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特許7036392振動減衰装置、及びこの振動減衰装置が設けられた車両用シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】振動減衰装置、及びこの振動減衰装置が設けられた車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20220308BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20220308BHJP
   B60N 2/879 20180101ALI20220308BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/64
B60N2/879
F16F15/02 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020169983
(22)【出願日】2020-10-07
(62)【分割の表示】P 2016206366の分割
【原出願日】2016-10-20
(65)【公開番号】P2021006453
(43)【公開日】2021-01-21
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良隆
(72)【発明者】
【氏名】常盤 祐二
(72)【発明者】
【氏名】後藤 克司
(72)【発明者】
【氏名】大竹 良範
(72)【発明者】
【氏名】安藤 公一
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-225089(JP,A)
【文献】特開2013-189049(JP,A)
【文献】特開2003-226179(JP,A)
【文献】特開昭63-096335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0264419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - 2/90
A47C 7/00 - 7/74
F16F 15/00 - 15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座する座部に着座した乗員の上体を支持するシートバックの骨格を構成するシートバックフレームの少なくとも長板状の側部に対し、ナットを介して締結され、
軸部として段付ボルトが挿通され前記段付ボルトの長手方向に沿って移動可能とされた錘部材と、
前記段付ボルトの長手方向の一端部に設けられた頭部と前記錘部材の間に配置され、当該段付ボルトの長手方向の一端部側が挿通されて、当該錘部材を前記段付ボルトの長手方向の他端部側へ付勢する第1コイルバネと、
前記段付ボルトの長手方向の他端部に設けられた雄ネジ部と前記錘部材の間に配置され、当該段付ボルトの長手方向の他端部側が挿通されて、当該錘部材を前記段付ボルトの長手方向の一端部側へ付勢する第2コイルバネと、
前記雄ネジ部に螺合され前記第2コイルバネが当接し前記段付ボルトに対して当該第2コイルバネを抜け止めする抜け止め部材と、
を有する振動減衰装置。
【請求項2】
前記軸部の外側が当該軸部の長手方向に沿って筒状に形成された樹脂製のカラー部材で覆われ、前記錘部材、前記第1コイルバネ及び前記第2コイルバネと前記軸部との間には前記カラー部材が配置されている請求項1に記載の振動減衰装置。
【請求項3】
シート本体は、
乗員が着座する座部と、
前記座部に着座した乗員の上体を支持するシートバックと、
前記シートバックの上方側に設けられ前記乗員の頭部を支持するヘッドレストと、
を含んで構成され、
請求項1又は請求項2に記載の振動減衰装置が前記シートバック又は前記ヘッドレストに設けられている車両用シート。
【請求項4】
前記シートバックの骨格を構成するシートバックフレームに対して、互いに異なる固定周波数を有する複数の前記振動減衰装置が設けられている請求項3に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記第1コイルバネのバネ定数K と前記第2コイルバネのバネ定数K は、前記シート本体の共振周波数と前記錘部材の固有振動数が同じになるように設定されている請求項3又は請求項4に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記シートバックの骨格を構成するシートバックフレームの上端側に前記振動減衰装置が設けられている請求項3~請求項5の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項7】
前記振動減衰装置は、シート幅方向に沿って配設されている請求項3~請求項6の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項8】
