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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】高温度プローブ
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/08 20210101AFI20220308BHJP
   G01K 7/02 20210101ALI20220308BHJP
【FI】
G01K1/08 P
G01K7/02 C
【請求項の数】 28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019002665
(22)【出願日】2019-01-10
(62)【分割の表示】P 2016533389の分割
【原出願日】2014-08-06
(65)【公開番号】P2019082486
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2019-01-29
(31)【優先権主張番号】61/907,555
(32)【優先日】2013-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/863,119
(32)【優先日】2013-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/951,068
(32)【優先日】2014-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516041139
【氏名又は名称】アメテック,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エム.グラシーン
(72)【発明者】
【氏名】マーク アガミ
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-511689(JP,A)
【文献】特開2012-012240(JP,A)
【文献】特開2010-215459(JP,A)
【文献】特開2002-350240(JP,A)
【文献】実開昭63-199036(JP,U)
【文献】特開平11-132862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/08,7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドと、
前記ロッド内に埋め込まれた熱電対と、
前記ロッドの端部に延びるプローブ基部と、
前記ロッドの一部及び前記プローブ基部の一部を少なくとも被覆するシースと、
を備え、
前記ロッド、前記プローブ基部又は前記シースには、セラミックマトリックス複合材料が含まれ、
前記シースが、前記ロッドの部分及び前記プローブ基部の部分の周囲にセラミック編組を覆い、前記セラミック編組に前駆体を注入し、前記注入されたセラミック編組を高温に加熱することによって形成された編組セラミックマトリックス複合材料を含む温度プローブ。
【請求項2】
前記熱電対が、
第1の熱電対線と、
熱電対を形成するように前記第1の熱電対線に連結された第2の熱電対線と、
を備える、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記ロッドが、前記第1の熱電対線に編まれた第1のセラミックマトリックス複合材料と、前記第2の熱電対線に編まれた第2のセラミックマトリックス複合材料と、を含む、請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記第1の熱電対線及び前記第2の熱電対線が、溶接によって連結される、請求項2に記載のプローブ。
【請求項5】
前記ロッドが、少なくとも1つのチャネルが形成された押出部を備え、前記押出部は押し出し成形によって形成された部材である、請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
前記熱電対が、前記少なくとも1つのチャネル内に挿入される、請求項5に記載のプローブ。
【請求項7】
前記押出部がアルミナ系材料である、請求項5に記載のプローブ。
【請求項8】
前記プローブ基部には、前記ロッドの前記端部を収容するように構成された円筒状通路が含まれる、請求項1に記載のプローブ。
【請求項9】
前記熱電対が、前記シースの端部に形成された開口を通って延びる熱電対接合部を備える、請求項1に記載のプローブ。
【請求項10】
前記プローブ基部には、円筒状部と円錐台形状部とが含まれる、請求項1に記載のプローブ。
【請求項11】
前記プローブ基部の前記円錐台形状部が、前記ロッドの前記端部に延びる、請求項10に記載のプローブ。
【請求項12】
前記プローブの端部に組み立てられた金属基部を更に備える、請求項1に記載のプローブ。
【請求項13】
前記金属基部が、前記プローブ基部の端部に延びる、請求項12に記載のプローブ。
【請求項14】
前記金属基部と前記プローブの前記端部との間に配置されたセラミックマトリックス複合材料を更に備える、請求項12に記載のプローブ。
【請求項15】
前記金属基部には、薄肉内側管と厚肉外側管とが含まれる、請求項12に記載のプローブ。
【請求項16】
前記薄肉内側管が、前記プローブ基部においてろう付け接合部を形成する、請求項15に記載のプローブ。
【請求項17】
前記ロッドが、少なくとも1つのチャネルが形成された押出部を備え、前記押出部は押し出し成形によって形成された部材である請求項1、2、4及び請求項8から16、のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項18】
