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特許7035696医用画像管理サーバー及び医用画像表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】医用画像管理サーバー及び医用画像表示システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/40 20180101AFI20220308BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G16H30/40
A61B5/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018059121
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019174880
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹 琢磨
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-168845(JP,A)
【文献】特開2013-046191(JP,A)
【文献】特開2016-148972(JP,A)
【文献】特開2005-184731(JP,A)
【文献】特開2009-118448(JP,A)
【文献】特開2006-204400(JP,A)
【文献】特開2008-188214(JP,A)
【文献】米国特許第05452416(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された表示装置に複数の医用画像を表示させる医用画像管理サーバーであって、
予め複数の条件で前記複数の医用画像をタイル状に並べて結合画像を作成する作成手段と、
前記複数の条件ごとに、前記作成された結合画像と前記複数の医用画像とを対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記表示装置から前記通信ネットワークを介して前記複数の医用画像の少なくとも1枚以上に対する表示要求があった場合に、設定された条件及び前記複数の医用画像に対応付けられた結合画像を前記記憶手段から取得し、当該取得された結合画像を前記通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する画像提供手段と、
を備える医用画像管理サーバー。
【請求項2】
記作成手段は、前記結合画像を作成する際に、ヘッダー情報に含まれる必須項目以外の情報を削除する請求項1に記載の医用画像管理サーバー。
【請求項3】
前記作成手段は、前記複数の医用画像を予め設定されている列数及び行数でタイル状に並べ、前記列数と前記行数の積以下の個数の医用画像を含む前記結合画像を同一表示画面ごとに作成する請求項1又は2に記載の医用画像管理サーバー。
【請求項4】
前記作成手段は、前記複数の医用画像が所定のモダリティーにより生成されたものである場合に、前記結合画像を作成する請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像管理サーバー。
【請求項5】
前記表示装置において表示されている前記結合画像上で指定された位置を取得する取得手段と、
前記取得された位置が、前記結合画像に含まれるいずれの医用画像に相当する領域内であるかを特定し、当該特定された領域内に相当する医用画像を前記記憶手段から取得し、当該取得された医用画像を前記表示装置の全画面に表示させるために、当該取得された医用画像を前記通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する個別画像提供手段と、
を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像管理サーバー。
【請求項6】
表示装置と、当該表示装置と通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、当該表示装置に複数の医用画像を表示させる医用画像管理サーバーと、を備える医用画像表示システムであって、
前記医用画像管理サーバーは、
予め複数の条件で前記複数の医用画像をタイル状に並べて結合画像を作成する作成手段と、
前記複数の条件ごとに、前記作成された結合画像と前記複数の医用画像とを対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記表示装置から前記通信ネットワークを介して前記複数の医用画像の少なくとも1枚以上に対する表示要求があった場合に、設定された条件及び前記複数の医用画像に対応付けられた結合画像を前記記憶手段から取得し、当該取得された結合画像を前記通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する画像提供手段と、
を備える医用画像表示システム。
【請求項7】
記作成手段は、前記結合画像を作成する際に、ヘッダー情報に含まれる必須項目以外の情報を削除する請求項6に記載の医用画像表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像管理サーバー及び医用画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野においても情報の電子化が進み、カルテ情報や医用画像等の医療情報が電子データとして管理されている。医用画像に対する読影も、モニター上で行われている。医用画像の生成には、様々なモダリティーが利用されており、1回の検査で何十枚~何百枚といった医用画像が生成される場合もある。同一検査で大量の医用画像が生成される場合には、1画面に所定の数ずつ医用画像を同時に表示させ、画面を切り替えて順次読影を行うことが多い。
【0003】
例えば、画像検査により生成された一連の画像をタイル表示する画像表示装置において、複数ページに分けてタイル表示する際の画像の配置を工夫することで、ユーザーが病変等を含む画像に容易に到達可能となる技術が提案されている(特許文献1参照)。タイル表示は、複数の画像をタイル状に敷き詰めるように並べて表示することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-41227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザーが読影を行う表示装置において、ビューアー画面(画像表示画面)に複数の医用画像をタイル表示する場合、医用画像が保存されている医用画像管理サーバーから1枚ずつ医用画像を取得して全ての医用画像を表示するまでに多くの時間を要するため、画像表示速度が遅く、読影に時間がかかる場合があった。
