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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】購入金額負担決定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220308BHJP
【FI】
G06Q10/10 324
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020169355
(22)【出願日】2020-10-06
(62)【分割の表示】P 2016209021の分割
【原出願日】2016-10-25
(65)【公開番号】P2021002404
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】519063635
【氏名又は名称】株式会社シンシアージュ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】平松 圭
【審査官】塩澤 如正
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-077289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各従業員ごとに、少なくとも当該従業員が店舗で購入した商品・サービスを識別する商品・サービス識別データと、その購入価格を示す購入価格データと、その購入日時を示す購入日時データとを対応付けて示す購入履歴データを取得し、
前記購入日時を基に、昼食か残業食かを判定し、
前記判定結果に応じて、前記昼食及び前記残業食各々の企業負担額の決定方法に基づいて、前記購入履歴データに基づいて算出される購入価格について企業負担額を決定する処理をコンピュータに実行させる、購入金額負担決定プログラム。
【請求項2】
前記購入履歴データに基づいて算出される購入価格の全額から、前記企業負担額を引いた額を従業員負担金額として決定することをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の購入金額負担決定プログラム。
【請求項3】
前記判定結果が、前記昼食であることを判定した場合に、当該昼食について、前記購入履歴データに基づいて算出される購入価格の全額または一部額を企業負担額として決定する処理をコンピュータに実行させ、当該全額または一部額を企業負担額として決定する処理は、前記従業員毎に、予め決められた期間内における前記購入価格の合計額を計算し、
前記合計額の所定の割合である第1の企業負担最大金額を計算し、
前記第1の企業負担最大金額が、第2の企業負担最大金額以下の場合は、前記第1の企業負担最大金額を前記企業負担額とし、前記第1の企業負担最大金額が、前記第2の企業負担最大金額を超える場合は、前記第2の企業負担最大金額を前記企業負担額として決定する処理を行うこと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の購入金額負担決定プログラム。
【請求項4】
前記従業員負担金額を給料計算プログラムが取得可能な形式で記憶することを特徴とする、請求項2又は3に記載の購入金額負担決定プログラム。
【請求項5】
前記従業員の端末装置で動作する従業員用プログラムと、
企業管理者の端末装置で動作する前記請求項1乃至請求項4に記載の購入金額負担決定プログラムと、
前記店舗の端末装置で動作する店舗用プログラムと、
を有するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従業員の昼食代等を企業で負担する際に用いられるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員の食事代の一部を企業側で負担したいという要請がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような場合に、税務上、企業の経費として認められる金額には限りがあり、その管理が難しい。
これが、企業側が従業員の食事代を負担することの妨げになっている。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、企業側が税務上問題がない方法で、従業員の食事代を負担することを可能にするプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の購入金額負担決定プログラムは、各従業員ごとに、当該従業員が店舗で購入した商品・サービスを識別する商品・サービス識別データと、その購入価格を示す購入価格データと、その購入日時を示す購入日時データとを対応付けて示す購入履歴データを取得する第1の工程と、前記従業員毎に、予め決められた期間内における前記購入価格の合計額を計算する第2の工程と、前記合計額の所定の割合である第1の企業負担最大金額を計算する第3の工程と、前記第1の企業負担最大金額が、第2の企業負担最大金額以下の場合は、前記第1の企業負担最大金額を企業負担金額とし、前記第1の企業負担最大金額が、第2の企業負担最大金額を超える場合は、前記第2の企業負担最大金額を前記企業負担金額として決定する処理を行う第4の工程と、前記合計額から前記企業負担金額を引いた額を従業員負担金額として決定する処理を行う第5の工程とをコンピュータに実行させる。
