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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】自動車の為の閉鎖装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/04 20140101AFI20220308BHJP
   E05B 79/08 20140101ALI20220308BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
E05B77/04
E05B79/08
B60J5/00 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019533508
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 DE2017101048
(87)【国際公開番号】W WO2018113829
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-08-11
(31)【優先権主張番号】102016125167.4
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ストラスマン, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】シーメンスマイヤー, ロルフ
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-240555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0175808(US,A1)
【文献】特開2002-309827(JP,A)
【文献】実開平02-058569(JP,U)
【文献】実公昭46-013839(JP,Y1)
【文献】独国特許出願公開第102008021158(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ラッチおよび少なくとも一つの爪部から成るロック機構(7)とトリガーレバーとを備えた自動車の為の閉鎖装置(1)において、
前記ロック機構(7)は、トリガーレバーによってアンロック可能であり、前記トリガーレバーの運動をブロックする為にブロック手段(5)が前記閉鎖装置(1)に配置され、
前記自動車に作用する外部負荷(F)による前記トリガーレバーの運動のブロックおよび前記ブロック手段(5)の運動のブロックが達成可能になり、それによって、前記閉鎖装置内に移動できる方式で前記ブロック手段(5)を案内でき、
前記ブロック手段(5)は、少なくとも一つのリングナット(18,23)及び円柱形隆起部(19)を有し、バネ要素(24)が前記少なくとも一つのリングナット(18,23)に係合し、前記円柱形隆起部(19)が前記バネ要素(24)の接触表面として使用されることによって位置決めされる、閉鎖装置(1)。
【請求項2】
前記ブロック手段(5)は、ロックプレート(2)内で保持可能であることを特徴とする、請求項1に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項3】
前記ブロック手段(5)は、少なくとも前記閉鎖装置(1)内に移動させることができ、それによって、前記トリガーレバーの運動を防止することができることを特徴とする、請求項1または2に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項4】
前記ブロック手段(5)は、前記トリガーレバーに対応した外形部(20)を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項5】
前記ブロック手段(5)は、円柱形ピン(17)の形式で少なくとも部分的に形成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項6】
前記ブロック手段(5)は、密封されるように前記閉鎖装置(1)に装着可能であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項7】
前記ブロック手段(5)は、アダプタ(13)が、少なくとも部分的に設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項8】
