(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】乗り物のカーゴスペースのための空気管理システム
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20220308BHJP
B60H 1/32 20060101ALI20220308BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20220308BHJP
B60P 3/20 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B60H1/00 102L
B60H1/32 613T
B60H1/32 611
B60H1/32 611Z
B60H1/00 102N
F24F13/02 B
F24F13/02 F
B60P3/20 Z
(21)【出願番号】P 2018557897
(86)(22)【出願日】2017-04-20
(86)【国際出願番号】 US2017028528
(87)【国際公開番号】W WO2017192273
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-04-07
(32)【優先日】2016-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,ジュニアー,ハロルド
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-158930(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第02747603(DE,A1)
【文献】米国特許第04050365(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0308743(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0239791(US,A1)
【文献】特開2005-001472(JP,A)
【文献】実開平05-026536(JP,U)
【文献】実開平05-049423(JP,U)
【文献】特開2005-199896(JP,A)
【文献】特開平05-338428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
B60H 1/32
F24F 13/02
B60P 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物用のカーゴスペース空気管理システムであって、
内部に1つまたは複数のキャビティを画成する本体と、1つまたは複数のポートであって、前記1つまたは複数のポートを通して、前記1つまたは複数のキャビティの少なくとも1つへの流体連通を可能にするように構成された、前記1つまたは複数のポートと、前記本体の第1の端部から第2の端部への前記カーゴスペース空気管理システムの前記本体の長さに沿う様々な位置に設けられた複数のジョイントと、を備え、
前記本体が、前記乗り物のカーゴスペース
の上に配置されるように構成され、
前記本体は、硬質のシェル構造を有し、前記乗り物の頂部フレームに取り付けられ、
前記本体は、第1の状態から第2の状態に展開可能であり、前記第2の状態において、前記本体が、前記カーゴスペースの一部分をカバーするとともに、前記本体内に空気が充填されたキャビティを形成する、前記乗り物のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項2】
前記本体の第1の端部を支持するように構成された1つまたは複数の支持構造をさらに備えている、請求項1に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項3】
前記乗り物の壁内に設置された冷却ユニットをさらに備えている、請求項1に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項4】
前記冷却ユニットを、前記本体の前記1つまたは複数のポートの少なくとも1つに流体接続するように構成されたダクトをさらに備えている、請求項
3に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項5】
前記本体を乗り物のフレームに固定するように取り付けるように構成された少なくとも1つの締結具をさらに備えている、請求項1に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項6】
前記本体に取り付けられ、乗り物のフレームに取り付けられるように構成された冷却ユニットをさらに備えている、請求項1に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項7】
前記本体に位置する少なくとも1つの追加のポートをさらに備え、空気が、前記1つまたは複数のポートと、前記少なくとも1つの追加のポートとの両方を通して流れる場合がある、請求項1に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項8】
前記1つまたは複数のポートが、前記本体の第1の端部に位置し、前記少なくとも1つの追加のポートが、前記本体の第2の端部に位置している、請求項
7に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項9】
空気を、前記本体内の前記1つまたは複数のキャビティを通して吹き出すように構成された少なくとも1つのファンをさらに備えている、請求項1に記載のカーゴスペース空気管理システム。
【請求項10】
カーゴスペース空気管理システムを乗り物へ設置する方法であって、
前記カーゴスペース空気管理システムを乗り物のカーゴスペース周りに配置することと、
前記カーゴスペース空気管理システムを前記乗り物に取り付けることと、
前記カーゴスペース空気管理システムを膨張させて、前記カーゴスペースの空気を管理することと、を含み、
