(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】画像形成装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
G03G15/00 303
(21)【出願番号】P 2018040647
(22)【出願日】2018-03-07
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内貴 繁喜
(72)【発明者】
【氏名】國久 哲平
(72)【発明者】
【氏名】廣田 創
(72)【発明者】
【氏名】赤司 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】鶴 謙治
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-064715(JP,A)
【文献】特開2008-040441(JP,A)
【文献】特開2005-017542(JP,A)
【文献】特開2017-198849(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0002990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記制御部は、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行するように構成されており、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記制御部は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行し、前記所定の条件が成立していなければ前記第2調整処理を実行
し、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
前記所定の条件は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが予め定められた回数到来したときに、当該予め定められた回数のうち、所与の回は前記第1調整処理を実行し、残りの回は前記第2調整処理を実行すること、を含み、
前記制御部は、前記像担持体を用いた画像形成動作の累積量が多くなるほど、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、前記所定の条件を更新する、画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記制御部は、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行するように構成されており、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記制御部は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行し、前記所定の条件が成立していなければ前記第2調整処理を実行
し、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
前記所定の条件は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが予め定められた回数到来したときに、当該予め定められた回数のうち、所与の回は前記第1調整処理を実行し、残りの回は前記第2調整処理を実行すること、を含み、
前記第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで、トナー付着量の取得のための物理量が検出され、
前記第1調整処理は、前記複数個所のそれぞれについて、前記固有目標付着量を決定し、
前記制御部は、前記複数個所のそれぞれに対して決定された前記固有目標付着量の間の差分値が予め定められた量以上となった場合に、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、前記所定の条件を更新する、画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記制御部は、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行するように構成されており、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記制御部は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行し、前記所定の条件が成立していなければ前記第2調整処理を実行
し、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
複数の感光体をさらに備え、
前記所定の条件は、前記複数の感光体のうち予め定められた個数の感光体が交換された後に初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したこと、を含み、
前記制御部は、前記像担持体を用いた画像形成動作の累積量が多くなるほど前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、前記所定の条件を更新する、画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記制御部は、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行するように構成されており、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記制御部は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行し、前記所定の条件が成立していなければ前記第2調整処理を実行
し、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
複数の感光体をさらに備え、
前記所定の条件は、前記複数の感光体のうち予め定められた個数の感光体が交換された後に初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したこと、を含み、
前記第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで、トナー付着量の取得のための物理量が検出され、
前記第1調整処理は、前記複数個所のそれぞれについて、前記固有目標付着量を決定し、
前記制御部は、前記複数個所のそれぞれに対して決定された前記固有目標付着量の間の差分値が予め定められた量以上となった場合に、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、前記所定の条件を更新する、画像形成装置。
【請求項5】
中間転写ベルトをさらに備え、
前記所定の条件を更新することは、前記所定の条件を、「前記複数の感光体のうち予め定められた個数の感光体が交換された後に初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したこと」から「前記複数の感光体のうち予め定められた個数の感光体が交換された後、または、前記中間転写ベルトが交換された後に、初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したこと」へと変更することを含む、請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1調整処理は、
前記複数個所のそれぞれについて、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係を用いて、前記所与のトナー付着量を実現するための画像形成条件を決定し、
前記複数個所のそれぞれについて決定された画像形成条件の平均値として、前記第1画像形成条件を決定する、請求項1
~請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1調整処理は、
前記1か所について、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係を用いて、前記第1画像形成条件に従って実現されるトナー付着量として、前記固有目標付着量を決定する、請求項1
~請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2調整処理は、
前記1か所について、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係を用いて、前記固有目標付着量を実現するための画像形成条件として、前記第2画像形成条件を決定する、請求項1~請求項
7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記所定の条件は、前記像担持体が交換されてから初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したことを含む、請求項1~請求項
8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成部は、複数の色の画像を形成し、
前記制御部は、前記複数の色のうち少なくとも1つの色について前記所定の条件が成立した場合に、前記第1調整処理を実行する、請求項1~請求項
9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで、トナー付着量の取得のための物理量が検出され、
前記制御部は、前記複数のセンサーのうち第1センサーの検出値から取得されたトナー付着量が所定の範囲外である場合には、前記所定の条件が成立した場合であっても、前記第2調整処理を実行し、
