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特許7036556心臓の僧帽弁及び三尖弁の交換のための弁付きステント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】心臓の僧帽弁及び三尖弁の交換のための弁付きステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
A61F2/24
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017180239
(22)【出願日】2017-09-20
(65)【公開番号】P2018047242
(43)【公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】15/272,213
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517330900
【氏名又は名称】ペイジア・メディカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Peijia Medical Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】イー・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ピン・イェ・ジャン
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0257881(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0045881(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2777616(EP,A1)
【文献】特表2015-517376(JP,A)
【文献】特表2016-506794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の心臓のための弁付きステントであって、
生地構造を支持すると共に前記弁付きステントを形成するステントを備え、
前記弁付きステントはさらに、
上側と下に面する下側を有し、それぞれ前記下側から下方へ伸びる近位部と上に伸びる遠位部を有する複数のフックを含む上部取付部であって、前記上部取付部は、前記生地構造の上部を支持する複数の金属弧状部を含み、それにより心臓の組織が前記フックと前記金属弧状部の間で直接捕らえられた状態で、移植可能な弁が心臓に取り付けられる上部取付部と、
前記上部取付部から下方へ伸びる下部弁部分と、を備え、
前記下部弁部分は、血液の下側への流れを許容するとともに、血液の上側への流れを阻止する逆止弁を含む、ことを備える弁付きステント。
【請求項2】
前記上部取付部が、前記下部弁部分から径方向で且つ上方に伸び、前記径方向の広がりは、前記上方への広がりより大きい、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項3】
それぞれの前記フックと前記下側との間の間隔は、移植中に心臓組織の形状の変形に順応するように構成され得る、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項4】
前記上部取付部の前記生地構造は、前記上部取付部の前記ステント上に取り付けられる、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項5】
複数の前記フックが6つのフックを含む、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項6】
前記上部取付部は、32から52mmの範囲の最大直径を有する、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項7】
前記上部取付部は、僧帽弁置換のための、32から46mmの範囲の最大直径を有する、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項8】
前記上部取付部は、三尖弁の適用のための38から52mmの範囲の最大直径を有する、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項9】
前記下部弁部分は、実質的に円筒形状であり、28から30mmである直径を有する、請求項1に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項10】
移植可能な弁付きステントであって、
ステント上部とステント下部を有するステントを有し、
前記ステントは、
複数の支持部材であって、各支持部材は、支持部材上部と下垂直部を有する、支持部材と、
それぞれ前記支持部材の前記支持部材上部の2つに連結された複数の金属弧状部と、
それぞれ前記支持部材の1つと連結され、前記支持部材の1つから下方に伸びる近位部と上に伸びる遠位部を有する複数のフックであって、それにより心臓の組織が前記フックと前記金属弧状部の間で直接捕らえられた状態で、移植可能な弁が心臓に取り付けられる複数のフックと、
実質的に円筒形状を有するステントの前記ステント下部を画定するために、前記支持部材の前記下垂直部に接合される金属メッシュと、
前記ステントによって支持された生地構造とを有し、
前記生地構造は、
前記金属弧状部の上に配置されて支持された上部分と、
前記金属メッシュによって支持されるとともに前記金属メッシュの径方向内側にある、実質的に円筒形の下部分と、