ロック用ハウジング(3)が設けられ、前記ロック用ハウジング(3)は、少なくとも一つの接触表面(16)を有し、前記接触表面(16)は、前記ブロック手段(5)と相互作用することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項9】
前記接触表面(16)は少なくとも一つの所定の破壊点を有し、外部負荷(F)の場合、前記ブロック手段(5)は、前記ブロック手段(5)が前記所定の破壊点を破壊するように前記接触表面(16)と相互作用することを特徴とする、請求項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項10】
前記バネ要素(24)を、前記ハウジング(3)および/またはロックプレート(2)および/またはロック蓋(4)に付けることができることを特徴とする、請求項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項11】
前記バネ要素(24)を、前記リングナット(18,23)内に挿入できることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【説明】
【0001】
本発明は、回転ラッチ及び少なくとも一つの爪部を有するロック機構、トリガーレバーを有する自動車の為の閉鎖装置に関し、ロック機構は、トリガーレバーと、トリガーレバーの運動を遮断する為に閉鎖装置上に配置された手段とによってをアンロックが可能である。その運動は、外側から自動車に作用する負荷と、ブロックの為の手段の運動とによって遮断される。
【0002】
今日の自動車において、高度の快適性を提供する機能が主な役割を果たす一方、他方では、たとえば、事故の場合に車両乗員を保護するために、ますます多くの安全関連機能が車両に組み込まれる。そのため、事故の場合にドアまたはフラップが自動的に開かないことを確保する必要がある。側面衝突の場合、外部ドアハンドルの慣性関連または衝撃関連した動きが、ドアに割り当てられた閉鎖装置のアンロック及びドアの開錠をもたらす場合がある。そのような偶発的な動きから保護することが知られている様々な安全手段が存在する。
【0003】
DE 20 2013 002 811 U1は、クラッシュ安全装置の認識を生み出し、クラッシュ要素が、係合領域、特にドア外板(door skin)に付けられ、それによって、クラッシュ要素は、衝突要素収納部に長手方向軸に沿って移動できるように収容される。たとえば、衝突が自動車に作用する負荷をもたらす場合、ドア外板と共にクラッシュ要素は、閉鎖装置の方向で長手方向に移動可能である。クラッシュ要素を移動させることによって、ロック機構をアンロックさせる作動配置がブロック可能になるので、ロック機構の意図せぬ開錠を防止することができる。しかしながら、そのような実施形態に係る長手方向に移動可能なクラッシュ要素の欠点は、クラッシュ要素が閉鎖装置に関して非常に高精度に整列されることであり、そうでなければ、クラッシュ要素を動かすことができるが、係合部は、ロック機構を始動させるレバーチェーンまたは作動配置に係合できないことである。そのため、クラッシュ要素が移動可能であるが、レバー配置の作動が防止できない。
【0004】
DE 10 2008 021 158 A1は、衝撃の場合に車両ドアの固定を確保する閉鎖装置およびロックの認識を生み出している。側面(たとえば、側面ドア、したがって、間接的にロックおよび閉鎖装置に作用する)衝突の場合のような自動車に作用する負荷の結果、通常は薄いメタルシートで作られている表面領域は凹まされる。加圧によって、ロック又は作動手段はコイルバネの力で移動されるので、ボーデンケーブルをブロックすることができる。
【0005】
他の革新的なクラッシュ安全装置では、閉鎖装置自身にブロックレバーが設けられている。ロックまたは閉鎖装置に旋回可能に配置されたブロックレバーは、開始アームを一側面に有する。開始アームは、自動車に作用する負荷の方向、すなわち、ドアの外側パネルの方向で、ロックから伸びている。ロックに面する側面で、ブロックレバーは、凹部を有するブロック脚部を有する。自動車用ロックの正常な作動において、トリガーレバーは、ブロック用脚部の間の凹部内で旋回する。たとえば、側面衝突が自動車ドアに負荷を作用させると、開始アームを移動させることができ、それによって、ブロックレバーは旋回運動を行う。旋回運動は、ブロック用脚部の一方のトリガーレバーの旋回範囲内での移動を生じさせるので、トリガーレバーは、その移動においてブロック可能である。これにより、ロック機構は、トリガーレバーによるアンロックが防止される。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、自動車の為に改良されたロックを提供することを目的とする。さらに、本発明は、信頼性の良いブロックを確保できる改善されたクラッシュ安全装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、構造的に好ましく、費用節約できる解決策を提供することである。
