(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】重量挙げ装置
(51)【国際特許分類】
A63B 21/075 20060101AFI20220308BHJP
A63B 21/072 20060101ALI20220308BHJP
A63B 21/078 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A63B21/075
A63B21/072 Z
A63B21/078
(21)【出願番号】P 2021526221
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019061481
(87)【国際公開番号】W WO2020052815
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521102030
【氏名又は名称】グングニル アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン、マルクス レオンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ボッソンニー ガンダーセン、アンドレアス グンナー
(72)【発明者】
【氏名】サンド、オードゥン フィリップ
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223479(JP,A)
【文献】登録実用新案第3108217(JP,U)
【文献】米国特許第07087000(US,B1)
【文献】米国特許第07811213(US,B2)
【文献】実開平03-029160(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0105891(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びるバー(10)を備える重量挙げ装置(1)であって、前記バー(10)が、
1つまたは複数のフリーウエイト(100)を受容するように構成された少なくとも1つのウエイト支持部(30)を備え、前記1つまたは複数のフリーウエイト(100)が、前記ウエイト支持部(30)を取り囲むように構成された開口部(101)を備え、前記ウエイト支持部(30)が、
前記ウエイト支持部(30)の第1の端部(32)にある前記フリーウエイト(100)のための端部止め(31)と、
前記ウエイト支持部(30)の、
前記第1の端部(32)とは反対側の第2の端部(11)にある、または第2の端部(11)に隣接する凹部(12)と、
前記フリーウエイト(100)をロックし、前記フリーウエイト(100)が前記第2の端部(11)から意図せず落下するのを防ぐためのフリーウエイトロッキング部材(40)であって、前記凹部(12)と、前記凹部(12)と前記端部止め(31)との間に位置する少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置(33)との間で前記ウエイト支持部(30)の長手方向(L)に移動可能である、フリーウエイトロッキング部材(40)と、を備え、
前記フリーウエイトロッキング部材(40)が、前記凹部(12)において前記凹部(12)に対して没入位置と上昇位置との間の第2の方向にさらに移動可能であり、前記没入位置は、前記フリーウエイトロッキング部材(40)が、完全に、または少なくとも大部分が前記凹部(12)に没入される位置であり、前記上昇位置は、前記フリーウエイトロッキング部材(40)が、前記没入位置に対して上昇し、少なくとも部分的に前記凹部(12)の外側に延びる位置である、重量挙げ装置(1)。
【請求項2】
前記フリーウエイトロッキング部材(40)が前記没入位置にあるときに、前記フリーウエイトロッキング部材(40)は、前記バー(10)の前記長手方向(L)に移動する
ことが防止される、請求項1
に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項3】
前記フリーウエイトロッキング部材(40)が前記上昇位置にあるときに、前記フリーウエイトロッキング部材(40)は、前記長手方向(L)に移動可能である、請求項1または2に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項4】
前記フリーウエイトロッキング部材(40)が、前記没入位置にあるときに、前記ウエイト支持部(30)から外向きに面する前記フリーウエイトロッキング部材(40)の周囲形状が、前記ウエイト支持部(30)の周囲形状
と面一であるか、またはそれよりも小さくなるように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項5】
前記フリーウエイトロッキング部材(40)および/または前記ウエイト支持部(30)が、前記フリーウエイトロッキング部材(40)と前記少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置(33)との間に保持力を提供するための保持手段をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項6】