前記編組セラミックマトリックス複合材料が、前記プローブ基部及び押出部にわたって厚さを変化させて覆っている、請求項5から7のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項19】
少なくとも1つのチャネルを有したロッドを形成することと、
前記少なくとも1つのチャネル内に熱電対線を設置することと、
前記ロッドの端部にプローブ基部を配置することと、
前記プローブ基部及び前記ロッドにセラミック編組を覆うことと、
前記セラミック編組に前駆体を注入すること、及び
前記注入されたセラミック編組を高温に加熱して、セラミックマトリックス複合材料を形成して、前記プローブ基部及び前記ロッドの周囲にシースを形成することと、
を含む温度プローブの組立て方法。
【請求項20】
金属基部を前記プローブ基部の端部にろう付けすることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ろう付け工程が、
前記金属基部と前記プローブ基部との間にセラミックマトリックス複合材料を配置することと、
ろう付け温度まで前記温度プローブを加熱することと、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
加熱工程が、ろう付け温度として約1000℃の温度まで前記温度プローブを加熱することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ろう付け工程が、
前記プローブ基部の一部に前記金属基部の薄肉内側管を配置することと、
ろう付け温度まで前記内側管及び前記プローブ基部を加熱することと、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記シースの端部を通して熱電対の端部を露出させることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記セラミック編組にセラミックマトリックス前駆体を注入することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
形成工程が、前記ロッドとして少なくとも1つのチャネルを有したアルミナベースの部材を押し出し成形することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記チャネルが押出部に形成され、前記押出部は押し出し成形によって形成された部材である、請求項19から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記セラミック編組を、前記プローブ基部及び前記押出部にわたって厚さを変化させて覆う、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年3月11日に出願された「高温プローブ」という名称の仮出願第61/951,068号、2013年11月22日に出願された「高温プローブ」という名称の仮出願第61/907,555号、及び、2013年8月7日に出願された「高温プローブ」という名称の仮出願第61/863,119号の利益を主張し、これらの出願の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、温度測定の分野に関し、具体的には、航空機タービンなどの過酷な環境中で用いる温度プローブに関する。
【背景技術】
【0003】
温度プローブは、航空機タービンなどの過酷な環境中で温度を測定するのに必要である。航空機タービンに存在する排気ガスは、強力で、高温であり、化学的に活性がある。さらに、航空機タービンの排気温度は、将来的に上昇すると予想される。現在、ニッケル合金などの金属が、航空機タービンの過酷な環境中で用いられるプローブを保護するのに用いられている。しかしながら、高温排気ガス用途では、かかるプローブの寿命は将来的に比較的短くなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様には、温度プローブと、温度プローブの形成方法と、が含まれる。温度プローブには、ロッドと、熱電対と、外側管と、内側管と、シースと、が含まれ得る。熱電対は、ロッド内に埋め込まれる。外側管は、ロッドの少なくとも一部の周囲に配置される。内側管は、ロッドと外側管との間に配置され、ロッドが変位するのを防ぐ。セラミックマトリックス複合シースは、実質的に、ロッド及び外側金属管の周囲に配置される。
【0005】
本発明の更なる態様には、温度プローブの組立て方法が含まれる。温度プローブの組立て方法には、第1の部材と第2の部材との間に熱電対を配置することと、第1の部材と第2の部材とを接合し、ロッドを形成することと、ロッドの一部の上に外側管を配置し、第1の部材と第2の部材とを嵌合することと、ロッドの少なくとも一部と外側管の少なくとも一部との間に内側管を配置し、外側管に対してロッドを固定することと、セラミックマトリックス複合シースを用い、実質的にロッド及び外側金属管を被覆することと、が含まれ得る。
【0006】
本発明の更なる態様には、温度プローブであって、ロッドとロッドに埋め込まれた熱電対とロッドの端部に延びるプローブ基部とを含む、温度プローブが含まれる。温度プローブには、ロッドの一部及びプローブ基部の一部を少なくとも被覆するシースも含まれ得る。ロッド、プローブ基部又はシースのうちの少なくとも1つには、セラミックマトリックス複合材料が含まれる。
【0007】
本発明の更なる態様は、温度プローブの組立て方法を対象とし、この方法には、少なくとも1つのチャネルを有したロッドを形成することと、少なくとも1つのチャネル内に熱電対線を設置することと、ロッドの端部にプローブ基部を配置することと、プローブ基部及びロッドにセラミック編組を覆うことと、セラミック編組をセラミックマトリックス複合材料に処理して、プローブ基部及びロッドの周囲にシースを形成することと、が含まれる。
