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特許7036741輸送容器の列のそれぞれをオーダー固有の医薬品包装で充填するための機器を有するオーダーピッキングマシン
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  • 特許-輸送容器の列のそれぞれをオーダー固有の医薬品包装で充填するための機器を有するオーダーピッキングマシン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】輸送容器の列のそれぞれをオーダー固有の医薬品包装で充填するための機器を有するオーダーピッキングマシン
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
B65G1/137 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018560996
(86)(22)【出願日】2017-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2017061179
(87)【国際公開番号】W WO2017207231
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-03-16
(31)【優先権主張番号】16172596.5
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘレンブラント,クリストフ
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0274422(US,A1)
【文献】実開平05-044138(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02769935(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調合薬包装の自動ピッキングマシン(1)であって、
少なくとも1つの保存ラック(2A、2B)と、
少なくとも1つの保存および回収マシン(4)であって、前記保存ラック(2A、2B)の前でレーン(23)内を移動して、調合薬包装を前記保存ラック(2A、2B)の保存面(3)の保存場所に保存し、前記調合薬包装を前記保存面(3)から取り除く保存および回収マシン(4)と、
前記保存および回収マシン(4)を制御するための制御機器(9)と、
複数の輸送容器(14A、B、C)のそれぞれを、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループで連続して充填するための充填機器と
を備え、
前記充填機器は、
それぞれが固定位置に配置され、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループを収容可能であり、底部の開口及び除荷機器を有する複数の収集容器(10A、10B、10C)であって、前記除荷機器を用いて、前記収集容器(10A、10B、10C)に収集されたすべての前記調合薬包装を同時に除荷することができ、前記除荷機器のそれぞれは、前記底部の前記開口を閉鎖及び解放するための閉鎖機器(11A、11B、11C)を有する、収集容器(10A、10B、10C)と、
それぞれが輸送チャネルを有する第1の輸送機器(17A、17B、17C)であって、前記輸送チャネルは、前記少なくとも1つの保存および回収マシン(4)の前記アクセス領域内の前記レーン(23)に延在し、前記保存および回収マシン(4)は、調合薬包装を輸送チャネル内に調剤可能であり、次に、前記調合薬包装をさらに前記それぞれの収集容器(10A、10B、10C)に搬送し、第1の輸送機器(17A、17B、17C)は各収集容器(10A、10B、10C)に割り当てられる、第1の輸送機器(17A、17B、17C)と、
少なくとも1つの第2の輸送機器(13)であって、前記第2の輸送機器(13)は、1つの収集容器(10A、10B、10C)から、前記収集されて、除荷されたグループの調合薬包装を受領し、前記除荷されたグループの調合薬包装を、前記充填位置に配置される前記輸送容器(14A)に送達する、前記第2の輸送機器(13)と、
前記充填機器の充填位置で充填される輸送容器(14A)を受領するための機器であって、前記充填される輸送容器(14A)は前記充填位置に配置され、それによって、前記除荷機器によって除荷された前記調合薬包装は、前記輸送容器(14A)内に向けられる機器と、
を有し、
前記少なくとも1つの第2の輸送機器(13)は、上部開口と下部開口とを有するじょうご型のガイドチャネルを有し、前記上部開口は、すべての収集容器(10A、10B、10C)の前記底部の前記開口下に配置され、前記下部開口は輸送容器(14A)上に配置され、前記輸送容器(14A)は上部が開口し、前記充填位置に配置されることを特徴とする、自動ピッキングマシン(1)。
