(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】スマート工場のモニタリング方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20220309BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20220309BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2019552526
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 CN2018109859
(87)【国際公開番号】W WO2019076234
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2019-09-24
(31)【優先権主張番号】201710960929.2
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518005942
【氏名又は名称】広東工業大学
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No. 729 Dongfengdong Road, Yuexiu District Guangzhou, Guangdong 510062 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 強
(72)【発明者】
【氏名】張 浩
(72)【発明者】
【氏名】陳 新
(72)【発明者】
【氏名】林 貴祥
(72)【発明者】
【氏名】張 定
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-202737(JP,A)
【文献】特開2014-174993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート工場のモニタリング方法であって、
スマート工場のモニタリングプラットフォームを構築するステップAと、スマート工場のモニタリング方法を実現するステップB、
を含むことを特徴とするスマート工場のモニタリング方法。
ステップAは、以下のステップA1乃至ステップA4を含み、
ステップA1:工場設備の仮想モデルと実物モデルとの相互接続メカニズムを構築し、3Dシミュレーションモニタリングプラットフォームをスマート工場モニタリングの3D可視化インターフェースとし、3Dシミュレーションモニタリングプラットフォームに基づき、デジタルツイン技術を運用し、生産データのダウンコマンドチャンネルと現場生産データのアップ情報チャンネルを構築し、産業用
ネットワークと仮想コントロールネットワークにより、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCの通信メカニズム及びソフト/ハードウェアPLC非同期サイクル同期化保証メカニズムを構築し、上位MESモジュール及び下層制御ネットワークとの通信と統合を実現し、工場現場と等価なスマート工場のモニタリングプラットフォームを構築し、
ステップA2:工場設備モデルの静的モデリングは3Dシミュレーションモニタリングプラットフォームを利用し、工場設備及びそのレイアウト状況を結合し、工場設備の3Dモデリング可動部材と非可動部材に対する分類モデリングを完了し、3D可視化プラットフォーム上で、ライン全体の仮想アセンブリを行い、
ステップA3:工場設備モデルの動的モデリングは3Dシミュレーションモニタリングプラットフォームを利用し、工場設備動作と工場物流状況を結合し、専用機設備と中間設備の動作計画を完了し、製品物流と運動計画を完了し、運動と動作コントロールスクリプトを編制し、工場設備のオフライン模擬運転を実現し、
ステップA4:工場設備の仮想モデルと実物モデルとの相互接続メカニズムに基づき、工場設備モデルとその物理的動作の同期を完了し、実物モデルの各工場設備モデルと仮想モデルのデジタル化ライン全体上で対応する各工場設備モデルのデジタル化モデルの動作同期を実現し、該工場設備モデルは、静的モデルと動的モデルを含み、
ステップBは以下のステップB1乃至ステップB4を含み、
ステップB1:スマート工場
の3Dシミュレーション
を実施し、
ステップB2:工場設備の仮想モデルと実物モデルを関連させ、
ステップB3:コマンドを発し、データを収集し、フィードバックし、
ステップB4:データを可視化し表示
し、
前記ステップB2における工場設備の仮想モデルと実物モデルを関連させることは、上述のスマート工場のモニタリングプラットフォームにより、PLCと仮想ネットワークを架け橋として、3Dシミュレーション、工場設備モデルとハードウェアPLCの間の通信チャンネルを構築し、データ、コマンドと情報の相互接続を実現し、ステップA4に基づいて、デジタルツイン技術を運用し、オンラインセンサーデータ、実物モデルフィードバックの現場リアルタイムデータを利用し、仮想モデルを駆動し、製品移動状況をシミュレーションし、これにより仮想工場とリアル工場の間のインタラクティブな動きと同期を実現し、リアル設備と、モニタリングプラットフォームにマッピングされた対応モデルを、1対1でマッピングすることを含む。
