(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】プラグコネクタ機器
(51)【国際特許分類】
H01R 13/629 20060101AFI20220308BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
H01R13/629
H01R13/639 Z
(21)【出願番号】P 2019521133
(86)(22)【出願日】2017-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2017073247
(87)【国際公開番号】W WO2018072940
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102016120063.8
(32)【優先日】2016-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506333314
【氏名又は名称】ローゼンベルガー ホーフフレクベンツテクニーク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】ペムヴァイザー、マヌエル
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-319742(JP,A)
【文献】特開平11-074017(JP,A)
【文献】特開2015-069871(JP,A)
【文献】特開2009-129884(JP,A)
【文献】特開2013-125585(JP,A)
【文献】米国特許第05928011(US,A)
【文献】特開2006-351415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的かつ電気的接続を確立するために相互にプラグ接続可能な第1のプラグコネクタ(2)及び第2のプラグコネクタ(3)と、
前記プラグコネクタ(2、3)の前記接続を保持するために前記第1のプラグコネクタ(2)のハウジング(2.1)に設置された付加的な接続器具(5)と
を具備するプラグコネクタ機器(1)であって、
前記接続器具(5)は、少なくとも1個の第1のゲートパーツ(6)を有し、前記第2のプラグコネクタ(3)のハウジング(3.1)は、少なくとも1個の第2のゲートパーツ(7)を有し、前記第1のゲートパーツ(6)及び前記第2のゲートパーツ(7)は、ゲートガイドを共同して構成し、
前記ゲートガイドの前記2個のゲートパーツ(6、7)は、前記プラグコネクタ(2、3)が予備ラッチ位置で相互にプラグ接続するとき前記2個のゲートパーツ(6、7)が第1の相対位置関係になるように、設置及び構成され、
前記接続器具(5)は、少なくとも1個のガイド(9)を用いて、前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)に接続され、
前記プラグコネクタ(2、3)は、前記2個のゲートパーツ(6、7)が第2の相対位置関係にあるとき前記プラグコネクタ(2、3)が端子位置で相互にプラグ接続するように、前記ガイド(9)及び前記ゲートガイドを用いて機械的に連結され、
前記接続器具(5)は、前記2個のゲートパーツ(6、7)を
前記第1の相対位置関係から前記第2の相対位置関係に移動させるように、前記第1のゲートパーツ(6)を用いてアンロック位置からロック位置まで前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)に対して相対的に、前記ガイド(9)に沿って移動可能であり、
前記接続器具(5)は、少なくとも1個の固定部材(12)を有し、前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)は、少なくとも1個の移動止め面(13)を有し、
前記移動止め面(13)は、前記プラグコネクタ(2、3)の非プラグ接続状態において、前記接続器具(5)が前記アンロック位置から前記ロック位置に向かう
方向に移動するのを規制し、
前記第2のプラグコネクタ(3)は、少なくとも1個のアンロック部材(14)を有し、前記アンロック部材(14)は、前記プラグコネクタ(2、3)を相互にプラグ接続するとき、好ましくは前記予備ラッチ位置に到達するとき、前記固定部材(12)及び前記ハウジング(2.1)の前記移動止め面(13)が前記アンロック位置から前記ロック位置への前記接続器具(5)の前記移動路をブロックしないように、前記少なくとも1個のアンロック部材(14)が前記少なくとも1個の固定部材(12)を移動または動作させるように設置及び構成され、
前記第2のゲートパーツ(7)と前記アンロック部材(14)とはそれぞれ独立した要素であり、
前記固定部材は、スナップフィットフック(12)として構成され、前記プラグコネクタ(2、3)の前記非プラグ接続状態において前記スナップフィットフック(12)の少なくとも一部が前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)の前記移動止め面(13)を圧迫するように、プレテンションされ、
前記スナップフィットフック(12)の両端部(12.1、12.2)は、前記接続器具(5)に接続され、
前記スナップフィットフック(12)は、曲がっており、角に近い領域が前記接続器具(5)の移動路において前記ハウジング(2.1)の前記移動止め面(13)を圧迫することにより固定機能を有するように構成され、前記接続器具(5)は、前記プラグコネクタ(2、3)が相互にプラグ接続しているときに前記第2のプラグコネクタ(3)の前記アンロック部材(14)が移動路から外れた位置にある前記角を押圧することにより、解放される
プラグコネクタ機器(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記接続器具(5)は、前記第1のプラグコネクタ(2)に離脱不可能に接続する
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記接続器具(5)は、少なくとも1個の移動止め部材(10)を有し、前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)は、少なくとも1個の移動止め(11)を有し、前記移動止め部材(10)及び前記移動止め(11)は、前記接続器具(5)が前記アンロック位置から前記ロック位置への方向及び/又は逆方向に前記ガイド(9)に沿って移動する限界を定める
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項4】
請求項1乃至
3の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)と前記接続器具(5)との間の前記ガイド(9)は、前記2個のプラグコネクタ(2、3)を相互にプラグ接続するプラグ嵌合方向に対して45度から90度の角度、好ましくは90度の角度に延在する
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)と前記接続器具(5)との間の前記ガイド(9)は、レールシステムとして構成され、好ましくはTレールシステム、Lレールシステム又はさね継ぎ接続として構成され、特に好ましくは鳩尾継ぎ接続として構成される
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項6】
請求項1乃至
5の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記第1のゲートパーツはポジティブガイド(6)として構成され、前記第2のゲートパーツはゲートブロック(7)として構成される
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項7】
請求項