前記カーゴスペース空気管理システムが、内部に1つまたは複数のキャビティを画成する本体と、1つまたは複数のポートであって、前記1つまたは複数のポートを通して、前記1つまたは複数のキャビティの少なくとも1つへの流体連通を可能にするように構成された、前記1つまたは複数のポートと、前記本体の第1の端部から第2の端部への前記カーゴスペース空気管理システムの前記本体の長さに沿う様々な位置に設けられた複数のジョイントと、を含み、前記本体は、硬質のシェル構造を有し、前記乗り物の頂部フレームに取り付けられ、前記本体が、第1の状態から第2の状態に展開可能であり、前記第2の状態において、前記本体が、前記カーゴスペースをカバーするとともに、前記カーゴスペースの上に空気が充填されたキャビティを形成する、前記設置方法。
【請求項11】
冷却ユニットを前記少なくとも1つのポートに流体接続することをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記本体の前記1つまたは複数のキャビティ内に空気を吸い込むか、前記本体の前記1つまたは複数のキャビティから空気を吹き出すことの少なくとも一方のためにファンを作動させることをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記乗り物の壁に設置された冷却ユニットをさらに含み、前記冷却ユニットが、前記カーゴスペース空気管理システムを膨張させるように構成されている、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記冷却ユニットを前記1つまたは複数のキャビティに、少なくとも1つのダクトで流体接続することをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記本体を乗り物のフレームに締結することをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記本体に取り付けられ、乗り物のフレームに取り付けられるように構成された冷却ユニットを作動させて、前記カーゴスペース空気管理システムを膨張させることをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記本体が、前記本体に位置する少なくとも1つの追加のポートをさらに備え、空気が、前記1つまたは複数のポートと前記少なくとも1つの追加のポートとの両方を通って流れる場合があり、前記方法が、前記1つまたは複数のポートを通し、前記本体を通し、かつ、前記少なくとも1つの追加のポートを通して空気を循環させることをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、概して、乗り物のための空気管理に関し、より詳細には、冷却ユニットを伴って使用するためのカーゴスペースを有する乗り物用の空気管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両における冷却システムは、カーゴスペースを冷却するために設定される、冷却ユニットなどの冷却システムを伴って構成される場合がある。いくつかの冷却ユニットは、車両の壁の開口を通して、取外し可能に設置可能である場合がある。これらユニットは、比較的小型で、手作業で設置される場合がある。冷却ユニットは、空気をカーゴスペース内に向けるブロワまたはファンを伴って構成されている場合がある。そのような冷却ユニットを使用する場合、空気が、カーゴスペース内を屋根または天井に向かって上方に吹かれる場合があり、この空気は次いで、天井が流れ面を提供することから、カーゴスペース内に分布される。空気は、この流れ面に沿って流れる場合がある。さらに、カーゴスペースを有する車両がすべて、カーゴスペースの空調を可能にするように適切に構成されているわけではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、乗り物用のカーゴスペース空気管理システムが提供される。カーゴスペース空気管理システムは、内部に1つまたは複数のキャビティを画成する本体と、1つまたは複数のポートであって、1つまたは複数のポートを通して、1つまたは複数のキャビティの少なくとも1つへの流体連通を可能にするように構成された、1つまたは複数のポートと、を備えている。本体は、乗り物のカーゴスペース内に配置されるように構成され、本体は、第1の状態から第2の状態に展開可能であり、第2の状態において、本体が、カーゴスペースの一部分をカバーするとともに、本体内に空気が充填されたキャビティを形成する。
【0004】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、第1の状態の本体を収容するように構成されたハウジングを含む場合があり、ハウジングが、乗り物のフレームに装着されるように構成されている。
【0005】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、本体の第1の端部を支持するように構成された1つまたは複数の支持構造を含む場合がある。
【0006】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、乗り物の壁内に設置された冷却ユニットを含む場合がある。
【0007】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、冷却ユニットを、本体の1つまたは複数のポートの少なくとも1つに流体接続するように構成されたダクトを含む場合がある。
【0008】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、本体を乗り物のフレームに固定するように取り付けるように構成された少なくとも1つの締結具を含む場合がある。
【0009】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、本体に取り付けられ、乗り物のフレームに取り付けられるように構成された冷却ユニットを含む場合がある。
