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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/10 20060101AFI20220308BHJP
   G01N 21/89 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G01V8/10 S
G01N21/89 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018177339
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2020044275
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 純
(72)【発明者】
【氏名】和氣 正典
(72)【発明者】
【氏名】服部 康弘
(72)【発明者】
【氏名】越智 志郎
(72)【発明者】
【氏名】中川 幸信
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-33368(JP,A)
【文献】特表2008-541007(JP,A)
【文献】特開2009-162685(JP,A)
【文献】特開平6-222014(JP,A)
【文献】特開2017-167040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長体状の被搬送体を所定の搬送方向に搬送するとともに搬送端部から放出する搬送部と;
前記搬送部によって搬送される前記被搬送体へ向けて上方から光を照射する第1光源と;
前記第1光源から照射される光を用いて前記被搬送体の表面を撮像する第1撮像部と;
前記第1撮像部の前面に配置され、光を透過する第1前面窓と;
前記搬送部の前記搬送端部から放出される前記被搬送体へ向けて下方から光を照射する第2光源と;
平面視において前記搬送部の下方に配置され、前記第2光源から照射される光を用いて前記被搬送体の裏面を撮像する第2撮像部と;
平面視において前記搬送部の下方における前記第2撮像部の前面に配置され、光を透過する第2前面窓と;
前記第2光源に対して向かい合うように配置され、受光量を補正する補正板と;
前記第1撮像部および前記第2撮像部によって撮像された前記被搬送体のそれぞれの撮像画像から対象物に対応する色を抽出し、抽出した色を含む画像領域を抽出して前記対象物を検知する検知部と;
を具備する、検知装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記被搬送体を、前記搬送方向に対して長手方向が平行となるように搬送し、かつ、10m/min以上の搬送速度で搬送する、請求項1に記載の検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から照射される光を用いて搬送部により搬送される被搬送体を撮像して、被搬送体に含まれる異物などの対象物を検知する検知装置が知られている。
【0003】
また、検知装置には、2つの撮像部を有し、一方の撮像部で上方から被搬送体の表面を撮像し、他方の撮像部で下方から被搬送体の裏面を撮像するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4308318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検知装置においては、被搬送体に含まれる対象物の検知精度を高めることが求められる。
【0006】
上記したような2つの撮像部で被搬送体を撮像する検知装置の場合、被搬送体の裏面を撮像する撮像部を被搬送体の下方に配置することから、たとえば、撮像部を保護するために撮像部の前面に配置される前面窓が被搬送体からの剥離物などで汚れ、撮像精度が低下し、この結果、検知精度が低下することがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、被搬送体に含まれる対象物の検知精度を高めることができる検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る検知装置は、搬送部と、第1光源と、第1撮像部と、第1前面窓と、第2光源と、第2撮像部と、第2前面窓と、補正板と、検知部とを具備する。搬送部は、長体状の被搬送体を所定の搬送方向に搬送するとともに搬送端部から放出する。第1光源は、搬送部によって搬送される被搬送体へ向けて上方から光を照射する。