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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】熱交換チューブ整列装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/08 20060101AFI20220309BHJP
   F28F 1/32 20060101ALI20220309BHJP
   B23P 15/26 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B21D53/08 H
F28F1/32 A
B23P15/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020093582
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021186829
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390034809
【氏名又は名称】日高精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 圭一
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/087924(WO,A1)
【文献】特開2012-11480(JP,A)
【文献】特開昭61-25733(JP,A)
【文献】米国特許第5426847(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 53/08
F28F 1/32
B23P 15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器用フィンに挿入されるヘアピン状に形成された熱交換チューブの2本の脚部が水平に位置するようにして、前記熱交換チューブが上下方向に複数積層される底板と、前記底板に立設され、前記熱交換チューブの積層方向をガイドするガイド体と、を有する第1整列装置と、
複数積層された前記熱交換チューブのうちの最上部に位置する前記熱交換チューブが常に所定の高さ位置に位置するよう、前記底板を昇降させる昇降装置と、
前記第1整列装置において複数積層された前記熱交換チューブのうちの前記最上部に位置する前記熱交換チューブを引き込む引き込み機構と、前記引き込み機構によって引き込まれた前記熱交換チューブの各脚部の外周面をガイドすると共に、挿入対象である前記熱交換器用フィンの透孔ピッチに前記熱交換チューブの前記脚部の間隔を揃える引き込みガイドと、前記引き込み機構によって引き込まれている途中又は引き込み完了後の前記熱交換チューブの前記脚部の間に進入して前記熱交換チューブを位置決めする位置決め部と、前記引き込みガイドおよび前記位置決め部を少なくとも有する載置台と、所定位置に移動させる載置台移動部を有する第2整列装置と、
を具備する熱交換チューブ整列装置。
【請求項2】
前記昇降装置は、前記第1整列装置または前記第2整列装置の一部であることを特徴とする請求項1記載の熱交換チューブ整列装置。
【請求項3】
前記引き込みガイドはローラであることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換チューブ整列装置。
【請求項4】
前記ローラの前記熱交換チューブとの当接面は円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の熱交換チューブ整列装置。
【請求項5】
前記ローラには、前記熱交換チューブの脚部が1本のみ接することを特徴とする請求項3または4記載の熱交換チューブ整列装置。
【請求項6】
前記引き込みガイドおよび前記位置決め部が一対をなした状態で、前記載置台の前記熱交換チューブの引き込み方向における複数箇所に配設されていることを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか一項記載の熱交換チューブ整列装置。
【請求項7】
前記第1整列装置は台車に搭載されていることを特徴とする請求項1~6のうちのいずれか一項記載の熱交換チューブ整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器用フィンの積層体に熱交換チューブを挿入する際に、ベンダーでヘアピン状に形成された熱交換チューブのストック装置である第1整列装置から2本の脚部の先端部を揃えた状態で第2整列装置に移し替えるための熱交換チューブ整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコン等における熱交換器は、熱交換器用フィンの積層体に熱媒体を流通させるための熱交換チューブを挿通させることにより形成されている。熱交換器用フィンの積層体はプレス金型装置により形成された熱交換器用フィンをスタックピンが立設されたスタック装置に複数枚積層させた後、スタック装置から取り出され、スタックピンに替えて熱交換チューブが挿通される。