(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】矯正器具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20220308BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A61F5/01 N
A61F13/06 G
(21)【出願番号】P 2018542062
(86)(22)【出願日】2017-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2017035887
(87)【国際公開番号】W WO2018062569
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2016193239
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515111750
【氏名又は名称】株式会社ナカメ
(74)【代理人】
【識別番号】100123489
【氏名又は名称】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】松田 大司
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/024420(WO,A1)
【文献】特開平10-234757(JP,A)
【文献】特開平08-182716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A61F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の矯正器具であって、内周部に内側方向に三角柱状の突起を有し、円周に対して該三角形が一方向に向かって傾斜している、
足指装着用矯正器具。
【請求項2】
前記三角柱が円柱の軸方向と並行である、請求項1の
足指装着用矯正器具。
【請求項3】
前記円筒形が直径7~20mm、幅5~10mm、厚さ1~3mm、硬度4~6の円筒状の弾力性を有する素材からなる、請求項1または2に記載の
足指装着用矯正器具。
【請求項4】
足指に装着
することにより、体の柔軟性が向上することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の
足指装着用矯正器具。
【請求項5】
足指に装着することにより、ヒップアップすることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の
足指装着用矯正器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体の歪みを改善する矯正器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活様式の欧風化に伴い、日常生活において、正座をする機会は少なくなっているものの、まだある程度残っている。また、近年交通機関が発達したことで、運動不足気味の人が増え、オフィスワークで不自然な姿勢で事務作業をするなどにより、体の歪みが生じる機会が増えている。これら体の歪みがあると、足による接地が不自然になり、重心の位置がずれ、さらに体の歪みが悪化する場合がある。
【0003】
こうした体の歪みを取る器具としては、特許文献1の足指用サポートリングが知られているが、これは複雑な形状で、しかも足の親指のみに装着し、常に足指を意識させることで姿勢を保つというものである。しかし、常に足指に意識を向けるのでは、長期間付けたままにすることが難しい、という問題があった。
【0004】
また、日常的に付けたままにしても装着感がない足指バンドも開発されている(特許文献2)。しかしながら、この場合には、複数の足指にバンドを装着する必要があった。
【0005】
そこで、付けっぱなしにでき、しかも、装着する足指をより少なくできる発明が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-167122号公報
【文献】WO2016/024420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
装着し、通常の生活をするだけで、重心が安定し、柔軟性が向上し、および/または体の歪みが矯正される器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)円筒形の矯正器具であって、内周部に内側方向に三角柱状の突起を有し、円周に対して該三角形が一方向に向かって傾斜している、矯正器具。ここで三角柱状とは、円周に接する辺が円筒の内周に合せて円弧状になっていることを意味する。また、三角柱状の突起の底面は円筒の垂直な切断面と並行であってもよく、円筒の垂直な切断面から円筒の内側(上低面なら下側、下低面なら上側)に向かって傾斜していてもよい。
(2)前記三角柱が円柱の軸方向と並行である、(1)の矯正器具。ここで軸方向とは円柱(円筒)の中心を貫く軸と並行という意味である。この場合、完全に並行であることがもっとも好ましいが、±10%以下、より好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±3%以下、よりさらに好ましくは±1%以下の範囲で軸に対して角度が付いていてもよい。
