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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】伸縮洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018083125
(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公開番号】P2018199483
(43)【公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】1753576
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ピコ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダン、ビエーユ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ロレ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、コラノフスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】グザビエ、ブセ
(72)【発明者】
【氏名】マキシム、ボドワン
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-024712(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009006280(DE,A1)
【文献】独国特許発明第04237856(DE,C1)
【文献】特開平02-109761(JP,A)
【文献】特開平05-326118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの洗浄及び/又は乾燥流体を、自動車両(1)の洗浄すべきガラス表面、例えば光学検出システムの光学センサ(2)の光学表面(2’)に噴射することが意図される伸縮洗浄装置(3)であって、
前記伸縮洗浄装置(3)は、前記洗浄流体用の少なくとも1つの中空移送体(5)を含み、
前記中空移送体(5)は、上流端部において入口フランジ(12)により閉鎖され、
前記中空移送体(5)は、当該中空移送体(5)内で、前記中空体の延長軸(X)に対して平行に摺動するように構成された可動ピストン(8)を収容し、
前記可動ピストン(8)は、内側分配管(50)により中空とされるとともに、流体分配要素(4)を下流端部において支承するものである、
伸縮洗浄装置(3)において、
前記中空移送体(5)は、前記入口フランジ(12)から突出して前記延長軸(X)に沿って延在するロッド(14)を更に収容し、
前記ロッド(14)の周囲を前記可動ピストンが摺動可能であり、
前記可動ピストン(8)と前記ロッド(14)とは、前記可動ピストン(8)の前記ロッド(14)に対する位置に応じて、前記流体がそれらの間で前記入口フランジ(12)から前記分配要素(4)へ通流可能であるように構成され、
前記ロッド(14)は、加熱装置(22)を備え、
前記加熱装置(22)は、熱伝導性チューブ(26)の内部において前記延長軸(X)に沿って延在する少なくとも1つの加熱要素(24)を備える、伸縮洗浄装置(3)。
【請求項2】
前記ロッド(14)と前記可動ピストン(8)との間で通流する前記流体は、前記熱伝導性チューブの外壁に接触して通流するように設定される、請求項1に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項3】
前記加熱要素(24)は、前記ロッドの内部において、前記入口フランジ(12)から、及び/又は、前記入口フランジ(12)に対して反対側の前記ロッド(14)の自由端部まで延在する、請求項1又は2に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項4】
前記加熱要素(24)は抵抗ワイヤである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項5】
前記加熱要素(24)は、前記熱伝導性チューブ(26)の内部でループを形成する抵抗ワイヤである、請求項4に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項6】
前記ロッド(14)は、本質的に円筒状のノズル(30)を備え、
前記ノズル(30)は、前記加熱要素(24)を保持するための手段(32)を備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項7】
前記ノズル(30)は、前記熱伝導性チューブ(26)の下流端部に、クリンプ留め、又はネジ留め、又は嵌合により固着される、請求項6に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項8】
