(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】運転者適齢診断等又は運行管理者一般講習の予約システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20220308BHJP
G06Q 50/26 20120101ALI20220308BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2018169409
(22)【出願日】2018-09-11
【審査請求日】2020-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518324153
【氏名又は名称】株式会社油吉
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【氏名又は名称】福田 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100095739
【氏名又は名称】平山 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】臼井 博康
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】大塚 雅樹
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215730(JP,A)
【文献】特開2018-088061(JP,A)
【文献】特開2002-352043(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107205035(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0289107(US,A1)
【文献】東海電子株式会社,クラウド運転者台帳“Karte-PRO”(カルテ・プロ) 販売開始,[online],日本,杉本 一成,2018年08月03日,[令和3年4月20日検索], インターネット<URL: https://www.tokai-denshi.co.jp/app/usr/topics/file/435_20180803091824_topic_file.pdf>
【文献】国土交通省,事業者が取り組む安全対策,[online],日本,国土交通省,2018年06月01日,[令和3年4月20日検索], インターネット<https://www.mlitgo.jp/jidosha/anzen/03safety/instruction.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」、「運送事業者の貨物及び/又は旅客(個人タクシーを除く)の業種」を含む「運転者情報」を入力する手段と、
b)「65才時適齢診断日」、「65才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、
c)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、
d)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に65才以上適齢診断を受付可能とする「65才以上適齢診断提案期間」を設定する手段と、
e)該設定された提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、
f)該カレンダー表示から受診機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、
g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、
を備え
て成り、
前記d)における「管理確保期間」は受診のサイクルを縮めすぎないよう1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は期限を徒過することのないよう2ヶ月~1ヶ月としたことを特徴とする運転者適齢診断の予約システム。
【請求項2】
請求項1記載の運転者適齢診断の予約システムにおいて、
b’)「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、
c’)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、
d’)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に旅客・75才以上適齢診断の受付を可能とする「旅客・75才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、
を付加したことを特徴とする運転者適齢診断の予約システム。
【請求項3】
請求項
2記載の予約システムにあって、c’)における法定加算期間がn=1年の場合、d’)の「管理確保期間」を10ヶ月~8ヶ月とし、「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする運転者適齢診断の予約システム。
【請求項4】
a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」を含む運転者情報を入力する手段と、
b)「一般診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む前回受診情報を入力する手段と、
c)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、
d)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に一般診断を受付可能とする「一般診断の提案期間」を設定する手段と、
e)該設定された提案期間に対応する年月日の示されたカレンダーを表示する手段と、
f)該カレンダー表示から受診機関の用意する受診講座の時限を表示する手段と、
g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、
を備え
て成り、
前記d)における「管理確保期間」は受診のサイクルを縮めすぎないよう1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は期限を徒過することのないよう1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする運転者一般診断の予約システム。
【請求項5】
a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」、「運送事業者の貨物・旅客(個人タクシーを除く)の業種」を含む運転者情報を入力する手段と、
b)「65才時適齢診断日」、「65才以上適齢診断日」、「特定診断(一)日」、「初任診断日」、「特定診断(二)日」、「一般診断日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、
c)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、
d)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に65才以上適齢診断を受付可能とする「65才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、
c’)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、
d’)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に一般診断を受付可能とする「一般診断の提案期間」を設定する手段と、
e)該設定された提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、
f)該カレンダー表示から受診機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、
g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、
を備えて成り、
前記d)における「管理確保期間」は受診のサイクルを縮めすぎないよう1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は期限を徒過することのないよう2ヶ月~1ヶ月とし、また、前記
d’)における「管理確保期間」は1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする運転者適性診断の予約システム。
【請求項6】
請求項
5記載の運転者適齢診断の予約システムにおいて、
b”)「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、
