(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】EFEM
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2018048432
(22)【出願日】2018-03-15
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】小倉 源五郎
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-092233(JP,A)
【文献】特開2016-162818(JP,A)
【文献】特開2013-089689(JP,A)
【文献】特開2002-359180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が搬送される搬送室と、
前記搬送室に不活性ガスを送るファンフィルタユニットが設置されたユニット設置室と、
前記搬送室内を流れた前記不活性ガスを前記ユニット設置室に戻すための帰還路と、を備え、
所定の奥行方向における前記搬送室の一方側の端部に、前記基板に所定の処理を施す基板処理装置が接続されるEFEMであって、
前記帰還路は、
前記奥行方向における前記搬送室の前記一方側の端部には配置されておらず、前記奥行方向における前記搬送室の他方側の端部に配置されていることを特徴とするEFEM。
【請求項2】
前記奥行方向における前記搬送室の前記他方側の端部に配置され、前記搬送室を形成している柱部材を備え、
前記柱部材は、中空であり、
前記帰還路は、前記柱部材の内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のEFEM。
【請求項3】
前記柱部材に取り付けられて前記帰還路と連通し、前記搬送室内の前記不活性ガスを前記帰還路へ案内する導入ダクトと、
前記導入ダクト内に設けられ、前記帰還路内の前記不活性ガスを前記ユニット設置室側へ送るファンと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のEFEM。
【請求項4】
前記搬送室と、前記ユニット設置室と、前記帰還路と、を有し、前記不活性ガスを循環させるように構成された循環路、を備え、
前記循環路は、前記搬送室内の前記不活性ガスが下方に流れるように構成され、
前記導入ダクトには、前記不活性ガスが流入する開口部が形成され、
前記開口部は、下方を向いていることを特徴とする請求項3に記載のEFEM。
【請求項5】
前記奥行方向と直交する幅方向に並べて配置された複数の前記柱部材と、
前記搬送室よりも前記奥行方向における前記他方側に配置され、且つ、前記幅方向に並べて配置された、前記基板を収容する容器がそれぞれ載置される複数のロードポートと、を備え、
前記搬送室の前記奥行方向における前記他方側の端部には、各ロードポートに載置される前記容器に前記基板を搬出入するための複数の開口が形成され、
前記複数の開口は、前記幅方向において前記複数の柱部材の間にそれぞれ配置され、
前記複数の柱部材それぞれの内部に、前記帰還路が設けられていることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載のEFEM。
【請求項6】
複数の前記帰還路のうち前記幅方向における端に位置している帰還路の、前記奥行方向及び前記幅方向の両方と直交する断面積は、
前記複数の帰還路のうち前記幅方向における端以外に位置している帰還路の前記断面積よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のEFEM。
【請求項7】
前記搬送室、前記ユニット設置室、及び前記帰還路のうち少なくともいずれかに前記不活性ガスを供給するガス供給部と、
前記搬送室、前記ユニット設置室、及び前記帰還路のうち少なくともいずれかから前記不活性ガスを含む気体を排出する排出部と、
前記搬送室内に設置された第1圧力検出部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記不活性ガスの供給量又は前記搬送室の第1圧力検出部の検出結果に応じて、前記排
出部からのガス排気量を調整することを特徴とする請求項1~
6のいずれかに記載のEFEM。
【請求項8】
前記帰還路内の前記不活性ガスを前記ユニット設置室側へ送るファンと、
前記ファンを回転駆動する駆動部と、
前記ユニット設置室内に配置された第2圧力検出部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第2圧力検出部の検出結果に基づき、前記ユニット設置室内の圧力が目標圧力に維持されるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載のEFEM。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不活性ガスを循環させることが可能なEFEM(Equipment Front End Module)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、ウェハに所定の処理を施す基板処理装置と、ウェハが収容される容器との間でウェハの受渡しを行うEFEMが開示されている。EFEMは、ウェハを保持して搬送する搬送ロボットと、搬送ロボットが配置されている搬送室とを有する。