【0010】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、本体に位置する少なくとも1つの追加のポートを含む場合があり、空気が、1つまたは複数のポートと、少なくとも1つの追加のポートとの両方を通して流れる場合がある。
【0011】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、1つまたは複数のポートが、本体の第1の端部に位置し、少なくとも1つの追加のポートが、本体の第2の端部に位置していることを含む場合がある。
【0012】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、空気を、本体内の1つまたは複数のキャビティを通して吹き出すように構成された少なくとも1つのファンを含む場合がある。
【0013】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、カーゴスペース空気管理システムのさらなる実施形態は、本体が、第1の層及び第2の層を含み、乗り物のフレームに設置される際に、第1の層が第2の層とカーゴスペースとの間に構成されることを含む場合がある。
【0014】
別の実施形態によれば、カーゴスペース空気管理システムを乗り物へ設置する方法が提供される。本方法は、カーゴスペース空気管理システムを乗り物のカーゴスペース周りに配置することと、カーゴスペース空気管理システムを乗り物に取り付けることと、カーゴスペース空気管理システムを膨張させて、カーゴスペースのための空気を管理することと、を含む。カーゴスペース空気管理システムは、内部に1つまたは複数のキャビティを画成する本体と、1つまたは複数のポートであって、1つまたは複数のポートを通して、1つまたは複数のキャビティの少なくとも1つへの流体連通を可能にするように構成された、1つまたは複数のポートと、を含み、本体が、第1の状態から第2の状態に展開可能であり、第2の状態において、本体が、カーゴスペースをカバーするとともに、カーゴスペースの上に空気が充填されたキャビティを形成する。
【0015】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、冷却ユニットを少なくとも1つのポートに流体接続することを含む場合がある。
【0016】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、本体の1つまたは複数のキャビティ内に空気を吸い込むか、本体の1つまたは複数のキャビティ内から空気を吹き出すことの少なくとも一方のためにファンを作動させることを含む場合がある。
【0017】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、カーゴスペース空気管理システムが、第1の状態の本体を収容するように構成されたハウジングをさらに備え、ハウジングが、乗り物のフレームに装着されるように構成されており、方法が、ハウジングを乗り物のフレームに配置及び装着することをさらに含むことを含む場合がある。
【0018】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、乗り物の壁に設置された冷却ユニットを含む場合があり、冷却ユニットが、カーゴスペース空気管理システムを膨張させるように構成されている。
【0019】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、冷却ユニットを1つまたは複数のキャビティに、少なくとも1つのダクトで流体接続することを含む場合がある。
【0020】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、本体を乗り物のフレームに締結することを含む場合がある。
【0021】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、本体に取り付けられ、乗り物のフレームに取り付けられるように構成された冷却ユニットを作動させて、カーゴスペース空気管理システムを膨張させることを含む場合がある。
【0022】
上述の特徴の1つまたは複数に加えるか、代替形態として、本方法のさらなる実施形態は、本体が、本体に位置する少なくとも1つの追加のポートをさらに備え、空気が、1つまたは複数のポートと少なくとも1つの追加のポートとの両方を通って流れる場合があり、方法が、1つまたは複数のポートを通し、本体を通し、かつ、少なくとも1つの追加のポートを通して空気を循環させることをさらに含むことを含む場合がある。
【0023】
本開示の実施形態の技術的効果には、通常は冷却された状態での移送ができないカーゴスペースのための、空気の調整及び/または冷却を可能にするための、乗り物用のカーゴスペース空気管理システムが含まれる。さらに、技術的効果は、1つの乗り物から別の乗り物に移動することができ、及び/または、必要ではない場合は閉じられ、格納され得る、取り外し可能及び/または折りたたみ可能なカーゴスペース空気管理システムを含んでいる。
【0024】
上述の特徴及び要素は、別様に明白に示されていない限り、排他的にならずに、様々な組合せで合わせられ得る。これらの特徴及び要素、ならびにそれらの動作は、以下の詳細な説明及び添付図面に照らして、より明らかとなるであろう。しかし、以下の詳細な説明及び図面は、本質的に例示的かつ説明的であり、非限定的であることが意図されていることを理解されたい。
【0025】
主題は、本明細書のまとめにおいて、特に指摘されるとともに、明確に請求される。本開示の前述及び他の特徴、ならびに利点は、添付図面と合わせて、以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】冷却ユニット及びカーゴ区画を有するコンテナを含むトレーラシステムの例示的実施形態の概略図である。
【
図1B】
図1Aのコンテナのカーゴ区画のための冷却ユニットの例示的実施形態の概略図である。
【
図2】本明細書に開示の様々な実施形態を採用する場合があるタープカバーがない車両の概略図である。
