(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】開閉装置、シャッタ装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20220308BHJP
E05F 15/77 20150101ALI20220308BHJP
E06B 9/72 20060101ALN20220308BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/77
E06B9/72
(21)【出願番号】P 2018094847
(22)【出願日】2018-05-16
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】花井 祥延
(72)【発明者】
【氏名】和気 亮二
(72)【発明者】
【氏名】大館 一樹
(72)【発明者】
【氏名】高井 邦治
(72)【発明者】
【氏名】原田 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】石川 博之
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-202397(JP,A)
【文献】特開2015-025270(JP,A)
【文献】特開平06-185277(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0005911(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102010030313(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E06B 9/68
E06B 9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッタカーテンを移動させて構造物の開口を開閉する開閉装置であって、
前記シャッタカーテンを巻き取る巻取体の内部に少なくとも一部が配置され、
円筒状の本体部と、前記本体部の一方の開口を閉塞する閉塞部材とを有する筐体と、
前記筐体
において前記閉塞部材が配置される側とは反対側に取り付けられ、前記巻取体を回転させる回転力を発生するモータと、
前記筐体の内部に配置され、前記モータの駆動制御を行う駆動制御回路が実装された制御基板と、
前記筐体の内部に配置され、送信機から無線で送信された制御信号を受信するアンテナ
線を有し、前記駆動制御回路へ前記制御信号を伝送すると共に、前記
閉塞部材に取り付
けられ、前記制御基板が配置されている側には、前記駆動制御回路が信号配線を介して接続される接続部が形成されている受信装置と、を備え、
前記閉塞部材には、表裏を貫通すると共に前記受信装置が挿入される貫通孔が形成され、貫通孔に挿入された状態の前記受信装置の一部は、前記筐体の外部へ臨み、
前記受信装置において前記筐体の外部へ臨む部分には、前記アンテナ線が通り前記アンテナ線を前記筐体の外部へ露出させる貫通孔が形成されている開閉装置。
【請求項2】
前記閉塞部材は、円筒状の前記本体部の軸方向を板厚方向とする部材であって、
前記閉塞部材には、段差面を境に、肉厚が比較的薄い薄肉部と肉厚が比較的厚い厚肉部とが形成されており、
前記受信装置が挿入される貫通孔は、前記薄肉部に形成されている、
請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記厚肉部には、前記アンテナ線を保持する保持部が形成されている、
請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
記受信装置において前記筐体の外部へ臨む部分には、送信機を受信装置に登録するための登録スイッチと、登録状況等を知らせるステータスランプとが設けられている、
請求項1~3の何れか1項に記載の開閉装置。
【請求項5】
シャッタカーテンと、
前記シャッタカーテンを巻き取る円筒状の巻取体と、
請求項1~4の何れか1項に記載の開閉装置と、
を備えたシャッタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置、及びシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のシャッタカーテンを移動させる開閉装置は、建物開口部を開閉する開閉体を巻き取り繰り出し駆動するモータ部と、モータ部の上方に配置され、モータ部と制御配線を介して接続されてモータ部の駆動を制御する制御部と、モータ部と制御部とに亘って設けられ、制御部をモータ部と上下に重なる位置と制御部を開閉体の巻き取り中心軸に沿う方向へオフセットさせて制御部の下面の被作業面を下向きに露出させた位置とに配置する連結手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の開閉装置では、無線で送信される制御信号を受信する受信装置(無線モジュール)が、開閉装置の筐体の外部で、この筐体とは離間した場所に取り付けられることがあった。
