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特許7036960バランスの取れたインパクト性能とスイング性能を有するクラブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】バランスの取れたインパクト性能とスイング性能を有するクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20220308BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220308BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021016721
(22)【出願日】2021-02-04
(62)【分割の表示】P 2020191077の分割
【原出願日】2017-11-16
(65)【公開番号】P2021072975
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】62/423,878
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/449,403
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/469,911
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/680,404
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
(72)【発明者】
【氏名】シナ ゴーズ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0088269(US,A1)
【文献】特開2005-278800(JP,A)
【文献】特開2004-8345(JP,A)
【文献】米国特許第8083609(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0250986(US,A1)
【文献】米国特許第5935020(US,A)
【文献】特開2011-131056(JP,A)
【文献】米国特許第7137905(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空体のゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンド、前記フロントエンドの反対側のバックエンド、クラウン、前記クラウンの反対側のソール、ヒール、前記ヒールの反対側のトウ、前記クラウンと前記ソールに隣接するスカート、および穴の中心を通って伸びるホーゼル軸を有するホーゼル構造、を有する本体と、
前記フロントエンドに位置するとともに幾何学的中心を画定する打撃面であって、ロフト平面が前記幾何学的中心に接しており、ヘッド深さ平面が前記ヒールから前記トウに向けて前記幾何学的中心を通るとともに前記ロフト平面に垂直である、打撃面と、を備えており、
前記クラブヘッドのロフト角が、16度未満であり、
前記クラブヘッドの容量が400ccよりも大きく、
前記クラブヘッドのヘッド重心が、前記ロフト平面に垂直な方向において測定された前記ロフト平面からのヘッドCG深さに、および前記ヘッド深さ平面に垂直な方向において測定された前記ヘッド深さ平面からのヘッドCG高さに、位置しており、
前記打撃面の前記幾何学的中心を通り、前記ホーゼル軸に平行であり、前記ロフト平面から前記ロフト角の位置で伸びている面に垂直な方向に向けて風速102mphの風を受けたときに、前記クラブヘッドは抗力Fを経験し、
前記クラブヘッドは、クラウン-ソール慣性モーメントIxx、ヒール-トウ慣性モーメントIyy、およびクラウン-ソール慣性モーメントとヒール-トウ慣性モーメントの合計として測定される合成慣性モーメントIxx+Iyyを有しており、
前記合成慣性モーメントが、9000g・cmよりも大きく、
以下の位置の1つまたは複数に配置されたウエイト中心を含む埋め込みウエイトをさらに備え、
(a)前記クラブヘッドの周囲の0.5インチ以内の位置、
(b)前記ヘッド重心から2.2インチよりも大きい位置、
(c)前記打撃面の前記幾何学的中心から4.0インチよりも大きい位置、
前記クラブヘッドは、関係Aを満たすとともに、関係Bと関係Cのうちの1つまたは複数を満たす、ゴルフクラブヘッド。
関係A : (F+1.9)/(2.1(ヘッドCG深さ))<1
関係B : F<1.15lbf
関係C : ヘッドCG深さ>1.65インチ
【請求項2】
前記クラブヘッドが関係Dをさらに満たす、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
関係D : (F+2.8)/(2.1(ヘッドCG深さ))<1
【請求項3】
前記合成慣性モーメントが、10000g・cmよりも大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
0.02インチ未満の厚みを有する前記本体上の1つまたは複数の薄い領域をさらに備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
0.18から0.30インチの間のフロント曲率半径と、
バック曲率半径と、をさらに備えており、
前記フロント曲率半径は前記打撃面の上端からクラウン遷移点まで延びており、クラウン遷移点が前記フロント曲率半径から前記クラウンの異なる曲率への曲率の変化を示しており、
前記バック曲率半径は、前記クラウンと前記クラブヘッドの前記スカートの間において第1の後部遷移点から第2の後部遷移点までの後部遷移境界に沿って延びており、前記第1の後部遷移点は前記クラウンと前記後部遷移境界の接続部に位置しており、前記第2の後部遷移点は前記後部遷移境界と前記クラブヘッドの前記スカートの接続部に位置している、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
中空体のゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンド、前記フロントエンドの反対側のバックエンド、クラウン、前記クラウンの反対側のソール、ヒール、前記ヒールの反対側のトウ、前記クラウンと前記ソールに隣接するスカート、および穴の中心を通って伸びるホーゼル軸を有するホーゼル構造、を有する本体と、
前記フロントエンドに位置するとともに幾何学的中心を画定する打撃面であって、ロフト平面が前記幾何学的中心に接しており、ヘッド深さ平面が前記ヒールから前記トウに向けて前記幾何学的中心を通るとともに前記ロフト平面に垂直である、打撃面と、を備えており、
前記クラブヘッドのロフト角が、16度未満であり、
前記クラブヘッドの容量が400ccよりも大きく、
前記クラブヘッドのヘッド重心が、前記ロフト平面に垂直な方向において測定された前記ロフト平面からのヘッドCG深さに、および前記ヘッド深さ平面に垂直な方向において測定された前記ヘッド深さ平面からのヘッドCG高さに、位置しており、
前記打撃面の前記幾何学的中心を通り、前記ホーゼル軸に平行であり、前記ロフト平面から前記ロフト角の位置で伸びている面に垂直な方向に向けて風速102mphの風を受けたときに、前記クラブヘッドは抗力Fを経験し、
前記クラブヘッドは、クラウン-ソール慣性モーメントIxx、ヒール-トウ慣性モーメントIyy、およびクラウン-ソール慣性モーメントとヒール-トウ慣性モーメントの合計として測定される合成慣性モーメントIxx+Iyyを有しており、
以下の位置の1つまたは複数に配置されたウエイト中心を含む埋め込みウエイトをさらに備え、
(a)前記クラブヘッドの周囲の0.5インチ以内の位置、
(b)前記ヘッド重心から2.2インチよりも大きい位置、
(c)前記打撃面の前記幾何学的中心から4.0インチよりも大きい位置、
前記クラブヘッドは、関係Aを満たすとともに、関係Bと関係Cのうちの1つまたは複数を満たす、ゴルフクラブヘッド。
関係A : (F+2.7)/(0.0005(Ixx+Iyy))<1
関係B : F<1.15lbf
関係C : Ixx+Iyy>9000g・cm
【請求項7】
前記クラブヘッドが関係Dをさらに満たす、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
関係D : (F+3.8)/(0.0005(Ixx+Iyy))<1
【請求項8】
前記ヘッドCG深さが、1.2インチよりも大きい、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
0.02インチ未満の厚みを有する前記本体上の1つまたは複数の薄い領域をさらに備える、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
0.18から0.30インチの間のフロント曲率半径と、
バック曲率半径と、をさらに備えており、
前記フロント曲率半径は前記打撃面の上端からクラウン遷移点まで延びており、クラウン遷移点が前記フロント曲率半径から前記クラウンの異なる曲率への曲率の変化を示しており、
前記バック曲率半径は、前記クラウンと前記クラブヘッドの前記スカートの間において第1の後部遷移点から第2の後部遷移点までの後部遷移境界に沿って延びており、前記第1の後部遷移点は前記クラウンと前記後部遷移境界の接続部に位置しており、前記第2の後部遷移点は前記後部遷移境界と前記クラブヘッドの前記スカートの接続部に位置している、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記合成慣性モーメントが、10000g・cmよりも大きい、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
中空体のゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンド、前記フロントエンドの反対側のバックエンド、クラウン、前記クラウンの反対側のソール、ヒール、前記ヒールの反対側のトウ、前記クラウンと前記ソールに隣接するスカート、および穴の中心を通って伸びるホーゼル軸を有するホーゼル構造、を有する本体と、
前記フロントエンドに位置するとともに幾何学的中心を画定する打撃面であって、ロフト平面が前記幾何学的中心に接しており、ヘッド深さ平面が前記ヒールから前記トウに向けて前記幾何学的中心を通るとともに前記ロフト平面に垂直である、打撃面と、を備えており、
前記クラブヘッドのロフト角が、16度未満であり、
前記クラブヘッドの容量が400ccよりも大きく、
前記クラブヘッドのヘッド重心が、前記ロフト平面に垂直な方向において測定された前記ロフト平面からのヘッドCG深さに、および前記ヘッド深さ平面に垂直な方向において測定された前記ヘッド深さ平面からのヘッドCG高さに、位置しており、
前記ヘッドCG深さが、1.2インチよりも大きく、
前記ヘッドCG高さが、0.20インチ未満であり、
クラウン-ソール慣性モーメントが、3000g・cmよりも大きく、
ヒール-トウ慣性モーメントが、5000g・cmよりも大きく、
前記打撃面の前記幾何学的中心を通り、前記ホーゼル軸に平行であり、前記ロフト平面から前記ロフト角の位置で伸びている面に垂直な方向に向けて風速102mphの風を受けたときに、前記クラブヘッドは1.4lbf未満の抗力を経験し、
以下の位置の1つまたは複数に配置されたウエイト中心を含む埋め込みウエイトをさらに備える、ゴルフクラブヘッド。
(a)前記クラブヘッドの周囲の0.5インチ以内の位置。
(b)前記ヘッド重心から2.2インチよりも大きい位置。
(c)前記打撃面の前記幾何学的中心から4.0インチよりも大きい位置。
【請求項13】
前記打撃面の前記幾何学的中心を通り、前記ホーゼル軸に平行であり、前記ロフト平面から前記ロフト角の位置で伸びている面に垂直な方向に向けて風速102mphの風を受けたときに、前記クラブヘッドは1.15lbf未満の抗力を経験する、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
0.02インチ未満の厚みを有する前記本体上の1つまたは複数の薄い領域をさらに備える、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
0.18から0.30インチの間のフロント曲率半径と、
バック曲率半径と、をさらに備えており、
前記フロント曲率半径は前記打撃面の上端からクラウン遷移点まで延びており、クラウン遷移点が前記フロント曲率半径から前記クラウンの異なる曲率への曲率の変化を示しており、
前記バック曲率半径は、前記クラウンと前記クラブヘッドの前記スカートの間において第1の後部遷移点から第2の後部遷移点までの後部遷移境界に沿って延びており、前記第1の後部遷移点は前記クラウンと前記後部遷移境界の接続部に位置しており、前記第2の後部遷移点は前記後部遷移境界と前記クラブヘッドの前記スカートの接続部に位置している、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記合成慣性モーメントが、10000g・cmよりも大きい、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年3月10日に出願された米国特許仮出願第62/469,911号、2017年1月23日に出願された米国特許仮出願第62/449,403号、2016年11月18日に出願された米国仮特許出願第62/423,878号に対する優先権を主張し、また、2017年8月18日に出願された米国特許出願第15/680,404号に対する優先権を主張する。これらの全ての内容は、その全体が組み込まれている。
【0002】
本開示はゴルフクラブに関する。より詳細には、本開示は、バランスの取れたインパクト性能とスイング性能を有するクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
容量、重心位置および慣性モーメントなどの様々なゴルフクラブヘッド設計パラメータは、インパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、速度、許容度)およびスイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力)に影響を及ぼす。多くの場合、インパクト性能特性を改善するクラブヘッド設計は、スイング性能特性(例えば、空気抵抗)に悪影響を及ぼす可能性があり、あるいは、スイング性能特性を改善するクラブヘッド設計は、インパクト性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、当技術分野では、改善されたスイング特性に対してバランスが取れた改善されたインパクト性能特性を有するクラブヘッドが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一実施形態によるゴルフクラブヘッドの正面図である。
【0005】
図2図1のゴルフクラブヘッドのII-II線に沿った側断面図である。
【0006】
図3図1のゴルフクラブヘッドの底面図である。
【0007】
図4図1のゴルフクラブヘッドの側断面図である。
【0008】
図5図1のゴルフクラブヘッドの拡大側断面図である。
【0009】
図6図1のゴルフクラブヘッドの拡大側断面図である。
【0010】
図7図1のゴルフクラブヘッドの平面図である。
【0011】
図8図1のゴルフクラブヘッドの背面図である。
【0012】
図9図1のゴルフクラブヘッドの側断面図である。
【0013】
図10A】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力とx軸周りの慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0014】
図10B】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力とy軸周りの慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0015】
図10C】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力と合成慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0016】
図11A】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力と合成慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0017】
図11B】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力と合成慣性モーメントとの関係を示す図である。
【0019】
図12】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力とクラブヘッド重心深さとの間の関係を示す。
【0020】
図13A】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力とクラブヘッド重心深さとの関係を示す。
【0021】
図13B】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力とクラブヘッド重心深さとの関係を示す。
【0023】
図14】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの合成慣性モーメントとクラブヘッド重心深さとの間の関係を示す。
【0024】
図15】別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの正面図である。
【0025】
図16図15のゴルフクラブヘッドのII-II線に沿った側断面図である。
【0026】
図17図15のゴルフクラブヘッドの底面図である。
【0027】
図18図15のゴルフクラブヘッドの側断面図である。
【0028】
図19図15のゴルフクラブヘッドの拡大側断面図である。
【0029】
図20図15のゴルフクラブヘッドの拡大側断面図である。
【0030】
図21図15のゴルフクラブヘッドの上面図である。
【0031】
図22図15のゴルフクラブヘッドの背面図である。
【0032】
図23A】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力とx軸周りの慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0033】
図23B】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力とy軸周りの慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0034】
図23C】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力と合成慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0035】
図24A】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力と合成慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0036】
図24B】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力と合成慣性モーメントとの間の関係を示す。
【0037】
図25】様々な既知のゴルフクラブヘッドについての抗力とクラブヘッド重心深さとの間の関係を示す。
【0038】
図26A】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力とクラブヘッド重心深さとの関係を示す図である。
【0039】
図26B】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの抗力とクラブヘッド重心深さとの関係を示す図である。
【0040】
図27】既知のゴルフクラブヘッドと比較した、本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの合成慣性モーメントとクラブヘッド重心深さとの関係を示す図である。
【0041】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【0042】
説明を簡単かつ明瞭にするために、図面は一般的な構成方法を示しており、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために周知の特徴および技術の説明および詳細は省略されることがある。さらに、図面中の要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本開示の実施形態の理解を向上させるのを助けるために他の要素に対して誇張されている場合がある。異なる図中の同じ参照番号は同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に説明するゴルフクラブは、同時に空気抵抗を維持または低減させながら、低く後方のCG位置でクラブヘッドの慣性モーメントを増加または最大化するいくつかの関係を使用する。具体的には、本明細書に記載のゴルフクラブは、指定されたように低く後方のCGを有する。ゴルフクラブはさらに、高いクラウン-ソール慣性モーメント(Ixx)およびヒール-トウ慣性モーメント(Iyy)を有する。低く後方のCGと慣性モーメントの増大は、ヘッドCGからの最大距離を有するゴルフクラブヘッドの裁量のウエイトの増加または裁量のウエイト領域の再配置によって達成される。クラウンを薄くしたり最適化された素材を使用したりすると、裁量の重み付けが増加する。取り外し可能なウエイト、急なクラウン角度、または埋め込みウエイトを使用すると、裁量のウエイトを取り外してCGからの最大距離に配置することができる。
【0044】
本明細書に記載のゴルフクラブヘッドはまた、同様のCG位置および慣性モーメントを有するゴルフクラブヘッドに対して低い空気抵抗を有する。低く後方のCG位置を維持しながら、クラウンの高さを最大にすることで空力抵抗が低下する。打撃面からクラウン、打撃面からソールへ、および/またはゴルフクラブヘッドのバックエンドに沿ったクラウンからソールへの遷移プロファイルは、空力抵抗を減少させる手段を提供する。タービュレータの使用とホーゼルウエイトの戦略的配置により、空力抵抗がさらに減少する。
【0045】
以下に説明するゴルフクラブは、同時に空気抵抗を維持または低減させながら、低く後方のCG位置でクラブヘッドの慣性モーメントを増加または最大化するいくつかの関係を使用する。CG、慣性モーメントおよび抵抗のこれら関係をバランスさせることにより、インパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)およびスイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時のクラブヘッドをスクエアにする能力、スイング速度)が改善される。このバランスは、ドライバータイプクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプクラブヘッド、およびハイブリッドタイプクラブヘッドに適用可能である。
【0046】
もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、類似要素を区別するために使用され、必ずしも特定の連続した順序または古い順を記述するためのものではない。そのように使用された用語は、本明細書に記載される実施形態が例えば、例示されているかまたは別様に本明細書に記載されているもの以外の順序で操作可能であるように、適切な状況において置き換え可能であると理解すべきである。さらに、用語「含む」および「有する」ならびにこれらの任意の活用形は、要素のリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置が必ずしもそれらの要素に限定されていないが、明示的に列挙されていないか、またはかかるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に固有ではない他の要素を含んでもよいように、非排他的包含を網羅することが意図される。
【0047】
もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「の上」、「の下」等は、説明目的で使用され、必ずしも永久的な相対位置を記述するためのものではない。そのように使用された用語は、本明細書に記載される製造装置、製造方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、例示されているかまたは別様に本明細書に記載されているもの以外の配向で操作可能であるように、適切な状況において置き換え可能であると理解すべきである。
【0048】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは以下の図面に示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は他の実施形態に適用可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。
【0049】
図1図3は、本体102と打球面104とを有するゴルフクラブヘッド100を示す。クラブヘッド100の本体102は、フロントエンド108、フロントエンド108の反対側のバックエンド110、クラウン116、クラウン116の反対側のソール118、ヒール120、およびヒール120の反対側のトウ122を含む。本体102はさらに、クラウン116とソール118との間にそれらに隣接するスカートまたは後縁部128を含み、スカートはクラブヘッド100のヒール120の近くからトウ122の近くまで延びている。
【0050】
多くの実施形態では、クラブヘッド100は中空体クラブヘッドである。これらの実施形態では、本体および打撃面はゴルフクラブヘッド100の内部空洞を画定することができる。いくつかの実施形態では、本体102は、クラブヘッド100のクラウン116、ソール118、ヒール120、トウ122、バックエンド110、およびフロントエンド108の周囲にわたって延在することができる。これらの実施形態では、本体102はクラブヘッド100のフロントエンド108に開口部を画定し、打撃面104は開口部内に配置されてクラブヘッド100を形成する。その他の実施形態では、打撃面104は、クラブヘッドのフロントエンド108全体にわたって延在することができ、クラウン116、ソール118、ヒール120、およびトウ122のうちの少なくとも1つにわたって延在する戻り部分を含むことができる。これらの実施形態では、打撃面104の戻り部分は本体102に結合されてクラブヘッド100を形成する。
【0051】
クラブヘッド100の打撃面104は、第1の材料を含む。多くの実施形態では、第1の材料は、チタン合金、スチール合金、アルミニウム合金、または他の任意の金属もしくは金属合金などの金属合金である。他の実施形態では、第1の材料は、複合材料、プラスチック、または任意の他の適切な材料もしくは材料の組み合わせなどの任意の他の材料を含むことができる。
【0052】
クラブヘッド100の本体102は、第2の材料を含む。多くの実施形態では、第2の材料は、チタン合金、スチール合金、アルミニウム合金、または他の任意の金属もしくは金属合金などの金属合金である。他の実施形態では、第2の材料は、複合材料、プラスチック、または任意の他の適切な材料もしくは材料の組み合わせなどの任意の他の材料を含むことができる。
【0053】
第1および第2の材料は、材料の密度(ρ)に対する降伏応力(σy)の比(下記の関係1を参照)として測定される強度対重量比または比強度、および、材料の弾性率(E)に対する降伏応力(σy)の比(下記の関係2を参照)として測定される強度対弾性率比または比可撓性を含む。
【数1】
【数2】
【0054】
図1に示すように、クラブヘッド100はさらに、ホーゼル構造130と、ホーゼル構造130のボアに沿って中心に延びるホーゼル軸132と、を含む。この例では、クラブヘッド100のホーゼル結合機構は、ホーゼル構造130とホーゼルスリーブ134を含み、ホーゼルスリーブ134はゴルフシャフト136の端部に結合することができる。ホーゼルスリーブ134は、ホーゼル構造130と複数の構成で結合することができ、それによってゴルフシャフト136をホーゼル軸132に対して複数の角度でホーゼル構造130に固定することができる。しかしながら、シャフト136をホーゼル構造130に調整不能に固定することができる他の例があり得る。
【0055】
クラブヘッド100の打撃面104は、幾何学的中心140を画定する。いくつかの実施形態では、幾何学的中心140は、打撃面周囲142の幾何学的中心点、およびフェース高さ144の中点に配置することができる。同じまたは他の例では、幾何学的中心140はまた、打撃面上の溝150の領域によって画定することができる設計された衝撃ゾーン148に関して中心に置くことができる。別のアプローチとして、打撃面の幾何学的中心は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ運営団体の定義に基づいて配置することができる。例えば、打撃面の幾何学的中心は、USGAのゴルフクラブヘッドの可撓性を測定する手順(USGA-TPX3004、Rev.1.0.0,2008年5月1日)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf Club-Head/)(「可撓性の手順」)のセクション6.1に従って決定することができる。
【0056】
クラブヘッド100はさらに、打球面104の幾何学的中心140に接するロフト面1010を画定する。フェース高さ144は、ロフト面1010に対して平行にクラウン116の近くの打撃面周囲142の上端とソール118の近くの打撃面周囲142の下端との間で測定することができる。これらの実施形態では、打撃面周囲142は、曲面が打撃面104の膨らみおよび/または起伏から逸脱するところで、打撃面104の外縁に沿って位置することができる。
【0057】
打撃面104の幾何学的中心140はさらに、打撃面104の幾何学的中心140を原点とする座標系を規定し、この座標系はX’軸1052、Y’軸1062、およびZ’軸1072を有する。X’軸1052は、クラブヘッド100のヒール120からトウ122への方向に打撃面104の幾何学的中心140を通って延びる。Y’軸1062は、クラブヘッド100のクラウン116からソール118への方向に打撃面104の幾何学的中心140を通って延びており、X’軸1052に対して垂直である。Z’軸1072は、クラブヘッド100のフロントエンド108からバックエンド110に向かう方向に幾何学的中心140を通って延びており、X’軸1052およびY’軸1062に垂直である。
【0058】
座標系は、X’軸1052およびY’軸1062を通って延びるX’Y’平面、X’軸1052およびZ’軸1072を通って延びるX’Z’平面、Y’軸1062およびZ’軸1072を通って延びるY’Z’平面を画定する。ここで、X’Y’平面、X’Z’平面、およびY’Z’平面はすべて互いに垂直であり、打撃面104の幾何学的中心140に位置する座標系の原点で交差する。X’Y’平面は、ホーゼル軸132と平行に延びており、ロフト平面1010からのクラブヘッド100のロフト角に対応する角度で配置されている。さらに、X’軸1052は、X’Y’平面に垂直な方向から見たときにホーゼル軸132に対して60度の角度で配置されている。
【0059】
これらまたは他の実施形態では、打撃面104をX’Y’平面に垂直な方向から見たときに、クラブヘッド100を正面図(図1)から見ることができる。さらに、これらまたは他の実施形態では、ヒール120をY’Z’平面に垂直な方向から見たときに、クラブヘッド100を側面図または側断面図(図2)から見ることができる。
【0060】
クラブヘッド100、300は、深さ160、360、長さ162、362、および高さ164、364を画定する。図3に示すように、クラブヘッドの深さ160、360は、Z’軸1072に平行な方向において、フロントエンド108、308からバックエンド110、310までのクラブヘッド100、300の最も遠い範囲として測定することができる。
【0061】
クラブヘッド100の長さ162は、正面図(図1)から見たときに、X’軸1052に平行な方向において、ヒール120からトウ122までのクラブヘッド100の最も遠い範囲として測定することができる。多くの実施形態では、クラブヘッド100の長さ162は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ運営団体の定義に基づいて測定することができる。例えば、クラブヘッド100の長さ162は、ウッドクラブのクラブヘッドサイズを測定するためのUSGAの手順(USGA-TPX3003、Rev.1.0.0,2003年11月21日)(https://www.usga.org/content/dam/usga/pdf/Equipment/TPX3003-procedure-for-measuring-the-club-head-size-of-wood-clubs.pdf)(「ウッドクラブのクラブヘッドサイズの測定手順」)に従って決定することができる。
【0062】
クラブヘッド100の高さ164は、正面図(図1)から見たときに、Y’軸1062に平行な方向において、クラウン116からソール118までのクラブヘッド100の最も遠い範囲として測定することができる。多くの実施形態では、クラブヘッド100の高さ164は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ運営団体の定義に基づいて測定することができる。例えば、クラブヘッド100の高さ164は、ウッドクラブのクラブヘッドサイズを測定するためのUSGAの手順(USGA-TPX3003、Rev.1.0.0,2003年11月21日)(https://www.usga.org/content/dam/usga/pdf/Equipment/TPX3003-procedure-for-measuring-the-club-head-size-of-wood-clubs.pdf)(「ウッドクラブのクラブヘッドサイズの測定手順」)に従って決定することができる。
【0063】
図1および図2に示すように、クラブヘッド100はさらに、ヘッド重心(CG)170とヘッド深さ平面1040を含んでおり、ヘッド深さ平面1040は、クラブヘッド100のヒール120からトウ122への方向において打撃面104の幾何学的中心140を通るとともにロフト平面1010に垂直に延びている。多くの実施形態では、ヘッドCG170は、X’Y’平面に垂直な方向で測定した、X’Y’平面からのヘッドCG深さに配置される。いくつかの実施形態では、ヘッドCG170は、ロフト平面に垂直な方向で測定したときに、ロフト平面1010からのヘッドCG深さ172に配置することができる。ヘッドCG170はさらに、ヘッド深さ平面1040から垂直な方向に測定した、ヘッド深さ平面1040からのヘッドCG高さ174に配置されている。さらに、ヘッドCG高さ174は、クラウン116またはソール118に向かうヘッド深さ平面1040に垂直な方向におけるヘッド深さ平面1040からのオフセット距離として測定される。多くの実施形態では、ヘッドCGがヘッド深さ平面1040の上方(すなわち、ヘッド深さ平面1040とクラウン116との間)にあるとき、ヘッドCG高さ174は正であり、ヘッドCGがヘッド深さ面1040の下(すなわち、ヘッド深さ面1040とソール118との間)にあるとき、ヘッドCG高さ174は負である。いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ174の絶対値は、ヘッド深さ平面1040の上または下(すなわち、ヘッド深さ平面1040とクラウン116との間、またはヘッド深さ平面1040とソール118との間)に位置するヘッドCGを表すことができる。多くの実施形態では、ヘッドCG170は、後述するように、容量およびロフト角などの様々なクラブヘッドパラメータに基づいてクラブヘッド100のソール118およびバックエンド110に向かって戦略的に配置される。さらに、多くの実施形態において、ヘッドCG170は、低減された空気抵抗と組み合わせて、クラブヘッド100のソール118およびバックエンド110に向かって戦略的に配置される。
【0064】
ヘッドCG170は、x軸1050、y軸1060、およびz軸1070を有する座標系の原点を規定する。y軸1060は、クラウン116からソール118までヘッドCG170を通って延びており、側面図から見たときにホーゼル軸132に対して平行であり、正面から見たときにホーゼル軸132から30度の角度である。x軸1050は、ヘッドCG170を通ってヒール120からトウ122まで延びており、正面図から見たときにy軸1060に対して垂直であり、X’Y’平面に平行である。z軸1070は、ヘッドCG170を通ってフロントエンド108からバックエンド110まで延びており、x軸1050およびy軸に対して垂直である。多くの実施形態では、x軸1050は、ヘッドCG170を通ってヒール120からトウ122まで延びるとともにX’軸1052に平行であり、y軸1060は、ヘッドCG170を通ってクラウン116からソール118まで延びるとともにY’軸1062に平行であり、z軸1070は、ヘッドCG170を通ってフロントエンド108からバックエンド110まで延びるとともにZ’軸1072に平行である。
【0065】
クラブヘッド100はさらに、x軸周りの慣性モーメントIxx(すなわち、クラウン-ソール慣性モーメント)、およびy軸周りの慣性モーメントIyy(すなわち、ヒール-トウ慣性モーメント)を含む。多くの実施形態では、クラウン-ソール慣性モーメントIxxおよびヒール-トウ慣性モーメントIyyは、以下でさらに詳細に説明するように、容量およびロフト角などの様々なクラブヘッドパラメータに基づいて増加または最大化される。さらに、多くの実施形態では、クラウン-ソール慣性モーメントIxxおよびヒール-トウ慣性モーメントIyyは、減少した空気抵抗と組み合わせて増加または最大化される。
【0066】
様々なロフト角および容量を有するクラブヘッドの様々な実施形態が以下に説明される。他の実施形態は、本明細書に記載のロフト角および容量とは異なるロフト角または容量を有するクラブヘッドを含むことができる。