【
図3A】車両と分かれて示されているカーゴスペース空気管理システムを有する、車両の概略図である。
【
図3B】カーゴスペース空気管理システムが上に設けられた、
図3Aの車両の概略図である。
【
図3C】しぼんだ状態の、
図3Aのカーゴスペース空気管理システムの側部概略図である。
【
図3D】膨張した状態の、
図3Aのカーゴスペース空気管理システムの側部概略図である。
【
図3E】
図3Aのカーゴスペース空気管理システムの底面図である。
【
図4】本開示の別の実施形態に従う、車両及びカーゴスペース空気管理システムの概略図である。
【
図5】本開示の別の実施形態に従う、車両及びカーゴスペース空気管理システムの概略図である。
【
図6】本開示の別の実施形態に従う、車両及びカーゴスペース空気管理システムの概略図である。
【
図7】本開示の一実施形態に従う、カーゴスペース空気管理システムの概略図である。
【
図8】本開示の一実施形態に従う、カーゴスペース空気管理システムを設置するためのフロープロセスである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に図示及び記載するように、開示の様々な特徴が提供される。様々な実施形態が、同じであるか同様の特徴を有する場合があり、このため、同じであるか同様の特徴には、同じ参照符号が付される場合があるが、その特徴が示される図を示す、異なる最初の数字が先頭に付される。このため、たとえば
図Xに示される要素「a」には、「Xa」が付される場合があり、
図Zにおける同様の特徴には、「Za」が付される場合がある。同様の参照符号が、総称的意味で使用される場合があるが、様々な実施形態が記載されることになり、様々な特徴が、当業者には理解されるように、明確に記載されているか、当業者には別様には理解されることになる、変形、変更、修正などを含む場合がある。
【0028】
図1Aには、トレーラの一部としてコンテナシステム106を有するトレーラシステム100の実施形態の概略図が示されている。トレーラシステム100は、オペレータの区画またはキャブ104、及び、やはりエンジンを含む牽引車102を含んでいる。エンジンは、トレーラシステム100の駆動システムとして作用する。コンテナシステム106は、牽引車102に結合されている。コンテナシステム106は、冷却トレーラであり、頂壁108と、正反対にある底壁110と、両側の側壁112と、前壁114とを含み、前壁114が牽引車102にもっとも近接しており、壁108、110、112、114がコンテナ107を画成している。コンテナ107は、前壁114とは反対側の後壁116にドアまたは複数のドア(図示せず)をさらに含んでいる。コンテナ107の壁は、カーゴスペース117を画成している。コンテナ107は、カーゴスペースの内側に位置するカーゴ118を、コンテナ107に位置するかコンテナ107に隣接している冷却ユニット120を使用して、選択された温度に維持するように構成されている。冷却ユニット120は、
図1Aに示すように、前壁114に位置しているか、前壁114に取り付けられている。
【0029】
ここで
図1Bを参照すると、冷却ユニット120がより詳細に示されている。冷却ユニット120は、圧縮器122、凝縮器124、膨張バルブ126、蒸発器128、及び蒸発器ファン130を含んでいる。圧縮器122は、圧縮器122を駆動する冷却エンジン132に操作可能に接続されている。冷却エンジン132は、ダイレクト・シャフト・ドライブ、ベルトドライブ、1つまたは複数のクラッチ、及び/または、電気ジェネレータを介するなど、いくつかの方法の1つで圧縮器に接続されている。冷媒ライン123は、冷却ユニット120の構成要素を流体接続している。
【0030】
空気流は、冷却ユニット120により、コンテナ107のカーゴスペース内に、かつ、このカーゴスペースを通して循環している。戻ってくる空気流134は、冷却ユニット120内に、コンテナ107のカーゴスペースから冷却ユニット流入部136を通して流れ込み、蒸発器ファン130を介して蒸発器128を横断し、こうして、戻ってくる空気流134を、選択されたか所定の温度に冷却する。冷却された、戻ってくる空気流134は、ここでは供給空気流138と呼ばれ、コンテナ107のカーゴスペース内に、冷却ユニット流出部140を通して供給される。冷却ユニット流出部140は、いくつかの実施形態では、コンテナ107の頂壁108の近位に位置している。供給空気流138は、コンテナ107のカーゴスペース内のカーゴ118を冷却する。当然のことながら、冷却ユニット120はさらに、たとえば、外気温が極めて低い場合に、コンテナ107を暖めるために逆向きに作動することができる。当業者には、
図1Bに示す空気流(たとえば、134、138)が、本開示の範囲から逸脱することなく、逆向きになり得ることを理解されたい。
【0031】
冷却ユニット120は、フレーム142内に配置され、アクセス可能なハウジング144内に包含されている。ここで、フレーム142及び/またはハウジング144は、
図1Aに示すように、冷却ユニット120が前壁114と牽引車102との間に位置するように、前壁114の外側に固定されている。
【0032】
冷却ユニット120は、パワーコネクタ146を含んでいる。パワーコネクタ146は、冷却ユニット120に電力を供給するように、プラグまたは他の有線接続を受領するように構成される場合がある。コンテナシステム100が港に位置する、船に積まれている、牽引車に取り付けられているなどの場合、電力供給源(図示せず)が、パワーコネクタ146に接続されている場合がある。コンテナ107が1つの位置から別の位置に移動する場合、パワーコネクタ146は、コンテナ107が出力源に物理的に接続されないか、有線接続されないように、出力源から切断されている必要がある場合があり、コンテナ107を自由に移動することを可能にしている。いくつかの実施形態では、出力源は、限定ではないが、グリッド出力、エンジンによって供給される出力、補助出力ユニットの出力などを含んでいる。
【0033】