血液の下側への流れを許容するとともに血液の上側への流れを阻止する前記円筒形の下部分の内側に配置された逆止弁、を含む、移植可能な弁付きステント。
【請求項11】
それぞれの前記支持部材において、曲部が、前記下垂直部へ前記支持部材上部を接合し、それにより前記支持部材上部が、45°以上の前記ステント下部に対する角度を画定する、請求項10に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項12】
前記支持部材の数は、Nであり、前記金属弧状部の数はNである、請求項10に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項13】
前記フックの数は、前記Nである、請求項12に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項14】
前記Nは、6である、請求項13に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項15】
前記金属弧状部と、前記フックは、それらの間で心臓組織を捕らえることによって、移植可能な弁を取り付け、前記金属弧状部と前記フックの間の垂直の間隔は、組織の厚さと形状における誤差を許容し、移植中、設定可能である、請求項10に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項16】
それぞれの前記フックの下方に伸びる前記近位部と上方に伸びる前記遠位部は、曲部によって連結される、請求項10に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項17】
前記生地構造の前記円筒形の下部分は、28~30mmの内部直径を有する、請求項10に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項18】
複数の前記金属弧状部は、置換される弁の近くの患者の心臓組織の形状に基づいて前記弁付きステントごとに変えることができる32から52mmの範囲で最大半径を有する、請求項17に記載の移植可能な弁付きステント。
【請求項19】
移植可能な弁付きステントであって、
ステント上部とステント下部を有するステントを備え、
前記ステントは、
複数のN個の支持部材であって、各支持部材において、曲部によって分離された、支持部材上部と下垂直部を有する、複数のN個の支持部材と、
それぞれ、前記支持部材の前記支持部材上部の2つに連結される、32から52mmの範囲で最大半径を画定する、複数のN個の金属弧状部と、
それぞれ、前記支持部材の1つに連結され、前記支持部材の1つから下方に伸びる近位部と上に伸びる遠位部を有する複数のN個のフックであって、心臓の組織が前記フックと前記金属弧状部の間で直接捕らえられた状態で、移植可能な弁が心臓に取り付けられる複数のN個のフックと、
実質的に円筒形状を有するステントの前記ステント下部を画定するために、前記支持部材の前記下垂直部に接合される金属メッシュと、
前記ステントに支持された生地構造と、を備え、
前記金属の弧状部と前記フックの間の垂直の間隔は、前記金属の弧状部と前記フックの間に捕らえられた心臓組織の形状に順応するように設定可能であり、
前記生地構造は、
前記金属弧状部の上に配置されて支持された上部分と、
前記金属メッシュによって支持されるとともに前記金属メッシュの径方向内側にある、約28から30mmの内側の直径を有する、実質的に円筒形の下部分と、
血液の下側への流れを許容するとともに血液の上側への流れを阻止する、前記円筒形の下部分の内側に配置された逆止弁、を含む、移植可能な弁付きステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、医療機械及び方法、特に、生まれつきの病気の及び機能不全の僧帽弁、及び、いくつかの生体の機能不全の僧帽弁を置換するための装置に関連し、及び心臓の通常のポンピングの間に、外部の循環補助の使用をせずに、生き物の、動物の、人の心室において、同じく供給し及び移植するための装置及び方法を包含する。代わりに、まだ機能する一方で、心臓の一時的に開いた心室に僧帽弁のあるステントの縫合糸のない移植のための装置を使用することが可能である。装置は、僧帽弁装置の供給のためのシステムに限られるものではなく、三尖弁のような、他の心臓の弁に適用可能であることができる。
【背景技術】
【0002】
様々な形態における人工装具は、機能不全の心臓弁を置き換えるために、50年間以上の間、使われてきた。人の心臓における4つの弁のそれぞれ、左側の大動脈弁、僧帽弁、または右側の肺動脈弁、三尖弁、は、どんな時にも、さまざまに機能不全になり、そして、出来事(感染症、僧帽弁索のようにある部品の引き裂きまたは崩壊のような構造的な機能停止、弁の材料の遺伝性素因による変形)は、起こり得る結果として、死と共に、しばしば通常の一方向の血液の流れを邪魔する。いくつかの状況のために、機能不全の弁に取り組むある程度の緊急性がある。歴史的に弁は、侵略的で危険性が高い手段である、「心臓切開手術」の使用によって置換されてきた。これらの手段は、死に至らせる手段なので、非常に若いものや老人を高い危険にさらす可能性がある。結果として、老いた患者は、しばしば、心臓切開手術を拒絶され、死に至るまでの間、より我慢できる効果をもたらすように取り扱われる。
【0003】
ステントを供給するためのより危険の少ない、侵略的でないカテーテル技術の使用は、広がっている。この技術は、同様の方法で、心臓の弁を供給するために使われてきた。典型的に、カテーテルは、心臓の弁を含むカプセルと共に、遠位端を有する。遠位端は、機能不全の弁の機能を置換する、配置場所へ、患者の血管システムを通り抜ける。