前記第2調整処理における前記1か所は、前記複数のセンサーのうち前記第1センサー以外のセンサーによって物理量を検出される、請求項1~請求項
10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部を制御するコンピューターによって実行されるプログラムであって、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記プログラムは、前記コンピューターに、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行させ、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行させ、前記所定の条件が成立していなければ、前記第2調整処理を実行させ
、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
前記所定の条件は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが予め定められた回数到来したときに、当該予め定められた回数のうち、所与の回は前記第1調整処理を実行し、残りの回は前記第2調整処理を実行すること、を含み、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記所定の条件を、前記像担持体を用いた画像形成動作の累積量が多くなるほど前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、更新させる、プログラム。
【請求項13】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部を制御するコンピューターによって実行されるプログラムであって、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記プログラムは、前記コンピューターに、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行させ、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行させ、前記所定の条件が成立していなければ、前記第2調整処理を実行させ
、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
前記所定の条件は、前記画像形成部を調整するべきタイミングが予め定められた回数到来したときに、当該予め定められた回数のうち、所与の回は前記第1調整処理を実行し、残りの回は前記第2調整処理を実行すること、を含み、
前記第1調整処理では、前記第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで検出されたトナー付着量の取得のための物理量を用いて、前記複数個所のそれぞれについて、前記固有目標付着量を決定し、
前記プログラムは、前記複数個所のそれぞれに対して決定された前記固有目標付着量の間の差分値が予め定められた量以上となった場合に、前記コンピューターに、前記所定の条件を、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、前記所定の条件を更新させる、プログラム。
【請求項14】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部を制御するコンピューターによって実行されるプログラムであって、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記プログラムは、前記コンピューターに、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行させ、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行させ、前記所定の条件が成立していなければ、前記第2調整処理を実行させ
、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
前記画像形成部は、複数の感光体をさらに含み、
前記所定の条件は、前記複数の感光体のうち予め定められた個数の感光体が交換された後に初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したこと、を含み、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記所定の条件を、前記像担持体を用いた画像形成動作の累積量が多くなるほど前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、更新させる、プログラム。
【請求項15】
記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部を制御するコンピューターによって実行されるプログラムであって、
前記画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、
前記プログラムは、前記コンピューターに、
前記像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第1調整処理と、
前記像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、前記画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行させ、
前記像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、
前記第1の方向は、前記像担持体の回転方向に交わる方向であり、
前記第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として前記第1画像形成条件を決定し、前記第1画像形成条件に従って前記画像形成部が調整されたときの前記1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、
前記第2調整処理は、前記1か所のトナー付着量を前記固有目標付着量にするための条件として前記第2画像形成条件を決定し、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば前記第1調整処理を実行させ、前記所定の条件が成立していなければ、前記第2調整処理を実行させ
、
前記画像形成部を調整するべきタイミングは、前記画像形成部において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、または、一定時間ごとに到来し、
前記画像形成部は、複数の感光体をさらに含み、
前記所定の条件は、前記複数の感光体のうち予め定められた個数の感光体が交換された後に初めて前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したこと、を含み、
前記第1調整処理では、前記第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで検出されたトナー付着量の取得のための物理量を用いて、前記複数個所のそれぞれについて、前記固有目標付着量を決定し、
前記プログラムは、前記複数個所のそれぞれに対して決定された前記固有目標付着量の間の差分値が予め定められた量以上となった場合に、前記コンピューターに、前記所定の条件を、前記画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの前記第1調整処理の実行頻度が高くなるように、前記所定の条件を更新させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置における、トナー付着量の調整に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラー帯電方式を採用する画像形成装置では、当該装置の使用に伴って、感光体の外側の膜が減耗される。この減耗は、トナーに含まれる滑材が感光体に転移することによって抑制され得る。感光体への滑材の転移量が主走査方向において一定ではない場合、感光体の膜厚の減耗に主走査方向において傾斜が発生し得る。
【0003】
画像形成装置は、トナー付着量の制御に、印刷する色ごとに1つのIDC(Image Density Control)センサーを用いる。IDCセンサーは、たとえば反射型フォトセンサーによって実現される。より具体的には、画像形成装置は、IDCセンサーに、中間転写ベルト上に形成されたトナー付着量調整用パターンを検出させ、当該検出の結果を用いて、各色のトナーの付着量を調整する。
【0004】
上記の通り、主走査方向において膜厚の減耗に傾斜が発生している場合があり得る。これに対し、特開2014-132318号公報(特許文献1)では、主走査方向に複数のIDCセンサーを配置し、同じトナー付着量調整用パターンを読み取ってそれぞれの現像特性の傾きの平均値を算出し、算出結果に基づいて、現像ポテンシャルや帯電バイアス等の画像形成条件を調整し、付着量を適正に補正する技術を提案している。
【0005】
また、IDCセンサーによる検出の対象とならない部分では、感光体の減耗が生じてもトナー付着量が調整されず、これにより、実際のトナーの付着量が狙いの付着量範囲を下回る場合があり得る。このような場合、形成された画像において、トナー濃度の薄さが目立つこともあり得る。これに対し、たとえば特開2011-39105号公報(特許文献2)では、主走査方向に複数のIDCセンサーを配置する技術を提案している。当該技術は、当該複数のIDCセンサーを用いて補正用パターンを読み取ることによって、それぞれの目標値からのずれを検出し、ずれが大きい方のIDCセンサーを濃度補正に使用することにより、濃度を安定させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-132318号公報