パワーコネクタ146が出力源から切断されている場合、冷却ユニット120は、コンテナ107のカーゴスペース内に、調整された空気を継続的に供給するように動作することが可能ではない場合がある。電力供給源が非常に長い期間、存在していなかった場合、コンテナ107のカーゴスペース内の温度は、カーゴスペース内のいずれのカーゴに対しても不利益なものとなるのに十分に変化する場合がある。たとえば、冷却ユニット120が所定の時間、作動しない場合、コンテナ107のカーゴスペース内の空気の温度は、コンテナ107内の特定のカーゴに対して所望である温度を超えるレベルまで上昇する場合がある。
【0034】
当業者には、
図1A及び
図1Bのシステム及び構成が、単に例示的ものであり、説明及び記載の目的のみのために提供されていることを理解されたい。本開示は、これらによって限定されるものではない。たとえば、牽引車-トレーラの構成が図示されているが、システムは、様々なトラック構成、及び/または、他のシステム及び構成で、他のコンテナ構成に採用され得る。さらに、当業者には理解されるように、コンテナ及びカーゴスペースは、海洋コンテナとして構成される場合があり、このため、他のコンテナとスタックされ、船舶上に船積みされるように構成され得る。
【0035】
図2は、タープでカバーされたトラックなどの、オープンベッドまたはカーゴスペース217を有する車両201の概略図である。車両201は、カーゴスペース217が屋外に開かれていることに起因して冷却効果が失われることから、固定されているか、剛性の冷却ユニットを採用できない。タープなどのカバーがカーゴスペース217を覆って構成されている場合であっても、冷却の漏洩は、冷却を無効にするのに十分である。しかし、半剛性のカバー(またはタープさえ)を使用することで、冷却ユニットは、カーゴスペースを冷却するために、車両201上に取り付けることができる。
【0036】
しかし、冷却ユニットが車両201の前壁に設置されている場合、蒸発器の空気流は、カーゴエリア217の天井付近では、適切にダクトで送られない。そのような、ダクトで送られないことにより、空気の移動が不十分になり得、こうして、カーゴスペース内の冷却が乏しく、及び/または有効ではなくなる。したがって、カーゴスペース217内における送風、冷却流、及び分布を向上させる、車両(たとえば、車両201)に設置することが可能である冷却ユニットを有することが有利である場合がある。
【0037】
たとえば、本明細書に開示の実施形態は、取外し可能である、冷却ユニットと流体連通する容量を規定する、トラックまたはトラックラックのためのカーゴスペース空気管理システムを提供する。カーゴスペース空気管理システムは、太陽の放射熱からの熱、及び/またはカーゴスペース内のカーゴ、または、カーゴスペース内の人員の呼吸熱を除去する空気チャネルを提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のチャネルまたはキャビティが、空気流、分布、及び断熱を提供するために、カーゴスペース空気管理システム内に構成されている。カーゴスペース空気管理システムは、積載、及び/または無積載の輸送目的のために開くことが可能であるか、いくつかの実施形態では、トラックまたはトラックラックに恒久的に固定及び取り付けられるように設計することができる。
【0038】
本開示の実施形態に従うカーゴスペース空気管理システムは、車両のカーゴスペース全体からの望ましくない熱の除去、及び/または、冷却を行うように構成されている。いくつかの実施形態によれば、カーゴスペース空気管理システムは、積載または無積載の輸送目的のために、しまい込まれるように構成されている。有利には、本明細書に提供される実施形態は、輸送の間に腐敗を生じる熱量を低減するために、空気を一様に分布させることにより、車両のための冷却ユニットの有効性を増大させることができる。
【0039】
図3A~
図3Eに移ると、本開示の一実施形態に従う、カーゴスペース空気管理システム350の概略図が示されている。
図3Aは、車両301の上方の、車両301から分離したカーゴスペース空気管理システム350を示している。
図3Bは、設置され、車両上で膨張したカーゴスペース空気管理システム350を示している。
図3Cは、しぼんだ状態の、カーゴスペース空気管理システム350の概略側面図である。
図3Dは、膨張した状態の、カーゴスペース空気管理システム350の概略側面図である。
図3Eは、カーゴスペース空気管理システム350の底部平面図である。
【0040】
車両301は、オープントップのトレーラまたはベッドなどの、カーゴシステム352を有するトラックまたは他の車両である。図示のように、車両301は、前壁314に設けられた冷却ユニット320を有している。冷却ユニット320は、冷却空気をカーゴスペース317内に供給するように構成されている。冷却ユニット320は、限定ではないが、凝縮器及び蒸発器を含む、上述の様々な特徴及び構成要素を含む場合がある。
図3の冷却ユニット320では、凝縮器は、カーゴスペース317の外側に構成することができ、蒸発器は、カーゴスペース317内に構成することができる。
【0041】
図示のように、カーゴスペース空気管理システム350は、カーゴスペース317の上に位置している(車両301から概略的に分離して示されている)。この構成では、カーゴスペース317は、前壁314、側壁312、及び任意選択的な後壁316(たとえば、後壁316がフレーム、ドアであるか、まったく存在していない場合がある)によって画成され、頂部が開いている。壁312、314、316の頂部は、頂部フレーム354を画定することができる。カーゴスペース空気管理システム350は、(たとえば、
図3Bに示すように)頂部フレーム354に装着及び/または取り付けられ得る。しかし、他の実施形態では、1つまたは複数のカーゴスペース空気管理システムは、カーゴスペースの側壁、後壁、前壁、床などに設置することができる。したがって、頂部カバーとしてカーゴスペースの上に取り付けて示されているが、当業者には、本明細書に提供される実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な他の構成に設置することができることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、カーゴスペース空気管理システムは、車両のカーゴスペース内のカーゴの1つまたは複数のアイテムに取り付けられ、及び/または、直接または周りに設置されるように構成することができる(たとえば、カーゴスペース全体よりむしろ、カーゴに直接適用される)。