【0007】
この目的は、独立形式請求項1の特徴部によって解決される。本発明の有利な設計は、従属形式請求項において特定されている。以下に説明される例示的実施形態は限定されるものではなく、説明および従属形式請求項に記載された特徴には変形の可能性があることに留意されたい。
【0008】
請求項1によると、発明の目的は、回転ラッチ及び少なくとも一つの爪部から成るロック機構、トリガーレバーを備えた自動車の為の閉鎖装置を提供することによって解決されるが、それによって、ロック機構は、トリガーレバーと、トリガーレバーの移動をブロックする為に閉鎖装置上に配置された手段とによってアンロック可能であり、それによって、移動は、自動車に作用する外部負荷とブロック手段の移動とによってブロック可能であり、ブロック手段は、移動できるように閉鎖装置内で案内可能である。この発明の閉鎖装置の形態は、閉鎖装置自身によって直接移動可能であり、好ましくは長手方向に案内可能なブロック手段を提供する可能性を作り出す。閉鎖装置におけるブロック手段の移動可能な配置は、ブロック手段およびトリガーレバーの間の安全な相互作用を確保する。特に、閉鎖装置にブロック手段を直接収容するため、ブロック手段を閉鎖装置内で移動できるように案内可能であり、そのため、収納可能であり、正確な整列、すなわち、ブロック手段およびトリガーレバーの間の相互作用も、事故の場合に確保できる。
【0009】
様々なロックおよび閉鎖装置が、自動車用ロックとして使用できる。閉鎖装置が、たとえば、側面ドア、スライドドア、又は、フラップの近傍、蓋またはカバーにおいて、コンパクトな構成ユニットとして使用できる。さらに、たとえば、フード用ラッチ、運搬装置内の補助ロックのような補助ロックが、本発明に従うクラッシュ安全装置を用いて実行できることも考えられる。
【0010】
ロック機構は、回転ラッチおよび少なくとも一つの爪部から成り、それによって、回転ラッチは、爪部を使用してロック位置で保持可能になる。1つ又は2つの爪部を備えたシステムと同様、プリラチェットおよびメインラチェットから成る二段ロック機構が使用される。回転ラッチの移動は、爪部によって、ラチェット位置でブロックまたはロックされる。
【0011】
トリガーレバーは、ロック機構に作用し、それによって、トリガーレバーは、たとえば、旋回運動によって、一つ又は複数の爪部をキャッチ部から係合解除する。好ましくは、トリガーレバーは、旋回できるように、自動車用ロック内、および自動車ロックまたは自動車閉鎖装置のハウジング及び/又はロックケース内に収納される。そのため、トリガーレバーの運動は、ロックされた位置からアンロックされた位置にロック機構を変換することを可能にする。
【0012】
ブロック手段は、トリガーレバーの運動をブロックする為に使用可能である。この目的の為にブロック手段は移動可能であり、そのため、そのような移動可能な方式で閉鎖装置内に収容されているので、トリガーレバーの旋回運動を防止することができる。トリガーレバーの運動を防止することによって、ロック機構は、ロックされた位置に残る。ここで有利なことは、ブロック手段がトリガーレバーと直接相互作用することである。これが有利である理由は、内側レバーおよび外側作動レバーの両方が事故の場合に移動できるからである。トリガーレバーは、内側作動レバーおよび外側作動レバーと相互作用するのが好ましい。トリガーレバーの運動がブロックされると、内側作動レバーおよび外側作動レバーのいずれも、事故の場合に、閉鎖装置の意図しない開錠をもたらすことができない。
【0013】
本発明の一実施形態において、ブロック手段は、閉鎖装置のロックプレート内で保持または案内可能である。閉鎖装置は、通常、ロックプレートまたはロックケースを含み、これは、鋼板でできている。ロックプレートはロック機構を収納する為に使用され、極端な負荷の場合であっても、閉鎖装置の十分な安定性を確保する。ロックプレートにおけるブロック手段の保持または可動収納部は、この点で有利であるのは、ブロック手段が安定したガイド部内に収容されるので、たとえば、事故中に起こる極端な負荷の場合であっても、ブロック手段の安全な案内が確保されるからである。これは、特に、トリガーレバーまたはロック機構におけるブロック手段の正確な整列を可能にする。トリガーレバーは、有利な方式でロックプレート内に収納されるので、ブロック手段およびトリガーレバー間の安全な整列が常に確保できる。