I.大容量ドライバータイプクラブヘッド
【0067】
一例によれば、ゴルフクラブヘッド300は、大容量および低ロフト角を含む。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド300はドライバータイプのクラブヘッドを含む。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド300は、本明細書に記載されているようなロフト角および容量を有する任意の種類のゴルフクラブヘッドを含むことができる。多くの実施形態では、クラブヘッド300は、クラブヘッド100と同じまたは類似のパラメータを含み、パラメータは、クラブヘッド100の参照番号に200を加えた番号で記載されている。
【0068】
多くの実施形態では、クラブヘッド300のロフト角は、約16度未満、約15度未満、約14度未満、約13度未満、約12度未満、約11度未満、または約10度未満である。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド300の容量は、約400ccよりも大きい、約425ccよりも大きい、約450ccよりも大きい、約475ccよりも大きい、約500ccよりも大きい、約525ccよりも大きい、約550ccよりも大きい、約575ccよりも大きい、約600ccよりも大きい、約625ccよりも大きい、約650ccより大きい、約675ccより大きい、または約700ccより大きい。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの容量は、約400cc~600cc、445cc~485cc、425cc~500cc、約500cc~650cc、約550cc~700cc、約600cc~650cc、約600cc~700cc、または約600cc~800ccであり得る。
【0069】
多くの実施形態では、クラブヘッド300の長さ362は、4.85インチよりも大きい。他の実施形態では、クラブヘッド300の長さ362は、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド300の長さ362は、4.6~5.0インチ、4.7~5.0インチ、4.8~5.0インチ、4.85~5.0インチ、または4.9~5.0インチの間であり得る。
【0070】
多くの実施形態では、クラブヘッド300の深さ360は、クラブヘッド300の長さ362よりも少なくとも0.70インチ小さい。多くの実施形態では、クラブヘッド300の深さ360は、4.75インチよりも大きい。他の実施形態では、クラブヘッド300の深さ360は、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド300の深さ360は、4.6~5.0インチ、4.7~5.0インチ、4.75~5.0インチ、4.8~5.0インチ、または4.9~5.0インチの間であり得る。
【0071】
多くの実施形態では、クラブヘッド300の高さ364は、約2.8インチ未満である。他の実施形態では、クラブヘッド300の高さ364は、3.0インチ未満、2.9インチ未満、2.8インチ未満、2.7インチ未満、または2.6インチ未満である。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド300の高さ364は、2.0~2.8インチ、2.2~2.8インチ、2.5~2.8インチ、または2.5~3.0インチの間であり得る。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド300のフェース高さ344は、約1.3インチ(33mm)~約2.8インチ(71mm)とすることができる。さらになお、多くの実施形態において、クラブヘッド300は、185グラム~225グラムの間の質量を含み得る。
【0072】
クラブヘッド300は、ヘッドCG位置、クラブヘッドの慣性モーメント、および空気抵抗などの様々な追加のパラメータのバランスをさらに含み、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、速度、許容度)およびスイング性能特性(例:空力抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力)の両方をもたらす。多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、スイング性能特性を維持または改善しながら改善されたインパクト性能を提供する。さらに、多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、インパクト性能特性を維持または改善しながら、改良されたスイング性能特性を提供する。

A.重心位置と慣性モーメント
【0073】
多くの実施形態では、ヘッドCGからの距離が最大となるクラブヘッドの領域において、裁量のウエイトを増加させ、裁量のウエイトを再配置することによって、低く後方のクラブヘッドCGおよび高い慣性モーメントを達成することができる。ヘッドCG位置に関して上述したように、クラウンを薄くすること、および/または最適化された材料を使用することによって、裁量のウエイトを増加させることを達成することができる。ヘッドCGからの距離を最大にするための裁量のウエイトの再配置は、ヘッドCGの位置に関して上述したように、取り外し可能なウエイト、埋め込まれたウエイト、または急なクラウン角度を使用して達成することができる。
【0074】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、約3000g・cmよりも大きい、約3250g・cmよりも大きい、約3500g・cmよりも大きい、約3750g・cmよりも大きい、約4000g・cmよりも大きい、約4250g・cmよりも大きい、約4500g・cmよりも大きい、約4750g・cmよりも大きい、約5000g・cmよりも大きい、約5250g・cmよりも大きい、約5500g・cmよりも大きい、約5750g・cmよりも大きい、約6000g・cmよりも大きい、約6250g・cmよりも大きい、約6500g・cmよりも大きい、約6750g・cmよりも大きい、または約7000g・cmよりも大きい、クラウン-ソール慣性モーメントIxxを含む。
【0075】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、約5000g・cmよりも大きい、約5250g・cmよりも大きい、約5500g・cmよりも大きい、約5750g・cmよりも大きい、約6000g・cmよりも大きい、約6250g・cmよりも大きい、約6500g・cmよりも大きい、約6750g・cmよりも大きい、または約7000g・cmよりも大きい、ヒール-トウ慣性モーメントIyyを含む。
【0076】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、8000g・cmよりも大きい、8500g・cmよりも大きい、8750g・cmよりも大きい、9000g・cmよりも大きい、9250g・cmよりも大きい、9500g・cmよりも大きい、9750g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、11000g・cmよりも大きい、11250g・cmよりも大きい、11500g・cmよりも大きい、11750g・cmよりも大きい、12000g・cmよりも大きい、12500g・cmよりも大きい、13000g・cmよりも大きい、13500g・cmよりも大きい、または14000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメント(すなわち、クラウン-ソール慣性モーメントIxxとヒール-トウ慣性モーメントIyyとの合計)を含む。
【0077】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、約0.20インチ未満、約0.15インチ未満、約0.10インチ未満、約0.09インチ未満、約0.08インチ未満、約0.07インチ未満、約0.06インチ未満、または約0.05インチ未満のヘッドCG高さ374を有する。さらに、多くの実施形態において、クラブヘッド300は、約0.20インチ未満、約0.15インチ未満、約0.10インチ未満、約0.09インチ未満、約0.08インチ未満、約0.07インチ未満、約0.06インチ未満、または約0.05インチ未満の絶対値を有するヘッドCG高さ374を含む。
【0078】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、約1.2インチより大きい、約1.3インチより大きい、約1.4インチより大きい、約1.5インチより大きい、約1.6インチより大きい、約1.7インチより大きい、約1.8インチよりも大きい、約1.9インチよりも大きい、または約2.0インチよりも大きい、ヘッドCG深さ372を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド300は、0.56以下の第1性能特性を含むことができ、ここで、第1性能特性は、(a)72mmとフェース高さ344との間の差、および(b)ヘッドCG深さ372、の間の比として定義される。これらの実施形態または他の実施形態では、クラブヘッド300は、425cc以上の第2性能特性を含むことができ、ここで、第2性能特性は、(a)クラブヘッド300の容量、および(b)ヘッドCG深さ372とヘッドCG高さ374の絶対値との間の比、の合計として定義される。いくつかの実施形態において、第2性能特性は、450cc以上、475cc以上、490cc以上、495cc以上、500cc以上、505cc以上、又は510cc以上であり得る。
【0080】
減少したヘッドCG高さ374を有するクラブヘッド300は、より高いヘッドCG高さを有する同様のクラブヘッドと比較して、インパクト時のゴルフボールのバックスピンを減少させることができる。多くの実施形態では、バックスピンを減少させると、クラブヘッドの性能を向上させるために、ボール速度と飛行距離の両方を増加させることができる。さらに、ヘッドCG深さ372を増大させたクラブヘッド300は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、ヒール-トウ慣性モーメントを増大させることができる。ヒール-トウ慣性モーメントを大きくすると、クラブヘッドの性能を向上させるためのインパクト時のクラブヘッドの許容度を高めることができる。さらにまた、ヘッドCG深さ172が増大したクラブヘッド300は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、打球時のクラブヘッドの動的ロフトを増大させることによって、インパクト時のゴルフボールの打ち出し角度を増大させることができる。
【0081】
ヘッドCG高さ374および/またはヘッドCG深さ372は、様々な領域でクラブヘッドの重量を減らし、それによって裁量のウエイトを増やし、ヘッドCGをより低くより後方にシフトするためにクラブヘッドの戦略的な領域で裁量のウエイトを変えることによって達成できる。クラブヘッドの重量を減少させて再配置するための様々な手段が以下に説明される。

i.薄い領域
【0082】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ374および/またはヘッドCG深さ372は、クラブヘッド300の様々な領域を薄くして余分なウエイトを取り除くことによって達成することができる。余分なウエイトを除去すると、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するためにクラブヘッド300の領域に戦略的に再配置することができる増加した裁量のウエイトがもたらされる。
【0083】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、1つまたは複数の薄い領域376を有することができる。1つまたは複数の薄い領域376は、打撃面304、本体302、または打撃面304と本体302の組み合わせ上に配置することができる(図7を参照)。さらに、1つまたは複数の薄い領域376は、クラウン316、ソール318、ヒール320、トウ322、フロントエンド308、バックエンド310、スカート328または記載された位置の任意の組み合わせを含む本体302の任意の領域に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の薄い領域376は、クラウン316上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域376は、打撃面304とクラウン306の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域376は、打撃面304、クラウン316、およびソール318の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、本体302全体および/または打撃面304全体が薄い領域376を含むことができる。
【0084】
1つまたは複数の薄い領域376が打撃面304上に配置される実施形態では、打撃面304の厚さは、最大打撃面厚さおよび最小打撃面厚さを変化し得る。これらの実施形態では、最小打撃面厚さは、0.10インチ未満、0.09インチ未満、0.08インチ未満、0.07インチ未満、0.06インチ未満、0.05インチ未満、0.04インチ未満、または0.03インチ未満であり得る。これらまたは他の実施形態では、最大打撃面厚さは、0.20インチ未満、0.19インチ未満、0.18インチ未満、0.17インチ未満、0.16インチ未満、0.15インチ未満、0.14インチ未満、0.13インチ未満0.12インチ未満、0.11インチ未満、または0.10インチ未満であり得る。
【0085】
1つまたは複数の薄い領域376が本体302上に配置されている実施形態では、薄い領域は約0.020インチ未満の厚さを含むことができる。他の実施形態では、薄い領域は、0.025インチ未満、0.020インチ未満、0.019インチ未満、0.018インチ未満、0.017インチ未満、0.016インチ未満、0.015インチ未満、0.014インチ未満、0.013インチ未満、0.012インチ未満、または0.010インチ未満の厚さを含む。例えば、薄い領域は、約0.010~0.025インチ、約0.013~0.020インチ、約0.014~0.020インチ、約0.015~0.020インチ、約0.016~0.020インチ、約0.017~0.020インチ、または約0.018~0.020インチの厚さを含むことができる。
【0086】
図示の実施形態では、薄い領域376は形状および位置が異なり、クラブヘッド300の表面積の約25%を覆っている。他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド900の表面積の約20~30%、約15~35%、約15~25%、約10~25%、約15~30%、または約20~50%を覆うことができる。さらに、他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド300の表面積の最大5%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、または最大50%までをカバーすることができる。
【0087】
多くの実施形態では、クラウン316は、クラウン316の表面積の約51%が薄い領域376を含むように、1つまたは複数の薄い領域376を含むことができる。他の実施形態では、クラウン316は、クラウン316の最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、または最大90%が薄い領域376を含むように、1つまたは複数の薄い領域376を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、クラウン316の約40~60%が薄い領域376を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、クラウン316の約50~100%、約40~80%、約35~65%、約30~70%、または約25~75%が薄い領域376を含むことができる。いくつかの実施形態では、クラウン316は1つまたは複数の薄い領域376を含むことができ、1つまたは複数の薄い領域376のそれぞれは勾配をつけて薄くなっている。この例示的な一実施形態では、クラウン316の1つまたは複数の薄い領域376は、ヒール-トウ方向に延び、1つまたは複数の薄い領域376のそれぞれは、打撃面304からバックエンド310に向かう方向に厚さが減少している。
【0088】
多くの実施形態では、ソール318の表面積の約64%が薄い領域376を含むように、ソール318は1つまたは複数の薄い領域376を含むことができる。他の実施形態では、ソール318は、ソール318の最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、または最大90%が薄い領域376を含むように、1つまたは複数の薄い領域376を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール318の約40~60%が薄い領域376を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、ソール318の約50~100%、約40~80%、約35~65%、または約30~70%、または約25~75%が薄い領域376を含むことができる。
【0089】
薄い領域376は、円形、三角形、正方形、長方形、卵形、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形もしくは形状などの任意の形状を含むことができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域376は、残りの薄い領域と同じ形状、または異なる形状を含むことができる。
【0090】
多くの実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド100は遠心鋳造を用いて製造することができる。これらの実施形態では、遠心鋳造は、クラブヘッド300が従来の鋳造を使用して製造されたクラブヘッドよりも薄い壁を有することを可能にする。他の実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド300の部分は、打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工などの他の適切な方法を使用して製造することができる。薄い領域を有するクラブヘッド300の部分が打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工を使用して製造される実施形態では、クラブヘッド300の部分は、エポキシ、テープ、溶接、機械的締結具、または他の適切な方法を使用して結合され得る。

ii.最適化された材料
【0091】
いくつかの実施形態では、打撃面304および/または本体302は、増加した比強度および/または増加した比可撓性を有する最適化された材料を含み得る。比可撓性は、最適化された材料の弾性率に対する降伏強度の比として測定される。比強度および/または比可撓性を増大させると、耐久性を維持しながらクラブヘッドの一部を薄くすることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、打撃面304の第1の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約910,000PSI/lb/in(227MPa/g/cm)以上、約920,000PSI/lb/in(229MPa/g/cm)以上、約930,000PSI/lb/in(232MPa/g/cm)以上、約940,000PSI/lb/in(234MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約960,000PSI/lb/in(239MPa/g/cm)以上、約970,000PSI/lb/in(242MPa/g/cm)以上、約980,000PSI/lb/in(244MPa/g/cm)以上、約990,000PSI/lb/in(247MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、または約1,150,000PSI/lb/in(286MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0093】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約0.0075以上、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0091以上、約0.0092以上、約0.0093以上、約0.0094以上、約0.0095以上、約0.0096以上、約0.0097以上、約0.0098以上、約0.0099以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0094】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、約810,000PSI/lb/in(202MPa/g/cm)以上、約820,000PSI/lb/in(204MPa/g/cm)以上、約830,000PSI/lb/in(207MPa/g/cm)以上、約840,000PSI/lb/in(209MPa/g/cm)以上、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、約1,115,000PSI/lb/in(278MPa/g/cm)以上、または約1,120,000PSI/lb/in(279MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0095】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0096】
これらの実施形態では、最適化された第1の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、上述のように打撃面304またはその一部を薄くすることを可能にする。打撃面304を薄くすることにより、打撃面のウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド300の他の領域に戦略的に配置される裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本体302の第2の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約730,500PSI/lb/in(182MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。例えば、最適化チタン合金の比強度は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上。または約1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)以上であり得る。
【0098】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0099】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約500,000PSI/lb/in(125MPa/g/cm)以上、約510,000PSI/lb/in(127MPa/g/cm)以上、約520,000PSI/lb/in(130MPa/g/cm)以上、約530,000PSI/lb/in(132MPa/g/cm)以上、約540,000PSI/lb/in(135MPa/g/cm)以上、約550,000PSI/lb/in(137MPa/g/cm)以上、約560,000PSI/lb/in(139MPa/g/cm)以上、約570,000PSI/lb/in(142MPa/g/cm)以上、約580,000PSI/lb/in(144MPa/g/cm)以上、約590,000PSI/lb/in(147MPa/g/cm)以上、約600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上、約625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)以上、約675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)以上、約725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)以上、約775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)以上、約825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)以上、約875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、約925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、約975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上、約1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)以上、約1,075PSI/lb/in(268MPa/g/cm)、または約1,125,000PSI/lb/in(280MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0100】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0062以上、約0.0064以上、約0.0066以上、約0.0068以上、約0.0070以上、約0.0072以上、約0.0076以上、約0.0080以上、約0.0084以上、約0.0088以上、約0.0092以上、約0.0096以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0101】
これらの実施形態では、最適化された第2の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、本体302またはその一部を薄くすることを可能にする。本体を薄くすると、クラブヘッドのウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド300の他の領域に戦略的に配置する裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。

iii.取り外し可能なウエイト
【0102】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド300は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト382を含む1つまたは複数のウエイト構造380を含むことができる。1つ以上のウエイト構造380および/または1つ以上の取り外し可能なウエイト382は、ソール318およびバックエンド310に向かって配置することができ、それによって裁量のウエイトをソール318およびクラブヘッドのバックエンド310の近くに位置決めすることができ、低く後方のヘッドCG位置が達成される。多くの実施形態では、1つまたは複数のウエイト構造380は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト382を取り外し可能に受け入れる。これらの実施形態では、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト382を、ねじ付きファスナー、接着剤、磁石、スナップフィット、または1つまたは複数の取り外し可能なウエイトを1つまたは複数のウエイト構造に固定可能な他の任意の機構などの任意の適切な方法を使用して1つまたは複数のウエイト構造380に結合することができる。
【0103】
ウエイト構造380および/または取り外し可能なウエイト382は、上面図または底面図(図3)から見たときに打撃面304に対して整列させることができるクロックグリッド2000に対して配置することができる。クロックグリッドは、少なくとも12時の放射線、3時の放射線、4時の放射線、5時の放射線、6時の放射線、7時の放射線、8時の放射線、および9時の放射線を含む。例えば、クロックグリッド2000は、打撃面304の幾何学的中心340と位置合わせされた12時の放射線2012を含む。12時の放射線2012は、X’Y’平面に直交する。クロックグリッド2000の中心は、12時の放射線2012に沿ってクラブヘッド300のフロントエンド308とバックエンド310との間の中点に配置することができる。同じまたは他の例では、底面図(図3)から見たときに、クロックグリッド中心点2010をゴルフクラブヘッド300の幾何学的中心点に近接して中心に置くことができる。クロックグリッド2000はまた、ヒール320に向かって延びる3時の放射線2003と、クラブヘッド300のトウ322に向かって延びる9時の放射線2009とを含む。
【0104】
ウエイト構造380のウエイト周囲384は、本実施形態ではバックエンド310に向かって配置され、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に少なくとも部分的に境界が定められており、一方で、ウエイト構造380内に配置された取り外し可能なウエイト382は、5時の放射線2005と7時の放射線2007との間に配置されている。本例のような例では、ウエイト周囲384は、4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に完全に囲まれている。この例では、ウエイト周囲384はクラブヘッド300の外部に画定されているが、ウエイト周囲384がクラブヘッド300の内部に延びる、またはクラブヘッド300内に画定され得る他の例があり得る。いくつかの例では、ウエイト構造380の位置は、より広い領域に対して確立することができる。例えば、そのような例では、ウエイト構造380のウエイト周囲384は、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と9時の放射線2009との間に少なくとも部分的に境界を定められたバックエンド310に向かって配置されることができ、一方で、ウエイト中心386は、5時の放射線2005と8時の放射線2008との間に位置し得る。
【0105】
この例では、ウエイト構造380は、ソール318の外部輪郭から突き出ており、したがって、ヘッドCG370のより大きな調整を可能にするために少なくとも部分的に外部にある。いくつかの例では、ウエイト構造380は、約2グラム~約50グラムの質量、および/または約1cc~約30ccの容量を含むことができる。他の例では、ウエイト構造380は、本体302の外部輪郭と同一平面上に留まることができる。
【0106】
多くの実施形態では、取り外し可能なウエイト382は、約0.5グラム~約30グラムの質量を含むことができ、ヘッドCG370の位置を調整するために1つまたは複数の他の同様の取り外し可能なウエイトと置き換えることができる。同じまたは他の例では、ウエイト中心386は、取り外し可能なウエイト382の重心、および/または取り外し可能なウエイトの幾何学的中心382のうちの少なくとも1つを含むことができる。

iv.埋め込みウエイト
【0107】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド300は、裁量のウエイトをソール318上、スカート328内、および/またはクラブヘッド300のバックエンド310の近くに配置して低く後方のヘッドCG位置を達成するために、1つまたは複数の埋め込みウエイト383を含むことができる。多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383は、クラブヘッド300にまたはクラブヘッド300内に恒久的に固定されている。これらの実施形態では、埋め込みウエイト383は、「埋め込み高密度鋳造」と題された米国仮特許出願第62/372,870号に記載されている高密度金属片(HDMP)と同様であり得る。
【0108】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383は、クラブヘッド300のバックエンド310の近くに配置されている。例えば、埋め込みウエイト383のウエイト中心387は、クロックグリッド2000の5時の放射線2005と7時の放射線2007の間、または5時の放射線2005と8時の放射線2008の間に位置することができる。多くの実施形態において、1つまたは複数の埋め込みウエイト383は、スカート328上でクラブヘッド300のバックエンド310付近、ソール318上でクラブヘッド300のバックエンド310付近、またはスカート328上およびソール318上でクラブヘッド300のバックエンド310付近に配置することができる。
【0109】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383のウエイト中心387は、上面図または底面図(図3)から見たとき、クラブヘッド300の周囲の0.10インチ以内、0.20インチ以内、0.30インチ以内、0.40インチ以内、0.50インチ以内、0.60インチ以内、0.70インチ以内、0.80インチ以内、0.90インチ以内、1.0インチ以内、1.1インチ以内、1.2インチ以内、1.3インチ以内、1.4インチ以内、または1.5インチ以内に配置される。これらの実施形態では、埋め込みウエイト383がクラブヘッド300の周囲に近接していることにより、低く後方のヘッドCG位置、クラウン-ソール慣性モーメントIxx、および/またはヒール-トウ慣性モーメントIyyを最大化することができる。
【0110】
多くの実施形態では、1つ以上の埋め込みウエイト383のウエイト中心387は、ヘッドCG370から1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、1.8インチよりも大きい、1.9インチよりも大きい、2.0インチよりも大きい、2.1インチよりも大きい、2.2インチよりも大きい、2.3インチよりも大きい、2.4インチよりも大きい、2.5インチよりも大きい、2.6インチよりも大きい、2.7インチよりも大きい、2.8インチよりも大きい、2.9インチよりも大きい、または3.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0111】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383のウエイト中心387は、打撃面304の幾何学的中心340から4.0インチよりも大きい、4.1インチよりも大きい、4.2インチよりも大きい、4.3インチよりも大きい、4.4インチよりも大きい、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0112】
多くの実施形態で、1つ以上の埋め込みウエイト383は、3.0~50グラムの質量を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383は、3.0~25グラム、10~30グラム、20~40グラム、または30~50グラムの質量を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイト383が2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる質量を含むことができる。
【0113】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383は、10.0から22.0の間の比重を有する材料を含むことができる。例えば、多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイト383は、10.0より大きい、11.0より大きい、12.0より大きい、13.0より大きい、14.0より大きい、15.0より大きい、16.0より大きい、16.0より大きい、17.0より大きい、18.0より大きい、または19.0より大きい比重を有する材料を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイト383が2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる材料を含むことができる。

v.急なクラウン角度
【0114】
図4図6を参照すると、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド300は、ヘッドCGの低く後方の位置を達成するために急なクラウン角度388をさらに含むことができる。急なクラウン角度388は、クラウン316のバックエンドをソール318または地面に向かって位置決めし、それによってクラブヘッドCG位置を下げる。
【0115】
クラウン角度388は、クラウン軸1090と前面1020との間の鋭角として測定される。これらの実施形態では、クラウン軸1090は、接地面1030および前面1020に垂直に配置された平面に沿って見たクラブヘッドの断面内に位置している。クラウン軸1090は、上部遷移境界および後部遷移境界を参照してさらに説明することができる。
【0116】
クラブヘッド300は、フロントエンド308とクラウン316との間にヒール320の近くからトウ322の近くまで延びる上部遷移境界を含む。上部遷移境界は、クラブヘッド300がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときのクラウン遷移プロファイル390を含む。側断面図は、ヒール320の近くからトウ322の近くまでのクラブヘッド300の任意の点において取ることができる。クラウン遷移プロファイル390は、クラブヘッド300のフロントエンド308からクラウン遷移点394まで延びるフロント曲率半径392を規定しており、ここで、クラブヘッド300のフロントエンド308は輪郭が打撃面304の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点394はフロント曲率半径392からクラウン316の曲率への曲率の変化を示している。いくつかの実施形態では、フロント曲率半径392は、クラウン316付近の打撃面周囲342の上端393からクラウン遷移点394まで延びる単一の曲率半径を含み、ここで、クラウン316付近の打撃面周囲342の上端393は輪郭が打撃面304の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点394はフロント曲率半径392からクラウン316の1つ以上の異なる曲率への曲率の変化を示している。
【0117】
クラブヘッド300はさらに、クラウン316とスカート328との間にヒール320の近くからトウ322の近くまで延びる後部遷移境界を含む。後部遷移境界は、クラブヘッド300がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときの後部遷移プロファイル396を含む。断面図は、ヒール320の近くからトウ322の近くまでのクラブヘッド300の任意の点において取ることができる。後部遷移プロファイル396は、クラブヘッド300のクラウン316からスカート328まで延びるバック曲率半径398を画定する。多くの実施形態では、バック曲率半径398は、クラウン316を後部遷移境界に沿ってクラブヘッド300のスカート328に遷移させる単一の曲率半径を含む。第1の後部遷移点402は、クラウン316と後部遷移境界との間の接続部に位置している。第2の後部遷移点403は、クラブヘッド300の後部遷移境界とスカート328との間の接続部に位置している。
【0118】
上部遷移境界のフロント曲率半径392は一定のままでもよいし、またはクラブヘッド300のヒール320付近からトウ322付近まで変化してもよい。同様に、後部遷移境界のバック曲率半径398は、一定のままでもよいし、クラブヘッド300のヒール320の近くからトウ322の近くまで変化してもよい。
【0119】
クラウン軸1090は、クラブヘッド300のフロントエンド308付近のクラウン遷移点394とクラブヘッド300のバックエンド310付近の後部遷移点402との間に延びる。クラウン角度388は一定のままでもよいし、クラブヘッド300のヒール320の近くからトウ322の近くまで変化してもよい。例えば、クラウン角度388は、側断面図がヒール320およびトウ322に対して異なる位置で取られるときに変化し得る。
【0120】
図示の実施形態では、トウ322付近のクラウン角度388は約72.25度であり、ヒール320付近のクラウン角度388は約64.5度であり、ゴルフクラブヘッドの中心付近のクラウン角度388は約64.2度である。多くの実施形態では、トウ322の近くからヒール320の近くまでの任意の位置で取られる最大クラウン角度388は、79度未満、約78度未満、約77度未満、約76度未満、約75度未満、約74度未満、約73度未満、約72度未満、約71度未満、約70度未満、約69度未満、または約68度未満である。例えば、いくつかの実施形態では、最大クラウン角は、50~79度、60~79度、または70~79度の間である。
【0121】
他の実施形態では、クラブヘッド300のトウ322付近のクラウン角度388は、約79度未満、約78度未満、約77度未満、約76度未満、約75度未満、約74度未満、約73度未満、約72度未満、約71度未満、約70度未満、約69度未満度、または約68度未満であり得る。例えば、打撃面304の幾何学的中心340からトウ322に向かって約1.0インチに配置された側面断面図に沿って取られたクラウン角度388は、79度未満、78度未満、77度未満、76度度、75度未満、74度未満、73度未満、72度未満、71度未満、70度未満、69度未満、または68度未満であり得る。
【0122】
さらに、他の実施形態では、ヒール320付近のクラウン角度388は、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。例えば、打撃面304の幾何学的中心340からヒール320に向かって約1.0インチに配置された側面断面図に沿って取られたクラウン角度388は、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。
【0123】
さらに、他の実施形態では、クラブヘッド300の中心付近のクラウン角度388は、75度未満、74度未満、73度未満、72度未満、71度未満、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。例えば、打撃面304のほぼ幾何学的中心340に位置する側面断面図に沿って取られたクラウン角度388は、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。
【0124】
多くの実施形態において、現在のクラブヘッドと比較してクラウン角度388を減少させることは、より急なクラウンまたはクラブヘッド300がアドレス位置にあるときに接地平面1030により近い位置に配置されたクラウンを生成する。したがって、クラウン角度388の減少は、より高いクラウン角度を有するクラブヘッドと比較して、より低いヘッドCG位置をもたらし得る。

vi.ホーゼルスリーブウエイト
【0125】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ174および/またはヘッドCG深さ172は、ホーゼルスリーブ334の質量を減らすことによって達成することができる。ホーゼルスリーブ334から余分なウエイトを取り除くと、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するために、増加した裁量のウエイトを戦略的にクラブヘッド300の領域に再配置することができる。
【0126】
ホーゼルスリーブ334の質量を減らすことは、スリーブ壁を薄くすること、ホーゼルスリーブ334の高さを減らすこと、ホーゼルスリーブ334の直径を減らすこと、および/またはホーゼルスリーブ334の壁に空隙を導入することによって達成できる。多くの実施形態において、ホーゼルスリーブ334の質量は、6グラム未満、5.5グラム未満、5.0グラム未満、4.5グラム未満、または4.0グラム未満であり得る。多くの実施形態では、質量が減少したホーゼルスリーブを有するクラブヘッド300は、より重いホーゼルスリーブを有する同様のクラブヘッドよりも低く(ソールに近い)そしてより後方に(バックエンドに近い)クラブヘッドCG位置をもたらす。