また、熱交換チューブはベンダーにより平面視形状が扁平U字状をなすいわゆるヘアピン状に形成されており、ベンダーから取り出された熱交換チューブはオペレータにより熱交換チューブストック装置にセットされた状態で熱交換チューブ挿入装置の位置まで搬送された後に熱交換チューブストック装置から個別に熱交換チューブが取り出されることになる。このような熱交換チューブストック装置、熱交換チューブ挿入装置を具備する熱交換器製造装置としては、例えば特許文献1(特開平6-15393号公報)に開示されているような構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-15393号公報(明細書段落0014-0016;図4図11等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベンダーにより成形された熱交換チューブは公差等により脚部の先端部位置にばらつきを有している。熱交換チューブが長くなると、先端部位置のばらつきの度合いも大きくなってしまう。また、特許文献1に開示されている熱交換器製造装置500は、図22に示すように、熱交換器用フィンの積層体510に熱交換チューブ520を高さ方向に挿入させる構造である。このため、熱交換チューブ520が長くなると熱交換器製造装置500の高さ寸法も増加してしまい、操作性やメンテナンス等の点において不都合が生じるといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、ベンダーから取り出された後のヘアピン状の熱交換チューブを横向きにしてストックさせると共に、最上部の熱交換チューブの水平状態を維持したまま脚部の先端部位置を揃えた状態で熱交換器用フィンの積層体に挿入可能にすることで、高さ寸法を抑えることが可能な熱交換チューブ整列装置を提供することにある。
【0006】
上記課題を解決するために発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち本発明は、熱交換器用フィンに挿入されるヘアピン状に形成された熱交換チューブの2本の脚部が水平に位置するようにして、前記熱交換チューブが上下方向に複数積層される底板と、前記底板に立設され、前記熱交換チューブの積層方向をガイドするガイド体と、を有する第1整列装置と、複数積層された前記熱交換チューブのうちの最上部に位置する前記熱交換チューブが常に所定の高さ位置に位置するよう、前記底板を昇降させる昇降装置と、前記第1整列装置において複数積層された前記熱交換チューブのうちの前記最上部に位置する前記熱交換チューブを引き込む引き込み機構と、前記引き込み機構によって引き込まれた前記熱交換チューブの各脚部の外周面をガイドすると共に、挿入対象である前記熱交換器用フィンの透孔ピッチに前記熱交換チューブの前記脚部の間隔を揃える引き込みガイドと、前記引き込み機構によって引き込まれている途中又は引き込み完了後の前記熱交換チューブの前記脚部の間に進入して前記熱交換チューブを位置決めする位置決め部と、前記引き込みガイドおよび前記位置決め部を少なくとも有する載置台と、所定位置に移動させる載置台移動部を有する第2整列装置と、を具備する熱交換チューブ整列装置である。
【0007】
これにより、ベンダーから取り出された後のヘアピン状の熱交換チューブを横向きにしてストックさせると共に、最上部の熱交換チューブの水平状態を維持したまま脚部の先端部位置を揃えた状態で熱交換器用フィンの積層体に挿入可能にすることで、高さ寸法を抑え、熱交換チューブの熱交換器用フィンの積層体への挿入作業を容易かつ確実に行うことができる。
【0008】
また、前記昇降装置は、前記第1整列装置または前記第2整列装置の一部であることが好ましい。
【0009】
これにより、昇降装置の構成をコンパクトにすることができる。特に第1整列装置の一部とした場合には、ベンダーにより製造された熱交換チューブのオペレータによる積層作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、前記引き込みガイドはローラであることが好ましく、前記ローラの前記熱交換チューブとの当接面は円弧形状に形成されていることがさらに好ましい。
【0011】
これらにより、熱交換チューブを傷付けることなく円滑に載置台の所定位置に熱交換チューブを引き込むことができる。
【0012】
また、前記ローラには、前記熱交換チューブの脚部が1本のみ接することが好ましい。
【0013】
これにより、ローラを一方向のみに回転させることができ、熱交換チューブの搬送時に熱交換チューブの脚部を傷付けることなく円滑に引き出し時や送り出し時におけるガイドをすることができる。
【0014】
また、前記引き込みガイドおよび前記位置決め部が一対をなした状態で、前記載置台の前記熱交換チューブの引き込み方向における複数箇所に配設されていることが好ましい。
【0015】
これにより、第1整列装置から取り出した熱交換チューブが長い場合であっても脚部の先端位置を揃えた状態で載置台の所定位置に確実に固定保持させることができる。
【0016】
また、前記第1整列装置は台車に搭載されていることが好ましい。
【0017】
