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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】蓄電池モジュールおよび蓄電池ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/256 20210101AFI20220308BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20220308BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20220308BHJP
【FI】
H01M50/256 101
H01M50/211
H01M50/296
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019512588
(86)(22)【出願日】2018-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2018015619
(87)【国際公開番号】W WO2018190435
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】P 2017080730
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(72)【発明者】
【氏名】中山 聖英
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222538(JP,A)
【文献】特開平10-092405(JP,A)
【文献】実開平02-086060(JP,U)
【文献】特開2015-088243(JP,A)
【文献】実開平05-050656(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/256
H01M 50/211
H01M 50/296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の蓄電池セルを備える積層部と、該積層部に電気的に接続された電気接続部とを備える蓄電池本体と、
該蓄電池本体の位置を変更する際に使用可能なハンドルを着脱自在に取付可能な取付部と
前記蓄電池本体の側部に取り付けて、前記積層部と前記電気接続部とを一括して固定するブラケットと、を備え、
前記取付部は、前記ブラケットに設けられており、
前記ブラケットは、前記積層部の側面を外部に露出させる開口を備えることを特徴とする蓄電池モジュール。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記蓄電池本体を介して対向配置された一対のブラケット部材を備え、
前記ハンドルは、その一端部が一方の前記ブラケット部材に、その他端部が他方の前記ブラケット部材に取り付けられる請求項に記載の蓄電池モジュール。
【請求項3】
前記蓄電池本体は、長尺状をなし、前記一対のブラケット部材は、前記蓄電池本体の長手方向に沿って設けられている請求項に記載の蓄電池モジュール。
【請求項4】
前記電気接続部は、前記一対のブラケット部材同士の間で、側方に突出するコネクタを備え、
前記一対のブラケット部材のうちの少なくとも一方は、当該蓄電池モジュールの側面視において、前記コネクタに重なるように設けられた板片を備える請求項またはに記載の蓄電池モジュール。
【請求項5】
前記ハンドルは、その端部にフック部を備え、
前記取付部は、前記フック部を通過可能な第1の貫通孔と、該第1の貫通孔の近傍に設けられ、前記フック部の先端を挿入して係止可能な第2の貫通孔とを備える請求項1ないしのいずれかに記載の蓄電池モジュール。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれかに記載の蓄電池モジュールと、
該蓄電池モジュールを収納可能な筐体とを有することを特徴とする蓄電池ユニット。
【請求項7】
前記筐体は、複数の前記蓄電池モジュールを積み重ねた状態で収納可能である請求項に記載の蓄電池ユニット。
【請求項8】
さらに、各前記蓄電池モジュールに着脱自在に取付可能であり、前記複数の蓄電池モジュールにおいて共用されるハンドルを有する請求項に記載の蓄電池ユニット。
【請求項9】
前記筐体は、上部開口を備える本体部と、前記上部開口を塞ぐようにして前記本体部に着脱自在に固定される蓋部とを備え、
前記蓋部は、その内面に前記ハンドルを固定し得るように構成されている請求項に記載の蓄電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池モジュールおよび蓄電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、蓄電池ユニットは、複数の蓄電池モジュールを筐体(収納箱)に収納して構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、蓄電池ユニットの電池容量を増大させるために、蓄電池モジュールの大型化が進み、蓄電池モジュールの設置数も増大している。蓄電池モジュールの大型化は、蓄電池モジュールの重量の増大も招く。
