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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】コンテナ及び調湿装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/74 20060101AFI20220308BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20220308BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20220308BHJP
   B01D 53/28 20060101ALI20220308BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B65D88/74
F24F3/14
B01D53/26 210
B01D53/28
B32B9/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021036190
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】521098179
【氏名又は名称】ナラサキスタックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一
(72)【発明者】
【氏名】成田 貢
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 忠彦
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6858431(JP,B1)
【文献】国際公開第2016/114297(WO,A1)
【文献】特開2012-136287(JP,A)
【文献】特表2020-537707(JP,A)
【文献】特開2009-215470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/74
F24F 3/14
B32B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁面の近傍に配置された調湿部材を備えているコンテナであって、
前記調湿部材が、メソポーラスシリカを含む第1層と、前記第1層に積層され、メソポーラスシリカとは異なる多孔質材料を含み、前記内壁面との間に前記第1層を挟む位置に配置された第2層とを備えており、
前記第1層のメソポーラスシリカによって前記第2層よりも内側の空間が調湿されるように、前記第2層を介して前記内側の空間と前記第1層の間で空気が流通することを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記内壁面が天井面であることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記調湿部材の一端部及びその反対側の端部を少なくとも支持した吊り下げ部材によって前記調湿部材が天井面の近傍に吊り下げられていることを特徴とする請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記調湿部材が撓んでおり、
コンテナ全体の振動によって前記調湿部材の撓み度合いに関する振動が生じることを特徴とする請求項3に記載のコンテナ。
【請求項5】
コンテナの内壁面の近傍に配置される調湿装置であって、
メソポーラスシリカを含む第1層と、前記第1層に積層され、メソポーラスシリカとは異なる多孔質材料を含み、前記内壁面との間に前記第1層を挟む位置に配置された第2層とを備えており、
前記第1層のメソポーラスシリカによって前記第2層よりも前記コンテナの内側の空間が調湿されるように、前記第2層を介して前記内側の空間と前記第1層の間で空気が流通することを特徴とする調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ及び調湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送中の貨物の状態を保持するためには、コンテナ内の湿度を適度に調整することが重要である。かかる湿度の調整のため、調湿用の部材をコンテナ内に設けることが考えられる。特許文献1に記載の化粧シートはその一例であり、トラックの内部等で使用される調湿用のシートである。シートは、紙や樹脂からなる基材上に珪藻土層が形成されることで構成されている。基材において、珪藻土層が形成された表面と反対側の表面には粘着剤層が形成されている。粘着剤層はシートの天井等への貼り付けに設けられることから、珪藻土層がトラックの内部の空間等に露出した状態で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-324488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の化粧シートは、調湿機能を有する部分である珪藻土層が内部の空間に露出して用いられる。したがって、物や人がシートに接触すると、珪藻土層に直接接触するおそれが高い。これによって珪藻土層が損なわれると、シートの調湿機能が低下する。