(3)前記円筒形が直径7~20mm、幅5~10mm、厚さ1~3mm、硬度4~6の円筒状の弾力性を有する素材からなる、(1)または(2)に記載の矯正器具。ここで硬度とは、JIS K 6253の規格に基づき、タイプAデュロメータという硬さ試験機で測定した硬度をいう。また、弾力性を有する素材としては、例えば、ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられるがこれらに限られない。好ましくはシリコーンゴムである。
(4)装着により、体の柔軟性が向上することを特徴とする、(1)~(3)のいずれか1に記載の矯正器具。ここで、柔軟性とは、一方向に曲げにくい等の非対称的な柔軟性を言う。例えば、前屈はかなり曲げられるが、後屈が全く曲がらない等の方向による柔軟性の違いをいう。これは体の歪みに起因するものと考えられる。
(5)装着により、O脚、背骨の歪み、骨盤の歪み、重心のずれが矯正されることを特徴とする、(1)~(3)の矯正器具。
(6)(1)~(4)のいずれかの矯正器具を用いて、O脚、背骨の歪み、骨盤の歪み、重心のずれからなる群から選ばれる1または複数の症状を軽減または治療する方法。なお、この方法は、ヒトに対しても有効であるが、ヒト以外の動物(例えば、イヌなどのペット)の症状軽減、治療にも適用可能である。
(7)装着することにより、ヒップアップすることを特徴とする、(1)~(4)のいずれか1項に記載の矯正器具。
(8)(1)~(4)のいずれかの矯正器具を用いて、ヒップアップさせる方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本発明の器具を装着することで柔軟性が向上するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の矯正器具(足指バンド)の斜視図(A)および横から見た図(B)である。
【
図2】
図2は、本発明の足指バンドの内周に設置された突起(C)および上面図(D)である。
【
図4】
図4は、本発明の足指バンド装着前と装着後の足底の圧力分布図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の足指バンド装着前と装着後の足底の圧力分布図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の足指バンド装着前と装着後の足底の圧力分布図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の足指バンド装着後のヒップアップの様子を側面から見た写真である。
【
図8】
図8は、本発明の足指バンド装着後のヒップアップの様子を側面から見た写真である。
【
図9】
図9は、本発明の足指バンド装着後のヒップアップの様子を側面から見た写真である。
【
図10】
図10は、本発明の足指バンド装着後のヒップアップの様子を後ろから見た写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の足指バンドは、身体の重心バランスの偏りを直す機能がある。その結果として、身体の歪みが修正され、柔軟性が増加する。
【0012】
本発明の足指バンドは、円筒の外側表面(外周面)には突起などの付着物はなく、平坦な円筒の外周が好ましい。外周面が平坦であることで、他の指に圧力などの影響を与えず、装着していることを意識しないで生活できる。
【0013】
円筒の内側(内周部)には、三角柱に近い形状の突起が均一な距離で配置されている。この三角形は、矯正器具を装着後、一方向に向かって捻ることが容易になるように向きが揃っている(
図2D)。すなわち、三角柱の底面の形状としては、2等辺三角形ではなく、頂点が2等辺三角形の頂点からいずれかにずれており、しかも、そのずれの方向は全ての三角形について一方向である。そのような三角形(三角柱の底面)としては、例えば、直角三角形で内側の頂点が約60度の三角形があげられるが、これに限られない。また、三角柱は足指バンドの開口の方向と同じ方向、つまり、円周に対して直角方向に配置されるのが好ましい。ただし、円周に対する角度は、厳密に直角でなくてもよく、直角から±5度以内、より好ましくは±3度、さらに好ましくは±2度、最も好ましくは±1度以内であればよい。
【0014】
1つの円筒あたりの三角柱状の突起の数は、少なくとも、3、4,5、6、7,8、9、10、11、12、13、14、15のいずれか以上であることが好ましい。三角柱状の突起の数の上限は、30以下、29以下、28以下、27以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、20以下、19以下、18以下、17以下のいずれかが好ましい。
【0015】
三角形の突起の大きさは、内周面から中心に向かう距離で、0.5mm以上、1.0mm以上、1.5mm以上が好ましく、上限としては、3mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下が好ましい。
【0016】
三角形の内部に突き出した突起の角度の上限は、好ましくは、80度以下、75度以下、70度以下、65度以下であり、最も好ましくは60度である。該突起の角度の下限は、30度以上、40度以上、45度以上、50度以上、55度以上であり、最も好ましくは60度である。この角度は全ての突起について同一であってもよく、突起毎に異なっていてもよいが、好ましくは略同一が好ましい。略同一とは、例えば、60度の場合、好ましくは、60度±3度以内、より好ましくは、±2度以内、さらに好ましくは±1度以内である。他の角度でも同様である。
