(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】歩行調整用のシステム及び装置並びにその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220308BHJP
A61N 1/22 20060101ALI20220308BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/22
A61N1/04
(21)【出願番号】P 2018534781
(86)(22)【出願日】2017-01-11
(86)【国際出願番号】 US2017012977
(87)【国際公開番号】W WO2017123608
(87)【国際公開日】2017-07-20
【審査請求日】2019-12-19
(32)【優先日】2016-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507373704
【氏名又は名称】バイオネス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マクブライド,キース ショーン
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-525062(JP,A)
【文献】特表2014-519949(JP,A)
【文献】特表2005-527256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0265834(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
A61N 1/04
A61N 1/22
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肢の一部分がフレームアセンブリによって実質的に覆い囲まれるように前記肢の前記一部分に着脱可能に結合されるように構成されているフレームアセンブリと、
前記肢の神経筋系の一部分と電気通信するように構成されている電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、前記肢が前記フレームアセンブリによって実質的に覆い囲まれると前記フレームアセンブリと前記肢との間に少なくとも部分的に配置され、第1電極セット及び第2電極セットを含む電極アセンブリと、
第1コネクタ、第2コネクタ及び第3コネクタを含むコネクタアセンブリであって、前記第1コネクタは、前記フレームアセンブリの第1開口部内に配置され、前記第2コネクタは前記フレームアセンブリの第2開口部内に配置され、前記第3コネクタは前記フレームアセンブリの第3開口部内に配置され、前記第1コネクタ、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタの各々は前記電極アセンブリに選択的に結合されるように構成されている、コネクタアセンブリと、
前記第1コネクタ、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタに電気的に結合された電気刺激器であって、前記電気刺激器は前記コネクタアセンブリの
前記第1コネクタ、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタの少なくとも一つを通じて前記電極アセンブリと電気通信し、前記電気刺激器は、実質的に第1時間の間に、第1チャネルを通じて、前記肢の神経筋系に電気刺激を与えるように動作可能な前記第1電極セットに第1信号を送信するように構成されており、第2チャネルを通じて、前記肢の前記神経筋系に電気刺激を与えるように動作可能な前記第2電極セットに第2信号を送信するように構成されており、実質的に前記第1時間又は前記第1時間に続く第2時間のうちの少なくとも1つの間に前記第2信号を送信するように構成されている、電気刺激器と、を備える装置。
【請求項2】
前記第1電極セットは第1カソード電極及び第1アノード電極を含み、前記第2電極セットは第2カソード電極及び前記第1アノード電極を含み、前記第1コネクタは前記第1カソード電極に着脱可能に結合され、前記第2コネクタは前記第2カソード電極に着脱可能に結合され、前記第3コネクタは前記第1アノード電極に着脱可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1電極セットは第1カソード電極及び第1アノード電極を含み、前記第2電極セットは第2カソード電極及び第2アノード電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1電極セットは、第1カソード電極と、第1アノード電極と、第2アノード電極と、前記第1アノード電極及び前記第2アノード電極が共通のアノード電極として動作可能であるように前記第1アノード電極及び前記第2アノード電極の間に短絡と、を含み、
前記第2電極セットは、第2カソード電極と、前記第1アノード電極と、前記第2アノード電極と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電気刺激器は、前記第1時間に前記電極アセンブリに前記第1信号及び前記第2信号を送信し、前記電
気刺激器は、第1振幅を有する電気刺激を前記肢の前記神経筋系に前記第1電極セットが与えるように前記第1信号を前記電極アセンブリに送信し、前記第1振幅とは異なる第2振幅を有する電気刺激を前記肢の前記神経筋系に前記第2電極セットが与えるように前記第2信号を前記電極アセンブリに送信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1振幅は、約10ミリアンペア(mA)~約60ミリアンペア(mA)の範囲内であり、前記第2振幅は、約10ミリアンペア(mA)~約40ミリアンペア(mA)の範囲内である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1振幅は約30ミリアンペア(mA)であり、前記第2振幅は約25ミリアンペア(mA)である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1電極セットは、前記フレームアセンブリに着脱可能に結合されている可撓性材料のパネルに固定的に結合されており、前記第2電極セットは可撓性材料の前記パネルに固定的に結合されており、前記第1電極セット及び前記第2電極セットは、前記コネクタアセンブリの前記第1コネクタ、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタのうちの少なくとも2つに相補的なコネクタを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電極アセンブリは可撓性パネルを含み、前記第1電極セットは前記可撓性パネルに配置されており、前記第2電極セットは前記可撓性パネルに配置されており、前記第1電極セット及び前記第2電極セットの各電極は、前記可撓性パネルの非導電領域によって前記第1電極セット及び前記第2電極セットのその他全ての電極から分離されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記肢の前記神経筋系に与えられた前記電気刺激は、(1)足の背屈、及び(2)回外位から中間位への足の運動を同時にもたらす、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1
信号及び前記第2
信号は、同時の、足の背屈と、回外位又は回内位の一方から中間位への前記足の運動と、を集合的にもたらす、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記電極アセンブリは、第1カソード電極と、第2カソード電極と、前記フレームアセンブリに着脱可能に結合された可撓性パネルに固定的に結合された共通アノード電極と、を含み、前記共通アノード電極は、前記第1カソード電極及び前記第2カソード電極の総表面積以上の表面積を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1コネクタ、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタは各々、前記フレームアセンブリに対して実質的に固定された位置に前記電極アセンブリのそれぞれの電極を保持するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記電
気刺激器は、第1活動モード及び前記第1活動モードと異なる第2活動モードで選択的に動作可能であり、前記第1活動モードの前記電
気刺激器は、前記第1活動モードに関連付けられた第1刺激パラメータセットに基づいて前記第1
信号及び前記第2
信号を送信するように構成されており、前記第2活動モードの前記電
気刺激器は、前記第2活動モードに関連付けられた第2刺激パラメータセットに基づいて前記第1
信号及び前記第2
信号を送信するように構成されており、前記第2刺激パラメータセットは前記第1刺激パラメータセットとは異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1活動モードは歩行モードであり、前記第2活動モードはサイクリングモードである、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
複数のセンサをさらに備え、前記複数のセンサの第1センサは、前記肢の第1部分に配置されるように構成されており、前記第1センサは前記電気刺激器に信号を送信するように構成されており、前記複数のセンサの第2センサは、前記肢の第2部分に配置されるように構成されており、前記第2センサは前記電気刺激器に信号を送信するように構成されており、
前記電気刺激器は、
前記電気刺激器が前記第1活動モードであるのか前記第2活動モードであるのか、前記第1センサから受信された信号及び前記第2センサから受信された信号に少なくとも部分的に基づいて選択的に刺激を出力するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記コネクタアセンブリは、前記フレームアセンブリの第4開口部内に配置された第4コネクタを含み、前記第4コネクタは、前記電極アセンブリに選択的に結合されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記第1電極セットは第1カソード電極及び第1アノード電極を含み、前記第2電極セットは第2カソード電極及び前記第1アノード電極を含み、前記第1コネクタは前記第1カソード電極に着脱可能に結合され、前記第2コネクタは前記第2カソード電極に着脱可能に結合され、前記第3コネクタは前記第1アノード電極に着脱可能に結合され、前記第4コネクタは前記第1アノード電極に着脱可能に結合される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[1001] 本出願は、参照により全体が本明細書中に組み込まれる、2016年1月11日に出願された、「歩行調整用のシステム及び装置並びにその使用方法(Systems and Apparatus for Gait Modulation and Methods of Use)」という名称の米国仮特許出願第62/277,259号の優先権及び利益を主張する。
【0002】
[1002] 本明細書中に記載される実施形態は、全般的には、歩行調整システムに関し、より具体的には、歩行調整用の機能的電気刺激(FES:functional electrical stimulation)システム又は装具、並びにこの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[1003] 例えば、卒中、脊髄損傷、頭部外傷、外傷性脳損傷、脳性麻痺、及び多発性硬化症などの中枢神経系の疾患又は外傷による神経筋系の病状は、腕又は脚(又はその一部)の肢機能を阻害するおそれがあることは知られている。歩行(gait)(歩行(walking)の生体力学的表現)は、神経筋の障害による静的及び動的パラメータの変化を受けるおそれがあり、非対称な歩行、歩行速度の低下、及び/又は歩行安定性の低下を引き起こす可能性がある。例えば、下垂足は、中枢神経系の疾患又は外傷による、足首の背屈筋の弱い又は協調を欠いた活性化に起因する歩行特性を表す。下垂足に罹患している患者は、歩行の遊脚相時に足を引きずる傾向があり、通常、この引きずりを、対応する股関節部を上げること又は対応する脚を円運動で旋回させることによって補償しようとする。これら患者は、安定性が低下し、頻繁に転倒しがちであり、その歩行運動は美しくなく、エネルギーを消費する傾向にある。
【0004】
[1004] しかしながら、肢の筋肉は、一般に、機能的電気刺激(FES)によって活性化することができる。FESでは、(例えば、神経機能代替、FES装具等による)正確に時間計測された短い電気パルスのバーストを運動神経に加え、筋収縮を発生させる。FESは肢機能を高めるために加えられ得る。神経機能代替システムは周知であるものの、このようなシステムの一部には、システムを潜在的な患者に広く使用させないようにする欠点がある。例えば、卒中又は脳損傷が腕の運動又は歩行に問題をもたらす場合、このような問題には、問題のある肢と同じ体の側に手の障害を伴うことが多い。従って、FES装具の装着は、対側の罹患していない手だけを用いて実施されることが多い。更に、特に、痙縮が随意運動の低下及び/又は肢関節の受動可動域の制限をもたらす場合、麻痺肢の姿勢が問題になることが多い。従って、いくつかの既知の装具用デバイスの装着、及び(所望の運動パターンの作動のために必須の)肢の正確な位置に電極を位置決めすることには客観的な生体力学的課題がある。このため、いくつかの既知の神経機能代替デバイスでは、特に、影響を最も受けていない手が震えている又は不安定である場合に、障害のある患者が片手を使用し、デバイスを容易に、迅速に、正確に装着することを可能にしていない。
【0005】
[1005] FESデバイスは、典型的には、FES装具とは物理的に別個の刺激器ユニットを用いて、運動神経に印加される電気パルスを生成し、制御する。いくつかの電線によってFES装具に接続される外部刺激器ユニットは、ユーザの体に配置される及び/又はそうでなければユーザによって着用若しくは保持される。これらデバイスはユーザにとって不便となり得る。特に、デバイス構成要素を接続するために、通常、衣服の下で脚に沿って走行するように配置される配線は操作が困難で、煩雑で、不快な場合がある。
【0006】
[1006] 他の場合では、FES装具は自己内蔵型デバイスであり得る。例えば、いくつかの既知の装具は、熱可塑性プラスチック材料製の細いバンドに結合された刺激器ユニットを含み得る。バンドは、熱可塑性プラスチック材料を加熱して軟化させ、その後バンドを下の肢部分の輪郭に取り付けることにより個々のユーザの肢の解剖学的構造に合わせて成形される。従って、デバイスの形状及び大きさ並びに電極の位置決めは1人のユーザの脚にカスタムフィットされるとともに、ユーザに対して個別化される。この手順は、例えば、筋肉の収縮を生じさせる刺激点を正確に特定し、筋肉に電極を配置及び固定するように訓練された医療専門家によって実施される。
【0007】
[1007] 電気刺激による脚の筋肉の活性化は、典型的には、1つ以上の電極を通じて患者の皮膚表面に高い刺激電流を伝送し、下にある興奮性の運動神経及び筋肉組織に加え、皮膚の感覚受容器を活性化することを含む。このため、感覚活性化の強度は、皮膚表面を通る電流の密度の度合いに依存することが多い。従って、筋活性化のレベルは、このような皮膚の痛みセンサの活性化に対する患者の個々の耐性に限定されることが多い。従って、患者が耐えられる刺激パラメータは、FESに応じて障害された肢の最適な運動を促すには不十分な場合がある。加えて、一部の既知のシステムは障害された肢の運動(例えば、足の背屈)を促すためにFESを与えるが、このようなシステムの1つ以上の電極は障害された肢の望ましい運動が達成されるまで患者の皮膚上で種々の位置に移動させなければならない。
【0008】
[1008] 従って、患者が肢に容易に且つ正確に装着することができる神経機能代替システムの改良されたシステム及び装置が必要とされている。障害された肢の修正運動の増大をより低い強度の刺激で得ることができるような電気刺激を与えることができる刺激ユニットを含む、神経機能代替システムの改良されたシステム及び装置も必要とされている。1つ以上の電極を患者の皮膚上の複数の位置に移動させる必要のない、障害された肢の運動を促すための電気刺激を与えることができる神経機能代替システムの改良されたシステム及び装置が更に必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
[1009] 本明細書中に記載される実施形態及び方法は、障害された肢を持つユーザのための改良型機能的電気刺激(FES)装具に関する。ある実施形態では、装置は、フレームアセンブリと、電極アセンブリと、電気刺激器と、を含む。フレームアセンブリは、肢の一部分がフレームによって実質的に覆い囲まれるように、肢の一部分に着脱可能に結合されるように構成されている。電極アセンブリは、肢の神経筋系の一部分と電気通信するように構成されている。電極アセンブリは、フレームアセンブリに着脱可能に結合されている。電極アセンブリは、第1電極セットと第2電極セットとを含む。電気刺激器は、フレームアセンブリに着脱可能に結合されており、電極アセンブリと電気通信する。電気刺激器は、肢の神経筋系に電気刺激を与えるために、実質的に第1時間の間に、第1チャネルを通じて第1電極セットに第1信号を送信するように構成されている。電気刺激器は、肢の神経筋系に電気刺激を与えるために第2チャネルを通じて第2電極セットに第2信号を送信するように構成されている。電気刺激器は、実質的に第1時間又は第1時間に続く第2時間のうちの少なくとも1つの間に第2信号を送信するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による肢の機能的電気刺激用システムの概略図である。
【
図2】一実施形態による機能的電気刺激(FES)システムの電極セットによって一部形成された刺激チャネルのセットの概略図である。
【
図3】一実施形態による機能的電気刺激(FES)システムの電極セットによって一部形成された刺激チャネルのセットの概略図である。
【
図4】一実施形態による歩行調整用のFES装具の側面図である。
【
図5】一実施形態による歩行調整用のFES装具の正面図である。
【
図6】一実施形態による歩行調整用のFES装具の斜視図である。
【
図6A】一実施形態によるコネクタカバーの分解図である。
【
図7】
図4のFES装具の一部分フレームアセンブリの側面図である。
【
図8】
図4のFES装具の一部分フレームアセンブリの側面図である。
【
図9】
図4のFES装具の一部分フレームアセンブリの斜視図である。
【
図10】第1構成にある、
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の斜視図である。
【
図11】第2構成にある、
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の斜視図である。
【
図12】
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の側面図である。
【
図13】
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の斜視図である。
【
図14】
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の側面図である。
【
図15】分離構成にある、
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の背面図である。
【
図16】分離構成にある、
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の背面図である。
【
図17A】実施形態による
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の断面図である。
【
図17B】実施形態による
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の断面図である。
【
図18A】分離構成にある、
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の正面図である。
【
図18B】分離構成にある、
図4のFES装具のフレームアセンブリの一部分の背面図である。
【
図19A】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極の上面図である。
【
図19B】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極の底面図である。
【
図19C】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極基部の斜視図である。
【
図19D】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極基部の斜視図である。
【
図20A】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極の上面図である。
【
図20B】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極の底面図である。
【
図20C】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極基部の斜視図である。
【
図20D】一実施形態による
図4のFES装具とともに使用するように構成された電極基部の斜視図である。
【
図21】実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの正面図である。
【
図22】実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの正面図である。
【
図23】実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの正面図である。
【
図24】実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの正面図である。
【
図25】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図26】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図27】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図28】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図29】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図30】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図31】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図32】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図33】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図34】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図35】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図36】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図37】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図38】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図39】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図40】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図41】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図42】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図43】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図44】実施形態による、部分的に、
図4のFES装具の電気刺激器から電極アセンブリに電気刺激を与えることによって形成された電気刺激チャネルの概略図である。
【
図45A】一実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの底面図である。
【
図45B】一実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの上面図である。
【
図46A】一実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの底面図である。
【
図46B】一実施形態による
図4のFES装具の電極アセンブリの上面図である。
【
図47】一実施形態による肢の機能的電気刺激用システムの概略図である。
【
図48】一実施形態による装具の一部分の正面図である。
【
図51A】分離構成にある、
図48のFES装具のフレームアセンブリの一部分の正面図である。
【
図51B】分離構成にある、
図48のFES装具のフレームアセンブリの一部分の背面図である。
【
図52】一実施形態による
図48の装具とハウジングと電極とを含む、一実施形態によるFESシステムの一部分の背面図である。
【
図53】一実施形態による電極が装具に結合されている
図52のFESシステムの一部分の斜視図である。
【
図54】電極が第1構成及び第2構成で配置されている患者の正面図である。
【
図55】電極が第1構成及び第2構成で配置されている患者の背面図である。
【
図56】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図57】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図58】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図59】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図60】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図61】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図62】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図63】実施形態による
図48の装具のストラップアセンブリの一部分の図である。
【
図64】ハウジングがその上に配置されている
図48の装具の側面図である。
【
図66】一実施形態による、
図4のFES装具及び
図48のFES装具を含むFESシステムの概略図である。
【
図67】一実施形態による制御デバイスのユーザインタフェースの概略図である。
【
図68】一実施形態による制御デバイスのユーザインタフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1044] 本明細書中に記載される実施形態及び方法は、障害された肢を持つユーザのための改良型の機能的電気刺激(FES)装具に関する。特に、本明細書中に記載される実施形態及び方法は、下垂足などの歩行問題を持つユーザのための改良型のFES装具に関する。ある実施形態では、装置は、フレームアセンブリと、電極アセンブリと、電気刺激器と、を含む。フレームアセンブリは、肢の一部分がフレームによって実質的に覆い囲まれるように、肢の一部分に着脱可能に結合されるように構成されている。電極アセンブリは、肢の神経筋系の一部分と電気通信するように構成されている。電極アセンブリは、肢がフレームによって実質的に覆い囲まれると、フレームアセンブリと肢との間に少なくとも部分的に配置される。電極アセンブリは、第1電極セットと第2電極セットとを含む。電気刺激器は電極アセンブリと電気通信する。電気刺激器は、実質的に第1時間の間に、第1チャネルを通じて肢の神経筋系に電気刺激を与えるように動作可能な第1電極セットに第1信号を送信するように構成されている。電気刺激器は、第2チャネルを通じて肢の神経筋系に電気刺激を与えるように動作可能な第2電極セットに第2信号を送信するように構成されている。電気刺激器は、実質的に第1時間又は第1時間に続く第2時間のうちの少なくとも1つの間に第2信号を送信するように構成されている。
【0012】
[1045] ある実施形態では、装置は、フレームアセンブリと、電極アセンブリと、電気刺激器と、を含む。フレームアセンブリは、肢の一部分がフレームによって実質的に覆い囲まれるように、肢の一部分に着脱可能に結合されるように構成されている。電極アセンブリは、肢の神経筋系の一部分と電気通信するように構成されている。電極アセンブリはフレームアセンブリの内部表面に着脱可能に結合されており、可撓性材料のパネルと、パネルに結合された複数の表面電極と、を含む。複数の表面電極は、カソード電極セット及びアノード電極セットを含む。電気刺激器は、フレームアセンブリに着脱可能に結合されている。電気刺激器は、カソード電極セットの第1カソード電極とアノード電極セットの第1アノード電極との間の身体組織に第1電流を伝送するように、電極アセンブリに第1電流を印加するように構成されている。電気刺激器は、カソード電極セットの第2カソード電極と、アノード電極セットの第1アノード電極又は第2アノード電極のうちの少なくとも1つとの間の身体組織に第2電流を伝送するように、電極アセンブリに第2電流を印加するように構成されている。
【0013】
[1046] ある実施形態では、方法は、第1チャネルを通じて電気刺激器から電極アセンブリに第1信号を送信し、電極アセンブリの第1電極セットによって、実質的にある時間の間に、肢の神経筋系に第1パラメータセットを有する電気刺激を与えることを含む。第1電極セットは第1カソード電極及び第1アノード電極を含む。当該方法は、また、第2チャネルを通じて電気刺激器から電極アセンブリに第2信号を送信し、電極アセンブリの第2電極セットによって、肢の神経筋系に第2パラメータセットを有する電気刺激を与えることを含む。電気刺激は、実質的に第1時間又は第1時間に続く第2時間のうちの少なくとも1つの間に与えられる。第2電極セットは、第2カソード電極と、第1アノード電極又は第2アノード電極のうちの少なくとも1つと、を含む。
【0014】
[1047] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、別段の明確な指示のない限り複数形の指示対象を含む。従って、例えば、「a member(部材)」という用語は、単一部材又は部材の組み合わせを意味するものであり、「a material(材料)」は、1つ以上の材料又は材料の組み合わせを意味するものである。
【0015】
[1048] 本明細書で使用する場合、「肢(limb)」及び「肢部分(limb segment)」という用語は、哺乳動物の付属肢の少なくとも一部分を意味する。例えば、本明細書中に記載される実施形態は、人体の腕の一部分(例えば、肩、上腕、下腕、又は手)又は脚の一部分(例えば、股関節部、上脚、下脚、又は足)を含み得る肢部分に結合され得る及び/又はそうでなければ接触し得る。
【0016】
[1049] 本明細書で使用する場合、肢部分及び肢部分に結合される物品又はデバイスに関する「覆い囲む(envelop)」、「覆い囲んでいる(enveloping)」等の用語は、肢部分に結合されたときに肢部分の周囲の少なくとも2分の1を実質的に囲む及び/又は覆う物品又はデバイスを意味する。例えば、肢に結合されたときに物品又はデバイスが肢の一部分に実質的に外接する場合、物品又はデバイスは肢の一部分を覆い囲んでいると言える。
【0017】
[1050] 本明細書で使用する場合、用語「FES装具(FES orthosis)」、「装具(orthosis)」、「神経機能代替(neuroprosthetic)」、「FESシステム(FES system)」、「FESデバイス(FES device)」、「デバイス(device)」等は区別なく使用することができ、患者又はユーザの一部分に選択的に接触させる医療装置を全般的に意味する。本明細書中に記載されるように、このようなデバイスは、患者又はユーザの一部に関連する神経筋系の一部分に電流の流れを伝送することができる1つ以上の電極を含むことができ、それによって、例えば、障害された肢に機能的電気刺激を与える。
【0018】
[1051] 本明細書で使用する場合、「反転可能(reversible)」、「反転可能に(reversibly)」等という用語は、工程及び/又は手順を述べるために使用される場合、類似するが実質的に反対の、逆の及び/若しくは相反する非破壊工程又は手順によって後に取り消すことができる非破壊工程又は手順を全般的に意味する。要素若しくはアセンブリの取り付け及び/又は取り外しに関して本明細書で使用される場合、反転可能な取り付けは、要素又はアセンブリの非破壊の、繰り返し可能な取り付け及び/又は取り外しを意味する。
【0019】
[1052] 本明細書で使用する場合、「セット(set)」という用語は、複数の特徴又は複数の部品を有する単数の特徴を意味し得る。例えば、壁セットについて述べる場合、壁セットは、複数の部分を有する1つの壁とみなされ得る、又は壁セットは、複数の異なる壁とみなされ得る。従って、一体的に構築された物品は、壁セットを含み得る。このような壁セットは、互いに連続する又は不連続のいずれかである複数の部分を含んでもよい。壁セットは、また、別々に製造され、後に接合される(例えば、溶接部、接着剤、又は任意の適切な方法により)複数の物品から作製され得る。
【0020】
[1053] 本明細書で使用する場合、数値及び/又は範囲とともに使用される場合の「約(about)」及び/又は「約(approximately)」という用語は、列挙した数値及び/若しくは範囲に近い数値及び/又は範囲を全般的に意味する。例えば、一部の例では、「約40[単位]」は、40の±25%以内を意味し得る(例えば、30~50)。一部の例では、用語「約(about)」及び「約(approximately)」は、列挙した値の±10%以内を意味し得る。他の例では、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語は、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±1%未満以内、又はこれらの範囲内若しくはこれら未満の任意の他の値若しくは値の範囲を意味し得る。「約(about)」と「約(approximately)」という用語は区別なく使用してもよい。刺激パラメータ等の歩行周期を評価する場合などの一部の例では、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語は、記載の値のプラス又はマイナス10%未満を全般的に意味し得る。更に、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語によって修飾される数値は、記載の数値の公差を考慮し得る及び/又はそうでなければ含み得るが、記載の厳密な数値を除外するものではない。