【0003】
従来、ウェハ上で製造される半導体回路に対する搬送室内の酸素や水分等の影響は少なかったが、近年、半導体回路のさらなる微細化に伴い、それらの影響が顕在化してきている。そこで、特許文献1及び2に記載のEFEMは、搬送室を含む、窒素が循環する循環路と、循環路内に窒素を供給する供給手段と、循環路内のガスを排出する排出手段とを備える。これにより、窒素を循環させながら、必要に応じて窒素の供給流量及びガスの排出流量を調節することで、窒素の供給流量の増大を抑えつつ、循環路内を窒素雰囲気に保つことが可能となる。
【0004】
より詳細には、循環路は、上述した搬送室と、搬送室に窒素を送るファンフィルタユニットが設置された部屋(ユニット設置室)と、搬送室内の窒素をユニット設置室に戻す帰還路とを有する。特許文献1に記載の帰還路は、搬送室の一方の側面に配置されている。特許文献2に記載の帰還路は、搬送室の背面壁を利用して形成されている。背面壁は、基板処理装置と接続される。
【0005】
また、一般的に、搬送室内には付帯設備が設けられる場合が多い。付帯設備の一例として、特許文献1の
図6に示すように、搬送ロボットによるウェハの保持位置を補正するためのアライナ等が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-27258号公報
【文献】特開2015-146349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、搬送室の側面には、上述したアライナ等の付帯設備や、メンテナンスドア等が設けられる場合が多い。このため、特許文献1に記載のように、帰還路が搬送室の一方の側面に配置されている(つまり、一方の側面が帰還路によって占められている)と、帰還路が側面に配置されていない場合と比べて、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じるおそれがある。また、特許文献2に記載のEFEMにおいては、帰還路が背面壁を利用して形成されている。背面壁は、基板処理装置と接続されるため、基板処理装置の仕様等に応じて、帰還路の配置位置等を変更する必要が生じうる。このため、量産が難しくなるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、不活性ガスを循環させるタイプのEFEMにおいて、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じることを抑制し、且つ、接続される基板処理装置の仕様等に応じた帰還路の配置位置等の変更を不要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明のEFEMは、基板が搬送される搬送室と、前記搬送室に不活性ガスを送るファンフィルタユニットが設置されたユニット設置室と、前記搬送室内を流れた前記不活性ガスを前記ユニット設置室に戻すための帰還路と、を備え、所定の奥行方向における前記搬送室の一方側の端部に、前記基板に所定の処理を施す基板処理装置が接続されるEFEMであって、前記帰還路は、前記奥行方向における前記搬送室の他方側の端部に配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、奥行方向における搬送室の端部に帰還路が配置されている。これにより、奥行方向と直交する方向における両端部(側面)のいずれも帰還路によって占められていない構成とすることができる。したがって、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じることを抑制できる。また、奥行方向における一方側の端部に帰還路を配置しない構成とすることで、基板処理装置の仕様等に応じて帰還路の配置位置等を変更する必要をなくすことができる。したがって、不活性ガスを循環させるタイプのEFEMにおいて、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じることを抑制し、且つ、接続される基板処理装置の仕様等に応じた帰還路の配置位置等の変更を不要とすることができる。
【0011】
第2の発明のEFEMは、前記第1の発明において、前記奥行方向における前記搬送室の前記他方側の端部に配置され、前記搬送室を形成している柱部材を備え、前記柱部材は、中空であり、前記帰還路は、前記柱部材の内部に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明では、帰還路が中空の柱部材に内蔵されているので、柱部材とは別に帰還路が設けられている構成と比べて、EFEMの設置面積の増大を抑制できる。
【0013】
第3の発明のEFEMは、前記第2の発明において、前記柱部材に取り付けられて前記帰還路と連通し、前記搬送室内の前記不活性ガスを前記帰還路へ案内する導入ダクトと、 前記導入ダクト内に設けられ、前記帰還路内の前記不活性ガスを前記ユニット設置室側へ送るファンと、を備えることを特徴とするものである。
【0014】