【0014】
ブロック手段が、トリガーレバーの移動が防止可能な閉鎖装置に少なくともブロック手段が移動可能である場合、本発明の更なる実施形態がある。ブロック手段は、ブロック手段がトリガーレバーとの直接接触になる方式で移動される。ブロック手段の移動範囲およびトリガーレバーの配置又は形態は、ブロック手段の移動がトリガーレバーをその旋回運動でブロックし得るように有利な方式で設計される。そのため、トリガーレバーは、閉鎖装置内で固定され、それによって、外部ハンドル又は内部ドアハンドルの移動が閉鎖装置においてアンロック効果を有する。ブロック手段及びトリガーレバーの間の直接的相互作用のため、構成上好ましくかつコンパクタな実施形態に係るブロック手段が提供可能になり、これは、同様に、閉鎖装置にとって費用対効果の良い要因になることが分かる。
【0015】
本発明の更なる有利な実施形態において、ブロック手段は、トリガーレバーに対応した外形部を有する。ブロック手段及びトリガーレバーにおける協働の形態、即ち、インターロック外形部は、一方で安全な相互作用を確保し、他方で、ブロック手段及びトリガーレバー間の追加の係合保護を確保することができる。さらに、ブロック手段の、トリガーレバーとの係合経路は、たとえば、ブロック手段が、トリガーレバーの旋回運動がブロックレバーの外形部に沿って起こる場合、同様に、有利な方式で最適化され、短くされるので、トリガーレバーにおける直接係合は、ブロック手段の僅かな運動によってでさえ可能になる。協働外形部は、有利な方式で、その係合を支持することができ、トリガーレバーの追加の安全装置を確保することができる。特に、トリガーレバー及びブロック手段における半径の形態は、有利な実施系チアの変形例を提供し、ブロック手段に沿ったトリガーレバーの旋回運動を可能にする。
【0016】
ブロック手段が円柱形ピンの形式で少なくとも部分的に形成される場合、これは、本発明の更なる実施形態の変形例を生じる。円柱形ピンとしてブロック手段の少なくとも部分的な形成は、閉鎖装置のガイド部の有利なオプションを提供する。特に、ロックプレート内の収容は、孔によって構成上有利な方式で提供可能である。さらに、ブロック手段が案内可能な方式で収容される少なくともその領域の円柱形態は、ブロック手段の傾斜が防止できることから、高度な安全性を確保する。さらに、ブロック手段の円柱形、したがって、対称的形態は、有利な、費用対効果の良い生産性を可能にする。
【0017】
本発明の更なる実施形態において、ブロック手段は、閉鎖装置において密封される方式で装着可能であり、特に密封リングによって装着可能である。閉鎖装置におけるブロック手段の密封装着は、ブロック手段も、たとえば、自動車ドアの湿った領域に配置可能である点で有利である。湿った領域とは、雨および/または飛び散る水のような環境の影響のため、水分に晒され得る領域である。ブロック手段を取り囲むシールを用いた有利な実施形態において、ブロック手段がシールを用いて実行される場合、閉鎖装置の使用も、閉鎖装置が塵または水分に晒され得る領域で可能になる。
【0018】
ブロック手段が、好ましくは、外部負荷の反対側にアダプタが少なくとも部分的に設けられる場合、本発明の更なる実施形態が提供可能である。ブロック手段は、移動可能または長手方向に移動可能な方式で閉鎖装置内に収容される。この場合、ブロック手段は、ブロック手段が、自動車の外部ジオメトリの、好ましくは、自動車の外部パネルの変形によって作動可能または移動可能になるように閉鎖装置内で整列される。たとえば、事故のため、外部負荷が自動車の側面ドアに作用される場合、外板、すなわち、自動車の薄板金が変形し、負荷がブロック手段に作用する。ここで、ブロック手段は、ドアの外部薄板金の方向において、たとえば、変形がブロック手段の運動を始動するように配置される。アダプタは、有利な方式でブロック手段に設けることができ、これは、たとえば、本体パネルのジオメトリに適合するように設計できる。さらに、アダプタは、たとえば、ブロック手段の直線運動の方向において、アダプタにおける力の影響を反らせるように、ほぼ丸い形状を有し得る。そのため、アダプタは、力を始動する手段として、閉鎖装置の設置状況に適合する為に使用される。
【0019】