【0006】
好適には、前記従業員負担金額を給料計算プログラムが取得可能な形式で記憶する第6の工程を前記コンピュータに実行させる。
【0007】
好適には、前記購入日時を基に、昼食か、残業食かを判定する第7の工程と、前記昼食とされた購入について第1~5の工程を実行し、前記残業食と判定された購入については、前記企業負担額として決定する処理を前記コンピュータに実行させる。
【0008】
好適には、前記従業員の端末装置で動作する従業員用プログラムと、企業管理者の端末
装置で動作する前記請求項1又は請求項2に記載の購入金額負担決定プログラムと、前記店舗の端末装置で動作する店舗用プログラムとを有する。
【0009】
好適には、前記従業員用プログラムは、前記企業管理用プログラムの実行に応じて受信した前記従業員についての前記従業員負担金額と、前記企業負担金額とを、当該従業員用プログラムがインストールされた端末装置の画面に表示する工程を有する。
【0010】
好適には、前記店舗用プログラムは、前記企業管理用プログラムの実行に応じて受信した前記購入履歴情報を基に、店舗利用期間、企業識別情報、従業員識別情報及び購入商品・サービス識別情報の入力欄あるいは選択欄を画面を表示し、当該入力欄あるいは選択欄に入力あるいは選択されたキーワードに該当する購入履歴を表示する工程を有する。
【0011】
好適には、前記購入金額負担決定プログラムは、前記購入履歴情報を基に、店舗利用期間、店舗識別情報、従業員識別情報及び購入商品・サービス識別情報の入力欄あるいは選択欄を画面を表示し、当該入力欄あるいは選択欄に入力あるいは選択されたキーワードに該当する購入履歴を表示する工程を有する。
【0012】
また、本発明のその他の購入金額負担決定プログラムは、各従業員ごとに、当該従業員が店舗で購入した商品・サービスを識別する商品・サービス識別データと、その購入価格を示す購入価格データと、その購入日時を示す購入日時データとを対応付けて示す購入履歴データを取得する第1の工程と、前記従業員毎に、予め決められた期間内における前記購入価格の合計額を計算する第2の工程と、前記合計額の所定の割合である第1の企業負担最大金額が、第2の企業負担最大金額以下の場合は、前記第1の企業負担最大金額を企業負担金額として表示し、前記第1の企業負担最大金額が、第2の企業負担最大金額を超える場合は、前記第2の企業負担最大金額を前記企業負担金額として表示する処理を行う第3の工程と、前記合計額から前記企業負担金額を引いた額を従業員負担金額として表示する処理を行う第4の工程とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、企業側が税務上問題がない方法で、従業員の食事代を負担することを可能にするプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る社食システムのシステム構成図である。
図2図2は、図1に示す企業管理サーバの機能ブロック図である。
図3図3は、企業管理サーバを用いたサービスの流れを説明するための図である。
図4図4は、従業員端末装置の画面例である。
図5図5は、店舗端末装置の画面例である。
図6図6は、図1及び図2に示す企業管理サーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、店舗端末装置の画面例である。
図8図8は、図1に示す企業管理サーバのディスプレイに表示される画面の一例である。
図9図9は、本発明の第2実施形態の社食システムの企業管理サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る社食システムについて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る社食システム1のシステム構成図である。
図1に示すように、社食システム1は、例えば、従業員端末装置5、店舗端末装置7及び企業管理サーバ11を有し、これらネットワーク9を介して通信する。
【0016】
従業員端末装置5、店舗端末装置7及び企業管理サーバ11で実行されるプログラムは、例えば、支援会社管理サーバ13あるいはその管理者によって提供される。
【0017】
従業員端末装置5及び店舗端末装置7は、例えば、スマートフォン等の携帯型端末装置である。