前記保持手段が、前記フリーウエイトロッキング部材(40)上の少なくとも1つの雄ロッキング要素(41)および/または雌ロッキング要素と、前記少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置(33)にある少なくとも1つの嵌合する雌ロッキング要素(331)および/または雄ロッキング要素とを備え、それにより、前記フリーウエイトロッキング部材(40)を前記少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置(33)にロックするための少なくとも1つの嵌合する対の雄/雌ロッキング要素(41、331)を形成する、請求項5
に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの嵌合する対の雄/雌ロッキング要素(41、331)を連結および解放する方向が、前記長手方向(L)に対して略垂直であり得るか、または前記端部止め(31)に向かって傾斜する、請求項6
に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項8】
前記保持手段が、前記フリーウエイトロッキング部材(40)と前記ウエイト支持部(30)との間に摩擦力を提供するための、前記フリーウエイトロッキング部材(40)に設けられた、磁石(43)、機械ばねおよびレバー(44)、Zネ
ジのうちの少なくとも1つを備える、請求項5~7のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項9】
前記保持手段が、前記フリーウエイトロッキング部材(40)および前記ウエイト支持部(30)の少なくとも1つに設けられる摩擦増大コーティングを含む、請求項5~8のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項10】
前記ウエイト支持部(30)が、その長手方向(L)に複数のフリーウエイトロッキング位置(33)を含
む、請求項1~9のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項11】
前記複数のフリーウエイトロッキング位置(33)は、前記長手方向(L)に一列に配置される、請求項10に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項12】
前記フリーウエイトロッキング部材(40)が、前記ウエイト支持部(30)に移動可能に固定される、請求項1~
11のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項13】
前記フリーウエイトロッキング部材(40)が、前記ウエイト支持部(30)に設けられた少なくとも1つのトラックに沿って前記ウエイト支持部(30)の前記長手方向(L)に移動可能である、請求項1~
12のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトラックが、前記ウエイト支持部(30)の前記長手方向(L)に延びる、少なくとも1つの
溝である、請求項
13に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのトラックが、前記ウエイト支持部(30)の前記長手方向(L)に延びる2つの溝である、請求項14に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つのトラックが、前記ウエイト支持部(30)の前記長手方向(L)に延びる、対向する2つの溝である、請求項14に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項17】
前記ウエイト支持部(30)が、円形または楕円形の断面形状を有する、請求項1~
16のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項18】
前記重量挙げ装置が
、バーベルまたはダンベルのいずれか1つである、請求項1~
17のいずれか1項に記載の重量挙げ装置(1)。
【請求項19】
前記重量挙げ装置が、オリンピック標準のバーベル、パワーリフティング標準のバーベル、オリンピックダンベル、およびプレート式筋力訓練機のいずれか1つである、請求項18に記載の重量挙げ装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーベルまたはダンベルなどの重量挙げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーベルの重量挙げ装置は通常、バーと、中央に穴が開いた様々な重さの複数のディスクとからなり、穴が開いていることで、ディスクをバーの端部にスライドさせることができる。ここで、カラーによってディスクは一時的に適所に固定され、Zネジ、ねじりばね、またはクランプなどの様々な方法でウエイトが固定される。