【0042】
カーゴスペース空気管理システム350の本体351は、いくつかの実施形態では、織物、プラスチック、ゴム、ポリマーなどで形成されている。本体351は、1つまたは複数のキャビティまたはチャネル356を内部に画成している。キャビティ356は、ディバイダ358によって互いから流体的に分離されている場合がある。ディバイダ358は、カーゴスペース空気管理システム350の内部にある、プレートまたは他のセクションまたは壁である場合がある。いくつかの実施形態では、ディバイダ358は、ステッチ、縫製、または他の類似の構造によって形成され得る。キャビティ356は、
図3A~
図3Eに示す実施形態では、カーゴスペース空気管理システム350の、第1の端部360から第2の端部362に延びている。第1の端部360は、(たとえば、
図3Cに示すように)第1の端部360を構造的に支持する、1つまたは複数の支持構造364を含む場合がある。
【0043】
図3C及び
図3Dに示すように、カーゴスペース空気管理システム350の側部概略図が示されている。
図3Cは、しぼんだ状態のカーゴスペース空気管理システム350を示しており、
図3Dは、膨張した状態のカーゴスペース空気管理システム350を示している。
図3Cに示すように、第1の端部360は、1つまたは複数の支持構造364に起因して、カーゴスペース空気管理システム350の残りの部分に比べ、まっすぐの状態のままである。支持構造364は、フレーム構造である場合がある。カーゴスペース空気管理システム350が冷却ユニット320を有する車両301の上に設置されると、カーゴスペース空気管理システム350のキャビティ356は、冷却ユニット320に流体接続することができる。冷却ユニット320が作動すると、冷却空気をカーゴスペース空気管理システム350のキャビティ356内に向けることができ、こうして、カーゴスペース空気管理システム350を膨張させる。
【0044】
図3Eに示すように、カーゴスペース空気管理システム350は、第1の端部360に、1つまたは複数の第1のポート366を含むことができる。第1のポート366は、ダクト368(
図3Aに示す)に流体接続することができる。ダクト368は、冷却ユニット320をカーゴスペース空気管理システム350に直接接続することができる。空気がキャビティ356に入ると、カーゴスペース空気管理システム350が膨張し、こうして、カーゴスペース317を断熱することができるある容量の空気を提供する。いくつかの実施形態では、カーゴスペース空気管理システムの膨張には、圧力ホース(たとえば、ガスステーションから、車両の空気圧縮器(エアブレーキ)からなど)を使用して膨張させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、カーゴスペース空気管理システムは、カーゴスペース空気管理システム内の所望の(たとえば、一定の)圧力を維持するための動作の間、車両のエアブレーキシステムに接続することができる。さらに、いくつかの実施形態では、太陽エネルギを、カーゴスペース空気管理システムの一部である媒体を加熱するために採用することができる。この媒体は、本体に引き込み、本体を膨張させて、内部チャネルまたはキャビティを形成する。
【0045】
いくつかの実施形態では、カーゴスペース空気管理システム350は、カーゴスペース空気管理システム350の第2の端部362に、1つまたは複数の第2のポート370を含む場合がある。第2のポート370は、カーゴスペース空気管理システム350内の冷却空気が、(冷却ユニット320から)第2の端部362において下方に、カーゴスペース317内に流れることを可能にするように設けることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、逆向きの流れが可能である。すなわち、凝縮器コイルを、車両301の後方から引き込まれた空気によって冷却することができる。したがって、カーゴスペース317内の空気は、カーゴスペース空気管理システム350内のさらなる冷却における補助のために使用することができる。たとえば、カーゴスペース空気管理システム350を通して車両301の後方から冷却ユニット320に引き込まれた空気は、カーゴスペース空気管理システム350内を冷却することができ、ひいては、カーゴスペース317を冷却する助けになる。
【0047】
代替的構成では、カーゴスペース空気管理システム350は、冷却ユニット320に直接、流体的に接続されていない場合がある。そのような実施形態では、カーゴスペース空気管理システム350は、しぼんだ状態で頂部フレーム354に設置することができる(たとえば、
図3C)。次いで、(たとえば、太陽、呼吸などによる熱を通して)カーゴスペース317の温度が上昇するにつれて、暖かい空気が上昇するとともにポート366、370を通してキャビティ356内に流れる場合があり、こうして、カーゴスペース317のさらなる加熱を防止するエアクッション及び/または断熱を形成する。
【0048】
カーゴスペース空気管理システム350が比較的柔軟である(たとえば、織物または他の材料で形成されている)場合があることから、カーゴスペース空気管理システム350は、ストレージ及び/または輸送のために、折り曲げるか巻き上げることができる。いくつかの実施形態では、カーゴスペース空気管理システム350の唯一の剛性の構成要素が、サポート364である場合がある。
【0049】
カーゴスペース空気管理システム350は、様々な機構により、頂部フレーム354に取り付けることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、カーゴスペース空気管理システム350は、カーゴスペース空気管理システム350を頂部フレーム354にひもで結ぶことを可能にするアイレットまたは他の特徴を含む場合がある。限定ではないが、ネジ、釘、マジックテープ式材料、ジッパなどを含む他の締結具が、本開示の範囲から逸脱することなく、使用され得る。