帰還路が柱部材の内部に設けられている構成では、帰還路の流路面積を広く確保することが難しい場合があるので、ファンによって不活性ガスを積極的にユニット設置室側へ送ることが好ましい。しかし、ファンを柱部材の内部に設置しようとすると、作業性やファンのサイズ等の観点から、設置が困難となるおそれがある。本発明では、導入ダクトのサイズ等を適切にすることで、ファンの設置を容易化できる。
【0015】
第4の発明のEFEMは、前記第3の発明において、前記循環路は、前記搬送室内の前記不活性ガスが下方に流れるように構成され、前記導入ダクトには、前記不活性ガスが流入する開口部が形成され、前記開口部は、下方を向いていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明では、上方から隔壁31に達した気体を、上方からの気体の流れを乱すことなくスムーズに吸い込むことが可能となる。さらには開口29aで吸い込んだ気体を、上方へと気流方向を変えずに流すことが可能となる。
【0017】
第5の発明のEFEMは、前記第2~第4のいずれかの発明において、前記奥行方向と直交する幅方向に並べて配置された複数の前記柱部材と、前記搬送室よりも前記奥行方向における前記他方側に配置され、且つ、前記幅方向に並べて配置された、前記基板を収容する容器がそれぞれ載置される複数のロードポートと、を備え、前記搬送室の前記奥行方向における前記他方側の端部には、各ロードポートに載置される前記容器に前記基板を搬出入するための複数の開口が形成され、前記複数の開口は、前記幅方向において前記複数の柱部材の間にそれぞれ配置され、前記複数の柱部材それぞれの内部に、前記帰還路が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明では、複数の柱部材と複数の開口とが幅方向において互いに重ならない位置に(すなわち、基板が容器に搬出入される際に、柱部材が妨げにならないように)配置されている。さらに、各柱部材の内部に帰還路が設けられている。このように、柱部材を配置可能な空間を効率的に利用して複数の帰還路が設けられているので、各柱部材の大型化を抑制しつつ、必要な流路面積を確保しやすくすることができる。
【0019】
第6の発明のEFEMは、前記第1~第5のいずれかの発明において、前記搬送室、前記ユニット設置室、及び前記帰還路のうち少なくともいずれかに前記不活性ガスを供給するガス供給部と、前記搬送室、前記ユニット設置室、及び前記帰還路のうち少なくともいずれかから前記不活性ガスを含む気体を排出する排出部と、前記搬送室内に設置された第1圧力検出部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記不活性ガスの供給量又は前記第1圧力検出部の検出結果に応じて、前記排気部からのガス排気量を調整することを特徴とするものである。
【0020】
不活性ガスを循環させるタイプのEFEMにおいては、不活性ガス以外の気体(つまり、不純物)の濃度が増加した場合に、不純物の濃度を速やかに低減させる必要がある。本発明では、循環路に不活性ガスを供給することで不純物の濃度を速やかに低減させることができる。また、不活性ガスの供給量又は搬送室内の圧力変化に応じてガスを排出することで、搬送室内の圧力を適切に制御することができる。
【0021】
第7の発明のEFEMは、前記第1~第6のいずれかの発明において、前記帰還路内の前記不活性ガスを前記ユニット設置室側へ送るファンと、前記ファンを回転駆動する駆動部と、前記ユニット設置室内に配置された第2圧力検出部と、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2圧力検出部の検出結果に基づき、前記ユニット設置室内の圧力が目標圧力に維持されるように前記駆動部を制御することを特徴とするものである。
【0022】
本発明では、帰還路内の不活性ガスが、ファンによって積極的にユニット設置室へ戻される。但し、ファンの回転速度が遅く、ユニット設置室に戻る不活性ガスの流量が少な過ぎると、ユニット設置室内の圧力が下がり、外部の気体がユニット設置室内に侵入しやすくなるおそれがある。逆に、ファンの回転速度が速く、ユニット設置室に戻る不活性ガスの流量が多過ぎると、ユニット設置室内の圧力が上がり、ファンフィルタユニットによって搬送室に送られる不活性ガスの気流が不安定化しやすくなるおそれがある。本発明では、制御部によって駆動部を制御して(すなわち、ファンの回転速度を制御して)、ユニット設置室内の圧力を適切な目標圧力に維持することで、上記のような問題の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係るEFEM及びその周辺の概略的な平面図である。
【
図6】ユニット設置室内の圧力のフィードバック制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について、
図1~
図6を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、
図1に示す方向を前後左右方向とする。すなわち、EFEM(Equipment Front End Module)1と基板処理装置6とが並べられている方向を前後方向(本発明の奥行方向)とする。EFEM1側を前側(本発明の他方側)、基板処理装置6側を後側(本発明の一方側)とする。前後方向と直交する、複数のロードポート4が並べられている方向を左右方向(本発明の幅方向)とする。また、前後方向及び左右方向の両方と直交する方向を上下方向とする。