前記加熱要素(24)の位置を固定するように、特に樹脂又はゲルタイプの充填材料が、前記熱伝導性チューブ(26)の内部の少なくとも一部に配置される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項9】
前記熱伝導性チューブ(26)は金属製である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項10】
前記ノズル(30)はプラスチック材料からなる、請求項6又は7に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項11】
前記流体分配要素(4)は、追加の加熱装置(60)が取付けられた分配バーを備え、
前記追加の加熱装置(60)は、前記ロッド(14)に収容される前記加熱要素(24)とは別個の追加の加熱ワイヤ(70)を備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の伸縮洗浄装置(3)。
【請求項12】
自動車両に取付けられることが意図される光学検出システムであって、光学表面(2’)を有する少なくとも1つの光学センサ(2)を備える前記システムにおいて、
前記光学検出システムは、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の、前記光学表面(2’)用の伸縮洗浄装置(3)を備える、光学検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両に取り付けられることが意図される光学検出システムの分野に関する。より具体的には、少なくとも1つの洗浄又は乾燥流体を、このような光学検出システムの光学センサの洗浄すべき光学表面に噴射することが意図される洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間に可視又は不可視のスペクトル、特に赤外線スペクトルにおける発光及び/又は光の検出に基づくカメラ、レーザーセンサ、又は他のセンサ等の光学センサを備えるシステムは、光学検出システムと呼ばれる。
【0003】
このような検出システムの機能は、自動車両の周囲に関するデータを収集して、運転者に前記車両の運転及び/又は操作に関する支援を提供することである。この支援が効率的であるように、光学検出システムにより提供されるデータは、可能な限り高品質なものでなくてはならないため、このようなデータ獲得を実現するために特定のセンサを配設することが必須である。このために、検出を実施する(例えばカメラ画像)前に、光学検出システムのセンサ(例えば、カメラのレンズ)の光学表面に、単数又は複数の洗浄及び/又は乾燥流体を噴射するように、洗浄装置が制御され得る。このような洗浄装置は、可動部により形成された少なくとも1つの流体移送体を備え得る。このような流体移送体は、アクチュエータ・シリンダに収容されたピストンによって構成され、収縮した休止位置から伸長した洗浄位置に移動可能である。このような実施形態において、移送体は、通常、その上流端部において、可撓性の供給管によって、単数又は複数の洗浄及び/又は乾燥流体を貯留するタンクに連結されるとともに、上流端部に対して反対側の下流端部において、単数又は複数の洗浄及び/又は乾燥流体を分配し噴射するための装置に連結される。
【0004】
洗浄流体を、洗浄すべき光学表面に噴射する前に加熱することが望ましいであろうということが知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明はこの文脈に該当し、加熱した洗浄を洗浄すべき光学表面に対して噴射することにより洗浄するための装置に対する既存の解決策に対する改良を提案することである。したがって、本発明の目的は、少なくとも1つの流体を、自動車両の洗浄すべき表面、例えば、光学検出システムの光学センサの光学表面に噴射することが意図される洗浄装置を提案することである。洗浄すべき光学表面の洗浄や除氷の有効性を改善するように、この洗浄装置は、コンパクトな伸縮式構成により、光学センサの動作を妨げることがなく、また、加熱装置の設置により、噴射される流体の洗浄能力を向上させることが可能である。
【0006】
本発明の第1の目的は、少なくとも1つの洗浄及び/又は乾燥流体を、自動車両の洗浄すべきガラス表面、例えば車両用の光学検出システムの光学センサの光学表面に噴射することが意図される伸縮洗浄装置である。前記洗浄装置は、前記洗浄流体用の少なくとも1つの中空移送体を含み、前記中空移送体は、上流端部において入口フランジにより閉鎖され、前記中空移送体は、当該中空移送体内で、前記中空体の延長軸に対して平行に摺動するように構成された可動ピストンを収容し、前記可動ピストンは、内側分配管により中空とされるとともに、流体分配要素を下流端部において支承するものである。
【0007】