【0021】
[1054] 同様に、例えば、幾何学的関係、数値及び/又は範囲とともに使用される場合の「実質的に(substantially)」という用語は、このように定義される幾何学的関係(又はそれによって説明される構造体)、数及び/又は範囲が、名目上、列挙した幾何学的関係、数及び/又は範囲であることを伝えるものである。例えば、本明細書中に「実質的に平行」であるとして記載される2つの構造体は、平行な幾何学的関係が望ましいものの、「実質的に平行」な配置構成においていくらかの非平行は生じ得ることを伝えるものである。別の例では、「実質的に0.50ミリリットル(mL)」の体積を規定する構造体は、記載した体積は望ましいものの、体積が「実質的に」記載した体積(例えば、0.50mL)である場合、いくらかの公差は生じ得ることを伝えるものである。このような公差は、製造公差、測定公差、及び/又は他の実際の考慮事項(例えば、些細な不完全性、このように規定された構造体の年数、システム内に作用する圧力又は力等など)から生じ得る。上述のように、適切な公差は、記載の幾何学的構造、数値及び/又は範囲の、例えば、±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±6%、±7%、±8%、±9%、±10%以上であり得る。更に、「実質的に」という用語によって修飾される数値は記載の数値の公差を考慮し得る及び/又はそうでなければ含み得るが、記載の厳密な数値を除外するものではない。
【0022】
[1055] 本明細書で使用する場合、「通信チャネル(communication channel)」、「通信モード(communication mode)」及び/又は「モダリティ(modality)」という用語は、区別なく使用することができ、例えば、1つ以上の電子デバイスを使用する1つ以上の通信モードを全般的に意味する。このような通信モードは、一部の例では、その通信モードに固有であり得る特定のフォーマット(例えば、データユニットフォーマット)に関連し得る(例えば、異なるプロトコル、異なるデータユニット構造又は配置構成等)。例えば、携帯電話(例えば、スマートフォン)は、その携帯電話に関連するモダリティ及び/又はネットワーク(例えば、ショートメッセージサービス(SMS)モダリティ、マルチメディアメッセージサービス(MMS)モダリティ、Bluetooth(登録商標)モダリティ、ワイヤレスフィデリティ(WiFi(登録商標))モダリティ等)を通じて、電気刺激器などの別の電子デバイスに通信を送信することができる。従って、チャネル及び/又はモダリティについて述べる場合、チャネル及び/又はモダリティは、その通信モードを通じたデータの伝送に好適なデータユニットフォーマットを含む、定義する及び/又はそうでなければそれに関連する。
【0023】
[1056] 本明細書で使用する場合、「モジュール(module)」という用語は、動作的に結合される電気部品の任意のアセンブリ及び/又はセットを意味し、これには、例えば、メモリ、プロセッサ、電気トレース、光コネクタ、ソフトウェア(ハードウェアで実行する)等を含み得る。例えば、プロセッサで実行されるモジュールは、そのモジュールに関連する1つ以上の特定の機能を実施することができるハードウェアベースモジュール(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途用集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP))及び/又はソフトウェアベースモジュール(例えば、メモリに記憶された及び/又はプロセッサで実行されるコンピュータコードのモジュール)の任意の組み合わせであり得る。
【0024】
[1057] 本明細書で使用する場合、及び文脈で明示されない限り、「近位(proximal)」及び「遠位(distal)」という語は、医療デバイスのユーザ又は着用者の胴部に、それぞれ、近づく方向及びそこから離れる方向を意味する。
【0025】
[1058]
図1は、一実施形態による、歩行調整のために使用されるシステム100の概略図である。例えば、一部の例では、システム100は、怪我及び/又は疾患(例えば、卒中、脊髄損傷、頭部外傷、外傷性脳損傷、脳性麻痺、多発性硬化症等)による1つ以上の障害された肢を持つヒト患者によって使用され得る。より具体的には、システム100は、例えば、障害された脚の下肢部分などの患者の肢10と物理及び電気接触させる機能的電気刺激(FES)装具105(本明細書では、「装具」及び/又は「デバイス」とも称される)を含む。従って、患者及び/又は医療従事者(例えば、医師、看護師、技術者、内科医、理学療法士等)は、本明細書中に更に詳細に記載されるように、装具105によって肢10の神経筋系の一部分に電気刺激を選択的に与え、それにより更には、例えば、下垂足等になる可能性のある患者の歩行を容易にすることができるように、システム100を係合させることができる。
【0026】
[1059] より具体的には、本明細書中により詳細に記載されるように、装具105は、肢10の神経筋系の一部分の多チャネル刺激用に構成され得る。このように、装具105は、肢10の神経筋系の一部分内の刺激電流を誘導又は操作し、より目的とする刺激を実施し、患者の歩行の改善を達成することができる。これは、既知の電極構成を有する既知の単一チャネルFESシステムを使用することで可能となる。ある実施形態では、本明細書中により詳細に記載されるように、装具105は、肢10の神経筋系の一部分に単一チャネル刺激、デュアルチャネル刺激、及び任意選択的に、3チャネル刺激を与えるように選択的に動作可能である。ある実施形態では、装具105は、6以下のチャネル刺激を与えるように選択的に動作可能である。ある実施形態では、装具105は、肢の神経筋系の一部分に単極刺激及び/又は双極刺激を与えるように選択的に動作可能である。
【0027】
[1060] 装具105は、フレームアセンブリ110と、電極アセンブリ120と、電気刺激器140と、を含む。ある実施形態では、装具105の少なくとも一部分は、2006年4月27日に出願された「歩行調整システム及び方法(Gait Modulation System and Method)」という名称の米国特許第7,899,556号(以下、「‘556特許」と呼ばれる)、2006年11月12日に出願された「歩行調整システム及び方法(Gait Modulation System and Method)」という名称の米国特許第8,209,036号(以下、「‘036特許」と呼ばれる)、2012年6月25日に出願された「歩行調整用装具(Orthosis for Gait Modulation)」という名称の米国特許第8,694,110号(以下、「‘110特許」と呼ばれる)、及び2014年3月24日に出願された「歩行調整用のシステム及び装置並びに使用方法(Systems and Apparatus for Gait Modulation and Methods of Use)」という名称の米国特許出願第14/223,340号(以下、「‘340出願」と呼ばれる)(これらの開示の内容全体は、参照により本明細書中に援用される)に記載されているものと形態及び機能が実質的に類似し得る。
【0028】
[1061] フレームアセンブリ110は、肢の一部分がフレームアセンブリによって実質的に覆い囲まれるように、肢の一部分に着脱可能に結合されるように構成されている。ある実施形態では、フレームアセンブリ110の一部分は、患者の肢に対する装具105の適切な位置決めを容易にするように構成された1つ以上の位置決め具を含む。位置決め具は、フレームアセンブリ110の縁部に沿った凹部又はくぼみによって形成することができ、凹部又はくぼみは、患者の解剖学的構造(例えば、患者の脚の膝蓋骨の下端部、脛骨稜の隆起等)の所定位置と位置合わせされるように構成されている。ある実施形態では、装具105は位置決め具を含み、位置決め具は、それに配置された、患者の解剖学的構造の所定部分と位置合わせされるべき線又は矢印などの、装具の位置の視覚表示を提供するように構成されている。
【0029】
[1062] フレームアセンブリ110は1つ以上の層を含み得る。ある実施形態では、第1層などのフレームアセンブリ110の少なくとも一部分は、フレームアセンブリ110が装具105の構造的支持を付与することを可能にし得る、例えば、比較的薄い金属、熱可塑性プラスチック、ポリマー等などの半剛性材料から形成され得る。フレームアセンブリ110のこのような第1層は、本明細書では、「フレーム」とも称される。第2即ち内層などのフレームアセンブリ110の少なくとも一部分は、ナイロンなどの軟質及び/又は可撓性材料から形成され得る。第2即ち内層などのフレームアセンブリ110の少なくとも一部分は、Nam Liong Enterprise Co.,Ltd.によって市販されているものなどの起毛織物、フック及び/又はループ材料等から形成され得る。ある実施形態では、フレームアセンブリ110は、少なくとも一部、エラスタン若しくはスパンデックス(Lycra(登録商標)など)などの可撓性及び/若しくは弾性材料、又は任意の他の好適な材料から形成され得る第3即ち外層を含む。ある実施形態では、第1層(又はフレーム)は、フレームアセンブリ110の第2(即ち内)層と第3(即ち外)層との間に配置されている。ある実施形態では、フレームアセンブリ110には剛性又は半剛性層がない。換言すると、ある実施形態では、フレームアセンブリ110は、肢の一部分がフレームアセンブリによって実質的に覆い囲まれるように、並びに1つ以上の軟質及び/又は可撓性層が装具105の構造的支持を付与するように、肢の一部分に着脱可能に結合される(又はその周りに配置される)ように構成された1つ以上の軟質及び/又は可撓性層を含み得る。フレームアセンブリの層は、接着剤、溶接部、縫合等が挙げられるがこれらに限定されない任意の適切なカップリング機構を使用して共に結合され得る。
【0030】
[1063] フレームアセンブリ110は、例えば、肢10の一部分(例えば、患者の脚の下部分、患者の脚の上部分、患者の腕の下部分、患者の腕の上部分、患者の手)に関連し得る任意の適切な形状及び/又は大きさを有し得る。更に、フレームアセンブリ110の少なくとも一部分は、第1構成と、フレームアセンブリ110を肢10に結合するための第2構成との間で移行され得る。例えば、ある実施形態では、フレームアセンブリ110は、第1(例えば、開)構成と、フレームアセンブリ110を肢10に少なくとも一時的に結合するための第2(例えば、閉)構成との間で移行され得るカップリング部分等を含み得る。更に詳述すると、装具105が肢10に結合されると、フレームアセンブリ110は、肢10を実質的に覆い囲む及び/又は肢10に外接するように構成され得る。ある実施形態では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、カップリング部分は、肢10に対するフレームアセンブリ110の容易な配置及び結合を可能にし得る1つ以上のストラップ、クリップ、ラチェット等を含み得る。
【0031】
[1064] 装具105の電極アセンブリ120は、フレームアセンブリ110の内部表面に結合されている。従って、本明細書中に更に詳細に記載されるように、フレームアセンブリ110が肢10に結合される(例えば、その第1構成からその第2構成に移行する)と、電極アセンブリ120の少なくとも一部分は肢10の表面に接触した状態になる。電極アセンブリ120は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適切な配置構成であり得る。例えば、ある実施形態では、電極アセンブリ120は、1つ以上の電極を電気刺激器140に電気的に結合するように動作可能なワイヤ、電気トレース等にそれぞれ電気的に結合された1つ以上の電極を含み得る。ある実施形態では、電極アセンブリ120の少なくとも一部分は、フレームアセンブリ110の一部分内に配置され得る。例えば、このような実施形態では、電極アセンブリは、フレームアセンブリ110の一部分によって実質的に囲まれたワイヤセットを含み得る。ある実施形態では、ワイヤセットの少なくとも一部分は、フレームアセンブリ110によって規定される開口部内に配置されている、又はそうでなければこの開口部内に延びている。ワイヤは端部部分を含み得る。端部部分はそれぞれコネクタ等を含み、このコネクタ等は、例えば、第1端部部分において電気刺激器140に電気的に結合することができ、例えば、第2端部部分において電極に電気的に結合することができる。
【0032】
[1065] 装具105に関しては、電極アセンブリ120に含まれるものとしてコネクタを記載したが、本明細書中により詳細に記載されるように、ある実施形態では、電極アセンブリ120はコネクタアセンブリによって電気刺激器140に電気的に結合されている。例えば、このような実施形態では、コネクタアセンブリは、フレームアセンブリ110の一部分によって実質的に囲まれたワイヤセットを含み得る。ワイヤは端部部分を含み得る。端部部分はそれぞれコネクタ等を含み、このコネクタ等は、例えば、第1端部部分において電気刺激器140に電気的に結合することができ、例えば、第2端部部分において電極に電気的に結合することができる。ある実施形態では、各ワイヤの第2端部部分は、電極アセンブリの電極をフレームアセンブリ110に結合するように構成されたコネクタ、電極基部等に電気的に結合されている。ある実施形態では、コネクタアセンブリの少なくとも一部分は、フレームアセンブリ110によって規定される開口部内に配置されている、又はそうでなければこの開口部内に延びている。ある実施形態では、電極アセンブリ120は‘556特許、‘036特許、‘110特許及び/又は‘340出願に記載されているものと形状及び/又は機能が多くの点で実質的に類似し得る。
【0033】
[1066] ある実施形態では、電極アセンブリ120は、肢の神経筋系の少なくとも一部分に電気刺激を与えるように構成された少なくとも1つの電極を含む。本明細書中により詳細に記載されるように、各電極は、システム100及び特に電気刺激器140によって係合され、足の背屈、底屈、回内及び/又は回外などの肢の所望の運動を促すことができる。選択的な電極の活性化及び1つ以上のチャネルを通じた選択的な電流の流れは、肢10の神経筋系の一部分を通る電流の流れに影響を及ぼすため、電流の「操作」若しくは誘導、又はより簡単に「電流操作」と呼ぶことができる。
【0034】
[1067] より具体的には、本明細書中により詳細に記載されるように、装具105は、肢の神経筋系の多チャネル刺激用に構成されている。従って、電極アセンブリ120は、このような多チャネル刺激を与えるために任意の適切な数の電極を含み得る。ある実施形態では、電極アセンブリ120は少なくとも3つの電極を含む。例えば、電極アセンブリ120は、2つのカソード電極及び1つのアノード電極を含み得る。このような実施形態では、本明細書中により詳細に記載されるように、第1カソード電極とアノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は(例えば、電気刺激器140から)第1チャネルを通って流れることができ、第2カソード電極とアノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は第2チャネルを通って流れることができる。他の実施形態では、電極アセンブリ120は、2つのチャネルを通じて同様に電気刺激を与えることができる、2つのアノード電極及び1つのカソード電極を含み得る。換言すると、装具105は、電極アセンブリ120の少なくとも1つの電極を使用し、少なくとも2つの異なるチャネルを通じて刺激を与えるように、多チャネル刺激用に構成され得る。このように、電極アセンブリ120は、装具105を用いたFESの間、2つ以上の刺激チャネル間で共用される少なくとも1つの電極を含み得る。
【0035】
[1068] ある実施形態では、電極アセンブリ120は、4つ、5つ、6つ、又はこれより多い電極を含む。例えば、電極アセンブリ120は、2つのカソード電極及び2つのアノード電極を含み得る。このような実施形態では、本明細書中により詳細に記載されるように、第1カソード電極と第1アノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は、(例えば、電気刺激器140から)第1チャネルを通って流れることができるとともに、電流は、第2カソード電極と第2アノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に第2チャネルを通って流れることができる。ある実施形態では、電流は、電流の流れが第2チャネルを通るのと実質的に同時に第1チャネルを通って流れることができる。ある実施形態では、電流は、電流の流れが第2チャネルを通る前又は後に、第1チャネルを通って流れることができる。ある実施形態では、電流は、第1チャネルと第2チャネルによって交互パターンで供給され得る。
【0036】
[1069] 別の例では、電極アセンブリ120は、3つのカソード電極及び1つのアノード電極を含み得る。このような実施形態では、第1カソード電極とアノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は(例えば、電気刺激器140から)第1チャネルを通って流れることができ、第2カソード電極とアノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は第2チャネルを通って流れることができ、第3カソード電極とアノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は、第3チャネルを通って流れることができる。このように、アノード電極は、3つの刺激チャネル間の共用電極である。ある実施形態では、電極アセンブリ120は、3つのチャネルを通じて同様に電気刺激を与えることができる3つのアノード電極及び1つのカソード電極を含み得る。
【0037】
[1070] 更に別の例では、電極アセンブリ120は、3つのカソード電極及び2つのアノード電極を含み得る。このような実施形態では、本明細書中により詳細に記載されるように、第1カソード電極と第1アノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は(例えば、電気刺激器140から)第1チャネルを通って流れることができ、第2カソード電極と第1アノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は第2チャネルを通って流れることができ、第3カソード電極と第2アノード電極との間の肢10の神経筋系の一部分に刺激が与えられるように、電流は第3チャネルを通って流れることができる。更に別の例では、電極アセンブリ120は、3つのカソード電極及び3つのアノード電極を含み得る。
【0038】
[1071] ある実施形態では、電極アセンブリ120は、肢の神経筋系の一部分に、患者の足の背屈を生じさせる刺激を与えるように構成された電極セットを含む。ある実施形態では、電極アセンブリ120は、肢の神経筋系の一部分に、足底が患者の体の正中線に対して中間位の方に動き、それぞれ回外位又は回内位から離れる(本明細書中では「平衡」位又は「中間」位と呼ばれる)ように足の回内又は回外を生じさせる刺激を与えるように構成された電極セットを含む。ある実施形態では、電極アセンブリ120は、肢の神経筋系の一部分に、足の底屈を生じさせる刺激を与えるように構成された電極セットを含む。電極アセンブリの1つ以上の電極は、前述の電極セットのうちの1つ以上に含まれ得る。換言すると、ある実施形態では、少なくとも1つの電極は、前述の電極セットのうちの少なくとも2つに「共通」である又は「共用される」。換言すると、1つ以上の電極が、背屈と中間位への足の運動との両方をもたらす刺激を与えることができる。前述のセットの任意の1つ以上は、例えば、所望の程度の中間位への足の回内又は回外と同時の所望の程度の足の背屈、又は所望の程度の中間位への足の回内又は回外と同時の所望の程度の足の底屈を促すために、選択的に且つ同時に動作可能とすることができる。
【0039】
[1072] ある実施形態では、電極アセンブリ120は、フレームアセンブリ110の内部表面に結合されるように構成されたパネルに結合された、配置された、又はそうでなければ形成された電極セットを含む。パネルは、1つ以上のメカニカルファスナー(例えば、スナップ、面ファスナー等)などの任意の適切なカップリング機構を使用してフレームアセンブリ110に結合され得る。
【0040】
[1073] パネルは、装具105が装着されたときに患者の皮膚に電極を配置するのを容易にするために可撓性材料で作製され得る。ある実施形態では、パネルは、非導電材料で形成されている。ある実施形態では、パネルは、電極セットから各電極を隔てる非導電領域を含む。ある実施形態では、電極セットは、単一パネルに結合されている又は含まれている。例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの電極がパネルに結合され得る又は含まれ得る。
【0041】
[1074] 他の実施形態では、電極セットは1つより多いパネルに分配することができる。このような配置構成は、足の背屈に加えて底屈を促すためにFESを与えるように構成されている装具で使用するのに有利であり得る。なぜなら、別個のパネルによって、電極アセンブリが患者の肢の反対側に配置され得るようにフレームアセンブリの内部表面の対向位置又はそうでなければ間隔を開けた位置に電極を配置することが可能になるからである。例えば、ある実施形態では、電極アセンブリは第1パネル及び第2パネルを含み、第1パネル及び第2パネルのそれぞれは複数電極を含む。第1パネルは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はこれより多い電極を含むことができ、第2パネルは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はこれより多い電極を含むことができる。より具体的には、ある実施形態では、第1パネルは3つの電極を含むことができ、第2パネルは2つの電極を含むことができる。他の実施形態では、第1パネルは4つの電極を含むことができ、第2パネルは2つの電極を含むことができる。他の実施形態では、しかしながら、単一パネルは2つ、3つ、4つ、5つ又はこれより多い電極を含むことができ、これらの電極は、少なくとも1つの電極が少なくとも別の電極から距離を開けて配置され、装具100がFESのために装着されると、電極アセンブリが患者の肢の反対側に配置されるように単一パネル上に位置決め又は配置されている。
【0042】
[1075] パネルに対する1つ以上の電極の位置は固定することができる。換言すると、電極の1つ以上は、パネルに固定的に結合することができ、これにより電極アセンブリ120をフレームアセンブリ110に結合したとき、電極をフレームアセンブリに対して繰り返し可能に配置することが容易になる。少なくとも第1電極は、パネルがフレームアセンブリ110に結合され、肢10に装着されると、第1電極が、肢10の神経筋系の目的の神経(例えば、脛骨神経又は腓骨神経)若しくは筋上に又はこれに近接して配置されるように、パネルに対して配置することができる。例えば、電極アセンブリの少なくとも1つのカソード電極は、使用時、少なくとも1つのカソード電極が少なくとも肢10の神経筋系の目的の神経又は筋までの電気刺激の操作を提供する又は容易にするように、パネルに配置することができる。少なくとも第2電極は、フレームアセンブリ110に結合され、肢10に装着されると、第2電極が肢の神経筋系の目的の神経又は筋上に又はこれに近接して配置されるように、パネルの適所に結合することができる。例えば、電極アセンブリの少なくとも1つのアノード電極は、使用時、少なくとも1つのアノード電極が少なくとも肢10の神経筋系の目的の神経又は筋までの電気刺激の操作を容易にするように、パネルに配置することができる。
【0043】
[1076] 装具105の電気刺激器140は、患者の肢の神経筋系に機能的電気刺激を加えるように構成されており、ハードウェアとソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、電気刺激器140は、肢10の神経筋系の少なくとも一部分に電流の流れを供給するよう動作可能な1つ以上の電気回路を含み得る電子デバイス又はモジュールであり得る。より具体的には、ある実施形態では、本明細書中に記載されるように、電気刺激器140は、肢10の神経筋系の1つ以上の部分に複数のチャネルを通じて電流の流れを供給するように構成され得る。
【0044】
[1077] 装具105の電気刺激器140はフレームアセンブリ110に着脱可能に結合されている。例えば、ある実施形態では、本明細書中に記載されるように、フレームアセンブリ110は、電気刺激器140を少なくとも一時的に保持するように構成され得るクレードル等を形成し得る。このように、電気刺激器140はフレームアセンブリ110に取り付けることができ、フレームアセンブリ110によって支持され得る。
【0045】
[1078] 例えば、電気刺激器140がフレームアセンブリに着脱可能に結合されると、電気刺激器140は電極アセンブリ120と電気通信されるように構成されている。ある実施形態では、フレームアセンブリのクレードルは、電気刺激器140を電極アセンブリ120に電気的に結合するように構成されている少なくとも1つの電気接点を含み得る。電極アセンブリ120は、任意の適切な配線、コネクタ、インターフェース及び/又は構造体を介して電気刺激器140に動作的に結合され得る。例えば、ある実施形態では、フレームアセンブリ110は、電気刺激器140を、例えば、電極アセンブリ120と電気通信させるように構成された1つ以上のワイヤ、コネクタ等を含む接続アセンブリを含み得る。ある実施形態では、このような接続アセンブリの少なくとも一部分はフレームアセンブリ110のクレードルに配置されている。
【0046】
[1079] ある実施形態では、電気刺激器140は、任意の適切な通信モードによって、外部及び/若しくは植え込み式電気デバイスのセットから信号を受信する、並びに/又は外部及び/若しくは植え込み式電気デバイスのセットに信号を送信することができる。例えば、ある実施形態では、電気刺激器140は、それぞれ、電極アセンブリ120、装具105と関連付けられたセンサ130、並びに/又は装具105に動作的に結合された任意の他の適切な電子デバイスに信号を送信するように及び/若しくは装具105に動作的に結合された任意の他の適切な電子デバイスから信号を受信するように動作可能であり得る2つ、3つ、4つ、5つ、6つ若しくはこれより多い通信チャネル及び/若しくは電気チャネルを含み得る。ある実施形態では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、通信チャネル及び/又は電気チャネルの少なくとも一部分は、無線通信形式(例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、近接場通信(NFC)、ショートメッセージサービス(SMS)又はマルチメディアメッセージサービス(MMS)などのセルラー通信等に関連する形式、フォーマット等)による信号の送信及び/又は受信に関連し得る。
【0047】
[1080] 上記のように、電気刺激器140は、多チャネル電気刺激を与えるように構成され得る。本明細書中に記載されるように、電気刺激器140は、電極アセンブリを通じて肢10の神経筋系の少なくとも一部分に電流の流れを供給するための少なくとも2つのチャネルを含み得る。ある実施形態では、電気刺激器140は、肢10の神経筋系に電流の流れを供給するための3つのチャネルを含む。このように、電気刺激器140は、電流の流れと関連する1つ以上のパラメータを、各チャネルを通じて選択的に且つ独立的に制御することができる。
【0048】
[1081] このようなパラメータとしては、電流の振幅、電圧、パルスレート、波形、位相持続時間等が挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、電気刺激器140は、第1強度を有する電流の流れを第1チャネルを通じて供給することができ、第2強度を有する電流の流れを第2チャネルを通じて供給することができる。各チャネルに関連する電流の強度は、前述のパラメータの1つ以上の値若しくはそれらの任意の組み合わせによって制御され得る又はそうでなければ影響され得る。第2強度は、第1強度よりも小さい、第1強度に実質的に等しい、又は第1強度よりも大きいものとされ得る。換言すると、第1強度の値は第2強度の値から独立している。ある実施形態では、第1強度は第1振幅を含み、第2強度は第2振幅を含む。第1振幅及び第2振幅のそれぞれは、約10ミリアンペア(mA)~約50mAの範囲内であり得る。例えば、ある実施形態では、第1振幅は約10ミリアンペア(mA)~約50mAの範囲内であり、第2振幅は約10mA~約30mAの範囲内である。より具体的には、ある実施形態では、第1振幅は約30mAであり得るとともに、第2振幅は約25mAであり得る。デュアルチャネル刺激を使用することにより、同様の又は改善された足の運動を、既知のFESシステムを用いたより高い強度の刺激によって生じるより低い強度を利用して促進することができることに留意されたい。ある実施形態では、第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は、10ヘルツ(「Hz」)~60Hzの範囲内のパルスレートを有する。例えば、一実施形態では、第1チャネル及び第2チャネルの両方により供給される電流のパルスレートは30Hzである。別の例では、一実施形態では、第1チャネル及び第2チャネルの両方により供給される電流のパルスレートは40Hzである。ある実施形態では、第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は対称な波形を有する。しかしながら、他の実施形態では、電流は非対称な波形又は正弦波形などの異なる波形(「ロシアン刺激」又は「バーストモード交流」刺激として従来知られているものを使用して生成されるものなど)を生成することができる。ある実施形態では、第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は、50マイクロ秒(μs)~300μsの範囲内の位相持続時間を有する。例えば、一実施形態では、第1チャネル及び第2チャネルの両方により供給される電流の位相持続時間は200μsである。
【0049】
[1082] ある実施形態では、電気刺激器140は、第1チャネル、第2チャネル、及び任意選択的に、第3チャネルを通る電流の流れのパラメータの1つ以上を、実質的に同時に提供し、制御することができる。このように、電気刺激器140は、実質的にある時間の間にチャネルの2つ以上に電流を流すことができる一方で、電気刺激器140は各チャネル内を流れる電流のパラメータを、別のチャネル内を流れる電流の1つ以上のパラメータから独立して制御する。
【0050】
[1083] 本明細書中により詳細に記載されるように、各チャネル内の電流の流れを独立制御することによって、電気刺激器140及び全体として装具105は、肢10の神経筋系内の電流を操作し、それにより、単一チャネル刺激を用いる既知のシステムにより達成されるであろうものに比べ、歩行イベント中における肢10の一部分(例えば、足)の運動及び位置決めの改善を促すように構成されている。
【0051】
[1084] 電気刺激器140は、異なるチャネルを通じて電流の流れを供給している間であっても、各チャネルを選択的にオンに切り換えてチャネル内に電流を流す、又はオフに切り換えてチャネル内に電流が流れないようにする若しくは電流を停止するように構成され得る。
【0052】
[1085] ある実施形態では、システム100の装具105は、任意選択的に、センサ130を含み得る。センサ130は、任意の適切なセンサデバイスであり得る、又はセンサデバイスの組み合わせを含み得る。例えば、ある実施形態では、センサ130は、傾斜センサ、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、力感知抵抗器、速度計、磁力計、ゴニオメータ、又は肢部分等の角偏位を検出する及び/若しくは測定するための他の機構を含み得る。このように、システム100が障害された肢(即ち、脚)を持つ患者の歩行調整のために使用される場合、センサ130は、例えば、装具105に対するセンサ130の位置、基準面等に対する肢10の位置、基準面等に対する肢10の角度位置、速度、速度変化率(即ち、加速度)、患者の足の傾斜、圧力(例えば、患者が歩行しているに足及び/又は靴が接触するときの)等などの、歩行イベントに関連する特徴を検知する及び/又はそうでなければ検出するように構成され得る。ある実施形態では、刺激器140は、患者の歩行速度、歩行中の患者の歩行率を、患者が歩行の遊脚相又は立脚相にあるかどうか、患者の可動域(外側、後方及び/又は前方)を問わず、及び患者が座位であるかどうかを問わず、センサ130によって検出された前述の特徴の1つ以上を基にセンサ130から受信した信号に基づき決定するように構成されている。
【0053】
[1086] ある実施形態では、センサ130は、フレームアセンブリ110、電極アセンブリ120、及び/又は電気刺激器140に含まれ得る及び/又は組み込まれ得る。他の実施形態では、センサは、装具105とは物理的に異なり得るとともに、無線通信チャネルを通じて電気刺激器140と電気通信し得る。例えば、ある実施形態では、電気刺激器140はフレームアセンブリ110に結合することができ、フレームアセンブリ110は更には、肢の第1部分(例えば、患者の脚の膝の近傍)に結合され、センサは、肢10の第2部分(例えば、患者の障害された脚の足及び/又は足首の近傍)に結合され得る及び/又はそうでなければ関連付けられ得る。ある実施形態では、センサは、対側の脚の一部分(例えば、電気刺激器140を装着していない患者の脚の足及び/又は足首の近傍)に結合され得る及び/又はそうでなければ関連付けられ得る。
【0054】
[1087] ある実施形態では、システム100は、2つ以上のセンサ又はセンサデバイスを含む。例えば、ある実施形態では、システム100は、センサがフェーム(fame)アセンブリ110、電極アセンブリ120、又は電気刺激器140に含まれる及び/又は組み込まれるように装具105に含まれる第1センサ130と、装具105とは物理的に異なる(例えば、装具105が装着されているのと同じ肢又は対側の肢の足及び/若しくは足首の近傍にある)第2センサ(
