(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】肩に適応した外骨格構造
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20220308BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020522917
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(86)【国際出願番号】 FR2018052642
(87)【国際公開番号】W WO2019081851
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-23
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517021488
【氏名又は名称】サフラン・エレクトロニクス・アンド・デファンス
(73)【特許権者】
【識別番号】518223775
【氏名又は名称】ビー-テミア・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾソ,ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】グルニエ,ジョルダンヌ
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/109196(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107097210(CN,A)
【文献】特開2009-268839(JP,A)
【文献】特表2013-503665(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0225620(US,A1)
【文献】特表2014-503320(JP,A)
【文献】特開2017-024086(JP,A)
【文献】特開2016-002123(JP,A)
【文献】国際公開第2017/157941(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105415353(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106112988(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外骨格構造(1)であって、外骨格構造は、
- ユーザの背中に取り付けることを意図した背部アセンブリ(2)と、
- ユーザの腕に取り付けることを意図したアームアセンブリ(3)と、
- 背部アセンブリ(2)をアームアセンブリ(3)に接続する肩接続装置(4)と、を備え、肩接続装置(4)は、第1の接続部(11)と、第1の回動部(10)であって、背部アセンブリ(2)に第1の接続部(11)を接続する一方で、ユーザの肩の内/外回動軸に平行な第1の回動軸(X1)のまわりの背部アセンブリ(2)に対する第1の接続部(11)の回転を可能にする第1の回動部(10)と、第2の接続部(13)と、第2の回動部(12)であって、第2の接続部(13)に第1の接続部(11)を接続する一方で、第1の回動軸(X1)とねじれの関係にある第2の回動軸であって当該第1の回動軸に投影的にみて直交する当該第2の回動軸(X2)のまわりで第1の接続部(11)に対する第2の接続部(13)の回転を可能とする第2の回動部(12)と、第3の回動部(14)であって、第2の接続部(13)をアームアセンブリ(3)に接続する一方で、第2の回動軸(X2)とねじれの関係にある第3の回動軸であって当該第2の回動軸に投影的にみて直交する当該第3の回動軸(X3)のまわりで第2の接続部(13)に対するアームアセンブリ(3)の回転を可能にする第3の回動部(14)と、を備え、
ステータ(19)と、ステータ(19)に対して回転するように取り付けられたロータ(20)とを含むアクチュエータ(18)を備え、ステータおよびロータの一方が、第1の接続部(11)に固定されて取付けられ、ステータおよびロータの他方が、第2の接続部(13)に固定されて取り付けられ、アクチュエータ(18)は、第1の接続部(11)に対して第2の接続部(13)を回転させて駆動するように、トルクを生成することができ、
ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩されているときに、第2の回動軸(X2)が、ユーザの肩の外転/内転軸と平行ではなく、且つ、ユーザの肩の屈曲/伸展軸とも平行ではないように、第2の回動部(12)が配置されており、アクチュエータ(18)により生成されたトルクで、ユーザの肩の外転/内転動作、およびユーザの肩の屈曲/伸展動作の両方が補助される、外骨格構造(1)。
