(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】位置ずれ検出装置およびコイル装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20220308BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220308BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220308BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20220308BHJP
B60L 53/122 20190101ALN20220308BHJP
B60L 53/36 20190101ALN20220308BHJP
B60M 7/00 20060101ALN20220308BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J7/00 301D
H01F38/14
B60L53/122
B60L53/36
B60M7/00 X
(21)【出願番号】P 2020549966
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(86)【国際出願番号】 JP2019027976
(87)【国際公開番号】W WO2020070945
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2018189910
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】淺野 篤史
(72)【発明者】
【氏名】板東 孝佳
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-008605(JP,A)
【文献】特開2016-103926(JP,A)
【文献】特開2016-163405(JP,A)
【文献】国際公開第2017/145603(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00-50/90
H02J 7/00
B60L 53/122
B60L 53/36
B60M 7/00
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル軸のまわりに巻き回された導線を含む第1コイルに対する第2コイルのずれを検出する位置ずれ検出装置において、
前記第1コイルが発する磁力線を受けると共に、前記コイル軸および前記コイル軸に交差する第1軸に対して交わる第2軸を対称軸として線対称に並置される第1誘導加熱部および第2誘導加熱部と、
前記第1誘導加熱部に隣接して配置されて、第1温度を出力する第1温度計測部と、
前記第2誘導加熱部に隣接して配置されて、第2温度を出力する第2温度計測部と、
前記第1温度および前記第2温度の相違を評価する評価値に基づいて、前記第1コイルに対する前記第2コイルの前記第1軸に沿うずれを検出する処理部と、備
え、
前記第1誘導加熱部および前記第2誘導加熱部は、コイルである、位置ずれ検出装置。
【請求項2】
前記評価値は、前記第1温度および前記第2温度の一方から他方を減算して得られる差分である、請求項
1に記載の位置ずれ検出装置。
【請求項3】
前記評価値は、前記第1温度および前記第2温度において、一方に対する他方の比率である、請求項
1に記載の位置ずれ検出装置。
【請求項4】
前記第1コイルが発する磁力線を受けると共に、前記第1軸を対称軸として線対称に並置される第3誘導加熱部および第4誘導加熱部と、
前記第3誘導加熱部に隣接して配置されて、第3温度を得る第3温度計測部と、
前記第4誘導加熱部に隣接して配置されて、第4温度を得る第4温度計測部と、をさらに備え、
前記処理部は、前記第3温度および前記第4温度の相違を評価する評価値に基づいて、前記第1コイルに対する前記第2コイルの前記第2軸に沿うずれを検出する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の位置ずれ検出装置。
【請求項5】
相手方コイルとの間で電力の送電および受電を行うコイル装置において、
コイル軸のまわりに巻き回された導線を含
み、前記相手方コイルとの間で電力の送電及び受電を行う送受電コイルと、
前記
送受電コイルが発する磁力線を受けると共に、前記コイル軸および前記コイル軸に交差する第1軸に対して交わる第2軸を対称軸として線対称に並置される第1誘導加熱部および第2誘導加熱部と、
前記第1誘導加熱部に隣接して配置されて、第1温度を出力する第1温度計測部と、
