(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】決済装置
(51)【国際特許分類】
G07F 11/00 20060101AFI20220308BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220308BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20220308BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20220308BHJP
G06Q 20/18 20120101ALI20220308BHJP
【FI】
G07F11/00 Z
G07G1/12 361Z
G07F9/00 C
A63F9/00 513
G06Q20/18
(21)【出願番号】P 2018021129
(22)【出願日】2018-02-08
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504204926
【氏名又は名称】加賀電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西川 千津子
(72)【発明者】
【氏名】新家 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】奥山 泰介
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-035142(JP,A)
【文献】特開2016-200870(JP,A)
【文献】特開2016-024714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 11/00
G07G 1/00-1/12
G07F 9/00
A63F 9/00
G06Q 20/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプライズ機に対する決済を行う装置であって、
プレイするプライズ機の選択を受け付ける選択部と、
電子的な決済に用いられる媒体に関する情報を取得および決済に関する処理を行う電子決済部と、
決済処理に基づいて、選択されたプライズ機に対してプレイの開始を制御する制御信号を出力する開始部と、
前記選択されたプライズ機においてプレイが行われている間、当該プライズ機に関する電子決済を停止させるとともに、前記選択されたプライズ機以外の他のプライズ機に関する電子決済を可能とする制御部と、
が設けられ、
現金であるコインによる現金決済を行う現金決済部が更に設けられ、
前記制御部は、前記選択されたプライズ機においてプレイが行われている間、当該プライズ機に関する現金決済を停止させるとともに、前記選択されたプライズ機以外の他のプライズ機に関する現金決済を可能とし、
前記プライズ機および当該プライズ機におけるプレイを許可する決済金額が紐付けして記憶された記憶部が更に設けられ、
前記制御部は、前記選択されたプライズ機に紐付けされた前記決済金額が、前記現金決済部における現金決済が可能な最小単位である所定金額で割り切れない場合には、前記現金決済部による決済を停止す
る決済装置。
【請求項2】
前記選択部は、決済する金額の選択を受け付けることにより前記プレイするプライズ機の選択を受け付ける金額選択部を含み、
前記制御部は、前記選択された金額が前記所定金額で割り切れない場合には、前記現金決済部による決済を停止する請求項
1記載の決済装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数のプライズ機のそれぞれと一対一に対応付けされた対応部の選択により、前記プレイするプライズ機の選択を受け付けるプライズ機選択部を含み、
前記制御部は、前記選択された金額に紐付けされた前記プライズ機が複数の場合には、前記プライズ機選択部によるプレイするプライズ機の選択を受け付ける請求項
2記載の決済装置。
【請求項4】
前記プライズ機および当該プライズ機におけるプレイを許可する決済金額が紐付けして記憶された記憶部が更に設けられ、
前記制御部は、前記現金決済部に入金された前記現金の金額を取得し、前記プライズ機に紐付けされた前記決済金額のうち、当該取得した金額以下の前記決済金額のみを選択可能とする請求項
1記載の決済装置。
【請求項5】
決済する金額の選択を受け付ける金額選択部が更に設けられ、
前記制御部は、前記現金決済部に入金された前記現金の金額を取得し、前記金額選択部による選択可能な金額のうち、当該取得した金額以下の金額のみを選択可能とする請求項
1から4のいずれか1項に記載の決済装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カプセルトイなどの玩具を景品として取得するゲーム機(以下「プライズ機」とも表記する。)において、複数のプライズ機を縦方向や横方向並べて配置することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプライズ機では、ゲームを開始する際に現金を投入するコインメック等の決済部がプライズ機に設けられているものが知られている。なお、決済部としては、現金による決済を行う物の他に、電子マネーによる決済に対応する物や、仮想通貨による決済に対応する物や、これらの組み合わせに対応した物も知られている。