【0003】
かかる状況において、屋外の比較的広い場所で、蓄電池ユニットの設置作業を行うことは、蓄電池モジュールが大型化したり、蓄電池モジュールの設置数が増大しても、重機等を用いることにより対応可能である。しかしながら、近年、蓄電池ユニットを屋内に設置することも行われるようになっており、この場合、狭小スペースでの蓄電池ユニットの設置作業は、多大な手間と時間とを要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-5027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、その目的は、人手によっても簡便かつ短時間で設置作業を行い得る蓄電池モジュールおよび蓄電池ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の(1)~(9)の本発明により達成される。
(1) 積層された複数の蓄電池セルを備える積層部と、該積層部に電気的に接続された電気接続部とを備える蓄電池本体と、
該蓄電池本体の位置を変更する際に使用可能なハンドルを着脱自在に取付可能な取付部と
前記蓄電池本体の側部に取り付けて、前記積層部と前記電気接続部とを一括して固定するブラケットと、を備え、
前記取付部は、前記ブラケットに設けられており、
前記ブラケットは、前記積層部の側面を外部に露出させる開口を備えることを特徴とする蓄電池モジュール。
【0009】
(2) 前記ブラケットは、前記蓄電池本体を介して対向配置された一対のブラケット部材を備え、
前記ハンドルは、その一端部が一方の前記ブラケット部材に、その他端部が他方の前記ブラケット部材に取り付けられる上記(1)に記載の蓄電池モジュール。
【0010】
(3) 前記蓄電池本体は、長尺状をなし、前記一対のブラケット部材は、前記蓄電池本体の長手方向に沿って設けられている上記(2)に記載の蓄電池モジュール。
【0011】
(4) 前記電気接続部は、前記一対のブラケット部材同士の間で、側方に突出するコネクタを備え、
前記一対のブラケット部材のうちの少なくとも一方は、当該蓄電池モジュールの側面視において、前記コネクタに重なるように設けられた板片を備える上記(2)または(3)に記載の蓄電池モジュール。
【0012】
(5) 前記ハンドルは、その端部にフック部を備え、
前記取付部は、前記フック部を通過可能な第1の貫通孔と、該第1の貫通孔の近傍に設けられ、前記フック部の先端を挿入して係止可能な第2の貫通孔とを備える上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の蓄電池モジュール。
【0013】
(6) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の蓄電池モジュールと、
該蓄電池モジュールを収納可能な筐体とを有することを特徴とする蓄電池ユニット。
【0014】
(7) 前記筐体は、複数の前記蓄電池モジュールを積み重ねた状態で収納可能である上記(6)に記載の蓄電池ユニット。
【0015】
(8) さらに、各前記蓄電池モジュールに着脱自在に取付可能であり、前記複数の蓄電池モジュールにおいて共用されるハンドルを有する上記(7)に記載の蓄電池ユニット。
【0016】
(9) 前記筐体は、上部開口を備える本体部と、前記上部開口を塞ぐようにして前記本体部に着脱自在に固定される蓋部とを備え、
前記蓋部は、その内面に前記ハンドルを固定し得るように構成されている上記(8)に記載の蓄電池ユニット。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ハンドルを取付可能なことにより、電池モジュールの重量が増大した場合でも、その設置作業を人手によって容易に行うことができる。また、狭小スペースであっても、かかる設置作業を簡便かつ短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の蓄電池モジュールを示す斜視図である。
図2図1に示す蓄電池モジュールの平面図(a)、側面図(b)および前面図(c)である。
図3】蓄電池本体の分解斜視図である。
図4】ブラケットの斜視図である。
図5】ハンドルを取り付けた状態の蓄電池モジュールを示す斜視図である。
図6】本発明の蓄電池ユニットを示す分解斜視図である。