【0006】
例えば、表示装置(ブラウザー側)において、10枚の医用画像を表示する場合、表示装置からサーバーに画像のリクエストを送信し、サーバーから表示装置に画像を送信するという処理を10回行うことになる。具体的には、表示装置からサーバーに1番目の画像のリクエストを送信し、サーバーから表示装置に1番目の画像を送信し、次に、表示装置からサーバーに2番目の画像のリクエストを送信し、サーバーから表示装置に2番目の画像を送信し、同様の処理を10番目の画像まで繰り返す。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、複数の医用画像を表示する際の画像表示時間及び読影時間の短縮を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された表示装置に複数の医用画像を表示させる医用画像管理サーバーであって、予め複数の条件で前記複数の医用画像をタイル状に並べて結合画像を作成する作成手段と、前記複数の条件ごとに、前記作成された結合画像と前記複数の医用画像とを対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記表示装置から前記通信ネットワークを介して前記複数の医用画像の少なくとも1枚以上に対する表示要求があった場合に、設定された条件及び前記複数の医用画像に対応付けられた結合画像を前記記憶手段から取得し、当該取得された結合画像を前記通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する画像提供手段と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像管理サーバーにおいて、前記作成手段は、前記結合画像を作成する際に、ヘッダー情報に含まれる必須項目以外の情報を削除する。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像管理サーバーにおいて、前記作成手段は、前記複数の医用画像を予め設定されている列数及び行数でタイル状に並べ、前記列数と前記行数の積以下の個数の医用画像を含む前記結合画像を同一表示画面ごとに作成する。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像管理サーバーにおいて、前記作成手段は、前記複数の医用画像が所定のモダリティーにより生成されたものである場合に、前記結合画像を作成する。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の医用画像管理サーバーにおいて、前記表示装置において表示されている前記結合画像上で指定された位置を取得する取得手段と、前記取得された位置が、前記結合画像に含まれるいずれの医用画像に相当する領域内であるかを特定し、当該特定された領域内に相当する医用画像を前記記憶手段から取得し、当該取得された医用画像を前記表示装置の全画面に表示させるために、当該取得された医用画像を前記通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する個別画像提供手段と、を備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、表示装置と、当該表示装置と通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、当該表示装置に複数の医用画像を表示させる医用画像管理サーバーと、を備える医用画像表示システムであって、前記医用画像管理サーバーは、予め複数の条件で前記複数の医用画像をタイル状に並べて結合画像を作成する作成手段と、前記複数の条件ごとに、前記作成された結合画像と前記複数の医用画像とを対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記表示装置から前記通信ネットワークを介して前記複数の医用画像の少なくとも1枚以上に対する表示要求があった場合に、設定された条件及び前記複数の医用画像に対応付けられた結合画像を前記記憶手段から取得し、当該取得された結合画像を前記通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する画像提供手段と、を備える。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の医用画像表示システムにおいて、前記作成手段は、前記結合画像を作成する際に、ヘッダー情報に含まれる必須項目以外の情報を削除する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の医用画像を表示する際の画像表示時間及び読影時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態における医用画像表示システムのシステム構成図である。
図2】医用画像管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
図3】システム設定データの例を示す図である。
図4】ユーザー設定データの例を示す図である。
図5】結合画像記憶領域のフォルダー構成を示す図である。
図6】結合画像の画像ファイルのヘッダー情報に含まれる情報の例である。
図7】表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
図8】医用画像管理サーバーにより実行される結合画像作成処理を示すフローチャートである。
図9】タイル表示のために作成された結合画像の例である。
図10】医用画像管理サーバーにより実行される画像表示処理を示すフローチャートである。
図11】(a)は、タイル表示のために作成された結合画像の例である。(b)は、結合画像上で指定された医用画像が全画面に表示された例である。
図12】表示装置が複数のモニターを有する場合の画像の表示方法を示す図である。
図13】表示方法2を用いて、2面モニターにタイル表示を行う場合に作成された結合画像の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る医用画像表示システムの一実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