【請求項2】
第3の回動部(14)が、ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩するときに、第3の回動軸(X3)が第1の回動軸(X1)に直交するように配置され、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
アームアセンブリ(3)が、アクチュエータ(18)によってアームを回転させて駆動するように、ユーザの腕に対して支持されることが可能なアーム部(7)を備える、請求項1および2のいずれか一項に記載の構造。
【請求項4】
アームアセンブリ(3)が、第1のアーム部(31)および第2のアーム部(32)を備え、第1のアーム部(31)が、ユーザの腕に第1のアーム部(31)を取り付けるようにユーザの腕を取り囲むことができ、第2のアーム部(32)が、第2のアーム部(32)に対するユーザの腕の回転を可能にするように、第1のアーム部(31)に対して回転するように取り付けられる一方で、アクチュエータ(18)によってアームを回転させて駆動することができるように、ユーザの腕に対して第1のアーム部(31)をさらに支持することができる、請求項1および2のいずれか一項に記載の構造。
【請求項5】
アームアセンブリ(3)が、第3の連結部(15)と第4の回動部(21)とを備え、第3の連結部(15)は、第3の回動部(14)によって肩接続装置(4)に連結された第1の端部と、第4の回動部(21)によって、アーム部(7、32)に連結された第2の端部とを有する、請求項3および4のいずれか一項に記載の構造。
【請求項6】
第4の回動部(21)が、第3の回動軸(X3)に平行な第4の回動軸(X4)のまわりで、第3の接続部(15)に対するアーム部(7、31、32)の回転を可能にする、請求項5に記載の構造。
【請求項7】
第3の接続部(15)が、滑動部によって互いに対して摺動するように取り付けられた2つの部品(22、23)を含み、部品(22、23)が互いに対して摺動することにより、アームアセンブリ(3)が背面アセンブリ(2)に対して回転する間に、第3の接続部(15)を短縮または伸長することができる、請求項5および6のいずれか一項に記載の構造。
【請求項8】
アームアセンブリ(3)が、前アーム部(8)を含み、前アーム部(8)が、ユーザの腕にアームアセンブリ(3)を取り付けることができるように、ユーザの前腕を取り囲む一方で、肩の内-外回転動作中にユーザの腕を前アーム部(8)の内側に回転させることをさらに可能にする、請求項1から7のいずれか一項に記載の構造。
【請求項9】
アームアセンブリ(3)が、前アーム部(8)をアーム部(7)に接続し、且つユーザの肘の回転中に第5の回動軸(X5)のまわりで、アーム部(7)に対して前アーム部(8)を回転することを可能とする、第5軸(27)を備える、請求項
8と組み合わせた請求項3から7のいずれか一項に記載の構造。
【請求項10】
肩接続装置(4)が、背部アセンブリ(2)を第1の回動部(10)に接続する4本棒機構(9)を備え、4本棒機構(9)が、4本の棒(16)と、変形可能な平行四辺形を形成することによって棒(16)を互いに接続する4本のヒンジ(17)とを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の構造。
【請求項11】
4本棒機構(9)の各ヒンジ(17)は、回動軸を有し、各回動軸は、ユーザの前頭平面に直交する方向に平行に延在する、請求項10に記載の構造。
【請求項12】
肩接続装置(4)が、平行四辺形の変形に対抗する傾向のある戻り力を発揮することができる弾性戻り部材(28)も備える、請求項10および11のいずれか一項に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外骨格構造に関する。
【背景技術】
【0002】
力補助外骨格は、人間の骨格の構造を複製し、且つ人体の身体的能力を改善することを可能にする機械的構造である。
【0003】
力補助外骨格には、ユーザにより実行されるタスクに依存するさまざまなタイプがある。各タイプの外骨格は、特定のタスクの実行中にユーザによって供給される力を制限または低減することを可能にする。
【0004】
例えば、特に荷物の持ち上げおよび取り扱いのために、肩の移動を必要とする作業をユーザが遂行するときに、ユーザが補助されることを可能にする外骨格構造が存在する。
【0005】