本発明の更なる実施形態の変形例において、ロック用ハウジングが設けられ、それによって、ロック用ハウジングは、ブロック手段と相互作用する少なくとも一つの接触表面を有する。ブロック手段は、ロックケース内および/またはロック用ハウジング内および/またはロック蓋内で案内可能である。ブロック手段の意図しない運動および/または、たとえば、装着中のブロック手段の作動を防止するため、本発明に従うブロック手段為に接触表面が設けられるので、ブロック手段を、その非作動位置に位置決めすることができる。さらに、接触表面は、ブロック手段の為の装着補助器具として機能し得る。
【0020】
接触表面が少なくとも一つの所定破壊点を有し、ブロック手段が所定の破壊点を超える外部負荷の場合にブロック手段が接触表面と相互作用する場合、これは、本発明の更なる有利な実施形態を生じさせる。所定の破壊点は、ブロック手段の作動を検出するのに役立ち得る。さらに、接触表面は、所定の破壊点と組み合わされて抵抗を決定することができるので、ブロック手段に対してトリガー力を決定できる。接触表面は、好ましくは、ロック用ハウジングおよび/またはロック蓋によって設けられる。接触表面は、たとえば、ロック用ハウジングおよび/またはロック蓋と一体的に形成可能であり、両方とも、プラスチックで作られるのが好ましい。たとえば、テーパが付けられた材料および/またはたとえば、穿孔によって、所定の破壊点を設けることができる。
【0021】
ブロック手段がバネ要素を経て位置決め可能である場合、本発明の更に有利な実施形態が存在する。バネ要素は、ブロック手段を、その初期位置、すなわち、その非作動位置に位置決め又は保持する為に使用される。本発明の文脈において、2つのドイツ語の用語が単一の英語の用語「ブロック手段」の為の同義語として使用されている。コイルバネ及び/又はバネシートの形式の圧縮バネをバネ要素として使用することができる。バネ要素は、ブロック手段を位置決めし、ブロック手段は伸ばされた位置、すなわち、トリガーレバーと係合されないので、ブロック手段が依然として作動しない位置で保持される。
【0022】
バネをハウジングおよび/またはロックプレートに付けることができる場合、これは、本発明の更なる実施形態の変形例を生じさせる。ロック用ハウジングおよび/またはロックプレート内でバネ要素を位置決めすることにより、バネ要素を後で装着できる、たとえば、既に閉じられたロックを用いて装着できるという利点を提供する。好ましくは、バネ要素は、板バネ形式で形成可能であり、ロック用ハウジング内に挿入でき、ロックプレートと接触するようになる。
【0023】
板バネ形式のバネの実施形態は、ブロック手段の為の位置決め装置の、構成上好ましく、費用対効果の良い実施形態を可能にする。
【0024】
ブロック手段が少なくとも一つのリングナットを有し、バネ要素が、そのリングナットに挿入される場合、これは、本発明の更なる実施形態の変形例を生じさせる。たとえば、板バネ又はバネ要素をハウジング及びブロック手段に挿入できるように板バネが形成される場合、これは、本発明の構成上好ましい実施形態の変形例を生じさせる。ここで、ブロック手段は、閉鎖装置に対して簡単かつ安全に位置決め可能である。さらに、板バネは、ブロック手段の為の安定した耐久性の良い軸受け保護の可能性を提供する。
【0025】
以下、添付された図面を参照して、例示的実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、例示的実施形態は本発明を限定するものではなく、有利な形態を構成するにすぎないことはいうまでもない。図示される特徴は、個別に、或いは、説明および特許請求の範囲の他の特徴と組み合わせて、個別に又は組合せて実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、閉鎖装置、特に、初期位置において、ブロック手段を備えたロックプレートの三次元図である。
図2図2は、閉鎖装置の三次元図であるが、ブロック手段の為の接触表面を図示する為に、ロック蓋が、ロックハウジングから離れて再現されている。
図3図3は、ブロック手段を示す。
図4図4は、ブロック手段からバネ要素が取り外された閉鎖装置におけるブロック手段の三次元図である。
図5図5は、ブロック手段およびブロック手段を位置決めする為に装着されたバネ要素を備えた閉鎖装置の図である。
【詳細な説明】
【0027】
