(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】改善された熱放散を有するリレー機構及びこの種のリレー機構を有する変換機器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/12 20060101AFI20220308BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220308BHJP
H01H 50/14 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
H01H50/12 G
H02M7/48 R
H01H50/14 N
(21)【出願番号】P 2019538645
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(86)【国際出願番号】 EP2018050138
(87)【国際公開番号】W WO2018134050
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】102017101236.2
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515078095
【氏名又は名称】エスエムエイ ソーラー テクノロジー アクティエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SMA Solar Technology AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】パペンフス,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ベトケ,ラーズ
(72)【発明者】
【氏名】ゲールケ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】キューン,トーマス
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-226287(JP,A)
【文献】特開2005-190951(JP,A)
【文献】特開2010-213565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00-45/14
H01H 50/00-50/92
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレー機構(1)において、
- 第1の端子(9、10、15、16)及び第2の端子(7、8、17、18)を介して主プリント回路基板に機械的及び電気的に接続される少なくとも2つの直列接続されたリレー(2、3)、
- 前記少なくとも2つの直列接続されたリレー(2、3)間で電流を伝導させるための少なくとも1つの平型導体(13、14)であって、前記主プリント回路基板に機械的に接続され、且つ前記リレー(2、3)の動作中に発生した熱の放散をもたらすために前記リレー(2、3)の前記第1の端子(9、10、15、16)に電気的及び熱的に接続される少なくとも1つの平型導体(13、14)
を含
み、
互いに隔離され、及び互いに空間的に平行に且つ隣接して配置される複数の平型導体(13、14)それぞれは、多極リレーの直列接続された第1の端子又は異なるリレーの直列接続された複数の第1の端子を互いに電気的に接続し、
前記複数の平型導体(13、14)は、多層プリント回路基板として具現化されることを特徴とするリレー機構(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のリレー機構において、前記多層プリント回路基板は、前記主プリント回路基板の平面に実質的に垂直に配置されることを特徴とするリレー機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリレー機構において、前記主プリント回路基板の平面に対して前記多層プリント回路基板の位置を固定するための固定具が設けられることを特徴とするリレー機構。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のリレー機構において、前記リレーの前記第1の端子は、前記第2の端子と比べてより大きいライン断面で具現化され、且つ前記リレーの静止動作接点に直接的に接続される前記リレーの端子によって形成されることを特徴とするリレー機構。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のリレー機構において、前記多層プリント回路基板は、少なくとも1つの中央銅層と、前記中央銅層を取り囲む2つの外側銅層とを有し、前記中央銅層は、測定機器に接続され、及び前記外側銅層は、前記第1の端子の同じものに接続されることを特徴とするリレー機構。
【請求項6】
請求項5に記載のリレー機構において、前記少なくとも2つの直列接続されたリレー間の中間電位は、前記測定機器によって前記中央銅層において決定されることを特徴とするリレー機構。