6に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記ポジティブガイド(6)は、前記ポジティブガイド(6)及び前記ゲートブロック(7)が前記第2の相対位置関係にあるとき前記ゲートブロック(7)が位置する領域に、前記ゲートブロック(7)を収容する収容部(6.1)、好ましくは形状にフィットする収容部、特に好ましくはスナップフィット収容部、最も好ましくはC型スナップフィット収容部を有する
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記接続器具(5)は、前記接続器具(5)が前記ガイド(9)に沿って前記アンロック位置から前記ロック位置へ移動するために前記接続器具(5)に圧縮力を印加することが可能なように、前記第1のプラグコネクタ(2)の前記ハウジング(2.1)と反対側を向く上側に、作動面(5.2)を有する
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記プラグコネクタ(2、3)は、同軸プラグコネクタとして構成される
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記プラグコネクタ(2、3)は、高ビットレートのデータ接続が可能に構成される
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のプラグコネクタ機器(1)であって、
前記第1のプラグコネクタは、カプラ(2)、ソケット又はアダプタとして構成され、前記第2のプラグコネクタは、プラグ(3)、インスタレーションプラグ又はアダプタとして構成される
ことを特徴とするプラグコネクタ機器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的かつ電気的接続を確立するために相互にプラグ接続可能な第1のプラグコネクタ及び第2のプラグコネクタを有するプラグコネクタ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルの組み立てにおいて、典型的には、プラグコネクタを用いて導体を接続する。プラグコネクタは、プラグ、インスタレーションプラグ、カプラ、ソケット又はアダプタとして構成可能である。本発明の文脈で使用する用語「プラグコネクタ」は、全ての変形例を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1個のプラグコネクタは、相補的な別のプラグコネクタに対して相互電気的接続を確立する役割を持つ。
【0004】
特に、自動車産業(即ち、車両)用のプラグコネクタは、プラグコネクタの堅牢性と、プラグコネクタ機器の信頼性が高く要求される。場合によっては、プラグコネクタ機器は、高い応力(例えば、機械的応力や熱的応力)に対する抵抗力が要求される。また、プラグコネクタ機器は、例えば、車両の運転中に意図せず電気的接続が遮断しないように、規定の方法で閉塞する必要がある。特に、車両の(一部)自動運転及びアシスタントシステムの場合、信頼性の保証は最重要である。
【0005】
例えば、車両の自動運転の場合又はアシスタントシステムを使用する場合、場合によっては、複数のカメラ、各種センサ及びナビゲーションソースからの大量のデータを相互に合成し、通常はリアルタイムに伝送する。このため、多数の機械、画面及びカメラを動作するためには、車両電子技術において、高出力のインフラが必要である。このため、車両内で要求されるデータレートに鑑み、プラグコネクタ及びケーブルコネクタ機器に対する要求は非常に高くなっている。同時に、プラグコネクタは、設置空間及び重量を抑えるため、可能な限り小型化して構成することも重要である。
【0006】
本発明は、車両での使用に限定されない。本発明の文脈においては、用語「車両」は、あらゆる移送手段を含み、特に、地上車両(例えば、自動車)、船舶車両又は航空車両(宇宙船を含む)を含む。
【0007】
本発明は、特定のプラグコネクタ機器又は特定のプラグコネクタの何れにも限定されない。しかしながら、本発明は、高ビットレートのプラグコネクタ(HFプラグコネクタ)に特に適する。特に、プラグコネクタは、PLプラグコネクタ、BNCプラグコネクタ、TNCプラグコネクタ、SMBA(FAKRA)プラグコネクタ、Nプラグコネクタ、7/16プラグコネクタ、SMAプラグコネクタ、SMBプラグコネクタ、SMSプラグコネクタ、SMCプラグコネクタ又はSMPプラグコネクタとして構成することができる。
【0008】
好ましくは、プラグコネクタ機器は、所謂HFM(「High Speed FAKRA Mini」)プラグコネクタ機器として構成することができる。公知技術によれば、このタイプのプラグコネクタ機器は、最大15GHzの周波数及び最大20Gbit/sのデータレートを使用可能である。同時に、このプラグコネクタは、例えば従来のFAKRA規格に比較して、非常に小型であり場所を取らない。
【0009】
実践上公知であるが、プラグコネクタは、スナップフィット接続で接続される。スナップフィット接続とは、プラグコネクタ機器を、(機械的に解放可能な方法で)固定しつつ、相互にプラグ接続する方法である。例えば、米国特許出願公開第2003/0176104号明細書は、プラスチック製ハウジングを有する同軸プラグコネクタを開示する。この同軸プラグコネクタは、所謂FAKRA規格方式に対応し、SMB接続し、スナップフィット接続を開示する。
【0010】
BNCプラグコネクタについて、例えば、独国実用新案第202013000877号明細書は、同軸プラグコネクタを開示する。さらに、プラグコネクタ機器をバイオネット(差し込み)フィッティングにより機械的に固定することが公知である。バイオネットフィッティングの実装において、一方のプラグコネクタに、突起が構成される。他方のプラグコネクタの頭部に、螺旋状の溝を有するバイオネットナットが構成される。突起は、螺旋状の溝に挿入可能である。挿入後、バイオネットナットを回転させることにより、バイオネットフィッティングを閉塞する。これにより、2個のプラグコネクタが接続され、内側で相互に固定される。しかしながら、BNCプラグコネクタは、全ての用途に適しているわけではない。典型的には、BNCプラグコネクタは、最大4GHzの周波数で信号を伝送するのにしか使用できない。
【0011】
実践上証明されているが、プラグコネクタ機器を機械的に固定することは、電気的接続の品質に大きく影響する。プラグコネクタ機器を機械的に固定することで、例えば、電磁的密閉性又は遮蔽性や、安定性、耐震性及び結果的に低抵抗の接触面が保証されるためである。ここで論証したように、公知のスナップフィット接続は、比較的高いデータレート又は比較的高い伝送周波数を達成するための課題を十分解決するものではない。
【0012】
本発明の目的は、特に信頼性が高く操作しやすいプラグコネクタ機器を達成することにある。特に、本発明の目的は、設置空間を小型化したまま、高データレートで使用可能なプラグコネクタ機器を達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1に記載の特徴により達成される。
【0014】
従属請求項及び以下に説明する特徴は、本発明の有利な実施形態及び変形例に関する。
【0015】
本発明によれば、プラグコネクタ機器は、機械的かつ電気的接続を確立するために相互にプラグ接続可能な第1のプラグコネクタ及び第2のプラグコネクタを有する。プラグコネクタ機器は、さらに、前記プラグコネクタの前記接続を保持するために前記第1のプラグコネクタのハウジングに設置された付加的な接続器具を有する。
【0016】
さらに、特殊な用途のプラグコネクタは、機械的かつ電気的接続を確立するために、さらに別の手段を有してもよい。プラグコネクタは、例えば、プラグコネクタの各部材同士が力学的にフィット又は形状的にフィットする手段を有してもよい。さらに、機械的及び/又は磁気的にコーディングする特徴を設けてもよい。これにより、相互に対応するプラグコネクタのみが、相互にプラグ接続可能となり、及び/又は、プラグコネクタは、所望の配向でのみ相互にプラグ接続可能となる。