【0005】
本発明の課題は、受信装置が筐体の外部で、筐体とは離間した場所に取り付けられる場合と比して、筐体の外部の空間を有効に活用することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る開閉装置は、シャッタカーテンを移動させて構造物の開口を開閉する開閉装置であって、前記シャッタカーテンを巻き取る巻取体の内部に少なくとも一部が配置された筐体と、前記筐体に取り付けられ、前記巻取体を回転させる回転力を発生するモータと、送信機から無線で送信された制御信号を受信するアンテナを有し、前記モータの駆動制御を行う駆動制御回路へ前記制御信号を伝送すると共に、前記筐体に取り付けられた受信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、無線で送信された制御信号を受信して、モータの駆動制御を行う駆動制御回路へ制御信号を伝送する受信装置は、巻取体の内部に少なくとも一部が配置された筐体に取り付けられている。このため、受信装置が筐体の外部で筐体とは離間した場所に取り付けられる場合と比して、筐体の外部の空間を有効に活用することができる。
【0008】
本発明の第2態様に係る開閉装置は、第1態様に記載の開閉装置において、前記筐体の内部に配置され、前記駆動制御回路が実装された制御基板を備え、前記受信装置は、前記駆動制御回路に配線を介して接続されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、受信装置は、駆動制御回路に配線を介して接続されている。このため、受信装置が、制御基板に直接取り付けられている場合と比して、受信装置を介して制御基板にかかる振動等の負荷を軽減することができる。
【0010】
本発明の第3態様に係る開閉装置は、第1又は第2態様に記載の開閉装置において、前記筐体は、円筒状の本体部と、前記本体部の一方の開口を閉塞する閉塞部材と、を備え、前記受信装置は、前記閉塞部材に取り付けられ、前記筐体の内部に配置されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、受信装置は、閉塞部材に取り付けられ、筐体の内部に配置されている。このため、受信装置が、筐体の外部に配置されている場合と比して、雨水等の液体が受信装置に付着するのを抑制することができる。
【0012】
本発明の第4態様に係る開閉装置は、第3態様に記載の開閉装置において、前記閉塞部材は、弾性材料で形成されていることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、閉塞部材は、弾性材料で形成されている。このため、筐体の本体部に衝撃が加わって本体部が振動した場合でも、閉塞部材が振動を吸収することで、受信装置に振動が伝達されるのを抑制することができる。
【0014】
本発明の第5態様に係るシャッタ装置は、シャッタカーテンと、前記シャッタカーテンを巻き取る円筒状の巻取体と、第1~第4態様の何れか1態様に記載の開閉装置と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、第1~第4態様の何れか1態様に記載の開閉装置を備えることで、シャッタ装置の内部の空間を有効に活用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、受信装置が筐体の外部で、筐体とは離間した場所に取り付けられる場合と比して、筐体の外部の空間を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る開閉装置を示した拡大斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る開閉装置を示した斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る開閉装置を示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る開閉装置に備えられた受信装置、及び閉塞部材を示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る開閉装置に備えられた受信装置、及び閉塞部材を示した分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るシャッタ装置を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る開閉装置、及びシャッタ装置の一例を
