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特許7037286フレキシブルディスプレイを伴う電子装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】フレキシブルディスプレイを伴う電子装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20220309BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220309BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220309BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
G06F3/044 127
G09F9/00 366A
G09F9/30 365
H05B33/04
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2017101613
(22)【出願日】2017-05-23
(62)【分割の表示】P 2015222405の分割
【原出願日】2012-03-20
(65)【公開番号】P2017194975
(43)【公開日】2017-10-26
【審査請求日】2017-06-22
【審判番号】
【審判請求日】2019-12-17
(31)【優先権主張番号】13/184,303
(32)【優先日】2011-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/454,950
(32)【優先日】2011-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/454,894
(32)【優先日】2011-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/108,256
(32)【優先日】2011-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/454,936
(32)【優先日】2011-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/171,295
(32)【優先日】2011-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/422,724
(32)【優先日】2012-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ロスコフ フレッチャー アール
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ スコット エー
(72)【発明者】
【氏名】リンチ スティーブン ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ラポポート ベンジャミン エム
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン ジェレミー シー
【合議体】
【審判長】稲葉 和生
【審判官】林 毅
【審判官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-519585(JP,A)
【文献】特開2010-257259(JP,A)
【文献】意匠登録第1400563(JP,S)
【文献】米国特許出願公開第2010/0061040(US,A1)
【文献】戸田覚、戸田覚の買うか買わぬか思案中 もはやスマートフォンの代名詞「向かうところ敵なし」で独走 iPhone 4(32GB)、日経PC21、日経BP社、2010年7月24日、第15巻、第14号、第148-151頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/044
G09F9/00
G09F9/30
H05B33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する前部外面及び後部外面を有する電子装置であって、
側壁及び前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し、前記電子装置の前部外面の少なくとも一部を形成し、前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され、前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない、有機発光ダイオードディスプレイと、
前記内部スペース内にマウントされる電子的コンポーネントと、
を備える、電子装置。
【請求項2】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、接着剤層を含み、そしてその接着剤層は、前記フレキシブルディスプレイ層を、前記ガラスカバー層のカーブした内面に取り付ける、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、タッチ感知層を含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、第1及び第2の接着剤層を含み、その第1の接着剤層は、前記フレキシブルディスプレイ層を前記タッチ感知層に取り付け、そしてその第2の接着剤層は、前記フレキシブルディスプレイ層を前記ガラスカバー層のカーブした内面に取り付ける、請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードで形成された画像ピクセルを含む、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、少なくとも1つの開口を有し、その開口は、コネクタポートに関連し、そして前記電子装置は、更に、前記コネクタポートにマウントされたコネクタ構造体を備えている、請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
電子装置であって、
後部ガラス部及び側壁を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされた有機発光ダイオードディスプレイと、
を備え、前記有機発光ダイオードディスプレイは当該有機発光ダイオードディスプレイに重畳し、カーブした部分を有する堅牢なカバー層を含み、前記カーブした部分はカーブした内面及び外面を有し、内部スペースは前記後部ガラス部及び前記堅牢なカバー層の間に配置され、電子的コンポーネントが前記内部スペース内にマウントされ、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記カーブした内面に合致するフレキシブルディスプレイ層を含み、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記堅牢なカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない、電子装置。
【請求項8】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、接着剤層を含み、そしてその接着剤層は、前記フレキシブルディスプレイ層を前記堅牢なカバー層のカーブした内面に接合する、請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記堅牢なカバー層は、ガラスを含む、請求項7に記載の電子装置。
【請求項10】
前記フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードから形成された画像ピクセルを含む、請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードから形成された画像ピクセルを含む、請求項7に記載の電子装置。
【請求項12】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、前記カーブした内面に合致するタッチセンサ層を含む、請求項7に記載の電子装置。
【請求項13】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、第1及び第2の接着剤層を含み、その第1の接着剤層は、前記フレキシブルディスプレイ層を前記タッチセンサ層に取り付け、そしてその第2の接着剤層は、前記タッチセンサ層を前記堅牢なカバー層のカーブした内面に取り付ける、請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記タッチセンサ層は、インジウム・スズ酸化物電極を含む、請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
堅牢なカバー層と前記後部ガラス部との間に配置されたコネクタポートを更に備える、請求項7に記載の電子装置。
【請求項16】
少なくとも前面及び後面を有する電子装置において、
側壁及び後部ガラス部を備えるハウジングであって、前記電子装置の後面の少なくとも一部を形成するハウジングと、
有機発光ダイオードディスプレイであって、前記有機発光ダイオードディスプレイは、堅牢なカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示せず、前記堅牢なカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を備え、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは、前記カーブした内面に合致するように曲げられたフレキシブルディスプレイ層を含む、有機発光ダイオードディスプレイと、
前記後部ガラス部と前記堅牢なカバー層との間に介在された電子コンポーネントと、
を備える、電子装置。
【請求項17】
前記有機発光ダイオードディスプレイは、更に、前記フレキシブルディスプレイ層の少なくとも一部分に取り付けられたタッチ感知層を含む、請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記カーブした内面は、凹状内面を含み、前記ハウジングは、コネクタポートを形成する開口部を有する、請求項16に記載の電子装置。
【請求項19】
前記側壁の少なくとも一部はカーブしている、請求項16に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、フレキシブルディスプレイに関するもので、より詳細には、フレキシブルディスプレイを伴う電子装置に関する。
