3を貼り付ける工程とを含む。
【0033】
接着テープ4を表示パネルユニット2に貼り付ける工程について説明する。接着テープ41は、上壁部2213にY軸方向に沿って貼り付けられる。接着テープ42は、右壁部2211にZ軸方向に沿って貼り付けられる。接着テープ43は、下壁部2214にY軸方向に沿って貼り付けられる。接着テープ44は、左壁部2212にZ軸方向に沿って貼り付けられる。角部221Aにおいて、接着テープ41の右側部と、接着テープ42の上部および延設部421とは間隔を空けて貼り付けられる。角部221Aには、連通路S1が形成される。角部221Bにおいて、接着テープ42の下部と、接着テープ43の右側部および延設部431とは間隔を空けて貼り付けられる。角部221Bには、連通路S2が形成される。角部221Cにおいて、接着テープ43の左側部および延設部432と、接着テープ44の下部とは間隔を空けて貼り付けられる。角部221Cには、連通路S3が形成される。角部221Dにおいて、接着テープ41の左側の端部41bと接着テープ44の上側の端部44aとは間隔を空けて貼り付けられる。角部221Dには、位置決め部223が形成される。
【0034】
表示パネルユニット2にタッチパネル3を位置決めする工程について説明する。接着テープ4を表示パネルユニット2に貼り付けた後に実行する。タッチパネル3の左上部3aを、壁部221の位置決め部223に押し当てる。そして、タッチパネル3を表示パネル21に対して適切な配置に位置決めする。このとき、位置決め部223には接着テープ4が貼り付けられていないので、タッチパネル3を位置決め部223に押し当てても、不用意にタッチパネル3が接着されることが抑制される。
【0035】
表示パネルユニット2にタッチパネル3を貼り付ける工程について説明する。表示パネルユニット2にタッチパネル3を位置決めした後に実行する。位置決めしたタッチパネル3を表示パネル21側に押し付けながら、タッチパネル3を接着テープ4に貼り付ける。
【0036】
このようにして、タッチパネル3が表示パネルユニット2に組み付けられて、表示装置1が組み付けられる。タッチパネル3が表示パネルユニット2に組み付けられた状態の表示装置1(以下、「組み付けられた表示装置1」という。)においては、表示パネル21とタッチパネル3とが対面する。
【0037】
組み付けられた表示装置1においては、角部221Aと角部221Bと角部221Cとに、パネル間の空間部と枠部22の外側とを連通する連通路S1と連通路S2と連通路S3とが配置されている。連通路S1と連通路S2と連通路S3とは、同様の作用を有するので、代表として連通路S1について説明し、連通路S2と連通路S3とについては説明を省略する。連通路S1によってパネル間の空間部と枠部22の外側とが連通されて、パネル間の空間部の空気と枠部22の外側の空気とが流通する。
【0038】
また、枠部22の外側からパネル間の空間部へ埃が侵入しようとしても、連通路S1が屈曲しているので、パネル間の空間部へ到達しにくくなっている。
【0039】
図7図8を参照して、組み付けられた表示装置1における組み付けの精度について説明する。図7は、第一実施形態に係る表示装置の断面図である。図8は、第一実施形態に係る表示装置の断面図である。位置決め部223が配置された角部221Dにおいて、表示パネルユニット2にタッチパネル3が位置決めされる。これにより、図7に示すように、角部221Dにおいては、タッチパネル3と左側壁部2222との隙間の距離d1が小さくなる。これに対して、角部221D以外の角部221Aと角部221Bと角部221Cとにおいては、位置決め部223において位置決めされた位置に応じて、タッチパネル3と側壁部222との隙間の距離が決まる。例えば、図8に示すにように、角部221Aにおいては、タッチパネル3と右側壁部2221との隙間の距離d2は、距離d1より大きくなる。
【0040】
上述したように、本実施形態は、角部221Aに連通路S1が形成され、角部221Bに連通路S2が形成され、角部221Cに連通路S3が形成されている。本実施形態では、連通路S1と連通路S2と連通路S3とがそれぞれ曲部を有する。本実施形態によれば、埃が枠部22の外側からパネル間の空間部へ到達することを抑制することができる。
【0041】
本実施形態によれば、連通路S1と連通路S2と連通路S3とによって、パネル間の空間部と枠部22の外側とが連通される。本実施形態によれば、パネル間の空間部の空気と枠部22の外側の空気との温度差が低減される。これにより、本実施形態は、パネル間の空間部に結露が生じることを抑制することができる。
【0042】
本実施形態は、連通路S1と連通路S2と連通路S3とによって、パネル間の空間部の空気と枠部22の外側の空気との温度差に応じて、表示装置1の上側または下側から空気を効率的に流通させることができる。
【0043】
本実施形態では、位置決め部223には接着テープ4が貼り付けられていない。これにより、本実施形態では、タッチパネル3を位置決め部223に押し当てた際に、不用意にタッチパネル3が接着されることを抑制することができる。本実施形態によれば、タッチパネル3を容易に位置決めすることができる。
【0044】
本実施形態は、位置決め部223が配置された角部221Dにおいて、表示パネルユニット2にタッチパネル3が位置決めされる。これにより、本実施形態によれば、タッチパネル3と左側壁部2222との隙間の距離d1が小さくなるように組み付けることができる。本実施形態は、位置決め部223に生じる隙間を小さく抑えることにより、位置決め部223からパネル間の空間部へ埃が侵入することを規制することができる。
【0045】
[第二実施形態]
図9を参照しながら、本実施形態に係る表示装置1について説明する。図9は、第二実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。表示装置1は、基本的な構成は第一実施形態の表示装置1と同様である。以下の説明においては、表示装置1と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、連通路S4の形状が第一実施形態と異なる。本実施形態では、一例として、角部221Aに配置された連通路S4について説明する。