図7】ハンドルを固定した状態の蓋部の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の蓄電池モジュールおよび蓄電池ユニットについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の蓄電池モジュールを示す斜視図、図2は、図1に示す蓄電池モジュールの平面図(a)、側面図(b)および前面図(c)、図3は、蓄電池本体の分解斜視図、図4は、ブラケットの斜視図、図5は、ハンドルを取り付けた状態の蓄電池モジュールを示す斜視図、図6は、本発明の蓄電池ユニットを示す分解斜視図、図7は、ハンドルを固定した状態の蓋部の底面図である。
【0021】
なお、各図では、その特徴を判り易くするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。また、以下に例示される材料、寸法等は一例であって、本発明は、それらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0022】
また、以下では、説明の都合上、図1図8中の右側を「前側」または「前方」と、左側を「後側」または「後方」と言い、上側を「上側」または「上方」と、上側を「下側」または「下方」と言う。
【0023】
図1および図2に示す蓄電池モジュール1は、積層部2と電気接続部3とを備える蓄電池本体4と、蓄電池本体4の側部に設けられた一対のブラケット部材5とを有しており、2つのハンドル6が一対のブラケット部材5に着脱自在に取付可能となっている。
【0024】
図3に示すように、積層部2は、複数のシート状の蓄電池セル21を備え、2つの蓄電池セル21が1つの枠状の支持枠22内に収納されている。各蓄電池セル21は、例えば、リチウムイオン二次電池で構成することができる。
【0025】
また、積層部2は、その最上部に配置された天板23と、最下部に配置された底板24とを備えている。
すなわち、本実施形態の積層部2は、底板24、2つの蓄電池セル21を収納した複数の支持枠22および天板23が、この順で積層されて構成されている。
【0026】
支持枠22、天板23および底板24は、それぞれ比較的硬質の樹脂材料で構成されている。かかる樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ABS等が挙げられる。
また、積層部2を構成する各部の平面視形状は、長方形状をなしており、積層部2および蓄電池本体4は、直方体状(長尺状)をなしている。
【0027】
各蓄電池セル21は、図3に示すように、その前方および後方に設けられた一対の端子用タブ211を備えている。積層部2の組立状態において、複数の端子用タブ211は、積層部2から突出している。
【0028】
積層部2の前方端部および後方端部には、複数の端子用タブ211に電気的に接続されるように、電気接続部3が設けられている。また、前方の電気接続部3の前面には、ケーブルを接続するための2つのコネクタ31、32が設けられている。
【0029】
このような蓄電池本体4の長手方向の両側部には、一対のブラケット部材5が設けられている。すなわち。一対のブラケット部材5は、蓄電池本体4を介して対向配置されている。この状態で、コネクタ31、32は、一対のブラケット部材5同士の間で、前方に突出している。
【0030】
図4に示すように、各ブラケット部材5は、蓄電池本体4の側面、上面縁部、下面縁部、前面縁部および後面縁部を覆う枠状の本体部51と、本体部51の前端上下で内側に突出する一対の板片52と、本体部51の後端上下で内側に突出する一対の板片53とを備えている。
【0031】
各板片52、53は、本体部51と一体的に形成され、その所定の箇所には、複数の貫通孔521、531が形成されている。一対のブラケット部材5を蓄電池本体4の両側部に取り付け、ネジを貫通孔521、531に挿通して、蓄電池本体4(本実施形態では、電気接続部3)の所定の箇所に設けられたネジ穴に螺合させることにより、これらを互いに固定することができる。
【0032】
この状態で、一対のブラケット部材5により、蓄電池本体4が分解するのを阻止することができる。すなわち、積層部2と積層部2に電気的に接続された電気接続部3とが互いに分離することや、蓄電池セル21、支持枠22、天板23および底板24が互いに分離することを阻止することができる。
【0033】
なお、蓄電池本体4を構成する各部を、例えば、接着剤による接着、ネジ止め等してもよいが、一対のブラケット部材5により、蓄電池本体4の各部(積層部2および電気接続部3)を一括して固定すれば、蓄電池モジュール1の構成の簡素化を図るとともに、製造コストを低減することもできる。また、蓄電池モジュール1のメンテナンスの際に、蓄電池本体4を分解することも容易になる。
【0034】
このようなブラケット部材5は、所定の形状に加工された一枚の板材を折り曲げることにより作製することができる。ブラケット部材5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄等が挙げられる。かかる材料でブラケット部材5を構成することにより、ブラケット部材5を介した放熱効果も期待できる。
【0035】