【0002】
本願は、2011年6月28日に出願された米国特許出願第13/171,295号、2011年5月16日に出願された米国特許出願第13/108,256号、2011年7月15日に出願された米国特許出願第13/184,303号、2012年3月16日に出願された米国特許出願第13/422,724号、2011年3月21日に出願されたプロビジョナル特許出願第61/454,894号、2011年3月21日に出願されたプロビジョナル特許出願第61/454,936号、及び2011年3月21日に出願されたプロビジョナル特許出願第61/454,950号の優先権を主張するもので、これらは、参考として、ここにそのまま援用される。
【背景技術】
【0003】
ポータブルコンピュータ及びセルラー電話のような電子装置は、堅牢なディスプレイ構造体から作られた堅牢なディスプレイがしばしば設けられる。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)は、ユーザへ視覚フィードバックを与えるためのディスプレイピクセルをもつ薄膜トランジスタ層、ディスプレイピクセルに色を与えるためのカラーフィルタ層、ユーザからタッチ入力を収集するためのタッチスクリーンパネル、ディスプレイ及び内部コンポーネントを保護するためのカバーガラス層、等の堅牢なディスプレイ構造体のスタックから形成される。
【0004】
又、従来の装置は、ボタン、マイクロホン、スピーカ、他のコンポーネント、等の入力/出力コンポーネントも有している。これら入力/出力コンポーネントの操作を許すために従来装置のハウジングには、通常、開口が形成される。例えば、装置ハウジングにはスピーカ及びマイクロホンポートを収容するための開口が形成され、又、ディスプレイカバーガラス層にはスピーカポート及びメニューボタンを収容するための開口が形成される。
【0005】
入力/出力コンポーネントを収容するためにこれらの開口を含ませることは、望ましいことではない。例えば、開口の存在は、審美的な魅力に欠け、環境への露出からダメージのおそれが高まり、そしてユーザに画像を表示するのに利用できるアクティブな表示エリアの量を減少させ得る。
【0006】
多くの場合、これら入力/出力コンポーネントをマウントするのに利用できる占有面積が非常に僅かである。例えば、入力/出力コンポーネントは、多くの場合、ディスプレイのインアクティブな部分の下か又は電子装置ハウジングの側壁内にマウントされる。
【0007】
スピーカのような入力/出力コンポーネントのサイズ及び個数は、それらの位置に利用できるスペースの量により制限される。例えば、従来の装置では、ディスプレイのインアクティブな部分の下に単一のスピーカがマウントされる。そのようなスピーカのサイズ及びクオリティは、ディスプレイのインアクティブな部分にスペースがないことにより制限される。更に、ディスプレイのインアクティブな部分にスピーカをマウントすることで、ディスプレイのインアクティブな部分に望ましからぬ巾が付加される。
【0008】
平坦なカバーガラス層をもつ装置は、落下時に表面にスクラッチ及びダメージが生じる傾向がある。ユーザは、保護ケースを使用すれば、落下事故からスクラッチ及びダメージを最小にすることができる。しかしながら、保護ケースは、多くのユーザにとって不便であり又は審美的な魅力に欠ける。
【0009】
多くの場合、最小サイズのポータブル装置を生産することが望まれる。ポータブル電子装置のユーザは、厚い装置より薄い装置の方が望ましいことを知っている。コンパクトなポータブル装置に時々凸状のハウジング形状が与えられる。凸状のハウジング形状は、ユーザにとって審美的に満足なスマートな薄い見掛けを保ちながら、装置の内部容積を増加する。
【0010】
凸状ハウジングをもつコンパクトなポータブル装置は、ディスプレイを有する。従来の構成では、ディスプレイは、フラットであり、従って、ディスプレイ以外の装置の部分のみが凸状である。これは、装置の内部容積を制限し、その見掛けを悪くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故、改良された電子装置を提供できることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
電子装置には、フレキシブルディスプレイが設けられる。このフレキシブルディスプレイは、1つ以上のフレキシブルな層より成り、そしてカバー層の上又は下にマウントされる。例えば、フレキシブルディスプレイは、堅牢な支持部材の上部にマウントされるか、又は堅牢なカバー層の下面にマウントされる。
【0013】
又、電子装置には、ユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)、例えば、ボタン、マイクロホン、スピーカ、圧電アクチュエータ(ユーザからの電気的入力又はユーザへの触覚フィードバックを受け取るための)、又は他のアクチュエータ、例えば、バイブレータ、圧力センサ、及び他のコンポーネントも設けられる。これらのコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの部分の下にマウントされる。
【0014】
電子装置の動作中に、ディスプレイのフレキシビリティのために、ユーザは、ディスプレイを通してコンポーネントと相互作用することができる。例えば、スピーカからの音波又は電子装置のアクチュエータからの局所的な振動がフレキシブルディスプレイを通過する。又、フレキシブルディスプレイは、内部マイクロホン、圧力センサ或いは力センサ(又は他の内部コンポーネント)で外部入力を受け取れるようにする。例えば、ユーザは、指又は他の外部物体を使用してフレキシブルディスプレイをそらせることができ、フレキシブルディスプレイを通して気圧を監視することができ、又はフレキシブルディスプレイを通して音波を受信することができる。
【0015】
コンポーネントは、フレキシブルディスプレイの物理的に変形された部分(例えば、ユーザがディスクプレイに圧力加えてコンポーネントを圧縮させるときに生じる変形)を通して入力を受け取り、又は出力を供給する。ある構成では、フレキシブルディスプレイの一部分が、マイクロホン、スピーカ、圧力センサ又は他の電子的コンポーネントの一部分を形成する膜として働く。
【0016】
フレキシブルディスプレイを変形することによりボタンスイッチのようなコンポーネントをユーザが圧縮できることで、視覚ディスプレイとして利用できる装置のエリアを拡大することができる。例えば、フレキシブルディスプレイのアクティブなエリアは、ボタン又はスピーカのようなコンポーネントに重畳する。
【0017】
必要に応じて、内部コンポーネントによりフレキシブルディスプレイを変形してユーザに聴覚又は触覚フィードバックを与えることができる。例えば、電子装置内の構造体をフレキシブルディスプレイの部分に対して押し付けて、視覚オンスクリーンボタンの輪郭を一時的に生成したり、又はキーボード(キーパッド)におけるキーの位置を画成するように働く隆起線の格子を一時的に生成したりすることができる。
【0018】
電子装置には、凹面ディスプレイが設けられる。凹面ディスプレイの周縁部分は、凹面ディスプレイのくぼんだ中央部分に対して立ち上っている。これは、ディスプレイの中央部分との接触によるスクラッチ及び他のダメージを減少する上で助けとなる。
【0019】
凹面ディスプレイは、1つ以上のフレキシブルディスプレイ層を含み、そしてカバー層の上部又は下部にマウントされる。例えば、フレキシブルディスプレイ層は、堅牢な支持部材の上部にマウントされてもよいし、又は堅牢なカバー層の下面にマウントされてもよい。
【0020】
又、凹面ディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層の上部又は下部にタッチセンサアレイ層をスタックすることによりタッチ感知能力も含むことができる。フレキシブルディスプレイ層、タッチ感知層、及び堅牢なカバー層又は堅牢な支持構造体から堅牢な凹面ディスプレイが形成される。
【0021】
カーブしたフレキシブルディスプレイ層から形成された凹面ディスプレイを有する装置は、電子装置の内部容積の利用率を最大にする上で助けとなる。
【0022】
電子装置には、凸面ディスプレイが設けられる。凸面ディスプレイは、1つ以上のフレキシブルディスプレイ層を含み、そしてカーブした形状のカバー層の上部又は下部にマウントされる。例えば、フレキシブルディスプレイ層は、凸面を有する堅牢な支持部材の上部にマウントされるか、又は堅牢な凸面ディスプレイカバー層の凹状下面にマウントされる。
【0023】
凸面ディスプレイには、フレキシブルディスプレイ層の上部又は下部にタッチセンサアレイをスタックすることによりタッチ感知能力が与えられる。フレキシブルディスプレイ層、タッチ感知層、及び堅牢なカバー層又は支持構造体から、堅牢な凸面ディスプレイが形成される。
【0024】
カーブしたフレキシブルディスプレイ層から形成された凸面ディスプレイを有する装置は、電子装置の内部容積の利用率を最大にする上で助けとなる。
【0025】
カバーガラス層のようなディスプレイカバーがフレキシブルディスプレイ上にマウントされる。フレキシブルディスプレイは、1枚以上のポリマーシートで形成されたフレキシブル構造体を有する有機発光ダイオードディスプレイである。フレキシブルディスプレイは、容量性タッチセンサ電極のアレイを有するタッチセンサ層を含む。
【0026】
電子装置には、1つ以上のディスプレイベースのスピーカ構造体がある。ディスプレイベースのスピーカ構造体は、フレキシブルディスプレイの下にマウントされる。フレキシブルディスプレイの部分は、ディスプレイベースのスピーカ構造体のスピーカ膜として使用される。
【0027】
フレキシブルディスプレイは、ユーザに画像を表示するように構成されたアクティブなエリアを有する。スピーカ膜は、フレキシブルディスプレイのアクティブな部分から形成される。ディスプレイベースのスピーカ構造体は、電子装置の回路から電気的な音声信号入力を受信するトランスジューサにより駆動される。圧電トランスジューサ、又はコイルや磁石から形成されるトランスジューサを使用して、ディスプレイベースのスピーカ構造体を駆動してもよい。
【0028】
スピーカ膜として使用されるフレキシブルディスプレイの一部分を補剛するために補剛構造体が使用される。補剛構造体は、補剛材料シート間に介在される発泡層から形成される。補剛構造体は、スピーカ膜がトランスジューサに正確に応答できるようにする硬くて軽量の支持構造体を形成する。
【0029】
ディスプレイベースのスピーカ構造体を周囲のハウジング構造体に取り付けるために懸架構造体が使用される。この懸架構造体は、スピーカ構造体と、周囲のハウジング構造体との間の柔軟なインターフェイスを形成する。懸架構造体は、スピーカ構造体の横方向の動きを禁止しながら、スピーカの動作中にスピーカ構造体を振動できるようにする。