図1~
図6に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Lは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0019】
(シャッタ装置)
シャッタ装置100は、建築物の窓に取り付けられる窓シャッタであって、
図6に示されるように、フレーム102、巻取体106、シャッタカーテン104、及び開閉装置10を備えている。
【0020】
〔フレーム102〕
フレーム102は、一対のガイドレール112、シャッタケース114、及び下枠116を備えている。
【0021】
一対のガイドレール112は、装置上下方向に夫々延びており、装置幅方向において窓の開口の両側に離間して配置されている。さらに、一対のガイドレール112は、シャッタカーテン104の両端部を装置奥行方向から夫々挟んでいる。そして、一対のガイドレール112は、上下移動するシャッタカーテン104を案内するようになっている。
【0022】
シャッタケース114は、一対のガイドレール112の上端を連結するように、装置幅方向に延びて配置されている。そして、シャッタケース114において装置幅方向に直交した方向で切断した断面は、矩形筒状とされており、シャッタケース114の内部は、空洞とされている。また、下枠116は、一対のガイドレール112の下端を連結するように、装置幅方向に延びて配置されている。
【0023】
〔巻取体106、シャッタカーテン104〕
巻取体106は、 装置幅方向に延びた筒状とされており、シャッタケース114の内部に配置されている。さらに、巻取体106は、装置幅方向に延びた回転軸周りに回転するように支持されている。
【0024】
シャッタカーテン104は、フレーム102で囲まれた矩形の開口を開閉するように配置されている。このシャッタカーテン104は、装置幅方向に延びた帯状のスラット122を複数備え、装置上下方向に並べられ複数のスラット122が互いに連結されることで形成されている。そして、上端部のスラット122が、巻取体106に取り付けられている。
【0025】
この構成において、巻取体106が正方向に回転することで、窓の開口を閉塞しているシャッタカーテン104が、一対のガイドレール112に案内されながら巻取体106に巻き取られる。そして、窓の開口が開放される。これに対して、巻取体106が逆方向に回転することで、窓の開口を開放しているシャッタカーテン104が、一対のガイドレール112に案内されながら巻取体106から巻き出される。そして、窓の開口が閉塞される。
【0026】
〔開閉装置10〕
開閉装置10は、シャッタケース114の内部に配置されており、巻取体106を介してシャッタカーテン104を上下移動させることで窓の開口を開閉するようになっている。なお、開閉装置10については、詳細を後述する。
【0027】
(要部構成)
開閉装置10は、
図6に示されるように、シャッタケース114の内部で、かつ、少なくとも一部が筒状の巻取体106の装置幅方向に一方側(図中右側)の内部に配置されている。そして、開閉装置10は、
図2、
図3に示されるように、筐体12、駆動モータ16、減速機構18、回転伝達部材22、制御基板26、及び受信装置28(所謂無縁モジュール)を備えている。
【0028】
〔筐体12〕
筐体12は、装置幅方向に延びた円筒状の本体部32と、本体部32の装置幅方向の一方側(図中右側)の開口を閉塞する閉塞部材34とを備えている。
【0029】
-本体部32-
本体部32は、
図2、
図3に示されるように、上下方向に分割することが出来るようになっており、本体部32の上方部分を形成すると共に下方が開口した断面半円状の上方部材32Aと、本体部32の下方部分を形成すると共に上方が開口した断面半円状の下方部材32Bとを備えている。
【0030】
上方部材32A、及び下方部材32Bは、金属材料で形成されている。そして、上方部材32Aの装置幅方向に延びた一対の縁部と、下方部材32Bの装置幅方向に延びた一対の縁部とを装置上下方向に重ねた状態で、上方部材32Aと下方部材32Bとが、図示せぬ取付部材によって取り付けられることで、本体部32が形成されている。
【0031】
-閉塞部材34-
閉塞部材34は、弾性材料であるゴム材料によって形成されている。ここで、弾性材料とは、アスカー硬度60〔度〕以下で、かつ、30〔度〕以上の材料である。なお、アスカー硬度とは、高分子計器株式会社のアスカー硬度計C型を用いて測定することができる。