これにより、ベンダーと熱交換チューブ挿入装置との位置が離れていても第1整列装置に積層させた熱交換チューブを容易に搬送することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明における熱交換チューブ整列装置の構成を採用することにより、ベンダーから取り出された後のヘアピン状の熱交換チューブを横向きにしてストックさせると共に、最上部の熱交換チューブの水平状態を維持したまま脚部の先端部位置を揃えた状態で熱交換器用フィンの積層体に挿入可能にすることで、高さ寸法を抑え、熱交換チューブの熱交換器用フィンの積層体への挿入作業を容易かつ確実に行うことができる。そして、長い熱交換チューブであってもオペレータによるベンダーから第1整列装置への移載作業が容易になると共に、熱交換チューブのストック装置である第1整列装置の高さ寸法を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態における熱交換器製造装置の概略構成を示す平面図である。
図2】本実施形態の熱交換器製造装置における熱交換チューブ整列装置の概略構成を示す正面図である。
図3図1中におけるIII部分の拡大図である。
図4】(A)図3中におけるIV-A線における断面図、(B)図3中におけるIV-B線における断面図である。
図5】本実施形態における熱交換器製造装置により製造された熱交換器の斜視図である。
図6】本実施形態における熱交換器製造方法における概略工程を示すフロー図である。
図7図6の続きの概略工程を示すフロー図である。
図8】第1整列装置としての熱交換チューブ積層台車を熱交換チューブ整列装置の所定位置にセットした状態を示す正面図である。
図9】熱交換チューブを積層させた底板を載置台に対する所定高さ位置に上昇させた状態を示す正面図である。
図10】積層されている熱交換チューブの最上部の熱交換チューブに引き込み部を接近させた状態を示す正面図である。
図11】第1係止具により熱交換チューブを底板から載置台に引き出している状態示す正面図である。
図12】第1係止具による熱交換チューブの引き出し処理から第2係止具により熱交換チューブをスライド移動させるまでの引き込み部の動作を示す拡大説明図である。
図13】第2係止具により熱交換チューブを載置台にスライド移動させている状態を示す正面図である。
図14】載置台に埋設されていた位置決め部を載置台の上面から突出させた状態を示す正面図である。
図15】引き込み部が熱交換チューブから高さ方向に離反する状態を示す正面図である。
図16】熱交換チューブが移載された載置台が水平方向にスライド移動した状態を示す平面図である。
図17図16中におけるXVII-XVII線の位置から矢印方向に臨んだ説明図である。
図18】熱交換チューブ挿入装置による熱交換チューブの熱交換器用フィンへの挿入処理中に載置台の位置決め部が載置台に埋設される状態を示す説明図である。
図19】熱交換チューブ挿入装置による熱交換チューブの熱交換器用フィンの積層体への挿入処理が完了した状態を示す説明図である。
図20】載置台が熱交換チューブの挿入前位置に戻った状態を示す平面図である。
図21】引き込み部が当初位置に戻った状態を示す正面図である。
図22】従来技術における熱交換チューブのストック装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかる熱交換チューブ整列装置100とこれを有する熱交換器製造装置200の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態における熱交換チューブ整列装置100は熱交換器製造装置200の一部であり、熱交換器製造装置200は熱交換チューブ整列装置100と熱交換チューブ挿入装置300を有している。図2に示すように、熱交換チューブ整列装置100は、第1整列装置10、第1整列装置10の熱交換チューブ20の移載先である第2整列装置30および動作制御部MCを具備する。本実施形態においては、熱交換チューブ整列装置100の動作制御部MCが熱交換チューブ挿入装置300の動作制御も行っており、結果として動作制御部MCは熱交換器製造装置200におけるすべての構成の動作制御を行っている。
【0021】
第1整列装置10は、ベース部12と、上面にガイド体14が立設された複数の底板16を具備し、ベンダー(不図示)により形成されたヘアピン状の熱交換チューブ20を横向きにして積層保持するものである。本実施形態における第1整列装置10はベース部12の底面にキャスター13が配設され、ベース部12の側面にハンドル15が取り付けられた台車に形成されていて、オペレータがハンドル15を押すことで第1整列装置10を水平方向に移動させることができる。ここでは、ガイド体14が立設された底板16をベース部12の上面に所要間隔をあけて複数配設しているが、底板16は一枚で構成することもできる。
【0022】
本実施形態における熱交換チューブ20は、長さ方向の中間位置で反対方向に(180度)曲げられた平面視扁平U字状をなすいわゆるヘアピン状に形成されており、第1整列装置10に横向きにした状態で複数本の熱交換チューブ20が積層保持されている。熱交換チューブ20が載置される底板16にはガイド体14が所定高さに立設されており、底板16への熱交換チューブ20の積層方向をガイドしている。本実施形態におけるガイド体14は、熱交換チューブ20の設計形状の外周縁上となる熱交換チューブ20の折り返し部22および脚部24の外側位置および内側位置に適宜配設されている。