【請求項2】
請求項2に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、前記開口を前記底部で閉鎖および解放するための前記閉鎖機器(11A、11B、11C)はそれぞれ、摺動または回転する引き出しを有することを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項3】
請求項1または2に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、前記第2の輸送機器(13)の前記じょうご型のガイドチャネルは緩衝機器を有し、それによって、収集容器(10A、10B、10C)から前記ガイドチャネルに除荷された1つのグループの前記調合薬包装は一時的に前記緩衝機器上流に保存され、前記緩衝機器が解放された後に、さらに送られることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項4】
請求項3に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、前記緩衝機器は、前記ガイドチャネルの前記下部開口を閉鎖および解放するための摺動または回転する引き出しを有することを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、前記収集容器(10A、10B、10C)は開放型ホッパーであることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項6】
請求項5に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、前記第1の輸送機器(17A、17B、17C)それぞれの前記輸送チャネルはシュートによって形成され、前記シュート上には、前記保存および回収マシンによって上端部(18A、18B)に前記調合薬包装が置かれ、前記調合薬包装は重力によって、前記それぞれの収集容器(10A、10B、10C)内に滑り落ちることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項7】
請求項6に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、
前記保存ラック(2A、2B)は、前記レーン(23)の両方の長手方向側に平行に配置され、
前記第1の輸送機器(17A、17B、17C)の前記シュートの前記上端部(18A、18B)は、前記レーン(23)の前端部に配置され、
前記収集容器(10A、10B、10C)は、前記レーン(23)を超えて、前記レーンの前記前端部に配置される前壁(24)の前に配置されることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項8】
請求項7に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、
前記レーン(23)と平行に配置され、および/または前記レーン(23)に対向する側で前記保存ラック(2A、2B)の隣に配置される、1または両方の保存ラック(2A、2B)の前記保存面(3)の間に、前記制御機器(9)に結合する少なくとも1つのコンベヤベルト(19)が配置され、前記コンベヤベルト(19)は、上に配置された調合薬包装を前記前壁(24)を超えて搬送し、
それぞれ上端部と下端部を有する1または複数のシュート(20)が設けられ、前記上端部は前記保存および回収マシン(4)の前記アクセス領域に延在し、それによって、前記保存および回収マシン(4)は調合薬包装を前記シュート(20)内に置くことができ、前記下端部は前記コンベヤベルト(19)上に配置され、
前記制御機器(9)に結合する第3の輸送機器(21A、21B、22)が提供され、調合薬包装を前記少なくとも1つのコンベヤベルト(19)から受領し、調合薬包装を前記制御機器(9)が選択する収集容器(10A、10B、10C)に搬送することを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、前記充填機器の前記充填位置で充填される輸送容器(14A)を受領するための前記機器は、連続して充填される前記輸送容器(14A、B、C)を、前記充填機器の前記充填位置に連続して供給するための機器(15)の一部であることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、2から6の収集容器(10A、10B、10C)が提供され、互いに隣り合って配置されることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【請求項11】