図1に示すように、一対のブラケット部材5のうちの紙面手前側のブラケット部材5の前端には、前方に向かって突出する板片511が設けられている。この板片511は、図2(b)に示すように、蓄電池モジュール1(蓄電池本体4)の側面視において、コネクタ31、32に重なるような大きさを有している。このため、蓄電池モジュール1の移動作業や設置作業の際に、他の部材が接触して、コネクタ31、32が破損するのを防止することができる。
【0036】
各ブラケット部材5の蓄電池本体4の側面を覆う部分には、2つの長尺の大開口512が形成されている。このため、一対のブラケット部材5を蓄電池本体4の両側部に取り付けた状態で、積層部2の側面が大開口512から外部に露出する。これにより、蓄電池本体4(蓄電池セル21)が発熱しても、その熱を蓄電池モジュール1外に効率よく排出することができる。
【0037】
また、各ブラケット部材5の蓄電池本体4の上面縁部を覆う部分には、その長手方向に沿って長孔(第1の貫通孔)513と、この長孔513の近傍に小孔514とが形成されている。各ブラケット部材5では、長孔513と小孔514との組が前後2組設けられている。なお、前側の組と後側の組とでは、長孔513と小孔514との位置関係が逆転している。
【0038】
これらの長孔513および小孔514が、ブラケット部材5にハンドル6を着脱自在に取り付けるための取付部を構成している。ハンドル6は、蓄電池本体4(蓄電池モジュール1)の位置を変更する際に使用可能な部材である。
各ハンドル6は、図1に示すように、手を掛ける帯状の把持部61と、把持部61の両端から下方に延びる一対の脚部62と、各脚部62の下端部(把持部61と反対側の端部)に設けられたU字状をなすフック部63とを備えている。
【0039】
また、把持部61の前端および後端には、把持部61の長手方向に沿って、把持部61と一体的に形成された長尺の板片611および612が設けられている。板片611および612を設けることにより、把持部61(ハンドル6)の機械的強度を向上させることができる。
また、板片611の所定の位置には、2つの貫通孔611aが形成されている。
【0040】
このようなハンドル6は、所定の形状に加工された一枚の板材を折り曲げることにより作製することができる。ハンドル6の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄等が挙げられる。
【0041】
ブラケット部材5の長孔513は、ハンドル6のフック部63を通過可能な大きさを有している。また、小孔514は、フック部63の先端を挿入して係止可能な大きさを有している。
【0042】
このため、ハンドル6の各フック部63を一対のブラケット部材5の対応する長孔513に挿通し、ハンドル6を蓄電池モジュール1に対して前方または後方に若干スライドさせた後、各フック部63の先端が小孔514に挿入されるように、ハンドル6を蓄電池モジュール1から離間させることにより、ハンドル6の一端部が一方のブラケット部材5に、その他端部が他方のブラケット部材5に取り付けられる。これにより、図5に示すように、蓄電池モジュール1は、ハンドル6を取り付けた取付状態となる。
【0043】
このように、ハンドル6を蓄電池モジュール1に取り付けることにより、蓄電池モジュール1の移動作業や設置作業を、特に狭小スペースであっても、人手により容易に行うことができる。また、ハンドル6は、蓄電池モジュール1から取り外すこともできるため、後述するように、複数の蓄電池モジュール1を積み重ねて設置する場合でも、全体として大きさが増大することを防止することもできる。
【0044】
なお、取付部は、例えば、各ブラケット部材5の上面に突出して設けられ、ハンドル6の各フック部63を係止可能な係止片(例えば、ピン等)で構成することもできる。
また、取付部は、蓄電池本体4(積層部2および/または電気接続部3)に設けるようにしてもよい。この場合、各ブラケット部材5への取付部の形成を省略してもよく、各ブラケット部材5自体を省略してもよい。
【0045】
蓄電池モジュール1の長辺(長手方向の長さ)は、好ましくは200~800mm程度であり、短辺(短手方向の長さ)は、好ましくは150~300mm程度である。また、蓄電池モジュール1の高さは、好ましくは50~200mm程度である。
【0046】
以上説明したような蓄電池モジュール1を、筐体に収納することにより、蓄電池ユニットが構成される。
図6に示す蓄電池ユニット100は、複数の蓄電池モジュール1と、複数の蓄電池モジュール1を制御する制御モジュール10と、これらを収納する筐体20とを有している。
【0047】
筐体20は、上部開口201aを備える本体部201と、上部開口201aを塞ぐようにして本体部201に着脱自在に固定される蓋部202とを備えている。また、本体部201は、枠体と、この枠体に、例えばネジ止め、溶接等により取り付けられた複数の板材とで構成されている。
【0048】
