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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】内視鏡及び副鼻腔進入用内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/233 20060101AFI20220308BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A61B1/233
A61B1/018 512
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020546973
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 KR2019002279
(87)【国際公開番号】W WO2019190061
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0034405
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504314133
【氏名又は名称】ソウル ナショナル ユニバーシティ ホスピタル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ソ・リ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウ・チョ
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524289(JP,A)
【文献】国際公開第2014/156286(WO,A1)
【文献】特表2007-521926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0058595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/233
A61B 1/018
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作部が備えられた本体;
前記本体の前端から延長されて鼻腔を通して副鼻腔に挿入され、少なくとも一つのワーキングチャネルが形成された挿入部;及び、
ワーキングチャネルの数より多い複数のアプリケータを取り付けるように構成され、前記本体に回転可能に備えられ、回転角度によって装着された前記複数のアプリケータを前記ワーキングチャネルに整列させるアプリケータロッド部;を含む、副鼻腔進入用内視鏡において、
前記挿入部は、
前記本体の前端から延長される強性部;
前記強性部の前端から延長されて屈曲可能に形成される軟性部;及び
前記軟性部の前端に備えられてイメージを取得するイメージ取得ユニット
を含み、
前記複数の操作部は、
ユーザの操作により前記アプリケータロッド部を回転させることで、前記複数のアプリケータを前記ワーキングチャネルに逐次的に整列させるアプリケータ選択操作部;及び
ユーザの操作により前記軟性部を屈曲させる屈曲操作部
を含む、副鼻腔進入用内視鏡
【請求項2】
前記アプリケータロッド部は、複数のアプリケータのうちいずれか一つが前記ワーキングチャネルと同軸上に位置するようにする、請求項1に記載の副鼻腔進入用内視鏡。
【請求項3】
前記アプリケータロッド部は、前記アプリケータ選択操作部の操作によって前記複数のアプリケータを回転軸を中心として回転させる、請求項1に記載の副鼻腔進入用内視鏡。
【請求項4】
前記複数の操作部は、ユーザの操作により前記複数のアプリケータのうち前記ワーキングチャネル内に進入したアプリケータを前記ワーキングチャネルを通して移動させるアプリケータ移動操作部を含む、請求項1に記載の副鼻腔進入用内視鏡。
【請求項5】
前記複数のアプリケータは、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、及びステントカテーテルのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の副鼻腔進入用内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関し、より詳しくは、副鼻腔炎の治療にも使われることができる内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性副鼻腔炎は、韓国人口の8.6%で発生するありふれた疾患である。慢性副鼻腔炎の手術的治療時に施行する機能的副鼻腔内視鏡手術(Functional endoscopic sinus surgery)は、大部分の場合、全身麻酔が必要であり、まれに眼窩合併症、脳出血等、深刻な合併症を誘発することができる。
【0003】