しかしながら、これらの構造は、一般に、肩の全ての動きに適応することができない。
例えば、これらの構造は、アームの屈曲および伸展動作を可能にするが、アームの外転および内転動作を可能にしない。
【0006】
しかし、肩複合体は6つの累積自由度(肩甲骨の動きとそのような肩の動きを合わせたもの)を持つ複合関節システムである。
【0007】
他の構造(複数)も提案されており、それらの構造は、肩の動きをより良く再現することができる。しかしながら、これらの構造は、一般に、かなりの大きさを有し、ユーザの移動性を妨げる。
【0008】
さらに、これらの構造におけるいくつかのアクチュエータの一体化は、構造の質量の増大と構造のエネルギー消費量の増大を引き起こす。
【0009】
最後に、ショルダーの特定の一連の動作の間に、特定の外骨格構造が、構造のブロッキングを引き起こす「特異点」と呼ばれる構成を通過し得ることに留意されたい。
構造物のブロッキングは、構造物の回動軸のうちの2つが互いに整列した構成で生じる自由度の損失である。これらのブロッキング状態は、ユーザの動きにおいてユーザを自由にする特異点を生じさせた一連の動きの逆を最小限で実行することを必要とし、外骨格構造を損傷し、ユーザに不快感をもたらすことさえある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、依然としてコンパクトでありながら、肩の動作のより大きな自由度を提供する外骨格構造を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明の範囲内で、以下を含む外骨格構造によって達成される:すなわち、
外骨格構造は、
- ユーザの背中に取り付けられるように意図された背面アセンブリと、
- ユーザの腕に取り付けられるように意図されたアームアセンブリと、
- 背面アセンブリをアームアッセンブリに接続する肩接続装置と、を備え、肩接続装置は、第1の接続部と、第1の回動部であって、背面アセンブリに第1の接続部を接続する一方で、ユーザの肩の内/外回動軸に平行な第1の回動軸のまわりに背面アセンブリに対して第1の接続部の回転を可能にする、第1の回動部と、第2の接続部と、第2の回動部であって、第2の接続部に第1の接続部を接続する一方で、第1の回転軸に直交する第2の回転軸のまわりに第1の接続部に対して第2の接続部の回転を可能とする、第2の回動部と、第3の回動部であって、アームアセンブリに第2の接続部を接続する一方で、第2の回転軸に直交する第3回転軸のまわりに第2の接続部に対してアームアセンブリの回転を可能にする、第3の回動部と、を備え、
ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩されているときに、第2の回動軸が、ユーザの肩の外転/内転軸と非ゼロの角度を形成するように、且つユーザの肩の屈曲/伸展軸と非ゼロの角度を形成するように、第2の回動部は配置される。
【0012】
このタイプの構造では、第2の回動軸は、ユーザの肩の外転/内転軸と、ユーザの肩の屈曲/伸展軸との両方と、非ゼロの角度を形成する。したがって、単一のアクチュエータが、肩の外転/内転動作中、および肩の屈曲/伸展動作中の両方でユーザを補助することを可能にする構造を設計することが可能であり、これは、構造の質量およびそのエネルギー消費量を低減することを可能にする。
【0013】
さらに、第2の回動軸のこの構成では、ユーザは、例えば、肩の屈曲動作、次いで肩甲骨の内転、次いで、接続デバイスを特異点を通過させることなく、肩の伸展動作を連続的に達成することができ、これにより、ブロッキング状態の生成が回避される。
【0014】
提案された構造はまた、以下の特徴を有することができる:すなわち、
- 第3の回動部は、ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩されているときに、第3の回転軸が第1の回転軸に直交しているように、配置される、
- 構造体は、ステータおよびステータに対して回転するように取り付けられたロータを含むアクチュエータを備え、ステータおよびロータの一方は、第1の接続部に固定されて取り付けられ、ステータおよびロータの他方は、第2の接続部に固定されて取り付けられ、アクチュエータは、第1の接続部に対して第2の接続部を回転させて駆動するようにトルクを発生させることができる、
- アームアセンブリは、アクチュエータによりユーザの背面に対してユーザの腕を回転して駆動するように、ユーザの腕に支持されることができるアーム部を備える、