図1には図示せず)と、を有する。例えば、このような実施形態では、第1センサは、装具105の構成要素に含まれた若しくは組み込まれたジャイロスコープ又は加速度計のうちの少なくとも1つを含むことができ、第2センサは、足の踵の下に配置された圧力センサ又は力感知抵抗器であり得る。ある実施形態では、システム100は、電気刺激器140に含まれた又は組み込まれた1つ、2つ、又はこれより多いセンサと、フレームアセンブリ110に含まれた1つ、2つ、又はこれより多いセンサと、を有し得る。例えば、ある実施形態では、電気刺激器140は第1ジャイロスコープを含み、フレームアセンブリ110は第2ジャイロスコープを含む。別の例では、ある実施形態では、電気刺激器140は、2つのジャイロスコープ(又は他の2つのセンサ又はセンサの組み合わせ)を含み得る。更に別の例では、フレームアセンブリ110は、2つのジャイロスコープ(又は他の2つのセンサ又はセンサの組み合わせ)を含み得る。更に別の例では、システム100は、ジャイロスコープ及び加速度計(例えば、3軸加速度計)含むことができ、ジャイロスコープ及び加速度計は両方とも、システムの1つの構成要素(例えば、電気刺激器140、フレームアセンブリ110、電極アセンブリ120等)に物理的に組み込むことができ、システムの異なる構成要素に組み込むことができ、装具105の異なる部分に結合することができ、又は装具とは物理的に異なり得る。センサは、患者の歩行に関連するパラメータに基づき、電気刺激器140に信号を送信するように構成されている。ある実施形態では、電気刺激器140は、センサから受信した信号に基づき歩行パラメータを(例えば、マイクロプロセッサにより)算出するように構成されている。
【0055】
[1088] 上述のように、一部の例では、システム100は、障害された肢を持つ患者の歩行調整のために使用され得る。より具体的には、システム100は、下垂足を患う患者の肢機能を強化するために使用され得る。こうした例では、患者は、装具105を障害された肢に結合するように装具105を操作することができる。例えば、患者は、障害された脚の膝の近傍に装具105を配置することができ、フレームアセンブリ110を第1構成から第2構成に(上述のように)移行させ、装具105を脚に着脱可能に結合することができる。
【0056】
[1089] 装具105の配置は、電極アセンブリ120に含まれる電極セットが脚に対し、脚の神経筋系の所望の部分に関連する及び/又は対応する位置に配置されるようなものとすることができる。例えば、上述のように、1つ以上の電極は、脚の1つ以上の目的の神経に対する位置に配置され得る及び/又は1つ以上の電極は、脚の1つ以上の目的の筋肉に対する位置に配置され得る。本明細書中に記載されるように、肢の異なる部分に印加される場合、肢の少なくとも一部分のバランスの取れた運動を実現するために電流操作を使用することができる。より具体的には、歩行中の下垂足を患う患者の脚機能を強化するために、装具105を脚に対して配置し、1つ以上の電極を腓骨神経及び/又は脛骨神経と電気通信させることができる。従って、本明細書中に更に詳細に記載されるように、電極は、足の背屈を生じさせることができる腓骨神経、足の底屈を生じさせることができる脛骨神経、及び/又は足の回内若しくは回外の低減若しくは除去(即ち、足は中間位で平衡する、又は回内位若しくは回外位から中間位に向かって動く)を生じさせることができる脚の1つ以上の更なる神経若しくは筋肉に機能的電気刺激を伝えることができ、それにより、障害された脚の機能を高め、下垂足の影響を軽減する。別の例では、坐骨神経(又はより具体的には、坐骨神経がその2つの分岐、脛骨神経及び総腓骨神経に分かれる前の坐骨神経の主要分岐部)を刺激して膝屈曲筋を活性化することができる。別の例では、大腿神経を刺激して四頭筋を活性化することができる。
【0057】
[1090] フレームアセンブリ110が障害された脚に対し所望の位置に保持された状態で、患者は歩行を開始することができる。歩行中、センサ130は、歩行イベントに関連する一連の特徴(上述のものなどの)を検知する及び/又は検出し、この特徴に関連する信号を電気刺激器140に送信できるように構成され得る。例えば、ある実施形態では、歩行イベントは、「踵離地」イベント(即ち、歩行中、患者が歩行している際に踵が離れる時点)と関連付けられ得る。センサ130は、任意の適切な通信チャネルを通じて電気刺激器140に信号を送信することができる。例えば、センサ130が電気刺激器140及び/又はフレームアセンブリ110の少なくとも一部分と一緒に配置されている場合、センサ130は、有線信号伝送に関連する通信チャネルを通じて信号を送信することができる。しかしながら、センサ130が装具105の他の部分と物理的に異なる場合、センサは、上述のものなど、無線信号伝送に関連する通信チャネルを通じて信号を送信することができる。ある実施形態では、電気刺激器140は、患者の肢(例えば、脚)の異なる部分における歩行イベントに関連する特徴を検知する及び/又は検出するように構成され得る複数のセンサ130から信号を受信することができる。
【0058】
[1091] センサ130から信号を受信すると、電気刺激器140は、電流(例えば、電気刺激器140に含まれる電源等によって発生する)を、電気回路の第1部分又はチャネルに沿って、及び電気回路の第2部分又はチャネルに沿って伝送するように構成され得る。
図2を参照すると、電気回路の第1チャネルCh1を通って流れる電流は、肢10の1つ以上の神経及び/又は筋を通って電極アセンブリ120の少なくとも第1電極122に伝送され、電流の少なくとも一部は、電極アセンブリ120の少なくとも第2電極124を通って電気刺激器140に戻る。このように、
図2に示すように、刺激の第1チャネルCh1は、第1電極122及び第2電極124を含む。電気回路の第2チャネルCh2を通って流れる電流は、肢10の1つ以上の神経及び/又は筋を通って電極アセンブリ120の少なくとも第3電極123に伝送され、電流の少なくとも一部は、電極アセンブリ120の第4電極125を通って電気刺激器140に戻る。ある実施形態では、しかしながら、第2チャネル内を流れる電流の少なくとも一部は、第2電極124を通って戻ることができる。このように、刺激の第2チャネルCh2は、第3電極123及び第4電極125、及び/又はある実施形態では、第2電極124を含む。
【0059】
[1092] 任意選択的に、ある実施形態では、電気刺激器140は、電極アセンブリに電気的に結合された電気回路の第3部分又はチャネルに沿って電流を伝送するように構成されている。
図3を参照すると、ある実施形態では、肢10の1つ以上の神経又は筋を通る電極アセンブリ220(電極アセンブリ120に多くの点で類似し得る)の第1電極222と電極アセンブリの第2電極224との間の第1チャネルCh1に、肢10の1つ以上の神経又は筋を通る電極アセンブリ120の第3電極223と第4電極225との間の第2チャネルCh2に、及び肢10の1つ以上の神経又は筋を通る第5電極226と第6電極227との間の第3チャネルCh3を通じて電流が供給される。
【0060】
[1093] 電極224、電極225及び電極227のそれぞれは、それぞれ電極222、電極223、及び電極226から電流を戻し、従って、それぞれ第1刺激チャネル、第2刺激チャネル、及び第3刺激チャネルの一部分を形成するものとして上では示し、記載したが、ある実施形態では、電極224、電極225、及び電極227の1つ以上は、電極222、電極223、電極226のうちの異なる電極又は付加的な電極から流れる電流の少なくとも一部を戻すように選択的に構成することができる。このように、例えば、電極224は、第1チャネルCh1に加えて及び/若しくは第1チャネルCh1の代わりに、第2チャネルCh2並びに/又は第3チャネルCh3の一部分を選択的に形成することができる。別の例では、電極225は、第2チャネルCh2に加えて若しくは第2チャネルCh2の代わりに、第1チャネルCh1及び/又は第3チャネルCh3の一部分を選択的に形成することができる。更に別の例では、電極227は、第3チャネルCh3に加えて若しくは第3チャネルCh3の代わりに、第1チャネルCh1及び/又は第2チャネルCh2の一部分を選択的に形成することができる。
【0061】
[1094] 第1チャネル及び第2チャネル(及び任意選択的に、第3チャネル)のそれぞれを通って流れる電流は、脚の腓骨神経などの肢の1つ以上の神経又は筋にFESを与えることで、実質的に踵離地イベントのときに(例えば、電気信号及び/又は電流伝送速度に一致する、センサ130が踵離地イベントを検出した後の非常に短時間、例えば、0.10秒、0.05秒、0.01秒、0.001秒、0.0001秒以下)、足の背屈及び/又は底屈並びに中立足を生じさせる(又は足の回内又は回外を少なくとも低減する)。ある実施形態では、第1チャネルを通って流れる電流は第1強度を有し、第2チャネルを通って流れる電流は第2強度を有し、これは、足の背屈(本明細書では、「平衡背屈」とも称される)とともに、平衡又は中間足位を促すことができる。換言すると、複数チャネル(例えば、デュアルチャネル又はトリプルチャネル)FESは、単一チャネルFESにより生じる足の背屈又は底屈が存在する際に起こる可能性のある足の回外又は回内の程度を低減する若しくは排除するように構成されている。その結果、患者の足は脚の方に曲がって、中間位の方に動き、患者の歩行の一部を強化する。
【0062】
[1095] 一部の例では、センサ130は、例えば、「踵接地」イベント(即ち、歩行中、患者が歩行している表面に踵が接触した時点)などの第2歩行イベントに関連する特徴を検知する及び/又は検出することができる。上述のように、センサ130は特徴に関連する信号を電気刺激器140に送信することができ、受信すると、電気刺激器140は電極への電流の流れを停止することができる。ある実施形態では、電気刺激器140は、電気回路に沿って、例えば、脚の1つ以上の目的の神経又は筋(例えば、脛骨神経)と電気通信する1つ以上の電極に電気的に結合された電気回路の第1チャネル、第2チャネル、又は任意の第3チャネルのうちの少なくとも2つを通じて電流を送信することができる。従って、電極は、実質的に踵接地イベントのときに(上述のように)脛骨神経にFESを与え、足の底屈(本明細書中では「平衡底屈」と呼ばれる)とともに平衡又は中間足位をもたらすことができる。このように、第1目的の神経(例えば、腓骨神経)に対するFESの停止によって神経筋系の一部分を弛緩し、背屈の弛緩を生じさせる一方、実質的に同時に、FESを第2目的の神経(例えば、脛骨神経)に与え、足の底屈を生じさせ、また実質的に同時に、FESを脚の少なくとも別の神経及び/又は筋に与え、足の回外又は回内を低減する及び/又は除去する。従って、足は脚から離れる方に曲がって、足は中間位にある又は中間位の方に動き、それにより患者の歩行の一部を強化する。
【0063】
[1096] ある実施形態では、電気刺激器140は、1つ以上の特定機能を実施するように設計された、例えば、特定用途用集積回路(ASIC)又はASICの組み合わせなどのマイクロプロセッサを含み得る。ある実施形態では、刺激器140は、アナログ回路、又はデジタル回路、又は複数の回路の組み合わせを含み得る。
【0064】
[1097] ある実施形態では、刺激器140は、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)構成要素、ランダムアクセスメモリ(RAM)構成要素、電子プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、消去可能電子プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び/又はフラッシュメモリなどのメモリを含み得る。ある実施形態では、電気刺激器140は、例えば、FESに関連するパラメータセットを少なくとも一部定義する情報を記憶するように構成され得るメモリ等を含み得る。例えば、ある実施形態では、電気刺激器140は、FESに関連する振幅、電圧、パルスレート、波形、及び/又は電流レベル、センサ130に関連する感度、センサ130から受信した情報及び/又は任意の他の適切な情報及び/又は論理を基に実施するアクションのリポジトリに関連する情報を記憶するように構成され得る。従って、電気刺激器140は、患者に固有に関連付けられ得る一連の特徴を有する障害された脚にFESを与えるように構成され得る。ある実施形態では、電気刺激器140は、使用データ(例えば、FESに関連するパラメータセット、使用頻度、ある期間(例えば、日、週及び/又は月ベース)にわたる使用継続時間を含む、装具105によって患者に与えられたFESに関連する過去のデータ)、患者の歩行に関連するデータ(例えば、患者の歩行に関連する複数の個々のパラメータ)、患者の1日の歩数に関連するデータ、歩行時又は他の身体活動(例えば、サイクリング、ローイング、パドリング等)時の患者による移動距離に関連するデータ、患者の日常的な、障害された肢の可動域に関連するデータ、電気刺激器が結合されている(又は結合しようとした)1つのフレームアセンブリ又は複数のフレームアセンブリを示すデータ、及びこのような結合の継続時間等が挙げられるが、これらに限定されないデータを記憶するように構成されている。
【0065】
[1098] 一部の例では、患者及び/又は医療従事者は電気刺激器140を操作して、障害された脚に与えられるFESに関連する1つ以上のパラメータ及び/又は特徴を変更することができる。例えば、ある実施形態では、医療従事者は、刺激器140の第1チャネルを通って流れる電流の強度を調整する(例えば、増加又は減少させる)ことができ、刺激器140の第2チャネルを通って流れる電流の強度を、中間足位に達する(例えば、足が中間位にある、又は足の回内若しくは回外が低減される)まで調整することができ、所望の足位をもたらした各チャネルの強度はFESに関連するパラメータとして記憶され得る。より具体的には、医療従事者は刺激器140の第1チャネル及び第2チャネルのそれぞれを通って流れる電流の振幅を、中間足位若しくは平衡足位及び/又は背屈に達するまで調整することができ、所望の足位をもたらした各チャネルの振幅は、FESに関連するパラメータとして刺激器140に記憶され得る。1つ以上のパラメータのこのような調整は、例えば、患者に装具105をセットアップする最初のセッションの間、又は他の1つ以上のセッション、検査等の間に医療従事者によって実施され得る。更に、1つ以上のパラメータのこのような調整は、一実施形態では、電気刺激器140のユーザインタフェース(例えば、電気刺激器のハウジング上で又はこのハウジングを介してアクセス可能な)により直接実施され得る。他の実施形態では、制御デバイス3500、3550に関して本明細書中により詳細に記載されるように、このような調整は、電気刺激器140とは異なる制御デバイスにより実施され得る。ある実施形態では、同じく本明細書中により詳細に記載されるように、電気刺激器140は、制御デバイスとの無線通信用に構成されている。より具体的には、電気刺激器140は、制御デバイスから無線信号を受信するように構成され得る、制御デバイスに無線信号を送信するように構成され得る、又はこの両方である。このように、例えば、電気刺激器140は、制御デバイスによる無線信号によって制御することができ、電気刺激器140に記憶されたデータ(例えば、使用データ等)を制御デバイスに無線送信することができる。
【0066】
[1099] ある実施形態では、刺激器140(例えば、そのマイクロプロセッサ又は他の適切な構成要素により)又は制御デバイスのうちの少なくとも1つは、障害された脚に与えられるFESに関連する1つ以上のパラメータ及び/又は特徴を変更するように構成されている。例えば、ある実施形態では、刺激器140(及び/又は制御デバイス)は、1つ以上のセンサ130から患者の歩行に関連する1つ以上の信号を受信するように構成されている。刺激器140(及び/又は制御デバイス)はこのような信号を、患者の歩行に関連する異なるパラメータを測定する、算出する等のように処理するように構成され得る。刺激器140(及び/又は制御デバイス)は、障害された脚に与えられるFESに関連する1つ以上のパラメータ及び/又は特徴を、測定された又は算出されたパラメータに基づき変更するように構成され得る。例えば、ある実施形態では、刺激器140は、ジャイロスコープから、第1時間に、第1歩行パラメータ(例えば、歩行又は遊脚相中などの歩行イベント中の脚の一部分の第1角度)に関連する信号を受信し、ジャイロスコープから、第1時間に続く第2時間に、第2歩行パラメータ(例えば、歩行イベント又は後に続く歩行イベント中の脚の一部分の第2角度)に関連する第2信号を受信するように構成されている。累積的に、刺激器140がジャイロスコープから受信した第1信号及び第2信号は、肢の可動域を示す。刺激器140は、第1信号及び第2信号における移動距離を(例えば、記憶された命令セットの実行により)測定する又は算出するように構成され得る。換言すると、刺激器140は、移動距離を、肢に関連する可動域の測定値に基づき測定する又は算出するように構成され得る。ある実施形態では、刺激器140は、FESに関連する1つ以上のパラメータを、測定された又は算出された可動域に基づき調節するように構成されている。
【0067】
[1100] ある実施形態では、刺激器140は、制御デバイスに、ジャイロスコープから受信した第1信号及び第2信号に関連する信号を送信するように構成されており、制御デバイスは、移動距離(又は他の歩行パラメータ)を算出するように構成されている。制御デバイスは、刺激器140に、FESに関連する1つ以上のパラメータ及び/又は特徴を算出された移動距離に基づき調整する命令を含む信号を送信するように構成され得る。制御デバイスは、刺激器140に、算出された移動距離に関連する信号を送信するように構成することができ、刺激器は、受信した信号に基づき、FESに関連する1つ以上のパラメータ及び/又は特徴を調整するように構成され得る。
【0068】
[1101] ある実施形態では、刺激器140(例えば、刺激器140のマイクロプロセッサ又は他の適切な構成要素により)又は制御デバイスのうちの少なくとも1つは、モーションキャプチャ技術に少なくとも一部に基づき、障害された脚に与えられるFESに関連する1つ以上のパラメータ及び/又は特徴を変更するように構成されている。例えば、ある実施形態では、FESシステムは、歩行周期の少なくとも一部の間、肢の一部分(例えば、患者の足)を画像化するように構成されたモーションキャプチャ技術を含む。刺激器140(又は制御デバイス160)は、画像に基づき、特に、画像に関連する1つ以上のデータポイントと、及び任意選択的に、また、1つ以上のセンサ130から受信された患者の歩行に関連する1つ以上の信号を基に、1つ以上の刺激パラメータを適応させるように構成され得る。例えば、システムは、歩行中、患者の足を画像化し、画像から得られたデータが足の回内又は回外を示したかどうかによって、刺激器140(又は制御デバイス160)は、1つ以上の刺激パラメータを、画像からのデータに基づき、及び任意選択的に、また、1つ以上のセンサ130から受信された1つ以上のセンサに基づき適応的に調整することができるように構成され得る)。
【0069】
[1102] ある実施形態では、電気刺激器140は、1つより多い装具とともに使用するように構成されている(例えば、
図66に関してより詳細に記載されるように)。例えば、電気刺激器140は、FES装具105とともに使用するように構成され得る。FES装具105は、ユーザの右脚に装着されるように構成されており、ユーザの左脚に装着されるように構成されたFES装具(
図1には図示せず)とともに使用するように構成された装具であり得る。このような装具は、機能はFES装具105と同一であり得るが、装具の構成要素は、反対の脚における配置を容易にするために実質的に鏡像に配置され得るため、本明細書中では詳細に記載しない。電気刺激器140は、患者の上脚若しくは大腿又は患者の腕などの患者の体の異なる肢又は肢部分に配置されるように構成された装具とともに使用するように構成され得る。例えば、電気刺激器140は、
図47に関して本明細書中に図示され、記載される装具505とともに使用するように構成され得る。このような実施形態では、電気刺激器140は、各FES装具に関連する1つ以上の刺激パラメータを含む各FES装具に関連する情報を(例えば、刺激器のメモリに)記憶するように構成され得る。ある実施形態では、電気刺激器140は、刺激器が結合されている装具を検出するように構成されたセンサ又は他の機構を含む。ある実施形態では、装具105は、刺激器140によって検出される及び/又は読み取られるように構成された識別機構を含み、識別機構によって、刺激器は刺激器が結合されている装具を特定することができる。このように、電気刺激器140は、検出された装具に基づき刺激プログラム等を選択するように構成され得る。ある実施形態では、刺激器140は、それが装具とともに使用するようにプログラムされているかどうかを判断するように構成されている。装具とともに使用するように刺激器140がプログラムされていないと刺激器140が判断した場合、刺激器140は、電流又は刺激信号の開始を阻止するように構成され得る。一部の実施形態では、刺激器140は、刺激器140が装具とともに使用するようにプログラムされていないと判定された表示を提供するように構成され得る。表示は、例えば、可聴(例えば、警告音、警報又は他の可聴信号)、視覚(例えば、表示されたメッセージ、光、記号等)、又は触覚(例えば、振動等)、又は前述の任意の組み合わせであり得る。ある実施形態では、また、
図66に関して本明細書中に記載されるように、電気刺激器140は、別の装具の電気刺激器と電気通信するように構成されている。
【0070】
[1103]
図1に示すように、ある実施形態では、電気刺激器140は、制御デバイス160と通信することができる。制御デバイス160は、FESに関連する1つ以上の特徴及び/又はパラメータを操作するためにユーザ(例えば、患者及び/又は医療従事者)用のインターフェースを提供することができる任意の適切な電子デバイスであり得る。例えば、ある実施形態では、制御デバイス160は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、ノート型パソコン、タブレットPC、サーバデバイス、ワークステーション等であり得る。電子デバイスとしては、少なくともメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)等);プロセッサ(例えば、汎用プロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、加速処理ユニット(APU)、及び特定用途用集積回路(ASIC)等);ネットワークインターフェース(例えば、少なくともイーサネット(登録商標)ポート及び/又は無線ラジオ(例えば、WiFi(登録商標)ラジオ、Bluetooth(登録商標)ラジオ等)を含み得るネットワークインターフェースカード等);及び出力デバイス(例えば、陰極線管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)モニタ、発光ダイオード(LED)モニタ等などのディスプレイ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、ANT+準拠のデバイス若しくはアプリケーション及び/又は任意の他の適切な出力デバイス)が挙げられ得る。このように、制御デバイス160はネットワークインターフェースを介して電気刺激器140と通信することができ、プロセッサは、特定の実施形態に関して本明細書中に記載されるように、例えば、PCアプリケーション、モバイルアプリケーション、インターネットウェブブラウザ、セルラー及び/又は無線通信(ネットワークを介した)等を使用して、電気刺激器140の少なくとも一部分と通信する及び/又はそうでなければ制御することに関連する、メモリに記憶された命令セット又はコードを走らせる又は実行するように構成され得る。このような実施形態では、電気刺激器140に、刺激器のハウジングの外部表面からアクセス可能なユーザインタフェースなどのユーザインタフェースをなくすことができ、それによって刺激器の製造コストを低下し、FESシステム100の使用を簡略化し、また、このようなユーザインタフェースを通して水分が侵入した場合に起こり得る電気回路の破損の可能性を低下させる。
【0071】
[1104]
図4~
図22は、一実施形態による、例えば、歩行調整で使用されるシステム1000の一部分の図である。例えば、一部の例では、システム1000は、怪我及び/又は疾患(例えば、卒中、脊髄損傷、頭部外傷、脳性麻痺、多発性硬化症等)による1つ以上の障害された肢を持つヒト患者によって使用され得る。より具体的には、システム100は、例えば、障害された脚の下肢部分(これら図には示さず)と物理及び電気接触させる機能的電気刺激(FES)装具1050(本明細書では、「装具」及び/又は「デバイス」とも称される)を含む。ある実施形態では、装具1050の少なくとも一部分は、‘556特許、‘036特許、‘110特許及び/若しくは‘340出願(上で参照により全体が組み込まれた)に記載されているもの、又は本明細書中に示される及び/若しくは記載される任意の他の装具(例えば、装具105)と形状及び/又は機能が実質的に類似し得る。従って、患者及び/又は医療従事者(例えば、医師、看護師、技術者、内科医、理学療法士等)は、本明細書中に更に詳細に記載されるように、装具1050によって脚の神経筋系の一部分に機能的電気刺激を選択的に与え、それにより更には、例えば、下垂足等になる可能性のある患者の歩行を容易にすることができるようにシステム1000を係合させることができる。
【0072】
[1105]
図4~
図22に示すように、装具1050は、フレームアセンブリ1100と、電極アセンブリ1200と、電気刺激器1400と、を含む。
図4~
図22には図示しないが、装具1050は、また、本明細書中に示され、記載される1つ以上のセンサを含み得る及び/又はそうでなければ1つ以上のセンサに動作的に結合され得る。
【0073】
[1106] フレームアセンブリ1100は、肢の一部分がフレームアセンブリによって実質的に覆い囲まれるように、肢の一部分に着脱可能に結合されるように構成されている。装具1050のフレームアセンブリ1100は、例えば、脚の一部分に関連し得る任意の適切な形状及び/又は大きさを有することができ、フレームアセンブリ1100を脚に結合するために第1(又は開)構成と第2(又は閉)構成との間で移行され得る少なくとも一部分を含む。ある実施形態では、フレームアセンブリ1100は、下脚の一部分(例えば、下脚の膝と足との間)に関連する形状及び大きさを有し得る。従って、フレームアセンブリ1100の上部分1105は、例えば、脚の膝の膝蓋骨の下縁の形状に実質的に一致し得る人間工学的な輪郭(例えば、位置決め具部分1106)を形成し得る。フレームアセンブリ1100の下部分1115は、例えば、脛骨稜の形状に実質的に一致し得る人間工学的な輪郭(例えば、位置決め具部分1117)を形成し得る。更に、フレームアセンブリ1100は、下脚の脛骨稜の形状に対応する及び/又はそうでなければ関連するフレームアセンブリ1100の長手方向軸線(例えば、脚の一部分によって規定される軸線と実質的に同軸の)に垂直な平面の周りで取られた人間工学的な断面形状を規定し得る。装具1105は、任意選択的に、患者の解剖学的構造の所定部分(例えば、膝の中心、脛骨稜等)と位置合わせされるように構成された視覚位置決め具1104を含む。ある実施形態では、フレームアセンブリ1100は、上で参照により組み込まれた‘556特許、‘036特許、‘110特許及び/若しくは‘340出願に記載されているもの、又は本明細書中に記載されている任意のフレームアセンブリ(例えば、フレームアセンブリ110)と形状及び/又は機能が実質的に類似し得る。
【0074】
[1107]
図4~
図16に示すように、フレームアセンブリ1100は、フレーム1110(本明細書では、「第1層」又は「内部構造体」とも称される)と、クレードル1130と、カップリング部分1140と、内層1160(本明細書では、「第2層」とも称される)と、外層1170(本明細書では、「第3層」又は「カバー」とも称される)と、を含む。フレーム1110などの少なくともフレームアセンブリ1100の一部分は、例えば、比較的薄い金属、熱可塑性プラスチック、ポリマー等などの半剛性材料から形成され得る。このように、フレーム1110は、例えば、それぞれ筋肉の屈曲又は筋肉の弛緩の間、フレーム1110が周りに配置されている肢が増加又は減少することを可能にするよう十分に可撓性である一方、装具1050の構造的支持を与えるために十分に剛性であり得る。
【0075】
[1108]
図9~
図13に示すように、フレーム1110は、フレーム1110がそれぞれ脚の拡張及び収縮に応じて拡張及び収縮することを可能にするなどのために実質的にC字形であり得る。更に、フレーム1110の配置構成は、脚の大きさが減少すると(例えば、筋肉の屈曲による拡張後)、フレーム1110の剛性が、減少した脚の大きさに関連する寸法及び形状にフレーム1110を移行するのに十分なものであり得るようにすることができる。同様に、フレーム1110は、フレーム1110を拡張した大きさに拡張する外力が除去されると、フレーム1110が、拡張した大きさより小さな、拡張されていない大きさに戻るように付勢され得る。例えば、フレーム1110は、1つ以上のばね部材(図示せず)を含み得る。1つ以上のばね部材は、フレーム1110に結合されており、
図10の矢印A及び矢印Bによって示されるように、フレーム1110の両側の端部を互いに向かって付勢することで、フレーム1110のC字形内に規定される断面積を低減するように構成されている。第1ばね部材は、フレーム1110の上部分に形成された1つ以上の上部ばねコネクタ1113においてフレーム1110に結合させることができ、第2ばね部材は、フレーム1110の下部分に形成された1つ以上の下部ばねコネクタ1112、1114においてフレーム1110に結合させることができる。この段落における「上部」及び「下部」への言及は、フレームアセンブリ1100が立位の患者の脚に装着されているときの各々の位置を意味することに留意されたい。このようなばね部材がない場合、使用時、フレーム1110の両側の端部は、
図11の矢印C1及び矢印C2によって示されるように、互いに離れる傾向があり得る。
【0076】
[1109] 別の例では、フレーム1110は、内部部分1116と、外部部分1118とで作製され得る。このように、製造段階において内部部分1116を形成することができ、その後、フレーム1110の外部部分1118をフレーム1110の内部部分にオーバーモールドすることができる又はそうでなければ結合することができる。フレーム1110の内部部分1116は複数の保持部材1120、1122、1124、1126を含み、そのそれぞれは、C字形フレーム1110によって規定される内容積部に向かって内側に付勢される。内部部分1116は4つの保持部材1120、1122、1124、1126を含むものとして示され、記載されているが、他の実施形態では、任意の適切な数の保持部材をフレームの内部部分に含んでもよい(例えば、1つ、2つ、3つ、5つ、又はこれより多い)。
【0077】
[1110] 従って、この配置構成は、フレームアセンブリ1100が脚の一部分を実質的に覆い囲むことを可能にし、脚の一部分にかかる可能性のある圧力及び/又は緊張を効果的に分散することで、フレームアセンブリ1100に結合されているときに、脚組織及び/又は筋肉の自然な外形並びに幾何学的形状を保持する役割を果たす。ある実施形態では、フレームの内部部分1116の1つ以上の部分などのフレーム1110の少なくとも一部分は、複数の開口部1128を規定することができる。複数の開口部1128は、
図10に示すようにフレームに空気の流れを通すことで、患者の快適性を高めるように構成されている。ある実施形態では、フレーム1110は、上で参照により組み込んだ‘556特許、‘036特許、‘110特許及び/又は‘340出願に記載されている中心フレーム又は内部構造体と形状及び/又は機能が実質的に類似し得る。
【0078】
[1111] フレームアセンブリ1100の内層1160(例えば、
図6及び
図15を参照)は、フレーム1110の内部表面を実質的に覆うように構成されている。内層1160は、任意の適切な材料及び/又は材料の組み合わせから形成され得る。例えば、ある実施形態では、内層1160は、外力に曝されると弾性的に変形することができる比較的可撓性及び/又は軟質の材料から形成され得る。内層1160の少なくとも一部分は、Nam Liong Enterprise Co.,Ltd.によって市販されているものなどの起毛織物、フック及び/又はループ材料等から形成され得る。このように、内層1160は、電極アセンブリ1200をフレームアセンブリ1100に対して保持するように構成され得る。より具体的には、内層1160の少なくとも一部分は、電極基部(図示せず)上の相補材料(例えば、フック及び/又はループ材料のもう一方)に係合する及び結合するように構成されたフック及び/又はループ材料を含み得る。また、このように、内層1160は、患者と接触させる比較的可撓性及び/又は軟質の層を形成することによって、フレームアセンブリ1100の人間工学的要素(例えば、快適性)を高めることができる。ある実施形態では、開口部1162、1164、1166、1168を規定する内層1160の一部分などの、内層1160の少なくとも一部分は、ポリプロピレン材料で形成されている。
【0079】
[1112] フレームアセンブリ1100の外層1170は、フレーム1110の外部表面に配置されるように構成され得る。
図16を参照すると、外層1170は、クレードル1130の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成された開口部1172(
図16に破線で示される)を規定する。外層1170は、任意の適切な材料及び/又は材料の組み合わせから形成され得る。ある実施形態では、外層1170は、外力に曝されると弾性的に変形することができる比較的可撓性及び/又は軟質の材料から形成され得る。例えば、外層1170は、少なくとも一部、エラスタン又はスパンデックス(Lycra(登録商標)など)又は任意の他の好適な材料から形成され得る。このように、外層1170は、患者に接し得る比較的可撓性及び/又は軟質の層を形成することによってフレームアセンブリ1100の人間工学的要素(例えば、快適性)を高めることができる。ある実施形態では、外層1170は膜1174を含む。膜1174は、外層1170の内部表面から延び、膜1174がフレーム1110の底板1134の内部表面に配置されるように、フレーム1110の一部分の間に挿入されるように構成されている。膜1174は、例えば、クレードル1130の開口部を通って入る可能性のある水分(例えば、水、汗等)がフレームアセンブリ1100に侵入するのを制限するように構成され得る。
【0080】
[1113] 内層1160及び外層1170は、任意の適切な手法でフレームに結合され得る。ある実施形態では、例えば、内層1160及び外層1170のうちの少なくとも1つは、フレーム1110に溶接されている。
図17Aに示すように、内層1160及び外層1170は、それぞれ、フレーム1110の縁部によって形成された肩部1107、1109にそれぞれ当接し、それぞれ領域1161、1171においてフレーム1110に溶接され得る。また、
図17Aに示されるように、ある実施形態では、フレームアセンブリ1100は、外層1170の少なくとも一部分とフレーム1110との間に配置された詰物1108の層を含む。ある実施形態では、このような詰物1108は外層1170と一体形成され得る。別の例では、
図17Bに示すように、ある実施形態では、フレーム1110の縁部は内部チャネル1107’及び外部チャネル1109’を規定する。内層1160及び外層1170の縁部1161’、1171’はそれぞれ、チャネル1107’、1109’内それぞれに配置されており、フレーム1110に溶接されている。他の実施形態では、内層1160及び外層1170のうちの少なくとも1つは、例えば、フレーム1110の一部分の周りにオーバーモールドされ得る。更に他の実施形態では、内層1160及び外層1170のうちの少なくとも1つは、フレーム1110の周りに着脱可能に配置され得る又はフレーム1110に結合され得る。