【0003】
安全性がフリーウエイトの取り扱いにおいて最大の懸念事項であって、これらのウエイトは、バーベルやその他の重量挙げ装置に恒久的には取り付けられておらず、これは、片側の重量が使用者に当たってしまう可能性があり、フリーウエイトシステムがボディビルや同様の活動に大きなウエイト荷重を伴って使用されることが多いからである。固定カラーの滑脱などの問題によって、結果として危険なウエイトシフトにつながりかねない。したがって、フリーウエイトはバーベルに適切に固定されなければならない。
【0004】
従来のバーベルの設計を改善するために多くの試みがなされており、具体的には、フリーウエイトをバーベルに固定するための多くの様々な設計が提案されてきた。たとえば、米国特許出願公開第2017/0056704号明細書は、ウエイトおよびウエイトをバーベルにロックするためのロック機構を開示している。
【0005】
さらに、米国特許第4738446号明細書は、バーが運動する人によって操作されているときに運動用ウエイトディスク内のわずかな回転運動を可能にしながら、リフティングバーの端部に運動用ウエイトディスクを保持するための固定機構を開示している。鋸歯状のフランジを中に有する平滑な円筒形のボアを有している、スリーブ状のカラーピースが、ねじのセットを貫通する長手方向の溝を有する重量挙げのバーのネジ付き端部上に嵌められている。カラーピースは、ネジ付き端部上にスライドさせられ、ウエイトディスクとともにレジストリに挿入され、その後、鋸歯状のフランジがバーのスレディングと係合して協働することによって、その回転可能なガスケット表面がウエイトディスクに固定されるように、回転させられる。カラーピース面に挿入され、ガスケットが取り付けられているボールベアリング/レースが、回転自在に移動可能なベースを提供し、これによって、リフト運動中にバーがねじられるときに、ウエイトディスクは、いくらか制約された回転を受けることができる。
【0006】
様々なタイプの取り付け機構を備えた多くの重量挙げ装置が提案されてきたが、改良された重量挙げ装置を提供するという目的が依然としてある。
【発明の概要】
【0007】
上記を考慮して、本発明の目的は、フリーウエイトのための安全で、確実な、および/または効率的なロック機構を有する改良された重量挙げ装置を提供することであるか、または少なくとも適切な代替物を提供することである。
【0008】
当該目的は、請求項1に記載の重量挙げ装置によって達成される。
【0009】
したがって、本発明は、長手方向に延びるバーを備える重量挙げ装置であって、バーが、1つまたは複数のフリーウエイトを受容するように構成された少なくとも1つのウエイト部を備え、1つまたは複数のフリーウエイトが、ウエイト支持部を取り囲むように構成された開口部を備える、重量挙げ装置に関する。ウエイト支持部は、ウエイト支持部の第1の端部にフリーウエイトのための端部止めを備える。さらに、ウエイト支持部は、ウエイトベアリングセクションの、反対側の第2の端部にある、または第2の端部に隣接する凹部と、フリーウエイトをロックし、フリーウエイトが第2の端部から意図せず落下するのを防ぐためのフリーウエイトロッキング部材とを備える。フリーウエイトロッキング部材は、凹部と、凹部と端部止めとの間に位置する少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置との間でウエイト支持部の長手方向に移動可能である。フリーウエイトロッキング部材は、凹部において没入位置と上昇位置との間の第2の方向にさらに移動可能である。没入位置は、フリーウエイトロッキング部材が、完全に、または少なくとも大部分が凹部に没入される位置であり、上昇位置は、フリーウエイトロッキング部材が、没入位置に対して上昇し、少なくとも部分的に凹部の外側に延びる位置である。
【0010】
本明細書に開示される重量挙げ装置の提供によって、フリーウエイトを安全におよび/または確実に一時的にバーに固定することができる、改良されたロック機構がもたらされる。より具体的には、フリーウエイトロック機構が凹部での没入位置と上昇位置との間で移動可能である前述の構成によって、フリーウエイトロッキング部材が没入位置にあるときにフリーウエイトをフリーウエイトロッキング部材上にスライドさせることが可能になる。それにより、フリーウエイトのより効率的な取り付けおよび/または取り外し手順が提供されてもよく、ここで、取り付け/取り外し手順中にフリーウエイトロッキング部材を取り外す必要はない。
【0011】
随意に、フリーウエイトロッキング部材が没入位置にあるときに、フリーウエイトロッキング部材は、バーの長手方向に移動するのを防がれ得る。これにより、輸送中、重量挙げ装置の使用前/使用後など、ウエイト支持部にフリーウエイトが受容されていない状況で、フリーウエイトロッキング部材を安全に固定することが可能になり得る。また没入位置にあることで、重量挙げ装置が使用されていないときに、フリーウエイトロッキング部材の損傷を避けることも促進され得る。さらに随意に、フリーウエイトロッキング部材は、上昇位置にあるときに、長手方向に移動可能であり得る。