B.空気抵抗
【0127】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、低減された空力抵抗とともに、クラブヘッドの低く後方のCG位置と、クラブヘッドの慣性モーメントの増加と、の組み合わせを含む。
【0128】
多くの実施形態では、クラブヘッド300は、スクエア面および時速102マイル(mph)の風速の風洞で試験したときに、約1.5lbf未満、1.4lbf未満、1.3lbf未満、または1.2lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらまたは他の実施形態では、クラブヘッド300は、スクエア面および時速102マイル(mph)の風速の計算流体力学による計算において、約1.5lbf未満、1.4lbf未満、1.3lbf未満、または1.2lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらの実施形態では、スクエア面を有するクラブヘッド300が経験する空気流は、X’Y’平面に垂直な方向に打撃面304に向けられる。以下に記載されるように、空気抵抗力が低減されたクラブヘッド300は、様々な手段を用いて達成することができる。

i.クラウン角度高さ
【0129】
いくつかの実施形態では、クラウン角388を小さくしてより急なクラウンおよびより低いヘッドCG位置を形成すると、スイング中のクラウン上での空気流の分離が増大するため、空力抵抗の望ましくない増大があり得る。クラウン角388の減少に伴う抗力の増大を防ぐために、最大クラウン高さ404を増大させることができる。図4に示すように、最大クラウン高さ404は、Y’Z’平面に平行な平面に沿ったクラブヘッド300の任意の側断面図で見たクラウン316の表面とクラウン軸1090との間の最大距離である。多くの実施形態において、より大きな最大クラウン高さ404は、より大きな曲率を有するクラウン316をもたらす。クラウン316の曲率が大きいほど、スイング中の空気流の分離の位置がクラブヘッド300の後方にさらに移動する。言い換えれば、より大きな曲率は、スイング中にクラウン316に沿ってより長い距離にわたって空気流がクラブヘッド300に接触したままでいることを可能にする。クラウン316上で気流分離点を後方に移動させると、空力抵抗が減少し、クラブヘッドのスイング速度が増加し、それによってボールの速度と距離が増加する可能性がある。
【0130】
多くの実施形態において、最大クラウン高さ404は、約0.20インチ(5mm)より大きく、約0.30インチ(7.5mm)より大きく、約0.40インチ(10mm)より大きく、約0.50インチ(12.5mm)より大きく、約0.60インチ(15mm)より大きく、約0.70インチ(17.5mm)より大きく、約0.80インチ(20mm)より大きく、約0.90インチ(22.5mm)より大きく、または約1.0インチ(25mm)より大きくあり得る。さらに、他の実施形態では、最大クラウン高さは、0.20インチ(5mm)~0.60インチ(15mm)、0.40インチ(10mm)~0.80インチ(20mm)、または0.60インチ(15mm)~1.0インチ(25mm)の範囲内であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、最大クラウン高さ404は、約0.52インチ(13.3mm)、約0.54インチ(13.8mm)、約0.59インチ(15mm)、約0.65インチ(16.5mm)、または約0.79インチ(20mm)であり得る。

ii.遷移プロファイル
【0131】
多くの実施形態では、打撃面304からクラウン316、打撃面304からソール318、および/またはクラブヘッド300のバックエンド310に沿ったクラウン316からソール318の遷移プロファイルは、スイング中のクラブヘッド300上の空力抵抗に影響を与える。
【0132】
いくつかの実施形態では、クラウン遷移プロファイル390を画定する上部遷移境界と、後部遷移プロファイル396を画定する後部遷移境界とを有するクラブヘッド300は、ソール遷移プロファイル410を画定するソール遷移境界をさらに含む。ソール遷移境界は、フロントエンド308とソール318との間でヒール320の近くからトウ322の近くまで延びる。ソール遷移境界は、Y’Z’平面に平行な平面に沿って見た側断面図から見たときのソール遷移プロファイル410を含む。側面断面図は、ヒール320の近くからトウ322の近くまでのクラブヘッド300の任意の点において取ることができる。ソール遷移プロファイル410は、クラブヘッド300のフロントエンド308からソール遷移点414まで延びるソール曲率半径412を画定しており、ここで、クラブヘッド300のフロントエンド308は輪郭が打撃面304の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点414はソール曲率半径412からソール318の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、ソール曲率半径412は、ソール318付近の打撃面周囲342の底端413からソール遷移点414まで伸びる単一の曲率半径を含み、ここで、ソール318付近の打撃面周囲342の底端413は輪郭が起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点414はソール曲率半径412からソール318の曲率への曲率の変化を示す。
【0133】
多くの実施形態では、クラウン遷移プロファイル390、ソール遷移プロファイル410、および後部遷移プロファイル396は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されているクラウン遷移プロファイル、ソール遷移プロファイル、および後部遷移プロファイルと同様であり得る。さらに、フロント曲率半径392、ソール曲率半径412、およびバック曲率半径398は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されている第1のクラウン側曲率半径、第1のソール側曲率半径、およびバック曲率半径と同様にすることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、フロント曲率半径392は、約0.18~0.30インチ(0.46~0.76cm)の範囲であり得る。さらに、他の実施形態では、フロント曲率半径392は、0.40インチ(1.02cm)未満、0.375インチ(0.95cm)未満、0.35インチ(0.89cm)未満、0.325インチ(0.83cm)未満、または0.30インチ(0.76cm)未満であり得る。例えば、フロント曲率半径392は、約0.18インチ(0.46cm)、0.20インチ(0.51cm)、0.22インチ(0.66cm)、0.24インチ(0.61cm)、0.26インチ(0.66cm)、0.28インチ(0.71cm)、または0.30インチ(0.76cm)であり得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、ソール曲率半径412は、約0.25~0.50インチ(0.76~1.27cm)の範囲であり得る。例えば、ソール曲率半径412は、約0.5インチ(1.27cm)未満、約0.475インチ(1.21cm)未満、約0.45インチ(1.14cm)未満、約0.425インチ(1.08cm)未満、または約0.40インチ(1.02cm)未満であり得る。さらなる例では、ソール曲率半径412は、約0.30インチ(0.76cm)、0.35インチ(0.89cm)、0.40インチ(1.02cm)、0.45インチ(1.14cm)、または0.50インチ(1.27cm)であり得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、バック曲率半径398は、約0.10~0.25インチ(0.25~0.64cm)の範囲であり得る。例えば、バック曲率半径398は、約0.3インチ(0.76cm)未満、約0.275インチ(0.70cm)未満、約0.25インチ(0.64cm)未満、約0.225インチ(0.57cm)未満または約0.20インチ(0.51cm)未満であり得る。さらなる例では、バック曲率半径398は、約0.10インチ(0.25cm)、0.15インチ(0.38cm)、0.20インチ(0.51cm)、または0.25インチ(0.64cm)であり得る。

iii.タービュレータ
【0137】
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、クラブヘッド300はさらに、「タービュレータ付きゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブヘッドを製造する方法」という名称のその内容が本願に完全に組み込まれている米国特許出願第13/536,753号、2013年12月17日に付与された現在米国特許第8,608,587号に記載されているように、複数のタービュレータ414を含むことができる。多くの実施形態では、複数のタービュレータ414は、空気流を乱し、それによって境界層内に小さな渦または乱流を生じさせて、境界層にエネルギーを与え、スイング中にクラウン316上での気流の分離を遅らせる。
【0138】
いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ414は、クラブヘッド300のクラウン遷移点594に隣接することができる。複数のタービュレータ414は、クラウン316の外面から突出し、クラブヘッド300のフロントエンド308とバックエンド310との間に延びる長さ、およびクラブヘッド300のヒール320からトウ322まで延びる幅を含む。多くの実施形態では、複数のタービュレータ414の長さは幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ414は同じ幅を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数のタービュレータ414は、高さプロファイルが変化することができる。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ414は、クラウン316の前面と比較してクラウン316の頂点に向かって高くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ414は、クラウン316の前方に向かって高く、クラウン316の頂点に向かって高さが低くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ414は一定の高さプロファイルを含むことができる。さらに、多くの実施形態では、少なくとも1つのタービュレータの少なくとも一部が打撃面304とクラウン316の頂点との間に配置され、隣接するタービュレータ間の間隔は、隣接するタービュレータのそれぞれの幅よりも大きい。

iv.バックキャビティ
【0139】
図8図9を参照すると、いくつかの実施形態では、クラブヘッド300は、クラブヘッド300のバックエンド310および後縁部328に位置するキャビティ420をさらに含むことができる。キャビティ420は、「ゴルフクラブヘッドと空気力学的特徴および関連する方法」という名称のその内容が本願に完全に組み込まれている米国特許出願第14/882,092号、2016年11月15日に付与された現在米国特許第9,492,721号に記載されているキャビティと同様である。多くの実施形態では、キャビティ420は、ゴルフクラブヘッド300の後方で発生した渦をより小さな渦に砕き、乱気流のサイズを小さくし、および/または抗力を小さくすることができる。いくつかの実施形態では、渦をより小さな渦に分割することにより、ゴルフクラブヘッド300の後方に高圧の領域を生成することができる。いくつかの実施形態では、この高圧領域はゴルフクラブヘッド300を前方に押し出し、抗力を低減し、および/またはゴルフクラブヘッド300の空力設計を向上させることができる。多くの実施形態では、より小さな渦と抗力の減少の正味の効果は、ゴルフクラブヘッド300の速度の増加である。この効果は、ゴルフボールがインパクト後に打球面304を離れる速度が速くなり、ボールの飛行距離が増大する可能性がある。
【0140】
多くの実施形態では、キャビティ420は、X’Z’平面に垂直な方向に配向された後壁422を含み、さらに、ヒール320からトウ322への方向に測定された幅、深さ424、および高さ426を含む。キャビティ420の幅は、約1.0インチ(約2.54センチメートル)~約8インチ(約20.32cm)、約1.0インチ(約2.54cm)~約2.25インチ(約5.72cm)、または約1.75インチ(約4.5cm)~約2.25インチ(約5.72cm)であり得る。例えば、キャビティ420の幅は、約2.0インチ(5.08cm)、3.0インチ(7.62cm)、4.0インチ(10.16cm)、5.0インチ(12.7cm)、6.0インチ(15.24cm)、または7.0インチ(17.78cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ420の幅は、キャビティ420の頂部付近(クラブヘッド300のクラウン316に向かって)からキャビティ420の底部付近(クラブヘッド300のソール318に向かって)まで一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ420の幅は頂部付近から底部付近まで変化することができる。図8に示す実施形態では、キャビティ420の幅は頂部近くで最大で底部近くで最も小さい。他の実施形態では、キャビティ420の幅は任意の輪郭に従って変化し得る。例えば、他の実施形態では、キャビティ420の幅は、頂部、底部、中心部、またはキャビティ420の頂部から底部まで延びる他の任意の位置で最も長くすることができる。
【0141】
キャビティ420の深さ424は、約0.025インチ(約0.127cm)~約0.250インチ(約0.635cm)、または約0.025インチ(約0.127cm)~約0.150インチ(約0.381cm)とすることができる。例えば、キャビティ420の深さ424は、約0.1インチ(約0.254cm)、または約0.05インチ(約0.127cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ420の深さ424は、ヒールとトウの間および/またはキャビティ420の頂部と底部の間で一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ420の深さ424は、ヒールとトウとの間および/またはキャビティ420の頂部と底部との間で変化することができる。例えば、キャビティ420の深さ424は、ヒール付近、トウ付近、クラウン付近、ソール付近、中心付近で、または記載された位置の任意の組み合わせで最大とすることができる。
【0142】
キャビティ420の高さ426は、クラウン316からソール318への方向に沿って測定することができる。キャビティ420の高さ426は、約0.19インチ(約0.48cm)~約0.21インチ(約0.53cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ420の高さ426は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.50インチ(約1.27cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ420の高さ426は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.40インチ(約1.02cm)であり得る。いくつかの実施形態において、キャビティ420の高さ426は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.30インチ(約0.76cm)であり得る。いくつかの実施形態において、キャビティ420の高さ426は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.20インチ(約0.51cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ420の高さ426は、キャビティ420のヒールとトウとの間で一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ420の高さ426は、キャビティ420のヒールとトウとの間で変化することができる。例えば、キャビティ420の高さ426は、ヒール付近、トウ付近、中心付近で、または記載された位置の任意の組み合わせで最大であり得る。

v.ホーゼル構造
【0143】
いくつかの実施形態において、ホーゼル構造330は、より大きい直径のホーゼル構造を有する同様のクラブヘッドと比較して、スイング中にクラブヘッド300にかかる空気抵抗を低減するために、より小さい外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造330は、0.545インチ未満の外径を有する。例えば、ホーゼル構造330は、0.60インチ未満、0.59インチ未満、0.58インチ未満、0.57インチ未満、0.56インチ未満、0.55インチ未満、0.54インチ未満、0.53インチ未満、0.52未満、0.51インチ未満、または0.50インチ未満の外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造330の外径は、クラブヘッド300のロフト角および/またはライ角の調節可能性を維持しながら減少する。

vi.投影面積
【0144】
多くの実施形態では、クラブヘッド300はさらに前面投影面積および側面投影面積を含む。前面投影面積は、図1に示すように、正面図から見えるとともにX’Y’平面に投影されるクラブヘッド300の面積である。側面投影面積は、側面図から見えるとともにY’Z’平面に投影されるクラブヘッド300の面積である。
【0145】
多くの実施形態では、クラブヘッド300の前面投影面積は、0.00400m~0.00700mの間とすることができる。例えば、図示の実施形態では、クラブヘッドの前面投影面積は、0.00655mである。他の実施形態では、前面投影面積は、0.00400m~0.00665mの間、0.00400m~0.00675mの間、0.00400m~0.00685mの間、または0.00400m~0.00695mの間であり得る。
【0146】
多くの実施形態において、クラブヘッド300の側面投影面積は、0.00500m~0.00650mの間であり得る。例えば、図示の実施形態では、クラブヘッドの側面投影面積は、0.00579mである。他の実施形態では、側面投影面積は、0.00545m~0.00565mの間、0.00535m~0.00575mの間、0.00525m~0.00585mの間、0.00515m~0.00595mの間であり得る。

C.CG位置、慣性モーメント、および空気抵抗のバランス
【0147】
現在のゴルフクラブヘッド設計では、クラブヘッドの慣性モーメントおよび/またはヘッドCG位置を増加または最大化することは、空気抵抗などのクラブヘッドの他の性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載のクラブヘッド300は、以下でさらに詳細に説明するように、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、クラブヘッドの慣性モーメントを増大または最大化する。したがって、インパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を改善したクラブヘッド300はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)のバランスし、または改善する。

II.小容量ドライバータイプクラブヘッド
【0148】
別の実施形態によれば、ゴルフクラブヘッド500は、低容量および低ロフト角を含み得る。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド500はドライバータイプのクラブヘッドを含む。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド500は、本明細書に記載のようなロフト角および容量を有する任意の種類のゴルフクラブヘッドを含むことができる。多くの実施形態では、クラブヘッド500は、クラブヘッド100と同じまたは類似のパラメータを含み、パラメータは、クラブヘッド100の参照番号に400を加えた番号で記載されている。
【0149】
多くの実施形態において、クラブヘッド500のロフト角は、約16度未満、約15度未満、約14度未満、約13度未満、約12度未満、約11度未満、または約10度未満である。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド500の容量は、約450cc未満、約440cc未満、約430cc未満、約425cc未満、約400cc未満、約375cc未満、または約350cc未満である。いくつかの実施形態において、クラブヘッドの容量は、約300cc~450cc、約300cc~400cc、約325cc~425cc、約350cc~450cc、約400cc~450cc、約420cc~450cc、または約440cc~450ccであり得る。
【0150】
多くの実施形態では、クラブヘッド500の長さ562は、4.85インチよりも大きい。他の実施形態では、クラブヘッド500の長さ562は、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド500の長さ562は、4.6~5.0インチの間、4.7~5.0インチの間、4.8~5.0インチの間、4.85~5.0インチの間、または4.9~5.0インチの間であり得る。
【0151】
多くの実施形態では、クラブヘッド500の深さ560は、クラブヘッド500の長さ562よりも少なくとも0.70インチ小さい。多くの実施形態では、クラブヘッド500の深さ560は、4.75インチよりも大きい。他の実施形態では、クラブヘッド500の深さ360は、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド500の深さ560は、4.6~5.0インチの間、4.7~5.0インチの間、4.75~5.0インチの間、4.8~5.0インチの間、または4.9~5.0インチの間であり得る。
【0152】
多くの実施形態では、クラブヘッドの高さ564は、約2.8インチ未満である。他の実施形態では、クラブヘッド500の高さ564は、3.0インチ未満、2.9インチ未満、2.8インチ未満、2.7インチ未満、または2.6インチ未満である。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド500の高さ564は、2.0~2.8インチの間、2.2~2.8インチの間、2.5~2.8インチの間、または2.5~3.0インチの間であり得る。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド500のフェース高さ544は、約1.3インチ(33mm)~約2.8インチ(71mm)とすることができる。さらにまた、多くの実施形態において、クラブヘッド500は、185グラム~225グラムの質量を含み得る。
【0153】
クラブヘッド500はさらに、ヘッドCG位置、クラブヘッド慣性モーメント、および空気抵抗などの様々な追加パラメータのバランスを含み、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、速度、許容度)および改善されたスイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力)の両方を提供する。多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、スイング性能特性を維持または改善しながら改善されたインパクト性能を提供する。さらに、多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、インパクト性能特性を維持または改善しながら、改善されたスイング性能特性を提供する。

A.重心位置と慣性モーメント
【0154】
多くの実施形態では、ヘッドCGからの距離が最大となるクラブヘッドの領域において、裁量のウエイトを増加させ、裁量のウエイトを再配置することによって、低く後方のクラブヘッドCGおよび高い慣性モーメントを達成することができる。ヘッドCG位置に関して上述したように、クラウンを薄くすること、および/または最適化された材料を使用することによって、増加した裁量のウエイトを達成することができる。ヘッドCGからの距離を最大にするための裁量のウエイトの再配置は、ヘッドCGの位置に関して上述したように、取り外し可能なウエイト、埋め込みウエイト、または急なクラウン角度を使用して達成することができる。
【0155】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、約3000g・cmより大きい、約3250g・cmより大きい、約3500g・cmより大きい、約3750g・cmより大きい、約4000g・cmより大きい、約4250g・cmより大きい、約4500g・cmより大きい、約4750g・cmより大きい、約5000g・cmより大きい、約5250g・cmより大きい、約5500g・cmより大きい、約5750g・cmより大きい、約6000g・cmより大きい、約6250g・cmより大きい、約6500g・cmより大きい、約6750g・cmより大きい、または約7000g・cmより大きいクラウン-ソール慣性モーメントIxxを含む。
【0156】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、約5000g・cmより大きい、約5250g・cmより大きい、約5500g・cmより大きい、約5750g・cmより大きい、約6000g・cmより大きい、約6250g・cmより大きい、約6500g・cmより大きい、約6750g・cmより大きい、または約7000g・cmより大きい、ヒール-トウ慣性モーメントIyyを含む。
【0157】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、8000g・cmよりも大きい、8500g・cmよりも大きい、8750g・cmよりも大きい、9000g・cmよりも大きい、9250g・cmよりも大きい、9500g・cmよりも大きい、9750g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、11000g・cmよりも大きい、11250g・cmよりも大きい、11500g・cmよりも大きい、11750g・cmよりも大きい、または12000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメント(すなわち、クラウン-ソール慣性モーメントIxxとヒール-トウ慣性モーメントIyyとの合計)を含む。
【0158】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、約0.20インチ未満、約0.15インチ未満、約0.10インチ未満、約0.09インチ未満、約0.08インチ未満、約0.07インチ未満、約0.06インチ未満、または約0.05インチ未満のヘッドCG高さ574を有する。さらに、多くの実施形態において、クラブヘッド500は、約0.20インチ未満、約0.15インチ未満、約0.10インチ未満、約0.09インチ未満、約0.08インチ未満、約0.07インチ未満、約0.06インチ未満、または約0.05インチ未満の絶対値を有するヘッドCG高さ574を含む。
【0159】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、約1.2インチより大きい、約1.3インチより大きい、約1.4インチより大きい、約1.5インチより大きい、約1.6インチより大きい、約1.7インチより大きい、約1.8インチよりも大きい、約1.9インチよりも大きい、または約2.0インチよりも大きい、ヘッドCG深さ572を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド500は、0.56以下の第1性能特性を含むことができ、ここで、第1性能特性は、(a)72mmとフェース高さ544との間の差、および(b)ヘッドCG深さ572、の間の比として定義される。これらの実施形態または他の実施形態では、クラブヘッド500は、425cc以上の第2性能特性を含むことができ、ここで、第2性能特性は、(a)クラブヘッド500の容量、および(b)ヘッドCG深さ572とヘッドCG高さ574の絶対値との間の比、の合計として定義される。いくつかの実施形態において、第2性能特性は、450cc以上、475cc以上、490cc以上、495cc以上、500cc以上、505cc以上、または510cc以上であり得る。
【0161】
減少したヘッドCG高さ574を有するクラブヘッド500は、より高いヘッドCG高さを有する同様のクラブヘッドと比較して、インパクト時のゴルフボールのバックスピンを減少させることができる。多くの実施形態では、バックスピンを減少させると、クラブヘッドの性能を向上させるために、ボール速度と飛行距離の両方を増加させることができる。さらに、ヘッドCG深さ572を増大させたクラブヘッド500は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、ヒール-トウ慣性モーメントを増大させることができる。ヒール-トウ慣性モーメントを大きくすると、クラブヘッドの性能を向上させるためのインパクト時のクラブヘッドの許容度を高めることができる。さらにまた、ヘッドCG深さ572が増大したクラブヘッド500は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、打球時のクラブヘッドの動的ロフトを増大させることによって、インパクト時のゴルフボールの打ち出し角度を増大させることができる。
【0162】
ヘッドCG高さ574および/またはヘッドCG深さ572は、様々な領域でクラブヘッドの重量を減らし、それによって裁量のウエイトを増やし、ヘッドCGをより低くより後方にシフトするためにクラブヘッドの戦略的な領域で裁量のウエイトを変えることによって達成できる。クラブヘッドの重量を減少させて再配置するための様々な手段が以下に説明される。