c”)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、
d”)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に旅客・75才以上適齢診断の受付を可能とする「旅客・75才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、
を付加したことを特徴とする運転者適齢診断予約システム。
【請求項7】
請求項
6記載の予約システムにあって、c”)における法定加算期間がn=1年の場合、d”の「管理確保期間」を10ヶ月~8ヶ月とし、「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする運転者適性診断の予約システム。
【請求項8】
a)「運行管理者又は補助者の氏名」、「運行管理者・補助者の種別」を含む「運行管理者情報」を入力する手段と、
b)「一般講習受講日」、「初任年度受講日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受講情報」を入力する手段と、
c)該「前回受講情報」のうち入力時に最も近い年月日を選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限年度」=「基準年度」+「法定加算年度(n)」』から「法定期限年度」を算出する手段と、
d)式『「提案期間開始日」=「法定期限年度初日」』から「開始日」を算出し、『式「提案期間終了日」=「法定期限年度末日」-「安全確保期間」』を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に一般講習を受付可能とする「一般講習受講提案期間」を設定する手段と、
e)該設定された一般講習提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、
f)該カレンダー表示から受講機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、
g)該受診講座の時限に沿って受講の「予約申込」を可能とする受付手段と、
を備えたことを特徴とする運行管理者一般講習の予約システム。
【請求項9】
請求項
8記載の予約システムにあって、c)における法定加算年度がn=2年度の場合、d)の「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする運行管理者一般講習の予約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車運送事業者における運転者に義務又は推奨されている適齢診断を含む適性診断、及び運行管理者等に義務づけられている一般講習に対する受診・受講予約のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車運送事業者及び旅客自動車運送事業者の事業用自動車の運転者には、事故惹起運転者、新任運転者、高齢運転者等に国土交通省で定める適性診断を運転者に受診させることが義務付けられている。これは運転者の運転行動の特性を把握し、自己のもつ特性を正解に認識することで、自己のもつ事故につながり易い特性等が現れないようにする為である。
この適性診断には、貨物自動車の運送事業にあっては、65才以上の者を対象とし、65才到達日から1年以内に受診させるものと、その後に65才以上で3年以内毎に繰り返し受診すべき「適齢診断」がある。旅客自動車にあっては、75才未満までは上記貨物自動車の場合と同様であるが、75才以上となった者に対しては、75才到達日から1年以内と、その後1年以内毎に受診を繰り返す診断とがある。
高齢者に対しては、加齢による身体機能の衰えが運転行動に影響が表れる易いことを認識させ、事故の未然防止につなげる為である。
又、65才未満のものに対しては、義務ではないが受診が推奨される「一般診断」があり、この一般診断は、65才未満の比較的若い者を対象とすることから、一定期間ごとの受講が推奨されている。
これらのいずれにあっても、この貨物自動車運送や、旅客自動車運送を業種とする運送事業者にあっては、多数の運転者を抱えることが多く、その者達に、漏れがなく、且つ、運送事業にも支障のないよう配慮しつつ受講を進める必要がある。
特に、これを定めた国土交通省告示第1366号には、「適齢診断を65才に達した日以後1年以内に1回受診させ、その後3年以内ごとに1回受診させる。」と定められているため、「3年以内ごと」と規定されるその期間計算は、その運転者が前の回に受講した日等を基にその人によって各々区々の期間を管理しなければならないものとなる。
又、この運送事業者には、国土交通大臣指定試験機関の実施する運行管理試験に合格した者の中で、安全輸送の責任者として事業者が選任した者を、運行管理者として配備しなければならない。
この運行管理者にあって再教育と制度改正等に対応させる為に、任命された当年度での受講とその後は2年度ごとの受講が推奨されている。
この運行管理者への一般講習の受講にあっても、一定期間をおいての繰り返し受講となるため、漏れのない且つ事業の円滑さを図りつつ処理を進める必要がある。
しかし、従来これら問題を解決し得る受診又は受講に対する予約システムの手段は提供されておらず、運送事業者には面倒且つ複雑で管理上の重い負担となっている。
尚、従来技術としては、特許文献1が「運転者教育支援システム」又特許文献2が「研修計画作成支援システム」として提案されているが、特許文献1は教育のシステムそのものに関するものであって一般診断又は適齢診断等への予約に関するものではなく、特許文献2も同様に予約システムを対象とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-311801号
【文献】特許第5529812号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、一定年以内毎又は年度毎に受診又は受講の義務・推奨される運転者に対する適齢診断・一般診断に向けて、法定上運転者区々となる受診期間に対応させつつ管理上の担保期間や期間徒過等安全の問題を解消し、又、運行管理者に対する一般講習に向けても同様な問題を解消し得るシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の運転者適齢診断の予約システムは、a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」、「運送事業者の貨物及び/又は旅客(個人タクシーを除く)の業種」を含む「運転者情報」を入力する手段と、b)「65才時適齢診断日」、「65才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、c)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に65才以上適齢診断を受付可能とする「65才以上適齢診断提案期間」を設定する手段と、e)該設定された提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、f)該カレンダー表示から受診機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、を備えて成り、前記d)における「管理確保期間」は受診のサイクルを縮めすぎないよう1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は期限を徒過することのないよう2ヶ月~1ヶ月としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の予約システムは、請求項1記載の予約システムに、b’)「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、c’)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d’)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に旅客・75才以上適齢診断の受付を可能とする「旅客・75才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、を付加したことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の予約システムは、c’)における法定加算期間がn=1年の場合、d’)の「管理確保期間」を10ヶ月~8ヶ月とし、「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の運転者一般診断の予約システムは、a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」、を含む運転者情報を入力する手段と、b)「一般診