【0008】
本発明は、添付の図面と関連して以下の詳細な説明を読むと最良に理解され、図面は同一の要素は同一の参照符号を有する。同様の要素が複数存在する場合、単一の参照符号は、特定の要素を指す小文字を表示した同様の複数の要素に割り当てられ得る。図面には、次の図が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の態様に係るプローブの断面図である。
図2】本発明の態様に係るロッドの部材の斜視図である。
図3】本発明の態様に係るロッドの斜視図である。
図4】本発明の態様に係るロッドの周囲に配置された外側管の斜視図である。
図5】内側管であって、本発明の態様に係るロッドの周囲に配置された外側管内に配置されている内側管の斜視図である。
図6】本発明の態様に係るプローブの組立て工程を示すフローチャートである。
図7】本発明の態様に係るプローブの断面図である。
図8A】本発明の態様に係るプローブのロッドの図である。
図8B】本発明の態様に係るプローブのロッドの図である。
図9A】本発明の態様に係るプローブにおける基部を有するロッドの図である。
図9B】本発明の態様に係るプローブにおける基部を有するロッドの図である。
図10A】本発明の態様に係るプローブの図である。
図10B】本発明の態様に係るプローブの図である。
図11】本発明の態様に係るプローブの組立て工程を示すフローチャートである。
図12A】本発明の態様に係るプローブの図である。
図12B】本発明の態様に係るプローブの図である。
図13A】本発明の態様に係るプローブの図である。
図13B】本発明の態様に係るプローブの図である。
図14】本発明の態様に係るプローブの組立て工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
高性能の温度センサが必要とされている。近年又は最新のタービンの温度は、約1100℃~約1200℃の範囲の温度検知要件を満たしている。将来的に、タービンは、必要なセンサ精度及び監視利益のために、1300℃を超える必要がある。かかるセンサの従前の標準材料であるニッケル基超合金は、1200℃を超える温度に耐えられなくなる。
【0011】
燃焼器に近接して測定を維持することは、高温部のより正確な監視を意味する。これは、保守間隔の計画及びタービンの効率性に有益である。
【0012】
センサは、短期間で1350℃まで、約1200℃よりも高い温度で連続してタービン流れにおいて耐えられる。一実施形態において、セラミックマトリックス複合プローブは、K型の標準出力と非常に類似しているEMF出力を有したセラミック絶縁Platinel(登録商標)熱電対を有する。
【0013】
1300℃を超える温度性能がない場合、温度センサは、タービンの高温部から離れて存在している必要がある。1300℃の温度性能がある場合、センサは近接しており、タービンの監視に充分である。
【0014】
1350℃までのタービン用のセラミックマトリクス複合材料ベースの温度センサが設計されている。従前の最も高い温度性能のタービンセンサには、およそ1200℃の性能を達成するように、ニッケル基超合金が用いられている。ニッケル合金の1200℃よりもはるかに高い温度における寿命は、大幅に制限されている。タービンOEMによる新たな高温部の部品に適した材料としては、セラミックマトリックス複合材料が挙げられる。セラミックマトリックス複合材料は、耐クリープ性の未処理セラミック単独と比較して利点を有する。セラミックは、通常酸化マグネシウムの形態で、高性能温度センサ内において既に用いられており、酸化アルミニウムも用いられている。一実施形態において、酸化アルミニウムセラミックマトリックス複合材料は、アルミナ繊維とマトリックスをともに有する高性能温度プローブの外側に用いられる。セラミックの酸化物ファミリーは、耐環境コーティング(environmental barrier coating)が必要であり侵食され及びその後欠陥が生じやすい炭素複合材料と比較して、タービン燃焼器の非常に困難な化学的環境に対して優れた抵抗性を有する。ただし、炭化ケイ素系複合材料の一部の炭素は、酸化物セラミックよりも高い定格温度を有する。
【0015】
酸化アルミニウムセラミックマトリックス複合材料は、1200℃よりも高い温度で作用し、タービン内の環境に対して抵抗性を有するので、耐環境コーティングは必要ではない。
【0016】
1300℃を超える温度性能がない場合、温度センサは、タービンの高温部から離れて存在している必要がある。ニッケル合金を可能にするタービンから離れたセンサの位置は、高温の燃焼ガスと冷却圧縮空気の混合物、及び、タービン温度が上昇することを理解する不確実性、及び、保守計画に消極的な影響を及ぼす、温度劣化が更に悪化するタービンを監視する能力を測定することを意味する。
【0017】
本発明の利点は、新しいタービンの要件に等しい温度センサ性能に妥協がないことである。セラミックマトリックス複合プローブは、センサタービンの通常の位置において、燃焼器に接近させることができ、これによって、性能情報の損失を無くすことができる。新しい将来的なタービンは、高温で作動するように計画されている。タービンの高温部の構成要素は、新しく高い性能レベル、具体的には温度の上昇に伴う温度を満たす必要がある。
【0018】
セラミックマトリックス複合材料は、かつて、タービンの温度センサに用いられていない。高い温度性能はタービンに価値を付加し、タービンの操作者に価値を付加し、その競合するものと比較してそのタービンは差別化される。また、セラミックマトリックス複合材料の密度は、軽量という利点がある金属よりも小さく、常に歓迎される。
