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特許7036891送達ファイバ・アセンブリおよび広帯域源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】送達ファイバ・アセンブリおよび広帯域源
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/365 20060101AFI20220308BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20220308BHJP
   G02B 6/024 20060101ALI20220308BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G02F1/365
G02B6/02 451
G02B6/024
G02B6/42
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020202480
(22)【出願日】2020-12-07
(62)【分割の表示】P 2017566732の分割
【原出願日】2016-06-24
(65)【公開番号】P2021047446
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】PA201570393
(32)【優先日】2015-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】506179491
【氏名又は名称】エヌケイティー フォトニクス アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】NKT PHOTONICS A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウェイリッチ、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】マク、マルティン ディベンダール
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/178232(WO,A1)
【文献】特開2011-107687(JP,A)
【文献】特開2012-168355(JP,A)
【文献】特開2011-257589(JP,A)
【文献】特開2006-330685(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101836143(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02-6/036
6/10
6/44
G02F 1/00-1/125
1/21-7/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を装置に対して供給するための供給源において、
光を入射するための入力端と、光を送達するための送達端とを有する、微細構造を有する送達ファイバであって、コア領域と、前記コア領域を包囲するクラッド領域とを備え、約200nm以上の伝送帯域幅を有し、前記コア領域は、最大で約15μmの直径を有し、前記クラッド領域は、屈折率Nbgを有するクラッド・バックグラウンド材料と、最大でNincの屈折率を有し、長手方向に延びる固体材料の複数の介在物とを備え、Ninc<Nbgであり、前記クラッド領域内の前記複数の介在物は、前記コア領域を包囲する介在物の少なくとも2つのリングを備える断面パターンに配置されている、送達ファイバと、
広帯域源と、を備え、
前記広帯域源は、
ポンプ・パルスを生成するように動作可能な光ポンプ源と、
ポンプ光の供給があると広帯域光パルスを生成するための微細構造光ファイバと、を備え、
前記光ポンプ源は、ポンプ・パルスを前記微細構造光ファイバに対して入射するように配置されており、
微細構造を有する前記送達ファイバは、前記広帯域光パルスの少なくともいくつかの少なくとも一部を受け取り、前記広帯域光パルスの受け取った前記一部のうちの少なくとも一部を前記装置に対して送達するように配置されており、
前記送達ファイバは偏波保持光ファイバである
供給源。
【請求項2】
前記供給源は、モード・ロック・ファイバ・オシレータを備える、請求項1に記載の供給源。
【請求項3】
前記装置は、蛍光イメージング;蛍光寿命イメージング(FLIM);全内部反射蛍光(TIRF)顕微鏡;蛍光共鳴エネルギー移動(FRET);パルス・インターリーブ励起促進共鳴エネルギー移動(PIE-FRET);広帯域分光法;ナノフォトニクス;フロー・サイトメトリー;計測などの工業検査;ガス検知などのリングダウン分光法;ハイパースペクトル分光法、作物分析(たとえば果物の)、飛行時間分光法(TCSPC)などの分析分光法;1分子イメージング;およびこれらの組合せのうちの1つ以上に対して適合される、請求項1に記載の供給源。
【請求項4】
介在物の1つのリングの前記介在物は、介在物の別のリングの前記介在物よりも高い屈折率を有するか、介在物の別のリングの前記介在物とは異なる特性径を有し、介在物が円形である場合、前記特性径は介在物の直径であり、介在物が円形でない場合、前記特性径は介在物の最大範囲と最小範囲との平均である、請求項1に記載の供給源。
【請求項5】
前記送達ファイバは、前記伝送帯域幅の波長において0.5dB/m未満の伝送損失を有する、請求項1に記載の供給源。
【請求項6】
前記送達ファイバは、シリカ・ファイバであり、前記介在物は、ダウン・ドープされたシリカである、請求項1に記載の供給源。
【請求項7】
前記複数の介在物は互いに独立しており、フッ素と、ホウ素と、フッ素及びホウ素のうちの一方または両方を含む成分とのうちの1つ以上でドープされたシリカである、請求項に記載の供給源。
【請求項8】
前記送達ファイバは、前記伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長についてシングル・モードである、請求項1に記載の供給源。
【請求項9】
前記送達ファイバは、前記伝送帯域幅の少なくとも約50%、少なくとも約80%、または伝送帯域幅全体についてシングル・モードである、請求項に記載の供給源。
【請求項10】
前記送達ファイバは、少なくとも約1オクターブの伝送帯域幅を有する、請求項またはに記載の供給源。
【請求項11】
前記広帯域源は、前記広帯域光パルスをフィルタリングするためのバンド・パス・フィルタを備える、請求項1に記載の供給源。
【請求項12】
前記バンド・パス・フィルタは、同調可能なバンド・パス・フィルタである、請求項11に記載の供給源。
【請求項13】
前記同調可能なバンド・パス・フィルタは、格子ベースのフィルタと、プリズムと、音響光学同調可能フィルタ(AOTF)から選択される、請求項12に記載の供給源。
【請求項14】
前記送達ファイバは、前記広帯域光パルスの前記バンド・パス・フィルタでフィルタリングされた部分を受け取り、前記広帯域光パルスの受け取られた部分の少なくとも一部を前記装置に対して自由空間光通信なしに送達するように配置される、請求項1113のいずれか一項に記載の供給源。
【請求項15】
前記装置は、ターゲットを照明するように構成された照明装置である、請求項1に記載の供給源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域源および広帯域源システムからの光を送達するのに適した送達ファイバ、およびそのような広帯域源を備える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域源およびシステムは、当技術分野で知られており、たとえば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に説明されている。
特許文献2は、微細構造光ファイバおよびポンプ光源を備えるスーパーコンティニューム光源を開示しており、微細構造光ファイバは中間テーパ部分を備えている。
【0003】
それにより、非常に広く安定した光のスーパーコンティニュームが得られる。
特許文献4は、ポンプ源と、スーパーコンティニュームを生成するための生成ファイバとを備えるスーパーコンティニューム光源を開示しており、生成ファイバのコアの屈折率プロファイルが、光のモード・クリーニング(modal cleaning)を可能にするように配置され、それが伝播して、比較的高いスペクトル密度および/または良好なビーム品質を有する光学的スーパーコンティニュームを提供する。
【0004】
一般に、ほとんどの従来技術では、広帯域源は、高品質のスーパーコンティニューム光、および/またはますます広い帯域幅に及ぶスーパーコンティニューム光、たとえば、さらに青色波長(たとえば450nm未満もしくはさらに低い)へと及ぶスーパーコンティニュームの生成に焦点を当てている。
【0005】
生成された光またはその一部分が、しばしば、高精度照明手順および/または高精度測定手順で使用され、たとえば、誘導放出抑制、蛍光イメージング手順、光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)、および/または計測などの工業検査のために使用される。
【0006】
通常、広帯域源によって生成された光または光の一部分は、照明装置、および/または装置の測定プロセスで使用するための測定装置などの装置に対して、送達ファイバを介して送信される。一般に、送達ファイバは、装置に対して接続するのに簡易であることが望ましく、当技術分野において、規格IEC61754-20、IEC61754-15、またはIEC61754-13によるコネクタなどの規格コネクタを使用することがよく知られている。
【0007】
従来技術の送達ファイバは、通常、比較的非常に狭い伝送帯域幅を有するステップ形ファイバである。そのようなファイバは、扱いが容易で、コネクタ化が容易で、伝送損失が低いためである。より広い帯域幅を送信できるようにするために、送達ファイバが導入されるように断面に気孔を有するフォトニック結晶ファイバ(PCF)の使用が提案されている。それにより、送達ファイバは、より広い帯域幅を送信できる。しかしながら、概して、そのような孔を有するPCFは接続することが難しく、望ましくないパワー損失をもたらすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許出願公開第2081074号
【文献】国際公開第15003714号
【文献】国際公開第15003715号
【文献】米国特許第8731009号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、広帯域源から、および/または2つ以上の源および広帯域源システムから広帯域光を送達するのに適した送達ファイバ・アセンブリを提供することであり、この送達ファイバ・アセンブリでは、送達ファイバは、装置に対して光を送信するために装置に対して接続するのが簡易であり、上述された問題の少なくとも1つが軽減される。
【0010】
さらなる目的は、たとえば装置に対して光を送信するために装置に対して接続するのが簡易である送達ファイバを備える、広帯域源および広帯域源システムを提供することであり、上述された問題の少なくとも1つが軽減される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態において、目的は、異なる波長を有する2つ以上の光源から送達ファイバによって光を送達することである。