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む前回受診情報を入力する手段と、c)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に一般診断を受付可能とする「一般診断の提案期間」を設定する手段と、e)該設定された提案期間に対応する年月日の示されたカレンダーを表示する手段と、f)該カレンダー表示から受診機関の用意する受診講座の時限を表示する手段と、g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、を備えて成り、前記d)における「管理確保期間」は受診のサイクルを縮めすぎないよう1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は期限を徒過することのないよう1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の運転者適性診断の予約システムは、a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」、「運送事業者の貨物・旅客(個人タクシーを除く)の業種」を含む運転者情報を入力する手段と、b)「65才時適齢診断日」、「65才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」、「一般診断日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、c)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に65才以上適齢診断を受付可能とする「65才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、c’)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d’)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に一般診断を受付可能とする「一般診断の提案期間」を設定する手段と、e)該設定された提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、f)該カレンダー表示から受診機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、を備えて成り、前記d)における「管理確保期間」は受診のサイクルを縮めすぎないよう1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は期限を徒過することのないよう2ヶ月~1ヶ月とし、また、前記d’)における「管理確保期間」は1年2ヶ月~10ヶ月とし、「安全確保期間」は1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の運転者適性診断の予約システムは、b”)「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、c”)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d”)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に旅客・75才以上適齢診断の受付を可能とする「旅客・75才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、を付加したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の予約システムは、c”)における法定加算期間がn=1年の場合、d”の「管理確保期間」を10ヶ月~8ヶ月とし、「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の運行管理者一般講習の予約システムは、a)「運行管理者又は補助者の氏名」、「運行管理者及び補助者の種別」を含む「運行管理者情報」を入力する手段と、b)「一般講習受講日」、「初任年度受講日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受講情報」を入力する手段と、c)該「前回受講情報」のうち入力時に最も近い年月日を選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限年度」=「基準年度」+「法定加算年度(n)」』から「法定期限年度」を算出する手段と、d)式:『「提案期間開始日」=「法定期限年度初日」』から「開始日」を算出し、『式:「提案期間終了日」=「法定期限年度末日」-「安全確保期間」』を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に一般講習を受付可能とする「一般講習受講提案期間」を設定する手段と、e)該設定された一般講習提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、f)該カレンダー表示から受講機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、g)該受診講座の時限に沿って受講の「予約申込」を可能とする受付手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の予約システムは、c)における法定加算年度がn=2年度の場合、d)の「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の運転者適齢診断の予約システムにあっては、運転者が固有に持つ生年月日等の運転者情報及び過去の受診経歴を基にした前回受診情報から基準日を設定し、そこから法的に定められた法定期限日を自動的に算出することができる。
その法定期限日を基に提案期間の設定を行うが、その開始日にあっては、式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出することができ、該管理確保期間の設定によって、運転者の健康面や、事業経営者の人員確保や受診機関の人数編成等を総合的に勘案して最適な期間に予約の開始をスタートさせることができる。
又、その終了日は、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』から「終了日」を算出することができ、該安全確保期間の設定によって、運転者の忘却や緊急事態の発生等で法定期限日を徒過することがないよう余裕をもったシステムの運営が可能となる。
その提案期間を反映したカレンダー表示に従って希望する月日を入力すれば、受診講座の時限が表示された画面へと移行することができ、そこに表示された満席、残り若干名、余裕あり等の予約状況に応じて適切な時限を選択することができる。
その選択された「講座時限表示」にしたがって、申し込みを行えば自動的に受診の申し込みを完結させることができる。
【0018】
上記予約システムの提案期間の設定にあっては、法定加算期間が3年である場合に、「管理確保期間」を1年2ヶ月~8ヶ月とし、安全確保期間を2ヶ月~1ヶ月とすれば、実際の運用にあたって妥当性の高い期間を確保することができる。
【0019】
請求項2記載の予約システムにあっては、上記65才以上の適齢診断に加え、業種を旅客とし、且つ75才以上の運転者に対する適齢診断を付加することができ、人的輸送を扱う75才以上の高齢者に対するより厳しい受診期間に対応した提案期間を設定でき、2種類の高齢運転者の適齢診断に応じることができる。
【0020】
請求項3の予約システムの提案期間の設定にあっては、法定加算期間が1年である場合に、「管理確保期間」を10ヶ月~8ヶ月とし、安全確保期間を1.5ヶ月~0.5ヶ月とすれば、実際の運用にあたって妥当性の高い期間を確保することができる。
【0021】
請求項4の運転者一般診断の予約システムにあっては、65才未満の運転者の一般診断に対する提案期間を設定でき、未だ高齢者には至らないが安全運転面からは定期的受診が奨励されることから、これに対応する提案期間を含んだ予約システムが提供できる。
【0022】
上記予約システムの提案期間の設定にあっては、法定加算期間が3年である場合に、「管理確保期間」を1年2ヶ月~10ヶ月とし、安全確保期間を1.5ヶ月~0.5ヶ月とすれば、実際の運用にあたって妥当性の高い期間を確保することができる。
【0023】
請求項5記載の運転者適性診断の予約システムにあっては、65才以上高齢者の適齢診断と65才未満の一般診断を組み合わせることができ、65才の年齢をまたいで双方の適性診断に対応することができる。
【0024】
上記予約システムにあっては、それぞれの提案期間に対応した妥当性の高い期間を確保することができる。
【0025】
請求項6記載の予約システムにあっては、65才以上適齢診断と旅客・75才以上適齢診断及び一般診断を一つのシステムにまとめて対応することができ、適性診断に広範囲に且つ簡便に対応することができる。