【0019】
本発明の実施形態に従って、低硬質材料から製造される代替的なロッドを用いることができる。硬質ロッドは、セラミックマトリックス複合(CMC)材料から製造されるロッドと比較して、ほとんど延性がない。CMC材料は、アルミナのような硬質セラミックよりも適切ではない。セラミックロッドよりも脆くないロッドの実施形態を以下に説明する。
【0020】
図1は、本発明の態様に係るプローブ100の一実施形態の断面図を示している。図示されているプローブ100は、シース108と、ロッド103と、内側管106と、外側管104と、を含んでいる。また、プローブ100は、熱電対であって、図2を参照して以下に説明する、ロッド103内に埋め込まれた熱電対も含んでいる。プローブ100は、プローブ100の中心を通って長手方向に延びる軸線110を有している。
【0021】
ロッド103は、アルミナ系(例えば、酸化アルミニウム)、ケイ素系、炭化ケイ素系(例えば、SiC繊維、SiCマトリックスなど)、炭素系、及び/又は、温度プローブ内に用いるのに適した他の材料/材料の組合せであり得る。ロッド103、シース108、管106及び104、及び/又はプローブ100の他の構成要素は、CMC材料に形成される繊維/マトリックス材料から構成することができる。例えば、繊維としては、CH Nicalon(商標)、Hi-Nicalon(商標)、Sylramic(商標)、炭素、Nextel(商標)312、Nextel(商標)610、Nextel(商標)720、ニッケル合金金属などを挙げることができる。マトリックスは、ケイ素系(例えば、SiNC、SiC+Si34、SiC、SiO2など)、アルミナ系(例えば、Al23など)、及び/又はケイ素系とアルミナ系材料の組合せ(例えば、SiO2+Al23など)であり得る。
【0022】
図1に示されているロッド103は、第1の部材102a及び第2の部材102bから形成されている。部材102aと102bは、軸線110に沿って接合され、ロッド103を形成することができる。実施形態において、部材102aと102bは、互いに実質的に対称である。2つの対称的な部材から形成されたロッドが本明細書に示され説明されているが、ロッド103はユニボディ構造であり、2つを超える部材から形成でき、部材は対称である必要はないことが考慮される。
【0023】
図2は、図1のロッドの第1の部材102aを示している。この部材102aは、接合面204に溝(図示せず。)を有している。接合面204は、部材102bの対応する接合面(図示せず。)と接合することができる。実施形態において、溝は、熱電対202のチャネルを形成するように、第1の部材にのみ存在する。他の実施形態において、少なくとも1つの他の部材(例えば、部材102b)は、第1の部材102aの溝と組み合わせられると熱電対202のチャネルが形成される、溝を有する。熱電対202は、接合前に、1つの部材102aの溝に配置される。熱電対の温度機能部206は、プローブ100の端部に配置され、露出し得るか、及び/又はシース108の外側に延び得る。
【0024】
図3は、接合された第1の部材102a及び第2の部材102bから形成されたロッド103を示している。第1の部材102aと第2の部材102bとを接合することによって、これらの部材の間に熱電対202が埋め込まれる。一部の実施形態において、ロッド103は、固定突部302を有する。固定突部302は、軸線110に対して直交する平面に断面を有しその断面の外周が他の点の断面よりも大きい、ロッド103の領域に配置されている。図3は、ロッド103の外面304の外周が均一に増加するものとして固定突部302を示しているが、周囲の管、例えば管104を越えてロッドが軸線方向に摺動するのを防ぐ、外面304におけるいずれの構造変形物も、固定突部として用いることができることが考慮される。
【0025】
図4は、ロッド103の周囲に配置された外側管104を示している。外側管104の配置によって、接合位置において、第1の部材102a及び第2の部材102bが保持される。外側管104は、縁部114であって、ロッド103に固定突部302を嵌合し、ロッド103が外側管104内で完全に変位するのを妨げる縁部を有し得る。外側管104は、クロム若しくはニッケル、合金、アルミナ、CMC、又は温度プローブに用いるのに適した他の材料から製造することができる。
【0026】
また、図示されている外側管104は、シース108が変位するのを防ぐように、外面404に固定突部402も有している。図4は、外側管104の外面304の外周が均一に増加するものとして固定突部402を示しているが、シース108が軸線110に沿って変位するのを防ぐ、外面404におけるいずれの構造変形物も用いることができることが考慮される。
【0027】
図5は、ロッド103と、外側管104と、内側管106と、を示している。内側管106は、外側管104の内面及びロッド103の外面304と接し得る。内側管106の第1の端部112は、ロッド103において固定突部302と接し得る。内側管106は、外側管104に溶接することができる(502)。公知の溶接法を用いることができる。内側管106及び外側管104は、高温環境中で用いるのに適した溶接以外の方法(例えば、ろう付け、CMC材料による処理など)によって取り付けることができることが考慮される。内側管106に外側管104を取り付けることによって、外側管104に対してロッド103が変位するおそれがなくなる。実施形態において、ロッドの固定突部302は、内側管106の第1の端部112と外側管104の内面の突部404との間に固定される。
【0028】