第1撮像部は、第1光源から照射される光を用いて被搬送体の表面を撮像する。第1前面窓は、第1撮像部の前面に配置され、光を透過する。第2光源は、搬送部の搬送端部から放出される被搬送体へ向けて下方から光を照射する。第2撮像部は、平面視において搬送部の下方に配置され、第2光源から照射される光を用いて被搬送体の裏面を撮像する。第2前面窓は、平面視において搬送部の下方における第2撮像部の前面に配置され、光を透過する。補正板は、第2光源に対して向かい合うように配置され、受光量を補正する。検知部は、第1撮像部および第2撮像部によって撮像された被搬送体のそれぞれの撮像画像から対象物に対応する色を抽出し、抽出した色を含む画像領域を抽出して対象物を検知する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被搬送体に含まれる対象物の検知精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る検知装置の全体構成を示す図である。
図2】実施形態に係る検知装置の制御系の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態に係る検知装置は、搬送部と、第1光源と、第1撮像部と、第1前面窓と、第2光源と、第2撮像部と、第2前面窓と、補正板と、検知部とを具備する。搬送部は、長体状の被搬送体を所定の搬送方向に搬送するとともに搬送端部から放出する。第1光源は、搬送部によって搬送される被搬送体へ向けて上方から光を照射する。第1撮像部は、第1光源から照射される光を用いて被搬送体の表面を撮像する。第1前面窓は、第1撮像部の前面に配置され、光を透過する。第2光源は、搬送部の搬送端部から放出される被搬送体へ向けて下方から光を照射する。第2撮像部は、平面視において搬送部の下方に配置され、第2光源から照射される光を用いて被搬送体の裏面を撮像する。第2前面窓は、平面視において搬送部の下方における第2撮像部の前面に配置され、光を透過する。補正板は、第2光源に対して向かい合うように配置され、受光量を補正する。検知部は、第1撮像部および第2撮像部によって撮像された被搬送体のそれぞれの撮像画像から対象物に対応する色を抽出し、抽出した色を含む画像領域を抽出して対象物を検知する。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係る検知装置は、搬送部は、被搬送体を、搬送方向に対して長手方向が平行となるように搬送し、かつ、10m/min以上の搬送速度で搬送する。
【0013】
(検知装置の全体構成)
図1は、実施形態に係る検知装置の全体構成を示す図である。図1に示すように、検知装置1は、搬送部3と、第1光源11と、第1撮像部21と、第1前面窓2aと、第2光源12と、第2撮像部22と、第2前面窓4aと、補正板121と、検知部30(図2参照)と、電源部40(図2参照)とを有する。
【0014】
検知装置1は、検知装置1の鉛直下方に配置された搬送部3に搬送され搬送方向D(第1搬送方向D1)に移動する被搬送体Wに対して第1光源11から光を照射し、第1光源11から光が照射された被搬送体Wを上方から撮像することで、被搬送体Wの表面となる上面に含まれる、または被搬送体Wの表面となる上面に付着した異物などの対象物F(対象物F1)の有無を検知する。
【0015】
また、検知装置1は、搬送部3の搬送端部3aから放出されて搬送方向D(第2搬送方向D2)に移動する被搬送体Wに対して第2光源12から光を照射し、第2光源12から光が照射された被搬送体Wを下方から撮像することで、被搬送体Wの裏面となる下面に含まれる、または被搬送体Wの裏面となる下面に付着した異物などの対象物F(対象物F2)の有無を検知する。
【0016】
また、検知装置1は、第1筐体2を有する。第1筐体2は、搬送部3の直上に配置され、例えば矩形箱状であり、第1光源11および第1撮像部21を収容する。第1筐体2は、外光を遮断する素材で形成される。第1筐体2は、例えば、外部から内部へ水などの洗浄液が進入することを防止するための密閉構造とすることができる。なお、第1筐体2は、第1筐体2の内部に複数の空間を形成するように、区画板によって適宜区画されてもよい。
【0017】
また、第1筐体2は、第1光源11および第1撮像部21が搬送部3側へ落下することを防止するため、または第1光源11および第1撮像部21を保護するため、第1光源11および第1撮像部21の前面となる搬送部3側に、光を透過する第1前面窓2aが配置される。第1前面窓2aは、透明性を有する樹脂製のパネルである。
【0018】