前記第2誘導加熱部に隣接して配置されて、第2温度を出力する第2温度計測部と、
前記第1温度および前記第2温度の相違を評価する評価値に基づいて、前記
送受電コイルに対する前記相手方コイルの前記第1軸に沿うずれを検出する処理部と、備
え、
前記第1誘導加熱部および前記第2誘導加熱部は、前記送受電コイルとは別のコイルである、コイル装置。
【請求項6】
前記
送受電コイルを収容する筐体をさらに備える、請求項
5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記第1誘導加熱部、前記第2誘導加熱部、前記第1温度計測部および前記第2温度計測部をさらに収容する、請求項
6に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置ずれ検出装置およびコイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コイルを利用する非接触給電装置において、一方のコイルに対する他方のコイルの位置ずれは、非接触給電装置の性能に影響を及ぼす。例えば、特許文献1~3は、コイルの位置ずれに関する技術を開示する。具体的には、特許文献1~3の技術は、車両に対して誘導情報を提供することにより、コイル同士の位置ずれを低減する。例えば、特許文献1では、カメラにより得た画像を利用して、コイル同士のずれの発生を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-226945号公報
【文献】特開2012-80770号公報
【文献】特許第5749208号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触給電装置は、屋外に設置される場合がある。屋外は、ちりおよびほこりのように、画像処理を基本とした技術に対してノイズとなる要素が多い。従って、非接触給電装置が設置された環境の状態に左右されず、コイルの位置ずれを確実に検知可能な技術が望まれていた。
【0005】
本開示では、周囲環境の影響を受けにくい位置ずれ検出装置およびコイル装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態は、コイル軸のまわりに巻き回された導線を含む第1コイルに対する第2コイルのずれを検出する位置ずれ検出装置である。位置ずれ検出装置は、第1コイルが発する磁力線を受けると共に、コイル軸およびコイル軸に交差する第1軸に対して交わる第2軸を対称軸として線対称に並置される第1誘導加熱部および第2誘導加熱部と、第1誘導加熱部に隣接して配置されて、第1温度を出力する第1温度計測部と、第2誘導加熱部に隣接して配置されて、第2温度を出力する第2温度計測部と、第1温度および第2温度の相違を評価する評価値に基づいて、第1コイルに対する第2コイルの第1軸に沿うずれを検出する処理部と、備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る位置ずれ検出装置およびコイル装置によれば、周囲環境の影響を受けにくい位置ずれ検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、コイル装置を利用した非接触給電システムを説明する図である。
【
図2】
図2は、コイル装置の構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、コイル装置が備える主要なコイルを示す平面図である。
【
図4】
図4は、非接触給電システムにおいてコイル同士のずれがない場合を例示する図である。
【
図5】
図5は、
図4における送電装置のコイルと受電装置のコイルとの間の磁力線を示す概念図である。
【
図6】
図6は、非接触給電システムにおいてコイル同士のずれがある場合を例示する図である。
【
図7】
図7は、
図6における送電装置のコイルと受電装置のコイルとの間の磁力線を示す概念図である。
【
図8】
図8は、変形例に係るずれ検出装置のコイルの配置を示す平面図である。
【
図9】
図9は、別の変形例に係るずれ検出装置のコイルの平面形状を示す平面図である。
【
図10】
図10は、さらに別の変形例に係るコイル装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の位置ずれ検出装置およびコイル装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