【請求項7】
変換装置において、複数のインバータブリッジと、グリッド断路器としての請求項1乃至6の何れか1項に記載のリレー機構とを有することを特徴とする変換装置。
【請求項8】
請求項7に記載の変換装置において、前記複数のインバータブリッジの位相の電流は、前記少なくとも2つの直列接続されたリレーのリレー接点を介してそれぞれ個別に伝導され、且つ前記少なくとも2つの直列接続されたリレーの前記第2の端子の1つで結合されて結合位相接続を形成することを特徴とする変換装置。
【請求項9】
請求項8に記載の変換装置において、前記複数のインバータブリッジの位相の前記電流は、同じリレーの異なるリレー接点を介して流れることを特徴とする変換装置。
【請求項10】
請求項8に記載の変換装置において、前記複数のインバータブリッジの位相の前記電流は、異なるリレーのリレー接点を介して流れることを特徴とする変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された熱放散を有するリレー機構及びそのようなリレー機構を有する変換装置に関し、従って特にリレーの動作中に発生する熱の放散を改善するのに役立つ。
【背景技術】
【0002】
本発明によるリレー機構は、少なくとも2つの直列接続されたリレーを含む。例えば、インバータなどの変換装置では、そのようなリレー機構は、グリッド断路器の形態で使用され得る。例えば、分散型の回生式電源から統合グリッドにエネルギーを供給するインバータは、統合グリッドで不具合が発生した場合、不具合を解消するために作業している人々を危険にさらさないようにグリッドから確実に切断することができなければならない。この理由のため、そのようなグリッド断路器は、単一故障安全性を有するように設計されなければならないという規則があり、これは、1つのリレーに障害が発生した場合でも接続を確実に切断きることを意味する。従って、2つのリレー又はより大きい装置の場合、1グリッド供給経路当たりの接触器は、多くの場合、直列接続され、その結果、1つのリレーに欠陥が生じた場合、直列接続された2番目のものがグリッドの切断を実行することができる。
【0003】
例えば、半導体スイッチなどの電子部品の場合、それらの電子部品は、その動作中に著しい電力損失を生じることが知られている。この理由のため、半導体スイッチが多くの場合にヒートシンクに適用されるか、又は動作中に発生した熱を放散させるためにファンを使用して部品に沿って冷却用気流を伝導させる。予期される最大電力損失は、それぞれの電子部品のデータシートに明記されている。従って、放散されるべき熱の量は、例えば、所望の回路構成のシミュレーションモデルを使用して計算又はシミュレートすることができる。
【0004】
対照的に、リレーについて、そのような情報は、これまで最大でも典型的な値として存在してきた。データシート又は「アプリケーション注釈」の何れも動作中に発生する最大の発熱を示していない。本発明に関連して、通常の動作中のリレーにおいて驚くほど高い電力損失が特定され、前記高い電力損失は、リレー機構を熱的に過負荷状態にすることができるため、冷却措置を考慮に入れなければならない。更に、費用上の理由から、軽量構造を有し、且つその結果得られる低通電容量を有する非常に小型のリレーを用いることが多くの場合に望まれる。このとき、コンパクトな設計の場合、構成部品のあまり堅牢でない実施形態のため、熱放散特性が更に低くなる。これは、リレーの改善された熱放散を提供しようという更なる動機につながる。
【0005】
従来技術は、例えば、半導体モジュールが適用されるバスバーを開示しており、そのバスバーは、例えば、独国特許第102004018469B3号明細書に記載されるように、半導体モジュールに電流を運ぶ役割を果たし、冷却機器と広範囲に熱的に接触している。冷却自体は、非常に小型の冷却機器によって行われ、この冷却機器は、ここでは、バスバーと共にバスバーアセンブリとして示される。半導体モジュール自体は、導電性基板上に半導体スイッチを含み、この基板は、半導体モジュールの電気的接触接続及び熱的結合の両方の役割を果たす。ここでは、電流伝導及び熱放散のために複数の構成部品が必要であることが不利である。
【0006】
国際公開第2015/184546A1号パンフレットは、電子スイッチが適用されるバスバーを開示しており、このバスバーは、スイッチをT字型構成で冷却機構に接続する。ここでは、電流伝導及び熱放散のために異なる構成部品も必要である。
【0007】
リレーに関して、発熱が低いことが想定されていたため、これまで、明示的な熱放散措置は提案されていなかった。従って、例えば、主プリント回路基板上のリレーの接触接続及び主プリント回路基板上に配置された導体トラックへの熱の伝達により、低い熱量で十分であるべきである。
【0008】
しかしながら、リレーの動作中、本発明に関連して特定される最大接触抵抗がより高くなると、リレー機構がそれに応じて寸法決めされていない場合、リレー機構の熱的過負荷をもたらし得る。
【発明の概要】
【0009】