【0004】
動物または人の心臓の弁のいずれかの場所に到達するためのさまざまな方法がある。弁付きステントを含むカテーテルは、血管に沿ったまたは心臓を通る血液の流れに続くことを意味する、順行性のルートで心臓に導入されることができる。代わりに、逆行する方法で導入されることができ、すなわち、その先端が心臓を通る血液の流れに対抗して行く。説明するのに役立つ実施例として、大動脈の弁付きステントは、大腿部の動脈を通って導入され、カテーテルは、血液の流れに逆行して(大動脈の通常の血液の流れに対抗して)進み、その機能を始めるために正確に置かれるであろう心臓へ、病気の大動脈弁及び大動脈の分岐点に到達するまで、大動脈の長さを進む。
【0005】
現在、前記技術のほとんどは、長期的なまたは介入後の複雑な関係を最小にする、及びさらに特に心臓と肺のバイパスの暴露及びすべてのそのよく知られた不吉な結果を除外するためといった、患者の状況と状態に従って、さまざまな選択を提供するために使われることができる。大動脈弁と肺動脈弁のためのカテーテル技術が、広く使われてきた一方、今300,000人以上の患者において、これらの技術はまだ、確立された僧帽弁の置換技術に転換されていない。このための理由は、事実上、僧帽弁の小葉の端に届くパラシュートのロープの出現を有する、腱索と呼ばれる腱状の線維の群と接合する、乳頭筋が表面に出てきて心臓の壁に始まる連続体からなる、僧帽弁の器具である僧帽弁の複雑さに存在する。前記小葉は、異なる形状と大きさであり、僧帽弁の小葉の主軸から離れるものは、大動脈から下っていき、心房のカーテン、及び心臓の壁の外側または後部へ取り付けられる後部の僧帽弁の小葉へ接合する、大きな表面を有する。これらの小葉と弦の塊は、環帯と呼ばれる一般的にそれほど連続しない中に含まれる。心室の側または弁の心房の側から、その環状の平面への接近は、接近のためだけでなく、同軸に弁付きステント(僧帽弁の中心軸が並べられたステント)の正確な配置にためにも、いくつかのナビゲーションの難しさを引き起こし、そして所定の位置に残るための必要な小葉と、環状部材の捕獲は、2つの心室の間の周辺を密閉し、及び必要な機能を提供する。
【0006】
切開手術の置換は、僧帽弁の機能不全の場合の数十万人のために処理され、いくつかの疾患において、しばしば弁組織が完全にまたは部分的に、さらに十分に保存されると認識されるまで、狭窄症または不全症であった。外科医は、長所の中心は、複雑な手術を処理することができるのみであったが、耐久性がある、かなりの数の心臓切開手続において機能不全を修復する手順を考案した。軽度(中等度)より高い及び多くの段階的な重度のその重症度において、格付けされた僧帽弁逆流または弁不全という病気に影響された患者は世界で、数百万に達し、非常に多かった。Oern S.,Liddicoat J.: Emerging Opportunities for Cardiac Surgeons within Structual Heart Disease. J Thorac and Cardiovasc Surgery:132:1258-1261(2006),は、アメリカ住民における、心臓の弁の疾患の発生を記載し、重度のカテゴリにおいて約220,000人おり、病気のさまざまな段階における機能不全の僧帽弁を有する年間230万人の規模の患者がいることを示す。これらの重度の患者の約23%(48,000)のみが、病気を治すための適当な処置を受け、多くの割合が、放置され、論文が書かれてから100万人の患者が死んだ。今日、修理の施設は、少しの患者のみ処理することができる。
【0007】
カテーテルに導かれた侵略性の少ない技術への外科の修復技術の置換は、いくつかの外科の修理技術を再生することを願って1990年代の終わりまでに始まった。安全の信頼性及びさらに特にそのような手順の効果を評価するときに、多くの失望をもって迎えられた。多くの場合における結果は、僧帽弁の逆流の多くの不完全な修復を部分的にのみ満たしている。さまざまな、アプローチが、僧帽弁の小葉の中心の端を捕らえたり、それらを中心に並べたりするように、試みられてきたが、それゆえ、僧帽弁の逆流を減らすための2つの開口部を作り出すことは(カテーテルで外科のArfieri edge-to-edge repair技術を再生すること)一番の進歩である。他は、僧帽弁の環帯を制限するため、及び狭窄によってその大きさを減らすために、環状静脈洞を通って、金属のワイヤの導入によって、環状の拡張を減らすことを提供するが、しかし、これも、失望の結果をもって迎えられた。少しの他は、最小の侵略的な手順での、修復によって、病気を治すことを意味したが、結果は最高において不十分である。
【0008】
さまざまな実施形態において、心臓の弁の置換は、心臓の弁の置換のためのほとんどの装置に共通しているいくつかの部品を備えることができる。通常、ステントといったように、しばしば支持体、フレームとして働くであろう部品がある。このフレームまたはステントの中に、弁の機構が含まれ、しばしば、生物に関する心臓の弁と呼ばれる場合により柔軟性を有し、これらの弁の機構は、弁の機能の復元を引き受けることになる。これらの弁の機構は、血液の流れの活動の下で動くことができる薄い材料(通常、生物的な膜)の部分を備え、単一または2つ以上の複数の部分である当該部分は、しばしば、小葉または弁と呼ばれる。血液の流れの方向次第で、これらの表面は、血液が、心臓の1つの心室から次へまたは心臓の外へ流れるときに、小葉に損傷を与えないできる限りの大きさである、ステントによって提供された、開口部を開くように、同じ方向に動くであろう、また、その後に、心臓の鼓動のストロークが終わったときに、血液の流れの逆転は、瞬時に起き、弁を閉じ、逆流とも呼ばれる、逆に進む血液の流れまたは逆流、を妨げる反対の方向へ小葉を押す。逆流により、明白に、機能が体のすべての部分に流れを維持するということである、心臓の効率は、減少した。