【0023】
ベンダーにより成形された熱交換チューブ20の形状は、設計形状に対して多少のばらつきがあるが、オペレータが熱交換チューブ20をガイド体14の立設位置に合わせて適宜弾性変形させた状態で熱交換チューブ20を底板16の上に載置し積層させている。本実施形態における第1整列装置10の底板16には平面方向に複数本の熱交換チューブ20が設計形状に矯正され、かつ、脚部24の先端部の位置を所定位置に揃えた状態で保持されている。このように熱交換チューブ20は、底板16の上にガイド体14に沿って複数層にわたって設計形状に矯正され、脚部24の先端部の位置が挿入対象である熱交換器用フィンの積層体FSの透孔ピッチに位置決め保持された状態で積層されることになる。
【0024】
また、底板16は第1整列装置10のベース部12の左右両端からはみ出している。第1整列装置10を後述する第1整列装置固定部50にセットすると、第1整列装置固定部50に配設された昇降装置52により昇降する昇降板54に載置された状態になる。すなわち底板16は、昇降装置52によってベース部12から接離動するように昇降可能になっている。昇降装置52は流体シリンダやラックアンドピニオン機構等に代表される公知の構成を採用することができ、動作制御部MCにより動作制御されている。
【0025】
第1整列装置10に積層保持された熱交換チューブ20の移載先である第2整列装置30は、図1および図2に示すように、載置台31、引き込み機構32、引き込みガイド33、位置決め部34および載置台移動部35を有している。載置台移動部35は載置台31を熱交換チューブ整列装置100と熱交換チューブ挿入装置300との間でスライド移動させるものであり、動作制御部MCにより動作制御されている。本実施形態における載置台移動部35は、ラックアンドピニオン機構35Aとピニオンギア駆動モータ35Bとレール35Cを有する構成を採用しているが、流体シリンダ等に代表される他の公知の構成を採用することもできる。
【0026】
載置台31には第1取付板PL1に取り付けられた引き込みガイド33が立設されており、第2取付板PL2に取り付けられた位置決め部34が載置台31の上面から突出させることが可能な状態で埋設されている。引き込みガイド33は第1取付板PL1を介して載置台31に直接取り付けられているが、位置決め部34は第2取付板PL2と共に載置台31に配設された収容孔31Aに収容された状態で配設(埋設)されている。図2に示されているように本実施形態においては、引き込みガイド33と位置決め部34が一対をなすと共に載置台31における熱交換チューブ20の長さ方向に所要間隔をあけて複数箇所に配設されているが、位置決め部34は特定の収容孔31Aのみに配設することもできる。また、引き込みガイド33と位置決め部34を一対にしなくてもよい。
【0027】
本実施形態における引き込みガイド33は図3および図4に示すように、所要間隔をあけて2列配置で配設されている。A-A線上の位置である1列目の引き込みガイド33とB-B線上の位置である2列目の引き込みガイド33は、同数かつ同一間隔をあけて配設されている。また、1列目の引き込みガイド33と2列目の引き込みガイド33は、図3中の矢印Xで示す熱交換チューブ20のスライド方向に水平面内で直交する側の左右両端部位置がそれぞれ異なる配置になっている。さらに、1列目の引き込みガイド33のそれぞれの回転軸AX1と2列目の引き込みガイド33のそれぞれの回転軸AX2は、いずれも熱交換チューブ20のスライド方向に水平面内で直交する方向における位置が異なる配置で配設されている。
【0028】
以上のような引き込みガイド33の配列を採用することにより、1列目の引き込みガイド33には熱交換チューブ20の脚部24のうちスライド方向に対して右側の脚部24Rのみを当接させることができる。また、2列目の引き込みガイド33には熱交換チューブ20の脚部24のうちスライド方向に対して左側の脚部24Lのみを当接させることができる。以上を換言すると、それぞれの熱交換チューブ20は、スライド方向に対して右側の脚部24Rが1列目の引き込みガイド33と当接し、スライド方向に対して左側の脚部24Lが2列目の引き込みガイド33と当接するようになっている。それぞれの引き込みガイド33には熱交換チューブ20の脚部24のうち一本のみが当接するようになっており、1列目の引き込みガイド33はいずれも時計回りに回転し、2列目の引き込みガイド33はいずれも反時計回りに回転することになる。
【0029】
また、本実施形態における引き込みガイド33は図4に示すように、載置台31の上面に取り付けられた第1取付板PL1の上面から所定距離離反した高さ位置で回転可能に取り付けられたローラにより構成されている。引き込みガイド33としてのローラは第1整列装置10において熱交換チューブ20の外側位置に配設されたガイド体14と同様にして配設されており、熱交換チューブ20の外側面との当接面33Aが円弧形状に形成されている。熱交換チューブ20は、引き込み機構32の引き込み部39により第1整列装置10から載置台31に向けて引き出される際に引き込みガイド33により載置台31の所定平面位置にガイドされる。また、本実施形態における位置決め部34は流体シリンダにより構成することができるが、流体シリンダに限定されるものではない。位置決め部34の載置台31の上面からの突出入動作は動作制御部MCにより制御されている。