【0025】
(EFEM及び周辺の概略構成)
まず、EFEM1及びその周辺の概略構成について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るEFEM1及びその周辺の概略的な平面図である。
図2は、EFEM1の電気的構成を示す図である。
図1に示すように、EFEM1は、筐体2と、搬送ロボット3と、複数のロードポート4と、制御装置5(本発明の制御部)とを備える。EFEM1の後方には、ウェハW(本発明の基板)に所定の処理を施す基板処理装置6が配置されている。EFEM1は、筐体2内に配置された搬送ロボット3によって、ロードポート4に載置されているFOUP(Front-Opening Unified Pod)100と基板処理装置6との間でウェハWの受渡しを行う。FOUP100は、複数のウェハWを上下方向に並べて収容可能な容器であり、後端部(前後方向における筐体2側の端部)に蓋101が取り付けられている。FOUP100は、例えば、ロードポート4の上方に設けられた不図示のレールに吊り下げられて走行する、不図示のOHT(天井走行式無人搬送車)によって搬送される。OHTとロードポート4との間で、FOUP100の受渡しが行われる。
【0026】
筐体2は、複数のロードポート4と基板処理装置6とを接続するためのものである。筐体2の内部には、外部空間に対して略密閉された、ウェハWが搬送される搬送室41が形成されている。EFEM1が稼動しているとき、搬送室41は、窒素(本発明の不活性ガス)で満たされている。筐体2は、搬送室41を含む内部空間を窒素が循環するように構成されている(詳細については後述する)。搬送室41の前方には、複数のロードポート4が配置されている。また、筐体2の後側の端部にはドア2aが取り付けられ、搬送室41は、ドア2aを隔てて基板処理装置6と接続されている。
【0027】
搬送ロボット3は、搬送室41内に配置され、ウェハWの搬送を行う。搬送ロボット3は、位置が固定された基台部3a(
図3参照)と、基台部3aの上方に配置され、ウェハWを保持して搬送するアーム機構3b(
図3参照)と、ロボット制御部11(
図2参照)とを有する。搬送ロボット3は、主に、FOUP100内のウェハWを取り出して基板処理装置6に渡す動作や、基板処理装置6によって処理されたウェハWを受け取ってFOUP100に戻す動作を行う。
【0028】
ロードポート4は、FOUP100を載置する(
図5参照)ためのものである。複数のロードポート4は、それぞれの後端部が筐体2の前側の隔壁(後述する隔壁33)に沿うように、左右方向に並べて配置されている。ロードポート4は、FOUP100内の雰囲気を窒素等の不活性ガスに置換可能に構成されている。ロードポート4の後端部には、ドア4aが設けられている。ドア4aは、不図示のドア開閉機構によって開閉される。ドア4aは、FOUP100の蓋101のロックを解除可能、且つ、蓋101を保持可能に構成されている。ロックが解除された蓋101をドア4aが保持している状態で、ドア移動機構がドア4aを開けることで、蓋101が開けられる。これにより、FOUP100内のウェハWが、搬送ロボット3によって取出可能になる。なお、ドア4aは、ドア移動機構によって開けられている状態でも、隔壁33から例えば100mm以上後方(筐体2の内側)には移動しないように構成されている。
【0029】
図2に示すように、制御装置5は、搬送ロボット3のロボット制御部11、ロードポート4の制御部(不図示)、基板処理装置6の制御部(不図示)と電気的に接続されており、これらの制御部との通信を行う。制御装置5は、筐体2内に設置された酸素濃度計55、第1圧力計56、第2圧力計57(詳細は後述)、湿度計58等と電気的に接続されており、これらの計測機器の計測結果を受信して、筐体2内の雰囲気に関する情報を把握する。制御装置5は、供給バルブ61及び排出バルブ62(後述)と電気的に接続されており、これらのバルブの開度を調節することで、筐体2内の雰囲気を適宜調節する。また、制御装置5は、ファン駆動モータ49(詳細は後述)と電気的に接続されている。
【0030】
図1に示すように、基板処理装置6は、例えば、ロードロック室6aと、処理室6bとを有する。ロードロック室6aは、筐体2のドア2aを隔てて搬送室41と接続された、ウェハWを一時的に待機させるための部屋である。処理室6bは、ドア6cを隔ててロードロック室6aと接続されている。処理室6bでは、不図示の処理機構によって、ウェハWに対して所定の処理が施される。
【0031】
(筐体及びその内部の構成)
次に、筐体2及びその内部の構成について、
図3~
図5を用いて説明する。
図3は、筐体2の正面図である。
図4は、
図3のIV-IV断面図である。
図5は、
図3のV-V断面図である。なお、
図3においては、隔壁の図示を省略している。また、
図5においては、搬送ロボット3等の図示を省略している。
【0032】
筐体2は、全体として直方体状である。
図3~