図1に、医用画像表示システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像表示システム100は、医用画像管理サーバー10と、モダリティー20,20,・・・と、表示装置30,30,・・・と、から構成され、各装置は、通信ネットワークNTを介してデータ通信可能となっている。なお、表示装置30,30,・・・のそれぞれは、必要に応じて医用画像管理サーバー10と通信ネットワークNTを介して接続可能であればよい。医用画像表示システム100では、医用画像管理サーバー10に記憶されている医用画像を表示装置30,30,・・・のそれぞれに表示可能となっている。
【0017】
モダリティー20は、患者(被検体)の撮影を行い、医用画像の画像データを生成する。モダリティー20として、例えば、NM(Nuclear Medicine:核医学検査)、ES(Endoscope:内視鏡検査)、CR(Computed Radiography)、DR(Digital Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、US(UltraSonography)等が用いられる。医用画像の画像データは、医用画像管理サーバー10に送信され、医用画像管理サーバー10で保存・管理される。
【0018】
通常、NM、ESにより生成された医用画像については、初期状態で、まず、タイル表示される場合が多い。タイル表示は、複数の画像を横方向及び縦方向にタイル状に敷き詰めるように並べて表示することである。ユーザーは、タイル表示画面で異常がありそうな画像をざっと探し、その後、異常がありそうな画像を全画面に表示させて、詳細に確認する。
【0019】
医用画像管理サーバー10は、モダリティー20において生成された医用画像の画像データを記憶し、患者ごと、検査ごとに管理する。医用画像管理サーバー10としては、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)等が挙げられる。
【0020】
図2に、医用画像管理サーバー10の機能的構成を示す。医用画像管理サーバー10は、制御部11、通信部12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14等を備えて構成されており、各部はバス15により接続されている。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、医用画像管理サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部14に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0022】
通信部12は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNTを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部12は、モダリティー20により患者を撮影して得られた医用画像の画像データを受信する。また、通信部12は、表示装置30からの要求に応じて、各種画面を表示するための表示用データを当該表示装置30に送信する。
【0023】
RAM13は、制御部11により実行制御される各種処理において、記憶部14から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0024】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部14には、表示装置30に搭載されたWebブラウザーとHTTPプロトコルによる通信を行ってWebブラウザーに各種Web画面を提供するWebサーバーとしての機能を実現させるためのWebサーバープログラムや、Webサーバー上で動作し、Webブラウザーを介して表示装置30のユーザーに医用画像等を提供するためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。
【0025】
また、記憶部14には、ユーザー管理テーブル141、画像管理DB(データベース)142、システム設定データ143、ユーザー設定データ144が記憶されている。また、記憶部14は、医用画像記憶領域145、結合画像記憶領域146を有する。
【0026】
ユーザー管理テーブル141は、医用画像表示システム100を利用するユーザー(医療従事者)を管理するためのテーブルである。ユーザー管理テーブル141には、ユーザーごとに、ユーザーID、パスワード、氏名、所属、メールアドレス等が対応付けられて格納されている。
【0027】
画像管理DB142には、医用画像記憶領域145に記憶されている医用画像ごとに、医用画像の付帯情報(ヘッダー情報)が検索可能に格納されている。付帯情報には、患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報が含まれる。
患者情報には、患者ID、患者の氏名、生年月日、性別等が含まれる。
検査情報には、検査インスタンスUID、検査日時等が含まれる。
シリーズ情報には、シリーズインスタンスUID、モダリティー、部位等が含まれる。
画像情報には、SOPインスタンスUID、画像番号、画像生成日時、撮影方向、医用画像の格納場所を示すファイルパス等が含まれる。画像番号は、同一検査内の何番目の画像であるかを示す番号である。
【0028】
システム設定データ143及びユーザー設定データ144は、結合画像の作成に関する設定条件である。
【0029】
システム設定データ143は、医用画像表示システム100を利用する医療施設に対応付けられている設定データである。図3に、システム設定データ143の例を示す。システム設定データ143では、結合画像の作成対象となる「モダリティー」に対して、タイル表示における「列数」及び「行数」が対応付けられている。「モダリティー」は、結合画像を作成すべき医用画像(検査)に対応するモダリティーである。システム設定データ143に含まれる「モダリティー」により生成された医用画像が、結合画像を作成する際の元の医用画像となる。「列数」は、結合画像を作成する際に横方向に医用画像が並ぶ数である。「行数」は、結合画像を作成する際に縦方向に医用画像が並ぶ数である。図3に示すシステム設定データ143では、モダリティー「NM」で生成された医用画像については、3列×3行のタイル状に並べて結合画像を作成することが設定されており、モダリティー「ES」で生成された医用画像については、3列×3行のタイル状に並べて結合画像を作成することが設定されている。
【0030】
ユーザー設定データ144は、医用画像表示システム100を利用する各ユーザー(医師、技師等の医療従事者)に対応付けられている設定データである。図4(a)~(c)に、それぞれ、ユーザーA、ユーザーB、ユーザーCのユーザー設定データ144の例を示す。なお、図4(a)~(c)では、異なるユーザーのユーザー設定データであることを示すために、144A,144B,144Cと記載している。ユーザー設定データ144A,144B,144Cでは、結合画像の作成対象となる「モダリティー」に対して、タイル表示における「列数」及び「行数」が対応付けられている。「モダリティー」、「列数」、「行数」の詳細については、システム設定データ143と同様である。