【0030】
引き込み部39は水平方向駆動部36に連結され、載置台31の上方位置において熱交換チューブ20の長さ方向に延設されたガイドレール37に沿って移動可能である。また、引き込み部39は上下方向駆動部38にも連結されており、ガイドレール37から下面側に上下動可能である。すなわち、引き込み部39は、第1整列装置10に積層されている熱交換チューブ20に高さ方向に接離動可能であると共に、第1整列装置10に積層保持されている熱交換チューブ20を熱交換チューブ20の姿勢を変えずに第2整列装置30にスライド移動させることが可能である。
【0031】
本実施形態における引き込み部39は、下端部高さ位置が異なる第1係止具39Aと第2係止具39Bとを有している。先端部所要長さ範囲が円柱状に形成された第1係止具39Aは、第1整列装置10から熱交換チューブ20の折り返し部22を載置台31の側に取り出す際に用いられる。先端部所要長さ範囲が亀頭状に形成された第2係止具39Bは、第1係止具39Aにより取り出された熱交換チューブ20を載置台31側に引き出すようにスライド移動させる際に用いられる。第2係止具39Bの縮径部39Baの高さ位置は、引き込みガイド33の中心高さ位置と同じ高さ位置に形成され、亀頭状部分の下端部は円弧形状をなしていると共に載置台31の上面高さ位置と同じ高さ位置に形成されている。
【0032】
以上に説明した水平方向駆動部36と上下方向駆動部38は、いずれも動作制御部MCにより動作が制御されている。また、動作制御部MCは水平方向駆動部36への動作制御内容により引き込み部39の水平位置をリアルタイムで把握することが可能になっている。本実施形態においては水平方向駆動部36と上下方向駆動部38に流体シリンダを使用しているが、水平方向駆動部36と上下方向駆動部38はこの構成に限定されるものではない。また、引き込み部39(第1係止具39Aおよび第2係止具39Bの少なくとも一方)が熱交換チューブ20と当接する部分には滑り止め用の摩擦シート(不図示)を取り付けることもできる。
【0033】
本実施形態における熱交換チューブ挿入装置300は、載置台31に移載された熱交換チューブ20を熱交換器用フィンの積層体FSに向けてスライド移動させるものである。具体的には、ガイドレール37と平行に配設されたガイド部302、ガイド部302に水平面内で直交する方向に延設された当接体保持部304と、当接体保持部304に保持された当接体305と、当接体保持部304を熱交換チューブ20の長さ方向に往復動させる挿入用駆動部306を有している(図16参照)。当接体305の平面形状は、熱交換チューブ20の折り返し部22の形状に倣った形状に形成されていることが好ましい。熱交換チューブ挿入装置300の動作は動作制御部MCにより制御されている。
【0034】
動作制御部MCは載置台移動部35により熱交換チューブ整列装置100から載置台31が熱交換チューブ挿入装置300に移動させた後、熱交換チューブ挿入装置300を作動させて熱交換器用フィン積層体保持部FHに保持された熱交換器用フィンの積層体FSに熱交換チューブ20を挿入させる。ここでは、予め熱交換器用フィンの積層体FSの透孔に挿入されているガイドピンGPに熱交換チューブ20の脚部24の先端部を差し込んだ後、熱交換チューブ20でガイドピンGPを熱交換器用フィンの積層体FSから押し出すようにして熱交換チューブ20を熱交換器用フィンの積層体FSの透孔に挿入している。このようにして図5に示すような熱交換器HEXが製造される。ガイドピンGPを用いた熱交換器用フィンの積層体FSの透孔への熱交換チューブ20の挿入方法については公知であるためここでの詳細な説明は省略する。
【0035】
このとき動作制御部MCは、熱交換チューブ挿入装置300による熱交換チューブ20の折り返し部22の位置を検出し、熱交換チューブ20の折り返し部22が載置台31の所定位置(位置決め部34の配設位置)に到達する直前に位置決め部34を載置台31に埋設させている。このように熱交換チューブ20を熱交換器用フィンの積層体FSに挿入する際において、熱交換チューブ20は、ぎりぎりまで引き込みガイド33と位置決め部34による設計形状への矯正が行われ、脚部24の先端部の位置が揃えられた状態を維持したまま熱交換器用フィンの積層体FSに挿入されることになる。これにより、熱交換チューブ20が長くなっても容易かつ確実に熱交換器用フィンの積層体FSに熱交換チューブ20を挿入することができる。
【0036】
つづいて、本実施形態における熱交換器製造装置200を用いた熱交換器HEXの製造方法について説明する。図6は本実施形態における熱交換器製造方法における概略工程を示すフロー図である。図7図6の続きの概略工程を示すフロー図である。
【0037】