実施形態において、内側管106の内面504の一部は、ロッド103の外面304と接していない。内面504のこの部分は、他の装置又は物品への取付けに適し得る。内面は、ねじ、ノッチ、突起、又は他の適切な取付け方法を用いる取付けに適し得る。内側管106は、クロム若しくはニッケル、合金、CMC、又は温度プローブに用いるのに適した他の材料から製造することができる。
【0029】
再度図1を参照すると、シース108は、ロッド103及び外側管104の上に適用される。シース108は、種々のセラミックマトリックス複合材料から形成することができる。セラミックマトリックス複合材料は、例えば、炭素マトリックス中の炭素繊維、炭化ケイ素マトリックス中の炭素繊維、炭化ケイ素マトリックス中の炭化ケイ素繊維、及びアルミナマトリックス中のアルミナ繊維であってもよい。シース108は、本明細書の説明から当業者によって理解されるように、ロッド103に適用することができる。シース108の外面118の平滑度は、およそ125以下であり得る。一実施形態において、シース108の外面118の平滑度は、32未満である。シース108の厚さは、約0.03インチ(約0.076 cm)~0.06インチ(約0.152 cm)であり得る。
【0030】
シース108は、外側管104に取り付けられている。一実施形態において、シース108は、外側管104の外面404において、シース108が変位するのを妨げる固定突部402と接するように形成される。
【0031】
図1~5に示されているように、温度プローブは、温度機能部206に向かって下方に延びる円錐台形状であり、温度機能部206に向かう端部よりも大きな径の外側管104を含む端部を有している。外側管104端部の方の大きな径によって、動作時にプローブに加わる力に対する応力抵抗が温度プローブに付与される。
【0032】
図6は、本発明の態様に係るプローブの実施形態の組立て工程のフローチャート600を示している。このフローチャートの工程を、図1~5のプローブを参照して以下に説明する。図1~5に示されているプローブ以外のプローブを組み立てるのに工程を用いることができ、そして、工程602~610のうちの1つ以上は異なる順序で実行でき、及び/又は省略できることが理解される。
【0033】
ブロック602において、第1の部材と第2の部材との間に熱電対が配置される。熱電対202は、第1の部材102aと第2の部材102bとの間に配置され得る。実施形態において、熱電対202は、少なくとも1つの部材の溝によって形成されたチャネルに配置される。第1の部材と第2の部材は、対称であり得る。
【0034】
ブロック604において、第1の部材と第2の部材とを接合することによってロッドが形成される。ロッド103は、第1の部材102aと第2の部材102bとを接合することによって形成され得る。第1の部材102a及び第2の部材102bは、第1の部材の接合面204及び第2の部材の接合面(matting surface)(図示せず。)に沿って接合され得る。実施形態において、ロッド103は、機械的研削(machine ground)、鋳造、又は両方の形成方法の組合せを用いて、シース108と化学的に相容性のある材料から形成される。
【0035】
ブロック606において、ロッドの少なくとも一部の上に外側管が配置される。外側管は、ロッド103の少なくとも一部の上に配置され得る。外側管104の配置によって、第1の部材102aと第2の部材とが嵌合する。外側管を形成する材料は、金属、又は温度プローブに用いるのに適した他の材料である。
【0036】
ブロック608において、外側管の一部とロッドの一部との間に内側管が配置される。内側管106は、外側管104の一部とロッド103の一部との間に配置され得る。内側管の配置によって、外側管104に対し軸線110に沿ってロッド103が変位するのが妨げられる。内側管を形成する材料は、金属、又は華氏約2000度(摂氏約1093.3℃)以上で温度プローブを用いるのに適した他の材料であり得る。一部の実施形態において、内側管106を形成する材料は、華氏およそ2500度(摂氏およそ2760℃)以上の温度に適している。
【0037】
ブロック610において、内側管と外側管は、溶接されるか、又は他の方法により取り付けられ得る。内側管106と外側管104は、タングステン不活性ガス溶接又はレーザ溶接を含むがこれらに限定されない公知の溶接法によって、溶接されるか、又は他の方法により取り付けられ得る。また、内側管106と外側管104は、プローブの構成要素を取り付けるのに適した他の方法(例えば、ろう付け、CMC処理など)によって取り付けられ得ることも考慮される。
【0038】
ブロック612において、セラミックマトリックス複合シースが用いられ、ロッドが実質的に被覆される。セラミックマトリックス複合シース108が用いられ、ロッド103が実質的に被覆される。シース108は、外側管にも同様に適用され得る。セラミックマトリックス複合シースの標準適用法を用いることができる。シース108は、破壊する前にプローブ100が経験する延性及び塑性変形の程度を増加させることができる。
【0039】
次に図7を参照すると、本発明の態様に係る温度プローブの実施形態が示されている。プローブ700は、最大1350℃に定格されている。このプローブは、セラミックマトリクス複合シース702と、セラミック内部704と、熱電対信号用のPlatinel(登録商標)ワイヤ(図示せず。)と、を有している。タービン壁のプローブ基部708は先端部710よりも低温であり、良好なニッケル超合金の選択は、1150℃の計画された性能によって行うことができる。ニッケル超合金以外の材料、例えば、プローブ100に関して説明した材料を選択することができる。その寸法としては、約70 mmの挿入深さと先端部710における約4 mmの径を挙げることができる。
【0040】
