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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20220308BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20220308BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220308BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A61K8/41
A61K8/39
A61K8/86
A61K8/73
A61Q5/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017231812
(22)【出願日】2017-12-01
(65)【公開番号】P2019099496
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金子 真未
(72)【発明者】
【氏名】礒辺 真人
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-155034(JP,A)
【文献】特開2016-117692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0308227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(C)成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
(A)下記一般式(I)で表される脂肪族アミンを毛髪化粧料全質量に対し0.5~10.0質量%
【化1】


(式中、R1は、直鎖又は分岐した炭素数12~24の飽和もしくは不飽和アルキル基、R2はC2H4Oで表されるヒドロキシエチル基、R3はC3H6Oで表されるヒドロキシプロピル基、m、nは0~3の整数)
(B)分子量90000以上のポリエチレングリコールを毛髪化粧料全質量に対し0.002~0.2質量%
(C)ノニオン性セルロース誘導体を毛髪化粧料全質量に対し0.01~1.0質量%
【請求項2】
成分(B)と成分(C)との質量比率(B)/(C)が0.01~2.0である請求項1に記載の毛髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関し、詳しくは、洗髪後の濡れた髪に塗布する際において、髪全体にムラなく均一に塗り広げやすく、塗布後 毛髪化粧料がすぐに髪から垂れ落ちることなく、しっかりと髪にまとわりつき、さらに濯ぎ時の髪の感触がやわらかで指通り良く、乾燥後 毛髪にべたつきをあたえることなく、やわらかでしっとりとまとまる仕上がり感を与える毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
女性のヘアスタイルの流行に伴って、求められる髪の仕上がりや感触も並行して変化している。最近では、シャギーやレイヤーカットなどの毛先のボリュームを落としたヘアスタイルが一般的であるが、一方では、カラーリングやパーマ等の施術により、パサツキや髪の硬さが問題となっている。そのような背景から、仕上がりとして、しっとりまとまりながら、べたつかず、やわらかな仕上がり感が求められている。また、カラーリングやパーマ等の施術によって傷んだ髪は、ヘアトリートメントの濯ぎ時においても、絡みや引っ掛かりなど不快な感触につながる。この濯ぎ時の不快な感触は、仕上がり感の満足度にも大きな影響を与える。従って、満足度の高い仕上がりをえる為には、柔らかでしっとりまとまり、かつべたつかない仕上がりでありながら、さらにヘアトリートメントの濯ぎ時も、柔らかで指通り良い使用感が望まれる。ヘアトリートメント等の毛髪化粧料においては、従来、毛髪を柔軟にして櫛通りをよくする目的で、カチオン性界面活性剤やシリコーン等の配合、或いは、しっとりとした感触を与えるために液状や固形状の油剤の配合が試みられているが、これら従来の技術では、近年のヘアスタイルにおいて要求されているニーズを満足させることは困難であり、仕上がりはしっとりまとまりながらべた付かずやわらかで、かつ使用時は、濯ぎ時もやわらかで指通りの良い使用感を両立することは課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-043402号公報
【文献】特開2014-043419号公報
【文献】特開2015-124173号公報