これらおよび他の目的は、特許請求の範囲に規定され、また本明細書で以下に説明される、本発明またはその実施形態によって解決されている。
【0012】
本発明またはその実施形態は、以下の説明から当業者に明らかとなるいくつかの追加の利点を有することが見出されている。
本発明によれば、波長たとえば広範囲における離散波長を備える広帯域光または広帯域光の選択された部分を送達するために、新しいタイプの送達ファイバを提供することが見出されている。その送達ファイバは、比較的簡易に、効率的方法で、非常に低い損失でコネクタ化され得る。同時に、新規の送達ファイバ・アセンブリは、比較的高い機械的強度を有し、それは実際、非常に有益であることが見出されている。そのような送達ファイバは通常、曲げや乱暴な扱いなどの機械的妨害にさらされるからである。しばしば、送達は、コイル状に巻かれまた展開されることが繰り返され、コイル状に巻く直径が制御されていない。
【0013】
本発明の送達ファイバ・アセンブリの実施形態において、それは、装置に対して光を送信するために装置に対して広帯域光を送達するように適合される。送達ファイバ・アセンブリは、送達ファイバおよびコネクタ部材を備える。送達ファイバは、長さと、光を入射するための入力端と、光を送達するための送達端とを有する。送達ファイバは、その長さに沿って、コア領域と、コア領域を包囲するクラッド領域とを備え、クラッド領域は、屈折率Nbgを有するクラッド・バックグラウンド材料と、最大でNincの屈折率を有し、送達ファイバの長手軸の長さに延び、好ましくは送達ファイバの長手軸に沿って延びる固体材料の介在物の形態の複数の微細構造物とを備え、Ninc<Nbgである。クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも2つのリングを備える断面パターン(送達ファイバの断面で見られるパターン)に配置される。コネクタ部材は、送達端を備える送達ファイバの送達端部分において送達ファイバに対して取り付けられる。さらに、送達ファイバは、約200nm以上、たとえば約300nm以上、たとえば約400nm以上、たとえば約500nm以上の伝送帯域幅、たとえば、少なくともオクターブ(周波数の半減/倍増)を有する。
【0014】
一般に、コア領域は、最大で約15μmの直径を有することが望ましい。
一実施形態では、伝送帯域幅は、送達ファイバが0.5dB/m未満の伝送損失を有する波長として定義される。一実施形態では、伝送帯域幅は、送達ファイバが0.1dB/m未満の伝送損失を有する波長として定義される。有利には、伝送損失は、16cmまたは32cmの曲げ径で曲げられるときに測定される。
【0015】
これまで、測定および/または照明のための装置に対して広帯域源から光を送達するための送達ファイバとして、固体介在物を備えるすべて固体のファイバの使用が考えられていなかった。特に、そのような固体介在物を備えるすべて固体のファイバが、200nm以上の伝送帯域幅を有するように構築され得ることは考えられておらず、特に、固体介在物を備えるすべて固体のファイバが、200nm以下、1800nm未満、またはさらに900nm未満の伝送帯域幅を有するように構築され得ることは驚くべきことである。
【0016】
用語「介在物」は、バックグラウンド材料内の介在物を意味し、ここで、介在物は、それを包囲するバックグラウンド材料の屈折率と別の屈折率を有する。固体介在物は、たとえば、バックグラウンド材料とは別のガラス・タイプの介在物、および/もしくはドープされた材料(F、Ge、P、Bなどの屈折率変更材料)の介在物、真空介在物、あるいはこれらの任意の組合せであり得る。送達ファイバの介在物は、等しいまたは異なる材料または構造のものであり得る。介在物は、均質な材料のものであってよく、あるいは、異なる材料および/または屈折率の領域を有してもよい。介在物は、異なる屈折率のいくつかの領域を備え、介在物の屈折率は、介在物の平均屈折率として決定される。
【0017】
本出願の文脈では、「介在物のリング」という表現は典型的にはコアに対して実質的に等しい半径方向距離を有し、コアを包囲するリング構成に揃えられた、クラッド介在物を指す。典型的には、介在物のリングは完全には円形でなく、六角形などのように、いくつかのソフトな角度で形成される。好ましくは、介在物のリングのすべての介在物は、実質的に同じサイズであり、好ましくは同じ材料である。
【0018】
「半径方向距離」という表現は、送達ファイバのコアの長手軸からの半径方向で決定された距離を意味する。
「実質的に」という用語は、本明細書では、通常の製品差異および公差が含まれることを意味すると解釈されるべきである。
【0019】
コアおよび介在物の直径は、コア/介在物の特性径として決定される。コアまたは介在物は、常に完全に円形であるわけではない。特性径は、それが円形である場合、介在物/コアの円の直径であり、介在物が円形でない場合、特性径は、当該の介在物/コアの最大範囲と最小範囲との平均として決定される。
【0020】
介在物は、等しいまたは異なる直径を有してよく、それぞれの介在物の介在物直径は、ファイバの長さに沿って前述のように等しくてよくまたは異なってよい。
一実施形態では、送達ファイバの送達端部分が、送達端を備え、コネクタ部材は、送達端に対して取付け距離を置いて取り付けられ、したがって、送達端は、送達端を受信導波路と物理的に接触して接続するようにコネクタ部材を通過しており、好ましくは、受信導波路は、照明および/または計測および/または手術のための装置に組み込まれた受信ファイバなどの受信ファイバである。
【0021】
ファイバの送達端は、端部ファセットである。送達端に対する取付け距離は通常、数mmであり、たとえば少なくとも2mm、たとえば最大で2cm、または好ましくは1cm未満である。送達端に対する取付け距離は通常、コネクタ部材の構造によって与えられる。好ましくは、コネクタ部材は、規格IEC61754-20、IEC61754-15、もしくはIEC61754-13、または同等の規格の少なくとも1つによる規格コネクタ部材などの規格コネクタ部材である。送達端に対する取付け距離は、送達端から、コネクタ部材との最も近い物理的接触までの距離として決定される。コネクタ部材は通常、接続される送達端を同時に保護しながら別のコネクタ部材に嵌合され接続されるために、送達端を超えて延びる接続フランジを有する。装置に接続される前に、送達端は、望ましくは取外し可能なキャップによって保護される。最適な接続のために、送達端は、有利には研磨され、任意選択で、端部ファセットでの光の望ましくない反射を低減するために、ファイバの断平面に対して例として最大で60度、たとえば最大で約30度、たとえば約3度から10度、たとえば約8度で角度が付けられたファセットを有するように配置される。広帯域の動作のために、ファセットの角度はしばしば妥協点として選択される。したがって、一般に、望ましくない量の光が反射されないように十分に大きいファセット角度を有し、それにより、大きな量の光がファイバのNA内に収集されるようにすることが望ましい。他方で、ファセット角度は、大きすぎると望ましくない角分散を生じ得るので、有利には大きすぎるべきではない。
【0022】
一実施形態では、送達ファイバの送達端部分は、ファイバ導波路の構造を変更することなく送達ファイバの送達端がコネクタ化に適するように、コネクタ部材に対して取り付けられる。
【0023】
本発明によれば、自由空間光通信の使用なしに、すなわちファイバ外部の接続サイトでの伝送なしに、また伝播モードの位相面の望ましくない変更なしに、送達ファイバ・アセンブリの送達ファイバが装置に接続され得ることが見出されている。さらに、送達ファイバ・アセンブリの送達ファイバは、モード・フィールドの望ましくない拡張なしに、装置に接続されることが可能であり、それにより、光の損失が減少されまたは完全に回避される。
【0024】
一実施形態では、コネクタ部材は、送達端に対して距離を置いて、送達ファイバの送達端部分において送達ファイバに対して取り付けられ、したがって、送達端は、送達端を受信導波路と物理的に接触して接続するようにコネクタ部材を通過しており、好ましくは、受信導波路は、照明および/または計測および/または手術のための装置に組み込まれた受信ファイバなどの受信ファイバである。
【0025】
コネクタ部材は、好ましくはフェルールを備え、送達端部分は、受信ユニットに結合されるようにフェルールを通過する。
有利には、コネクタ部材は、送達端が受信導波路に物理的に接触され接続され得るように配置され、たとえば、光ファイバは、対応する受信導波路コネクタ部材を備える。
【0026】
有利には、コネクタ部材は、ばね装荷され、したがって、送達端ファセットは、突合せ結合で受信ファイバに嵌合されることができ、コネクタが嵌合されたときにファイバ面が互いに押圧される。得られたガラス同士の接触は、接合されたファイバ間の空隙によって引き起こされる信号損失を解消する。
【0027】
一実施形態では、送達ファイバは、その送達端部分に少なくとも沿って、任意選択でファイバの全長に沿って、伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長について一定のモード・フィールド径を有し、そこでは、モード・フィールドが拡大するとファイバが光を失う可能性がある。好ましくは、送達端部分は、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも約5mm、たとえば少なくとも1cmのファイバの長さを備える。好ましくは、送達ファイバは、送達端部分に少なくとも沿って、伝送帯域幅内の波長プロファイルに対して一定のモード・フィールド径を有する。「波長プロファイルに対するモード・フィールド径」という表現は、伝送帯域幅内のそれぞれの波長に対するそれぞれのモード・フィールド径のプロファイルを意味する。それにより、送達ファイバは、最小限の光の損失で使用されるように装置に接続され得る。
【0028】
送達ファイバのモード・フィールド径は、有利には、望ましい伝送波長帯域幅に依存して選択される。2μm未満の波長の波長範囲についてのモード・フィールド径の変化は、驚くほどわずかであることが見出されている。したがって、100nmの帯域幅では、モード・フィールド径は、最低波長のモード・フィールド径に基づいて、好ましくは10%未満で変化する。
【0029】
比較的小さい、すなわち50μm以下のコア領域は、伝送帯域幅に対するモード・フィールド径範囲を狭く維持するために重要なファクタであることが見出されている。したがって、より小さいコア領域を選択することによって、伝送帯域幅のモード・フィールド径範囲がさらに狭くなり得る。さらに、モード・フィールド径の変動は、約900nm以下の波長では、より長い波長よりも小さいことが見出されている。
【0030】
送達ファイバは、モード・フィールド径範囲を選択することによって調整され得る。すなわち、一実施形態では、送達端部分に少なくとも沿った送達ファイバは、伝送波長についてモード・フィールド径範囲を有し、モード・フィールド径範囲は、範囲の最低モード・フィールド径の約30%以下、たとえば約20%以下、たとえば約15%以下、たとえば約10%以下である、モード・フィールド径範囲は、伝送帯域幅に対応するモード・フィールド径の範囲であり、範囲の最低モード・フィールド径は、伝送帯域幅の最低波長のモード・フィールド径である。
【0031】
有利には、伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長について、送達端部分に少なくとも沿った送達ファイバは、一定の開口数NA、および0.5dB/m未満、たとえば約0.2dB/m未満、たとえば約0.1dB/m未満、またはさらに約0.05dB/m未満の伝播損失を有する。