【0017】
本発明によれば、接続器具は、少なくとも1個の第1のゲートパーツを有し、前記第2のプラグコネクタのハウジングは、少なくとも1個の第2のゲートパーツを有し、前記第1のゲートパーツ及び前記第2のゲートパーツは、ゲートガイドを共同して構成する。前記ゲートガイドの前記2個のゲートパーツは、前記プラグコネクタが予備ラッチ位置で相互にプラグ接続するとき前記2個のゲートパーツが第1の相対位置関係になるように、設置及び構成される。
【0018】
以下、「2個の」ゲートパーツと称する場合、「少なくとも1個の第1のゲートパーツ」及び「少なくとも1個の第2のゲートパーツ」を意味すると理解されたい。
【0019】
予備ラッチ位置にあるプラグコネクタ同士は、好ましくは、第1の位置で相互にプラグ接続するが、まだ、電気的及び機械的に完全には接続していない。予備ラッチ位置での電気的接続は、まだ不完全でもよいし、あるいは、完全に確立してもよいが、オプションである。特に、遮蔽性についても、同じことが言える。プラグコネクタ同士を、予備ラッチ位置に移動することができる。予備ラッチ位置においては、特に力(エネルギー)の観点で大きな労力を全く必要とせずに、従来の形態のプラグコネクタ同士を、プラグ嵌合方向に軸状に相互にプラグ接続することができる予備ラッチ位置において、少なくともプラグコネクタ同士の個々の部材(好ましくは、ハウジングパーツ又はラッチ部材)を、相互に挿入し、プラグコネクタを緩く保持しておく(あるいは、オプションではあるが、第1の固定機構に挿入しておく)のが好ましい。
【0020】
さらに、本発明によれば、前記接続器具は、少なくとも1個のガイドを用いて、前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングに接続される。
【0021】
これにより、接続器具は、ハウジング上をガイドに沿って移動することができる。あるいは、接続器具は、第1のプラグコネクタのハウジングに対して互いに相対的に移動することができる。
【0022】
前記プラグコネクタは、前記2個のゲートパーツが第2の相対位置関係にあるとき前記プラグコネクタが端子位置で相互にプラグ接続するように、前記ガイド及び前記ゲートガイドを用いて機械的に連結される。
【0023】
各ゲートパーツは、開口(即ち、位置決めシステム領域)又は収容部を有してもよい。これにより、予備ラッチ位置においてプラグコネクタ同士が相互にプラグ接続するとき、終端側の対応するゲートパーツを(即ち、プラグ嵌合方向又は軸方向に)受け入れることができる。続いて、好ましくは、受け入れられたゲートパーツは、受け入れる側のゲートパーツ内で、ポジティブにガイドされる。これにより、結果的に、従来のゲートガイドが提供される。
【0024】
接続器具は、ガイドを用いて、第1のプラグコネクタのハウジングに機械的に接続される。第2のプラグコネクタは、ゲートガイドにより、接続器具に接続される。これにより、ガイド及びゲートガイドを用いて、プラグコネクタのハウジング同士を機械的に接続することができる。
【0025】
本発明によれば、前記接続器具は、前記2個のゲートパーツを前記第2の位置に移動させるように、前記第1のゲートパーツを用いてアンロック位置からロック位置まで前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングに対して相対的に、前記ガイドに沿って移動可能である。
【0026】
接続器具は、アンロック位置からロック位置まで、第1のプラグコネクタのハウジングに対して相対的に、ガイドに沿って移動する。このとき、この移動により、2個のゲートパーツが第2の相対位置関係まで移動する。結果的に、接続器具の移動が、ゲートガイドを用いて、第2のプラグコネクタに伝達する。これにより、プラグコネクタ同士が相互に向かい合うように移動し、端子位置において相互にプラグ接続する。これにより、接続器具を動かすだけで、プラグコネクタを端子位置に移動させることができる。好ましくは、接続器具がガイドに沿って相対移動する間、プラグコネクタ同士が、プラグ嵌合方向に相互に移動する。
【0027】
接続器具は、好ましくは、少なくとも略U字形に構成される。接続器具外側は、第1のプラグコネクタのハウジングに接する。
【0028】
第1のプラグコネクタのハウジングは、断面視したとき、好ましくは角張り、好ましくは長方形に構成され、特に好ましくは正方形に構成される。好ましくは、対応する第2のプラグコネクタのハウジングも、断面視したとき、好ましくは角張り、好ましくは長方形に構成され、特に好ましくは正方形に構成される。従って、好ましくは、接続器具は、変形したU字形を有する。さらに、好ましくは、U字形の接続器具の脚と、第1のプラグコネクタのハウジングの隣接するハウジング面との間に、2個のガイドが構成される。
【0029】
本発明の設計により改良されたプラグコネクタは、高データレートでデータを伝送できる。特に、公知技術に対策を付加しない場合に伝送可能なレートよりも高いレートで、データを伝送できる。特に、公知のHFMプラグコネクタ機器を用いて伝送可能なレートよりも高いレートで、データを伝送できる。
【0030】
接続を改良したことにより、場合によっては、18GHzより高い周波数かつ24Gbit/sより高いデータレートで、データを伝送することができる。
【0031】
付加的な接続器具を使用することにより、接続器具パーツの他の公差が大きい場合でも、プラグコネクタ機器が電気的及び機械的に確実に接続するのを保証することができる。本発明によれば、プラグコネクタ機器は、特に高消費電力に適している。プラグコネクタ機器は、欠陥の影響を受けにくい。プラグコネクタ機器の部材の公差が大きい場合も、その影響を受けにくい。
【0032】
従来のラッチロッカー(振り子)又はスナップフィット接続においては、プラグコネクタ同士を端子位置に固定することが意図されている。これらの接続で考慮されている公差のサイズでは、さらに対策を付加しなければ、特に高いデータレートを達成できない。
【0033】
本発明に係るプラグコネクタは、設置空間が小さく済むように設計される。この目的を達成するプラグコネクタとして、例えば、HFMプラグコネクタ機器用のプラグコネクタを構成することができる。
【0034】
本発明に係るプラグコネクタは、車両(特に、自動車)内での使用に特に有利である。潜在的な用途分野として、自動運転、運転手アシスタントシステム、ナビゲーションシステム、インフォテインメントシステム、後部客席用エンターテインメントシステム、インターネット接続及びワイヤレスギガビット(IEEE802.11ad規格)が挙げられる。潜在的用途として、高解像度カメラ(例えば4K及び8Kカメラ)、センサシステム、車載コンピュータ、高解像度画面、高解像度ダッシュボード、3Dナビゲーション機器及び携帯電話機器が挙げられる。本発明に係るプラグコネクタは、電子技術の全分野の任意の用途に適するものであり、自動車技術の使用に限定されないものと理解されたい。
【0035】
一改良点によれば、特に、プラグコネクタは、高ビットレートでデータ接続可能に構成してもよい。
【0036】
プラグコネクタ機器の相互プラグ接続状態の機械的かつ電気的接続を改良することにより、本発明に係るプラグコネクタ機器は、高データレートで信号を伝送するのに特に適している。何故なら、この場合の費用対効果が最も有利だからである。
【0037】
本発明に係るプラグコネクタは、任意のプラグコネクタ機器として構成することができる。
【0038】
好適な一改良点によれば、プラグコネクタは、同軸プラグコネクタとして構成されても良い。
【0039】
同軸ケーブル及び付随する同軸プラグコネクタは、良好な電気的遮蔽性を有する。このため、このタイプ(同軸タイプ)の設計の実施形態は、本発明に係るプラグコネクタ機器に、特に適している。
【0040】
