(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】剃毛かみそりカートリッジ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B26B 21/14 20060101AFI20220308BHJP
B26B 21/22 20060101ALI20220308BHJP
B26B 21/44 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B26B21/14 A
B26B21/22 Z
B26B21/44 B
(21)【出願番号】P 2020547387
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(86)【国際出願番号】 US2019023065
(87)【国際公開番号】W WO2019190837
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-09-10
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アショク バクル パテル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー マイケル ロング
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-540053(JP,A)
【文献】特表2012-504033(JP,A)
【文献】特表2020-518309(JP,A)
【文献】特表2001-524860(JP,A)
【文献】実開昭60-134484(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 21/00 - 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剃毛かみそりカートリッジ(12)であって、
第1のポリマー材料から成形されたハウジング(16)であって、前記ハウジングは、前記ハウジングの上面(66)から前記ハウジングの底面(68)まで延在する開口部(64)を部分的に画定する壁(62)を有し、前記壁は一対のアーム(70,72)を有し、前記一対のアーム(70,72)はそれぞれ、互いに向かって延在して間隙(78)を画定する遠位端(74、76)有している、ハウジング(16)と、
前記ハウジングの前部(20)に向かうガード(18)と、
前記ハウジングの後部(24)に向かうキャップ(22)と、
前記ガードと前記キャップとの間に装着された少なくとも1つの刃部材(32)と、
前記遠位端を相互接続するブリッジ(88)であって、前記ブリッジは、前記第1のポリマー材料とは異なる第2のポリマー材料から成形されている、ブリッジ(88)と、を備える、剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項2】
前記遠位端(74、76)が、0.1mm~38mmだけ離間している、請求項1に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項3】
前記遠位端(74、76)が、0.75mm~3mmだけ離間している、請求項1に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項4】
前記間隙(78)が、前記ガード(18)の前方に位置付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項5】
前記一対のアーム(70、72)及び前記ブリッジ(88)が、前記ハウジング(16)の前壁を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項6】
前記ブリッジ(88)の後壁(98)が、前記少なくとも1つの刃部材(32)の刃先(96)まで2.5mm~7mmの位置にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項7】
前記第1のポリマー材料の
弾性率は、前記第2のポリマー材料の
弾性率よりも大きい、請求項1~6のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項8】
前記第1のポリマー材料の色は、前記第2のポリマー材料の色とは異なる、請求項1~7のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項9】
前記第2のポリマー材料が熱可塑性エラストマーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項10】
前記第2のポリマー材料が、前記ハウジングの前記上面上に皮膚接触表面を形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項11】
前記第2のポリマー材料が、水浸出性剃毛補助剤を含む、請求項10に記載の剃毛かみそりカートリッジ(12)。