【0030】
スピーカ構造体は、望ましい周波数応答を達成するように構成される。スピーカ構造体がマウントされる電子装置ハウジングには、スピーカ周波数応答をチューニングするために音響ポートが設けられる。スピーカに使用されるトランスジューサの形式は、スピーカ周波数応答をチューニングするように選択される。スピーカの体積及びスピーカの質量に影響する内部装置コンポーネントのサイズ及び配置も、スピーカ周波数応答をチューニングするように選択される。
【0031】
電子装置には、ディスプレイベースのスピーカ構造体のアレイが設けられる。各スピーカ構造体のスピーカ膜は、関連補剛構造体で補剛される。補剛された各スピーカ膜は、横方向の振動を吸収し、ひいては、隣接スピーカ間の干渉を防止するように構成されたフレキシブルディスプレイのリングにより取り巻かれる。
【0032】
本発明の更に別の特徴、その特性及び種々の効果は、添付図面及び好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態によるフレキシブルディスプレイ及び内部コンポーネントを伴う電子装置を例示する斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるフレキシブルディスプレイを形成するのに使用されるディスプレイ層のセットを例示する図である。
図3】本発明の一実施形態による内部ユーザインターフェイスコンポーネントの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図4】本発明の一実施形態によるボタンの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図5】本発明の一実施形態によるボタンの付近における電子装置の一部分の別の実施形態の断面側面図である。
図6】本発明の一実施形態によるオーディオコンポーネントの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図7】本発明の一実施形態によるオーディオコンポーネントの付近における電子装置の一部分の別の実施形態の断面側面図である。
図8】本発明の一実施形態によるオーディオコンポーネントの付近における電子装置の一部分の更に別の実施形態の断面側面図である。
図9】本発明の一実施形態による圧電アクチュエータのようなアクチュエータの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図10】本発明の一実施形態による内部構造コンポーネントの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図11】本発明の一実施形態による結合内部インターフェイスコンポーネントの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図12】本発明の一実施形態によるフレキシブルディスプレイ及び結合内部インターフェイスコンポーネントを伴う電子装置の一部分の斜視図である。
図13】本発明の一実施形態によりアクチュエータ段にマウントされたフレキシブルディスプレイ及び結合内部インターフェイスコンポーネントを伴う電子装置の一部分の斜視図である。
図14】本発明の一実施形態によりアクチュエータ段にマウントされた内部構造コンポーネントの付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図15】本発明の一実施形態によりアクチュエータにマウントされたカバー及び内部構造コンポーネントを伴う電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図16】本発明の一実施形態による圧力センサに付近における電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図17】本発明の一実施形態による凹面ディスプレイ及びベゼルを伴う電子装置を例示する斜視図である。
図18】本発明の一実施形態により支持構造体の凹面形状に合致するフレキシブルディスプレイ層を伴う凹面ディスプレイを有する電子装置の断面側面図である。
図19】本発明の一実施形態により接着剤層により接合されたカバー層及びフレキシブルディスプレイ層を有する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図20】本発明の一実施形態により接着剤層により接合されたフレキシブルディスプレイ層、フレキシブルタッチ感知層及びカバー層を有する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図21】本発明の一実施形態により落下面から装置を保護するように選択された曲率半径をもつ凹面ディスプレイを有する電子装置を例示する断面側面図である。
図22】本発明の一実施形態によりハウジング構造体から形成されたベゼル及び凸面ディスプレイを伴う電子装置を例示する斜視図である。
図23】本発明の一実施形態による凸面ディスプレイ及び内部コンポーネントを伴う電子装置を例示する断面側面図である。
図24】本発明の一実施形態により支持構造体に合致するフレキシブルディスプレイ層を伴う凸面ディスプレイを有する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図25】本発明の一実施形態により接着剤層により接合された凸面カバー層及びフレキシブルディスプレイ層を有する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図26】本発明の一実施形態により接着剤層により接合されたフレキシブルディスプレイ層、タッチ感知層及び凸面カバー層を有する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図27】本発明の一実施形態により装置の内部容積を使用するように構成されたコネクタポート及び凸面ディスプレイを有する電子装置を例示する断面斜視図である。
図28】本発明の一実施形態による凸面ディスプレイ及び内部コンポーネントを有する電子装置を例示する断面斜視図である。
図29】本発明の一実施形態により凸面ディスプレイによって実質的に取り巻かれた電子装置を例示する断面側面図である。
図30】本発明の一実施形態によるディスプレイ及び1つ以上のスピーカ構造体を有するポータブルコンピュータのような電子装置を例示する図である。
図31】本発明の一実施形態によるディスプレイ及び1つ以上のスピーカ構造体を有するセルラー電話又は他のハンドヘルド装置のような電子装置を例示する図である。
図32】本発明の一実施形態によるディスプレイ及び1つ以上のスピーカ構造体を有するタブレットコンピュータのような電子装置を例示する図である。
図33】本発明の一実施形態によるディスプレイ及び1つ以上のスピーカ構造体を有する内蔵コンピュータを伴うコンピュータモニタのような電子装置を例示する図である。
図34】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイを形成するのに使用されるディスプレイ層のセットを例示する図である。
図35】本発明の一実施形態により有機発光ダイオードディスプレイを形成するのに使用されるディスプレイ層のセットを例示する図である。
図36】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイがスピーカ構造体の一部分を形成する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図37】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイがスピーカ構造体の一部分を形成する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図38】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイがスピーカ構造体の一部分を形成する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図39】本発明の一実施形態によりスピーカ開口をもつカバー層を有する図38に示す形式の電子装置を例示する斜視図である。
図40】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイが支持構造体で補剛された電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図41】本発明の一実施形態によるカーブした支持構造体をもつカーブしたフレキシブルディスプレイを有する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図42】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイが単一スピーカ構造体の一部分を形成する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図43】本発明の一実施形態によりフレキシブルディスプレイがスピーカ構造体のアレイの一部分を形成する電子装置の一部分を例示する断面側面図である。
図44】本発明の一実施形態によりスピーカ構造体のアレイの一部分を形成するフレキシブルディスプレイを有する図43に示す形式の電子装置を例示する下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
電子装置にはフレキシブルディスプレイが設けられる。フレキシブルディスプレイは、1つ以上のフレキシブルな層を含む。必要に応じて、フレキシブルディスプレイは、フレキシブルな又は堅牢なディスプレイカバー層を含む。
【0035】
ある構成において、電子装置には、フレキシブルディスプレイと、このフレキシブルディスプレイの後方に位置され、又はそれに当接され、又はそれに一体化されたユーザインターフェイスコンポーネントとが設けられる。図1ないし16は、ユーザインターフェイスコンポーネントがフレキシブルディスプレイの後方に位置され、又はそれに当接され、又はそれに一体化される構成の実施例を示す。
【0036】
ある構成において、電子装置には、1つ以上のフレキシブルディスプレイ層を有する凹面ディスプレイが設けられる。図1、2及び17-21は、1つ以上のフレキシブルディスプレイ層を有する凹面ディスプレイが電子装置に設けられた構成の実施例を示す。
【0037】
ある構成において、電子装置には、1つ以上のフレキシブルディスプレイ層を有する凸面ディスプレイが設けられる。図1、2及び22-29は、1つ以上のフレキシブルディスプレイ層を有する凸面ディスプレイが電子装置に設けられた構成の実施例を示す。