本実施形態の筐体20では、複数の蓄電池モジュール1を積み重ねた状態で収納可能となっている。これにより、蓄電池モジュール1の設置数を変更することにより、蓄電池ユニット100の電池容量を調節することができる。
なお、図示の構成では、筐体20の紙面手前側にのみ、蓄電池モジュール1を積み重ねて配置するようになっているが、紙面奥側にも複数の蓄電池モジュール1を積み重ねて配置することもできる。
【0049】
積み重ねられた複数の蓄電池モジュール1の上には、固定プレート30が配置され、固定プレート30が、図中矢印で示すネジにより、本体部201の枠体にネジ止めされる。これにより、複数の蓄電池モジュール1も本体部201の枠体に固定される。
かかる構成によれば、蓄電池モジュール1同士をネジ止めすることなく、一括して本体部201(筐体20)に固定することができるため、部品点数の削減を図ることができるとともに、蓄電池ユニット100の設置作業をより簡略化することができる。
【0050】
また、固定プレート30は、本体部201の枠体を構成し、互いに対向配置された部材同士を連結する梁としても機能するため、本体部201(筐体20)の機械的強度を向上させることもできる。すなわち、固定プレート30は、筐体20を補強する機能も有する。
【0051】
この固定プレート30上には、制御モジュール10が配置され、図中矢印で示すネジにより、固定プレート30にネジ止めされる。
制御モジュール10は、例えば、交流電流と直流電流との電力変換を行う機能、蓄電池モジュールの異常の有無をモニターする機能、蓄電池モジュール1の充電量をモニターする機能、異常時に電流を遮断する機能、外部機器との通信機能等を有している。
【0052】
本体部201内に、複数の蓄電池モジュール1および制御モジュール10を収納した状態で、本体部201の上部開口201aを塞ぐように、本体部201に蓋部202が装着される。
蓋部202は、長方形状(上部開口201aに対応した形状)の平板で構成され、四つの角部にそれぞれ貫通孔2021が形成されている。図中矢印で示すネジを貫通孔2021に挿通し、本体部201の枠体に設けられたネジ穴に螺合する。これにより、蓋部202が本体部201に固定される。
【0053】
また、蓋部202の底面(内面)の所定の位置には、4つのネジ孔が形成されている。蓋部202の底面に2つのハンドル6を配置し、板片611に形成された貫通孔611aにネジを挿通し、蓋部202の底面に形成されたネジ孔に螺合させることにより、図7に示すように、各ハンドル6を蓋部202に固定することができる。
【0054】
この状態で、蓋部202を本体部201に固定することにより、2つのハンドル6も筐体20内に収納することができる。これにより、ハンドル6が邪魔にならず、またデッドスペースの有効利用を図ることもできる。
なお、ハンドル6の蓋部202の底面への固定は、ネジ止めに限らず、例えば、クリップのような挟持部材による固定、ハンドル6に嵌合する嵌合部材による固定等であってもよい。
【0055】
筐体20および固定プレート30の構成材料としては、それぞれ、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄等が挙げられる。かかる材料で筐体20および固定プレート30を構成することにより、これらを介した放熱効果も期待できる。
【0056】
このような蓄電池ユニット100によれば、各蓄電池モジュール1の構成は、同一であるため、2つのハンドル6を複数の蓄電池モジュール1において共用することができ、利便性が高い。
なお、本体部201の内面に、高さ方向に沿ってガイドを設けるようにしてもよい。このガイドにブラケット5の板片511を沿わせて、蓄電池モジュール1を本体部201内に誘導することにより、本体部201に対する蓄電池モジュール1の位置決めが容易になる。
【0057】
以上、本発明の蓄電池モジュールおよび蓄電池ユニットについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の蓄電池モジュールおよび蓄電池ユニットは、それぞれ他の任意の構成を有していてもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
【符号の説明】
【0058】
1 蓄電池モジュール
2 積層部
21 蓄電池セル
211 端子用タブ
22 支持枠
23 天板
24 底板
3 電気接続部
31、32 コネクタ
4 蓄電池本体
5 ブラケット部材
51 本体部
511 板片
512 大開口
513 長孔
514 小孔
52 板片
521 貫通孔
53 板片
531 貫通孔
6 ハンドル
61 把持部
611 板片
611a 貫通孔
612 板片
62 脚部
63 フック部
100 蓄電池ユニット
10 制御モジュール
20 筐体
201 本体部
201a 上部開口
202 蓋部
2021 貫通孔
30 固定プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7