【文献】特開2015-124174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、洗髪後の濡れた髪に塗布する際において、髪全体にムラなく均一に塗り広げやすく、塗布後 毛髪化粧料がすぐに髪から垂れ落ちることなく、しっかりと髪にまとわりつき、さらに濯ぎ時の髪の感触がやわらかで指通り良く、乾燥後 毛髪にべたつきをあたえることなく、やわらかでしっとりとまとまる仕上がり感を与える毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、このような状況に鑑み、鋭意研究した結果、特定の脂肪族アミンと、高級アルコール、ある一定以上の分子量であるポリエチレングリコール、およびノニオン性セルロース誘導体を含有する毛髪化粧料が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本願第一の発明は、下記(A)~(C)成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料であ
る。
(A)下記一般式(I)で表される脂肪族アミン
【0007】
【化1】


(式中、Rは、直鎖又は分岐した炭素数12~24の飽和もしくは不飽和アルキル基、RはCOで表されるヒドロキシエチル基、RはCOで表されるヒドロキシプロピル基、a、bは0~3の整数)
(B)分子量90000以上のポリエチレングリコール
(C)ノニオン性セルロース誘導体
【0008】
本願第二の発明は、成分(A)~(C)の配合量が下記の配合量であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料である。
(A)下記一般式(I)で表される脂肪族アミン
毛髪化粧料全質量に対し0.5~10.0質量%
【化1】


(式中、Rは、直鎖又は分岐した炭素数12~24の飽和もしくは不飽和アルキル基、
はCOで表されるヒドロキシエチル基、RはCOで表されるヒドロキシプロピル基、a、bは0~3の整数)
(B)分子量90000以上のポリエチレングリコール
毛髪化粧料全質量に対し0.002~0.2質量%
(C)ノニオン性セルロース誘導体
毛髪化粧料全質量に対し0.01~1.0質量%
【0009】
本願第三の発明は、成分(B)と成分(C)との質量比率 (B)/(C)が0.01~2.0であることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の毛髪化粧料である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の毛髪化粧料は、洗髪後の濡れた髪に塗布する際において、髪全体にムラなく均一に塗り広げやすく、塗布後 毛髪化粧料がすぐに髪から垂れ落ちることなく、しっかりと髪にまとわりつき、さらに濯ぎ時の髪の感触がやわらかで指通り良く、乾燥後 毛髪にべたつきをあたえることなく、やわらかでしっとりとまとまる仕上がり感を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の毛髪化粧料について詳細に説明する。
【0012】
本発明における(A)成分の脂肪族アミンは、例えば下記一般式(I)
【化1】


(式中、Rは、直鎖又は分岐した炭素数12~24の飽和もしくは不飽和アルキル基、RはCOで表されるヒドロキシエチル基、RはCOで表されるヒドロキシプロピル基、a、bは0~3の整数)で表される。
【0013】
このような脂肪族アミンを具体的に示すとPPG-1/PEG-1ラウラミン、PPG-1/PEG-1ミリスタミン、PPG-1/PEG-1セタミン、PPG-1/PEG-1ステアラミン、PPG-1/PEG-1アラカミン、PPG-1/PEG-1ベヘナミン、PPG-1/PEG-1カルナバミン、PPG-1/PEG-1オレアミン、PPG-1/PEG-1エライザミン、PPG-1/PEG-1リノラミン、PPG-1/PEG-1リノレナル、PPG-1/PEG-2ラウラミン、PPG-1/PEG-2ラウラミン、PPG-1/PEG-2ミリスタミン、PPG-1/PEG-2セタミン、PPG-1/PEG
-2ステアラミン、PPG-1/PEG-2アラカミン、PPG-1/PEG-2ベヘナミン、PPG-1/PEG-2カルナバミン、PPG-1/PEG-2オレアミン、PPG-1/PEG-2エライザミン、PPG-1/PEG-2リノラミン、PPG-1/PEG-2リノレナル、PPG-1/PEG-3ラウラミン、PPG-1/PEG-3ラウラミン、PPG-1/PEG-3ミリスタミン、PPG-1/PEG-3セタミン、PPG-1/PEG-3ステアラミン、PPG-1/PEG-3アラカミン、PPG-1/PEG-3ベヘナミン、PPG-1/PEG-3カルナバミン、PPG-1/PEG-3オレアミン、PPG-1/PEG-3エライザミン、PPG-1/PEG-3リノラミン、PPG-1/PEG-3リノレナル、PPG-2/PEG-1ラウラミン、PPG-2/PEG-1ミリスタミン、PPG-2/PEG-1セタミン、PPG-2/PEG-1ステアラミン、PPG-2/PEG-1アラカミン、PPG-2/PEG-1ベヘナミン、PPG-2/PEG-1カルナバミン、PPG-2/PEG-1オレアミン、PPG-2/PEG-1エライザミン、PPG-2/PEG-1リノラミン、PPG-2/PEG-1リノレナル、PPG-2/PEG-2ラウラミン、PPG-2/PEG-2ミリスタミン、PPG-2/PEG-2セタミン、PPG-2/PEG-2ステアラミン、PPG-2/PEG-2アラカミン、PPG-2/PEG-2ベヘナミン、PPG-2/PEG-2カルナバミン、PPG-2/PEG-2オレアミン、PPG-2/PEG-2エライザミン、PPG-2/PEG-2リノラミン、PPG-2/PEG-2リノレナル、PPG-2/PEG-3ラウラミン、PPG-2/PEG-3ミリスタミン、PPG-2/PEG-3セタミン、PPG-2/PEG-3ステアラミン、PPG-2/PEG-3アラカミン、PPG-2/PEG-3ベヘナミン、PPG-2/PEG-3カルナバミン、PPG-2/PEG-3オレアミン、PPG-2/PEG-3エライザミン、PPG-2/PEG-3リノラミン、PPG-2/PEG-3リノレナル、PPG-3/PEG-1ラウラミン、PPG-3/PEG-1ミリスタミン、PPG-3/PEG-1セタミン、PPG-3/PEG-1ステアラミン、PPG-3/PEG-1アラカミン、PPG-3/PEG-1ベヘナミン、PPG-3/PEG-1カルナバミン、PPG-3/PEG-1オレアミン、PPG-3/PEG-1エライザミン、PPG-3/PEG-1リノラミン、PPG-3/PEG-1リノレナル、PPG-3/PEG-2ラウラミン、PPG-3/PEG-2ミリスタミン、PPG-3/PEG-2セタミン、PPG-3/PEG-2ステアラミン、PPG-3/PEG-2アラカミン、PPG-3/PEG-2ベヘナミン、PPG-3/PEG-2カルナバミン、PPG-3/PEG-2オレアミン、PPG-3/PEG-2エライザミン、PPG-3/PEG-2リノラミン、PPG-3/PEG-2リノレナル、PPG-3/PEG-3ラウラミン、PPG-3/PEG-3ミリスタミン、PPG-3/PEG-3セタミン、PPG-3/PEG-3ステアラミン、PPG-3/PEG-3アラカミン、PPG-3/PEG-3ベヘナミン、PPG-3/PEG-3カルナバミン、PPG-3/PEG-3オレアミン、PPG-3/PEG-3エライザミン、PPG-3/PEG-3リノラミン、PPG-3/PEG-3リノレナル、PPG-1ラウラミン、PPG-1ミリスタミン、PPG-1セタミン、PPG-1ステアラミン、PPG-1アラカミン、PPG-1ベヘナミン、PPG-1カルナバミン、PPG-1オレアミン、PPG-1エライザミン、PPG-1リノラミン、PPG-1リノレナル、PPG-2ラウラミン、PPG-2ミリスタミン、PPG-2セタミン、PPG-2ステアラミン、PPG-2アラカミン、PPG-2ベヘナミン、PPG-2カルナバミン、PPG-2オレアミン、PPG-2エライザミン、PPG-2リノラミン、PPG-2リノレナル、PPG-3ラウラミン、PPG-3ミリスタミン、PPG-3セタミン、PPG-3ステアラミン、PPG-3アラカミン、PPG-3ベヘナミン、PPG-3カルナバミン、PPG-3オレアミン、PPG-3エライザミン、PPG-3リノラミン、PPG-3リノレナル、PEG-1ラウラミン、PEG-1ミリスタミン、PEG-1セタミン、PEG-1ステアラミン、PEG-1アラカミン、PEG-1ベヘナミン、PEG-1カルナバミン、PEG-1オレアミン、PEG-1エライザミン、PEG-1リノラミン、PEG-1リノレナル、PEG-2ラウラミン、PEG-2ミリスタミン、PEG-2セタミン、PEG-2ステアラミン、PEG-2アラカミン、PEG-2ベヘ
ナミン、PEG-2カルナバミン、PEG-2オレアミン、PEG-2エライザミン、PEG-2リノラミン、PEG-2リノレナル、PEG-3ラウラミン、PEG-3ミリスタミン、PEG-3セタミン、PEG-3ステアラミン、PEG-3アラカミン、PEG-3ベヘナミン、PEG-3カルナバミン、PEG-3オレアミン、PEG-3エライザミン、PEG-3リノラミン、PEG-3リノレナル、ラウラミン、ミリスタミン、セタミン、ステアラミン、アラカミン、ベヘナミン、カルナバミン、オレアミン、エライザミン、リノラミン、リノレナル等が挙げられる。これらの中でも、a≠0、b≠0のものが好ましく、特にRが炭素数18のステアリル基、a=1、b=1である、PPG-1/PEG-1ステアラミンと、Rが炭素数22のベヘニル基、a=1、b=1である、PPG-1/PEG-1ベヘナミンが特に好ましい。
【0014】
本発明では、これらの脂肪族アミンの中から1種単独又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができ、その配合量は、好ましくは0.1~10質量%(以下、特に記載のあるもの以外は、質量%を単に「%」で示す)、更に好ましくは、0.5~5質量%の範囲である。0.1質量%未満では、仕上がりの毛髪感触が低下し、充分なまとまり感ややわらかさしっとり感が付与できず、また10.0質量%を超えると、濯ぎ時や仕上がり時の毛髪の手触りがごわごわと硬くなる。
【0015】