図5に示すように、筐体2は、柱21~26と、隔壁31~36とを有する。上下方向に延びる柱21~26に隔壁31~36が取り付けられており、筐体2の内部空間が外部空間に対して略密閉されている。
【0033】
より具体的には、
図4に示すように、筐体2の前端部において、柱21~24が左方から右方にかけて順番に並べて立設配置されている。柱21と柱24との間に配置された柱22、23は、柱21及び柱24よりも短い。筐体2の後端部の左右両側に、柱25、26が立設配置されている。
【0034】
柱21~24の前後方向のサイズは、例えば100mm以内である。つまり、例えば、前後方向において、筐体2の前端に配置された隔壁33の内側面から後方に100mmまでの領域が、搬送室41の前端部に相当する。但し、これに限られるものではない。
【0035】
図3に示すように、筐体2の底部に隔壁31が、天井部に隔壁32が配置されている。
図4に示すように、前端部に隔壁33が、後端部に隔壁34が、左端部に隔壁35が、右端部に隔壁36が、それぞれ配置されている。前端部の隔壁33には、ロードポート4に載置されるFOUP100にウェハWを搬出入するための複数の開口38が、左右方向に並べて形成されている。後端部の隔壁34には、基板処理装置6(
図1参照)が接続される。筐体2の右端部には、後述するアライナ54が載置される載置部53(
図3参照)が設けられている。アライナ54及び載置部53も、筐体2の内側に収容されている(
図4参照)。また、筐体2の左端部には、例えば、メンテナンス時等に作業者が搬送室41に出入りできるように、メンテナンスドア59が設けられている(
図4参照)。
【0036】
図3及び
図5に示すように、筐体2内の上側部分(柱22、23の上方)には、水平方向に延びる支持板37が配置されている。これにより、筐体2の内部は、下側に形成された前述の搬送室41と、上側に形成されたユニット設置室42とに分かれている。ユニット設置室42内には、後述するFFU44(ファンフィルタユニット)が配置されている。支持板37の前後方向における中央部には、搬送室41とユニット設置室42とを連通させる開口37aが形成されている。なお、筐体2の隔壁33~36は、搬送室41用の下部壁とユニット設置室42用の上部壁とに分けられている(例えば、
図5における前端部の隔壁33a、33b及び後端部の隔壁34a、34bを参照)。
【0037】
次に、筐体2の内部の構成について説明する。具体的には、筐体2内で窒素を循環させるための構成及びその周辺構成、並びに、搬送室41内に配置された機器等について説明する。
【0038】
筐体2内で窒素を循環させるための構成及びその周辺構成について、
図3~
図5を用いて説明する。
図5に示すように、筐体2の内部には、窒素を循環させるための循環路40が形成されている。循環路40は、搬送室41と、ユニット設置室42と、帰還路43とによって構成されている。概要としては、循環路40においては、ユニット設置室42から清浄な窒素が下方へ送り出され、搬送室41の下端部まで到達した後、帰還路43を通って上昇し、ユニット設置室42に戻るようになっている(
図5の矢印参照)。
【0039】
ユニット設置室42には、支持板37上に配置されたFFU44と、FFU44上に配置されたケミカルフィルタ45とが設けられている。FFU44は、ファン44aとフィルタ44bとを有する。FFU44は、ファン44aによってユニット設置室42内の窒素を下方に送出しつつ、窒素に含まれるパーティクル(不図示)をフィルタ44bによって除去する。ケミカルフィルタ45は、例えば基板処理装置6から循環路40内に持ち込まれた活性ガス等を除去するためのものである。FFU44及びケミカルフィルタ45によって清浄化された窒素は、ユニット設置室42から、支持板37に形成された開口37aを介して搬送室41に送り出される。搬送室41に送り出された窒素は、層流を形成し、下方へ流れる。
【0040】
帰還路43は、搬送室41内を流れた窒素をユニット設置室に戻すためのものである。ユニット設置室42に戻された窒素は、FFU44やケミカルフィルタ45によって清浄化され、再び搬送室41へ送り出される。このようにして、窒素が循環路40内を循環可能になっている。帰還路43の詳細については後述する。
【0041】
図3に示すように、ユニット設置室42の側部には、循環路40内に窒素を供給するための供給管47が接続されている。供給管47は、窒素の供給源111に接続されている。供給管47の途中部には、窒素の単位時間あたりの供給量を変更可能な供給バルブ61(本発明のガス供給部)が設けられている。また、
図5に示すように、搬送室41の前端部には、循環路40内の気体を排出するための排出管48が接続されている。排出管48は、例えば不図示の排気ポートにつながっている。排出管48の途中部には、循環路40内の気体の単位時間あたりの排出量を変更可能な排出バルブ62(本発明の排出部)が設けられている。供給バルブ61及び排出バルブ62は、制御装置5と電気的に接続されている(
図2参照)。これにより、循環路40に窒素を適宜供給及び排出することが可能となっている。例えば、循環路40内の酸素濃度が上昇した場合に、制御装置5が供給バルブを制御して、供給源111から供給管47を介して循環路40に窒素を一時的に多く供給することで、酸素濃度を下げることができる。また、例えば、制御装置5が第1圧力計56(本発明の第1圧力検出部。