【文献】特開2011-39105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において提案された技術は、トナー付着量の調整に、利用するIDCセンサーの数が増加させて多くの個所のトナー付着量を用いることにより、検出および結果の解析に長い時間を要し、これにより、調整に要する時間が長くなるという新たな課題を生じる。
【0008】
また、特許文献2において提案された技術は、ずれが大きい方のIDCセンサーを濃度補正に使用する。このため、感光体の主走査方向において減耗の傾斜が大きい場合、トナー付着量が必ずしも適正に補正されない場合が生じ得る。
【0009】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、トナー付着量の調整に、複数個所のトナー付着量の検出結果を利用して感光体の主走査方向におけるトナー付着量を適性に補正しつつ、調整に要する時間を短くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示のある局面に従うと、記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、画像形成部を制御する制御部とを備えた画像形成装置が提供される。画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されており、制御部は、像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、画像形成部を調整する第1調整処理と、像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行するように構成されており、像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、第1の方向は、像担持体の回転方向に交わる方向であり、第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として第1画像形成条件を決定し、第1画像形成条件に従って画像形成部が調整されたときの1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、第2調整処理は、1か所のトナー付着量を固有目標付着量にするための条件として第2画像形成条件を決定し、制御部は、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば第1調整処理を実行し、所定の条件が成立していなければ第2調整処理を実行する。
【0011】
第1調整処理は、複数個所のそれぞれについて、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係を用いて、所与のトナー付着量を実現するための画像形成条件を決定し、複数個所のそれぞれについて決定された画像形成条件の平均値として、第1画像形成条件を決定してもよい。
【0012】
第1調整処理は、1か所について、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係を用いて、第1画像形成条件に従って実現されるトナー付着量として、固有目標付着量を決定してもよい。
【0013】
第2調整処理は、1か所について、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係を用いて、固有目標付着量を実現するための画像形成条件として、第2画像形成条件を決定してもよい。
【0014】
所定の条件は、像担持体が交換されてから初めて画像形成部を調整するべきタイミングが到来したことを含んでいてもよい。
【0015】
所定の条件は、像担持体を用いた画像形成動作が所与の量以上実行されてから初めて画像形成部を調整するべきタイミングが到来したことを含んでいてもよい。所定の条件は、像担持体を用いた画像形成動作の累積量が多くなるほど、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの第1調整処理の実行頻度が高くなるように更新されてもよい。
【0016】
第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで、トナー付着量の取得のための物理量が検出されてもよい。第1調整処理は、複数個所のそれぞれについて、固有目標付着量を決定し、所定の条件は、複数個所のそれぞれに対して決定された固有目標付着量の間の差分値が予め定められた量以上となった場合に、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの第1調整処理の実行頻度が高くなるように変更されてもよい。
【0017】
画像形成部は、複数の色の画像を形成してもよい。制御部は、複数の色のうち少なくとも1つの色について所定の条件が成立した場合に、第1調整処理を実行してもよい。
【0018】
第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、複数のセンサーのそれぞれで、トナー付着量の取得のための物理量が検出されてもよい。制御部は、複数のセンサーのうち第1センサーの検出値から取得されたトナー付着量が所定の範囲外である場合には、所定の条件が成立した場合であっても、第2調整処理を実行し、第2調整処理における1か所は、複数のセンサーのうち第1センサー以外のセンサーによって物理量を検出されてもよい。
【0019】
本開示の他の局面に従うと、記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部を制御するコンピューターによって実行されるプログラムが提供される。画像形成部は、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されている。プログラムは、コンピューターに、像担持体上の第1の方向における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、画像形成部を調整する第1調整処理と、像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、画像形成部を調整する第2調整処理と、を実行させ、像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されており、第1の方向は、像担持体の回転方向に交わる方向であり、第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として第1画像形成条件を決定し、第1画像形成条件に従って画像形成部が調整されたときの1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定し、第2調整処理は、1か所のトナー付着量を固有目標付着量にするための条件として第2画像形成条件を決定し、プログラムは、コンピューターに、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに、所定の条件が成立していれば第1調整処理を実行させ、所定の条件が成立していなければ、第2調整処理を実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、トナー付着量の調整において、所定のタイミングが到来したときに第1調整処理を実行することによって、複数個所のトナー付着量の検出結果を利用しつつ、所定のタイミングが到来していないときには第2調整処理を実行することによって、調整に要する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示に関わる画像形成装置1の構成の概要を示すものである。
【
図2】画像形成装置1の制御部20の構成を示す図である。
【
図3】制御部20が実行する「第1のトナー付着量調整処理」および「第2のトナー付着量調整処理」の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】IDCセンサー19rおよびIDCセンサー19fの検出結果を用いた第1画像形成条件の決定の一例を説明するための図である。
【
図6】第1画像形成条件下で中間転写ベルト16上に形成されるサンプル画像の一例を示す図である。
【
図9】ステップS405,S406における、トナー付着量を用いた第2画像形成条件の決定を説明するための図である。
【
図10】
図3に示された動作の変形例を示すフロチャートである。
【
図11】2種類の所定のタイミングを説明するための図である。
【
図12】トナー付着量調整処理の実行のスケジュール調整の他の例を示す図である。
【
図13】トナー付着量調整処理の実行のスケジュール調整のさらに他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、画像形成装置の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素について同一の符号を参照する。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0023】
[1]画像形成装置の構成
図1は、本開示に関わる画像形成装置1の構成の概要を示すものである。
図1に示されるように、画像形成装置1は、画像プロセス部10、制御部20、スキャナー32を含む。
【0024】