【請求項12】
剃毛かみそりカートリッジ(12)の製造方法であって、
ハウジング(16)の上面(66)から底面(68)まで延在する開口部(64)を部分的に画定する壁部(62)を有する前記ハウジングを成形することと、
前記開口部を囲むように、前記ハウジングを構成するポリマー材料とは異なるポリマー材料を含むブリッジ(88)を成形することと、
前記ブリッジ(88)を成形することが、前記ハウジング(16)の一対の離間したアーム(70、72)を互いに取り付けることと、を含み、前記一対の離間したアーム(70、72)は、互いに向かって延在して間隙(78)を画定する遠位端(74 、76)有している、方法。
【請求項13】
前記ハウジング(16)の前記成形が、互いに向かって非平行方向に流れる2つのポリマーの流頭を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ブリッジ(88)の前記成形が、前記ハウジング(16)の前記上面(66)の上に皮膚接触表面を成形することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式剃毛安全かみそりに関し、より詳細には、1つ以上の刃を保持するためのポリマーハウジングを有する剃毛カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
概して、安全かみそりのカートリッジ又は刃ユニットは、カートリッジが取り付けられたハンドルによって、剃毛される皮膚の表面にわたって動かされる、刃先を有する少なくとも1つの刃を有する。一部の剃毛かみそりには、ハンドルに対して枢動して剃毛中に皮膚の輪郭に沿って移動する、ばね付勢されたカートリッジが備わっている。カートリッジは、刃の切れ味が不充分な程度にまで低下した時点で、カートリッジを新しいカートリッジに交換することができるように、ハンドルに着脱可能に装着されてもよく、あるいは、刃の切れ味が鈍くなった時点でかみそり全体を廃棄することを想定して、ハンドルに永久的に取り付けられてもよい。
【0003】
かみそり刃組立体の一般的にガードと呼ばれる皮膚係合面とキャップとの間で刃部材の刃先部分が保持される、かみそり刃組立体が開示されている。剃毛ストローク中、ガードは刃部材(複数可)の前方で皮膚に接触し、キャップは刃部材(複数可)の後方で皮膚に接触する。キャップ及びガードは、いわゆる「剃毛ジオメトリ」、すなわち、剃毛中の皮膚に対する刃の向き及び位置を決定するパラメータを確立する助けとなり得、このパラメータは、かみそりの剃毛性能及び有効性に大きく影響する。キャップは、抵抗を低減し快適性を高める、水滲出性の剃毛補助剤を含んでよい。ガードは一般に剛性を有するものであってよく、例えば、刃の支持を提供するフレーム又はプラットフォーム構造体と一体的に形成される。ガードはまた、皮膚の引き延ばしを改善するために、より軟質のエラストマー材(例えば、熱可塑性エラストマー)を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
剃毛かみそりハンドルは、現在、新しい消費者ニーズを満たすように、より多くの特徴を有するように設計されつつある。例えば、かみそりハンドルは、剃毛中に皮膚に振動又は熱を送達するための様々な電子構成要素を含む可能性がある。しかしながら、これらの電気部品は、ハンドルをはるかに重くする電池を必要とする。ハンドルが重いと、かみそりが落下した場合に、ブレードを把持しているプラスチックハウジングが破損する可能性が高い。破損したハウジングは、刃を露出又は解放させて、潜在的に危険な状態を引き起こし得る。したがって、今日の剃毛かみそりハンドルの重量の増加を考慮して、より堅牢なハウジング設計及び製造方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、広くは、第1のポリマー材料から成形されかつ上面及び対向する底面を有するハウジングを有する剃毛かみそりカートリッジを特徴とする。ハウジングは、上面から底面まで延在する開口部を部分的に画定する壁を有する。壁は一対のアームを有し、アームはそれぞれ、互いに向かって延在して間隙を画定する遠位端を有している。ガードは、ハウジングの前部に向かう。キャップは、ハウジングの後部に向かう。ガードとキャップとの間に、少なくとも1つの刃が装着されている。ブリッジは、遠位端を相互接続する。ブリッジは、第1のポリマー材料とは異なる第2のポリマー材料から成形される。
【0006】
別の態様では、本発明は、広くは、ハウジングを有する剃毛かみそりカートリッジを特徴とする。ガードは、ハウジングの前部に向かう。キャップは、ハウジングの後部に向かう。少なくとも1つの刃が、キャップとガードとの間でハウジングに装着されている。ハウジングの前壁は、一対のアームよって形成され、アームはそれぞれ、互いに向かって延在してそれらの間に間隙を画定する遠位端を有している。
【0007】