請求項10に記載の調合薬包装の自動ピッキングマシンであって、2つまたは4つの収集容器(10A、10B、10C)が提供され、対になって互いに隣り合って配置されることを特徴とする、自動ピッキングマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調合薬包装の自動ピッキングマシンに関する。自動ピッキングマシンは、少なくとも1つの保存ラックと、調合薬包装を保存ラックの保存面の保存場所に保存し、それらの調合薬包装を前記保存面から解除するための少なくとも1つの保存および回収マシンと、保存および回収マシンを制御する制御機器と、複数の輸送容器を連続して充填するための充填機器とを備える。各容器は、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループを保持する。
【背景技術】
【0002】
このような自動ピッキングマシンは、たとえば、特許文献1から既知である。既知の自動ピッキングマシンは、たとえば、平行な4列の保存ラックを有する。各保存ラックは、平行に配置される保存棚の保存面を有する。保存ラックの第1と第2の列の間と、保存ラックの第3と第4の列の間にレーンが形成される。各レーンは複数の保存および回収マシンを有する。保存および回収マシンは、レーン内を移動することができ、調合薬包装を保存ラックの保存棚の保存場所に保存し、それらの調合薬包装を保存棚から取り出す。複数のコンベヤベルトは互いに重なるように配置され、保存ラックの第2と第3の列の間のラックの列の全域にわたって延在する。複数のリーチスルー型の窓およびシュートは、列の全長にわたって配分され、保存ラックの第2と第3の列に配置される。それによって、レーン内を移動する保存および回収マシンは、保存ラックに収容される調合薬包装を、窓を通じてシュートに調剤することができる。それによって、このように調剤された各調合薬包装は、コンベヤベルトの1つに到達することができる。コンベヤベルトは、このように取得した調合薬包装を4列の棚の正面に輸送し、さらに調剤機器まで運ぶ。調剤機器は、4列の棚の正面に配置され、複数のシュートを有する。各シュートは、コンベヤベルトで到着した調合薬包装が、充填位置に配置される輸送容器(レセプタクルとも称される)内に、確実に落とされるようにする。移動するコンベヤベルトに載って到着した調合薬包装がさらに動くことを防ぐ緩衝機器は、コンベヤベルトに沿って、かつ各調合機器の端部の前の所定の位置に配置される。それによって調合薬包装のグループは緩衝装置の後に集積し、つまり、堆積する。特定のオーダーのグループ内のすべての調合薬包装が収集された後、輸送容器がこのグループを調剤機器で受領する準備ができると、制御部は緩衝機器を解除する。それによって、このグループはさらに、適切な時点に搬送され、最終的には正確な輸送容器に到達する。これらの既知の自動ピッキングマシンの不利点の1つは、輸送および緩衝機器の複雑な設計と複雑な制御である。特に緩衝機器は、コンベヤベルトに載って到着し、さらに流れ続ける調合薬包装の流れを止めるため、堆積した調合薬包装がつかえることを確実に防ぐために、大がかりな保守が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許第2719641号
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、序文で画定した種類の自動ピッキングマシンにおいて、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装からなるグループで、複数の輸送容器を連続して充填するための簡潔かつ確実な可能性を生成することである。
【0005】
本目的は、本発明による、請求項1の特徴を有する調合薬包装の自動ピッキングマシンによって実現される。
【0006】
本発明による調合薬包装の自動ピッキングマシンは、少なくとも1つの保存ラックと、少なくとも1つの保存および回収マシンとを備える。保存および回収マシンは、棚の前でレーンを移動し、調合薬包装を保存ラックの保存面の保存場所に保存し、それらの調合薬包装を保存面から回収する。本事例で用いる「保存ラック」という用語は、互いに重なって配置される複数の平行な棚を有する固定ラックのみを指すものではなく、たとえば、傾斜した棚上に保存シャフトを有する固定ラック、棚から引き出せるように互いに重なって配置される引き出しを有する固定ラック、または保存シャフトを有する移動可能な摺動ラック、または個別の保存場所も指すと理解されるべきである。携帯可能な棚を用いるときは、レーンは可変構成および寸法であってもよい。2列の保存棚は、好ましくは平行に配置され、それによってレーンは2つの保存棚の間に形成される。保存棚は、好ましくは平らで平行なラックを有する。平らで平行なラックラック上には、調合薬包装が、好ましくはラックの長手方向に隣り合って配置される実質的なチャネル内に好ましくは保存される。