【0031】
医用画像記憶領域145には、モダリティー20から受信された医用画像の画像データが記憶される。
【0032】
結合画像記憶領域146には、結合画像の画像データが記憶される。
図5に、結合画像記憶領域146のフォルダー構成を示す。図5に示すように、結合画像記憶領域146では、「年」フォルダー、「月」フォルダー、「日」フォルダー、「時」フォルダー、「検査インスタンスUID」フォルダー、「モダリティー」フォルダー、「列数」フォルダー、「行数」フォルダーが階層的に構成されている。
【0033】
「年」フォルダー、「月」フォルダー、「日」フォルダー、「時」フォルダーは、結合画像の元となった複数の医用画像が生成された年月日時(画像生成日時)に対応するフォルダーである。実際には、年、月、日、時刻を示す数値がフォルダー名となる。
「検査インスタンスUID」フォルダーは、結合画像の元となった医用画像に係る検査に対応するフォルダーである。実際には、検査インスタンスUIDを示す文字列がフォルダー名となる。
「モダリティー」フォルダーは、結合画像の元となった医用画像が生成されたモダリティー20に対応するフォルダーである。実際には、モダリティーを示す文字列がフォルダー名となる。
「列数」フォルダーは、結合画像が作成された際の列数(医用画像が横方向に並ぶ数)に対応するフォルダーである。実際には、列数を示す数値がフォルダー名となる。
「行数」フォルダーは、結合画像が作成された際の行数(医用画像が縦方向に並ぶ数)に対応するフォルダーである。実際には、行数を示す数値がフォルダー名となる。
【0034】
「行数」フォルダーには、結合画像の元となった医用画像を、横方向に「列数」フォルダーに対応する列数分、縦方向に「行数」フォルダーに対応する行数分並べて作成された結合画像の画像ファイルが格納される。システム設定データ143及び複数のユーザー設定データ144において、結合画像を作成すべきモダリティー、列数及び行数の組み合わせが重なっていたとしても、このようなフォルダー構成で結合画像を管理することにより、同じ条件の結合画像は1回作成すればよい。
【0035】
同一検査において、結合画像が複数画面分(複数ページ)作成される場合には、「行数」フォルダーの下位階層に「001」フォルダー、「002」フォルダー、「003」フォルダー、・・・が作成され、各ページに対応する数字のフォルダーに結合画像が格納される。例えば、「列数」がM、「行数」がNである場合、「001」フォルダーには、「検査インスタンスUID」フォルダーに対応する検査の医用画像のうち、画像番号が「1」~「M×N」の医用画像を並べて作成した結合画像(1ページ目)が格納される。また、「002」フォルダーには、「検査インスタンスUID」フォルダーに対応する検査の医用画像のうち、画像番号が「M×N+1」~「2×(M×N)」の医用画像を並べて作成した結合画像(2ページ目)が格納される。
【0036】
あるいは、同一検査において結合画像を複数作成する場合に、「行数」フォルダーの下位階層に各ページに対応するフォルダーを作成することに代えて、結合画像のファイル名を各ページのページ番号にして、複数のファイルを「行数」フォルダーに格納してもよい。
【0037】
制御部11は、モダリティー20から医用画像を受信すると、同一検査に係る複数の医用画像をタイル状に並べて結合画像を作成する。すなわち、制御部11は、作成手段として機能する。
制御部11は、複数の医用画像が所定のモダリティーにより生成されたものである場合に、結合画像を作成する。具体的には、制御部11は、複数の医用画像が、記憶部14のシステム設定データ143又はユーザー設定データ144に含まれる「モダリティー」により生成されたものである場合に、結合画像を作成する。
【0038】
制御部11は、複数の医用画像を予め設定されている列数及び行数でタイル状に並べ、列数と行数の積以下の個数の医用画像を含む結合画像を同一表示画面(ページ)ごとに作成する。例えば、同一検査に係る医用画像の個数がタイル表示の列数と行数の積以下である場合、制御部11は、1枚の結合画像を作成する。同一検査に係る医用画像の個数がタイル表示の列数と行数の積より多い場合、制御部11は、医用画像を列数と行数の積の個数ずつ含む結合画像を作成する。最終ページ(最終表示画面)に該当する結合画像に含まれる医用画像の個数は、タイル表示の列数と行数の積未満であることもある。
【0039】
制御部11は、結合画像を作成する際に、画像フォーマットとして必須の情報以外のタグの情報は削除して、データ量をできるだけ削減する。図6に、JPEG2000の画像フォーマットで結合画像を作成する場合のヘッダー情報に含まれる情報の例を示す。図6には、結合画像の画像ファイルのヘッダー情報に含まれる必須の項目と、各情報の型が示されている。ヘッダー情報に含まれる必須の項目として、Box Length、Box Type、Height(高さ)、Width(幅)、Number of Components(コンポーネント数)、Bits per component(コンポーネントのビット深度)、Compression type(圧縮方法)、Color space unknown(イメージデータの色空間が既知であるかどうか)、Intellectual Property(知的所有権情報を含むかどうか)が挙げられる。
【0040】
制御部11は、作成された結合画像と、結合画像の元となった複数の医用画像と、を対応付けて記憶部14に記憶させる。すなわち、制御部11は、記憶制御手段として機能する。具体的には、制御部11は、記憶部14の結合画像記憶領域146に結合画像を格納すべきフォルダーを作成し、作成したフォルダーに結合画像を格納する。結合画像が、当該結合画像の元となった複数の医用画像に係る検査の「検査インスタンスUID」フォルダーの下位階層に格納されることで、結合画像と、結合画像の元となった複数の医用画像(検査)と、が対応付けられる。また、結合画像が、当該結合画像を作成する際の列数及び行数に対応する「列数」フォルダー及び「行数」フォルダーに格納されることで、結合画像に含まれる医用画像の横方向の数及び縦方向の数が分かる。また、同一検査において、結合画像が複数(複数ページ)作成される場合には、結合画像が、結合画像記憶領域146の「行数」フォルダーの下位階層の各ページに対応する数字のフォルダーのいずれに格納されているかによって、同一検査に含まれる何番目の画像から何番目の画像を含むものであるかが分かる。
【0041】