【0009】
弁は、同じ部品で構成される大部分の移植として、10年間使用され、すなわち、ステントは一般的に、ワイヤ、及び小葉機構とともに強化されたポリマから組み立てられる。弁の治療の、「新時代」の、弁付きステントは、そのように切られた、一般に金属の円筒形のチューブのフレームであり、置換されるべき心臓における弁へ補てつと、患者の血管のルートへ損傷を最小に、全体的に避けるための小さい可能な外形において、すべての弁が、カテーテルの補助で、脈管構造を通って、縫うように進められることができるように、組織の弁の機構を含む一方で、チューブの元の直径に近い、とても小さい直径へ圧縮されることができる形状である。これらの金属のステントは、一般に、それらの最終的なまたは通常の直径へ、当該ステントを広げるために圧力下で、液体を満たされたバルーンを必要とするさびのつかない純度の高いステンレス鋼(鉄及び他の金属の合金)で作られるが、しばしば、それらの最終的に広げられた直径において、さらに圧力の影響下にあり、組織は、適合され、内側に変形されてもよい。使われる他の金属合金は、特定された低い温度範囲で、それ自身において、望まれた小さい直径へ圧縮されることができる、いわゆる形状記憶金属であり、それらの分子組成のために、それらの本来の圧縮前の通常の直径へ、温度の第2の条件下で(すなわち体温)伸びるであろう、すなわちフレームワークは、形状記憶の温度を有する。心臓の弁の治療の、「新時代」の、事実上、弁である、ステントは、必要とされる機能を処理するための特定された要求に合うように順応される。このとても厳しい要求は、意図された位置、または着陸帯に残る能力である。すなわち、事実上、その患者の弁の機能が必要とされるときに、その使用期間の間、固定されるように、位置を変えずに、または移動しないであろう。さらに、弁付きステントは、患者の血液と健康に非常に損傷を与えていることができる漏出を防ぐために、外縁を密閉しなければならず、また、そうでなければ、それらの出来事を直すための補正または手術を必要とされるかもしれない。
【0010】
大動脈弁置換の治療におけるステントの使用は、しばしば、大動脈の心臓の弁を構成する組織の病気の鉱化のために起きる、病気、大動脈の狭窄症のためのもの大部分である。大動脈弁の小葉は、厚くされ、小葉組織の中に血漿から拡散することによって、カルシウムの沈殿物になり、また、時々、組織の表面に、それらが血液が通常の流れに続くことができないよう、左心室から大動脈へ導く開口部を狭める(狭窄症)ことによって、実際的に閉じる点への、小葉と、それらの可動性を硬化する。心室のポンピングが、大動脈弁の小さい開口部を通って、血液をポンプしようとして厚くなる、その筋肉を使いすぎ、そして、ゆっくりその機能が腐る。体は血液を奪われ、臓器の状態と生活の質は、急速に低下する。病気を治すために使われる、カテーテルで案内されて移植された弁付きステントは、石灰化された岩のような小葉に、ステントによって発揮される力を純粋に頼りにする。これらのステントは、円筒が、障害の一致によって、自然の大動脈弁の領域に、弁付きステントを保持するよう圧力を発揮する、弁と壁の近くの円筒形状である。この圧力は、バルーンと一体のステンレス鋼の弁付きステントの拡張によって、または拡張されたステントの温度形状記憶によって、発揮されるであろう。僧帽弁の逆流の場合に存在する病気の完全に異なる設定である。
【0011】
僧帽弁の逆流(MR)は、多くの病気で引き起こされることができ、いくつかは、弁付きステントの使用へさらに素直に従う。病気の1つの形態は、心臓と僧帽弁の環帯の拡張(拡張された心筋症、DCM)によって、心臓の形状と大きさの変化に起因する。この病気は、弁の機能を変え、機能の僧帽弁の逆流と呼ばれるようである。心筋(心臓の筋肉)の損傷が、左心室の拡張をもたらすとき、次に乳頭の筋肉の心尖部の除去を引き起こす、悪質なサイクルである。これらの筋肉は、環状の拡張をもたらし、これら2つは、左心室の拡張をもたらす左心室の荷重負荷を引き起こす、僧帽弁の逆流を生み出すために組み合わせ、サイクルは再び始まる。環帯及び僧帽弁及び心房のカーテンは、僧帽弁の開口部の大きさを維持するその能力を失う。拡張は、開口部を極端な場合、ほとんど2倍の大きさに広げ、また、小葉は、それらが、並置され、第2の前の血液のごく少量が、心室の中に流される心室(心房)の中への逆流を妨げるために、弁開口部を閉じるべきときに、心臓のサイクル(心臓の収縮)において同時に離れている。環帯は、やわらかく、また、曲げやすく、また、いくぶん部分的に曲げにくく、及び大動脈のステントがより拡張を引き起こされ、条件を悪化させるのみであろうとき、それに径方向に圧力を発揮する。
【0012】