【0005】
そこで、本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、調湿機能を有する部分が損なわれにくいように調湿部材が内部に設けられたコンテナ及びこれに用いられる調湿装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテナは、内壁面の近傍に配置された調湿部材を備えているコンテナであって、前記調湿部材が、メソポーラスシリカを含む第1層と、前記第1層に積層され、メソポーラスシリカとは異なる多孔質材料を含み、前記内壁面との間に前記第1層を挟む位置に配置された第2層とを備えており、前記第1層のメソポーラスシリカによって前記第2層よりも内側の空間が調湿されるように、前記第2層を介して前記内側の空間と前記第1層の間で空気が流通する。
【0007】
本発明の別の観点による調湿装置は、コンテナの内壁面の近傍に配置される調湿装置であって、メソポーラスシリカを含む第1層と、前記第1層に積層され、メソポーラスシリカとは異なる多孔質材料を含み、前記内壁面との間に前記第1層を挟む位置に配置された第2層とを備えており、前記第1層のメソポーラスシリカによって前記第2層よりも前記コンテナの内側の空間が調湿されるように、前記第2層を介して前記内側の空間と前記第1層の間で空気が流通する。
【0008】
コンテナには、輸送コスト軽減のため同一品種に限定されず多品種の物が同時に積載されて輸送されることも多い。そのため、コンテナ内部の環境を保つ対策、特に生鮮食品の輸送の際には微生物の繁殖抑制が必要であり、湿度を適度に調整したり結露を予防したりすることが重要となる。
【0009】
メソポーラスシリカは、2~50nmの細孔(メソポア)を有する二酸化ケイ素(Si
)である。メソポーラスシリカは、相対湿度が高くなると吸湿量が大きくなり、相対湿度が小さくなると放湿量が大きくなる。つまり、メソポーラスシリカは大気中の水蒸気を自律して調節する調湿機能を有する。
【0010】
本発明によると、上記のような高い調湿機能を有するメソポーラスシリカを含む第1層が、コンテナの内壁面とメソポーラスシリカとは異なる多孔質材料を含む第2層との間に位置している。このように、第1層がコンテナの内部側に直接露出しないように第2層がコンテナの内部側に配置されることから、一見、第1層によるコンテナ内部の調湿が大きく阻害されるようにも思われる。しかしながら、本発明では第2層が、内部の空間と第1層の間で空気が流通するように機能する。したがって、第1層による調湿機能が確保されている。さらに、第1層がコンテナの内部側に直接露出しないように第2層がコンテナの内部側に配置されるため、メソポーラスシリカを含む層が物や人に直接接触するおそれが低くなる。よって、調湿機能を有する第1層が損なわれにくい。以上により、第1層によるコンテナの調湿機能を保つことができる。
【0011】
本発明において、前記内壁面が天井面であることが好ましい。第1に、天井面はコンテナ内でも温度差が生じやすい箇所であり、結露が生じやすい。したがって、調湿部材を天井面近傍に設けることで調湿機能を効果的に発揮できる。さらに、本発明は、調湿機能を有する第1層が天井面側に向いている。このため、天井面に結露をもたらす湿度を効果的に第1層に吸湿できる。第2に、天井面は、コンテナ内に貨物を積み込む際に、貨物やフォークリフトのマスト等の上部が接近するおそれが高い。これに対し、本発明は第1層の下方に第2層が配置されている。したがって、貨物やフォークリフトのマストの上部等の接触により調湿機能を有する第1層を損なうのが抑制される。
【0012】
本発明において、前記調湿部材の一端部及びその反対側の端部を少なくとも支持した吊り下げ部材によって前記調湿部材が天井面の近傍に吊り下げられていることが好ましい。これによると、調湿部材を支持した吊り下げ部材によって、容易にコンテナへの調湿部材の取り付け及び取り外しができる。また、天井面の近傍に吊り下げられることで調湿部材が撓む場合、下方に向かって凸状に撓むことになる。この撓みは、調湿部材の上部において圧縮応力を発生させ、調湿部材の下部において引張応力を発生させる。一方、本発明においては、調湿部材の上部に第1層、下部に第2層が配置されている。よって、メソポーラスシリカを含む第1層には引っ張りが生じにくいため、引っ張りによる第1層のクラックの発生が抑制される。
【0013】
本発明において、前記調湿部材が撓んでおり、コンテナ全体の振動によって前記調湿部材の撓み度合いに関する振動が生じることが好ましい。コンテナ全体の振動が調湿部材に伝達する際、これによって調湿部材に伝達する振動のエネルギーが調湿部材の撓み度合いの振動に配分されると、その分、調湿部材の平行移動や回転移動に関する振動が抑制される。よって、平行移動や回転移動に関する調湿部材の振動による部材の破損や落下等のおそれが低下する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る調湿部材を、コンテナ内の天井面の近傍に吊り下げた様子を示す概略図である。