前記振動減衰装置は、シート前後方向に沿って配設されている請求項3~請求項7の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項9】
前記振動減衰装置は、シート幅方向、シート前後方向及びシート上下方向の成分を含んで配設されている請求項3~請求項8の何れか1項に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、車両用シートにダイナミックダンパ(振動減衰装置)が設けられた技術が開示されている。このダイナミックダンパは、複数のダンパマスで構成されており、隣接するダンパマス同士はゴム部材によって連結され、ゴム部材を介してこれらのダンパマスが揺動可能とされている。
【0003】
ここで、自動車における走行中、アイドリング中の振動は、車両用シートを車体フロア部に固定させる車体連結部(シートブラケット)を介して、車両用シートへ伝達される。これにより、車両用シートは振動する。一方、車両用シートにダイナミックダンパを設けることで、車両用シートが振動すると、ダンパマスが揺動し、これにより車両用シートの振動は減衰される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-116654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この先行技術では、ダイナミックダンパが複数のダンパマスで構成され、隣接するダンパマス同士はゴム部材によって連結されているため、振動時に個々のダンパマスが振動する際の自由度が高く、ダイナミックダンパにおける固有振動数の設定が難しい。このため、車両用シートにおいて振動減衰効果が十分に得られない場合もある。
【0006】
また、このダイナミックダンパではゴム部材を使用しているため、振動時に、ダンパマスのストローク量は小さく、振動減衰量を大きくすることはできない。一方、振動減衰量を大きくするためには、ダンパマスの質量を大きくすることが考えられるが、この場合、ダンパマスは大きくなり、ダンパマスが大きくなった分、車両用シートにおいて、ダンパマスを備えたダイナミックダンパを配設させるためのスペースを確保することが困難になってしまう。さらに、ダンパマスの質量が大きくなると、ゴム部材の劣化による振動減衰効果の低減も懸念される。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、振動減衰効果が向上し、コンパクトで軽量化が可能な振動減衰装置、及びこの振動減衰装置が設けられた車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の振動減衰装置は、乗員が着座する座部に着座した乗員の上体を支持するシートバックの骨格を構成するシートバックフレームの少なくとも長板状の側部に対し、ナットを介して締結され、軸部として段付ボルトが挿通され前記段付ボルトの長手方向に沿って移動可能とされた錘部材と、前記段付ボルトの長手方向の一端部に設けられた頭部と前記錘部材の間に配置され、当該段付ボルトの長手方向の一端部側が挿通されて、当該錘部材を前記段付ボルトの長手方向の他端部側へ付勢する第1コイルバネと、前記段付ボルトの長手方向の他端部に設けられた雄ネジ部と前記錘部材の間に配置され、当該段付ボルトの長手方向の他端部側が挿通されて、当該錘部材を前記段付ボルトの長手方向の一端部側へ付勢する第2コイルバネと、前記雄ネジ部に螺合され前記第2コイルバネが当接し前記段付ボルトに対して当該第2コイルバネを抜け止めする抜け止め部材と、を有している。
【0009】
請求項1に記載の振動減衰装置では、シートバックフレームの少なくとも長板状の側部に対し、ナットを介して締結される。このため、本発明では、軸部として段付ボルトが錘部材に挿通されており、当該錘部材が段付ボルトの長手方向に沿って移動可能とされている。当該段付ボルトの長手方向の一端部に設けられた頭部と錘部材の間には、第1コイルバネが配置されており、第1コイルバネは、当該段付ボルトの長手方向の一端部側が挿通されて錘部材を段付ボルトの長手方向の他端部側へ付勢している。また、段付ボルトの長手方向の他端部に設けられた雄ネジ部と錘部材の間には、第2コイルバネが配置されており、第2コイルバネは、当該段付ボルトの長手方向の他端部側が挿通されて錘部材を段付ボルトの長手方向の一端部側へ付勢している。ここで、雄ネジ部には、抜け止め部材が螺合されており、抜け止め部材には第2コイルバネが当接し段付ボルトに対して当該第2コイルバネを抜け止めしている。
【0010】
本発明では、錘部材は、軸部の長手方向に沿って、第1コイルバネ及び第2コイルバネによって付勢されている。このため、振動部材による振動により、錘部材が軸部の長手方向の一端部側へ移動すると、第1コイルバネは圧縮されると共に第2コイルバネは伸長し、錘部材が軸部の長手方向の他端部側へ移動すると、第1コイルバネは伸長すると共に第2コイルバネは圧縮される。
【0011】