本発明で用いられる(B)成分のポリエチレングリコールは、分子量が90000以上のものである。このようなポリエチレングリコールは市販品を用いることができ、例えばPEG-90M(平均分子量:90000)、PEG-115M(平均分子量:115000)、PEG-160M(平均分子量:160000)、PEG-180M(平均分子量:180000)等が挙げられる。また、これらポリエチレングリコールの中でもさらに好ましくは、分子量11000以上のものであり、最も好ましいものはPEG-160M(160000)を用いることが好ましい。
【0016】
前記ポリエチレングリコールは、一種単独又は二種以上を混合して用いることができ、その配合量は、本発明の組成物全量に対して0.002質量%以上~0.2質量%以下である。(B)成分の配合量が0.002質量%未満である場合、塗布後 毛髪化粧料がすぐに髪から垂れ落ちてしまい(毛髪化粧料の髪へのまとまりが悪くなる)、毛髪化粧料の効果を充分に髪に付与することができなくなり、また(B)成分の配合量が0.2質量%を超えると曳糸性が増してしまい、毛髪へムラ無く均一に塗布しにくくなる。
【0017】
本発明に用いられる成分(C)ノニオン性セルロース誘導体は、通常の皮膚洗浄剤組成物に用いられるものであれば何れでも良いが、好ましいノニオン性セルロース誘導体の具体例として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、等を挙げることができる。これらのなかで、特に好ましいノニオン性セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0018】
前記ノニオン性セルロース誘導体は、一種単独又は二種以上を混合して用いることができ、その配合量は、本発明の組成物全量に対して0.01~1.0質量%である。0.01質量%未満では、毛髪化粧料の使用性が低下し、塗布時の伸びが得られず、ムラのない均一な塗布が困難となり、また1.0質量%を超えるとドライ後の仕上がりがごわごわした感触となる。
【0019】
さらに本発明の毛髪化粧料において、髪に塗布する際に濃厚感を感じるためには、成分(B)および成分(C)の配合質量のみならず、成分(B)の配合量に対し、成分(C)をどの程度配合するかという、成分(B)と成分(C)の配合質量の比(B)/(C)が適正な範囲をとることが重要である。 この際の成分(B)と成分(C)の配合質量の比(
B)/(C)の適正な範囲は0.01~1.0であり、0.01未満であると、塗布後 毛髪化粧料がすぐに髪から垂れ落ちてしまい(毛髪化粧料の髪へのまとまりが悪くなる)、毛髪化粧料の効果を充分に髪に付与することができなくなり、また1.0より大きいと、塗布時の伸びが得られず、本発明の毛髪化粧料を髪全体に均一に塗り広げにくくなる。
【0020】
本発明の毛髪化粧料は、一般式(I)で表されるような脂肪族アミン、ある一定以上の分子量であるポリエチレングリコール、およびノニオン性セルロース誘導体を必須成分とし、これらを水又は水に適宜な溶剤などを加えた液に含有させることによって調製されるが、これらの必須成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常毛髪化粧料に一般的に配合される他の成分を目的に応じて配合することができる。
【0021】
そのような成分としては、例えば、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルーテル硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウロイルメチ-β-アラニンナトリウム等のアニオン性界面活性剤;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキルN-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム等の両性界面活性剤:カチオン化セルロース、、ポリアクリル酸、ステアロキシプロピルデンプンリン酸、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、;ソルビトール、イノシトール、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール等の湿潤剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ成分;エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコールベヘントリモニウムクロリドなどの4級カチオン、ベヘナミドプロピルジメチルアミンなどの3級アミドアミン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-アルギニン、グリシン、L-グルタミン酸、L-システイン、L-スレオニン等のアミノ酸;その他紫外線吸収剤、防腐剤、糖類、香料、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤等が挙げられる。