本開示の一形態は、コイル軸のまわりに巻き回された導線を含む第1コイルに対する第2コイルのずれを検出する位置ずれ検出装置である。位置ずれ検出装置は、第1コイルが発する磁力線を受けると共に、コイル軸およびコイル軸に交差する第1軸に対して交わる第2軸を対称軸として線対称に並置される第1誘導加熱部および第2誘導加熱部と、第1誘導加熱部に隣接して配置されて、第1温度を出力する第1温度計測部と、第2誘導加熱部に隣接して配置されて、第2温度を出力する第2温度計測部と、第1温度および第2温度の相違を評価する評価値に基づいて、第1コイルに対する第2コイルの第1軸に沿うずれを検出する処理部と、備える。
【0011】
この装置は、線対称に配置された第1誘導加熱部および第2誘導加熱部を有する。これらの誘導加熱部は、第1コイルが発する磁力線を受けると発熱する。そして、第1コイルが発する磁力線は、第1コイルに対する第2コイルの位置に応じる。つまり、第1誘導加熱部および第2誘導加熱部の発熱量は、それぞれの誘導加熱部に提供される磁力線に応じる。その結果、それぞれの誘導加熱部の発熱に応じた温度が、それぞれの温度計測部によって取得される。取得された温度は、処理部に提供される。処理部は、それぞれの温度計測部から提供された第1温度および第2温度の相違を評価する評価値に基づいて、第1コイルに対する第2コイルのずれを得ることができる。第1温度は、第1誘導加熱部を通る磁力線の数に支配され、第2温度は、第2誘導加熱部を通る磁力線の数に支配される。つまり、第1温度および第2温度は、第1コイルおよび第2コイルが配置される環境の影響を受けにくい。従って、位置ずれ検出装置は、設置された環境の状態に左右されないので、周囲環境の影響を受けにくい位置ずれ検出ができる。
【0012】
一形態において、第1誘導加熱部および第2誘導加熱部は、コイルであってもよい。この構成によれば、磁力線に応じた誘導加熱を好適に生じさせることができる。
【0013】
一形態において、評価値は、第1温度および第2温度の一方から他方を減算して得られる差分であってもよい。この評価値によれば、第1温度および第2温度の相違を容易に評価することができる。
【0014】
一形態において、評価値は、第1温度および第2温度において、一方に対する他方の比率であってもよい。この評価値によっても、第1温度および第2温度の相違を評価して、ずれを検出することができる。
【0015】
一形態に係る位置ずれ検出装置は、第1コイルが発する磁力線を受けると共に、第1軸を対称軸として線対称に並置される第3誘導加熱部および第4誘導加熱部と、第3誘導加熱部に隣接して配置されて、第3温度を得る第3温度計測部と、第4誘導加熱部に隣接して配置されて、第4温度を得る第4温度計測部と、をさらに備えてよい。処理部は、第3温度および第4温度の相違を評価する評価値に基づいて、第1コイルに対する第2コイルの第2軸に沿うずれを検出してもよい。この構成によれば、互いに交差するずれ検出軸に沿った第1コイルに対する第2コイルのずれを検出することができる。
【0016】
本開示の別の形態は、相手方コイルとの間で電力の送電および受電を行うコイル装置である。コイル装置は、コイル軸のまわりに巻き回された導線を含むコイルと、コイルが発する磁力線を受けると共に、コイル軸およびコイル軸に交差する第1軸に対して交わる第2軸を対称軸として線対称に並置される第1誘導加熱部および第2誘導加熱部と、第1誘導加熱部に隣接して配置されて、第1温度を出力する第1温度計測部と、第2誘導加熱部に隣接して配置されて、第2温度を出力する第2温度計測部と、第1温度および第2温度の相違を評価する評価値に基づいて、コイルに対する相手方コイルの第1軸に沿うずれを検出する処理部と、備える。
【0017】
このコイル装置では、コイルと相手方コイルとの位置関係に応じる磁力線の態様によって、第1誘導加熱部および第2誘導加熱部に生じる発熱量が相違する。この発熱量に起因する温度を、第1の温度取得部および第2温度取得部によって取得する。その結果、それぞれの温度取得部から提供された第1温度および第2温度の相違に基づいて、コイルに対する相手方コイルのずれを検出することができる。第1温度は、第1誘導加熱部を通る磁力線の数に支配され、第2温度は、第2誘導加熱部を通る磁力線の数に支配される。つまり、第1温度および第2温度は、第1コイルおよび第2コイルが配置される環境の影響を受けにくい。従って、コイル装置は、設置された環境の状態に左右されないので、周囲環境の影響を受けにくい位置ずれ検出ができる。
【0018】
別の形態に係るコイル装置は、コイルを収容する筐体をさらに備えてもよい。この構成によれば、コイルを保護することができる。
【0019】
別の形態において、筐体は、第1誘導加熱部、第2誘導加熱部、第1温度計測部および第2温度計測部をさらに収容してもよい。この構成によれば、第1誘導加熱部、第2誘導加熱部、第1温度計測部および第2温度計測部を保護することができる。
【0020】