図8A及び8Bを参照すると、タービンの温度プローブに用いるロッドが示されている。2つの極性熱電対線806及び808(例えば、1つの熱電対線が正であり、1つの熱電対線が負である。)は、熱電対接合部810によってそれぞれの熱電対線の一方の端部に接合され、ロッド800内に埋め込まれている。一実施形態において、熱電対線は、高温熱電対系(例えば、白金合金、Platinel(登録商標)など)から製造される。他の適切なCMC材料は、本明細書の説明から当業者によって理解される。セラミック繊維は、セラミック編組802及びセラミック編組804のように、それぞれの熱電対線806及び808に個々に編まれ得る。図示されているロッド800には、熱電対線に円筒状に編まれたセラミック繊維が含まれている。実施形態において、セラミック繊維は、両方の熱電対線806及び808に編まれる。図8Aにおいて理解されるように、熱電対線806及び808はともに、溶接点812において溶接され、これによって、熱電対が形成される。その後、熱電対線上のセラミック繊維は、高温で処理され、その結果、セラミック繊維内に存在するマトリックスが生じ、これによって、ロッド800が形成される。
【0041】
図9及び9Bでは、本発明の実施形態に係る、基部を有するロッドが示されている。基部902は、セラミック材料から製造することができる。基部902は第1の部分904と第2の部分906とを有し、第1の部分904の径は第2の部分906の径よりも大きい。基部は、図1~6に関して上述した外側管104と同様に機能し得る。
【0042】
図10A及び10Bを参照すると、本発明の実施形態に係る温度プローブが示されている。温度プローブには、ロッド800と、基部902と、ロッド800及び基部902を被覆するシース1002と、が含まれている。シース1002は、CMC材料から製造され、シース108と同様に機能し得る。熱電対線806及び808は、基部902においてプローブから出ており、延長線に溶接することができる。シース1002、基部902及びロッド800を有する実施形態において、温度プローブ全体は、内部に熱電対線806及び808を有した高温CMC材料から製造することができ、これによって、センサは脆くならない。
【0043】
次に図11を参照すると、温度プローブの組立て工程のフローチャート1100が示されている。ブロック1101において、セラミック繊維が2つの極性線に編まれる。この2つの極性線は、高温熱電対金属(例えば、白金合金、Platinel(登録商標)など)であり得る。セラミック繊維は、Nextel 720などのアルミナ繊維、及び/又はプローブ100に関して説明したものなどの他の材料であり得る。一実施形態において、セラミック繊維は、それぞれの極性線の周囲に円筒状に編まれる。
【0044】
ブロック1102において、2つの極性線がともに溶接され、温度プローブの熱電対が形成される。溶接は、溶接ワイヤを用いない単純な融合溶接であり得る。組立て時にこの先端部において、極性線は熱電対を形成する。
【0045】
ブロック1104において、2つの円筒状編組に、セラミックマトリックス前駆体が注入される。液体又は蒸気によって編組に注入することができる。一実施形態において、極性線に注入するのにゾルゲル法が適用される。編組に注入されると、極性線は固定具により保持され、歪みがなく直立するのに充分な固体になるまで、高温(例えば、約400F(摂氏約204.4℃))に暴露され得る。
【0046】
ブロック1106において、注入された円筒状編組が、隣接する2つのCMC円筒状ロッドに処理される。実施形態において、編組は高温(例えば、約1200℃)で処理され、その結果、ブロック1101において極性線に編まれたセラミック繊維内に存在するマトリックスが生じる。これによって、極性線上のセラミックマトリックス内にセラミック編組が生じる。
【0047】
ブロック1108において、極性線を有する処理された編組(例えば、CMC半組立品)に、セラミック編組が覆われる。セラミック編組は、編組線及び熱電対接合部に覆われ得る。覆われると、ブロック1104の注入と同様に、ブロック1109においてロッドに注入され、ブロック1106の処理と同様に、ブロック1110において処理され、処理された極性線に覆われたセラミック編組が強化される。ブロック1101~1110に従って組み立てられたロッドに処理される極性線、編組及びCMC半組立品は、フローチャート1100の高温工程に耐えることができ、このため、得られるロッド構造体の内部では変化しない。
【0048】
ブロック1112において、ロッドが基部に挿入され、シースによって被覆される。基部及び/又はシースはセラミック材料であり、それぞれ、図1~7によって上述したように、外側管104又はシース108として機能し得る。
【0049】
次に図12A及び12Bを参照すると、本発明の態様に係る温度プローブの別の実施形態が示されている。温度プローブ1200には、押出部1218(例えば、ロッド)と、プローブ基部1204と、熱電対1206と、プローブ基部1204、押出部1218及び熱電対1206の上に配置されたシース1202と、が含まれている。図示されているように、熱電対接合部1208が露出し、シース1202から外側に延び得る。
【0050】
プローブ基部1204には、円筒状の第1の部分1222と、円錐台形状の第2の部分1224と、が含まれている。また、プローブ基部1204には、円筒状通路1205であって、押出部1218を収容するように構成されているプローブ基部1204の中心を通って形成された、円筒状通路も含まれている。実施形態において、プローブ基部1204は、アルミナ系材料から構成される。プローブ基部1204には、端部1216であって、シース1202から延び、シース1202によって被覆されない、端部が含まれ得る。実施形態において、金属基部は端部1216に配置され、図13において説明されているろう付け法によってプローブ1200に組み立てられる。