保存および回収マシンは、好ましくは1または複数の調合薬包装を受領するための保存面と、調合薬包装を保存区域から棚に、または棚から保存区域まで移動するための保持機器とを有する。本発明による調合薬包装の自動ピッキングマシンはまた、保存および回収マシンを制御するための制御機器と、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループで、複数の輸送容器を連続して充填するための充填機器も備える。輸送容器は、好ましくは開口した箱である。充填機器は複数の収集容器を有し、それぞれの収集容器は1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループを受領可能であり、除荷機器を有する。除荷機器を用いることによって、収集容器に収集されたすべての調合薬包装は同時に除荷可能となる。充填機器はまた、それぞれが輸送チャネルを有する第1の輸送機器を有する。輸送チャネルは、少なくとも1つの保存および回収マシンのアクセス領域内のレーンに延在する。保存および回収マシンは、調合薬包装を輸送チャネル内に調剤可能であり、次に調合薬包装をさらに各収集容器に搬送する。第1の輸送機器は各収集容器に割り当てられる。充填機器はまた、充填機器の充填位置で充填される輸送容器を受領するための機器を有する。充填される輸送容器は充填位置に配置され、それによって除荷機器によって除荷された調合薬包装は、輸送容器に送られる。
【0007】
本発明による調合薬包装の自動ピッキングマシンによって、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループを収集容器に収集可能となり、所望する輸送容器が充填位置において準備可能となり次第、迅速にこのグループを輸送容器にさらに輸送可能となり、簡潔な設計の信頼できる手段を用いてこれらの作業を行うことが可能となる。
【0008】
一実施形態では、収集容器は単に傾けるだけで除荷可能であり、つまり、収集容器は除荷装置を有する。除荷装置によって、収集容器が確実に傾けられる。ただし、好ましくは、収集容器は1つの場所の固定位置に配置され、それぞれが底部に開口を有する。各除荷機器は底部の開口を閉鎖および解放するための閉鎖機器を有する。好ましい実施形態では、各閉鎖装置は、底部の開口を閉鎖および解放するための摺動するローラシャッターを有する。これらの摺動するローラシャッターは、電動駆動部によって制御可能である。ただし、空気圧で起動される駆動部によって、相対的に長い制御距離で、摺動するローラシャッターを迅速に開口することができるため、空気圧で起動される駆動部を用いることが好ましい。
【0009】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの第2の輸送機器が提供され、収集されて除荷されたグループの調合薬包装を収集容器から受領し、グループの調合薬包装を、充填位置に配置される輸送容器にさらに搬送することを特徴とする。これによって、構造的設計、特に充填位置の配置において大きな柔軟性が生じる。
【0010】
この好ましい設計の一実施形態では、第2の輸送機器は、個別の輸送機器、たとえば、各収集容器用のシュートおよび/またはコンベヤベルトを備えうる。ただし、好ましくは、少なくとも1つの第2の輸送機器は、上部開口と下部開口とを有する単一のじょうご型のガイドチャネルを備える。上部開口は底部側のすべての収集容器の開口下に配置され、下部開口は輸送容器上部に配置される。輸送容器は上部で開口し、充填位置に配置される。単一のじょうご型のガイドチャネルによって、本事例の設計が簡略化される。それによって、特定の時点において、1つの収集容器の中身のみが、充填位置にある輸送容器に空けられる。本発明の別の実施形態では、第2の輸送機器のじょうご型のガイドチャネルは緩衝機器を有してもよい。それによって、収集容器からガイドチャネルに除荷された、1つのグループの調合薬包装は一時的に緩衝機器上流に保存され、緩衝機器が解放された後に、さらに搬送される。収集容器から除荷された内容物は、輸送容器が包装を充填位置で受領する準備が整うまで、このように一時的に保存可能となる。さらに、本実施形態によって、たとえば、収集容器の内容物の中間緩衝保存が可能となり、それによって従前に収集された内容物が輸送容器に移転される前であっても、同一の収集容器を再充填することが可能となる。緩衝機器は、好ましくは、ガイドチャネルの下部開口を閉鎖および解放するための摺動するシャッタまたは回転するシャッタを有する。
【0011】