【0038】
ある構成において、フレキシブルディスプレイの一部分は、スピーカ、マイクロホン、レーザマイクロホン又は圧力センサのような電子コンポーネントの膜構造体を形成する。図30-44は、フレキシブルディスプレイの一部分が電子コンポーネントの膜構造体を形成する構成の実施例を示す。
【0039】
図1-16の実施例に示すように、電子装置には、フレキシブルディスプレイ及びユーザインターフェイスコンポーネントが設けられる。ユーザインターフェイスコンポーネントは、ボタン;スイッチ;マイクロホン;ソレノイド、モータ及び圧電アクチュエータのようなアクチュエータ;コネクタポート;タッチスクリーン;接近センサ;及びユーザや周囲環境から入力を受け容れ或いはそこに情報を伝送するための他のコンポーネント;を含む。
【0040】
フレキシブルディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層(例えば、フレキシブルな有機発光ダイオードアレイ)、フレキシブルタッチ感知層(例えば、容量性タッチセンサのための透明なキャパシタ電極のアレイをもつポリマーシート)、フレキシブル基板層、等のフレキシブルな層から形成される。これらのフレキシブルな層は、必要に応じて、フレキシブルな又は堅牢なカバー層(カバーガラスとも称される)によりカバーされるか、或いは支持構造体(例えば、フレキシブルな層の下面の堅牢な支持構造体)によって支持される。堅牢なカバー層でカバーされるフレキシブルディスプレイを伴う電子装置では、ユーザインターフェイス装置の付近でディスプレイのフレキシブルな層へのアクセスを与える開口がカバー層に設けられる。例えば、カバーガラス層は、カバーガラス層に対してボタン部材を移動できるようにする開口を有する。ボタン部材が開口内で移動するとき、その下のフレキシブルディスプレイの部分が変形される(例えば、関連スイッチのアクションを許すために)。
【0041】
ユーザに視覚情報を表示するのに利用できるフレキシブルディスプレイの部分のエリアを最大にするために、ユーザインターフェイスコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの後方に位置され、又はそれに当接され、又はそれに一体化される。フレキシブルディスプレイの変形可能な性質は、ディスプレイをユーザインターフェイスコンポーネントと接触させるように移動するか、又はディスプレイを局所的に撓ませることができるようにすることにより(例えば、音声がフレキシブルディスプレイを通過できるようにするか又は外部環境の気圧測定を内部圧力センサで行えるようにするために)、ユーザがユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)と相互作用できるようにする。必要に応じて、フレキシブルディスプレイの一部分は、電気的コンポーネントの膜部分を形成する。フレキシブルディスプレイの一部分から形成される膜が設けられたコンポーネントは、マイクロホン、レーザマイクロホン、圧力センサ、スピーカ、等を含む。
【0042】
フレキシブルディスプレイが設けられた形式の電子装置が図1に例示されている。この電子装置10は、ポータブル電子装置であるか又は他の適当な電子装置である。例えば、電子装置10は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、腕時計装置、ペンダント装置、或いは他の着用可能又は小型装置のような若干小さな装置、セルラー電話、メディアプレーヤ、等である。
【0043】
装置10は、ハウジング12のようなハウジングを備えている。時々ケースとも称されるハウジング12は、プラスチック、ガラス、セラミック、ファイバー複合物、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、等)、他の適当な材料、或いはそれら材料の組み合わせで形成される。ある状況において、ハウジング12の部分は、誘電体又は他の低導電率材料で形成される。他の状況において、ハウジング12、又はハウジング12を形成する構造体の少なくとも幾つかは、金属要素から形成される。
【0044】
装置10は、フレキシブルディスプレイ14のようなフレキシブルディスプレイを有する。フレキシブルディスプレイ14は、複数の材料層から形成される。それらの層は、容量性タッチセンサアレイを形成するためにインジウム・スズ酸化物(ITO)電極又は他の適当な透明電極のパターンが堆積される層のようなタッチセンサ層を含む。又、それらの層は、ディスプレイピクセルのアレイを収容する層も含む。タッチセンサ層及びディスプレイ層は、(一例として)厚みが10ミクロンないし0.5mm又は他の適当な厚みのフレキシブルなポリマーシート又は他の基板を使用して形成される。
【0045】
ディスプレイピクセルアレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)アレイである。他の形式のフレキシブルディスプレイピクセルアレイが形成されてもよい(例えば、電子インクディスプレイ、等)。ここでは、一例として、OLED技術を使用してフレキシブルディスプレイ14を形成することを説明する。しかしながら、これは、単なる例示に過ぎない。フレキシブルディスプレイ14は、適当なフレキシブルディスプレイ技術を使用して形成される。OLED技術に基づくフレキシブルディスプレイの使用は、単なる例示に過ぎない。
【0046】
これらの機能的ディスプレイ層(即ち、OLEDアレイ及び任意のタッチセンサアレイ)に加えて、ディスプレイ14は、1つ以上の構造層を含む。例えば、ディスプレイ14は、フレキシブルな又は堅牢なカバー層で覆われ、及び/又は支持構造体(例えば、堅牢な支持体)にマウントされる。接着剤の層は、フレキシブルディスプレイ層を互いに取り付けるのに使用されると共に、フレキシブルディスプレイ層を堅牢な及びフレキシブルな構造層にマウントするのに使用される。
【0047】
ディスプレイ14のカバー層がフレキシブルであるようなディスプレイ14の構成では、フレキシブルな層の存在に依存する入力/出力コンポーネントが、ディスプレイの下の適当な位置にマウントされる(例えば、ディスプレイの周辺部分に沿って、ディスプレイの中央部分に、等々)。フレキシブルな層が堅牢なカバーガラス層又は他の堅牢なカバー層により覆われるようなディスプレイ14の構成では、堅牢な層に1つ以上の開口が設けられると共に、電子コンポーネントが開口の下にマウントされる。例えば、堅牢なカバー層は、ボタン17のための円形開口16のような開口、及び(例えば、ユーザのイヤホンのための)スピーカポート開口18のようなスピーカポート開口を有する。又、装置10は、他の開口を有してもよい(例えば、ボリュームボタン、リンガーボタン、スリープボタン及び他のボタンを収容するためのディスプレイ14及び/又はハウジング12の開口や、オーディオジャック、データポートコネクタ、除去可能なメディアスロット、等のための開口)。
【0048】
ある実施形態では、周辺領域20Iのようなフレキシブルディスプレイ14の部分は、インアクティブであり、そして長方形の中央部分20Aのようなディスプレイ14の部分(破線20で境界定めされた)は、ディスプレイ14のアクティブな部分に対応する。アクティブなディスプレイ領域20Aでは、画像ピクセルのアレイを使用して、装置10のユーザにテキスト及び画像を提示する。アクティブな領域20Aでは、ディスプレイ14は、装置10のユーザとの相互作用及び入力のためのタッチ感知コンポーネントを含む。必要に応じて、図1の領域20I及び20Aのような両領域に、ディスプレイピクセルが設けられる(即ち、装置10のような装置の全体的に平坦な前面の全部又は実質的に全部がディスプレイピクセルで覆われる)。
【0049】
装置10は、必要に応じて、フレキシブルディスプレイ14の任意の堅牢なカバー層に各々ある開口16及び18のような開口を占有するボタン17又はスピーカコンポーネント19のような内部ユーザインターフェイスコンポーネントを有する。ボタン17は、ドームスイッチ又は他のスイッチ回路に基づく。又、ボタン17は、プッシュボタン(例えば、瞬時ボタン)、スライダースイッチ、ロッカースイッチ、等を形成するボタン部材を含む。装置10は、フレキシブルディスプレイ14の一部分に立ち上った構造部を追加する構造コンポーネント22のような内部構造コンポーネントを含む。装置10は、インターフェイスコンポーネント24及び26のようなコンポーネントを含み、これは、完全に装置10の内部にあるが、ユーザから又は周囲環境からフレキシブルディスプレイ14との物理的相互作用を通して入力を受け取る。インターフェイスコンポーネント22、24及び26は、フレキシブルディスプレイ14のアクティブな領域20A又はインアクティブな領域20Iに配置される。インターフェイスコンポーネント22、24及び26は、互いに別々に配置されてもよいし、又は構造的特徴及び内部特徴をもつ合成コンポーネントを形成するように共通に配置されてもよい。インターフェイスコンポーネント24及び26は、フレキシブルディスプレイ14の下に位置されて、コンポーネント24又は26と接触するにはフレキシブルディスプレイ14を変形しなければならないようにしてもよいし、又は必要に応じて、フレキシブルディスプレイ14と常時接触状態のままにするように配置されてもよい。
【0050】
例示的ディスプレイの分解斜視図が図2に示されている。図2に示すように、フレキシブルディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、タッチ感知層14B及びカバー層14Cを含む複数の層をスタックすることにより形成される。又、フレキシブルディスプレイ14は、接着剤層、光学的フィルム又は他の適当な層のような他の材料層も含む。フレキシブルディスプレイ層14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、電子インク要素、液晶ディスプレイ(LCD)コンポーネント、又はフレキシブルディスプレイに適合する他の適当な画像ピクセル構造体から形成された画像ピクセルを含む。
【0051】
タッチ感知層14Bは、水平透明電極32及び垂直透明電極34のような容量性タッチ電極を合体している。タッチ感知層14Bは、一般的に、該タッチ感知層14Bにおける1つ以上のタッチ又は近タッチ(near touch)の位置を、容量性、抵抗性、光学的、音響的、誘導性又は機械的測定に基づいて、或いは1つ以上のタッチ、又はタッチ感知層14B付近の近タッチの発生に対して測定できる現象に基づいて、検出するように構成される。
【0052】