- アームアセンブリは、第1のアーム部および第2のアーム部を備え、第1のアーム部は、ユーザの腕に第1のアーム部を取り付けるようにユーザの腕を取り囲むことができ、第2のアーム部は、第1のアーム部に対して回転するように取り付けられている一方で、アクチュエータによってアームを回転させて駆動するように、ユーザの腕に第1のアーム部をさらに支持することが可能である、
- アームアセンブリは、第3の接続部および第4の回動部を備え、第3の接続部は、第3の回動部によって肩接続装置に接続される第1の端部と、第4の回動部によってアーム部に接続される第2の端部とを有する、
- 第4の回動部は、第3の回動軸に平行な第4の回動軸のまわりに、第3の接続部に対してアーム部の回転を可能にする、
- 第3の接続部は、滑動部(runner)によって互いに対して摺動するように取り付けられる2つの部品を含み、これらの部品が互いに摺動することにより、背面に対してアームアセンブリの回転中、第3の接続部を短縮又は伸長するようにすることを可能にする、
- アームアセンブリは、ユーザの腕にユーザのアームアセンブリを取り付けるようにユーザの前腕を取り囲むことができる前アーム部を備える一方で、さらに肩部の内/外回転動作中に前アーム部の内側にユーザの腕を回転可能にする、
- アームアセンブリは、前アーム部をアーム部に連結し且つユーザの肘の回転中にアーム部に対する前アーム部の回転を可能にする、第5の回動部を備える、
- 接続装置は、背部アセンブリを第1の回動部に連結する4本棒機構を備え、4本棒機構は、4本の棒と、変形可能な平行四辺形を形成することによって棒を相互に連結する4本のヒンジとを備える、
- 4本棒機構の各ヒンジは、回動軸を有し、各回動軸は、ユーザの前頭平面に直交する方向に平行に延びる、
- 接続装置は、平行四辺形の変形に対向する傾向の戻り力を発揮することができる弾性戻り部材を備える。
【0015】
他の特徴および利点はまた、以下の説明によって明らかにされ、以下の説明は、純粋に例示的であり、限定的ではなく、添付の図面を参照して読まれなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の1つの可能な実施形態に従う外骨格構造を概略的に示し、ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩している構成を示す図である。
【
図2】肩の屈曲動作を実行した後に、ユーザが立っており、腕が前方に伸びている構成の外骨格構造を概略的に示す図である。
【
図3】肩の屈曲動作、次いで肩の外転動作を連続的に実行した後に、ユーザが立っており、腕が横に伸びている構成の外骨格構造を概略的に示す図である。
【
図4】ユーザの肘の屈曲動作時の外骨格構造を模式的に示す図である。
【
図5】
図1~4の外骨格構造の変形例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、ユーザの前頭平面F、矢状面S、および横断面Tを図示する。周知の方法では、矢状面Sは、ユーザの身体の右半分から左半分を分離する正中面に平行な面として定義される。前頭平面Fまたは冠状面は、正中面に垂直な面として定義され、身体を前部または腹部、および、後部または背部に分離する。横断面T又は横断面は、中央面に垂直であり、かつ、本体を上部(頭部に向かって)および下部(足部に向かって)に分離する面として定義される。
【0018】
図1において、ユーザは立っており、腕は身体に沿って弛緩している。
ユーザは、肩の動きを補助することを可能にする外骨格構造1を装備している。
【0019】
外骨格構造1は、通常の使用において、ユーザの背中に取り付けられる背部アセンブリ2と、ユーザの腕に取り付けられるアームアセンブリ3と、背部アセンブリ2をアームアセンブリ3に接続する肩接続装置4と、を含む。
【0020】
背部アセンブリ2は、例えば、ユーザの下半身を取り囲むベルト5と、腰部ベルト5に取り付けられ、ユーザの脊柱に沿って延びる背部6とを含む。
【0021】
アームアセンブリ3は、ユーザの腕に対して支持されることが可能なアーム部7と、ユーザの腕にアームアセンブリ3を取り付けるように、ユーザの前腕を取り囲むことが可能な前アーム部8とを備える。
【0022】
肩接続装置4は、4本棒機構9、第1の回動部10、第1の接続部11、第2の回動部12、第2の接続部13、第3の回動部14および第3の接続部15を備える。
【0023】
4本棒機構9は、バックアセンブリ2を第1の回動部10に接続する。4本棒機構9は、変形可能な平行四辺形を形成する一方で、バー16と、それらのバー16を互いに連結する4つのヒンジ17とを備える。4本棒機構9の各ヒンジ17は、回動軸を有し、各回動軸は、通常の使用において、ユーザの前頭平面Fに直交する方向に平行に延びる。