【0032】
有利には、送達ファイバは、伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長についてのシングル・モードである。一般に、光のビームは、マルチモード光よりもシングル・モード光の品質がはるかに高く、用途によってはシングル・モード光が要件とされる。好ましくは、送達ファイバは、伝送帯域幅の少なくとも約50%、たとえば少なくとも約80%、たとえば送達ファイバの伝送帯域幅全体についてのシングル・モードである。
【0033】
好ましい実施形態では、送達ファイバは、偏波保持光ファイバ(PMファイバ)である。PMファイバは、たとえば、1つまたは複数の応力要素を備える。
PMファイバは、直線偏光がファイバ内に入射された場合に直線偏波が保持され得るファイバである。有利には、入射された偏光は、PM送達ファイバに沿って伝播中に直線偏光を保持し、直線偏光状態でファイバから出る。有利には、2つの偏波モードの間で光パワーのクロス・カップリングがほとんどまたは全くない。好ましくは、PM送達ファイバは、伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長についてのシングル・モードである。送達ファイバをPMファイバとして提供することにより、送達ファイバは、曲げ損失がさらに小さくなる。
【0034】
たとえば、PM特性は、たとえば米国特許第7,289,709号明細書に説明されるような応力要素を組み込むことによって導入され得る。
コア領域は、原則的に、パワーに依存した任意のコア直径、および送信される波長を有してよい。有利には、送達ファイバコア領域は、少なくとも約3μmの直径を有する。コア領域は、送達ファイバの長さに沿って変化し得るが、一般に、好ましくは、コア領域は、送達ファイバの大部分に沿って、たとえば好ましくは送達ファイバの長さの少なくとも約80%に沿って実質的に同一の直径を有する。最適なコア領域の直径は、最大で約15μm、たとえば約3μmから約10μmの範囲内、たとえば約4μmから約12μmである。
【0035】
送達ファイバの伝送帯域幅が、500nm未満またはさらに450nm未満の波長を備える場合、送達ファイバコア領域は、有利には、約10μm未満の直径を有する。なぜならば、送達ファイバのコア領域が大きくなると、たとえば約15nmよりも大きいと、UV光領域における損失が増大することが見出されているからである。
【0036】
コア領域サイズ、介在物直径、およびパターンなど、光ファイバのすべての構造的詳細は、特に指定されない限り、ファイバの断面図に関連して与えられる。
一実施形態では、コア領域直径は、送達ファイバの長さに沿って実質的に同一であり、任意選択で送達ファイバの1つまたは複数のコンポーネント部を除外して実質的に同一である。
【0037】
そのようなコンポーネント部が以下でさらに説明される。
好ましくは、クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも4つのリング、たとえばコア領域を包囲する介在物の少なくとも5つのリングを備える断面パターンに配置される。介在物のリングの数を増大させることにより、伝送帯域幅が増大され得ること、さらに、シングル・モード特性および/または損失低減などの追加的特性が向上され得ることが見出されている。介在物のリングは、有利には、隣接介在物の間の距離がピッチのP倍であるようにピッチ・パターンに配置され、ここで、Pは、0.5または5までの整数、好ましくは最大で3、たとえば1または2であり、Pは、最も近い介在物の異なる距離から異なる値を持つことができる。
【0038】
一実施形態では、介在物は、ピッチ・パターン、2倍ピッチ・パターン、3倍ピッチ・パターン、半ピッチ・パターン、またはこれらの組合せで配置され、ピッチは、コア領域と介在物との間の最小の中心間距離として決定される。
【0039】
ピッチΛは、送達ファイバを望ましい伝送帯域幅に調整するために、特に、伝送帯域幅が、450nm未満の青色範囲および/または800nmを上回る赤色範囲の波長を備えるかどうかについて調整するために使用され得ることが見出されている。青色波長に達するために、ピッチは、約10μm未満、好ましくは約9μm未満、たとえば約8μm未満、たとえば約7μm未満、たとえば約6μm未満であることが望ましい。赤色波長に達するために、ピッチは、有利には、約3.2μm以上、たとえば約3.2μm以上、たとえば約4μm以上、たとえば約5μm以上、たとえば約5μm以上、たとえば約7μm以上、たとえば約8μm以上である。
【0040】
コア領域直径対ピッチd/Λは、有利には、約0.7以下、たとえば約0.3から約0.65、たとえば約0.4から約0.6であり得る。
有利には、コア領域は、屈折率Ncoreを有し、クラッド領域は、実効屈折率Ncladを有し、クラッド・バックグラウンド材料の屈折率Nbgは、コア領域の屈折率Ncoreと実質的に同一である。
【0041】
一実施形態では、コア領域の屈折率は均一である。別の実施形態では、コア領域は、たとえば同時係属のDK PA 2014 00545に説明されているように、微細構造化される。コア領域が微細構造化される場合、コア領域の屈折率Ncoreは平均屈折率として決定される。
【0042】
代替実施形態では、クラッド・バックグラウンド材料の屈折率Nbgは、コア領域の屈折率Ncoreと異なり、好ましくは、クラッド・バックグラウンド材料の屈折率Nbgは、コア領域の屈折率Ncoreよりも低い。
【0043】
一実施形態では、送達ファイバは、シリカ・ファイバであり、固体介在物は、ダウン・ドープされたシリカである。好ましくは、互いに独立した固体介在物が、フッ素ならびに/またはホウ素ならびに/またはFおよび/もしくはB原子を備える成分のうちの少なくとも1つでドープされたシリカである。
【0044】
それぞれの介在物は、等しいまたは異なるそれぞれの屈折率を有してよく、介在物は、異なる屈折率を有するいくつかの領域を有してよく、その状況において、屈折率は、上述されたように平均屈折率として決定される。
【0045】
一実施形態では、互いに独立した各介在物のそれぞれの屈折率と、バックグラウンド材料の屈折率Nbgとの差が、約10-5から約0.1、たとえば約10-4から約10-2、たとえば最大で約10-3である。
【0046】
一実施形態では、介在物は、実質的に同一の屈折率Nincを有する。
一実施形態では、介在物のうちのn個が、異なる屈折率Ninc(1)…、Ninc(n)を有し、nは、最大で介在物の個数である整数であり、言い換えれば原則として、すべての介在物が異なる屈折率を有してよい。しかしながら、実用的観点から、この実施形態は好ましくはない。
【0047】
有利には、最大で10個、たとえば2~4個、好ましくは介在物のリングの介在物のすべてが、実質的に同一の屈折率を有する。
一実施形態では、介在物のあるリングの介在物は、介在物の別のリングの介在物と異なる屈折率を有する。好ましくは、介在物のあるリングの介在物は、コア領域により近い介在物の別のリングの介在物よりも高い屈折率を有する。異なる屈折率を有する介在物のリングを有することにより、送達ファイバは、望ましい伝送帯域幅を有するように設計されることができ、同時に、より高次のモードが抑制され得る。
【0048】
一実施形態では、介在物のリングの介在物は、異なる屈折率を有する2つ以上の介在物を備える。
有利には、固体介在物は、コア領域と実質的に平行である。それにより、ファイバは比較的簡易な方法で引かれ得る。
【0049】
一実施形態では、固体介在物は、コア領域をらせん状に包囲する。それにより、介在物の数が減少されること、および/または曲げ損失が低減されることが可能である。しかしながら、コア領域をらせん状に包囲する介在物を有するファイバの製造は、コア領域に対して平行な介在物を有する場合よりも難しい。
【0050】
一実施形態では、送達ファイバは、内側クラッド領域および外側クラッド領域を備え、それらにおいてクラッド・バックグラウンド材料が異なり得る。
一実施形態では、送達ファイバは、内側クラッド領域および外側クラッド領域を備え、それらにおいてクラッド・バックグラウンド材料は同一の屈折率を有する。
【0051】
一実施形態では、送達ファイバは、内側クラッド領域および外側クラッド領域を備え、外側クラッド領域内の介在物は、内側クラッド領域内の介在物よりも高い屈折率を有する。この実施形態では、内側クラッド領域は、有利には、最大でNincの屈折率を有する固体材料の本明細書に説明されている介在物を備え、外側クラッド領域内の介在物は、Nincよりも高い屈折率を有する固体材料からなる。好ましくは、外側クラッド領域内の介在物は、外側クラッド領域のバックグラウンド材料よりも高い屈折率を有する固体材料からなる。それにより、外側クラッド領域の介在物は、より高次のモードにカップル・アウト(couple out)するように作用し得る。
【0052】
一実施形態では、送達ファイバは、たとえば上述されたように、内側クラッド領域と外側クラッド領域とを備えるダブル・クラッド送達ファイバであり、送達ファイバは、たとえば自由空間光通信を介して、またはカプラ、たとえば、後述されるような融着カプラを介して、信号が収集され得るように構成される。
【0053】
介在物は、原則的に任意のサイズを有し得るが、一般に、介在物がファイバ複屈折を形成するのに使用されない限り、介在物は大きすぎないことが望ましい。
一実施形態では、固体介在物は、等しいまたは異なる直径を有し、好ましくは、直径は約0.2から約1μm、たとえば約0.4~0.8μmである。
【0054】
好ましくは、介在物のリングの介在物は、等しい直径を有する。
一実施形態では、介在物のリング内の介在物は、第1の直径を有し、介在物の別のリング内の介在物は、第1の直径とは異なる第2の直径を有する。
【0055】
有利には、送達ファイバは、すべて固体のファイバ、すなわち、25℃で完全に固体の材料のファイバである。好ましくは、送達ファイバは、すべてシリカのファイバであり、コア領域、クラッド領域、および/または介在物は、それぞれの屈折率に達するようにドープされる。
【0056】
一実施形態では、送達ファイバの伝送帯域幅は、約400nmから900nmの範囲内の波長を備える。この波長の範囲は、複数の高精度の手順、特に顕微鏡に基づく手順に非常に適している。好ましくは、送達ファイバの伝送帯域幅は、少なくとも約100nmの帯域幅、たとえば少なくとも約200nmの帯域幅、たとえば少なくとも約300nmの帯域幅、たとえば少なくとも約400nmの帯域幅、たとえば約400nmから900nmの範囲内の帯域幅全体を備える。
【0057】
一実施形態では、伝送帯域幅は、可視範囲内の少なくとも1つの波長を備える。
一実施形態では、伝送帯域幅は、可視範囲よりも高い波長、たとえば700nm以上の波長を備える。これは、特に伝送帯域幅が専ら700nmを超える場合に、眼の手術中の照明に非常に適している。
【0058】
一実施形態では、伝送帯域幅は、450nm未満またはさらには400nm未満の少なくとも1つの波長を備える。そのような波長は、多くの顕微鏡照明手順に非常に適している。
【0059】
一実施形態では、送達ファイバは、1500nmを上回る波長を抑制するように構成される。これは、介在物のそれぞれのリング内の介在物の間の距離の選択によって、および/またはコア領域の屈折率とクラッド領域の実効屈折率との間の屈折率差の選択によって、提供され得る。
【0060】
一実施形態では、送達ファイバは、900nmを上回る波長を抑制するように構成される。