検出されたタッチの測定値を処理して、1つ以上のジェスチャーを識別し追跡するためにソフトウェア及び/又はハードウェアが使用される。ジェスチャーとは、タッチ感知層14B上の静止又は非静止の、単一又は複数の、タッチ又は近タッチに対応する。ジェスチャーは、1つ以上の指又は他の物体をタッチ感知層14B上で特定の仕方で移動することにより遂行され、例えば、タッピング(tapping)、プレッシング(pressing)、ロッキング(rocking)、スクラビング(scrubbing)、ツイスティング(twisting)、方向転換、変化する圧力でのプレッシング、等を本質的に同時に、切れ目なく、又は連続的に行うことで遂行される。ジェスチャーは、1つ以上の他の指との又はそれらの間でのピンチング(pinching)、スライディング、スワイピング、回転、撓み、ドラグ、又はタッピング運動により特徴付けられるが、それらに限定されない。単一のジェスチャーが、片手又は両手、1人以上のユーザ、又はその組み合わせで遂行されてもよい。
【0053】
カバー層14Cは、プラスチック又はガラス(時々ディスプレイカバーガラスとも称される)から形成され、フレキシブルなものでも堅牢なものでもよい。必要に応じて、カバー層14Cの周辺インアクティブ部分20Iの内面には、ブラックインクのような不透明なマスキング層が設けられる。
【0054】
タッチ感知フレキシブルディスプレイ区分14ABは、ディスプレイピクセルアレイ層14A及び任意のタッチセンサ層14Bから形成される。
【0055】
図3は、内部ユーザインターフェイスコンポーネント24の付近におけるフレキシブルディスプレイ14の一部分の断面側面図である。フレキシブルディスプレイ14は、圧力下ではその自然の形状から変形される。例えば、フレキシブルディスプレイ14は、方向40にユーザが及ぼす圧力により又は他の外力により変形される。図3に示すように、方向40の圧力は、フレキシブルディスプレイ14を破線44で示すように変形させる。内部コンポーネント24は、フレキシブルディスプレイ14の変形により入力を受け取るように構成される。又、内部コンポーネント24は、方向42に一時的な戻り(回復)圧力も与える。
【0056】
方向42の圧力は、フレキシブルディスプレイ14を、破線46で示すように装置10の外方に一時的に変形させる。方向42の圧力は、必要に応じて、装置10のユーザに対してディスプレイ14の表面に望ましい触覚感触を与えるようにディスプレイ14を変形させる内部アクチュエータによって形成される。フレキシブルディスプレイ14は、破線44で示された変形に続いて、その自然の形状に戻るまで、破線46で示すように装置10の外方にフレキシブルディスプレイを一時的に変形させる自然の弾力性を有する。内部コンポーネント24は、ボタン;モータ、ソレノイド、バイブレータ又は圧電アクチュエータのようなアクチュエータ;圧力センサ;マイクロホン又はスピーカのようなオーディオコンポーネント;或いは他のコンポーネントである。ディスプレイ14は、フレキシブルであるから、それらのコンポーネントは、ディスプレイ14により覆われても効率的に動作できる。例えば、マイクロホン及びスピーカのようなオーディオコンポーネントは、フレキシブルディスプレイ14を通して音声を受信及び送信する。気圧センサ又は力センサも、フレキシブルディスプレイ14を通して入力を受け取る。アクチュエータのようなコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの表面上の立ち上った隆起部又は他の外部特徴部を一時的に生成するのに使用される(例えば、オンスクリーンボタン又はボタンのグループがどこに位置されているかユーザに指示するために)。コンポーネント24がマウントされるところのディスプレイ14の部分は、アクティブ(即ち、OLEDピクセル又は他のディスプレイピクセルを収容するディスプレイの部分)でもよいし、又はインアクティブ(即ち、アクティブ領域の外側のディスプレイの周囲部分)でもよい。
【0057】
図4は、装置10のボタン17の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図4に示すように、ボタン17は、カバー層14Cの開口16内で往復運動するボタン部材52のようなボタン部材を有する。ユーザがボタン部材52の外部を方向58に押圧したとき、ボタン部材52は、タッチ感知フレキシブルディスプレイ区分(層)14ABを押し付ける。タッチ感知フレキシブルディスプレイ区分14ABは、変形されて、ドームスイッチ56のようなドームスイッチ又は他のスイッチメカニズムを押圧し、スイッチを作動する(例えば、内部スイッチ端子を一緒に短絡してスイッチを閉じる)。ドームスイッチ56のようなドームスイッチは、必要に応じて、プリント回路54のようなプリント回路にマウントされる。ドームスイッチ56は、ユーザがボタン部材52から圧力を解放したときにタッチ感知フレキシブルディスプレイ区分14ABを方向60に外方にプッシュするドーム状バイアス部材を有する。ドームスイッチ54及びプリント回路54は、フレキシブルディスプレイ14の後方で支持構造体50のような支持構造体に凹設される。必要に応じて、スプリングバイアス式のバイアス部材や、ボタン部材52のようなボタン部材をバイアスする他のバイアス構造体を伴うスイッチのような、他の形式のスイッチも使用できる。ドーム状バイアス構造体を伴うドームスイッチの使用は、単なる例示に過ぎない。
【0058】
図5は、装置10のボタン17の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図5の実施形態は、フレキシブルディスプレイ14のカバー層14Cが堅牢なカバー層ではなく、フレキシブルなカバー層であるという点で、図4の実施形態とは異なる。フレキシブルディスプレイ14がフレキシブルなカバー層14Cを含むような実施形態では、ボタン17は、ドームスイッチ56及びプリント回路54を含む。図5の実施形態では、ユーザは、フレキシブルディスプレイ14の外部を方向58に押し付ける。フレキシブルディスプレイ14が変形して、ドームスイッチ56又は他のスイッチメカニズムを押圧し、それにより、スイッチをアクチベートさせる。図4と同様に、ドームスイッチ56のようなドームスイッチは、必要に応じて、プリント回路54のようなプリント回路にマウントされる。ドームスイッチ56は、ユーザがボタン部材52から圧力を解放したときにフレキシブルディスプレイ14を方向60に外方にプッシュするドーム状バイアス部材を有する。ドームスイッチ54及びプリント回路54は、フレキシブルディスプレイ14の後方で支持構造体50にマウントされる。他の形式のスイッチは、スプリングバイアス式のバイアス部材又は他のバイアス構造体を使用して、ボタン部材52のようなボタン部材をバイアスする。ドーム状バイアス構造体を伴うドームスイッチの使用は、単なる例示に過ぎない。
【0059】
ボタン17にアクセスするための開口をフレキシブルディスプレイ14に必要とせずに装置10にフレキシブルディスプレイ14を設けることで、フレキシブルディスプレイ14は、中断なくボタン17の上に延びることができる。図4及び図5の両構成において、ボタンに重畳するフレキシブルディスプレイの部分は、アクティブなディスプレイ部分でもよいし、又はインアクティブなディスプレイ部分でもよい。アクティブなディスプレイ部分がボタン及び他のコンポーネントに重畳するように構成されるときには、一般的に、アクティブなディスプレイ部分としてより多くのエリアを利用できる。ボタン17(又は他のコンポーネント)の上にフレキシブルディスプレイ14が存在することで、装置10の内部に水分や埃が入り込むおそれが減少する。
【0060】
図6は、オーディオコンポーネント19の付近における装置10の一部分の断面側面図である。オーディオコンポーネント19は、フレキシブルディスプレイ14の後方でシャーシ50に凹設される。オーディオコンポーネント19は、装置10のユーザに音響を与えるためのスピーカであるか、或いはユーザ又は外部環境から入力を受け取るためのマイクロホンである。図6に示す実施形態では、音響がフレキシブルディスプレイ14を通してマイクロホンへ又はスピーカから伝送される。オーディオコンポーネント19に重畳するフレキシブルディスプレイ14の部分は、アクティブでもよいし又はインアクティブでもよい。コンポーネント19がディスプレイ14のアクティブなエリアの一部分で覆われる構成は、フレキシブルディスプレイ14のアクティブな領域20Aのサイズを増加できるようにする。オーディオコンポーネント19の上にフレキシブルディスプレイ14が存在することは、装置10の内部に水分又は埃が入り込むおそれを低下させる。
【0061】
図7は、オーディオコンポーネント19の別の実施形態の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図7に示す実施形態では、オーディオコンポーネント19は、ダイアフラム70のようなダイアフラムを収容するスピーカ又はマイクロホンである。ダイアフラム70は、フレキシブルディスプレイ14の下面に取り付けられる個別の構造体から形成されるか、又はフレキシブルディスプレイ14の一部分から形成される。図6に示す実施形態と同様に、オーディオコンポーネント19は、支持構造体50内にマウントされる。オーディオコンポーネント19は、磁石74のような磁石と、電流が流れるコイル72のようなコイルとを含む。オーディオコンポーネント19がスピーカである場合には、コイル72に電流が流れて、ダイアフラム70に運動を誘起し、それにより、フレキシブルディスプレイ14を通して音声を放射させる。オーディオコンポーネント19がマイクロホンである場合には、装置10の外部から発生する音波がフレキシブルディスプレイ14に振動を誘起し、この振動がダイアフラム70へ伝達され、最終的に、コイル72へ伝達されて、電流が誘起される。コイル72に発生した電流は、装置10へ音声情報を送信するのに使用される。ダイアフラム70は、フレキシブルディスプレイ14に接触する個別の部材でもよいし、又はフレキシブルディスプレイ14の一体的部分でもよい。
【0062】
図8は、オーディオコンポーネント19の別の考えられる実施形態の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図8に示すように、オーディオコンポーネント19は、装置10の外部で発生した音声によりフレキシブルディスプレイ14に誘起される振動を使用して、装置10へ伝送される信号を発生するレーザマイクロホンである。図8に示すように、オーディオコンポーネント19は、支持構造体50に凹設される。オーディオコンポーネント19は、レーザコンポーネント80のような発光コンポーネントを含む。レーザコンポーネント80は、フレキシブルディスプレイ14の方向にレーザビーム84のようなレーザビームを放射する。レーザビーム84は、フレキシブルディスプレイ14で反射し、そして反射したレーザビーム86のような反射レーザビームは、レーザ吸収コンポーネント82によって吸収される。