別の態様では、本発明は、概して、剃毛かみそりカートリッジを組み立てるための方法を特徴とする。ハウジングは、ハウジングの上面から底面まで延在する開口部を部分的に画定する壁を備えて成形される。ブリッジは、ハウジングのポリマー材料とは異なるポリマー材料で開口部を取り囲むように成形される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の他の特徴及び利点、並びに本発明自体は、添付の図面と併せて読むときに、種々の実施形態の以下の説明から、より完全に理解することができる。
【
図2】
図1の剃毛かみそりカートリッジの上面図である。
【
図3A】射出成形プロセス中に流れるプラスチックの上面図である。
【
図3B】射出成形プロセス中に流れるプラスチックの上面図である。
【
図4A】
図2の剃毛かみそりカートリッジに組み込まれることができるハウジングの上面図である。
【
図4D】
図4Bの線4-4に概ね沿って切り取られた、ハウジングの断面図である。
【
図5A】ブリッジを有するハウジングの底面図である。
【
図6】
図2の線6-6に概ね沿って切り取られた、剃毛かみそりカートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、剃毛かみそり10の斜視図が示されている。剃毛かみそり10は、ハンドル14に装着された剃毛かみそりカートリッジ12を含み得る。剃毛かみそりカートリッジ10は、ハンドル14に取り外し可能に装着されてもよいし、恒久的に装着されてもよい。例えば、刃の切れ味が不満足なレベルまで低下したときに剃毛かみそりカートリッジ12を新しい剃毛かみそりカートリッジ12に交換することができるように、剃毛かみそりカートリッジ12はハンドル14に取り外し可能に装着されてよい。あるいは、刃又は複数の刃が鈍くなったときに剃毛かみそり10全体を廃棄することを意図して、剃毛かみそりカートリッジ12はハンドル14に恒久的に取り付けられてもよい。剃毛かみそりカートリッジ12は、ハウジング16を含み得る。ハウジング16は、第1のポリマー材料から射出成形され得る。ハウジング16は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)などのポリマーから成形され得るが、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、及びこれらの組み合わせなどの他の半硬質ポリマーを使用してもよい。
【0010】
図2を参照すると、
図1の剃毛かみそりカートリッジ12の上面図が示されている。ガード18は、ハウジング16の前部20に配置され得、キャップ22は、ハウジング12の後部24に配置され得る。ガード18は、硬質プラスチック(例えば、ハウジング16と同じ材料)で形成され得る一体型の細長い部材であってよい。例えば、ガード18は、キャップ22と略平行に延在して剃毛ストローク中に皮膚を支持しやすくする、中実の又は分割されたバーであってよい。特定の実施形態では、キャップ22は、剃毛中に放出される1つ以上の潤滑剤を含んでもよい。
【0011】
開口部26は、剃毛かみそりカートリッジ12を通って延在し得る。特定の実施形態では、開口部26は、ガード18の前方に位置付けられてもよい。開口部26は、ハウジング16の有意な幅にわたって延びる楕円形すなわちレーストラック形状であってよい。以下でより詳細に説明されるように、ハウジング16は、開口部26を部分的に画定し得る。開口部26は、ハンドル14(
図1に示される)の一部を受容するように構成され得る。例えば、ハンドル14の一部分は、開口部26内に延びて、熱又は水分などの1つ以上の利益を剃毛中にユーザーに提供してもよい。
【0012】
特定の実施形態では、ハウジング16は、ガード18の前方のハウジングの上面上に皮膚係合部材28(例えば、剃毛ストローク中に皮膚を引き延ばすのに役立つ熱可塑性エラストマー製のパッド若しくは複数のフィン又はその他の突出部30)を備えてもよい。特定の実施形態では、皮膚係合用部材28は、ハウジング16にインサート射出成形又は共射出成形されてもよい。しかしながら、接着剤、超音波溶接、又は機械的締結具などの他の既知の組立方法が使用されてもよい。以下でより詳細に説明するように、皮膚係合部材28は、ハウジング16とは異なる材料から成形されてもよい。例えば、皮膚係合部材28の材料は、ハウジング16の材料と比較して低いデュロメータ硬さ又は弾性率を有する熱可塑性エラストマー材料から成形されてもよい。特定の実施形態では、皮膚係合部材28は、スチレンブロックコポリマー系の熱可塑性エラストマーなどのエラストマー材料を含んでもよい。皮膚係合部材28は、潤滑性材料又は水浸出性剃毛補助剤を含んでもよい。
【0013】
ガード18及びキャップ22は、ガード18及びキャップ22に接する剃毛平面を画定し得る。それぞれが対応する刃先を有する1つ以上の刃部材32は、キャップ22とガード18との間(すなわち、キャップ22の前方でガード18の後方)でハウジング16に装着され得る。5つの刃部材32が図示されているが、剃毛かみそりカートリッジ12は、剃毛かみそりカートリッジ12の所望の性能及びコストに応じて、より多くの又はより少ない数の刃部材32を有していてもよい。刃部材32は、クリップなどの1つ以上の刃保持部材34及び36によってハウジング16に固定されてもよい。