従業員端末装置5は、近距離データ通信新機能(ビーコン)を備えている。
【0018】
図2は、図1に示す企業管理サーバ11の機能ブロック図である。
図2に示すように、企業管理サーバ11は、例えば、ディスプレイ23、操作部25、インタフェース27、メモリ29、データベース31及び処理回路33を有する。
【0019】
ディスプレイ23は、処理回路33が実行する企業管理用プログラムPRG1が提供する様々な画面を表示する。
【0020】
操作部25は、キーボードやマウス等の操作手段である。
インタフェース27は、例えば、他のコンピュータと通信を行うために用いられる。
メモリ29は、処理回路25が実行する企業管理用プログラムPRG1、処理回路33の処理に用いられるデータを一時的に記憶する。
【0021】
データベース31は、従業員が購入した商品・サービスを識別する商品・サービス識別データと、その購入価格を示す購入価格データと、その購入日時を示す購入日時データとを対応付けて示す購入履歴データ等を検索可能な形式で記憶する。
【0022】
処理回路33は、企業管理用プログラムPRG1を実行して、企業管理サーバ11の処理を統括的に制御する。
本実施形態で示される企業管理サーバ11の処理は、企業管理用プログラムPRG1に記述されている。
【0023】
従業員端末装置5及び店舗端末装置7は、基本的には企業管理サーバ11と同じ構成をしており、それぞれ従業員用プログラムPRG1と店舗用プログラムPRG2とを実行する。
【0024】
図3は、企業管理サーバ11を用いたサービスの流れを説明するための図である。
ステップST1:
昼食代の補助を受ける対象となる従業員が、従業員端末装置5を操作して従業員用プログラムPRG1を起動する。
従業員端末装置5の図4Aに示すディスプレイの画面上でIDとパスワードを入力する。
【0025】
ステップST2:
店舗の店員が、店舗端末装置7を操作して店員用プログラムを起動する。そして、IDとパスワードを入力してログインする。
【0026】
ステップST3:
店舗端末装置7の画面上で、従業員が注文した商品を選択する。
【0027】
ステップST4:
会計時に、従業員が従業員端末装置5を操作して、その画面上に自らに固有のQRコード(登録商標)を表示させる。
このとき、従業員は、社員証等を提示して、自らに固有の従業員識別情報を店舗に提示してもよい。
【0028】
ステップST5:
店舗の店員が、店舗端末装置7を操作して、ステップST4で従業員が表示したQRコード(登録商標)を読み取る。
このとき、従業員端末装置5と店舗端末装置7とでビーコン通信を行ってもよい。
また、従業員端末装置5に、金額を表示したチケット画像を表示し、店舗の店員がそのチケット画像を画面上で指等で操作することで、そのチケット画像に応じた金額が店舗から企業に課金されるようにしてもよい。
【0029】
また、ステップST4,ST5の操作に応じて、店舗端末装置7のディスプレイには図5に示す画面が表示される。
【0030】
ステップST6:
店舗端末装置7から支援会社管理サーバ13に、ステップST4,ST5の商品購入に係る企業識別情報、従業員識別情報(ユーザID)、店識別情報(ユーザID)、購入日時情報、商品識別情報、購入価格情報を含む購入履歴情報T1が送信される。
【0031】
ステップST7:
支援会社管理サーバ13は、その処理回路で支援会社管理用プログラムを実行して、購入履歴情報T1を基に、購入履歴情報T2,T3,T4を生成し、それぞれ従業員端末装置5、店舗端末装置7及び企業管理サーバ11に送信する。
【0032】
以下、企業管理サーバ11の動作を説明する。
図6は、図1及び図2に示す企業管理サーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップST11:
企業管理サーバ11は、インタフェース27を介して支援会社管理サーバ13から各従業員ごとに、当該従業員が購入した商品を識別する商品識別データと、その購入価格を示す購入価格データと、その購入日時を示す購入日時データとを対応付けて示す購入履歴データT1を入力する。
【0033】
ステップST12:
図2に示す処理回路33は、従業員毎に、予め決められた期間(例えば、計算する月給対象期間)内における購入価格の合計額Aを計算する。
【0034】
ステップST13:
処理回路33は、ステップST12で計算した合計額Aの半分(所定の割合)である第1の企業負担最大金額Bを計算する。
【0035】
ステップST14:
処理回路33は、第1の企業負担最大金額Bが、第2の企業負担最大金額C以下であるか否かを判断する処理を行い、肯定判定の場合にはステップST15に進み、否定判定の場合はステップST16に進む。第2の企業負担最大金額Cは、税法上で企業が負担できる昼食代の上限値である。
【0036】
ステップST15:
処理回路33は、第1の企業負担最大金額Bを会社負担金額Dとして決定する処理を行う。
【0037】
ステップST16:
処理回路33は、第2の企業負担最大金額Cを会社負担金額Dとして決定する処理を行う。
【0038】
ステップST17:
処理回路33は、合計額Aから会社負担金額Dを減算し、その結果を従業員負担金額Xとして決定する処理を行う。
【0039】
ステップST18:
処理回路33は、従業員負担金額Xをデータベース31に検索可能な形式で格納する。
また、格納されたデータは、CSV形式での出力または、API連携などの形態で、外部システム(会計システム、給与計算システムなど)と連携することが出来る。
【0040】
例えば、図4Bに示すように、従業員端末装置5のディスプレイに、1ページで1ヶ月分の購入履歴を表示する。前月を押すと、前月の履歴を表示する。従業員負担金額と企業負担金額は、合計金額の半分づつとする。企業負担金額は上限3500円となる。
【0041】
なお、従業員負担金額と企業負担金額の例として、合計金額が8000円の場合、従業員負担金額を4500円とし、企業負担金額を3500円とする。
【0042】
図7は、図1に示す店舗端末装置7のディスプレイに表示される画面の一例である。
図7Aに示すように、1ページで1ヶ月分の購入履歴を表示する。前月を押すと、前月の履歴を表示する。
【0043】
また、図7Bに示すように、図7Aの画面で検索をクリックした時に遷移する。検索条件をチェックして、必要情報を入力する。検索するボタンで実行する。
【0044】
また、図7Cに示すように、図7Aの画面で検索をクリックした時に遷移する。当該画面において、企業名を登録。企業IDは自動的にシステムで採番する。商品を登録。商品IDは自動的に採番する。
【0045】
図8は、図1に示す企業管理サーバ11のディスプレイに表示される画面の一例である。
図8Aに示すように、1ページで1ヶ月分の購入履歴を表示する。前月を押すと、前月の履歴を表示する。
【0046】
図8Bに示すように、図8Aで検索をクリックした時に遷移する。検索条件をチェックして、必要情報を入力する。検索するボタンで実行する。
【0047】
図8Cに示すように、図8Aの画面で設定をクリックした時に遷移する。ユーザーを登録。ユーザーIDは自動的にシステムで採番する。
【0048】
以上説明したように、社食システム1によれば、1か月の昼食の購入金額の半分以下であり、且つ第2の企業負担最大金額Cを超えない範囲で、従業員の昼食代を企業が負担する際の計算を簡単にできる。そのため、税務上問題がない範囲で企業が従業員の昼食代を負担できる。
【0049】
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態の社食システムの企業管理サーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
図9において、図6と同じ符号を付したステップは第1実施形態で説明したものと同じである。
すなわち、当該第2実施形態では、図6に示すステップST11とステップST12と間にステップST21があり、ステップST21で条件分岐してステップST12,ST22とがある。
【0050】
以下、ステップST21,ST22について説明する。
ステップST21:
企業管理サーバ11の処理回路33は、購入履歴データT1内の購入日時データを基に、当該購入の日時が予め決められた昼食時間か残業時間かを特定し、残業時間であると判定した場合にはステップST22に進み、昼食時間であると判定した場合にはステップST12に進む。
【0051】
ステップST22:
処理回路33は、当該購入の購入金額は、会社負担金額Dとして決定し、それを検索可能な形式でデータベース31に記憶する。
【0052】
以上説明したように、第2実施形態の社食システムによれば、昼食代を一定条件下で企業負担とし、残業代を全て企業負担にする処理を簡単にできる。
【0053】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0054】
上述した実施形態では、本発明を社食システムに適用した場合を例示したが、その他、スポーツジムの利用は商品購入などに適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本実施形態は、例えば、社食システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…社食システム
5…従業員端末装置
7…店舗端末装置
11…企業管理サーバ
13…支援会社管理サーバ
23…ディスプレイ
25…操作部
27…インタフェース
29…メモリ
31…データベース
33…処理回路







図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9