図2図1の調湿部材及び吊り下げ部材の概略正面図である。
図3】(a)モイスの平板である層部材のみからなる調湿部材の上面以外をシールしたものの積層方向に沿った断面図である。(b)稚内珪藻土を含む層部材の上面にモイスの平板である層部材を積層させた調湿部材の上面以外をシールしたものの積層方向に沿った断面図である。(c)(b)に示す調湿部材を、上面に対応する表面が下面になるように配置し、その上面以外をシールしたものの積層方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態に係るコンテナ1について、図1及び図2を用いて説明する。図1に示すコンテナ1には、例えば、海上輸送等のためのドライコンテナが使用される。コンテナ1のサイズは問わないが、例えば、国際標準化機構(ISO)の規格における10フィートコンテナ、20フィートコンテナ、40フィートコンテナ、40フィートハイキューブコンテナ、又は45フィートコンテナ等が使用される。コンテナ1は、海上輸送及び陸送のいずれにも対応し、国内外の輸送に使用される。なお、以下において、図1に示すように、コンテナ1の幅方向を左右方向とする。また、左右方向及び上下方向の両方向と直交する方向を前後方向とする。図1では、前後方向は手前と奥を結ぶ方向に対応する。
【0016】
コンテナ1は調湿部材100及び吊り下げ部材200を備えている。なお、調湿部材100は、単独では本発明における調湿装置に対応する。図2に示すように、調湿部材100は第1層110及び第2層120を備えている。
【0017】
第1層110の左右方向の大きさは、コンテナ1の天井面の左右方向の大きさより一回り小さい。第1層110の前後方向の大きさは、コンテナ1の天井面1aにおける前後方向の大きさを5等分に分割した大きさより一回り小さい大きさである。なお、第1層110の前後方向の大きさは、天井面1aにおける前後方向の大きさを、2分割、3分割、又は6分割以上した大きさより一回り小さい大きさでもよい。また、分割は等分でなくともよい。
【0018】
第1層110は上塗材及び下塗材を備えている。上塗材は、下塗材の上面に積層されている。上塗材及び下塗材は、それぞれメソポア珪藻土、骨材、のり、すさ、及び腐食防止剤を含んでいる。
【0019】
メソポア珪藻土は、メソポーラスシリカを主成分とし、ケイソウの殻等が堆積してできた珪藻土である。メソポアの平均直径は2~50nmが好ましく、平均直径10nmがより好ましい。メソポア珪藻土ではなく、人工的に合成されたメソポーラスシリカを使用してもよい。
【0020】
第1層110の強度の観点から、例えば、上塗材には0.1mm未満の粒径のメソポア珪藻土、下塗材には0.1mm以上の粒径のメソポア珪藻土を使用することが好ましい。例えば、珪藻土を粉砕後、篩で分級して、篩上に残留した珪藻土は下塗材、篩下に落ちた珪藻土は上塗材に使用する。
【0021】
骨材は、火山性白土、炭酸カルシウム、珪石等が使用される。骨材は第1層110の強度を高めるために使用される。2種以上の材料が混合されていてもよい。
【0022】
のりは、天然由来の材料や有機系合成樹脂が使用される。のりには、固結してもメソポアを閉塞せず、耐久性と強度を有するものが使用される。天然由来の材料としては、澱粉、海藻、セルロース等が使用された食品添加用の増粘剤が用いられる。有機系合成樹脂には、ウレタン樹脂等が使用される。2種以上の材料が混合されていてもよい。なお、環境保護の観点から天然由来のものが好ましい。
【0023】
すさは、セルロースファイバー、自然素材のパルプ等の繊維質の材料が使用される。すさは、第1層110の亀裂を防ぐために使用される。2種以上の材料が混合されていてもよい。なお、環境保護の観点から天然由来のものが好ましい。
【0024】
腐敗防止剤は、ホウ酸が使用される。第1層110の材料の混合物をペースト状で放置する際に、腐敗を防止するために使用する。2種以上の材料が含まれていてもよい。なお、第1層110の材料の混合物をペースト状で放置しない等の理由で、腐敗防止剤を使用しなくてもよい。
【0025】
上塗材及び下塗材のそれぞれには、メソポア珪藻土80~90質量部に対し、骨材0~10質量部、のり5~15質量部、すさ0~5質量部、及び腐敗防止剤0~5質量部を使用することが好ましい。
【0026】
上塗材は厚さ0.1~0.5mmであることが好ましく、下塗材は厚さ0.5~1.5mmであることが好ましく、第1層110は厚さ0.6~2.0mmであることが好ましい。上塗材は厚さ0.3~0.5mmであることがより好ましく、下塗材は厚さ1.0~1.5mmであることがより好ましく、第1層110は厚さ1.3~2.0mmであることがより好ましい。第1層110の厚さが上記未満だと、層の形状保持が難しく、又、調湿機能が十分に発揮されないおそれがある。第1層110の厚さが上記範囲を超えると、第1層110にクラックが生じやすくなるおそれがある。