【0063】
レーザビーム84及び反射レーザビーム86は、レーザ80及び光感知素子82と組み合わせて使用されて、フレキシブルディスプレイ14からコンポーネント80及びコンポーネント82への距離88の変化を監視する。装置10の外部で発生する音波は、フレキシブルディスプレイ14に振動を誘起し、距離88を振動させる。距離88の振動は、装置10により音響関連情報に変換される。
【0064】
図9は、図1のコンポーネント22のようなコンポーネントの付近における装置10の一部分の断面側面図である。図9に示す実施形態では、コンポーネント22は、圧電(アクチュエータ90)のようなアクチュエータを含む。圧電アクチュエータ90のような圧電アクチュエータは、印加される制御電圧に応答して形状(例えば、厚み)が変化し、そして圧縮時に出力電圧を発生する(即ち、アクチュエータ90の圧電素子は、制御可能なアクチュエータとして働くのに加えて力センサとして働くことができる)。装置10のユーザは、フレキシブルディスプレイ14に方向92の力を作用させる。フレキシブルディスプレイ14が変形されて、圧電素子90又は他の力センサに機械的圧力を作用させて、電圧を誘起し、それが装置10へ伝送される。逆に、圧電アクチュエータ90は、装置10のユーザに触覚フィードバックを与えるのに使用されてもよい。圧電アクチュエータ90の表面に印加される電圧差は、圧電アクチュエータ90の膨張を誘起する。次いで、圧電アクチュエータ90は、フレキシブルディスプレイ14を方向94に変形させて、装置10のユーザに触覚フィードバックを与える。
【0065】
図10は、装置10の構造コンポーネント22の付近における装置10の一部分の断面側面図である。構造コンポーネント22は、フレキシブルディスプレイ14に変形102のような永久的な変形を生じさせて、ディスプレイ14におけるタッチ感知層14Bの一部分101の位置を装置10のユーザに指示する。部分101は、例えば、フレキシブルディスプレイ14に表示されるバーチャルキーパッド(キーボード)における文字キー又は他のボタンである。ディスプレイ14に関連したタッチセンサアレイは、ユーザ入力を収集するのに使用される(即ち、タッチセンサアレイは、ユーザが部分101に関連したバーチャルキーをいつ押圧したか決定するのに使用される)。又、部分101の位置は、フレキシブルディスプレイ14における関連ディスプレイピクセルを使用して視覚的に指示される。時々、ユーザは、フレキシブルディスプレイ14を見る必要なく、部分101を探索できることを希望する。構造コンポーネント22を使用して部分101の付近でフレキシブルディスプレイ14を変形することで、ユーザは、視覚上の助けなしに部分101を探索することができる。構造コンポーネント22は、タッチ感知層14Bの単一部分101の位置を指示する分離されたコンポーネントでもよいし、又は部分101のアレイの位置を指示するコンポーネント22のアレイの1つでもよい(例えば、ディスプレイ14に表示されるバーチャルキーパッドにおける文字、数字及び記号キーのアレイ)。構造コンポーネント22は、支持構造体50にマウントされた個別コンポーネントでもよいし、又は支持構造体50の一体的部分でもよい。
【0066】
図11は、コンポーネント100のようなハイブリッドコンポーネントの付近における装置10の一部分の断面側面図である。コンポーネント100は、内部コンポーネント24のような内部インターフェイスコンポーネント、及び構造コンポーネント22のような構造コンポーネントの両方を含む。構造コンポーネント22は、内部コンポーネント24の付近においてフレキシブルディスプレイ14に変形102のような永久的な変形を生じさせ、内部コンポーネント24の位置を装置10のユーザに指示する。装置10のユーザと内部コンポーネント24との間にフレキシブルディスプレイ14が存在することは、内部インターフェイスコンポーネント24の位置を不明瞭にする。インターフェイスコンポーネント24の位置は、フレキシブルディスプレイ14にディスプレイピクセルを使用して視覚的に指示される。又、構造コンポーネント22を使用してインターフェイスコンポーネント24の付近でフレキシブルディスプレイ14を変形することで、ユーザは視覚上の助けなしにインターフェイスコンポーネント24を探索することができる。コンポーネント100は、タッチ感知層14Bの単一インターフェイスコンポーネント24の位置を指示する分離されたコンポーネントでもよいし、又はインターフェイスコンポーネント24のアレイの位置を指示するコンポーネント100のアレイの1つでもよい。
【0067】
図12は、内部コンポーネント24がボタン17のようなボタンである装置10の実施形態の斜視図である。図12の実施形態では、図11と同様に、コンポーネント100は、内部コンポーネント24及び構造コンポーネント22(図11に示す)を含む。図12に示すように、フレキシブルディスプレイ14における変形102のような隆起部又は他の変形は、ボタン17の位置を指示するのに使用される。
【0068】
図13は、内部コンポーネント24のような内部インターフェイスコンポーネントと、アクチュエータ段110のようなアクチュエータにマウントされた構造コンポーネント22のような構造コンポーネントとを備えたコンポーネント100のようなハイブリッドコンポーネントの別の例示的実施形態の付近における装置10の一部分の断面側面図である。コンポーネント100は、シャーシ50に凹設される。アクチュエータ段110は、方向112に電気的又は機械的に上昇されて、フレキシブルディスプレイ14に変形102のような変形を一時的に生じさせる。フレキシブルディスプレイ14における変形102は、内部インターフェイス装置24の位置を装置10のユーザに指示する。アクチュエータ段110は、方向114に電気的又は機械的に下降されて、フレキシブルディスプレイ14における変形102を除去し、フレキシブルディスプレイ14をその元の形状に復帰させる。コンポーネント100は、タッチ感知層14Bの単一インターフェイスコンポーネント24の位置を指示する分離されたコンポーネントでもよいし、又は各インターフェイスコンポーネント24のアレイの位置を指示するコンポーネント100のアレイの1つでもよい。
【0069】
図14は、構造コンポーネント22のようなコンポーネントの別の例示的実施形態の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図14の構成において、構造コンポーネント22は、アクチュエータ段110のようなアクチュエータにマウントされる。装置10を動作する幾つかのモードは、装置10のユーザとの視覚上の相互作用を必要とする(例えば、画像又はビデオの表示を伴うモード)。これらの視覚モードにおいて、フレキシブルディスプレイ14のタッチ感知層14Bの部分101の位置は、フレキシブルディスプレイ14にディスプレイピクセルを使用して視覚的に指示される。
【0070】
装置10の他の動作モードにおいて、装置10のユーザは、視覚的な助けなしに部分101の位置を決定することを望む。図14に示す実施形態では、コンポーネント22は、支持構造体50に凹設される。アクチュエータ段110は、方向112に電気的又は機械的に上昇されて、構造コンポーネント22をフレキシブルディスプレイ14と接触させるように移動し、フレキシブルディスプレイ14に変形102のような変形を一時的に生じさせる。変形102は、部分101の位置を装置10のユーザに指示する。触覚相互作用がもはや必要でないとき(例えば、ビデオ表示モードへスイッチングするとき)、アクチュエータ110は、方向114に電気的又は機械的に移動されて、構造コンポーネント22を下降させ、フレキシブルディスプレイ14の変形102を除去する。
【0071】
図15は、ハウジング12及びカバー部材122を備えた装置10の実施形態の断面側面図である。カバー部材122は、プラスチック、ガラス、セラミック、ファイバー複合物、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、等)、他の適当な材料、又はそれらの材料の組み合わせで形成される。カバー部材122は、単一構造体でもよいし、又は複数のカバー構造体を含んでもよい。装置10のユーザによるカバー122の持ち上げを容易にするために、構造コンポーネント22は、その構造コンポーネント22を方向134に持ち上げるのに使用されるアクチュエータ130に結合される。持ち上げ時に、構造コンポーネント22は、フレキシブルディスプレイ14に変形102のような変形を生じさせる。フレキシブルディスプレイ14は、カバー部材122に圧力を作用させて、カバー部材122を方向134に持ち上げ、ユーザがカバー部材122を把持して、カバー部材122を開位置140のような開位置へ持ち上げできるようにする。次いで、アクチュエータ130を使用して、構造コンポーネント22を方向132に下降させ、フレキシブルディスプレイ14をその元の形状に復帰させることができる。アクチュエータ130は、アクチュエータスイッチ124を使用してユーザにより発生される制御信号に応答してアクチベートされるか、又は他の適当な制御回路からの制御信号によりアクチベートされる。
【0072】
図16は、内部インターフェイスコンポーネント24の別の例示的実施形態の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図16に示す実施形態では、インターフェイスコンポーネント24は、圧力感知モジュール140を含む圧力センサである。圧力感知モジュール140は、接触部材142のような接触部材(フレキシブルディスプレイ14と接触する)と電気接点144との間に結合される。フレキシブルディスプレイ14には圧力が作用される(例えば、装置10のユーザによるか、又は装置10の周囲環境における大気圧変化により)。フレキシブルディスプレイ14に作用される圧力は、接触部材142により圧力感知モジュール140へ伝送される。圧力情報は、電気接点144を通して装置10へ伝達される。圧力感知モジュール140は、圧電、容量性、誘導性、抵抗性、光学的、又は他のメカニズムを使用して圧力変化を感知する。装置10にフレキシブルディスプレイ14を設けることで、フレキシブルディスプレイ14がインターフェイスコンポーネント24上に延び、フレキシブルディスプレイ14のアクティブな領域20Aのエリアを増加することができる。インターフェイスコンポーネント24上にフレキシブルディスプレイ14が存在することで、水分や埃が装置10の内部に入り込むおそれが減少される。
【0073】