i.薄い領域
【0163】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ574および/またはヘッドCG深さ572は、クラブヘッド500の様々な領域を薄くして余分なウエイトを取り除くことによって達成することができる。余分なウエイトを除去すると、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するためにクラブヘッド500の領域に戦略的に再配置することができる増加した裁量のウエイトがもたらされる。
【0164】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は1つまたは複数の薄い領域を有することができる。薄い領域は、クラブヘッド300の1つまたは複数の薄い領域376と類似または同一であり得る。1つまたは複数の薄い領域は、打撃面504、本体502、または打撃面504と本体502の組み合わせ上に配置することができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域は、クラウン516、ソール518、ヒール520、トウ522、フロントエンド508、バックエンド510、スカート528または記載された位置の任意の組み合わせを含む本体502の任意の領域に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の薄い領域をクラウン516上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域は、打撃面504とクラウン516の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域は、打撃面504、クラウン516、およびソール518の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、本体502全体および/または打撃面504全体が薄い領域を含むことができる。
【0165】
1つまたは複数の薄い領域が打撃面504上に配置される実施形態では、打撃面504の厚さは、最大打撃面厚さおよび最小打撃面厚さを変化し得る。これらの実施形態では、最小打撃面厚さは、0.10インチ未満、0.09インチ未満、0.08インチ未満、0.07インチ未満、0.06インチ未満、0.05インチ未満、0.04インチ未満、または0.03インチ未満であり得る。これらまたは他の実施形態では、最大打撃面厚さは、0.20インチ未満、0.19インチ未満、0.18インチ未満、0.17インチ未満、0.16インチ未満、0.15インチ未満、0.14インチ未満、0.13インチ未満0.12インチ未満、0.11インチ未満、または0.10インチ未満であり得る。
【0166】
1つまたは複数の薄い領域が本体502上に配置されている実施形態では、薄い領域は約0.020インチ未満の厚さを含むことができる。他の実施形態では、薄い領域は、0.025インチ未満、0.020インチ未満、0.019インチ未満、0.018インチ未満、0.017インチ未満、0.016インチ未満、0.015インチ未満、0.014インチ未満、0.013インチ未満、0.012インチ未満、または0.010インチ未満の厚さを含む。例えば、薄い領域は、約0.010~0.025インチ、約0.013~0.020インチ、約0.014~0.020インチ、約0.015~0.020インチ、約0.016~0.020インチ、約0.017~0.020インチ、または約0.018-0.020インチの厚さを含むことができる。
【0167】
図示の実施形態では、薄い領域は形状および位置が異なり、クラブヘッド500の表面積の約25%を覆っている。他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド500の表面積の約20~30%、約15~35%、約15~25%、約10~25%、約15~30%、または約20~50%を覆うことができる。さらに、他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド500の表面積の最大5%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、または最大50%までをカバーすることができる。
【0168】
多くの実施形態では、クラウン516は、クラウンの表面積の約51%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含むことができる。他の実施形態では、クラウン516は、クラウンの最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、または最大75%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、クラウンの約40~60%が薄い領域を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、クラウン516の約50~100%、約40~80%、約35~65%、約30~70%、または約25~75%が薄い領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、クラウン516は1つまたは複数の薄い領域を含むことができ、1つまたは複数の薄い領域のそれぞれは勾配をつけて薄くなっている。この例示的な一実施形態では、クラウン516の1つまたは複数の薄い領域は、ヒール-トウ方向に延び、1つまたは複数の薄い領域のそれぞれは、打撃面504からバックエンド510に向かう方向に厚さが減少している。
【0169】
多くの実施形態では、ソール518の表面積の約64%が薄い領域を含むように、ソール518は1つまたは複数の薄い領域を含むことができる。他の実施形態では、ソール518は、ソールの最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、または最大90%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソールの約40~60%が薄い領域を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、ソール518の約50~100%、約40~80%、約35~65%、または約30~70%、または約25~75%が薄い領域を含むことができる。
【0170】
薄い領域は、円形、三角形、正方形、長方形、卵形、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形もしくは形状などの任意の形状を含むことができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域は、残りの薄い領域と同じ形状、または異なる形状を含むことができる。
【0171】
多くの実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド500は遠心鋳造を用いて製造することができる。これらの実施形態では、遠心鋳造は、クラブヘッド500が従来の鋳造を使用して製造されたクラブヘッドよりも薄い壁を有することを可能にする。他の実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド500の部分は、打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工などの他の適切な方法を使用して製造することができる。薄い領域を有するクラブヘッド500の部分が打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工を使用して製造される実施形態では、クラブヘッド500の部分は、エポキシ、テープ、溶接、機械的締結具、または他の適切な方法を使用して結合され得る。

ii.最適化された材料
【0172】
いくつかの実施形態では、打撃面504および/または本体502は、増加した比強度および/または増加した比可撓性を有する最適化された材料を含み得る。比可撓性は、最適化された材料の弾性率に対する降伏強度の比として測定される。比強度および/または比可撓性を増大させると、耐久性を維持しながらクラブヘッドの一部を薄くすることができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、打撃面504の第1の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約910,000PSI/lb/in(227MPa/g/cm)以上、約920,000PSI/lb/in(229MPa/g/cm)以上、約930,000PSI/lb/in(232MPa/g/cm)以上、約940,000PSI/lb/in(234MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約960,000PSI/lb/in(239MPa/g/cm)以上、約970,000PSI/lb/in(242MPa/g/cm)以上、約980,000PSI/lb/in(244MPa/g/cm)以上、約990,000PSI/lb/in(247MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、または約1,150,000PSI/lb/in(286MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0174】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約0.0075以上、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0091以上、約0.0092以上、約0.0093以上、約0.0094以上、約0.0095以上、約0.0096以上、約0.0097以上、約0.0098以上、約0.0099以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0175】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、約810,000PSI/lb/in(202MPa/g/cm)以上、約820,000PSI/lb/in(204MPa/g/cm)以上、約830,000PSI/lb/in(207MPa/g/cm)以上、約840,000PSI/lb/in(209MPa/g/cm)以上、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、約1,115,000PSI/lb/in(278MPa/g/cm)以上、または約1,120,000PSI/lb/in(279MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0176】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0177】
これらの実施形態では、最適化された第1の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、上述のように打撃面504またはその一部を薄くすることを可能にする。打撃面504を薄くすることにより、打撃面のウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド500の他の領域に戦略的に配置される裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。
【0178】
いくつかの実施形態では、本体502の第2の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約730,500PSI/lb/in(182MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。例えば、最適化チタン合金の比強度は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上。または約1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)以上であり得る。
【0179】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0180】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約500,000PSI/lb/in(125MPa/g/cm)以上、約510,000PSI/lb/in(127MPa/g/cm)以上、約520,000PSI/lb/in(130MPa/g/cm)以上、約530,000PSI/lb/in(132MPa/g/cm)以上、約540,000PSI/lb/in(135MPa/g/cm)以上、約550,000PSI/lb/in(137MPa/g/cm)以上、約560,000PSI/lb/in(139MPa/g/cm)以上、約570,000PSI/lb/in(142MPa/g/cm)以上、約580,000PSI/lb/in(144MPa/g/cm)以上、約590,000PSI/lb/in(147MPa/g/cm)以上、約600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上、約625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)以上、約675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)以上、約725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)以上、約775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)以上、約825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)以上、約875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、約925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、約975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上、約1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)以上、約1,075PSI/lb/in(268MPa/g/cm)、または約1,125,000PSI/lb/in(280MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0181】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0062以上、約0.0064以上、約0.0066以上、約0.0068以上、約0.0070以上、約0.0072以上、約0.0076以上、約0.0080以上、約0.0084以上、約0.0088以上、約0.0092以上、約0.0096以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0182】
これらの実施形態では、最適化された第2の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、本体502またはその一部を薄くすることを可能にする。本体502を薄くすると、クラブヘッドのウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド500の他の領域に戦略的に配置する裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。

iii.取り外し可能なウエイト
【0183】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド500は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト582を含む1つまたは複数のウエイト構造580を含むことができる。1つ以上のウエイト構造580および/または1つ以上の取り外し可能なウエイト582は、ソール518およびバックエンド510に向かって配置することができ、それによって裁量のウエイトをソール518およびクラブヘッドのバックエンド510の近くに位置決めすることができ、低く後方のヘッドCG位置が達成される。多くの実施形態では、1つまたは複数のウエイト構造580は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト582を取り外し可能に受け入れる。これらの実施形態では、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト582を、ねじ付きファスナー、接着剤、磁石、スナップフィット、または1つまたは複数の取り外し可能なウエイトを1つまたは複数のウエイト構造に固定可能な他の任意の機構などの任意の適切な方法を使用して1つまたは複数のウエイト構造580に結合することができる。
【0184】
ウエイト構造580および/または取り外し可能なウエイト582は、上面図から見たときに打撃面504に対して整列させることができるクロックグリッド2000(図3に示される)に対して配置することができる。クロックグリッドは、少なくとも12時の放射線、3時の放射線、4時の放射線、5時の放射線、6時の放射線、7時の放射線、8時の放射線、および9時の放射線を含む。例えば、クロックグリッド2000は、打撃面504の幾何学的中心540と位置合わせされた12時の放射線2012を含む。12時の放射線2012は、X’Y’平面に直交する。クロックグリッド2000の中心は、12時の放射線2012に沿ってクラブヘッド500のフロントエンド508とバックエンド510との間の中点に配置することができる。同じまたは他の例では、底面図から見たときに、クロックグリッド中心点2010をゴルフクラブヘッド500の幾何学的中心点に近接して中心に置くことができる。クロックグリッド2000はまた、ヒール520に向かって延びる3時の放射線2003と、クラブヘッド500のトウ522に向かって延びる9時の放射線2009とを含む。
【0185】
ウエイト構造580のウエイト周囲584は、本実施形態ではバックエンド510に向かって配置され、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に少なくとも部分的に境界が定められており、一方で、ウエイト構造580内に配置された取り外し可能なウエイト582は、5時の放射線2005と7時の放射線2007との間に配置されている。本例のような例では、ウエイト周囲584は、4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に完全に囲まれている。この例では、ウエイト周囲584はクラブヘッド500の外部に画定されているが、ウエイト周囲584がクラブヘッド500の内部に延びる、またはクラブヘッド500内に画定され得る他の例があり得る。いくつかの例では、ウエイト構造580の位置は、より広い領域に対して確立することができる。例えば、そのような例では、ウエイト構造580のウエイト周囲584は、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と9時の放射線2009との間に少なくとも部分的に境界を定められたバックエンド510に向かって配置されることができ、一方で、ウエイト中心586は、5時の放射線2005と8時の放射線2008との間に位置し得る。
【0186】
この例では、ウエイト構造580は、ソール518の外部輪郭から突き出ており、したがって、ヘッドCG570のより大きな調整を可能にするために少なくとも部分的に外部にある。いくつかの例では、ウエイト構造580は、約2グラム~約50グラムの質量、および/または約1cc~約30ccの容量を含むことができる。他の例では、ウエイト構造580は、本体502の外部輪郭と同一平面上に留まることができる。
【0187】
多くの実施形態では、取り外し可能なウエイト582は、約0.5グラム~約30グラムの質量を含むことができ、ヘッドCG570の位置を調整するために1つまたは複数の他の同様の取り外し可能なウエイトと置き換えることができる。同じまたは他の例では、ウエイト中心586は、取り外し可能なウエイト582の重心、および/または取り外し可能なウエイトの幾何学的中心582のうちの少なくとも1つを含むことができる。

iv.埋め込みウエイト
【0188】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド500は、裁量のウエイトをソール518上、スカート528内、および/またはクラブヘッド500のバックエンド510の近くに配置して低く後方のヘッドCG位置を達成するために、1つまたは複数の埋め込みウエイトを含むことができる。クラブヘッド500の1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド300の1つまたは複数の埋め込みウエイト383と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド500にまたはクラブヘッド500内に恒久的に固定されている。これらの実施形態では、埋め込みウエイトは、「埋め込み高密度鋳造」と題された米国仮特許出願第62/372,870号に記載されている高密度金属片(HDMP)と同様であり得る。
【0189】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド500のバックエンド510の近くに配置されている。例えば、埋め込みウエイトのウエイト中心は、クロックグリッド2000の5時の放射線2005と7時の放射線2007の間、または5時の放射線2005と8時の放射線2008の間に位置することができる。多くの実施形態において、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、スカート上でクラブヘッドのバックエンド付近、ソール上でクラブヘッドのバックエンド付近、またはスカート上およびソール上でクラブヘッドのバックエンド付近に配置することができる。
【0190】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトのウエイト中心は、上面図から見たとき、クラブヘッド500の周囲の0.10インチ以内、0.20インチ以内、0.30インチ以内、0.40インチ以内、0.50インチ以内、0.60インチ以内、0.70インチ以内、0.80インチ以内、0.90インチ以内、1.0インチ以内、1.1インチ以内、1.2インチ以内、1.3インチ以内、1.4インチ以内、または1.5インチ以内に配置される。これらの実施形態では、埋め込みウエイトがクラブヘッド500の周囲に近接していることにより、低く後方のヘッドCG位置、クラウン-ソール慣性モーメントIxx、および/またはヒール-トウ慣性モーメントIyyを最大化することができる。
【0191】
多くの実施形態では、1つ以上の埋め込みウエイトのウエイト中心は、ヘッドCG570から1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、1.8インチよりも大きい、1.9インチよりも大きい、2.0インチよりも大きい、2.1インチよりも大きい、2.2インチよりも大きい、2.3インチよりも大きい、2.4インチよりも大きい、2.5インチよりも大きい、2.6インチよりも大きい、2.7インチよりも大きい、2.8インチよりも大きい、2.9インチよりも大きい、または3.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0192】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトのウエイト中心は、打撃面504の幾何学的中心540から4.0インチよりも大きい、4.1インチよりも大きい、4.2インチよりも大きい、4.3インチよりも大きい、4.4インチよりも大きい、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0193】
多くの実施形態で、1つ以上の埋め込みウエイトは、3.0~70グラムの質量を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、3.0~25グラム、10~30グラム、20~40グラム、30~50グラム、40~60グラム、または50~70グラムの質量を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイトが2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる質量を含むことができる。
【0194】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、10.0から22.0の間の比重を有する材料を含むことができる。例えば、多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、10.0より大きい、11.0より大きい、12.0より大きい、13.0より大きい、14.0より大きい、15.0より大きい、16.0より大きい、16.0より大きい、17.0より大きい、18.0より大きい、または19.0より大きい比重を有する材料を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイトが2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる材料を含むことができる。

v.急なクラウン角度
【0195】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド500は、ヘッドCGの低く後方の位置を達成するために急なクラウン角度588をさらに含むことができる。急なクラウン角度588は、クラウン516のバックエンドをソールまたは地面に向かって位置決めし、それによってクラブヘッドCG位置を下げる。
【0196】
クラウン角度588は、クラウン軸1090と前面1020との間の鋭角として測定される。これらの実施形態では、クラウン軸1090は、接地面1030および前面1020に垂直に配置された平面に沿って見たクラブヘッドの断面内に位置している。クラウン軸1090は、上部遷移境界および後部遷移境界を参照してさらに説明することができる。
【0197】
クラブヘッド500は、フロントエンド508とクラウン516との間にヒール520の近くからトウ522の近くまで延びる上部遷移境界を含む。上部遷移境界は、クラブヘッド500がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときのクラウン遷移プロファイル590を含む。側断面図は、ヒール520の近くからトウ522の近くまでのクラブヘッド500の任意の点において取ることができる。クラウン遷移プロファイル590は、クラブヘッド500のフロントエンド508からクラウン遷移点594まで延びるフロント曲率半径592を画定しており、ここで、クラブヘッド500のフロントエンド508は輪郭が打撃面504の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点594はフロント曲率半径592からクラウン516の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、フロント曲率半径592は、クラウン516付近の打撃面周囲542の上端593からクラウン遷移点594まで延びる単一の曲率半径を含み、クラウン516付近の打撃面周囲542の上端593は輪郭が打撃面504の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点594はフロント曲率半径592からクラウン516の1つ以上の異なる曲率への曲率の変化を示す。
【0198】
クラブヘッド500はさらに、クラウン516とスカート528との間にヒール520の近くからトウ522の近くまで延びる後部遷移境界を含む。後部遷移境界は、クラブヘッド500がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときの後部遷移プロファイル596を含む。断面図は、ヒール520の近くからトウ522の近くまでのクラブヘッド500の任意の点において取ることができる。後部遷移プロファイル596は、クラブヘッド500のクラウン516からスカート528まで延びるバック曲率半径598を画定する。多くの実施形態では、バック曲率半径598は、クラウン516を後部遷移境界に沿ってクラブヘッド500のスカート528に遷移させる単一の曲率半径を含む。第1の後部遷移点602は、クラウン516と後部遷移境界との間の接続部に位置している。第2の後部遷移点603は、クラブヘッド500の後部遷移境界とスカート528との間の接続部に位置している。
【0199】
上部遷移境界のフロント曲率半径592は一定のままでもよいし、またはクラブヘッド500のヒール520付近からトウ522付近まで変化してもよい。同様に、後部遷移境界のバック曲率半径598は、一定のままでもよいし、クラブヘッド500のヒール520の近くからトウ522の近くまで変化してもよい。
【0200】
クラウン軸1090は、クラブヘッド500のフロントエンド508付近のクラウン遷移点594とクラブヘッド500のバックエンド510付近の後部遷移点602との間に延びる。クラウン角度588は一定のままでもよいし、クラブヘッド500のヒール520の近くからトウ522の近くまで変化してもよい。例えば、クラウン角度588は、側断面図がヒール520およびトウ522に対して異なる位置で取られるときに変化し得る。
【0201】
図示の実施形態では、トウ522付近のクラウン角度588は約72.25度であり、ヒール520付近のクラウン角度588は約64.5度であり、ゴルフクラブヘッドの中心付近のクラウン角度588は約64.2度である。多くの実施形態では、トウ522の近くからヒール520の近くまでの任意の位置で取られる最大クラウン角度588は、79度未満、約78度未満、約77度未満、約76度未満、約75度未満、約74度未満、約73度未満、約72度未満、約71度未満、約70度未満、約69度未満、または約68度未満である。例えば、いくつかの実施形態では、最大クラウン角は、50~79度、60~79度、または70~79度の間である。
【0202】
他の実施形態では、クラブヘッド500のトウ522付近のクラウン角度588は、約79度未満、約78度未満、約77度未満、約76度未満、約75度未満、約74度未満、約73度未満、約72度未満、約71度未満、約70度未満、約69度未満度、または約68度未満であり得る。例えば、打撃面504の幾何学的中心540からトウ522に向かって約1.0インチに配置された側面断面図に沿って取られたクラウン角度588は、79度未満、78度未満、77度未満、76度度、75度未満、74度未満、73度未満、72度未満、71度未満、70度未満、69度未満、または68度未満であり得る。
【0203】
さらに、他の実施形態では、ヒール520付近のクラウン角度588は、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。例えば、打撃面504の幾何学的中心540からヒール520に向かって約1.0インチに配置された側面断面図に沿って取られたクラウン角度588は、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。
【0204】
さらに、他の実施形態では、クラブヘッド500の中心付近のクラウン角度588は、75度未満、74度未満、73度未満、72度未満、71度未満、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。例えば、打撃面504のほぼ幾何学的中心540に位置する側面断面図に沿って取られたクラウン角度588は、約70度未満、約69度未満、約68度未満、約67度未満、約66度未満、約65度未満、約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満であり得る。
【0205】
多くの実施形態において、現在のクラブヘッドと比較してクラウン角度588を減少させることは、より急なクラウンまたはクラブヘッド500がアドレス位置にあるときに接地平面1030により近い位置に配置されたクラウンを生成する。したがって、クラウン角度588の減少は、より高いクラウン角度を有するクラブヘッドと比較して、より低いヘッドCG位置をもたらし得る。

vi.ホーゼルスリーブウエイト
【0206】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ174および/またはヘッドCG深さ172は、ホーゼルスリーブ534の質量を減らすことによって達成することができる。ホーゼルスリーブ534から余分なウエイトを取り除くと、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するために、増加した裁量のウエイトを戦略的にクラブヘッド500の領域に再配置することができる。
【0207】
ホーゼルスリーブ534の質量を減らすことは、スリーブ壁を薄くすること、ホーゼルスリーブ534の高さを減らすこと、ホーゼルスリーブ534の直径を減らすこと、および/またはホーゼルスリーブ534の壁に空隙を導入することによって達成できる。多くの実施形態において、ホーゼルスリーブ534の質量は、6グラム未満、5.5グラム未満、5.0グラム未満、4.5グラム未満、または4.0グラム未満であり得る。多くの実施形態では、質量が減少したホーゼルスリーブを有するクラブヘッド500は、より重いホーゼルスリーブを有する同様のクラブヘッドよりも低く(ソールに近い)そしてより後方に(バックエンドに近い)クラブヘッドCG位置をもたらす。

B.空気抵抗
【0208】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、低減された空力抵抗とともに、クラブヘッドの低く後方のCG位置と、クラブヘッドの慣性モーメントの増加と、の組み合わせを含む。
【0209】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、スクエア面および時速102マイル(mph)の風速の風洞で試験したときに、約1.3lbf未満、1.425lbf未満、1.2lbf未満、1.15lbf未満、1.1lbf未満、1.05lbf未満、または1.0lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらまたは他の実施形態では、クラブヘッド500は、スクエア面および時速102マイル(mph)の風速の計算流体力学による計算において、約1.3lbf未満、1.425lbf未満、1.2lbf未満、1.15lbf未満、1.1lbf未満、1.05lbf未満、または1.0lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらの実施形態では、スクエア面を有するクラブヘッド500が経験する空気流は、X’Y’平面に垂直な方向に打撃面504に向けられる。以下に記載されるように、空気抵抗力が低減されたクラブヘッド500は、様々な手段を用いて達成することができる。

i.クラウン角度高さ
【0210】
いくつかの実施形態では、クラウン角588を小さくしてより急なクラウンおよびより低いヘッドCG位置を形成すると、スイング中のクラウン上での空気流の分離が増大するため、空力抵抗の望ましくない増大があり得る。クラウン角588の減少に伴う抗力の増大を防ぐために、最大クラウン高さ604を増大させることができる。最大クラウン高さ604は、Y’Z’平面に平行な平面に沿ったクラブヘッド500の任意の側断面図で見たクラウン516の表面とクラウン軸1090との間の最大距離である。多くの実施形態において、より大きな最大クラウン高さ604は、より大きな曲率を有するクラウン516をもたらす。クラウン516の曲率が大きいほど、スイング中の空気流の分離の位置がクラブヘッド500の後方にさらに移動する。言い換えれば、より大きな曲率は、スイング中にクラウン516に沿ってより長い距離にわたって空気流がクラブヘッド500に接触したままでいることを可能にする。クラウン516上で気流分離点を後方に移動させると、空力抵抗が減少し、クラブヘッドのスイング速度が増加し、それによってボールの速度と距離が増加する可能性がある。
【0211】
多くの実施形態において、最大クラウン高さ404は、約0.20インチ(5mm)より大きく、約0.30インチ(7.5mm)より大きく、約0.40インチ(10mm)より大きく、約0.50インチ(12.5mm)より大きく、約0.60インチ(15mm)より大きく、約0.70インチ(17.5mm)より大きく、約0.80インチ(20mm)より大きく、約0.90インチ(22.5mm)より大きく、または約1.0インチ(25mm)より大きくあり得る。さらに、他の実施形態では、最大クラウン高さは、0.20インチ(5mm)~0.60インチ(15mm)、0.40インチ(10mm)~0.80インチ(20mm)、または0.60インチ(15mm)~1.0インチ(25mm)の範囲内であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、最大クラウン高さ404は、約0.52インチ(13.3mm)、約0.54インチ(13.8mm)、約0.59インチ(15mm)、約0.65インチ(16.5mm)、または約0.79インチ(20mm)であり得る。

ii.遷移プロファイル
【0212】
多くの実施形態では、打撃面504からクラウン516、打撃面504からソール518、および/またはクラブヘッド500のバックエンド510に沿ったクラウン516からソール518の遷移プロファイルは、スイング中のクラブヘッド500上の空気抵抗に影響を与える。
【0213】
いくつかの実施形態では、クラウン遷移プロファイル590を画定する上部遷移境界と、後部遷移プロファイル596を画定する後部遷移境界とを有するクラブヘッド500は、ソール遷移プロファイル610を画定するソール遷移境界をさらに含む。ソール遷移境界は、フロントエンド508とソール518との間でヒール520の近くからトウ522の近くまで延びる。ソール遷移境界は、Y’Z’平面に平行な平面に沿って見た側断面図から見たときのソール遷移プロファイル610を含む。側面断面図は、ヒール520の近くからトウ522の近くまでのクラブヘッド500の任意の点に沿って取ることができる。ソール遷移プロファイル610は、クラブヘッド500のフロントエンド508からソール遷移点614まで延びるソール曲率半径612を画定しており、ここで、クラブヘッド500のフロントエンド508は輪郭が打撃面504の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点614はソールの曲率半径612からソール518の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、ソール曲率半径612は、ソール518付近の打撃面周囲542の底端613からソール遷移点614まで伸びる単一の曲率半径を含み、ソール518付近の打撃面周囲542の底端613は輪郭が起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点614はソールの曲率半径612からソール614の曲率への曲率の変化を示す。
【0214】
多くの実施形態では、クラウン遷移プロファイル590、ソール遷移プロファイル610、および後部遷移プロファイル596は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されているクラウン遷移プロファイル、ソール遷移プロファイル、および後部遷移プロファイルと同様であり得る。さらに、フロント曲率半径592、ソール曲率半径612、およびバック曲率半径398は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されている第1のクラウン側曲率半径、第1のソール側曲率半径、およびバック曲率半径と同様にすることができる。
【0215】
いくつかの実施形態では、フロント曲率半径592は、約0.18~0.30インチ(0.46~0.76cm)の範囲であり得る。さらに、他の実施形態では、フロント曲率半径592は、0.40インチ(1.02cm)未満、0.375インチ(0.95cm)未満、0.35インチ(0.89cm)未満、0.325インチ(0.83cm)未満、または0.30インチ(0.76cm)未満であり得る。例えば、フロント曲率半径592は、約0.18インチ(0.46cm)、0.20インチ(0.51cm)、0.22インチ(0.66cm)、0.24インチ(0.61cm)、0.26インチ(0.66cm)、0.28インチ(0.71cm)、または0.30インチ(0.76cm)であり得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、ソール曲率半径612は、約0.25~0.50インチ(0.76~1.27cm)の範囲であり得る。例えば、ソール曲率半径612は、約0.5インチ(1.27cm)未満、約0.475インチ(1.21cm)未満、約0.45インチ(1.14cm)未満、約0.425インチ(1.08cm)未満、または約0.40インチ(1.02cm)未満であり得る。さらなる例では、ソール曲率半径612は、約0.30インチ(0.76cm)、0.35インチ(0.89cm)、0.40インチ(1.02cm)、0.45インチ(1.14cm)、または0.50インチ(1.27cm)であり得る。
【0217】
いくつかの実施形態において、バック曲率半径598は、約0.10~0.25インチ(0.25~0.64cm)の範囲であり得る。例えば、バック曲率半径598は、約0.3インチ(0.76cm)未満、約0.275インチ(0.70cm)未満、約0.25インチ(0.64cm)未満、約0.225インチ(0.57cm)未満または約0.20インチ(0.51cm)未満であり得る。さらなる例では、バック曲率半径598は、約0.10インチ(0.25cm)、0.15インチ(0.38cm)、0.20インチ(0.51cm)、または0.25インチ(0.64cm)であり得る。

iii.タービュレータ
【0218】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド500はさらに、「タービュレータ付きゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブヘッドを製造する方法」という名称のその内容が本願に完全に組み込まれている米国特許出願第13/536,753号、2013年12月17日に付与された現在米国特許第8,608,587号に記載されているように、複数のタービュレータ614を含むことができる。多くの実施形態では、複数のタービュレータ614は、空気流を乱し、それによって境界層内に小さな渦または乱流を生じさせて、境界層にエネルギーを与え、スイング中にクラウン上での気流の分離を遅らせる。
【0219】
いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ614は、クラブヘッド500のクラウン遷移点794に隣接することができる。複数のタービュレータ614は、クラウン516の外面から突出し、クラブヘッド500のフロントエンド508とバックエンド510との間に延びる長さ、およびクラブヘッド500のヒール520からトウ522まで延びる幅を含む。多くの実施形態では、複数のタービュレータ614の長さは幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ614は同じ幅を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数のタービュレータ614は、高さプロファイルが変化することができる。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ614は、クラウン516の前面と比較してクラウン516の頂点に向かって高くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ614は、クラウン516の前方に向かって高く、クラウン516の頂点に向かって高さが低くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ614は一定の高さプロファイルを含むことができる。さらに、多くの実施形態では、少なくとも1つのタービュレータの少なくとも一部が打撃面504とクラウン516の頂点との間に配置され、隣接するタービュレータ間の間隔は、隣接するタービュレータのそれぞれの幅よりも大きい。