【0005】
例えば、特許文献1に記載されているような複数のプライズ機を縦や横に並べて配置されている場合、個々のプライズ機に決済部が設けられているものや、1つの決済部で複数のプライズ機の決済を行うものが知られている。
【0006】
1つの決済部で複数のプライズ機の決済を行う場合、一つのプライズ機でプレイしている期間中に、他のプライズ機について決済をどのように扱うかという問題がある。例えば、特許文献1に記載されているようなカプセルトイを取得するプライズ機は、プレイ時間が比較的短いため、上述の問題が顕在化しにくい。その一方で、クレーンゲームのようにプレイ時間が比較的長いプライズ機では、上述の問題が顕在化しやすい。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、1つの決済部による複数のプライズ機の決済を容易にすることができる決済装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の決済装置は、複数のプライズ機に対する決済を行う装置であって、プレイするプライズ機の選択を受け付ける選択部と、電子的な決済に用いられる媒体に関する情報を取得および決済に関する処理を行う電子決済部と、決済処理に基づいて、選択されたプライズ機に対してプレイの開始を制御する制御信号を出力する開始部と、前記選択されたプライズ機においてプレイが行われている間、当該プライズ機に関する電子決済を停止させるとともに、前記選択されたプライズ機以外の他のプライズ機に関する電子決済を可能とする制御部と、が設けられている。
【0009】
本発明の決済装置によれば、選択されたプライズ機においてプレイが行われている間は、当該プライズ機に関する電子決済を停止するため、プレイ中のプライズ機に対して重複した決済が行われることを抑制できる。また、選択されたプライズ機以外の他のプライズ機に関する電子決済を可能とするため、選択されたプライズ機のプレイが終了するまで待つことなく、他のプライズ機のプレイを開始することが可能となる。
【0010】
上記発明においては、現金であるコインによる現金決済を行う現金決済部が更に設けられ、前記制御部は、前記選択されたプライズ機においてプレイが行われている間、当該プライズ機に関する現金決済を停止させるとともに、前記選択されたプライズ機以外の他のプライズ機に関する現金決済を可能とする構成が好ましい。
【0011】
このようにすることにより、電子決済だけでなく、現金による決済であっても、プレイ中のプライズ機に対して重複した決済が行われることを抑制できる。また、選択されたプライズ機のプレイが終了するまで待つことなく、他のプライズ機のプレイを開始することが可能となる。
【0012】
上記構成においては、前記プライズ機および当該プライズ機におけるプレイを許可する決済金額が紐付けして記憶された記憶部が更に設けられ、前記制御部は、前記選択されたプライズ機に紐付けされた前記決済金額が、前記現金決済部における現金決済が可能な最小単位である所定金額で割り切れない場合には、前記現金決済部による決済を停止する構成が好ましい。
【0013】
このようにすることにより、現金決済部による決済が不可能な決済金額が紐付けされたプライズ機については、電子決済のみを行い、現金決済を行わないようにすることができる。そのため、現金決済部などにお釣りを返却する機能を設ける必要がない。
【0014】
上記構成において前記選択部は、決済する金額の選択を受け付けることにより前記プレイするプライズ機の選択を受け付ける金額選択部を含み、前記制御部は、前記選択された金額が前記所定金額で割り切れない場合には、前記現金決済部による決済を停止する構成が好ましい。
【0015】
このようにすることにより、決済する金額を選択することによりプレイするプライズ機を選択することが可能となる。また、選択した決済する金額が、現金決済部による決済が不可能な額である場合には、電子決済のみを行い、現金決済を行わないようにすることができる。
【0016】
上記構成において前記選択部は、前記複数のプライズ機のそれぞれと一対一に対応付けされた対応部の選択により、前記プレイするプライズ機の選択を受け付けるプライズ機選択部を含み、前記制御部は、前記選択された金額に紐付けされた前記プライズ機が複数の場合には、前記プライズ機選択部によるプレイするプライズ機の選択を受け付けることが好ましい。
【0017】
このようにすることにより、選択された金額に紐付けされたプライズ機が複数であっても、対応部を用いて当該複数のプライズ機からプレイを希望するプライズ機を選択することができる。
【0018】
上記構成においては、前記プライズ機および当該プライズ機におけるプレイを許可する決済金額が紐付けして記憶された記憶部が更に設けられ、前記制御部は、前記現金決済部に入金された前記現金の金額を取得し、前記プライズ機に紐付けされた前記決済金額のうち、当該取得した金額以下の前記決済金額のみを選択可能とすることが好ましい。
【0019】
上記構成においては、決済する金額の選択を受け付ける金額選択部が更に設けられ、前記制御部は、前記現金決済部に入金された前記現金の金額を取得し、前記金額選択部による選択可能な金額のうち、当該取得した金額以下の金額のみを選択可能とすることが好ましい。