なお、同一検査において結合画像が複数作成される場合に、各結合画像のファイル名がページ番号と対応付けられているときには、このファイル名を用いて、同一検査に含まれる何番目の画像から何番目の画像を含むものであるかが分かる。
【0042】
制御部11は、通信ネットワークNTを介してデータ通信可能に接続された表示装置30に複数の医用画像を表示させる。
【0043】
制御部11は、表示装置30から通信ネットワークNTを介して複数の医用画像の少なくとも1枚以上に対する表示要求があった場合に、複数の医用画像に対応付けられた結合画像を記憶部14から取得し、当該取得された結合画像を通信ネットワークNTを介して表示装置30に送信する。すなわち、制御部11は、画像提供手段として機能する。
【0044】
制御部11は、表示装置30において表示されている結合画像上で指定された位置を取得する。すなわち、制御部11は、取得手段として機能する。
制御部11は、取得された位置が、結合画像に含まれるいずれの医用画像に相当する領域内であるかを特定し、当該特定された領域内に相当する医用画像を記憶部14から取得し、当該取得された医用画像を表示装置30の全画面に表示させるために、取得された医用画像を通信ネットワークNTを介して表示装置30に送信する。すなわち、制御部11は、個別画像提供手段として機能する。
【0045】
表示装置30は、PC(Personal Computer)やタブレット等のコンピューター装置である。表示装置30は、医用画像を読影する際等に用いられる。
【0046】
図7に、表示装置30の機能的構成を示す。表示装置30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、RAM35、記憶部36等を備えて構成されており、各部はバス37により接続されている。
【0047】
制御部31は、CPU等から構成され、表示装置30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部36に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM35に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0048】
操作部32は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。また、操作部32が、表示部33に積層されたタッチパネルにより構成される場合には、ユーザーの指等によるタッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0049】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0050】
通信部34は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNTを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0051】
RAM35は、制御部31により実行制御される各種処理において、記憶部36から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0052】
記憶部36は、HDDや不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部36には、Webブラウザーを実現するためのWebブラウザープログラム等が記憶されている。
【0053】
次に、医用画像表示システム100における動作について説明する。
図8は、医用画像管理サーバー10により実行される結合画像作成処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部11のCPUと記憶部14に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0054】
医用画像管理サーバー10では、通信部12を介して、モダリティー20から医用画像を受信すると、制御部11は、受信した医用画像を記憶部14の医用画像記憶領域145に記憶させるとともに、記憶部14の画像管理DB142に医用画像の付帯情報を格納する。
【0055】
次に、制御部11は、モダリティー20から受信した医用画像を、記憶部14の医用画像記憶領域145から取得する(ステップS1)。この時、制御部11は、同一検査に係る医用画像が複数存在する場合には、複数の医用画像を医用画像記憶領域145から取得する。
【0056】
次に、制御部11は、記憶部14に記憶されているシステム設定データ143及びユーザー設定データ144を取得する(ステップS2)。
【0057】
次に、制御部11は、ステップS1で取得された医用画像を生成したモダリティー20が初期タイル表示の対象であるか否かを判断する(ステップS3)。初期タイル表示とは、医用画像を表示する際に、まず、複数の医用画像をタイル状に並べて表示することをいう。具体的には、制御部11は、医用画像の付帯情報から当該医用画像を生成したモダリティー20を取得し、このモダリティー20が、ステップS2で取得された設定データ(システム設定データ143又はユーザー設定データ144)の「モダリティー」に含まれるか否かを判断する。
【0058】
医用画像を生成したモダリティー20が初期タイル表示の対象である場合(ステップS3;YES)、すなわち、医用画像を生成したモダリティー20が、ステップS2で取得された設定データの「モダリティー」に含まれる場合には、制御部11は、設定データに従って、複数の医用画像をタイル状(横方向及び縦方向)に並べて結合画像を作成する(ステップS4)。具体的には、制御部11は、システム設定データ143又はユーザー設定データ144において、医用画像を生成した「モダリティー」と対応付けられている「列数」及び「行数」を取得し、この「列数」及び「行数」でタイル状に、複数の医用画像を画像番号順に並べ、結合画像を作成する。
【0059】
図9(a)及び(b)に、3列×3行のタイル表示のために作成された結合画像40A,40Bの例を示す。同一検査に含まれる複数の医用画像を左から右へ順に配置し、3枚並べ終わったら、次の(下の)行に移り、また左から右へ順に医用画像を配置していき、3行分終わったら、1枚分の結合画像が完成する。そして、次のページ(表示画面)に移る。図9(a)に示す結合画像40Aは、1ページ目の結合画像であり、図9(b)に示す結合画像40Bは、2ページ目の結合画像である。結合画像40A,40Bに含まれている元の医用画像に対応する各領域41~58に示されている数字(1~18)は、各医用画像に対応する画像番号である。
【0060】