したがって、錘部材が移動すると、第1コイルバネ及び第2コイルバネには、それぞれ弾性エネルギ(付勢力)が蓄積され、第1コイルバネ及び第2コイルバネによる付勢力によって錘部材が軸部の長手方向に沿って往復移動する。すなわち、振動部材の振動による振動エネルギは、錘部材が移動する運動エネルギに変換される。その結果、振動エネルギは吸収され、振動部材の振動は減衰される。
【0012】
ここで、本発明では、錘部材は、当該錘部材を間において、第1コイルバネ及び第2コイルバネによる付勢力が作用する、いわゆる強制振動となる。このため、錘部材の固有振動数を振動部材の共振周波数に設定することにより、振動部材の振動を効果的に減衰することができる。
【0013】
また、本発明では、錘部材を付勢する付勢部材として第1コイルバネ及び第2コイルバネが用いられている。このため、付勢部材としてゴム部材が用いられた場合と比較して、錘部材のストロークを長くすることができる。つまり、錘部材が移動する運動エネルギを大きくすることができる。このため、本発明における振動減衰装置によれば、コンパクトかつ軽量化を図ることができる。
【0014】
さらに、本発明では、第1コイルバネ、錘部材及び第2コイルバネは軸部の長手方向に沿って移動可能とされている。換言すると、第1コイルバネ、錘部材及び第2コイルバネの自由度は一方向となる。このため、本発明における振動減衰装置において、固有振動数を容易に設定することができる。
【0015】
さらにまた、本発明では、段付ボルトの頭部に当接するように第1コイルバネに段付ボルトを挿通させた後、錘部材に段付ボルトを挿通させる。そして、第2コイルバネに段付ボルトを挿通させた後、段付ボルトの雄ネジ部に抜け止め部材を螺合させることによって、振動減衰装置が作られる。
【0016】
つまり、本発明では、振動減衰装置を容易に製造することができる。また、一般に、シートバックの骨格を構成するフレーム間の取り付けには、ボルトが用いられる。このため、本発明では、当該ボルトに代えて段付ボルトを用いることによって、当該振動減衰装置をシートバックに容易に組み付けることができる。
【0017】
請求項2に記載の振動減衰装置は、請求項1に記載の振動減衰装置において、前記軸部の外側が樹脂製のカラー部材で覆われ、当該軸部と前記錘部材、第1コイルバネ及び第2コイルバネの間には前記カラー部材が配置されている。
【0018】
請求項2に記載の振動減衰装置では、軸部の外側が樹脂製のカラー部材で覆われているため、軸部は外部に露出しない。つまり、当該軸部と錘部材、第1コイルバネ及び第2コイルバネの間にはカラー部材が配置されているため、金属製の軸部、錘部材、第1コイルバネ及び第2コイルバネが用いられても、軸部と錘部材、第1コイルバネ及び第2コイルバネとは、直接接触しない。これにより、金属部材同士が干渉することによる異音の発生を防止することができる。
【0019】
請求項3に記載の車両用シートは、シート本体が、乗員が着座する座部と、座部に着座した乗員の上体を支持するシートバックと、シートバックの上方側に設けられ乗員の頭部を支持するヘッドレストと、を含んで構成されている。そして、シートバック又はヘッドレストには、請求項1又は請求項2に記載の振動減衰装置が設けられている。
【0020】
一般に、シート本体は、スライドレール及びシートブラケットを介して車体フロア部に対して車両前後方向に沿ってスライド可能に取付けられている。つまり、シート本体の下端側はスライドレールによって支持されているため、シート本体において、シートクッション側の振動と比較して、シートバックやヘッドレスト側は自由端側となり振動は大きくなる。
【0021】
このため、請求項3に記載の車両用シートでは、シートクッション側よりも振動が大きいシートバック又はヘッドレストに、振動減衰装置を設けることで、シート本体の振動エネルギを効果的に吸収し、シート本体の振動を減衰させる減衰効率を向上させることができる。
請求項4に記載の車両用シートは、請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックの骨格を構成するシートバックフレームに対して、互いに異なる固定周波数を有する複数の前記振動減衰装置が設けられている。
【0022】
請求項に記載の車両用シートは、請求項3又は請求項4に記載の車両用シートにおいて、前記第1コイルバネのバネ定数Kと前記第2コイルバネのバネ定数Kは、前記シート本体の共振周波数と前記錘部材の固有振動数が同じになるように設定されている。
【0023】
請求項に記載の車両用シートでは、第1コイルバネのバネ定数Kと第2コイルバネのバネ定数Kが、シート本体の共振周波数と錘部材の固有振動数が同じになるように設定されることで、シート本体の共振時に第1コイルバネ及び第2コイルバネを介して錘部材が共振する。これにより、シート本体の振動エネルギが錘部材の運動エネルギに変換され、シート本体の振動エネルギが吸収されて、シート本体の振動が効果的に減衰される。
【0024】