画像プロセス部10は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを用いた画像を形成する。画像プロセス部10において、参照番号の後に“Y”が付いている構成要素はイエローのトナー像の形成に関与する。同様に、参照番号の後に“M”が付いている構成要素がマゼンタのトナー像の形成に関与し、参照番号の後に“C”が付いている構成要素がシアンのトナー像の形成に関与し、参照番号の後に“K”が付いている構成要素がブラックのトナー像の形成に関与する。
【0025】
画像プロセス部10は、帯電ローラー11Y~11K、感光体12Y~12K、露光器13Y~13K、現像器14Y~14K、第1転写ローラー15Y~15K、中間転写ベルト16、第2転写ローラー17、定着器18、IDCセンサー(反射型フォトセンサー)19f,19rを含む。帯電ローラー11Y~11K、感光体12Y~12K、露光器13Y~13K、および、現像器14Y~14Kは、作像ユニット60Y~60Kを構成する。
【0026】
矢印Aは、中間転写ベルト16の回転方向を表わす。IDCセンサー19f,19rのうち、IDCセンサー19fは、
図1の手前側に配置されている。IDCセンサー19rは、
図1の奥側に配置されている。なお、矢印Aは、用紙上に形成される画像の副走査方向を表わし、矢印Aに交わる方向(
図1を貫く方向)は、当該画像の主走査方向を表わす。この意味において、IDCセンサー19r,19fは、主走査方向において異なる位置に配置されていることになる。
【0027】
感光体12Y~12Kのそれぞれは、帯電ローラー11Y~11Kのそれぞれによって帯電される。その後、露光器13Y~13Kのそれぞれから、画像データに応じた露光を受けることにより、感光体12Y~12Kの各表面に、画像データに応じた静電潜像が形成される。形成された各静電潜像は、現像器14Y~14Kから、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーの供給を受けることによって、現像される。給紙カセット55内の用紙は第2転写ローラー17まで導かれる。現像された各色のトナー像は、第1転写ローラー15Y~15Kにより、順次中間転写ベルト16上に転写され、その後、一括して用紙に転写され、さらに定着器18で定着される。これにより、用紙上に最適な色でプリント画像が形成される。
【0028】
IDCセンサー19f,19rは、後述する第1のトナー付着量調整と第2のトナー付着量調整の実行時に、複数の現像バイアスVdc設定のトナー像からなるトナーパターンの反射濃度を検出し、検出結果を制御部20に出力する。
【0029】
ここで、反射濃度Dは、検出対象物への投射光量をIoとし、検出対象物からの反射光量をIとするとき、次の式(1)に従って導出される。
D=-logI/Io …(1)
【0030】
図1には、水平方向のタンデム方式に従って画像形成を実行するための中間転写体およびその周辺部品が示されているが、感光体、帯電器、露光、現像、転写、定着などのための各エレメントの構成や配置を限定するものではない。本開示に従った画像形成装置は、他の構成/配置を採用するものであっても良い。
【0031】
[2]制御部20の構成
図2は、画像形成装置1の制御部20の構成を示す図である。
図2に示されるように、制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、通信インターフェース(I/F)部22、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24、トナー付着量算出部25、トナーパターン記憶部26、補正テーブル記憶部27、および後述する第1のトナー付着量調整と第2のトナー付着量調整で使用する目標付着量記憶部33を備える。トナー付着量算出部25は、たとえばCPU21が所与のプログラムを実行することによって実現される。トナーパターン記憶部26、補正テーブル記憶部27、および目標付着量記憶部33は、たとえばハードディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0032】
制御部20は、さらに、第1トナー付着量調整部34、第1画像形成条件決定部35、固有目標付着量決定部36、固有目標付着量差分算出部37、第2トナー付着量調整部38、第2画像形成条件決定部39、IDCセンサー異常判定部40等を備える。第1トナー付着量調整部34、第1画像形成条件決定部35、固有目標付着量決定部36、固有目標付着量差分算出部37、第2トナー付着量調整部38、第2画像形成条件決定部39、および、IDCセンサー異常判定部40の中の少なくとも一つは、たとえば、CPU21が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0033】
通信I/F部22は、LAN(Local Area Network)カード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。ROM23は、画像プロセス部10、操作パネル28、露光量調整部29、帯電バイアス印加部30、現像バイアス印加部31等を制御するために必要なプログラムの他、後述する第1のトナー付着量調整と第2のトナー付着量調整を実行するためのプログラム等を格納している。CPU21は、ROM23に格納されている各プログラムを読出し、実行する。RAM24は、プログラム実行時のCPU21のワークエリアとして用いられる。
【0034】
操作パネル28は、複数の入力キーと液晶表示部を備える。液晶表示部の表面には、タッチパネルが積層されている。操作パネル28には、タッチパネルからのタッチ入力又は入力キーからのキー入力として、ユーザーからの指示が入力される。操作パネル28は、当該指示を制御部20に通知する。
【0035】
露光量調整部29は、露光器13Y~13Kの、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の露光用の光源の光量を調整することにより、各色の露光量を調整する。帯電バイアス印加部30は、帯電ローラー11Y~11Kに帯電バイアスを印加する。現像バイアス印加部31は、現像器14Y~14Kに現像バイアスを印加する。
【0036】
トナー付着量算出部25は、IDCセンサー19f,19rのそれぞれから入力されるトナーパターンの反射濃度に基づいて、そのトナー付着量を算出する。一例では、ROM23は、反射濃度とトナー付着量との関係を示すテーブルを格納する。トナー付着量算出部25は、当該テーブルを参照することにより、IDCセンサー19f,19rが検出した反射濃度に対応するトナー付着量を算出する。
【0037】
トナーパターン記憶部26は、トナーパターンを含む画像(たとえば、後述する
図4の「第1サンプル画像」)のデータと、当該画像を形成するための画像形成条件とを記憶している。画像形成条件の一例は、露光器13Y~13Kの露光量である。他の例は、帯電ローラー11Y~11Kに印加される帯電バイアスである。さらに他の例は、現像器に印加される現像バイアス(電圧)である。さらに他の例は、これらの条件の組合せである。一例では、ROM23に、目標とする1つ以上のトナー付着量(以下、「目標付着量」という。)のそれぞれに対応する画像形成条件が格納されている。
【0038】
補正テーブル記憶部27は、トナー付着量と露光量、トナー付着量と帯電バイアス、トナー付着量と現像バイアスを記憶している。
【0039】
[3]動作の流れ
図3は、制御部20が実行する「第1のトナー付着量調整処理」および「第2のトナー付着量調整処理」の動作の流れを示すフローチャートである。これらの動作は、たとえば、CPU21が所与のプログラムを実行することによって実現される。当該プログラムは、たとえばROM23に格納されている。制御部20は、たとえば画像形成装置1において一定枚数の画像形成が実行されるたびに、
図3を開始する。なお、制御部20は、一定時間ごとに
図3の処理を開始してもよい。
【0040】
ステップS300にて、制御部20は、所定のタイミングが到来したか否かを判断する。制御部20は、当該所定のタイミングが到来したと判断すると(ステップS300にてYES)、ステップS301へ制御を進め、そうでなければ(ステップS300にてNO)、ステップS401へ制御を進める。
【0041】
以下では、ステップS301~S313として、「第1のトナー付着量調整処理」が説明され、ステップS401~S406として、「第2のトナー付着量調整処理」が説明される。なお、所定のタイミングのさらに他の例は、前回ステップS300からステップS301へ制御が進められた後、予め定められた回数だけステップS300からステップS401へ制御が進められていることである。たとえば、所定のタイミングが、前回ステップS300からステップS301へ制御が進められた後、3回ステップS300からステップS401へ制御が進められていることである場合、
図3の処理が4回実行されれば、当該4回のうち1回はステップS300からステップS301へ制御が進められ、当該4回のうち3回はステップS300からステップS401へ制御が進められる。
【0042】
[3-1]第1のトナー付着量調整処理
ステップS301にて、制御部20は、第1のトナー付着量調整処理を行う第1トナー付着量調整部34を起動させる。
【0043】
ステップS302にて、制御部20(第1トナー付着量調整部34)は、第1画像形成条件決定部35を通して、トナーパターン記憶部26からトナー付着量調整用のトナーパターンデータと、当該トナーパターンの画像を形成するために指定された画像形成条件とを読出す。そして、制御部20(第1トナー付着量調整部34)は、読み出された画像形成条件下において、画像プロセス部10に、感光体12Y~12K上に、読み出されたトナーパターンの画像を形成させる。ステップS302にて形成されるトナーパターンを含む画像を「第1サンプル画像」という。