【0027】
第2層120は透湿性を有する多孔質材料を含んでおり、又、下方に向かって凸状に撓んだ際に破損しにくい層である。第2層120の左右及び前後の大きさは第1層110と同じである。多孔質材料としては、透湿性を有する種々の材料、例えば、バーミキュライトやケイ酸カルシウムを材料とした建物の内装材や下地材として用いられる建築資材、発泡スチロール等のプラスチック、紙、木材等が使用される。このように、第2層120が透湿性を示すため、コンテナ1の内部の空気が第2層120を通じて第1層110まで流通する。これにより、コンテナ1の内部の空気に対して第1層110の調湿機能が発揮される。第2層120の厚さは、第1層110による調湿機能が確保されるために十分小さく、且つ、調湿部材100全体の強度が確保できるように十分大きく調整されることが好ましい。例えば、第2層120にバーミキュライトを材料とした建築資材が使用される場合には、第1層110の調湿機能が確保されるための厚さの上限は概ね7mmである。これを超えると、コンテナ1の内部空間に対する第1層110の調湿の影響が24時間以内に発現できなくなるためである。また、第2層120にバーミキュライトを材料とした建築資材が使用される場合には、強度を確保するための厚さの下限は6mmである。さらに、第2層120は、調湿部材100全体が可撓性を有するような材料や大きさに調整されている。これにより、調湿部材100は、吊り下げられた際に自重で撓むように形成されている。撓みの程度は、少なくとも、部材全体が湾曲していることが視認できる程度である。
【0028】
調湿部材100は以下の通り作製する。まず、所定の大きさの第2層120を用意する。次に、下塗材のペーストを作製する。メソポア珪藻土、骨材、のり、すさ、及び腐食防止剤を撹拌し、その後、水を除々に加えつつさらに攪拌してペーストにする。このペーストを所定の大きさの第2層120の上面に所定の厚さになるよう塗布する。さらに、下塗材のペースト同様に作製した上塗材のペーストを下塗材の上面に所定の厚さになるように塗布する。次に、第1層110を固化させるため、第1層110及び第2層120の積層体を放置して乾燥するか、焼成する。これにより、調湿部材100が完成する。焼成する場合は、焼結によってメソポアの機能が破壊されるのを防ぐため焼成温度は1,000℃以下が好ましい。
【0029】
吊り下げ部材200は、図1に示すように調湿部材100をコンテナ1の天井付近に吊り下げるための部材である。吊り下げ部材200は、第1吊り下げ部材210及び第2吊り下げ部材220を備えている。第1吊り下げ部材210は、合成繊維等からなる紐が格子状に編まれた網目構造を持った部材である。第1吊り下げ部材210の材料には、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維、綿、麻等の天然繊維、ステンレス等の金属繊維、又はガラス繊維等が使用される。第1吊り下げ部材210の大きさは、調湿部材100を前後方向、左右方向、及び上下方向に覆うことが出来る程度の大きさである。
【0030】
第2吊り下げ部材220は紐状の部材である。第2吊り下げ部材220の材料には、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維、綿、麻等の天然繊維、ステンレス等の金属繊維、又はガラス繊維等が使用される。第2吊り下げ部材220は、図1に示すように、第1吊り下げ部材210の下方から調湿部材100を支持するように天井面1a付近に設置されている。第2吊り下げ部材220は、天井面1aの左端近傍において前後方向に延びた紐部材220aと、天井面1aの右端近傍において前後方向に延びた紐部材220bと、紐部材220aから紐部材220bまで左右方向に渡された紐部材220cと、紐部材220aから紐部材220bまで左右方向に対して斜めに渡された紐部材220dとを有している。紐部材220cは前後方向に等間隔に並ぶように複数本設けられている。紐部材220dは、互いに交差する2本の部材からなる組み合わせが2組前後方向に並んでいる。
【0031】
以下に、調湿部材100及び吊り下げ部材200のコンテナ1への設置方法について説明する。まず、地面等に広げた第1吊り下げ部材210の上に、調湿部材100を左右方向の位置を揃えて、互いに重ならないよう前後方向に5枚並べる。調湿部材100の全ての面を1枚の第1吊り下げ部材210で覆う。
【0032】
次に、第1層110が天井面1aと対向するように、第1吊り下げ部材210で覆われた調湿部材100を設置する。調湿部材100は、天井面1aと第2層120との間に、第1層110を挟む態様で配置される。まず、図1に示すように、天井面1aの左端に設けられているフック1b及び右端に設けられているフック1cに第1吊り下げ部材210の網目構造を引っかけて、調湿部材100を天井面1aの近傍に吊り下げる。つまり、調湿部材100は、左端部及び右端部を含む下面全体を第1吊り下げ部材210に支持されて、天井面1aの近傍に設置される。
【0033】