好ましい実施形態では、収集容器は、上部が開口したホッパーである。これによって、収集済みの調合薬包装は、コンベヤベルトによって、また簡潔なシュートによって供給可能となる。コンベヤベルトまたはシュートの調剤端部は上部が開口するホッパーより上になる。複数のベルトおよび/またはシュートは、ホッパーの上面に誘導されてもよい。第1の輸送機器それぞれの輸送チャネルは、本明細書では、好ましくは、シュートによって形成される。シュート上には、調合薬包装が保存および回収マシンによってシュートの上端部に置かれ、それぞれの収集容器に滑り落ちる。これによって、簡潔かつ信頼できる設計が可能となる。輸送チャネルとして用いられるシュートは、好ましくは、平行に互いに上下に、および/または隣り合って配置される。好ましい実施形態では、保存棚はレーンの両方の長手方向側に平行に配置される。第1のコンベヤ機器のシュートの上端部はレーンの端面上に配置される。収集容器は、レーンを超えて端部壁の前に配置される。端部壁はレーンの正面に配置される。
【0012】
本実施形態の好ましい改良では、制御機器に接続する少なくとも1つのコンベヤベルトは、レーンと平行に配置され、および/またはレーンに対向する側の保存棚の横に配置される、1または両方の保存棚の保存面の間に配置されることを特徴とする。コンベヤベルトは、コンベヤベルトの上に配置された調合薬包装を端部壁を越えて搬送する。1または複数のシュートが提供され、それぞれが上端部と下端部とを有する。上端部は保存および回収マシンアクセス領域に延在する。それによって、保存および回収マシンは調合薬包装をシュート内に置くことができる。下端部はコンベヤベルトより上に配置される。制御機器に結合する第3の輸送機器は、調合薬包装を少なくとも1つのコンベヤベルトから受領し、調合薬包装を制御機器が選択する収集容器に搬送するために提供される。これによって、1または複数の追加のコンベヤ経路が第1の輸送機器に加えて生成され、適応された保存機構と保存部からの連続除去の対応した制御によって、保存および回収マシンが移動する距離が低減され、そのため、収集容器の迅速な充填が可能となる。本実施形態は、特に、レーン内を移動可能な2以上の保存および回収マシンを有する自動ピッキングマシンを用いる場合に有利である。
【0013】
好ましい実施形態では、充填機器の充填位置で充填される輸送容器を受領するための機器は、連続して充填される輸送容器を充填機器の充填位置に供給するための機器の一部である。これによって、充填される輸送容器の自動供給が可能となり、特に、自動ピッキングマシンの制御機器による供給の制御が可能となる。
【0014】
本発明による、調合薬包装の自動ピッキングマシンの好ましい実施形態では、2から6の収集容器が横に並んで配置される。2から6という収集容器の数は、一方の緩衝能力と、他方の構造の複雑さおよび制御の複雑さとの間で最適な数を表す。2または4の収集容器は対にして互いに並んで配置可能であるため、好ましく提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は以下で図に示す好ましい代表的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1】本発明による、調合薬包装の自動ピッキングマシンの好ましい代表的な実施形態の概略側面図を示す。
図2図1に示す調合薬包装の自動ピッキングマシンの概略正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および2は、本発明による調合薬包装1の自動ピッキングマシンの好ましい代表的な実施形態の概略側面図および/または正面図を示す。自動ピッキングマシンは、保存棚2A、2Bの2つの平行な列を有し、その間にレーン23を形成する。図1では、ラック2Bの列の部分断面図を示し、レーン23まで、およびラック2Aの後部列内部までの図を示す。ラック2Aおよび2Bの列のラックは平行で平らな棚3を有し、棚3の上に様々な大きさおよび様々な内容の調合薬包装が雑然と保存される。包装は、実質的なチャネル内に離間して互いに隣り合って配置される。
【0018】
保存および回収マシン4は、レーン23内を移動する。別の代表的な実施形態では、複数の保存および回収マシンが、レーン23を行き来することも可能である。保存および回収マシン4は、垂直なレール5に保持部6によって取り付けられ、保持部6は、保存および回収マシン4を垂直移動させるための駆動部を有する。垂直なレール5は、次に、下部ガイド8Aおよび上部ガイド8Bによって下部レール7Aおよび/または上部レール7上を誘導される。このようにして、保存および回収マシン4は、対向するラック2Aおよび2Bの列の正面前部で、レーン23内を垂直および平行に移動することができる。保存および回収マシン4は保持装置25、好ましくは摺動保持部または吸引パッドと組み合わせた保持ジョーと、支持台26とを有する。保持機器25の保持ジョーを用いて、または摺動保持部または吸引パッドを用いて保持機器25の保持ジョーに誘導されて、支持台26が棚3の正面に配置される場合に、支持台26上に配置された調合薬包装は、平らな棚3の1つに押し出される。逆に、棚3上にある調合薬包装は、保持ジョーまたは保持機器25の吸引パッドを用いて保持されて、保存および回収マシン4の支持台26に引き寄せられる。