【0014】
射出成形は、開口部を有するプラスチック部品を作製するために使用されることが多い。これらの開口部は、射出成形金型のキャビティ内のコアによって形成される。
図3Aは、射出金型キャビティ38の上面図であり、射出成形プロセス中に溶融プラスチック40がコア42の周りを流れて、互いに向かって非平行方向に流れる2つのポリマーの流頭44及び46を形成している。2つのポリマーの流頭44及び46は、コア42の他方の側でまた一緒に融合して、溶接線48を形成する。溶接線は、
図3Aに示されるような大きいコア、又は
図3Bに示されるような小さなコアの周りを流れるプラスチックによって生じる。
図3Bは、射出金型キャビティ50の上面図であり、射出成形プロセス中に溶融プラスチック52がコア54の周りを流れて、互いに向かって非平行方向に流れる2つのポリマーの流頭56及び58を形成している。2つのポリマーの流頭56及び58は、コア54の他方の側でまた一緒に融合して、溶接線60を形成する。溶接線は、プラスチック構成要素の局所的な弱化領域をもたらし、コアによって形成された開口部に直接隣接して位置するため、亀裂伝搬領域の役割をし得る。
【0015】
図4Aは、剃毛かみそりカートリッジ16に組み込まれることができるハウジング16の上面図である。
図4Bは、
図4Aのハウジングの底面図である。ハウジング16は、
図3Aの金型キャビティによって形成された構成要素と同様であってもよい。ハウジング16は、ハウジング16の上面66(
図4A)から対向する底面68(
図4B)まで延在する部分的に囲まれた開口部64を画定する壁62を有し得る。壁62は、内周壁であってよく、ハウジング16の外周に沿って延在する必要はないことが理解される。壁62は、一対のアーム70及び72(例えば、開口部に直接隣接する離間した部分)を含んでよく、アーム70及び72のそれぞれは遠位端74及び76を有し、それらは対向する遠位端74及び76に向かって延在してそれらの間に間隙78を画定する。ハウジング16は、
図3Aの金型キャビティから得られた部品と同様であり得る。例えば、
図3Aの2つのポリマーの流頭44及び46は、ハウジング16の一対のアーム70及び72を表し得る。しかしながら、
図3Aの溶接線48を形成する代わりに、2つの遠位端74及び76が形成されているので、設計の改善につながっている。典型的には、開口部は、開口部を完全に画定する壁を有することによって成形される(すなわち、完全に囲まれた開口部)。しかしながら、そのような設計は、(例えば、ハウジング16の前壁80及び82に沿って位置する)溶接線をもたらし、したがって、より弱い部分をもたらす。理論に束縛されるものではないが、間隙78を有するハウジング16は、構造的に弱い溶接線を有する部品よりも製造堅牢性が高く、耐衝撃性が高く、より消費者に受け入れられる部品設計をもたらすと考えられる。
【0016】
間隙78は、ハウジング16の上面66から底面68まで、並びにそれぞれのアーム70及び72の前壁80及び82から、それぞれのアーム70及び72の後壁84及び86まで延在し得る。特定の実施形態では、アーム70及び72は、約0.5mm~約15mm(
図4C)、より好ましくは約3mm~約11mmの幅「w1」を有してよい。後壁84及び86は、部分的に囲まれた開口部64を画定する壁62の一部であり得る。
図4Cに示すように、遠位端74及び76は、約0.1mm~約38mm、より好ましくは約0.75mm~約3mmの距離d1だけ、前壁80及び82において離間していてよい。遠位端74及び76は、約0.1mm~約38mm、より好ましくは約0.75mm~約3mmの距離d2だけ、後壁84及び86において離間していてよい。間隙78は均一でなくてもよいことが理解される。例えば、間隙78のサイズは、前壁80及び82から後壁84及び86に向かって増加又は減少してもよい。特定の実施形態では、遠位端74及び76は、前壁80及び82と後壁84及び86との間で(例えば、アーム70及び72の中心線に沿った位置で)、約0.1mm~約38mm、より好ましくは約0.75mm~約3mmの距離d3だけ離間していてよい。距離d3は、距離d1及びd2よりも大きくてよい。
図4Dは、
図4Bにおける線4-4に概ね沿って切り取られた、ハウジング16の断面図を示す。各アーム70及び72は、各アーム70及び72のそれぞれの遠位端74及び76で測定して約0.5mm~約15mmである、上面66から底面68まで延びる厚さ「t1」を有してよい。
【0017】
特定の実施形態では、間隙78は、ハンドル14を剃毛かみそりカートリッジ12に取り付けるための適切な方向及び位置決めを示すために、矢印(
図4B参照)などの形状を形成してよい。したがって、間隙78は、ハンドル14が開口部26(
図2)に挿入される意図されたドッキング方向を示すハンドルドッキング位置合わせ部材として機能し得る。ハンドルドッキング位置合わせ部材(例えば、間隙78)は、ハンドル14を受容するための開口部26と連通していてもよい。以下でより詳細に説明するように、間隙78は、より目立ち、かつ直感的な位置合わせをユーザーに提供するために、ハウジング16と対照をなす色を有する異なる材料で充填されてもよい。