【請求項2】
前記ステップB3におけるコマンドを発し、データ収集し、フィードバックすることは、以下を含むことを特徴とする請求項
1に記載のスマート工場のモニタリング方法。
スマート工場のモニタリングプラットフォームの構築完了とデータ同期通信構築に基づいて、コマンドの指示と現場リアルタイムデータの収集とフィードバックを実現し、スマート工場のモニタリングプラットフォーム工場の各種設備のリアルタイム運転情報と状態に対して、追跡を行い、一方では、MESモジュールを介して、生産コマンドを各ユニット管理モジュールに発送し、各ユニット管理モジュールは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、さらにバス(bus)制御ネットワークモジュール同期を経て底層PLCに送信し、ソフト/ハードウェアPLCを介して、シミュレーションプラットフォームと現場の工場設備を駆動し、
一方、実物モデルの現場情報及び運動状態は、センサー収集のリアルタイムデータを介して、バス(bus)制御ネットワークを経てSCADAモジュールへとアップロードし、各リンクの状態とデータをMESモジュールにフィードバックし、これにより閉ループ(Closedloop)を形成し、
SCADAモジュールは工場データを収集し、MESモジュールにアップロードし、ここで、工場データは設備運転状態、生産工程、製品加工工程、故障情報を含む。
【請求項3】
前記ステップB4におけるデータの可視化表示は、以下を含むことを特徴とする請求項
1又は2に記載のスマート工場のモニタリング方法。
現場リアルタイムデータを、3Dシミュレーションソフトウェアに送信し、ソフトウェア内でデータを処理し、工場運転情報と生産データに対してレポートを統計作成し、工場生産状况、設備故障状况、製品加工状况のリアルタイムデータの3D可視化表現を実現する。
【請求項4】
以下を含むことを特徴とする請求項
1-3のいずれか一項に記載のスマート工場のモニタリング方法を用いるスマート工場のモニタリングシステム。
MESモジュールは、生産コマンドを各ユニット管理モジュールに発送し、
ユニット管理モジュールは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、さらにバス(bus)制御ネットワークモジュール同期を経て底層PLCに送信し、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCを介して、シミュレーションプラットフォームと現場の工場設備を駆動し、
SCADAモジュールは工場データを収集し、MESモジュールにアップロードし、ここで、工場データは設備運転状態、生産工程、製品加工工程、故障情報を含み、
バス(bus)制御ネットワークモジュールは、スマート工場のモニタリングシステム内で構築される通信ネットワークである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工業自動化技術の分野に関し、特に、スマート工場の透明なモニタリング方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
リアルタイムモニタリングはスマート製造工場の必須要件の一つである。
【0003】
次世代のスマート工場は、高度なダイナミズム、適応性とランダム性等の特徴を備え、スマート工場のモニタリングに対して、データモニタリングからデータとモデル混合の3D可視化モニタリングへ、平面モニタリングから3D多視点モニタリングへの発展の差し迫ったニーズが存在する。
従来のビデオモニタリング方法は、2Dモニタリングを主とし、工場の全景に対する微細なモニタリングを行うことはできない。
【0004】
しかも、データ駆動の3D可視化モニタリングプラットフォームとツールを欠き、設備動作過程、製品移動過程に対するモニタリングがないため、ライン全体の作業過程における動作、データ、情報等に対するリアルタイムで透明なモニタリングを行うことができない。
【0005】
従来技術の欠点は、以下の通りである。
カメラの視覚的モニタリングを主とし、平面2Dモニタリングに属するため、ライン全体に対して多視点モニタリングが行えず、ライン全体の細部に対してクロス粒度モニタリングを行うことができない。
【0006】
データ情報モニタリングを主とし、データ駆動の3D可視化モデル運動とデータのモニタリングプラットフォームとツールを欠いている。