本発明によれば、前記中空移送体は、前記入口フランジから突出して前記延長軸に沿って延在するロッドを更に収容し、前記ロッドの周囲を前記可動ピストンが摺動可能であり、前記可動ピストンと前記ロッドとは、前記可動ピストンの前記ロッドに対する位置に応じて、前記流体がそれらの間で前記入口フランジから前記分配要素へ通流可能であるように構成され、前記ロッドは加熱装置を備え、前記加熱装置は、熱伝導性チューブの内部において前記延長軸に沿って延在する少なくとも1つの加熱要素を備える。
【0008】
ガラス表面、又は光学表面とは、特に、本発明による洗浄装置を取付けた車両の付近にある車両又は物体の距離を検出する構造体内で、光学センサが発した電磁波を透過する表面として理解されたい。
【0009】
単独でも組み合わせてもよい本発明の別の特徴を以下に記載する。
‐前記熱伝導性チューブは、前記ロッドの外側ケースを規定し、前記ロッドと前記可動ピストンとの間で通流する前記流体は、前記熱伝導性チューブの外壁に接触して通流するように設定される。
‐前記加熱要素は、前記ロッドの内部において、前記入口フランジから延在する。
‐前記加熱要素は、前記入口フランジに対して反対側の前記ロッドの自由端部まで延在する。
‐前記加熱要素は抵抗ワイヤである。本例において、前記加熱要素は、絶縁シースに包囲された電気ワイヤであり、ワイヤと絶縁シースとにより形成された組立体が、前記熱伝導性チューブの内部に収容されることを理解されたい。
‐前記抵抗ワイヤは前記熱伝導性チューブの内部でループを形成する。前記ループは、前記入口フランジに対して反対側の前記ロッドの自由端部の近傍に存在し得る。前記抵抗ワイヤは、特に、延出してU字形状の態様で折り返すように配置され得る。
‐前記ロッドは、本質的に円筒状のノズルを備え、前記ノズルは、前記加熱要素を保持するための手段を備える。前記ノズルは、特に、前記入口フランジに対して反対側の前記ロッドの自由端部に配置され得る。
‐シール要素を収容するように、前記ノズルの周囲に周囲凹部が配置される。
‐前記ノズルは、前記熱伝導性チューブの下流端部に、クリンプ留め、又はネジ留め、又は嵌合により固着される。
‐前記加熱要素の位置を固定するように、特に樹脂又はゲルタイプの充填材料が、前記熱伝導性チューブの内部の少なくとも一部に配置される。
‐前記熱伝導性チューブは金属製である、特に真鍮又はアルミニウムからなる。
‐前記ノズルはプラスチック材料からなる。
【0010】
本発明の一連の特徴を以下に記載する。
‐洗浄流体の取込チャンバへの取り込みから分配要素によるその噴射までの前記洗浄流体の前記洗浄装置における流速を制御可能とするように、複数の貫通チャネルが前記可動ピストンの前記分配管の内壁に配置される。前記貫通チャネルは、互いに平行に、前記伸縮洗浄装置の延長軸を囲むように配置され得る。
‐各貫通チャネルは、隣接するチャネルのものと同一の及び/又は別の軸方向寸法(前記可動ピストンの長手方向延長軸の方向におけるチャネルの高さ)及び/又は径方向寸法(前記可動ピストンの前記内壁の厚さにおけるチャネルの深さ)を有する。前記可動ピストンが完全に収縮した位置にある場合、各貫通チャネルは前記ロッドにより一体的にシールした態様で覆われて洗浄流体の流れをブロックする一方、前記可動ピストンが完全に伸長した位置に至るまでの中間位置を取る場合、貫通チャネルの少なくとも1つの端部が遮断されず、これにより取込チャンバから分配要素への洗浄流体の流れが許容される、ということを理解されたい。
‐洗浄及び/又は乾燥流体用の前記分配要素は、本質的に矩形形状の分配バーを備える。前記分配バーは、前記流体移送体の前記延長軸の両側に、前記延長軸を横切る方向において対称的に延在する。
‐前記分配バーは、追加の加熱装置を取付けられる。前記追加の加熱装置は、前記ロッドに存在する加熱装置から独立しているとともに、前記ロッドに収容される前記加熱要素とは別個の追加の加熱ワイヤから構成される。前記追加の加熱ワイヤは、電源にコネクタにより電気的に連結される。
【0011】
前記分配バーに特有の本発明の一連の特徴であって、前記中空移送体に関する、及び前記可動ピストン用のガイド手段として機能する前記ロッド内の加熱装置の配置に関する特徴と組合せ得る特徴を以下に記載する。
‐前記分配バーは、ベースを形成する第1部分により構成される。流体分配チャネルを規定するように、前記第1部分は、カバーを形成する第2部分に組み付け可能である。
‐前記ベースと前記カバーとは、溶接によって一体に組み付けられる。
‐前記ベースは、前記中空移送体に、細長い形状を有する端部分によって連結される。前記端部分は、前記延長軸の中心に位置し、前記中空移送体を同軸的に本質的に伸長する。
‐前記ベースは、その内面に、具体的には、前記カバーに面するとともに前記流体分配チャネルの規定に有益な面に、前記追加の加熱装置の前記追加の加熱ワイヤと、前記流体分配チャネルに沿って分散配置された複数の流体分配開口と、を備える。
‐また、前記ベースは、前記内面に、前記加熱ワイヤが前記流体分配チャネルのものと本質的に同様の形状を有する軌跡を取るように、前記追加の加熱ワイヤを保持するための複数のポイントを備える。