【0024】
肩接続装置9は、また、肩接続装置4の重さおよびアームアセンブリ3の重さによって生じる平行四辺形の変形に対抗する傾向の戻り力を4本棒機構9に加えることができる弾性戻り部材28を備える。より正確には、弾性復帰部材28は、平行四辺形の2つの対向する頂点に位置する2つのヒンジの間に延在するばねを備える。
図1に示す例では、ばねは、矢状面に最も近い上頂点に位置するヒンジ28のうちの1つを、矢状面から最も離れた下頂点に位置するヒンジ28のうちの別の1つに接続する引張ばねである。したがって、引張ばねによって加えられる戻り力は、肩接続装置およびアームアセンブリによって加えられる重量を補償するように、アームアセンブリを背中アセンブリ2に対して上方に引っ張る傾向がある。弾性復帰部材28の剛性は、補償すべき重量に応じて調整することができる。
【0025】
第1の回動部10は、第1の接続部を4本棒機構9に接続する。第1の回動部10は、ユーザの肩の内部/外部回動軸に平行な第1の回動軸X1のまわりで、第1の接続部11の背部アセンブリ2に対する回転を可能にする。
【0026】
第2の回動部12は、第1の接続部11を第2の接続部13に接続する。第2の回動部12は、第1の回動軸X1に直交する第2の回動軸X2のまわりで第1の接続部11に対する第2の接続部13の回転を可能にする。
【0027】
図1に示すように、第2の回動部12は、ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩されているときに、第2の回動軸X2が、ユーザの肩の外転/内転軸と非ゼロの角度を形成するように、且つユーザの肩の屈曲/伸展軸と非ゼロの角度を形成するように、配置されている。
【0028】
第3の回動部14は、第2の接続部13を第3の接続部15に接続する。第3の回動部は、第2の回動軸X2に直交する第3の回動軸X3のまわりに、第2の接続部13に対するアームアセンブリ3の回転を可能にする。
【0029】
第3の回動部14は、ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩されているときに、第3の回動軸X3が第1の回動軸X1に直交し且つ第2の回動軸X2に直交するように、配置されている。さらに、第3の回動軸X3は、ユーザが立っており、腕が身体に沿って弛緩されているときに、ユーザの肩の外転/内転軸と非ゼロの角度を形成し、且つユーザの肩の屈曲/伸展軸と非ゼロの角度を形成する。
【0030】
第1の回動部10により、第2の回動部12および第3の回動部14において、接続装置4は、3つの自由度を有する、バックアセンブリ8に対するアームアセンブリ3の回転を可能にする。
【0031】
また、外骨格構造1は、ステータ19と、ステータ19に対して回転するように取り付けられたロータ20とを含むアクチュエータ18を備える。ステータ19は、例えば第1の接続部11に固定されて取り付けられ、ロータ20は、例えば第2の接続部13に固定されて取り付けられる。アクチュエータ18は、第1の接続部11に対して第2の接続部13を回転させて駆動するトルクを発生することができる。アクチュエータは、例えば、ブラシレスまたはギアモータイプの電動モータを備えることができる。
【0032】
ユーザの肩の外転/内転および/またはユーザの肩の屈曲/伸展動作中にユーザの腕を補助するように、すなわち、肩の動作を生成するように、ユーザによって生成される力に加えられる追加の力を提供するように、アクチュエータ18は作動させることができる。
【0033】
アームアセンブリ3はまた、第4の回動部21を備える。第4の回動部21は、第3の連結部15をアーム部7に連結する。第4の回動部21は、第3の回動軸X3に平行な第4の回動軸X4のまわりに、第3の接続部15に対するアーム部7の回転を可能にする。
【0034】
第3の連結部15は、第3の回動部14により第2の端が、第2連結部13に連結され、第4の回動部21により第2の端が、アーム部7に連結されている。
【0035】
さらに、第3の接続部15は、滑動部によって互いに摺動するように取り付けられた2つの部品22,23を備える。部品22および23の互いに対する軸方向の摺動は、背部アセンブリ2に対するアームアセンブリ3の回転中に、第3の接続部15の短縮または伸長を可能にし、これは、回動軸X1、X2、およびX3の、ユーザの肩の実際の回転中心との不整合に適応することを可能にする。
【0036】
更に、部品23は、部品22に対する部品23の摺動軸のまわりに、部品22に対して回転されるよう取り付けられている。
【0037】
最後に、前アーム部8は、肩の内/外回転動作中に前アーム部8の内側に肩の回転を可能にする。