【0032】
閉塞部材34は、
図1、
図4に示されるように、板面が装置幅方向を向いた円盤状とされており、無負荷状態の閉塞部材34の外径は、本体部32の内径と比して僅かに大きくされている。また、閉塞部材34において装置幅方向の一方側(図中右側)を向いた面には、閉塞部材34の径方向に延びると共に閉塞部材34の径方向を向いた段差面36が形成されている。
【0033】
さらに、閉塞部材34には、この段差面36を境に、肉厚が比較的薄い薄肉部38と肉厚が比較的厚い厚肉部40とが形成されている。具体的には、段差面36は、段差面36に対して直交する方向(法線方向)から見て、閉塞部材34の径方向に延びた矩形状とされている。そして、段差面36は、装置幅方向に離間する一対の縁辺36A、36Bと、閉塞部材34の径方向に離間する一対の縁辺36Cとに囲まれている。この縁辺36Aは、薄肉部38において装置幅方向の一方側を向いた外表面38Aに形成され、縁辺36Bは、厚肉部40において装置幅方向の一方側を向いた外表面40Aに形成されている。
【0034】
また、薄肉部38には、
図5に示されるように、薄肉部38の表裏を貫通する貫通孔38Bが形成されている。この貫通孔38Bは、装置幅方向から見て、縁辺36Aに対して傾斜する傾斜方向に延びた矩形状とされている。さらに、薄肉部38には、薄肉部38の表裏を貫通する貫通孔38Cが形成されている。この貫通孔38Cは、装置幅方向から見て、円形状とされており、貫通孔38Bに対して貫通孔38Bの長手方向の隣りに配置されている。
【0035】
また、厚肉部40には、後述するアンテナ線54を保持する保持部42と、後述する電源線60を保持する切欠部40Bとが形成されている。
【0036】
この保持部42は、縁辺36Bの中央側の部分で、縁辺36Bに沿って形成されている。具体的には、保持部42は、厚肉部40の外表面40Aから突出した直方体状されている。そして、保持部42には、装置幅方向から見て、縁辺36Bと交差する方向に延びている溝部42Aが形成されている。この溝部42Aに後述するアンテナ線54を嵌め込むことで、保持部42は、アンテナ線54を保持するようになっている(
図1参照)。
【0037】
また、切欠部40Bは、装置幅方向から見て、保持部42を挟んで薄肉部38の貫通孔38Bの反対側で、円弧状に形成されている。そして、切欠部40Bは、閉塞部材34の径方向の外側へ開口している。この切欠部40Bに後述する電源線60を、閉塞部材34の径方向の外側から嵌め込むことで、切欠部40Bが、電源線60を保持するようになっている(
図1参照)。
【0038】
〔制御基板26〕
制御基板26は、
図2、
図3に示されるように、筐体12の内部で、下方部材32Bの装置幅方向の中央側の部分に取り付けられている。制御基板26は、上方から見て、装置幅方向に延びた矩形状とされており、制御基板26には、駆動モータ16の駆動制御を行う駆動制御回路(符号省略)が実装されている。
【0039】
さらに、制御基板26には、各部に電力を供給するための電源線60の基端と、後述する受信装置28から伝送された制御信号を駆動制御回路に入力するための信号配線64の基端とが接続されている。また、この信号配線64の先端には、信号配線64を受信装置28と接続するためのコネクタ66が取り付けられている。
【0040】
〔駆動モータ16、減速機構18、回転伝達部材22〕
駆動モータ16、減速機構18、回転伝達部材22は、
図2、
図3に示されるように、制御基板26に対して装置幅方向の他方側(図中左側)に配置されており、装置幅方向の一方側から他方側へこの順番で配置されている。
【0041】
駆動モータ16は、筐体12の内部で、下方部材32Bに取り付けられており、駆動モータ16の出力軸(図示省略)は、装置幅方向の他方側に突出している。
【0042】
減速機構18は、筐体12の内部で、下方部材32Bに取り付けられており、減速機構18には、駆動モータ16の出力軸が接続されている。そして、減速機構18は、駆動モータ16から伝達された回転の回転数を減少させ、かつ、駆動モータ16から伝達された回転のトルクを増大させて回転伝達部材22に伝達するようになっている。
【0043】
回転伝達部材22は、装置幅方向において筐体12の他方側から筐体12の外部へ露出しており、回転伝達部材22には、減速機構18の出力軸が接続されている。そして、回転伝達部材22は、円盤状とされており、回転伝達部材22の外径は、筐体12の外径と比して大きくされている。また、回転伝達部材22の外周面には、4個の駆動溝22Aが、周方向に同様の間隔で形成されている。この駆動溝22Aは、巻取体106(