経皮の手段またはカテーテルで案内された手段によって、機能不全の僧帽弁における配置、自然の僧帽弁の機能の置換のための完全に開発され及び商業化された、現在のところ、人工装具の僧帽弁の装置はない。したがって、現在のところ完全に開発されたものがない、三尖弁と、心臓の僧帽弁の機能を置換するための改良された実施形態をもたらすであろう、改良された弁付きステントの形状と、供給する装置のための非常に強い要求があることを、繰り返し言われるにちがいない。当該実施形態は、房室の環帯と通常の健康の人間の弁のそれに可能な限り近い機能の復元と最小限の複雑さとの、それらの関わりの中に、弁付きステントの正確な供給、開発、配置を可能とするにちがいない。当該実施形態は、外縁の弁のリーク(PVL)、すなわち、移植された弁付きステント及びステントがとても近くに順応するに違いない、自然の弁の組織との間の漏出の進行も妨げるに違いない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【文献】Oern S.,Liddicoat J.: Emerging Opportunities for Cardiac Surgeons within Structual Heart Disease. J Thorac and Cardiovasc Surgery:132:1258-1261(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ここで開示される発明は、装置を言い、特に、患者の心臓に、病気のまたは機能不全の心臓の弁の置換のための人工の心臓の弁である。さまざまな実施形態における、下記に記載された弁付きステントと、供給装置は、機能不全の房室の弁へ機能を戻すであろう、及びこれまで最小限の複雑さで、供給し、配置し、機能することが非常に難しいと考えられる、装置の移植を促進することを目的としている改良を表す。
【課題を解決するための手段】
【0015】
付きステントは、移動形態と移植形態を含む2つの形態を有する。移動形態において、ステントは、カテーテルのような、チューブ状の装置によって、移植を促進するために、径方向につぶされ、収縮される。移植形態において、弁付きステントは、径方向に移植の位置またはその近くで広げられる。弁付きステントは、部分的に移植の配置の形状によって決まる移植形態を変えることに合わせて、広げられ、カスタマイズされる。
【0016】
1つの典型的な使用において、弁付きステントは、機能不全の心臓の僧帽弁を置換するために使われる。別の典型的な使用において、弁付きステントは、機能不全の三尖弁を置換するために使われる。これらの典型的な使用のそれぞれにおいて、弁付きステントは、カテーテルのような、チューブ状の装置を使って、弁の位置に供給される。
【0017】
この概要を確かにする段落において、弁付きステントの3つの態様が記載される。この概要のすべての3つの態様は、病気の弁を置換するための、取り付けの前、間、後のその完全にまたは部分的に広げられた状態における、弁付きステントに関する。
【0018】
開示の第1の態様において、移植可能な弁付きステントは、弁付きステントを一緒に形成する、生地構造を支持するステントを含む。弁付きステントは、上部取付部下部弁部分も含む。上部取付部は、上側と下側を含む。下側は、移植可能な弁が、心臓の組織が、フックと下側の表面の間で捕らえられたときに、心臓に取り付けられる、下側から下方へ伸びる複数のN個のフックを含む。弁付きステントの下部弁部分は、上部取付部から下方に伸びる。下部弁部分は、血液の下への流れを許容するとともに、血液の上への流れを阻止する逆止弁を含む。典型的な実施形態において、フックの数Nは6に等しい。
【0019】
ひとつの実施において、上部取付部は、上部取付部の径方向の広がりが、上部取付部の上への広がりより大きい、下部弁部分ら径方向に、上方に広がる。この形状は、僧帽弁の環状の組織のような弁の上の典型的な心臓組織形状へ、上部取付部を取り付けるために最適である。上部取付部は、配置と密閉へ、弁を信頼でき、確保することを含む2つの重要な機能を有する。フックを含む、上部取付部の形状は、機能不全の弁と等価であるであろう、弁付きステントの外縁の周りの血液の漏出を防ぐために、弁付きステントと心臓組織の間を密閉することを確実にするために重要である。上部取付部とフックの形状も、弁付きステントの位置を変えることまたは移動することを防ぎ、後者は、置換弁と関連する最も心配され、不都合な出来事の1つである。
【0020】
別の実施において、それぞれのフックと上部取付部の下側の間の間隔は、心臓組織の形状の変化に順応するよう設定されることができる。これにより、同じ弁付きステントの構造が、置換位置における、異なる及び/または非対称の心臓組織に順応することができる。
【0021】
さらなる実施において、上部取付部は、32から52mmの範囲の最大半径方向の直径をする。僧帽弁置換のために、最大半径方向の直径は、32から46mmであることができる。三尖弁の置換のために、最大半径方向の直径は、38から52mmであることができる。特定の径方向の直径は、置換される弁を取り囲み、そして上の(上流の)組織の形状に基づいて選択される。
【0022】
また別の実施において、弁付きステントの下部弁部分は、実質的に円筒形状で、28から30mmの直径を画定する。1つの実施形態において、下部弁部分は、約29mmの直径を画定する。
【0023】
さらなる実施において、弁付きステントは、弁付きステントの一群である。この群のそれぞれのために、下部弁部分は、実質的に円筒形状であり、そして28から30mmの直径をする。弁付きステントの群は、すべての群の組み立て部材のために同じ下部弁部分の大きさと形状を有する。しかしながら、群の組み立て部材は、1つの群の組み立て部材から変化した最大半径方向の直径をする別のものへ、変化した上部取付部の形状を有する。変化した最大半径方向の直径は、32から52mmの範囲に入る。僧帽弁置換の群の組み立て部材は、32から46mmの範囲を備える最大半径方向の直径をする上部取付部の形状を有することができる。三尖弁置換の群の組み立て部材は、38から52mmの範囲を備える最大半径方向の直径をする上部取付部の形状を有することができる。
【0024】
またさらなる実施において、ステントは、金属合金チューブを切ることによって少なくとも一部分において形成される。金属合金は、圧縮された状態からここで記載されたのと同じ形状へ自分で広がることができる形状記憶型機能を有する。
【0025】