【0020】
このようにすることにより、入金した金額によりプレイが可能なプライズ機のみを選択可能となり、プレイが不可能なプライズ機については選択ができないようにすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の決済装置によれば、選択されたプライズ機においてプレイが行われている間は、当該プライズ機に関する電子決済を停止することにより、1つの決済部による複数のプライズ機の決済を容易にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の決済装置の構成を説明するブロック図である。
【
図2】
図1の決済装置の外観を説明する模式図である。
【
図3】プライズ機の選択から決済処理が開始される場合の処理内容を説明するフローチャートである。
【
図4】決済する金額の選択から決済処理が開始される場合の処理内容を説明するフローチャートである。
【
図5】現金の投入から決済処理が開始される場合の処理内容を説明するフローチャートである。
【
図6】現金の投入から決済処理が開始される場合の処理内容を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の一実施形態に係るプライズ機91の決済装置10について、
図1から
図6を参照しながら説明する。本実施形態では、決済装置10が適用されるプライズ機91がクレーンゲーム機である例に適用して説明する。なお、決済装置10が適用されるプライズ機91は、クレーンゲーム機であってもよいし、カプセルトイを取得するゲーム機であってもよく、プライズ機91の種類を限定するものではない。
【0024】
決済装置10は、
図1に示すように、複数のプライズ機91に対して決済処理およびプレイの開始などの制御を行うものである。
図1では、1つの決済装置10に対して4つのプライズ機91が設けられている例が示されているが、対応するプライズ機91の数は2つ以上であればよく、その数を限定するものではない。
【0025】
決済装置10は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、選択ボタンなどの入出力インタフェース等を有する機器である例に適用して説明する。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させてプライズ機選択部(選択部)11、金額選択部(選択部)21、電子決済部31、現金決済部41、制御部(開始部)51、および、記憶部61として機能させるものである。
【0026】
プライズ機選択部11は、プレイするプライズ機91の選択を受け付けるものである。本実施形態では、押下することによりプレイするプライズ機91を選択するボタン(対応部)12であって、複数のプライズ機91のそれぞれと一対一に対応したボタン12である例に適用して説明する。
【0027】
図2では、4つのプライズ機91に割りつけられた番号1から4がプライズ機選択部11に表示されている。なお、割りつけられた番号は、プライズ機91の筺体の見える場所に表示されている。また、プライズ機選択部11であるボタン12の数は、プライズ機91の数に応じて適宜設定することができ、その数を限定するものではない。
【0028】
金額選択部21は、金額によってプレイするプライズ機91の選択を受け付けるものである。本実施形態では、押下することによりプレイするプライズ機91を選択するボタン22であって、複数のプライズ機91のそれぞれに設定されたプレイ金額に対応したボタン22である例に適用して説明する。
図2では、プライズ機91に設定されたプレイ金額(100円、120円、200円)が金額選択部21に表示されている。
【0029】
本実施形態では、番号1が割りつけられたプライズ機91は100円、番号2が割りつけられたプライズ機91は120円、番号3が割りつけられたプライズ機91は200円、番号4が割りつけられたプライズ機91は100円が設定された例に適用して説明する。設定されたプレイ金額は、プライズ機91の筺体の見える場所に表示されている。なお、金額選択部21であるボタン22の数は、プレイ金額の数に応じて適宜設定することができ、その数を限定するものではない。
【0030】
電子決済部31は、電子的な決済に用いられる媒体に関する情報を取得および決済に関する処理を行うものである。本実施形態では、電子決済部31が電子マネーによる決済に対応したものであり、電子マネー媒体の情報を取得するものである例に適用して説明する。なお、電子決済部31は、電子マネーによる決済に対応したものであってもよいし、クレジットカードによる決済に対応したものであってもよいし、仮想通貨による決済に対応したものであってもよく、特に限定するものではない。
【0031】
現金決済部41は、現金であるコインによる現金決済を行うものである。本実施形態では、現金決済部41が100円硬貨の投入を受け付けるコインメックである例に適用して説明する。現金決済部41が受け付ける最小の金額(本実施形態では100円)が、現金決済が可能な最小単位である所定金額となる。また、現金決済部41には、100円硬貨の投入を阻害して現金による決済を一時的に停止または不可能とする機構が設けられている。