従って、本発明の目的は、費用対効果が高く、設計上依然としてコンパクトであり、出来る限り少ない追加部品を管理する、改善された熱放散を有するリレー機構を規定することである。
【0010】
本発明による改善された熱放散を有するリレー機構は、少なくとも2つの直列接続されたリレーを有し、これらのリレーは、第1及び第2の端子を介して主プリント回路基板に機械的及び電気的に接続される。この場合、少なくとも2つの直列接続されたリレー間で電流を伝導させるための少なくとも1つの平型導体が配置され、この平型導体は、主プリント回路基板に機械的に接続され、且つリレーの動作中に発生した熱の放散をもたらすためにリレーの第1の端子に電気的及び熱的に接続される。この場合、平型導体は、有利には、良好な電気導体及び良好な熱導体の両方であるべきである。従って、平型導体は、例えば、銅板から作製することができる。平らな実施形態のため、リレーの動作中に発生した熱を平型導体に分散させ、周囲に放散させることができる。
【0011】
一実施形態では、本発明によるリレー機構は、複数の平型導体を有し、それらの平型導体は、互いに隔離され、及び互いに空間的に平行に且つ隣接して配置される。互いに隔離される複数の平型導体は、それぞれ多極リレーの直列接続された第1の端子又は異なるリレーの複数の第1の端子を互いに電気的に接続する。互いに絶縁された複数の平型導体は、積層バスバー、より固い銅板又は類似のものであり得る。
【0012】
更なる実施形態では、複数の平型導体は、多層プリント回路基板として具現化される。2つの銅製の外側層を有する標準的な回路基板とは対照的に、「多層基板」とも呼ばれる多層プリント回路基板では、更なる銅層がコアに一体化される。
【0013】
多層プリント回路基板としての平型導体の実施形態は、複数の平型導体と、前記平型導体間に必要な隔離とが同時に提供されるという利点を有する。従って、例えば4つのスイッチング接点をそれぞれ有する2つの直列接続されたリレーの場合、少なくとも4つの導体トラックを一体的な構成要素として有するプリント回路基板により、電気的接続及び必要とされる熱放散を保証することができる。多層プリント回路基板の特に平らな設計により、例えば多極リレーの第1の端子からの良好な熱の伝達が確実になり、なぜなら、複数の第1の端子と多層プリント回路基板との熱的接続のための長い距離を克服する必要がないからである。
【0014】
本発明によるリレー機構の有利な一実施形態では、多層プリント回路基板は、主プリント回路基板の平面に実質的に垂直に配置される。主プリント回路基板の平面に対して多層プリント回路基板の位置を固定するための固定具が設けられ得る。前記実施形態では、対流気流は、多層プリント回路基板の熱放散を有利に付加的に支援することができる。
【0015】
本発明によるリレー機構の更なる有利な実施形態では、リレーの第1の端子は、第2の端子と比べてより大きいライン断面で具現化され、且つリレーの静止動作接点に直接的に接続されるリレーの端子によって形成される。リレーの静止動作接点は、通常、可動動作接点よりも固くなるように具現化される。従って、静止動作接点に直接的に接続されるリレーの端子と平型導体とを確実に接続することにより、良好な熱伝達を実現することができる。
【0016】
本発明によるリレー機構の更なる有利な実施形態では、多層プリント回路基板は、少なくとも1つの中央銅層と、この中央銅層を取り囲む2つの外側銅層とを有する。この場合、中央銅層は、測定機器に接続され、及び外側銅層は、第1の端子に同じものに接続される。従って、多層プリント回路基板の少なくとも2つの層を介して、リレーの第1の接点から、それに直列接続された他のリレーの第1の接点まで電流が伝導され、前記2つの層の両方間に少なくとも1つの更なる層が配置される。
【0017】
更なる有利な実施形態では、少なくとも2つの直列接続されたリレー間の中間電位は、測定機器によって中央銅層において決定される。
【0018】
中央銅層は、例えば、電圧測定システムに接続され、その結果として、2つの直列接続されたリレー間の地点における電位は、容量結合を介して決定され得る。少なくとも1つのリレーの接点が閉じているとき、この位置にAC電圧が印加されることから、生じ得るDC電圧成分が遮断されるため、容量結合が有利である。従って、2つの直列接続されたリレーの目標とされるスイッチングを行うことにより、且つそれら2つの直列接続されたリレーの上流及び下流の電圧比について知ることにより、2つの直列接続されたリレー間の接続点における電圧比を決定することにより、両方のリレーが正しく機能しているかをチェックすることができる。
【0019】
本発明は、複数のインバータブリッジと、グリッド断路器としての本発明によるリレー機構の上述の実施形態の1つによるリレー機構とを有する変換装置に更に関する。
【0020】
上記で更に説明したように、統合グリッド内で障害が発生した場合、前記変換装置をグリッドから確実に切断することができるように、統合グリッドに供給する変換装置に関して多くの場合に規則が存在する。この目的のため、2つのリレー又はより大きい装置の場合、1グリッド供給経路当たりの接触器は、多くの場合、直列接続され、その結果、あるリレーに欠陥が生じた場合、直列接続された2番目のものがグリッドの切断を実行することができる。