図1に示すように、コイル装置1は、たとえば、非接触給電システム100における送電装置101または受電装置102に用いられる。非接触給電システム100は、たとえば電気自動車またはハイブリッド自動車等の車両200に搭載されたバッテリ201を充電する。コイル装置1は、受電装置102および送電装置101の両方に用いられてもよい。
【0021】
コイル装置1が送電装置101に用いられる場合、送電装置101としてのコイル装置1は、たとえば路面Gに固定される。コイル装置1には、送電回路および整流回路などを介して、外部電源が接続される。一方、コイル装置1が受電装置102に用いられる場合、受電装置102としてのコイル装置1は、たとえば車両200のシャシー等に固定される。受電装置102には、受電回路および充電回路などを介して、バッテリ201が接続される。
【0022】
送電装置101と受電装置102とが上下方向において対面する。内部の送電コイルCA及び受電コイルCBは、電磁気的に結合して電磁結合回路を形成する。その結果、送電装置101の送電コイルCAから受電装置102の受電コイルCBへの非接触給電が行われる。言い換えれば、受電装置102は、送電装置101から非接触で電力を受け取る。電磁結合回路は、「電磁誘導方式」で給電を行う回路であってもよく、「磁界共鳴方式」で給電を行う回路であってもよい。
【0023】
以下、コイル装置1を送電装置101として利用する態様を例に、コイル装置1について更に詳細に説明する。
【0024】
コイル装置1の形状は、たとえば扁平である。
図2に示すように、コイル装置1は、筐体2と、送電コイルCA(第1コイル)と、位置ずれ検出装置3と、を有する。
【0025】
筐体2は、少なくとも送電コイルCAを収容する。筐体2は、カバー4とベース6とを含む。カバー4およびベース6に囲まれた収容空間Sには、少なくとも送電コイルCAが配置される。
【0026】
カバー4は、送電コイルCAの表面側に配置された箱体である。カバー4は、外装部材である。カバー4は、送電コイルCAを含む内装部品を保護する。カバー4は、たとえば、非磁性かつ非導電性の材料により形成される。カバー4の材料として、たとえばガラス繊維強化樹脂(GFRP)を採用してもよい。
【0027】
ベース6は、送電コイルCAの裏面側に配置された板状部材である。ベース6は、コイル装置1の全体としての剛性を確保する。ベース6の材料は、たとえば、非磁性であり、導電性を有する。ベース6の材料には、比較的剛性の高い材料が採用される。
【0028】
ベース6の材料として、たとえば透磁率の低い金属材料であるアルミニウムを採用してもよい。このようなベース6の材料の選択によれば、ベース6は、漏えい磁束の外部流出を遮蔽することができる。換言すると、ベース6は、磁気シールド特性を有する。
【0029】
これらのカバー4およびベース6によって、送電コイルCA等を収容する収容空間Sが形成されている。コイル装置1が送電装置101に適用される場合、カバー4は、受電装置102に対面する。また、ベース6は、路面Gに固定される側に配置される。コイル装置1の扁平各部において、対面する他のコイル装置に近い面を「表面」という。他のコイル装置から遠い面、すなわち表面とは反対側の面を「裏面」という。
【0030】
送電コイルCAは、受電装置102が備える受電コイルCB(相手方コイル、第2コイル、
図1参照)との間で送電および受電を行う。送電コイルCAは、送電および受電のための磁束を発生させる。送電コイルCAは、たとえば、同一平面内で略矩形の渦巻状に巻回された導線7によって形成される。送電コイルCAは、たとえばサーキュラー型のコイルである。サーキュラー型のコイルにおいて、導線7は、巻軸ZA(コイル軸)のまわりを囲むようにして、巻線方向に導線7が巻かれている。この場合、巻線方向は渦巻状に延びる方向であり、巻軸ZAに垂直な平面に沿った方向である。導線7としては、たとえば、互いに絶縁された複数の導体素線が撚り合わされたリッツ線が用いられる。導線7として、表皮効果による高周波抵抗を抑えたリッツ線を用いてもよい。導線7として、銅又はアルミニウムの単線を用いてもよい。
【0031】
送電コイルCAは、たとえば、平板状の部材であるボビン8の溝にはめ込まれている。ボビン8は、非磁性かつ非導電性の材料からなる。非磁性かつ非導電性の材料として、たとえばシリコーンやポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。ボビン8がベース6に固定されることにより、収容空間S内における送電コイルCAの位置が定まる。必要に応じて、ボビン8とベース6との間に、フェライト板を設けてもよい。換言すると、フェライト板は、送電コイルCAとベース6との間に配置されてもよい。フェライト板は、ボビン8の大きさに略等しくてもよい。また、フェライト板は、ボビン8より大きくてもよい。フェライト板および送電コイルCAの間にはボビン8が介在する。従って、送電コイルCAはフェライト板に当接しない。なお、送電コイルCAはフェライト板に当接してもよい。