一実施形態では、送達ファイバの伝送帯域幅は、約1100nmから2400nmの範囲内の波長を備え、好ましくは、送達ファイバの伝送帯域幅は、少なくとも約100nmの帯域幅、たとえば少なくとも約200nmの帯域幅、たとえば少なくとも約300nmの帯域幅、たとえば少なくとも約400nmの帯域幅、たとえば約1100nmから2400nmの範囲内の帯域幅全体を備える。
【0061】
一実施形態では、送達ファイバの伝送帯域幅は、約400nmから1100nmの範囲内の波長を備える。
一実施形態では、送達ファイバの伝送帯域幅は、800nm未満、たとえば700nm未満、たとえば600nm未満、たとえば500nm未満の波長を備える。
【0062】
送達ファイバは、長すぎると望ましくない曲げおよび機械的妨害をもたらし得るので、長すぎるべきではない。しかしながら、送達ファイバは短すぎるべきでもない。好ましい実施形態では、送達ファイバ・アセンブリは、特定の使用のために異なる長さで供給され得る。
【0063】
たとえば、送達ファイバの適切な長さは、約5cmから約100m、たとえば約10cmから約30m、たとえば約20cmから約20m、たとえば約30cmから約10mである。
【0064】
有利には、送達ファイバは、少なくとも1つのコンポーネント部を備え、コンポーネント部は、有利には、送達ファイバからの光を分離し、および/または送達ファイバ内へ光を組み合わせるように構成され、コンポーネント部は、好ましくは、すべてファイバのコンポーネント部である、
有利には、送達ファイバは、融着カプラまたは融着スプリッタなどの融着コンポーネントを備える。そのような融着コンポーネントは当技術分野で周知であるが、これまで送達ファイバに対して適用または融着されていなかった。融着要素の原理として、送達ファイバのコア、および融着コンポーネントのコア、通常はファイバ・コンポーネントが、1つのコアから別のコアへと光を伝送するように互いに非常に近く融着される。融着コンポーネントの利点は、固体微細構造を有する光ファイバを含み、たとえば、コア領域とコア領域を包囲するクラッド領域とを備える光ファイバを含み、クラッド領域は、屈折率TNbgを有するクラッド・バックグラウンド材料と、最大でTNincの屈折率を有し、ツイン送達ファイバの長さに、好ましくはツイン送達ファイバに沿って延びる固体材料の介在物の形態の複数の微細構造とを備え、TNinc<TNbgであり、クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも2つのリングを備える断面パターンに配置される。
【0065】
前述されたように介在物の形態の固体微細構造を備えるすべて固体のファイバを使用することによって、送達ファイバに対する光の結合または送達ファイバからの光の分離は、送達ファイバに結合された光の一部分または送達ファイバから分離された光の一部分が、それが結合または分離された元の光と実質的に同一の波長プロファイルを有するようになされることが見出されている
一実施形態では、送達ファイバ・アセンブリは、融着カプラを備え、融着カプラは、コンポーネント部において送達ファイバに対して融着される。
【0066】
有利には、融着カプラは、コンポーネント部において送達ファイバに対して融着された結合ファイバを備える、2×2カプラである。結合ファイバは、融着コンポーネント部の両側に第1および第2のファイバ部分を備え、融着コンポーネント部で送達ファイバと結合ファイバとの間で光が結合されるように配置される。
【0067】
一実施形態では、結合ファイバは、光を送達ファイバ内へ結合し、同時に、光部分を送達ファイバから結合ファイバへ結合するように配置される。そのような融着カプラは、以下の例で説明されるようにOCTで使用するために有利である。
【0068】
一実施形態では、送達ファイバ・アセンブリは、融着スプリッタを備え、融着スプリッタは、送達ファイバからの光の一部分を分離するために、コンポーネント部において送達ファイバに対して融着される。好ましくは、分離された光部分は、光のパワーに対して5~95%を構成し、分離された光部分は、それが分離された元の光部分と実質的に同一の波長プロファイルを有する。
【0069】
一実施形態では、スプリッタは、分離された光がパワーの約10%またはパワーの約90%を構成するという意味で、10-90%比のスプリッタである。このタイプのスプリッタは、たとえば、OCTまたはウエハ計測または同様の装置で使用するのに適している。
【0070】
一般に、スプリッタは、送達ファイバからの光の任意の望ましいパワー部分を分離するために適用されることが可能であり、分離された部分は、基準として使用され得る。一実施形態では、スプリッタを有する送達ファイバが、干渉計装置で使用するために構成される。
【0071】
一実施形態では、スプリッタは、分離された光がパワーに対して約50%を構成するという意味で50%-50%比のスプリッタである。この実施形態は、たとえば、パルス・インターリーブ励起を用いた高度蛍光変動分光法(Advanced Fluorescence Fluctuation Spectroscopy with Pulsed Interleaved Excitation)、マティアス・ホラー(Matthias Hoeller)、Dissertation zur Erlangung
des Doktorgrades der Fakultaet fuer Chemie und Pharmazie der Ludwig-Maximilians-Universitaet Muenchen、2011年に説明されているように、インターリーブされたパルスを提供するために適用されてよい。
【0072】
一実施形態では、融着スプリッタが、光を送達するためのツイン送達ファイバを備え、ツイン送達ファイバは、ツイン送達端と、コンポーネント部からツイン送達端に延びる長さとを備え、その長さに沿って、コア領域と、コア領域を包囲するクラッド領域とを備え、クラッド領域は、屈折率TNbgを有するクラッド・バックグラウンド材料と、最大でTNincの屈折率を有し、ツイン送達ファイバの長さに延び、好ましくはツイン送達ファイバに沿って延びる固体材料の介在物の形態の複数の微細構造とを備え、TNinc<TNbgであり、クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも2つのリングを備える断面パターンに配置され、好ましくは、ツイン・コネクタ部材が、ツイン送達端を備えるツイン送達ファイバのツイン送達端部分においてツイン送達ファイバに対して取り付けられる。
【0073】
有利には、送達ファイバは、約200nm以上、たとえば約300nm以上、たとえば約400nm以上、たとえば約500nm以上の伝送帯域幅を有する。
一実施形態では、送達ファイバ・アセンブリは、融着カプラおよび融着スプリッタを備え、融着スプリッタは、第1のコンポーネント部において送達ファイバに対して融着され、融着カプラは、送達ファイバの送達端により近い第2のコンポーネント部において送達ファイバに対して融着され、融着スプリッタおよび融着カプラは、ループ・ファイバを備え、ループ・ファイバは、スプリッタによって分離されカプラによって送達ファイバ内に再結合される光パルス部分を遅延するように構成され、分離され再結合された光パルス部分は、それが分離された元の光パルス部分に対して遅延される。
【0074】
ループ・ファイバは、有利には、たとえば上述されたように、介在物を備えるすべて固体のファイバである。
有利には、アセンブリは、入力端コネクタ部材を備え、入力端コネクタ部材は、入力端を備える送達ファイバの入力端部分において送達ファイバに対して取り付けられ、コネクタ部材は、好ましくは、入力端を微細構造光ファイバなどの光入射ユニットと物理的に接触して接続するように構成される。
【0075】
一実施形態では、アセンブリは、前置送達ファイバ(pre-delivery fiber)を備え、前置送達ファイバは、自由空間光通信なしに送達ファイバに結合される。
【0076】
一実施形態では、前置送達ファイバは、任意選択で接合によって、送達ファイバに接合される。
有利には、接合は、モード・フィールド径、開口数、低伝播損失、または伝送帯域幅から選択される1つまたは複数のガイド特性が、前置送達ファイバから送達ファイバまで実質的に変更されないように提供される。
【0077】
一実施形態では、送達ファイバ・アセンブリは、異なる波長を有する複数(multiplum)の多重化レーザからシングル・モード品質で光を送達するように構成される。そのような多重化レーザ光は、スペクトル・エンジンと呼ばれることがある。多重化レーザ光は、たとえば、青色、緑色、および赤色レーザから多重化されてよく、それらは、たとえば、キオプティクス(Keyoptics)KineFLEXモジュールによって単一のビーム経路として組み合わされる。従来技術は、3つの異なる送達ファイバを使用し、または単一の送達ファイバを有し、それは、大きな波長でシングル・モードであり、低い波長でマルチモードであった。
【0078】
これまで、1つの単一送達ファイバによって約25nm以上、たとえば約100nm以上、たとえば200nm以上、たとえば300nm以上で異なる波長のような異なる波長を備えるシングル・モード多重化光を送達することを可能にする解決策が存在しなかった。
【0079】
本発明はまた、光を装置に対して供給するための広帯域源に関する。広帯域源は、
・ポンプ・パルスを生成するように動作可能な光ポンプ源と、
・ポンプ光の供給があると広帯域光パルスを生成するための微細構造光ファイバと、
・広帯域光パルスの少なくともいくつかの少なくとも部分を受け取り、広帯域光パルスの受け取られた部分の少なくとも一部を装置に対して送達するように配置された送達ファイバと
を備え、
光ポンプ源は、ポンプ・パルスを微細構造光ファイバに対して入射するように配置され、送達ファイバは、長さと、光を入射するための入力端と、光を送達するための送達端とを有し、送達ファイバは、その長さに沿って、コア領域と、コア領域を包囲するクラッド領域とを備え、コア領域は、最大で約15μmの直径を有し、クラッド領域は、屈折率Nbgを有するクラッド・バックグラウンド材料と、少なくともNincの屈折率を有し、送達ファイバの長手軸の長さに延び、好ましくは送達ファイバの長手軸に沿って延びる固体材料の介在物の形態の複数の微細構造物とを備え、Ninc<Nbgであり、クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも2つのリングを備える断面パターンに配置される。
【0080】
広帯域源の送達ファイバは、有利には、上述された送達ファイバと同様であってよい。
一実施形態では、送達ファイバは、約200nm以上、たとえば約300nm以上、たとえば約400nm以上、たとえば約500nm以上の伝送帯域幅を有する。
【0081】
有利には、送達ファイバは、送達端部分に少なくとも沿って、伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長について、一定のモード・フィールド径を有し、好ましくは、送達ファイバは、送達端部分に少なくとも沿って、伝送帯域幅内の波長プロファイルに対して一定のモード・フィールド径を有する。1つの実施形態では、送達ファイバは、コネクタを有する送達端部分を含むその長さ全体に沿って、実質的に一定のモード・フィールド径を有する。
【0082】
有利には、送達ファイバは、好ましくは上述されたようにたとえば送達端から1cmを含む端部分を少なくとも含む、その長さの大部分に沿って波長プロファイルに対して実質的に一定のモード・フィールド径を有する。