【0026】
請求項7記載の予約システムにあっては、それぞれの提案期間に対応した妥当性の高い期間を確保することができる。
【0027】
請求項8の運行管理者一般講習の予約システムにあっては、運行管理者及び補助者の氏名、運行管理者及び補助者の種別を含む運行管理者情報及び過去の受講経歴を基にした前回受講情報から基準日を設定し、そこから法的に定められた法定期限年度を自動的に算出することができる。
その法定期限年度を基に提案期間の設定を行うが、その開始日にあっては、式:『「提案期間開始日」=「法定期限年度初日」』から開始日を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「終了日」を算出することができ、法定年度に対応した開始と終了によって運行管理者及び補助者の忘却や緊急事態の発生等で法定の期限期間を徒過することがない安全なシステムの運営が可能となる。
その提案期間を反映したカレンダー表示に従って希望する月日をクリックすると、受講講座の時限が表示された画面へと移行することができ、そこに表示された満席、残り若干名、余裕あり等の予約状況に応じて適切な時限を選択することができる。
その選択された「講座時限表示」にしたがってクリックすれば受講の申し込みを完結させることができる。
【0028】
請求項9の予約システムにあっては、法定加算年度がn=2年度の場合、「安全確保期間」を1.5ヶ月~0.5ヶ月とすることで、実効性の高い期間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明運転者適齢診断の予約システムの手順を示すフローチャート。
【
図3】本発明運転者適性診断の予約システムの手順を示すフローチャート。
【
図4】本発明の別の態様の運転者適性診断の予約システムの手順を示すフローチャート。
【
図5】本発明一般講習の予約システムの手順を示すフローチャート。
【
図6】本発明運転者適齢診断の予約システムの運転者情報等の詳細を示すフローチャートの一部。
【
図7】本発明運転者適齢診断の予約システムの提案期間等の詳細を示すフローチャートの一部。
【
図8】本発明運転者適齢診断の予約システムのカレンダー表示等の詳細を示すフローチャートの一部。
【
図9】本発明運転者適齢診断の予約システムの時限表示の画面を示す模式図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下本発明予約システムを実施するための形態を説明する。
本発明における予約システムは、4つの形態に分かれ、1つは運転者適齢診断の予約システムに関し、そのうち業者が貨物又は旅客を業種とし65才以上の高齢運転者を対象とした適齢診断に対応するものと(請求項1)、旅客・75才以上を加えた適齢診断に対応するものがある(請求項2,3)。2つには、65才未満の運転者を対象とした一般診断に対応するものである(請求項4)。3つには、上記適齢診断と一般診断とを含めたものを適性診断と定め、この適性診断に対応するものと(請求項5)、そのうちの旅客・75才以上の運転者を加えた適性診断に対応するがある(請求項6,7)。4つには、運行管理者又は補助者を対象とした一般講習に対応するものである(請求項8,9)。
以下にこの分類に従って、システムの内容を説明する。
【0031】
本システムは、
図1に示す如く、インターネット等のネットを介して互いに連結されるもので、利用者側とこれを受ける主催者側に各コンピュータを備え、コンピュータには入力部、表示画面等が、主催者側には記憶部、演算部等の各部が備えられる。
各手順における入力、記憶、算出、画面表示等は上記コンピュータの機能に託される。
【0032】
<65才以上適齢診断>
先ず、上記運転者適齢診断の予約システムにあって貨物自動車運送事業者又は旅客自動車運送事業者の運転者で、65才以上の高齢者を対象としたもの(以下65才以上適齢診断という。)について説明する。尚、以下「予約システム」という場合の予約とは、原則受診に対する予約を指す。
【0033】
入り口でログイン画面を表示し、一つ目は、ユーザー名とパスワードとからのログインとし、二つ目は、新たな申込者の入場を可能とする住所、名称等の必要事項を入力させてからのログインとする。
【0034】
<運転者情報>
ログインの後は、先ず「運転者情報」の入力画面を表示する。「運転者情報」とは、
図6に示す如く、受診を望む運転者の属性を含む情報をいい、その属性とは、a)氏名、b)生年月日、c)事業者の貨物及び/又は・旅客(個人タクシーを除く)の業種を含む情報を指す(
図6参照)。
運転者とは、貨物自動車運送事業者又は旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者として雇用する者をいう。運転者の氏名は対象となる運転者を識別し、生年月日はその人の年齢を算出するための必須要件となる。
貨物・旅客の業種は、運送事業者が取り扱う業種を指定するもので、貨物自動車と旅客自動車とは、上記別々の告示に定められるが、65才以上の適齢受診には共通する部分があり、75才以上には異なる部分がある。異なる部分とは、旅客について75歳以上の運転者に別枠の受診が必要とされる点である。尚、個人タクシーについては、規定が異なることから、本システムの対象外とする。
この貨物、旅客の業種の別にあって、本システムの対象は、貨物、旅客のどちらか一方を対象とする場合と、そのいずれも含む場合がある。例えば、貨物自動車運送事業を単独に行う場合、又は旅客自動車運送事業を単独で行う場合には、そのいずれをも対象とすることができる。又、双方を対象とする事業者もあり、その場合は双方を含むものであっても良い。
この運転者情報の入力は、原則申込者側からの入力によるが、例外的には、予め申し込みの法人等から運転者のリスト表を入手しておき、そのリスト表に基づいて入力を可能としても良い。
又、過去に本システムを利用した運転者に対しては、記憶部に当該情報を蓄積して置き、その記憶部から該当する情報を引き出すことも可能である。
【0035】
<前回受診情報>
運転者情報に続いて、「前回受診情報」を入力する。
ここにいう前回受診情報とは、運転者がこれから予約しようとする適性診断に対応する診断日であって、それ以前に当該運転者が受診した診断に関する情報をいう(
図6参照)。
この「前回受診情報」には、イ)「65才時適齢診断日」、ロ)「65才以上適齢診断日」ハ)「初任診断日」、二)「特定診断(一)日」ホ)「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか1つを含むものとする。
「65才時適齢診断」とは、65才に達した者に対し、その到達した日から1年以内に1回受診すべき診断をいい、その受診日を「65才時適齢診断日」という。
「65才以上適齢診断」とは、65才以上になった高齢者に対し、前記65才時適齢診断を受けた日のその後に、3年以内毎に1回を繰り返し受診すべき診断をいい、その受診日を「65才以上適齢診断日」という。
「初任診断」とは、貨物自動車の運転者が初めてトラックに乗務する前に又は旅客自動車の運転者が初めて選任される前に、受診すべき又は受診が推奨される適性診断をいい、その受診日を「初任診断日」という。
「特定診断(二)」とは、事故惹起者に対して行う適齢診断をいい、その事故が死亡重傷事故であり、且つ、その事故前1年間に交通事故の事実が有る者に対して義務化される診断をいい、その受診日を「特定診断(二)日」という。
「特定診断(一)」とは、上記特定診断(二)と同様、事故惹起者でその事故が死亡重傷事故であるが、その事故前1年間に交通事故の事実が無い者に対して義務化される診断をいい、その受診日を「特定診断(一)日」という。
そして、この「特定診断(一)」及び「特定診断(二)」に対しては、旅客自動車運送事業運輸規則第38条(8)項において、「・・「特定診断(一)」及び「特定診断(二)」を受診させたことをもって、初任診断及び適齢診断を受診させたものとみなして差し支えない。」と規定されることから、「前回受診情報」に含めるものとした。
イ)~ホ)の診断日は、少なくともいずれか一つを入力しなければならない。例えば、ロ)の65才以上の適齢診断日の情報を有するものは、その前のイ)等の情報も有するはずであるが、その場合には、必ずロ)の情報は入力しなければならないが、イ)等については入力せずとも良い。その他についても同様である。
尚、特定診断(一)日、特定診断(二)日における括弧内の数値表示は、法定された字体とは異なるものである。
【0036】
<法定期限日>
次いで、「基準日」の設定を行う(
図7参照)。
「基準日」とは、上記前回受診情報から後述する「提案期間」を算出するにあたって、その算出の基礎となる年月日をいう。
該基準日は、上記前回受診情報、イ)「65才時適齢診断日」、ロ)「65才以上適齢診断日」、ハ)「初任診断日」、二)「特定診断(一)の診断日」、ホ)「特定診断(二)の診断日」、のうちいずれか一つが対象となり、入力時点から計算して入力時に一番近い年月日が該当日となる。