【0032】
図2および
図3に示すように、位置ずれ検出装置3は、コイルC1、C2、C3、C4と、温度センサH1、H2、H3、H4と、処理装置9(処理部)と、を有する。コイルC1は、第1誘導加熱部である。コイルC2は、第2誘導加熱部である。コイルC3は、第3誘導加熱部である。コイルC4は、第4誘導加熱部である。温度センサH1は、第1温度計測部である。温度センサH2は、第2温度計測部である。温度センサH3は、第3温度計測部である。温度センサH4は、第4温度計測部である。コイルC1、C2、C3、C4および温度センサH1、H2、H3、H4は、筐体2の内部に収容されている。なお、処理装置9は、筐体2に収容されていなくてもよい。処理装置9は、筐体2に収容されていてもよい。
【0033】
位置ずれ検出装置3は、巻軸ZAと、軸線XA(第1軸)と、軸線YA(第2軸)と、を有する。軸線XA、YAは、位置ずれ検出装置3におけるずれ検出軸である。また、軸線XA、YAは、対称軸でもある。軸線XAは、軸線YAおよび巻軸ZAに対して直交(交差)する。軸線YAは、軸線XAおよび巻軸ZAに対して直交(交差)する。巻軸ZA、軸線XA、YAは、三軸の直交座標系を構成する。
【0034】
位置ずれ検出装置3は、送電装置101の送電コイルCAに対する受電装置102の受電コイルCBのずれを検出する。ここでいう「ずれ」は、例えば、送電コイルCAの巻軸ZAに対する受電コイルCBの巻軸ZBの相対位置として定義してよい。つまり、送電コイルCAの巻軸ZAが受電コイルCBの巻軸ZBと同一直線上にあるとき(
図4参照)、「ずれ」はないとしてよい。一方、送電コイルCAの巻軸ZAが受電コイルCBの巻軸ZBと同一直線上にないとき(
図6参照)、「ずれ」があるとしてよい。換言すると、送電コイルCA及び受電コイルCBを平面視して、送電コイルCAの巻軸ZAと受電コイルCBの巻軸ZBとが互いに異なる位置にある場合に、「ずれ」があるとしてよい。なお、「ずれ」の定義は、巻軸ZA、ZBとは別の構成に基づいてもよい。例えば、送電コイルCA及び受電コイルCBにおいて所望の伝送効率になる位置関係を「ずれ」がないとしてよい。例えば、伝送効率が最大になる位置関係を「ずれ」がないとしてよい。また、所望の伝送効率にならない位置関係を「ずれ」を有するとしてもよい。
【0035】
送電コイルCAに対する受電コイルCBのずれは、軸線XAに沿ったずれと、軸線YAに沿ったずれと、によって示される。従って、これらのずれを示すための基準として、ずれ検出軸を定義する。
【0036】
位置ずれ検出装置3は、コイルC1、C2および温度センサH1、H2によって軸線XAの方向におけるずれを検出する。コイルC1、C2は、軸線XAをずれ検出軸として、軸線XAに沿って並置されている。コイルC1、C2は、巻軸ZAの方向から平面視して、軸線YAを対称軸として線対称に配置されている。コイルC1、C2は、巻軸ZAを挟んで、巻軸ZAの両側に配置されている。線対称とは、コイルC1、C2が配置される位置が対称であることを含む。また、線対称とは、コイルC1、C2の平面形状が対称であることも含む。
【0037】
位置ずれ検出装置3は、コイルC3、C4および温度センサH3、H4によって軸線YAの方向におけるずれを検出する。コイルC3、C4は、軸線YAをずれ検出軸として、軸線YAに沿って並置されている。コイルC3、C4は、巻軸ZAの方向から平面視して、軸線XAを対称軸として線対称に配置されている。コイルC3、C4は、巻軸ZAを挟んで、巻軸ZAの両側に配置されている。
【0038】
コイルC1、C2、C3、C4は、送電コイルCA及び受電コイルCBのように、巻き回された導線により構成されている。
図3では、コイルC1、C2、C3、C4の外形形状を実線による三角形として示す。つまり、
図3のコイルC1、C2、C3、C4は、巻き回された導線の図示を省略している。
図3の図示によれば、コイルC1、C2、C3、C4は、平面視して二等辺三角形の形状を呈する。上述したように、コイルC1、C2、C3、C4の配置は、線対称である。したがって、コイルC1、C2、C3、C4の平面形状は、互いに合同である。
【0039】
コイルC1、C2、C3、C4は、ボビンB1、B2、B3、B4によって保持されている。ボビンB1、B2、B3、B4は、互いに別体である。そして、ボビンB1、B2、B3、B4は、互いに隙間を設けるように配置されてもよい。この配置によれば、コイルC1、C2、C3、C4同士およびボビンB1、B2、B3、B4同士を熱的に独立させることが可能である。従って、コイルC1、C2、C3、C4同士およびボビンB1、B2、B3、B4同士において、温度差を好適に生じさせることができる。
【0040】