【0017】
三角柱の内向きの突起の頂点は、鋭角でもよいが、痛みを感じないように若干丸みを付けてもよい(
図2C参照)。
【0018】
本発明の足指バンドを装着した場合、柔軟性が向上することが見られた。しかも、単なる足指バンドに比べ、装着する指の数が少なくても効果が認められた。
【0019】
本発明の矯正器具は、弾力性を有する素材からなる円筒状の器具である。大きさには特に制限はないが、直径7~20mm、幅5~10mm、厚さ1~3mm、硬度4~6のものが好ましく用いられる。より好ましくは、直径8~16mm、幅6~8mm、厚さ2mm、硬度5であるが、体の大きい人や外国人向けなどではこれより大きな形状であってもよい。また、激しいスポーツをする場合は、より硬度の高いものを用いてもよい。
図1および
図2に基本的な形態が示されている。内部の指に触れる部分(三角形)にエンボス加工などの滑り止め加工をしてもよい。
【0020】
弾力性を有する素材としては、屈撓変形可能で伸縮自在な材料であれば特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、スチレンーアクリロニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体ゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゲル、シリコーンゴム、アクリルゴム、スチレンゴム等の各種エラストマー樹脂などが好ましく用いられる。これらのうち、装着感、色などを考慮すると、シリコーンゴムが特に好ましい。要は足指にかけた場合に適度に圧迫し、1日中装着していても気にならない程度の弾力性を有する素材であればよい。また、素材は1種類に限らず、複数の組合せでもよい。
【0021】
弾力性を有する素材には、抗菌剤を含めてもよい。抗菌剤としては、当業者に周知の抗菌剤が使用でき、特に制限されないが、例えば、銀系の抗菌剤(ゼオライトジルコニウム、アパタイト、チタニア等に銀イオンを担持させたものなど)が使用できる。抗菌剤は、全ゴム成分当たり0.01~10重量%配合されるのが好ましく、0.1~5重量%配合されるのがより好ましい。
【0022】
ここで、「弾力性を有する素材からなる」とは、弾力性を有する素材を主要な構成成分として含む意味で、弾力性を有しない素材を全く含まないという意味ではない。一部に弾力性を有しない素材を含めてもよい。
【0023】
色彩は透明から半透明が好ましく、着色する場合は肌色に近く目立たない色が好ましいがこれらに限られない。例えば、ファッションとして用いるために、カラフルなものや模様を付けても良い。
【0024】
本発明の矯正器具は、円筒形の筒面全体が連続していてもよく、メッシュ状のように穴を有していてもよい。要は装着して体の歪みが矯正される限り、特に円筒の形状は限定されない。
【0025】
本発明の矯正器具は、足指、すなわち、足の親指、人差し指、中指、薬指、小指の1つまたは複数に装着して用いる。この際、左右対称に装着する場合もあるが、患者の症例に応じて、非対称に装着してもよい。また、装着する器具の数も同じでなくてもよく、例えば、右足薬指に1個のみでも柔軟性が向上する場合がある。他に、右足薬指と左足小指、右足薬指と右足小指、左足薬指と左足小指、を装着した場合に、柔軟性の向上が認められた(表1)。
【0026】
どの指に装着するかは、実際に装着してみて、体の柔軟性などが変化する足指に装着するのが好ましい。例えば、前屈した場合に手が床につきにくい方の足指に装着することが好ましい。要は、装着してみて柔軟性が上がる等の効果が感じられた足指に装着すればよい。
【0027】
通常は両足の足指に装着し、全ての足指ではなく特に効果の高い足指を選択して装着する。体の歪みの傾向により、どの指に装着すればよいかについては、経験的にわかっている専門家のアドバイスを受けることも有効である。
【0028】
本発明の矯正器具が適用される症例は、特に制限はないが、重心がずれている、体の柔軟性が低い、膝の関節痛、O脚、X脚、背骨の歪み、頸椎の歪み、腰痛などの症例を持つ人に好適に用いられる。体の歪みは直立した状態で観察すれば正中線がずれるので容易にわかる。重心がずれている場合、体の中心線が正中線から左右いずれかにずれる。また、重心がずれているかどうかは足の裏にカード等の紙を挿入することで隙間があるかどうかで判断できる。これらを観察することにより、本発明の矯正器具を取り付ける適切な足指を選択することができる。
【0029】
本発明の矯正器具によれば、足指に対する力のかかり具合が調整できるので、足の裏全体に体重がかかり、重心が安定し、そのため体の歪みが矯正されるという効果を有する。そのため、扁平足、外反母指なども矯正可能である。股関節痛で片方の足が床につけにくかった人も本発明の矯正器具を装着することで、その足の裏全体に体重をかけられるようになった。
【0030】