【0032】
制御部51は、決済処理に基づいて、選択されたプライズ機に対してプレイの開始を制御する制御信号を生成するものである。また制御部51は、電子決済部31における決済処理および現金決済部41における決済処理を制御するものである。制御部51における制御内容は後述する。
【0033】
記憶部61は、プライズ機91と、当該プライズ機91におけるプレイを許可する決済金額とを紐付けして記憶されたものである。なお、紐付けされる決済金額は、予め定められたものであってもよいし、適宜変更されたものであってもよい。
【0034】
また、決済装置10には、表示部71も設けられている。表示部71は、決済装置10に投入された硬貨の金額や、決済処理された金額や、後述する決済処理が不可能である旨など、種々の情報を表示するものである。表示部71としては、液晶表示パネルなどの公知の表示機器を用いることができる。
【0035】
次に、上記の構成からなる決済装置10における決済処理の内容について
図3から
図6を参照しながら説明する。以下では、
図3に示すプライズ機91の選択から決済処理が開始されるパターン、
図4に示す決済する金額の選択から決済処理が開始されるパターン、および、
図5および
図6に示す現金(硬貨)の投入から決済処理が開始されるパターンの3つについて説明する。
【0036】
まず、
図3を参照しながらプライズ機91の選択から決済処理が開始される場合について説明する。プライズ機選択部11のボタン12が押下されると、決済装置10は本決済処理を開始する。決済装置10の制御部51は、プライズ機91が選択されたことを示す信号をプライズ機選択部11から取得する(S101)。具体的には、プライズ機選択部11から押下されたボタン12に対応する信号が出力され、出力された当該信号が制御部51に入力される。
【0037】
次いで制御部51は、選択されたプライズ機91が決済可能であるか否かを判定する処理を行う(S103)。具体的には、プライズ機91がプレイ中であるか否かを示すフラグを確認することにより、選択されたプライズ機91がプレイ中であるか否かを判定する。選択されたプライズ機91がプレイ中であれば決済が不可能と判定され、プレイされていなければ決済可能と判定する。
【0038】
選択されたプライズ機91が決済可能と判定された場合(YESの場合)には、制御部51は現金決済が可能であるか否かを判定する処理を行う(S105)。具体的には、選択されたプライズ機91に設定されたプレイを許可する決済金額が、現金決済が可能な最小単位である所定金額(本実施形態では100円)で割り切れるか否かを判定する。プレイを許可する決済金額が所定金額で割り切れる場合には、現金決済が可能と判定する。また、プレイを許可する決済金額が所定金額で割り切れない場合には、現金決済は不可能と判定する。
【0039】
例えば、プレイを許可する決済金額が100円または200円である場合には、所定金額(100円)で割り切れるため、現金決済が可能と判定される。また、プレイを許可する決済金額が120円の場合には、所定金額(100円)で割り切れないため、現金決済は不可能と判定される。
【0040】
S105の判定において現金決済が不可能と判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、現金決済部41に対して現金決済を停止または不可能とする制御信号を出力する処理を行う(S107)。現金決済部41は当該制御信号に従い、硬貨の投入を一時的に停止または不可能とする動作を行う。なお、現金決済の停止等は、
図3のフローチャートの処理が終了すると解除される。
【0041】
S107の処理の後、または、S105の判定において現金決済が可能と判定された場合(YESの場合)には、選択されたプライズ機91についての決済処理が行われる(S109)。ここで、S107の処理の後にS109の決済処理を行う場合には、電子決済部31による決済処理のみが行われる。電子決済部31による決済処理は、公知の電子マネーによる決済処理と同じ処理により行うことができ、処理内容を限定するものではない。
【0042】
また、S105の判定において現金決済が可能と判定された場合(YESの場合)には、現金決済部41または電子決済部31による決済処理が行われる。現金決済部41に硬貨が投入された場合には、現金決済部41による決済処理が行われ、電子決済部31に電子マネー媒体がかざされた場合には、電子決済部31による決済処理が行われる。
【0043】
S109の決済処理が行われると、制御部51は、選択されたプライズ機91に対してプレイを開始させるプレイ開始信号を出力する処理を行う(S111)。具体的には、現金決済部41または電子決済部31から決済処理が完了したことを示す信号が制御部51に入力されると、プレイ開始信号を出力する処理を行う。
【0044】
次いで制御部51は、プレイ開始信号を出力したプライズ機91について、当該プライズ機91がプレイされている期間中は決済を停止する処理を行う(S113)。停止する処理としては、当該プライズ機91がプレイ中であることを示すフラグを立てる処理を例示することができる。制御部51は、S103の判定処理において、当該フラグが立てられているか否かを確認することで、決済が可能か否かを判定することが可能となる。