コイルC1、C2、C3、C4を保持するボビンB1、B2、B3、B4は、カバー4の裏面に取り付けられている(
図2参照)。コイルC1、C2、C3、C4は、送電コイルCAの上方に配置されている。換言すると、コイルC1、C2、C3、C4は、送電コイルCAの巻軸ZAの方向に沿って、送電コイルCAから離間して配置されている。この配置によれば、コイルC1、C2、C3、C4は、送電コイルCAに対面する。
【0041】
温度センサH1、H2、H3、H4は、処理装置9に対して温度に関するデータを出力する。温度センサH1、H2、H3、H4は、コイルC1、C2、C3、C4のそれぞれに隣接して配置されている。具体的には、温度センサH1、H2、H3、H4は、ボビンB1、B2、B3、B4の裏面に取り付けられている。なお、温度センサH1、H2、H3、H4は、ボビンB1、B2、B3、B4に埋め込まれてもよい。
【0042】
温度センサH1、H2、H3、H4を設ける位置は、コイルC1、C2、C3、C4のそれぞれの温度を取得可能な位置である。それぞれの温度の取得可能とは、たとえば、温度センサH1は、コイルC1の発熱が支配的な温度を取得することをいう。換言すると、温度センサH1を設ける位置の温度は、コイルC1の発熱の影響が支配的であり、コイルC2、C3、C4の発熱の影響がコイルC1の発熱に比べて無視し得る程度であることをいう。たとえば、温度センサH1をコイルC1に隣接して設けるとは、コイルC1の発熱が支配的な位置に温度センサH1を配置することであるとしてもよい。従って、温度センサH1、H2、H3、H4は、互いに近接して配置せず、互いに大きく離間するように配置してもよい。
【0043】
処理装置9は、温度センサH1、H2、H3、H4から提供された温度T1(第1温度)、温度T2(第2温度)、温度T3(第3温度)、温度T4(第4温度)を利用して、ずれの有無を検出する。処理装置9は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサや、処理ごとに特化した専用のプロセッサ(例えばDSP(Digital Signal Processor))である。処理装置9は、処理実行のために、適宜、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を備えることができる。
【0044】
ずれがない場合を例示する。
図4に示すように、車両200に搭載された受電装置102の巻軸ZBは、路面Gに埋め込まれた送電装置101の巻軸ZAと一致している。
図5は、IV-IV線に沿った受電装置102および送電装置101の断面を示す。
図5では、受電装置102の受電コイルCB、送電装置101の送電コイルCA、およびコイルC1、C2のみを図示する。
【0045】
図5には、送電コイルCAと受電コイルCBとの間に生じる磁力線Mが示されている。送電コイルCA及び受電コイルCBの間には、コイルC1、C2が存在する。従って、磁力線Mは、コイルC1、C2を通過する。いま、送電コイルCAに対して受電コイルCBがずれていないとき、磁力線Mは、巻軸ZA、ZBに対して対称である。換言すると、コイルC1を通る磁力線Mの数は、コイルC2を通る磁力線Mの数と同じである。例えば、
図5に示す例では、コイルC1、C2には、それぞれ9本の磁力線Mが通っている。
【0046】
磁力線MがコイルC1、C2を通ると、コイルC1、C2に誘導電流が生じる。誘導電流の大きさは、コイルC1、C2を通る磁力線Mの数に応じている。
図5に示す例では、コイルC1、C2には、それぞれ9本の磁力線Mが通っている。したがって、コイルC1に生じる誘導電流の大きさは、コイルC2に生じる誘導電流の大きさと同じである。コイルC1、C2に誘導電流が生じると、コイルC1、C2は発熱する。この発熱量は、誘導電流の大きさに応じる。上述したように、コイルC1、C2に生じる誘導電流の大きさは互いに同じであるので、コイルC1、C2の発熱量も互いに同じである。その結果、コイルC1の温度は、コイルC2の温度と同じである。
【0047】
本開示では、誘導加熱部の例示としてコイルC1、C2を示した。位置ずれ検出装置3では、通過する磁力線Mに応じた発熱を利用している。したがって、磁力線Mに応じた発熱が得られる構成であれば、誘導加熱部はコイルに限定されない。たとえば、誘導加熱部は、金属製の輪状部材であってもよい。
【0048】
次に、ずれがある場合を例示する。
図6に示すように、車両200に搭載された受電装置102の巻軸ZBは、路面Gに埋め込まれた送電装置101の巻軸ZAに対してずれている(ずれD参照)。
図7は、VI-VI線に沿った受電装置102および送電装置101の断面を示す。
【0049】