【0022】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアローション、ヘアリキッド、ヘアクリーム、ヘアフォーム、、パーマ剤、ヘアカラー等に用いることができる。また本発明の毛髪化粧料は、常法により製造することができる。
【実施例
【0023】
次に本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した評価法を説明する。
【0024】
実施例1~13及び比較例1~14
表1および表2に示す組成の毛髪化粧料を常法に準じて調製し、実施例1~13および比較例1~14に記載する毛髪化粧料を得た。得られた毛髪化粧料について下記評価を行い、その結果を表1および表2に併せて示す。
【0025】
(1)塗布時の使用性評価
塗布時の毛髪化粧料の使用性として、洗髪後の濡れた髪への塗布時における“毛髪化粧料の伸び”、“髪全体へのムラのない均一な毛髪化粧料の付着”について評価を行った。20名のパネルが実施例及び比較例の毛髪化粧料を使用し、塗布時の伸び、ムラの無い均一な付着の項目について「良い」、「普通」、「悪い」の3段階で判定し、判定結果を「良い」と回答した人数により判断した。判断基準は以下の通りである。
◎:非常に優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が16名以上
○:優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が11~15名
△:やや劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が6~10名
×:劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が5名以下
【0026】
(2)塗布後における毛髪化粧料付着状態評価
塗布後に毛髪化粧料が、“すぐに垂れ落ちること無く、髪にまとわりつく”か評価を行った。20名のパネルが実施例及び比較例の毛髪化粧料を使用し、毛髪化粧料塗布後に毛髪化粧料が、すぐに垂れ落ちること無く、髪にまとわりいるかについて「良い」、「普通」、「悪い」の3段階で判定し、判定結果を「良い」と回答した人数により判断した。判断基準は以下の通りである。
◎:非常に優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が16名以上
○:優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が11~15名
△:やや劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が6~10名
×:劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が5名以下
【0027】
(3)濯ぎ時の感触評価
濯ぎ時の感触として、“濯ぎ時における髪の指通り”、“濯ぎ時における髪のやわらかさ”について評価を行った。20名のパネルが実施例及び比較例の毛髪化粧料を使用し、濯ぎ時の指通り、やわらかさの項目について「良い」、「普通」、「悪い」の3段階で判定し、判定結果を「良い」と回答した人数により判断した。判断基準は以下の通りである。◎:非常に優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が16名以上
○:優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が11~15名
△:やや劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が6~10名
×:劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が5名以下
【0028】
(4)仕上がりの感触評価
水分乾燥後の仕上がりの感触として、仕上がりの“しっとり感”、“まとまり感”、“やわらかさ”について評価を行った。20名のパネルが実施例及び比較例の毛髪化粧料を使用し、仕上がりのしっとり感、まとまり、やわらかさの項目について「良い」、「普通」、「悪い」の3段階で判定し、判定結果を「良い」と回答した人数により判断した。判断基準は以下の通りである。
◎:非常に優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が16名以上
○:優れている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が11~15名
△:やや劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が6~10名
×:劣っている ・・・「良い」と答えた試験対象者の数が5名以下
【0029】
【表1】


【0030】
【表2】