一実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ及び内部コンポーネントを備え、フレキシブルディスプレイが装置外部のアクションにより変形され、そしてフレキシブルディスプレイの変形で内部コンポーネントから応答を生成する、電子装置が提供される。
【0074】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層、及びタッチ感知層を含む。
【0075】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイのフレキシブルディスプレイ層は、アクティブなディスプレイ領域を含み、そして内部コンポーネントは、フレキシブルディスプレイのアクティブなディスプレイ領域の一部分で覆われる。
【0076】
別の実施形態によれば、内部コンポーネントは、ボタンを含み、そしてフレキシブルディスプレイの変形でボタンが圧縮される。
【0077】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、更に、少なくとも1つの開口を有する堅牢なカバー層を含む。
【0078】
別の実施形態によれば、開口は、堅牢なカバー層の穴を含み、ボタンは、その開口にボタン部材を含み、ボタン部材は、堅牢なカバー層の穴内を移動し、そして開口におけるボタン部材の移動は、フレキシブルディスプレイの変形を引き起こす。
【0079】
別の実施形態によれば、内部コンポーネントは、圧力センサを含み、そしてフレキシブルディスプレイの変形が圧力センサに機械的圧力を作用させる。
【0080】
別の実施形態によれば、圧力センサは、圧電アクチュエータを含み、そして機械的圧力は、圧電アクチュエータに電圧を誘起する。
【0081】
別の実施形態によれば、内部コンポーネントは、電子装置の外部で発生する音声を検出するためのレーザマイクロホンを含み、そして音声の検出は、フレキシブルディスプレイの変形をレーザで検出することを含む。
【0082】
一実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ、及び該フレキシブルディスプレイを通して音声を送信又は受信するオーディオコンポーネントを備えた電子装置が提供される。
【0083】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、アクティブなディスプレイ領域を含み、そしてオーディオコンポーネントは、フレキシブルディスプレイのアクティブなディスプレイ領域の後方にマウントされる。
【0084】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層、及びタッチ感知層を含む。
【0085】
別の実施形態によれば、オーディオコンポーネントは、ダイアフラムを含み、そしてそのダイアフラムは、フレキシブルディスプレイに接触するようにマウントされる。
【0086】
別の実施形態によれば、ハウジングと、該ハウジングにマウントされたフレキシブルディスプレイと、該フレキシブルディスプレイの一部分の下にマウントされた第1の内部コンポーネントとを備え、該第1の内部コンポーネントがフレキシブルディスプレイの前記一部分を変形するように構成された電子装置が提供される。
【0087】
別の実施形態によれば、第1の内部コンポーネントは、圧電アクチュエータを含み、該圧電アクチュエータに印加される電圧で圧電アクチュエータが膨張され、そして圧電アクチュエータの膨張に応答してフレキシブルディスプレイの一部分が変形する。
【0088】
別の実施形態によれば、第1の内部コンポーネントは、構造コンポーネントを含み、フレキシブルディスプレイの一部分は、その構造コンポーネントとの物理的接触に応答して変形し、そしてフレキシブルディスプレイの一部分が変形すると、フレキシブルディスプレイのその一部分が構造コンポーネントの表面に合致させられる。
【0089】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、フレキシブルディスプレイの一部分の下にマウントされた第2の内部コンポーネントを備え、構造コンポーネントの表面に合致するフレキシブルディスプレイ一部分は、第2の内部コンポーネントの位置を指示する。
【0090】
別の実施形態によれば、第2の内部コンポーネントは、ボタンを含み、フレキシブルディスプレイの一部分は、電子装置の外部のアクションで更に変形されるように構成され、そしてフレキシブルディスプレイの一部分の更なる変形でボタンが圧縮される。
【0091】
別の実施形態によれば、第1の内部コンポーネントは、更に、アクチュエータを含み、このアクチュエータに構造コンポーネントがマウントされ、アクチュエータを上昇させると、構造コンポーネントをフレキシブルディスプレイの一部分と接触させるよう移動し、そしてアクチュエータを下降させると、構造コンポーネントを、フレキシブルディスプレイとの接触を解除させるよう移動する。
【0092】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、タッチ感知層を含み、構造コンポーネントの表面に合致するフレキシブルディスプレイの一部分の変形は、フレキシブルディスプレイのタッチ感知層の一部分の位置を指示する。
【0093】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、アクチュエータにマウントされた第2の内部コンポーネントを備え、構造コンポーネントの表面に合致するフレキシブルディスプレイの一部分の変形は、第2の内部コンポーネントの位置を指示する。
【0094】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、カバー部材と、アクチュエータに結合されたアクチュエータスイッチとを備え、フレキシブルディスプレイの変形は、カバー部材に圧力を作用させ、そしてカバー部材の圧力は、カバー部材を持ち上げる。
【0095】
以上のことは、本発明の原理を単に例示するに過ぎず、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更が当業者により明らかであろう。
【0096】
図1、2及び17-21の例に示すように、電子装置には、凹面ディスプレイが設けられる。凹面ディスプレイは、ディスプレイをカーブさせるように曲げられたフレキシブルディスプレイ層を含む。
【0097】
凹面ディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層(例えば、フレキシブルな有機発光ダイオードアレイ)、フレキシブルタッチ感知層(例えば、容量性タッチセンサの透明キャパシタ電極のアレイをもつポリマーシート)、フレキシブル基板層、等のフレキシブル層から形成される。これらのフレキシブル層は、必要に応じて、フレキシブルな又は堅牢なカバー層(時々カバーガラスとも称される)で覆われるか、又は支持構造体(例えば、フレキシブル層の下面の堅牢な支持構造体)により支持される。堅牢なカバー層でカバーされた凹面ディスプレイを伴う電子装置では、ディスプレイのフレキシブル層にアクセスするための開口がカバー層に設けられる。例えば、カバーガラス層は、そのカバーガラス層に対してボタン部材を移動できるようにする開口を有する。ボタン部材が開口内で移動するときに、その下のフレキシブルディスプレイの部分が変形される(例えば、関連スイッチの作動を許すために)。
【0098】
又、電子装置には、ユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)、例えば、ボタン、マイクロホン、スピーカ、圧電アクチュエータ(ユーザからの電気的入力又はユーザへの触覚フィードバックを受け取るための)、バイブレータのような他のアクチュエータ、圧力センサ、及び他のコンポーネントも設けられる。これらのコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの部分の下にマウントされる。
【0099】
ユーザインターフェイスコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの下にマウントされるか、又はフレキシブルディスプレイに一体化される。フレキシブルディスプレイの変形特性は、ディスプレイをユーザインターフェイスコンポーネントと接触させるように移動するか、さもなければ、ディスプレイを局所的に撓ませられるようにすることにより(例えば、フレキシブルディスプレイに音声を通せるようにするか、又は外部環境の気圧測定を内部圧力センサで行えるようにするために)、ユーザがユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)と相互作用できるようにする。必要に応じて、フレキシブルディスプレイの一部分が電気的コンポーネントの膜部分を形成する。フレキシブルディスプレイの一部分から形成された膜が設けられたコンポーネントは、マイクロホン、レーザマイクロホン、圧力センサ、スピーカ、等を含む。
【0100】
全てが凹状のフレキシブルな及び堅牢な層から形成される凹面ディスプレイ(即ち、ディスプレイの層が平坦でない層の集合から形成されるディスプレイ)は、電子装置が地面又は他の外部物体に当たる落下事故の間にダメージを受け難くする一方、電気的及び機械的装置コンポーネントを保持するのに利用できる装置の内部容積を最大にすることができる。
【0101】
凹面ディスプレイが設けられた形式の電子装置が図1に例示されている。この電子装置10は、ポータブル電子装置又は他の適当な電子装置である。例えば、電子装置10は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、腕時計装置、ペンダント装置、或いは他の着用可能又は小型装置のような若干小さな装置、セルラー電話、メディアプレーヤ、等である。
【0102】
装置10は、ハウジング12のようなハウジングを備えている。時々ケースとも称されるハウジング12は、プラスチック、ガラス、セラミック、ファイバー複合物、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、等)、他の適当な材料、或いはそれら材料の組み合わせで形成される。ある状況において、ハウジング12の部分は、誘電体又は他の低導電率材料で形成される。他の状況において、ハウジング12、又はハウジング12を形成する構造体の少なくとも幾つかは、金属要素から形成される。
【0103】
装置10は、凹面ディスプレイ14のような凹面ディスプレイを有する。凹面ディスプレイ14は、複数の材料層で形成される。それらの層は、容量性タッチセンサアレイを形成するためにインジウム・スズ酸化物(ITO)電極又は他の適当な透明電極のパターンが堆積される層のようなタッチセンサ層、或いは他のタッチ技術(例えば、抵抗性タッチ、音響タッチ、光学的タッチ、等)を使用して形成されるタッチセンサ層を含む。又、それらの層は、ディスプレイピクセルのアレイを収容する層も含む。タッチセンサ層及びディスプレイ層は、(一例として)厚みが10ミクロンないし0.5mm又は他の適当な厚みのフレキシブルなポリマーシート又は他の基板を使用して形成される。