【0083】
送達ファイバは、好ましくは、伝送帯域幅内の少なくとも1つの波長についてのシングル・モードである。好ましくは、送達ファイバは、伝送帯域幅の少なくとも約50%、たとえば少なくとも約80%、たとえば送達の伝送帯域幅全体についてのシングル・モードである。送達ファイバは、好ましくは、約200nm以上、たとえば約300nm以上、たとえば約400nm以上、たとえば約500nm以上の伝送帯域幅を有する。
【0084】
有利には、送達は、上述されたように、偏波保持光ファイバ(PMファイバ)である。
一実施形態では、クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも4つのリング、たとえばコア領域を包囲する介在物の少なくとも5つのリングを備える断面パターンに配置される。介在物のリングは、たとえば上述されたように、ピッチ・パターン、2倍ピッチ・パターン、3倍ピッチ・パターン、半ピッチ・パターン、またはこれらの組合せで配置される。
【0085】
一実施形態では、ファイバは、基本的に単一の欠落介在物に対応する、いわゆる単一セル・コアを有する。この実施形態では、コアのサイズは、ピッチ(Λ)の2倍から介在物(d)の直径を引くことによって与えられる。
【0086】
好ましくは、コア領域は、屈折率Ncoreを有し、クラッド領域は、実効屈折率Ncladを有し、クラッド・バックグラウンド材料の屈折率Nbgは、コア領域の屈折率Ncoreと実質的に同一である。
【0087】
送達ファイバは、有利には、シリカ・ファイバであり、固体介在物は、ダウン・ドープされたシリカであり、好ましくは、互いに独立した固体介在物が、フッ素ならびに/またはホウ素ならびに/またはFおよび/もしくはB原子を備える成分のうちの少なくとも1つでドープされたシリカである。
【0088】
一実施形態では、送達ファイバは、内側クラッド領域と外側クラッド領域とを備えるダブル・クラッド・ファイバであり、外側クラッド領域内の介在物は、内側クラッド領域内の介在物よりも高い率を有し、好ましくは、内側クラッド領域は、少なくともNincの屈折率を有する固体材料の介在物の少なくとも2つのリングを備え、外側クラッド領域は、内側クラッド領域よりも高い実効屈折率を有する。
【0089】
外側クラッド領域内の介在物は、Nincよりも高い屈折率を有する固体材料からなり、好ましくは、外側クラッド領域内の介在物は、外側クラッド領域のバックグラウンド材料よりも高い屈折率を有する固体材料からなる。それにより、外側クラッドの介在物は、より高次のモードにカップル・アウトするように作用し得る。
【0090】
一実施形態では、外側クラッドは、照明されたターゲットからの信号を受信および送信するように配置される。ターゲットから散乱された光が、光学素子によってコリメートされ、外側クラッドを介して、たとえば分光計に対して送信され得る。
【0091】
送達ファイバは、有利には、上述されたような送達ファイバ・アセンブリの形態である。
光ポンプ源は、原則的に、たとえば国際公開第2011/023201号に説明された光ポンプ源など、任意の種類の光ポンプ源とすることができる。
【0092】
有利には、光ポンプ源は、モード・ロック・ファイバ・オシレータ(mode-locked fiber oscillator)、および好ましくは少なくとも1つの増幅器を備える。一実施形態では、光ポンプ源は、主発振器出力増幅器MOPA(master oscillator power amplifier)を備える。MOPA構成は当技術分野で周知である。
【0093】
微細構造光ファイバは、たとえば上記に引用された従来技術文献に説明されているような、スーパーコンティニューム生成に適した任意の微細構造光ファイバとすることができる。
【0094】
有利には、広帯域源の光ポンプ源および微細構造光ファイバは、少なくとも約200nm、好ましくは少なくとも約500nm、たとえばオクターブに及ぶ広帯域光パルスを生成するように構成される。
【0095】
有利には、微細構造光ファイバは、好ましくは自由空間光通信の使用なしに、送達ファイバに接続されたコネクタ部材に接続された孔を備える。
一実施形態では、たとえば米国特許出願公開第2012/195554号明細書に説明されているように、孔を備える微細構造光ファイバが送達ファイバに接合される。
【0096】
一実施形態では、微細構造光ファイバは、送達ファイバに対して突合せ接続によって接続され、任意選択で、コネクタ部材、もしくはコールド・スプライス(cold splice)などの接合によって接続され、または、孔が微細構造光ファイバの端部でつぶされる。
【0097】
一実施形態では、微細構造光ファイバは、A.D.ヤブロン(A.D.Yablon)およびR.ビセ(R.Bise)による「GRINファイバ・レンズを使用した低損失高強度微細構造ファイバ融着スプライス(Low-Loss High-Strength
Microstructured Fiber Fusion Splices Using GRIN Fiber Lenses)」、Optical Society of America, OCIS codes:(060.2310)Fiber optics、2004年に説明されているように、屈折率分布ファイバ配置(GRIN:gradient index fiber arrangement)を使用して送達ファイバに接続される。
【0098】
一実施形態では、広帯域源は、広帯域光パルスをフィルタリングするためのバンド・パス・フィルタを備え、バンド・パス・フィルタは、好ましくは同調可能バンド・パス・フィルタであり、好ましくは、格子ベースのフィルタ、プリズム、または音響光学同調可能フィルタ(AOTF:acousto-optic tunable filter)から選択される。そのようなバンド・パス・フィルタは当業者には周知である。
【0099】
有利には、バンド・パス・フィルタは、微細構造光ファイバと送達ファイバとの間に位置付けられる。
一実施形態では、送達ファイバは、広帯域光パルスのバンド・パスでフィルタリングされた部分を受け取り、広帯域光パルスの受け取られた部分の少なくとも一部を装置に対して自由空間光通信なしに送達するように配置される。
【0100】
一実施形態では、フィルタは、選択的に複数の波長または波長範囲を選択し送達ファイバに対して選択された波長を送信するように構成された、同調可能光バンド・パス・フィルタである。
【0101】
ポンプ源が、ポンプ・パルス繰返し率でポンプ・パルスを生成するように動作可能であり、広帯域源が、ポンプ源と微細構造光ファイバとの間に配置されたパルス・ピッカを備える、実施形態において、パルス・ピッカは、ポンプ源により生成されたポンプ・パルス繰返し率を低減するようにパルスを選出するように動作可能であり、したがって、低減されたポンプ・パルス繰返し率が微細構造光ファイバに対して入射される。
【0102】
本発明はまた、上述されたような広帯域源を備える広帯域源システムを含み、広帯域源システムは、異なる送信特性を有する複数の送達ファイバ・アセンブリを備え、送達ファイバ・アセンブリの各々は、入力端コネクタ部材および送達端コネクタ部材を備える。それにより、ユーザは、特定の使用のために送達ファイバ・アセンブリを選択し、別の使用のために別の送達ファイバ・アセンブリに切り替えることができる。それぞれの送達ファイバ・アセンブリは、有利には、異なる手順の実行用に設計され、ユーザは、比較的簡易に送達ファイバ・アセンブリを切り替えることができる。
【0103】
本発明はまた、光を装置に対して供給するためのスペクトル・エンジン源に関し、スペクトル・エンジン源は、
・少なくとも1つの波長と異なる波長を有するレーザ・ビームを放出する2つ以上のレーザと、
・マルチプレクサと、
・送達ファイバと
を備える。
【0104】
したがって、スペクトル・エンジンは、異なる波長または波長帯を有するレーザ・ビームを放出する複数のレーザを備え得る。
マルチプレクサは、レーザの各々のレーザ・ビームの少なくとも部分を受け取り、受け取られた光を多重化ビームにコリメートするように構成される。送達ファイバは、多重化ビームを受け取り、受け取られた多重化ビームの少なくとも一部を装置に対して送達するように配置され、送達ファイバは、長さと、光を入射するための入力端と、光を送達するための送達端とを有する。送達ファイバは、その長さに沿って、コア領域と、コア領域を包囲するクラッド領域とを備え、コア領域は、最大で約15μmの直径を有し、クラッド領域は、屈折率Nbgを有するクラッド・バックグラウンド材料と、最大でNincの屈折率を有し、送達ファイバの長手軸の長さに延びる固体材料の介在物の形態の複数の微細構造物とを備え、Ninc<Nbgであり、クラッド領域内の複数の介在物は、コア領域を包囲する介在物の少なくとも2つのリングを備える断面パターンに配置され、好ましくは、送達ファイバは、2つ以上のレーザの各々の波長の少なくとも一部を備える波長を備える伝送帯域幅を有する。
【0105】
送達ファイバは、上述された通りであってよい。
レーザは、ファイバ・レーザまたは半導体ダイオードレーザなど、任意の種類のレーザであってよい。
【0106】
一実施形態では、2つ以上のレーザから放出されるレーザ・ビームのうちの少なくとも1つは、約50nm以下、たとえば約25nm以下、たとえば約5nm以下の帯域幅を有する。
【0107】
一実施形態では、2つ以上のレーザから放出されるレーザ・ビームのうちの1つは、500nm未満の少なくとも1つの波長を備え、2つ以上のレーザから放出されるレーザ・ビームのうちの1つは、800nmを上回る少なくとも1つの波長を備える。
【0108】
一実施形態では、スペクトル・エンジンは、少なくとも3つのレーザを備え、レーザのうちの第1のレーザは、450nm未満の少なくとも1つの波長を備えるレーザ・ビームを放出するように適合され、レーザのうちの第2のレーザは、500nmから700nmまでの範囲の少なくとも1つの波長を備えるレーザ・ビームを放出するように適合され、レーザのうちの第3のレーザは、800nmを上回る少なくとも1つの波長を備えるレーザ・ビームを放出するように適合される。
【0109】
本発明はまた、上述されたように備える広帯域源またはスペクトル・エンジン源を備える装置に関する。装置は、送達ファイバから光を受け取るように配置された光導波路を備え、光導波路は、送達ファイバの送達端のコネクタ部材と嵌合されるように構成されたコネクタ部材を備え、光導波路は、好ましくは光ファイバである。
【0110】
装置は、たとえば、ターゲットを照明するように構成された照明装置であり、照明装置は、好ましくは、顕微鏡、分光器、または内視鏡から選択される。
有利には、照明源は、蛍光イメージング;蛍光寿命イメージング(FLIM);全内部反射蛍光(TIRF)顕微鏡;蛍光共鳴エネルギー移動(FRET);パルス・インターリーブ励起促進共鳴エネルギー移動(PIE-FRET);広帯域分光法;ナノフォトニクス;フロー・サイトメトリー;計測などの工業検査;ガス検知などのリングダウン分光法;ハイパースペクトル分光法、たとえば果物の作物分析、飛行時間分光法(TCSPC)などの分析分光法;1分子イメージング;および/またはこれらの組合せに対して適合される。1つの実施形態では、送達ファイバは、顕微鏡におけるいわゆる光ガイドの役割をする。
【0111】
一実施形態では、装置は、計測装置であり、装置は、好ましくは、照明されたターゲットからの信号を収集するように構成されたダブル・クラッド送達ファイバを備える。