開示の第2の態様において、弁付きステントは、生地構造を支持するステントを含む。ステントは、それぞれ支持部材上部と下垂直部を有する複数の支持部材と、それぞれ支持部材の支持部材上部の2つに連結された複数の金属弧状部と、それぞれ支持部材の1つから下方に伸び、連結された複数のフックと、実質的に円筒形状を有するステントのステント下部を画定するための支持部材の下垂直部に接合された金属メッシュとを含む。生地構造は、金属メッシュによって支持され、金属メッシュの径方向内側に、ある実質的に円筒形の下部分と、血液の下への流れを許容するとともに、血液の上への流れを阻止する円筒形の下部分の内側に配置された逆止弁と、を含む。1つの実施形態において、支持部材の数はNであり、金属弧状部の数はNである。さらなる特定の実施形態において、フックの数はNである。またさらなる特定の実施形態において、数Nは6である。
【0026】
1つの実施において、それぞれの支持部材は、支持部材上部が、45°以上のステント下部に対する角度を画定する、下垂直部へ支持部材上部を接合する曲部を含む。さらなる特定の実施形態において、角度は少なくとも60°である。またさらなる特定の実施形態において、角度は、少なくとも70°である。
【0027】
別の実施において、金属弧状部とフックは、環状の心臓組織の間に捕らえられることによって、移植可能な弁を取り付ける。金属弧状部とフックの間の垂直の間隔は、組織の厚さと形状の変化を許すために、移植、設定可能である。
【0028】
さらに別の実施において、それぞれのフックは、曲部によって連結された下方に伸びる近位部と、上方に伸びる遠位部を含む。
【0029】
さらなる実施において、生地構造の円筒形の下部分は、28から30mmの内部直径を有する。さらなる特定の実施形態において、内部直径は約29mmである。複数の金属弧状部は、置き換えられる弁に近い患者の心臓組織の形状に基づいて、弁付きステントごとに変化させることができる32から52mmの範囲の最大半径の大きさをする。
【0030】
開示の第3の態様において、弁付きステントは、生地構造を支持するステントを含む。ステントは、それぞれ支持部材上部と下垂直部を有する複数のN個の支持部材と、それぞれ支持部材の支持部材上部の2つに連結される、32から52mmの範囲で最大半径をする、複数のN個の金属弧状部と、それぞれ支持部材の1つに連結され、それから下方に伸びる複数のN個のフックと、金属弧状部とフックの間の垂直の間隔は、金属弧状部とフックの間に捕らえられた心臓組織の形状に順応するために設定可能であり、実質的に円筒形状を有するステントのステント下部を画定するために支持部材の下垂直部に接合された金属メッシュと、を含む。生地構造は、金属メッシュによって支持され、金属メッシュの径方向内側にあり、内側の直径が約28から30mmである、実質的に円筒形の下部分と、血液の下への流れを許容するとともに、血液の上への流れを阻止する、円筒形の下部分の内側に配置された逆止弁と、を含む。
【0031】
開示の実施は、上で議論された3つの態様のいずれかに適用する弁付きステントを移植する方法に関する。弁付きステントの供給は、血管システムの部分に挿入されることができるチューブ状の装置またはカテーテルによって達成される。チューブ状の装置は主に、供給のためのその圧縮した形態において、弁付きステントを含むカプセルを有する遠位終端を含む。移植のためのプロセスは、次の様である。(1)遠位終端は、移植場所(例えば、病気の僧帽弁または三尖弁の近く)へ、心房の通り道を通して発送される。(2)弁付きステントは、少なくとも弁付きステントが、置換される病気の弁の環状の部分と重なる関係で表面に出てくる、遠位終端に対して中心軸(チューブ状の装置の中心)に沿って移動される。環状部は、弁付きステントが、部分的に通る、環状の組織によって取り囲まれた、開口を含む。(3)弁付きステントは、それから、その移植の形状に径方向に広げられることができる。このプロセスの間、弁付きステントは、チューブ状の装置から完全に解放される。また、このプロセスの間、ステントは、上部取付部によって、上へ及び下へ捕らえられる、環状の組織へしっかりと固定される。上部取付部の下側または表面によって、上へ捕らえられる。N個のフックによって下へ取り付けられる。1つの実施形態において、上部取付部及びN個のフックは、適合し、そしてそれゆえ曲げられ、及び信頼でき、頑健な取り付けと、上部取付部の下側または表面と、環状組織の上表面の間の効果的な密閉を提供するための、環状の組織に適合する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】移植された弁付きステントと一体の人の心臓の断面図である。
図2A】弁付きステントの下側の同じ寸法の図である
図2B】弁付きステントの部分を形成するステントの下側の同じ寸法の図である。
図3】弁付きステントの部分を形成するステントの上側の同じ寸法の図である。
図4】弁付きステントの上面図である。
図5】弁付きステントの部分を形成するステントの上面図である。
図6】弁付きステントの部分を形成するステントの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
概要における弁付きステントの実施形態と、装置と方法は、機能不全の僧帽弁を置換するために心臓の房室または僧帽弁の領域へそれらの適当な供給のために使われ、弁付きステントがさらに詳細にここで記載されるように、僧帽弁機能を修復する。背景部または上の概要または詳細な説明で言及された理論または生理学の原理によって、発明やその使用をすこしも限定するべきでない。続く詳細な説明は、事実上、例となるものであり、発明、その応用、または使用を限定するために取られるべきでない。ここで記載される主な応用は僧帽弁の逆流をもたらす病気において機能不全の僧帽弁のためであるが、発明は、三尖弁のような、他の心臓の弁に適用できることが留意されるべきである。