【0081】
[1114] ある実施形態では、
図18A~
図18Bに示すように、フレームアセンブリ1100は、フレームアセンブリの内部表面(例えば、内層1160)に着脱可能に結合可能な着脱可能な層又はパネル1180を含む。パネル1180は、例えば、使用中、フレームアセンブリ1100と患者の体との間に衛生的なバリアを設けることができ、従って、フレームアセンブリ1100をより衛生的な状態で複数の患者又はユーザ間で共用すること又は使用することを容易にする。着脱可能なパネル1180は第1側1182を含み、第1側1182の少なくとも一部分は、フレームアセンブリ1100の内部表面(例えば、内層1160)の少なくとも一部分に接触するように構成されている。パネル1180は、第1側1182の反対側に第2側1184を含み、第2側1184の少なくとも一部分は、肢部分に接触するように構成されている。パネル1180は、面ファスナー、クリップ、スナップコネクタ、磁石、突起と受け入れスリーブ若しくは凹部の組み合わせ、若しくは任意の他の適切な締結機構、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な手法でフレームアセンブリ1100に着脱可能に結合され得る。例えば、ある実施形態では、着脱可能なパネル1180の第1側1182は、フレームアセンブリ1100の内部表面(例えば、内層1160)に配置された面ファスナーの相補部分に着脱可能に結合するように構成された面ファスナーの少なくとも一部分を含む。別の例では、着脱可能なパネル1180の第1側1182は、ストラップ1183(例えば、
図18Bを参照)を含む。ストラップ1183は、各端部においてパネル1180に接続されており、(例えば、内層1160)のフレームアセンブリ1100の一部分をストラップ1183内に受け入れて、パネル1180をフレームアセンブリ1100に着脱可能に結合するように構成されている。
【0082】
[1115] 着脱可能なパネル1180は、例えば、フレームアセンブリの位置決め具部分に対応する起伏のある部分を含め、フレームアセンブリ1100の内部表面(例えば、内層1160)の外周形状に実質的に類似する外周形状を有し得る。このように、パネル1180は、使用中におけるフレームアセンブリ1100の内層1160と肢部分との間の直接接触を実質的に防ぐことができる。また、このように、ある実施形態では、(例えば、フレームアセンブリの内層1160の)フレームアセンブリ1100の外周形状を超えて延びるパネル1180の部分は実質的にない。
【0083】
[1116] 着脱可能なパネル1180は、一連のコネクタ開口部1186を規定し、コネクタ開口部1186を通して電極アセンブリ1200の少なくとも一部分を配置することができる。例えば、電極アセンブリ1200の1つ以上のワイヤ1240、1242、1244、1246はそれぞれ一連のコネクタ開口部1186の各開口部を通して配置し、電極アセンブリ1200を電気刺激器1400に電気的に結合することができる。一連の開口部1186は、1つ、2つ、3つ、4つ(
図18A~
図18Bに示すように)、5つ、6つ、又はこれより多いコネクタ開口部を含み得る。開口部1186は実質的に円形であるものとして示されているが、他の実施形態では、開口部は任意の適切な形状又は寸法とすることができる。ある実施形態では、ポリプロピレン層1187が、パネル1180の第1側1182にある一連の開口部1186のうちの1つ以上の開口部の周囲に配置されている。ポリプロピレン層1187は、開口部1186の周囲の全体に外接するものとして示され、記載されているが、ある実施形態では、ポリプロピレン層は開口部の一部分の周囲に配置されている。ある実施形態では、ポリプロピレン層1187又は別の適切な材料の層は、一連の開口部1186の各開口部の周りに又は一連の開口部のうちの開口部の一部分のみの周りに配置されている。
【0084】
[1117] ある実施形態では、ファスナー1188(又はその一部分)は、パネル1180の第2側1184にある一連の開口部1186のうちの1つ以上の開口部の周囲に配置されている。例えば、
図18Aに示すように、面ファスナーの少なくとも一部分(例えば、Velcro(登録商標)として市販されているものなど)が1つ以上の開口部1186の周囲に配置されている。ファスナー1188は開口部1186の周囲の全体に外接するものとして示され、記載されているが、ある実施形態では、ファスナーは開口部1186の一部分の周囲に配置されている。このように、ファスナーは、電極アセンブリ1200の少なくとも一部分(例えば、電極アセンブリの電極基部)をパネル1180に、従って、フレームアセンブリ1100に結合するように構成されている。
【0085】
[1118] フレームアセンブリ1100のクレードル1130はフレーム1110に配置されており、受け入れ部1132(例えば、
図14を参照)を規定する。受け入れ部1132上又は内に、電気刺激器1400(例えば、電気刺激器のハウジング)を少なくとも部分的に配置することができる。フレーム1110によって規定される底板1134(例えば、
図13を参照)は、クレードル1130に結合し、底板1134に結合されたクレードル1130に支持を与えることができる。底板1134は開口部1136、1137を含むことができ、開口部1136、1137を通して電極を刺激器1400に(例えば、1つ以上のワイヤ又はコネクタを介して)結合することができる。クレードル1130は、後壁1135と、後壁から(例えば、後壁の周囲又はその一部から)延びる1つ以上の壁1138と、を含む。受け入れ部1132は、後壁1135と、後壁から延びる1つ以上の壁1138とによって規定される。ある実施形態では、
図14に示すように、少なくとも1つの壁1138は、例えば、クレードル1130から刺激器1400を取り外す際のユーザによる刺激器1400の把持を容易にするように構成された切抜部又は凹部1139を規定することができる。示されるように、壁1138はクレードル1130の両側の端部(例えば、上部及び下部)に凹部1139を規定するが、他の実施形態では、壁は、単一の凹部(例えば、クレードルの上部、下部又は側部に配置される)又は壁の異なる位置にある(例えば、クレードルの上部と下部との間に延びる壁の対向する側部部分にある)2つ以上の凹部を規定することができる。
【0086】
[1119] クレードル1130は、クレードル1130を形成している一連の壁内又はこれに対して電気刺激器1400を少なくとも一時的に保持するように機能し得る任意の適切な表面仕上げ、突起、移動止め等を含み得る。例えば、ある実施形態では、クレードル1130は、その中にあるときに(又はこの反対も同様に)、電気刺激器1400の外部表面から延びる一連の対応する突起を嵌合的に受け入れることができる一連の移動止めを形成及び/又は規定することができる。ある実施形態では、刺激器は、単一の又は複数のスナップ嵌合コネクタを使用してクレードルに結合され、クレードルにより保持され得る。他の実施形態では、クレードル1130の内部表面は、仕上げを有し得る及び/又は比較的高い摩擦係数を持つ材料から形成され得る。従って、電気刺激器1400がクレードル1130に配置されると、電気刺激器1400の外部表面とクレードル1130の内部表面は電気刺激器1400をクレードル1130内に少なくとも一時的に保持することができる摩擦嵌合を形成し得る及び/又は規定し得る。
【0087】
[1120]
図14に示すように、クレードル1130は、一連のコネクタ1131を含む及び/又は形成する。一連のコネクタ1131を介して、装具1050、より具体的には、電極アセンブリ1200(又は接続アセンブリ)のコネクタ(図示せず)を電気刺激器1400の対応するコネクタ(図示せず)に電気的に結合することができる。従って、本明細書中に更に詳細に記載されるように、電気刺激器1400がクレードル1130に配置されると、電気刺激器1400は電極アセンブリ1200と電気通信される。
【0088】
[1121] フレームアセンブリ1100のカップリング部分1140は、第1(例えば、開)構成と第2(例えば、閉)構成(例えば、
図6に示すように)との間で移行し、フレームアセンブリ1100を脚に可逆的に結合することができる。換言すると、フレームアセンブリ1100は脚の一部分の周りに配置することができ、カップリング部分1140は第2構成に移行し、フレームアセンブリ1100を脚に着脱可能に結合する(即ち、少なくとも一時的に結合する)ことができる。カップリング部分1140は、フレームアセンブリ1100とハンドル1150との間を接続している実質的に平行なモジュール式のストラップ1142、1144(例えば、弾性ストラップ、非弾性ストラップ及び/又は1つ以上の弾性部分と1つ以上の非弾性部分とを含むストラップ)を含む。ハンドル150は、それぞれ、各ストラップ1142、1144(例えば、
図6を参照)の端部部分において結合されており、各ストラップ1142、1144の両側の端部は、フレームアセンブリ1100(例えば、
図4及び
図5を参照)に結合されている。カップリング部分1140の配置構成は、装着中、ストラップ1142、1144が肢部分の一部分(例えば、脚)の周囲に巻き付き、装具1050を肢部分にしっかりと結合するようなものである。ある実施形態では、ハンドル1150は、カップリング部分1140の係合を容易にし得る構造体を形成し得る及び/又は提供し得る。例えば、刺激器が
図5及び
図6に示すようにフレームアセンブリ1100に結合されているとき及び/又は
図14に示すようにクレードル1130の一部分の周りに配置されているとき、ハンドル1150は、刺激器1400(例えば、刺激器のハウジング)の周りに配置されるような形状の開口部を規定することができる。ある実施形態では、ハンドルは、片手又は両手に障害を持つ可能性のある患者によるカップリング部分1140の係合及び/又は操作を容易にすることができる。例えば、
図14に示すように、ハンドルの部分1152は、ハンドル1150がクレードル1130の周りに結合されると開口部1154がハンドル1150とクレードル1130との間(例えば、ハンドルの上部分とハンドルの下部分との間)に規定されるように、起伏を付けることができる。開口部1154は、ハンドル1150の結合時及び又はクレードル1130及び/若しくは刺激器1400の周りからの取り外し時にハンドル1150の把持(例えば、ユーザの指による)を容易にするように構成されている。
【0089】
[1122] フレームアセンブリ1100は、電極アセンブリ1200の一部分に係合するように構成された電極コネクタを含む。本明細書中に記載されるように、電極コネクタは、1つ以上の電極をフレームアセンブリ1100に機械的に結合するように、及び1つ以上の電極を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成されている。
図6に示す実施形態では、フレームアセンブリ1100は、4つの電極コネクタ1230、1232、1234、1236を含む。本明細書中に記載されるように、ある実施形態では、2つの電極1230、1234は、第1刺激チャネルに関連し、2つの電極1232、1236は第2刺激チャネルに関連する。電極コネクタ1230、1232、1234、1236にフレームアセンブリ1100の内部表面を通してアクセス可能であるように、各電極コネクタ1230、1232、1234、1236は、少なくとも部分的に、フレームアセンブリ1100の内層1160のそれぞれ開口部1162、1164、1166、1168に結合されており、任意選択的に、これらの内部に配置されている又はこれらを通って延びている。内層1160の開口部1162、1164、1166、1168は、内層1160がフレーム1110に結合されるとフレーム1110(例えば、
図7を参照)によって規定される開口部1121、1123、1125、1127に対応し、従って、電極コネクタ1230、1232、1234、1236の少なくとも一部分は、フレーム1110によって規定される開口部1121、1123、1125、1127内に配置され得る又はこれらを通って延び得る。
【0090】
[1123] ある実施形態では、本明細書中に記載されるように、少なくとも1つの電極コネクタ1230、1232、1234、1236は、電極アセンブリ1200がフレームアセンブリ1100に結合されているとき、使用されない(例えば、電極に結合されない)ように構成されている。使用されない電極コネクタ1230、1232、1234、1236は、任意選択的に、それらの上に配置された、FES中、使用されない電極コネクタ1230、1232、1234、1236から不注意により電流が流れるのを防ぐために1つ以上のコネクタカバーを有することができる。例えば、
図6Aに示すように、一実施形態によるコネクタカバー1270は、使用されない電極コネクタ(例えば、電極コネクタ1230、1232、1234、1236)に着脱可能に結合されるように構成されている。コネクタカバー1270は、外層1272と、内層1274と、外部スナップ部1276と、内部スナップ部1278と、を含む。カバー1270の外層1272及びカバー1270の内層1274のうちの少なくとも1つは、非導電材料から形成されている。カバー1270の外層1272及びカバー1270の内層1274のうちの少なくとも1つは、フレームアセンブリ1100の内層1160の開口部1162、1164、1166、1168のうちの少なくとも1つを完全に覆うのに十分な大きさ及び形状を有する。外部スナップ部1276は外層1272と内層1274との間に少なくとも部分的に配置されており、内層1274の開口部1275内に延びる突起を含む。外部スナップ部1276は、内部スナップ部に嵌合的に係合するように構成されている。内部スナップ部1278は、電極コネクタの少なくとも1つ(例えば、電極コネクタ1230、1232、1234、1236)とスナップ嵌合するように構成されている。使用時、コネクタカバー1270は、FES中、使用されないコネクタから不注意により電流が流れるのを防ぐために、使用されないコネクタに結合されている。他の実施形態では、しかしながら、コネクタカバーは、異なるように(例えば、単一の非導電層を含むように)構成され得る並びに/又はフレームアセンブリ1100及び/若しくは電極コネクタ1230、1232、1234、1236の1つ以上に異なる手法で結合するように構成され得る。
【0091】
[1124] ある実施形態では、
図15に示すように、それぞれ電極コネクタ1230、1232、1234、1236と、電気刺激器1400(又は例えば、フレームの内部部分1116の底板1134の開口部1136、1137を通じて及び/又はクレードル1130の一連のコネクタ1131を通じて電気刺激器に電気的に結合されるように構成されているフレームアセンブリ1100の1つ以上のコネクタ)との間にワイヤ1240、1242、1244、1246が実質的に延びており、電気刺激器1400を電極アセンブリ1200に電気的に結合するように構成されている。より具体的には、ある実施形態では、ワイヤ1240、1244は、第1コネクタを介して(図示せず、例えば、クレードルコネクタ開口部の1つを通じて)2つの電極コネクタ1230、1234を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成することができ、それによって、第1電気刺激チャネルの少なくとも一部分を形成し、ワイヤ1242、1246は、第2コネクタを介して(図示せず、例えば、クレードルコネクタ開口部のもう一方を通じて)他の2つの電極コネクタ1232、1236を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成することができ、それによって、第2電気刺激チャネルの少なくとも一部分を形成する。本明細書中に更に詳細に記載されるように、この配置構成は、システム1000によるデュアルチャネル機能的電気刺激を容易にする。
【0092】
[1125] 電極コネクタ1230、1232、1234、1236は、任意の適切な形状、大きさ又は構成であり得る。示されるように、電極コネクタ1230、1232、1234、1236は、スナップコネクタの形態である。他の実施形態では、電極コネクタは、ボタン、移動止め、突起、面ファスナー(即ち、Velcro(登録商標))等の半分を形成し得る。従って、電極コネクタ1230、1232、1234、1236はそれぞれ、電極アセンブリ1200に含まれる電極の対応する部分に接触した状態で嵌合的に配置され、フレームアセンブリ1100に対して実質的に固定された位置に電極を少なくとも一時的に保持することができる。ある実施形態では、電極コネクタ1230、1232、1234、1236、ゆえに、電極コネクタ1230、1232、1234、1236に結合された電極の位置は、例えば、腓骨神経及び/又は脛骨神経などの脚の神経筋系の目的部分と関連付けられ得る。従って、本明細書中に更に詳細に記載されるように、電気刺激器1400がフレームアセンブリ1100に結合されると、電流の少なくとも2つのチャネルが電気刺激器1400から電極221を通って流れ、脚の神経筋系の一部に機能的電気刺激を与えることができるように、フレームアセンブリ1100の第1及び第2コネクタ並びに電極アセンブリ1200の対応するコネクタは電気刺激器1400を電極221に電気的に結合する。
【0093】
[1126] フレームアセンブリ1100は、少なくとも半剛性フレーム1110を含むものとして本明細書中に示され、記載されているが、他の実施形態では、フレームアセンブリ1100からこのようなフレーム1110をなくすことができる。例えば、ある実施形態では、フレームアセンブリ1100は、内層1160のみ、外層1170のみ、内層1160及び外層1170のみ、又は内層1160、外層1170及び/又は異なる軟質及び/又は可撓性層若しくはカフの任意の組み合わせを含み得る。例えば、このような実施形態では、クレードル1130は、少なくとも一部、内層1160、外層1170、異なる軟質及び/又は可撓性層若しくはカフ、又は前述の任意の組み合わせに結合され得る及び/又はこれらによって支持され得る。別の例では、このような実施形態では、電気刺激器1400は本明細書中に記載されるように装具1050のフレームアセンブリ1100によって支持されず、むしろ、ケーブル又はワイヤのみ、又は任意の適切な電気的(及び/又は機械的)接続によって装具1050の電極に電子的に(及び任意選択的に、機械的に)結合され得る。
【0094】
[1127] 上記のように、電極アセンブリ1200はフレームアセンブリ1100に着脱可能に結合されている。電極アセンブリ1200は任意の適切な構成の電極を含むことができ、本明細書中に記載される電極アセンブリ120に形態及び機能が実質的に類似し得る。各電極は、足の背屈、底屈、回内及び/又は回外などの肢の所望の運動を促すために、システム1000及び特に電気刺激器1400によって係合され得る。選択的な電極の活性化及び電極を通じた肢の神経筋系を通る1つ以上のチャネルを通じた選択的な電流の流れは、肢の神経筋系の一部分を通る電流の流れに影響を及ぼし、そこを通る電流の操作を容易にする。
【0095】
[1128]
図21に示すように、電極アセンブリ1200は、4つの電極又は電極領域(本明細書中では全体として「電極」と呼ばれる)1210、1212、1214、1216を含む。電極1210、1212、1214、1216は、パネル1202の第1表面1204に形成され得る、配置され得る又はそうでなければ結合され得る。パネル1202は、1つ以上のメカニカルファスナー(例えば、スナップ、面ファスナー等)などの任意の適切なカップリング機構又はそれらの組み合わせを使用してフレームアセンブリ1100の内部表面(例えば、内層1160)に結合され得る。
図21に示される実施形態では、パネル1202は、相補的な雄コネクタ(図示せず)によってフレームアセンブリ1100に結合されるように構成されている。相補的な雄コネクタはパネル1202の第2表面(図示せず)から延び、フレームアセンブリ1100のコネクタ1230、1232、1234、1236に結合される(又はスナップ留めされる)ように構成されている。特に、電極アセンブリの各相補的な雄コネクタは、各電極1210、1212、1214、1216に関連付けられており、このため、電極アセンブリ1200がフレームアセンブリ1100に結合されると、各電極1210、1212、1214、1216は、フレームアセンブリ1100の各コネクタ1230、1232、1234、1236に、及び任意選択的に、フレームアセンブリの各ワイヤ1240、1242、1244、1246に関連付けられるため、第1電気刺激チャネル又は第2電気刺激チャネル(上述した)のうちの1つの一部分を形成する。より具体的には、2つの電極(例えば、電極1210、1214)は、第1刺激チャネルの一部分を形成することができ、2つの電極(例えば、電極1212、1216)は第2刺激チャネルの一部分を形成し得る。第1刺激チャネルは内側刺激チャネルとして特徴付けることができ、第2刺激チャネルは外側刺激チャネルとして特徴付けることができ、又はこの逆とすることができる。このように、電極アセンブリ1200は、肢の神経筋系の一部分のデュアルチャネル機能電気刺激用に構成されている。
【0096】
[1129] パネル1202は、装具1050が装着されたときに患者の皮膚上における電極1210、1212、1214、1216の配置を容易にするために可撓性材料で作製され得る。ある実施形態では、パネルは非導電材料で形成されている。示されるように、パネル1202は、各電極1210、1212、1214、1216を他の電極から隔てる非導電領域1208を含む。ある実施形態では、パネル1202は導電層(例えば、箔、メッシュ等又はこれらの任意の組み合わせで形成されている)を含む。
【0097】
[1130] パネル1202に対する各電極1210、1212、1214、1216の位置は固定することができる。換言すると、電極1210、1212、1214、1216はパネル1202に固定的に結合することができ、それによって電極アセンブリ1200がフレームアセンブリに結合されるときに電極をフレームアセンブリ1100に対して繰り返し可能に配置することを容易にする。本明細書中に記載されるように、電気刺激器1400から電極アセンブリ1200を通る複数のチャネルを通じた神経筋組織への刺激の適用により電流操作が提供されるため、組織の所望の刺激の実現のために電極アセンブリ1200の電極が可動である必要はない。
【0098】
[1131] 電極は、パネルがフレームアセンブリ1100に結合され、肢に装着されると、電極が肢の神経筋系の目的部分上に又はこれに近接して配置されるように、パネルに対して配置され得る。例えば、電極1210、1212はそれぞれ、使用時、カソード電極が少なくとも、肢の神経筋系の目的の神経(例えば、下脚の脛骨神経若しくは腓骨神経、又は上脚若しくは大腿の坐骨神経若しくは大腿神経)に対する電気刺激の操作を提供する又は容易にするようにパネル1202に配置されたカソード電極であり得る。別の例では、電極1214、1216はそれぞれ、使用時、アノード電極が少なくとも肢の神経筋系の目的の筋に対する電気刺激の操作を提供する又は容易にするようにパネル1202に配置されたアノード電極であり得る。目的の筋としては、例えば、前脛骨筋、長母趾伸筋、長指伸筋及び/又は第三腓骨筋(例えば、背屈のため)が挙げられ得る。目的の筋としては、例えば、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、ヒラメ筋、足底筋、後脛骨筋、長母指伸筋、長指屈筋、長腓骨筋及び/又は短腓骨筋(例えば、底屈のため)が挙げられ得る。
【0099】
[1132]
図21に示すように、電極1210、1212、1214、1216は、パネル1202の4象限のそれぞれに実質的に配置されている。ある実施形態では、電極1210、1212はそれぞれカソード電極であり、電極1214、1216はそれぞれアノード電極であり、電極アセンブリ1200がフレームアセンブリ1100に結合され、フレームアセンブリが立位の患者の肢に装着されると、カソード電極がアノード電極の上方に配置される(例えば、各カソード電極が各アノード電極上の垂直方向に配置される)ように(又は装具1050が装着されたときにカソード電極がアノード電極と患者の胴部との間に配置されるように)、電極はパネル1202に対して配置されている。他の実施形態では、しかしながら、本明細書中に記載されるように、電極、特にカソード電極及びアノード電極の分布は、異なるように配置され得る又は構成され得る。
【0100】
[1133]
図21に関して、電極アセンブリ1200は4つの電極を含むものとして示され、記載されているが、ある実施形態では、電極アセンブリは、異なる数の電極を含む。例えば、
図22に示すように、ある実施形態では、電極アセンブリ1201は、パネル1226に形成された、配置された又はそうでなければ結合された3つの電極(又は電極領域)1220、1222、1224を含む。電極アセンブリ1201はフレームアセンブリ1100とともに使用するように構成されており、電極アセンブリ1200に関して本明細書中に記載されているものと類似の手法でフレームアセンブリ1100に結合されるように構成されている。電極1220、1222、1224は、電極アセンブリ1200に関して本明細書中に記載されるものなどの任意の適切な手法でパネル1226に対して配置され得る。電極アセンブリ1201は、電極1220、1222、1224の反対側のパネルの側に配置された、電極アセンブリをフレームアセンブリ1110に結合し、電極1220、1222、1224を刺激器1400に電気的に結合するように構成されているコネクタ(例えば、雄スナップ嵌合コネクタ)を含む。例えば、雄相補コネクタ1221(
図22に破線で示される)は電極1220に関連付けられており、フレームアセンブリ1110の電極コネクタ1230に結合されるように構成されており、雄相補コネクタ1223(
図22に破線で示される)は電極1222に関連付けられており、フレームアセンブリ1110の電極コネクタ1232に結合されるように構成されている。電極1224は、フレームアセンブリ1110のそれぞれ電極コネクタ1234、1236に結合されるように構成されている2つの雄相補コネクタ1225、1227(
図22に破線で示される)を含み得る又はこれに関連付けられ得る。従って、電極1224は、第1刺激チャネル及び第2刺激チャネルのそれぞれの一部分を形成し得る。このように、電極1224は第1刺激チャネル及び第2刺激チャネルのそれぞれに「共通」であり得る。示されるように、「共通」電極1224は、患者の皮膚に接するように構成されている、他の電極1220、1222のうちの1つ以上の導電性表面領域よりも大きな導電性表面領域を有する。より具体的には、示されるように、電極1224は、患者の皮膚に接するように構成されている、他の電極1220、1222の導電性表面領域を合わせたものに等しい又はこれよりも大きな導電性表面領域を有する。
【0101】
[1134] より具体的には、ある実施形態では、2つの電極1220、1222はカソード電極であり、1つの電極1224はアノード電極である。電極アセンブリ1200に関して上述したように、使用時、カソード電極1220、1222はアノード電極1224の垂直方向上方に配置される。システム1000に関して上述したように、第1カソード電極1220及びアノード電極1224は、第1刺激チャネルの一部分を形成し得る。システム1000に関して上述したように、第2カソード電極1222及びアノード電極1224は、第2刺激チャネルの一部分を形成し得る。このように、アノード電極1224は第1刺激チャネル及び第2刺激チャネルのそれぞれに「共通」であり得る。示されるように、アノード電極1224は、カソード電極1220、1222の導電性表面領域を組み合わせたものに等しい又はそれよりも大きな導電性表面領域を有する。
【0102】
[1135]
図23に示すような別の例では、一実施形態による電極アセンブリ1203は、パネル1231と、パネル1231上に配置された6つの電極(又は電極領域)1230、1232、1233、1234、1236、1235と、を含む。パネル1231の非導電領域1238が各電極の間に配置されている。電極1230、1232及び電極1234、1236は、それぞれ電極1210、1212及び電極1214、1216に形状及び/又は機能が実質的に類似し得るため、ここでは詳細に記載しない。例えば、電極1230、1232及び電極1234、1236は、電極アセンブリ1200に関して上述したように第1刺激チャネル及び第2刺激チャネルの一部分を形成するように構成された、それぞれカソード電極及びアノード電極であり得る。電極1233、1235はそれぞれ、コネクタに関連付けられている。コネクタは、フレームアセンブリ1100に実質的に類似するフレームアセンブリ(
図23には図示せず)によって、各電極に対応するコネクタ(例えば、合計6つのコネクタ)をその内部表面に含む電気刺激器1400に電気的に結合されるように構成されている。電極1233、1235は、フレームアセンブリを介して電気刺激器1400と電気通信する第3刺激チャネルの一部分を形成するように構成されている。
【0103】
[1136] 電極アセンブリ1203は、単一パネル1231に配置された6つの電極1230、1232、1233、1234、1236、1235を含むものとして示され、記載されているが、別の実施形態では、電極アセンブリ1205は、2つのパネルに分配された5つ又は6つの電極を含む。より具体的には、
図24に示される実施形態では、電極の間に非導電領域1248を含む第1パネル1241に4つの電極(又は電極領域)1240、1242、1244、1246が配置されている。第1パネル1241及び各電極1240、1242、1244、1246は、形態及び機能が電極アセンブリ1200に実質的に類似し得る又は同一であり得るため、本明細書中では詳細に記載しない。他の実施形態では、しかしながら、第1パネルは、
図22に関して本明細書中に示され、記載される電極アセンブリ1201のパネルに実質的に類似し得る。
図24を再度参照すると、電極アセンブリは、電極1233、1235に関して上述したものと類似の手法で第3刺激チャネルの一部分を形成するように構成されている2つの電極(又は電極領域)1243、1245を含む第2パネル1247を含み得る。ある実施形態では、第2パネル1247は、装具1050が装着されたとき、第1パネル1241に隣接する肢部分の一部分に対向する肢部分の一部分に隣接して第2パネル1247を配置するように、フレームアセンブリ1100に結合されるように構成されている。
【0104】
[1137] 電極アセンブリ1200は、パネル1202を含み、パネル1202には複数の電極(例えば、電極1210、1212、1214、1216)が固定的に結合されているものとして本明細書中に示し、記載されているが、ある実施形態では、電極アセンブリは、フレームアセンブリ1100に異なる手法で結合されるように構成されている1つ、2つ、3つ、4つ又はこれより多い電極を含み得る。例えば、ある実施形態では、電極アセンブリ1200は、1つ以上の従来の電極(例えば、ヒドロゲル電極、小布電極等)を含み得る。
【0105】
[1138]
図19A~
図19Bに示すように、電極アセンブリ2250は、ゲル電極2252のセットを含み得る。このセットの電極のそれぞれは、第1側2254と、第1側の反対側の第2側2256と、を有する。電極2252の第1側2254はゲル(例えば、ヒドロゲル)を含み、患者の肢の皮膚と接触させるように構成されている。電極2252の第2側2256は、電極を刺激器1400と電気通信させるように構成されたコネクタ2257を含む。電極2252は、任意選択的に、電極2262をフレームアセンブリ1100に結合するために、
図19C~
図19Dに関して本明細書中に示され、記載される電極基部1250などの電極基部と接触する及び/又はこのような電極基部によって少なくとも部分的に受け入れられるように構成され得る。他の実施形態では、電極2252(又は電極アセンブリ2250)は、フレームアセンブリ1100に異なる手法で結合され得る。
【0106】
[1139]
図20A~
図20Bに示すような別の例では、電極アセンブリ2260は、布電極2262のセットを含み得る。このセットの電極はそれぞれ、第1側2264と、第1側の反対側の第2側2266と、を有する。電極2262の第1側2264は布を含み、患者の肢の皮膚と接触させるように構成されている。使用時、布は、患者の皮膚と接触させる前に、布における刺激電流の伝送を容易にするために濡らしてもよい。電極2262の第2側2266は、電極を刺激器1400と電気通信させるように構成されたコネクタ2267を含む。電極2262は、任意選択的に、電極2262をフレームアセンブリ1100に結合するために、
図19C~
図19Dに関して本明細書中に示され、記載される電極基部1260などの電極基部と接触する及び/又はこのような電極基部によって少なくとも部分的に受け入れられるように構成され得る。他の実施形態では、電極2262(又は電極アセンブリ2260)は、フレームアセンブリ1100に異なる手法で結合され得る。
【0107】
[1140] 複数の固定的に結合された電極1210、1212、1214、1214を含むパネル1202に加えて又はその代わりに、1つ以上の従来の電極を装具1050とともに使用することができる。このような1つ以上の従来の電極は、フレームアセンブリ1100に任意の適切な手法で結合することができる。例えば、
図19C~
図19Dに示すように、一実施形態による電極アセンブリは、ワイヤ1252(又は他の適切な回路)によってスナップコネクタ1254に結合された電極基部1250を含み得る。スナップコネクタ1254は、電極基部1250をフレームアセンブリ1100のコネクタ1230、1232、1234、1236のうちの1つに機械的に及び電気的に結合するように構成されている。スナップコネクタ1254と電極基部1250との間のワイヤ1252は可撓性であり得るため、フレームアセンブリ1100の内層1160に対する基部1250の選択的な位置決めが可能であり得る。電極基部1250は、例えば、ヒドロゲル電極に結合される又はそうでなければ係合されるように構成されている。
【0108】
[1141]
図20C~
図20Dに示すような別の例では、一実施形態による電極アセンブリは、ワイヤ1262(又は他の適切な回路)によってスナップコネクタ1264に結合された電極基部1260を含み得る。スナップコネクタ1264は、電極基部1260をフレームアセンブリ1100のコネクタ1230、1232、1234、1236のうちの1つに機械的に及び電気的に結合するように構成されている。スナップコネクタ1264と電極基部1260との間のワイヤ1262は可撓性であり得るため、フレームアセンブリ1100の内層1160に対する基部1260の選択的な位置決めが可能である。
図20Bに示すように、ワイヤ1262の少なくとも一部分は電極基部1260内に配置され得る。電極基部1260は、例えば、柔らかい布電極に結合される又はそうでなければ係合されるように構成されている。
【0109】
[1142] 電極アセンブリ(例えば、電極アセンブリ1200)はパネル(例えば、パネル1202)を含み、パネルには、複数の電極(例えば、電極1210、1212、1214、1216)が固定的に結合されているものとして本明細書中に示し、記載してきたが、ある実施形態では、1つ以上の電極をパネルに着脱可能に結合可能であり得る。例えば、電極は、面ファスナー、除去可能な接着剤等によってパネルに結合され得る。電極アセンブリは、一端が電極に取り付けられており反対端がパネルによってコネクタに電気的に結合されている可撓性ワイヤ又は他の適切な可撓性電気延長具を含み得る。可撓性ワイヤは、パネルに対する電極の様々な動きを可能にするように構成されている。このように、電極は、肢部分に面するパネルの側の、複数の異なる位置のうちの1つに選択的に配置され得る。