一実施形態では、装置は、融着カプラを備える少なくとも1つの送達ファイバ・アセンブリ、および/または融着スプリッタを備える少なくとも1つの送達ファイバ・アセンブリを備える。
【0112】
一実施形態では、照明源は、融着カプラを備える少なくとも1つの送達ファイバ・アセンブリ、および/または融着スプリッタを備える少なくとも1つの送達ファイバ・アセンブリを備え、送達ファイバは、少なくとも約200nm、好ましくは少なくとも約500nm、たとえばオクターブの伝送帯域幅を有する。
【0113】
範囲および好ましい範囲を含む上述された発明および発明の実施形態のすべての特徴は、それらの特徴を組み合わせない特定の理由が存在しない限り、本発明の範囲内において様々に組み合わされ得る。
【0114】
本発明の上記および/または追加の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の以下の例示的で非限定的な詳細な説明により、さらに明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
図1a】本発明の送達ファイバ・アセンブリの実施形態の送達ファイバの断面図。
図1b図1aに示されるような送達ファイバのための伝送損失スペクトルの形態の波長プロファイルを示す図。
図1c】暗い領域はホウ素など別の材料でドープされた介在物である、PMファイバの例を示す図。
図1d】本発明によるファイバに関する長波長伝送端および短波長伝送端対ピッチの例を示す図。
図2】本発明の送達ファイバ・アセンブリの実施形態の一部の斜視図。
図3】本発明の広帯域源の実施形態の概略図。
図4】本発明の広帯域源の別の実施形態の概略図。
図5】本発明の広帯域源のさらに別の実施形態の概略図。
図6】干渉計の形態の本発明の装置の実施形態の概略図。
図7】別のタイプの干渉計の形態の本発明の装置の実施形態の概略図。
図8】本発明のスペクトル・エンジン源の実施形態の概略図。
図9】本発明のスペクトル・エンジン源の別の実施形態の概略図。
図10】本発明の実施形態の装置の図。
図11】本発明の実施形態の別の装置の図。
【発明を実施するための形態】
【0116】
図面は概略であり、明確にするために簡略化されることがある。全体を通して、同一または対応する部分に対して同じ参照番号が使用されている。
図1aは、送達ファイバ・アセンブリの送達ファイバ5の断面を示す。送達ファイバ5は、屈折率Ncoreを有するコア領域を備える。コアは、クラッド領域によって包囲され、クラッド領域は、屈折率Nbgを有するバックグラウンド材料と、最大でNincの屈折率を有し、送達ファイバの長手軸の長さに延びる固体材料の介在物2a、2bの形態の複数の微細構造とを備え、Ninc<Nbgである。クラッド領域内の複数の介在物2a、2bは、コア領域を包囲する介在物の少なくとも6つのリングを備える断面パターンに配置される。図示された実施形態では、介在物2aの3個の半径方向に最も内側のリングは、介在物2bの3個の半径方向に最も外側のリングよりも小さい屈折率を有する。図示された実施形態では、介在物は、実質的に等しい直径を有する。上記に説明されたように、いくつかの用途では、介在物のあるリングが介在物の別のリングに対して異なる直径を有することが有利であり得る。
【0117】
図1bは、介在物の6つのリングを有する図1に示された送達ファイバに対応するが、すべての介在物が同じ屈折率を有する、ファイバの伝送損失スペクトルを示す。この例ではコアは、10μmの直径を有し、介在物は、635nmで、コアおよびクラッド・バックグラウンド・シリカ材料の屈折率よりも1.2%低い屈折率を有する。クラッド内の介在物の間の中心間距離(ピッチとしても知られる)は6μmであり、介在物の直径は3μmである。
【0118】
スペクトルは、広帯域スペクトル光源からファイバを通して光を送り、結合損失を分離するようにカットバックを行うことによって得られる。約1400nmにおけるピークは、吸水によるものである。送達ファイバは、送達ファイバの伝送帯域幅全体においてシングル・モードである。送達ファイバは、約425nmから約1500nmに及ぶ非常に広い伝送帯域幅を有することが見られる。
【0119】
図1cに示される送達ファイバは、屈折率Ncoreを有するコア領域を備えるPMファイバの例である。コアは、クラッド領域によって包囲され、クラッド領域は、屈折率Nbgを有するバックグラウンド材料と、最大でNincの屈折率を有し、送達ファイバの長手軸の長さに延びる固体材料の介在物7a、8bの形態の複数の微細構造とを備え、Ninc<Nbgである。クラッド領域内の複数の介在物7a、7bは、コア領域を包囲する介在物の少なくとも6つのリングを備える断面パターンに配置される。図示された実施形態では、他の介在物7aよりも高い屈折率を有するいくつかの介在物bが、応力要素を形成するために2つの対向するクラスタに配置されている。より高い屈折率を有する介在物7bは、たとえばホウ素でドープされる。
【0120】
送達ファイバの一実施形態では、ピッチ(Λ)に対するクラッド内の介在物の直径(d)が、送達ファイバのガイド特性に対して大きな影響を与え得ることが見出されている。一実施形態では、伝送損失は、d/Λが約0.4未満である場合に大きい。一実施形態では、ファイバは、d/Λが約0.6より大きい場合にマルチモードである。
【0121】
本発明の一実施形態では、送達ファイバのピッチ(Λ)が、送達ファイバのスペクトル伝送帯域幅に対して大きな影響を有し得ることが見出されている。
特に、短波長伝送端がピッチの上限を設定し、この限界は、必要とされる短波長端と共に増大し、したがって、たとえば、300nmの短波長端は6μm未満のピッチを必要とするのに対し、600nmの短波長端は9μm未満のピッチを必要とすることが見出された。
【0122】
さらに、長波長伝送端がピッチの下限を設定し、この限界は、必要とされる長波長端と共に増大し、したがって、たとえば、800nmの長波長端は少なくとも3.2μmのピッチを必要とするのに対し、1500nmの長波長端は少なくとも6μmのピッチを必要とすることが見出された。
【0123】
図1dは、ピッチを示し、約0.5のd/Λを有する本発明によるファイバに関する長波長伝送端(201)および短波長伝送端(202)対ピッチの例を示す。
一例では、送達ファイバのモード・フィールド径は、500nmにおける約8.0μmから900nmにおける約9.0μmへ変化する。一実施形態では、ファイバのモード・フィールド径は、500nmから900nmで約20%未満変化する。
【0124】
図2は、送達ファイバ5およびコネクタ部材6を備える送達ファイバ・アセンブリの一部を示し、コネクタ部材6は、送達端5aを備える送達ファイバの送達端部分において送達ファイバに対して取り付けられる。見られるように、送達ファイバは、ポリマー保護コーティングなどの保護コーティングを備える。
【0125】
コネクタ部材は、有利には、従来技術では光標準ファイバの端部を終端するために一般的に使用され、低損失の2つの標準光ファイバの容易な接続および切断を可能にするタイプの光ファイバ・コネクタである。
【0126】
取り付け中、光ファイバは、典型的には光コネクタ部材の内側に揃えられ、したがって、光送達ファイバのコア領域が、コネクタ部材のコネクタ面の内側で中央にされる。偏光または偏波保持ファイバについて、偏光軸が所定の平面にあるようにファイバを回転させることも可能である。さらに、ファイバの端部ファセットが、コネクタ部材の出力面にあることが確実にされる。これは、たとえば、コネクタおよびファイバ端部ファセットを研磨することによって達成される。
【0127】
出力端でコネクタ部材を有する送達ファイバ・アセンブリを介して光が送られる場合、光の位置がコネクタ部材の出力から放出されることはよく知られている。標準のすべて固体のシングル・モード・ファイバに関して、光は、その焦点面を有し、それによりコネクタの出力面でウエストとなる。
【0128】
多くの異なるタイプのコネクタ、たとえば、FC、E-2000、SMAコネクタ、ならびにビーム拡張が組み込まれたコネクタが市場に導入されている。
低損失および高出力処理を有するファイバ・コネクタ部材は、有利なことに、たとえば最大で100mWまたはさらに最大で数ワットの平均パワーを処理できるはずなので、そのようなファイバ・コネクタ部材を使用することが望ましい。
【0129】
図3に示される広帯域源10は、広帯域レーザ・パルス発生器1を備え、広帯域レーザ・パルス発生器1は、ポンプ・パルスを生成するように動作可能な図示されない光ポンプ源と、ポンプ光の供給があると広帯域光パルスを生成するための図示されない微細構造光ファイバとを備え、光ポンプ源は、ポンプ・パルスを微細構造光ファイバに対して入射するように配置されている。図示された実施形態では、広帯域レーザ・パルス発生器1は、デンマーク所在のエヌケイティー・フォトニクス(NKT Photonics)によって販売されるSuperK(商標)システムの形態である。広帯域源は、上述されたように固体介在物を備える送達ファイバ5をさらに備える。送達ファイバ5は、広帯域光パルスの少なくともいくつかの少なくとも部分を受け取るように配置される。図示された実施形態では、広帯域源10は、光学コンポーネント3、好ましくは、広帯域レーザ・パルス発生器1と送達ファイバ5との間に配置されたフィルタ3を備える。光学コンポーネント3は、たとえば、偏光子、スペクトル・フィルタ(好ましくは同調可能)、および/またはビーム・スプリッタである。
【0130】
送達ファイバ5の出力端部分において、送達ファイバは、たとえば上述されたようにコネクタ部材6を備える。コネクタ部材6は、有利には、上述されたように、広帯域光パルスの受け取られた部分の少なくとも一部を装置に対して送達するように構成される。
【0131】
図4に示される実施形態では、広帯域源10は、ここでは第1の送達ファイバと呼ばれる送達ファイバから光を受け取るように配置された光導波路に結合される。この実施形態では、第1の送達ファイバから光を受け取るように配置された光導波路は、第2の送達光ファイバ22と、第2の送達ファイバ入口端コネクタ部材21と、第2の送達ファイバ出力端終端ユニット23とを備える追加的送達アセンブリの形態である。以下で第1の送達ファイバ・アセンブリ5、6と呼ばれる送達ファイバ・アセンブリ5、6のコネクタ部材6は、嵌合スリーブ20を使用して第2の送達ファイバ入口端コネクタ部材21に接続される。
【0132】
嵌合スリーブを使用することによって、コネクタは、第1および第2の送達ファイバ5、22のコア領域を機械的に結合し、したがって、光が第1の送達ファイバ5から第2の送達ファイバ22へ低損失で通過することができる。
【0133】
好ましくは、コネクタ部材はばね装荷され、したがって、コネクタ部材6、21が嵌合されたときにファイバ面が互いに押圧される。得られたガラス同士またはプラスチック同士の接触は、接合されたファイバ間の空隙によって引き起こされる信号損失を解消する。
【0134】
ファイバ終端ユニット23は、有利には、コネクタ部材、コリメータ、ボール・レンズ、グリン(grin)・レンズ、または任意の他の適した終端ユニットである。
第2の光送達ファイバ22は、原則的に、任意の種類の光ファイバとすることができ、好ましくは、比較的広い伝送帯域幅、たとえば少なくとも約200nm以上を有し、好ましくは、第2の光送達ファイバ22の伝送帯域幅は、第1の送達ファイバ5の伝送帯域幅と少なくとも部分的に重なる。
【0135】
一実施形態では、第2の光送達ファイバ22は、第1の送達ファイバ5と実質的に同一である。