次に、紐部材220aをフック1bに引っ掛ける。同様にして、紐部材220bをフック1cに引っ掛ける。次に、紐部材220cの一端部を天井面1aの左端部に引っ掛けた紐部材220aに固定し、紐部材220cの他端部を紐部材220bと固定する。紐部材220cは、互いに左右方向に平行になるようにして、等間隔で天井面1aの後端部付近まで複数本設置する。紐部材220cの設置の際、紐部材220cが第1吊り下げ部材210に支持された調湿部材100の左端部及び右端部を含む下面を支持するように、紐部材220cの長さを調整する。
【0034】
次に、紐部材220aの前端部付近と紐部材220bの中間部付近に、1本目の紐部材220dを固定する。紐部材220bの前端部付近と紐部材220aの中間部付近に、1本目の紐部材220dと交差するように2本目の紐部材220dを固定する。次に、紐部材220aの中間部付近と紐部材220bの後端部付近に、3本目の紐部材220dを固定する。紐部材220bの中間部付近と紐部材220aの後端部付近に、3本目の紐部材220dと交差するように4本目の紐部材220dを固定する。紐部材220dの設置の際、紐部材220dが第1吊り下げ部材210及び紐部材220cに支持された調湿部材100を支持するように、紐部材220dの長さを調整する。以上のように、第1吊り下げ部材210に支持された調湿部材100は、左端部及び右端部を含む下面を第2吊り下げ部材220に支持されて、天井面1aの近傍に設置される。なお、紐部材220aの前端部付近と紐部材220bの後端部付近に、紐部材220dを固定してもよい。同様にして、紐部材220bの前端部付近と紐部材220aの後端部付近に、紐部材220dを固定してもよい。
【0035】
上記の通り調湿部材100が設置されると、第1層110のメソポア珪藻土によって、第2層120を介して、第2層120よりもコンテナ1の内側の空間と第1層110の間で空気が流通することで、第2層120よりも内側の空間が調湿される。また、調湿部材100は上記の通り可撓性を有している。このため、吊り下げ部材200に支持されて上記の通り吊り下げられることで、調湿部材100は図1及び図2に示すように下方に向かって撓む。さらに、コンテナ1全体が振動した際、調湿部材100には、その撓み度合いに関する振動(撓みが大きくなったり小さくなったりを繰り返す運動)が生じる。
【0036】
以上のような調湿部材100を備えたコンテナ1によると、高い調湿機能を有するメソポア珪藻土を含む第1層110が、コンテナ1の天井面1aとメソポア珪藻土とは異なる多孔質材料を含む第2層120との間に位置している。このように、第1層110がコンテナ1の内部側に直接露出しないように第2層120がコンテナ1の内部側に配置されることから、一見、第1層110によるコンテナ内部の調湿が大きく阻害されるようにも思われる。しかしながら、第2層120が、内部の空間と第1層110の間で空気が流通するように機能する。したがって、第1層110による調湿機能が確保されている。さらに、第1層110がコンテナ1の内部側に直接露出しないため、メソポア珪藻土を含む第1層110が物や人に直接接触するおそれが低くなる。よって、調湿機能を有する第1層110が損なわれにくいため、コンテナ1の調湿機能を保つことができる。
【0037】
また、天井面1aはコンテナ1内でも温度差が生じやすい箇所であり、結露が生じやすい。したがって、調湿部材100を天井面1aの近傍に設けることでその調湿機能を効果的に発揮できる。さらに、調湿部材100は、調湿機能を有する第1層110が天井面1a側に向いている。このため、天井面1aに結露をもたらす湿度を効果的に第1層110に吸湿できる。また、天井面1aは、コンテナ1内に貨物を積み込む際に、貨物やフォークリフトのマスト等の上部が接近するおそれが高い。これに対し、調湿部材100は第1層110の下方に第2層120が配置されている。したがって、貨物やフォークリフトのマストの上部等の接触により調湿機能を有する第1層110を損なうのが抑制される。
【0038】
また、調湿部材100を支持した吊り下げ部材200によって、容易にコンテナ1への調湿部材100の取り付け及び取り外しができる。天井面1aの近傍に吊り下げられることで、図1及び図2に示すように、調湿部材100は下方に向かって凸状に撓む。この撓みは、調湿部材100の上部において圧縮応力を発生させ、調湿部材100の下部において引張応力を発生させる。一方、調湿部材100の上部に第1層110、下部に第2層120が配置されている。よって、メソポア珪藻土を含む第1層110には引っ張りが生じにくいため、引っ張りによる第1層110のクラックの発生が抑制される。
【0039】
また、コンテナ1全体の振動が調湿部材に伝達する際、これによって調湿部材100に伝達する振動のエネルギーが調湿部材100の撓み度合いの振動に配分されると、その分、調湿部材100の平行移動や回転移動に関する振動が抑制される。よって、平行移動や回転移動に関する調湿部材100の振動による部材の破損や落下等のおそれが低下する。
【0040】
[第1実施例]