【0110】
[1143] 電極アセンブリ1200及びより一般的には電極は、フレームアセンブリ1100の内部表面に着脱可能に結合されているものとして本明細書中に示し、記載してきたが、ある実施形態では、電極アセンブリ1200又は電極の少なくとも1つは、フレームアセンブリ1100から独立して患者の体に配置されている又はそうでなければ結合されている。例えば、ある実施形態では、ケーブル又はワイヤによって電気刺激器1400に結合され得る1つ、2つ、3つ、4つ又はそれより多い電極はフレームアセンブリ1100を使用することなく患者の体(例えば、皮膚)に直接結合されている。このような電極及び電気刺激器1400は本明細書中に記載される刺激パターンの任意の1つ以上を含む任意の適切な手法で刺激を加えるように集合的に構成され得る。
【0111】
[1144] 装具1050の電気刺激器1400は、患者の体に機能的電気刺激を加えるように構成されており、ハードウェアとソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。電気刺激器1400は、本明細書中に記載される電気刺激器140に形状及び/又は機能が実質的に類似し得る。例えば、電気刺激器140は、少なくとも肢の神経筋系の一部分に電流の流れを供給するよう動作可能な1つ以上の電気回路を含む電子デバイスであり得る。より具体的には、電気刺激器1400は、本明細書中に記載されるように、複数のチャネルを通じて肢の神経筋系の1つ以上の部分に電流の流れを与えるように構成されている。例えば、電気刺激器1400は、デュアルチャネル又は3チャネルFESなどの多チャネル電気刺激を与えるように構成され得る又はプログラムされ得る。換言すると、電気刺激器1400は、2つのチャネル(又は刺激チャネル)又は3つのチャネルを使用し、電極アセンブリを通じて少なくとも肢の神経筋系の一部分に電流の流れを与えるように選択的に動作可能である。ある実施形態では、刺激器1400は、各刺激チャネルのための、装具1050と電気的に接続するように構成された専用接触子又はコネクタを含む。
【0112】
[1145] 電気刺激器1400は、例えば、少なくともメモリ、プロセッサ、及び刺激器のハウジング内に配置された電源を含み得る。装具1050の電気刺激器1400は、フレームアセンブリ1100のクレードル1130に着脱可能に結合され得る。本明細書中に記載されるように、クレードル1130は、電気刺激器1400を少なくとも一時的に保持するように構成されている。このように、電気刺激器1400(例えば、電気刺激器のハウジング)は、フレームアセンブリ1100に取り付けることができ、フレームアセンブリ1100によって支持され得る。
【0113】
[1146] 例えば、電気刺激器1400が組み立て済みのフレームアセンブリ1100に着脱可能に結合されると、電気刺激器1400は、電極アセンブリ1200(又は任意選択的に、電極アセンブリ1201が挙げられるが、これに限定されない本明細書中に記載される別の電極アセンブリ)と電気通信されるように構成されている。電気刺激器1400は、電気刺激器1400をフレームアセンブリ1100の少なくとも1つのコネクタ(又は電極コネクタ)に電気的に結合するように構成されている少なくとも1つの電気接点又はコネクタを含む。より具体的には、電気刺激器1400は、例えば、フレームの内部部分1116の底板1134の開口部1136、1137を通じて及び/又はクレードル1130の一連のコネクタ1131を介してフレームアセンブリの対応するコネクタ(図示せず)に電気的に結合されるように構成された第1コネクタ及び第2コネクタ(図示せず)を含み得る。このように、電気刺激器1400は、患者の肢の神経筋系の一部分のデュアルチャネル刺激用に構成され得る。電気刺激器1400の第1及び第2コネクタは、任意の適切な配線、コネクタ、接触子、インターフェース及び/又は構造を含み得る。
【0114】
[1147] ある実施形態では、装具1050の第1構成要素セットは、第1チャネルを通じてFESを与えるように構成されている。第1構成要素セットは、例えば、電気刺激器1400と、電極1210、1214と、これらの間の1つ以上のコネクタ、配線、他の回路等と、を含み得る。使用時、電気刺激器1400は、第1パラメータセットによる第1信号を電極1210(例えば、カソード電極)に送信し、その結果、電極1210は第1パラメータセットによる電流を、肢の神経筋系の一部分と、組織を介して電極1214(例えば、アノード電極)とに供給し、それによって第1刺激チャネルを規定する。
【0115】
[1148] 装具1050の第2構成要素セットは、第2チャネルを通じてFESを与えるように構成され得る。第2構成要素セットは、例えば、電気刺激器1400と、電極1212、1216と、これらの間の1つ以上のコネクタ、配線、他の回路等と、を含み得る。使用時、電気刺激器1400は、第2パラメータセットによる第2信号を電極1212(例えば、カソード電極)に送信し、その結果、電極1212は第2パラメータセットによる電流を肢の神経筋系の一部分に供給し、電流の少なくとも一部は電極1216(例えば、アノード電極)によって組織から受信され、それにより第2刺激チャネルを規定する。このような実施形態では、システム1000は、第1チャネル及び第2チャネルを通る時間の間に肢に単極刺激を実質的に同時に与えるように構成され得る。
【0116】
[1149] 電気刺激器1400は、各チャネルを通る電流の流れと関連する1つ以上のパラメータを選択的に及び/又は独立的に制御することができる。このようなパラメータとしては、電流の流れがオンであるかオフであるかを問わず、電流の強度を集合的に規定し得る、電流の振幅、電圧、パルスレート、波形等が挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、第2チャネルを電流が流れるのと実質的に同時に第1チャネルを電流が流れるように、ある時間の間、電気刺激器1400は、第1強度を有する電流の流れを第1チャネル(例えば、
図25に示すようなCh1、以下参照)を通じて供給することができ、第2強度を有する電流の流れを第2チャネルを通じて供給することができる(例えば、
図25に示すようなCh2、以下参照)。第2強度は、第1強度よりも小さい、第1強度に実質的に等しい、又は第1強度よりも大きいものとされ得る。ある実施形態では、第1強度は第2強度よりも大きい。
【0117】
[1150] ある実施形態では、第1チャネルを通じて供給される電流は、第2チャネルを通じて供給される電流の振幅とは異なる振幅を有する。第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は、約10ミリアンペア(mA)~約50mAの範囲内の振幅を有し得る。例えば、ある実施形態では、第1チャネルの電流の振幅は約10mA~約50mAの範囲内であり、第2チャネルの電流の振幅は約10mA~約30mAの範囲内である。より具体的には、ある実施形態では、第1チャネルに関連する電流の振幅は約30mAとすることができ、第2チャネルに関連する電流の振幅は約25mAとすることができる。デュアルチャネル刺激を使用することにより、同様の又は改善された足の運動を、既知のFESシステムを用いたより高い強度の刺激によって生じる電流振幅よりも低い電流振幅を含むより低い強度を用いて促進することができることに留意されたい。
【0118】
[1151] ある実施形態では、第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は、10ヘルツ(「Hz」)~60Hzの範囲内のパルスレートを有する。例えば、一実施形態では、第1チャネル及び第2チャネルの両方により供給される電流のパルスレートは30Hzである。別の例では、一実施形態では、第1チャネル及び第2チャネルの両方により供給される電流のパルスレートは40Hzである。ある実施形態では、第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は対称な波形を有する。しかしながら、他の実施形態では、電流は非対称な波形又は正弦波形などの異なる波形を生成することができる。ある実施形態では、第1チャネル又は第2チャネルのうちの少なくとも1つを通じて供給される電流は、50マイクロ秒(μs)~300μsの範囲内の位相持続時間を有する。例えば、一実施形態では、第1チャネル及び第2チャネルの両方により供給される電流の位相持続時間は、200μsである。
【0119】
[1152] このように、電気刺激器1400は実質的にある時間の間に2つのチャネルのそれぞれに電流を流すことができる一方、電気刺激器1400は各チャネル内を流れる電流のパラメータを、別のチャネル内を流れる電流の1つ以上のパラメータとは独立して制御する。各チャネル内の電流の流れを独立制御することによって、電気刺激器1400及び装具1050全体は、肢の神経筋系内の電流を操作し、それにより、単一チャネル刺激を用いる既知のFESシステムを使用することで生じたであろうものに比べ、歩行イベント中における肢10の一部分(例えば、足)の運動及び位置決めの改善を促すように構成されている。例えば、本明細書中に記載される多チャネルFESシステムは、既知のFESシステムの使用により生じるより良好な平衡背屈及び/又はより良好な平衡底屈を促進する。
【0120】
[1153] 電気刺激器1400は、装具1050を用いて、本明細書中に記載される任意の刺激パラメータを含む複数の刺激構成又はパターンを与えるようにプログラムされ得る。例えば、
図25を参照すると、一実施形態では、システム1000は、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2を通じた肢の神経筋系の少なくとも一部分(例えば、脚)の刺激用に構成されている。第1チャネルCh1は、少なくとも一部、電極アセンブリ1200の第1カソード電極1210及び第1アノード電極1214、並びに刺激器1400及びこれらの間の回路及び/又はコネクタ(例えば、電極コネクタ1230、1234)によって形成されている。第2チャネルCh2は、少なくとも一部、第2カソード電極1212及び第2アノード電極1216、並びに刺激器1400及びこれらの間の回路及び/又はコネクタ(例えば、電極コネクタ1232、1236)によって形成されている。ある実施形態では、例えば、装具1050が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着される場合、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができる。
【0121】
[1154] 電気刺激器1400は、ある時間の間、第1カソード電極1210及び第1アノード電極1214のうちの少なくとも1つから肢の神経筋系に、及び第1カソード電極1210と第1アノード電極1214との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されている。より具体的には、電気刺激器1400は、第1カソード電極1210から神経筋系を通って第1アノード電極1214に電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成され得る。ある実施形態では、刺激は双極である。ある実施形態では、刺激は単極である。電気刺激器1400は、第2カソード電極1212及び第2アノード電極1216のうちの少なくとも1つから肢の神経筋系に、第2カソード電極1212と第2アノード電極1216との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。ある実施形態では、刺激は双極である。他の実施形態では、刺激は単極である。このように、システム100は、
図25の矢印D及び矢印Eによって示されるように、神経筋系を通る平行刺激チャネルを設けるように構成され得る。ある実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間の間に実質的に同時に第2チャネルCh2を通じて与えられる。他の実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間とは異なる第2時間の間(例えば、より早い時間若しくは後の時間の間又は別の時間の間)、第2チャネルCh2を通じて与えられる。
【0122】
[1155] 別の例では、
図26を参照すると、一実施形態では、システム1000は、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2を通じた肢の神経筋系の少なくとも一部分(例えば、脚)の刺激用に構成されている。第1チャネルCh1は、少なくとも一部、電極アセンブリ1200の第1カソード電極1210及び第2アノード電極1216、並びに刺激器1400及びこれらの間の回路及び/又はコネクタによって形成されている。第2チャネルCh2は、少なくとも一部、第2カソード電極1212及び第1アノード電極1214、並びに刺激器1400及びこれらの間の回路及び/又はコネクタによって形成されている。ある実施形態では、例えば、装具1050が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着される場合、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができる。
【0123】
[1156] 電気刺激器1400は、ある時間の間、第1カソード電極1210及び第2アノード電極1216のうちの少なくとも1つから肢の神経筋系に、及び第1カソード電極1210と第2アノード電極1216との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されている。より具体的には、電気刺激器1400は、第1カソード電極1210から肢の神経筋系を通って第2アノード電極1216に電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成され得る。ある実施形態では、刺激は双極である。他の実施形態では、刺激は単極である。
【0124】
[1157] 電気刺激器1400は、第2カソード電極1212及び第1アノード電極1214のうちの少なくとも1つから肢の神経筋系に、及び第2カソード電極1212と第1アノード電極1214との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。より具体的には、電気刺激器1400は、第2カソード電極1212から肢の神経筋系を通って第1アノード電極1214に電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成され得る。ある実施形態では、刺激は双極である。他の実施形態では、刺激は単極である。このように、システム100は、
図26の矢印F及び矢印Gによって示されるように、神経筋系を通る対角刺激チャネルを設けるように構成されていると考えることができる。ある実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間の間に実質的に同時に第2チャネルCh2を通じて与えられる。他の実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間とは異なる第2時間の間(例えば、より早い時間若しくは後の時間の間又は別の時間の間)、第2チャネルCh2を通じて与えられる。このような刺激構成を実現するために、ある実施形態では、電極コネクタ1234、1236へのワイヤ1244、1246の接続はそれぞれ、ルート変更されても若しくは反転されてもよい、又は刺激器のコネクタ又は接触子へのワイヤ1244、1246の接続はルート変更されても若しくは反転されてもよい。
【0125】
[1158] 別の例では、
図27を参照すると、一実施形態では、システム1000は、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2を通じた肢の神経筋系の少なくとも一部分(例えば、脚)の刺激用に構成されている。第1チャネルCh1は、少なくとも一部、フレームアセンブリ1100の第1電極コネクタ1230に結合された第1カソード電極1220と、電極アセンブリ1201のアノード電極1224、並びに刺激器1400及びこれらの間の回路及び/又は更なるコネクタに結合された第3電極コネクタ1234を介するアノード電極1224とによって形成されている。第2チャネルCh2は、少なくとも一部、フレームアセンブリ1100の第2電極コネクタ1232に結合された第2カソード電極1222と、アノード電極1224、並びに刺激器1400及びこれらの間の回路及び/又は更なるコネクタに結合された第4電極コネクタ1236を介するアノード電極1224によって形成されている。ある実施形態では、例えば、装具1050が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着される場合、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができる。
【0126】
[1159] 電気刺激器1400は、ある時間の間、第1カソード電極1220から肢の神経筋系に、及び第1カソード電極1220とアノード電極1224との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されている。ある実施形態では、第1チャネルCh1を通って流れる電流の少なくとも一部は、アノード電極1224及びコネクタ1234、1236の1つ以上を通って電気刺激器1400に戻る。ある実施形態では、刺激は単極である。他の実施形態では、刺激は双極である。電気刺激器1400は、第2カソード電極1222から肢の神経筋系に、及び第2カソード電極1222とアノード電極1224との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。ある実施形態では、第2チャネルCh2を通って流れる電流の少なくとも一部は、アノード電極1224及びコネクタ1234、1236の1つ以上を通って電気刺激器1400に戻る。ある実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間の間に実質的に同時に第2チャネルCh2を通じて与えられる。他の実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間とは異なる第2時間の間(例えば、より早い時間若しくは後の時間の間又は別の時間の間)、第2チャネルCh2を通じて与えられる。ある実施形態では、刺激は単極である。他の実施形態では、刺激は双極である。
【0127】
[1160] このように、システム100は、
図27の矢印H及び矢印Iによって概ね示される、組織を通る電流の流れを伴う、共通アノードを使用する、肢の神経筋系を通る2つの刺激チャネルを設けるように構成されていると考えることができる。本明細書中に記載されるように、神経筋系にFESを与えるための1つ以上の共通アノード構成を実装するFESシステムは神経筋組織に、電流の流れを、単一チャネル刺激システムによって供給される電流の流れよりも大きく分配することができる。加えて、各チャネル(即ち、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2)に沿った電流の流れ、ゆえに、電流の強度の1つ以上のパラメータは刺激器に独立してプログラムされる又は刺激器によって選択されることから、神経筋系内における電流の分配は、1つ以上のパラメータを制御することによって(例えば、電流の振幅を増加する又は減少することによって)目標設定することができる又はそうでなければ操作することができ、それによって、足の背屈、底屈、回内又は回外などの神経筋系による所望の応答を促す。
【0128】
[1161] 更に別の例では、
図28を参照すると、一実施形態では、システム1000は、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2を通じた肢の神経筋系の少なくとも一部分(例えば、脚)の刺激用に構成されている。第1チャネルCh1は、少なくとも一部、電極アセンブリ1200の第1カソード電極1210及び第1アノード電極1214、並びに刺激器1400及びそれらの間の回路及び/又はコネクタによって形成されている。第2チャネルCh2は、少なくとも一部、第2カソード電極1212及び第2アノード電極1216、並びに刺激器1400及びそれらの間の回路及び/又はコネクタによって形成されている。ある実施形態では、例えば、装具1050が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着される場合、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができ、チャネルCh1、Ch2に関連する電極は、それぞれ内側電極及び外側電極であると考えることができる。
【0129】
[1162] 電気刺激器1400は、ある時間の間、
図28に矢印Jによって示されるように、第1カソード電極1210から肢の神経筋系に、及び第1カソード電極1210と、第1アノード電極1214及び第2アノード電極1216のうちの少なくとも1つ又は両方との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されている。電気刺激器1400は、
図28の矢印Kによって示されるように、第2カソード電極1212から肢の神経筋系に、及び第1カソード電極1210と、第1アノード電極1214及び第2アノード電極1216のうちの少なくとも1つ又は両方との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。第1チャネルCh1を通って流れる電流の少なくとも一部は、組織から第1アノード電極1214及び/又は第2アノード電極1216を通って刺激器1400に戻る(又は流れる)ことができ、第2チャネルCh2を通って流れる電流の少なくとも一部は、組織から第1アノード電極1214及び/又は第2アノード電極1216を通って刺激器1400に戻る(又は流れる)ことができる。このように、第1アノード電極と第2アノード電極は、共通アノード電極として集合的に動作可能である。ある実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間の間に実質的に同時に第2チャネルCh2を通じて与えられる。他の実施形態では、刺激は、第1時間の間、第1チャネルCh1を通じて与えられ、刺激は、第1時間とは異なる第2時間の間(例えば、より早い時間若しくは後の時間の間又は別の時間の間)、第2チャネルCh2を通じて与えられる。ある実施形態では、共通アノード電極として第1アノード電極1214及び第2アノード電極1216の動作を実現するために、
図28の線Lによって示されるように、及び第1アノード電極1214と第2アノード電極1216との間に短絡が含まれる。このような実施形態では、電気刺激器1400は単極刺激を与えるように構成され得る。
【0130】
[1163] 更に別の例では、
図29及び
図39~
図44を参照すると、一実施形態では、システム1000は、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2を通じた肢の神経筋系の少なくとも一部分(例えば、脚)の選択的に制御された刺激用に構成されている。第1チャネルCh1は、少なくとも一部、電極アセンブリ1200の第1カソード電極1210、第1アノード電極1214、及び第2アノード電極1216、並びに刺激器1400及びそれらの間の回路及び/又はコネクタによって形成されている。第2チャネルCh2は、少なくとも一部、第2カソード電極1212、第1アノード電極1214、及び第2アノード電極1216、並びに刺激器1400及びそれらの間の回路及び/又はコネクタによって形成されている。ある実施形態では、例えば、装具1050が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着される場合、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができ、チャネルCh1、Ch2に関連する電極は、それぞれ内側電極及び外側電極であると考えることができる。
【0131】
[1164] 電気刺激器1400は、第1時間の間、
図29及び
図39の矢印N1及び矢印N2によって示されるように、第2カソード電極1212から肢の神経筋系に、及び第2カソード電極1212と第1アノード電極1214及び第2アノード電極1216のそれぞれとの間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。より具体的には、
図39により良く示されるように、第1時間の間、電気刺激器1400は第1刺激信号を第2(又は外側)カソード電極1212に送信し、第2カソード電極1212は肢の神経筋系の一部分に、並びに第1(又は内側)アノード電極1214及び第2(又は外側)アノード電極1216に電流(又は刺激)を供給する。第1刺激信号によって、第2カソード電極1212は第1パラメータセットを有する電流を供給する。第2カソード電極1212によって供給された電流の少なくとも一部は、第1アノード電極1214及び第2アノード電極1216を通って刺激器1400に戻ることができる。このように、電気刺激器1400は、少なくとも第1時間の間、一部、電極アセンブリ1200の両アノード電極1214、1216によって形成される第2チャネルCh2を通じて肢の神経筋系の一部分に第1刺激を与えるように構成されている(又はプログラムされている)。
図39に示すように、第1チャネルCh1は、第1時間の間、開放され得る(又は不完全である又は機能しない)。
【0132】
[1165] 電気刺激器1400は、第2時間の間、第1時間の後、
図29及び
図40の矢印M1及び矢印M2によって示されるように、第1カソード電極1210から肢の神経筋系に、並びに第1カソード電極1210と第1アノード電極1214及び第2アノード電極1216のそれぞれとの間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されている。より具体的には、
図40により良く示されるように、第2時間の間、電気刺激器1400は第2刺激信号を第1(又は内側)カソード電極1210に送信し、第1カソード電極1210は、肢の神経筋系の一部分に、並びに肢の神経筋系を通じて第1(又は内側)アノード電極1214及び第2(又は外側)アノード電極1216に電流(又は刺激)を供給する。第2刺激信号によって、第1カソード電極1210は、第1時間の間に第2カソード電極1212によって供給される電流の第1パラメータセットと異なり得る第2パラメータセットを有する電流を供給する。第1カソード電極1210によって供給された電流の少なくとも一部は、第1アノード電極1214及び/又は第2アノード電極1216を通って刺激器1400に戻ることができる。このように、電気刺激器1400は、少なくとも第2時間の間、一部、電極アセンブリ1200の両アノード電極1214、1216によって形成される第1チャネルCh1を通じて肢の神経筋系の一部分に第2刺激を与え、戻すように構成されている(又はプログラムされている)。第2チャネルCh2は、第2時間の間、
図40に示すように、開放され得る(又は不完全である又は機能しない)。
【0133】
[1166] 第1時間及び第2時間は、「踵離地」イベント又は「踵接地」イベントなどの歩行イベント中に実質的に起こり得る。ある実施形態では、システムは、歩行イベントを検出するように構成されたセンサ(例えば、センサ130)を含む。センサは、歩行イベントが検出されると、電気刺激器1400に信号を送信するように構成され得る。電気刺激器1400は、センサから受信した信号に応じて第1信号又は第2信号のうちの少なくとも1つを送信するように構成され得る。
【0134】
[1167] 第1パラメータセットを有する電流と第2パラメータセットを有する電流は、歩行イベント中、足の所望の動き又は姿勢を生じるように集合的に構成されている。換言すると、第1パラメータセット及び第2パラメータセットのそれぞれは、そのようなパラメータを有する電流に対する肢の神経筋系の所望の応答を生じるように選択される。例えば、第1パラメータセットは第1電流強度を含むことができ、第2パラメータセットは第1強度とは異なる第2電流強度を含むことができ、足の背屈、底屈、回外及び/又は回内を生じるように構成されている。第1チャネルCh1及び/又は第2チャネルCh2を通る刺激信号の少なくとも1つは単極であり得る。
【0135】
[1168]
図29及び
図39~
図40に示される実施形態では、第1アノード電極と第2アノード電極は、共通アノード電極として集合的に動作可能である。ある実施形態では、
図28に関して本明細書中に記載されるように、第1アノード電極1214と第2アノード電極1216との間に、共通アノードとしてのそれらの集合的な動作性を容易にするために短絡Lを設けることができる。このような実施形態では、電気刺激器1400は単極刺激を与えるように構成され得る。
【0136】
[1169] 第1(又は内側)アノード電極1214と第2(又は外側)アノード電極1216が(例えば、
図29に示すような)共通アノード電極として実質的に動作するように、本明細書中に記載される分割電極アセンブリ(例えば、電極アセンブリ1200)を使用してFESを与えるための、本明細書中に記載されるFESシステム1000を用いる一実施形態による別の刺激シーケンスを
図41~
図44に示す。電気刺激器1400は、電極アセンブリに一連の刺激信号(例えば、単極刺激)を与えるように構成されている(又はプログラムされている)。電気刺激器は、上述のように、センサから受信した信号に応じて刺激信号の1つ以上を送信するように構成され得る。
【0137】
[1170]
図41に示すように、第1時間の間、電気刺激器1400は第2カソード電極1212に第1刺激信号を送信し、第2カソード電極1212によって、少なくとも第1時間の間、第2アノード電極1216に電流を供給し、第2カソード電極1212と第2アノード電極1216との間の肢の神経筋系の一部分を通る第2チャネルCh2の一部分を形成する。
【0138】
[1171]
図42に示すように、第2時間の間、電気刺激器1400は第2カソード電極1212に第2刺激信号を送信し、第2カソード電極1212によって、第1アノード電極1214に電流を供給し、少なくとも第2時間の間、第2カソード電極1212と第1アノード電極1214との間の肢の神経筋系の一部分を通る第2チャネルCh2の一部分を形成する。第2時間は第1時間に後続し得る。より具体的には、第2時間は第1時間の実質的に直後に起こり得る。
【0139】
[1172]
図43に示すように、第3時間の間、電気刺激器1400は第1カソード電極1210に第3刺激信号を送信し、第1カソード電極1210によって、第1アノード電極1214に電流を供給し、少なくとも第3時間の間、第1カソード電極1210と第1アノード電極1214との間の肢の神経筋系の一部分を通る第1チャネルCh1の一部分を形成する。第3時間は第2時間に後続し得る。より具体的には、第3時間は第2時間の実質的に直後に起こり得る。
【0140】
[1173]
図44に示すように、第4時間の間、電気刺激器1400は第1カソード電極1210に第4刺激信号を送信し、第1カソード電極1210によって、第2アノード電極1216に電流を供給し、少なくとも第4時間の間、第2カソード電極1212と第1アノード電極1214との間の肢の神経筋系の一部分を通る第1チャネルCh1の一部分を形成する。第4時間は第3時間に後続し得る。より具体的には、第4時間は第3時間の実質的に直後に起こり得る。
【0141】
[1174] 各刺激信号(例えば、第1信号、第2信号、第3信号及び第4信号)は、各電極に供給される電流のパラメータセットに関連付けられている。ある実施形態では、第1刺激信号は第1パラメータセットに関連付けられ、第2刺激信号は第2パラメータセットに関連付けられ、第3刺激信号は第3パラメータセットに関連付けられ、第4刺激信号は第4パラメータセットに関連付けられている。前述のパラメータセットは、所望の動きを生成する又は肢の一部分(例えば、歩行イベント中の足)の所望の姿勢を生成するように集合的に構成されている。前述のセットのそれぞれの個々のパラメータは、他のセットのそれぞれの対応するパラメータの値とは異なる値を有し得る。例えば、各刺激器信号に応じて生成される電流の強度は異なり得るため、肢の神経筋系を通じて所望の手法で電流の操作を提供する。このように、各セットのパラメータ値は、例えば、肢部の所望の動き又は姿勢が生成されるまで刺激器に電気的に結合された制御デバイスによって調節又は調整することができる。
【0142】
[1175] ある実施形態では、電気刺激器1400は、任意の適切な通信モードによって、外部及び/又は植え込み式電気デバイスのセットから信号を受信する及び/又はこれに信号を送信することができる。例えば、ある実施形態では、電気刺激器1400は、それぞれ、電極アセンブリ1200、センサ(図示せず、例えば、センサ130)、及び/若しくは電気刺激器1400に動作的に結合された任意の他の適切な電子デバイスに信号を送信する並びに/又はこれらから信号を受信するように動作可能であり得る、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ若しくはこれより多い通信チャネル及び/又は電気チャネルを含み得る。ある実施形態では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、通信チャネル及び/又は電気チャネルの少なくとも一部分は、無線通信形式(例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、近接場通信(NFC)、ショートメッセージサービス(SMS)又はマルチメディアメッセージサービス(MMS)などのセルラー通信等に関連する形式、フォーマット等)による信号の送信及び/又は受信に関連し得る。
【0143】
[1176] システム1000は、特定数の電極(例えば、2つ、3つ、4つ、6つ)を含む電極アセンブリ(例えば、電極アセンブリ1200、1201、1203、1205)を含むものとして示し、記載してきたが、ある実施形態では、任意の適切な数の電極を含む電極アセンブリをシステム1000の装具1050に含むことができる。
【0144】
[1177] 例えば、