【0012】
随意に、フリーウエイトロッキング部材が没入位置にあるときに、フリーウエイトロッキング部材の断面積の少なくとも90、95、96、97、98、または99%は、100%が没入されることが好ましい場合でも、凹部に位置し得、ここで、断面は長手方向に垂直な平面によって画定される。
【0013】
随意に、フリーウエイトロッキング部材は、没入位置にあるときに、ウエイト支持部から外向きに面するフリーウエイトロッキング部材の周囲形状が、ウエイトベアリングセクションの周囲形状に実質的に従うか、またはそれよりも小さくなるように構成され得る。これにより、フリーウエイトロッキング部材がバーの周囲形状の外側に延びないため、フリーウエイトロッキング部材が没入位置にあるときに、フリーウエイトは凹部上をより容易にスライドさせられ得る。
【0014】
随意に、フリーウエイトロッキング部材および/またはウエイト支持部は、フリーウエイトロッキング部材と少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置との間に保持力を提供するための保持手段をさらに含み得る。保持手段は、フリーウエイトをウエイト支持部に安全に固定するために使用され得る。
【0015】
随意に、保持手段は、フリーウエイトロッキング部材上の少なくとも1つの雄および/または雌ロッキング要素と、少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置にある少なくとも1つの嵌合する雌および/または雄ロッキング要素とを備えてもよく、それにより、フリーウエイトロッキング部材を少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置にロックするための少なくとも1つの嵌合する対の雄/雌ロッキング要素を形成する。雌および/または雄ロック構成は、重量挙げ装置の使用中に確実な保持力を提供することがわかっている。特に、このような構成は、より重いフリーウエイトが使用される場合に好ましい。さらに随意に、少なくとも1つの嵌合する対の雄/雌ロッキング要素を連結および解放する方向は、長手方向に対して略垂直であり得るか、または端部止めに向かって傾斜し得る。例示的な実施形態では、少なくとも1つの嵌合する対の雄/雌ロッキング要素を連結および解放する方向は、長手方向に対して略半径方向であり得るか、または端部止めに向かって傾斜し得る。それにより、フリーウエイトロッキング部材は、(1つまたは複数の)フリーウエイトからより大きな荷重を受容することが可能であり得る。実際、これにより、(1つまたは複数の)フリーウエイトが解放されて主にバーの長手方向に方向づけられるのを防ぐための反力がもたらされ得る。さらに、その方向が端部止めに向かって傾斜している場合、反力も部分的にバーの中心に向かって内側に配向され得、これにより保持力がさらに向上され得る。またさらに、随意に、連結/解放の方向は、第2の方向と略同じであり得る。
【0016】
随意に、保持手段は、フリーウエイトロッキング部材とウエイト支持部との間に摩擦力を提供するための、フリーウエイトロッキング部材に設けられた、磁石、機械ばねおよびレバー、Zネジ、または同様のもののうちの少なくとも1つを備え得る。このような保持手段は、たとえば、雄/雌の保持手段と併用されてもよく、それにより、フリーウエイトロッキング部材の固定がさらに改善される。
【0017】
随意に、保持手段は、フリーウエイトロッキング部材およびウエイト支持部の少なくとも1つに設けられた摩擦増大コーティングを含み得る。このような保持手段は、好ましくは、上述の保持手段などの他の保持手段と併用され得る。摩擦増大コーティングは、フリーウエイトロッキング部材とウエイト支持部との間の接触面のいずれか1つに設けられ得る。
【0018】
随意に、ウエイト支持部は、その長手方向に複数のフリーウエイトロッキング位置を含み得、これらは、好ましくは、長手方向に互いに後に一列に配置される。それにより、1つを超えるフリーウエイト、および/または異なる幅のフリーウエイトが、ウエイト支持部に固定され得る。
【0019】
随意に、フリーウエイトロッキング部材は、ウエイト支持部に移動可能に固定され得る。したがって、フリーウエイトロッキング部材は、凹部で長手方向および第2の方向に移動可能であっても、ウエイトベアリングセクションから容易に開放され得ないように固定され得、それにより、フリーウエイトロッキング部材がバーから脱落するのを防ぐ。すなわち、Zネジなどの他の解放可能なロッキング部材が、使用中にバーから容易に脱落し、消失しかねないことがわかっている。前述の構成では、フリーウエイトロッキング部材は、バー上に維持されるが、たとえば通常の使用者によってバーから容易に取り外すことはできない。
【0020】
随意に、フリーウエイトロッキング部材は、ウエイト支持部に設けられた少なくとも1つのトラックに沿ってウエイト支持部の長手方向に移動可能であり得る。さらに随意に、少なくとも1つのトラックは、支持部の長手方向に延びる、少なくとも1つの溝、好ましくは2つの溝、より好ましくは反対側の2つの溝であり得る。