【0038】
図2は、ユーザが立っており、腕が前方に伸びているときの肩の屈曲動作を実行した後の外骨格構造1を概略的に示している。
【0039】
肩部の屈曲動作は、第2の回動軸X2のまわりの第1の接続部11に対する第2の接続部13の回転と、第3の回動軸X3のまわりの第2の接続部13に対する第3の接続部15の回転の両方を引き起こす。
【0040】
屈曲動作は、アクチュエータ18の作動によって補助されることができる。実際に、アクチュエータ18は、作動時に、第1の連結部11に対して第2の連結部13を回転させて駆動する傾向にあるトルクを発生させ、その結果、肩の屈曲動作の間、腕を補助するように、ユーザの腕上のアーム7を支持する。ユーザの腕をアクチュエータ18によってユーザの肩甲骨に対して屈曲または伸展させるように、ユーザの腕に対してアーム部7は支持される。
【0041】
図2に示すように、ユーザの腕が水平方向に前方に伸びると、第1の回動軸X1は、第3の回動軸X3と平行に位置決めされる。
【0042】
図3は、肩の屈曲動作および肩の外転動作を連続的に実行した後に、ユーザが立っており、腕が横に伸びているときの外骨格構造を概略的に示す。
【0043】
肩の外転動作は、第1の回動軸X1のまわりに第1の接続部11に対する第2の接続部13の回転と、第3の回動軸X3を中心とする第2の接続部13に対する第3の接続部15の回転との両方を引き起こす。
【0044】
外転動作は、アクチュエータ18によって補助されることができる。実際、アクチュエータ18は、作動されると、第1の接続部11に対して第2の接続部13を回転させて駆動し、その結果、アーム部7をユーザの腕上で支持して腕を回転させて駆動する傾向のあるトルクを発生する。アクチュエータ18によって、ユーザの肩甲骨に対して外転または内転する際にユーザの腕を駆動するように、ユーザの腕に対して、アーム部7は支持される。
【0045】
したがって、アクチュエータ18は、肩の屈曲/伸展動作の間、および肩の外転/内転動作の間の両方で、ユーザを補助する役割を果たす。
【0046】
加えて、
図3に示すように、ユーザの腕が一旦水平に側面に延ばされると、第1の回動軸X1、第2の回動軸X2および第3の回動軸X3は、2つずつ整列されない。接続装置4は、外骨格構造1のブロッキングを引き起こす可能性のある特異点を通過することを回避する。さらに、アクチュエータの有効性は保持される。
【0047】
図4に示すように、アームアセンブリ3はまた、前アーム部8をアーム部7に連結する第5の回動部27を含む。第5の回動部は、ユーザの肘の回転中に、第5の回動軸X5のまわりのアーム部7に対する前アーム部8の回転を可能にする。より正確には、第5の回動部27は、ユーザの肘の屈曲または伸展動作中に、第5の回動軸X5のまわりのアーム部7に対する前アーム部8の回転を可能にする。
【0048】
また、外骨格構造は、ステータ25と、ステータ25に対して回転するように取り付けられたロータ26とを含む第2のアクチュエータ24をも備えることができる。ステータ25は、例えばアーム部7に固定されて取り付けられ、ロータは、例えば前アーム部8に固定されて取り付けられる。アクチュエータ24は、アーム部7に対して前アーム部8を回転させて駆動するトルクを発生することができる。アクチュエータ24は、例えば、ブラシレスまたはギアモータイプの電動モータを備えることができる。
【0049】
ユーザの肘の屈曲/伸展動作中にユーザの腕を補助するように、すなわち、肘の動作を生成するようにユーザによって生成される力に追加される追加の力を提供するように、アクチュエータ24は作動され得る。
【0050】
図5は、
図1~4の外骨格構造の変形形態を示す。
図5に示す外骨格構造は、アームアセンブリ3を除いて、
図1~4に示す外骨格構造と同一である。
【0051】
この変形形態では、アームアセンブリ3は、アセンブリ3をユーザの腕に取り付けるようにユーザの腕を取り囲むことができる第1のアーム部品31と、第1のアーム部品32に対してするよう取り付けられる第2のアーム部品32と、を備える。より正確には、
図5に示す例では、第2のアーム部32は、第1のアーム部31を取り囲む一方で、第2のアーム部32に対する第1のアーム部31の回転(従って、ユーザの腕の回転)を許容する。
【0052】
第3の回動部14は、第4の回動部21によって第3の連結部15をアーム部7に連結する。
【0053】
図5に示す例では、アームアセンブリ3は前アーム部8を備えていない。しかしながら、アームアセンブリは、
図1~
図4に示すように、第5の回動部27によって第2のアーム部32に接続された前アーム部8を含むこともできる。