第1及び/又は第2のプラグコネクタは、オプションではあるが、回路基板プラグコネクタとして構成してもよい。
【0041】
一改良点によれば、第1のプラグコネクタは、カプラ又はソケットとして構成してもよい。第2のプラグコネクタは、プラグ又はインスタレーションプラグとして構成してもよい。また、第1及び/又は第2のプラグコネクタは、アダプタとして構成してもよい。
【0042】
本発明に係るプラグコネクタの構成は、一直線状でもよいし、及び/又は、曲がっていてもよい。
【0043】
プラグコネクタ機器は、任意のケーブル径のケーブルに使用可能でもよい。好ましくは、プラグコネクタ機器は、0.5mmから10mmまで、特に好ましくは、1mmから5mmまでのケーブル径に使用可能でもよい。プラグコネクタ機器は、最も好ましくは、1.2mm、2.9mm又は3.6mmのケーブル径に使用可能でもよい。
【0044】
好ましくは、プラグコネクタは、ウォータープルーフに構成してもよい。特に、プラグコネクタ機器が相互プラグ接続状態であるときにウォータープルーフであるプラグコネクタを構成してもよい。
【0045】
プラグコネクタの導体又は内部導体の数は、それぞれ任意でよい。一実施形態に係る設計によれば、1本の導体、2本の導体、3本の導体、4本の導体、5本の導体、6本以上の導体が、特に好ましい。
【0046】
本発明の一改良点によれば、前記接続器具は、前記第1のプラグコネクタに離脱不可能に接続してもよい。
【0047】
これにより、組み立てをシンプルにできる。さらに、特に、組み立て作業中に接続器具をなくすことを防止できる。
【0048】
接続器具は、固定ワイヤ等を用いて、第1のプラグコネクタに対して、離脱不可能にかつ緩く接続してもよい。しかしながら、また、接続器具が第1のプラグコネクタのハウジングに対して基本位置にある状態で、接続器具を第1のプラグコネクタに対して離脱不可能に接続してもよい。あるいは、接続器具が第1のプラグコネクタのハウジングに対して本発明のアンロック位置にある状態で、接続器具を第1のプラグコネクタに対して離脱不可能に接続してもよい。
【0049】
あるいは、接続器具は、プラグコネクタ機器の一部ではあるが、離れた状態でもよい。この場合、例えば、予備ラッチ位置でプラグコネクタ同士を相互にプラグ接続する後又は前に、接続器具を、第1のプラグコネクタに装着すればよい。
【0050】
本発明の一改良点によれば、前記接続器具は、少なくとも1個の移動止め部材を有し、前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングは、少なくとも1個の移動止めを有し、前記移動止め部材及び前記移動止めは、前記接続器具が前記アンロック位置から前記ロック位置への方向及び/又は逆方向に前記ガイドに沿って移動する限界を定めてもよい。
【0051】
この設計のため、接続器具を、第1のプラグコネクタのハウジングに接続することができる。これにより、接続器具は、接続器具の移動方向の少なくとも一方向に離脱不可能となる。
【0052】
好ましくは、接続器具の移動止め部材は、タブ又は突起として構成される。好ましくは、移動止め部材は、接続器具の基本形状よりも後方に、プラグ嵌合方向に突出し、移動止めに干渉する。
【0053】
1個の移動止め部材及び1個の移動止めのみを設け、これにより、接続器具の一方向の移動の限界を定めてもよい。例えば、接続器具が常に一方向のみに離脱するように、接続器具が別の手段により保持されているとする。この場合、接続器具の一方向の移動の限界を定めることは有利である。
【0054】
好ましくは、接続器具は少なくとも1個の移動止め部材を有し、第1のプラグコネクタのハウジングは少なくとも1個の移動止めを有せばよい。これにより、接続器具がガイドに沿ってロック位置からアンロック位置を超えて移動することの限界を定めることができる。
【0055】
好ましくは、共通の設計を有する2個以上のガイドを設ければよい。
【0056】
本発明によれば、好ましくは、プラグコネクタ機器は、2個のガイドを有する。好ましくは、接続器具は、第1のプラグコネクタのハウジングの両側上でガイドされる。このとき、好ましくは、2個のガイドは、鏡面対称に設置及び構成される。この構成は、接続器具を第1のプラグコネクタのハウジングに対して相対的にガイドするのに、特に好適である。
【0057】
接続器具は、実質的にU字形に構成すればよい。好ましくは、全てのガイド部材(特に、ゲートガイド及びガイド)及び全ての固定部材(特に、移動止め、移動止め部材、固定部材(後述)及びアンロック部材(後述))は、第1のプラグコネクタの両側に、第1のプラグコネクタのハウジングの両側に、又は、接続器具の両脚の両側に、対称に設置される。このように対称に設置される場合、U字形の構成は有利である。
【0058】
接続器具がU字形に構成される場合、接続器具がガイドに沿って移動する限界を定めるのは、一方向で足りる。何故なら、U字形の構成によれば、脚同士を接続する面を用いて、逆方向への離脱を本質的に規制することができるためである。
【0059】
一改良点によれば、前記接続器具は、少なくとも1個の固定部材を有し、前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングは、少なくとも1個の移動止め面を有し、前記移動止め面は、前記プラグコネクタの非プラグ接続状態において、前記接続器具が前記アンロック位置から前記ロック位置に向かう前記方向に移動するのを規制してもよい。
【0060】
アンロック位置又は基本位置において、接続器具を固定することは有利になりうる。これにより、予備ラッチ位置でプラグコネクタ同士が容易に相互にプラグ接続することが保証される。このとき、接続器具を何ら動かしたり精査したりする必要が無い。これにより、プラグコネクタ機器を特に容易に取り扱いやすく、動作時に不具合が発生しにくい。
【0061】
本発明の一改良点によれば、さらに、前記第2のプラグコネクタは、少なくとも1個のアンロック部材を有し、前記アンロック部材は、前記プラグコネクタを相互にプラグ接続するとき、好ましくは前記予備ラッチ位置に到達するとき、前記固定部材及び前記ハウジングの前記移動止め面が前記アンロック位置から前記ロック位置への前記接続器具の前記移動路をブロックしないように、前記少なくとも1個のアンロック部材が前記少なくとも1個の固定部材を移動または動作させるように設置及び構成されてもよい。
【0062】
アンロック部材は、例えば、第2のプラグコネクタのハウジングの特定のモールディング成型物又は突起とすればよい。
【0063】
アンロック部材は、好ましくは、第2のプラグコネクタのハウジングから横に突出するウェブである。プラグコネクタを相互にプラグ接続するとき、アンロック部材は、固定部材を移動または動作させる。これにより固定部材は、接続器具の移動路の外に移動する。
【0064】
第2のプラグコネクタがアンロック部材を有するので、接続器具は、対応する第2のプラグコネクタと共に正しく使われるときのみ、アンロック位置からガイドに沿ってロック位置まで移動可能である。接続器具は、プラグコネクタ同士を相互にプラグ接続する。このとき、接続器具は、好ましくはプラグコネクタ同士が予備ラッチ位置に移動するとすぐに、好ましくは自動で解放する。
【0065】
好ましくは、プラグコネクタ機器は、下位互換性を有するように構成すればよい。一設計実施形態によれば、本発明に係るプラグコネクタは、HFMプラグコネクタ規格に準拠する。この場合、例えば、第1及び/又は第2のプラグコネクタは、従来のHFMプラグコネクタとも通信可能であればよく、HFMタイプのプラグコネクタとプラグ接続可能であればよい。仮に、HFMプラグコネクタとプラグ接続する場合に接続器具がオプションとして使用不可能(この場合には、例えば、アンロックすることも無い)であったとしても、下位互換性があることは、経済的な理由により有利となり得る。
【0066】