【0031】
表1および表2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~13の毛髪化粧料は比較例1~14の毛髪化粧料に比べていずれも優れた性能を示した。
【0032】
以下、本発明毛髪化粧料のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例の毛髪化粧料についても、塗布時の使用性、塗布後における毛髪化粧料付着状態、濯ぎ時の感触、仕上がりの感触の評価について、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0033】
実施例14(ヘアコンディショナー) 配合量(質量%)
(1)PPG-1/PEG-1ステアラミン 1.0
(2)ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド 1.0
(3)セトステアリルアルコール 6.5
(4)ジリノール酸ジ(フィトステアリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.0
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)べヘニルPGトリモニウムクロリド 1.0
(7)ステアリルPGトリモニウムクロリド 1.0
(8)コハク酸ジエチルヘキシル 2.0
(9)コメヌカ油脂肪酸フィトステリル 2.0
(10)乳酸 1.0
(11)パラフィン 1.0
(12)プロピレングリコール 0.5
(13)ソルビトール 3.0
(14)グリセリン 0.5
(15)ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
(16)PEG-180M 0.4
(17)ヒマワリ種子油 0.1
(18)セラミド2 0.1
(19)トウモロコシ由来スフィンゴ脂質 0.1
(20)ポリグルタミン酸 0.1
(21)ヒマワリ種子エキス 0.1
(22)ローヤルゼリーエキス 0.1
(23)ヒマワリ花エキス 0.1
(24)コメヌカエキス 0.1
(25)フェノキシエタノール 0.2
(26)サリチル酸 0.1
(27)香料 0.5
(28)精製水 残余
【0034】
(製法)(1)~(11)を80℃にて均一に混合溶解したものに、80℃に加温した(12)~(16)及び(28)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(17)~(27)を添加し、室温まで冷却して、ヘアコンディショナーを調製した。
【0035】
実施例15 ヘアトリートメント 配合量(質量%)(1)PPG-1/PEG-1ステアラミン 2.0
(2)ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 1.0
(3)セトステアリルアルコール 7.5
(4)ベヘニルアルコール 0.5
(5)アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル 1.0
(6)アモジメチコン 2.0
(7)メチルポリシロキサン(300cs) 5.0
(8)高重合メチルポリシロキサン(50万cs) 2.0
(9)べヘニルPGトリモニウムクロリド 1.0
(10)ステアリルPGトリモニウムクロリド 1.0
(11)コメヌカ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(12)乳酸 1.0
(13)パラフィン 1.0
(14)白色ワセリン 1.0
(15)1,3-ブチレングリコール 3.0
(16)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
(17)セレブロシド 0.1
(18)ショウガ根茎エキス 0.5
(19)サッカロミセス/ヒマワリ芽発酵エキス 1.0
(20)LIPIDURE-C(日本油脂社製) 1.0
(21)プロピレングリコール 0.5
(22)ソルビトール 3.0
(23)グリセリン 0.5
(24)PEG-90M 0.1
(25)メチルセルロース 1.0
(26)ヒマワリ種子油 0.1
(27)アセチルグルコサミン 0.1
(28)ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステアリル 0.1
(29)フェノキシエタノール 0.2
(30)サリチル酸 0.1
(31)防腐剤 0.1
(32)香料 0.5
(33)精製水 残余
【0036】
(製法)(1)~(16)、(24)~(26)を80℃にて均一に混合溶解し油相とする。(33)に(21)~(23)及び(27)を60℃にて均一に混合攪拌し水相とする。水相に油相を加えて乳化したのち、(28)及び(29)加えて、ホモミキサーを用いて均一に混合する。混合しながら徐々に冷却を行い、40℃にて(17)~(20)、(30)~(32)を添加し、室温まで冷却して、ヘアトリートメントを調製した。