【0044】
図4は、第1サンプル画像の一例を示す図である。
図4において、矢印Aは、中間転写ベルト16の回転に伴って第1サンプル画像400が移動する方向であって、副走査方向の一例を表わす。矢印Bは、矢印Aに交わる方向であって、主走査方向の一例を表わす。
【0045】
第1サンプル画像400は、矢印A方向に沿って配列される16個のトナーパターンを含み、矢印B方向に沿って配列される2個のトナーパターンを含む。すなわち、第1サンプル画像400は、32個のトナーパターンを含む。
【0046】
図4では、各トナーパターンに「Yr4」等の3つの文字から構成される文字列が付されている。これらの文字列は、各トナーパターンの区別するために付されているのであって、実際の第1サンプル画像には含まれない。1番目の文字は形成される画像の色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))を表わす。
【0047】
2番目の文字は中間転写ベルト16上の主走査方向における配置を表わす。「f」は手前側に配置されたIDCセンサー19fによって検出され得る位置を表わす。「r」は奥側に配置されたIDCセンサー19rによって検出され得る位置を表わす。
【0048】
3番目の文字は印刷の濃度を表わす。
図4の例では、印刷の濃度が「1」~「4」の4段階で表され、濃度「4」が最も濃い色を表し、濃度「1」が最も薄い色を表す。
【0049】
図4の第1サンプル画像400の一番上には、左側に「Yr4」を付されたトナーパターンが示され、右側に「Yf4」を付されたトナーパターンが示されている。これらのトナーパターンは、色および濃度が共通し、配置のみが互いに異なる。同様に、第1サンプル画像400では、矢印B方向において隣り合うトナーパターンは、相手のトナーパターンに対して、色および濃度が共通し、配置のみが異なる。
【0050】
第1サンプル画像400では、矢印A方向に、4色のそれぞれについて、4種類の濃度のそれぞれで印刷されるべきトナーパターンが配置される。また、矢印B方向に、同じ色かつ同じ濃度で印刷されるべきトナーパターンが並べられる。
【0051】
図3に戻って、ステップS303にて、制御部20(第1画像形成条件決定部35)は、IDCセンサー19f,19rを用いて、中間転写ベルト16上に形成された第1サンプル画像400の各トナーパターンを読取る。IDCセンサー19f,19rは、各トナーパターンのトナー像の反射濃度を検出し、制御部20へ入力する。
【0052】
ステップS304にて、制御部20(トナー付着量算出部25)は、検出された反射濃度に基づき各トナーパターンのトナー付着量(t(g/m2))を算出する。
【0053】
ステップS305にて、制御部20は、各IDCセンサーについて算出されたトナー付着量について、基準目標付着量に対応する画像形成条件を決定する。
【0054】
ステップS306にて、制御部20は、ステップS305において決定された画像形成条件を用いて、第1画像形成条件を決定する。一例では、制御部20は、IDCセンサー19rについて決定された画像形成条件に従って奥側の領域に対する上記第1画像形成条件を決定し、IDCセンサー19fについて決定された画像形成条件に従って手前側の領域に対する上記第1画像形成条件を決定する。感光体の主走査方向において減耗の傾斜が大きい場合でも、感光体の主走査方向の全域に亘って適切なトナー付着量の補正が可能になる。他の例では、制御部20は、IDCセンサー19rについて決定された画像形成条件と、IDCセンサー19fについて決定された画像形成条件との平均値として、上記第1画像形成条件を決定する。
【0055】
図5は、IDCセンサー19rおよびIDCセンサー19fの検出結果を用いた第1画像形成条件の決定の一例を説明するための図である。
図5を参照して、ステップS305,S306の制御の内容をより具体的に説明する。
図5には、説明を容易にするために、画像形成装置1における画像形成に用いられる4色のうち、1色(ブラック:K)のみの情報が示される。
【0056】
図5の例は、
図4に示された第1サンプル画像のうち、K(ブラック)の8個のトナーパターン(Kr1~Kr4およびKf1~Kf4)についての関係を表す。
図5において、横軸は、画像形成条件の一例である現像バイアス(トナーパターン形成の際の、現像器14の電極と感光体12Kとの間に加える電圧の値)の値を表し、縦軸は、IDCセンサー19rまたはIDCセンサー19fによって検出されるトナーの付着量を表す。
図5の例では、トナーパターンKr1~Kr4のそれぞれが形成されたときの現像バイアスが、Vdc1~Vdc4のそれぞれによって示されている。また、トナーパターンKf1~Kf4のそれぞれが形成されたときの現像バイアスが、Vdc1~Vdc4のそれぞれによって示されている。
【0057】
図5のグラフは、2つの線G1,G2を含む。線G1は、4個のトナーパターンKr1~Kr4の付着量と画像形成条件との関係の近似式の一例を表わす。トナーパターンKr1~Kr4は、奥側に配置されたIDCセンサー19rによって反射濃度を検出される。線G2は、4個のトナーパターンKf1~Kf4の付着量と画像形成条件との関係の近似式の一例を表わす。トナーパターンKf1~Kf4は、手前側に配置されたIDCセンサー19fによって反射濃度を検出される。
【0058】
図5中の「基準目標付着量」は、
図3のステップS305にて制御部20が参照する基準目標付着量を表す。ステップS305にて、制御部20は、線G1を用いて、主走査方向の奥側において基準目標付着量に対応する画像形成条件(Vdc-r)を決定する。また、制御部20は、線G2を用いて、主走査方向の手前側において基準目標付着量に対応する画像形成条件(Vdc-f)を決定する。そして、制御部20は、Vdc-rとVdc-fの平均値として、上記の「第1画像形成条件」を決定する。
【0059】
制御部20は、ステップS306において決定された第1画像形成条件を利用して、画像形成装置1における画像形成の基準として用いられる画像形成条件を調整する。当該調整のために、たとえば、目標付着量記憶部33に、基準目標付着量に対応する画像形成条件として、基準画像形成条件が格納されている。制御部20は、上記のように決定された第1画像形成条件と基準画像形成条件とを比較し、当該比較の結果を用いて、目標とするトナー付着量に関連付けられた画像形成条件に対して適用する係数を決定する。一例では、制御部20は、基準画像形成条件に対する第1画像形成条件の比を算出する。そして、制御部20は、画像形成において、予め設定された現像バイアスVdc1~Vdc4のそれぞれに当該比をかけた値をトナーパターンKr1~Kr4,Kf1~Kf4のそれぞれに対して利用することにより、トナー付着量を調整する。
【0060】
図3に戻って、ステップS307にて、制御部20(第1トナー付着量調整部34)は、固有目標付着量決定部36を通して、トナーパターン記憶部26からトナー付着量調整用トナーパターンデータと第1画像形成条件とを読出し、画像プロセス部10に、第1画像形成条件下で中間転写ベルト16上にサンプル画像を形成させる。
【0061】
図6は、第1画像形成条件下で中間転写ベルト16上に形成されるサンプル画像の一例を示す図である。
図6のサンプル画像600は、各色について、奥側に配置されたトナーパターンと手前側に配置されたトナーパターン、すなわち、4色について2個ずつの合計8個のトナーパターンを含む。
図6においても、
図4と同様に、各トナーパターンには3つの文字から構成される文字列が付されている。1番目の文字は色(Y,M,C,K)を表し、2番目の文字が配置(奥側(r)または手前側(f))を表す。3番目の文字(a)は、各トナーパターンが第1画像形成条件に従って形成されたことを表わす。
【0062】
図3に戻って、ステップS308にて、制御部20(固有目標付着量決定部36)は、IDCセンサー19f,19rに、ステップS307において形成されたサンプル画像(
図6)の中の各トナーパターンの反射濃度を検出させる。ステップS309にて、制御部20(固有目標付着量決定部36)は、ステップS308において検出された反射濃度に基づいて、各トナーパターンのトナー付着量(t(g/m
2))を算出する。
【0063】
ステップS310にて、制御部20(固有目標付着量決定部36)は、ステップS309において算出されたトナー付着量を、固有目標付着量として決定する。ステップS310では、各色についてIDCセンサーごとに固有目標付着量が決定される。そして、制御部20は、決定された固有目標付着量を目標付着量記憶部33に格納する。
【0064】
図7は、固有目標付着量の一例を示す図である。
図7には、画像形成装置1において画像を形成される4色のうち、1色(ブラック:K)のみの情報が示される。
【0065】
図7において、点Praは、
図6のサンプル画像のKra(ブラックの2つのトナーパターンのうち奥側に配置されたもの)に対応する付着量の検出値を表わす。点Pfaは、
図6のサンプル画像のKfa(ブラックの2つのトナーパターンのうち手前側に配置されたもの)に対応する付着量の検出値を表わす。点Praの付着量は、ブラックについての固有目標付着量(r)として、目標付着量記憶部33に格納される。点Pfaの付着量は、ブラックについての固有目標付着量(f)として、目標付着量記憶部33に格納される。
【0066】
図7中の線G1,G2は、
図5中の線G1,G2を表わす。点Praは、一般的には線G1の延長線上に位置する。点Pfaは、一般的には線G2の延長線上に位置する。これらの関係を利用した変形例として、制御部20は、ステップS307~S309の制御の代わりに、ステップS304において算出されたトナー付着量に基づく線G1,G2を用いて、固有目標付着量を決定してもよい。すなわち、線G1を延長し、第1画像形成条件に対応する付着量として、固有目標付着量を決定してもよい。