本発明の一改良点によれば、前記固定部材は、スナップフィットフックとして構成され、前記プラグコネクタの前記非プラグ接続状態において前記スナップフィットフックの少なくとも一部が前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングの前記移動止め面を圧迫するように、プレテンションされてもよい。
【0067】
スナップフィット接続は、固定部材を構成するのに特に有利であると実証されている。アンロック部材は、好ましくは第2のプラグコネクタのハウジングから突出する。このため、アンロック部材は、プラグコネクタ同士を相互にプラグ接続するとき、スナップフィットフック又はフックをシンプルな方法で作動することができる。スナップフィットフックは、以下の動作を可能にする挿入領域を有してもよい。アンロック部材は、初めにスナップフィットフックの上方に位置する。そして、アンロック部材は、プラグコネクタ同士が相互にプラグ接続するときのみ、スナップフィットフックを作動する(特に、スナップフィットフックを外側に向けて押圧する)。これは、スナップフィットフックを対応する形状にする、というシンプルな方法で達成することができる。
【0068】
この目的を達成するため、スナップフィットフックを弾性的に構成してもよい。
【0069】
オプションではあるが、スナップフィットフックは、さらに所定の限界点として構成してもよい。これにより、プラグコネクタ同士が最初に相互にプラグ接続するとき、接続器具が常時解放する。
【0070】
本発明の一改良点によれば、さらに、前記スナップフィットフックの両端部は、前記接続器具に接続されてもよい。
【0071】
発明者らの知見によれば、スナップフィットフックを両端部に固定すれば、プラグコネクタ機器がより堅牢となり、不具合を発生しにくい。これにより、比較的大きな力がスナップフィットフックに印加された場合であっても、スナップフィットフックは、固定部材としての機能を失わない。
【0072】
最も好ましくは、曲がったスナップフィットフックを構成すればよい。好ましくは、スナップフィットフックの曲がった部位(即ち、スナップフィットフックの角)に近い領域が、固定機能を有する。固定機能により、曲がった部位(即ち、角)が、接続器具の移動路に位置し、ハウジングの移動止め面を圧迫する。この場合、プラグコネクタ同士が相互にプラグ接続するとき、第2のプラグコネクタのアンロック部材が移動路から外れた位置にある角を押圧することにより、接続器具を解放することができる。特に有利には、曲がったスナップフィットフックの両端部を、接続器具に接続すればよい。
【0073】
曲がった構成のスナップフィットフックの形状は、平面視したとき、好ましくは、数字の「7」又は文字の「L」の形状を有する。スナップフィットフックは、好ましくは、相互に略直交又は直角に延在する2個の部位を有すればよい。この場合、好ましくは、2個の部位のうち一方の部位(好ましくは、長い方の部位)がプラグ嵌合方向に延在するように、スナップフィットフックを設置すればよい。このとき、他方の部位(好ましくは、短い方の部位)は、好ましくは、接続器具とハウジングと間のガイドと平行に延在すればよい。このとき、好ましくは、プラグコネクタ機器が閉塞状態でないとき、この部位の一端部(具体的に、好ましくは、2個目の部位に続く、曲がった端部)は、ハウジングの移動止め面を圧迫する。接続器具がU字形に構成される場合、この他方の部位の他端部(好ましくは、ハウジングの移動止め面から最上部まで延在する端部)は、好ましくは、作動面(U字形の接続器具の2個の脚を橋渡しする面)に接続する。これにより、プラグコネクタ機器が閉塞状態でないときに、本来接続器具をアンロック位置からロック位置まで移動させてしまう力が、意図せず作動面に印加されるとする。このとき、この力は、スナップフィットフックのこの他方の部位によって、作動面からハウジングの圧迫面に直接的に印加される。その結果、作動面に印加された力によって、スナップフィットフックが離間方向に押圧されたり屈曲したりしないため、意図せずスナップフィットフックがアンロック位置から移動することが無い。第2のプラグコネクタのハウジングのアンロック部材がスナップフィットフックを作動(好ましくは、プラグ嵌合方向に延在するスナップフィットフックの部位を外側に押圧)して初めて、接続器具は、アンロック位置からロック位置に移動可能となる。
【0074】
固定部材(特に、一設計実施形態によれば、スナップフィットフック)は、好ましくは、接続器具の壁からモールディング成型され、切削され、又は、打ち抜き成型される。あるいは、固定部材は、少なくとも、例えば、射出モールディング成型方法により、壁と一体的に製造される。あるいは、スナップフィットフック又はフックは、接続器具の壁から分離して構成してもよい。
【0075】
オプションではあるが、異なる複数の固定部材又は異なる複数のスナップフィットフックを組み合わせて、複数の固定部材として使用してもよい。例えば、直線状の外形のスナップフィットフックと、曲がった外形のスナップフィットフックとを組み合わせてもよい。
【0076】
本発明の一改良点によれば、前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングと前記接続器具との間の前記ガイドは、前記2個のプラグコネクタを相互にプラグ接続するプラグ嵌合方向に対して45度から90度の角度、好ましくは90度(言い換えれば、プラグ嵌合方向に対して直交)の角度に延在してもよい。
【0077】
あるいは、任意の直線状又は曲線状の外形を有するガイドを設けてもよい。しかしながら、構造上の理由から、直交及び直線状の外形のガイドが有利である。
【0078】
一改良点によれば、前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングと前記接続器具との間の前記ガイドは、レールシステムとして構成され、好ましくはTレールシステム、Lレールシステム又はさね継ぎ接続として構成され、特に好ましくは鳩尾継ぎ接続として構成されてもよい。
【0079】
特に有利と実証されている構成は、特に、鳩尾継ぎ接続部、又は、ガイド内で少なくとも二方向に接続器具の側壁を離脱不可能に保持するレールシステムである。鳩尾継ぎのガイドは、特に、接続器具(好ましくはU字形)が、横方向にしなって開くのを防ぐこともできるので、好ましい。
【0080】
本発明の一改良点によれば、前記第1のゲートパーツはポジティブガイドとして構成され、前記第2のゲートパーツはゲートブロックとして構成されてもよい。
【0081】
勿論、一実施形態において、前記第2のゲートパーツはポジティブガイドとして構成され、前記第1のゲートパーツはゲートブロックとして構成されてもよい。
【0082】
プラグコネクタの両側に設けられた複数のゲートガイド(例えば、2個のゲートガイド)が使用されてもよい。この場合、さらに、ゲートブロックが接続器具の一方の脚に設けられ、ポジティブガイドが他方の脚に設けられてもよい。このため、対応する(言い換えれば、補足的な)実施形態において、第2のプラグコネクタが構成される。
【0083】
好ましくは、ゲートブロックは、第2のプラグコネクタのハウジングから横に突出するピン状に構成してもよい。
【0084】
プラグ嵌合方向において、ポジティブガイドは、好ましくは、開口(即ち、位置決めシステム領域)等を有してもよい。これにより、プラグコネクタ同士が予備ラッチ位置で相互にプラグ接続するとき、ゲートブロックをポジティブガイドに容易に挿入可能となる。
【0085】
好適な一改良点によれば、前記ポジティブガイドは、前記ポジティブガイド及び前記ゲートブロックが前記第2の相対位置関係にあるとき前記ゲートブロックが位置する領域に、前記ゲートブロックを収容する収容部、好ましくは形状にフィットする収容部、特に好ましくはスナップフィット収容部、最も好ましくはC型スナップフィット収容部を有してもよい。
【0086】