図30を参照すると、ある実施形態では、2つの電極(即ち、カソード電極2212及びアノード電極2214)を含む、一実施形態による「クイックフィット(quick-fit)」電極アセンブリをシステム1000とともに使用することができる。電極アセンブリ2200の第1雄コネクタ(図示せず)は、フレームアセンブリ1100のコネクタ1232に結合され、カソード電極2212を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成されている。カソード電極2212は、電極2212がフレームアセンブリ1110のコネクタ1236の上を覆うような寸法及び形状を有し、これにより、この実施形態では、電極アセンブリ2200に機械的に及び/又は電気的に結合されなくてもよいコネクタ1236を通じた、不注意による組織の刺激を防ぐように構成されている。電極アセンブリ2200の第2雄コネクタ(図示せず)は、フレームアセンブリ1100のコネクタ1234に結合され、アノード電極2214を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成されている。アノード電極2214は、電極2212がフレームアセンブリ1110のコネクタ1230の上を覆うような寸法及び形状を有し、それにより、この実施形態では、電極アセンブリ2200に機械的に及び/又は電気的に結合されなくてもよいコネクタ1230を通じた、不注意による組織の刺激を防ぐように構成されている。ある実施形態では、電極アセンブリ2200の第1雄コネクタ及び第2雄コネクタのうちの少なくとも1つは、各雄コネクタがどの電極コネクタ1230、1232、1234、1236に結合されるように構成されているかをユーザが識別するのを補助するように構成された視覚表示を含む。例えば、第1雄コネクタは、第1雄コネクタを電極アセンブリ2200の電極コネクタ1230、1232、1234、1236のうちの所定の1つに結合すべきであることを示す色分けされた部分を含むことができ、第2雄コネクタは、第2雄コネクタを電極コネクタ1230、1232、1234、1236のうちの別の所定の1つに結合すべきであることを示す色分けされた部分を含み得る。
【0145】
[1178] 電気刺激器1400は、第1時間の間、
図30の矢印Pによって示されるように、カソード電極2212から肢の神経筋系に、及びカソード電極1210とアノード電極2214との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。第2チャネルCh2を通じて組織に流れる電流の少なくとも一部は、アノード電極2214及び第1チャネルCh1を通って組織から刺激器1400に戻る(又は流れる)ことができる。ある実施形態では、刺激は単極である。他の実施形態では、刺激は双極である。
【0146】
[1179] 2つの電極を含む電極アセンブリの更なる例を、
図45A~
図46Bに示す。例えば、
図45A~
図45Bに示すように、一実施形態による電極アセンブリ2221は、パネル2222と、パネル2222上に配置された2つの電極(又は電極領域)2222、2224と、を含む。パネル2221の非導電領域2223は、電極2222と電極2224との間に配置されている。
図46Bに示すように、電極2242と電極2244との間の非導電領域2243は、湾曲している又は非線形である。例えば、ある実施形態では、非導電領域2243は波形である。同様に、電極2242、2244はそれぞれ、非導電領域2223の反対側の側部に配置された実質的に波形の縁部又は周縁部を含み、周縁部は実質的に平行とすることができる。電極2222、2224は、本明細書中に記載される任意の電極に形状及び/又は機能が実質的に類似し得る。例えば、電極2222、2224の1つはカソード電極とすることができ、電極2222、2224のもう一方はアノード電極とすることができる。電極アセンブリ2220は、装具1050とともに使用するように構成されており、フレームアセンブリ1100に結合されるように構成されている。電極アセンブリ2220は、本明細書中に記載される任意の適切な手法でフレームアセンブリ1100に結合され得る。電極2222、2224はそれぞれ、コネクタ2226、2228のそれぞれに関連付けられており、フレームアセンブリ1100の対応するコネクタを介して電気刺激器1400に電気的に結合されるように構成されている。示されるように、コネクタ2226、2228は、フレームアセンブリ1100の相補コネクタに着脱可能に結合されるように構成されている雄コネクタである。電極アセンブリ2220は2つの雄コネクタのみを含むことから、フレームアセンブリの2つの相補コネクタは電極アセンブリ2220に関しては使用されなくてもよい。従って、コネクタカバー(例えば、
図6Aに関して本明細書中に示され、記載したコネクタカバー1270)を、任意選択的に、使用されないコネクタとともに使用することができる。電極アセンブリ2220は2つのコネクタを含むものとして本明細書中に示され、記載されているが、他の実施形態では、電極アセンブリは、3つ、4つ又はそれより多いコネクタなどの任意の適切な数のコネクタを含み得る。加えて、電極アセンブリ2220雄コネクタを含むものとして示されているが、別の実施形態では、電極アセンブリは、フレームアセンブリの相補雄コネクタに結合されるように構成されている雌コネクタを含み得る。
【0147】
[1180] 別の例では、
図46A~
図46Bに示すように、一実施形態による電極アセンブリ2240は、パネル2241と、パネル2241上に配置された2つの電極(又は電極領域)2242、2244と、を含む。パネル2241の非導電領域2243は電極2242と電極2244との間に配置されている。
図46Bに示すように、電極2242と電極2244との間の非導電領域2243は実質的に線形である。同様に、電極2242、2244はそれぞれ、実質的に線形の縁部又は周縁部を含み、周縁部は、実質的に平行とすることができ、非導電領域2243の反対側の側部に配置され得る。電極2242、2244は、本明細書中に記載される任意の電極に形状及び/又は機能が実質的に類似し得る。例えば、電極2242、2244の1つはカソード電極とすることができ、電極2242、2244のもう一方はアノード電極とすることができる。電極アセンブリ2240は装具1050とともに使用するように構成されており、フレームアセンブリ1100に結合されるように構成されている。電極アセンブリ2240は、本明細書中に記載される任意の適切な手法でフレームアセンブリ1100に結合され得る。電極2242、2244はそれぞれ、コネクタ2246、2248それぞれに関連付けられており、フレームアセンブリ1100の対応するコネクタを介して電気刺激器1400に電気的に結合されるように構成されている。示されるように、コネクタ2246、2248は、フレームアセンブリ1100の相補コネクタに着脱可能に結合されるように構成されている雄コネクタである。電極アセンブリ2240は2つの雄コネクタのみを含むことから、フレームアセンブリの2つの相補コネクタは電極アセンブリ2240に関しては使用されなくてもよい。従って、コネクタカバー(
図6Aに関して本明細書中に示され、記載したコネクタカバー1270など)を、任意選択的に、使用されないコネクタとともに使用することができる。電極アセンブリ2240は2つの雄コネクタを含むものとして本明細書中に示され、記載されているが、他の実施形態では、電極アセンブリは、3つ、4つ又はそれより多いコネクタなどの任意の適切な数のコネクタを含み得る。加えて、電極アセンブリ2240は雄コネクタを含むものとして示されているが、別の実施形態では、電極アセンブリは、フレームアセンブリの相補雄コネクタに結合されるように構成されている雌コネクタを含み得る。
【0148】
[1181] 異なる電極形状を持つ電極アセンブリ2220、2240を示しているが、電極アセンブリ2220、2240は多くの点で電極アセンブリ2200に実質的に類似し得る又は同一であり得るとともに、電極アセンブリ2200に関して上述したものと類似の手法でFESに使用することができるため、こうした詳細についてはここでは繰り返さない。
【0149】
[1182] システム1000は、電極アセンブリがフレームアセンブリ1110に結合され、装具1050が患者によって装着されるとカソード電極(例えば、電極1210、1212)がアノード電極の垂直方向上方に(又は患者の胴部を基準にしてアノード電極の近位に)配置される電極アセンブリ(例えば、電極アセンブリ120、1200、1201、1203、1205)を含むものとして示し、記載してきたが、ある実施形態では、装具1050とともに使用するように構成された電極アセンブリは、パネルに対し(及び従って、装具1050が装着されたときの患者の肢に対し)異なるように配置される又は分配されるカソード電極及びアノード電極を含み得る。
【0150】
[1183] 例えば、
図31を参照すると、電極アセンブリ2300は、本明細書中に記載されるFESシステム1000とともに使用するように構成されている。電極アセンブリ2300は、パネル2302上に形成され、配置され、又はそうでなければ結合された4つの電極2310、2312、2314、2316を含み、そのうちの2つの電極2312、2316は、装具1050が患者の脚に装着されており、患者が立位であるとき、患者の胴部を基準にして第1カソード電極2312が第2カソード電極2316の近位にあるように、パネル2302の実質的に第1半分に配置されたカソード電極である。電極アセンブリ2300の他の2つの電極2310、2314は、装具1050が患者の脚に装着されており、患者が立位であるとき、患者の胴部を基準にして第1アノード電極2310が第2アノード電極2314の近位にあるように、パネル2302の実質的に第2半分に配置されたアノード電極である。
【0151】
[1184] 電気刺激器1400は、ある時間の間、
図31の矢印Qによって概ね示されるように、刺激器1400から第1カソード電極2312及び第2カソード電極2316に、及びカソード電極2312、2316から肢の神経筋系に、及びカソード電極2312、2316と第1及び第2アノード電極2310、2314との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成され得る。第1カソード電極2312及び第2カソード電極2316は、例えば、第1カソード電極2312と第2カソード電極2316との間に短絡(
図31の線Rによって示される)を含むことによって、「共通」カソードとして動作可能であり得る。第1アノード電極2310及び第2アノード電極2314は、
図31の線Sによって示されるような第1アノード電極2310と第2アノード電極2314との間に設けられる短絡によって容易になり得る、本明細書中に記載されるような「共通」アノードとして動作可能であり得る。
【0152】
[1185] 第2チャネルCh2を通って組織に流れる電流の少なくとも一部は、組織からアノード電極2310、2314及び第1チャネルCh1を通って刺激器1400に戻る(又は流れる)ことができる。
【0153】
[1186] 別の例では、
図32を参照すると、電極アセンブリ2400は、本明細書中に記載されるFESシステム1000とともに使用するように構成されている。電極アセンブリ2400は、
図31に関して本明細書中に示し、記載する電極アセンブリ2300と形態が実質的に類似し得る。電極アセンブリ2400は、パネル2402上に形成され、配置され、又はそうでなければ結合された4つの電極2410、2412、2414、2416を含み、そのうちの2つの電極2412、2416は、装具1050が患者の脚に装着されており、患者が立位であるとき、患者の胴部を基準にして第1カソード電極2412が第2カソード電極2416の近位にあるように、パネル2402の実質的に第1半分に配置されたカソード電極である。電極アセンブリ2400の他の2つの電極2410、2414は、装具1050が患者の脚に装着され、患者が立位であるとき、患者の胴部を基準にして第1アノード電極2410が第2アノード電極2414の近位にあるように、パネル2402の実質的に第2半分に配置されたアノード電極である。換言すると、パネル2402が装具1050に結合され、装具1050が患者の脚に装着され、患者が立位であるとき、カソード電極2412、2416はパネル2402に対して実質的に垂直方向に位置合わせされ、アノード電極2410、2414はパネル2402に対して実質的に垂直方向に位置合わせされる。
【0154】
[1187] 電気刺激器1400は、ある時間の間、刺激器1400から第1カソード電極2412及び第1アノード電極2410のうちの少なくとも1つに、並びに第1カソード電極2412及び/又は第1アノード電極2410のうちの少なくとも1つから肢の神経筋系の一部分に、及び第1カソード電極2412と第1アノード電極2410との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成され得る。電気刺激器は、その時間の間、刺激器1400から第2カソード電極2416及び第2アノード電極2414のうちの少なくとも1つに、並びに第2カソード電極2416及び/又は第2アノード電極2414のうちの少なくとも1つから第2カソード電極2416と第2アノード電極2414との間の肢の神経筋系の一部分に電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成され得る。
図32の矢印Tによって概ね示されるように、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2のそれぞれによる電流の流れは、肢の神経筋系を通って流れることができる。従って、使用時、電極アセンブリ2400は、
図30~
図31に関して本明細書中に示し、記載する電極アセンブリ2200、2300の動作から生じるものと類似のパターン及び/又は生理的効果を神経筋系に対して有する、組織を通る電流の流れを提供することができる。第1チャネルCh1及び/又は第2チャネルCh2を通って組織に流れる電流の少なくとも一部は、組織から第1アノード電極第1チャネルCh1を通って及び/又は第2アノード電極2414及び第2チャネルCh2を通って刺激器1400に戻る(又は流れる)ことができる。ある実施形態では、刺激は単極である。ある実施形態では、刺激は双極である。
【0155】
[1188] FESシステム1000はパネルに固定的に結合された複数の電極を有する電極アセンブリ(例えば、電極アセンブリ120、1200、1201、1203、1205、2200、2300、2400)を含むものとして本明細書中に示し、記載してきたが、ある実施形態では、システム1000は、1つ以上の従来の電極(例えば、ヒドロゲル電極、小布電極等)とともに使用するように構成されている。例えば、
図33を参照すると、一実施形態では、電極アセンブリ2500は、カソード電極2510及びアノード電極2514を含み、そのそれぞれは、ヒドロゲル電極、小布電極等のうちの1つであり得る。カソード電極2510は、フレームアセンブリ1100の第1電極コネクタ1230に着脱可能に結合されており、アノード電極2514はフレームアセンブリ1100の第3電極コネクタ1234に着脱可能に結合されている。従って、カソード電極2510及びアノード電極2514は第1チャネルCh1の少なくとも一部分を形成している。示されるように、この実施形態では、第2刺激チャネルは動作的に無効にされる又はそうでなければ機能しないため、第2刺激チャネルCh2を通じて刺激は与えられない。ある実施形態では、電極は第2刺激チャネルCh2、例えば、第2電極コネクタ1232及び/又は第4電極コネクタ1236に結合されない。このような実施形態では、使用されない電極コネクタ1232、1236は、任意選択的に、第1チャネルCh1を使用するFESの最中、電極コネクタ1232、1236からの不注意による電流の流れを防ぐために、電極コネクタ1232、1236上に配置された1つ以上のコネクタカバーを有することができる。
【0156】
[1189] 電気刺激器1400は、ある時間の間、刺激器1400からカソード電極2510及びアノード電極2514の少なくとも1つに、並びにカソード電極2510及び/又はアノード電極2514から肢の神経筋系の一部分に、及びカソード電極2510とアノード電極2514との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成され得る。例えば、
図33の矢印Uによって概ね示されるように、カソード電極2510からアノード電極2514に向かって電流を流すことができる。このように、システム1000は多チャネル刺激用に構成されているが、システム1000及び特に刺激器1400は、少なくとも肢の神経筋系の一部分の単一チャネル刺激を選択的に与えるように構成され得る。ある実施形態では、電流の少なくとも一部は組織からアノード電極2514及び第1チャネルCh1を通って刺激器1400に戻ることができる。ある実施形態では、刺激は単極である。ある実施形態では、刺激は双極である。
【0157】
[1190] 別の例では、
図34を参照すると、一実施形態では、電極アセンブリ2500は、カソード電極2612及びアノード電極2616を含む。カソード電極2612はフレームアセンブリ1100の第2電極コネクタ1232に着脱可能に結合されており、アノード電極2616はフレームアセンブリ1100の第4電極コネクタ1236に着脱可能に結合されている。従って、カソード電極2612及びアノード電極2614は第2チャネルCh2の少なくとも一部分を形成している。示されるように、この実施形態では、第1刺激チャネルCh1は動作的に無効にされる又はそうでなければ機能しないため、第1刺激チャネルCh1を通じて刺激は与えられない。ある実施形態では、電極は第1刺激チャネルCh1、例えば、第1電極コネクタ1230及び/又は第3電極コネクタ1234に結合されない。このような実施形態では、使用されない電極コネクタ1230、1234は、任意選択的に、その上に配置された1つ以上のコネクタカバーを有し得る。
【0158】
[1191] 電気刺激器1400は、ある時間の間、刺激器1400からカソード電極2612及びアノード電極2616のうちの少なくとも1つに、並びにカソード電極2612及び/又はアノード電極2616から肢の神経筋系の一部分に、及びカソード電極2612とアノード電極2616との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成され得る。例えば、
図34の矢印Vによって概ね示されるように、カソード電極2612からアノード電極2616に向かって電流を流すことができる。このように、システム1000は多チャネル刺激用に構成されているが、システム1000及び特に刺激器1400は、少なくとも肢の神経筋系の一部分の単一チャネル刺激を選択的に与えるように構成することができる。ある実施形態では、電流の少なくとも一部は組織からアノード電極2616及び第2チャネルCh2を通って刺激器1400に戻ることができる。ある実施形態では、刺激は単極である。ある実施形態では、刺激は双極である。
【0159】
[1192] 更に別の例では、
図35を参照すると、一実施形態では、電極アセンブリ2700は、カソード電極2712及びアノード電極2714を含む。カソード電極2712は、フレームアセンブリ1100の第2電極コネクタ1232に着脱可能に結合されており、アノード電極2714は、フレームアセンブリ1100の第3電極コネクタ1234に着脱可能に結合されている。従って、カソード電極2510は第2チャネルCh2の少なくとも一部分を形成しており、アノード電極2714は第1チャネルCh1の少なくとも一部分を形成している。第1電極コネクタ1230及び第4電極コネクタ1236は、任意選択的に、電極に結合されていない。従って、使用されない電極コネクタ1230、1236は、任意選択的に、電極アセンブリ2700を含む装具1050によるFES時に電極コネクタ1230、1236を通る、不注意による電流の流れを防ぐために、電極コネクタ1230、1236上に配置された1つ以上のコネクタカバーを有し得る。
【0160】
[1193] 電気刺激器1400は、ある時間の間、刺激器1400からカソード電極2712に電流が流れるように第2チャネルCh2を通じて、及び/又は刺激器1400からアノード電極2714に電流が流れるように第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成され得る。より具体的には、電気刺激器1400は、
図35の矢印Wによって概ね示されるように、カソード電極2712が肢の神経筋系の少なくとも一部分に電流の流れを供給し、カソード電極2712とアノード電極2714との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じてカソード電極2712に電流の流れを供給するように構成することができる。電流の少なくとも一部は、組織からアノード電極2714及び第1チャネルCh1を通って刺激器1400に戻ることができる。このように、電気刺激器1400は、肢の神経筋系の組織の交差チャネル刺激を与えるように構成され得る。ある実施形態では、刺激は単極である。ある実施形態では、刺激は双極である。
【0161】
[1194] 装具1050は、「共通アノード」構成を有する
図27に関して、並びに部分的に、第1カソード電極1220、アノード電極1224、及び電極コネクタ1230、1234(及び対応する配線)によって形成された第1チャネルCh1、及び部分的に、第2カソード電極1222、アノード電極、及び電極コネクタ1232、1236(及び対応する配線)によって形成された第2チャネルCh2を含むものとして本明細書中に示し、記載してきたが、他の実施形態では、装具1050は異なる「共通アノード」構成を有し得る。例えば、
図36を参照すると、システムは、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2を通じた肢の神経筋系の少なくとも一部分(例えば、脚)の刺激用に構成されている。第1チャネルCh1は、少なくとも一部、フレームアセンブリ1100の第1電極コネクタ1230に結合された第1カソード電極2810、及びアノード電極2814に結合された第4電極コネクタ1236を介するアノード電極2814、並びに刺激器1400及びそれらの間の回路及び/又は更なるコネクタによって形成されている。第2チャネルCh2は、少なくとも一部、フレームアセンブリ1100の第2電極コネクタ1232に結合された第2カソード電極2812、及びアノード電極2814に結合された第3電極コネクタ1234を介するアノード電極2814、並びに刺激器1400及びそれらの間の回路及び/又は更なるコネクタによって形成されている。ある実施形態では、電極コネクタ1234、1236に関連する配線(例えば、ワイヤ1244、1246)の、電気刺激器1400に対する接続は反転されている。ある実施形態では、例えば、電極アセンブリ2800を含む装具が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着されているとき、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができる。
【0162】
[1195] 電気刺激器1400は、ある時間の間、第1カソード電極1220から肢の神経筋系に、及び第1カソード電極1220とアノード電極1224との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように第1チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されている。ある実施形態では、第1チャネルCh1を通って流れる電流の少なくとも一部は、アノード電極1224及びコネクタ1234、1236の1つ以上を通って電気刺激器1400に戻る。ある実施形態では、刺激は単極である。他の実施形態では、刺激は双極である。電気刺激器1400は、その時間の間、第2カソード電極1222から肢の神経筋系に、及び第2カソード電極1222とアノード電極1224との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。ある実施形態では、第2チャネルCh2を通って流れる電流の少なくとも一部は、アノード電極1224及びコネクタ1234、1236の1つ以上を通って電気刺激器1400に戻る。ある実施形態では、刺激は単極である。他の実施形態では、刺激は双極である。
【0163】
[1196] このように、システム100は、
図36の矢印X及び矢印Yによって概ね示される組織を通る電流の流れを伴う共通アノードを用いる、神経筋系を通る2つの刺激チャネルを設けるように構成されていると考えることができる。神経筋系にFESを与えるためのこのような共通アノード構成を実装するFESシステムは、電流の流れを、神経筋系に、単一チャネル刺激システムによって供給される電流の流れよりも大きく分配することができる。加えて、各チャネル(即ち、第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2)に沿った電流の強度などの電流の流れの1つ以上のパラメータは刺激器から独立してプログラムされる又は刺激器によって選択されることから、神経筋系内における電流の分配は、1つ以上のパラメータを制御する(例えば、電流の振幅を増加する又は減少する)ことによって目標設定することができる又はそうでなければ操作することができ、それによって、足の背屈、底屈、回内又は回外などの神経筋系による所望の応答を促す。
【0164】
[1197] 装具1050は、第1チャネルCh1が、部分的に、アノード電極2214及び電極コネクタ1234(及び対応する配線)によって形成され、第2チャネルCh2が、部分的に、カソード電極2212及び電極コネクタ1236(及び対応する配線)によって形成されるように、装具1050に結合された2つの電極(即ち、電極2212、2214)を含む電極アセンブリ2200を含むものとして
図30に関して本明細書中に示し、記載してきたが、他の実施形態では、装具1050は、2つの電極(例えば、単一カソード電極及び単一アノード電極)を含む電極アセンブリとともに使用するための異なる構成を有し得る。
【0165】
[1198] 例えば、
図37を参照すると、一実施形態によるシステムは、
図30に示すものと異なるチャネル構成を有する2つの電極(例えば、カソード電極2912及びアノード電極2914)を含む「クイックフィット」電極アセンブリとともに使用するように構成されている。電極アセンブリ2900の第1雄コネクタ(図示せず)は、フレームアセンブリ1100の電極コネクタ1232に結合され、カソード電極2912を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成されている。カソード電極2912は、電極2912がフレームアセンブリ1110のコネクタ1236の上を覆うような寸法及び形状を有し、それにより、コネクタ1236を通じた、不注意による組織の刺激を防ぐように構成されている。電極アセンブリ2900の第2雄コネクタ(図示せず)は、フレームアセンブリ1100のコネクタ1234に結合され、アノード電極2914を電気刺激器1400に電気的に結合するように構成されている。アノード電極2914は、電極2914がフレームアセンブリ1110のコネクタ1230の上を覆うような寸法及び形状を有し、それにより、コネクタ1230を通じた、不注意による組織の刺激を防ぐように構成されている。
【0166】
[1199] システム1000は、少なくとも一部、カソード電極2912、電極コネクタ1232、アノード電極2914、及び電極コネクタ1234によって形成された第2刺激チャネルCh2を含む。システム1000は第1刺激チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されているが、
図37に示される実施形態では、第1刺激チャネルCh1は選択的に使用されない又は機能しない。ある実施形態では、電極コネクタ1234、1236と電気刺激器1400との間の配線(例えば、ワイヤ1244、1246)の接続は、第2チャネルCh2の機能を促進するために反転される。ある実施形態では、例えば、電極アセンブリ2800を含む装具が患者の右脚又は患者の体の右半分の別の肢に装着される場合、第1チャネルCh1は内側(刺激)チャネルであると考えることができ、第2チャネルCh2は外側(刺激)チャネルであると考えることができる。
【0167】
[1200] 電気刺激器1400は、ある時間の間、
図37の矢印Zによって示されるように、カソード電極2912から肢の神経筋系に、及びカソード電極2912とアノード電極2914との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成されている。第2チャネルCh2を通じて組織に流れる電流の少なくとも一部は、アノード電極2914及び第2チャネルCh2を通って組織から刺激器1400に戻る(又は流れる)ことができる。
【0168】
[1201] システム1000は、第2電極コネクタ1232に結合されており、第2刺激チャネルCh2の一部分を形成している第1電極2712と、第3電極コネクタ1234に結合されており、第1刺激チャネルCh1の一部分を形成している第2電極2714と、を有するパネルを含む電極アセンブリ2700を用いる交差チャネル刺激用に構成されているものとして、
図35に関して本明細書中に示し、記載してきたが、他の実施形態では、システムは、1つ以上の従来の電極(例えば、ヒドロゲル、布、小布等)を使用するこのようなチャネル配置構成を規定することができる。
【0169】
[1202] 例えば、
図38を参照すると、電極アセンブリ2750は、カソード電極2762及びアノード電極2764を含む。カソード電極2762は、フレームアセンブリ1100の第2電極コネクタ1232に着脱可能に結合することができ、アノード電極2764はフレームアセンブリ1100の第3電極コネクタ1234に着脱可能に結合することができ、第2チャネルCh2の少なくとも一部分を集合的に形成している。
図38に示される実施形態では、システムは第1刺激チャネルCh1を通じて刺激を与えるように構成されているが、第1刺激チャネルCh1は選択的に無効にされる、使用されない又はそうでなければ機能しない。ある実施形態では、電極コネクタ1234、1236と電気刺激器1400との間の配線(例えば、ワイヤ1244、1246)の接続は、第2チャネルCh2の機能を促進するために、反転される。第1電極コネクタ1230及び第4電極コネクタ1236は、任意選択的に、電極に結合されていない。従って、使用されない電極コネクタ1230、1236は、任意選択的に、電極アセンブリ2750を含む装具1050によるFES時、電極コネクタ1230、1236を通る、不注意による電流の流れを防ぐために、電極コネクタ1230、1236の上に配置された1つ以上のコネクタカバーを有し得る。
【0170】
[1203] 電気刺激器1400は、ある時間の間、
図38の矢印AAによって概ね示されるようにカソード電極2762とアノード電極2764との間の肢の神経筋系の一部分を通って電流が流れるように、刺激器1400からカソード電極2762に、少なくとも肢の神経筋系の一部分に電流が流れるように第2チャネルCh2を通じて刺激を与えるように構成され得る。ある実施形態では、電流の少なくとも一部は、組織からアノード電極2764及び第2チャネルCh2を通って刺激器1400に戻ることができる。ある実施形態では、刺激は単極である。ある実施形態では、刺激は双極である。
【0171】
[1204] 標的身体組織(例えば、神経、筋肉、靭帯等)の機能的電気刺激のために使用され得る装具システム500の別の実施形態が、
図47に概略的に示される。装具システム500は、装具デバイス505と、任意選択的に、センサ530及び/又は制御ユニット560と、を含み得る。装具デバイス505は、第1装具部材510と、第2装具部材520と、コネクタ580と、電気刺激器540と、を含む。
【0172】
[1205] 第1装具部材510は、第1装具部材512に着脱可能に結合可能な1つ以上の電極515を含む。第2装具部材520は、第2装具部材522に着脱可能に結合可能な1つ以上の電極525を含む。1つ以上の電極515及び525が患者の皮膚に接するように、第1装具部材510及び第2装具部材520はそれぞれ、患者の肢501に結合されるように構成されている。例えば、第1装具部材510及び第2装具部材520はそれぞれ、患者の腕又は脚に結合され得る。例えば、第1装具部材510は、肢の第1部分に結合することができ、第2装具部材520は、第1部分とは異なる肢の第2部分に結合することができる。肢の第1部分及び肢の第2部分は、第1装具部材から非ゼロ距離で間隔を開けて配置され得る。
【0173】
[1206] 第1装具部材510及び第2装具部材520のうちの少なくとも1つは、患者の肢501を少なくとも部分的に覆い囲むように構成され得る。例えば、装具部材510、520の1つ又は両方は、湾曲し又は起伏が付けられて肢501の一部分の周りに配置され得る。ある実施形態では、装具部材510、520の少なくとも1つは、実質的にC字形の断面プロファイル(例えば、断面を水平面において取った場合)を有する。装具部材510、520は、任意の適切な生体適合性材料から形成され得る。ある実施形態では、少なくとも1つの装具部材510、520は、例えば、比較的薄い金属、熱可塑性プラスチック、ポリマー等などの半剛性材料から形成されており、装具部材が装具デバイス505の構造的支持を与えることを可能にすることができる。
【0174】
[1207] 第1装具部材510は、例えば、ブリッジコネクタ580によって第2装具部材520に結合され得る又はそうでなければ接合され得る。ある実施形態では、ブリッジコネクタ580は、装具デバイス505が結合される肢の長手方向軸線に沿った第1装具部材512に対する第2装具部材522の動きを制限することができる。ある実施形態では、コネクタ580は、コネクタ580の長手方向軸線に沿った方向における第1装具部材512に対する第2装具部材522の動きを制限することができる。使用時、装具デバイス505が患者の肢に装着されると、第1装具部材510及び第2装具部材520はそれぞれ、患者の肢の周りに、実質的に平行な水平軸線に沿って延びることができ、ブリッジコネクタ580は、第1装具部材510と第2装具部材520との間に、実質的に垂直軸線に沿って延びることができる。
【0175】
[1208] ある実施形態では、第1装具部材510及び第2装具部材520はそれぞれ、装具部材を患者の肢に固定するように構成されたストラップを含み得る。明確にするために、装具デバイス505のストラップは、本明細書中では第1装具部材510に対して記載されるが、第2装具部材520のストラップは、同様に、類似の手法で第2装具部材520とともに構成され得る及び/又は第2装具部材520に関連付けられ得ることは理解すべきである。ある実施形態では、ストラップの長さは調整可能である。ある実施形態では、ストラップは、一定の、調節不可能な長さを有する。ストラップは、ストラップの第1端部部分を第1装具部材510に結合するための第1カップリング機構を含み得る。ある実施形態では、ストラップの第1端部部分は、第1装具部材510に着脱可能に結合されている。ある実施形態では、ストラップの第1端部部分は、第1装具部材510に着脱可能に結合されており、第1装具部材510からの、ストラップの第1端部部分の不注意による又は不意の解放を防ぐように構成されたロック機構を含む。他の実施形態では、ストラップの第1端部部分は第1装具部材510に固定的に結合されている。ストラップは、ストラップの第2端部部分を第1装具部材510に着脱可能に結合するための第2カップリング機構を含み得る。
【0176】