【0021】
本発明による変換装置の有利な一実施形態では、前記変換装置は、複数の多相インバータブリッジを含む。複数のインバータブリッジの位相の電流、即ち個々のインバータブリッジの同相のそれぞれの電流は、少なくとも2つの直列接続されたリレーのリレー接点を介してそれぞれ個別に伝導される。位相の電流は、少なくとも2つの直列接続されたリレーの第2の端子の1つにおいて結合されて結合位相接続を形成する。
【0022】
本発明による変換装置の更なる有利な実施形態では、複数のインバータブリッジの位相の電流は、同じリレーの異なるリレー接点を介して流れる。
【0023】
本発明による変換装置が例えば2つの三相インバータブリッジを有する場合、位相1の2つの出力線がある(位相2及び3についても同様)。前記2つの出力線は、例えば、2つの直列接続された2極リレーを介して個別に導かれ得る。2つの出力線は、第2のリレーのグリッド側の出力において結合され、1つの出力線として変換装置のグリッド接続に供給され得る。
【0024】
本発明による変換装置の別の有利な実施形態では、複数のインバータブリッジの位相の電流は、異なるリレーのリレー接点を介して流れる。
【0025】
従って、上述した例では、2つの出力線の各々は、例えば、各場合において2つの直列接続された単極リレーを介して導かれ、4つの単極リレーのグリッド側出力の1つにおいて結合され得る。2つの三相インバータブリッジの場合、ブリッジの3つの位相は、例えば、各場合において2つの直列接続された3極リレーを介して導かれ得、その結果、4つの3極リレーが必要になるか、又は同じ位相は、2つの直列接続された2極リレーを介して導かれ得、その結果、6つの2極リレーが必要になる。
【0026】
本発明によるリレー機構の形態をした上述したグリッド切断リレーの実施形態は、同様にコンパクトな設計をもたらし、これは、信頼性の高い熱放散のために変換装置の堅牢で安全な動作をもたらす。
【0027】
本発明について図面を使用して実施形態に基づいて以下に説明し、これらの図面を請求項の特徴と併せて考慮すると、本発明の更なる特徴、特性及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明によるリレー機構の一実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本発明によるリレー機構の更なる構成を示す。
【
図4】
図4は、本発明によるリレー機構を有するグリッド断路器の有利な構成を示す。
【
図5】
図5は、本発明によるリレー機構を有するグリッド断路器の更なる有利な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、2つの直列接続されたリレー2、3を含む、本発明によるリレー機構1の一実施形態を示し、ここで、電子回路(図示せず)の入力接続部4、5は、リレー3の第2の端子7、8に導かれる。リレー接点12、11が閉じている場合、電流は、端子8からリレー3の第1の端子10に流れることができる。リレー3の第1の端子10は、平型導体13を介してリレー2の第1の端子15と直列接続される。電流は、リレー2のスイッチング接点及びリレー2の第2の端子18を介してリレー機構1の出力接続部6まで流れ続ける。
【0030】
一方、平型導体13は、直列接続されたリレー2、3間の電気的接触を確立し、且つその平らな構成(
図2も参照されたい)並びに導電性材料及び熱伝導性材料の両方の選択により、リレー2、3の動作中に発生する熱を放散させる役割を果たす。
【0031】
リレー3の第1の端子9は、全く同様に平型導体14を介してリレー2の第1の端子16と直列接続される。リレー2の他のスイッチング接点を介してリレー2の第2の端子17に流れる電流は、そこで端子18からの電流と結合され、その結果、入力接続部4、5の電流は、リレー機構1の出力接続部6で結合される。このようにして、入力接続部4、5からの電流は、リレーによって構成される2つの直列回路を介して並列に伝導される。従って、低通電容量を有する費用対効果の高いリレーを使用し、比較的高い電流を依然として確実に切り替え、改善された熱放散のために安定であり且つ安全な動作を保証することが可能である。
【0032】
平型導体13、14は、リレー2、3のそれぞれの第1の端子9、10、15、16を接続し、第1の端子9、10、15、16は、それぞれ静止接点、例えばリレー3の接点11に接続される。これとは対照的に、リレー2、3の第2の端子7、8、17、18は、リレー2、3の可動接点、例えばリレー3の接点12に接続される。リレーの静止動作接点は、通常、可動動作接点よりも固くなるように具現化される。従って、平型導体と第1の端子9、10、15、16とを確実に接続することにより、良好な熱伝達を実現することができる。
【0033】
図2は、