‐前記分配バーの外側の前記追加の加熱ワイヤの長さは、前記伸縮洗浄装置の前記可動ピストンが、その完全に伸長した位置まで移動可能であるように調整される。
‐前記追加の加熱ワイヤの出し入れのための少なくとも1つの通過開口が、前記分配バーの前記ベースに、例えば、前記端部分の近傍に配置され、これにより、前記追加の加熱ワイヤの通過が許容される。
‐前記ベースと、前記通過開口と、前記追加の加熱ワイヤとの間のシールを確保するように、樹脂又はゲルタイプの充填材料が、前記分配部分の上流面に追加され得る。
【0012】
必要であれば上述の特徴のうちの一方又は他方を補完し得る本発明の他の特徴によれば、前記洗浄装置は、
‐前記入口フランジから突出するように形成される流体取込ノズルであって、前記流体取込ノズルは、前記洗浄装置の前記延長軸に対してオフセットしており、前記取込ノズルが開口する前記中空流体移送体は、前記洗浄装置の中心に位置する、流体取込ノズルと、
‐前記取込チャンバに対して反対側の前記可動ピストンに当接するように前記中空移送体に収容される、好適には圧縮バネである弾性リセット手段であって、前記可動ピストンを完全に収縮した位置へリセットすることを目的とする弾性リセット手段と、
を備える。
【0013】
本発明の第2の目的は、自動車両に取付けられることが意図される光学検出システムに関する。前記光学検出システムは、光学表面を有する少なくとも1つの光学センサを備える。前記光学検出システムは、少なくとも1つの洗浄及び/又は乾燥流体を前記光学表面に噴射することが意図される、上述のような伸縮洗浄装置を備えることを特徴とする。
【0014】
前記洗浄装置は、加熱装置が取付けられた少なくとも1つのロッドを備える。必要であれば、前記洗浄装置は、前記第1加熱装置から独立した追加の加熱装置が取り付けられた流体分配バーを備え得る。
【0015】
有利な態様において、前記光学検出システムは、本発明による前記加熱洗浄装置の上流に、流体を移送するための加熱管を備え得る。前記加熱管の内部に、コネクタに連結された抵抗ワイヤが延在する。
【0016】
本発明の第3の目的は、少なくとも1つの洗浄及び/又は乾燥流体を、自動車両の洗浄すべきガラス表面、例えば光学センサの光学表面に噴射することが意図される上述のような洗浄装置が取付けられた少なくとも1つの光学検出システムが取付けられた自動車両に関する。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点は、例示を目的とした非制限的な例として以下に記載の本発明の実施形態に関する詳細な説明を読み、添付図面を参照することでより明瞭になるであろう。図面において、少なくとも1つの洗浄及び/又は乾燥流体を、自動車両の洗浄すべきガラス表面に対して噴射することが意図される本発明の一態様による伸縮洗浄装置が示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による少なくとも1つの洗浄装置を備える検出システムが設置された車両の正面図。
図2】本発明による検出システムの構成における、洗浄装置及び関連する光学センサの実施形態であって、洗浄装置は中空移送体の端部に分配バーを有する実施形態の概略斜視図。
図3】本発明による洗浄装置の一部の、長手方向軸(X)を含む断面における断面図であって、前記装置の構成要素間の協働、より具体的には、図2に記載の中空移送体の内部における、第1加熱装置を備えたロッドと、完全に収縮した位置、すなわち休止位置にある可動ピストンとの協働を示す断面図。
図4】第1加熱装置を備えた本発明による伸縮洗浄装置のロッドを示す図であって、前記加熱装置が組付状態にある図。
図5】第1加熱装置を備えた本発明による伸縮洗浄装置のロッドを示す図。
図6a】好適な例示的実施形態における本発明による洗浄装置の分配要素であって、特に第2加熱装置が内部に一体化された分配バーを有する分配要素の分解正面図。
図6b】好適な例示的実施形態にある本発明による洗浄装置の分配要素であって、特に第2加熱装置が内部に一体化された分配バーを有する分配要素の分解正面図。
図6c】好適な例示的実施形態にある本発明による洗浄装置の分配要素であって、特に第2加熱装置が内部に一体化された分配バーを有する分配要素の分解背面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず第1に、図面により本発明がその実施のために詳細に示されている場合、必要であれば図面は当然ながら本発明をより良く定義する目的を果たし得ることに留意されたい。同様に、全ての図面において、同一の要素は同一の符号によって示されることに留意されたい。図面により示される本発明の実施形態は、非制限的な例であることを理解されたい。したがって、本発明による前記洗浄装置の構成要素、具体的にはロッド、ピストン、及び/又は流体分配要素の配置及び寸法を特に変更することにより、本発明による洗浄装置の他の構成が実現可能である。