【0021】
随意に、ウエイト支持部は、円形または楕円形の断面形状を有し得る。さらに随意に、バーは、円形または楕円形の断面形状を有し得る。
【0022】
随意に、重量挙げ装置は、オリンピック標準のバーベル、パワーリフティング標準のバーベル、オリンピックダンベル、およびプレート式筋力訓練機などの、バーベルまたはダンベルのいずれか1つであり得る。
【0023】
随意に、重量挙げ装置の少なくともバーは、金属または鋼および/またはチタン合金などの金属合金で作られ得る。さらに随意に、フリーウエイトロッキング部材も、金属または鋼および/またはチタン合金などの金属合金で作られ得る。
【0024】
随意に、重量挙げ装置は、フリーウエイト支持部に設けられた少なくとも1つのフリーウエイトをさらに備え得る。
【0025】
随意に、フリーウエイトロッキング部材は、部分的に円形または部分的に楕円形の断面形状を有し得る。
【0026】
随意に、重量挙げ装置は、バーのそれぞれの第1および第2の端部からフリーウエイトを受容するように構成された2つのフリーウエイト支持部を備え得る。第2のフリーウエイト支持部は、前述の実施形態のいずれか1つに従って構成され得る。
【0027】
随意に、ウエイト支持部の第1の端部での端部止めは、バー上に移動可能に配置され得る。たとえば、端部止めは、フリーウエイトロッキング部材および第2の端部に、または第2の端部に隣接して設けられた凹部と同様に構成され得る。これにより、自由度が向上され得、1つまたは複数のフリーウエイトをバーに沿ったより多くの場所に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による重量挙げ装置の三次元図を示す。
【
図2】フリーウエイトが取り付けられたときの
図1に示されるような重量挙げ装置の三次元図を示す。
【
図3a】
図1に示されるような重量挙げ装置の異なる部分のより詳細な図を示す。
【
図3b】
図1に示されるような重量挙げ装置の異なる部分のより詳細な図を示す。
【
図4】
図1~
図3bに示されるような重量挙げの縦断面図を示す。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による保持手段を備えた重量挙げ装置の概略図を示す。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による保持手段を備えた別の重量挙げ装置の概略図を示す。
【
図7a】本発明の例示的な実施形態による保持手段を備えたさらに別の重量挙げ装置の概略図を示す。
【
図7b】本発明の例示的な実施形態による保持手段を備えたさらに別の重量挙げ装置の概略図を示す。
【0029】
図面は、本発明の例示的な実施形態を図式的に示しており、したがって、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。示され記載された実施形態が例示であり、本発明がこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本発明をより好適に説明および例示するために、図面でいくつかの詳細が誇張されている場合があることにも留意されたい。同様の参照文字は、特に他に明記されていない限り、明細書全体で同様の要素を指す。
【0030】
添付の図面を参照して、以下に、例として引用された本発明の実施形態のより詳細な説明が続く。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1、
図2および
図3a~
図3bを参照すると、本発明の例示的な実施形態による重量挙げ装置1が示されている。重量挙げ装置1は、長手方向に延びるバー10を備え、バー10は、ここでは中央開口部である開口部101を備えるフリーウエイト100を受容するように構成されたウエイト支持部30を備える。バー10は、使用者が重量挙げ装置1を保持することができる把持セクション20をさらに備える。ウエイト支持部30は、ウエイト支持部30の第1の端部32にあるフリーウエイト100のための端部止め31と、ウエイト支持部30の、反対側の第2の端部11にある、または第2の端部11に隣接する凹部12と、フリーウエイト100をロックし、フリーウエイト100が第2の端部11から意図せず落下するのを防ぐためのフリーウエイトロッキング部材40とを備える。第2の端部11は、本実施形態では、バー10の外側端部であり、端部止め31は、ここでは、ウエイト支持部30と把持セクション20を分離するバー10上のカラーとして構成される。代替的に、カラー31は、凹部12およびフリーウエイトロッキング部材40と同様の構成を有する凹部およびフリーウエイトロッキング部材と交換される、および/またはそれらを補完され得、それにより、バー10にフリーウエイトを取り付ける自由度が向上する。
【0032】