イ)~ホ)の複数情報が並んだとき、年月日の古いものは国土交通省告示第1366号、1676号で規定する受診日には該当せず、入力時直前の最も新しい受診情報を算定の基礎とすべきだからである。
この選定には、演算部における演算機能によって、入力日とイ)~ホ)の診断日を比較して、最も近いものを自動的に選別する処理が可能である。
【0037】
上記基準日より「法定期限日」の算出を行う。
「法定期限日」とは、国土交通省告示第1366号及び同第1676号に規定される「・・その後3年以内ごとに1回受診させる。」の受診すべき月日の最終年月日をいう。
同告示には「・その後3年以内ごとに1回受診させ・」と規定され、「その後」に該当する日は、運転者が受診した一番新しい受診年月日から起算して3年以内に次の適齢診断を受診すべき旨が規定されている。
最新の受診年月日を基礎として、法定された3年以内毎の期間を守って、運転者が個別にもつ運転に対する適性が俊敏に判断できる体制を維持する為である。
この法定期限日は、上述の通り、運転者が個別にもつ3年以内受診の最終年月日が相当し、具体的には、上記基準日に法定の3年を加算して演算される年月日が相当するものとなる。
その加算すべき期間を「法定加算期間(n)」とし、同告示にあっては(n=3年)となる。
従って、その算出式を、
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n):(n=3年)」
とする。
例えば、基準日が2018年10月10日であった場合に、その法定期限日は(2018+3)年10月9日=2021年10月9日となる。
尚、法定期限日、法定加算日等における「法定」とは、上記の如く国土交通省告示に基づいて定められた日を原則として指すが、本システムにあっては、他の全日本トラック協会等の準公的機関で定められたものも含めた広い意である。
【0038】
ここで旅客・75才以上適齢診断に該当する者が存する場合には、これを告示第1676号で定める「75才に達した日以後1年以内に1回受診させる」べき「75才時適齢診断」へと導かねばならない。
これには、「75才誕生日」と「法定期限日」とを比較し、
「75才誕生日」≧「法定期限日」
となる条件を設定し、これを演算して決定することができる。
該判定はコンピュータ演算部によって自動的に演算される。
当該75才時適齢診断を受診した場合には、その受診日が「75才時適齢診断日」となる。
【0039】
上記法定期限日の算出が済んだ後には、65才以上適齢診断への提案期間の設定へと移行するが、その前に旅客・75才以上運転者への適齢診断を対象とする場合には、その適齢診断へとルートを分岐させて移行しなければならない。
その詳細については、後段の旅客・75才以上適齢診断の項にて説明する。
【0040】
<65才以上適齢診断の提案期間設定>
提案期間とは、法定される受診すべき期間のなかで、諸事情を勘案して受診に適するであろう期間を本システムが利用者に提案する期間をいう。
該法定される受診すべき期間とは、国土交通省告示に基づけば、上記基準日から法定期限日までの3年間が該当する期間となる。
しかし、その期間全体を受け付け可能期間とすることは、1つに受診すべき運送事業者及び運転者に対して重荷となる嫌いがある。なぜなら、その期間中のあまりに早い段階で受診すると、その受診の日から次回に受診すべき日の起算が始まってしまい、総合的に受診のサイクルが短くなってしまうからである。
一方逆に、受診の年月日を法定期限日に近いあまりに遅い段階とすると、運転者の健康状態や運送事業者の管理上の点で無理が生じ易く、期間の徒過等の法令違反となる虞があり制度の趣旨に反するものとなる。
そこで、本システムでは、以下に述べる如き提案期間を設定し、この期間内における受診の機会を捉えることで上記矛盾のない、円滑な制度運用を提起しようとする。
【0041】
この「提案期間」にあって、65才以上適齢診断の提案期間とは、法定される65才以上の運転者に対する適齢診断の受診期間内であって、本システムが該適齢診断の受診に好適であろうと提案する期間をいう。
その提案期間は、以下の如く、始まりとしての提案期間開始日と、終日としての提案期間終了日によって設定される。
【0042】
<提案期間開始日>
先ず、「提案期間開始日」の算出を行う(
図7参照)。
「提案期間開始日」とは、上記提案期間において、その受付が開始される日をいい、その期日は以下の式から算出される。
「提案期間開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」
該法定期限日は、上述した通り、
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n):(n=3年)」
から算出される。
「管理確保」とは、法定期限日前に管理上の必要性から予約を可能とすることを予め担保する期間をいう。
その管理上の必要性の要因とは、例えば、運転者にあっては、暑さ寒さの気候面や持病等に影響される健康管理面や、仕事上の繁忙面がある。運送事業者の経営上からは、四季の変化による繁忙や、業界特有の事情や人員確保への配慮等の管理面からの要因が挙げられる。更に、診断を主催する受診機関にあっても、診断員や診断機器の台数には一定の限界があり、受診人数等にあまりにバラツキの多いものとなると編成が組めない虞が生じる。
これら要因を総合的に勘案して当該管理確保期間は定めるものとし、望ましくは1年2ヶ月~10ヶ月とし、例えば、法定期限に遡ること12ヶ月とすることができる。
この開始日は演算部の演算機能によって自動的に算出できる。
尚、本システムにおける期間計算での「年」及び「月」に対しては、原則暦に従うが、日数に端数が生じた場合には、年=365日、月=30日として具体的な期日の日数を定めるものとする。
【0043】
当該管理確保期間の設定にあたって、上述の如く、諸要因を総合的に判断して一定の期日に設定することを原則とするが、ある業界には運転者の受診時期をできる限り分散させたい等の特殊事情が存する場合があり、その場合にはこれら事情を考慮して、その業界に属する運送事業者を特定して一般と異なる期間に設定することも可能である。
【0044】
<提案期間終了日>
次いで、「提案期間終了日」の算出を行う。
「提案期間終了日」とは、本システムが受診予約に好適であろうと提案する期間において、それが終了する日をいう。
式:「提案期間終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n):(n=3)」
「安全確保期間」とは、予約受付を法定期限日までとした場合には、運転者における諸事情により、物忘れ、病気・ケガ、急用の発生等の突発的事情が発生した場合に、法定期限日以内に受診できなくなる危険があり、そこで、これらを想定して、この危険が発生しても対処できるであろう時間を安全のために確保する為の期間を設けたものである。
上記と同様これら要因を総合的に勘案して当該安全確保期間は定めるものとし、望ましくは2ヶ月~1ヶ月とし、例えば、法定期限日に遡ること2ヶ月とすることができる。
この終了日は演算部の演算機能によって自動的に算出できる。
【0045】
上記提案期間開始日から提案期間最終日によって、提案期間が決定される。
「提案期間」=「提案期間開始日」~「提案期間終了日」
【0046】
そして、上記提案期間の設定にしたがって、その開始日から終了日をパソコン画面上に表示し、運送事業者からの受診申し込みを受け付ける準備とする。
【0047】
<カレンダー表示>
さて、運送事業者からの適齢診断受診の予約を受け付ける為の本システムにあって、その受け付けの窓口は、上記運転者情報及び前回受診情報等の入力を促し所定の提案期間を表示した後は、当該提案期間の表示に相当する年月日の暦に従ったカレンダーを表示する(
図8参照)。
このカレンダー表示は、一旦「年」毎の表示から入って、該当する「年」をクリックした後に該当する「年月日」を表示する場合と、最初から直接的に「年月日」を表示する場合とがある。
直接的に「年月日」を表示する場合は、例えば
図8に示す如くで、該当する「月」とその下に週毎に区分けされた「日」を表示することができる。
そして、その年月日には、受付日を緑色、休日を赤色として表示することができる。
その表示にしたがって運送事業者は、自らの望む年月日にカーソルを合わせて、それをクリックする。
【0048】
<受診講座の時限表示>
そのクリックに従ってカレンダー表示から望む「日」が選択されたら、その「日」の受診講座が時限毎に区分けされた「講座時限表示」に画面を移行させる。
この「講座時限表示」とは、1時限目、2時限目等のその1日における講座を時限毎に区分けしたものを言い、時間単位、分単位等のいずれであっても良く、
図8に示す如く、1時限目を9時~10時の2時間を1単位とし、2時限目を11時~12時とすることができる。
この講座時限表示も、区分けされた時限毎に色分け表示することができ、その色分けとは、例えば、当日の予約状況を、a)満席、b)若干名を残すのみ、c)未だ余裕ありの3分類とし、a)を赤色、b)を黄色、c)を緑色とする。