[1209] 電極515及び電極525はそれぞれ、例えば、面ファスナー(例えば、Velcro(登録商標))パッチ、スナップボタン、スナップ、磁石、又は電極515及び電極525の導電性裏面を、装具部材510及び装具部材520内部の導電性スタッド又はパネルに押す特殊ホルダ、又はこれらの組み合わせによって、それぞれパネル512及びパネル522の内部表面に結合され得る。電極515及び電極525はそれぞれ、皮膚との電気接触を設けることができ、装具部材510、520によって体の一部分上に保持される導電性パッドアセンブリを含み得る。ある実施形態では、電極515及び/又は電極525はヒドロゲル電極であり得る。ある実施形態では、電極515及び/又は電極525は布電極であり得る。例えば、ある実施形態では、電極515及び/又は電極525は、金属メッシュ導体及び吸収性パッドを含むことができ、これら全ては水中に浸漬させることができる。例えば、使用前にパッドを液体(例えば、水)で飽和させることができるように、電極515及び/又は電極525は、フェルト、布、ベルベット、ビスコース等などの吸収材料によって形成されたパッドを含み得る。ある実施形態では、電極515及び/又は電極525は、装具505の内部表面に取り付けることができる基部又はパネル部を含み得る。ある実施形態では、例えば、電極が電極アセンブリのパネルに固定的に結合され、装具1050に関して本明細書中に記載されるのと類似の手法で電極アセンブリがそれぞれ第1及び/又は第2装具510、520に着脱可能に結合可能であるように、電極515及び/又は電極525は電極アセンブリに含まれ得る。電極515及び電極525を必要に応じて容易に取り外し、交換することができるように、電極515及び電極525は、それぞれ第1装具部材512及び第2装具部材522に着脱可能に結合され得る。電極515及び電極525は、例えば、使い捨てとすることができる。
【0177】
[1210] ある実施形態では、電極515は、第1装具部材512に選択的に配置され得る及び/又は電極525は、第2装具部材522に選択的に配置され得る。例えば、第1装具部材512及び/又は第2装具部材522は、特定の治療及び/又は特定の患者のために電極515又は電極525がどこに配置されることになるかを示すマーキングリングを含み得る。ある実施形態では、1つ以上の電極515及び/又は電極525は第1装具部材512及び/又は第2装具部材522の中心に配置され得る。ある実施形態では、1つ以上の電極515及び/又は電極525は、第1装具部材512及び/又は第2装具部材522の中心から外れて配置され得る。
【0178】
[1211] 装具デバイス505は、また、位置決め具(
図47には図示せず)を含み得る。実施形態を参照して本明細書中により詳細に記載されるように、装具デバイス505の少なくとも一部分は、患者の肢に対する装具デバイス505の適切な位置決めを容易にするように構成された位置決め具を含み得る。位置決め具は、触覚、視覚、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。視覚は、例えば、マーク、切欠き、隆起要素、凹要素、装具デバイス505に結合された別個の要素等であり得る。例えば、第1装具部材510、第2装具部材510、又はブリッジコネクタ580のうちの少なくとも1つは、装具デバイス505上に、ブリッジコネクタ580の中心線に沿って配置された長尺状の視覚位置決め具を含む。視覚位置決め具は、例えば、正中線又は患者の四頭筋及び/若しくは膝屈曲筋の他の所定位置と実質的に位置合わせされるように構成され得る。別の例では、第1装具部材510、第2装具部材510、又はブリッジコネクタ580のうちの少なくとも1つは、装具デバイス505上に、ブリッジコネクタ580の中心線に沿って配置された触覚位置決め具を含む。触覚位置決め具は、例えば、装具デバイス505の一部分又は装具デバイス505の隆起部によって規定される凹設された(recessed)であり得る。触覚位置決め具は、例えば、正中線又は患者の四頭筋及び/若しくは膝屈曲筋の他の所定位置と実質的に位置合わせされるように構成され得る。
【0179】
[1212] 第1装具部材510及び/又は第2装具部材520は、電気刺激器540を受け入れるように構成されたクレードルを含み得る。電気刺激器540は、本明細書中に記載される任意の電気刺激器(例えば、電気刺激器140、1400)に多くの点で類似し得る又は同一であり得る。ある実施形態では、必要に応じて電気刺激器540を装具部材から取り外すことができるように、電気刺激器540は、スナップ嵌合カップリングによってクレードルに結合され得る。電気刺激器540を使用して信号を発生させ、電極515及び/又は電極525に送信し、患者の体の一部分を刺激することができる。ある実施形態では、電気刺激器540は有線接続によって電極515及び/又は電極525に信号を送信することができる。例えば、電気刺激器540は、第1装具部材510上の第1電極515に動作的に接続することができ、コネクタ580は、第1電極515及び/又は電気刺激器540を第2装具部材520上の電極525に動作的に結合する電気伝導体を含み得る。ある実施形態では、電気刺激器540は、高周波(RF)信号によって電極515及び/又は電極525と通信することができる。
【0180】
[1213] 電気刺激器540は、刺激をオン及びオフにするために制御ユニット560、センサ530、及び/又は異なる装具デバイス(例えば、本明細書中に記載される装具105、1050などの下脚装具デバイス)の電気刺激器から信号を受信することができる。電気刺激器540は、電極515、525に対して開始され、適用されるべき所定の刺激プログラムを示すために、制御ユニット560、センサ530、及び/又は異なる装具デバイス(例えば、本明細書中に記載される装具105、1050などの下脚装具デバイス)の電気刺激器から信号を受信することができる。刺激器540は、充電式バッテリー並びに状態表示灯及び刺激灯(stimulation light)などの表示灯(それぞれ
図47には図示せず)を含み得る。電気刺激器540は、充電式バッテリーを充電するためのACアダプタなどの充電ユニット(図示せず)を受け入れるためのポートを含み得る。電気刺激器540は、視覚警報及び音声警報の両方を発するように構成され得る。
【0181】
[1214] センサ530は、本明細書中に記載される任意のセンサ(例えば、センサ130、センサ1300)に多くの点で類似し得る又は同一であり得る。ある実施形態では、センサ530は歩行センサである。歩行センサ530は、例えば、圧力又はモーションセンサ(
図47には図示せず)と、電気刺激器540と無線で通信することができる送信機(
図47には図示せず)と、を含み得る。圧力センサは、踵離地イベント及び踵接地イベントを検出することができる。送信機は、踵離地イベント又は踵接地イベントの検出に応じて電気刺激器540に信号を送信することができ、このような信号の受信時、電気刺激器540が電流を電極に供給し、それに応じてFESを与えて肢(例えば、大腿、膝、足)を動かす。センサ530は、患者によって治療されるべき罹患した脚に着用される靴の中底の下に配置することができ、歩行センサパッド(
図47に図示せず)に取り付けることができる。ある実施形態では、センサ530は、罹患していない脚の靴の中底の下に配置され得る。送信機は、患者の靴の内縁部に留めて装着され得る。歩行センサ530は、異なる靴間で移動させることができる(例えば、異なるスタイル、右又は左)。歩行センサ530は、例えば、非充電式バッテリー又は使い捨てのバッテリーによって給電され得る。装具システム100とともに使用され得る歩行センサの他の例は、例えば、参照によりその全体を本明細書中に組み込む米国特許第7,632,239号に記載されている。
【0182】
[1215] 1つの使用例では、装具デバイス505は、第1装具部材510上の電極515及び第2装具部材520上の電極525がそれぞれ患者の膝屈曲筋の異なる部分を刺激することができるように、患者の大腿の第1部分の周りに配置され得る。患者は、第1装具部材510上の電極515及び第2装具部材520上の電極525がそれぞれ大腿の異なる部分を刺激することができるように、大腿上に装具120を再位置決めすることができる。例えば、装具120は、第1装具部材510上の電極515及び第2装具部材520上の電極525がそれぞれ、各四頭筋若しくは四頭筋群及び/又は患者のこれら筋肉に関連する神経の異なる部分を刺激することができるように、患者の大腿の第1部分の周りに配置され得る。別の例では、第1装具部材510及び第2装具部材520の両方は、両方とも、膝屈曲筋又は膝屈曲筋に関連する神経の異なる部分を刺激するように構成され得る。
【0183】
[1216]
図48~
図65は、一実施形態による装具デバイス5050を含むシステム5000を示す。装具デバイス5050は、第1装具部材5100と、第2装具部材5200と、ブリッジコネクタ5800と、刺激器ユニット5400と、を含む。第1装具部材5100、第2装具部材5200、及びブリッジコネクタ5800は、装具5050のフレームアセンブリ5055を集合的に形成している。他の装具デバイス(例えば、装具105、1050、装具デバイス500)に関して本明細書中に記載されるように、装具デバイス5050を使用して、例えば、患者の腕又は脚などの患者の肢の一部分に電気刺激を与えることができる。例えば、装具5050は、患者の脚に電気刺激を与え、膝屈曲及び/又は膝伸展をもたらすように構成され得る。ある実施形態では、装具デバイス5050は、第1装具部材5100が患者の膝から第1距離に配置され、第2装具部材5200が膝から、第1距離よりも大きな第2距離に配置されるように、患者の大腿に配置され得る。
【0184】
[1217] 第1装具部材5100は第1パネル又はカフ5120を含み、第2装具部材5200は第2パネル又はカフ5220を含む。ブリッジコネクタ5800は第1装具部材5100を第2装具部材5200に結合しており、より具体的には、第1カフ5120を第2カフ5220に結合している。
図48~
図50に示すように、ブリッジコネクタ5800は第1装具部材5100及び第2装具部材5200のそれぞれに固定的に結合されている。従って、第1装具部材5100と第2装具部材5200との間の距離は固定されている。換言すると、第1装具部材5100は、第2装具部材5200から所定の距離だけ離間しているため、第1装具部材5100に関連付けられた第1電極5150と第2装具部材に関連付けられた第2電極5250とは所定の(又は一定の)距離だけ間隔を開けて配置されている。ある実施形態では、第1カフ5120又は第2カフ5220のうちの少なくとも1つの内部表面は、患者の肢に対する装具デバイス5050の動きを妨げるように構成された、滑らかでない又は起伏のある部分を含む。例えば、
図50に示すように、第2カフ5220は、一連のくぼんだ凹部又は孔5229を規定する。孔5229は第2カフ5220と患者の皮膚との間における摩擦の発生を助け、従って、患者の肢に対する装具デバイス5050の動きを妨げる(例えば、使用中、装具5050の滑りを妨げる)のを助ける。
【0185】
[1218] 第1装具部材5100は電極コネクタ5122の第1セットを含み、第2装具部材5200は電極コネクタ5222の第2セットを含む。
図50に示すように、電極コネクタ5122、5222の各セットは、ブリッジコネクタ5800の中心線CLと実質的に位置合わせされている又は中央に位置決めされている。他の実施形態では、しかしながら、少なくとも1つの電極コネクタは、ブリッジコネクタの中心線からずらすことができる。
図52に示すように、第1電極5150は、電極コネクタ5122の第1セットによって第1カフ5120の内部表面に着脱可能に結合することができ、第2電極5250は、電極コネクタ5222の第2セットによって第2カフ5220の内部表面に着脱可能に結合することができる。ある実施形態では、装具部材5100、5200及びブリッジ部材5800は、電極コネクタ5122、5222とクレードル5010のコネクタとの間に1つ以上の内部又は凹設溝(図示せず)を規定し、この溝内に、クレードルによって刺激器5400に電極コネクタ5122、5222を電子的に接続するためのワイヤ等を配置することができる。
【0186】
[1219] 第1装具部材5100及び第2装具部材5200はそれぞれ、第1電極5150及び第2電極5250がそれぞれ患者の皮膚に接することができるように、患者の肢に結合されるように構成されている。第1電極5150及び第2電極5250はそれぞれ、本明細書中に記載される任意の適切な電極であり得る。例えば、例えば、電極5150、5250の少なくとも1つは、金属メッシュ導体及び吸収性パッドを含むことができ、それらは全て、水中に浸漬させることができる。例えば、使用前にパッドを液体(例えば、水)で飽和させることができるように、電極5150、5250の少なくとも1つは、フェルト、布、ベルベット、ビスコース等などの吸収材料によって形成されたパッドを含み得る。別の例では、第1電極5150又は第2電極5250のうちの少なくとも1つはヒドロゲル電極であり得る。
【0187】
[1220]
図53に示すように、第1電極5150及び第2電極5250はそれぞれ、電極コネクタ5122、5222のセットそれぞれに結合されると、ブリッジコネクタ5800の中心線CLと実質的に位置合わせされる又は中央に位置決めされる。各電極5150、5250は電極の長さよりも大きな幅を有し、各カフ5120、5220に結合されるとブリッジコネクタ5800の中心線CLと実質的に位置合わせされ得る又は中央に位置決めされ得る中心線を規定する。
図52~
図53に示すように、第1電極5150及び第2電極5250はそれぞれ、第1カフ5120及び第2カフ5220それぞれにスナップ嵌合接続によって着脱可能に結合され得る。電極5150、5250のスナップ嵌合コネクタ(本明細書では、「スナップ」とも称される)5152、5252は、スナップ嵌合コネクタがブリッジコネクタ5800の中心線CLと実質的に位置合わせされる又は中央に位置決めされるように、電極の幅に対して中心に配置され、電極の高さに対して垂直に配置されており、従って、上述のブリッジコネクタ5800に対する電極5150、5250の位置合わせを可能にする。
【0188】
[1221] ある実施形態では、スナップ嵌合コネクタ5152、5252は、スナップ嵌合接続の安定性を高めるような大きさにされている。例えば、スナップ嵌合コネクタ5152、5252の1つ以上は4.2mmの直径を有することができ、例えば、3.96mmの直径を有するスナップ嵌合コネクタによってもたらされる安定性よりも、スナップ嵌合接続のより高い安定性をもたらす。
【0189】
[1222] ある実施形態では、スナップ嵌合接続は、適切な電極の使用を確実にするための固有の形状又は大きさであってもよい。例えば、
図52に示すように、第1電極5150の雄スナップコネクタ5152は所定の距離D1だけ間隔を開けて配置されており、第2電極5250の雄スナップコネクタ5252は所定の距離D1とは異なる所定の距離D2だけ間隔を開けて配置されている。例えば、第1電極5150のスナップコネクタ5152間の距離D1は、第2電極5250のスナップコネクタ5252間の距離よりも小さい。電極コネクタ5122、5222の対応するセットの雌スナップコネクタそれぞれは、対応する所定の距離だけ間隔を開けて配置されている。このように、装具5050の電極コネクタ5122、5222は、それぞれ正しい電極5150、5250がそれぞれ正しいカフ5120、5220に確実に配置されるように構成されている。本明細書中に記載されるように、装具5050は、四頭筋又は膝屈曲筋の刺激などのために少なくとも2つの位置において患者の肢に結合されるように構成されている。従って、例えば、
図54(四頭筋用)及び
図55(膝屈曲筋用)に示すように、それぞれ、カフ5120、5220に対する電極5150、5250の結合によって、標的組織に対する電極の適切な配置を確実にするのを助ける。
【0190】
[1223] ある実施形態では、スナップ嵌合コネクタのそれぞれは、正しい電極が正しいカフに確実に配置されるために異なる形状とすることができる。ある実施形態では、第1カフ5120又は第2カフ5220のうちの少なくとも1つは、電極コネクタ5122、5222の1つに位置決め具マーキング(図示せず)を含むことができ、対応する電極5150、5250は、スナップコネクタ5152、5252に配置された対応するマーキング(図示せず)を含むことができ、ユーザに対し、正しいカフに対する正しい電極配置を集合的に示す。
【0191】
[1224] 電極5150、5250は、ブリッジコネクタ5800の中心線CLに対して実質的に中心に配置されるものとして本明細書中に示され、記載されているが、他の実施形態では、第1電極5150又は第2電極5250のうちの少なくとも1つは、ブリッジコネクタ5800によって規定される中心線CLからずれて配置され得る。換言すると、電極コネクタ5122、5222は、
図52に関して、中心に位置決めされているため、電極5150、5250は中心に位置決めされた姿勢でのみ方向付けることができるものとして示し、記載しているが、ある実施形態では、電極コネクタ又は対応する電極のスナップコネクタのうちの少なくとも1つは、その対応するカフ及び/又はブライド(bride)コネクタ5800に対する、少なくとも1つの電極の異なる又はずれた位置決めを可能にするために、異なるように構成され得る又は配置され得ることは理解すべきである。ある実施形態では、電極5150、5250の複数の可能な方向を提供するために、カフ5120、5220のそれぞれに複数の電極コネクタを設けてもよい。
【0192】
[1225] 本明細書中により詳細に記載されるように、装具デバイス5050は、また、患者の肢に対する装具デバイス5050の適切な位置決めを容易にするように構成された一連の位置決め具を含み得る。
図48~
図51を参照すると、第1装具部材5100は、ブリッジコネクタ5800の中心線CLを示す触覚表示をユーザに対して与えるように構成された第1位置決め具5102を含む。示されるように、第1位置決め具5102は、第1カフ5120の縁部(例えば、遠位縁部)に沿う凹部又はくぼみによって形成されている。第1位置決め具5102は、患者の解剖学的構造の所定位置(例えば、膝蓋骨の一部分の近位の、四頭筋及び/又は膝屈曲筋に対する肢の正中線等)と位置合わせされるように構成されている。第2装具部材5200は、第1位置決め具5102の実質的に鏡像である第2位置決め具5202を含み、ブリッジコネクタ5800の中心線を示す触覚表示をユーザに対して与えるように構成されている。第2位置決め具5202は、第2カフ5220の縁部(例えば、近位縁部)に沿う凹部又はくぼみによって形成されている。第2位置決め具5202は、患者の解剖学的構造の所定位置と位置合わせされるように構成されている(例えば、四頭筋及び/又は膝屈曲筋に対する肢の正中線)。第3位置決め具5104は、ブリッジ部材5800の中心線CLに沿って配置されている。
図48に示すように、第3位置決め具5104は、装具5050の位置の視覚表示を提供するように構成されている。第3位置決め具5104はブリッジ部材5800の中心線CLと実質的に位置合わせされる長尺状のマーキングであるが、他の実施形態では、視覚位置決め具は、異なる形状を有することができる又は装具5050に対して異なるように配置され得る。
【0193】
[1226] 第1装具部材5100は第1ストラップアセンブリ5130を含み、第2装具部材5200は第2ストラップアセンブリ5230を含む。例えば、
図57に示されるように、第1ストラップアセンブリ5130は、ストラップ部材5132を含み、第2ストラップアセンブリ5230はストラップ部材5232を含む。本明細書中に記載されるように、カップリング部材5134、5234は、それぞれ第1ストラップ部材5132及び第2ストラップ部材5232の第1端部部分に結合されており、それぞれ、ストラップ部材5132、5232をカフ5120、5220に結合するように構成されている。カップリング部材5134、5234及びその各ストラップ部材5132、5134は、例えば、接着剤、溶接部、抵抗嵌め(resistance fit)等又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な機構によって結合され得る。
【0194】
[1227] 保持部材5140が第1カフ5120の第1端部に結合されている。保持部材5140は、第1カフ5120に向かって(又はストラップ部材5132と反対の方向に)開放している溝5142を規定する突起5141を含む。保持部材5140の溝5142はその中に、第1ストラップアセンブリ5130のカップリング部材5134の少なくとも一部分を嵌合的に受け入れるように構成されている。第1カフ5120の保持部材5140は、溝5142と流体連通する長尺状のアパーチャ又はスロット5143を規定する。ある実施形態では、スロット5143は保持部材5140を第1カフ5120の保持部材5140の内部表面(例えば、装具5050が肢に装着されているとき患者の体に面する表面)まで貫通している。スロット5143は、隆起部5135がスロット5143を規定する保持部材5140の一部分に係合するように、カップリング部材5134の隆起部5135を受け入れるように構成されている。
【0195】
[1228] 使用時、保持部材5140の突起5142がカップリング部材5134によって規定される開口部5136に受け入れられ、カップリング部材5134の一部分が保持部材5140の溝5142に受け入れられ、隆起部5135がスロット5143に受け入れられるように、第1ストラップアセンブリ5130のカップリング部材5134は第1カフ5120の保持部材5140の周りに配置されている。前述の構成は、第1ストラップアセンブリのカップリング部材5134を保持部材5140から選択的に分離することはできても、それらの間の不注意による分離は実質的に妨げられるように、第1ストラップアセンブリ5130のストラップ部材5132を第1カフ5120の第1端部に結合するように構成されている。換言すると、第1ストラップアセンブリ5130のカップリング部材5134と第1カフ5120の保持部材5140との間の結合は、装具の通常の使用中に生じるものよりも大きな(例えば、歩行イベント中に生じる剪断力よりも大きな)力の量及び/又は動きの角度に打ち勝たなければならない。従って、第1ストラップアセンブリ5130のカップリング部材5134は第1カフ5120の保持部材5140から開放可能であるように構成されている一方、第1カフ5120の保持部材5140から意図せず外れることもないように構成されている。他の実施形態では、しかしながら、第1ストラップアセンブリ5130のカップリング部材5134は、第1カフ5120の保持部材5140に固定的に結合され得る。
【0196】
[1229] 同様に、保持部材5240は第2カフ5220の第1端部に結合されている。保持部材5240は、第2カフ5220に向かって開放している溝(図示せず)を規定する突起5241を含む。溝5242はその中に、第2ストラップアセンブリ5230のストラップ部材5232のカップリング部材5234の少なくとも一部分を嵌合的に受け入れるように構成されている。保持部材5240は、溝と流体連通する長尺状のアパーチャ又はスロット(図示せず)を規定する。ある実施形態では、スロットは保持部材5240を保持部材5240の内部表面(例えば、装具5050が肢に装着されているとき患者の体に面する表面)まで貫通している。スロットは、隆起部がスロットを規定する保持部材5240の一部分に係合するように、カップリング部材5234の隆起部(図示せず)を受け入れるように構成されている。
【0197】
[1230] 使用時、保持部材5240の突起5242がカップリング部材5234によって規定される開口部5236に受け入れられ、カップリング部材5234の一部分が保持部材5240の溝5242に受け入れられ、隆起部がスロットに受け入れられるように、第2ストラップアセンブリ5230のストラップ部材5232のカップリング部材5234は、第2カフ5220の保持部材5240の周りに配置されている。前述の構成は、カップリング部材5234を保持部材5240から選択的に分離することはできても、不注意による分離は実質的に妨げられるように、第2ストラップアセンブリ5230のストラップ部材5232を第2カフ5220の第1端部に結合するように構成されている。換言すると、ストラップ部材5232のカップリング部材5234と第1カフ5220の保持部材5240との間の結合は、装具5050の通常の使用中に生じるものよりも大きな(例えば、歩行イベント中に生じる剪断力よりも大きな)力の量及び/又は動きの角度に打ち勝たなければならない。従って、カップリング部材5234は保持部材5240から開放可能であるように構成されている一方、保持部材5240から意図せず外れることもないように構成されている。他の実施形態では、しかしながら、カップリング部材5234は、保持部材5240に固定的に結合され得る。
【0198】
[1231]
図57に示すように、バックル5164、5264は、それぞれ第1ストラップ部材5132及び第2ストラップ部材5232の第2端部部分に結合されており、本明細書中に記載されるように、ストラップ部材5132、5232を、それぞれ第1カフ5120及び第2カフ5220の第2端部部分に結合するように構成されている。各バックル5164、5264及びその各ストラップ部材5132、5134は、例えば、接着剤、溶接部、抵抗嵌め等又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な機構によって結合され得る。
【0199】
[1232] 保持部材5170、5270は、それぞれ第1カフ5120及び第2カフ5220の第2端部部分に結合されている(例えば、
図50を参照)。保持部材5170、5270は、上述の保持部材5140、5240と類似の特徴及び/又は機能を有し得る。第1カフ5120の保持部材5170は、カフ5120に向かって(又はカフ5120に結合されたストラップ部材5132と反対の方向に)開放している溝(図示せず)を規定する。保持部材5170の溝はその中に、バックル5164の少なくとも一部分を嵌合的に受け入れるように構成されている。例えば、バックル5164は、バックル5164によって規定される第1開口部5165及びバックルによって規定される第2開口部5167との間に、バックル5164を横切って配置された長尺状部材5168を含み得る。保持部材5170の少なくとも一部分がバックル5164の第2開口部5167内に配置され、長尺状部材5168が第1カフ5120の第2端部の保持部材5170によって規定される溝に少なくとも部分的に配置されるように、バックル5164は保持部材5170の周りに少なくとも部分的に配置され得る(例えば、
図61を参照)。このように、バックル5164は保持部材5170に結合されるように構成されており、従って、第1ストラップ部材5130は第1カフ5120の第2端部に結合され得る。ある実施形態では、
図62に示すように、バックル5164と保持部材5170は、薄い形を集合的に規定し、使用中のバックル5164の不注意による分離を妨げるのを助ける。第2ストラップ部材5230及びその各保持部材5270に関連するバックル5264は同様に薄い形を規定し得る。
【0200】
[1233] 同様に、第2カフ5220の保持部材5270は、カフ5220に向かって(又はカフ5220に結合されたストラップ部材5232と反対の方向に)開放している溝(図示せず)を規定する。保持部材5270の溝はその中に、バックル5264の少なくとも一部分を嵌合的に受け入れるように構成されている。例えば、バックル5264は、バックル5264によって規定される第1開口部5265とバックルによって規定される第2開口部5267との間に、バックル5264を横切って配置された長尺状部材5268を含み得る。保持部材5270の少なくとも一部分がバックル5264の第2開口部5267内に配置され、長尺状部材5268が第1カフ5220の第2端部の保持部材5270によって規定される溝に少なくとも部分的に配置されるように、バックル5264は保持部材5270の周りに少なくとも部分的に配置され得る。このように、バックル5264は、保持部材5270に結合されるように構成されており、従って、第2ストラップ部材5230は第2カフ5220の第2端部に結合され得る。ある実施形態では、バックル5264と保持部材5270は薄い形を集合的に規定し、バックル5164に関して上述したのと類似の手法で、使用中のバックル5264の不注意による分離の防止を補助する。このように、バックル5164、5264は、ストラップ部材5130、5230をカフ5110、5120の第2端部部分に可逆的に結合するように構成されている。
【0201】
[1234] ある実施形態では、第1カフ5120は把持機能部5121を含み、把持機能部5121は、保持部材5140、5170のうちの少なくとも1つの近傍に配置されており、それぞれカップリング部材5134及び/又はバックル5164の、その各々の保持部材5140、5170に対する結合を容易にする。同様に、ある実施形態では、第2カフ5220は把持機能部5221を含み、把持機能部5221は、保持部材5240、5270の少なくとも1つの近傍に配置されており、それぞれカップリング部材5234及び/又はバックル5264の、その各々の保持部材5240、5270に対する結合を容易にする。
【0202】
[1235] 装具デバイス5050を特定の肢及び/又は特定の患者に適合させるために大きさを調節可能とすることができるように、第1ストラップアセンブリ5130及び第2ストラップアセンブリ5230のうちの少なくとも1つは調節可能であり得る。例えば、ある実施形態では、ストラップ部材5132の長さは第1ストラップアセンブリ5130のバックル5164に対して調節可能である及び/又はストラップ部材5232の長さは第2ストラップアセンブリ5230のバックル5264に対して調節可能である。ある実施形態では、ストラップ部材5132、5232の少なくとも1つの長さは一定である。ある実施形態では、ストラップアセンブリは種々の長さで入手可能であり、1つ以上のストラップアセンブリは特定の患者の解剖学的構造に基づき選択される。例えば、キットは、キットのストラップアセンブリの1つを特定の患者における使用のために選択することができるように、それぞれが異なる長さを有する1つ、2つ、3つ、4つ又はそれより多いストラップアセンブリを含み得る。ある実施形態では、少なくとも1つのストラップアセンブリ5130、5230は、
図63に示すようなストラップカバーを含む。ストラップカバー5030は、ストラップ部材5132、5232の少なくとも一部分の周りに配置されるように構成されている。ストラップカバー5030は任意の適切な材料で作製することができる。ある実施形態では、ストラップカバー5030はその幅よりも大きな長さを有する。ある実施形態では、ストラップカバー5030は約60mmの幅を有する。
【0203】
[1236]
図56及び
図57に示すように、装具5050はストラップホルダ5052を含み得る。ストラップホルダ5052は、第1ストラップ部材5132の少なくとも一部分を中に配置することができる第1通路5054と、第2ストラップ部材5232の少なくとも一部分を中に配置することができる第2通路5056と、を規定する。従って、ストラップホルダ5052は、第1ストラップ部材5132の一部分を第2ストラップ部材5232の一部分から離間したままに維持するように構成されている。換言すると、ストラップホルダ5052は、それぞれ第1カフ5120のストラップ部材5132の一部分と第2カフ5220のストラップ部材5232の一部分との間の最小距離、及びそれぞれ第1カフ5120のストラップ部材5132の一部分と第2カフ5220のストラップ部材5232の一部分との間の最大距離を維持するように構成されている。ストラップホルダ5052は、ストラップ部材5132、5232によってかかる圧力をストラップホルダ5052の表面積の全体に分散することで、ストラップ部材5132、5232により肢に対して生じる直接圧力の量を低減するように構成されている。ストラップホルダ5052の内部表面5058は、患者の肢に対するストラップ部材5132、5232の動き(例えば、滑り又は摺動)に耐えるのを助けるように構成され得る。例えば、ある実施形態では、内部表面5058はその上に配置された、肢に対するストラップホルダ5052、ゆえに、ストラップ部材5132、5232の位置を維持するのを助けるためのシリコーンを含む。ある実施形態では、ストラップホルダ5052は、肢に対する装具5050の適切な配置を容易にするための位置決め具(例えば、視覚及び/又は触覚)を含み得る。例えば、ストラップホルダ5052は、ストラップホルダ5052の中心線を示す長尺状のマーキング又は任意の他の適切な視覚要素の形態の視覚位置決め具5051を含み得る。別の例では、ストラップホルダ5052は、ストラップホルダの中心線を示す輪郭又は凹部又は任意の他の適切な触覚要素の形態の触覚位置決め具5053を含み得る。
【0204】
[1237] ある実施形態では、
図64に示すように、装具5050は、第1装具部材5100、第2装具部材5200及び/又はブリッジコネクタ5800の少なくとも一部分に配置されるように構成されたハウジング5080を含む。例えば、第1カフ5120及び第2カフ5130のそれぞれの少なくとも一部分は、ハウジングの第1層とハウジングの第2層との間など、ハウジング5080内に配置することができる。ハウジング5080は、装具5050を着用しているときの患者の快適性を向上するように構成され得る。例えば、ハウジング5080は軟質及び/又は可撓性材料で作製され得る。ある実施形態では、ハウジング5080の内層は、例えば、生体適合性ナイロン、スパンデックス等又はこれらの任意の組み合わせで作製され得る。ある実施形態では、ハウジングの内層は、患者の肢に対する装具5050の動き(例えば、滑り又は摺動)を妨げるのを助けるように構成された1つ以上の孔を含む。ある実施形態では、ハウジング5080は、1つ以上の異なる装具の設計構成と協働するように構成された設計構成を有する外層を含む。ある実施形態では、ハウジング5080は、1つ以上の把持特徴部5121、5221を中に配置することができる開口部を規定する(例えば、
図64を参照)。
【0205】
[1238]
図52に示すように、第1カフ5120及び/又は第2カフ5220に対するハウジング5080の内部表面の、それぞれ電極コネクタ5122、5222のセットの近傍に及び/又はその周りに、非導電材料5124、5224を含むことができる。例えば、シリコーン材料をハウジング5080の内層に配置することができる(例えば、印刷することができる)。材料5122、5224は、それぞれ第1電極5150及び第2電極5250の外周部に実質的に一致する又はそれよりもわずかに大きな形状を有し得る。非導電材料5124、5224は、その各電極5150、5250の縁部と重なり、電極の周囲からの電流の漏れを防ぐように構成されている。ある実施形態では、非導電材料5124、5224は、また、その各々のカフ5120、5220に更なる安定性を与えるように構成されている。ある実施形態では、しかしながら、このような非導電材料は、第1カフ5120及び/又は第2カフ5220に直接配置されている。
【0206】
[1239]
図51を参照すると、ある実施形態では、装具5050は、装具に着脱可能に結合可能な着脱可能な層又はパネル5500を含む。より具体的には、パネル5500は、第1装具部材5100、第2装具部材5200、及びブリッジコネクタ5800のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分に結合可能であり得る。パネル5500は、例えば、使用中、フレームアセンブリ5050と患者の体との間に衛生的なバリアを設けるため、更なるユーザ及び/又は次のユーザとの装具5050の共用又は再使用をより衛生的な状態で容易にすることができる。着脱可能なパネル5500は、フレームアセンブリ5055の内部表面の外周プロファイル又は形状に実質的に類似する外周プロファイル又は形状を有し得る。
【0207】
[1240] パネル5500は、第1側5502(
図51A)と、第1側5502の反対側の第2側5504(