以下、上述の実施形態に係る実施例について説明する。第1実施例では、以下の条件で調湿部材100を作製して、コンテナ1に設置した。コンテナ1は20フィートコンテナを使用した。
【0041】
調湿部材100の第1層110は次の通り調製した。メソポア珪藻土には、北海道浜頓別町の17線川層から算出された稚内珪藻土を使用した。稚内珪藻土を粉砕し、0.1mmの篩にて分級した。直径0.1mm未満の稚内珪藻土を上塗材に使用し、直径0.1mm以上の稚内珪藻土を下塗材に使用した。骨材には火山性白土を使用した。のりには、主として澱粉から作製した食品添加用の増粘剤を使用した。すさにはセルロースファイバーを使用した。腐敗防止剤にはホウ酸を使用した。上塗材には、直径0.1mm未満のメソポア珪藻土90質量部に対し、骨材10質量部、のり10質量部、すさ1質量部、及び腐敗防止剤2質量部を使用した。下塗材には、直径0.1mm以上のメソポア珪藻土90質量部に対し、骨材10質量部、のり10質量部、すさ1質量部、及び腐敗防止剤2質量部を使用した。上塗材及び下塗材は、それぞれの材料を撹拌し、その後、水を除々に加えつつさらに攪拌してペーストにした。
【0042】
第2層120には、バーミキュライトを含む建築材料のモイス(登録商標)の6mm平板を使用した。モイスの裏面が上面となるように使用した。第2層120は、左右方向の大きさが1,820mm、前後方向の大きさが910mmのものを5枚使用した。それぞれの第2層120の上面に、下塗材のペーストを約0.5~1.5mmの厚さになるよう、鏝で塗布した。次に、下塗材のペーストの上面に上塗材のペーストを約0.1~0.5mmの厚さになるように鏝で塗布した。第1層110の厚さは、合計約1.5mmとなった。その後、第1層110が固化するまで、第1層110及び第2層120の積層体を放置して乾燥させ、調湿部材100を作製した。
【0043】
次に、合成繊維製の第1吊り下げ部材210及び第2吊り下げ部材220を使用して、天井面1aの近傍に調湿部材100を吊り下げた。
【0044】
[第2実施例]
(調湿部材の違いによる吸湿率及び吸放湿機能の比較)
第2の実施例では、図3(a)~図3(c)に示す調湿部材600~800における吸湿率及び吸放湿機能を比較した。試験結果を表1に示す。なお、図3(a)~図3(c)における上下左右方向は実験時に部材を配置した方向に基づく方向である。なお、本試験は、日本工業規格(JIS)で定める「建築材料の吸放湿性試験法」に準じた。
【0045】
【表1】
【0046】
(稚内珪藻土を含まない調湿部材)
図3(a)に示すように、モイスの6mm平板である層部材510のみから構成される調湿部材600を通気性のないアルミテープからなるシール400でその上面以外を覆った。調湿部材600の大きさは60mm×60mm四方である。なお、層部材510の上面がモイスの表面である。調湿部材600を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、調湿部材600の吸湿率を測定した。その後、調湿部材600を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、調湿部材600の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、調湿部材600の吸放湿機能の値を算出した。なお、「RH」とは相対湿度の意味である。「吸湿率」とは、吸湿後の重量と吸湿前の絶乾重量との差を求め、絶乾重量で除したときの値を百分率で表示したものである。
【0047】
(稚内珪藻土を含む層が空間に露出していない調湿部材)
図3(b)に示すように、層部材510の下面に層部材520を積層させた調湿部材700に対して、シール400でその上面以外を覆った。層部材520は第1実施例の第1層110に対応し、下塗材の下面には上塗材が積層されて、下塗材の上面には層部材510が積層されている。つまり、稚内珪藻土を含む層部材520は、上面が層部材510に、その他の表面がシール140に覆われている。調湿部材600同様に、調湿部材700を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、調湿部材700の吸湿率を測定した。その後、調湿部材700を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、調湿部材700の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、調湿部材700の吸放湿機能の値を算出した。
【0048】
(稚内珪藻土を含む層が空間に露出した調湿部材)
図3(c)に示すように、調湿部材700と同じ構造を有する調湿部材800を、調湿部材700の上面に対応する表面(つまり、層部材510における層部材520とは反対側の表面)が下面になるように配置し、シール400でその上面以外を覆った。つまり、稚内珪藻土を含む層部材520は上面が上方に露出しており、下面が層部材510に、その他の端面がシール400に覆われている。調湿部材600同様に、調湿部材800を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、調湿部材800の吸湿率を測定した。その後、調湿部材800を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、調湿部材800の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、調湿部材800の吸放湿機能の値を算出した。