この色分けは、予約席の全体の数を規定して、それが予約で埋められた数をカウントして、a)~c)を類分けする場合と、予約席の全体の数を捉え、それが予約で埋められた割合を100分率又は10分率等で計算し、その割合の示す値を範囲毎に類分けし、それを上記色分けに対応させる方法がある。具体的には、後者を主体とするが、前者のいずれであっても良い。
又、色分によらず、それを図形や絵文字等による表示として類分けしても良い。
この「講座時限表示」に従って、申込者は自らの望む時限をクリックする。
【0049】
このカレンダー表示及び講座時限表示にあたっては、上記提案期間にしたがった年月日、講座時限を一挙に表示して、その期間内をすべて予約可能とすることができるが、一方、これを一挙表示とせず、先ず、始まりの何ヶ月分かを表示し、予約状況をみて、次の年月日に移る方法を選択することができる。
いずれとするかは、受診機関の事情が一挙表示を許す態勢にあるか、又は、先着を優先させて順次席を埋めていく態勢を望むか等を含めて判断するものとする。
【0050】
<予約申込>
さて、上記「講座時限表示」のクリックがあったら、次に、その望む講座への申し込みに移行する。
申し込みは、選択された「講座時限表示」にしたがって、例えば、その講座の開催年月日等を記載した指定欄等を設け、そこに「申し込みます。」等の表示をしてクリックを促すことができる。
そのクリックによって、演算部及び記憶部の機能から自動的に受講予約の申し込みが完了する。
【0051】
<カレンダー表示への反映>
申し込みが完了したら、予約完了の旨を申込者に送信する。
と同時に、その予約完了は、当然に上記カレンダー表示に変更を与えるものとなるから、その変更によって改正された内容に基づいた表示へと、その表示内容を反映させるものでなければならない。
そこで、上記カレンダー表示の項に戻って、その内容を反映させた表示の算出を行い、これを表示するものとする。
【0052】
<終了>
以上によって、運送事業者の望む講座への予約申し込みが終了し、一連の手続が完了した旨を画面に表示して、本システムを終了させるものとする。
【0053】
<旅客・75才以上適齢診断>
次いで、運転者適齢診断の予約システムにあって、事業者の業種が旅客で且つ75才以上の高齢運転者に対する適齢診断を付加したもの(以下旅客・75才以上適齢診断という。)について説明する。
即ち、上記は65才以上の運転者への適齢診断に対する予約システムを説明したものであるが、国土交通省告示第1676号には、これに加えるに、業種が「旅客」で「75才以上の運転者」への適齢診断が規定されている。
その内容は、旅客自動車の運送事業者に対しては、国土交通上告示第1676号に「・・その後75才に達するまでは3年以内ごとに1回受診させ、75才に達した日以降1年以内に1回受診させ、その後1年以内ごとに1回受診させる。」と規定され、75才までは上記貨物自動車の場合と同様3年以内毎に1回の受診し、75才に達した時点で1年以内に1回受診し、それ以降は1年以内毎に1回受診すべきものとなる。
65才以上の適齢診断に加え、更なる加齢による身体機能の変化の運転行動への影響を認識させるためであるが、事業が旅客である場合の影響の重大さを考慮したものである。
これを実施する場合の態様を以下に詳述する。
【0054】
運転者情報については、上記65才以上適齢診断におけるものを用いる。
そして、その「運転者情報」が入力された後には、そこから事業者の貨物又は旅客の業種が分かり、且つ、生年月日から運転者の年齢が分かる。そこから、業種が旅客で且つ入力時における年齢が75才以上(以下これを「旅客・75才以上」という)となる運転者が判明する。
そこで、
図2に示す如く、旅客・75才以上の者が含まれている場合には、旅客・75才以上に該当しないか否かの分岐条件に従って、該当する者を旅客・75才以上適齢診断へと導く。
【0055】
<前回受診情報>
次いで、
図2に示す如く、前回受診情報へと移行し、旅客・75才以上適齢診断にあっては、前回受診情報は、「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、特定診断(一)日」及び「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つとなる。
「旅客・75才時適齢診断」とは、同告示「・・75才に達した日以降1年以内に1回受診させ・・」の規定に応じた適齢診断をいい、これを受診した者の情報を前回受診情報に含ませるためである。
「旅客・75才以上適齢診断日」とは、上記告示に「その後1年以内ごとに1回受診させる。」の規定に応じた適齢診断をいい、1年以内毎に繰り返される診断日を前回受診情報に含ませるためである。65才以上適齢診断と同様、加齢による身体機能の変化の運転行動への影響を認識させる趣旨である。
【0056】
<法定期限日設定>
次いで、「基準日」の設定を行う。
該基準日は、上記前回受診情報、「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」及び「特定診断(二)日」のうちいずれか一つが対象となり、入力時点から計算して入力時に一番近い年月日が該当日となる。
【0057】
上記基準日より「法定期限日」の算出を行う。
「法定期限日」とは、国土交通省告示第1676号に規定される「・・その後1年以内ごとに1回受診させる。」の受診すべき年月日の最終年月日をいう。
同告示には「・その後1年以内ごとに1回受診させ・」と規定され、「その後」に該当する日は、運転者が受診した一番新しい受診年月日から起算して1年以内に次の適齢診断を受診すべき旨が規定されている。
旅客・75才以上運転者へはより多くの配慮が必要となることから、1年以内ごとという厳しい規定が定められている。
そこで加算すべき期間は「法定加算期間(n)」とし、(n=1年)となる。
その算出式を、
「法定期限日」=(「基準日」+「法定加算期間(n):(n=1年)」」とする。
例えば、基準日が2018年10月10日であった場合に、その法定期限日は(2018+1)年10月9日=2019年10月9日となる。
他は65才以上適齢診断の場合と同様である。
【0058】
<旅客・75才以上適齢診断の提案期間設定>。
この「提案期間」にあって、旅客・75才以上適齢診断の提案期間とは、法定される旅客・75才以上の運転者に対する適齢診断の受診期間内であって、本システムが該適齢診断の受診に好適であろうと提案する期間をいう。
設定の趣旨は、65才以上適齢診断の場合と同様である。
その提案期間は、以下の如く、始まりとしての提案期間開始日と、終日としての提案期間終了日によって設定される。
【0059】
「提案期間開始日」は、
式:「提案期間開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」から算出され、
該法定期限日は、
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n):(n=1年)」から算出される。
管理確保期間は10ヶ月~8ヶ月が望ましく、例えば9ヶ月とすることができる。
「提案期間終了日」は、式:「提案期間終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」
から算出され、法定期限日は、式:「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n):(n=1年)」から算出される。
安全確保期間は、1.5ヶ月~0.5ヶ月が望ましく、例えば、1ヶ月とすることができる。
これらの算出は、65才以上適齢診断を進めた趣旨と同様であるが、65才以上適齢診断が、「・・その後75才に達するまでは3年以内ごとに1回受診させ、・・」と定められるのに対し、旅客・75才以上適齢診断にあっては、「その後1年以内ごとに1回受診させる。」と定められているのに対応させたものである。
【0060】
上記提案期間開始日から提案期間最終日によって、提案期間が決定され、その設定にしたがって、その開始日から終了日をパソコン画面上に表示し、運送事業者からの受診申し込みを受け付ける準備とする。
【0061】
そして、以下に説明するカレンダー表示等へと移行するが、該カレンダー表示等は、65才以上適齢診断のカレンダー表示と同一であるから、当該ルートへと統合させることができる。
カレンダー表示は本来目的とする診断の種類によって異なるはずのものであるが、診断の内容は診断機用コンピュータに格納されているため、一台の診断機用コンピュータによって各種の診断に対応できるから、簡潔化のため統合させたものである。
従って、原則に戻って、各診断に異なるカレンダー表示を設けることも可能である。
【0062】
<一般診断>
続いて、65才未満の運転者を対象とした一般診断に対するもの(以下一般診断という)について説明する。
ログインの方法は、上記65才以上適齢診断の場合と同様である。
【0063】
<運転者情報>
続いて、
図3に示す如く、「運転者情報」の入力画面を表示する。