また、検知装置1は、第2筐体4を有する。第2筐体4は、搬送部3の直下に配置され、例えば矩形箱状であり、少なくとも第2撮像部22を収容する。第2筐体4は、第1筐体2と同様、外光を遮断する素材で形成され、例えば、外部から内部へ水などの洗浄液が進入することを防止するための密閉構造とすることができる。なお、第2筐体4においても、第2筐体4の内部に複数の空間を形成するように、区画板によって適宜区画されてもよい。
【0019】
また、第2筐体4は、第2撮像部22を保護するため、第2撮像部22の前面となる第2筐体4における搬送部3による第1搬送方向D1の下流側となる側面に、光を透過する第2前面窓4aが配置される。第2前面窓4aは、平面視において搬送部3の下方における第2撮像部22の前面に配置される。
【0020】
第2前面窓4aは、第1前面窓2aと同様、透明性を有する樹脂製のパネルである。なお、第2筐体4は、第2撮像部22の他、例えば、検知部30(図2参照)を構成する、後述する画像処理コントローラ31を収容する。
【0021】
搬送部3は、例えば、2つのローラ間にベルトが掛け回されたベルトコンベアである。搬送部3がベルトコンベアの場合、循環するベルトのベルト面により搬送部3における搬送面が形成される。このような搬送部3は、ベルトの進行方向に伴い、被搬送体Wを第1搬送方向D1(例えば、水平方向)に搬送する。搬送部3を構成する、循環するベルトは、例えば白色である。
【0022】
また、搬送部3は、第1搬送方向D1の終端部である搬送端部3aから被搬送体Wを放出する。搬送端部3aから放出された被搬送体Wは、第2搬送方向D2となる搬送部3の前方かつ下方へ向けて放物線を描きながら移動(落下)する。
【0023】
第1光源11は、電源部40(図2参照)から供給された電力により、第1光源11の下方に配置された搬送部3の搬送面上を第1搬送方向D1に移動する被搬送体Wおよび対象物F1へ、例えば350~780nmの波長域の光を照射するLED(Light Emitting Diode)を含む可視光照射ユニットである。
【0024】
第1撮像部21は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有するカメラである。第1撮像部21は、第1光源11により照射された光を用いて被搬送体Wを撮像する。第1撮像部21は、第1光源11により照射された光の反射光を撮像する。
【0025】
第1撮像部21の撮像素子の画素数は、例えば500万画素である。ただし、被搬送体Wおよび対象物F1の大きさや要求される検知精度に応じて、第1撮像部21の撮像素子の画素数を適宜変更してもよい。また、第1撮像部21は、撮像した被搬送体Wの画像を検知部30(図2参照)へ出力する。
【0026】
第2光源12は、搬送部3の搬送端部3aの前方かつ下方に配置される。第2光源12は、電源部40(図2参照)から供給された電力により、搬送部3の搬送端部3aから放出され第2搬送方向D2に移動(落下)する被搬送体Wおよび対象物F2へ、第1光源11と同様、例えば350~780nmの波長域の光を照射するLED(Light Emitting Diode)を含む可視光照射ユニットである。
【0027】
第2撮像部22は、平面視において搬送部3の下方に配置される。第2撮像部22の撮像レンズは、搬送部3の前方かつ斜め上方を向いている。
【0028】
第2撮像部22は、第1撮像部21と同様、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有するカメラである。第2撮像部22は、第2光源12により照射された光を用いて被搬送体Wを撮像する。第2撮像部22は、第2光源12により照射された光の反射光を撮像する。
【0029】
第2撮像部22の撮像素子の画素数は、例えば500万画素である。ただし、被搬送体Wおよび対象物F2の大きさや要求される検知精度に応じて、第2撮像部22の撮像素子の画素数を適宜変更してもよい。
【0030】
補正板121は、搬送部3の前方において第2光源12に対して向かい合うように配置される。また、補正板121は、第2撮像部22の撮像レンズに対して板面が向かい合うように配置される。補正板121は、第2光源12からの光の受光量を補正する白色反射板であり、テフロン(登録商標)製であることが好ましい。
【0031】
ただし、本実施形態では、搬送部3の色、具体的には循環するベルトが白色で、補正板121が白色反射板であるが、これに限定されるものではない。搬送部3の色と補正板121の色は、被搬送体Wに混入または付着する可能性がある異物が第1撮像部21および第2撮像部22により撮像されて検知できる色であれば、どのような色であってもよい。また、搬送部3の色と補正板121の色が異なっていてもよい。