【0051】
押出部1218は、プローブ基部1204の円筒状通路1205を通って延びている。一実施形態において、押出部1218は、アルミナ系材料から構成される。実施形態において、押出部1218の径は、約0.125インチ(約0.318 cm)である。押出部1218には、チャネル1220であって、熱電対1206の線1207を収容するように構成されている押出部1218の全長にわたって形成された、チャネルが含まれており、これによって、高温への暴露から熱電対線1207が絶縁される。図示されているように、押出部1218は、部分的にプローブ基部1204の円筒状通路1205を通って延びているが、押出部1218はプローブ基部1204を通って完全に延びていてもよいし、又は、プローブ基部1204を通って延びていなくてもよく、熱電対線1207のみが円筒状通路1205を通って延びていることが考慮される。
【0052】
熱電対1206は、円筒状通路1205を通って延びる熱電対線1207から形成され、この熱電対線は、プローブ1200の先端部1208に形成された熱電対接合部1209とともに、チャネル1220内に挿入される。実施形態において、それぞれの熱電対線1207の径は、約0.017インチ(約0.043 cm)である。熱電対接合部1209は、プローブ1200の温度検知機構として機能し得る。図示されているように、熱電対接合部1209は、プローブ1200の遠位端部における先端部1208の開口を通して露出する。
【0053】
シース1202は、プローブ基部1204の一部及び押出部1208の上に形成されている。シース1202は、プローブ基部1204全体、及び/又は、プローブ1202の先端部1208の熱電対接合部1209の上に形成できることが考慮される。シース1202は、セラミックマトリックス複合材料を形成するように処理することができる(例えば、セラミック前駆体の添加、硬化するまでの処理、及び高温における焼結など)繊維編組(例えば、Nextel編組、アルミナ繊維、アルミナマトリックス、ケイ素系繊維、ケイ素系マトリックス、炭化ケイ素系繊維及び/又はマトリックスなど)から構成することができる。
【0054】
プローブ1200には、種々の形状の部分が含まれている。プローブ1200の近位端部には、プローブ1200の遠位端部の円筒状部1214の径よりも大きな径を有する円筒状部1210がある。円筒部1210と円筒状部1214との間には、プローブ1200の遠位端部に向かって減少する径を有する円錐台形状部1212がある。円筒状部1210、円錐台形状部1212及び円筒状部1214の構成によって、動作時にプローブ1200に加わる応力に対するプローブ1200の抵抗が有益に増加する。実施形態において、シース1202は、円筒状部1210において、約0.425インチ(約1.080 cm)の外径、及び約0.3インチの内径(約0.762 cm)を有する。一実施形態において、シース1202は、円筒状部1214において、約0.25インチ(約0.635 cm)の外径、及び約0.125インチ(約0.318 cm)の内径を有する。円筒状部1210、円錐台形状部1212及び円筒状部1214に沿ったプローブ1200の長さは、約2.15インチ(約5.461 cm)であり得る。円筒状部1210の長さは約0.433インチ(約1.100 cm)であり、円錐台形状部1212の長さは約0.539インチ(約1.369 cm)であり、円筒状部1214の長さは約1.178インチ(約2.992 cm)であり得る。実施形態において、円錐台形状部1212は、約9度の角度において径が減少し得る。
【0055】
3つの部分が示されているが、他の形状及び構成は、所望の効果を達成するように利用できることが考慮される。例えば、プローブには2つの部分しか含まれていなくてもよく、一方の部分の径は他方の部分の径よりも大きく、プローブは完全な円錐台形状であってもよく、プローブには4つ以上の部分などが含まれていてもよい。実施形態において、シース1202は、応力に対する抵抗を増加させるように、プローブ先端部1208よりも、プローブ基部1204付近において厚い。プローブの他の形状及び構成は、本明細書の開示内容から当業者によって理解される。
【0056】
次に図13A及び13Bを参照すると、金属基部1301を有するプローブ1300が示されている。プローブ1300には、図12A及び12Bに関して説明した特徴と同様に、ロッド1218と、ロッド1218を通って延びる熱電対線1207と、プローブ基部1204と、ロッド1218及びプローブ基部1204の上に形成されたシース1202と、が含まれている。また、プローブ1300には金属基部1301も含まれ、この金属基部は、薄肉内側管1302と厚肉外側管1304とから構成されている。内側管1302は、プローブ基部1204にろう付けすることができる。実施形態において、内側管1302は、プローブ基部1204の露出部1216に延びる。一実施形態において、内側管1302の一部1303は、内側管1302とシース1202との間に間隔1305を残すように、プローブ基部1204の一部1216に延びる。内側管1302は、合金、例えば、Nickel 201、Haynes 230などであり得る。内側管1302の厚さは0.010インチ(約0.025 cm)~約0.015インチ(約0.038 cm)であり、長さは約0.50インチ(約1.27 cm)であり得る。内側管1302の一部1303がプローブ基部1204に延びる実施形態において、重なり部分1303の長さは、約0.10インチ(約0.254 cm)であり得る。
【0057】