「運転者情報」とは、受診を望む運転者の属性を含む情報をいい、その属性とは、a)氏名、b)生年月日を含む情報を指す。
この運転者情報の入力は、原則申込者側からの入力によるが、例外的には、予め申し込みの法人等から運転者のリスト表を入手しておき、そのリスト表に基づいて入力を可能としても良い。
又、過去に本システムを利用した運転者に対して、記憶部に当該情報を蓄積して置き、その記憶部から該当する情報を引き出すことも可能である。
【0064】
そして、この65才以上の高齢者への適齢診断に加えて65才未満の運転者を対象とした一般診断を加えるものとする。
この場合、上記運転者情報から一般診断を対象としたルートへと分岐させるが、その導き方は、
図3に示す如く、運転者情報における誕生日から運転者の入力時点での年齢を算出し、それが65才以上に該当するか否かで判別するものとする。
【0065】
<前回受診情報>
運転者情報に続いて、「前回受診情報」を入力する。
前回受診情報とは、運転者がこれから予約しようとする一般診断に対し、それ以前に当該運転者が受診した診断に関する情報をいう。
この「前回受診情報」には、イ)「一般診断日」、ロ)「初任診断日」、ハ)「特定診断(一)日」、ニ)「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか1つを含むものとする。
「一般診断日」とは、当該一般診断を受けた者が、その後に3年に一度繰り返し受診することが推奨される診断をいい、「初任診断日」については上記65才以上適齢診断の場合と同様である。
この一般診断は義務ではないが、全日本トラック協会の安全性優良事業所を認定するGマークの申請、更新にあたり、その認定要件に一定割合の運転者が同診断を受診していることが要件とされることから、同協会の主導により「3年に1度」が定められているものである。
この一般診断日には、カウンセラー付きのもの又はカウンセラーの付かないものの二つの態様があるが、いずれも含むものとする。
イ)~ニ)の診断日は、少なくともいずれか一つを入力するものとする。
【0066】
<基準日の設定>
次いで、「基準日」の設定を行う。
「基準日」とは、上記前回受診情報から後述する「提案期間」を算出するにあたって、その算出の基礎となる年月日をいう。
該基準日は、上記前回受診情報、イ)一般診断日、ロ)「初任診断日」、ハ)「特定診断(一)日」、ニ)「特定診断(二)日」のうちいずれか一つが対象となるが、入力時点から換算して入力時に一番近い最新のものが該当日となる。
上記全日本トラック協会の規定の趣旨から判断したものである。
【0067】
<法定期限日の算出>
上記基準日より「法定期限日」の算出を行う。
「法定期限日」とは、全日本トラック協会の主導により推奨されている「3年に1度」の受診すべき年月日の最終年月日をいう。この「法定期限日」は、本来は法定されたものではないが、全日本トラック協会の規定に従うことから、順法定的なものとみなし、「法定期限日」に含めるものとする。
上記65才以上適齢診断の場合と同様3年以内毎の期間を守って、運転者が個別にもつ運転に対する適性が俊敏に判断できる体制を維持する為である。
この法定期限日は、上述の通り、運転者が個別にもつ3年以内毎に1回受診の最終年月日が相当し、具体的には、上記基準日に3年を加算して演算される年月日が相当するものとなる。
その算出式は、
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n):(n=3年)」とすることができる。
【0068】
ここで65才以上適齢診断に該当する者が存する場合には、これを告示第1366号及び第1676号で定める「65才に達した日以後1年以内に1回受診させる」べき「65才時適齢診断」へと導かねばならない。国土交通省告示第1366号及び同第1676号
これには、「65才誕生日」と「法定期限日」とを比較し、
「65才誕生日」≧「法定期限日」
となる条件を設定し、これを演算して決定することができる。
当該65才時適齢診断を受診した場合には、その受診日が「65才時適齢診断日」となる。
【0069】
<一般診断の提案期間設定>。
提案期間とは、規定される受診すべき期間のなかで、本システムが提案する受診予約を受付可能とする期間をいう。
該規定される受診すべき期間とは、全日本トラック協会の規定に基づけば、上記基準日から法定期限日までの3年間が該当する期間となるが、その期間全体を受け付け可能期間とすることは、運転者等に対して負担となる嫌いがあり、一方、受診の年月日を法定期限日に近いあまりに遅い段階とすると、期間の徒過等の法令違反となる虞があり制度の趣旨に反するものとなることから、以下に述べる如き提案期間を設定し、円滑な制度運用を提起しようとするものである。
【0070】
上記「一般診断の提案期間」とは、一般診断の運転者に対する受診期間内であって、本システムが該適齢診断の受診に好適であろうと提案する期間をいう。
その提案期間は、以下の如く、始まりとしての提案期間開始日と、終日としての提案期間終了日によって設定される。
【0071】
<提案期間開始日>
提案期間開始日」とは、上記提案期間において、その受付が開始される日をいい、その期日は以下の式から算出される。
「提案期間開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」
該法定期限日は、上述した通り、
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間」
から算出される。
「管理確保期間」とは、法定期限日前に管理上の必要性から予約を可能とすることを予め担保する期間をいう。
その管理上の必要性の要因は、運転者の諸事情、運送事業者の諸事情、受診機関の諸事情等を総合的に勘案して当該管理確保期間は定めることは65才以上適齢診断の場合と同様である。
この期間は1年2ヶ月~10ヶ月が望ましく、例えば、法定期限日に遡ること12ヶ月とすることができる。
【0072】
<提案期間終了日>
「提案期間終了日」とは、本システムが受診予約に好適であろうと提案する期間において、それが終了する日をいう。
式:「提案期間終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」
「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間」
「安全確保期間」は、予約受付を法定期限日までとした場合に、運転者における諸事情等で期間徒過する危険を想定して、安全のために確保する為の期間をいう。諸要因を総合的に勘案して当該安全確保期間は定めるものとし、1.5ヶ月~0.5ヶ月が望ましいが、例えば、1ヶ月とすることができる。
【0073】
上記提案期間の設定にしたがって、その開始日から終了日をパソコン画面上に表示し、運送事業者からの受診申し込みを受け付ける準備とする。
【0074】
そして、該提案期間をカレンダーに表示するが、その概要は、上記65才以上適齢診断において説明した内容と同様である。
【0075】
<適性診断a>
上記65才以上適齢診断の予約システムと一般診断の予約システムとを組み合わせて65才上適齢診断と一般診断とをまとめたもの(以下適性診断aという)について説明する。
【0076】
先ず、65才以上の運転者を対象として、65才以上適齢診断を実施する。
その内容は、a)「運転者の氏名」、「運転者の生年月日」、「運送事業者の貨物及び/又は旅客(個人タクシーを除く)の業種」を含む「運転者情報」を入力する手段と、b)「65才時適齢診断日」、「65才以上適齢診断日」、「初任診断日」、特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、c)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に65才以上適齢診断を受付可能とする「65才以上適齢診断提案期間」を設定する手段と、e)該設定された提案期間に対応する年月日の示された「カレンダー」を表示する手段と、f)該カレンダー表示から受診機関の用意する「受診講座の時限」を表示する手段と、g)該受診講座の時限に沿って受診の「予約申込」を可能とする受付手段と、を備えてなる。
その詳細は上記65才以上適齢診断の場合と同様である。
【0077】
その内容は、b)「一般診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む前回受診情報を入力する手段と、c)該前回受診情報のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d)式『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された開始日と終了日との間に一般診断を受付可能とする「一般診断の提案期間」を設定する手段と、e)該設定された提案期間に対応する年月日の示されたカレンダーを表示する手段と、を備えてなる。
その詳細は、旅客・75才以上適齢診断の場合と同様である。
【0078】