【0032】
被搬送体Wは、例えば、食品、錠剤、農作物などである。被搬送体Wは、長体状であり、搬送方向Dにおける前面、後面および左右の側面が曲面となる形状を有する。このため、被搬送体Wは、表面および裏面の2つの面を撮像することで、前面、後面および左右の側面を撮像することができる。対象物Fは、例えば、被搬送体Wの製造工程において被搬送体Wに混入または付着する可能性がある異物である。
【0033】
なお、図1には、被搬送体Wが「食品」の場合の検知工程を例示している。この場合、搬送部3の上流側において、冷凍または半冷凍された被搬送体Wが前段搬送部5から搬送され、排出機6から搬送部3へ排出される。排出された被搬送体Wは、搬送部3によって搬送される間に表面が撮像され、搬送端部3aから放出され、空中を飛んでいる間に裏面が撮像される。
【0034】
搬送端部3aから放出された被搬送体Wは、収容部7内に着地して、例えば、収容されるか、または後段装置へ搬送される。
【0035】
搬送部3は、被搬送体Wを、第1搬送方向D1に対して長手方向が平行となるように搬送する。これにより、長体状の被搬送体Wが第1搬送方向D1に転がるのを抑えることができる。
【0036】
また、搬送部3は、被搬送体Wを10m/min以上の搬送速度で搬送する。搬送部3は、被搬送体Wを40m/minで搬送することが好ましい。これにより、被搬送体Wを搬送端部3aから適切な飛距離で放出することができ、第2撮像部22による撮像時間の確保や着地による被搬送体Wの損傷の低減が可能となる。
【0037】
また、搬送部3は、複数の被搬送体Wを第1搬送方向D1に並べて搬送することにより、複数の被搬送体Wを連続的に第1光源11および第1撮像部21の下方に移動させることができるように構成される。
【0038】
検知装置1は、検知装置1の動作状況などの各種情報を出力するための出力部、検知装置1の動作指示などの各種指示を入力するための入力部、対象物Fに対応する色の範囲に関する情報や、検知装置1の各部の動作を制御するプログラムやパラメータを記憶する記憶部を有する。記憶部は、RAM(Random Access Memory)などの内部記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Disk)などの外部記憶装置を含む。
【0039】
検知装置1は、上記したように、検知部30と、電源部40とを有する(いずれも、図2参照)。検知部30は、第1撮像部21および第2撮像部22からの入力画像を画像処理した結果から、被搬送体Wに含まれる、または被搬送体Wに付着した対象物F1,F2の有無を検知する画像認識処理装置である。
【0040】
検知部30は、例えば、第1撮像部21および第2撮像部22からの入力画像から、対象物F1,F2に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出して対象物F1,F2の有無を検知する。検知部30の更なる構成については、図2を用いて後述する。
【0041】
電源部40は、第1光源11、第1撮像部21、第2光源12、第2撮像部22および検知部30に対して駆動電力を供給する。電源部40の更なる構成については、図2を用いて後述する。
【0042】
なお、検知装置1は、例えば、第1筐体2および第2筐体4のそれぞれの外部に、防水性を有する屋外盤用クーラーなどのための冷却機構である送風機を有してもよい。送風機は、第1筐体2および第2筐体4のそれぞれの内部の排熱、除湿および冷却を伴う換気を行う。
【0043】
(検知装置の制御系)
図2は、実施形態に係る検知装置の制御系の一例を示す図である。図2に示すように、検知装置1の制御系において、検知部30は、例えば、画像処理コントローラ31と、PLC(Programmable logic controller)32とを有する。
【0044】
画像処理コントローラ31は、第1撮像部21および第2撮像部22のそれぞれからの入力画像(画像認識系信号S11a,S11b)に基づいて、例えば、被搬送体Wの表面および裏面の対象物F1,F2(図1参照)に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出して対象物F1,F2の有無を検知する。
【0045】
PLC32は、上記したように、検知装置1の動作状況などの各種情報を出力するための出力部、検知装置1の動作指示などの各種指示を入力するための入力部、対象物F1,F2に対応する色の範囲に関する情報や、検知装置1の各部の動作を制御するプログラムやパラメータを記憶する記憶部を有する制御装置である。