【0067】
なお、線G1,G2の形状は直線に限定されない。すなわち、制御部20は、ステップS304において算出されたトナー付着量と画像形成条件との関係を表わす近似式として、2次以上の近似式を生成してもよい。どのような近似式が生成されても、制御部20は、ステップS307~S309の制御の代わりに、当該近似式と第1画像形成条件とを用いて固有目標付着量を決定し、当該固有目標付着量を目標付着量記憶部33に格納することができる。
【0068】
図3に戻って、ステップS311にて、制御部20は、ステップS310において決定されたIDCセンサーごとの固有目標付着量の間の差分値(IDCセンサー19rについて決定された固有目標付着量とIDCセンサー19fについて決定された固有目標付着量との差分値)を算出する。当該差分値は、
図7の固有目標付着量(r)と固有目標付着量(f)の差分値に相当する。
【0069】
ステップS312にて、制御部20は、ステップS311において算出された差分値が所定値以上であるか否かを判断する。制御部20は、上記差分値が所定値以上であると判断すると(ステップS312にてYES)、ステップS313へ制御を進め、そうでなければ(ステップS312にてNO)、
図3の処理を終了させる。
【0070】
ステップS313にて、制御部20は、ステップS300における「所定のタイミング」を、ステップS300からステップS301へ制御が進められる頻度が高くなるように変更する。たとえば、所定のタイミングは、「感光体12Y~12Kの少なくとも1つが交換された後初めて
図3の処理が実行されるタイミング」から、「感光体12Y~12Kの少なくとも1つが交換された後『または中間転写ベルト16が交換された後』初めて
図3の処理が実行されるタイミング」へと変更される。その後、制御部20は
図3の処理を終了させる。
【0071】
以上説明されたステップS311,S312の制御により、共通の画像形成条件に従って形成されるトナーパターンのトナー付着量の差分値が、手前側と奥側との間で大きくなった場合には、制御部20は、ステップS300からステップS401ではなくステップS301へと制御を進める頻度を高くする。
【0072】
制御部20は、たとえば、一定枚数の画像形成ごと、および/または、一定時間ごとに、
図3の処理を開始する。所定のタイミングが到来していれば、制御部20は、ステップS300からステップS301へと制御を進めて、第1のトナー付着調整処理を実行する。所定のタイミングが到来していなければ、制御部20は、ステップS300からステップS401へ制御を進めて、第2のトナー付着調整処理を実行する。制御部20は、上記差分値が大きくなると、
図3の処理が開始された後、第1のトナー付着調整処理が実行される頻度が高くなるように、所定のタイミングに関する条件を変更する。
【0073】
[3-2]第2のトナー付着量調整処理
ステップS401にて、制御部20は、第2のトナー付着量調整を行う第2トナー付着量調整部38を起動させる。
【0074】
ステップS402にて、制御部20(第2トナー付着量調整部38)は、第2画像形成条件決定部39を通して、トナーパターン記憶部26からトナー付着量調整用のトナーパターンデータと、各トナーパターンの画像を形成するために指定された画像形成条件とを読出す。そして、第2トナー付着量調整部38は、読み出された画像形成条件下において、画像プロセス部10に、感光体12Y~12K上に、読み出されたトナーパターンを形成させる。ステップS402にて形成されるトナーパターンを含む画像を「第2サンプル画像」という。
【0075】
図8は、第2サンプル画像の一例を示す図である。第2サンプル画像800は、矢印A方向(副走査方向)に沿って配列される8個のトナーパターンを含み、矢印B方向(主走査方向)に沿って配列される2個のトナーパターンを含む。すなわち、第2サンプル画像800は、16個のトナーパターンを含む。
【0076】
16個のトナーパターンは、IDCセンサー19rによって検出される位置にある8個のトナーパターン(Yr1~Yr4、Cr1~Cr4)と、IDCセンサー19fによって検出される位置にある8個のトナーパターン(Mf1~Mf4、Kf1~Kf4)とを含む。
【0077】
図3に戻って、ステップS403にて、制御部20(第2画像形成条件決定部39)は、IDCセンサー19f,19rを用いて、中間転写ベルト16上に形成された第2サンプル画像800の各トナーパターンを読取る。IDCセンサー19f,19rは、各トナーパターンのトナー像の反射濃度を検出し、制御部20へ入力する。なお、ステップS403では、各色について、IDCセンサー19fおよびIDCセンサー19rのいずれか一方でのみ、反射濃度が検出される。より具体的には、第2サンプル画像では、ブラック(K)のトナーパターン(Kf1~Kf4)は、IDCセンサー19f側に配置されているものを含むが、IDCセンサー19r側に配置されているものは含まない。したがって、ブラック(K)のトナーパターンについては、IDCセンサー19fによってのみ反射濃度が検出される。
【0078】
ステップS404にて、制御部20(トナー付着量算出部25)は、ステップS403にて検出された反射濃度に基づき、各トナーパターンのトナー付着量(t(g/m2))を算出する。
【0079】
ステップS405にて、制御部20は、各色について算出されたトナー付着量から近似式を生成し、当該近似式に基づいて、固有目標付着量に対応する画像形成条件を算出する。ステップS406にて、制御部20は、ステップS405にて算出された画像形成条件を、第2画像形成条件として決定する。固有目標付着量とは、
図7を参照して説明されたように、第1のトナー付着量調整処理のステップS310(
図3)においてIDCセンサーごとに決定された付着量である。
【0080】
図9は、ステップS405,S406における、トナー付着量を用いた第2画像形成条件の決定を説明するための図である。
図9のグラフの横軸および縦軸は、
図3のグラフの横軸および縦軸と同様に、画像形成条件の一例である現像バイアスおよびトナー付着量を表す。
【0081】
図9には、
図8の16個のトナーパターンのうち、4個のトナーパターンKf1~Kf4のそれぞれについての付着量が示される。各付着量は、各トナーパターンの反射濃度から算出される。ステップS405では、制御部20は、色ごとに、画像形成条件(
図9の例では、現像バイアス)とトナー付着量との関係を表す近似式を生成し、当該近似式に従って、求められた固有目標付着量に対応する画像形成条件を算出する。ステップS406では、制御部20は、ステップS405において算出された画像形成条件を、第2画像形成条件として決定する。
図9の例では、近似式として線G9が示されているが、近似式は一次式に限定されない。
【0082】
制御部20は、ステップS406において決定された第2画像形成条件を利用して、画像形成装置1における画像形成の基準として用いられる画像形成条件を調整する。当該調整のために、たとえば、目標付着量記憶部33に、基準目標付着量に対応する画像形成条件として、基準画像形成条件が格納されている。制御部20は、上記のように決定された第2画像形成条件と基準画像形成条件とを比較し、当該比較の結果を用いて、目標とするトナー付着量に関連付けられた画像形成条件に対して適用する係数を決定する。一例では、制御部20は、基準画像形成条件に対する第2画像形成条件の比を算出する。そして、制御部20は、画像形成において、予め設定された現像バイアスVdc1~Vdc4のそれぞれに当該比をかけた値をトナーパターンKr1~Kr4,Kf1~Kf4のそれぞれに対して利用することにより、トナー付着量を調整する。そして、制御部20は、
図3の処理を終了させる。
【0083】
以上説明された
図3の処理では、
図3の処理を開始したとき、所定のタイミングが到来していれば第1のトナー付着量調整処理(ステップS301~S313)を実行し、所定のタイミングが到来していなければ第2のトナー付着量調整処理(ステップS401~S406)を実行する。第1のトナー付着量調整処理では、第1サンプル画像400が利用され、これにより、各色についてIDCセンサー19f,19rの双方が利用される。第2のトナー付着量調整処理では、第2サンプル画像800が利用され、これにより、各色についてIDCセンサー19f,19rのいずれか一方が利用される。第2のトナー付着量調整処理では、第1のトナー付着量調整処理よりも読み取るトナーパターンの量が少ない。これにより、第2のトナー付着量調整処理は、第1のトナー付着量調整処理よりも要する時間が短い。
【0084】
上記所定のタイミングの一例は、画像形成装置1において、感光体12Y~12Kの中の少なくとも1つが交換された後初めて
図3の処理が実行される、というタイミングである。他の例は、中間転写ベルト16が交換された後初めて
図3の処理が実行される、というタイミングである。画像形成装置1における部材の交換のタイミングは、センサーによって検出されてもよいし、ユーザーから部材を交換したことを表わす情報を入力されることによって検出されてもよい。
【0085】
所定のタイミングのさらに他の例は、感光体12Y~12Kの中の少なくとも1つが予め定められたページ数の現像に利用されてから初めて
図3の処理が実行されるタイミングである。制御部20は、感光体12Y~12Kのそれぞれが現像に利用されたページ数の累積値(累積ページ数)に従って、所定のタイミングの変更を変更してもよい。たとえば、制御部20は、感光体12Y~12Kのそれぞれ累積ページ数が一定量に達するごとに、所定のタイミングを、
図3の処理が開始されたときに第1のトナー付着量調整処理が実行される頻度が高くなるように変更してもよい。
【0086】
[4]IDCセンサーの異常時