図51B)と、を有する。パネル5500がフレームアセンブリ5055に結合され、装具5050が肢部分に装着されているとき、パネル550の第1側5502は、肢部分(例えば、大腿)と反対側に面するように構成されており、第2側5504は、肢部分の方に面するように構成されている。ある実施形態では、パネル5500は、第2層5508に結合された第1層5506を含む。第1装具部材5100と関連付けられるように構成されているパネル5500の第1部分5501に、第1層5506及び第2層5508はスリーブ5510、5512を規定する。各スリーブ5510、5512はその中に、第1装具部材5100の対向部分を受け入れるように構成された開口部又はルーメンを規定する。第2装具部材5200と関連付けられるように構成されているパネル5500の第2部分5503に、第1層5506及び第2層5508はスリーブ5520、5522を規定する。各スリーブ5520、5522はその中に、第2装具部材5200の対向部分を受け入れるように構成された開口部又はルーメンを規定する。パネル5500は可撓性材料で作製することができ、第1及び第2装具部材5100、5200の対向部分をそれぞれスリーブ5510、5512及びスリーブ5520、5522内に配置するのを容易にすることができる。
【0208】
[1241] パネル5500の対向端部部分に配置された各スリーブ5510、5512の端部部分は、それぞれ開口部5511、5513を規定し、開口部5511、5513はその中に、第1装具部材5100のそれぞれ保持部材5140、5170が延びることができるように構成されている。同様に、スリーブ5520、5522は、パネル5500の対向端部部分にそれぞれ開口部5521、5523を規定し、開口部5521、5523はその中に、第2装具部材5200のそれぞれ保持部材5240、5270が延びるのを可能にするように構成されている。
【0209】
[1242] パネル5500の第1側5502に関連し、第1装具部材5100に関連するスリーブ5510の一部分は、第1装具部材5100の把持機能部5121が中に延びることができる開口部又はアパーチャ5514を規定することができる。パネル5500の第1側5502に関連し、第1装具部材5100に関連するスリーブ5512の一部分は、パネル5500がフレームアセンブリ5055に結合されているとき、本明細書中により詳細に記載されるクレードル5010を中に配置することができる開口部又はアパーチャ5516を規定することができる。
【0210】
[1243] パネル5500の第1側5502に関連し、第2装具部材5200に関連する各スリーブ5520、5522の一部分は、第2装具部材5200の把持機能部5221が中に延びることができる開口部又はアパーチャ5524、5526を規定することができる。
【0211】
[1244] 着脱可能なパネル5500は、電極コネクタ5122又は電極スナップ5152のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を中に配置することができる開口部5530、5531を規定する。パネル5500は、また、電極コネクタ5222又は電極スナップ5252のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を中に配置することができる開口部5532、5533を規定する。開口部5530、5531、5532、5533は、
図51では実質的に円形であるものとして示されているが、他の実施形態では、開口部は任意の適切な形状又は寸法とすることができる。ある実施形態では、パネル1180に関して本明細書中に記載されているのと類似の手法で、ポリプロピレン層(又は別の適切な材料の層)が、着脱可能なパネル5500の第1側の、開口部5530、5531、5532、5533の1つ以上の周囲に配置されている。
【0212】
[1245] 装具部材5100は、また、クレードル5010又は受け入れ部を含み、クレードル5010又は受け入れ部は、それに電気刺激器5400を結合するように構成されている。クレードル5010はハウジング5080が装具5050に結合されているときでも露出させることができる。刺激器ユニット5400はクレードル5010に(例えば、電気刺激器140、1400、540に関して)本明細書中に記載される任意の適切な手法で着脱可能に結合され得る。例えば、電気刺激器5400はクレードル5010にスナップ嵌合接続によって着脱可能に結合され得る。クレードル5010は、電気刺激器5400の相手スナップ嵌合コネクタ(図示せず)を受け入れるように構成されたスナップコネクタを含み得る。別の例では、電気刺激器5400はクレードル5010に刺激器のハウジングとクレードルとの間の抵抗嵌め接続によって着脱可能に結合され得る。電気刺激器5400は、刺激器140に関して上述した特徴及び機能のいずれかを含み得る。電気刺激器5400を使用して、信号を生成し、電極5150及び電極5250に送信し、患者の体の一部分を刺激することができる。刺激器5400は、本明細書中に記載される任意の刺激器(例えば、刺激器140、1400、540)に形態及び機能が類似し得るため、本明細書中では詳細に記載しない。
【0213】
[1246] 装具デバイス5050は、例えば、脚、足、腕又は手などの患者の体の種々の位置の機能的電気刺激治療に使用することができる。装具デバイス5050は、特定の肢の種々の筋肉又は筋肉群の機能的電気刺激治療のために使用することができる。
図65は、患者の脚、特に、患者の大腿又は上脚における装具デバイス5050の位置決め及び使用を示す。しかしながら、装具デバイス5050は患者の体の他の部分で使用するために構成することができることは理解すべきである。本明細書中に記載されるように、必須ではないが、装具デバイス5050は別の装具デバイス(例えば、装具1050)とともに使用することができる。
【0214】
[1247] 一実施形態では、装具デバイス5050を使用して、患者の大腿の種々の筋肉を治療することができる。装具デバイス5050は、第1装具部材5100の電極5150が大腿の第1部分に接触し、第2装具部材5200の第2電極5250が大腿の第2部分に接触するように、患者の大腿の第1部分の周りに配置され得る。装具デバイス5050は、その後、第1装具部材5100の電極5150が大腿の第3部分に接触し、第2装具部材5200の第2電極5250が大腿の第4部分に接触するように、患者の大腿上で位置変更することができる。
【0215】
[1248] 例えば、装具デバイス5050の1つの用途において、第1装具部材5100は電極5150が患者の膝屈曲筋の第1部分を刺激することができるように患者の大腿に配置され、第2装具部材5200は電極5250が患者の膝屈曲筋の第2部分を刺激することができるように患者の大腿に配置される。ストラップアセンブリ5130、5230のバックル5164、5264がその各々の保持部材5170、5270から分離され、カップリング部材5134、5234がその各々の保持部材5140、5240に結合された状態で、患者は装具デバイス5050を、例えば、位置決め具502が患者の膝裏上方の所定の距離に配置されるように、位置決め具5102、5104、5202、5051、5053のもう1つ(one more)の助けによって患者の大腿に配置することができる。各ストラップ部材5132、5232のバックル5164、5264は、その各々の保持部材5170、5270に結合することができ、それにより装具5050を大腿に結合する。この位置において、第1電極5150を作動させて、膝屈曲筋の第1部分を刺激することができ、第2電極5250を作動させて、膝屈曲筋の第2部分を刺激することができる(例えば、
図55を参照)。
【0216】
[1249] 装具デバイス5050は、患者の四頭筋の治療で使用するために位置変更することができる。四頭筋を刺激するように装具デバイス5050を配置するために、患者はこの場合も1つ以上の位置決め具5102、5104、5202、5051、5053を使用することができる。特に、バックル5164、5264ストラップアセンブリ5130、5230が保持部材5170、5270から分離され、ストラップアセンブリ5130、5230のカップリング部材5134、5234が上述のように保持部材5140、5240カフ5120、5220に結合された状態で、装具デバイス5050は患者の膝の頂部から所定の距離において患者の大腿に配置することができる。この位置において、第1電極5150を作動させて、四頭筋の第1部分を刺激することができ、第2電極5250を作動させて、四頭筋の第2部分を刺激することができる(例えば、
図54を参照)。
【0217】
[1250] 電気刺激器5400は、例えば、(例えば、装具1050に関して)本明細書中に記載されている強度及び/又は刺激パターン若しくはプログラムなどの任意の適切な強度を有する及び/又は任意の適切な刺激パターン若しくはプログラムによる刺激を加えるように構成され得る。電気刺激器5400は本明細書中に記載される任意のセンサ(例えば、センサ130、530、1300、3300)などのセンサと通信することができる。ある実施形態では、電気刺激器5400は、本明細書中に記載されるように、歩行イベントに関連する信号などの、センサから受信した信号に応じて電極5150、5250の1つ以上に刺激を加えるように構成されている。
【0218】
[1251] 装具デバイス5050は、患者が歩いていないときにも使用することができる。例えば、装具デバイス5050は、歩行センサなしのトレーニングモードで使用することができる。トレーニングモードは、例えば、筋肉の再教育を促すように、下脚筋及び大腿筋の非活動性萎縮を防止若しくは遅延させるように、足首及び膝関節の可動域を維持若しくは改善するように、並びに/又は血液循環を改善するように設計することができる。
【0219】
[1252] 一実施形態によるFESシステム3000を
図66に示す。
図66に示すように、ある実施形態では、装具1050の電気刺激器1400及び/又は装具5050の電気刺激器5400は、1つ以上の制御デバイス3500及び3550と通信することができる。制御デバイス3500は、FESに関連する1つ以上の特徴及び/又はパラメータを操作するためにユーザ(例えば、患者及び/又は医療従事者)のためのインターフェースを提供することができる任意の適切な電子デバイスであり得る。例えば、ある実施形態では、制御デバイス3500は、スマートフォンに保存されたモバイルアプリケーションなどによって電気刺激器1400、5400の制御に関連する命令セットを走らせる及び/又は実行するために操作され得る、例えば、スマートフォン等であり得る。一部の例では、制御デバイス3500は、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、近接場通信(NFC)、ショートメッセージサービス(SMS)又はマルチメディアメッセージサービス(MMS)などのセルラー通信等に関連する無線形式、フォーマット等によって電気刺激器1400と無線通信することができる。ある実施形態では、制御デバイス3500は、電気刺激器5400からデータを(有線及び/又は無線で)受信することができ、受信されたデータの分析、保存、構文解析、又はそうでなければ監視に関連する命令セットを走らせる及び/又は実行するために操作され得る任意の適切な電子デバイス(例えば、スマートフォン)である。このように、スマートフォンで実行されるアプリケーションを使用して、患者の使用データ(例えば、患者に与えられたFESに関連するパラメータセット、FESを与えるためのシステムの使用頻度、FESを与えるためのシステムの、1日単位、週単位、及び/又は月単位の使用継続時間を含む、1つ以上の装具によって与えられたFESのログ)、1日単位、週単位及び/又は月単位の患者の歩行に関連するデータ、患者の1日の歩数に関連するデータ、歩行時又は他の身体活動(例えば、サイクリング、ローイング、パドリング等)時の患者による移動距離に関連するデータ、患者の日常的な、障害された肢の可動域に関連するデータ、電気刺激器が結合されている(又は結合しようとした)1つのフレームアセンブリ又は複数のフレームアセンブリを示すデータ、並びにこのような結合の継続時間等を監視することができる。このように、制御デバイス(例えば、スマートフォンのアプリケーション)は、経時的な患者の歩行、使用等の変化を検出するように構成され得る。制御デバイスを用いるこのような実施形態において、電気刺激器5400は、任意選択的に、所定の時間の間は1つの装具1050専用とすることができる(例えば、本明細書中に記載される装具3050及び/又は装具5050などの異なる装具間で共用可能である代わりに)。
【0220】
[1253] 同様に、制御デバイス3550は、電気刺激器1400、5400の制御に関連する命令セットを走らせる及び/又は実行するために操作することができるパーソナルコンピュータ(PC)、ノート型パソコン、タブレットPC、サーバデバイス、ワークステーション等であり得る。
図66には1つ以上の制御デバイスと通信するものとして示されているが、他の実施形態では、電気刺激器1400、5400は、例えば、電気刺激器1400、5400が制御デバイスとして機能することを可能にすることができる任意の適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。例えば、ある実施形態では、電気刺激器1400、5400は、電気刺激器1400、5400の少なくとも一部分を制御するためにユーザによって操作され得るユーザインタフェース等を含み得る。
【0221】
[1254] 一実施形態による制御デバイスのユーザインタフェース4000を
図67~
図68に示す。示されるように、ユーザインタフェースは、1つ以上の刺激パラメータ入力フィールドを有する第1スクリーン(
図67)と、1つ以上の刺激パラメータ入力フィールドを有する第2スクリーン(
図68)と、を含み得る。ユーザインタフェース4000は、ユーザが、参照番号4100によって示されるような刺激モード、歩行モード、又はトレーニングモードなどの動作モードを選択することを可能にするように構成され得る。ユーザインタフェース4000は、ユーザが1つ以上のパラメータ値を入力すること又はそうでなければ選択することを可能にするように構成され得る。
図67に示すように、例えば、ユーザインタフェース4000は、電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激の波形のタイプをユーザが選択する又は指定することを可能にするように構成されている入力フィールド4110を含み得る。波形は、
図67に示すような選択可能なドロップダウンメニューが挙げられるが、これに限定されない任意の適切な入力機構によって選択することができる。
図67~
図68では対称波形が選択されているが、他の実施形態では、異なる波形を選択又は指定してもよい。
【0222】
[1255] 別の例では、ユーザインタフェース4000は、電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激の位相持続時間をユーザが選択する又は指定することを可能にするように構成された入力フィールド4120を含み得る。位相持続時間は、
図67に示すような選択可能なドロップダウンメニューが挙げられるが、これに限定されない任意の適切な入力機構によって選択又は指定することができる。
図67~
図68に示されるユーザインタフェースでは200μsの位相持続時間が選択されたものとして示されているが、他の実施形態では、異なる位相持続時間を選択又は指定してもよい。
【0223】
[1256] 更に別の例では、ユーザインタフェース4000は、電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激のパルスレートをユーザが選択する又は指定することを可能にするように構成されている入力フィールド4130を含み得る。パルスレートは、
図67に示すような選択可能なドロップダウンメニューが挙げられるが、これに限定されない任意の適切な入力機構によって選択又は指定することができる。
図67~
図68に示されるユーザインタフェース4000では30Hzのパルスレートが選択されたものとして示されているが、他の実施形態では、異なるパルスレートを選択又は指定することができる。前述のパラメータはドロップダウンメニュー入力機構によって選択されるものとして
図67~
図68に示されているが、他の実施形態では、前述のパラメータの1つ以上又は別のパラメータは、異なる入力機構(例えば、ラジオボタン、チェックボックス、リストボックス、ボタン、トグル等)によって選択若しくは特定することができる、又はテキストフィールドに入力することができる(例えば、キーボード、音声コマンド等によって)。
【0224】
[1257] ユーザインタフェース4000は、
図67に示すように、電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激の振幅をユーザが選択する又は指定することを可能にするように構成されている入力フィールド4140を含み得る。示されるように、ユーザは、振幅を、選択可能な振幅の所定の範囲内において(例えば、プラスボタン又はマイナスボタンによって)選択的に増加又は減少させることができる。示されるように、入力フィールド4140を使用して、2つ以上のチャネルを通じて電気刺激器1400から出力される刺激の振幅を選択する又は指定することができる。換言すると、入力フィールド4140は、2つ以上の刺激チャネルに対する刺激の振幅を同時に制御するように構成され得る。
【0225】
[1258] ユーザインタフェース4000は、
図67に示すように、2つ以上のチャネルを通じて電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激の1つ以上のパラメータをユーザが別々に選択する又は指定することを可能にするように構成されているボタン4142、4144を含み得る。ボタン4142、4144の1つ以上の選択によって、例えば、1つ以上の追加の入力フィールドを含むユーザインタフェース(例えば、第2スクリーン)を生成することができる。例えば、
図68に示すように、ユーザインタフェース4000は、第1チャネルを通じて電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激のパラメータ(例えば、振幅)をユーザが選択する又は指定することを可能にするように構成されている入力フィールド4146を含み得る。示されるように、例えば、ユーザは、足の回内を生じさせるように構成されたパラメータ(例えば、振幅)を(例えば、プラスボタン又はマイナスボタンによって)選択的に増加又は減少させることができる。別の例では、
図68に示すように、ユーザインタフェース4000は、第2チャネルを通じて電気刺激器1400から出力される又はそうでなければ電気刺激器1400によって加えられる刺激のパラメータをユーザが選択する又は指定することを可能にするように構成された入力フィールド4148を含み得る。示されるように、ユーザは、足の回外を生じさせるように構成されたパラメータ(例えば、振幅)を(例えば、プラスボタン又はマイナスボタンによって)選択的に増加又は減少させることができる。前述のパラメータの任意の1つ以上は、電気刺激器1400が、肢の一部分(例えば、足)の所望の動き又は姿勢を生じさせるように構成された刺激を生成するように、ユーザがユーザインタフェース4000によって選択的に制御することができる。
【0226】
[1259]
図67~
図68では、特定のパラメータ(例えば、波形、位相持続時間、パルスレート)は、ユーザインタフェース4000の単一入力フィールドにより各刺激チャネルに関して同時に制御されるものとして示されているが、他の実施形態では、各パラメータは、ユーザインタフェースの1つ以上の入力フィールドによって、各刺激チャネルに関して独立制御することができる。同様に、ユーザインタフェース4000は、2つ以上の刺激チャネルのパラメータを同時に制御するように構成された入力フィールド4140を含むものとして示され、記載されているが、他の実施形態では、ユーザインタフェースは、各刺激チャネルに対してパラメータを独立制御することができるように、2つ以上の入力フィールドを含み得る。例えば、このようなユーザインタフェースから入力フィールド4140をなくすことができ、パラメータは入力フィールド4146、4148によって制御することができる。ユーザインタフェース4000は、任意選択的に、電気刺激器1400による(1つ、2つ、3つ又はこれより多いチャネルを通じた、独立した又は同時の)刺激の出力を開始する及び/又は停止するためにユーザによって選択的に制御されるように構成されたボタン4150を含むことができる。
【0227】
[1260] 上記のように、制御デバイスを使用して、第1チャネルCh1、第2チャネルCh2、又は第1チャネルCh1及び第2チャネルCh2の両方を通って流れる電流の1つ以上のパラメータを、肢の神経筋系の一部分を通る電流の流れ又は分配に対するこのようなパラメータの効果に基づきプログラムする又は選択することができる。同様に、制御デバイスを使用して、第1チャネルCh1及び/又は第2チャネルCh2の代わりに若しくはこれに加えて、第3チャネル(図示せず)に伝送される電流に関連する1つ以上のパラメータをプログラムする又は選択することができる。ある実施形態では、制御デバイスを使用して、電子刺激器1400が刺激信号を送信する1つ以上のチャネルを選択することができる。このように、医療提供者が固有の患者に関し、電流の流れのパラメータを用いて刺激器をプログラムするセッションの際、例えば、医療提供者は、肢の一部分の所望の姿勢をもたらす、例えば、足の(例えば、背屈、底屈、回内、回外による)、又は手の(伸展又は屈曲による)所望の姿勢をもたらす肢の神経筋系を通る電流の流れを促すように、少なくとも1つのパラメータを変更(例えば、増加又は減少)することができる。
【0228】
[1261] 一部の例では、電気刺激器1400、5400の少なくとも1つは、任意の数の電子デバイスと通信するように構成され得る。例えば、ある実施形態では、電気刺激器1400は、制御デバイス3500及び3550、物理的に異なるセンサ3300、及び任意選択的に、装具デバイス5050、及び/又は第3装具3050と電気通信することができる。
図66では、センサ3300は踵センサ(又は圧力センサ)を含むものとして示されているが、他の実施形態では、センサ3300は、モーションセンサ(例えば、傾斜センサ、加速度計、ジャイロスコープ、速度計、磁力計、本明細書中に記載される別の適切なセンサ等)を含む。
【0229】
[1262] 少なくとも1つの電気刺激器1400、5400は電子デバイスと、例えば、固有の通信チャネルを通じて通信するように構成され得る。従って、制御デバイス3500及び3550、物理的に異なるセンサ3300、並びに1つ以上の装具1050、3050、5050は、例えば、患者の歩行等を向上させることができるFESを集合的に患者に対して与えることができる。より具体的には、ある実施形態では、装具5050は、例えば、装具5050を装着している患者の大腿(即ち、障害された脚の大腿)の周りに配置されるように構成され得る。上述のように、装具5050の電極(図示せず)は、例えば、膝屈曲筋及び/又は四頭筋に関連する神経筋系の1つ以上の部分と、例えば、電気通信することができる。ある実施形態では、装具5050は、その開示全体を参照により本明細書中に組み込む、2011年2月7日に出願された、「肢の電気刺激のための調節可能な装具(Adjustable Orthosis for Electrical Stimulation of a Limb)」という名称の米国特許第9,095,417号に記載されているデバイスに形状及び/又は機能が類似し得る。ある実施形態では、電気刺激器1400は、患者の障害された肢の実質的に全体にFESを与えるために上脚装具5050と通信するように構成され得る。例えば、電気刺激器1400は、装具1050に結合されていないとき、装具5050に結合することができる。同様に、ある実施形態では、
図66に示すように、電気刺激器1400は、対側の脚の下部分の周りに配置された装具3050に結合されるように構成され得る。ある実施形態では、装具3050は構造的に、本明細書中に記載される装具1050の鏡像であり、対側の脚に対する装具3050の配置の向上を促進することができる。また、同様に、電気刺激器5400は、装具5050とともに使用されていないとき、装具(例えば、装具1050、3050)とともに使用するように構成され得る。本明細書中に記載されるように、電気刺激器1400、5400は、刺激器がどの装具1050、3050、5050に結合されているかを検出及び特定し、検出又は特定された装具1050、3050、5050に基づきどの刺激信号を送信するかを決定するように構成されたセンサ又は他の機構を含み得る。
【0230】
[1263] 種々の実施形態を上述してきたが、これらは単なる例として示したものであり、限定されるものではないことは理解すべきである。上述の図面及び/又は実施形態が特定の方向又は位置に配置された特定の構成要素を示す場合、構成要素の配置構成は変更してもよい。実施形態を特に示し、記載してきたが、形態及び詳細に種々の変更を施してもよいことは理解されよう。特定の特徴及び/又は構成要素の組み合わせを有するものとして種々の実施形態を記載してきたが、本明細書中に記載される実施形態のいずれによる任意の特徴及び/又は構成要素の任意の組み合わせ又は下位組み合わせを有する他の実施形態も可能である。
【0231】
[1264] 例えば、システム100のセンサ130は本明細書中に記載される任意のFESシステムに含むことができ、このセンサは、電気刺激器1400が本明細書中に記載される任意の刺激又は刺激信号を開始する又は送信するように、信号を送信するように構成され得る。特定の電極をカソード電極として本明細書中に記載してきたが、他の実施形態では、電極はアノード電極とすることができる又はこの逆とすることができる。特定の実施形態を、単極刺激を与えるように構成された電気刺激器を含むものとして本明細書中に記載してきたが、他の実施形態では、電気刺激器は双極刺激を与えることができる又はこの逆とすることができる。
【0232】
[1265] ある実施形態では、外部刺激器1400は、第1時間の間、1つのチャネルを通じて第1刺激信号を、及び第1時間の間、異なるチャネルを通じて第2(又は第3又は第4)刺激信号を送信するように構成されているものとして示し、記載してきたが、他の実施形態では、異なる時間(例えば、より早い時間、後の時間)の間に第2(又は第3又は第4)刺激信号を送信することができる。ある実施形態では、電気刺激器1400は、交互する又は連続する時間において、2つ以上のチャネルを通じて刺激信号を送信するように構成されている。
【0233】
[1266] ある実施形態では、外部刺激器1400は、異なる時間の間、1つ以上の刺激信号を送信するように構成されているものとして本明細書中に示し、記載されてきたが、他の実施形態では、このような刺激信号は同じ時間の間に送信することができる。
【0234】
[1267] ある実施形態では、チャネルは、「第1チャネル」として本明細書中に示されている又は記載されているが、他の実施形態では、このようなチャネルは、第2チャネルと呼ばれてもよく、この逆であってもよい。
【0235】
[1268] ある実施形態では、コネクタ(例えば、電極アセンブリの)は、相補(例えば、雌)コネクタ(例えば、フレームアセンブリの)と嵌合的に係合するように構成された雄コネクタとして示されてきた及び/又は記載されてきたが、他の実施形態では、雄コネクタと雌コネクタの配置はシステムの構成要素間で反転することができる又は入れ替えることができる。
【0236】
[1269] 装具1050は、内層1160と外層1170との間に配置されたフレーム1110を含むものとして本明細書中に示し、記載してきたが、他の実施形態では、装具から半剛性フレーム1110をなくすことができる。例えば、このような装具は、内層(例えば、内層1160)、外層(例えば、外層1170)、及び任意選択的に、1つ以上の更なる可撓性層のうちの1つ以上を含み得る。
【0237】
[1270] FESシステム(例えば、システム100、500、1000、3000)は、歩行中、患者の下肢部分(例えば、上脚及び/又は下脚)にFESを与えるのに特に有用なものとして本明細書中に示し、記載してきたが、ある実施形態では、システムは、腕の一部分などの異なる身体部分に、例えば、把持するために及び/又はサイクリング、ローイング、パドリング若しくは任意の他の適切な活動などの異なる身体活動中にFESを与えるように構成されている。例えば、ある実施形態では、ユーザは、システムの(例えば、ユーザインタフェースの)メニューから複数の活動モードオプションのうちの1つ(例えば、歩行、サイクリング、ローイング、パドリング等)を選択することができる。刺激器140はそこに保存された、各活動モードに関連する刺激パラメータセットを含む。第1活動モード(例えば、歩行)の刺激パラメータは、第1活動モードとは異なる第2活動モード(例えば、サイクリング)の刺激パラメータとは異なる。サイクリングモードでは、例えば、FESシステムは歩行モード中、肢(例えば、脚)にFESを与えるために使用されるものと同じ刺激プラットフォームを使用するが、FESシステムは、サイクリングモードに関連するパラメータを基に、脚に関連付けられた1つ以上のモーションセンサ及び/又は位置センサから受信した信号に応じて刺激を与える。ローイングモード又はパドリングモードにおいて、別の例では、FESシステムは、典型的な生活活動中、腕及び/又は手の機能を回復するために肢(例えば、腕及び/又は手)にFESを与えるために使用されるものと同じ刺激プラットフォームを使用することができるが、FESシステムは、それぞれローイングモード又はパドリングモードに関連するパラメータを基に、腕及び/又は手に関連付けられた1つ以上のモーションセンサ及び/又は位置センサから受信した信号に応じて刺激を与える。このようなFESシステムは、患者が本明細書中に記載されるFESシステムを活動専用のFES機器(例えば、専用のFES自転車)の代わりに使用することを可能にする。
【0238】
[1271] ある実施形態によるFESシステムは、組み合わせて使用され、患者の上肢と下肢のFESを容易にするように構成された、本明細書中に記載される上肢FESシステムと下肢FESシステムとの両方を含み得るため、患者は1つ以上の所定の活動を実施することができる。このような実施形態では、FESシステムは、上肢(例えば、上腕及び/又は下腕)装具と下肢(例えば、上肢及び/又は下肢)装具とを含み、そのそれぞれは、本明細書中に記載される任意の装具に類似し得る。システムは、本明細書中に記載される任意の刺激器(例えば、刺激器140、1400、540、5400)に多くの点で類似する又は同一の刺激器を含み得る。ある実施形態では、システムは、上肢装具又は下肢装具のうちの1つに物理的及び電気的に結合されるように構成されている刺激器を含む。刺激器は、また、上肢装具又は下肢装具のもう一方に電気的に結合される(例えば、無線結合される)が、それとは物理的に分離しており、且つ異なるように構成されている。刺激器は、第1パラメータセットによる電気刺激を上肢装具に対して送信し、第2パラメータセットによる電気刺激を下肢装具に対して送信するようにプログラムされ得る。上肢装具に出力されるように構成されている第1パラメータセットによる刺激、及び下肢装具に出力されるように構成されている第2パラメータセットによる刺激は、患者のそれぞれ上肢及び下肢の機能的運動を容易にするように構成され得るため、患者は、所定の又は所望の活動中、上肢及び下肢の両方を機能的に使用することができる。換言すると、上肢装具及び下肢装具は協働して、テニス(例えば、テニスラケットの把持及び/若しくはテニスラケットを振るための意図的な腕の運動を可能にするように腕を刺激することができる、並びに、テニスコートを動き回る際の患者の歩行を容易にするように脚を刺激することができる)、ローイング(例えば、オールの把持及び/又はローイングストローク中の腕の運動を容易にするように腕を刺激することができる、並びにローイングストローク中の脚の押し込み及び/又は腰の伸展を含む脚の運動を容易にするように脚を刺激することができる)、サイクリング、ハイキング、パドルボーディング、スキー又は任意の他の活動が挙げられるが、これに限定されない1つ以上の活動に患者が参加できるように、患者にFESを与えるように構成されている。ある実施形態では、ユーザは刺激器の動作モード(例えば、活動モード)を選択することができる(例えば、本明細書中に記載されるように刺激器のユーザインタフェース又は制御ユニット若しくはデバイスによって)。刺激器は、動作モードと、それぞれ上肢装具及び下肢装具に関連するより多くのセンサの1つ(one of more sensors)から受信した1つ以上の信号とに少なくとも一部基づき、刺激を選択的に出力することができる。他の実施形態では、システムは、第1パラメータセットによる刺激が第1刺激器によって出力され、第2パラメータセットによる刺激が第2刺激器によって出力されるように、上肢装具に関連付けられた第1刺激器と、下肢装具に関連付けられた第2刺激器と、を含む。このようなシステムでは、第1刺激器と第2刺激器は、任意選択的に、電気通信することができる。
【0239】
[1272] 別の実施形態では、本明細書中に記載されるFESシステムのいずれも(例えば、システム100、500、1000、3000)、例えば、1つ以上のモーションセンサ及び/又は位置センサから受信した信号に基づき、患者又は他の物理的イベントによって生じた転倒を検出するように構成され得る。刺激器は、このような転倒又は他のイベントが検出された場合に、制御デバイス(例えば、スマートフォン)に信号を送信するように構成され得る。
【0240】
[1273] 本明細書中に示され、記載される、肢にFESを与えるためのを含む、FESシステム(例えば、システム100、500、1000、3000)は、肢部分の周りに配置されている及び又は肢部分を実質的に覆い囲むように構成された装具を含むが、他の実施形態では、本明細書中に記載されるシステムの1つ以上の構成要素は、下肢外骨格又は上肢外骨格などの外骨格に含むことができ、肢又は全身外骨格の実質的に全体に構成される。例えば、このような実施形態では、全身又は部分身体外骨格は、本明細書中に記載される電極アセンブリ、センサ(本明細書中に記載されるセンサの1つなど)、フレームアセンブリ(本明細書中に記載されるフレームアセンブリの1つなど)、及び電気刺激器(本明細書中に記載される電気刺激器など)のうちの1つなど、電極アセンブリの1つ以上の少なくとも一部分を含み得る。このような部分身体外骨格は、患者の脚、腰の周りから足までの下半身、腕、胴部及び片腕又は両腕を含む上半身を実質的に含むように構成され得る。このような全身外骨格は、任意選択的に、患者の頭部及び/又は患者の手若しくは足の先端の一部分以外の患者の体の実質的に全体を収容する又は患者の体の実質的に全体の周りに配置されるように構成され得る。
【0241】
[1274] 本明細書中に記載される種々の構成要素の特定の構成は変更することもできる。例えば、種々の構成要素の大きさ及び特定の形状は、示される実施形態とは異なり得るが、本明細書中に記載される機能をなお提供する。加えて、デバイスの他の構成要素の大きさに関して本明細書中に示され、記載されるデバイスの種々の構成要素の相対的な大きさは必ずしも一定の縮尺ではない。
【0242】
[1275] 同様に、上述の方法及び/又はイベントが、特定の順序で起こる特定のイベント及び/又は処置を示す場合、特定のイベント及び/又は処置の順序は変更してもよい。実施形態を特に示し、記載してきたが、形態及び細部の種々の変更を行ってもよいことは理解されよう。