次に、制御部11は、作成された結合画像を、結合画像の元となった複数の医用画像と対応付けて、記憶部14の結合画像記憶領域146に保存する(ステップS5)。具体的には、制御部11は、記憶部14の結合画像記憶領域146に結合画像を格納すべきフォルダーを作成し、作成したフォルダーに結合画像の画像ファイルを格納する。
【0061】
より詳細には、制御部11は、結合画像記憶領域146において、結合画像に含まれる医用画像が生成された年に対応する「年」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「年」フォルダーが作成されていない場合には、「年」フォルダーを作成する。
次に、制御部11は、「年」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が生成された月に対応する「月」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「月」フォルダーが作成されていない場合には、「月」フォルダーを作成する。
次に、制御部11は、「月」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が生成された日に対応する「日」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「日」フォルダーが作成されていない場合には、「日」フォルダーを作成する。
次に、制御部11は、「日」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が生成された時刻に対応する「時」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「時」フォルダーが作成されていない場合には、「時」フォルダーを作成する。結合画像に含まれる複数の医用画像の画像生成日時が異なる場合には、複数の医用画像のうち、最も生成日時が古いものに合わせるようにしてもよい。
【0062】
次に、制御部11は、「時」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が生成された検査の検査インスタンスUIDに対応する「検査インスタンスUID」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「検査インスタンスUID」フォルダーが作成されていない場合には、「検査インスタンスUID」フォルダーを作成する。
次に、制御部11は、「検査インスタンスUID」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が生成された検査のモダリティーに対応する「モダリティー」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「モダリティー」フォルダーが作成されていない場合には、「モダリティー」フォルダーを作成する。
次に、制御部11は、「モダリティー」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が横方向に並べられた数に対応する「列数」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「列数」フォルダーが作成されていない場合には、「列数」フォルダーを作成する。
次に、制御部11は、「列数」フォルダーの下位階層に、結合画像に含まれる医用画像が縦方向に並べられた数に対応する「行数」フォルダーが既に作成されているか否かを判断し、該当する「行数」フォルダーが作成されていない場合には、「行数」フォルダーを作成する。
【0063】
次に、制御部11は、医用画像を生成したモダリティー20が初期タイル表示の対象となっている設定データのうち、全ての設定データで結合画像を作成したか否かを判断する(ステップS6)。
結合画像を作成していない設定データが残っている場合には(ステップS6;NO)、ステップS4に戻り、処理を繰り返す。このようにして、医用画像を生成したモダリティー20が初期タイル表示の対象となっている設定データに含まれる「列数」×「行数」の結合画像が作成されていく。
【0064】
ステップS6において、医用画像を生成したモダリティー20が初期タイル表示の対象となっている全ての設定データで結合画像を作成した場合(ステップS6;YES)、又は、ステップS3において、医用画像を生成したモダリティー20が初期タイル表示の対象でない場合には(ステップS3;NO)、結合画像作成処理が終了する。
【0065】
図10は、医用画像管理サーバー10により実行される画像表示処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部11のCPUと記憶部14に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0066】
まず、制御部11は、医用画像表示システム100内のいずれかの表示装置30からのアクセスに応じて、ログイン処理を行う(ステップS11)。
具体的には、表示装置30において、ユーザーが操作部32を介してWebブラウザー上から医用画像管理サーバー10にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を入力すると、制御部31は、入力されたURLに基づいて、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に接続する。
医用画像管理サーバー10において、制御部11は、表示装置30に対し、通信部12を介して、ログイン画面を表示するための表示用データを提供する。なお、医用画像管理サーバー10のWebサーバー機能により表示装置30に送信されるログイン画面をはじめとする各種Web画面の表示用データには、HTML、スタイルシート、画像データ、表示装置30で所定の処理を実行させるためのスクリプト等が含まれる。
【0067】
表示装置30では、表示部33にログイン画面が表示される。ログイン画面において、ユーザーが操作部32からの操作により、ユーザーID及びパスワードを入力すると、制御部31は、入力されたユーザーID及びパスワードを、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。
【0068】
医用画像管理サーバー10では、通信部12によりユーザーID及びパスワードが受信されると、制御部11は、記憶部14のユーザー管理テーブル141に予め登録されているユーザーID及びパスワードの組み合わせのいずれかと一致するか否かを判断し、ログイン処理を行う。
【0069】