さらに、フリーウエイトロッキング部材40は、凹部12と、凹部12と端部止め31との間に位置する少なくとも1つのフリーウエイトロッキング位置33との間で、ウエイト支持部30の長手方向Lに移動可能である。ここで、ウエイト支持部30は、ウエイト支持部30の長手方向に沿って一列に配置された複数のフリーウエイトロッキング位置33を含む。それにより、バー10に設けられるフリーウエイト100の数を変更することができ、結果としてより自由度のある重量挙げ装置がもたらされる。
【0033】
フリーウエイトロッキング部材40は、凹部12において凹部12に対して没入位置と上昇位置との間で第2の方向Yにさらに移動可能である。第2の方向Yは、長手方向Lとは異なり、ここではバー10の半径方向Yである。没入位置は、フリーウエイトロッキング部材40が凹部12に完全にまたは少なくとも大部分が没入される位置であり、上昇位置は、フリーウエイトロッキング部材40が没入位置に対して上昇し、少なくとも部分的に凹部12の外側に延びる位置である。
図1は、フリーウエイトロッキング部材40が没入位置にあるときの状況を示している。この特定の実施形態では、ウエイト支持部30から外向きに面するフリーウエイトロッキング部材40の周囲形状は、ウエイト支持部30の周囲形状に実質的に従う。これにより、見てわかるように、フリーウエイトロッキング部材40が没入位置にあるときに、ウエイト支持部30は、この例示的な実施形態において、ウエイト支持部30の長手方向全体に沿って略同じ直径を有し、ここで、フリーウエイト100は受容されることを意図されている。結果として、フリーウエイト100は、カラー31に向かってフリーウエイトロッキング部材40上をスライドされ得る。
【0034】
第2の方向Yは、本実施形態において、長手方向Lに略垂直であり、すなわち、バー10に対して半径方向に延び、これは1つの好ましい実施形態である。それにより、フリーウエイトロッキング部材40が没入位置から上昇位置に移動すると、結果として凹部12でのウエイト支持部30の断面積が増加する。しかし、第2の方向は、没入位置から上昇位置への移動が、結果として凹部12でのウエイト支持部30の断面積の増加をもたらす限り、異なって方向づけることもでき、ここで断面積は、長手方向Lに垂直な平面によって画定される。
【0035】
図2は、フリーウエイト100がウエイト支持部30に設けられたときの図であって、フリーウエイト100が、フリーウエイトロッキング部材40と
図2の視界から隠されているカラー31との間にロックされている状況の図を示している。フリーウエイトロッキング部材40が凹部12内の没入位置にあるときに、フリーウエイト100は第2の端部11からウエイト支持部30に設けられている。その後、フリーウエイトロッキング部材40はその上昇位置に上昇され、次いで、カラー31およびフリーウエイト100に向かって長手方向に移動させられる。最後に、フリーウエイトロッキング部材40は、フリーウエイト100の最も近位にあるフリーウエイトロッキング位置33にロックされ、それによって、フリーウエイト100は、重量挙げ装置1にロックされ、それにより、第2の端部11から意図せずに落下することも防がれる。
【0036】
フリーウエイトロッキング部材40は、上昇位置にあるとき、トラック34に沿って長手方向Lに移動させることができる。本実施形態では、トラック34は、ウエイト支持部30の反対側に配置された2つの溝として設けられている(2つの溝の1つのみを見ることができる)。2つの溝34は、ウエイト支持部30の周囲において角度的にオフセットされる。
図1~
図3で見ることができるように、ウエイト支持部30は、楕円形の断面などの他の断面形状を使用することもできるが、円形の断面を有している。
【0037】
さらに、本実施形態では、フリーウエイトロッキング部材40は、雄ロッキング要素41を備え、フリーウエイトロッキング位置33でのウエイト支持部30は、嵌合する雌ロッキング要素331を備え、それにより、嵌合する対の雄/雌ロッキング要素が形成される。この構成は、
図3a~
図3bでより明確に見ることができ、ここで、フリーウエイトロッキング部材40はウエイト支持部30から分離されている。
【0038】
特に
図3aを参照すると、ウエイト支持部30が、長手方向Lに沿って一列に配置されたくぼみとして設けられている複数の雌ロッキング要素331を備えていることがわかる。凹部12にも、同様に形作られたくぼみ13が設けられている。くぼみ13およびくぼみ331は、フリーウエイトロッキング部材40に設けられた嵌合する雄ロッキング要素41を受容することができるように構成されている(
図3bを参照)。フリーウエイトロッキング部材40にはまた、トラック34に沿ってスライドするように配置されている走行部材42が設けられている。したがって、この特定の実施形態では、走行部材42は、2つの角度的にオフセットされた溝34に沿ってスライドするように配置されている。さらに、走行部材42は、バー10に対して半径方向内側に突出しており、それゆえ、フリーウエイトロッキング部材40をバー10のウエイト支持部30に移動可能に固定する。フリーウエイトロッキング部材40は、雄ロッキング要素41が雌ロッキング要素331と嵌合するように、フリーウエイトロッキング部材40をバー10の中心に向かって半径方向内側に移動させることによって、フリーウエイトロッキング位置33にロックされる。