図7に示すように、送電コイルCAに対して受電コイルCBがずれているとき、磁力線Mは、巻軸ZA、ZBに対して対称ではない。磁力線Mは、送電コイルCAから発し受電コイルCBに向かう。しかし、送電コイルCAに対して受電コイルCBがずれているので、磁力線Mの分布が対称でない。その結果、コイルC1を通過する磁力線Mの数と、コイルC2を通過する磁力線Mの数とに相違が生じる。
図7の例示では、コイルC1を通過する磁力線Mは、8本である。一方、コイルC2を通過する磁力線Mの数は、10本である。
【0050】
コイルC1、C2を通る磁力線Mの数が互いに相違すると、コイルC1、C2に生じる誘導電流の大きさも互いに相違する。その結果、誘導電流に起因するコイルC1、C2の発熱量も互いに相違する。従って、その結果、コイルC1に関する温度T1は、コイルC2に関する温度T2と相違する(T1<T2)。換言すると、ボビンB1の温度は、ボビンB2の温度と相違する。
【0051】
つまり、コイルC1、C2の温度の相違を評価することにより、送電コイルCAに対する受電コイルCBのずれの有無を検出することが可能である。換言すると、ボビンB1、B2の温度の相違を評価することにより、送電コイルCAに対する受電コイルCBのずれの有無を検出することが可能である。処理装置9は、コイルC1の温度T1とコイルC2の温度T2との相違を評価する評価値を用いて、ずれの有無を検出する。
【0052】
処理装置9は、評価値として、コイルC1の温度T1と、コイルC2の温度T2と、の差分を利用する。換言すると、処理装置9は、評価値として、ボビンB1の温度T1と、ボビンB2の温度T2と、の差分を利用する。例えば、コイルC1の温度T1からコイルC2の温度T2を減算する。換言すると、ボビンB1の温度T1からボビンB2の温度T2を減算する。その結果、差分値ΔT(T1-T2)が得られる。処理装置9は、この差分値ΔTの絶対値|ΔT|があらかじめ設定した範囲に含まれるとき(0≦|ΔT|≦Tth)、ずれがないと判断してよい。一方、処理装置9は、この差分値ΔTがあらかじめ設定した範囲に含まれないとき(Tth<|ΔT|)、ずれがあると判断してよい。また、処理装置9は、差分値ΔTの符号(正又は負)に基づいて、ずれの方向を特定してもよい。
【0053】
要するに、コイル装置1および位置ずれ検出装置3は、線対称に配置されたコイルC1、C2およびコイルC3、C4を有する。これらのコイルC1、C2、C3、C4は、送電コイルCAが発する磁力線Mを受けると誘導電流を生じ、当該誘導電流によって発熱する。そして、送電コイルCAが発する磁力線Mは、送電コイルCAに対する受電コイルCBの位置に応じる。つまり、コイルC1、C2、C3、C4の発熱量は、それぞれのコイルC1、C2、C3、C4に提供される磁力線Mの数に応じる。その結果、それぞれのコイルC1、C2、C3、C4の発熱に応じた温度が、それぞれの温度センサH1、H2、H3、H4によって取得される。取得された温度T1、T2、T3、T4は、処理装置9に提供される。そして、処理装置9は、それぞれの温度センサH1、H2、H3、H4から提供された温度T1、T2、T3、T4と評価する差分値ΔTとに基づいて、送電コイルCAに対する受電コイルCBのずれを得ることができる。温度T1、T2、T3、T4は、それぞれのコイルC1、C2、C3、C4を通る磁力線Mの数に支配される。したがって、温度T1、T2、T3、T4は、送電コイルCA及び受電コイルCBが配置される環境の影響を受けにくい。従って、コイル装置1および位置ずれ検出装置3は、設置された環境の状態に左右されないので、周囲環境の影響を受けにくい位置ずれ検出ができる。
【0054】
位置ずれ検出装置3は、コイルC1、C2、C3、C4の発熱によって送電コイルCA及び受電コイルCBのずれを検出する。従って、位置ずれ検出装置3は、カメラを用いた画像処理を用いる必要がない。その結果、位置ずれ検出装置3は、カメラを用いる構成と比較すると、構成および処理が比較的簡易である。その結果、位置ずれ検出装置3は、コストを低減することができる。また、位置ずれ検出装置3は、ほこりおよびちりなどの影響も受けにくい。その結果、位置ずれ検出装置3は、周囲環境の影響を受けにくい位置ずれ検出ができる。
【0055】
第1誘導加熱部および第2誘導加熱部は、コイルC1、C2である。この構成によれば、磁力線Mに応じた誘導加熱を好適に生じさせることができる。
【0056】
評価値は、温度T1、T2の一方から他方を減算して得られる差分値ΔTである。この評価値によれば、温度T1、T2の相違を容易に評価することができる。
【0057】
コイル装置1は、送電コイルCAを収容する筐体2を備える。この構成によれば、送電コイルCAを保護することができる。
【0058】
筐体2は、コイルC1、C2、C3、C4および温度センサH1、H2、H3、H4を収容する。この構成によれば、コイルC1、C2、C3、C4および温度センサH1、H2、H3、H4を保護することができる。