iv.バックキャビティ
【0220】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド500は、クラブヘッド500のバックエンド510および後縁部528に位置するキャビティ620をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、キャビティはクラブヘッド300上のキャビティ420と同等であり得る。さらに、キャビティは、「ゴルフクラブヘッドと空気力学的特徴および関連する方法」という名称の米国特許出願第14/882,092号に記載されているキャビティと同様である。多くの実施形態では、キャビティ620は、ゴルフクラブヘッド500の後方で発生した渦をより小さな渦に砕き、乱気流のサイズを小さくし、および/または抗力を小さくすることができる。いくつかの実施形態では、渦をより小さな渦に分割することにより、ゴルフクラブヘッド500の後方に高圧の領域を生成することができる。いくつかの実施形態では、この高圧領域はゴルフクラブヘッド500を前方に押し出し、抗力を低減し、および/またはゴルフクラブヘッド500の空力設計を向上させることができる。多くの実施形態では、より小さな渦と抗力の減少の正味の効果は、ゴルフクラブヘッド500の速度の増加である。この効果は、ゴルフボールがインパクト後に打球面を離れる速度が速くなり、ボールの飛行距離が増大する可能性がある。
【0221】
多くの実施形態では、キャビティ620は、X’Z’平面に垂直な方向に配向された、後壁422と同様の後壁622を含むことができ、さらに、ヒール520からトウ522への方向に測定された幅、深さ624(キャビティ420の深さ424と同様)、および高さ626(キャビティ420の高さ426と同様)を含むことができる。キャビティ620の幅は、約1.0インチ(約2.54センチメートル)~約8インチ(約20.32cm)、約1.0インチ(約2.54cm)~約2.25インチ(約5.72cm)、または約1.75インチ(約4.5cm)~約2.25インチ(約5.72cm)であり得る。例えば、キャビティ420の幅は、約2.0インチ(5.08cm)、3.0インチ(7.62cm)、4.0インチ(10.16cm)、5.0インチ(12.7cm)、6.0インチ(15.24cm)、または7.0インチ(17.78cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ620の幅は、キャビティ620の頂部付近(クラブヘッド500のクラウン516に向かって)からキャビティ620の底部付近(クラブヘッド500のソール518に向かって)まで一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ620の幅は頂部付近から底部付近まで変化することができる。いくつかの実施形態では、キャビティの幅は頂部近くで最大で底部近くで最も小さくあり得る。他の実施形態では、キャビティの幅は任意の輪郭に従って変化し得る。例えば、他の実施形態では、キャビティの幅は、頂部、底部、中心部、またはキャビティの頂部から底部まで延びる他の任意の位置で最も長くすることができる。
【0222】
キャビティ620の深さ624は、約0.025インチ(約0.127cm)~約0.250インチ(約0.635cm)、または約0.025インチ(約0.127cm)~約0.150インチ(約0.381cm)とすることができる。例えば、キャビティ620の深さ624は、約0.1インチ(約0.254cm)、または約0.05インチ(約0.127cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティの深さは、ヒールとトウの間および/またはキャビティの頂部と底部の間で一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティの深さは、ヒールとトウとの間および/またはキャビティの頂部と底部との間で変化することができる。例えば、キャビティの深さは、ヒール付近、トウ付近、クラウン付近、ソール付近、中心付近で、または記載された位置の任意の組み合わせで最大とすることができる。
【0223】
キャビティ620の高さ626は、クラウン516からソール518への方向に沿って測定することができる。キャビティ620の高さ626は、約0.19インチ(約0.48cm)~約0.21インチ(約0.53cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ820の高さ826は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.50インチ(約1.27cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ620の高さ626は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.40インチ(約1.02cm)であり得る。いくつかの実施形態において、キャビティ620の高さ626は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.30インチ(約0.76cm)であり得る。いくつかの実施形態において、キャビティ620の高さ626は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.20インチ(約0.51cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティの高さは、キャビティのヒールとトウとの間で一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティの高さは、キャビティのヒールとトウとの間で変化することができる。例えば、キャビティの高さは、ヒール付近、トウ付近、中心付近で、または記載された位置の任意の組み合わせで最大であり得る。

v.ホーゼル構造
【0224】
いくつかの実施形態において、ホーゼル構造530は、より大きい直径のホーゼル構造を有する同様のクラブヘッドと比較して、スイング中にクラブヘッド500にかかる空気抵抗を低減するために、より小さい外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造530は、0.545インチ未満の外径を有する。例えば、ホーゼル構造530は、0.60インチ未満、0.59インチ未満、0.58インチ未満、0.57インチ未満、0.56インチ未満、0.55インチ未満、0.54インチ未満、0.53インチ未満、0.52未満、0.51インチ未満、または0.50インチ未満の外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造530の外径は、クラブヘッド500のロフト角および/またはライ角の調節可能性を維持しながら減少する。

vi.投影面積
【0225】
多くの実施形態では、クラブヘッド500はさらに前面投影面積および側面投影面積を含む。前面投影面積は、図1に示すように、正面図から見えるとともにX’Y’平面に投影されるクラブヘッド500の面積である。側面投影面積は、側面図から見えるとともにY’Z’平面に投影されるクラブヘッド500の面積である。
【0226】
多くの実施形態では、クラブヘッド500の前面投影面積は、0.00400m~0.00700mの間とすることができる。例えば、図示の実施形態では、クラブヘッドの前面投影面積は、0.00655mである。他の実施形態では、前面投影面積は、0.00400m~0.00665mの間、0.00400m~0.00675mの間、0.00400m~0.00685mの間、または0.00400m~0.00695mの間であり得る。
【0227】
多くの実施形態において、クラブヘッド500の側面投影面積は、0.00500m~0.00650mの間であり得る。例えば、図示の実施形態では、クラブヘッドの側面投影面積は、0.00579mである。他の実施形態では、側面投影面積は、0.00545m~0.00565mの間、0.00535m~0.00575mの間、0.00525m~0.00585mの間、0.00515m~0.00595mの間であり得る。

C.CG位置、慣性モーメント、および空気抵抗のバランス
【0228】
現在のゴルフクラブヘッド設計では、クラブヘッドの慣性モーメントおよび/またはヘッドCG位置を増加または最大化することは、空気抵抗などのクラブヘッドの他の性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載のクラブヘッド500は、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、クラブヘッドの慣性モーメントを増大または最大化する。したがって、インパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を改善したクラブヘッド500はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)のバランスし、または改善する。
【0229】
以下に説明するクラブヘッド300および500の例では、クラブヘッドの空気抵抗は、時速102マイル(mph)の空気速度で空気流内においてスクエアに向いたクラブヘッドのフロントエンドに対して計算流体力学シミュレーションを使用して測定される。他の実施形態では、空気抵抗は、風洞試験を用いるなどの他の方法を用いて測定することができる。
【0230】
多くの既知のゴルフクラブヘッドにおいて、クラブヘッドの慣性モーメントを増大させるかまたは最大にすることは空気抵抗に悪影響を及ぼす。図10A~Cは、クラブヘッド300またはクラブヘッド500と同様の容量および/またはロフト角を有する多くの既知のクラブヘッドについて、クラブヘッドの慣性モーメントが増大するにつれて(クラブヘッドの許容度を増大させるため)、スイング中の抗力が増加することを示す(それによってスイングスピードとボールの飛行距離が減少する)。
【0231】
例えば、図10Aに示すように、多くの既知のクラブヘッドでは、x軸周りの慣性モーメントが増加するにつれて、抗力が増加する。さらなる例として、図10Bを参照すると、多くの既知のクラブヘッドについて、y軸周りの慣性モーメントが増加するにつれて、抗力が増加する。さらなる例として、多くの既知のクラブヘッドについて、図10Cを参照すると、合成慣性モーメント(すなわち、x軸周りの慣性モーメントとy軸周りの慣性モーメントとの合計)が増加するにつれて、抗力が増加する。
【0232】
本明細書に記載のクラブヘッド300、500は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のクラブヘッドと比較して、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、クラブヘッドの慣性モーメントを増大または最大化する。したがって、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を有するクラブヘッド300、500はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)をバランスまたは改善する。
【0233】
多くの実施形態において、図11に示すように、クラブヘッド300、500は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のゴルフクラブヘッドと比較して、クラブヘッドの抗力(F)を維持または低減しながら、クラブヘッドの合成慣性モーメント(Ixx+Iyy)が増大するように、以下の関係のうちの1つまたは複数を満たす。
【数3】
【数4】
【数5】
【0234】
例えば、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係3を満たし、9000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係3を満たすことができ、9010g・cmよりも大きい、9025g・cmよりも大きい、9050g・cmよりも大きい、9075g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、または11000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。
【0235】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係3を満たし、1.16lbf未満の効力を有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係3を満たすことができ、1.15lbf未満、1.10lbf未満、1.00lbf未満、0.900lbf未満、0.800lbf未満、0.75lbf未満、0.700lbf未満、0.600lbf未満、または0.500lbf未満の抗力を有することができる。
【0236】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係4を満たし、9000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係4を満たすことができ、9010g・cmよりも大きい、9025g・cmよりも大きい、9050g・cmよりも大きい、9075g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、または11000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。
【0237】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係4を満たし、1.16lbf未満の効力を有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係4を満たすことができ、1.15lbf未満、1.10lbf未満、1.00lbf未満、0.900lbf未満、0.800lbf未満、0.75lbf未満、0.700lbf未満、0.600lbf未満、または0.500lbf未満の抗力を有することができる。
【0238】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係5を満たし、9000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係5を満たすことができ、9010g・cmよりも大きい、9025g・cmよりも大きい、9050g・cmよりも大きい、9075g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、または11000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。
【0239】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係5を満たし、1.16lbf未満の効力を有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係5を満たすことができ、1.15lbf未満、1.10lbf未満、1.00lbf未満、0.900lbf未満、0.800lbf未満、0.75lbf未満、0.700lbf未満、0.600lbf未満、または0.500lbf未満の抗力を有することができる。

i.CG位置と空気抵抗
【0240】
多くの既知のゴルフクラブヘッドでは、ゴルフボールの打ち出し角度を増大させるためおよび/またはクラブヘッドの慣性を増大させるためにCG位置をさらに後方にシフトすることは、空気抵抗などのクラブヘッドの他の性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。図12は、クラブヘッド300またはクラブヘッド500と同様の容量および/またはロフト角を有する多くの既知のクラブヘッドにおいて、クラブヘッドCGの深さが増加するにつれて(クラブヘッドの許容度および/または打ち出し角度を増加させるために)、スイング中の抗力が増加することを示す(それによってスイング速度およびボールの飛行距離が減少する)。例えば、図12に示すように、多くの既知のクラブヘッドでは、ヘッドCGの深さが増加するにつれて、クラブヘッドに対する抗力が増加する。
【0241】
本明細書に記載のクラブヘッド300、500は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のクラブヘッドと比較して、同時に空気抵抗を維持または減少させながら、クラブヘッドのCG深さを増大または最大化する。したがって、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を有するクラブヘッド300、500はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)をバランスまたは改善する。
【0242】
多くの実施形態において、図13に示すように、クラブヘッド300、500は、既知のゴルフクラブヘッドと比較して、クラブヘッドに対する抗力(F)を維持または低減しながら、ヘッドCG深さ(CG)が増大するように、以下の関係の1つまたは複数を満たす。
【数6】
【数7】
【数8】
【0243】
例えば、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係6を満たし、1.65インチよりも大きいヘッドCG深さを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係6を満たすことができ、1.60インチよりも大きい、1.62インチよりも大きい、1.64インチよりも大きい、1.68インチよりも大きい、1.70インチよりも大きい、1.72インチよりも大きい、1.74インチよりも大きい、1.76インチよりも大きい、1.78インチよりも大きい、1.80インチよりも大きい、1.85インチよりも大きい、または1.90インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。
【0244】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係6を満たし、1.16lbf未満の効力を有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係6を満たすことができ、1.15lbf未満、1.10lbf未満、1.00lbf未満、0.900lbf未満、0.800lbf未満、0.75lbf未満、0.700lbf未満、0.600lbf未満、または0.500lbf未満の抗力を有することができる。
【0245】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係7を満たし、9000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係7を満たすことができ、1.60インチよりも大きい、1.62インチよりも大きい、1.64インチよりも大きい、1.68インチよりも大きい、1.70インチよりも大きい、1.72インチよりも大きい、1.74インチよりも大きい、1.76インチよりも大きい、1.78インチよりも大きい、1.80インチよりも大きい、1.85インチよりも大きい、または1.90インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。
【0246】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係7を満たし、1.16lbf未満の効力を有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係7を満たすことができ、1.15lbf未満、1.10lbf未満、1.00lbf未満、0.900lbf未満、0.800lbf未満、0.75lbf未満、0.700lbf未満、0.600lbf未満、または0.500lbf未満の抗力を有することができる。
【0247】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係8を満たし、9000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係8を満たすことができ、1.60インチよりも大きい、1.62インチよりも大きい、1.64インチよりも大きい、1.68インチよりも大きい、1.70インチよりも大きい、1.72インチよりも大きい、1.74インチよりも大きい、1.76インチよりも大きい、1.78インチよりも大きい、1.80インチよりも大きい、1.85インチよりも大きい、または1.90インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。
【0248】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係8を満たし、1.16lbf未満の効力を有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、関係8を満たすことができ、1.15lbf未満、1.10lbf未満、1.00lbf未満、0.900lbf未満、0.800lbf未満、0.75lbf未満、0.700lbf未満、0.600lbf未満、または0.500lbf未満の抗力を有することができる。

ii.慣性モーメントおよびCG深さ
【0249】
図14に示すように、多くの既知のゴルフクラブヘッドでは、合成慣性モーメントおよび/またはヘッドCG深さが制限されている。例えば、クラブヘッド300またはクラブヘッド500と同様の容量および/またはロフト角を有する多くの既知のゴルフクラブヘッドは、1.6インチ未満のヘッドCG深さおよび8900g・cm未満の合成慣性モーメントを有する。本明細書に記載のクラブヘッド300、500は、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のクラブヘッドよりも大きなヘッドCG深さおよび大きな合成慣性モーメントを有する。したがって、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を有するクラブヘッド300、500はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)をバランスまたは改善する。
【0250】
例えば、多くの実施形態では、クラブヘッド300、500は、1.65インチよりも大きいヘッドCG深さおよび9000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、1.60インチよりも大きい、1.62インチよりも大きい、1.64インチよりも大きい、1.68インチよりも大きい、1.70インチよりも大きい、1.72インチよりも大きい、1.74インチよりも大きい、1.76インチよりも大きい、1.78インチよりも大きい、1.80インチよりも大きい、1.85インチよりも大きい、または1.90インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。さらに、他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、9010g・cmよりも大きい、9025g・cmよりも大きい、9050g・cmよりも大きい、9075g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、または11000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。

III.フェアウェイウッドタイプクラブヘッド
【0251】
別の実施形態によれば、ゴルフクラブヘッド700はフェアウェイウッドタイプのクラブヘッドを含むことができる。多くの実施形態において、クラブヘッド700は、クラブヘッド100と同じまたは類似のパラメータを含み、パラメータは、クラブヘッド100の参照番号に600を加えた番号で記載されている。
【0252】
多くの実施形態において、クラブヘッド700のロフト角は、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満である。さらに、多くの実施形態において、クラブヘッド700のロフト角は、約12度よりも大きい、約13度よりも大きい、約14度よりも大きい、約15度よりも大きい、約16度よりも大きい、約17度よりも大きい、約18度よりも大きい、約19度よりも大きい、または約20度よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド700のロフト角は、12度から35度の間、15度から35度の間、20度から35度の間、または12度から30度の間であり得る。
【0253】
多くの実施形態では、クラブヘッド700の容量は、約400cc未満、約375cc未満、約350cc未満、約325cc未満、約300cc未満、約275cc未満、約275cc未満、約250cc未満、約225cc未満、または約200cc未満である。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの容量は、約150cc~200cc、約150cc~250cc、約150cc~300cc、約150cc~350cc、約150cc~400cc、約200cc~300cc、約200cc~350cc、約300cc~400cc、約325cc~400cc、約350cc~400cc、約250cc~400cc、約250~350cc、または約275~375ccであり得る。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、本明細書に記載されているようなロフト角および容量を有する任意の種類のゴルフクラブヘッドを含むことができる。
【0254】
多くの実施形態において、クラブヘッド700の長さ762は、3.5インチから4.75インチの間、4.0インチから4.85インチの間、3.5インチから5.0インチの間、または4.0インチから4.5インチの間であり得る。多くの実施形態では、クラブヘッド700の深さ760は、クラブヘッド700の長さ762よりも少なくとも0.70インチ小さい。例えば、多くの実施形態において、クラブヘッド700の深さ760は、2.75インチから4.5インチの間、3.0インチから4.0インチの間、3.0インチから3.75インチの間、または3.0インチから4.85インチの間であり得る。
【0255】
多くの実施形態では、クラブヘッド700の高さ764は、約2.0インチ未満である。他の実施形態では、クラブヘッド700の高さ764は、2.5インチ未満、2.4インチ未満、2.3インチ未満、2.2インチ未満、2.1インチ未満、1.9インチ未満、または1.8インチ未満である。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド700の高さ764は、1.3~1.7インチの間、1.5~2.0インチの間、1.75~2.5インチの間、1.75~2.0インチの間、または2.0~2.5インチの間であり得る。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッドのフェース高さ744は、約0.5インチ(12.7mm)から約2.0インチ(50.8mm)の間であり得る。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド700は、185グラムから250グラムの間の質量を含むことができる。
【0256】
クラブヘッド700はさらに、ヘッドCG位置、クラブヘッド慣性モーメント、および空力抵抗などの様々な追加パラメータのバランスを含み、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、速度、許容度)および改善されたスイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力)の両方を提供する。多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、スイング性能特性を維持または改善しながら改善されたインパクト性能を提供する。さらに、多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、インパクト性能特性を維持または改善しながら、改善されたスイング性能特性を提供する。

A.重心位置と慣性モーメント
【0257】
多くの実施形態では、ヘッドCGからの距離が最大となるクラブヘッドの領域において、裁量のウエイトを増加させ、裁量のウエイトを再配置することによって、低く後方のクラブヘッドCGおよび高い慣性モーメントを達成することができる。ヘッドCG位置に関して上述したように、クラウンを薄くすること、および/または最適化された材料を使用することによって、増加した裁量のウエイトを達成することができる。ヘッドCGからの距離を最大にするための裁量のウエイトの再配置は、ヘッドCGの位置に関して上述したように、取り外し可能なウエイト、埋め込みウエイト、または急なクラウン角度を使用して達成することができる。
【0258】
多くの実施形態では、クラブヘッド700は、約1500g・cmよりも大きい、約1600g・cmよりも大きい、約1600g・cmよりも大きい、約1650g・cmよりも大きい、約1700g・cmよりも大きい、約1750g・cmよりも大きい、約1800g・cmよりも大きい、約1850g・cmよりも大きい、約1900g・cmよりも大きい、約1950g・cmよりも大きい、約2000g・cmよりも大きい、約2100g・cmよりも大きい、約2200g・cmよりも大きい、約2300g・cmよりも大きい、約2400g・cmよりも大きい、約2500g・cmよりも大きい、約2600g・cmよりも大きい、約2700g・cmよりも大きい、または約2800g・cmよりも大きい、クラウン-ソール慣性モーメントIxxを含む。
【0259】
多くの実施形態では、クラブヘッド700は、約3000g・cmよりも大きい、約3100g・cmよりも大きい、約3200g・cmよりも大きい、約3250g・cmよりも大きい、約3300g・cmよりも大きい、約3400g・cmよりも大きい、約3500g・cmよりも大きい、約3600g・cmよりも大きい、約3750g・cmよりも大きい、約4000g・cmよりも大きい、約4250g・cmよりも大きい、約4500g・cmよりも大きい、約4750g・cmよりも大きい、約5000g・cmよりも大きい、約5250g・cmよりも大きい、約5500g・cmよりも大きい、約5750g・cmよりも大きい、約6000g・cmよりも大きい、約6250g・cmよりも大きい、約6500g・cmよりも大きい、約6750g・cmよりも大きい、または約7000g・cmよりも大きい、ヒール-トウ慣性モーメントIyyを含む。
【0260】
多くの実施形態では、クラブヘッド700は、4900g・cmよりも大きい、4950g・cmよりも大きい、5000g・cmよりも大きい、5100g・cmよりも大きい、5200g・cmよりも大きい、5300g・cmよりも大きい、5400g・cmよりも大きい、5500g・cmよりも大きい、5600g・cmよりも大きい、5700g・cmよりも大きい、5800g・cmよりも大きい、5900g・cmよりも大きい、または6000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメント(すなわち、クラウン-ソール慣性モーメントIxxとヒール-トウ慣性モーメントlyyとの合計)を含む。
【0261】
多くの実施形態において、クラブヘッド700は、約0.50インチ未満、約0.475インチ未満、約0.45インチ未満、約0.425インチ未満、約0.40インチ未満、約0.35インチ未満、約0.30インチ未満、約0.25インチ未満、約0.20インチ未満、0.15インチ未満、または0.10インチ未満のヘッドCG高さ774を含む。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド700は、約0.50インチ未満、約0.475インチ未満、約0.45インチ未満、約0.425インチ未満、約0.40インチ未満、約0.35インチ未満、約0.30インチ未満、または約0.25インチ未満の絶対値を有するヘッドCG高さ774を含む。
【0262】
多くの実施形態において、クラブヘッド700は、約1.0インチよりも大きい、約1.1インチよりも大きい、約1.22インチよりも大きい、約1.2インチよりも大きい、約1.3インチよりも大きい、約1.4インチよりも大きい、約1.5インチよりも大きい、約1.6インチよりも大きい、約1.7インチよりも大きい、または約1.8インチよりも大きいヘッドCG深さ772を含む。
【0263】
減少したヘッドCG高さ774を有するクラブヘッド700は、より高いヘッドCG高さを有する同様のクラブヘッドと比較して、インパクト時のゴルフボールのバックスピンを減少させることができる。多くの実施形態では、バックスピンを減少させると、クラブヘッドの性能を向上させるために、ボール速度と飛行距離の両方を増加させることができる。さらに、ヘッドCG深さ772を増大させたクラブヘッド700は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、ヒール-トウ慣性モーメントを増大させることができる。ヒール-トウ慣性モーメントを大きくすると、クラブヘッドの性能を向上させるためのインパクト時のクラブヘッドの許容度を高めることができる。さらにまた、ヘッドCG深さ772が増大したクラブヘッド700は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、打球時のクラブヘッドの動的ロフトを増大させることによって、インパクト時のゴルフボールの打ち出し角度を増大させることができる。
【0264】
ヘッドCG高さ774および/またはヘッドCG深さ772は、様々な領域でクラブヘッドの重量を減らし、それによって裁量のウエイトを増やし、ヘッドCGをより低くより後方にシフトするためにクラブヘッドの戦略的な領域で裁量のウエイトを変えることによって達成できる。クラブヘッドの重量を減少させて再配置するための様々な手段が以下に説明される。

i.薄い領域
【0265】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ774および/またはヘッドCG深さ772は、クラブヘッドの様々な領域を薄くして余分なウエイトを取り除くことによって達成することができる。余分なウエイトを除去すると、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するためにクラブヘッド700の領域に戦略的に再配置することができる増加した裁量のウエイトがもたらされる。
【0266】
多くの実施形態では、クラブヘッド700は1つまたは複数の薄い領域を有することができる。1つまたは複数の薄い領域は、クラブヘッド300の1つまたは複数の薄い領域376と、またはクラブヘッド500の1つまたは複数の薄い領域と類似または同一であり得る。1つまたは複数の薄い領域は、打撃面704、本体702、または打撃面704と本体702の組み合わせ上に配置することができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域は、クラウン716、ソール718、ヒール720、トウ722、フロントエンド708、バックエンド710、スカート728または記載された位置の任意の組み合わせを含む本体702の任意の領域に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の薄い領域をクラウン716上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域は、打撃面704とクラウン716の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域は、打撃面704、クラウン716、およびソール718の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、本体702全体および/または打撃面704全体が薄い領域を含むことができる。
【0267】
1つまたは複数の薄い領域が打撃面716上に配置される実施形態では、打撃面704の厚さは、最大打撃面厚さおよび最小打撃面厚さを変化し得る。これらの実施形態では、最小打撃面厚さは、0.10インチ未満、0.09インチ未満、0.08インチ未満、0.07インチ未満、0.06インチ未満、0.05インチ未満、0.04インチ未満、0.03インチ未満、または0.02インチ未満であり得る。これらまたは他の実施形態では、最大打撃面厚さは、0.20インチ未満、0.19インチ未満、0.18インチ未満、0.17インチ未満、0.16インチ未満、0.15インチ未満、0.14インチ未満、0.13インチ未満0.12インチ未満、0.11インチ未満、または0.10インチ未満であり得る。
【0268】
1つまたは複数の薄い領域が本体302上に配置されている実施形態では、薄い領域は約0.022インチ未満の厚さを含むことができる。他の実施形態では、薄い領域は、0.025インチ未満、0.020インチ未満、0.019インチ未満、0.018インチ未満、0.017インチ未満、0.016インチ未満、0.015インチ未満、0.014インチ未満、0.013インチ未満、0.012インチ未満、または0.010インチ未満の厚さを含む。例えば、薄い領域は、約0.010~0.025インチ、約0.013~0.022インチ、約0.014~0.020インチ、約0.015~0.020インチ、約0.016~0.020インチ、約0.017~0.020インチ、または約0.018-0.020インチの厚さを含むことができる。
【0269】
図示の実施形態では、薄い領域は形状および位置が異なり、クラブヘッド700の表面積の約25%を覆っている。他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド700の表面積の約20~30%、約15~35%、約15~25%、約10~25%、約15~30%、または約20~50%を覆うことができる。さらに、他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド700の表面積の最大5%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、または最大50%までをカバーすることができる。
【0270】
多くの実施形態では、クラウン716は、クラウンの表面積の約51%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含む。他の実施形態では、クラウン716は、クラウンの最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、または最大90%、が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含む。例えば、いくつかの実施形態では、クラウンの約40~60%が薄い領域を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、クラウンの約50~100%、約40~90%、約35~65%、約30~70%、または約25~75%が薄い領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、クラウン716は1つまたは複数の薄い領域を含むことができ、1つまたは複数の薄い領域のそれぞれは勾配をつけて薄くなっている。この例示的な一実施形態では、クラウン716の1つまたは複数の薄い領域は、ヒール-トウ方向に延び、1つまたは複数の薄い領域のそれぞれは、打撃面704からバックエンド710に向かう方向に厚さが減少している。
【0271】
多くの実施形態では、ソール718の表面積の約64%が薄い領域を含むように、ソール718は1つまたは複数の薄い領域を含む。他の実施形態では、ソール718は、ソール718の最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、または最大90%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール718の約40~60%が薄い領域を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、ソール718の約50~100%、約40~90%、約35~65%、または約30~70%、または約25~75%が薄い領域を含むことができる。
【0272】
薄い領域は、円形、三角形、正方形、長方形、卵形、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形もしくは形状などの任意の形状を含むことができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域は、残りの薄い領域と同じ形状、または異なる形状を含むことができる。
【0273】
多くの実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド700は遠心鋳造を用いて製造することができる。これらの実施形態では、遠心鋳造は、クラブヘッド700が従来の鋳造を使用して製造されたクラブヘッドよりも薄い壁を有することを可能にする。他の実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド700の部分は、打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工などの他の適切な方法を使用して製造することができる。薄い領域を有するクラブヘッド700の部分が打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工を使用して製造される実施形態では、クラブヘッド700の部分は、エポキシ、テープ、溶接、機械的締結具、または他の適切な方法を使用して結合され得る。