図6参照)の内周面に形成された被駆動部(図示省略)に係合するようになっている。
【0044】
この構成において、駆動モータ16から出力された回転力は、減速機構18によって減速、かつ、増大されて、回転伝達部材22から巻取体106へと伝達される。そして、巻取体106が回転することで、シャッタカーテン104が、巻き出され、又は巻き取られることで、上下移動する。
【0045】
〔受信装置28〕
受信装置28(所謂無線モジュール)は、
図2、
図3に示されるように、筐体12を構成する閉塞部材34に取り付けられている。そして、受信装置28は、
図5に示されるように、空洞とされた内部に電子部材を備えた本体部50と、本体部50の内部を閉塞する蓋部52と、アンテナ線54とを備えている。
【0046】
-本体部50-
本体部50は、内部が空洞とされており、装置幅方向に延びた直方体状とされている。また、本体部50において、装置奥行方向に対して直交する方向に切断した断面形状は、装置幅方向から見て縁辺36Aに対して傾斜した傾斜方向に延びた矩形状とされている。具体的には、本体部50の断面形状は、装置幅方向から見て、閉塞部材34の薄肉部38に形成された貫通孔38Bと同様の矩形状とされている。
【0047】
そして、本体部50において装置幅方向の一方側の部分で、電子部品を挿入するために本体部50の内部が開放されている。また、本体部50において装置幅方向の他方側の部分には、前述したコネクタ66が接続される接続部50Aが形成されている。
【0048】
-蓋部52-
蓋部52は、本体部50の内部を閉塞しており、板面が装置幅方向を向いた板状とされている。また、装置幅方向から見て、蓋部52の外形は、本体部50の全体を覆うように本体部50の外形と比して大きくされており、傾斜方向に延びた矩形状とされている。
【0049】
そして、蓋部52において本体部50を覆う部分には、送信機(所謂操作リモコン)を受信装置28に登録するための登録スイッチ52Aと、登録状況等を知らせるステータスランプ52Bとが設けられている。さらに、蓋部52において本体部50を覆う部分には、アンテナ線54が通る貫通孔52Cが形成されている。また、蓋部52において本体部50から突出した部分には、装置幅方向において閉塞部材34の貫通孔38Cと重なると共に蓋部52の表裏を貫通する円形状の貫通孔52Dが形成されている。
【0050】
-アンテナ線54-
【0051】
アンテナ線54は、本体部50の内部から蓋部52の貫通孔52Cを通って外部に露出しており、外部に露出した先端には、先端を保護する保護キャップ54Aが取り付けられている。そして、アンテナ線54は、送信機を操作することにより無線で送信された制御信号を受信するようになっている。
【0052】
この構成において、受信装置28の本体部50が、
図4、
図5に示されるように、閉塞部材34の薄肉部38の外表面38A側から貫通孔38Bに挿入される。そして、蓋部52が、薄肉部38の外表面38Aに重なる。この状態で、装置幅方向から見て、薄肉部38の貫通孔38Cと、蓋部52の貫通孔52Dとは重なっている。
【0053】
また、閉塞部材34が本体部32の装置幅方向の一方側の開口を閉塞した状態では、閉塞部材34に取り付けられた受信装置28は、筐体12の内部に配置されている。ここで、受信装置28が筐体12の内部に配置される状態とは、受信装置28が円筒状の本体部32で囲まれている状態である。
【0054】
〔その他〕
開閉装置10は、
図4、
図5に示されるように、受信装置28を閉塞部材34に取り付けるためのカヌータイプの樹脂クリップ70を備えている。具体的には、樹脂クリップ70を、蓋部52の貫通孔52D、及び薄肉部38の貫通孔38Cにこの順番に差し込むことで、受信装置28は、閉塞部材34に取り付けられる。
【0055】
(作用)
以上の構成において、
図1に示されるように、閉塞部材34に取り付けられた受信装置28の接続部50Aに、信号配線64の先端に取り付けられたコネクタ66が接続される。
【0056】
さらに、閉塞部材34に取り付けられた受信装置28のアンテナ線54の一部が、閉塞部材34の厚肉部40に形成された保持部42の溝部42Aに嵌め込まれることで、保持部42が、アンテナ線54を保持する。また、基端が制御基板26に接続された電源線60の一部が、閉塞部材34の径方向の外側から切欠部40Bに嵌め込まれることで、閉塞部材34が、電源線60を保持する。
【0057】
さらに、電源線60において閉塞部材34から筐体12の外部に延びている部分と、アンテナ線54において保持部42から筐体12の外部に延びている部分とは、配線保護材74を用いて束ねられている。
【0058】