次に、制御部11は、記憶部14からログインユーザーに対応する設定データを取得する(ステップS12)。具体的には、制御部11は、記憶部14にログインユーザーに対応するユーザー設定データ144が記憶されている場合には、このユーザー設定データ144を取得する。一方、制御部11は、記憶部14にログインユーザーに対応するユーザー設定データ144が記憶されていない場合には、記憶部14からシステム設定データ143を取得する。
【0070】
次に、制御部11は、記憶部14の画像管理DB142を参照して、表示装置30の表示部33に検査リストを表示させ、この検査リストの中から表示対象の検査の選択を受け付ける(ステップS13)。すなわち、制御部11は、表示装置30から通信ネットワークNTを介して選択された検査に係る医用画像に対する表示要求を受け付ける。例えば、選択された検査の検査インスタンスUIDが表示装置30から医用画像管理サーバー10に送信されることにより、制御部11は、選択された検査を特定する。
【0071】
次に、制御部11は、表示対象の検査のモダリティー20が初期タイル表示の対象であるか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、制御部11は、記憶部14の画像管理DB142を参照して、表示対象として選択された検査に対応するモダリティー20を取得し、このモダリティー20が、ステップS12で取得された設定データ(システム設定データ143又はユーザー設定データ144)の「モダリティー」に含まれるか否かを判断する。
【0072】
表示対象の検査のモダリティー20が初期タイル表示の対象である場合(ステップS14;YES)、すなわち、表示対象の検査のモダリティー20が、ステップS12で取得された設定データの「モダリティー」に含まれる場合には、制御部11は、選択された検査により生成された複数の医用画像に対応付けられた結合画像を記憶部14から取得する(ステップS15)。具体的には、制御部11は、記憶部14の結合画像記憶領域146において、選択された検査に対応する「検査インスタンスUID」フォルダーの下位階層の、表示対象の検査のモダリティー20に対応する「モダリティー」フォルダーの下位階層の、設定データに含まれる「モダリティー」に対応する「列数」、「行数」に対応するフォルダーから、結合画像の画像ファイルを取得する。
【0073】
次に、制御部11は、取得された結合画像を表示装置30の表示部33に表示させるために、通信部12を制御して、通信ネットワークNTを介して表示装置30に送信する(ステップS16)。
表示装置30では、表示部33に結合画像が表示される。表示装置30の操作部32において、ページ送り操作が行われると、制御部31は、ページ送り操作を示す情報を通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、ページ送り操作を示す情報に基づいて、次のページに対応する結合画像を結合画像記憶領域146から取得し、表示装置30に送信する。表示装置30では、表示部33に次のページに対応する結合画像が表示される。
【0074】
次に、制御部11は、表示装置30において表示部33に表示されている結合画像上でユーザーが指定した座標位置を取得する(ステップS17)。ユーザーが表示装置30において操作部32を操作し、結合画像上のいずれかの領域にマウスポインターを合わせてダブルクリックを行うと、制御部31は、ダブルクリックを行った座標位置を通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、表示装置30から送信された座標位置を取得する。
【0075】
次に、制御部11は、取得された座標位置に対応する医用画像を特定する(ステップS18)。具体的には、制御部11は、取得された座標位置が、同一検査内の何番目の医用画像(画像番号)に相当する領域であるかを算出し、画像番号からユーザーが指定した医用画像を特定する。つまり、制御部11は、取得された座標位置が、結合画像に含まれるいずれの医用画像に相当する領域内であるかを特定し、当該特定された領域内に相当する医用画像を特定する。
【0076】
図11(a)に、3列×3行のタイル表示のために作成された結合画像60の例を示す。結合画像60のサイズは、900×900である。図11(a)では、横方向にX軸、縦方向にY軸を取り、結合画像60の左上の座標を(0,0)としている。結合画像60を作成する際には、表示画面を等分に分割して各医用画像を配置するため、画像全体のサイズ(900×900)と、画面の分割数(3列×3行)から、ユーザーが指定した座標位置が、結合画像60上に含まれるいずれの医用画像に相当する領域61~69内であるかを判定することができる。
【0077】
具体的には、4点(0,0)、(300,0)、(300,300)、(0,300)で囲まれる領域61は、画像番号1の医用画像に相当する。また、4点(300,0)、(600,0)、(600,300)、(300,300)で囲まれる領域62は、画像番号2の医用画像に相当する。また、4点(600,0)、(900,0)、(900,300)、(600,300)で囲まれる領域63は、画像番号3の医用画像に相当する。また、4点(0,300)、(300,300)、(300,600)、(0,600)で囲まれる領域64は、画像番号4の医用画像に相当する。また、4点(300,300)、(600,300)、(600,600)、(300,600)で囲まれる領域65は、画像番号5の医用画像に相当する。また、4点(600,300)、(900,300)、(900,600)、(600,600)で囲まれる領域66は、画像番号6の医用画像に相当する。また、4点(0,600)、(300,600)、(300,900)、(0,900)で囲まれる領域67は、画像番号7の医用画像に相当する。また、4点(300,600)、(600,600)、(600,900)、(300,900)で囲まれる領域68は、画像番号8の医用画像に相当する。また、4点(600,600)、(900,600)、(900,900)、(600,900)で囲まれる領域69は、画像番号9の医用画像に相当する。
【0078】
次に、制御部11は、特定された医用画像を記憶部14の医用画像記憶領域145から取得し、取得された医用画像を表示装置30の表示部33の全画面に表示させるために、通信部12を制御して、通信ネットワークNTを介して表示装置30に送信する(ステップS19)。具体的には、制御部11は、記憶部14の画像管理DB142を参照して、特定された医用画像の画像ファイルが格納されているファイルパスを取得し、ファイルパスに基づいて、医用画像記憶領域145から目的の医用画像を取得し、当該医用画像を通信部12により表示装置30に送信する。
【0079】