ii.最適化された材料
【0274】
いくつかの実施形態では、打撃面704および/または本体702は、増加した比強度および/または増加した比可撓性を有する最適化された材料を含み得る。比可撓性は、最適化された材料の弾性率に対する降伏強度の比として測定される。比強度および/または比可撓性を増大させると、耐久性を維持しながらクラブヘッドの一部を薄くすることができる。
【0275】
いくつかの実施形態では、打撃面704の第1の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約910,000PSI/lb/in(227MPa/g/cm)以上、約920,000PSI/lb/in(229MPa/g/cm)以上、約930,000PSI/lb/in(232MPa/g/cm)以上、約940,000PSI/lb/in(234MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約960,000PSI/lb/in(239MPa/g/cm)以上、約970,000PSI/lb/in(242MPa/g/cm)以上、約980,000PSI/lb/in(244MPa/g/cm)以上、約990,000PSI/lb/in(247MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、または約1,150,000PSI/lb/in(286MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0276】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約0.0075以上、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0091以上、約0.0092以上、約0.0093以上、約0.0094以上、約0.0095以上、約0.0096以上、約0.0097以上、約0.0098以上、約0.0099以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0277】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、約810,000PSI/lb/in(202MPa/g/cm)以上、約820,000PSI/lb/in(204MPa/g/cm)以上、約830,000PSI/lb/in(207MPa/g/cm)以上、約840,000PSI/lb/in(209MPa/g/cm)以上、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、約1,115,000PSI/lb/in(278MPa/g/cm)以上、または約1,120,000PSI/lb/in(279MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0278】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0279】
これらの実施形態では、最適化された第1の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、上述のように打撃面704またはその一部を薄くすることを可能にする。打撃面704を薄くすることにより、打撃面704のウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド700の他の領域に戦略的に配置される裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。
【0280】
いくつかの実施形態では、本体702の第2の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約730,500PSI/lb/in(182MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。例えば、最適化チタン合金の比強度は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上。または約1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)以上であり得る。
【0281】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0282】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約500,000PSI/lb/in(125MPa/g/cm)以上、約510,000PSI/lb/in(127MPa/g/cm)以上、約520,000PSI/lb/in(130MPa/g/cm)以上、約530,000PSI/lb/in(132MPa/g/cm)以上、約540,000PSI/lb/in(135MPa/g/cm)以上、約550,000PSI/lb/in(137MPa/g/cm)以上、約560,000PSI/lb/in(139MPa/g/cm)以上、約570,000PSI/lb/in(142MPa/g/cm)以上、約580,000PSI/lb/in(144MPa/g/cm)以上、約590,000PSI/lb/in(147MPa/g/cm)以上、約600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上、約625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)以上、約675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)以上、約725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)以上、約775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)以上、約825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)以上、約875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、約925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、約975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上、約1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)以上、約1,075PSI/lb/in(268MPa/g/cm)、または約1,125,000PSI/lb/in(280MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0283】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0062以上、約0.0064以上、約0.0066以上、約0.0068以上、約0.0070以上、約0.0072以上、約0.0076以上、約0.0080以上、約0.0084以上、約0.0088以上、約0.0092以上、約0.0096以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0284】
これらの実施形態では、最適化された第2の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、本体702またはその一部を薄くすることを可能にする。本体702を薄くすると、クラブヘッドのウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド700の他の領域に戦略的に配置する裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。

iii.取り外し可能なウエイト
【0285】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド700は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト782を含む1つまたは複数のウエイト構造780を含むことができる。1つ以上のウエイト構造780および/または1つ以上の取り外し可能なウエイト782は、ソール718およびバックエンド710に向かって配置することができ、それによって裁量のウエイトをソール718およびクラブヘッドのバックエンド710の近くに位置決めすることができ、低く後方のヘッドCG位置が達成される。多くの実施形態では、1つまたは複数のウエイト構造780は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト782を取り外し可能に受け入れる。これらの実施形態では、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト782を、ねじ付きファスナー、接着剤、磁石、スナップフィット、または1つまたは複数の取り外し可能なウエイトを1つまたは複数のウエイト構造に固定可能な他の任意の機構などの任意の適切な方法を使用して1つまたは複数のウエイト構造780に結合することができる。
【0286】
ウエイト構造780および/または取り外し可能なウエイト782は、上面図から見たときに打撃面704に対して整列させることができるクロックグリッド2000(図3に示される)に対して配置することができる。クロックグリッドは、少なくとも12時の放射線、3時の放射線、4時の放射線、5時の放射線、6時の放射線、7時の放射線、8時の放射線、および9時の放射線を含む。例えば、クロックグリッド2000は、打撃面704の幾何学的中心740と位置合わせされた12時の放射線2012を含む。12時の放射線2012は、X’Y’平面に直交する。クロックグリッド2000の中心は、12時の放射線2012に沿ってクラブヘッド700のフロントエンド708とバックエンド710との間の中点に配置することができる。同じまたは他の例では、底面図から見たときに、クロックグリッド中心点2010をゴルフクラブヘッド700の幾何学的中心点に近接して中心に置くことができる。クロックグリッド2000はまた、ヒール720に向かって延びる3時の放射線2003と、クラブヘッド700のトウ722に向かって延びる9時の放射線2009とを含む。
【0287】
ウエイト構造780のウエイト周囲784は、本実施形態ではバックエンド710に向かって配置され、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に少なくとも部分的に境界が定められており、一方で、ウエイト構造780内に配置された取り外し可能なウエイト782は、5時の放射線2005と7時の放射線2007との間に配置されている。本例のような例では、ウエイト周囲784は、4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に完全に囲まれている。この例では、ウエイト周囲784はクラブヘッド700の外部に画定されているが、ウエイト周囲784がクラブヘッド700の内部に延びる、またはクラブヘッド700内に画定され得る他の例があり得る。いくつかの例では、ウエイト構造780の位置は、より広い領域に対して確立することができる。例えば、そのような例では、ウエイト構造780のウエイト周囲784は、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と9時の放射線2009との間に少なくとも部分的に境界を定められたバックエンドに向かって配置されることができ、一方で、ウエイト中心786は、5時の放射線2005と8時の放射線2008との間に位置し得る。
【0288】
この例では、ウエイト構造780は、ソール718の外部輪郭から突き出ており、したがって、ヘッドCG770のより大きな調整を可能にするために少なくとも部分的に外部にある。いくつかの例では、ウエイト構造780は、約2グラム~約50グラムの質量、および/または約1cc~約30ccの容量を含むことができる。他の例では、ウエイト構造780は、本体702の外部輪郭と同一平面上に留まることができる。
【0289】
多くの実施形態では、取り外し可能なウエイト782は、約0.5グラム~約30グラムの質量を含むことができ、ヘッドCG770の位置を調整するために1つまたは複数の他の同様の取り外し可能なウエイトと置き換えることができる。同じまたは他の例では、ウエイト中心786は、取り外し可能なウエイト782の重心、および/または取り外し可能なウエイトの幾何学的中心782のうちの少なくとも1つを含むことができる。

iv.埋め込みウエイト
【0290】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド700は、裁量のウエイトをソール718上、スカート728内、および/またはクラブヘッド700のバックエンド710の近くに配置して低く後方のヘッドCG位置を達成するために、1つまたは複数の埋め込みウエイトを含むことができる。クラブヘッド700の1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド300の1つまたは複数の埋め込みウエイト383と、またはクラブヘッド500の1つまたは複数の埋め込みウエイトと同様または同一であり得る。多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド700にまたはクラブヘッド700内に恒久的に固定されている。これらの実施形態では、埋め込みウエイトは、「埋め込み高密度鋳造」と題された米国仮特許出願第62/372,870号に記載されている高密度金属片(HDMP)と同様であり得る。
【0291】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッドのバックエンド710の近くに配置されている。例えば、埋め込みウエイトのウエイト中心は、クロックグリッド2000の5時の放射線2005と8時の放射線2008の間に位置することができる。多くの実施形態において、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、スカート728上でクラブヘッド700のバックエンド710付近、ソール718上でクラブヘッド700のバックエンド710付近、またはスカート728上およびソール718上でクラブヘッド700のバックエンド710付近に配置することができる。
【0292】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトのウエイト中心は、上面図から見たとき、クラブヘッド700の周囲の0.10インチ以内、0.20インチ以内、0.30インチ以内、0.40インチ以内、0.50インチ以内、0.60インチ以内、0.70インチ以内、0.80インチ以内、0.90インチ以内、1.0インチ以内、1.1インチ以内、1.2インチ以内、1.3インチ以内、1.4インチ以内、または1.5インチ以内に配置される。これらの実施形態では、埋め込みウエイトがクラブヘッド700の周囲に近接していることにより、低く後方のヘッドCG位置、クラウン-ソール慣性モーメントIxx、および/またはヒール-トウ慣性モーメントIyyを最大化することができる。
【0293】
多くの実施形態では、1つ以上の埋め込みウエイトのウエイト中心は、ヘッドCG770から1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、1.8インチよりも大きい、1.9インチよりも大きい、2.0インチよりも大きい、2.1インチよりも大きい、2.2インチよりも大きい、2.3インチよりも大きい、2.4インチよりも大きい、2.5インチよりも大きい、2.6インチよりも大きい、2.7インチよりも大きい、2.8インチよりも大きい、2.9インチよりも大きい、または3.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0294】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトのウエイト中心は、打撃面704の幾何学的中心740から4.0インチよりも大きい、4.1インチよりも大きい、4.2インチよりも大きい、4.3インチよりも大きい、4.4インチよりも大きい、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0295】
多くの実施形態で、1つ以上の埋め込みウエイトは、3.0~90グラムの質量を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、3.0~25グラム、10~40グラム、20~50グラム、30~60グラム、40~70グラム、50~80グラム、または60~90グラムの質量を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイトが2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる質量を含むことができる。
【0296】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、10.0から22.0の間の比重を有する材料を含むことができる。例えば、多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、10.0より大きい、11.0より大きい、12.0より大きい、13.0より大きい、14.0より大きい、15.0より大きい、16.0より大きい、16.0より大きい、17.0より大きい、18.0より大きい、または19.0より大きい比重を有する材料を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイトが2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる材料を含むことができる。

v.急なクラウン角度
【0297】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、ヘッドCGの低く後方の位置を達成するために急なクラウン角度788をさらに含むことができる。急なクラウン角度788は、クラウン716のバックエンドをソール718または地面に向かって位置決めし、それによってクラブヘッドCG位置を下げる。
【0298】
クラウン角度788は、クラウン軸1090と前面1020との間の鋭角として測定される。これらの実施形態では、クラウン軸1090は、接地面1030および前面1020に垂直に配置された平面に沿って見たクラブヘッド700の断面内に位置している。クラウン軸1090は、上部遷移境界および後部遷移境界を参照してさらに説明することができる。
【0299】
クラブヘッド700は、フロントエンド708とクラウン716との間にヒール720の近くからトウ722の近くまで延びる上部遷移境界を含む。上部遷移境界は、クラブヘッド700がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときのクラウン遷移プロファイル790を含む。側断面図は、ヒール720の近くからトウ722の近くまでのクラブヘッド700の任意の点において取ることができる。クラウン遷移プロファイル790は、クラブヘッド700のフロントエンド708からクラウン遷移点794まで延びるフロント曲率半径792を画定しており、ここで、クラブヘッド700のフロントエンド708は輪郭が打撃面704の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点794はフロント曲率半径792からクラウン716の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、フロント曲率半径792は、クラウン716付近の打撃面周囲742の上端793からクラウン遷移点794まで延びる単一の曲率半径を含み、クラウン716付近の打撃面周囲742の上端793は輪郭が打撃面704の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点794はフロント曲率半径792からクラウン716の1つ以上の曲率への曲率の変化を示す。
【0300】
クラブヘッド700はさらに、クラウン716とスカート728との間にヒール720の近くからトウ722の近くまで延びる後部遷移境界を含む。後部遷移境界は、クラブヘッド700がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときの後部遷移プロファイル796を含む。断面図は、ヒール720の近くからトウ722の近くまでのクラブヘッド700の任意の点において取ることができる。後部遷移プロファイル796は、後部遷移境界に沿ってクラブヘッド700のクラウン716からスカート728まで延びるバック曲率半径798を画定する。多くの実施形態では、バック曲率半径798は、クラブヘッド700のスカート728に遷移させる単一の曲率半径を含む。第1の後部遷移点802は、クラウン716と後部遷移境界との間の接続部に位置している。第2の後部遷移点803は、クラブヘッド700の後部遷移境界とスカート728との間の接続部に位置している。
【0301】
上部遷移境界のフロント曲率半径792は一定のままでもよいし、またはクラブヘッド700のヒール520付近からトウ522付近まで変化してもよい。同様に、後部遷移境界のバック曲率半径798は、一定のままでもよいし、クラブヘッド700のヒール720の近くからトウ722の近くまで変化してもよい。
【0302】
クラウン軸1090は、クラブヘッド700のフロントエンド708付近のクラウン遷移点794とクラブヘッド700のバックエンド710付近の後部遷移点802との間に延びる。クラウン角度788は一定のままでもよいし、クラブヘッド700のヒール720の近くからトウ722の近くまで変化してもよい。例えば、クラウン角度788は、側断面図がヒール720およびトウ722に対して異なる位置で取られるときに変化し得る。
【0303】
多くの実施形態では、トウ722の近くからヒール720の近くまでの任意の位置で取られる最大クラウン角度788は、79度未満、約95度未満、約93度未満、約91度未満、約89度未満、約87度未満、約85度未満、約83度未満、約81度未満、約79度未満、約77度未満、または約75度未満である。例えば、いくつかの実施形態では、最大クラウン角は、65~95度、65~90度、または65~85度の間である。
【0304】
多くの実施形態において、現在のクラブヘッドと比較してクラウン角度788を減少させることは、より急なクラウンまたはクラブヘッド700がアドレス位置にあるときに接地平面1030により近い位置に配置されたクラウンを生成する。したがって、クラウン角度788の減少は、より高いクラウン角度を有するクラブヘッドと比較して、より低いヘッドCG位置をもたらし得る。

vi.ホーゼルスリーブウエイト
【0305】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ774および/またはヘッドCG深さ772は、ホーゼルスリーブ734の質量を減らすことによって達成することができる。ホーゼルスリーブ734から余分なウエイトを取り除くと、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するために、増加した裁量のウエイトを戦略的にクラブヘッド700の領域に再配置することができる。
【0306】
ホーゼルスリーブ734の質量を減らすことは、スリーブ壁を薄くすること、ホーゼルスリーブ734の高さを減らすこと、ホーゼルスリーブ734の直径を減らすこと、および/またはホーゼルスリーブ734の壁に空隙を導入することによって達成できる。多くの実施形態において、ホーゼルスリーブ734の質量は、6グラム未満、5.5グラム未満、5.0グラム未満、4.5グラム未満、または4.0グラム未満であり得る。多くの実施形態では、質量が減少したホーゼルスリーブを有するクラブヘッド700は、より重いホーゼルスリーブを有する同様のクラブヘッドよりも低く(ソールに近い)そしてより後方に(バックエンドに近い)クラブヘッドCG位置をもたらす。

B.空気抵抗
【0307】
多くの実施形態では、クラブヘッド700は、低減された空力抵抗とともに、クラブヘッドの低く後方のCG位置と、クラブヘッドの慣性モーメントの増加と、の組み合わせを含む。
【0308】
多くの実施形態では、クラブヘッド700は、スクエア面および時速98マイル(mph)の風速の風洞で試験したときに、約1.25lbf未満、1.0lbf未満、0.95lbf未満、0.90lbf未満、0.85lbf未満、0.83lbf未満、または0.80lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらまたは他の実施形態では、クラブヘッド700は、スクエア面および時速98マイル(mph)の風速の計算流体力学による計算において、約1.25lbf未満、1.0lbf未満、0.95lbf未満、0.90lbf未満、0.85lbf未満、0.83lbf未満、または0.80lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらの実施形態では、スクエア面を有するクラブヘッド700が経験する空気流は、X’Y’平面に垂直な方向に打撃面704に向けられる。以下に記載されるように、空気抵抗力が低減されたクラブヘッド700は、様々な手段を用いて達成することができる。

i.クラウン角度高さ
【0309】
いくつかの実施形態では、クラウン角788を小さくしてより急なクラウンおよびより低いヘッドCG位置を形成すると、スイング中のクラウン上での空気流の分離が増大するため、空力抵抗の望ましくない増大があり得る。クラウン角788の減少に伴う抗力の増大を防ぐために、最大クラウン高さ804を増大させることができる。最大クラウン高さ804は、Y’Z’平面に平行な平面に沿ったクラブヘッド700の任意の側断面図で見たクラウン716の表面とクラウン軸1090との間の最大距離である。多くの実施形態において、より大きな最大クラウン高さ804は、より大きな曲率を有するクラウン716をもたらす。クラウン716の曲率が大きいほど、スイング中の空気流の分離の位置がクラブヘッド700の後方にさらに移動する。言い換えれば、より大きな曲率は、スイング中にクラウン716に沿ってより長い距離にわたって空気流がクラブヘッド700に接触したままでいることを可能にする。クラウン716上で気流分離点を後方に移動させると、空力抵抗が減少し、クラブヘッドのスイング速度が増加し、それによってボールの速度と距離が増加する可能性がある。
【0310】
多くの実施形態では、最大クラウン高さ804は、約0.10インチ(2.5mm)よりも大きい、約0.20インチ(5mm)よりも大きい、約0.30インチ(7.5mm)よりも大きい、または約0.40インチ(10mm)よりも大きくすることができる。さらに、他の実施形態では、最大クラウン高さ804は、0.10インチ(2.5mm)~0.40インチ(10mm)、0.10インチ(2.5mm)~0.60インチ(15mm)、または0.20インチ(5mm)~0.60インチ(15mm)の範囲内であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、最大クラウン高さ804は、約0.20インチ(5mm)、約0.24インチ(6mm)、約0.28インチ(7mm)、約0.31インチ(8mm)、または約0.35インチ(9mm)であり得る。

ii.遷移プロファイル
【0311】
多くの実施形態では、打撃面704からクラウン716、打撃面704からソール718、および/またはクラブヘッド700のバックエンド710に沿ったクラウン716からソール718の遷移プロファイルは、スイング中のクラブヘッド700上の空気抵抗に影響を与える。
【0312】
いくつかの実施形態では、クラウン遷移プロファイル790を画定する上部遷移境界と、後部遷移プロファイル796を画定する後部遷移境界とを有するクラブヘッド700は、ソール遷移プロファイル810を画定するソール遷移境界をさらに含む。ソール遷移境界は、フロントエンド708とソール718との間でヒール720の近くからトウ722の近くまで延びる。ソール遷移境界は、Y’Z’平面に平行な平面に沿って見た側断面図から見たときのソール遷移プロファイル810を含む。側面断面図は、ヒール720の近くからトウ722の近くまでのクラブヘッド700の任意の点において取ることができる。ソール遷移プロファイル810は、クラブヘッド700のフロントエンド708からソール遷移点814まで延びるソール曲率半径812を画定しており、ここで、クラブヘッド700のフロントエンド708は輪郭が打撃面704の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点814はソールの曲率半径812からソール718の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、ソール曲率半径812は、ソール718付近の打撃面周囲742の底端813からソール遷移点814まで伸びる単一の曲率半径を含み、ソール718付近の打撃面周囲742の底端813は輪郭が起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点814はソールの曲率半径812からソール814の曲率への曲率の変化を示す。
【0313】
多くの実施形態では、クラウン遷移プロファイル790、ソール遷移プロファイル810、および後部遷移プロファイル796は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されているクラウン遷移プロファイル、ソール遷移プロファイル、および後部遷移プロファイルと同様であり得る。さらに、フロント曲率半径792、ソール曲率半径812、およびバック曲率半径798は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されている第1のクラウン側曲率半径、第1のソール側曲率半径、およびバック曲率半径と同様にすることができる。
【0314】
いくつかの実施形態では、フロント曲率半径792は、約0.10から0.50インチ(0.25~1.27cm)の範囲であり得る。さらに、他の実施形態では、フロント曲率半径792は、0.40インチ(1.02cm)未満、0.375インチ(0.95cm)未満、0.35インチ(0.89cm)未満、0.325インチ(0.83cm)未満、または0.30インチ(0.76cm)未満であり得る。例えば、フロント曲率半径792は、約0.18インチ(0.46cm)、0.20インチ(0.51cm)、0.22インチ(0.66cm)、0.24インチ(0.61cm)、0.26インチ(0.66cm)、0.28インチ(0.71cm)、または0.30インチ(0.76cm)であり得る。
【0315】
いくつかの実施形態において、ソール曲率半径812は、約0.05から0.25インチ(0.13から0.64cm)の範囲であり得る。例えば、ソール曲率半径812は、約0.3インチ(0.76cm)未満、約0.275インチ(0.70cm)未満、約0.25インチ(0.64cm)未満、約0.2インチ(0.51cm)未満、約0.15インチ(0.38cm)未満、または約0.1インチ(0.25cm)未満であり得る。さらなる例では、ソール曲率半径812は、約0.10インチ(0.25cm)、0.15インチ(0.38cm)、0.20インチ(0.51cm)、または0.25インチ(0.64cm)であり得る。
【0316】
いくつかの実施形態において、バック曲率半径798は、約0.10~0.25インチ(0.25~0.64cm)の範囲であり得る。例えば、バック曲率半径798は、約0.3インチ(0.76cm)未満、約0.275インチ(0.70cm)未満、約0.25インチ(0.64cm)未満、約0.225インチ(0.57cm)未満または約0.20インチ(0.51cm)未満であり得る。さらなる例では、バック曲率半径798は、約0.10インチ(0.25cm)、0.15インチ(0.38cm)、0.20インチ(0.51cm)、または0.25インチ(0.64cm)であり得る。

iii.タービュレータ
【0317】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド700はさらに、「タービュレータ付きゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブヘッドを製造する方法」という名称のその内容が本願に完全に組み込まれている米国特許出願第13/536,753号、2013年12月17日に付与された現在米国特許第8,608,587号に記載されているように、複数のタービュレータ814を含むことができる。多くの実施形態では、複数のタービュレータ814は、空気流を乱し、それによって境界層内に小さな渦または乱流を生じさせて、境界層にエネルギーを与え、スイング中にクラウン上での気流の分離を遅らせる。
【0318】
いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ614は、クラブヘッド700のクラウン遷移点994に隣接することができる。複数のタービュレータ814は、クラウン716の外面から突出し、クラブヘッド700のフロントエンド708とバックエンド710との間に延びる長さ、およびクラブヘッド700のヒール720からトウ722まで延びる幅を含む。多くの実施形態では、複数のタービュレータ814の長さは幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ814は同じ幅を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数のタービュレータ814は、高さプロファイルが変化することができる。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ814は、クラウン716の前面と比較してクラウン716の頂点に向かって高くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ814は、クラウン716の前方に向かって高く、クラウン716の頂点に向かって高さが低くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ814は一定の高さプロファイルを含むことができる。さらに、多くの実施形態では、少なくとも1つのタービュレータの少なくとも一部が打撃面とクラウン716の頂点との間に配置され、隣接するタービュレータ間の間隔は、隣接するタービュレータのそれぞれの幅よりも大きい。

iv.バックキャビティ
【0319】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド700は、クラブヘッド700のバックエンド710および後縁部728に位置するキャビティ820をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、キャビティ820はクラブヘッド300上のキャビティ420またはクラブヘッド500のキャビティ620と同等であり得る。さらに、キャビティは、「ゴルフクラブヘッドと空気力学的特徴および関連する方法」という名称の米国特許出願第14/882,092号に記載されているキャビティと同様である。多くの実施形態では、キャビティ820は、ゴルフクラブヘッド700の後方で発生した渦をより小さな渦に砕き、乱気流のサイズを小さくし、および/または抗力を小さくすることができる。いくつかの実施形態では、渦をより小さな渦に分割することにより、ゴルフクラブヘッド700の後方に高圧の領域を生成することができる。いくつかの実施形態では、この高圧領域はゴルフクラブヘッド700を前方に押し出し、抗力を低減し、および/またはゴルフクラブヘッド700の空力設計を向上させることができる。多くの実施形態では、より小さな渦と抗力の減少の正味の効果は、ゴルフクラブヘッド700の速度の増加である。この効果は、ゴルフボールがインパクト後に打球面704を離れる速度が速くなり、ボールの飛行距離が増大する可能性がある。
【0320】
多くの実施形態では、キャビティ820は、X’Z’平面に垂直な方向に配向された後壁822を含むことができ、さらに、ヒール720からトウ722への方向に測定された幅、深さ824、および高さ826を含むことができる。キャビティ820の幅は、約1.0インチ(約2.54センチメートル)~約8インチ(約20.32cm)、約1.0インチ(約2.54cm)~約2.25インチ(約5.72cm)、または約1.75インチ(約4.5cm)~約2.25インチ(約5.72cm)であり得る。例えば、キャビティ420の幅は、約2.0インチ(5.08cm)、3.0インチ(7.62cm)、4.0インチ(10.16cm)、5.0インチ(12.7cm)、6.0インチ(15.24cm)、または7.0インチ(17.78cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ820の幅は、キャビティ820の頂部付近(クラブヘッド700のクラウン716に向かって)からキャビティ820の底部付近(クラブヘッド700のソール718に向かって)まで一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ820の幅は頂部付近から底部付近まで変化することができる。図8に示される実施形態では、キャビティ820の幅は頂部近くで最大で底部近くで最も小さくあり得る。他の実施形態では、キャビティ820の幅は任意の輪郭に従って変化し得る。例えば、他の実施形態では、キャビティ820の幅は、頂部、底部、中心部、またはキャビティの頂部から底部まで延びる他の任意の位置で最も長くすることができる。
【0321】
キャビティ820の深さ824は、約0.025インチ(約0.127cm)~約0.250インチ(約0.635cm)、または約0.025インチ(約0.127cm)~約0.150インチ(約0.381cm)とすることができる。例えば、キャビティ820の深さ824は、約0.1インチ(約0.254cm)、または約0.05インチ(約0.127cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ820の深さは、ヒールとトウの間および/またはキャビティ820の頂部と底部の間で一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ820の深さは、ヒールとトウとの間および/またはキャビティ820の頂部と底部との間で変化することができる。例えば、キャビティ820の深さは、ヒール付近、トウ付近、クラウン付近、ソール付近、中心付近で、または記載された位置の任意の組み合わせで最大とすることができる。
【0322】
キャビティ820の高さ826は、クラウン716からソール718への方向に沿って測定することができる。キャビティ820の高さ826は、約0.19インチ(約0.48cm)~約0.21インチ(約0.53cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ820の高さ826は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.50インチ(約1.27cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ820の高さ826は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.40インチ(約1.02cm)であり得る。いくつかの実施形態において、キャビティ820の高さ826は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.30インチ(約0.76cm)であり得る。いくつかの実施形態において、キャビティ820の高さ826は、約0.10インチ(約0.25cm)~約0.20インチ(約0.51cm)であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ820の高さ826は、キャビティ820のヒールとトウとの間で一定のままであり得る。他の実施形態では、キャビティ820の高さ826は、キャビティ820のヒールとトウとの間で変化することができる。例えば、キャビティ820の高さ826は、ヒール付近、トウ付近、中心付近で、または記載された位置の任意の組み合わせで最大であり得る。

v.ホーゼル構造
【0323】
いくつかの実施形態において、ホーゼル構造730は、より大きい直径のホーゼル構造を有する同様のクラブヘッドと比較して、スイング中にクラブヘッド700にかかる空気抵抗を低減するために、より小さい外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造730は、0.545インチ未満の外径を有する。例えば、ホーゼル構造730は、0.60インチ未満、0.59インチ未満、0.58インチ未満、0.57インチ未満、0.56インチ未満、0.55インチ未満、0.54インチ未満、0.53インチ未満、0.52未満、0.51インチ未満、または0.50インチ未満の外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造730の外径は、クラブヘッド700のロフト角および/またはライ角の調節可能性を維持しながら減少する。