請求項に記載の車両用シートは、請求項3~請求項5の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックの骨格を構成するシートバックフレームの上端側に前記振動減衰装置が設けられている。
【0025】
シートバックはヘッドレストよりも外形が大きい分、振動減衰装置を配設するためのスペースを確保しやすい。このため、請求項に記載の車両用シートでは、シートバックの骨格を構成するシートバックフレームの上端側に振動減衰装置を設けることで、振動減衰装置を配設するためのスペースを十分に確保することができる。
【0026】
請求項に記載の車両用シートは、請求項3~請求項の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記振動減衰装置は、シート幅方向に沿って配設されている。
【0027】
請求項に記載の車両用シートでは、シート本体のシート幅方向に沿った振動に対して減衰させることができる。
【0028】
請求項に記載の車両用シートは、請求項3~請求項の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記振動減衰装置は、シート前後方向に沿って配設されている。
【0029】
請求項に記載の車両用シートでは、シート本体のシート前後方向に沿った振動に対して減衰させることができる。
【0030】
請求項に記載の車両用シートは、請求項3~請求項の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記振動減衰装置は、シート幅方向、シート前後方向及びシート上下方向の成分を含んで配設されている。
【0031】
請求項に記載の車両用シートでは、シート本体のシート幅方向、シート前後方向及びシート上下方向の成分を含む振動に対して減衰させることができる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の振動減衰装置によれば、振動減衰効果が向上し、コンパクトかつ軽量化を図ることができる。
【0033】
請求項2に記載の振動減衰装置によれば、金属部材同士が干渉することによる異音の発生を防止することができる。
【0034】
請求項3に記載の車両用シートによれば、シート本体の振動エネルギを効果的に吸収し、シート本体の振動を減衰する減衰効率を向上させ、コンパクトかつ軽量化を図ることができる。
請求項4に記載の車両用シートによれば、互いに異なる固定周波数を有する複数の振動減衰装置が設けられる
【0035】
請求項に記載の車両用シートによれば、シート本体の振動エネルギを確実に吸収し、シート本体の振動を減衰することができる。
【0036】
請求項に記載の車両用シートによれば、振動減衰装置を配設するための設計の自由度が上がる。
【0037】
請求項に記載の車両用シートによれば、シート本体のシート幅方向に沿った振動に対して減衰させることができる。
【0038】
請求項に記載の車両用シートによれば、シート本体のシート前後方向に沿った振動に対して減衰させることができる。
【0039】
請求項に記載の車両用シートによれば、シート本体のシート幅方向、シート前後方向及びシート上下方向の成分を含む振動に対して減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本実施の形態に係る車両用シートをシート左斜め前方から見た斜視図である。
図2】本実施の形態に係る車両用シートのシート本体をシート左斜め前方から見た斜視図である。
図3】本実施の形態に係る車両用シートのシート本体をシート右斜め前方から見た斜視図である。
図4】本実施の形態に係る振動減衰装置がシートバックフレームの上端側かつ左側の部位に配設された状態を示す図3のB部が拡大された一部拡大斜視図である。
図5】本実施の形態に係る振動減衰装置を正面から見た状態を示す部分断面図である。
図6】本実施の形態に係る振動減衰装置の構成を示す分解斜視図である。
図7】本実施の形態に係る振動減衰装置の振動モデルを示す模式図である。
図8】本実施の形態に係る振動減衰装置がシートバックフレームの下部側の部位に配設された状態の変形例1を示す図2のA部が拡大された一部拡大斜視図である。
図9】本実施の形態に係る車両用シートにおける変形例2を示す図8に対応する一部拡大斜視図である。
図10】本実施の形態に係る車両用シートにおける変形例3を示す図8に対応する一部拡大斜視図である。
図11】本実施の形態に係る車両用シートにおける振動減衰装置の効果を説明するための周波数と増幅率の関係を示すグラフである。
図12】本実施の形態に係る車両用シートにおける変形例4を示す図4に対応する一部拡大斜視図である。
図13】本実施の形態に係る車両用シートにおける変形例5を示す図4に対応する一部拡大斜視図である。