図2参照)の検出結果に基づいて排出バルブ62を制御することで、搬送室41内の圧力を所定圧力に保つことができる。窒素を循環させるタイプのEFEM1においては、循環路40から外部への窒素の漏出を抑制しつつ、外部から循環路40への大気の侵入を抑制するため、循環路40内の圧力を外部の圧力よりもわずかに高く保つ必要がある。具体的には、1Pa(G)~3000Pa(G)の範囲内であり、好ましくは、3Pa(G)~500Pa(G)、より好ましくは、5Pa(G)~100Pa(G)である。このため、制御装置5は、搬送室41に設けられた第1圧力計56により測定される圧力が所定の範囲から外れると、排出バルブ62の開度を変更することで窒素の排出流量を変更し、圧力が所定の範囲内になるように調節される。つまり、酸素濃度に基づいて窒素の供給量が調節され、第1圧力計56の検出結果に基づいてEFEM1内の気体の排出量が調節されることで、酸素濃度及び圧力が制御される。本実施形態では、10Pa(G)の差圧となるよう調整している。或いは、制御装置5は、窒素の供給量(供給バルブ61の開度)に応じて排出バルブ62の開度を制御しても良い。
【0042】
次に、搬送室41内に配置された機器等について、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3及び
図4に示すように、搬送室41内には、上述した搬送ロボット3と、制御部収容箱51と、計測機器収容箱52と、アライナ54とが配置されている。制御部収容箱51は、例えば搬送ロボット3の基台部3a(
図3参照)の左方に設置され、アーム機構3b(
図3参照)と干渉しないように配置されている。制御部収容箱51には、上述したロボット制御部11が収容されている。計測機器収容箱52は、例えば基台部3aの右方に設置され、アーム機構3bと干渉しないように配置されている。計測機器収容箱52には、上述した酸素濃度計55、第1圧力計56、湿度計58等の計測機器(
図2参照)が収容可能となっている。
【0043】
アライナ54は、搬送ロボット3のアーム機構3b(
図3参照)に保持されているウェハWの保持位置が、目標保持位置からどれだけずれているか検出するためのものである。例えば、上述したOHT(不図示)によって搬送されるFOUP100(
図1参照)の内部では、ウェハWが微妙に動くおそれがある。そこで、搬送ロボット3は、FOUP100から取り出した処理前のウェハWを、いったんアライナ54に載置する。アライナ54は、ウェハWが搬送ロボット3によって目標保持位置からどれだけずれた位置で保持されていたか計測し、計測結果をロボット制御部11に送信する。ロボット制御部11は、上記計測結果に基づいて、アーム機構3bによる保持位置を補正し、アーム機構3bを制御して目標保持位置でウェハWを保持させ、基板処理装置6のロードロック室6aまで搬送させる。これにより、基板処理装置6によるウェハWの処理を正常に行うことができる。
【0044】
ここで、以上のような構成を有するEFEM1において、帰還路43が搬送室41の左右両端部又は後端部に配置されていると、以下のような問題が生じうる。一般的に、搬送室41の左右両端部には、上述したアライナ54等の付帯設備や、メンテナンスドア59等が配置されることが多い。他の付帯設備の例として、ウェハWを仮置きするためのバッファステーション(不図示)や、処理装置6で処理されたウェハWを冷却するための冷却台(不図示)等が挙げられる。本実施形態のように、左右端部の一方側に付帯設備が、他方側にメンテナンスドア59が配置される場合もある。或いは、左右両側に付帯設備が配置される場合や、左右両側にメンテナンスドア59が配置される場合もある。このため、帰還路43が側面に配置されている(つまり、一方の側面が帰還路43によって占められている)と、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じるおそれがある。また、帰還路43が、基板処理装置6と接続される後端部に配置されていると、基板処理装置6の仕様等に応じて、帰還路43の配置位置等を変更する必要が生じうる。このため、量産が難しくなるという問題がある。そこで、本実施形態のEFEM1においては、上記の問題を解決するため、帰還路43が以下の構成を有する。
【0045】
(帰還路の詳細構成)
帰還路43の詳細構成について、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4に示すように、帰還路43は、搬送室41の前端部に配置されて搬送室41を形成している、柱21~24(本発明の柱部材)の内部に設けられている。すなわち、柱21~24は中空になっており、それらの内部に、窒素が流れる空間21a~24aがそれぞれ形成されている(
図4参照)。つまり、空間21a~24aが、それぞれ帰還路43となっている。帰還路43は、支持板37の前端部に形成された開口37bによってユニット設置室42と連通している(
図5参照)。左右方向において、柱21~24の間に、前述した複数の開口38(本発明の開口)がそれぞれ配置されている(
図4参照)。つまり、柱21~24及び複数の開口38は、左右方向において互いに重ならないように配置されている。また、柱21~24の下側部分には、搬送室41内の窒素を帰還路43(空間21a~24a)に案内するための導入ダクト27~30がそれぞれ取り付けられている。導入ダクト27~30は、搬送ロボット3のアーム機構3b(