シミュレーションの形式を主とし、設備動作過程、製品移動過程に対するリアルタイムモニタリングがないため、ライン全体の作業過程をモニタリングできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記先行技術には、ライン全体に対して多視点モニタリングが行えず、ライン全体の細部に対してクロス粒度モニタリングを行うことができず、データ情報モニタリングを主としデータ駆動の3D可視化モデル運動とデータのモニタリングプラットフォームとツールを欠いており、シミュレーションの形式を主とし設備動作過程、製品移動過程に対するリアルタイムモニタリングがないため、ライン全体の作業過程をモニタリングできないという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるスマート工場モニタリング方法及びシステム3D可視化モジュールと透明なモニタリングプラットフォームに基づき、センサーデータを利用して、工場の各種設備のリアルタイム運転情報と状態に対して、追跡と3D可視化表現を行い、同時にリアルタイムコマンドデータと統計データを融合し、可視化表現を行い、物理的ライン全体の実行過程を、リアルタイム3D可視化表示及び関連実行性能データ動的表示を行う。
【0009】
現場情報をリアルタイムでモデルとシステムにフィードバックすることで、ライン全体とその3Dデジタルツインモデルの作業同期を実現し、これによりライン全体に対して全景で、クロス粒度リアルタイムモニタリングを行うスマート工場の透明なモニタリング方法及びシステムに関する。
【0010】
本発明によるスマート工場の透明なモニタリング方法は、以下のステップを含む。
ステップA:スマート工場の透明なモニタリングプラットフォームを構築し、それは以下を含む。
【0011】
ステップA1:仮想モデルと物理的相互接続メカニズムを構築し、データ駆動の3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームをスマート工場モニタリングの3D可視化インターフェースとし、3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームに基づき、デジタルツイン技術を運用し、生産データのダウンコマンドチャンネルと現場生産データのアップ情報チャンネルを構築し、産業用イーサネットと仮想コントロールネットワークにより、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCの通信メカニズム及びソフト/ハードウェアPLC非同期サイクル同期化保証メカニズムを構築し、上位MESモジュール及び下層制御ネットワークとの通信と統合を実現し、工場現場と等価なスマート工場の透明なモニタリングプラットフォームを構築する。
【0012】
ステップA2:工場の静的モデリングはデータ駆動の3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームを利用し、工場生産設備及びそのレイアウト状況を結合し、工場設備の3Dモデリング可動部材と非可動部材に対する分類モデリングを完了し、3D可視化プラットフォーム上で、ライン全体の仮想アセンブリを行う。
【0013】
ステップA3:工場の動的モデリングはデータ駆動の3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームを利用し、工場設備動作と工場物流状況を結合し、専用機設備と中間設備動作計画を完了し、製品物流と運動計画を完了し、運動と動作コントロールスクリプトを編制し、工場のオフライン模擬運転を実現する。
【0014】
ステップA4:モデルと設備の統合:仮想モデルと物理的相互接続メカニズムに基づき、工場設備モデルとその物理的動作同期を完了し、単一機実物とデジタル化ライン全体上で対応する単一機デジタル化モデルの動作同期を実現する。該工場設備モデルは、静的モデルと動的モデルを含む。
【0015】
ステップB:スマート工場の透明なモニタリング方法を実現し、それは以下を含む。
ステップB1:スマート工場3Dシミュレーションを具体的に実施する。
ステップB2:仮想モデルと物理的モデルを関連させる。
ステップB3:コマンドを発し、データを収集し、フィードバックする。
ステップB4:データを可視化し表示する。
【0016】
本発明は、3D可視化モジュールと透明なモニタリングプラットフォームに基づき、センサーデータを利用し、工場の各種設備のリアルタイム運転情報と状態に対して、追跡と3D可視化表現を行い、同時にリアルタイムコマンドデータと統計データを融合し、可視化表現を行い、物理的ライン全体の実行過程を、リアルタイム3D可視化表示及び関連実行性能データ動的表示を行う。
【0017】
現場情報をリアルタイムでモデルとシステムにフィードバックすることで、ライン全体とその3Dデジタルツインモデルの作業同期を実現し、これによりライン全体に対して全景で、クロス粒度リアルタイムモニタリングを行う。
【0018】
さらに、ステップB1におけるスマート工場3Dシミュレーションの具体的な実施の過程は、以下を含む。