【0037】
実施例16 ヘアクリーム 配合量(質量%)
(1)PPG-1/PEG-1ステアラミン 0.5
(2)ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド 0.5
(3)セトステアリルアルコール 4.0
(4)ベヘニルアルコール 0.5
(5)ワセリン 2.0
(6)アモジメチコン 1.0
(7)アミノポリエーテルシリコン 0.5
(8)べヘニルPGトリモニウムクロリド 0.5
(9)ステアリルPGトリモニウムクロリド 0.5
(10)シリコーン水性エマルジョン
(XS65-B7116、GE東芝シリコン社製) 2.0
(11)ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル 3.0
(12)オレイン酸コレステリル 1.0
(13)1,3-ブチレングリコール 2.0
(14)セバシン酸ジエチル 3.0
(15)PEG-115M 0.005
(16)エチルセルロース 0.01
(17)ヒマワリ葉/茎エキス 0.1
(18)グリコール酸 0.2
(19)フェノキシエタノール 0.2
(20)香料 微量
(21)精製水 残余
【0038】
(製法)(1)~(9)及び(11)~(14)を80℃にて均一に混合溶解させ、(15)~(17)、及び(19)~(21)を70℃にて混合したものを加えて乳化し、ホモミキサーで混合分散を行いながら、60℃にて(10)及び(18)を加え、室温まで
冷却して、ヘアクリームを調製した。
【0039】
実施例17 ヘアパック 配合量(質量%)
(1)PPG-1/PEG-1ステアラミン 2.0
(2)ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド 0.5
(3)セトステアリルアルコール 5.0
(4)ベヘニルアルコール 1.0
(5)ラノリン 1.0
(6)アモジメチコン 1.0
(7)アミノポリエーテルシリコン 0.5
(8)べヘニルPGトリモニウムクロリド 0.5
(9)ステアリルPGトリモニウムクロリド 0.5
(10)シリコーン水性エマルジョン
(XS65-B7116、GE東芝シリコン社製) 5.0
(11)ヒマワリ芽エキス 0.5
(12)PG 3.0
(13)ヒドロキシプロピルセルロース 0.05
(14)PEG-115M 0.02
(15)セバシン酸ジエチル 1.0
(16)乳酸 0.5
(17)フェノキシエタノール 0.2
(18)香料 0.6
(19)精製水 残余
【0040】
(製法)(1)~(9)、(15)及び(16)を80℃にて均一に混合溶解させ、(12)~(14)及び(19)を50℃にて混合したものを加えて乳化し、ホモミキサーで混合分散を行いながら、50℃で(10)、(11)、(17)及び(18)を加えて、室温まで冷却して、ヘアパックを調製した。
【0041】
実施例18 トリートメントフォーム 配合量(質量%)
(1)PPG-1/PEG-1ステアラミン 0.3
(2)ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 1.0
(3)セトステアリルアルコール 1.0
(4)ベヘニルアルコール 0.1
(5)アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル 1.0
(6)アミノポリエーテルシリコン 0.1
(7)べヘニルPGトリモニウムクロリド 0.2
(8)メチルポリシロキサン(300cs) 0.5
(9)ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル 1.0
(10)マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 0.2
(11)セラミド1・セラミド5混合物(1:1) 0.1
(12)乳酸 0.2
(13)ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 1.0
(14)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
(15)1,3-ブチレングリコール 0.5
(16)PEG-90M 0.05
(17)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
(18)フェノキシエタノール 0.5
(19)精製水 残余
【0042】
(製法)(1)~(14)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(16)、(17)及び(19)を混合したものを)プロペラで攪拌しながら加えて乳化する。徐々に冷却を行い、60℃にて(15)及び(18)を添加し、室温まで冷却して、原液とした。次にエアゾール耐圧容器に原液:LPGガスを92:8の比率で充填し、トリートメントフォームを調製した。