また、閉塞部材34が、下方部材32Bの装置幅方向の一方側の部分に配置される。そして、上方部材32Aの装置幅方向に延びた一対の縁部と、下方部材32Bの装置幅方向に延びた一対の縁部とを装置上下方向に重ねた状態で、上方部材32Aと下方部材32Bとを、図示せぬ取付部材によって取り付ける。
【0059】
そして、開閉装置10は、
図6に示されるように、シャッタケース114の内部で、かつ、少なくとも一部が筒状の巻取体106の装置幅方向に一方側(図中右側)の内部に配置されている。
【0060】
この状態で、シャッタ装置100の外部から送信機を操作することにより無線で送信された制御信号を、受信装置28はアンテナ線54を介して受信する。制御信号を受信した受信装置28は、信号配線64を介して制御信号を制御基板26に実装された駆動制御回路へ伝送する。また、制御基板26に実装された駆動制御回路が、駆動モータ16を回転させ、駆動モータ16から出力された回転力は、減速機構18によって減速、かつ、増大されて、回転伝達部材22から巻取体106へと伝達される。そして、巻取体106が回転することで、シャッタカーテン104が、巻き出され、又は巻き取られることで、上下移動する。
【0061】
(まとめ)
以上説明したように、受信装置28は、筐体12の閉塞部材34に取り付けられている。このため、受信装置28が筐体12の外部で筐体12とは離間した場所に取り付けられる場合と比して、筐体12の外部の空間を有効に活用することができる。
【0062】
また、受信装置28は、信号配線64を介して制御基板26の駆動制御回路と接続されている。受信装置28が、制御基板26に直接取り付けられる場合と比して、受信装置28を介して制御基板26にかかる振動等の負荷を軽減することができる。
【0063】
また、受信装置28は、筐体12の内部に配置されている。このため、受信装置28が、筐体12の外部に配置されている場合と比して、雨水等の液体が受信装置28に付着するのを抑制することができる。
【0064】
また、受信装置28と、信号配線64のコネクタ66と、受信装置28の接続部50Aとは、筐体12の内部に配置されている。このため、コネクタ66と接続部50Aとを接続する部分が筐体12の外部である場合と比して、外力によりコネクタ66と接続部50Aとの接続が解除されるのを抑制することができる。
【0065】
また、閉塞部材34は、弾性材料で形成されている。このため、筐体12に衝撃が加わって筐体12が振動した場合でも、閉塞部材34が振動を吸収することで、受信装置28に振動が伝達されるのを抑制することができる。
【0066】
また、閉塞部材34は、弾性材料で形成されている。このため、閉塞部材34に形成された切欠部40Bの周面を電源線60に押し付けることで、切欠部40Bと電源線60との間から筐体12の内部に液体が浸入するのを抑制することができる。
【0067】
また、閉塞部材34は、弾性材料(ゴム材料)で形成されている。このため、閉塞部材34が金属で形成されている場合と比して、筐体12の内部に配置された受信装置28の電波特性の低下を抑制することができる。
【0068】
また、受信装置28は、樹脂クリップ70を用いて閉塞部材34に取り付けられている。このため、ネジ等を用いて取り付ける場合と比して、受信装置28を容易に閉塞部材34に取り付けることができる。
【0069】
また、シャッタ装置100においては、開閉装置10を備えることで、シャッタ装置の内部の空間を有効に活用することができる。
【0070】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、受信装置28を筐体12の内部に配置したが、受信装置28が筐体12に取り付けられていればよく、例えば、受信装置が、ブラケット等を介して筐体12に取り付けられ、筐体12の外部に配置されていてもよい。しかし、この場合には、受信装置28が筐体12の内部に配置されることで奏する作用は奏しない。
【0071】
また、上記実施形態では、閉塞部材34は、弾性材料で形成されたが、例えば、閉塞部材が金属材料で形成されてもよい。しかし、この場合には、閉塞部材34が弾性材料で形成されることで奏する作用は奏しない。
【0072】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、開閉装置10を用いることで、既存の手動シャッタを、容易に電動シャッタに変えることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 開閉装置
12 筐体
16 駆動モータ(モータの一例)
26 制御基板
28 受信装置
32 本体部
34 閉塞部材
54 アンテナ線(アンテナの一例)
64 信号配線(配線の一例)
100 シャッタ装置
104 シャッタカーテン
106 巻取体