オペレータは、平面視形状が扁平U字状をなすヘアピン状に形成された熱交換チューブ20が所定数量積層された第1整列装置10を図8に示すように熱交換チューブ整列装置100の所定位置にセットする(S-1)。熱交換チューブ整列装置100の脇には、第1整列装置10を位置決め固定する第1整列装置固定部50が配設されている。第1整列装置固定部50には第1整列装置10が正規位置にセットされた際にオンになる当接スイッチ(不図示)が配設されている。当接スイッチに連動する図示しない通知ランプが点灯する。すなわち、第1整列装置固定部50に第1整列装置10が適切にセットされると通知ランプが点灯し、そうでないときには通知ランプが消灯した状態になる。
【0038】
第1整列装置10がセットされた際に、オペレータは通知ランプがONになっているかの確認を行う(J-1)。通知ランプがOFF(J1-NO)である場合には、オペレータが第1整列装置固定部50において第1整列装置10の位置合わせ(A-1)を行って当接スイッチがON(J1-YES)になると、当接スイッチに連動した通知ランプがONになると共に、同じく当接スイッチに連動した動作制御部MCがカウンタの値を0にしてから熱交換器製造工程を開始する(S-2)。なお、カウンタの値は第1整列装置10における熱交換チューブ20の積層数と共に予め記憶装置(不図示)に記憶されている。また、カウンタの値をリセットするタイミングは、後述する第1整列装置10を撤去(S-23)する際や、昇降装置52を当初位置に戻す(S-24)の際にすることもできる。
【0039】
動作制御部MCは、昇降装置52を作動させて、図9に示すように第1整列装置10の底板16を載置台31の上面に対する所定高さ位置まで上昇させる(S-3)。ここでは、第1整列装置10に積層されている熱交換チューブ20のうち最上部に位置する熱交換チューブ20の高さ位置が載置台31に配設されている引き込みガイド33の高さ位置と同一高さ位置となるようにしている。
【0040】
次に動作制御部MCは、引き込み部39の上下方向駆動部38を作動させて、引き込み部39の第1係止具39Aを熱交換チューブ20に向けて下降させ(S-4)、図10に示すように、第1係止具39Aの側面を折り返し部22の内側に当接させる。動作制御部MCは、水平方向駆動部36により予め第1係止具39Aの平面位置を熱交換チューブ20の折り返し部22の平面位置に位置合わせした状態で待機させているので、第1係止具39Aと熱交換チューブ20とが干渉してしまうことはない。続けて動作制御部MCは、水平方向駆動部36を作動させて、引き込み部39を載置台31に向けて所要距離移動させる(S-5)。これにより第1整列装置10に積層されていた最上部の熱交換チューブ20を図11に示すように、載置台31の側に取り出しすることができる。
【0041】
次に動作制御部MCは、図12(A)に示すように、上下方向駆動部38を作動させて、第1係止具39Aを熱交換チューブ20から離反させて(S-6)から、図12(B)に示すように水平方向駆動部36を作動させて、第2係止具39Bの平面位置を熱交換チューブ20の折り返し部22の平面位置に移動させた(S-7)後に図12(C)に示すように上下方向駆動部38を作動させて第2係止具39Bを熱交換チューブ20に接近させる(S-8)ように下降させる。このとき第2係止具39Bの縮径部39Baの高さ位置は熱交換チューブ20の高さ位置に一致させている。縮径部39Baは円弧形状に形成されているので、熱交換チューブ20の外周面に縮径部39Baを密着させることができる。
【0042】
次に動作制御部MCは、水平方向駆動部36を作動させ、図13に示すように載置台31に引き出された熱交換チューブ20をさらにスライド移動させて熱交換チューブ20を第1整列装置10から載置台31に移載する(S-9)。載置台31に移載される熱交換チューブ20は、載置台31に立設された引き込みガイド33の側周面に当接することにより、載置台31における所定位置にガイドされると共に脚部24の先端部の位置が所定の位置に揃えられた状態になる。
【0043】
また、動作制御部MCは、熱交換チューブ20を載置台31の上でスライド移動させている間における第2係止具39Bの水平方向位置を常時検出している。これにより動作制御部MCは、熱交換チューブ20の内側領域に配設された第2係止具39Bが載置台31の位置決め部34の位置を通過させた直後に位置決め部34を順次作動させ、図14に示すように、第1整列装置10の側の位置決め部34から順次載置台31の上面から突出させる(S-10)。このようにして載置台31の上をスライド移動する熱交換チューブ20は、引き込みガイド33により脚部24の外側面および内側面が保持されると共に位置決め部34により折り返し部22の内側面が保持されることになる。すなわち載置台31に引き出された熱交換チューブ20は、設計形状に矯正され、かつ、脚部24の先端部の位置が所定位置に揃えられた状態で載置台31上の平面位置が位置決め固定されることになる。
【0044】