【0049】
なお、調湿部材700は本発明に係る態様で実施した実施例である。調湿部材600については調湿部材700に対する比較例であり、調湿部材800については本発明とは異なる態様で実施した参考例である。
【0050】
表1に示すように、調湿部材600においては、90%RHは3.34wt%、50%RHは1.55wt%であり、吸放湿機能は1.79wt%であった。調湿部材700においては、90%RHは4.45wt%、50%RHは1.91wt%であり、吸放湿機能は2.54wt%であった。調湿部材800においては、90%RHは5.34wt%、50%RHは1.50wt%であり、吸放湿機能は3.84wt%であった。稚内珪藻土を含まない調湿部材600と稚内珪藻土を含む層が空間に露出していない調湿部材700とを比較すると、調湿部材700の90%RHは調湿部材600の約1.33倍となり、調湿部材700の吸放湿機能は調湿部材600の約1.42倍となった。
【0051】
[実験例]
(上塗材及び下塗材の態様の違いによる吸湿率及び吸放湿機能の比較)
次に、実験例として、上塗材及び下塗材の態様の違いによる吸湿率及び吸放湿機能を比較した。実験結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
(サンプル1)
第1実施例同様に上塗材の各材料を撹拌し、粉粒状のまま、秤量瓶(内径38mm×高さ30mm)に高さ5mmまで流し込んでサンプル1を作製した。サンプル1を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、サンプル1の吸湿率を測定した。その後、サンプル10を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、サンプル1の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、サンプル1の吸放湿機能の値を算出した。
【0054】
(サンプル2)
第1実施例同様に下塗材の各材料を撹拌し、粉粒状のまま、秤量瓶(内径38mm×高さ30mm)に高さ5mmまで流し込んでサンプル2を作製した。サンプル2を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、サンプル2の吸湿率を測定した。その後、サンプル2を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、サンプル2の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、サンプル2の吸放湿機能の値を算出した。
【0055】
(サンプル3)
第1実施例同様に上塗材のペーストを調製し、秤量瓶(内径38mm×高さ30mm)に上塗材のペーストを高さ5mmまで流し込み乾燥させ固化させてサンプル3を作製した。サンプル3を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、サンプル3の吸湿率を測定した。その後、サンプル3を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、サンプル3の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、サンプル3の吸放湿機能の値を算出した。
【0056】
(サンプル4)
第1実施例同様に下塗材のペーストを調製し、秤量瓶(内径38mm×高さ30mm)に下塗材のペーストを高さ5mmまで流し込んで乾燥させ固化させてサンプル4を作製した。サンプル4を温度25℃、湿度90%RHの実験室内に24時間静置して、サンプル4の吸湿率を測定した。その後、サンプル4を温度25℃、湿度50%RHで24時間同様に静置して、サンプル4の吸湿率を測定した。次に、90%RH及び50%RHの吸湿率の差を求め、サンプル4の吸放湿機能の値を算出した。
【0057】
表2に示すように、サンプル1においては、90%RHは11.92wt%、50%RHは2.44wt%であり、吸放湿機能は9.48wt%であった。サンプル2においては、90%RHは13.72wt%、50%RHは2.23wt%であり、吸放湿機能は11.49wt%であった。サンプル3においては、90%RHは15.71wt%、50%RHは1.81wt%であり、吸放湿機能は13.90wt%であった。サンプル4においては、90%RHは14.95wt%、50%RHは1.99wt%であり、吸放湿機能は12.96wt%であった。粉粒状の上塗材のサンプル1と固化した上塗材のサンプル3とを比較すると、サンプル3の90%RHはサンプル1の約1.32倍となり、サンプル3の吸放湿機能はサンプル1の約1.47倍となった。また、粉粒状の下塗材のサンプル2と固化した下塗材のサンプル4とを比較すると、サンプル4の90%RHはサンプル2の約1.09倍となり、サンプル4の吸放湿機能はサンプル2の約1.13倍となった。つまり、固化した塗材は粉粒状の塗材より吸湿率や吸放湿機能が高くなった。これは、のりを用いた固化による機能低下がなく、のりがメソポア珪藻土の機能を低下させないことを示している。