【0019】
ステップB11:準備段階を開始し、工場サイト計画、製品外観性能、加工プロセスフロー、計画生産量、原材料投入量等に対して、詳細な調査研究を行い、生産ラインのレイアウトと具体的な単一機設備の設置及び関連資源の配置を結合し、最適化されたシミュレーションスマート工場レイアウトソリューションを設計する。
【0020】
ステップB12:3Dモデリングソフトウェアを利用し、単一機設備、中間設備に対して、3Dモデリングを完了し、3Dモデルを、シミュレーションソフトウェアに導入し、ステップB11における場所生産能力等のレイアウト計画を結合し、シミュレーションソフトウェアにおいて、対応する設備3Dモデルに対して1対1で対応する、嵌合接続を行い、3D仮想スマート工場生産ラインレイアウトを実現する。
【0021】
ステップB13:シミュレーションソフトウェアにおいて、設備3Dモデルに対して、動作の動的設計の運動方式の性能計画を行い、シミュレーションソフトウェアにおいて、設備3Dモデルに対して、スクリプト編制を行い、ステップB12における設備3Dモデル動作と運動を実現し、センサーのコントロール、制御ロジックの設計、工場生産情報等のデータ収集等を利用し、3D仮想生産ラインに対する仮想デジタル化制御を完了する。
【0022】
ステップB14:スタンドアロン機器3Dモデル或いはライン全体をサブモジュールに合理的に分割して区分し、デジタル化を行い、これにより仮想ライン全体のデジタル化モデルを構築し、MESモジュールを実行エンジンとし、設備3Dデジタル化モデルを対象とし、特定機能アルゴリズムを書き、このアルゴリズムをMESモジュールのコアとし、仮想生産ライン全体を最適化調整し、生産コマンドのダウンロードと工場情報のアップロードは、実行エンジンとシミュレーションソフトウェア間でデータインタラクションを実現する必要がある。
【0023】
ステップB15:工場現場リアルタイムデータに対して、相応のデータレポートを分類制作し、これによりデータはモニタリングステーションにおいて3D可視化して示される。
【0024】
さらに、ステップB2における仮想モデルと物理的モデルの関連は、以下を含む。
【0025】
上述のスマート工場の透明なモニタリングプラットフォームを運用し、PLCと仮想ネットワークを架け橋とし、3Dシミュレーション、設備モデルと物理的PLCの間の通信チャンネルを構築し、データ、コマンドと情報の相互接続を実現し、ステップA4に基づいて、デジタルツイン技術を運用し、オンラインセンサーデータ、物理的モデルフィードバックの現場リアルタイムデータを利用し、シミュレーションモデルを駆動し、製品移動状況をシミュレーションすることにより、仮想工場とリアル工場の間のインタラクティブな動きと同期を実現し、リアル設備と、モニタリングプラットフォームにマッピングされた対応モデルを、1対1でマッピングする。
【0026】
さらに、ステップB3におけるコマンドダウンロードとデータ収集フィードバックは、以下を含む。
【0027】
スマート工場の透明なモニタリングプラットフォームの構築完了とデータ同期通信構築に基づいて、コマンドの指示と現場リアルタイムデータの収集とフィードバックを実現し、スマート工場の透明なモニタリングプラットフォーム工場の各種設備のリアルタイム運転情報と状態に対して、追跡を行い、一方では、MESモジュールを介して、生産コマンドを各ユニット管理モジュールに発送し、各ユニット管理モジュールは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、さらにバス(bus)制御ネットワークモジュール同期を経て底層PLCに送信し、ソフト/ハードウェアPLCを介して、シミュレーションプラットフォームと現場設備運動を駆動する。
【0028】
一方、物理的モデルの現場情報及び運動状態は、センサー収集のリアルタイムデータを介して、バス(bus)制御ネットワークをSCADAモジュールにアップロードし、各リンクの状態とデータをMESモジュールにフィードバックし、これにより閉ループ(Closed loop)を形成する。
SCADAモジュールは工場データを収集し、MESモジュールにアップロードする。
【0029】
ここで、工場データは設備運転状態、生産工程、製品加工工程、故障情報を含む。
【0030】
さらに、ステップB4におけるデータの可視化表示は、以下を含む。
【0031】
現場リアルタイムデータを、3Dシミュレーションソフトウェアに送信し、ソフトウェア内でデータを処理し、工場運転情報と生産データに対してレポートを統計作成し、工場生産状况、設備故障状况、製品加工状况等のリアルタイムデータの3D可視化表現を実現し、これによりスマート工場の全ビュー、クロス粒度、透明なモニタリングと管理を実現する。
【0032】
スマート工場の透明なモニタリングシステムは、以下を含む。
【0033】