【0046】
PLC32は、画像処理コントローラ31からの検知結果(画像認識系信号S12)が入力されると、検知結果に基づいた制御信号S21を、例えば、タッチパネルなどの表示操作部50へ出力する。また、PLC32は、外部装置へ向けた入出力信号S22を出力する他、各制御信号S23を出力する。
【0047】
電源部40は、例えば、1次側電源41と、制御電源42と、光源電源43とを有する。1次側電源41は、制御電源42の電圧供給源であり、制御電源42と配線接続されている。制御電源42は、制御対象となる各機器、すなわち、第1光源11、第1撮像部21、第2光源12、第2撮像部22、検知部30(画像処理コントローラ31およびPLC32)、および表示操作部50へ電圧V1を供給する。
【0048】
なお、制御電源42は、第1光源11および第2光源12に対する各電圧V2を、光源電源43を介して供給する。
【0049】
以上説明したように、実施形態に係る検知装置1は、搬送部3と、第1光源11と、第1撮像部21と、第1前面窓2aと、第2光源12と、第2撮像部22と、第2前面窓4aと、補正板121と、検知部30とを具備する。搬送部3は、長体状の被搬送体Wを所定の搬送方向D(D1)に搬送するとともに搬送端部3aから放出する。第1光源11は、搬送部3によって搬送される被搬送体Wへ向けて上方から光を照射する。第1撮像部21は、第1光源11から照射される光を用いて被搬送体Wの表面を撮像する。第1前面窓2aは、第1撮像部21の前面に配置され、光を透過する。第2光源12は、搬送部3の搬送端部3aから放出される被搬送体Wへ向けて下方から光を照射する。第2撮像部22は、平面視において搬送部3の下方に配置され、第2光源12から照射される光を用いて被搬送体Wの裏面を撮像する。第2前面窓4aは、平面視において搬送部3の下方における第2撮像部22の前面に配置され、光を透過する。補正板121は、第2光源12に対して向かい合うように配置され、受光量を補正する。検知部30は、第1撮像部21および第2撮像部22によって撮像された被搬送体Wのそれぞれの撮像画像から対象物F(F1,F2)に対応する色を抽出し、抽出した色を含む画像領域を抽出して対象物F1,F2を検知する。
【0050】
実施形態に係る検知装置1は、被搬送体Wを下方から撮像する、すなわち、被搬送体Wの裏面を撮像する第2撮像部22、および第2撮像部22の前面において第2撮像部22を保護する第2前面窓4aが、搬送部3の搬送端部3aから放出される被搬送体Wの直下に位置しないことから、例えば、被搬送体Wから剥離したカスなどが第2前面窓4aに付着することがない。このため、第2前面窓4aの汚れを抑えることができる、これにより、第2撮像部22による撮像精度の低下を抑えることができ、この結果、被搬送体Wに含まれる対象物F(F2)の検知精度を高めることができる。
【0051】
また、第2撮像部22が、搬送部3から放出された被搬送体Wを、第2搬送方向D2の後方における斜め下方から撮像することで、空中を飛んでいる被搬送体Wの裏面に対して向かい合うような位置から被搬送体Wを撮像することができる。これにより、被搬送体Wの裏面全体をくまなく撮像することができ、これによっても、被搬送体Wに含まれる対象物F2の検知精度を高めることができる。
【0052】
また、実施形態に係る検知装置1は、搬送部3は、被搬送体Wを、搬送方向D(D1)に対して長手方向が平行となるように搬送し、かつ、10m/min以上の搬送速度で搬送する。
【0053】
搬送方向D(第1搬送方向D1)に対して長手方向が平行となるように被搬送体Wを搬送することで、被搬送体Wが長尺状であっても搬送中に搬送方向D(第1搬送方向D1)に転がらないため、搬送部3による被搬送体Wの搬送が安定する。また、10m/min以上の搬送速度で被搬送体Wを搬送することで、被搬送体Wを搬送端部3aから適切な飛距離で放出することができ、また、第2撮像部22による撮像時間を確保することができる。
【0054】
なお、上記した実施形態では、検知部30による対象物F(F1,F2)の検知が可視光の色抽出に基づいたものであるが、これに限定されず、例えば、紫外線や赤外線の検知に基づいて対象物F(F1,F2)を検知するものに適用することも可能である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1 検知装置
2a 第1前面窓
4a 第2前面窓
3 搬送部
11 第1光源
12 第2光源
21 第1撮像部
22 第2撮像部
30 検知部
121 補正板
F 対象物
W 被搬送体
図1
図2