一実施形態では、広帯域レーザ・パルス発生器1および第1のファイバ送達アセンブリ5、6を備える広帯域源10は、第2のファイバ送達アセンブリ21、22、23を交換することなく、交換されることが可能であり、逆も同様である。
【0136】
一実施形態では、広帯域源10および第2のファイバ送達アセンブリ21、22、23が装置に対して組み込まれ、代替的には、第2のファイバ送達アセンブリ21、22、23が装置に対して組み込まれると共に、広帯域源10が、コネクタ部材6、21間の接続を介して装置に対して光を供給するように配置される。そのような装置の例は、顕微鏡、バイオ・イメージング・システム(たとえば、OCT、SLO、STED、CARS、および光音響システムなど)、アライメントまたはオーバレイ・システム、および製造装置(たとえば、半導体製造装置など)である。本発明のこの実施形態は、広帯域源10が、サービスに対して容易に切断できること、および/または、たとえば装置の残りの部分から切断することがより難しいことがある第2のファイバ・アセンブリ21、22、23とは独立して、交換され得ることを可能にする。たとえば、本発明の実施形態の広帯域源を構成するスーパーコンティニューム源および第1のファイバ送達アセンブリが、第1のモジュールに含まれることが可能であり、また、第2のファイバ・アセンブリ21、22、23が、第2のモジュール、たとえば、半導体ウエハ・スクライビング・システム内のアライメント・センサなどの一部となる。この例では、本発明は、半導体ウエハ・スクライビング・システムのモジュール構築を可能にする。半導体ウエハ・スクライビング・システムが故障した場合、障害が起きた特定のモジュールにエラーを見つけ出すことができ、このモジュールは、他のモジュールと独立して交換され得る。これは、両方のモジュールを同時に交換した場合に比べて、半導体ウエハ・スクライビング・システムのリスク管理を改善する。
【0137】
一実施形態では、第2のファイバ送達アセンブリ21、22、23は、バイオ医療イメージングまたは手術用途に使用される。そのような実施形態の例は、内視鏡検査、大腸内視鏡検査、鼻鏡検査、および気管支鏡検査、ならびに第2の光ファイバの一部が人間または動物の体の内側に入る他の用途を含む。そのような実施形態では、図3に示されるような広帯域源10は、上述されたように接続部材21に容易に接続され得る。
【0138】
一実施形態では、第2のファイバ送達アセンブリは、使用前に滅菌される。
一実施形態では、第2のファイバ送達アセンブリは使い捨てできる。
図5は、本発明の広帯域源の別の実施形態の概略図である。広帯域システム10は、上述された通りであってよく、第2の光送達ファイバ・アセンブリ21、22、23は、図4で説明された通りであってよい。
【0139】
ファイバ終端ユニット23は、有利には、サンプル30に向かって光を集束させるためのコリメータであり、またはこれを備える。
有利には、第2のファイバ送達アセンブリ21、22、23は、装置に組み込まれ、広帯域源10は、任意選択で、装置内の組込みモジュールとして配置され、コネクタ部材6、21間の接続を介して装置に対して光を供給するように配置される。源10は、光検出器34を備え、または光検出器に光学的に接続され、光学コンポーネント3は、サンプルに反射されファイバ5および22によりガイドされた光33の一部分を導くように配置された追加のフィルタ32を備える。追加のフィルタは、有利にはスプリッタである。
【0140】
一実施形態では、送達ファイバ5および第2の光ファイバ22は、ダブル・クラッド・ファイバである。それにより、サンプルにより反射された光31の一部分は、第2の光送達ファイバ・アセンブリ21、22、23および第1の送達ファイバ・アセンブリ5、6を介して光検出器に対してガイドされ得る。一実施形態では、送達ファイバ5および第2の光ファイバ22は、少なくとも0.1、たとえば少なくとも0.15、たとえば少なくとも0.22のNAを有するクラッドを備える。また、この実施形態では、ファイバ5、22は、試験中のサンプルから反射されている光31の一部をガイドする。
【0141】
一実施形態では、光学コンポーネント3は、サンプルから反射されファイバ33によりガイドされた光を、広帯域源からの光の少なくとも一部から分離するための手段を備える。そのような手段は、たとえばビーム・スプリッタ32である。
【0142】
代替実施形態では、たとえば、第1の送達ファイバの入力端においてダブル・クラッド・ファイバ・カプラを提供することによって、スプリッタの代わりにダブル・クラッド・ファイバ・カプラが適用される。ダブル・クラッド・ファイバ・カプラは、有利には、たとえば、カプラの2つのポート上のマルチモード・ダブル・クラッド・ファイバ、および他の2つのポート上のシングル・モード・ダブル・クラッド・ファイバを備える2×2ポート構造、たとえばソーラボ(Thorlabs)により提供されるDC1300 LEBなどを有することによって、コアおよびクラッド光を分離するように構成される。原則的に、反射された光の一部または全部が、広帯域源からの光の大部分から分離され得るが任意の他の手段が当業者に分かり得る。
【0143】
有利には、反射および分離された光は、光検出器34、たとえばフォトダイオードまたは分光計などに対して送信される。
図6は、たとえば、光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)で使用するため、たとえば、内部組織の可視化のための、干渉計の形態での本発明の装置の実施形態の概略図である。干渉計は、融着カプラ送達ファイバ・アセンブリ105b、106bを備える第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aを備え、第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aおよび融着カプラ送達ファイバ・アセンブリ106bがコンポーネント部100において融着される。干渉計は、広帯域源を備え、広帯域源は、ポンプ・パルスを生成するように動作可能な光ポンプ源101aと、光ポンプ源101aからのポンプ・パルスの供給があると広帯域光パルスを生成するための気孔微細構造光ファイバ101bと、上述されたような固体介在物を備える送達ファイバ105aおよびやはり上述されたようなコネクタ部材106aを備える第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106bとを備える。第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aは、有利には上述されたコネクタ部材と同様である送達ファイバ・コネクタ部材106cと、端部キャップ接続部材101cとを介して、微細構造光ファイバに接続される。端部キャップ接続部材101cにおいて、気孔微細構造光ファイバ101bの数mm未満に沿った気孔がつぶされ、図示されないレンズにより光ビームがコリメートされる。送達ファイバ・コネクタ部材106cおよび端部キャップ接続部材101cは、嵌合スリーブ20cによって嵌合され一緒に保持される。代替実施形態では、気孔微細構造光ファイバ101bは、接合によって、および/または上述されたようにGRIN(グリン)レンズを使用することによって、送達ファイバ105に接合される。
【0144】
干渉計は、有利には上述された第2のファイバ・アセンブリ21、22、23と同様である第2のファイバ・アセンブリ21a、22a、23aを備え、コネクタ部材106a、21aは、嵌合スリーブ20aによって接続され一緒に保持される。
【0145】
融着カプラ送達ファイバ・アセンブリ105b、106bは、有利には上述された第2のファイバ・アセンブリ21、22、23と同様である第3のファイバ・アセンブリ21b、22b、23bに接続され、コネクタ部材106b、21bは、嵌合スリーブ20bにより接続され一緒に保持される。干渉計は、ファイバ終端ユニット23bを介して放出された光を反射するように配置されたミラー40または別の参照ユニットをさらに備える。代替実施形態では、参照ユニットは、装置に含まれないがユーザにより選択され得る。
【0146】
融着カプラ送達ファイバ・アセンブリ105bはさらに、分光計などの検出器124に接続される。広帯域源は、当技術分野で周知のような、1つまたは複数の同調可能または同調不能フィルタ、および/またはパルス・ピッカ、1つまたは複数の増幅器を備えてよい。
【0147】
一般に、カプラは、光が一方のトップ・アームから他方のトップ・アームへ(または、ボトム・アームから他方のボトム・アームへ)まっすぐ進むバー・ポートと、光がトップ・アームからボトム・アームへ進むかまたはその逆のクロス・ポートとを有する。しばしば、カプラは非常に低い損失をほぼ有するので、すべての光がバー・ポートまたはクロス・ポートに送られる。この実施形態では、2つのトップ・アームは、コンポーネント部100の両側で送達ファイバ105aによって提供され、ボトム・アームは、コンポーネント部の両側で送達ファイバ105bによって提供される。バー・ポートおよびクロス・ポートはコンポーネント部100によって提供される。バー・ポートはxの伝送係数を有し、クロス・アームは(1-x)の伝送係数を有する。伝送係数は、カプラがどの方向に横断するかに関わらず、同じである。
【0148】
使用中、広帯域光パルスは、送達ファイバ105aに送信され、微細構造光ファイバに最も近い送達ファイバ105aの端部で図にマークされているように、光パルスパワーは、100%=「1」に設定される。融着コンポーネント部100において、光(x)の一部は、さらに送達ファイバ105aを介して送信され、光(1-x)の一部は、さらに融着カプラ送達ファイバ105bを介して送信される。
【0149】
融着コンポーネント部100から送達ファイバ105aを介して送信された光部分(X)は、第2のファイバ・アセンブリ21a、22a、23aに対してファイバ終端ユニット23aを介して送信され、光パルスは、サンプル30に向かって放出され、反射された光31aは、送られた光が融着コンポーネント部100に達するまで、第2のファイバ22aおよび送達ファイバ105aを介して反対方向に送信される。そこから、送られた光の一部分が、さらに融着カプラ送達ファイバ105bを介して検出器104に対して送信される。
【0150】
融着コンポーネント部100から融着カプラ送達ファイバ105bを介して送信された光部分(1-X)は、第3のファイバ・アセンブリ21b、22b、23bに対してファイバ終端ユニット23bを介して送信され、光パルスは、ミラー40に向けて放出され、反射された光31bは、送られた光が融着コンポーネント部100に達するまで、第3のファイバ22bおよび融着カプラ送達ファイバ105bを介して反対方向に送信される。そこから、送られた光の一部分が、さらに融着カプラ送達ファイバ105bを介して検出器104に対して送信される。有利には、ミラーは、実質的に、それに入射をする光のすべてを反射する。
【0151】
説明されたように、干渉計は、2つの干渉計アームを有し、1つは、光をサンプルに対してガイドし、反射された光を再送信し、1つは、光を参照ユニット(たとえばミラー)に対してガイドし、反射された光を再送信する。一実施形態では、一方の干渉計アームは、組織サンプル上に集束され、X-Y長手方向ラスター・パターンでサンプルを走査するように構成される。他の干渉計アームは、参照ミラーにより跳ね返らされる。
【0152】
組織サンプルからの反射された光は、参照からの反射された光と組み合わされる。