また、手術時に周辺組織に損傷を与えるため、手術後痛み、及び回復が遅い方である。このような問題点を改善するために鼻腔内に小さいバルーンカテーテルを挿入して周辺構造物の損傷を最小化しながら副鼻腔自然孔を開ける手術法が開発された。これは、局部麻酔、短い回復時間、合併症発生率の減少、手術後管理が簡単であるといったような長所がある。
【0004】
バルーンカテーテルを挿入するための装備として、大きく二つの種類が使われている。
【0005】
一つは、発光ランプが装着されたガイドワイヤを利用する方法である。副鼻腔の自然孔は、鉤状突起及び篩骨洞に遮られているため、通常的に強直型内視鏡だけでは自然孔を直接確認することが不可能である。したがって、内視鏡誘導下にガイドワイヤを副鼻腔入口まで挿入し、以後には自然孔の解剖学的位置と方向を考慮して目で直接確認しないまま、触感に依存してガイドワイヤを自然孔まで前進及び後進を繰り返して自然孔にガイドワイヤの先端を挿入しなければならない。ガイドワイヤの先端が自然孔に挿入されたと判断されると、開口部周囲、顔面外部でガイドワイヤの発光位置を確認してガイドワイヤが上顎洞または前頭洞等に進入したことを確認し、ガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルを進入させる。しかし、鼻腔及び副鼻腔の内部構造を確認しないで、発光位置のみを外部で確認してガイドワイヤを挿入する方式であるため、鼻腔や副鼻腔の周辺組織や構造を損傷させることができ、初心者が使用しにくいという問題がある。
【0006】
他の一つは、別途のナビゲーション装備を利用して侵襲子が副鼻腔内に挿入されたかどうかを間接的に確認する装備である。これは、高価のナビゲーション装備が必要であり、ナビゲーション装備の誤差によって鼻腔や副鼻腔の周辺組織や構造を損傷させる可能性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、鼻腔及び副鼻腔内部の映像をリアルタイムで確認してガイドワイヤなどのアプリケータを挿入することができる内視鏡を提供することにある。
【0008】
また、複数のアプリケータをさらに容易に速く手術部位に進入させることができる内視鏡を提供することにある。
【0009】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されるものではなく、言及されない他の課題は、下記の記載により当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明の実施例に係る副鼻腔進入用内視鏡は、複数の操作部が備えられた本体、前記本体の前端から延長されて鼻腔を通して副鼻腔に挿入され、少なくとも一つのワーキングチャネルが形成された挿入部、及び前記本体に備えられ、前記ワーキングチャネルを通して選択的に進入可能な複数のアプリケータを装着することができるアプリケータロッド部を含む。
【0011】
前記課題を解決するための本発明の実施例に係る副鼻腔進入用内視鏡は、複数の操作部が備えられた本体、前記本体の前端から延長されて鼻腔に挿入される強性部、前記強性部の前端から延長されて屈曲可能に形成され、先端に副鼻腔に挿入される軟性部、前記軟性部の前端に備えられて前記軟性部の前方のイメージを取得するイメージ取得ユニット、及びユーザの操作により前記軟性部を屈曲させる屈曲操作部を含む。
【0012】
前記課題を解決するための本発明の実施例に係る内視鏡は、複数の操作部が備えられた本体、前記本体の前端から延長されて患者の身体内に挿入されて少なくとも一つのワーキングチャネルが形成された挿入部、及び複数のアプリケータを装着することができるように構成されて前記本体に回転可能に備えられ、回転角度によって装着された前記複数のアプリケータを前記ワーキングチャネルに整列させるアプリケータロッド部を含む。
【0013】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例によると、少なくとも下記のような効果がある。
【0015】
鼻腔及び副鼻腔内部の映像をリアルタイムで確認してガイドワイヤなどのアプリケータを進入させることができるため、より安全な手術が可能である。
【0016】
複数のアプリケータをさらに容易に速く手術部位に進入させることができるため、手術便宜性を向上させて、手術所要時間を短縮させることができる。
【0017】
本発明による効果は、以上で例示された内容により制限されるものではなく、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係る内視鏡を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る内視鏡の挿入部の前端を示す。
図3】本発明の一実施例に係る内視鏡のアプリケータロッド部を示す。
図4】本発明の一実施例に係る内視鏡のワーキングチャネルとアプリケータロッド部のローディングホールの位置関係及びアプリケータ選択操作部の作動を説明するための透視図である。