【0045】
またS103の判定処理において、選択されたプライズ機91について決済処理が不可能と判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、表示部71に決済処理が不可能であることを通知する情報を表示する処理を行う(S115)。以上により、プライズ機91の選択から開始される決済処理は終了する。
【0046】
次に
図4を参照しながら、決済する金額の選択から決済処理が開始される場合について説明する。金額選択部21のボタン22が押下されると、決済装置10は本決済処理を開始する。決済装置10の制御部51は、金額が選択されたことを示す信号を金額選択部21から取得する(S201)。具体的には、金額選択部21から押下されたボタン22に対応する信号が出力され、出力された当該信号が制御部51に入力される。
【0047】
次いで制御部51は、選択された金額による現金決済が可能であるか否かを判定する処理を行う(S203)。具体的には、選択された金額が、現金決済が可能な最小単位である所定金額で割り切れるか否かを判定する処理を行う。選択された金額が所定金額で割り切れる場合には、現金決済が可能と判定する。また、選択された金額が所定金額で割り切れない場合には、現金決済は不可能と判定する。
【0048】
例えば、選択された金額が100円または200円である場合には、所定金額(100円)で割り切れるため、現金決済が可能と判定される。また、選択された金額が120円の場合には、所定金額(100円)で割り切れないため、現金決済は不可能と判定される。
【0049】
S203の判定において現金決済が不可能と判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、現金決済部41に対して現金決済を停止または不可能とする制御信号を出力する処理を行う(S205)。なお、現金決済の停止等は、
図4のフローチャートの処理が終了すると解除される。
【0050】
S205の処理の後、または、S203の判定において現金決済が可能と判定された場合(YESの場合)には、制御部51は、選択された金額に対応するプライズ機91が複数存在するか否かを判定する処理を行う(S207)。例えば、選択された金額が100円である場合には、番号1が割り当てられたプライズ機91、および、番号4が割り当てられたプライズ機91が該当し、複数存在すると判定される(YES)。その一方で、選択された金額が120円または200円である場合には、該当するプライズ機91はそれぞれ1つであるため複数存在しないと判定される(NO)。
【0051】
S207の判定処理において該当するプライズ機91が複数存在すると判定された場合(YESの場合)には、制御部51は、該当する複数のプライズ機91からプレイを希望するプライズ機91の選択を促す処理を行う(S209)。プレイを希望するプライズ機91を選択する方法としては、プライズ機選択部11のボタン12を押下することによる選択を例示することができる。この場合、該当する複数のプライズ機91に対応するボタン12を点滅させるとともに、表示部71にプレイを希望するプライズ機91の選択を促す表示を行うことが考えられる。
【0052】
S209の処理によりプレイを希望するプライズ機91が選択されると、または、S207の判定処理において該当するプライズ機91が複数ではないと判定された場合(NOの場合)、制御部51は、選択されたプライズ機91が決済可能であるか否かを判定する処理を行う(S211)。具体的には、プライズ機91がプレイ中であるか否かを示すフラグを確認することにより、選択されたプライズ機91がプレイ中であるか否かを判定する。
【0053】
S211の判定において現金決済が可能と判定された場合(YESの場合)には、選択されたプライズ機91についての決済処理が行われる(S109)。以下の処理については
図3における決済処理を同様であるため、その説明を省略する。
【0054】
またS211の判定処理において、選択されたプライズ機91について決済処理が不可能と判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、表示部71に決済処理が不可能であることを通知する情報を表示する処理を行う(S115)。以上により、決済する金額の選択から開始される決済処理は終了する。
【0055】
次に
図5および
図6を参照しながら、現金の投入から決済処理が開始される場合について説明する。現金決済部41に硬貨が投入されると、決済装置10は本決済処理を開始する。決済装置10の制御部51は、決済予定金額を取得する処理を行う(S301)。具体的には、現金決済部41は投入された硬貨に応じた検出信号を出力し、制御部51は当該検出信号に基づいて現金決済部41に投入された金額を算出し、当該金額を決済予定金額とする。
【0056】
次いで制御部51は、決済可能なプライズ機選択部11のボタン12、および、金額選択部21のボタン22を点灯させる処理を行う(S303)。例えば、決済予定金額と同額の金額のプレイを許可する決済金額に紐付けされたプライズ機91に対応するボタン12を点灯させる処理を行う。また、決済予定金額と同額である金額選択部21のボタン22を点灯させる処理を行う。
【0057】