【0034】
図1は、前に病気だった僧帽弁を置き換えるために取り付けられた弁付きステント4を備える患者の心臓2を表現する。弁付きステント4は、三尖弁6を置き換えるために利用されることもできる、大きさのバリエーションを有する。
【0035】
円筒形状の等位のシステムは、記載している弁付きステント4において使われるであろう。弁付きステント4は、弁付きステントが部分的な回転の対称性を有する、中心軸Zを有する。中心軸Zの周りの回転は、角度θによって画定される。中心軸Zからの距離は、径方向の距離Rによって画定される。
【0036】
位置を画定するにおいて、上、下、上へ、下へのような単語が使われるであろう。下から上へ動くことは、Zの大きさを増加するまたは+Z方向へ動くことを言う。記載された装置が、上部及び下部を有するならば、そのとき、上部は、下部に対して+Z方向に配置される。上へ、または上方への単語は、+Z方向を言う。下へまたは下方への単語は、-Z方向を言う。一般に、血液の流れの方向は-Zまたは下の方向である。
【0037】
画定する位置において、「外へ」または「径方向に外へ」という単語が使われることができる。径方向に内側から径方向に外側へ動くことは、Rが増加するまたは+R方向に動くことを言う。
【0038】
1つの実施形態において、弁付きステント4の回転の対称性は、Zの周りの60°の回転によって画定される。それゆえ、角度θは、弁付きステント4のいかなる明白な、物理変化なく、60°によって変わることができる。
【0039】
後の記載は、垂直軸φを利用するであろう。垂直軸φは、垂直の軸ZからRの周りの回転を画定する。これは、中心軸Zの周りの回転であるθと対照をなしており、中心軸Zと交差する半径線の配向を画定する。
【0040】
図2A、2B及び3は、移植される場所への供給後、広げられたまたは部分的に広げられた状態で、弁付きステント4の追加の詳細を表現する。図2Aを参照すると、弁付きステント4は生地構造10を支持するステント8を含む。図2B及び3は、概略斜視図に対して、中央の軸Zの2つの異なる配向において配置された生地構造10のないステント8を表現する。
【0041】
付きステント4は、上部取付部12と下部弁部分14を含む2つの主要な部分を有する。上部取付部12は、下部弁部分14から径方向(+R)及び上に(+Z)伸びる。上部取付部の径方向の広がりは、上への広がりより大きい。1つの実施形態において、径方向の広がりは、上への広がりの少なくとも1.5倍である。別の実施形態において、径方向の広がりは、上への広がりの2倍である。特定の実施形態において、上部取付部は、φによって測定される垂直から45°より大きい表面の傾斜を備える、実質的に円錐形を有する。さらに特定の実施形態において、表面の傾斜は、φによって測定される垂直から60°より大きい。それゆえ、上部取付部12は、下部弁部分14から主として径方向または横方向に伸びている。
【0042】
上部取付部12は、僧帽弁または三尖弁の機能を置き換えることにおいて、心臓の組織へ弁付きステント4を取り付けるためのものである。上部取付部12は、下方に、及びわずかに外側に、面する下側16を有する。下側16から下方に伸びるものは、複数のフック18である。弁付きステント4は、心臓の組織の層が、下側16とフック18の間で捕らえられるとき、心臓2へ固定される。
【0043】
下部弁部分14は、上部取付部12から下方へ伸びる。下部弁部分14は、φがゼロまたはそれに近い値に対応する方向に下方へ伸びる、実質的に形状において円筒形状である。
【0044】
ステント8と生地構造10のそれぞれは、上部取付部12と下部弁部分14に対応する上と下部を有する。ステント8のステント上部とステント下部は、それぞれ8Uと8Lと呼ばれるであろう。生地構造10の生地構造生地構造下部は、それぞれ10Uと10Lと呼ばれるであろう。
【0045】
ステント8のステント8UとステントLを連結するものは、複数の支持部材20である。典型的な実施形態において、6つの支持部材20がある。それぞれの支持部材20は、曲部26によって接合される支持部材上部22と支持部材下部24を含む。曲部は、45°以上の角度を画定する。1つの実施形態において、曲部は、50°から90°の範囲の角度を画定する。別の実施形態において、曲部は60°から80°の範囲の角度を画定する。特定の実施形態において、曲部は、支持部材上部が垂直から約70°の方向に、一般的に径方向に外側へ伸びる、約70°を画定する。少なくとも支持部材20のいくつかは、弁付きステント4の取り付けと供給のために、それらの下端の近くに開口28を画定する。
【0046】
それぞれの支持部材20の支持部材上部22に連結されるものは、2つの金属弧状部30である。それぞれの金属弧状部30は花弁の形状を画定する。それぞれの金属弧状部30も、2つの支持部材20に接合される。それゆえ、金属弧状部30の数Nは、支持部材20の数Nに等しい。説明に役立つ実施形態において、金属弧状部30の数Nは6である。
【0047】
それぞれの支持部材20のそれぞれの支持部材上部22の下側に連結されたものはフック18である。それぞれのフック18は、支持部材20の支持部材上部22から下方へ伸びる。それぞれのフック18は、下方へ伸びる近位部34、上方へ伸びる遠位部36、及び近位部34と遠位部36を接合する、曲部38を有する(図3)。
【0048】