【0059】
本開示のコイル装置1および位置ずれ検出装置3について説明したが、本開示のコイル装置1および位置ずれ検出装置3は上記の態様に限られない。
【0060】
例えば、温度の相違を評価する値として、温度の差分値ΔTに代えて、温度T1、T2の比率(T2/T1)を用いてもよい。この評価値によっても、ずれの有無を好適に検出することが可能である。例えば、許容可能な最大ずれが生じた場合に発生する温度を実測又は解析により予め算出する。そして、得られた温度から閾比率を得ておく。今、一方の方向(例えば、
図7における紙面右方向)の最大ずれであるとき、温度T1R、T2Rが生じるとすれば、一方の方向における閾比率は(TSR=T2R/T1R)である。逆に、他方の方向(例えば、
図7における紙面左方向)の最大ずれであるとき、温度T1L、T2Lが生じるとすれば、他方の方向における閾比率は(TSL=T2L/T1L)である。そして、処理装置9は、コイル動作時に得られた比率(T2/T1)と閾比率(TSR、TSL)と比較する。具体的には、処理装置9は、比率(T2/T1)が閾比率によって示される範囲に含まれるとき(TSL≦(T2/T1)≦TSR)、ずれがないと判断してよい。一方、処理装置9は、比率(T2/T1)が閾比率によって示される範囲に含まれないとき((T2/T1)<TSL又はTSR<(T2/T1))、ずれがあると判断してよい。
【0061】
図8の(a)部および
図8の(b)部に示すように、位置ずれ検出装置3A、3Bが有するずれ検出軸の数は、1本であってもよい。
図8の(a)部に示す位置ずれ検出装置3Aは、軸線XAをずれ検出軸とする。位置ずれ検出装置3Aは、軸線YAを対称軸とする。
図8の(b)部に示す位置ずれ検出装置3Bは、軸線YAをずれ検出軸とする。位置ずれ検出装置3Bは、軸線XAを対称軸とする。このような構成によれば、位置ずれ検出装置3A、3Bの構成を簡素化することができる。
【0062】
図9の(a)部、
図9の(b)部、
図9の(c)部および
図9の(d)部に示すように、位置ずれ検出装置3C、3D、3E、3Fの各コイルの平面形状は、所望の形状としてよい。例えば、
図9の(a)部に示すように、位置ずれ検出装置3CのコイルC1c、C2c、C3c、C4cは、それぞれ台形形状であってもよい。コイルC1c、C2c、C3c、C4cは、送電コイルCAの外縁部に沿って配置されてもよい。
図9の(b)部に示すように、位置ずれ検出装置3DのコイルC1d、C2d、C3d、C4dは、矩形形状であってもよい。
図9の(c)部に示すように、位置ずれ検出装置3EのコイルC1e、C2e、C3e、C4eは、楕円形形状であってもよい。
図9の(d)部に示すように、位置ずれ検出装置3FのコイルC1f、C2f、C3f、C4fは、円形形状であってもよい。
図9の(d)部に示す位置ずれ検出装置3Fの軸線XB、YBは、正方形形状の送電コイルCAにおける対角線としてもよい。このような軸線XB、YBの構成によれば、コイルC1f、C2fは、軸線YBを対称軸として配置される。そして、軸線XBは、ずれ検出軸となる。コイルC3f、C4fは、軸線XBを対称軸として配置される。軸線YBは、ずれ検出軸となる。位置ずれ検出装置3C、3D、3E、3Fは、送電コイルCAに対する受電コイルCBのずれを好適に検出できる。
【0063】
図10に示すように、位置ずれ検出装置3GのコイルC1g、C2gおよび温度センサH1g、H2gは、筐体2の外側に配置されてもよい。この構成によれば、既設のコイル装置に対して位置ずれ検出装置3Gを後付けしたコイル装置1Gを得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 コイル装置
2 筐体
3,3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G 位置ずれ検出装置
4 カバー
6 ベース
7 導線
8 ボビン
9 処理装置(処理部)
100 非接触給電システム
101 送電装置
102 受電装置
200 車両
201 バッテリ
B1、B2、B4、B4 ボビン
CA 送電コイル(第1コイル)
CB 受電コイル(第2コイル、相手方コイル)
C1 コイル(第1誘導加熱部)
C2 コイル(第2誘導加熱部)
C3 コイル(第3誘導加熱部)
C4 コイル(第4誘導加熱部)
G 路面
H1,H1g 温度センサ(第1温度計測部)
H2,H2g 温度センサ(第2温度計測部)
H3 温度センサ(第3温度計測部)
H4 温度センサ(第4温度計測部)
S 収容空間
T1 温度(第1温度)
T2 温度(第2温度)
T3 温度(第3温度)
T4 温度(第4温度)
M 磁力線
XA,XB 軸線(第1軸)
YA,YB 軸線(第2軸)
ZA,ZB 巻軸(コイル軸)