図14】本実施の形態に係る車両用シートにおける振動減衰装置の効果を説明するための周波数と増幅率の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る車両用シート10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは、車両用シートの前方向(着座者の向く方向)を示しており、矢印UPは車両用シートの上方向を示し、矢印RHは車両用シートの右方向、矢印LHは車両用シートの左方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両用シートの前後、車両用シートの上下、進行方向を向いた場合の車両用シートの左右を示すものとする。
【0042】
(車両用シートの構成)
まず、本実施の形態に係る車両用シートの構成について説明する。
【0043】
図1に示すように、車両用シート(シート本体)10は、乗員が着座するシートクッション(座部)12と、乗員の上体を支持するシートバック14と、シートバックの上方側に設けられ乗員の頭部を支持するヘッドレスト16と、を含んで構成されている。
【0044】
シートクッション12は、例えば、ウレタンパッドなどの発泡体によって形成されており、図2に示すクッションフレーム18に固定されている。なお、図2では、クッションフレーム18及び後述するシートバックフレーム28と含んで構成されたシート本体30を前方側かつ左側から見た斜視図であり、図1に示すヘッドレスト16は図示されていない。図3においても、図2と同様に図1に示すヘッドレスト16は図示されていない。
【0045】
図2に示されるように、クッションフレーム18のシート幅方向の両端側の下側には、シート前後方向に沿ってスライドレール20がそれぞれ設けられている。左右一対のスライドレール20は、スライドレール20の前部にそれぞれ設けられた前側シートブラケット22及びスライドレール20の後部にそれぞれ設けられた後側シートブラケット24を介して車体フロア部26に固定されている。そして、左右一対のスライドレール20を介して、車両用シート10が車両前後方向に沿ってスライド可能となる。
【0046】
一方、図1に示すシートバック14は、シートクッション12と同様に、例えば、ウレタンパッドなどの発泡体によって形成されており、図2に示すシートバックフレーム28に固定されている。このシートバックフレーム28は、クッションフレーム18に対して車両前後方向に沿ってシートバックフレーム28を傾倒可能にするリクライニング装置29が設けられたロアフレーム25と、ヘッドレスト16が連結されるアッパフレーム27と、を含んで構成されている。そして、図8に示されるように、ロアフレーム25とアッパフレーム27は、シートバックフレーム28の下部側に位置する締結部31において、複数のボルト33を介して連結されている。
【0047】
なお、図8には、図2で示すシートバックフレーム28の締結部31(A部)が拡大された一部拡大斜視図が示されている。また、図3は、図2で示すシート本体30をシート右斜め前方から見た斜視図である。そして、図4には、図3で示すシートバックフレーム28の上端側かつ左側の部位(B部)が拡大された一部拡大斜視図が示されている。
【0048】
本実施形態では、図4に示されるように、シートバックフレーム28の上端28A側には、振動減衰装置34が溶接等により取付けられるようになっている。そして、振動減衰装置34は、シートバックフレーム28の上端28A側に取付けられた状態で、車両用シート10のシート幅方向に沿って配設されている。
【0049】
(振動減衰装置の構成)
ここで、振動減衰装置34の構成について説明する。
【0050】
図5及び図6に示されるように、本実施の形態に係る振動減衰装置34は、金属製の段付ボルト(軸部)36を備えている。段付ボルト36は、軸部38と、軸部38の長手方向の一端部38A(以下、「軸部38の一端部38A」という)に設けられた頭部40と、軸部38の長手方向の他端部38B(以下、「軸部38の他端部38B」という)に設けられた雄ネジ部42と、を含んで構成されている。
【0051】
軸部38の外側は、円筒状の樹脂製のカラー44によって覆われており、カラー44の長手方向の一端部44Aは、段付ボルト36の頭部40に当接している。カラー44は、軸部38よりも若干短くなるように形成されており、軸部38がカラー44によって覆われた状態で、段付ボルト36の雄ネジ部42は外部に露出するように設定されている。
【0052】
ここで、軸部38及びカラー44の外側には、カラー44の長手方向に沿って、軸部38の一端部38A側(段付ボルト36の頭部40側)から順に、コイルバネ(第1コイルバネ)48、錘部材50、コイルバネ(第2コイルバネ)52が配置されている。コイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52は、それぞれ金属で形成されており、錘部材50は、円柱状を成している。そして、コイルバネ48、錘部材50、コイルバネ52の軸芯に、段付ボルト36の軸部38及びカラー44が挿入されている。
【0053】