本発明の矯正器具が効果を発揮する仕組みはまだ十分には解明されていないが、いわゆる経絡が関与している可能性が考えられる。本発明の矯正器具(捻りバンド)では、挿入する方向により、経絡を鼓舞するだけでなく、抑制することもできる。表面が平滑な平バンド(WO2016/024420号公報)では、経絡を鼓舞して関係する筋肉を弛緩することしかできなかったが、本発明の矯正器具では、経絡を鼓舞(筋肉を弛緩)するだけでなく、経絡を抑制し、筋肉を緊張させることができるという特徴を有する。鼓舞と抑制が可能になることから、慢性痛のみでなく、慢性病の治療効果も発揮し得る。さらに、本発明の足指バンドは装着した瞬間から効果を発揮するという点で、いわゆるツボを利用した治療方法よりも効果が出るのが早いという効果も有する。
【0031】
右回しの方向か、左回しの方向かは、経絡の陽経・陰経によって緊張・弛緩させるはめ方は決まっている。緊張している側に重心は偏るので、関係筋肉の緊張・弛緩が操作できれば、確実に重心バランスの偏りを操作できる。
【0032】
本発明の矯正器具は、ヒトのみでなく、ヒト以外の動物の重心の矯正にも有効である。例えば、足が悪かった犬のラブラドールに本発明の矯正器具を装着したところ、階段の昇り降りが楽にできるようになった。この場合は、着けっ放しにはせず、飼い主が着け外しをするのが好ましい。
【0033】
本発明の矯正器具(捻りバンド、足指バンドともいう)を装着することにより、ヒップアップが可能になる。女性9人の被験者に本発明の矯正器具を装着させたところ、全員がヒップアップの自覚症状があり、周囲の他人から見てもヒップアップしていることがわかった(表2および
図7~10参照)。
【0034】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
【実施例】
【0035】
(実施例1)
女性5人、男性3人に対し、本発明の足指バンドの装着前と装着後で体前屈した場合の床からの距離を測定した。体前屈に関係する足指は薬指と小指であるが、各人の身体の歪みに応じて装着指を決定した。足指バンドを捻る方向は、足の甲側に向けて、小指方向である。その結果を表1に示す。
【0036】
【0037】
表1に示すように、女性では、最小で7cm(被験者1)、最大で23cm(被験者2)柔軟性が向上していた。男性の場合は、最小で5cm(被験者6)、最大で16cm(被験者8)柔軟性が向上していた。
【0038】
これらの効果は、本発明の矯正器具を装着した結果、足指の接地が安定し、体の歪みが矯正され、重心が安定化したことの効果と考えられる。本発明の矯正器具は、継続して装着して仕事や日常生活の動きをする過程で体の歪みが矯正され続けるところに特徴がある。
【0039】
(実施例2)
足底圧分布測定機フットルック(有限会社ラコントゥル社製)を用いて、足裏の圧力を測定することにより、本発明の足指バンドの効果を測定した。五十肩、右足の膝痛、左股関節痛を有する人の装着前、装着後の足裏圧力分布の様子をそれぞれ
図4~6に示す。図に示すように、装着前よりも装着後の方が均一に足裏の接地圧力(体重)がかかっていることがわかる。それに加えて五十肩の人(
図4)は左手が上に上がるようになり、右足の膝痛の人(
図5)はサポーターがなくても良くなり階段の昇り降りも楽になり、左股関節痛の人(
図6)はそのために身体が傾いていたが左足に体重をかけられるようになり身体の傾きが治り階段の昇り降りも手すりを持たずにできるようになった。これらより本発明の足指バンドは五十肩、膝痛、股関節痛を治す効果があることがわかる。
【0040】
(実施例3)
ヒップアップ実験
被験者の女性9人(年齢は30~40代に、それぞれ両足の中指に、本発明の捻りバンドを上から見て親指側に捻れるように装着した。
その結果9人中9人がヒップアップした感じがするとの感触を得た。そこで、本人の感触を1~10の10段階でアンケートを取った。装着していないときを5として評価した。また、周囲の人からの目視の感想のアンケートも取った(表2)。
【0041】
【0042】
その結果、9人中8が3人、7が3人、6が3人で、装着前の5またはそれ以下の評価の被験者はいなかった。
本人の感想を見ても、重心が前に行く、腰が反る、垂れていたのが上がった、お尻の肉が減った、両方に装着するとお尻の高さの左右差が広がる(垂れている側に装着すると均等になる)、お尻の中心がキュッとして上がった感じがする、中心に寄った感じがする、などの感想が得られた。
【0043】
周囲の感想についても、見た目、前に体重がかかって前のめりになっている、お尻が真ん中に寄った、(右側が垂れていたのが)見た目、右側が上がった、見た目、お尻が真ん中に寄って上がった、見た目、垂れている側に着けると均等になる、見た目も上がった感じ、などの感想が得られた。
他者が被験者のお尻を触った感触も硬く感じ、見た目も寄った感じ、上がった感じがした。ビフォアアフターの写真を
図7~9に示す。明らかに前に体重がかかり、前のめりになっている。お尻もよく見ると上がっているのがわかる。
図10は後ろから見た図であるが、パンツのしわを見ればヒップアップしているのがわかる。
【0044】
理論的には、以下のようなことが推察される。経絡を締めることで、大腰筋が緊張し、大腿骨頭を真ん中に引きつける作用が働き、腸骨筋が緊張すると骨盤が前傾する。その2つの作用によって、重心が前に行って、お尻が真ん中に寄った感じと上がった感じがすると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、健康産業、健康用器具の製造業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 円筒の外周
2 円筒の内周