【0050】
ここで
図4に移ると、本開示の実施形態に従う代替的構成が示されている。
図4では、冷却ユニット420を有する車両401が、車両401の頂部フレーム454に設置されたカーゴスペース空気管理システム450を有するように構成されている。カーゴスペース空気管理システム450は、車両401のカーゴスペース417をカバーするために使用することができる。上述の実施形態と同様に、カーゴスペース空気管理システム450の本体451は、本体451の内部空間内に1つまたは複数のキャビティを含むことができる。しかし、
図4のカーゴスペース空気管理システム450と、
図3A~
図3Eの実施形態との間の基本的な差異は、本体451が硬質のシェル構造を有することである。すなわち、カーゴスペース空気管理システム450は、硬質プラスチック、金属などで形成され、車両401の頂部フレーム454に取り付けられている。
【0051】
上述の実施形態と同様に、
図4のカーゴスペース空気管理システム450は、取外し可能であるとともに、格納可能である。たとえば、カーゴスペース空気管理システム450は、第1の端部460から第2の端部462への、カーゴスペース空気管理システム450の本体451の長さに沿う様々な位置におけるジョイント472を含んでいる。ジョイント472は、カーゴスペース空気管理システム450が、アコーディオンのような方式に折り曲げられることを可能にするように構成されている。従って、本開示に従うカーゴスペース空気管理システムが硬質シェル材料で形成されている場合であっても、このシステムは折りたたむことができる場合がある。
【0052】
ここで
図5に移ると、本開示の実施形態に従う別の代替的構成が示されている。
図5では、車両501が、伸縮式であるカーゴスペース空気管理システム550を有して示されている。すなわち、カーゴスペース空気管理システム550は、格納された状態のカーゴスペース空気管理システム550の本体551を収容するハウジング574を含む場合があり、次いで、本体551は、短縮、及び、ハウジング574から、第1の端部560から第2の端部562に向かって延長することができる。そのような実施形態では、ハウジング574は、車両501に装着され得、次いで、展開された後は、本体551は、車両501に装着される場合もある。上述のものと同様に、本体551は、内部に1つまたは複数のキャビティを画成する場合がある。
【0053】
ここで
図6に移ると、本開示の実施形態に従う別の代替的構成が示されている。
図6では、車両601が、上で図示及び記載したものと同様に、カーゴスペースの上に示されたカーゴスペース空気管理システム650を有している。
図6の実施形態と、上で図示及び記載した実施形態との間の基本的な差異は、カーゴスペース空気管理システム650が、組込み型の冷却ユニット676を含むことである。組込み型の冷却ユニット676は、限定ではないが、蒸発器、凝縮器、及び1つまたは複数のファンを含む、上述の冷却ユニットと同様の特徴及び構成要素を含む場合がある。組込み型の冷却ユニット676のファンは、カーゴスペース空気管理システム650のキャビティを通して冷却空気を吹き出すように構成されている場合がある。図示のように、組込み型の冷却ユニット676は、カーゴスペース空気管理システム650の第1の端部660に位置しているが、他の実施形態では、組込み型の冷却ユニット676は、第2の端部662に(または、カーゴスペース空気管理システム650の中間部にさえ)配置することができる。いくつかの実施形態では、組込み型の冷却ユニット676は、冷却要素を含まないが、空気を、カーゴスペース空気管理システム650のキャビティに入れる、及び/または出すようにのみ構成されたファンシステムである場合がある。
【0054】
ここで
図7に移ると、本開示に従うカーゴスペース空気管理システムの別の実施形態が示されている。
図7に示す実施形態では、カーゴスペース空気管理システム750は、第1の層753a及び第2の層753bを含む本体751を有している。図示のように、第2の層753bは、第1の層753aの頂部または上にスタックされている。各層753a、753bは、(上述のように)1つまたは複数のキャビティまたはチャネルを有する場合がある。カーゴスペース空気管理システム750は、カーゴスペース717を冷却するために使用される冷却ユニット720を有する車両701の頂部に設置されている。
【0055】
図7は、矢印によって示すように、カーゴスペース空気管理システム750を通る例示的空気流を示している。図示のように、空気流は、車両701の後方から、冷却ユニット720が位置する前方に流れる。さらに、図示のように、カーゴスペース空気管理システム750からの空気は、任意選択的なダクト768(たとえば、上述のようなダクト)によって冷却ユニット720に接続されている。
図7の実施形態では、カーゴスペース空気管理システム750を通して引き込まれる空気流は、冷却ユニット720内の凝縮器コイルを冷却するために使用され、次いで、矢印で示すように、排出される。
【0056】
述べたように、カーゴスペース空気管理システム750の本体751は、第1の層753a及び第2の層753bを含んでいる。第1の層753aは、カーゴスペース717の上に、比較的低温の層を提供するために使用することができる。さらに、第2の層753bは、カーゴスペース717(及び第1の層753a)を、外部からの熱エネルギ(たとえば、太陽の放射)から断熱する、比較的暖かい断熱層を提供するために使用することができる。図示のように、第1の層753aは、カーゴスペース717に(上述のように)流体接続されており、また、1つまたは複数のアパーチャ755により、第2の層753bにも流体接続されている。層753a、753bの一方または両方が、別々のキャビティ及び/またはチャネルに分けられている場合、キャビティ及び/またはチャネルのいくつかまたはすべてが、層間で流体的に接続されている場合があるか、他の層から流体的に隔離されているか分離されている場合がある。アパーチャ755は、任意選択的ものであり、いくつかの実施形態では、第1の層753aは、第2の層753bから流体的に隔離されていることがあり、また、他の実施形態では、逆止弁またはフラップを、1つの層から別の層への一方向の流れを可能にするように構成することができる。