図5】本発明の一実施例に係る内視鏡の屈曲操作部の作動を説明するための図面である。
図6】本発明の一実施例に係る内視鏡を副鼻腔炎の治療に使用する方法を説明するための図面である。
図7】本発明の一実施例に係る内視鏡のアプリケータ移動操作部の作動を説明するための図面である。
図8】アプリケータのうちバルーンカテーテルを使用する例を説明するための図面である。
図9】他の実施例に係るバルーンカテーテルを示す。
図10】アプリケータのうちステントカテーテルを使用する例を説明するための図面である。
図11】アプリケータのうちチューブを使用する例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述される実施例を参照すると、明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されることができる。本実施例は、単に本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものに過ぎず、本発明は、請求項の範ちゅうにより定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を指す。
【0020】
また、本明細書で記述する実施例は、本発明の理想的な例示図である断面図及び/または概略図を参考にして説明される。したがって、製造技術及び/または許容誤差などにより例示図の形態が変形されることができる。また、本発明に図示された各図面において、各構成要素は、説明の便宜を考慮して多少拡大または縮小されて図示されたものである。明細書全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を指す。
【0021】
以下、本発明の実施例に係る治療装置を説明するための図面を参考にして本発明に対して説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例に係る内視鏡を示す斜視図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の一実施例に係る内視鏡1は、本体10、挿入部20、及びアプリケータロッド部30を含む。挿入部20は、本体10の前端から延長形成されることができ、アプリケータロッド部30は、本体10の後端側に回転可能に設置されることができる。
【0024】
本体10には、握り手11、アプリケータ選択操作部12、屈曲操作部13、及びアプリケータ移動操作部14が備えられる。
【0025】
握り手11は、内視鏡1を操作するユーザ(例えば、医者等)が手で把持する構成である。
【0026】
アプリケータ選択操作部12は、アプリケータロッド部30を操作する構成であり、握り手11の前方に引き金と類似する構造で形成されることができる。アプリケータ選択操作部12の操作によるアプリケータロッド部30の駆動に対しては後述する。
【0027】
屈曲操作部13は、挿入部20のうち軟性部22の屈曲方向を操作する構成であり、本体10の一側に配置されることができる。図1に示す実施例に係る内視鏡1は、ユーザが右手で握り手11を把持した状態で右手の親指で屈曲操作部13を操作することができるモデルを図示したものであり、実施例によって、屈曲操作部13は、反対側に配置されるようにして、ユーザが左手で握り手11を把持した状態で左手の親指で屈曲操作部13を操作することができるように構成することもできる。
【0028】
屈曲操作部13の操作によるアプリケータの移動に対しては後述する。
【0029】
アプリケータ移動操作部14は、アプリケータが挿入部20の内部に沿って前進または後進するように操作する構成であり、本体10の上部に配置されることができる。ユーザが両手のうち片手で握り手11を把持した状態で他の手でアプリケータ移動操作部14を操作することができる。図1にはアプリケータ移動操作部14が本体10の上側に配置される構成を図示したが、実施例によって、アプリケータ移動操作部14の位置は変わることができる。例えば、アプリケータ移動操作部14は、屈曲操作部13の前方または反対側に位置できる。
【0030】
図1に示すように、挿入部20は、強性部21及び軟性部22を含む。
【0031】
強性部21は、本体10の前端から前方に向けて延長形成され、軟性部22は、強性部21の前端から延長形成される。
【0032】
前述したように、軟性部22は、少なくとも2個の方向に容易に曲がることができる構造または材質で形成される。それに対して、強性部21は、軟性部22に比べて容易に曲がらない強性の構造または材質で形成される。
【0033】
図2は、本発明の一実施例に係る内視鏡の挿入部の前端を示す。
【0034】
図2に示すように、挿入部20は、ワーキングチャネル23、イメージ取得ユニット24、25、26を含む。