【0018】
図5A及び
図5Bを参照すると、ハウジング16は、間隙78(
図4C)を充填し、かつ一対のアーム70及び72(例えば、遠位端74及び76)を相互接続して閉鎖開口部26(
図2)を形成する、ブリッジ88を備えて示されている。ブリッジ88とアーム70及び72とで、前壁90を形成することができる。ハウジング16は、第1のポリマー材料で射出成形されることができ、その場合、一対のアーム70とアーム72とを相互接続する(例えば、一対のアーム70とアーム72とを一体に接合する)ために、第2のポリマー材料がハウジング16の第1のポリマー材料の上に共射出成形され得る。第2のポリマー材料は、一対のアーム70及び72に支持及び可撓性を提供するために、熱可塑性エラストマー材料であってよい。特定の実施形態では、ブリッジ88を形成する第2のポリマー材料88は、ハウジング16の上面66の一部の上に延在して、皮膚係合部材28及び突出部30を形成してもよい(
図5B参照)。ブリッジ88はまた、追加の衝撃耐性を提供してアーム70及び72が損傷又は破損するのを防止する(例えば、バスルームのタイル床に落下したときに)のを助けるために、底面68の一部を被覆してもよい。ブリッジ部材88は、衝撃耐性を更に改善することができる熱可塑性エラストマー材料の射出成形により作られてよい。
【0019】
したがって、ブリッジ88は、ハウジング16をより製造可能かつ耐衝撃性にするだけでなく、ハウジング16の上面66上に皮膚係合部材28及び突出部30を形成して、剃毛ストローク中の皮膚の引き延ばしを改善することもできる。皮膚の引き延ばしを改善するために使用されるポリマー材料は、開口部26へのハンドル14の滑らかな挿入を可能にしないため、ブリッジ88は、遠位端74と遠位端76とを相互接続するが、底面68を被覆しないことが有益であり得る。特定の実施形態では、ブリッジ88は、ハウジング16の上面66の一部分(例えば、皮膚係合部材28)も被覆することができる潤滑性材料又は水浸出性剃毛補助剤を含んでもよい。ハウジング16よりも低い摩擦係数を有するポリマー材料は、皮膚係合部材28の滑りを改善することができ、また、開口部26へのハンドル12の挿入を改善することもできる。
【0020】
特定の実施形態では、ブリッジ88は、ハウジング16とは異なる色であるポリマー材料を含んでもよい。ブリッジ88とハウジング16との対比色は、消費者がハンドル14を開口部26に適切に挿入するためのインジケータとして機能し得る。ハンドル14の適切な挿入は、ブリッジ88の形状によっても補助され得る。特定の実施形態では、ブリッジ88は、ハンドル14を剃毛かみそりカートリッジ12に取り付けるための適切な位置決めを示すために、矢印などの形状を形成してよい。したがって、ブリッジ88は、ハンドル14が開口部26に挿入される意図されたドッキング方向を示すハンドルドッキング位置合わせ部材として機能し得る。ハンドルドッキング位置合わせ部材(例えば、ブリッジ88)は、ハンドル14を受容することが消費者にとってより直感的になるように、開口部26を画定する表面と同じ表面(例えば、底面68)上にあってよい。ハンドルドッキング位置合わせ部材(例えば、ブリッジ88)は、ハウジング16の中心線「CL」に沿って位置付けられ得る。ハウジング16の底面68は、ハンドル14(
図1)の一部分を開口部26内に固定するハンドル係止部材92(
図5A)を含んでもよい。ハンドル係止部材92は、剃毛かみそりカートリッジ12(
図1)との適切な取り付けを目的として、ハンドル14(
図1)の意図された位置を示すために、ハンドルドッキング位置合わせ部材(例えば、ブリッジ88)の後方に位置付けられ得る。ハンドル係止部材92は、ハウジング16の内壁94から延出し、開口部26の上に延在してもよい。
【0021】
図6を参照すると、剃毛かみそりカートリッジ12の断面図が示されている。ブリッジ88は、約0.5mm~約15mm、より好ましくは約2mm~約7mmの厚さ「t2」を有し得る。ブリッジ88は、底面68から上面66まで延在してもよい。厚さ「t2」は、剃毛かみそりカートリッジ12の完全性を改善するために増加させることができる。典型的には、機能しなくなるハウジング16の最も危険な領域は、ブレード32(例えば、第1のブレード32a)付近である。したがって、ブリッジ88を第1のブレード32aに接近させることが有益であり得る。ブリッジ88の後壁98は、第1の刃32aの刃先96まで約2.5mm~約7mmの距離「d4」であり得る。
【0022】
本明細書にて開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0023】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0024】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。