MESモジュールは、生産コマンドを各ユニット管理モジュールに発送し、ユニット管理モジュールは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、さらにバス(bus)制御ネットワークモジュール同期を経て底層PLCに送信し、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCを介して、シミュレーションプラットフォームと現場設備運動を駆動し、SCADAモジュールは工場データを収集し、MESモジュールにアップロードする。
【0034】
ここで、工場データは設備運転状態、生産工程、製品加工工程、故障情報を含む。
【0035】
バス(bus)制御ネットワークモジュールは、スマート工場の透明なモニタリングシステム内で構築される通信ネットワークである。
【0036】
本発明は、上述の内容に基づき、スマート工場モニタリング方法及びシステムを提供し、3D可視化モジュールと透明なモニタリングプラットフォームに基づき、センサーデータを利用し、工場の各種設備のリアルタイム運転情報と状態に対して、追跡と3D可視化表現を行い、同時にリアルタイムコマンドデータと統計データを融合し、可視化表現を行い、物理的ライン全体の実行過程を、リアルタイム3D可視化表示及び関連実行性能データ動的表示を行う。
【0037】
現場情報をリアルタイムでモデルとシステムにフィードバックすることで、ライン全体とその3Dデジタルツインモデルの作業同期を実現し、これによりライン全体に対して全景で、クロス粒度リアルタイムモニタリングを行う。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の実施形態のスマート工場の透明なモニタリングプラットフォームの通信模式図である。
【
図2-3】本発明の実施形態のスマート工場の透明なモニタリングシステムの構造図であり、位置関係により、構造図を
図2と
図3に分けた。
図3は
図2の続きである。
【
図4】本発明の実施形態のシミュレーションモデルと物理的モデル同期の模式図である。
【
図5】本発明の実施形態のスマート工場の透明なモニタリングプラットフォームの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(実施形態)
以下、図を参照して、具体的実施方式により本発明の技術解決案を説明する。
本発明は以下の前提に立っている。
【0040】
3Dデジタル化設計が可能なプラットフォームと対応する3D可視化エンジンを備え、内部にデータ処理機能を備え、単一機設備の仮想設備を実行でき、スクリプトを介して、設備の動作或いは製品の運動を制御でき、ソフトウェアPLC機能を備える。
【0041】
デジタルツイン:物理モデル、センサー更新、運転履歴等データを十分に利用し、複合分野、マルチ物理量、マルチスケール、多重確率のシミュレーション過程を統合し、仮想空間にマッピングし、これにより対応する実体設備のすべてのライフサイクル過程を反映する。
”デジタルミラー”或いは“デジタルマッピング”とも別称される。
【0042】
スマート工場の透明なモニタリング方法は、以下のステップを含む。
ステップA:スマート工場の透明なモニタリングプラットフォームを構築し、それは以下を含む。
【0043】
ステップA1:仮想モデルと物理的相互接続メカニズムを構築し、データ駆動の3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームをスマート工場モニタリングの3D可視化インターフェースとし、該シミュレーションモニタリングプラットフォームに基づき、デジタルツイン技術を運用し、生産データのダウンコマンドチャンネルと現場生産データのアップ情報チャンネルを構築し、産業用イーサネットと仮想コントロールネットワークにより、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCの通信メカニズム及びソフト/ハードウェアPLC非同期サイクル同期化保証メカニズムを構築し、上位MESモジュール及び下層制御ネットワークとの通信と統合を実現する。
【0044】
本実施形態は、中空ガラスインテリジェント生産ラインを例とする(注:以下の各実施形態はすべて、中空ガラスインテリジェント生産ラインを例とする)。
【0045】
この生産ラインの設計は、Demo3Dシミュレーションソフトウェアを第三者3Dデジタル化設計プラットフォームとし、3D可視化のモニタリングステーションインターフェースを構築する。
【0046】
ダウンコマンドチャンネル構築は、以下の通りである。
【0047】
MESモジュールを介して、生産コマンドを制御システムに発送し、制御システムは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、PLCを介して、現場設備とシミュレーションモデル運動を駆動する。
アップ情報チャンネル構築は、以下の通りである。
【0048】