ポジティブガイドは、第2の位置に、形状にフィットする収容部を有する。このため、端子位置で、第2のプラグコネクタが第1のプラグコネクタに固定する。この固定を、接続器具のみにより、少なくとも保持(又は、オプションではあるが、実現)することができる。これに替えて又はこれに付加して、別の機械的なラッチ装置を用いて、接続器具をロック位置に固定してもよい。
【0087】
特に、スナップフィット収容部として収容部を構成する場合、ゲートブロックをスナップフィット収容部にスナップフィッティングすることで、プラグコネクタ機器が自動的に端子位置に移動可能である。このため、プラグコネクタ機器がさらに不具合を発生しにくい。さらに、組立技術者は、プラグコネクタ機器の触覚的(オプションではあるが、同時に聴覚的)フィードバックシグナルを受けることができる。これにより、組立技術者は、電気的及び機械的接続が確立したことを示す所望のフィードバックを受ける。
【0088】
一改良点によれば、前記接続器具は、前記接続器具が前記ガイドに沿って前記アンロック位置から前記ロック位置へ移動するために前記接続器具に圧縮力を印加することが可能なように、前記第1のプラグコネクタの前記ハウジングと反対側を向く上側に、作動面を有してもよい。
【0089】
作動面は、好ましくは、構造的な構成を有する。さらに、これにより、組立技術者は、目視しなくても、作動面を容易に探し当てることができる。
【0090】
第1のプラグコネクタ又は第1のプラグコネクタのハウジングのそれぞれ、第2のプラグコネクタ又は第2のプラグコネクタのハウジングのそれぞれ、及び接続器具は、異なる色調で設計してもよい。これにより、組立技術者は、機械的又は電気的接続状態を極力シンプルに視覚的にチェックすることができる。このため、組立技術者は、例えば、プラグコネクタ機器が予備ラッチ位置にあるのか端子位置にあるのかを区別することができる。オプションではあるが、以下の設計を選択することにより、機械的又は電気的接続状態を特に容易に識別することができる。ポジティブガイドは、遊びを有する。遊び(即ち、窓)の形態を、以下のように予め規定しておけばよい。予備ラッチ位置において、異なる2色のプラグコネクタ同士のハウジングパーツが、遊びを介して外から見えるようにする。一方、端子位置に到達したときは、1色(好ましくは、ハウジングパーツの色)だけが、遊びを介して外から見えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1】第1のプラグコネクタ、第2のプラグコネクタ及び接続器具を有し、非プラグ接続状態である、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す斜視図である。
【
図2】第1のプラグコネクタのハウジングの移動止め面に対してロックしたときの、スナップフィットフックの構成における固定部材を示す。
【
図3】第1のプラグコネクタのハウジングの移動止め面に対してアンロックしたときの、スナップフィットフックの構成における固定部材を示す。
【
図4】第1のプラグコネクタのハウジングの移動止め面に対してロックしたときの、スナップフィットフックの構成における別の固定部材を示す。
【
図5】第1のプラグコネクタのハウジングの移動止め面に対してアンロックしたときの、スナップフィットフックの構成における別の固定部材を示す。
【
図6】第1のプラグコネクタのハウジングの移動止め面に対してロックしたときの、スナップフィットフックの構成における、曲がった外形を有する固定部材を示す。
【
図7】第1のプラグコネクタのハウジングの移動止め面に対してアンロックしたときの、スナップフィットフックの構成における、曲がった外形を有する固定部材を示す。
【
図8】予備ラッチ位置での、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す斜視図である。
【
図9】端子位置での、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す斜視図である。
【
図10】非プラグ接続状態での、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す側面図である。
【
図11】予備ラッチ位置での、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す側面図である。
【
図12】端子位置での、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す側面図である。
【
図13】予備ラッチ位置での、本発明に係るプラグコネクタ機器を示す、
図11の断面B-Bに沿った一部断面を示す平面図である。
【
図14】本発明に係るプラグコネクタ機器を拡大して示す、
図11の断面A-Aに沿った一部断面を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
以下、図面を参照して本発明の実施形態例をより詳細に説明する。
【0093】
好ましい実施形態例を図面に示す。ここで、本発明に係る個々の特徴を相互に組み合わせて図示する。一実施形態例に係る複数の特徴は、それぞれ、同じ実施形態例の別の特徴とは別に独立して実施することも可能である。従って、一実施形態例に係る複数の特徴は、それぞれ、別の目的に沿う組み合わせ及びサブコンビネーションを達成するために、当業者により他の実施形態例の特徴と組み合わせられることも可能である。
【0094】
図面において、同じ機能を有する部材には、同じ参照符号を付す。
【0095】
図1は、プラグコネクタ機器1を示す斜視図である。プラグコネクタ機器1は、機械的かつ電気的接続を確立するために相互にプラグ接続可能な第1のプラグコネクタ2及び第2のプラグコネクタ3を有する。
【0096】
一例として示すプラグコネクタ2、3は、内部導体4.1を有する4本のケーブル4を接続するための同軸プラグコネクタの一実施形態である。
【0097】
勿論、本発明の文脈においては、任意の接続数のケーブル4又は内部導体4.1を有する任意のプラグコネクタ機器1が設けられてもよい。
【0098】
本発明の実施形態例においては、HFM互換プラグコネクタ機器1を用いて示す。しかしながら、本発明は、本規格のプラグコネクタ機器に限定されるものでないと理解されたい。
【0099】
実施形態例において、第1のプラグコネクタ2は、カプラ2として構成される。第2のプラグコネクタ3は、プラグ3として構成される。しかしながら、原則的に、プラグコネクタ2、3のそれぞれは、プラグ、インスタレーションプラグ、カプラ、ソケット又はアダプタとして構成可能である。
【0100】
図示のプラグコネクタ機器1は、さらに、プラグコネクタ2、3の接続を保持するために第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1に設置された付加的な接続器具5を有する。
【0101】
本実施形態例において、接続器具5は、U字形に構成され、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1に装着される。U字形の接続器具5の両脚5.1にそれぞれ、第1のゲートパーツ6(ポジティブガイド6)が構成される。勿論、任意の実施形態において、第1のゲートパーツ6は、片側のみ(一方の脚5.1)に設けられてもよいし、あるいは、接続器具5の任意の位置に設けられてもよい。
【0102】
さらに、第2のプラグコネクタ3のハウジング3.1は、両側にそれぞれ、1個の第2のゲートパーツ7を有する。第2のゲートパーツ7は、ゲートブロック7又はピンとして構成される。
【0103】
接続器具5のポジティブガイド6と、第2のプラグコネクタ3のハウジング3.1のゲートブロック7は、ゲートガイドを構成する。2個のゲートパーツ6、7は、プラグコネクタ2、3が予備ラッチ位置で相互にプラグ接続するとき2個のゲートパーツ6、7が第1の相対位置関係になるように、設置及び構成される。