制御部20は、IDCセンサー異常判定部40が、IDCセンサー19f,19rのいずれかによって検出された反射濃度がトナーパターンの反射濃度として予め定められた所定の範囲外である場合、当該IDCセンサーの状態を異常であると判定してもよい。制御部20は、IDCセンサー19f,19rのいずれかを異常であると判定した場合には、第1のトナー付着量調整処理を実行するための所定のタイミングが到来していても、第2のトナー付着量調整処理を実行するように構成されていてもよい。この第2のトナー付着量調整処理では、異常であると判定されていない方のセンサーが利用される。利用されるサンプル画像では、異常であると判定されていない方のセンサーによって反射濃度が検出されるようにトナーパターンが配置される。
【0087】
[5]複数の色の作像ユニット間で所定のタイミングの到来が異なる場合の調整
図10は、
図3に示された動作の変形例を示すフロチャートである。
図10に示された動作では、複数の色の作像ユニット60Y~60Kのそれぞれについて所定のタイミング(ステップS300)の到来するタイミングが異なることが考慮されている。
【0088】
制御部20は、たとえば一定時間ごとに、
図10の処理を開始する。
図10では、ステップS300等の
図3中の各ステップにさせて、ステップSA300等のように文字「A」が追記されている。
【0089】
ステップSA300にて、制御部20は、各色毎に所定のタイミングが到来しているか否かを判断する。ステップSA300における所定のタイミングの一例は、感光体12Y,12M,12C,12Kのそれぞれについて、交換後初めて
図10の処理が実行される、というタイミングである。
【0090】
制御部20は、少なくとも一つの色について所定のタイミングが到来していれば(ステップSA300にてYES)、ステップSA301へ制御を進めて、第1のトナー付着量調整処理を実行する。そうでなければ(ステップSA300にてNO)、制御部20は、ステップSA401へ制御を進めて、第2のトナー付着量調整処理を実行する。
図10の例では、ステップSA301~SA313の制御によって「第1のトナー付着量調整処理」が構成され、ステップSA401~SA406の制御によって「第2のトナー付着量調整処理」が構成される。
【0091】
[5-1]第1のトナー付着量調整処理
ステップSA301にて、制御部20は、全色(Y,M,C,K)について、第1トナー付着量調整部34を起動させる。
【0092】
ステップSA302にて、制御部20(第1トナー付着量調整部34)は、画像プロセス部10に、感光体12Y~12K上に、第1サンプル画像(
図4)を形成させる。
【0093】
ステップSA303にて、制御部20(第1画像形成条件決定部35)は、IDCセンサー19f,19rを用いて、中間転写ベルト16上に形成された第1サンプル画像400の各トナーパターンを読取る。これにより、全色について、複数の濃度(濃度1~4)のトナーパターンの反射濃度が、IDCセンサー19fとIDCセンサー19rの双方で検出される。
【0094】
ステップSA304にて、制御部20(トナー付着量算出部25)は、ステップSA303にて検出された反射濃度に基づき各トナーパターンのトナー付着量(t(g/m2))を算出する。
【0095】
ステップSA305にて、制御部20は、各色について、基準目標付着量に対応する画像形成条件を決定する。
【0096】
ステップSA306にて、制御部20は、ステップSA305において決定された画像形成条件を用いて、各色について第1画像形成条件を決定する。制御部20は、ステップSA306において決定された第1画像形成条件を利用して、画像形成装置1における各色の画像形成の基準として用いられる画像形成条件のそれぞれを調整する。
【0097】
ステップSA307にて、制御部20(第1トナー付着量調整部34)は、固有目標付着量決定部36を通して、トナーパターン記憶部26からトナー付着量調整用トナーパターンデータと第1画像形成条件とを読出し、画像プロセス部10に、第1画像形成条件下で中間転写ベルト16上にサンプル画像(
図6)を形成させる。これにより、全色について、第1画像形成条件に従った2個(IDCセンサー19f用とIDCセンサー19r用)のトナーパターンの画像が形成される。
【0098】
ステップSA308にて、制御部20(固有目標付着量決定部36)は、IDCセンサー19f,19rに、ステップSA307において形成されたサンプル画像の中の各トナーパターンの反射濃度を検出させる。
【0099】
ステップSA309にて、制御部20(固有目標付着量決定部36)は、ステップSA308において検出された反射濃度に基づいて、各トナーパターンのトナー付着量(t(g/m2))を算出する。
【0100】
ステップSA310にて、制御部20(固有目標付着量決定部36)は、ステップSA309において算出されたトナー付着量を、各色の固有目標付着量として決定し、決定された各固有目標付着量を目標付着量記憶部33に格納する。
【0101】
ステップSA311にて、制御部20は、各色について、ステップSA310において決定されたIDCセンサーごとの固有目標付着量の間の差分値(IDCセンサー19rについて決定された固有目標付着量とIDCセンサー19fについて決定された固有目標付着量との差分値)を算出する。
【0102】
ステップSA312にて、制御部20は、少なくとも1つの色について、ステップSA311において算出された差分値が所定値以上であるか否かを判断する。制御部20は、少なくとも1つの色について上記差分値が所定値以上であると判断すると(ステップSA312にてYES)、ステップSA313へ制御を進め、そうでなければ(ステップSA312にてNO)、
図10の処理を終了させる。
【0103】
ステップSA313にて、制御部20は、ステップSA312において差分値が所定値以上であると判断された色について、「所定のタイミング」を変更する。より具体的には、制御部20は、ステップSA300における「所定のタイミング」を、ステップS300からステップS301へ制御が進められる頻度が高くなるように変更する。
【0104】
[5-2]第2のトナー付着量調整処理
ステップSA401にて、制御部20は、全色について、第2のトナー付着量調整を行う第2トナー付着量調整部38を起動させる。
【0105】
ステップSA402にて、制御部20(第2トナー付着量調整部38)は、第2画像形成条件決定部39を通して、トナーパターン記憶部26からトナー付着量調整用のトナーパターンデータと、各トナーパターンの画像を形成するために指定された画像形成条件とを読出す。そして、第2トナー付着量調整部38は、読み出された画像形成条件下において、画像プロセス部10に、感光体12Y~12K上に、読み出されたトナーパターンを形成させる。これにより、第2サンプル画像(
図8が形成される。)
ステップSA403にて、制御部20(第2画像形成条件決定部39)は、IDCセンサー19f,19rを用いて、中間転写ベルト16上に形成された第2サンプル画像800の各トナーパターンを読取る。IDCセンサー19f,19rは、各トナーパターンのトナー像の反射濃度を検出し、制御部20へ入力する。なお、ステップSA403では、各色について、IDCセンサー19fおよびIDCセンサー19rのいずれか一方でのみ、反射濃度が検出される。
【0106】
ステップSA404にて、制御部20(トナー付着量算出部25)は、ステップSA403にて検出された反射濃度に基づき、各トナーパターンのトナー付着量(t(g/m2))を算出する。
【0107】
ステップSA405にて、制御部20は、各色について算出されたトナー付着量から近似式を生成し、当該近似式に基づいて、固有目標付着量に対応する画像形成条件を算出する。ステップSA406にて、制御部20は、ステップSA405にて算出された画像形成条件を、各色の第2画像形成条件として決定する。
【0108】
制御部20は、ステップSA406において決定された第2画像形成条件を利用して、画像形成装置1における各色の画像形成の基準として用いられる画像形成条件のそれぞれを調整する。そして、制御部20は、
図10の処理を終了させる。
【0109】
[5-3]所定のタイミングと第1(第2)のトナー付着量調整処理の実行頻度
以上説明された
図10の処理では、ステップSA300において、各色のうち少なくとも1色について所定のタイミングが到来していれば、制御部20は、全色について、第1のトナー付着量調整処理を実行する(ステップSA301~SA313)。すなわち、ある色について所定のタイミングが到来してなくても、他の色について所定のタイミングが到来していれば、全色について第1のトナー付着量調整処理が実行される。色毎に所定のタイミングの到来が異なることについて、
図11を参照してより具体的に説明する。
【0110】
図11は、2種類の所定のタイミングを説明するための図である。
図11には、2種類のトナー付着量調整処理の実行スケジュール(スケジュール(1)およびスケジュール(2))の一例を示す図である。
図11において、横軸は、時間の経過を表わす。「<1>」は、第1のトナー付着量調整処理の実行が予定される期間を表わす。「<2>」は、第2のトナー付着量調整処理の実行が予定される期間を表わす。「<2>」より「<1>」の方が長時間を要するのは、第2のトナー付着量調整処理より第1のトナー付着量調整処理の方が、より多くのトナーパターンの付着量を算出する必要があるからである。
【0111】
図11の例では、スケジュール(1)では、1個の「<1>」の後に4個の「<2>」が配置されるパターンが繰り返されている。すなわち、スケジュール(1)は、所定のタイミングとして、前回
図3(または
図10)の処理において第1のトナー付着量調整処理が実行された後、4回、第2のトナー付着量調整処理が実行されたことが設定されている状態を表す。
【0112】