【0020】
以下の説明において、「上流」、「下流」という指示は、本発明による洗浄装置内における流体の流れの方向を基準としている。したがって、「上流」という指示は、前記流体が本発明による装置に取り込まれる側を指し、「下流」という指示は、流体が本発明による装置から自動車両の光学検出ユニットの光学センサの表面に向かって外部に分配される側を指す。
【0021】
図1は、運転支援システムの一部である、本発明による検出ユニットを備える車両1を示す。本例において、前記検出ユニットは、光学センサ2と、本発明による洗浄装置3とを、車両1の前端部に備える。検出ユニットは、本例において、車両の前端部に、特にラジエーターグリルに配置されている。
【0022】
図2は、洗浄装置3を示す。洗浄装置3は、光学センサ2及びその光学表面2’の近傍に配置される。洗浄装置3は、特に、本例において分配バーによって構成された流体分配要素4を備える。流体分配要素4は、端部分45によって、延長軸Xに沿った延長形状を有する中空移送体5の下流端部に固定されている。中空移送体5は、光学センサ2のハウジング6に固定されている。
【0023】
分配要素4は、(図3に示される)可動ピストン8の端部において支承される。可動ピストン8は、分配要素4が洗浄位置と収縮位置とを取り得るように、中空移送体5の内部において伸長位置と収縮位置との間で摺動するように構成される。洗浄位置において、分配要素4は、洗浄すべき光学表面2’の前方に伸長し、洗浄流体が光学表面に噴射されるように、分配要素の分配口が配向される。図2に示す収縮位置において、分配要素は保護されて、光学センサ2による検出を妨げない。
【0024】
図3は、中空移送体5の内部を示すとともに、前記伸縮洗浄装置3の構成要素間の協働を示すことを許容する。伸縮性は、可動ピストン8の移動によるものである。
【0025】
伸縮洗浄装置3は、洗浄装置3の長手延長軸(X)に従って上流から下流に、流体取込ノズル10と、入口フランジ12と、入口フランジ12に接合されたロッド14と、可動ピストン8と、弾性リセット手段16と、図2に示す分配要素4と、から本質的に構成される。前記部品のそれぞれは、中空流体移送体5に対して延長軸(X)を中心とした回転位置に配置される。
【0026】
中空流体移送体5は、上流端部において入口フランジ12によって閉鎖されるとともに、可動ピストン8を収容するように構成されている。可動ピストン8は、延長軸に沿って、特に中空移送体8内で下流端部に配置されるガイドスリーブ18によって、並進移動するようにガイドされる。
【0027】
流体取込ノズル10は、入口フランジ12から突出するように形成される。本例において、流体取込ノズル10は、中空流体移送体5の長手方向軸(X)に対してオフセットした状態で、中空移送体5と反対方向に延在する。取込ノズル10は、中空体5の内部において取込チャンバ20に開口する長手方向貫通口を有する。取込チャンバ20は、少なくとも部分的に、入口フランジ12と、中空移送体5の周壁と、可動ピストン8とによって画定される。
【0028】
入口フランジ12は、中空流体移送体5の上流端部を閉鎖するように構成される。シール部材が、この閉鎖のために設けられ得る。入口フランジは、中空流体移送体5の内部に面するその内面において、ロッド14を支持するように構成される。
【0029】
ロッド14は、入口フランジ12から中空流体移送体5の内部に突出するように延在し、前記ロッド14の周囲で摺動するように構成された可動ピストン8に対する並進移動ガイド部材を形成する一方、他方で、中空移送体に流体取込ノズル10を介して注入された洗浄液の圧力を受けた可動ピストンの並進移動駆動装置の一部を形成する。本発明による伸縮洗浄装置の動作を以下に説明する。
【0030】
ロッド14は、延長軸に沿って、入口フランジ12から突出して延在する。本発明によれば、ロッド14は加熱装置22を有する。
【0031】
加熱装置22は、特に、加熱要素24と、延長軸Xに沿って延在する熱伝導性中空円筒状チューブ26と、を備える。加熱要素24は、熱伝導性中空円筒状チューブ26の内部に収容されている。図示例の加熱要素は抵抗ワイヤの形状にあるが、これは、加熱要素が少なくとも部分的に加熱要素とは別個の熱伝導性チューブの内部に収容されている限り、本発明を限定するものではない。
【0032】
熱伝導性チューブ26は、ロッド14の外側ケースを規定する。中空移送体に存在する洗浄流体の圧力が可動ピストンを弾性手段16のリセット力と反対方向に移動させるのに十分である時、ロッドと可動ピストンとの間を通流しようとする流体は、熱伝導性チューブの壁に直接接触して通流し、これにより、加熱要素24からチューブの壁において放散された熱が、分配要素4の方向において可動ピストンを横切る洗浄液に直接伝達される。
【0033】