図3参照)の可動範囲(ウェハWが搬送される搬送領域)よりも下方に配置されており、アーム機構3bと干渉しない。このため、導入ダクト27~30は、柱21~24よりも後方に突出させることができる。なお、帰還路43において必要な流路面積を確保するために、柱21、24は柱22、23と比べて左右方向において太くなっており、空間21a、24aの断面積は空間22a、23aの断面積よりも大きい(
図4参照)。
【0046】
これにより、搬送室41の左右両端部(側面)が帰還路43によって占められていない構成となっている。このため、搬送室41の側面が帰還路によって占められている構成と比べて、搬送室41の側面にアライナ54等の付帯設備やメンテナンスドア(不図示)等の設置に関する制約が抑制される。例えば、左端部の隔壁35(
図4参照)にメンテナンスドアを設置することができる。また、右端部の隔壁36(
図4参照)に開口(不図示)を形成してドア(不図示)を設置することで、アライナ54のメンテナンスを容易に行うことができる。或いは、隔壁35、36が筐体2に着脱可能となっていても良い。この場合、メンテナンス時に、それらの隔壁を取り外すことで、付帯設備に容易にアクセス可能となる。また、搬送室41の後端部に帰還路43が配置されていない。このため、基板処理装置6の仕様等に応じて帰還路43の配置位置等を変更する必要がなくなる。
【0047】
帰還路43について、
図5を参照しつつ、より詳細に説明する。なお、
図5には柱23及び導入ダクト29が示されているが、他の柱21、22、24及び導入ダクト27、28、30についても同様である。柱23の後端部の下側部分には、開口23bが形成されている。また、柱23の下側部分に取り付けられた導入ダクト29には開口29aが形成されている。これにより、柱23の内部の空間23aと導入ダクト29が連通しており、搬送室41の下端部に到達した窒素が導入ダクト29を介して帰還路43に流入可能となっている。開口29aは、下方を向いて構成されている。このため、上方から隔壁31に達した気体を、上方からの気体の流れを乱すことなくスムーズに吸い込むことが可能となる。さらには開口29aで吸い込んだ気体を、上方へと気流方向を変えずに流すことが可能となる。導入ダクト27の上部には、下方へ向かうほど後方に広がる拡大部29bが形成されている。拡大部29bの下方には、ファン46(本発明のファン)が設けられている。ファン46は、ファン駆動モータ49(本発明の駆動部)によって回転駆動され、搬送室41の下端部に到達した窒素を吸い込んで帰還路43(
図5においては空間23a)に送り、窒素をユニット設置室42側に戻す。
【0048】
(ユニット設置室内の構成及び圧力制御)
次に、ユニット設置室42内の構成及び圧力制御について説明する。搬送室41内の酸素濃度を酸素濃度計55(
図2参照)によって、搬送室41内の圧力を第1圧力計56(
図2参照)によってそれぞれ検出し、制御装置5が供給バルブ61及び排出バルブ62の開度を制御している。しかしながら、上記制御だけでは、酸素濃度が所望の値以下(例えば100ppm以下)になりにくいことが本願発明者により知見された。本願発明者による検討の結果、ユニット設置室42内の圧力が外部の圧力よりも低くなりやすく、外部からユニット設置室42内に大気が侵入しやすくなっていることが判明した。その原因は、開口37a(
図5参照)の流路抵抗と比べて帰還路43の流路抵抗が高く、FFU44によってユニット設置室42から搬送室41に送られる窒素の流量と比べて、帰還路43を通ってユニット設置室42に戻る窒素の流量が少なくなりやすいためであると考えられた。このため、本実施形態では、ファン46によって、帰還路43内の窒素をユニット設置室42側に積極的に戻している。
【0049】
但し、ファン46の回転速度が速く、ユニット設置室42に戻る窒素の流量が多過ぎると、逆にユニット設置室42内の圧力が高くなり、FFU44によって搬送室41に送られる窒素の気流が不安定化しやすくなるおそれがある。そこで、本実施形態においては、
図5に示すように、ユニット設置室42内に第2圧力計57(本発明の第2圧力検出部)が配置されている。第2圧力計57は、ユニット設置室42内の圧力を検出し、検出結果を制御装置5に送信するように構成されている。
【0050】
制御装置5によるユニット設置室42の圧力制御について、
図6を用いて説明する。
図6(a)は、ユニット設置室42内の圧力の時間変化を示す図である。
図6(b)は、ファン46の回転速度の時間変化を示す図である。制御装置5は、ユニット設置室42内の圧力が目標圧力に維持されるように、第2圧力計57(
図2参照)の検出結果に基づいてファン駆動モータ49(
図2及び
図5参照)を制御し、ファン46(
図5参照)の回転速度をフィードバック制御する。目標圧力とは、例えば、筐体2の外部の圧力(大気圧)よりも10Pa高い圧力(10Pa(G))である。すなわち、ユニット設置室42内の圧力を外部の圧力よりもわずかに高く保つことが好ましい。ユニット設置室42内の差圧は、1~3000Pa(G)の範囲内であり、好ましくは、3~500P(G)であり、より好ましくは5~100Pa(G)とする。