なお、決済予定金額以下の金額のプレイを許可する決済金額に紐付けされたプライズ機91に対応するボタン12を点灯させる処理を行ってもよいし、決済予定金額以下の金額の金額選択部21のボタン22を点灯させる処理を行ってもよい。この場合、所定金額で割り切れないものについては、点灯処理を行わない。
【0058】
その後制御部51は、プレイを希望するプライズ機91が選択されたか否かを判定する処理を行う(S305)。例えば、プライズ機選択部11からボタン12が押下されたことを示す信号が出力された否かを判定する処理を行う。
【0059】
S305の判定処理において、プライズ機91が選択されていないと判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、決済を行う金額が選択されたか否かを判定する処理を行う(S307)。例えば、金額選択部21からボタン22が押下されたことを示す信号が出力されたか否かを判定する処理を行う。
【0060】
S307の判定処理において金額が選択されていないと判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、S301に戻り上述の判定処理を繰り返す。その一方で、金額が選択されたと判定された場合(YESの場合)には、制御部51は、選択された金額に対応するプライズ機91が複数存在するか否かを判定する処理を行う(S309)。
【0061】
S309の判定処理において該当するプライズ機91が複数存在すると判定された場合(YESの場合)には、制御部51は、該当する複数のプライズ機91からプレイを希望するプライズ機91の選択を促す処理を行う(S311)。
【0062】
S305の判定処理においてプライズ機91が選択されたと判定された場合(YESの場合)、S309の判定処理において該当するプライズ機91が1つであると判定された場合(NOの場合)、または、S311の処理においてプライズ機91が判定された場合、制御部51は、
図6に示すように、選択されたプライズ機91が決済可能であるか否かを判定する処理を行う(S313)。具体的には、プライズ機91がプレイ中であるか否かを示すフラグを確認することにより、選択されたプライズ機91がプレイ中であるか否かを判定する。
【0063】
S313の判定において現金決済が可能と判定された場合(YESの場合)には、選択されたプライズ機91についての決済処理が行われる(S109)。以下の処理については
図3における決済処理を同様であるため、その説明を省略する。
【0064】
またS313の判定処理において、選択されたプライズ機91について決済処理が不可能と判定された場合(NOの場合)には、制御部51は、表示部71に決済処理が不可能であることを通知する情報を表示する処理を行う(S115)。以上により、現金の投入から開始される決済処理は終了する。
【0065】
上記の構成の決済装置10によれば、選択されたプライズ機91においてプレイが行われている間は、当該プライズ機91に関する電子決済を停止するため、プレイ中のプライズ機91に対して重複した決済が行われることを抑制できる。また、選択されたプライズ機91以外の他のプライズ機91に関する電子決済を可能とするため、選択されたプライズ機91のプレイが終了するまで待つことなく、他のプライズ機91のプレイを開始することが可能となる。
【0066】
更に、電子決済だけでなく、現金による決済であっても、プレイ中のプライズ機91に対して重複した決済が行われることを抑制できる。また、選択されたプライズ機91のプレイが終了するまで待つことなく、他のプライズ機91のプレイを開始することが可能となる。
【0067】
現金決済部41による決済が不可能な決済金額が紐付けされたプライズ機91については、電子決済のみを行い、現金決済を行わないようにすることができる。そのため、現金決済部41などにお釣りを返却する機能を設ける必要がない。
【0068】
決済する金額を選択することにより、プレイするプライズ機91を選択することを可能とすることができる。また、選択した決済する金額が、現金決済部41による決済が不可能な額である場合には、電子決済のみを行い、現金決済を行わないようにすることができる。
【0069】
選択された金額に紐付けされたプライズ機91が複数であっても、ボタン12を用いて当該複数のプライズ機91からプレイを希望するプライズ機91を選択することができる。
【0070】
入金した金額によりプレイが可能なプライズ機91のみを選択可能とすることができる。そのため、プレイが不可能なプライズ機91については選択ができないようにすることができる。
【0071】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施の形態においては、決済装置10が適用されるプライズ機91がクレーンゲーム機である例に適用して説明したが、クレーンゲーム機に限られることなくカプセルトイを取得するゲーム機などの他の種類のゲーム機であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…決済装置、11…プライズ機選択部(選択部)、12…ボタン(対応部)、21…金額選択部(選択部)、31…電子決済部、41…現金決済部、51…制御部(開始部)、61…記憶部、91…プライズ機