C.CG位置、慣性モーメント、および空気抵抗のバランス
【0324】
現在のゴルフクラブヘッド設計では、クラブヘッドの慣性モーメントを増加または最大化することは、空気抵抗などのクラブヘッドの他の性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載のクラブヘッド700は、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、クラブヘッドの慣性モーメントを増大または最大化する。したがって、インパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を改善したクラブヘッド700はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)のバランスし、または改善する。
【0325】
以下に説明するクラブヘッド700の例では、クラブヘッドの空気抵抗は、時速102マイル(mph)の空気速度で空気流内においてスクエアに向いたクラブヘッドのフロントエンドに対して計算流体力学シミュレーションを使用して測定される。他の実施形態では、空力抵抗は、風洞試験を用いるなどの他の方法を用いて測定することができる。
【0326】
多くの既知のゴルフクラブヘッドにおいて、クラブヘッドの慣性モーメントを増大させるかまたは最大にすることは空気抵抗に悪影響を及ぼす。図23A~Cは、クラブヘッド700と同様の容量および/またはロフト角を有する多くの既知のクラブヘッドについて、クラブヘッドの慣性モーメントが増大するにつれて(クラブヘッドの許容度を増大させるため)、スイング中の抗力が増加することを示す(それによってスイングスピードとボールの飛行距離が減少する)。
【0327】
例えば、図23Aに示すように、多くの既知のクラブヘッドでは、x軸周りの慣性モーメントが増加するにつれて、抗力が増加する。さらなる例として、図23Bを参照すると、多くの既知のクラブヘッドについて、y軸周りの慣性モーメントが増加するにつれて、抗力が増加する。さらなる例として、多くの既知のクラブヘッドについて、図23Cを参照すると、合成慣性モーメント(すなわち、x軸周りの慣性モーメントとy軸周りの慣性モーメントとの合計)が増加するにつれて、抗力が増加する。
【0328】
本明細書に記載のクラブヘッド700は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のクラブヘッドと比較して、同時に空力抵抗を維持または低減しながら、クラブヘッドの慣性モーメントを増大または最大化する。したがって、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を有するクラブヘッド700はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)をバランスまたは改善する。
【0329】
多くの実施形態において、図24に示すように、クラブヘッド700は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のゴルフクラブヘッドと比較して、クラブヘッドの抗力(F)を維持または低減しながら、クラブヘッドの合成慣性モーメント(Ixx+Iyy)が増大するように、以下の関係のうちの1つまたは複数を満たす。
【数9】
【数10】
【0330】
例えば、多くの実施形態では、クラブヘッド700は関係9を満たす。他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係9を満たすことができ、4900g・cmよりも大きい、5000g・cmよりも大きい、5100g・cmよりも大きい、5200g・cmよりも大きい、5300g・cmよりも大きい、5400g・cmよりも大きい、5500g・cmよりも大きい、5600g・cmよりも大きい、5700g・cmよりも大きい、5800g・cmよりも大きい、5900g・cmよりも大きい、または6000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。さらに他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係9を満たすことができ、1.25lbf未満、1.0lbf未満、0.95lbf未満、0.90lbf未満、0.850lbf未満、0.83lbf未満、または0.80lbf未満の抗力を有することができる。
【0331】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド700は、関係10を満たす。他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係10を満たすことができ、4900g・cmよりも大きい、5000g・cmよりも大きい、5100g・cmよりも大きい、5200g・cmよりも大きい、5300g・cmよりも大きい、5400g・cmよりも大きい、5500g・cmよりも大きい、5600g・cmよりも大きい、5700g・cmよりも大きい、5800g・cmよりも大きい、5900g・cmよりも大きい、または6000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。さらに他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係10を満たすことができ、1.25lbf未満、1.0lbf未満、0.95lbf未満、0.90lbf未満、0.850lbf未満、0.83lbf未満、または0.80lbf未満の抗力を有することができる。

i.CG位置と空力抵抗
【0332】
多くの既知のゴルフクラブヘッドでは、ゴルフボールの打ち出し角度を増大させるためおよび/またはクラブヘッドの慣性を増大させるためにCG位置をさらに後方にシフトすることは、空気抵抗などのクラブヘッドの他の性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。図25は、クラブヘッド700と同様の容量および/またはロフト角を有する多くの既知のクラブヘッドにおいて、クラブヘッドCGの深さが増加するにつれて(クラブヘッドの許容度および/または打ち出し角度を増加させるために)、スイング中の抗力が増加することを示す(それによってスイング速度およびボールの飛行距離が減少する)。例えば、図25に示すように、多くの既知のクラブヘッドでは、ヘッドCGの深さが増加するにつれて、クラブヘッドに対する抗力が増加する。
【0333】
本明細書に記載のクラブヘッド700は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のクラブヘッドと比較して、同時に空気抵抗を維持または減少させながら、クラブヘッドのCG深さを増大または最大化する。したがって、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を有するクラブヘッド700はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)をバランスまたは改善する。
【0334】
多くの実施形態において、図26に示すように、クラブヘッド700は、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のゴルフクラブヘッドと比較して、クラブヘッドに対する抗力(F)を維持または低減しながら、ヘッドCG深さ(CG)が増大するように、以下の関係の1つまたは複数を満たす。
【数11】
【数12】
【0335】
例えば、多くの実施形態では、クラブヘッド700は、関係11を満たす。他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係11を満たすことができ、1.1インチよりも大きい、1.2インチよりも大きい、1.3インチよりも大きい、1.4インチよりも大きい、1.5インチよりも大きい、1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、または1.8インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。さらに、他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係11を満たすことができ、1.25lbf未満、1.0lbf未満、0.95lbf未満、0.90lbf未満、0.85lbf未満、0.83lbf未満、または0.80lbf未満の抗力を有することができる。
【0336】
さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド700は、関係12を満たす。他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係7を満たすことができ、1.1インチよりも大きい、1.2インチよりも大きい、1.3インチよりも大きい、1.4インチよりも大きい、1.5インチよりも大きい、1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、または1.8インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。さらに、他の実施形態では、クラブヘッド700は、関係12を満たすことができ、1.25lbf未満、1.0lbf未満、0.95lbf未満、0.90lbf未満、0.85lbf未満、0.83lbf未満、または0.80lbf未満の抗力を有することができる。さらなる例では、多くの実施形態では、クラブヘッド300,500は、関係7を満たし、1.16lbf未満の抗力を有する。

ii.慣性モーメントおよびCG深さ
【0337】
図27に示すように、多くの既知のゴルフクラブヘッドでは、合成慣性モーメントおよび/またはヘッドCG深さが制限されている。例えば、クラブヘッド700と同様の容量および/またはロフト角を有する多くの既知のゴルフクラブヘッドは、1.2インチ未満のヘッドCG深さおよび5000g・cm未満の合成慣性モーメントを有する。本明細書に記載のクラブヘッド700は、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、同様の容量および/またはロフト角を有する既知のクラブヘッドよりも大きなヘッドCG深さおよび大きな合成慣性モーメントを有する。したがって、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を有するクラブヘッド300、500はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)をバランスまたは改善する。
【0338】
例えば、多くの実施形態では、クラブヘッド700は、1.22インチよりも大きいヘッドCG深さおよび5000g・cmよりも大きい合成慣性モーメントを有する。他の実施形態では、クラブヘッド300、500は、1.1インチよりも大きい、1.2インチよりも大きい、1.3インチよりも大きい、1.4インチよりも大きい、1.5インチよりも大きい、1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、または1.8インチよりも大きい、ヘッドCG深さを有することができる。さらに、他の実施形態では、クラブヘッド700は、5000g・cmよりも大きい、5100g・cmよりも大きい、5200g・cmよりも大きい、5300g・cmよりも大きい、5400g・cmよりも大きい、5500g・cmよりも大きい、5600g・cmよりも大きい、5700g・cmよりも大きい、5800g・cmよりも大きい、5900g・cmよりも大きい、または6000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメントを有することができる。

IV.ハイブリッドタイプクラブヘッド
【0339】
別の実施形態によれば、ゴルフクラブヘッド900はハイブリッドタイプのクラブヘッドを含むことができる。多くの実施形態において、クラブヘッド900は、クラブヘッド100と同じまたは類似のパラメータを含み、パラメータは、クラブヘッド100の参照番号に800を加えた番号で記載されている。
【0340】
多くの実施形態では、クラブヘッド900のロフト角は、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満である。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド900のロフト角は、約16度よりも大きく、約17度よりも大きく、約18度よりも大きく、約19度よりも大きく、約20度よりも大きく、約21度よりも大きく、約22度よりも大きく、約23度よりも大きく、約24度よりも大きく、または約25度よりも大きい。
【0341】
多くの実施形態において、クラブヘッド900の容量は、約200cc未満、約175cc未満、約150cc未満、約125cc未満、約100cc未満、または約75cc未満である。いくつかの実施形態において、クラブヘッドの容量は、約100cc~150cc、約75cc~150cc、約100cc~125cc、約75cc~100cc、または約75cc~125ccであり得る。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド900は、本明細書に記載されているロフト角および容量を有する任意のタイプのゴルフクラブヘッドを含むことができる。
【0342】
多くの実施形態では、クラブヘッド900の長さ962は、3.5インチから4.5インチの間、3.75インチから4.75インチの間、または3.5インチから4.75インチの間である。他の実施形態では、クラブヘッド900の長さ962は、4.5インチ未満、4.4インチ未満、4.3インチ未満、4.2インチ未満、4.1インチ未満、または4.0インチ未満である。
【0343】
多くの実施形態では、クラブヘッド900の深さ960は、クラブヘッド900の長さ962よりも少なくとも0.70インチ小さい。多くの実施形態では、クラブヘッド900の深さ960は、2.0インチから3.0インチの間、2.0インチから2.75インチの間、または2.0インチから2.5インチの間である。他の実施形態では、クラブヘッド900の深さ960は、3.0インチ未満、2.9インチ未満、2.8インチ未満、2.7インチ未満、2.6インチ未満、2.5インチ未満、2.4インチ未満、2.3インチ未満、2.2インチ未満、2.1インチ未満、または2.0インチ未満である。
【0344】
多くの実施形態では、クラブヘッド900の高さ964は、約1.75インチ未満である。他の実施形態では、クラブヘッド900の高さ964は、2.0インチ未満、1.9インチ未満、1.8インチ未満、1.7インチ未満、1.6インチ未満、または1.5インチ未満である。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド900の高さは、1.5~1.75インチ、1.0~1.75インチ、1.5~2.0インチ、または1.25~1.75インチであり得る。
【0345】
クラブヘッド900はさらに、ヘッドCG位置、クラブヘッド慣性モーメント、および空力抵抗などの様々な追加パラメータのバランスを含み、改善されたインパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、速度、許容度)および改善されたスイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力)の両方を提供する。多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、スイング性能特性を維持または改善しながら改善されたインパクト性能を提供する。さらに、多くの実施形態において、以下に記載されるパラメータのバランスは、インパクト性能特性を維持または改善しながら、改善されたスイング性能特性を提供する。

A.重心位置と慣性モーメント
【0346】
多くの実施形態では、ヘッドCGからの距離が最大となるクラブヘッドの領域において、裁量のウエイトを増加させ、裁量のウエイトを再配置することによって、低く後方のクラブヘッドCGおよび高い慣性モーメントを達成することができる。ヘッドCG位置に関して上述したように、クラウンを薄くすること、および/または最適化された材料を使用することによって、増加した裁量のウエイトを達成することができる。ヘッドCGからの距離を最大にするための裁量のウエイトの再配置は、ヘッドCGの位置に関して上述したように、取り外し可能なウエイト、埋め込みウエイト、または急なクラウン角度を使用して達成することができる。
【0347】
多くの実施形態では、クラブヘッド900は、約3000g・cmよりも大きい、約3250g・cmよりも大きい、約3500g・cmよりも大きい、約3750g・cmよりも大きい、約4000g・cmよりも大きい、約4250g・cmよりも大きい、約4500g・cmよりも大きい、約4750g・cmよりも大きい、約5000g・cmよりも大きい、約5250g・cmよりも大きい、約5500g・cmよりも大きい、約5750g・cmよりも大きい、約6000g・cmよりも大きい、約6250g・cmよりも大きい、約6500g・cmよりも大きい、約6750g・cmよりも大きい、または約7000g・cmよりも大きい、クラウン-ソール慣性モーメントIxxを含む。
【0348】
多くの実施形態において、クラブヘッド900は、約5000g・cmよりも大きい、約5250g・cmよりも大きい、約5500g・cmよりも大きい、約5750g・cmよりも大きい、約6000g・cmよりも大きい、約6250g・cmよりも大きい、約6500g・cmよりも大きい、約6750g・cmよりも大きい、または約7000g・cmよりも大きい、ヒール-トウ慣性モーメントIyyを含む。
【0349】
多くの実施形態では、クラブヘッド900は、8000g・cmよりも大きい、8500g・cmよりも大きい、8750g・cmよりも大きい、9000g・cmよりも大きい、9250g・cmよりも大きい、9500g・cmよりも大きい、9750g・cmよりも大きい、10000g・cmよりも大きい、10250g・cmよりも大きい、10500g・cmよりも大きい、10750g・cmよりも大きい、11000g・cmよりも大きい、11250g・cmよりも大きい、1100g・cmよりも大きい、11750g・cmよりも大きい、または12000g・cmよりも大きい、合成慣性モーメント(すなわち、クラウン-ソール慣性モーメントIxxとヒール-トウ慣性モーメントlyyの合計)を含む。
【0350】
多くの実施形態において、クラブヘッド900は、約0.20インチ未満、約0.15インチ未満、約0.10インチ未満、約0.09インチ未満、約0.08インチ未満、約0.07インチ未満、約0.06インチ未満、または約0.05インチ未満のヘッドCG高さ974を有する。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド900は、約0.20インチ未満、約0.15インチ未満、約0.10インチ未満、約0.09インチ未満、約0.08インチ未満、約0.07インチ未満、約0.06インチ未満、または約0.05インチ未満の絶対値を有するヘッドCG高さ974を含む。
【0351】
さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド900は、約0.75インチよりも大きい、約0.80インチよりも大きい、約0.85インチよりも大きい、約0.90インチよりも大きい、約0.95インチよりも大きい、または約0.10インチよりも大きいヘッドCG深さ972を含む。
【0352】
減少したヘッドCG高さ974を有するクラブヘッド900は、より高いヘッドCG高さを有する同様のクラブヘッドと比較して、インパクト時のゴルフボールのバックスピンを減少させることができる。多くの実施形態では、バックスピンを減少させると、クラブヘッドの性能を向上させるために、ボール速度と飛行距離の両方を増加させることができる。さらに、ヘッドCG深さ972を増大させたクラブヘッド900は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、ヒール-トウ慣性モーメントを増大させることができる。ヒール-トウ慣性モーメントを大きくすると、クラブヘッドの性能を向上させるためのインパクト時のクラブヘッドの許容度を高めることができる。さらにまた、ヘッドCG深さ973が増大したクラブヘッド900は、打球面により近いヘッドCGの深さを有する同様のクラブヘッドと比較して、打球時のクラブヘッドの動的ロフトを増大させることによって、インパクト時のゴルフボールの打ち出し角度を増大させることができる。
【0353】
ヘッドCG高さ974および/またはヘッドCG深さ972は、様々な領域でクラブヘッドの重量を減らし、それによって裁量のウエイトを増やし、ヘッドCGをより低くより後方にシフトするためにクラブヘッド900の戦略的な領域で裁量のウエイトを変えることによって達成できる。クラブヘッドの重量を減少させて再配置するための様々な手段が以下に説明される。

i.薄い領域
【0354】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ974および/またはヘッドCG深さ972は、クラブヘッドの様々な領域を薄くして余分なウエイトを取り除くことによって達成することができる。余分なウエイトを除去すると、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するためにクラブヘッド900の領域に戦略的に再配置することができる増加した裁量のウエイトがもたらされる。
【0355】
多くの実施形態では、クラブヘッド900は1つまたは複数の薄い領域を有することができる。1つまたは複数の薄い領域は、クラブヘッド300の1つまたは複数の薄い領域376と、またはクラブヘッド500,700の1つまたは複数の薄い領域と類似または同一であり得る。1つまたは複数の薄い領域は、打撃面904、本体902、または打撃面904と本体902の組み合わせ上に配置することができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域は、クラウン916、ソール918、ヒール920、トウ922、フロントエンド908、バックエンド910、スカート928または記載された位置の任意の組み合わせを含む本体902の任意の領域に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の薄い領域をクラウン916上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域は、打撃面904とクラウン916の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、1つまたは複数の薄い領域は、打撃面904、クラウン916、およびソール918の組み合わせ上に配置することができる。さらなる例では、本体902全体および/または打撃面904全体が薄い領域を含むことができる。
【0356】
1つまたは複数の薄い領域が打撃面904上に配置される実施形態では、打撃面904の厚さは、最大打撃面厚さおよび最小打撃面厚さを変化し得る。これらの実施形態では、最小打撃面厚さは、0.10インチ未満、0.09インチ未満、0.08インチ未満、0.07インチ未満、0.06インチ未満、0.05インチ未満、0.04インチ未満、0.03インチ未満、または0.02インチ未満であり得る。これらまたは他の実施形態では、最大打撃面厚さは、0.20インチ未満、0.19インチ未満、0.18インチ未満、0.17インチ未満、0.16インチ未満、0.15インチ未満、0.14インチ未満、0.13インチ未満0.12インチ未満、0.11インチ未満、または0.10インチ未満であり得る。
【0357】
1つまたは複数の薄い領域が本体902上に配置されている実施形態では、薄い領域は約0.022インチ未満の厚さを含むことができる。他の実施形態では、薄い領域は、0.025インチ未満、0.020インチ未満、0.019インチ未満、0.018インチ未満、0.017インチ未満、0.016インチ未満、0.015インチ未満、0.014インチ未満、0.013インチ未満、0.012インチ未満、または0.010インチ未満の厚さを含む。例えば、薄い領域は、約0.010~0.025インチ、約0.013~0.022インチ、約0.014~0.020インチ、約0.015~0.020インチ、約0.016~0.020インチ、約0.017~0.020インチ、または約0.018-0.020インチの厚さを含むことができる。
【0358】
図示の実施形態では、薄い領域は形状および位置が異なり、クラブヘッド900の表面積の約25%を覆っている。他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド900の表面積の約20~30%、約15~35%、約15~25%、約10~25%、約15~30%、または約20~50%を覆うことができる。さらに、他の実施形態では、薄い領域は、クラブヘッド900の表面積の最大5%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、または最大50%までをカバーすることができる。
【0359】
多くの実施形態では、クラウン916は、クラウンの表面積の約51%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含む。他の実施形態では、クラウン916は、クラウンの最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、または最大75%、が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含む。例えば、いくつかの実施形態では、クラウン916の約40~60%が薄い領域を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、クラウン916の約35~65%、約30~70%、または約25~75%が薄い領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、クラウン916は1つまたは複数の薄い領域を含むことができ、1つまたは複数の薄い領域のそれぞれは勾配をつけて薄くなっている。この例示的な一実施形態では、クラウン916の1つまたは複数の薄い領域は、ヒール-トウ方向に延び、1つまたは複数の薄い領域のそれぞれは、打撃面904からバックエンド910に向かう方向に厚さが減少している。
【0360】
多くの実施形態では、ソール918の表面積の約64%が薄い領域を含むように、ソール918は1つまたは複数の薄い領域を含む。他の実施形態では、ソール918は、ソール918の最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、または最大75%が薄い領域を含むように、1つまたは複数の薄い領域を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール918の約40~60%が薄い領域を含むことができる。さらなる例では、他の実施形態では、ソール918の約35~65%、または約30~70%、または約25~75%が薄い領域を含むことができる。
【0361】
薄い領域は、円形、三角形、正方形、長方形、卵形、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形もしくは形状などの任意の形状を含むことができる。さらに、1つまたは複数の薄い領域は、残りの薄い領域と同じ形状、または異なる形状を含むことができる。
【0362】
多くの実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド900は遠心鋳造を用いて製造することができる。これらの実施形態では、遠心鋳造は、クラブヘッド900が従来の鋳造を使用して製造されたクラブヘッドよりも薄い壁を有することを可能にする。他の実施形態では、薄い領域を有するクラブヘッド900の部分は、打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工などの他の適切な方法を使用して製造することができる。薄い領域を有するクラブヘッド900の部分が打ち抜き加工、鍛造加工、または機械加工を使用して製造される実施形態では、クラブヘッド900の部分は、エポキシ、テープ、溶接、機械的締結具、または他の適切な方法を使用して結合され得る。

ii.最適化された材料
【0363】
いくつかの実施形態では、打撃面904および/または本体902は、増加した比強度および/または増加した比可撓性を有する最適化された材料を含み得る。比可撓性は、最適化された材料の弾性率に対する降伏強度の比として測定される。比強度および/または比可撓性を増大させると、耐久性を維持しながらクラブヘッドの一部を薄くすることができる。
【0364】
いくつかの実施形態では、打撃面904の第1の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約910,000PSI/lb/in(227MPa/g/cm)以上、約920,000PSI/lb/in(229MPa/g/cm)以上、約930,000PSI/lb/in(232MPa/g/cm)以上、約940,000PSI/lb/in(234MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約960,000PSI/lb/in(239MPa/g/cm)以上、約970,000PSI/lb/in(242MPa/g/cm)以上、約980,000PSI/lb/in(244MPa/g/cm)以上、約990,000PSI/lb/in(247MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、または約1,150,000PSI/lb/in(286MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0365】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第1の材料は、約0.0075以上、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0091以上、約0.0092以上、約0.0093以上、約0.0094以上、約0.0095以上、約0.0096以上、約0.0097以上、約0.0098以上、約0.0099以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0366】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、約810,000PSI/lb/in(202MPa/g/cm)以上、約820,000PSI/lb/in(204MPa/g/cm)以上、約830,000PSI/lb/in(207MPa/g/cm)以上、約840,000PSI/lb/in(209MPa/g/cm)以上、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、約1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、約1,115,000PSI/lb/in(278MPa/g/cm)以上、または約1,120,000PSI/lb/in(279MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0367】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチール合金を含む第1の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0368】
これらの実施形態では、最適化された第1の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、上述のように打撃面904またはその一部を薄くすることを可能にする。打撃面904を薄くすることにより、打撃面904のウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド900の他の領域に戦略的に配置される裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。
【0369】
いくつかの実施形態では、本体902の第2の材料は、「最適化された材料特性を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国仮特許出願第62/399,929号に記載されているように最適化された材料とすることができる。これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約730,500PSI/lb/in(182MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。例えば、最適化チタン合金の比強度は、約650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、約700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)、約750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、約800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)、約850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、約900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、約950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、約1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、約1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上。または約1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)以上であり得る。
【0370】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化チタン合金を含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0065以上、約0.0070以上、約0.0075、約0.0080以上、約0.0085以上、約0.0090以上、約0.0095以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、または約0.0120以上の比可撓性を有することができる。
【0371】
これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約500,000PSI/lb/in(125MPa/g/cm)以上、約510,000PSI/lb/in(127MPa/g/cm)以上、約520,000PSI/lb/in(130MPa/g/cm)以上、約530,000PSI/lb/in(132MPa/g/cm)以上、約540,000PSI/lb/in(135MPa/g/cm)以上、約550,000PSI/lb/in(137MPa/g/cm)以上、約560,000PSI/lb/in(139MPa/g/cm)以上、約570,000PSI/lb/in(142MPa/g/cm)以上、約580,000PSI/lb/in(144MPa/g/cm)以上、約590,000PSI/lb/in(147MPa/g/cm)以上、約600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上、約625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)以上、約675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)以上、約725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)以上、約775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)以上、約825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)以上、約875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、約925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、約975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上、約1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)以上、約1,075PSI/lb/in(268MPa/g/cm)、または約1,125,000PSI/lb/in(280MPa/g/cm)以上の比強度を有することができる。
【0372】
さらに、これらまたは他の実施形態では、最適化スチールを含む第2の材料は、約0.0060以上、約0.0062以上、約0.0064以上、約0.0066以上、約0.0068以上、約0.0070以上、約0.0072以上、約0.0076以上、約0.0080以上、約0.0084以上、約0.0088以上、約0.0092以上、約0.0096以上、約0.0100以上、約0.0105以上、約0.0110以上、約0.0115以上、約0.0120以上、約0.0125以上、約0.0130以上、約0.0135以上、約0.0140以上、約0.0145以上、または約0.0150以上の比可撓性を有することができる。
【0373】
これらの実施形態では、最適化された第2の材料の増加した比強度および/または増加した比可撓性は、耐久性を維持しながら、本体902またはその一部を薄くすることを可能にする。本体902を薄くすると、クラブヘッドのウエイトを減らすことができ、それによってクラブヘッド900の他の領域に戦略的に配置する裁量のウエイトが増加し、これにより、ヘッドCGが低く後方に配置され、および/またはクラブヘッドの慣性モーメントが大きくなる。