このようにして、ロッド14は、熱伝導性チューブの外径により規定された形状、すなわち、本例において、環状断面を有する円筒状中空チューブ形状を有し、その外周面は平滑である。したがって、ロッド14の内部にアクセス可能であることを目的として、熱伝導性チューブ26と入口フランジ12との接合部において通過開口28が配設されるように、ロッドは延長軸に沿うその全寸法に亘って中空である。
【0034】
ロッドの自由端部において、すなわち、入口フランジに対して反対側の端部において、ロッドは、熱伝導性チューブ26の下流端部に取付けられたノズル30によって閉鎖される。特に加熱要素を形成している抵抗ワイヤの張力及びロッド14の全体延長寸法に亘るその位置を確保するように、ノズル30は、加熱要素24を保持するための手段32を備える。ロッド14の内部に配置される加熱要素に独自の他の特徴を、ユニットのアセンブリをより詳細に述べる際に以下に説明する。
【0035】
ノズル30は、Oリング36を収容可能な周囲凹部34を備え、これにより、ピストン8は、これを包囲するロッド14に沿って、シールした態様において摺動可能となっている。Oリングシール36は、可動ピストンの内面に接して支持されるように構成される。
【0036】
本例において、加熱要素24によって放散された熱をロッドの外周面に沿って通過する洗浄液に伝達するように、熱伝導性チューブ26が、本発明の一態様によれば、熱伝導性金属材料から、好適には真鍮又はアルミニウムから構成されている場合、ノズルはプラスチック材料からなる。
【0037】
可動ピストン8は、入口フランジ12に面するその上流端部の近傍に、クラウン38を備える。クラウン38の外壁には、シール要素42を収容可能な周囲凹部40が設けられる。これにより、可動ピストン8は、シールした態様において中空流体移送体5内を摺動可能であり、可動ピストン8の内部において前記ピストンとロッド14との間で流体が通流することが確保される。シール部材42は、好適には、中空体5における可動ピストン8の摩擦を制限可能なリップシールである。
【0038】
可動ピストン8は、実質的に円筒状の複数の部分を備える。これらの部分は、上流から下流に、クラウン38を支承する取込部44と、中空流体移送体本体5の下流端部に配置された中空ガイドスリーブ18の内部を摺動可能である中央部46と、より小径の端分配部48として規定され得る。
【0039】
可動部材8は、洗浄流体50用の内側分配管50により中空となっている。内側分配管50は、その上流端部における上方伸長部分52と、その下流端部におけるより小径の下方部分54と、を備える。上方伸長部分52により、可動ピストン8をロッド14の周囲で摺動可能とされる。下側部分54により、可動ピストン8の内部を通流するように設けられた洗浄流体が、分配要素4から光学センサ2に向かって噴射されるように加圧され得る。
【0040】
可動ピストン8は、流体分配端部48によって、洗浄流体分配要素4に連結される。図2に示す本発明の好適な実施形態によれば、洗浄流体分配要素4は、中空流体移送体5の下流端部に、すなわち可動ピストン8の流体分配端部48に、端部分45によって固定された分配バー4によって構成される。より具体的には、特に図6a乃至6cに示すように、ピストン8に配置された分配管50の下方部分54が、分配要素4の、具体的には分配バーの流体分配チャネル56に連通するように、可動ピストン8の流体分配端部48は配置される。
【0041】
ロッド14の自由端部を形成する少なくともノズル30が、可動ピストン8の内側分配管50の内部に延在するように、可動ピストン8は、中空体5において、可動ピストン8に対して実質的に同軸的に延在するロッド14の周囲に取付けられる。可動ピストン8は、中空移送体5において、完全に収縮した位置、すなわち休止位置と、完全に伸長した位置、すなわち洗浄位置との間で、取込ノズル10を介して取込チャンバ20に到達した洗浄流体の圧力を受けて摺動する。好適には螺旋圧縮バネである弾性リセット手段16が、中空移送体5において、一端部が中空体5の底部に接してガイドスリーブ18の周囲に支持され、反対側の端部がクラウン38の面に接して支持されるように、中空体の周壁と可動ピストン8との間に配置される。弾性リセット手段16は、可動ピストン8の長手方向移動を許容するように、流体圧力を受けて変形可能である。したがって、可動ピストン8は、流体が洗浄装置3に投入されるフェーズにおいて取込チャンバ20の反対側に移動し、流体の噴出による洗浄フェーズの終了時に逆向きの復元移動を行うということが理解される。
【0042】
可動ピストン8及び/又はロッド14、本例において可動ピストン8は、洗浄流体が取込チャンバ20から可動ピストンの内部に流入することを許容する複数の貫通チャネル58を備えるように構成される。その可変体積は、可動ピストン8の入口フランジ12に対する位置に依存して規定される。貫通チャネル58は、それぞれ、本例において内側分配管50を画定する可動ピストン8の内壁に配置された溝により形成される。可動ピストン8がロッド14に対して摺動している間、ロッド14のノズル30に配置されたOリングシール36が(図3に示すように)前記貫通チャネルの端部の下流に位置している限り、流体は貫通チャネルにおいてブロックされ、貫通チャネルの少なくとも1つの端部がOリングシール36を超えて位置付けられると、流体は貫通チャネルから分配要素4に漏出可能となることが理解される。