つまり、軸部38とコイルバネ48、錘部材50、コイルバネ52の間には、カラー44が配置されている。そして、コイルバネ48の一端部48Aは、段付ボルト36の頭部40に当接しており、コイルバネ48の他端部48Bには、錘部材50の一端50Aが当接している。また、錘部材50の他端50Bには、コイルバネ52の一端部52Aが当接している。
【0054】
前述のように、段付ボルト36の雄ネジ部42は外部に露出するように設定されている。このため、段付ボルト36の雄ネジ部42には、雌ねじ部46Aが形成された環状の抜け止め部材46が螺合可能とされている。この抜け止め部材46にカラー44の長手方向の他端部44B及びコイルバネ52の他端部52Bが当接している。これにより、カラー44及びコイルバネ52は、軸部38に対して抜け止めされている。
【0055】
以上のように、軸部38及びカラー44の外側に、コイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52が配置された状態で、コイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52は、カラー44に対して長手方向に沿って移動可能とされている。
【0056】
そして、錘部材50は、コイルバネ48によって軸部38の他端部38B側(段付ボルト36の雄ネジ部42側)へ付勢され、また、コイルバネ52によって軸部38の一端部38A側へ付勢されている。つまり、コイルバネ48及びコイルバネ52には、弾性エネルギ(付勢力)が蓄積されている。これにより、錘部材50は軸部38の長手方向の略中央部に配置される。
【0057】
さらに、本実施形態では、コイルバネ48のバネ定数K及びコイルバネ52のバネ定数Kは、車両用シート10の共振周波数と錘部材50の固有振動数が同じになるように設定されている。
【0058】
(車両用シートの作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る車両用シートの作用及び効果について説明する。
【0059】
図3図6に示されるように、本実施形態では、振動減衰装置34が、段付ボルト36の軸部38、コイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52を含んで構成されている。そして、錘部材50に段付ボルト36の軸部38が挿通され、錘部材50を間において、軸部38の一端部38A側にはコイルバネ48が設けられ、軸部38の他端部38B側にはコイルバネ52が設けられている。さらに、コイルバネ48によって、錘部材50は軸部38の他端部38B側へ付勢され、コイルバネ52によって、錘部材50は軸部38の一端部38A側へ付勢されている。
【0060】
このため、車両用シート10(外部)の振動により、錘部材50が軸部38の一端部38A側へ移動すると、コイルバネ48は圧縮されると共にコイルバネ52は伸長し、錘部材50が軸部38の他端部38B側へ移動すると、コイルバネ48は伸長すると共にコイルバネ52は圧縮される。
【0061】
したがって、錘部材50が移動すると、コイルバネ48及びコイルバネ52には、それぞれ弾性エネルギ(付勢力)が蓄積され、コイルバネ48及びコイルバネ52による付勢力によって錘部材50が軸部38の長手方向に沿って往復移動する。すなわち、車両用シート10の振動による振動エネルギは、錘部材50が移動する運動エネルギに変換される。その結果、振動エネルギは吸収され、車両用シート10の振動は減衰される。
【0062】
ここで、本実施形態では、図7に示されるように、錘部材50は、当該錘部材50を間においてコイルバネ48及びコイルバネ52による付勢力が作用する、いわゆる強制振動となる。このため、錘部材50の固有振動数を車両用シート10(図3参照)の共振周波数に設定することにより、車両用シート10の振動を効果的に減衰させることができる。
【0063】
具体的には、コイルバネ48のバネ定数K及びコイルバネ52のバネ定数Kが、車両用シート10の共振周波数と錘部材50の固有振動数が同じになるように設定されている。例えば、自由振動において、錘部材50の質量をMとし、ばね定数をKとすると、錘部材50の周波数(固有振動数)f’は、式(1)で求められる。本実施形態では、強制振動であるため、錘部材50の固有振動数fは、式(2)で求められる。つまり、車両用シート10(図3参照)の共振周波数に錘部材50の固有振動数fが設定されるように、コイルバネ48のバネ定数K及びコイルバネ52のバネ定数Kを設定する。
【0064】
これにより、車両用シート10(図3参照)の共振時にコイルバネ48及びコイルバネ52を介して錘部材50が共振し、車両用シート10の振動エネルギが錘部材50の運動エネルギに変換される。その結果、前述のように、車両用シート10の振動エネルギが吸収されて、車両用シート10の振動が効果的に減衰される。
【0065】