【0035】
ワーキングチャネル23は、内視鏡1を通して進入するアプリケータ(ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、ステントカテーテル、チューブなど)が通過するチャネルである。
【0036】
イメージ取得ユニット24、25、26は、軟性部22の前端を通して身体内部のイメージを取得するユニットであり、レンズ24、光源25、ケーブル26を含む。
【0037】
レンズ24及び光源25は、軟性部22の前端に備えられる。光源25は、軟性部22の前方に照明を提供し、ケーブル26は、光源25に供給される電力を提供する。レンズ24は、表面に疏水性処理されて表面にシモが形成されることを防止することができる。
【0038】
ケーブル26及びワーキングチャネル23は、軟性部22及び強性部21を通過して本体10まで延長形成される。
【0039】
図示されてはいないが、イメージ取得ユニット24、25、26は、レンズ24の後端から内視鏡1の外部に延長される光ケーブルを含むことができる。光ケーブルの端部にはイメージセンサなどが接して光ケーブルを通して伝達される光学情報を画像イメージに転換させることができる。
【0040】
図示されてはいないが、イメージ取得ユニット24、25、26は、光ケーブルの代わりに小型カメラを含むことができる。この場合、小型カメラが撮影した映像情報を電気的信号に内視鏡1の外部に伝達されることができる。
【0041】
図3は、本発明の一実施例に係る内視鏡のアプリケータロッド部を示し、図4は、本発明の一実施例に係る内視鏡のワーキングチャネルとアプリケータロッド部のローディングホールの位置関係及びアプリケータ選択操作部の作動を説明するための透視図である。
【0042】
図1及び図3に示すように、アプリケータロッド部30は、本体10の後端側に回転軸A1を中心として回転可能に備えられる。
【0043】
アプリケータロッド部30は、回転軸A1を中心として放射状に配置された複数のローディングホール31、32、33を含む。各ローディングホール31、32、33は、回転軸A1との距離が同一に形成されることができる。
【0044】
各ローディングホール31、32、33には内視鏡1を通して身体内に進入するアプリケータが装着される。これに対する具体的な内容は後述する。
【0045】
図4に示すように、ワーキングチャネル23は、軟性部22の前端から軟性部22、強性部21、及び本体10を通してアプリケータロッド部30まで延長される。
【0046】
そして、アプリケータロッド部30のローディングホール31、32、33のうちいずれか一つは、ワーキングチャネル23と同軸上に位置する。したがって、ワーキングチャネル23と同軸上に位置したローディングホール33(図4基準)に装着されたアプリケータは、ワーキングチャネル23に進入できるようになる。
【0047】
図4に示すように、アプリケータロッド部30は、アプリケータ選択操作部12が引かれる動作により回転軸A1を基準に一定角度ほど回転するように構成されることができる。
【0048】
したがって、ユーザは、握り手11を把持したままアプリケータ選択操作部12を引くことだけでアプリケータロッド部30を回転させてワーキングチャネル23を通して進入させるアプリケータを選択することができる。
【0049】
したがって、内視鏡1を利用した手術、治療などに複数のアプリケータが使われる場合、ユーザは、複数のアプリケータをアプリケータロッド部30のローディングホール31、32、33に各々装着したまま、必要によって、アプリケータ選択操作部12を引いて必要なアプリケータがワーキングチャネル23と同軸上に位置するようにした後、アプリケータをワーキングチャネル23に進入させることができるため、ユーザ便宜性が向上して、手術/治療過程に所要される時間を短縮させることができる。
【0050】
図5は、本発明の一実施例に係る内視鏡の屈曲操作部の作動を説明するための図面である。
【0051】
図5に示すように、軟性部22は、屈曲操作部13が時計方向または反時計方向に回転することによって第1の方向または第2の方向に屈曲されるように構成される。
【0052】
例えば、屈曲操作部13を時計方向に回転させると、軟性部22の前端が第1の方向に屈曲され、屈曲操作部13を反時計方向に回転させると、軟性部22の前端が第2の方向に屈曲されるように構成されることができる。
【0053】
第1の方向と第2の方向は、各々、左右方向になり、または上下方向になることができる。
【0054】
図6は、本発明の一実施例に係る内視鏡を副鼻腔炎の治療に使用する方法を説明するための図面である。
【0055】
図6に示すように、本発明の一実施例に係る内視鏡1は、副鼻腔炎の治療のために副鼻腔進入用に使われることができる。
【0056】