図1による実施形態の斜視図を示す。電子回路(図示せず)の入力接続部4’、5’は、主プリント回路基板(図示せず)上の導体トラックとして具現化される。リレー2’、3’は、主プリント回路基板にはんだ付けされ、それにより導体トラックに電気的に接続され、同時に主プリント回路基板自体に機械的に接続され、その結果、リレー2’、3’のハウジングは、主プリント回路基板の平面に垂直になる。平型導体13’、14’は、同様に主プリント回路基板の平面に垂直に配置され、これは、リレーの動作中に発生する熱の放散に有利である。平型導体13’、14’は、その間に電気絶縁層を有する積層バスバーとして又は多層プリント回路基板として具現化され得、それらは、同様にリレーのように主プリント回路基板にはんだ付けされる。
【0034】
図3は、本発明によるリレー機構1の更なる構成を示し、入力接続部5’’は、リレー12’’の第2の端子8’’に接続される。リレー12’’が閉じると、リレー12’’の第1の端子10’’を介して接続点20まで電流が流れ、接続点20からの電流は、2つの平型導体21、23又は多層プリント回路基板の2つの導体トラック21、23にわたって分割される。従って、更なる熱拡散を実現することができる。接続点25によって接触接続することができる中央導体トラック22が導体トラック21、23間に配置される。ここで、例えば、測定機器(図示せず)を接続することができる。2つの平型導体21、23又は2つの導体トラック21、23に電流を分割した後、電流は、リレー接点2’’を通過して出力接続部6’’に供給されるために接続点26で再び結合される。
【0035】
従って、外側銅層21、23は、それぞれのリレー接点12’’、2’’の第1の端子の同じものに接続される。内側銅層22は、仮想キャパシタンス28、29を介して外側銅層21、23と結合され、これは、前記キャパシタンス28、29が別々の構成要素を構成するのではなく、銅層の並列配置を通じて本質的に生成されることを意味する。
【0036】
リレー接点12’’、2’’の正しい機能は、リレーの上流及び下流の電流経路内に配置された他の測定機器と共に、接続点25に接続された測定機器によってチェックすることができる。
【0037】
図4は、例えば、複数のインバータブリッジWR1、WR2(図示せず)を有する変換装置のためのグリッド断路器の有利な構成を示す。複数のインバータブリッジWR1、WR2は、三相電流を形成し、この電流は、変換装置の出力の上流で結合され、即ち、前記インバータブリッジは、並列インバータブリッジであり、三相出力電流の1つの位相の電流は、各場合において2つのインバータブリッジによって形成される。
図4は、2極リレーR1、R2、R3、R4、R5、R6上の三相出力電流の位相の可能な分割を示す。2つのインバータブリッジの位相L1の電流は、ここで、L1-WR1及びL1-WR2によって示され、インバータブリッジから到来して、各場合においてR1及びR6並びにR2及びR5によって形成される本発明による1つのリレー機構を介して伝導され、出力接続部30で結合される。2極リレーのそれぞれの他のスイッチング接点は、他の位相又は他のインバータブリッジによって使用される。2つのインバータブリッジの位相L2の電流は、L2-WR1及びL2-WR2によって示され、インバータブリッジから到来して、各場合においてR2及びR5並びにR3及びR4によって形成される本発明による1つのリレー機構を介して伝導される。この例では、R3及びR4並びにR1及びR6の組み合わせがL3に対して使用される。即ち、個々のインバータブリッジの同一の位相のそれぞれの電流が異なるリレーのリレー接点を介して個別に伝導される。位相の電流は、本発明によるリレー機構の少なくとも2つの直列接続されたリレーの第2の端子の1つにおいて結合されて結合位相接続を形成する。
【0038】
図5は、本発明によるリレー機構を有するグリッド断路器の更なる有利な構成を示し、2極リレーR1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R6’上の三相出力電流の位相の別の分割を示す。L1-WR1及びL1-WR2によって
図4に示されるように、2つのインバータブリッジの位相L1の電流は、インバータブリッジから到来して、R1’及びR6’によって形成される本発明によるリレー機構を介して伝導される。インバータブリッジ1の電流成分L1-WR1は、リレーR1’の接点を介して伝導され、第2の電流成分L1-WR2は、リレーR1’の他の接点を介して伝導され、次いで本発明によるリレー機構により、直列接続されたリレーR6’の2つの接点を介して伝導される。位相L1の電流は、リレーR6’の第2の端子30’で結合される。
【符号の説明】
【0039】
1、1’ リレー機構
2、2’、2’’ リレー
3、3’ リレー
4、4’ 入力接続部
5、5’、5’’ 入力接続部
6、6’、6’’ 出力接続部
7 端子
8、8’’ 端子
9、9’ 端子
10、10’、10’’ 端子
11 接点
12、12’’ 接点
13、13’ 導体
14、14’ 導体
15、15’ 端子
16 端子
17 端子
18 端子
20 接続点
21 導体
22 導体
23 導体
25 接続点
26 接続点
28 キャパシタンス
29 キャパシタンス
30、30’ 接続部
L1、L2、L3 位相
L1-WR1、...、L3-WR3 位相