図8は、予備ラッチ位置と、このときのゲートパーツ6、7の第1の相対位置関係とを示す。プラグコネクタ2、3が相互にプラグ接続するとき、ゲートブロック7は、接続器具5の開口8(即ち、位置決めシステム領域)を通って、ポジティブガイド6に挿入される。続いて、ゲートブロック7は、ポジティブガイド6に対する第1の位置に来る。
【0104】
接続器具5は、少なくとも1個のガイド9を用いて、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1に接続される(
図13も参照)。
【0105】
実施形態例において、2個のガイド9が設けられる。即ち、各脚5.1に、1個のガイド9が設けられる。
【0106】
プラグコネクタ2、3は、2個のゲートパーツ6、7が第2の相対位置関係であるときプラグコネクタ2、3が端子位置で相互にプラグ接続するように、ガイド9及びゲートガイド(ゲートパーツ6、7により構成される)を用いて機械的に連結される。
図9は、プラグコネクタ機器1の端子位置と、このときのゲートパーツ6、7の第2の相対位置関係とを示す。このとき、ゲートブロック7は、ポジティブガイド6内の上側位置に来る。
【0107】
ゲートガイドの第2の位置において、ゲートブロック7は、ポジティブガイド6の端部(即ち、ポジティブガイド6の開口8の向かい側)に位置する。
【0108】
第1及び第2の位置は、プラグコネクタ2、3のプラグ嵌合方向にオフセットするように設けられる。
【0109】
本発明によれば、接続器具5は、2個のゲートパーツ6、7を第2の位置に移動させるように、第1のゲートパーツ6を用いてアンロック位置(接続器具5の位置は、
図1、8、10、11、及び14に図示)からロック位置(接続器具5の位置は、
図9及び12に図示)まで第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1に対して相対的に、ガイド9に沿って移動可能である。
【0110】
実施形態例において、ガイド9は、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1と接続器具5との間に延在する。ガイド9は、プラグコネクタ2、3のプラグ嵌合方向に直交して延在する。プラグコネクタ2、3が予備ラッチ位置で相互にプラグ接続し、続いて、接続器具5が、プラグ嵌合方向に直交する方向に、ガイド9に沿って押し下げられる。すると、第2のプラグコネクタ3と接続器具5とが機械的連結(ゲートガイド)し、接続器具5と第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1とが(ガイド9を用いて)機械的連結する。これにより、ゲートガイドが、接続器具5の直交方向の移動を、プラグコネクタ2、3のプラグ嵌合方向の移動に変換する。その結果、プラグコネクタ2、3が端子位置まで移動する(即ち、相互にプラグ接続する)。
【0111】
図10、11及び12は、相互プラグ接続の手順を示す側面図である。
【0112】
図10は、解放状態のプラグコネクタ機器1を示す。このとき、接続器具5は、接続器具5のロック位置で固定される。従って、接続器具5は、各第2のゲートパーツ7(即ち、第2のプラグコネクタ3)を受けるのに適した位置にある。
【0113】
図11において、プラグコネクタ2、3は、予備ラッチ位置にある。このとき、ゲートブロック7は、接続器具5のポジティブガイド6に挿入されている。本実施形態例において、プラグコネクタ2、3は、オプションではあるが、プラグコネクタ2、3の各ハウジング2.1、3.1を用いて、機械的に接続されている。しかしながら、電気的接続(特に、内部導体4.1の電気的接続)は、必ずしも完全には確立していない。
図11は、解りやすさのため、一部断面を示す。断面図に示すように、プラグコネクタ2、3の間に空間が残っている。その結果、未だ、第2のプラグコネクタ3の内部導体4.1は、第1のプラグコネクタ2の内部導体収容部に、完全にはプラグ接続していない。このため、特定の環境下では、プラグコネクタ機器1の電磁的適合性、耐震性、及び所望の低インピーダンスが達成されていない。
【0114】
なお、本実施形態例に図示した様な、予備ラッチ位置でのプラグコネクタ2、3のハウジング2.1、3.1の機械的接続は、この時点では必須ではない。本発明の文脈においては、ハウジング2.1、3.1同士の機械的接続が無くても、あるいは、実際に機械的接続があっても、予備ラッチ位置が成立し得る。しかしながら、ハウジング2.1、3.1が実際に機械的に接続していても、必ずしも電気接触しているわけではないし、及び/又は、ハウジング2.1、3.1が完全に結合しているわけではない。
【0115】
図12は、プラグコネクタ機器1の完全な結合状態を示す。言い換えれば、プラグコネクタ2、3が端子位置にあり、接続器具5がロック位置にあり、ゲートパーツ6、7が第2の相対位置関係にある。一部断面図に示すように、内部導体4.1は、このとき、完全にプラグ接続(言い換えれば、規定の位置でプラグ接続)している。
【0116】
接続器具5は、接続器具5がガイド9に沿ってアンロック位置からロック位置へ移動するために接続器具5に圧縮力を印加することが可能なように、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1と反対側を向く上側に、作動面5.2を有する。
【0117】
作動面5.2は、例えば、作動させるときに組立技術者が握りやすいように構成される。
【0118】
本発明の実装によれば、接続器具5は、特に、ガイド及びゲートガイドがあるため、力(エネルギー)の観点で比較的少ない労力でプラグコネクタ2、3を製造できる点が有利である。言い換えれば、組立技術者は、作動面5.2に比較的小さな力を加えれば、プラグコネクタ2、3を製造できる。ガイド9及びゲートガイドを用いない実装においては、予備ラッチ位置から端子位置までプラグコネクタ2、3を相互にプラグ接続する場合、力(エネルギー)の観点で大幅に大きな労力が必要となる。
【0119】
実施形態例において、ポジティブガイド6は、ゲートブロック7が第2の位置にあるときゲートブロック7が位置する領域に、ゲートブロック7を収容する収容部6.1を有する。好ましくは、収容部6.1は、C型スナップフィット収容部として構成される。接続器具5が想定通りに作動する(言い換えれば、アンロック位置からロック位置の方向にガイド9に沿って移動する)とき、ゲートブロック7は、C型スナップフィット収容部6.1内にスナップし、C型スナップフィット収容部6.1内に完全にロックされる。このため、組立技術者は、触覚的なフィードバックシグナルを受けることができる。これにより、例えば、組立技術者は、プラグコネクタ機器1が閉塞し、規定の方法で固定したと推定できる。
【0120】
必要に応じて、プラグコネクタ2、3を分離することもできる。分離するには、平たい物(例えば、スクリュードライバー)を、後ろ側から接続器具5に(接続器具5と第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1との間に)挿入すればよい。続いて、ロック位置にある第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1を梃子の原理で動かすことにより、接続器具5を解放する。
【0121】
実施形態例において、接続器具5は、第1のプラグコネクタ2に離脱不可能に接続する。
【0122】
本実施形態例において、接続器具5は、移動止め部材10を有する。移動止め部材10は、ツメ、突起又はタブ状である。接続器具5の各脚5.1から、1個の移動止め部材10が突出する。これに対応して、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1は、両側に、1個ずつの移動止め11を有する。移動止め11は、接続器具5がアンロック位置と反対側に、ロック位置と逆方向にガイド9に沿って移動する限界を定める。
【0123】