【0019】
保存および回収マシン4は、支持台26が、垂直軸の回りを回転できるように設計される。支持台26の上に保持機器25の保持ジョーが配置される。それによって、保持機器25は、ラック2Aおよび2Bの両方の列にアクセスすることができる。保存および回収マシン4の支持台26および保持機器25は、互いに対向するラック2Aおよび2Bの列にアクセスするために180°回転できるだけではなく、90°回転することもでき、それによって保存および回収マシン4はレーン23の正面にもアクセスすることができる。
【0020】
図2に例示する正面を形成するレーン23の正面には前壁24がある。前壁24は図2では部分的な断面図として示され、ラック2A、2Bの列と、壁の後ろに配置される保存および回収マシン4を有するレーン23を露出する。
【0021】
保存および回収マシン4は制御部9に結合する。制御信号および保存および回収マシン4の電源は、通常、底部レール7Aに沿って保存および回収マシン4まで伝えられ、次に垂直なレール5に沿って垂直に伝えられる。制御機器9は、好ましくは、プロセッサおよびメモリ装置と、ユーザ用に通常の入力および出力装置、たとえば、キーボード、表示画面およびバーコードスキャナとを有するコンピュータを備える。
【0022】
また、図1および2には示さないが、保存される新しい調合薬包装を調合薬包装1の自動ピッキングマシンまで送付する機器もある。これらの装置は保存コンベヤベルトを含む。保存コンベヤベルトは、たとえば、ラック2Aまたは2Bの2列のうち1列の2つの棚3の間を、ラックの列の全長にわたって延在し、2つの端面のうちの1つで外部に出る。支持台は保存コンベヤベルトの送出部分に配置される。支持台では、走査者が保存される調合薬包装を走査し、調合薬包装を特定し、保存コンベヤベルト上の正しい配向に配置する。調合薬包装1の自動ピッキングマシンの代替的な実施形態では、多量の様々な調合薬包装を完全自動保存する機器が提供されてもよい。たとえば、これらの機器は、卸売業者からの全出荷を、たとえば、受領ホッパーで受領してもよく、次に、自動的に調合薬包装を分類し、走査(特定)し、保存および回収マシン4のアクセス範囲に正確に置くように送達してもよい。それによって、保存および回収マシン4は、保存される新しい包装を棚上の一定の保存位置まで届けることができる。
【0023】
図1および2に概略的に図示する自動ピッキングマシン1は、とりわけ、連続して輸送容器14A、14B、14Cを充填するように機能する。これらの輸送容器は、たとえば、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループを受領する。これらのオーダーは、通常は、たとえば病院の病棟の毎日の必要量をまかなうような多量の様々な調合薬包装を含む。輸送容器14A、14B、14Cは、たとえば、上面が開口したクレートであり、充填後、適切な蓋で閉鎖することもできる。輸送容器14A、14B、14Cは輸送機器15によって充填位置まで次々と送達される。充填位置では、自動ピッキングマシン1の充填機器が確実に輸送容器14Aを自動充填する。輸送機器15は、たとえば、自動ピッキングマシン1の制御機器9によって制御される適切な駆動部を有するコンベヤベルトおよび/またはローリングコンベヤを備える。これは、制御機器9と輸送機器15との間に概略的に図示する制御ライン16によって図1に例示される。図2は、符号14Aで表示され、充填機器の充填位置に配置される輸送容器を示す。輸送容器14Cは、すでに充填済みであり、図示する矢印の方向にさらに搬送される。一方、まだ充填されていない輸送容器14Bは、輸送機器15上で待機している。
【0024】
図1および2に例示される充填機器は、4つの収集容器を備える。図1はそのうち収集容器10Aおよび10Bを示し、図2は収集容器10Bおよび10Cを示す。各収集容器10A~Cは、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループを保持することができる。各収集容器10A~Cは、除荷機器を有する。除荷機器を用いて、収集容器に収集されたすべての調合薬包装を同時に除荷することができる。各収集容器10A~Cは、閉鎖機器11A~Cによって閉鎖される開口を底部に有する。図2は、各閉鎖機器11A~Cが摺動する引き出しを備えることを示す。摺動する引き出しは、湾曲するガイド内にある。ガイドは底部面および収集容器10A~Cの外側の壁に隣接する。概略的に箱で示す、4つの摺動する引き出しの駆動部12は制御機器9に結合する。駆動部12は、好ましくは、4つの油圧または空気圧で起動される駆動部を備える。駆動部はそれぞれ、制御機器9に結合する制御回路を備える。制御機器9によって、1つのオーダーに対応する複数の調合薬包装のグループで完全に充填された収集容器10A~Cが、摺動する引き出しを摺動し、底部の開口を解放することによって確実に空にされる。輸送容器に含有された包装は、じょうご型のガイド13によって輸送容器14Aに向けられる。じょうご型のガイド13は底部が開口し、ガイド13下部に配置される。収集容器10A~Cが空にされた後に、内容物で充填された輸送容器14Aはさらに搬送され、次に充填される輸送容器14Bが充填位置に移動する。