【0043】
貫通チャネル58は、分配要素4への流体の漸進的な到達を制御可能であるように、異なる軸方向及び/又は径方向寸法を有し得る。「軸方向寸法」という表現は、可動ピストン8の長手方向延長軸Xの方向における貫通チャネル58の高さとして理解されたい。一方、「径方向寸法」は、貫通チャネル58が配置され得る可動ピストン8の内壁の厚さにおける前記貫通チャネル58の深さとして理解されたい。
【0044】
図4及び5は、本発明による伸縮洗浄装置の円筒状ロッド14をより詳細に示す。前記ロッドは、延長軸Xに沿って入口フランジ12から突出するように延在するとともに、加熱要素24と熱伝導性チューブ26とにより構成される加熱装置22を備える。
【0045】
熱伝導性チューブは加熱要素24を包囲し、それらは入口フランジ12に対して中心位置にある延長軸Xに沿って延在する。
【0046】
加熱要素24は、熱伝導性チューブ26の内部において、入口フランジ12から、熱伝導性チューブ26の端部に配置されたノズル30に延在している。
【0047】
図示例において、加熱要素24を形成する抵抗ワイヤは、ノズル30において、したがって、円筒状ロッドの下流端部近傍において、入口フランジを通過開口28においてそれぞれ横切るように並んで延在する2つのストランドを有するようにループ形状を有する(図3は断面図であるため加熱要素の一方のストランドのみが示されている)。通過開口28のサイズは、加熱要素24の互いに対して押圧されているストランドのサイズより大きい。
【0048】
このようにして、加熱要素は、ベースがノズル30に配置されたU字形状を有している。更に、本例において、ノズル30は、熱伝導性チューブ26に例えば力によって挿入されることが意図されるベース31を、その下流端部に有する。このベースは、加熱要素がそのループにおいて横切るように構成された小孔を備える。組み付けに際して、加熱要素の端部が保持開口32を形成する小孔に通され、加熱要素がループを形成するように当該小孔の周囲で折り返されることを理解されたい。
【0049】
加熱要素24がチューブ26の内部に配置されたら、樹脂又はゲルタイプの充填材料が、熱伝導性チューブの内部に、通過開口28を介して注入される。この充填材料は、チューブにおいて、ノズル30から入口フランジへ延び、適切であれば、入口フランジの外面に広がるように通過開口28に重なり合う。このようにして、入口フランジ12と、加熱要素24が出入りする通過開口28と、熱伝導性チューブ26の内部との間のシールが確保される一方、他方で加熱要素の熱伝導性チューブの内部における位置が、操作中にこれらが移動しないように固定される。
【0050】
本発明による洗浄装置に取付けられる加熱装置の組付方法を説明する。好適な実施形態によれば、熱伝導性チューブ26は、入口フランジ12にオーバーモールドされる。そうでなければ、入口フランジ12はプラスチック材料から構成される。このオーバーモールド工程において、熱伝導性チューブは、入口フランジから通過開口28の周囲において突出するような態様で配置される。
【0051】
本例において、加熱要素24を形成する抵抗ワイヤを、入口フランジ12に通過開口28を介して挿入し、次いで、第1外方軌跡に従い延長軸Xに沿って、熱伝導性チューブ26の内部で引く。要素の端部が熱伝導性チューブ26の下流端部に差し掛かると、ループを形成するように加熱要素の端部をノズル30を保持するための開口32を通過させ、そして再度熱伝導性チューブ26内に収容する。次いで、加熱要素が入口フランジ12を再度通過開口28において横切るまで、加熱要素をチューブに沿って第1に平行な第2内方軌跡に従って摺動させる。組付方法のこの段階におけるユニットの構成を図4に示す。次いで、ノズル30を、熱伝導性チューブ26にクリンプ留め、ネジ留め、又は嵌入により固着し、図5に示すように、加熱要素を、そのコネクタ(図示せず)において反対側の端部において引張る。
【0052】
電源にコネクタ(図示せず)を介して電気的に連結された加熱要素24は、熱伝導性材料、好適には真鍮又はアルミニウムからなる熱伝導性チューブ26を加熱可能であることを理解されたい。
【0053】
光学表面を洗浄する必要が生じ、上述のように洗浄液がロッド14と可動ピストン8との間で中空移送体5を横切ると、ユーザからの要求に応じて、又は特定の気象条件の検出に従って、ロッド14に一体化された加熱装置によって洗浄液が加熱されるように自動的に作動される。
【0054】
したがって、加熱装置22に取付けられた円筒状ロッド14の機能は、可動ピストンをガイドする機能、及び分配要素に向かって移動する洗浄液の量を制御する機能の他に、洗浄装置3に入口フランジ12の取込ノズル10を介して進入し、円筒状ロッド14の外壁に沿って流れる流体を伝導によって加熱することである。