副鼻腔は、鼻腔101と連結される顔骨の空いている空間を意味し、両頬の内側空間である上顎洞102、両目間の鼻骨内側空間である篩骨洞103、眉毛付近の前頭骨内側空間である前頭洞104、及び図6には示されていないが、両目部位の深い内側に位置する蝶形洞を含む。
【0057】
副鼻腔炎は、副鼻腔内に細菌やウイルスが侵入して炎症が発生したことを意味し、副鼻腔内でも上顎洞102に発生する場合が多い。
【0058】
本発明の一実施例に係る内視鏡1を副鼻腔炎の治療に使用する場合、図6に示すように、ユーザは、挿入部20を鼻腔101に進入させる。
【0059】
挿入部20は、本体10の前端から延長される強性部21を含むため、鼻腔101の入口である鼻孔から一定深さまでは挿入部20が容易に進入できる。
【0060】
鼻腔101から上顎洞102、篩骨洞103、前頭洞104などに進入する経路は、直線型でない。したがって、強性部21がそれ以上進入することができなくて、軟性部22を屈曲させて上顎洞102、篩骨洞103、前頭洞104などに進入しなければならない。
【0061】
本発明の一実施例に係る内視鏡1は、軟性部22の前端にレンズ24、光源25などを含むイメージ取得ユニット24、25、26を含むため、ユーザは、イメージ取得ユニット24、25、26から伝達される鼻腔101及び副鼻腔内の映像情報を確認し、屈曲操作部13を使用して軟性部22を屈曲させて軟性部22が漸進的に前進するようにして軟性部22の前端が治療が必要な副鼻腔内の空間に進入するようにする。
【0062】
図6には軟性部22を上顎洞102に進入させた例を図示した。
【0063】
図7は、本発明の一実施例に係る内視鏡のアプリケータ移動操作部の作動を説明するための図面である。
【0064】
図7に示すように、本体10は、アプリケータ移動操作部14を回転軸A2を中心として回転させると、ワーキングチャネル23内のアプリケータ41がワーキングチャネル23に沿って移動するように構成される。
【0065】
例えば、ユーザがアプリケータ移動操作部14を時計方向に回転させると、アプリケータ41がワーキングチャネル23に沿って前進して軟性部22の前端を通して外部に露出され、ユーザがアプリケータ移動操作部14を反時計方向に回転させると、アプリケータ41がワーキングチャネル23に沿って後退して本体10側に戻ることができる。
【0066】
図7に示すアプリケータは、ガイドワイヤ41である。
【0067】
実施例によって、ガイドワイヤ41は、アプリケータロッド部30のローディングホール31、32、33のうちいずれか一つに装着されて使われ、またはアプリケータロッド部30に装着されないまま使われることができる。
【0068】
ガイドワイヤ41がアプリケータロッド部30に装着されて使われる場合、ガイドワイヤ41は、アプリケータロッド部30に装着された他のアプリケータと選択的に使われることができる。
【0069】
ガイドワイヤ41がアプリケータロッド部30に装着されないまま使われる場合、ガイドワイヤ41は、本体10を貫通したままアプリケータ移動操作部14により移動することができる。この場合、ガイドワイヤと共に他のアプリケータが使われることができる。
【0070】
図6に示すように、ユーザが軟性部22を屈曲させて軟性部22の前端が副鼻腔炎が発生した空間(例えば、上顎洞102)に向けて前進させる中にまたは空間内に位置するようにした後、図7に示すように、ユーザは、アプリケータ移動操作部14を操作してガイドワイヤ41をワーキングチャネル23を通して前進させ、ガイドワイヤ41の一部が軟性部22の前端を通して露出されるようにすることができる。
【0071】
図6に示すように、鼻腔101から上顎洞102、篩骨洞103、前頭洞104に進入する経路は、狭いほうである。そして、副鼻腔炎が発生した場合は、その経路がさらに狭くなる。
【0072】
したがって、必要な場合、軟性部22またはアプリケータが進入できる経路内の空間を確保しなければならない。このために、アプリケータのうちバルーンカテーテルを使用することができる。
【0073】
図8は、アプリケータのうちバルーンカテーテルを使用する例を説明するための図面である。
【0074】
バルーンカテーテル42は、膨脹可能なバルーン42aと、バルーン42aに空気を伝達する流路が形成されたワイヤ42bと、を含む。ワイヤ42bは、内視鏡1の外部に延長されてバルーン42aの膨脹のために供給される空気を提供するポンプ(図示せず)と連結されることができる。
【0075】
バルーンカテーテル42は、アプリケータロッド部30のローディングホール31、32、33のうちいずれか一つに装着された状態であり、この場合、ユーザは、アプリケータ選択操作部12を操作してバルーンカテーテル42が装着されたローディングホール31、32、33がワーキングチャネル23と同軸に位置するようにし、アプリケータ移動操作部14を操作してバルーンカテーテル42がワーキングチャネル23を通して軟性部22の前端側に移動するようにする。
【0076】