また、本実施形態では、図5及び図6に示されるように、錘部材50を付勢する付勢部材としてコイルバネ48及びコイルバネ52が用いられている。このため、図示はしないが、付勢部材としてゴム部材が用いられた場合と比較して、錘部材50のストロークを長くすることができる。つまり、錘部材50が移動する運動エネルギを大きくすることができる。このため、本実施形態における振動減衰装置34では、簡単な構成で、コンパクトかつ軽量化を図ることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、コイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52は、軸部38の長手方向に沿って移動可能とされている。換言すると、コイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52の自由度は一方向となる。このため、本実施形態における振動減衰装置34において、固有振動数を容易に設定することができる。
【0067】
さらにまた、本実施形態では、段付ボルト36の頭部40に当接するようにコイルバネ48に段付ボルト36を挿通させた後、錘部材50に段付ボルト36を挿通させる。そして、コイルバネ52に段付ボルト36を挿通させた後、段付ボルト36の雄ネジ部42に抜け止め部材46を螺合させることによって、振動減衰装置34が作られる。つまり、本実施形態では、振動減衰装置34を容易に製造することができる。
【0068】
一方、本実施形態では、軸部38とコイルバネ48、錘部材50、コイルバネ52の間にはカラー44が配置されてもよい。このため、金属製の軸部38とコイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52が用いられても、軸部38とコイルバネ48、錘部材50及びコイルバネ52とは、直接接触しない。
【0069】
このため、金属部材同士が干渉することによる異音の発生を防止することができる。そして、振動減衰装置34を構成する錘部材50とコイルバネ48、52は、それぞれ金属で形成されているため、例えば、樹脂で形成された場合と比較して、温度による影響が少ない。
【0070】
ところで、図1及び図2に示されるように、車両用シート10は、スライドレール20、前側シートブラケット22及び後側シートブラケット24を介して車体フロア部26に取付けられている。このため、車両用シート10において、シートクッション12側の振動と比較して、シートバック14やヘッドレスト16側は自由端側となり振動は大きくなる。
【0071】
このため、本実施形態では、車両用シート10のシートバックフレーム28の上端28A側に振動減衰装置34が設けられている。車両用シート10では、振動が大きいシートバック14又はヘッドレスト16に、振動減衰装置34を設けることで、車両用シート10の振動エネルギを効果的に吸収し、車両用シート10を減衰する減衰効率を向上させることができる。
【0072】
ここで、本実施形態では、上述のように、車両用シート10のシートバックフレーム28の上端28A側に振動減衰装置34が設けられている。シートバック14は、ヘッドレスト16やシートクッション12よりも外形が大きい分、骨格を構成するシートバックフレーム28の外形も大きくなる。したがって、シートバックフレーム28に振動減衰装置34を配設することにより、振動減衰装置34を配設するためのスペースを十分に確保することができる。
【0073】
そして、本実施形態では、振動減衰装置34は、シートバックフレーム28の上端28A側において、車両用シート10のシート幅方向に沿って配設されている。したがって、この振動減衰装置34では、車両用シート10のシート幅方向に沿った振動に対して減衰させることができる。
【0074】
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、図2に示されるように、車両用シート10のシートバックフレーム28の上端28A側に振動減衰装置34が設けられているが、これに限るものではない。
【0075】
前述のように、シートバックフレーム28のアッパフレーム27とロアフレーム25とは、締結部31において、ボルト33を介して締結されている。振動減衰装置34は、図6に示されるように、段付ボルト36を含んで構成されるため、この段付ボルト36を利用して、例えば、図8に示されるように、当該ボルト33に代えて本発明における振動減衰装置35を適用させてもよい(変形例1)。なお、この場合、図2に示されるように、振動減衰装置34と比較して、振動減衰装置35を配設するスペースを十分に確保できない場合がある。
【0076】
ここで、図11のグラフでは、車両用シート10(図1参照)において、周波数と増幅率の関係が示されている。これにより、特定の周波数における車両用シート10の振動が分かる。なお、本実施形態における振動減衰装置34が設けられていない車両用シートは、図11のグラフにおいて、「オリジナル」として実線で示されている。
【0077】
また、図3及び図4に示されるように、車両用シート10のシートバックフレーム28の上端28A側(B部)に振動減衰装置34が1本設けられた場合は、図11のグラフにおいて、「B部1本」として2点鎖線で示されている。