内側管1302は、プローブ基部1204、又はプローブ1200の他の部分にろう付けすることができる。かかる実施形態において、プローブ基部1204に重なる内側管1302の一部1303は、ろう付け接合部を形成する。内側管1302は、ろう付け及びろう付け接合部の形成によるプローブ基部1204のセラミックの応力が最小に維持されるように、外側管1304と比較して薄い。ろう付けは、パラジウム合金などの高温活性金属ろう付けであり得る。
【0058】
厚肉外側管1304は、内側管1302の上に示されている。外側管1304は、溶接点1308において、内側管1302に溶接することができる。外側管1304は、合金、例えば、Haynes 230、又は温度プローブを利用する高温用途において用いるのに適した他の合金から構成することができる。外側管1304には、プローブ1300のシース1202に延びるように形成されたチャネル1306が含まれている。図示されているように、外側管1304の一部1310は、シース1202の一部に延びている。一実施形態において、シース1202に延びる外側管1304の一部1310は、シース1202に近接しているが、シース1202に物理的に接続していない。かかる実施形態では、溶接1308によって、外側管1304はプローブ1300に取り付けられ、部分1310とシース1202との間の非物理的接続によって、プローブ1300に、例えばタービンに存在する応力に対する付加的な抵抗が付与される。外側管1304は、(例えば、溶接によって)タービン壁に取り付けられるフランジ及びジャンクションボックスに推移させることができる。
【0059】
図14において、温度プローブを構築する工程を有するフローチャート1400が示されている。ブロック1402において、2つの線がともに溶接され、熱電対が形成される。線は、Platinel(登録商標)材料から構成することができる。ブロック1404において、チャネルを有する押出部(例えば、ロッド)が形成される。押出部は、アルミナ系材料であり得る。ブロック1406において、押出部のチャネル内に、溶接された線が設置される。ブロック1408において、押出部の端部にプローブ基部が配置される。プローブ基部が押出部の端部に配置されると、押出部は、プローブ基部を通って完全に延びるか、又はプローブ基部を通って部分的に延び得る。
【0060】
ブロック1410において、押出部及びプローブ基部にセラミック編組が覆われる。セラミック編組は、押出部及びプローブ基部を完全に、又は押出部及び/又はプローブ基部を部分的に覆い得る。セラミック編組は、アルミナ系材料、ケイ素系材料、炭素系材料、及び/又はセラミックマトリックス複合材料を形成するのに適した他の材料から構成することができる。セラミック編組は、プローブ基部及び押出部にわたって厚さを変化させて覆い、所望の形状又は構成を達成することができる。
【0061】
ブロック1412において、覆われたセラミック繊維に、セラミックマトリックス前駆体が注入される。実施形態において、セラミックマトリックス前駆体は液体である。ブロック1414において、注入されたセラミック繊維が処理され、プローブ基部及び押出部にCMC材料が形成される。注入されたセラミック繊維は、硬化するまで、比較的低温で最初に処理することができる。一実施形態において、注入されたセラミック繊維は、約400F(摂氏約204.4℃)で処理される。注入されたセラミック繊維が硬化すると、CMC材料が形成されるまで、高温で焼結される。実施形態において、繊維は、約1200℃で焼結される。
【0062】
ブロック1414において、金属基部がプローブ基部にろう付けされる。金属基部には、内側管、例えば薄肉内側管1302が含まれ得る。ろう付け法は、セラミック材料に金属を固定するのに用いられる種類の方法である。ろう付け法は、高温(例えば、約1000℃以上)で行われる。かかるろう付けに用いられる材料としては、パラジウム合金、nicrobraze材料などを挙げることができる。一実施形態において、チタン(例えば、ろう付け合金成分の4%)をろう付け金属に用いることができる。セラミックろう付け接合部への金属のろう付けは、溶融金属によってセラミックが通常濡れないので、溶融ろう付け材料が接合部のセラミック面を濡らすように行われる。実施形態において、セラミック材料の表面は、モリブデンマンガン化合物(molymanganese compound)及び焼成工程によって調製される。一実施形態において、CMC材料は、内側管とプローブ基部との間に配置され、ろう付け及びろう付け接合部の形成を促進する。
【0063】
ろう付け接合部の形状は、ろう付け金属とプローブ基部のセラミックとの熱膨張率の差が調節されるように選択され、これによって、ろう付け工程時のろう付け接合部領域の応力が最小に維持される。一実施形態において、金属基部は、応力を最小に維持する薄肉内側管(例えば、内側管1302)である。内側管とプローブ基部の重なりは、単純な幾何形状(例えば、単純な円筒状の重なり)、又は他の幾何形状(例えば、正方形状の重なり、円錐形状の重なり、環状の重なり)であり得る。
【0064】
プローブの部分及び材料の代替構成は、本明細書の開示内容から理解される。例えば、押出部(例えば、ロッド)を含むすべての構成要素は、CMC材料を形成する材料から構成されていてもよい。内側の酸化物CMC材料は、外側の非酸化物CMC材料と組み合わせて用いることができる。
【0065】
具体的な実施形態を参照して本発明が本明細書に示され説明されているが、本発明は示されている詳細に限定されるものではない。むしろ、特許請求の範囲の均等物の範囲及び値域内で、本発明から逸脱することなく、詳細に種々の変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14