【0039】
さらに、フリーウエイトロッキング部材40は、部分的に円形の断面形状を有しており、これは、本実施形態では、約180度の延びを有する半円形の形状である。またさらに、フリーウエイトロッキング部材40は、追加オプションの保持手段43を含み、これは、ここでは、フリーウエイトロッキング部材40の外周端に設けられた磁石である。磁石43は、ウエイト支持部30とフリーウエイトロッキング部材40との間に磁力を生成するように配置されている。たとえば、磁力は、フリーウエイトロッキング部材40を凹部12に配置するときに没入位置により容易に引き付けるために使用され得る。磁力はまた、有利なことに、フリーウエイトロッキング部材40をそのロッキング位置により容易に引き付けるためにフリーウエイトロッキング位置33で使用され得る。ウエイト支持部30はまた、たとえば、凹部12内および/またはトラック34内またはその近くに配置された磁石を備え得る。バー10はまた、磁性鋼などの、それ自体が磁性である材料から作られ得る。
【0040】
図4は、
図1~
図3bに示されるような重量挙げ装置1の長手方向断面の詳細を示す。フリーウエイトロッキング部材40は、ここで、少なくとも1つのフリーウエイト100をバー10にロックする。ここでは見られないが、フリーウエイトロッキング部材40の雄ロッキング要素41は、嵌合する雌ロッキング要素331内に配置され、それによって、フリーウエイトロッキング部材40をロッキング位置33にロックする。
【0041】
図5および
図6を参照すると、2つの異なる保持手段構成の概略図が示されている。保持手段は、ここで、それぞれ、嵌合する対の雄/雌ロッキング要素41および331である。
図5では、雄/雌ロッキング要素は、嵌合する対の雄/雌ロッキング要素41および331を連結および解放するための方向が、長手方向Lに対して略垂直であるように構成されている。これにより、フリーウエイト100からの荷重Wがフリーウエイトロッキング部材40に加えられると、垂直力Nは、フリーウエイトがそのロックされた位置から解放されるのを防ぐ。ここではくぼみとして設けられる雌ロッキング要素331の内壁332が、長手方向Lに垂直に配向されているため、垂直力Nは、バー10の長手方向Lに方向づけられる。内壁332はまた、特定の摩擦係数を有し、これは、たとえば、そこに摩擦増大コーティングを設けることによって増大され得る。これにより、摩擦力Rも、雄ロッキング要素41がくぼみ331から解放されるのを防ぎ、摩擦力Rは、摩擦係数に垂直力Nを掛けたものに等しい。
【0042】
図6では、雄/雌ロッキング要素は、嵌合する対の雄/雌ロッキング要素41および331を連結および解放する方向が端部止め31に向かって傾斜するように構成されている。保持手段も、ここでは、それぞれ、嵌合する対の雄/雌ロッキング要素41および331である。これにより、フリーウエイト100からの荷重Wがフリーウエイトロッキング部材40に加えられると、垂直力Nは、フリーウエイト10がそのロックされた位置から解放されるのを防ぐ。雌ロッキング要素331の内壁332が端部止め31に向かって傾斜しているため、垂直力Nは、バー10の長手方向Lに、およびまたバー10の中心に向かって内側に方向づけられる。これにより、内側に方向づけられた保持力TFもまた、荷重Wがフリーウエイトロッキング部材40に加えられたときにフリーウエイトロッキング部材40が解放されるのを防ぎ得るため、またさらに改善された保持が提供され得る。
【0043】
図7aおよび7bを参照すると、たとえば、前述の雄/雌ロッキング要素の相補的なものとして、またはその代替として使用され得る別の保持手段の概略図が示されている。ここで、フリーウエイトロッキング部材40には、フリーウエイトロッキング部材40をフリーウエイトロッキング位置33にロックするように配置されたレバー部材44が設けられている。レバー部材44を回転させると、フリーウエイトロッキング部材40はY方向に移動し、それにより、フリーウエイトロッキング部材40をウエイト支持部30にクランプする。この例示的な実施形態では、レバー44を回転させると、走行部材42は溝34の上面に向かって上方に移動させられ、その結果、
図7bに示されるクランプ力Nが生じる。フリーウエイト100からフリーウエイトロッキング部材40に加えられた荷重Wは、結果として、クランプされた表面と垂直力Nとの間の摩擦係数に等しい保持力Rをもたらす。同様の方法で、保持力Rは、たとえば機械ばねなどの使用によっても生成される。またさらに、摩擦増大コーティングが保持力Rをさらに増大させ得る。
【0044】
本発明は、上記された、および図面に例示されている実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者は、添付の特許請求の範囲内で多くの変更および修正が行われ得ることを認識するであろう。たとえば、
図1を参照して記載されるようなフリーウエイトロッキング部材40は、半円に形作られている。しかし、より小さな円形のセクションやより大きな円形のセクションなどの、他の形状も可能である。