そして熱交換チューブ20が完全に載置台31に移載されると、動作制御部MCは、図15に示すように上下方向駆動部38を作動させて、引き込み部39を熱交換チューブ20から離反させる(S-11)よう上昇させる。次に動作制御部MCは、載置台移動部35を作動させて、図16に示すように熱交換チューブ20が移載された載置台31を熱交換チューブ挿入装置300の配設位置に向けて移動させる(S-12)。続いて動作制御部MCは、載置台31の位置を固定させると共に挿入用駆動部306を作動させ、図17に示すように載置台31に載置されている熱交換チューブ20の先端部の延長上で待機している熱交換器用フィンの積層体FSに向けて熱交換チューブ20をスライド移動させる(S-13)。
【0045】
このときも動作制御部MCは、挿入用駆動部306への電力供給量やエンコーダへの出力内容等に基づいて当接体305または当接体保持部304の水平位置を常時検出している。熱交換チューブ20の折り返し部22の位置が位置決め部34の位置に到達する前に、第1整列装置10から載置台31への移載時とは逆の順番(折り返し部22から先端部に向かって)で位置決め部34を載置台31の上面から順次退避させ(S-14)る。このようにして、熱交換チューブ挿入装置300による熱交換チューブ20を熱交換器用フィンの積層体FSに向けてスライド移動させる際における折り返し部22と位置決め部34との干渉を防いでいる(図18)。
【0046】
熱交換器用フィンの積層体FSに熱交換チューブ20を挿入する際においても熱交換チューブ20は外周面が引き込みガイド33と当接した状態を維持しているので、脚部24の先端部の位置が位置決めされた状態になっている。これにより熱交換器用フィンの積層体FSの透孔(不図示)に熱交換チューブ20の脚部24の先端部を容易かつ確実に挿入させる(S-15)ことができる(図19)。そして、熱交換器用フィンの積層体FSに熱交換チューブ20を挿通させることにより図5に示すような熱交換器HEXが製造されると、動作制御部MCが図示しないハンドに熱交換器HEXを取り出しさせる(S-16)。
【0047】
次に動作制御部MCは、挿入用駆動部306を作動させ、当接体保持部304および当接体305を図20に示すように熱交換チューブ20の挿入工程前の位置に戻す(S-17)。続けて動作制御部MCは、載置台移動部35を作動させて載置台31を熱交換チューブ整列装置100に戻す(S-18)。そして動作制御部MCは、水平方向駆動部36を作動させて引き込み部39を図21に示すように第1整列装置10から次の熱交換チューブ20引き出しする位置(当初位置)に戻す(S-19)。そして動作制御部MCは、昇降装置52を作動させ、第1整列装置10の底板16を熱交換チューブ20の高さ分上昇させる(S-20)。
【0048】
また、動作制御部MCは、昇降装置52を作動させるたびにカウンタの値に1を加える(S-21)処理を行う。そして動作制御部MCは、加算後のカウンタの値が積層数以上であるか否かを判断(J-2)して、加算後のカウンタの値が積層数未満である場合には、(S-4)に戻り(S-21)までの工程を繰り返させる(J2-NO)。加算後のカウンタの値が積層数以上である場合(J2-YES)には、動作制御部MCは回転灯やスピーカ等に代表される通報手段(不図示)によるオペレータに対する告知を行い、オペレータに第1整列装置10にストックされている熱交換チューブ20がなくなったことを通報(S-22)させることもできる。
【0049】
積層されていたすべての熱交換チューブ20が取り出された第1整列装置10をオペレータが第1整列装置固定部50から撤去(S-23)すると、当接スイッチがオンからオフになる。当接スイッチがオフになると動作制御部MCは昇降装置52を下降させて当初位置に戻し(S-24)た後、熱交換器製造工程を終了(END)させればよい。必要に応じてオペレータが新たな第1整列装置10を第1整列装置固定部50にセットすれば(S-1)、以上に説明した熱交換器HEXの製造工程を繰り返し実行することができる。
【0050】
以上に、本発明にかかる熱交換チューブ整列装置100およびこれを有する熱交換器製造装置200について実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明にかかる熱交換チューブ整列装置100およびこれを有する熱交換器製造装置200は以上の実施形態に限定されるものではない。
【0051】
例えば本実施形態においては、熱交換チューブ整列装置100の構成の一部である動作制御部MCが熱交換チューブ挿入装置300における動作制御も行っており、結果として熱交換器製造装置200の動作制御も行う形態について説明しているが、この形態に限定されるものではない。熱交換チューブ整列装置100の動作制御部MCの他に、熱交換チューブ挿入装置300の動作制御を行う第2動作制御部(不図示)および熱交換器製造装置200の動作制御を行い統括動作制御部(不図示)を有し、統括動作制御部が動作制御部MCと第2動作制御部を統括制御する形態を採用することもできる。
【0052】
また、本実施形態においては、第1整列装置10において熱交換チューブ20の脚部24の先端位置が挿入対象の熱交換器用フィンの積層体FSの透孔ピッチに位置決めされた状態で積層保持されているが、この形態に限定されるものではない。第1整列装置10に積層される熱交換チューブ20は最上部の熱交換チューブ20を第2整列装置30に円滑に引き込ませることができる程度に整列されていればよい。
【0053】