【0078】
これに対して、図2及び図8に示されるように、シートバックフレーム28の下部側に位置する締結部31(A部)に振動減衰装置35が1本設けられた場合は、図11のグラフにおいて、「A部1本」として太線で示されている。
【0079】
図11のグラフから分かるように、車両用シート10において、シートバックフレーム28(図2参照)の下部側よりも上部側に振動減衰装置34が設けられた方が、特定の周波数において、増幅率を下げることができる。つまり、車両用シート10において、シートバックフレーム28の下部側よりも上部側に振動減衰装置34が設けられた方が車両用シート10の振動を減衰させる減衰効果が高くなる。
【0080】
例えば、図9には、車両用シート10のシートバックフレーム28の締結部31(A部)に振動減衰装置35が3本設けられた例(変形例2)が示され、図10には、当該A部に振動減衰装置35が4本設けられた例(変形例3)が示されている。A部に振動減衰装置35が3本設けられた場合は、図11のグラフにおいて、「A部3本」として点線で示されている。また、A部に振動減衰装置35が4本設けられた場合は、「A部4本」として2点鎖線で示されている。
【0081】
図11のグラフから分かるように、A部に振動減衰装置35を4本設けた場合もより、B部に振動減衰装置34を1本設けた場合の方が、増幅率が低く、減衰効果が高いことが分かる。したがって、図3及び図4に示されるように、車両用シート10のシートバックフレーム28の上端側に振動減衰装置34を設けた場合、図2及び図8に示されるように、車両用シート10のシートバックフレーム28の下部側に複数の振動減衰装置35を設けた場合の効果を容易に得ることができる。換言すると、シートバックフレーム28において、下部側よりも上部側に振動減衰装置34を配設した方が、車両用シート10の振動を減衰させる減衰効果を効果的に得ることができる。
【0082】
また、上記のように、本実施形態では、振動減衰装置34は、シートバックフレーム28の上端28A側において、車両用シート10のシート幅方向に沿って配設されているが、配設方向はこれに限るものではない。
【0083】
例えば、図12に示されるように、車両用シート10のシートバックフレーム28の上端28A側において、車両用シート10のシート前後方向に沿って、振動減衰装置34が配設されてもよい(変形例4)。この場合、車両用シート10のシート前後方向に沿った振動に対して減衰させることができる。
【0084】
なお、ここでは、シートバックフレーム28において、振動減衰装置34を車両用シート10のシート前後方向に沿って配設させるためのブラケット32が溶接されている。つまり、ブラケット32の向きを変えることによって、容易に振動減衰装置34の向きを設定することができる。
【0085】
さらに、図13に示されるように、車両用シート10のシート幅方向、シート前後方向及びシート上下方向の成分を含むようにして、振動減衰装置34が配設されてもよい(変形例5)。この場合、車両用シート10では、車両用シート10のシート幅方向、シート前後方向及びシート上下方向の成分を含む振動に対して減衰させることができる。
【0086】
さらにまた、図示はしないが、シートバックフレーム28において、異なる方向に配設した振動減衰装置34を複数配設してもよい。また、この場合、複数の振動減衰装置34において、互いに異なる固有振動数となるように設定してもよい。例えば、図14には、1本の振動減衰装置を車両用シートに固定させた場合(点線で示される)と、固有振動数の異なる2本の振動減衰装置を車両用シートに固定させた場合(実線で示される)における周波数と増幅率の関係が示されている。これによると、1本の振動減衰装置では、1箇所で増幅率が下がっているが、固有振動数の異なる2本の振動減衰装置では、2箇所で増幅率が下がっている。つまり、固有振動数の異なる2本の振動減衰装置では、2箇所の周波数において減衰効果を得ることができる。
【0087】
また、以上の実施形態では、本発明における振動減衰装置34を振動部材としての車両用シート10に配設させた例について説明したが、振動部材はこれに限るものではない。例えば、図示はしないが、洗濯機に振動減衰装置34を配設してもよい。
【0088】
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
10 車両用シート
12 シートクッション(座部)
14 シートバック
16 ヘッドレスト
26 車体フロア部
28 シートバックフレーム
30 シート本体
34 振動減衰装置
35 振動減衰装置
36 段付ボルト(軸部)
38 軸部
44 カラー(カラー部材)
48 コイルバネ(第1コイルバネ)
50 錘部材
52 コイルバネ(第2コイルバネ)
バネ定数
バネ定数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14