iii.取り外し可能なウエイト
【0374】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド900は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト982を含む1つまたは複数のウエイト構造980を含むことができる。1つ以上のウエイト構造780および/または1つ以上の取り外し可能なウエイト982は、ソール918およびバックエンド910に向かって配置することができ、それによって裁量のウエイトをソール918およびクラブヘッドのバックエンド910の近くに位置決めすることができ、低く後方のヘッドCG位置が達成される。多くの実施形態では、1つまたは複数のウエイト構造980は、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト982を取り外し可能に受け入れる。これらの実施形態では、1つまたは複数の取り外し可能なウエイト982を、ねじ付きファスナー、接着剤、磁石、スナップフィット、または1つまたは複数の取り外し可能なウエイトを1つまたは複数のウエイト構造に固定可能な他の任意の機構などの任意の適切な方法を使用して1つまたは複数のウエイト構造980に結合することができる。
【0375】
ウエイト構造980および/または取り外し可能なウエイト982は、上面図から見たときに打撃面904に対して整列させることができるクロックグリッド2000(図3に示される)に対して配置することができる。クロックグリッドは、少なくとも12時の放射線、3時の放射線、4時の放射線、5時の放射線、6時の放射線、7時の放射線、8時の放射線、および9時の放射線を含む。例えば、クロックグリッド2000は、打撃面904の幾何学的中心940と位置合わせされた12時の放射線2012を含む。12時の放射線2012は、X’Y’平面に直交する。クロックグリッド2000の中心は、12時の放射線2012に沿ってクラブヘッド900のフロントエンド908とバックエンド910との間の中点に配置することができる。同じまたは他の例では、底面図から見たときに、クロックグリッド中心点2010をゴルフクラブヘッド900の幾何学的中心点に近接して中心に置くことができる。クロックグリッド2000はまた、ヒール920に向かって延びる3時の放射線2003と、クラブヘッド900のトウ922に向かって延びる9時の放射線2009とを含む。
【0376】
ウエイト構造980のウエイト周囲984は、本実施形態ではバックエンド910に向かって配置され、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に少なくとも部分的に境界が定められており、一方で、ウエイト構造980内に配置された取り外し可能なウエイト982は、5時の放射線2005と7時の放射線2007との間に配置されている。本例のような例では、ウエイト周囲984は、4時の放射線2004と8時の放射線2008との間に完全に囲まれている。この例では、ウエイト周囲984はクラブヘッド900の外部に画定されているが、ウエイト周囲984がクラブヘッド900の内部に延びる、またはクラブヘッド900内に画定され得る他の例があり得る。いくつかの例では、ウエイト構造980の位置は、より広い領域に対して確立することができる。例えば、そのような例では、ウエイト構造980のウエイト周囲984は、クロックグリッド2000の4時の放射線2004と9時の放射線2009との間に少なくとも部分的に境界を定められたバックエンドに向かって配置されることができ、一方で、ウエイト中心986は、5時の放射線2005と8時の放射線2008との間に位置し得る。
【0377】
この例では、ウエイト構造980は、ソール918の外部輪郭から突き出ており、したがって、ヘッドCG770のより大きな調整を可能にするために少なくとも部分的に外部にある。いくつかの例では、ウエイト構造980は、約2グラム~約50グラムの質量、および/または約1cc~約30ccの容量を含むことができる。他の例では、ウエイト構造980は、本体902の外部輪郭と同一平面上に留まることができる。
【0378】
多くの実施形態では、取り外し可能なウエイト982は、約0.5グラム~約30グラムの質量を含むことができ、ヘッドCG970の位置を調整するために1つまたは複数の他の同様の取り外し可能なウエイトと置き換えることができる。同じまたは他の例では、ウエイト中心986は、取り外し可能なウエイト982の重心、および/または取り外し可能なウエイトの幾何学的中心982のうちの少なくとも1つを含むことができる。

iv.埋め込みウエイト
【0379】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド900は、裁量のウエイトをソール918上、スカート928内、および/またはクラブヘッド900のバックエンド910の近くに配置して低く後方のヘッドCG位置を達成するために、1つまたは複数の埋め込みウエイトを含むことができる。クラブヘッド900の1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド300の1つまたは複数の埋め込みウエイト383と、クラブヘッド500の1つまたは複数の埋め込みウエイトと、またはクラブヘッド700の1つまたは複数の埋め込みウエイトと同様または同一であり得る。多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド900にまたはクラブヘッド900内に恒久的に固定されている。これらの実施形態では、埋め込みウエイトは、「埋め込み高密度鋳造」と題された米国仮特許出願第62/372,870号に記載されている高密度金属片(HDMP)と同様であり得る。
【0380】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、クラブヘッド900のバックエンド910の近くに配置されている。例えば、埋め込みウエイトのウエイト中心は、クロックグリッド2000の5時の放射線2005と7時の放射線2007の間、または5時の放射線2005と8時の放射線2008の間に位置することができる。多くの実施形態において、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、スカート928上でクラブヘッド900のバックエンド910付近、ソール918上でクラブヘッド900のバックエンド910付近、またはスカート928上およびソール918上でクラブヘッド900のバックエンド910付近に配置することができる。
【0381】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトのウエイト中心は、上面図から見たとき、クラブヘッド900の周囲の0.10インチ以内、0.20インチ以内、0.30インチ以内、0.40インチ以内、0.50インチ以内、0.60インチ以内、0.70インチ以内、0.80インチ以内、0.90インチ以内、1.0インチ以内、1.1インチ以内、1.2インチ以内、1.3インチ以内、1.4インチ以内、または1.5インチ以内に配置される。これらの実施形態では、埋め込みウエイトがクラブヘッド900の周囲に近接していることにより、低く後方のヘッドCG位置、クラウン-ソール慣性モーメントIxx、および/またはヒール-トウ慣性モーメントIyyを最大化することができる。
【0382】
多くの実施形態では、1つ以上の埋め込みウエイトのウエイト中心は、ヘッドCG970から1.6インチよりも大きい、1.7インチよりも大きい、1.8インチよりも大きい、1.9インチよりも大きい、2.0インチよりも大きい、2.1インチよりも大きい、2.2インチよりも大きい、2.3インチよりも大きい、2.4インチよりも大きい、2.5インチよりも大きい、2.6インチよりも大きい、2.7インチよりも大きい、2.8インチよりも大きい、2.9インチよりも大きい、または3.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0383】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトのウエイト中心は、打撃面904の幾何学的中心940から4.0インチよりも大きい、4.1インチよりも大きい、4.2インチよりも大きい、4.3インチよりも大きい、4.4インチよりも大きい、4.5インチよりも大きい、4.6インチよりも大きい、4.7インチよりも大きい、4.8インチよりも大きい、4.9インチよりも大きい、または5.0インチよりも大きい距離に配置される。
【0384】
多くの実施形態で、1つ以上の埋め込みウエイトは、3.0~120グラムの質量を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、3.0~25グラム、10~40グラム、20~50グラム、30~60グラム、40~70グラム、50~80グラム、60~90グラム、70~100グラム、80~120グラム、または90~120グラムの質量を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイトが2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる質量を含むことができる。
【0385】
多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、10.0から22.0の間の比重を有する材料を含むことができる。例えば、多くの実施形態では、1つまたは複数の埋め込みウエイトは、10.0より大きい、11.0より大きい、12.0より大きい、13.0より大きい、14.0より大きい、15.0より大きい、16.0より大きい、16.0より大きい、17.0より大きい、18.0より大きい、または19.0より大きい比重を有する材料を含むことができる。1つまたは複数の埋め込みウエイトが2つ以上のウエイトを含む実施形態では、埋め込みウエイトのそれぞれは同じまたは異なる材料を含むことができる。

v.急なクラウン角度
【0386】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド900は、ヘッドCGの低く後方の位置を達成するために急なクラウン角度988をさらに含むことができる。急なクラウン角度988は、クラウン916のバックエンドをソール918または地面に向かって位置決めし、それによってクラブヘッドCG位置を下げる。
【0387】
クラウン角度988は、クラウン軸1090と前面1020との間の鋭角として測定される。これらの実施形態では、クラウン軸は、接地面1030および前面1020に垂直に配置された平面に沿って見たクラブヘッドの断面内に位置している。クラウン軸1090は、上部遷移境界および後部遷移境界を参照してさらに説明することができる。
【0388】
クラブヘッド900は、フロントエンド908とクラウン916との間にヒール920の近くからトウ922の近くまで延びる上部遷移境界を含む。上部遷移境界は、クラブヘッド900がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときのクラウン遷移プロファイル990を含む。側断面図は、ヒール920の近くからトウ922の近くまでのクラブヘッド900の任意の点において取ることができる。クラウン遷移プロファイル990は、クラブヘッド900のフロントエンド908からクラウン遷移点994まで延びるフロント曲率半径992を画定しており、ここで、クラブヘッド900のフロントエンド908は輪郭が打撃面904の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点994はフロント曲率半径992からクラウン916の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、フロント曲率半径992は、クラウン916付近の打撃面周囲942の上端993からクラウン遷移点994まで延びる単一の曲率半径を含み、クラウン916付近の打撃面周囲942の上端993は輪郭が打撃面904の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、クラウン遷移点994はフロント曲率半径992からクラウン916の1つ以上の曲率への曲率の変化を示す。
【0389】
クラブヘッド900はさらに、クラウン916とスカート928との間にヒール920の近くからトウ922の近くまで延びる後部遷移境界を含む。後部遷移境界は、クラブヘッド900がアドレス位置にあるときに前面1020に垂直で接地面1030に垂直な平面に沿って取られた側断面図から見たときの後部遷移プロファイル996を含む。断面図は、ヒール920の近くからトウ922の近くまでのクラブヘッド900の任意の点において取ることができる。後部遷移プロファイル996は、クラブヘッド900のクラウン916からスカート928まで延びるバック曲率半径998を画定する。多くの実施形態では、バック曲率半径998は、後部遷移境界に沿ってクラブヘッド900のスカート928に遷移させる単一の曲率半径を含む。第1の後部遷移点1002は、クラウン916と後部遷移境界との間の接続部に位置している。第2の後部遷移点1003は、クラブヘッド900の後部遷移境界とスカート928との間の接続部に位置している。
【0390】
上部遷移境界のフロント曲率半径992は一定のままでもよいし、またはクラブヘッド900のヒール920付近からトウ922付近まで変化してもよい。同様に、後部遷移境界のバック曲率半径998は、一定のままでもよいし、クラブヘッド900のヒール920の近くからトウ922の近くまで変化してもよい。
【0391】
クラウン軸1090は、クラブヘッド900のフロントエンド908付近のクラウン遷移点994とクラブヘッド900のバックエンド910付近の後部遷移点1002との間に延びる。クラウン角度988は一定のままでもよいし、クラブヘッド900のヒール920の近くからトウ922の近くまで変化してもよい。例えば、クラウン角度988は、側断面図がヒール920およびトウ922に対して異なる位置で取られるときに変化し得る。
【0392】
多くの実施形態において、現在のクラブヘッドと比較してクラウン角度988を減少させることは、より急なクラウンまたはクラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地平面により近い位置に配置されたクラウンを生成する。したがって、クラウン角度988の減少は、より高いクラウン角度を有するクラブヘッドと比較して、より低いヘッドCG位置をもたらし得る。

vi.ホーゼルスリーブウエイト
【0393】
いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ974および/またはヘッドCG深さ972は、ホーゼルスリーブ934の質量を減らすことによって達成することができる。ホーゼルスリーブ934から余分なウエイトを取り除くと、所望の低く後方のクラブヘッドCG位置を達成するために、増加した裁量のウエイトを戦略的にクラブヘッド900の領域に再配置することができる。
【0394】
ホーゼルスリーブ934の質量を減らすことは、スリーブ壁を薄くすること、ホーゼルスリーブ934の高さを減らすこと、ホーゼルスリーブ934の直径を減らすこと、および/またはホーゼルスリーブ934の壁に空隙を導入することによって達成できる。多くの実施形態において、ホーゼルスリーブ934の質量は、6グラム未満、5.5グラム未満、5.0グラム未満、4.5グラム未満、または4.0グラム未満であり得る。多くの実施形態では、質量が減少したホーゼルスリーブを有するクラブヘッド900は、より重いホーゼルスリーブを有する同様のクラブヘッドよりも低く(ソールに近い)そしてより後方に(バックエンドに近い)クラブヘッドCG位置をもたらす。

B.空気抵抗
【0395】
多くの実施形態では、クラブヘッド900は、低減された空力抵抗とともに、クラブヘッドの低く後方のCG位置と、クラブヘッドの慣性モーメントの増加と、の組み合わせを含む。
【0396】
多くの実施形態では、クラブヘッド900は、スクエア面および時速95マイル(mph)の風速の風洞で試験したときに、約1.0lbf未満、0.90lbf未満、0.80lbf未満、0.75lbf未満、0.70lbf未満、0.65lbf未満、または0.60lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらまたは他の実施形態では、クラブヘッド900は、スクエア面および時速95マイル(mph)の風速の計算流体力学による計算において、約1.0lbf未満、0.90lbf未満、0.80lbf未満、0.75lbf未満、0.70lbf未満、0.65lbf未満、または0.60lbf未満の空気抵抗力を経験する。これらの実施形態では、スクエア面を有するクラブヘッド900が経験する空気流は、X’Y’平面に垂直な方向に打撃面904に向けられる。以下に記載されるように、空気抵抗力が低減されたクラブヘッド900は、様々な手段を用いて達成することができる。

i.クラウン角度高さ
【0397】
いくつかの実施形態では、クラウン角988を小さくしてより急なクラウンおよびより低いヘッドCG位置を形成すると、スイング中のクラウン上での空気流の分離が増大するため、空力抵抗の望ましくない増大があり得る。クラウン角988の減少に伴う抗力の増大を防ぐために、最大クラウン高さ1004を増大させることができる。最大クラウン高さ1004は、Y’Z’平面に平行な平面に沿ったクラブヘッドの任意の側断面図で見たクラウン916とクラウン軸1090との間の最大距離である。多くの実施形態において、より大きな最大クラウン高さ1004は、より大きな曲率を有するクラウン916をもたらす。クラウン916の曲率が大きいほど、スイング中の空気流の分離の位置がクラブヘッド900の後方にさらに移動する。言い換えれば、より大きな曲率は、スイング中にクラウン916に沿ってより長い距離にわたって空気流がクラブヘッド900に接触したままでいることを可能にする。クラウン916上で気流分離点を後方に移動させると、空力抵抗が減少し、クラブヘッドのスイング速度が増加し、それによってボールの速度と距離が増加する可能性がある。

ii.遷移プロファイル
【0398】
多くの実施形態では、打撃面904からクラウン916、打撃面904からソール918、および/またはクラブヘッド900のバックエンド910に沿ったクラウン916からソール918の遷移プロファイルは、スイング中のクラブヘッド900上の空力抵抗に影響を与える。
【0399】
いくつかの実施形態では、クラウン遷移プロファイル990を画定する上部遷移境界と、後部遷移プロファイル996を画定する後部遷移境界とを有するクラブヘッド900は、ソール遷移プロファイル1010を画定するソール遷移境界をさらに含む。ソール遷移境界は、フロントエンド908とソール918との間でヒール920の近くからトウ922の近くまで延びる。ソール遷移境界は、Y’Z’平面に平行な平面に沿って見た側断面図から見たときのソール遷移プロファイル1010を含む。側面断面図は、ヒール920の近くからトウ922の近くまでのクラブヘッド900の任意の点において取ることができる。ソール遷移プロファイル1010は、クラブヘッド900のフロントエンド908からソール遷移点1014まで延びるソール曲率半径1012を画定しており、ここで、クラブヘッド900のフロントエンド908は輪郭が打撃面904の起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点1014はソールの曲率半径1012からソール918の曲率への曲率の変化を示す。いくつかの実施形態では、ソール曲率半径1012は、ソール918付近の打撃面周囲942の底端1013からソール遷移点1014まで伸びる単一の曲率半径を含み、ソール918付近の打撃面周囲942の底端1013は輪郭が起伏範囲および/または膨らみ範囲から外れる部分であり、ソール遷移点1014はソールの曲率半径1012からソール1014の曲率への曲率の変化を示す。
【0400】
多くの実施形態では、クラウン遷移プロファイル990、ソール遷移プロファイル1010、および後部遷移プロファイル996は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されているクラウン遷移プロファイル、ソール遷移プロファイル、および後部遷移プロファイルと同様であり得る。さらに、フロント曲率半径992、ソール曲率半径1012、およびバック曲率半径998は、「空力抵抗を減少させるための遷移プロファイルを有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第15/233,486号に記載されている第1のクラウン側曲率半径、第1のソール側曲率半径、およびバック曲率半径と同様にすることができる。

iii.タービュレータ
【0401】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド900はさらに、「タービュレータ付きゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブヘッドを製造する方法」という名称のその内容が本願に完全に組み込まれている米国特許出願第13/536,753号、2013年12月17日に付与された現在米国特許第8,608,587号に記載されているように、複数のタービュレータ914を含むことができる。多くの実施形態では、複数のタービュレータ914は、空気流を乱し、それによって境界層内に小さな渦または乱流を生じさせて、境界層にエネルギーを与え、スイング中にクラウン上での気流の分離を遅らせる。
【0402】
いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ614は、クラブヘッド900のクラウン遷移点394に隣接することができる。複数のタービュレータ914は、クラウン916の外面から突出し、クラブヘッド900のフロントエンド908とバックエンド910との間に延びる長さ、およびクラブヘッド900のヒール920からトウ922まで延びる幅を含む。多くの実施形態では、複数のタービュレータ914の長さは幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ914は同じ幅を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数のタービュレータ914は、高さプロファイルが変化することができる。いくつかの実施形態では、複数のタービュレータ914は、クラウン916の前面と比較してクラウン916の頂点に向かって高くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ914は、クラウン916の前方に向かって高く、クラウン916の頂点に向かって高さが低くてもよい。他の実施形態では、複数のタービュレータ914は一定の高さプロファイルを含むことができる。さらに、多くの実施形態では、少なくとも1つのタービュレータの少なくとも一部が打撃面とクラウン916の頂点との間に配置され、隣接するタービュレータ間の間隔は、隣接するタービュレータのそれぞれの幅よりも大きい。

iv.バックキャビティ
【0403】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド900は、クラブヘッド900のバックエンド910および後縁部928に位置しており、「ゴルフクラブヘッドと空気力学的特徴および関連する方法」という名称の米国特許出願第14/882,092号に記載されているキャビティと同様のキャビティ1020をさらに含むことができる。多くの実施形態では、キャビティ1024は、ゴルフクラブヘッド900の後方で発生した渦をより小さな渦に砕き、乱気流のサイズを小さくし、および/または抗力を小さくすることができる。いくつかの実施形態では、渦をより小さな渦に分割することにより、ゴルフクラブヘッド900の後方に高圧の領域を生成することができる。いくつかの実施形態では、この高圧領域はゴルフクラブヘッド900を前方に押し出し、抗力を低減し、および/またはゴルフクラブヘッド900の空力設計を向上させることができる。多くの実施形態では、より小さな渦と抗力の減少の正味の効果は、ゴルフクラブヘッド900の速度の増加である。この効果は、ゴルフボールがインパクト後に打球面を離れる速度が速くなり、ボールの飛行距離が増大する可能性がある。
【0404】
多くの実施形態では、キャビティ1020は、X’Z’平面に垂直な方向に配向された後壁1022を含み、さらに、ヒール920からトウ922への方向に測定された幅、深さ1024、および高さ1026を含む。

v.ホーゼル構造
【0405】
いくつかの実施形態において、ホーゼル構造930は、より大きい直径のホーゼル構造を有する同様のクラブヘッドと比較して、スイング中にクラブヘッド900にかかる空気抵抗を低減するために、より小さい外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造930は、0.553インチ未満の外径を有する。例えば、ホーゼル構造930は、0.60インチ未満、0.59インチ未満、0.58インチ未満、0.57インチ未満、0.56インチ未満、0.55インチ未満、0.54インチ未満、0.53インチ未満、0.52未満、0.51インチ未満、または0.50インチ未満の外径を有することができる。多くの実施形態において、ホーゼル構造930の外径は、クラブヘッド900のロフト角および/またはライ角の調節可能性を維持しながら減少する。

C.CG位置、慣性モーメント、および空気抵抗のバランス
【0406】
現在のゴルフクラブヘッド設計では、クラブヘッドの慣性モーメントを増加または最大化することは、空気抵抗などのクラブヘッドの他の性能特性に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載のクラブヘッド900は、同時に空気抵抗を維持または低減しながら、クラブヘッドの慣性モーメントを増大または最大化する。したがって、インパクト性能特性(例えば、スピン、打ち出し角度、ボールスピード、および許容度)を改善したクラブヘッド900はまた、スイング性能特性(例えば、空気抵抗、インパクト時にクラブヘッドをスクエアにする能力、およびスイング速度)のバランスし、または改善する。

V.製造方法
【0407】
多くの実施形態では、クラブヘッド100を形成する方法は、本体102を形成する工程と、打撃面104を形成する工程と、および打撃面104を本体102に結合してクラブヘッド100を形成する工程と、含むことができる。多くの実施形態では、本体102を形成することは、キャスティング、3D印刷、機械加工、または本体102を形成するための任意の他の適切な方法からなり得る。いくつかの実施形態では、本体は単一部品として形成することができる。他の実施形態では、本体102は、本体102を形成するように結合された複数の構成要素から形成することができる。
【0408】
多くの実施形態では、打撃面104を形成することは、機械加工、3D印刷、鋳造、または他の方法で打撃面104を形成することからなり得る。多くの実施形態では、打撃面104と本体102との結合は、溶接、機械的締結、または打撃面104と本体102とを結合する他の任意の適切な方法によって達成することができる。

VI.例
【0409】
(実施例1)
本明細書に記載されているのは、466ccの容量、4.81インチの深さ360、4.88インチの長さ362、および2.65インチの高さ364を有する例示的なゴルフクラブヘッド300である。例示的なクラブヘッド300は、クラウン316の表面積の57%を含み、0.013インチの最小厚さを有する、クラウン316上の複数の薄い領域376を含む。例示的なクラブヘッド300は、68.6度のクラウン角388と0.522インチのクラウン角高さ404をさらに含む。
【0410】
例示的なクラブヘッド300は、14~15の間の比重と14.5グラムの質量とを有するタングステンを含む埋め込みウエイト383を含む。この例では、埋め込みウエイト383のウエイト中心387からクラブヘッド300の周囲までの距離は、上面図または底面図から見たときに0.183インチである。さらに、この例では、ウエイト中心387からヘッドCG370までの距離は2.67インチであり、ウエイト中心387から打撃面304の幾何学的中心340までの距離は4.58インチである。例示的なクラブヘッド300は、取り外し可能なウエイト382を収容するウエイト構造380をさらに含む。この例では、ウエイト構造380は、ソール318の外部輪郭から少なくとも部分的に突出している。さらにまた、例示的なクラブヘッド300は、4.5グラムの質量を有するホーゼルスリーブ334を含む。
【0411】
上述のパラメータおよび/または追加のパラメータの結果として、例示的クラブヘッド300は、1.87インチのヘッドCG深さ372および0.083インチのヘッドCG高さ374を含む。さらに、上述のパラメータおよび/または追加のパラメータの結果として、例示的なクラブヘッド300は、4258g・cmのクラウンラウン-ソール慣性モーメントIxx、5710g・cmのヒール-トウ慣性モーメントがIyy、および9968g・cmの合成慣性モーメントIxx+lyyを含む。
【0412】
例示的なクラブヘッド300はさらに、0.24インチのフロント曲率半径392、0.30インチのソール曲率半径412、および0.20インチのバック曲率半径398を含む。さらに、例示的なクラブヘッド300は、6.73in(0.00434m)の前面投影面積、8.73in(0.00563m)の側面投影面積、および外径が0.54インチのホーゼル構造330を含む。これらのパラメータおよび/または追加のパラメータの結果として、例示的なクラブヘッド300は、時速102マイル(mph)の空気速度でスクエア面に対して計算流体力学を用いて計算した場合、0.95lbfの空気抵抗を含む。
【0413】
(実施例2)
本明細書に記載されているのは、445ccの容量、4.64インチの深さ560、4.77インチの長さ562、および2.66インチの高さ564を有する例示的なゴルフクラブヘッド500である。例示的なクラブヘッド500は、クラウン516の表面積の55%を含み、0.013インチの最小厚さを有する、クラウン316上の複数の薄い領域576を含む。例示的なクラブヘッド500は、70.0度のクラウン角588と0.543インチのクラウン角高さ604をさらに含む。
【0414】
例示的なクラブヘッド500は、15~17の間の比重と7グラムの質量とを有するタングステンを含む埋め込みウエイト583を含む。この例では、埋め込みウエイト583のウエイト中心587からクラブヘッド500の周囲までの距離は、上面図または底面図から見たときに0.274インチである。さらに、この例では、ウエイト中心587からヘッドCG570までの距離は2.58インチであり、ウエイト中心587から打撃面504の幾何学的中心540までの距離は4.31インチである。例示的なクラブヘッド500は、取り外し可能なウエイト582を収容するウエイト構造580をさらに含む。この例では、ウエイト構造580は、ソール518の外部輪郭から少なくとも部分的に突出している。さらにまた、例示的なクラブヘッド500は、4.5グラムの質量を有するホーゼルスリーブ534を含む。
【0415】
上述のパラメータおよび/または追加のパラメータの結果として、例示的クラブヘッド500は、1.70インチのヘッドCG深さ572および0.113インチのヘッドCG高さ574を含む。さらに、上述のパラメータおよび/または追加のパラメータの結果として、例示的なクラブヘッド500は、3768g・cmのクラウン-ソール慣性モーメントIxx、5379g・cmのヒール-トウ慣性モーメントIyy、および9147g・cmの合成慣性モーメントIxx+lyyを含む。
【0416】
例示的なクラブヘッド500はさらに、0.24インチのフロント曲率半径592、0.30インチのソール曲率半径612、および0.20インチのバック曲率半径598を含む。さらに、例示的なクラブヘッド500は、6.40in(0.00413m)の前方投影面積、8.18in(0.00528m)の側面投影面積、および外径が0.54インチのホーゼル構造530を含む。さらにまた、例示的なクラブヘッド500は、1.7インチの長さ、0.215インチの高さ626、および0.75インチの深さ624を有するバックキャビティ620を含む。これらパラメータおよび/または追加のパラメータの結果として、例示的なクラブヘッド500は、時速102マイル(mph)の空気速度でスクエア面に対して計算流体力学を用いて計算したときに0.83lbfの空気抵抗を含む。
【0417】
1つまたは複数の請求された要素の置き換えは、再構成を構成するものであり、修復は構成しない。さらに、利益、他の利点、および問題に対する解決法を、特定の実施形態に関して説明した。しかし、利益、利点、問題に対する解決法、および任意の利益、利点、または解決法を生じさせ得るかまたはそれらをより明白にし得るいずれの要素も、そのような請求項の重要、必要、または不可欠な特徴または要素として解釈すべきではない。
【0418】
ゴルフの規則は時々変更されることがあり(例えば、ゴルフの標準団体及び/又は全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)等の統治体によって、新しい規則が適用され、又は古い規則が撤廃又は改変されることがある)、本願に開示される装置、方法及び/又は製造品に関するゴルフ道具は、どのような時もゴルフの規則に適合してもよく、適合しなくてもよい。したがって、本願に開示される装置、方法及び/又は製造品に関するゴルフ道具は、広告、販売の申し出、及び/又はゴルフ道具に適合する又は適合しない販売であってもよい。本願に開示される装置、方法及び/又は製造品がこの点において限定されるものではない。
【0419】
上記実施例は、ドライバタイプゴルフクラブとの関連で説明され得るが、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品は、他の種類のゴルフクラブ、例えば、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ、ハイブリッドタイプゴルフクラブ、アイアンタイプゴルフクラブ、ウェッジタイプゴルフクラブ、またはパタータイプゴルフクラブにも適用できる。あるいは、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品は、他の種類のスポーツ道具、例えば、ホッケー用スティック、テニスラケット、釣竿、スキーポール等にも適用できる。
【0420】
さらに、本明細書に開示される実施形態および制限は、実施形態および/または制限が(1)請求項に明示的に特許請求されておらず、(2)均等論下で請求項の明白な要素および/または制限の潜在的な等価物である場合に、公有の原則下で公衆に供されない。
【0421】
本開示のさまざまな特徴および利点は以下の請求項に記載される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図25
図26A
図26B
図27