図示の移動止め部材10は、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1の移動止め11を圧迫する。これにより、移動止め部材10は、本実施形態例の接続器具5が、第1のプラグコネクタ2により引き上げられたり持ち上げられたりするのを規制する。あるいは、ガイド9自体を、端子の移動止めタイプとしてもよい。
【0124】
本実施形態例に示す移動止め部材10及び移動止め11の設計により、接続器具5を、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1に極めてシンプルに結合することが可能となる。U字形に構成された接続器具5は、ハウジング2.1にシンプルに装着することができる(本実施形態例の図示では、上方から)。接続器具5は、移動止め部材10が移動止め11を乗り越えるまで、ハウジング2.1にフィットしながら押圧される。接続器具5は、移動止め部材10が移動止め11を乗り越えた後、ラッチ(掛け金式に締結)する。このとき、接続器具5の逆方向への移動が、接続器具5の移動止め部材10及びハウジング2.1の移動止め11により規制される。このとき、接続器具5をガイド9内に通す(即ち、接続器具5をガイド9に沿って移動させる)ことにより、接続器具5をハウジング2.1に結合する。
【0125】
ハウジング2.1の移動止め11は、ハウジング2.1に窪み、肩、段又はへこみを設けることにより、非常にシンプルに製造できる。図示のように、窪み、肩、段又はへこみのエッジが、移動止め部材10を規制する移動止め11を構成する。
【0126】
移動止め部材10は、ツメ、突起又はタブ(好ましくは、プラグ嵌合方向とは逆方向に、接続器具5を超えて突出する)として構成される。この構成によれば、接続器具5をハウジング2.1に結合するとき、移動止め部材10は解放状態に屈曲(即ち、外側に屈曲)しやすく、特に有利である。これにより、移動止め部材10は、ハウジング2.1の移動止め11を乗り越えることができる。
【0127】
接続器具5がアンロック位置からロック位置への作動方向に移動するとき、接続器具5のU字形構造により、接続器具5の移動の限界が定められる。本実施形態例において、ガイド9は、プラグ嵌合方向又は逆方向に接続器具5が逸脱するのを規制する。
【0128】
図示の実施形態例のように特に好ましい一実施形態において、接続器具5は、さらに固定部材12を有し、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1は、少なくとも1個の移動止め面13を有し、移動止め面13は、プラグコネクタ2、3の非プラグ接続状態において、接続器具5がアンロック位置からロック位置に向かう方向に移動するのを規制する。このとき、固定部材12が移動路内に位置し、移動止め面13により移動がブロックされるからである。
【0129】
本実施形態例において、固定部材12は、スナップフィットフック12として構成され、好ましくは、屈曲、段又はこぶを有するように設計される。スナップフィットフック12は、プラグコネクタ2、3の非プラグ接続状態において第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1の移動止め面13を圧迫するように、プレテンションされる。実施形態例において、スナップフィットフック12は、少なくとも一部が内側に延在し、このため移動止め面13を圧迫する。固定部材12の堅牢性を高めるため、スナップフィットフック12の両端部12.1、12.2は、接続器具5に接続される。
【0130】
実施形態例において、第2のプラグコネクタ3は、両側の位置にアンロック部材14を有する。アンロック部材14は、プラグコネクタ2、3を相互にプラグ接続するとき、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1の移動止め面13がアンロック位置からロック位置への接続器具5の移動路の外に位置するように、アンロック部材14がスナップフィットフック12を移動させる又は解放状態に屈曲させるように、設置及び構成される。
【0131】
このとき、好ましくは、アンロック部材14は、スナップフィットフック12の角の領域を押し離せばよい。
【0132】
図1及び14は、特に、プラグコネクタ機器1のスナップフィットフック12を示す。
図1及び14において、スナップフィットフック12は、固定位置にある。言い換えれば、スナップフィットフック12は、アンロック位置からロック位置への接続器具5の移動路に位置する。
図14は、第1のプラグコネクタ2を示す背面図である。
図14は、
図11の断面A-Aに沿った接続器具5の一部断面を示し、スナップフィットフック12を図示する。
【0133】
図2乃至7は、固定部材又はスナップフィットフック12の機能的形態及び位置的な実施形態を明示する。
【0134】
図2は、シンプルなスナップフィットフック12を模式的に示す斜視図である。片側のスナップフィットフック12の第1の端部12.1は、接続器具5(図示せず)に固定的に接続される。スナップフィットフック12は、弾性的に構成され、基本位置において接続器具5の移動路内に設置される。言い換えれば、スナップフィットフック12は、第1のプラグコネクタ2(詳細は図示せず)のハウジング2.1の移動止め面13を圧迫する。
図2に示す矢印の方向に力を印加すると、例えば、プラグ嵌合方向に押圧されるアンロック部材14を用いて、スナップフィットフック12が固定位置から外れて移動する。続いて、接続器具5は、ガイド9に沿って、接続器具5のアンロック位置からロック位置まで(
図3の矢印方向を参照)、移動可能となる。
図3は、スナップフィットフック12が解放されガイド9の移動方向に沿って移動した状態を示す。
【0135】
図4及び5は、別のスナップフィットフック12を模式的に示す。スナップフィットフック12の両端部12.1、12.2が、接続器具5に接続される。このため、スナップフィットフック12は、より堅牢である。スナップフィットフック12は、例えば変形することにより(
図5参照)、堅牢性と機能性とを両立している。
【0136】
図6及び7は、実施形態例により実装される特に好ましい実施形態の、曲がったスナップフィットフック12を示す。これも同様に、スナップフィットフック12の両端部12.1、12.2が、接続器具5に固定的に接続される。スナップフィットフック12は、特に、本実施形態によれば、本来印加されるべきでない力がガイド9の移動方向に沿って印加されたとき、この力に対して強い抵抗力を発揮することができる。これにより、本来アンロックされるべきでない場合に、アンロックするのを規制することができる。曲がったスナップフィットフック12の形状は、数字の「7」を傾けた形状か、文字の「L」を寝かせた形状に似ている。
【0137】
図6に特に示すように、例えば、作動面5.2に圧縮力が印加される。すると、圧縮力が、端部12.2と移動止め面13との間の部位(
図6中、垂直に延在する部位)を介して、ハウジング2.1の移動止め面13に直接的に印加される。スナップフィットフック12が外側に撓んでいないときに作動面5.2に印加された圧縮力は、スナップフィットフック12の上記部位(端部12.2と移動止め面13との間の部位)により、移動止め面13だけに直接的に印加される。従って、スナップフィットフック12が屈曲し解放するおそれがない。
【0138】
図13は、接続器具5と第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1との間のガイド9を示す平面図である。
図13は、
図11の断面B-Bに沿った一部断面を示す。本実施形態例において、ガイド9は、鳩尾継ぎ接続部9として実現される。鳩尾継ぎ接続部9は、特に有利である。U字形接続器具5の脚5.1が、第1のプラグコネクタ2のハウジング2.1に沿ってガイドされて移動可能であるためである。プラグコネクタ機器1に過剰な応力が発生した場合でも、脚5.1が横方向に屈曲し解放することが十分に規制される。これにより、プラグコネクタ機器1が格別に堅牢となる。