付きステント4が、患者の心臓2に取り付けられたとき、心臓組織の層は、金属弧状部30とフック18の間で捕らえられる。弁付きステント4は、患者の心臓2に取り付けられる前、弁付きステント4の上部取付部12は、対称である。しかしながら、弁付きステント4のための位置の近くの心臓組織の形状は、心臓ごとに著しく変わることができる。組織の形状は、とても非対称であり、厚さが変わるかもしれない。弁付きステント4の展開の間、金属弧状部30とフック18の間のZ軸に沿った間隔は、心臓組織の形状へ一致されることができる。弁付きステント4の配置の後、上部取付部12の形状は、金属弧状部30とフック18の間のZ軸に沿った垂直の距離がZにおいて変わるため、非対称であってもよい。
【0049】
生地構造10の上部10Uは、金属弧状部30の上に配置される。生地構造10の上部10Uも金属弧状部30に取り付けられる。
【0050】
それぞれの支持部材20の支持部材下部24に連結されたものは、金属メッシュ40である。支持部材20の支持部材下部24と金属メッシュ40の組み合わせは、ステント8のステント下部8Lを画定する。説明に役立つ実施形態において、金属メッシュ40のワイヤはダイヤモンド形状および杉あや模様の開口42を画定するジグザグ形状を有する。金属メッシュ40のジグザグワイヤを接合するものは、垂直の横断部材44である。ステント8のステント下部8Lは、実質的に直円柱を画定するまたは、直円柱を画定する実質的に円筒形状を有する。
【0051】
生地構造10の生地構造下部10Lは、ステント8のステント下部8Lの内側に配置された円筒部46を含む。円筒部46は、ステント下部8Lに対して、径方向に内側(-R)に配置される。生地構造10の内側の円筒部46は、逆止弁48である(図4)。逆止弁48は、弁付きステント4を通る、血液の下へ(-Z)の流れを許容する。逆止弁は、弁付きステント4を通る血液の上へ(+Z)の流れを阻止(止める、妨げる)する。
【0052】
図4は、弁付きステント4の上面図を表現する。この図から、逆止弁48と、上部取付部12の頂上側50が、見える。この図から、ステント8は、ほとんど、生地構造10によって覆われている。しかしながら、フック18と金属弧状部30の先端を径方向に伸ばすものは、説明に役立つ実施形態において見られることができる。
【0053】
図5は、ステント8の上面図を表現する。半径の軸Rと角度θが描かれている。6個の支持部材20の支持部材上部22は、角度θが0°、60°、120°、180°、240°、300°に等しい、角度の位置に配置され、それゆえ60°で分離されている。それぞれの支持部材上部22から下方へ伸びるものはフック18である。それゆえ、6個のフック18は、6個の支持部材20と同じ6個の角度位置を有する。支持部材20の最も近い支持部材上部22の間は、金属弧状部30である。1つの金属弧状部は、径方向に0°から60°の角度θの範囲の至る所の角方向において伸びる。次の金属弧状部は、径方向に60°から120°などの角度θの範囲の至る所の角方向において伸びる。それゆえ、それぞれの金属弧状部は、60°近くの角度に対する一方で、径方向に外側及び内側に伸びる。
【0054】
属弧状部30の反対の組は、上部取付部の最大半径寸法を画定する。金属弧状部30の反対の組は、中心軸Zを通る、直径線と交差されるそれらによって画定される。Dは弁の置換が起こされるであろう心臓の形状によって決まる32から52mmの潜在範囲を有する。32-46mmの範囲は、僧帽弁のためであり、38-52mmの範囲は、三尖弁のためである。僧帽弁のための1つの実施形態において、垂足線の径の長さは約37mmである。与えられた値(僧帽弁または三尖弁)のために、Dの値は患者の心臓の特定の形状によって決まる。
【0055】
下部弁部分14は、28から30mmの直径Dを有する。典型的な実施形態において、下部弁部分14は約29mmの直径Dを有する。さらなる実施形態は、約29mmに等しい設定された下部弁部分14の直径Dをそれぞれ有する弁付きステント4の群を含む。この群は、異なる患者及び異なる弁の置換に順応する上部取付部12の直径Dの種類を有するであろう。
【0056】
図6はステント8の側面図を表現する。軸φは、垂直軸Zから角度を画定する。金属弧状部30は、広がりのほとんどは径方向であるが、説明に役立つ実施形態において、径方向に、上方に伸びる。それぞれの金属弧状部30の広がりは45°以上、60°以上、または60°から90°の範囲の角度φを画定する。大きい角度φにより、上部取付部12の下側を、値の入り口側に心臓組織の形状の近くにできる。
【0057】
それぞれのフック18は、径方向に外側に伸びる。それぞれのフック18の近位部34は、下方へ、約20°から30°の範囲へまたは約25°の角度φで、径方向に外側に伸びる。それぞれのフック18の遠位終端36は、上方へ、径方向に外側へ、しかしながら垂直に近く伸びる。それぞれのフックの遠位終端36は、Zにおいて金属弧状部30の下に約6mmである。記載したように、これらの角度と大きさは、一例であり、特定の心臓の形状のために最適化されることができる。ステント8のステント下部8Lは、曲げられた側面が、ゼロの角度φでほとんど一致するほぼ直円柱である形状を画定する。
【0058】
開示されたバルブのあるステント4は、径方向に圧縮された形態において実施の場所に供給される。図1のように適当に配置することにおいて、弁付きステント4は、伸ばされ、または伸ばされることができる。広がりにおいて、弁付きステント4は、前に記載された図に関して描かれているのと同じ形状を有する。
【0059】
具体的な実施形態及び上に記載されたそれの応用は、説明に役立つのみの目的であって、続く請求項の範囲によって包含される変更及び変形を除外するものではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6