【0057】
ここで
図8に移ると、本開示の実施形態に従う、車両における冷却ユニット及びカーゴスペース空気管理システムを設置及び使用するためのフロープロセスが示されている。カーゴスペース空気管理システムは、上述の非限定的な実施形態またはそれらの変形形態のいずれかに類似している場合がある。
【0058】
ブロック802では、カーゴスペース空気管理システムが、車両上に配置されている。この配置は、カーゴスペース空気管理システムの特定の構成に依存する場合がある。たとえば、このカーゴスペース空気管理システムが、
図3A~
図4の実施形態に類似している場合、カーゴスペース空気管理システムの端部は、カーゴスペースを画成する車両の構造の前方部分及び後方部分周りに配置される場合がある。このことは、カーゴスペース空気管理システムを、格納された状態から、延長された状態、すなわち展開された状態に延ばすことを含む場合がある。たとえば、カーゴスペース空気管理システムが、
図4に示すシステムに類似している場合、アコーディオンスタイルのカーゴスペース空気管理システムは、カーゴスペースの頂部をカバーするような形状及びサイズに延ばすことができる。カーゴスペース空気管理システムが、
図5に示す実施形態に類似している場合、カーゴスペース空気管理システムのハウジングは、車両の上に配置することができ、次いで、カーゴスペース空気管理システムの本体は、車両のカーゴスペースをカバーするように延ばすか展開することができる。
【0059】
ブロック804では、カーゴスペース空気管理システムが、車両上に取り付けられている。いくつかの実施形態では、このことは、ひもまたは他の締結具を使用して、カーゴスペース空気管理システムを車両に物理的に接続することを含む場合がある。
【0060】
ブロック806では、カーゴスペース空気管理システムは、エアクッションまたは断熱を、車両の頂部に提供するように膨張され得る。この膨張は、車両に設置された車両の一部(たとえば、
図3A~
図5)、及び/または、カーゴスペース空気管理システムの一部(たとえば、
図6)である、冷却ユニットを作動させることによって達成され得る。代替的には、この膨張は、カーゴスペース空気管理システムの本体内の空気の熱膨張を通して受動的に達成され得る。太陽エネルギにより、カーゴスペース空気管理システム内の空気が加熱される場合があり、こうして、本体は、膨張され、熱バリア及び断熱容積を形成して、カーゴスペースの過度な加熱を防止する場合がある。カーゴスペース空気管理システムは、やはり、カーゴスペース内の冷却空気を循環及び/または向けるように作動する場合がある。
【0061】
カーゴスペース空気管理システムを取り外す場合は、フロープロセス800を逆に実施することができる。たとえば、カーゴスペース空気管理システムは、(たとえば、冷却ユニットを停止させること、及び/または、カーゴスペース空気管理システムを自然冷却することにより)しぼませることができる。カーゴスペース空気管理システムは、次いで、車両から取り外すことができ、次いで、完全に外される。こうして、カーゴスペース空気管理システムは、異なる車両に移動及び設置することができるか、車両のカーゴスペース内のカーゴによって必要とされない(またはカーゴがない)場合には外すことができる。
【0062】
有利には、本明細書に記載の実施形態により、通常は閉じられていない車両のカーゴスペース全体にわって、望ましくない熱を除き、及び/または、冷却空気を提供し、及び/または、分布させるように構成されたカーゴスペース空気管理システムが提供される。さらに、有利には、いくつかの実施形態によれば、本明細書に提供されるカーゴスペース空気管理システムは、積載または無積載の輸送目的のために、格納される場合がある。さらに、有利には、本明細書に提供されるカーゴスペース空気管理システムは、輸送の間に腐敗を生じる熱量を低減するために、空気を一様に分布させることにより、冷却ユニットの有効性を増大させることができる。
【0063】
本開示が、限られた数の実施形態のみに関して詳細に記載されているが、本開示が、そのような開示の実施形態に限定されないことは、容易に理解されるものとする。むしろ、本開示は、前述されていないが、本開示の精神及び範囲と同等の、任意の数の変形、変更、置換、組合せ、部分的組合せ、または、均等な構成を組み込むように修正することができる。さらに、本開示の様々な実施形態を記載してきたが、本開示の態様が、記載の実施形態のいくつかのみを含む場合があることを理解されたい。
【0064】
たとえば、本明細書にはトラックに関して記載されているが、当業者には、本明細書に記載の冷却ユニットは、ボート及び/または航空機などの他の乗り物に採用される場合があることを理解されたい。さらに、本明細書に記載のカーゴスペース空気管理システムは、車両から外されたカーゴを冷却できるように、車両から完全に取り外すことが可能である場合がある。すなわち、カーゴスペース空気管理システムは、車両から外される場合があり、また、カーゴを継続的に冷却するようにカーゴとともに移動することができる。
【0065】
さらに、たとえば、様々なサイズ、形状などが添付図面で示されているが、当業者には、本明細書に記載のカーゴスペース空気管理システムが、拡縮可能である場合があり、それにより、より小さいかより大きいユニットが、本開示の範囲を逸脱することなく形成され得ることを理解されたい。このため、図面は、単に、図示及び説明の目的のために提供されるものであり、限定を意図するものではない。
【0066】
したがって、本開示は、前述の記載によって限定されるものとは見られないが、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。