図6に示された実施形態で上述されたように、光は、広帯域レーザから進み、カプラのクロス・ポートを通過してミラー40に達する。光は、ミラーから反射され、カプラのバー・ポートを通って戻って、検出器124に達する。反射が無損失と仮定すると、経路全体に対する伝送係数は、2つの伝送係数の積、すなわちx(1-x)である。
【0153】
図7は、コンバイナを備える本発明の送達ファイバの実施形態の概略図である。
有利には、送達ファイバ105a、105b、22a、22bのすべてが、上述されたように介在物の形態の微細構造を備えるすべて固体のファイバであり、好ましくは、送達ファイバ105a、105b、22a、22bのすべては、200nm以上の伝送帯域幅を有し、好ましくは、伝送帯域幅は重なるまたは同一である。
【0154】
図7は、別のタイプの干渉計の形態の本発明の装置の実施形態を概略図であり、これは、たとえば、光計測に使用され、たとえば、トランジスタおよび相互接続計測用途の薄膜、ウエハ、光学的限界寸法(OCD)、オーバーレイ、およびウエハ応力のためのものである。
【0155】
図7の干渉計の部分は、図6の干渉計の対応する部分に類似している。干渉計は、融着スプリッタ送達ファイバ・アセンブリ105b、106bを備える第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aを備え、第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aおよび融着スプリッタ送達ファイバ・アセンブリ106bがコンポーネント部100において融着される。干渉計は、広帯域源を備え、広帯域源は、ポンプ・パルスを生成するように動作可能な光ポンプ源101aと、光ポンプ源101aからのポンプ・パルスの供給があると広帯域光パルスを生成するための微細構造光ファイバ101bと、上述されたような固体介在物を備える送達ファイバ105aおよびやはり上述されたようなコネクタ部材106aを備える第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aとを備える。第1の送達ファイバ・アセンブリ105a、106aは、サンプル30eおよび参照ユニット40により反射された反射された光33の一部分を光検出器34に向けて導くように配置されたフィルタ32を介して微細構造光ファイバに接続される。残りの部分は、図7の例と同様である。
【0156】
図8は、光を装置に対して供給するのに適したスペクトル・エンジン源を示す。スペクトル・エンジン源は、レーザ・ビーム121a、122a、123aをそれぞれ放出する3つのレーザ121、222、123を備える。レーザ・ビーム121a、122a、123aは、上述されたように少なくとも1つの波長で互いに異なる。
【0157】
レーザ121、222、123は、同じまたは異なるタイプ、たとえば、1つもしくは複数のガス・レーザ、1つもしくは複数の化学レーザ、1つもしくは複数の金属蒸気レーザ、および/または1つもしくは複数の半導体レーザであってよい。
【0158】
スペクトル・エンジン源は、マルチプレクサMをさらに備え、マルチプレクサMは、ここでは、ビーム121a、122a、123aを1つの単一多重化ビームMに組み合わせるように配置されたいくつかのミラーによって示される。マルチプレクサは、レーザの各々のレーザ・ビームの少なくとも一部分を組み合わせて、受け取られた光を多重化ビームにコリメートすることができる任意の種類のマルチプレクサまたはコンバイナであり得ることを理解されたい。マルチプレクサMは、本発明のスペクトル・エンジン源の送達ファイバによって受け取られるように十分に近く121a、122a、123aをコリメートする。簡単にするため、送達ファイバは、スペクトル・エンジン源に示されていないが、送達ファイバは、多重化ビームMを収集し、受け取られた多重化ビームMの少なくとも一部分を装置に対して送達するように配置される。
【0159】
図9は、光を装置に対して供給するのに適した別のスペクトル・エンジン源を示す。スペクトル・エンジン源は、レーザ・ビーム131a、132a、133a、134a、135aをそれぞれ放出する5つのレーザ131、232、133、134、135を備える。レーザ・ビーム131a、132a、133a、134a、135aは、少なくとも1つの波長で互いに異なる。たとえば、レーザ・ビーム131aは400~500nmの範囲の波長を備えてよく、レーザ・ビーム132aは500~600nmの範囲の波長を備えてよく、レーザ・ビーム133aは600~700nmの範囲の波長を備えてよく、レーザ・ビーム135aは800~900nmの範囲の波長を備えてよい。
【0160】
スペクトル・エンジン源は、マルチプレクサMをさらに備え、マルチプレクサMは、ここでは、ビーム131a、132a、133a、134a、135aを1つの単一多重化ビームMに組み合わせるように配置されたいくつかのミラーによって示される。スペクトル・エンジン源はまた、多重化ビームを受け取り、受け取られた多重化ビームMの少なくとも一部分を装置に対して送達するための、上述されたような図示されない送達ファイバを備える。
【0161】
図10は、上述されたように、送達ファイバDLを有する広帯域源、広帯域源システム、またはスペクトル・エンジン源から選択された光源LSを備える本発明の実施形態の装置を示す。装置は、リソグラフィ装置であり、光源LSの送達ファイバから光を受け取るように配置された照明システム(照明器)ILを備える。照明器ILは、光源LSから受け取られた放射線ビームの角強度分布を調整するための調整器ADを備える。加えて、照明器ILは、インテグレータINおよび集光器COなど、様々な他のコンポーネントを備えてよい。照明器は、放射線ビームを、その断面に望ましい均一性および強度分布を有するように調整するために使用されてよい。
【0162】
放射線ビームBは、支持構造(たとえばマスク・テーブルMT)上に保持されたパターニング・デバイス(たとえばマスクMA)に入射をして、パターニング・デバイスによってパターン化される。放射線ビームBは、マスクMAを横切った後、基板Wの対象部分C上にビームを集束する投射システムPSを通過する。第2のポジショナPWおよび位置センサIF(たとえば、干渉計デバイス、リニア・エンコーダ、または容量センサ)を用いることにより、基板テーブルWTが正確に移動され、たとえば、そうすることで、放射線ビームBの経路内に、異なるターゲット部分Cを位置決めすることができる。同様に、第1のポジショナPMおよび別の位置センサ(図1に明示されていない)は、たとえばマスク・ライブラリからの機械検索の後または走査中に、放射線ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めするために使用されることが可能である。一般に、マスク・テーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成する長ストローク・モジュール(粗い位置決め)および短ストローク・モジュール(微細な位置決め)を用いることにより実現されてよい。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成する長ストローク・モジュールおよび短ストローク・モジュールを用いることにより実現されてよい。(スキャナと対照的に)ステッパの場合、マスク・テーブルMTは、短ストローク・アクチュエータのみに接続されてよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2および基板アライメント・マークP1、P2を使用して揃えられ得る。図示された基板アライメント・マークは、専用のターゲット部分を占めるが、ターゲット部分の間のスペースに位置付けられてもよい(これらはスクライブ・レーン・アライメント・マークとして知られている)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている状況では、マスク・アライメント・マークはダイ間に位置付けられ得る。この装置は、たとえば、米国特許出願公開第2007/013921号明細書に説明されているように動作してよい。
【0163】
図11は、共焦点走査型顕微鏡として具体化される走査型顕微鏡と、上述されたように送達ファイバDLを有する広帯域源、広帯域源システム、またはスペクトル・エンジン源から選択された光源LSとを備える、本発明の実施形態の装置を示す。光源LSは、送達ファイバDLを介して照明光ビーム211を送達する。
【0164】
走査型顕微鏡は、AOTF215として具体化される音響光学コンポーネント213備える。照明光ビーム211から選択された光212は、音響光学コンポーネント213から、ジンバル・マウント走査ミラー19を含むビーム偏向デバイス17に到着し、ビーム偏向デバイス17は、走査光学システム221、管光学システム223、および対物レンズ225を通して、標本227上または中へ、照明光ビーム211をガイドする。標本から来る検出された光ビーム229は、走査光学システム221、管光学システム223、および対物レンズ225を逆方向に通って移動し、走査ミラー219を介して、音響光学コンポーネント213に到着し、音響光学コンポーネント213は、検出された光ビーム229を、マルチバンド検出器として具体化された検出器231に伝達する。照明光ビーム211は、図面で実線として示され、検出された光ビーム229は、破線として示されている。共焦点走査型顕微鏡内に通常設けられる照明ピンホール233および検出ピンホール235が、網羅性のために概略的に描かれている。しかしながら、より明瞭にするために、光ビームをガイドし成形するためのいくつかの光学要素は省略されている。選ばれる波長スペクトルを選択する役割をする音響光学コンポーネント213は、AOTF215として構成され、それを音波が通過する。音波は、電気的に作動される圧電音響発生器237によって生成される。調整可能なHFスペクトルを示す電磁高周波を生成する高周波源239によってアクティブ化が達成される。HFスペクトルは、望ましい波長を有する照明光ビーム211の部分のみがビーム偏向デバイス217に到達するように選ばれる。音響励起に影響されない照明光ビーム211の他の部分は、ビーム・トラップ241内に導かれる。照明光ビーム211のパワー・レベルは、音波の振幅を変化させることにより選択され得る。音響光学コンポーネント213の水晶切片および配向は、単一結合方向で、異なる波長が同じ方向に偏向されるように選択される。コンピュータ243は、第2または第3の波長スペクトルを選ぶために使用される。コンピュータ243のモニタ247は、スペクトル構成の表示器の役割をする。波長スペクトルのそのスペクトル組成と一緒の選択は、2つの座標軸X、Yを有する座標系内のグラフGに基づいて達成される。光の波長は座標軸Xでプロットされ、そのパワー・レベルは座標軸Yでプロットされる。
【0165】
コンピュータ243は、ユーザの規定に応じて高周波源239を制御する。ユーザは、コンピュータ・マウス257を使用して調整を行う。モニタ247上にスライダ259が示されており、スライダ259は、照明光ビーム11または検出された光ビーム229の全体的な光パワー・レベルの調整のための役割をする。
【0166】
実施形態は詳細に説明され示されているが、本発明は、それらに限定されず、添付の特許請求の範囲に規定される主題の範囲内で他の手法で具体化されてもよい。特に、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、構造的および機能的改変が行われてもよいことを理解されたい。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11