スケジュール(2)では、1個の「<1>」の後に3個の「<2>」が配置されるパターンが繰り返されている。すなわち、スケジュール(2)は、所定のタイミングとして、前回
図3(または
図10)の処理において第1のトナー付着量調整処理が実行された後、3回、第2のトナー付着量調整処理が実行されたことが設定されている状態を表す。
【0113】
スケジュール(1)では、
図3(または
図10)の制御が5回実行されるうち、第1のトナー付着量調整処理が1回実行される。スケジュール(2)では、
図3(または
図10)の制御が4回実行されるうち、第1のトナー付着量調整処理が1回実行される。したがって、スケジュール(2)の方がスケジュール(1)よりも第1のトナー付着量調整処理が実行される頻度が高い。
【0114】
ステップSA313では、色毎に、「所定のタイミング」が変更されることによって第1のトナー付着量調整処理が実行される頻度が変更される。したがって、画像形成装置1において、3色(Y,M,C)について、スケジュール(1)に対応するように「所定のタイミング」が設定されているが、1色(K)について、スケジュール(2)に対応するように「所定のタイミング」が設定されている場合もあり得る。
【0115】
このような場合でも、
図10の処理では、制御部20は、少なくとも1色について、所定のタイミングが到来することにより第1のトナー付着量調整処理を実行するべき状態にあれば、全色について、第1のトナー付着量調整処理を実行する。より具体的には、
図11中の時刻T11では、スケジュール(1)の色については第2のトナー付着量調整処理を実行すべきタイミングではあるが、スケジュール(2)の色については第1のトナー付着量調整処理を実行すべきタイミングではあるため、制御部20は、第1のトナー付着量調整処理を実行する。
【0116】
図12は、トナー付着量調整処理の実行のスケジュール調整の他の例を示す図である。
図12の例では、3色(Y,M,C)について、「所定のタイミング」の設定がスケジュール(1)(
図11)に対応し、1色(K)について、「所定のタイミング」の設定がスケジュール(2)(
図11)に対応している。このような場合、制御部20は、第1のトナー付着量調整処理の実行頻度の低い色についてのスケジュールが、第1のトナー付着量調整処理の実行頻度の高い色のスケジュールに合わせるように、「所定のタイミング」を変更してもよい。
【0117】
すなわち、
図12の例では、制御部20は、ブラック(K)について、他の3色に合わせて、「所定のタイミング」の設定を、スケジュール(1)に対応するものからスケジュール(2)に対応するものへと変更している。
【0118】
図13は、トナー付着量調整処理の実行のスケジュール調整のさらに他の例を示す図である。
図13の例では、制御部20は、ある色について、スケジュールにおけるパターンがリセットされたことに応じて、他の色のスケジュールにおけるパターンも同時にリセットする。
【0119】
より具体的には、
図13の例では、時刻T12まで、3色(Y,M,C)について、スケジュール(1)(
図11)に従って、第1のトナー付着量調整処理と第2のトナー付着量調整処理の実行のパターンが繰り返されている。
【0120】
時刻T12にて、別の1色(K)のための感光体12Kの交換等により、制御部20は、色(K)について、スケジュール(1)に従った実行パターンをリセットする。制御部20は、色(K)についての実行パターンのリセットに伴って、他の3色(Y,M,C)についての実行パターンもリセットする。
【0121】
[6]開示の概要
本開示に係る画像形成装置1の概要は以下の通りである。
【0122】
(1) 画像形成装置1は、記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部(画像プロセス部10)と、画像形成部を制御する制御部(制御部20)とを備える。
【0123】
画像形成部は、像担持体(中間転写ベルト16,感光体12Y~12K)を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録媒体上に転写することによって当該記録媒体上にトナー画像を形成するように構成されている。制御部は、像担持体上の第1の方向(主走査方向)における複数個所のトナー付着量に従って決定された第1画像形成条件を用いて、画像形成部を調整する第1調整処理(第1のトナー付着量調整処理)を実行する。制御部は、像担持体上の第1の方向における1か所のトナー付着量に従って決定された第2画像形成条件を用いて、画像形成部を調整する第2調整処理(第2のトナー付着量調整処理)を実行する。像担持体は、記録媒体の搬送に伴って回転するように構成されている。第1の方向(
図1の矢印A方向)は、像担持体の回転方向に交わる方向である。
【0124】
第1調整処理は、所与のトナー付着量を実現するための条件として第1画像形成条件を決定し(
図5)、第1画像形成条件に従って画像形成部が調整されたときの1か所のトナー付着量として固有目標付着量を決定する(
図7)。第2調整処理は、1か所のトナー付着量を固有目標付着量にするための条件として第2画像形成条件を決定する(
図9)。制御部は、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときに(
図3の処理の開始時)、所定の条件が成立していれば第1調整処理を実行し(ステップS300でYES,ステップS301)、所定の条件が成立していなければ第2調整処理を実行する(ステップS300でNO,ステップS401)。
【0125】
(2) 第1調整処理は、複数個所のそれぞれについて、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係(
図5の線G1または線G2)を用いて、所与のトナー付着量を実現するための画像形成条件を決定し、複数個所のそれぞれについて決定された画像形成条件(Vdc-f,Vdc-r)の平均値として、第1画像形成条件を決定してもよい。
【0126】
(3) 第1調整処理は、1か所について、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係(
図7の線G1または線G2)を用いて、第1画像形成条件に従って実現されるトナー付着量として、固有目標付着量を決定してもよい。
【0127】
(4) 第2調整処理は、1か所について、複数の画像形成条件と当該複数の画像形成条件のそれぞれに従ったときのトナー付着量との相関関係(
図9の線G9)を用いて、固有目標付着量を実現するための画像形成条件として、第2画像形成条件を決定してもよい。
【0128】
(5) 所定の条件は、像担持体が交換されてから初めて画像形成部を調整するべきタイミングが到来したことを含んでもよい。
【0129】
(6) 所定の条件は、像担持体を用いた画像形成動作が所与の量以上実行されてから初めて画像形成部を調整するべきタイミング(
図3,
図10の処理の開始)が到来したことを含んでもよい。所定の条件は、像担持体を用いた画像形成動作の累積量が多くなるほど、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの第1調整処理の実行頻度が高くなるように更新されてもよい。
【0130】
(7) 画像形成装置1は、第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、トナー付着量の取得のための物理量を検出する複数のセンサー(IDCセンサー19f,19r)をさらに備えていてもよい。第1調整処理は、複数個所のそれぞれについて、固有目標付着量(
図7の固有目標付着量(f),(r))を決定してもよい。所定の条件は、複数個所のそれぞれに対して決定された固有目標付着量の間の差分値が予め定められた量以上となった場合に、画像形成部を調整するべきタイミングが到来したときの第1調整処理の実行頻度が高くなるように変更される(ステップS313,SA313)。
【0131】
(8) 画像形成部は、複数の色(Y,M,C,K)の画像を形成してもよく、制御部は、複数の色のうち少なくとも1つの色について所定の条件が成立した場合に、第1調整処理を実行してもよい(ステップSA300でYES,ステップSA301)。
【0132】
(9) 画像形成装置1は、第1の方向における複数個所のそれぞれにおいて、トナー付着量の取得のための物理量を検出する複数のセンサー(IDCセンサー19f,19r)をさらに備えていてもよい。制御部は、複数のセンサーのうち第1センサーの検出値から取得されたトナー付着量が所定の範囲外である場合には、所定の条件が成立した場合であっても、第2調整処理を実行してもよい([4]IDCセンサーの異常時)。第2調整処理における1か所は、複数のセンサーのうち第1センサー以外のセンサーによって物理量を検出される。
【0133】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0134】
1 画像形成装置,10 画像プロセス部,11Y~11K 帯電ローラー,12Y~12K 感光体,13Y~13K 露光器,14,14Y~14K 現像器,15Y~15K 第1転写ローラー,16 中間転写ベルト,17 第2転写ローラー,18 定着器,19f,19r IDCセンサー,20 制御部,25 トナー付着量算出部,26 トナーパターン記憶部,27 補正テーブル記憶部,28 操作パネル,29 露光量調整部,30 帯電バイアス印加部,31 現像バイアス印加部,32 スキャナー,33 目標付着量記憶部,34 第1トナー付着量調整部,35 第1画像形成条件決定部,36 固有目標付着量決定部,37 固有目標付着量差分算出部,38 第2トナー付着量調整部,39 第2画像形成条件決定部,40 センサー異常判定部,60Y~60K 作像ユニット,400 第1サンプル画像,600 サンプル画像,800 第2サンプル画像。