【0055】
図示の実施形態において、熱伝導性チューブ26は、流体の流れに伝達されるべき熱を均一に分散させる機能を有するとともに、適切であればノズル30及び充填材料を用いて加熱要素24を所定位置に保持することを可能とする。
【0056】
図6a、6b及び6cは、本発明による洗浄装置3の分配要素4を示す。本発明の好適な実施形態によれば、分配要素4は、追加の一体化された加熱要素60を備える分配バー4により構成される。分配バー4は、中空移送体5の延長軸Xの両側に実質的に対称的に延在する。より正確には、分配バー4は、その端部分45の反対側に、分配部分62を備える。端部分45により、分配バー4は中空移送体5に取り付けられる。分配部分62は、延長軸Xに実質的に垂直な横手方向Yにおいて、移送体5の下流端部及び前記延長軸Xの両側に実質的に対称的に延在する。分配部分62は、ベース64から形成される。ベース64は、分配バー4を伸長する第1部分を形成するとともに、好適には溶接によって、カバー66を形成する第2部分に組み付けられ得る。これにより、これら2つの部分の間に、流体分配チャネル56が規定される。流体分配チャネル56は、その底部に、分配要素4が伸長位置にあるときに流体を洗浄すべき光学表面に噴射するように、複数の流体分配開口68を備える。
【0057】
本例において、分配バー4は、追加の加熱装置60を備える点で特徴的である。加熱装置60は、バーに一体化されるとともに、上述のようにロッド14に存在する加熱装置22から独立している。
【0058】
本例において、追加の加熱装置60は、追加の加熱ワイヤ70を備える。加熱ワイヤ70は、ロッド14のチューブ26に収容される加熱要素24とは別箇のものであり、電源に図示しないコネクタによって電気的に連結される。
【0059】
追加の加熱ワイヤ70は、分配バー4の内部に存在する部分と、バーの外部に存在する部分であってコネクタに連結され得る部分と、を備えていることを理解されたい。ベース64に実現された通過開口72により、追加の加熱ワイヤの前記2つの部分は連結され得るとともに、追加の加熱ワイヤ70がベースを貫通可能とされる。通過開口64の直径は、追加の加熱ワイヤの外径より大きい。
【0060】
図6bに示すように、追加の加熱ワイヤ70のバーの内側部分は、分配部分62のベース64の内側面に、すなわち、カバー66に面するベースの面に、ベースの前記内側面に配置された複数の保持ポイント74によって保持されつつ、流体分配チャネル56に沿って延びる。
【0061】
追加の加熱ワイヤ70の内側部分の長さは、流体分配チャネル56の長さに応じて規定される。追加の加熱ワイヤの外側部分の長さは、伸縮洗浄装置3の可動ピストン8がその完全に伸張した位置に移動可能であるように規定される。追加の加熱ワイヤの外側部分は、分配要素がその収縮位置に移動する際に絡まることがないように、シースに配置され得る。
【0062】
加熱要素24及びロッド14についての上記記載に従って、樹脂又はゲルタイプの充填材料が、分配部分62と、通過開口72と、追加の加熱ワイヤ70との間のシールを確保するように、通過開口72に追加され得る。
【0063】
本発明の一態様による洗浄装置は、中空移送体に、より具体的にはロッドに配置された少なくとも1つの加熱装置を備え、このロッドの周囲で、中空移送体に支承された分配要素の伸縮伸長のために可動ピストンが摺動することを理解されたい。また、上述のような第1の追加の加熱装置を分配要素に対して追加的に設けることも可能である。また、前記第1の追加の加熱装置に代えて又はこれに加えて、第2の追加の加熱装置を、本発明による加熱洗浄装置3の上流にこれへの流体の供給のために配置された洗浄及び/又は乾燥流体移送管に配置することも想定され得る。第2の追加の加熱装置は、コネクタに連結されるとともに移送管内に又はその外周に配置された抵抗ワイヤの形状にある。したがって、気象条件に適合すべく、加熱装置のうちの一方及び/又は他方の稼働を、前記加熱装置それぞれのサイズを大きくする必要なく制御することができる。このようにして、非常に寒冷な条件では加熱装置のそれぞれを、また、温度がそれほど過酷でない場合には中空移送体に配置された加熱装置のみを稼働させることにより、必要な電力供給が正確且つ効率的な態様で定められる。
【0064】
上記記載は、本発明がいかにして設定された目的を達成するかについて、及び特異コンパクトな伸縮洗浄装置について説明するものである。伸縮洗浄装置は、少なくとも1つの加熱装置を配置することにより、光学センサの光学表面に噴射される洗浄及び/又は乾燥流体の洗浄能力を向上させることができ、加熱装置はその実現及び前記洗浄装置への設置が容易である。
【0065】
本発明は、本明細書において非制限的な例として具体的に挙げた実施形態に制限されるものではなく、特に、同等の全ての手段に、及び技術的に有効な前記手段の全ての組合せをカバーする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c