【0025】
収集容器10A~Cはホッパーを表す。ホッパーは上部で開口し、そこに収集される調合薬包装が第1の輸送機器によって供給される。これらの輸送機器はそれぞれ、レーン23に延在する輸送チャネルを有する。輸送チャネル内に保存および回収マシン4は、調合薬包装を調剤することができ、輸送チャネルは調合薬包装をさらにそれぞれの収集容器10A~Cまで搬送する。図1および2に例示する好ましい実施形態の輸送機器は、傾斜したシュートまたはシャフト17A~Cである。これらの傾斜したシャフトは、受領開口18A~Bから、前壁24を通じて、上部が開口するそれぞれの収集容器10A~C上の調剤位置までつながる。受領開口18A~Bは自動ピッキングマシン1内部のレーン23内側の上部で開口する。シュート17A~Cの受領開口18A~Bは、保存および回収マシン4が1または複数の包装をこれらの受領開口18A~Bに同時に投入できるように、レーン内に配置される。それによって、次に、包装は収集容器10A~C内に摺動して入ることができる。各収集容器に1つのシュートを設けることによって、調合薬包装を交互に収集容器10A~Cのそれぞれに供給するように保存および回収マシンを制御することが可能となる。4つの収集容器10A~Cは連続して、次々に充填されなくてもよい。その代わりに、調合薬包装を収集容器10A~C内に充填する順序は、輸送経路が最小となるように、棚2A、2Bの調合薬包装のそれぞれの保存位置ならびに保存および回収マシン4の必要な移動距離に応じて最適化することができる。これによって、収集容器10A~Cの迅速な充填が確保される。
【0026】
輸送距離をさらに最適化するために、図1および2に例示されるように、好ましい実施形態では片持ちコンベヤベルト19が提供される。本事例で図示する代表的な実施形態において、片持ちコンベヤベルトは、レーン23から見て外側に、ラックの列2Aの隣まで延在する。さらに、ラックの列2Aの外壁に設けられる窓20は、コンベヤベルト19につながるシュートに接続する。保存および回収マシン4は、受領した調合薬包装をこれらの窓20に調剤することができ、それによって包装はシュートを通り、コンベヤベルト19に到達する。図1はこのような窓20を1つだけ例示する。追加の窓を、具体的には、前壁24から離間した別の位置に設けてもよい。窓を前壁24に対向する保存ラック2Aの端部に設けてもよい。それによって、保存および回収マシン4は、前壁24から離間した位置に保存されていた包装を、コンベヤベルト19上に置くことが可能になる。それによって、たとえば、保存および回収マシン4が追加の調合薬包装を棚3から回収し、受領開口18A、Bに搬送する間に、これらの包装をコンベヤベルト19によって、充填機器が位置する正面まですでに搬送することができる。コンベヤベルト19の調合薬包装は充填機器が配置される正面まで到達する。そこでコンベヤベルト19は、前壁24を超えて充填機器の隣に誘導される。収集容器10A~Cまでつながるシュート21Aおよび21Bは、コンベヤベルト19の正面に配置される。さらに、配置された摺動機器22は制御機器9に結合し、コンベヤベルト19に載って到着する調合薬包装をコンベヤベルト19からシュート21Aおよび21Bに滑らせる。それによって、調合薬包装はさらに収集容器10A~Cに搬送される。4つのシュートを当然設けてもよく、各シュートは4つの収集容器10A~Cの1つに割り当てられる。
【0027】
多くの代替的な実施形態が本発明の考案の範囲内で考察可能である。たとえば、調合薬包装用の自動ピッキングマシン1はまた、平らで平行な棚3の代わりに、または平らで平行な棚3に加えて、保存シャフトを有する傾斜した棚を有していてもよい。保存および回収マシン4はまた、傾斜したシャフトから、たとえば傾斜した緩衝シャフトからの調合薬包装の払出であっても、それにしたがって適応されてもよい。レーンの両側に沿って延在する保存棚は、平らな正面を有する必要はない。保存棚は、弧に湾曲していてもよく、または角度を付けて曲がっていてもよい。この場合には、保存および回収マシン4もまた、湾曲した、および/または角度のついたレーン23に沿って誘導されてもよい。2以上の保存および回収マシン4がレーン23で誘導されてもよく、それによって、保存および回収マシン4は、個々または接合ガイドレール7A、7Bのいずれかを用いてもよい。図1および2の保存ラック外側に図示する制御機器9は、もちろん自動ピッキングマシンの任意の位置に一体化されてもよい。
図1
図2