図8に示すように、バルーンカテーテル42は、ガイドワイヤ41がワーキングチャネル23を通して軟性部22の前端に露出された状態で、ワーキングチャネル23内でガイドワイヤ41に沿って前進するように構成されることができる。
【0077】
ユーザは、イメージ取得ユニット24、25、26から伝達される映像情報を確認し、空間確保が必要な位置にバルーンカテーテル42のバルーン42aが位置するようにアプリケータ移動操作部14を操作した以後、バルーン42aが膨脹されるようにして空間が確保されるようにすることができる。
【0078】
図9は、他の実施例に係るバルーンカテーテルを示す。
【0079】
図9に示すように、他の実施例に係るバルーンカテーテル42′は、ガイドワイヤ41がワイヤ42bの内部に収容されるように構成されることができる。
【0080】
この場合、アプリケータ移動操作部14を操作してバルーンカテーテル42′を前進させることだけで、バルーンカテーテル42′がガイドワイヤ41に沿って移動するようになるため、バルーンカテーテル42′を副鼻腔に容易に進入させることができる。
【0081】
図10は、アプリケータのうちステントカテーテルを使用する例を説明するための図面である。
【0082】
ステントカテーテル43は、ステント43aとステントケーブル43bを含む。
【0083】
ステント43aは、膨脹が可能な構造を有し、ステントケーブル43bは、ステント43aを膨脹させることができる動力またはシグナルなどをステント43aに伝達できるように構成されることができる。
【0084】
例えば、ステント43aの内部には膨脹可能なバルーンが含まれており、ステントケーブル43bは、バルーンに空気を供給する流路を含むことで、ステントケーブル43bを通して供給される空気によりバルーンが膨脹することによってステント43aが膨脹する構造を有することができる。
【0085】
ステントカテーテル43は、アプリケータロッド部30のローディングホール31、32、33のうちいずれか一つに装着された状態であり、この場合、ユーザは、アプリケータ選択操作部12を操作してステントカテーテル43が装着されたローディングホール31、32、33がワーキングチャネル23と同軸に位置するようにし、アプリケータ移動操作部14を操作してステントカテーテル43がワーキングチャネル23を通して軟性部22の前端側に移動するようにする。
【0086】
図10に示すように、ステントカテーテル43は、ガイドワイヤ41がワーキングチャネル23を通して軟性部22の前端に露出された状態で、ワーキングチャネル23内でガイドワイヤ41に沿って前進するように構成されることができる。
【0087】
ユーザは、イメージ取得ユニット24、25、26から伝達される映像情報を確認し、ステント43aが設置される位置にステントカテーテル43のステント43aが位置するようにアプリケータ移動操作部14を操作した以後、ステント43aが膨脹されるようにしてステント43aを設置することができる。
【0088】
ステント43aは、軟性部22またはアプリケータが通過する空間を確保するために設置され、または薬剤が含まれた状態で炎症部位に設置されて炎症部位を治療するために設置されることができる。
【0089】
図示されてはいないが、ステントカテーテルも図9に示すバルーンカテーテル42′と類似するようにガイドワイヤ41がステントケーブル43b内に収容されるように構成されることができる。
【0090】
図11は、アプリケータのうちチューブを使用する例を説明するための図面である。
【0091】
チューブ44も、本実施例に係る内視鏡1のアプリケータとして使われることができる。
【0092】
チューブ44は、アプリケータロッド部30のローディングホール31、32、33のうちいずれか一つに装着された状態であり、この場合、ユーザは、アプリケータ選択操作部12を操作してチューブ44が装着されたローディングホール31、32、33がワーキングチャネル23と同軸に位置するようにし、アプリケータ移動操作部14を操作してチューブ44がワーキングチャネル23を通して軟性部22の前端側に移動するようにする。
【0093】
図11に示すように、チューブ44は、ガイドワイヤ41がワーキングチャネル23を通して軟性部22の前端に露出された状態で、ワーキングチャネル23内でガイドワイヤ41に沿って前進するように構成されることができる。
【0094】
チューブ44は、サクションチューブ、洗浄液/消毒液/液状薬剤を噴射するチューブなどとして使われることができる。図11に示すように、チューブ44の前端は、針のように鋭く形成されてチューブ44が注射器のように使われることもできる。
【0095】
図示されてはいないが、チューブも図9に示すバルーンカテーテル42′と類似するようにガイドワイヤ41がステントケーブル43b内に収容されるように構成されることができる。
【0096】