【0051】
例えば、
図6(a)に示すように、ユニット設置室42内の圧力が10Pa(G)よりも低くなると、制御装置5は、
図6(b)に示すように、ファン46の回転速度を速くして帰還路43からユニット設置室42へ送られる窒素の流量を増加させ、ユニット設置室42内の圧力を10Pa(G)に近づける。逆に、循環路40内の圧力が10Pa(G)よりも高くなると、制御装置5は、ファン46の回転速度を遅くして、帰還路43からユニット設置室42へ戻される不活性ガスの流量を減少させる。具体的な制御方式としては、一般的に知られているPID制御(比例制御、積分制御及び微分制御を行う制御)が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0052】
以上のように、搬送室41の前端部に帰還路43が配置されている。これにより、左右方向における両端部(側面)のいずれも帰還路43によって占められていない構成とすることができる。したがって、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じることを抑制できる。また、後端部に帰還路43を配置しない構成とすることで、基板処理装置6の仕様等に応じて帰還路43の配置位置等を変更する必要をなくすことができる。したがって、不活性ガスを循環させるタイプのEFEM1において、付帯設備やメンテナンスドア等の設置に制約が生じることを抑制し、且つ、接続される基板処理装置6の仕様等に応じた帰還路43の配置位置等の変更を不要とすることができる。
【0053】
また、帰還路43が中空の柱21~24に内蔵されているので、柱21~24とは別に帰還路43が設けられている構成と比べて、EFEM1の設置面積の増大を抑制できる。
【0054】
また、ファン46が導入ダクト27~30内に設けられるので、導入ダクト27~30のサイズ等を適切にすることで、ファン46の設置を容易化することができる
【0055】
また、開口29aは、下方を向いて構成されている。このため、上方から隔壁31に達した気体を、上方からの気体の流れを乱すことなくスムーズに吸い込むことが可能となる。さらには開口29aで吸い込んだ気体を、上方へと気流方向を変えずに流すことが可能となる。
【0056】
また、複数の柱21~24が複数の開口38と重ならない位置に(すなわち、ウェハWがFOUP100に出し入れされる際に妨げにならないように)配置されており、且つ、柱21~24の内部に帰還路43が設けられている。このように、柱21~24を配置可能な空間を効率的に利用して複数の帰還路43が設けられているので、柱21~24の大型化を抑制しつつ、必要な流路面積を確保しやすくすることができる。
【0057】
また、循環路40に不活性ガスを供給することで、不活性ガス以外の気体(不純物)の濃度を速やかに低減させることができる。また、不活性ガスの供給量又は搬送室40内の圧力変化に応じてガスを排出することで、搬送室40内の圧力を適切に制御することができる。
【0058】
また、制御装置5によってファン駆動モータ49を制御して(すなわち、ファン46の回転速度を制御して)、ユニット設置室42内の圧力が適切な目標圧力に維持される。したがって、ユニット設置室42内の圧力が下がり、外部の気体がユニット設置室42内に侵入することや、ユニット設置室42内の圧力が上がり、FFU44によって搬送室41に送られる窒素の気流が不安定化することを抑制できる。
【0059】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0060】
(1)前記実施形態において、柱21~24の内部の空間21a~24aが帰還路43となっているものとしたが、これには限られない。例えば、空間21a~24a内にチューブ(不図示)やパイプ(不図示)等を収容し、これらを帰還路として設けても良い。
【0061】
(2)前記までの実施形態において、帰還路43が柱21~24の内部に設けられているものとしたが、これには限られない。例えば、柱21~24に隣接して不図示のダクト等が配置されており、当該ダクトが帰還路となっていても良い。
【0062】
(3)前記までの実施形態において、導入ダクト27~30内にファン46が設けられているものとしたが、これには限られない。すなわち、ファン46は必ずしも設けられていなくても良い。このような構成でも、ユニット設置室42に配置されたFFU44によって、窒素が帰還路43側から吸い込まれて搬送室41側へ送られることで、循環路40内を窒素が循環することは可能である。
【0063】
(4)前記までの実施形態において、不活性ガスとして窒素を用いるものとしたが、これには限られない。例えば、不活性ガスとしてアルゴン等を用いても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 EFEM
4 ロードポート
5 制御装置(制御部)
6 基板処理装置
21~24 柱(柱部材)
27~30 導入ダクト
38 開口
41 搬送室
42 ユニット設置室
43 帰還路
46 ファン
49 ファン駆動モータ(駆動部)
56 第1圧力計(第1圧力検出部)
57 第2圧力計(第2圧力検出部)
61 供給バルブ(ガス供給部)
62 排出バルブ(排出部)