また、本実施形態においては、第1整列装置10は台車状に形成されているが、固定型にすることもできる。また、昇降装置52を第1整列装置10または第2整列装置30の一部として搭載することもできる。特に第1整列装置10に昇降装置52を搭載した場合は、ベンダーにより製造された熱交換チューブ20のオペレータによる積層作業を容易にすることができる。そして、本実施形態に用に第1整列装置10を台車状にした場合にはフットポンプ式の流体シリンダを採用することが好適であり、昇降装置52の小型軽量化および低コスト化を図ることができる点において好都合である。
【0054】
また、本実施形態においては、引き込み機構32の引き込み部39が長さの異なる第1係止具39Aと第2係止具39Bにより構成した形態を採用しているが、この形態に限定されるものではない。引き込み部39の熱交換チューブ20に対する伸縮量(下端部高さ位置)を変更可能な構成にすれば、1本の引き込み部39の形態にすることもできる。
【0055】
また、本実施形態においては、引き込みガイド33としてローラを用いた形態について説明しているがこの形態に限定されるものではない。引き込みガイドの他の形態としては、摩擦係数の小さい材料により形成された円柱体や円筒体等を用いることもできる。この形態においては、以上の実施形態に比較して熱交換チューブ20の脚部24が通過する際の円滑性は若干劣るが、一つの引き込みガイド33に対して熱交換チューブ20の脚部24を2本当接させた状態でガイドすることができる。すなわち、引き込みガイド33の配設数の削減や構造の単純化で安価に提供することができる点で好都合である。
【0056】
また、本実施形態においては、位置決め部34が載置台31の下方から上方に突出入する形態について説明しているが、位置決め部34はこの形態に限定されるものではない。載置台31の上方から載置台31に引き出された熱交換チューブ20の脚部24の内側領域(内側位置)に対して進入および退避させる形態を採用することもできる。
【0057】
また、本実施形態における載置台移動部35は、載置台31を熱交換チューブ整列装置100と熱交換チューブ挿入装置300との間でスライド移動させているがこの形態に限定されるものではない。載置台移動部35は熱交換チューブ20が移載された載置台31を所定位置に移動させるためのものであり、移動先は熱交換チューブ挿入装置300に限定されず、移動方向も水平方向のみではなく高さ方向または、3次元的に移動させることもできる。
【0058】
また、本実施形態における熱交換チューブ挿入装置300は、熱交換器用フィンの積層体FSに予め挿通させたガイドピンGPに熱交換チューブ20の脚部24の先端部を差し込んだうえで熱交換器用フィンの積層体FSに熱交換チューブ20を挿入する形態について説明しているが、熱交換チューブ挿入装置300は熱交換器用フィンの積層体FSに熱交換チューブ20を直接挿入させる形態を採用することもできる。
【0059】
また、以上の実施形態においては、熱交換チューブ整列装置100に熱交換チューブ挿入装置300を隣り合わせで配設した熱交換器製造装置200の実施形態について説明しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。具体的には、ヘアピン状に形成された熱交換チューブ20が2本の脚部24を水平にしたいわゆる横向きに積層配置されている第1整列装置10から熱交換チューブ20を横向きの状態のまま載置台31に位置決めした状態で移載させるための熱交換チューブ整列装置100のみであってもよい。
【0060】
また、以上に説明した実施形態と各種変形例どうしを適宜組み合わせた構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 第1整列装置,
12 ベース部,13 キャスター,14 ガイド体,15 ハンドル,16 底板,
20 熱交換チューブ,
22 折り返し部,24 脚部,24L 左側の脚部,24R 右側の脚部,
30 第2整列装置,
31 載置台,32 引き込み機構,33 引き込みガイド,33A 当接面,
34 位置決め部,35 載置台移動部,
35A ラックアンドピニオン機構,35B ピニオンギア駆動モータ,
35C レール,
36 水平方向駆動部,37 ガイドレール,38 上下方向駆動部,
39 引き込み部,39A 第1係止具,39B 第2係止具,39Ba 縮径部,
50 第1整列装置固定部,52 昇降装置,54 昇降板,
100 熱交換チューブ整列装置,
200 熱交換器製造装置,
300 熱交換チューブ挿入装置,
302 ガイド部,304 当接体保持部,305 当接体,306 挿入用駆動部,
MC 動作制御部,
PL1 第1取付板,PL2 第2取付板,
AX1,AX2 回転軸,
FH 熱交換器用フィン積層体保持部,
FS 熱交換器用フィンの積層体,
GP ガイドピン,
500 熱交換器製造装置,
510 熱交換器用フィンの積層体,
520 熱交換チューブ
図1
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図3
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