図1には、自動車用ロックまたは閉鎖装置1が再現されている。閉鎖装置1は、ロックプレート2,ロック用ハウジング3,ロック蓋4、ブロック手段5を有する。閉鎖装置1は、ロックプレート2の側部によって再現されているので、切り込み部分6は、切り込み部分6内に配置された回転ラッチで認識できる。ロックプレート2は、依然として、ロック機構7の為に軸受け軸8,9を支持している。ロックプレート2は、依然として、ブロック手段5の為の収容部として使用されている。
【0028】
ロックプレート2も同様に、ネジ山を有し、このネジ山によって、たとえば、自動車ドアに閉鎖装置1を装着できる。この実施形態において、ロックプレート2は、ロック用ハウジング3を部分的に取り囲み、それによって、ロックプレート2は、ロック用ハウジング3によって同時に取り囲まれる。ブロック手段5の領域で、ロック用ハウジング3は凹部11を有するので、ロックプレート2を通してブロック手段5を直接案内することができる。密封リング12は、ブロック手段5の円柱領域を取り囲み、閉鎖装置1に対してブロック手段5を密封する。
【0029】
また、ブロック手段5はアダプタ13を有し、それを用いて、ブロック手段5が、たとえば、自動車のドア外板(dooer skin)と相互作用することができる。
【0030】
図1は、同様に追加の案内手段14を示し、それを用いて、ロック1を装着することができ、あるいは、他のコンポーネントをロック1に適合させることができる。
【0031】
図2には、閉鎖装置1が三次元図で再現されているが、ロック蓋4は、閉鎖装置1から取り外されたように再現されている。ロック蓋4が開口部15を有し、その開口部15を通って、ブロック手段5が少なくとも部分的に案内可能であることが明らかである。開口部15の領域は、ロック蓋4の一部として形成された接触表面16を有することが明らかである。接触表面16には所定の破壊点を設けることができ、破壊点は、接触表面16およびロック蓋4と一体的に形成することができる。あるいは、ブロック手段5は、アダプタ13を有することなく再現されるが、ブロック手段5は、たとえば、閉鎖装置1の内側に配置された圧縮バネによって位置決めすることができる。
【0032】
外部負荷Fが閉鎖装置1に加えられると、ブロック手段5は、閉鎖装置1の中に移動し、トリガーレバーと係合する。この場合、ブロック手段5は、ロックプレート3およびロック用ハウジング3によって長手方向に移動できるように案内され、ロック用蓋4によって少なくとも部分的に案内される。ブロック手段5の移動は、接触表面16が移動すること、あるいは、ロック用蓋4から取り外されることを必要とする。
【0033】
図3には、ブロック手段5が円柱形ピン17の形態で再現されている。ブロック手段5は、リングナット18,円柱形隆起部19を有し、それによって、円柱形隆起部19が、たとえば、板バネの為の接触表面として使用可能になる。次に、リングナット18を接触表面に導入することができ、たとえば、ブロック手段5および接触表面16の間に形状適合を生じさせることができる。
【0034】
ブロック手段5は先が尖った外形部20を有するので、対応した外形部20がブロック手段5およびトリガーレバーの間に生じさせることができることが同時に明らかである。
【0035】
図4には、閉鎖装置1の三次元図が再現されているが、この実施形態において、密封リング21は矩形状である。円柱形隆起部22は、リングナット23を有し、そこにバネ要素24が挿入される。
【0036】
図5には、図4からのV領域の拡大図が再現されているが、バネ要素24は、装着位置に再現され、ブロック手段5と係合している。バネ要素24は、板バネとして設計され、円柱形隆起部22のリングナット23に係合する。他のバネ脚部25は、一方ではブロック手段を取り囲み、ロック用ハウジング3およびロックプレート2の間に固定されている。バネ要素24は、ブロック手段を位置決めする為に使用可能である。さらに、バネ要素24および接触表面16の組合せは、ブロック手段5の意図せぬ作動を防止する点で有利である。ブロック手段5の本発明の形成によって、閉鎖装置におけるトリガーレバーの安全な遮断を確実にすること、更に、自動車の乗員の安全を確保する、構造的に好ましく、費用効果的な方法を作り出すことが可能である。
【0037】
【参照符合リスト】
【0038】
1…閉鎖装置、ロック、2…ロックプレート、3…ロックハウジング、4…ロック蓋、5…ブロック手段、6…切り込み部分、7…キャッチ部、8, 9…軸受け軸、10…ネジ山、11…凹部、12, 21…密封リング、13…アダプタ、14…案内要素、15…開口、16…接触表面、17…円柱形ピン、18, 23…リングナット、19, 22…円柱形隆起部、20…先が尖った外形部、24…バネ要素、25…バネ脚部、F…負荷。
図1
図2
図3
図4
図5