設備とシミュレーションにおけるセンサー収集のリアルタイムデータと現場各リンクの状態とデータを、MESモジュールにフィードバックし、アップロード過程において、現場情報は逐次設備と製品状態に転換される。
仮想コントロールネットワークによるとは、以下のことを意味する。
【0049】
産業用イーサネットを介して、シミュレーションモデルと物理的モデルを接続する。
【0050】
これによりソフトウェアPLCとハードウェアPLCの通信メカニズム(具体的な通信メカニズムは
図1参照)、及びソフト/ハードウェアPLC非同期サイクル同期化保証メカニズム(ソフト/ハードウェアPLC非同期サイクル同期化保証メカニズムとは、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCのそれぞれ一つの運転メカニズムで、非同期サイクル同期を実現)を構築し、上位MESモジュール及び下層制御ネットワークとの通信と統合を実現する。
【0051】
ステップA2:工場の静的モデリングはデータ駆動の3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームを利用し、工場生産設備及びそのレイアウト状況を結合し、工場設備の3Dモデリング可動部材と非可動部材に対する分類モデリングを完了し、3D可視化プラットフォーム上で、ライン全体の仮想アセンブリを行う。
【0052】
Demo3Dを、3Dデジタル化設計プラットフォームとし、工場設備及びそのレイアウト状況を結合し、工場設備に対する3Dモデリング(可動部材と非可動部材の分類モデリング)を完了する。
【0053】
例えば、中空ガラスインテリジェント生産ラインソリューション中で元のフィルム倉庫、焼戻炉等に対するモデリングを完了する。
【0054】
続いて、構築されたモデル3D可視化プラットフォーム上で、ライン全体の仮想アセンブリを行い、生産ラインの静的構築を完了する。
【0055】
ステップA3:工場の動的モデリングはデータ駆動の3D近物理的シミュレーションモニタリングプラットフォームを利用し、工場設備動作と工場物流状況を結合し、専用機設備と中間設備動作計画を完了し、製品物流と運動計画を完了し、運動と動作コントロールスクリプトを編制し、工場のオフライン模擬運転を実現する。
【0056】
Demo3Dを、3Dデジタル化設計プラットフォームとし、工場設備動作と工場物流状況を結合し、静的3Dモデルに対して、スクリプト編制、ラダーダイヤグラム設計等を行い、専用機設備と中間設備動作計画を完了し、製品物流と運動計画を完了し、Demo3Dにおいて生産ラインを走らせ、工場のオフライン模擬運転を実現する。
【0057】
ステップA4:モデルと設備の統合:仮想モデルと物理的相互接続メカニズムに基づき、工場設備モデルとその物理的動作同期を完了し、単一機実物とデジタル化ライン全体上で対応する単一機デジタル化モデルの動作同期を実現する。該工場設備モデルは、静的モデルと動的モデルを含む。
【0058】
シミュレーションモデルと物理的モデルは同期しており、ステップA2とステップA3の完了に基づいて、シミュレーションモデルと物理的モデルは工場レイアウト、モデルサイズ比、センサーの数量とデバイスの使用、PLCのロジック等の面で一致性を有し、物理的PLCを中間情報伝達と制御ブリッジとし、シミュレーションソフトウェアと物理的モデルを接続し、シミュレーションソフトウェア内のソフトウェアPLCと物理的PLCのI/O点アドレスは1対1で対応し、物理的モデルを主動部分とし、シミュレーションモデルは受動部分とし、しかも仮想運動だけを行い、制御ネットワークにより、リアルタイムデータを伝送し、これによりシミュレーションモデルと物理的モデルの同期を実現する(
図4参照)。
【0059】
ステップB:スマート工場の透明なモニタリング方法を実現し、それは以下を含む。
ステップB1:スマート工場3Dシミュレーションを具体的に実施する。
ステップB2:仮想モデルと物理的モデルを関連させる。
ステップB3:コマンドを発し、データを収集し、フィードバックする。
ステップB4:データを可視化し表示する。
【0060】
さらに、ステップB1におけるスマート工場3Dシミュレーションの具体的な実施の過程は、以下を含む。
【0061】
ステップB11:準備段階を開始し、工場サイト計画、製品外観性能、加工プロセスフロー、計画生産量、原材料投入量等に対して、詳細な調査研究を行い、生産ラインのレイアウトと具体的な単一機設備の設置及び関連資源の配置を結合し、最適化されたシミュレーションスマート工場レイアウトソリューションを設計する。
【0062】
ステップB12:3Dモデリングソフトウェアを利用し、単一機設備、中間設備に対して、3Dモデリングを完了し、3Dモデルを、シミュレーションソフトウェアに導入し、ステップB11における場所生産能力等のレイアウト計画を結合し、シミュレーションソフトウェアにおいて、対応する設備3Dモデルに対して1対1で対応する、嵌合接続を行い、3D仮想スマート工場生産ラインレイアウトを実現する。