そして、その設定された提案期間を表示するが、それ以降のカレンダー表示へは65才以上適齢診断のものに合流する。
【0079】
<適性診断b>
又、上記適性診断aに対し、これに旅客・75才以上適齢診断を付加したもの(以下適性診断bという)について説明する。
【0080】
その内容は、
図4に示す如く、上記適齢診断及び一般診断の予約システムに、b”)「旅客・75才時適齢診断日」、「旅客・75才以上適齢診断日」、「初任診断日」、「特定診断(一)日」、「特定診断(二)日」のうち少なくともいずれか一つを含む「前回受診情報」を入力する手段と、c”)該「前回受診情報」のうち入力時に最も近い年月日を一つ選択して「基準日」を設定し、式:『「法定期限日」=「基準日」+「法定加算期間(n)」』から「法定期限日」を算出する手段と、d”)式:『「開始日」=「法定期限日」-「管理確保期間」』から「開始日」を算出し、式:『「終了日」=「法定期限日」-「安全確保期間」』式から「終了日」を算出し、その算出された「開始日」と「終了日」との間に旅客・75才以上適齢診断の受付を可能とする「旅客・75才以上適齢診断の提案期間」を設定する手段と、を付加してなる。
その詳細は、上記適性診断aの場合と同様である。
【0081】
<一般講習>
自動車運送事業者は、運行を管理する営業所ごとに、運行管理者資格者証を有する者のうちから運行を管理する者を選任しなければならず、又、運行管理者資格者資格証を有する者および国土交通大臣が告示で定める講習(基礎講習)を修了した者のなかから補助者を選任することができるものとなっている。
この運行管理者又は補助者に対しては、貨物自動車運送事業輸送安全規則第23条(運行管理者の講習)において、「一般貨物自動車運送事業者等は、・・次に掲げる運行管理者に・・告示で定める講習であって・・受けさせねばならない。」として、大臣認定の講習を受ける義務のあることが定められている。
又、旅客自動車運送事業運輸規則第48条の4(運行管理者の講習)においても、同様の趣旨の内容が規定されている。
運行管理者又は補助者への再教育と制度改正等に対応させる為である。
【0082】
そこで、この運行管理者又は補助者を対象とした講習への予約に対応したシステム(以下一般講習という。)について説明する。
【0083】
入り口でログイン画面を表示し、一つ目は、ユーザー名とパスワードとからのログインとし、二つ目は、新たな申込者の入場を可能とする住所、名称等の必要事項を入力させてからのログインとすることは上記65才以上適齢診断の場合と同様である。
そして、
図5に示す如く、運行管理者情報の入力へと移行する。
【0084】
<運行管理者情報>
ログインの後は、先ず、「運行管理者情報」の入力画面を表示する。「運行管理者」とは、上記資格者のなかから運行管理者として選任されている者をいい、「補助者」とは、基礎講習を修了した者のなかから補助者として選任された者をいう。以下、この運行管理者情報には、原則として運行管理者と補助者の双方を含めたものとする。
この運行管理者又は補助者の氏名と、運行管理者・補助者の種別を入力する。
【0085】
後述する如く、新たに選任された時点の年度で受講する者は初任年度講習に該当するので、これに該当するか否かを分岐条件として、該当しない者を前回受講情報へと導く。
【0086】
<前回受講情報>
運行管理者情報に続いて、「前回受診情報」を入力する。ここにいう前回受診情報とは、運行管理者又は補助者がこれから予約しようとする一般講習に対応する受講日であって、それ以前に当該運行管理者・補助者が受講した講習に関する情報をいう。
この「前回受講情報」には、イ)初任年度受講日、ロ)一般講習受講日うち少なくともいずれか1つを含むものとする。
ここで「初任年度受講日」とは、新たに選任された時点の年度における受講日をいい、「一般講習受講日」とは、一般講習の受講日をいう。上記安全規則第23条及び48の4には、その対象者について、「(2)運行管理者として新たに選任した者、(3)最後に国土交通大臣が認定する講習を受講した日の属する年度の末日を経過した者」と定められている。
そこで、(3)に対しては、一般講習の前回受講日を入力することで、受講した日の属する年度を特定することができ、次回に受講すべき年度を算出するためにある。
(2)にあって、新たに選任された者の情報は、原則申込者が入力するものとする。
【0087】
<基準年度の設定>
「基準年度」とは、上記前回受講情報から後述する「提案期間」を算出するにあたって、
その算出の基礎となる年度をいう。
該基準年度は、上記前回受講情報、イ)初任年度受講日、ロ)一般講習受講日のうちいずれか一つが対象となり、入力時に一番近い受講日の属する年度が基準年度となる。
年度とは、現行法にあっては、その年の4月1日から翌年の3月31日迄の間に入る日をもって当年度とされる。
従って、例えば、X年4月1日~12月31日は、「X年度」が相当し、又、
(X+1)年1月1日~3月31日も、「X年度」が相当する。
この年度算出は、当然に演算部における演算機能によって、演算されるものとする。
【0088】
<法定期限年度の算出>
法定年度=基準年度+法定加算年度
(X+2)年4月1日~12月31日=(X+2)年度
(X+3)年1月1日~3月31日=(X+2)年度
上記基準年度より「法定期限年度」の算出を行う。
「法定期限年度」とは、上記貨物自動車安全規則第23条、旅客自動車運輸規則第48条の4において、「運行管理者として新たに選任した者」と、「最後に国土交通大臣が認定する講習を受講した日の属する年度の翌年度の末日を経過した者」に対する受講が義務付けられており、これに規定される年度をいう。
即ち、当該規定からこの法定期限年度は、「選任された時点での当年度」と、それ以降は前回受講した年度から1年度を経過した「2年度毎の年度」が相当する法定期限年度となる。
より具体的には、上記基準年度に法定の2年度を加算して算出される年度が相当するものとなる。
その算出式は、
「法定期限年度」=「基準年度」+「法定加算年度(n):(n=2年度)」
となる。
例えば、「基準年度」が「2018年」であった場合には
2020年4月1日~12月31日=2020年度
2021年1月1日~3月31日=2020年度
となる。
【0089】
<一般講習提案期間の設定>
提案期間とは、規定される受講すべき期間のなかで、本システムが提案する受講予約を受け付ける期間をいう。
上記運転管理者及び補助者に対しては、2年度毎の受講が義務付けられることから、その期間にあって受講者及び事業者等にとって期間徒過等のない円滑な受講体制を促すためである。
【0090】
上記「提案期間」とは、一般講習の運転者に対する受講期間内であって、本システムが受講予約を受け付ける期間をいう。
その提案期間は、以下の如く、提案期間開始日と、終日としての提案期間終了日によって設定される。
【0091】
<提案期間開始日>
「提案期間開始日」とは、上記提案期間において、その受付が開始される日をいい、その日は、「提案期間開始日」=「法定期限年度初日」となる。
2年度毎となるので、年度当初から受け付けを開始するためである。
例えば、法定期限年度が2020年である場合には、「法定期限年度開始日」=「2020年4月1日」となる。
【0092】
<提案期間終了日>
「提案期間終了日」=「法定期限年度末日」-「安全確保期間」
=(X+3)年3月31日-14日
=(X+3)年3月17日
「提案期間終了日」とは、本システムが受講予約終了する日をいい、下式によって算出される。
式:「提案期間終了日」=「法定期限年度末日」-「安全確保期間」
「安全確保期間」とは、予約受付を法定期限日までとした場合には、運行管理者における急用の発生等の突発的事情が発生した場合に、法定期限年度以内に受講できなくなる危険があり、この危険が発生しても対処できるであろう時間を安全のために確保する為の期間をいう。
例えば、「安全確保期間」=1ヶ月 とすることができる。
法定期限年度が2020年である場合には、「法定期限年度終了日」=「2021年3月1日」となる。
【0093】
上記提案期間開始日から提案期間終了日によって、提案期間が決定される。
「提案期間」=「提案期間開始日」~「提案期間終了日」
上記例では、「提案期間」=「2020年4月1日」~「2021年2月28日」
となる。
【0094】
<カレンダー表示>
上記提案期間に対応したカレンダー表示へと移行するが、その内容は65才以上適齢診断で説明したものと同様である。
【0095】
<受診講座の時限表示>
そのクリックに従ってカレンダー表示から望む「日」が選択されたら、その「日」の受診講座が時限毎に区分けされた「講座時限表示」に画面を移行させる。
この「講座時限表示」の内容は上記65才以上適齢診断で説明したものと色分け表示等を含めて同様である。
【0096】
<予約申込>
「講座時限表示」の次に、望む講座への申し込みに移行し、クリック操作で自動的な受講予約の申し込みが完了する。
【0097】
<カレンダー表示への反映>
申し込みが完了したら、変更後の内容に基づいた表示へと、その表示内容を反映させること等も65才以上適齢診断の場合と同様である。