前述したように、本発明の一実施例に係る内視鏡1は、軟性部22の前端にイメージ取得ユニット24、25、26を備え、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、ステントカテーテル、チューブなどのアプリケータを鼻腔を通して副鼻腔に進入させる時、鼻腔/副鼻腔の内部構造を視覚的に確認してアプリケータを進入させるため、周辺組織や構造に損傷を与えずに安全に進入させることができる。
【0097】
特に、鼻腔/副鼻腔の内部構造を視覚的に確認してアプリケータを進入させるため、初心者も安全に手術及び治療を実行することができる。
【0098】
また、本発明の一実施例に係る内視鏡1は、治療過程に必要な複数個のアプリケータを装着することができるように構成され、必要によって、内視鏡1に備えられたアプリケータ選択操作部12を操作することだけで、ワーキングチャネル23に進入するアプリケータを選択することができるため、ユーザの便宜性及び手術/治療過程に所要される時間を短縮させることができる。
【0099】
特に、副鼻腔のように狭い空間に進入するためにワーキングチャネル23を1個で構成せざるをえない内視鏡1の場合は、複数個のアプリケータを装着した状態でワーキングチャネル23に進入するアプリケータを選択してアプリケータを進退させる操作を全て実行することができるため、ユーザの便宜性及び手術/治療過程に所要される時間を短縮させることができる。
【0100】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面で例示に過ぎず、限定するものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により開示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【0101】
本発明の実施例に係る副鼻腔進入用内視鏡は、複数の操作部が備えられた本体、前記本体の前端から延長されて鼻腔を通して副鼻腔に挿入され、少なくとも一つのワーキングチャネルが形成された挿入部、及び前記本体に備えられ、前記ワーキングチャネルを通して選択的に進入可能な複数のアプリケータを装着することができるアプリケータロッド部を含む。
【0102】
前記アプリケータロッド部は、複数のアプリケータのうちいずれか一つが前記ワーキングチャネルと同軸上に位置するようにすることができる。
【0103】
前記複数の操作部は、ユーザの操作により前記アプリケータロッド部を駆動させることで、前記複数のアプリケータのうちいずれか一つを前記ワーキングチャネルの入口に隣接するように位置させるアプリケータ選択操作部を含むことができる。
【0104】
前記アプリケータロッド部は、前記アプリケータ選択操作部の操作によって前記複数のアプリケータを回転軸を中心として回転させることができる。
【0105】
前記複数の操作部は、ユーザの操作により前記複数のアプリケータのうち前記ワーキングチャネル内に進入したアプリケータを前記ワーキングチャネルを通して移動させるアプリケータ移動操作部を含むことができる。
【0106】
前記挿入部は、前記挿入部の前端に備えられてイメージを取得するイメージ取得ユニットを含むことができる。
【0107】
前記挿入部は、前記本体の前端から延長される強性部及び前記強性部の前端から延長されて屈曲可能に形成される軟性部を含み、前記複数の操作部は、ユーザの操作により前記軟性部を屈曲させる屈曲操作部を含むことができる。
【0108】
前記複数のアプリケータは、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル及びステントカテーテルのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0109】
本発明の実施例に係る副鼻腔進入用内視鏡は、複数の操作部が備えられた本体、前記本体の前端から延長されて鼻腔に挿入される強性部、前記強性部の前端から延長されて屈曲可能に形成され、先端に副鼻腔に挿入される軟性部、前記軟性部の前端に備えられて前記軟性部の前方のイメージを取得するイメージ取得ユニット、及びユーザの操作により前記軟性部を屈曲させる屈曲操作部を含む。
【0110】
本発明の実施例に係る内視鏡は、複数の操作部が備えられた本体、前記本体の前端から延長されて患者の身体内に挿入されて少なくとも一つのワーキングチャネルが形成された挿入部、及び複数のアプリケータを装着することができるように構成されて前記本体に回転可能に備えられ、回転角度によって装着された前記複数のアプリケータを前記ワーキングチャネルに整列させるアプリケータロッド部を含む。
【符号の説明】
【0111】
1 内視鏡
10 本体
11 握り手
12 アプリケータ選択操作部
13 屈曲操作部
14 アプリケータ移動操作部
20 挿入部
30 アプリケータロッド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11