【0063】
ステップB13:シミュレーションソフトウェアにおいて、設備3Dモデルに対して、動作の動的設計の運動方式の性能計画を行い、シミュレーションソフトウェアにおいて、設備3Dモデルに対して、スクリプト編制を行い、ステップB12における設備3Dモデル動作と運動を実現し、センサーのコントロール、制御ロジックの設計、工場生産情報等のデータ収集等を利用し、3D仮想生産ラインに対する仮想デジタル化制御を完了する。
【0064】
ステップB14:スタンドアロン機器3Dモデル或いはライン全体をサブモジュールに合理的に分割して区分し、デジタル化を行い、これにより仮想ライン全体のデジタル化モデルを構築し、MESモジュールを実行エンジンとし、設備3Dデジタル化モデルを対象とし、特定機能アルゴリズムを書き、このアルゴリズムをMESモジュールのコアとし、仮想生産ライン全体を最適化調整し、生産コマンドのダウンロードと工場情報のアップロードは、実行エンジンとシミュレーションソフトウェア間でデータインタラクションを実現する必要がある。
【0065】
ステップB15:工場現場リアルタイムデータに対して、相応のデータレポートを分類制作し、これによりデータはモニタリングステーションにおいて3D可視化して示される。
【0066】
さらに、ステップB2における仮想モデルと物理的モデルの関連は、以下を含む。
【0067】
上述のスマート工場の透明なモニタリングプラットフォームを運用し、PLCと仮想ネットワークを架け橋とし、3Dシミュレーション、設備モデルと物理的PLCの間の通信チャンネルを構築し、データ、コマンドと情報の相互接続を実現し、ステップA4に基づいて、デジタルツイン技術を運用し、オンラインセンサーデータ、物理的モデルフィードバックの現場リアルタイムデータを利用し、シミュレーションモデルを駆動し、製品移動状況をシミュレーションし、これにより仮想工場とリアル工場の間のインタラクティブな動きと同期を実現し、リアル設備と、モニタリングプラットフォームにマッピングされた対応モデルを、1対1でマッピングする。
さらに、ステップB3におけるコマンドダウンロードとデータ収集フィードバックは、以下を含む。
【0068】
スマート工場の透明なモニタリングプラットフォームの構築完了とデータ同期通信構築に基づいて、コマンドの指示と現場リアルタイムデータの収集とフィードバックを実現し、スマート工場の透明なモニタリングプラットフォーム工場の各種設備のリアルタイム運転情報と状態に対して、追跡を行い、一方では、MESモジュールを介して、生産コマンドを各ユニット管理モジュールに発送し、各ユニット管理モジュールは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、さらにバス(bus)制御ネットワークモジュール同期を経て底層PLCに送信し、ソフト/ハードウェアPLCを介して、シミュレーションプラットフォームと現場設備運動を駆動する。
【0069】
一方、物理的モデルの現場情報及び運動状態は、センサー収集のリアルタイムデータを介して、バス(bus)制御ネットワークを経てSCADAモジュールへとアップロードし、各リンクの状態とデータをMESモジュールにフィードバックし、これにより閉ループ(Closedloop)を形成する。
【0070】
SCADAモジュールは工場データを収集し、MESモジュールにアップロードする。
【0071】
ここで、工場データは設備運転状態、生産工程、製品加工工程、故障情報を含む。
【0072】
さらに、ステップB4におけるデータの可視化表示は、以下を含む。
【0073】
現場リアルタイムデータを、3Dシミュレーションソフトウェアに送信し、ソフトウェア内でデータを処理し、工場運転情報と生産データに対してレポートを統計作成し、工場生産状况、設備故障状况、製品加工状况等のリアルタイムデータの3D可視化表現を実現し、これによりスマート工場の全ビュー、クロス粒度、透明なモニタリングと管理を実現する。
【0074】
スマート工場の透明なモニタリングシステムは、以下を含む。
【0075】
MESモジュールは、生産コマンドを各ユニット管理モジュールに発送し、ユニット管理モジュールは、生産コマンドを受け取った後、機器コマンドに変換し、さらにバス(bus)制御ネットワークモジュール同期を経て底層PLCに送信し、ソフトウェアPLCとハードウェアPLCを介して、シミュレーションプラットフォームと現場設備運動を駆動し、SCADAモジュールは工場データを収集し、MESモジュールにアップロードする。
【0076】
ここで、工場データは設備運転状態、生産工程、製品加工工程、故障情報を含む。
【0077】
バス(bus)制御ネットワークモジュールは、スマート工場の透明なモニタリングシステム内で構築される通信ネットワークである。
【0078】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述の特許請求の範囲を基準とする。