【0046】
接着テープ51は、右側の端部51aに湾曲凸部511を有する。湾曲凸部511は、右側の端部51aより右側に半円状に突出して形成されている。
【0047】
接着テープ52は、上側の端部52aに湾曲凸部522を有する。湾曲凸部522は、上側の端部52aより上側に半円状に突出して形成されている。接着テープ52の上部に形成された延設部521は、左上部に湾曲凸部523を有する。湾曲凸部523は、延設部521より左側に半円状に突出して形成されている。
【0048】
連通路S4は、接着テープ51の右側部と、接着テープ52および延設部521との間に形成される。連通路S4の一方の端部S4aは、湾曲凸部522によって通路の幅が狭められている。連通路S4の他方の端部S4bは、対面して配置された湾曲凸部511と湾曲凸部523とによって通路の幅が狭められている。連通路S4には、上側の端部52aと延設部521と湾曲凸部522とによって囲まれた溜まり部(貯留部)T1が形成されている。
【0049】
溜まり部T1は、枠部22の外側と対向する側に配置されている。溜まり部T1は、連通路S4の屈曲部と連通している。溜まり部T1は、連通路S4の他方の端部S4bから連通路S4に侵入した埃の溜まり場である。溜まり部T1は、第一実施形態における連通路S1の屈曲部に対応する位置に配置されている。他方の端部S4bから連通路S4に進入した埃は、溜まり部T1に浸入する。溜まり部T1に侵入した埃が一方の端部S4aに到達するためには、湾曲凸部522の凸部を乗り越える必要がある。
【0050】
上述したように、本実施形態によれば、連通路S4は、一方の端部S4aと他方の端部S4bとにおいて、連通路S4の幅が狭められている。本実施形態は、パネル間の空間部へ埃が侵入することを規制することができる。本実施形態は、連通路S4の出入口部の幅が狭く空気の流速が速くなるので、空気とともに侵入した埃は、溜まり部T1に突き当たって留まり易くなる。
【0051】
本実施形態は、連通路S4の屈曲部に溜まり部T1が形成されている。本実施形態によれば、連通路S4へ侵入した埃がパネル間の空間部へ侵入しないように溜まり部T1に溜め置くことができる。
【0052】
[第三実施形態]
図10を参照しながら、本実施形態に係る表示装置1について説明する。図10は、第三実施形態に係る表示装置の角部における表示パネルと接着部材とを示す部分拡大図である。本実施形態では、連通路S5の形状が第一実施形態と異なる。本実施形態では、一例として、角部221Aに配置された連通路S5について説明する。
【0053】
接着テープ61は、右側に凸部611を有する。凸部611は、接着テープ61の下側の端部61aより下方に突出している。凸部611は、右下側に台形状に突出して形成されている。
【0054】
接着テープ62は、右上側に形成された凸部621と切欠部622とを有する。凸部621は、右上側に台形状に突出して形成されている。凸部621は、接着テープ62の上側の端部62aより上方に突出している。切欠部622は、接着テープ62の上側の端部62aを切り欠いて形成されている。切欠部622は、第一実施形態における連通路S1の屈曲部に連通する位置に配置されている。
【0055】
連通路S5は、凸部611と接着テープ62の上側の端部62aと凸部621と切欠部622との間に形成される。連通路S5には、切欠部622によって溜まり部(貯留部)T2が形成されている。
【0056】
溜まり部T2は、枠部22の外側と対向する側に配置されている。溜まり部T2は、連通路S5の他方の端部S5bから連通路S5に侵入した埃の溜まり場である。溜まり部T2は、第一実施形態における連通路S1の屈曲部に対応する位置に配置されている。連通路S5の一方の端部S5aと溜まり部T2とを結ぶ線分と、連通路S5の他方の端部S5bと溜まり部T2とを結ぶ線分との間の角度は鋭角である。言い換えると、連通路S5は、枠部22の外側と屈曲部との間の空気の流通方向と、パネル間の空間部と屈曲部との間の空気の流通方向との間の角度が鋭角である。
【0057】
上述したように、本実施形態によれば、連通路S5は、連通路S5の一方の端部S5aと溜まり部T2とを結ぶ線分と、連通路S5の他方の端部S5bと溜まり部T2とを結ぶ線分との間の角度は鋭角である。本実施形態では、連通路S5に流入した空気は、溜まり部T2において渦を生じやすくなる。これにより、本実施形態によれば、連通路S5の他方の端部S5bから侵入した埃が、一方の端部S5aへ到達することを低減することができる。本実施形態によれば、連通路S5へ侵入した埃がパネル間の空間部へ侵入しないように溜まり部T2に確実に溜め置くことができる。
【0058】
さて、これまで本発明に係る表示装置1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。上記で説明した表示装置1の構成は、一例であり、これに限定されるものではない。
【0059】
上記の説明では、表示パネル21と枠部22とをユニット化した表示パネルユニット2として説明したが、これに限定されない。表示パネル21と枠部22とは、ユニット化されない別部品であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 表示装置
2 表示パネルユニット
21 表示パネル
22 枠部
221 壁部
221A 角部
221B 角部
221C 角部
221D 角部(他の角部)
222 側壁部
223 位置決め部
3 タッチパネル(カバーパネル)
4 接着テープ(接着部材)
41 接着テープ(接着部材)
42 接着テープ(接着部材)
43 接着テープ(接着部材)
44 接着テープ(接着部材)
S1 連通路
S2 連通路
S3 連通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10