【0058】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これら
の実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した
実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均
等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。以下、上述の実施形態に係る変形例に
ついて説明する。また、上述の実施形態と共通の部分については上述と同じ符号を用いる
と共に、説明を適宜省略する。
【0059】
上述の実施形態では、上塗材及び下塗材を使用している。しかし、どちらか一方のみを使用してもよい。また、粉砕したメソポア珪藻土を分級せずに第1層に使用してもよい。
【0060】
上述の実施形態では、第1層110はペースト状のものを第2層120に塗布している。しかし、第1層110の材料を含む板状のものやパッケージした粉粒状のものを第1層として使用してもよい。
【0061】
上述の実施形態では、調湿部材100はコンテナ1の天井面1aの近傍に吊り下げられている。しかし、調湿部材100は天井面1aに張り付けられていてもよい。また、調湿部材100は、天井面1aでなくとも、コンテナ1内部の左右の側面等、コンテナ1内のその他の表面の近傍に位置するように配置されたり、その他の表面に貼り付けられたりしていてもよい。調湿部材100がコンテナ1内のその他の表面の近傍に位置するように配置されたり、その他の表面に貼り付けられたりする場合、第1層110が第2層120に対して上記その他の表面に近い側に配置され、第2層120がコンテナ1の内部に露出するように調湿部材100が設置される。これにより、作業者や貨物等が調湿部材100に接触しても第1層110が損なわれにくい。
【0062】
上述の実施形態では、5枚の調湿部材100が使用されている。しかし、天井面1aを1枚でほぼ覆うことができるような大きさの調湿部材を使用してもよい。
【0063】
上述の実施形態では、調湿部材100は、天井面1aにおける前後方向の大きさより一回り小さい大きさを分割した大きさである。しかし、調湿部材が天井面1aにおける左右方向の大きさより一回り小さい大きさを複数に分割した大きさであり、その調湿部材を左右方向に並べて使用してもよい。また、調湿部材は、天井面1aの前後方向及び左右方向に複数並べて使用できる大きさであってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、天井面1aをほぼ覆う大きさになるように調湿部材100を使用している。しかし、1枚又は複数枚の調湿部材を並べた大きさが天井面1aより小さくともよい。
【0065】
上述の実施形態では、複数の調湿部材100を並べて1つの第1吊り下げ部材210で覆っている。しかし、調湿部材100ごとに第1吊り下げ部材210で覆って吊り下げてもよい。
【0066】
上述の実施形態では、第1吊り下げ部材210及び第2吊り下げ部材220を使用している。しかし、どちらか一方のみを使用してもよい。
【0067】
上述の実施形態では、第1吊り下げ部材210の網目構造を天井面1aのフック1b及び1cに引っ掛けている。しかし、左端部及び右端部に穴の開いた調湿部材を使用したり、調湿部材の左端部及び右端部に穴の開いた接続部材を設けたりして、その穴を天井面1aのフック1b及び1cに引っ掛けてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 コンテナ
1a 天井面
100 調湿部材
110 第1層
120 第2層
200 吊り下げ部材
210 第1吊り下げ部材
220 第2吊り下げ部材
【要約】
【課題】調湿機能を有する部分が損なわれにくいように調湿部材が内部に設けられたコンテナ及びこれに用いられる調湿装置を提供する。
【解決手段】調湿部材100は、吊り下げ部材200によって、コンテナ1の天井面1aの近傍に吊り下げられている。調湿部材100は、稚内珪藻土を含む第1層110及び第2層120を備えている。第2層120は、バーミキュライトを含んでおり、天井面1aとの間に第1層110を挟む位置に配置されている。第2層120を介して第2層120よりもコンテナ1の内側の空間と第1層110との間で空気が流通し、第2層120よりも内側の空間が調湿される。調湿部材100は撓んでおり、コンテナ1全体の振動によって調湿部材100の撓み度合いに関する振動が生じる。
【選択図】図2
図1
図2
図3