例えば、図11(a)に示す結合画像60において、ユーザーが指定した位置が領域61内である場合、表示装置30では、図11(b)に示すように、画像番号「1」の医用画像70が表示部33の全画面に表示される。
【0080】
ステップS14において、表示対象の検査のモダリティー20が初期タイル表示の対象でない場合には(ステップS14;NO)、制御部11は、選択された検査により生成された医用画像を記憶部14の医用画像記憶領域145から取得する(ステップS20)。
次に、制御部11は、取得された医用画像を表示装置30の表示部33に通常表示させるために、通信部12を制御して、通信ネットワークNTを介して表示装置30に送信する(ステップS21)。
ステップS19又はステップS21の後、画像表示処理が終了する。
【0081】
なお、画像表示処理では、ステップS13において、ユーザーが表示対象の検査を選択することで、医用画像管理サーバー10が、選択された検査に係る医用画像に対する表示要求を受け付ける場合について説明したが、検査全体に対する表示要求ではなく、検査に係る複数の医用画像の少なくとも1枚以上に対する表示要求であってもよい。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、モダリティー20から医用画像を受信した際に、そのモダリティー20により生成された医用画像がタイル表示で読影される設定である場合に、設定データに従い、事前にタイル表示用の結合画像を作成しておくことができる。このため、表示装置30において読影を行う際には、医用画像管理サーバー10は表示装置30に結合画像を送信し、表示装置30に結合画像を表示させればよく、医用画像の初期表示及びページ送り時に、素早く画像を表示できる。したがって、複数の医用画像を表示する際の画像表示時間及び読影時間の短縮を図ることができる。
【0083】
複数の医用画像から作成した結合画像を用いることで、通信速度が向上する理由としては、第1に、結合画像のファイルサイズが、個々の医用画像のファイルサイズの合計よりも小さくなることが挙げられる。結合画像では、ヘッダー部分に必須項目の情報のみを有していればよく、個々の医用画像がヘッダー情報として持っていたデータが不要となるため、全体としてのファイルサイズが小さくなる。
また、第2の理由は、画像を結合することで、表示装置30と医用画像管理サーバー10との間の通信回数が減るためである。従来は、表示装置において複数の医用画像を読み込む場合、その画像分のリクエストを医用画像管理サーバーへ送信する必要があったが、本実施の形態のように、1画像に結合した場合、表示装置30から医用画像管理サーバー10へリクエストを1回送信し、医用画像管理サーバー10から表示装置30へ画像を1回送信するだけでよい。
【0084】
また、結合画像上で指定された位置に基づいて、この位置に対応する医用画像を特定することで、ユーザーが指定した医用画像を全画面に表示することができる。
【0085】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用画像表示システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0086】
例えば、上記実施の形態では、結合画像作成処理と画像表示処理のタイミングが異なる場合について説明したが、タイル表示が必要となった場合に、結合画像を作成することとしてもよい。具体的には、設定データ(システム設定データ143又はユーザー設定データ144)に変更又は追加があった場合、変更又は追加された設定データと同一の設定条件が他になかったときには、その時点では、変更又は追加された設定データに対応する結合画像が結合画像記憶領域146に存在しない。このような場合には、表示装置30から表示要求があった場合に、結合画像を作成すればよい。
【0087】
また、表示装置30が2面構成、3面構成等、複数のモニターを有し、複数の画面を同時に表示可能な構成であってもよい。表示装置30が複数のモニターを有する場合には、ユーザーごと、又は、デバイス(表示装置30)ごとに、モニターの数と医用画像の表示順序とを予め設定しておき、それぞれの場合について、結合画像を作成しておけばよい。表示装置30のモニター構成(モニターの数)については、表示装置30が医用画像管理サーバー10に接続した際に、表示装置30から医用画像管理サーバー10に情報を送信することとしてもよい。
【0088】
表示装置30が2面構成のモニターを有する場合、図12(a)に示す表示方法1では、1面目のモニター331で左から右へ順に医用画像を配置し、1行分並べ終わったら、次の(下の)行に移り、また左から右へ順に医用画像を配置していき、所定行数分並べ終わったら、2面目のモニター332に移り、同様に医用画像を並べていく。
一方、図12(b)に示す表示方法2では、1面目のモニター333と2面目のモニター334を横方向に仮想的に繋げた状態で、モニターを跨いで左から右へタイル表示の列数の2倍分、順に医用画像を配置し、1行分並べ終わったら、次の(下の)行に移り、また左から右へという順序で医用画像を並べていく。
【0089】
図13に、図12(b)に示す表示方法2を用いて、2面モニターに3列×3行のタイル表示を行う場合に作成された結合画像80A,80Bの例を示す。ユーザー又は表示装置30に対して、「2面モニター」、「3列×3行」、「表示方法2」が設定されている場合には、医用画像管理サーバー10において、結合画像80A,80Bを予め作成しておく。結合画像80A,80Bのサイズは、900×900である。結合画像80A,80Bに含まれている元の医用画像に対応する各領域81~98に記載されている数字(1~18)は、各医用画像に対応する画像番号である。表示装置30において、2面目のモニターに表示されている結合画像80Bの左上の領域84が指定された場合、画像番号「4」の医用画像が2面目のモニターの全画面に表示される。
【0090】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性の半導体メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 医用画像管理サーバー
11 制御部
12 通信部
14 記憶部
20 モダリティー
30 表示装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
36 記憶部
40A,40B 結合画像
60 結合画像
70 医用画像
80A,80B 結合画像
100 医用画像表示システム
143 システム設定データ
144 ユーザー設定データ
145 医用画像記憶領域
146 結合画像記憶領域
NT 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13