【0104】
ディスプレイピクセルアレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)アレイであり、OLEDディスプレイピクセルの行及び列を含む。他の形式のフレキシブルディスプレイピクセルアレイが形成されてもよい(例えば、電子インクディスプレイ、等)。ここでは、一例として、OLED技術を使用してフレキシブルディスプレイ14を形成することを説明する。しかしながら、これは、単なる例示に過ぎない。フレキシブルディスプレイ14は、適当なフレキシブルディスプレイ技術を使用して形成される。OLED技術に基づくフレキシブルディスプレイの使用は、単なる例示に過ぎない。
【0105】
これらの機能的ディスプレイ層(即ち、OLEDアレイ及び任意のタッチセンサアレイ)に加えて、ディスプレイ14は、1つ以上の構造層を含む。例えば、ディスプレイ14は、フレキシブルな又は堅牢なカバー層で覆われ、及び/又は支持構造体(例えば、堅牢な支持体)にマウントされる。接着剤の層は、フレキシブルディスプレイ層を互いに取り付けるのに使用されると共に、フレキシブルディスプレイ層を堅牢な及びフレキシブルな構造層にマウントするのに使用される。
【0106】
ディスプレイ14のカバー層がフレキシブルであるようなディスプレイ14の構成では、フレキシブルな層の存在に依存する入力/出力コンポーネントが、ディスプレイの下の適当な位置にマウントされる(例えば、ディスプレイの周辺部分に沿って、ディスプレイの中央部分に、等々)。フレキシブルな層が堅牢なカバーガラス層又は他の堅牢なカバー層により覆われるようなディスプレイ14の構成では、堅牢な層に1つ以上の開口が設けられると共に、電子コンポーネントが開口の下にマウントされる。例えば、堅牢なカバー層は、ボタン17のための円形開口16のような開口、及び(例えば、ユーザのイヤホンのための)スピーカポート開口18のようなスピーカポート開口を有する。又、装置10は、他の開口を有してもよい(例えば、ボリュームボタン、リンガーボタン、スリープボタン及び他のボタンを収容するためのディスプレイ14及び/又はハウジング12の開口や、オーディオジャック、データポートコネクタ、除去可能なメディアスロット、等のための開口)。
【0107】
ある実施形態では、周辺領域20Iのような凹面ディスプレイ14の部分は、インアクティブであり、そして長方形の中央部分20Aのようなディスプレイ14の部分(破線20で境界定めされた)は、ディスプレイ14のアクティブな部分に対応する。アクティブなディスプレイ領域20Aでは、画像ピクセルのアレイを使用して、装置10のユーザにテキスト及び画像を提示する。アクティブな領域20Aでは、ディスプレイ14は、装置10のユーザとの相互作用及び入力のためのタッチ感知コンポーネントを含む。必要に応じて、図1の領域20I及び20Aのような両領域に、ディスプレイピクセルが設けられる(即ち、装置10のような装置の全体的に平坦な前面の全部又は実質的に全部がディスプレイピクセルで覆われる)。
【0108】
装置10は、必要に応じて、凹面ディスプレイ14の任意の堅牢なカバー層に各々ある開口16及び18のような開口を占有するボタン17又はスピーカコンポーネント19のような内部ユーザインターフェイスコンポーネントを有する。ボタン17は、ドームスイッチ又は他のスイッチ回路に基づく。又、ボタン17は、プッシュボタン(例えば、瞬時ボタン)、スライダースイッチ、ロッカースイッチ、等を形成するボタン部材を含む。装置10は、凹面ディスプレイ14の一部分に立ち上った構造部を追加する構造コンポーネント22のような内部構造コンポーネントを含む。装置10は、インターフェイスコンポーネント24及び26のようなコンポーネントを含み、これは、完全に装置10の内部にあるが、ユーザから又は周囲環境から凹面ディスプレイ14との物理的相互作用を通して入力を受け取る。インターフェイスコンポーネント22、24及び26は、凹面ディスプレイ14のアクティブな領域20A又はインアクティブな領域20Iに配置される。インターフェイスコンポーネント22、24及び26は、互いに別々に配置されてもよいし、又は構造的特徴及び内部特徴をもつ合成コンポーネントを形成するように共通に配置されてもよい。インターフェイスコンポーネント24及び26は、凹面ディスプレイ14の下に位置されて、コンポーネント24又は26と接触するには凹面ディスプレイ14を変形しなければならないようにしてもよいし、又は必要に応じて、凹面ディスプレイ14と常時接触状態のままにするように配置されてもよい。
【0109】
例示的ディスプレイの分解斜視図が図2に示されている。図2に示すように、凹面ディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、タッチ感知層14B及びカバー層14Cを含む複数の層をスタックすることにより形成される。又、ディスプレイ14は、接着剤層、光学的フィルム又は他の適当な層のような他の材料層も含む。フレキシブルディスプレイ層14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、電子インク要素、液晶ディスプレイ(LCD)コンポーネント、又はフレキシブルディスプレイに適合する他の適当な画像ピクセル構造体から形成された画像ピクセルを含む。
【0110】
タッチ感知層14Bは、水平透明電極32及び垂直透明電極34のような容量性タッチ電極を合体している。タッチ感知層14Bは、一般的に、該タッチ感知層14Bにおける1つ以上のタッチ又は近タッチの位置を、容量性センサ、抵抗性センサ、光学的センサ、音響的センサ、誘導性センサ又は力センサに基づいて検出するように構成される。
【0111】
検出されたタッチの測定値を処理して、1つ以上のジェスチャーを識別し追跡するためにソフトウェア及び/又はハードウェアが使用される。ジェスチャーとは、タッチ感知層14B上の静止又は非静止の、単一又は複数の、タッチ又は近タッチに対応する。ジェスチャーは、1つ以上の指又は他の物体をタッチ感知層14B上で特定の仕方で移動することにより遂行され、例えば、タッピング、プレッシング、ロッキング、スクラビング、ツイスティング、方向転換、変化する圧力でのプレッシング、等を本質的に同時に、切れ目なく、又は連続的に行うことで遂行される。ジェスチャーは、1つ以上の他の指との又はそれらの間でのピンチング、スライディング、スワイピング、回転、撓み、ドラグ、又はタッピング運動により特徴付けられるが、それらに限定されない。単一のジェスチャーが、片手又は両手、1人以上のユーザ、又はその組み合わせで遂行されてもよい。
【0112】
カバー層14Cは、プラスチック又はガラス(時々ディスプレイカバーガラスとも称される)から形成され、フレキシブルなものでも堅牢なものでもよい。必要に応じて、カバー層14Cの周辺インアクティブ部分20Iの内面には、ブラックインクのような不透明なマスキング層が設けられる。
【0113】
タッチ感知フレキシブルディスプレイ区分14ABは、ディスプレイピクセルアレイ層14A及び任意のタッチセンサ層14Bから形成される。
【0114】
図17は、凹面ディスプレイ14を備え、その凹面ディスプレイ14の周囲を取り巻くベゼル200のようなベゼルが設けられた装置10の実施形態を例示する斜視図である。図17に示す実施形態では、装置10のハウジング12は、データポートへのアクセスを与える開口204を有している。ベゼル200の表面は、ディスプレイ14の表面と同一平面に形成される(即ち、ベゼル200及びディスプレイ14が単一の滑らかな表面を形成する)か、又はハウジング12の壁に直角に形成される(一例として)。ベゼル200は、個別のベゼル部材でもよいし、又はハウジング12の一部分として形成されてもよい。図17に示すように、ベゼル200の上部及び下部202は、凹面ディスプレイ14の断面カーブ形状に一致する凹面(カーブ)形状を有する。
【0115】
図18は、接着剤層212のような接着材料の層を使用してフレキシブルディスプレイ層14Aを支持構造体210のような凹面支持構造体(例えば、金属、ガラス又はプラスチック支持構造体のような、少なくとも凹状外面を有する堅牢な支持構造体)にマウントすることにより凹面ディスプレイ14が形成された装置10の実施形態を例示する断面側面図である。図18に示すように、ハウジング12、ベゼル202及び凹面ディスプレイ14で画成された装置10の内部容積は、ディスプレイ14の曲率の最深点で画成される平面(破線214で示す)より上の容積216を含む。これは、支持構造体210の内面が凸状(図18の例では)だからである。容積216は、コンポーネント220のような内部コンポーネント(例えば、プリント回路板、アンテナ、又は他のコンポーネント)が位置される長方形容積218に加えてスペースを与える。それ故、図18の凹状へフレキシブルディスプレイ14を曲げられることは、装置コンポーネントをマウントするために装置10内に利用できる内部スペースを最大にする上で助けとなる。
【0116】
図19は、装置10の一部分の断面側面図である。図19に示す実施形態では、凹面ディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、接着剤層212及び堅牢なカバー層14C(例えば、堅牢なプラスチックの層、又はフレキシブルディスプレイ層14Aが合致する凸状内面及び凹状外面を有する堅牢なカバーガラスの層)から形成される。凹面ディスプレイ14は、ハウジング12のベゼル部分200に隣接して形成されてもよいし、又は付加的なマウント部材によりハウジング12に接合されてもよい。ディスプレイ14のカバー層14Cの凹状は、装置10が落下した場合にダメージを受け難くする。フレキシブルディスプレイ層14Aを、カバー層14Cの凹状に一致する形状で形成することで(即ち、層14Aが層14Cの凸状内面に合致するように)、装置10に付加的な内部容積216を与えることができる。
【0117】
図20は、装置10の別の実施形態の一部分の断面側面図である。図20に示す実施形態では、凹面ディスプレイ14は、接着剤層212により任意のタッチ感知層14Bに取り付けられたフレキシブルディスプレイ層14から形成される。タッチ感知層14Bは、更に、接着剤層230を使用して堅牢なカバー層14C(例えば、ガラス又はプラスチック層)に取り付けられ、ディスプレイ14の全ての層(212、14B、230及び14C)がカバー層14Cの凹状に合致するようにする。凹面ディスプレイ14は、ハウジング12のベゼル部分200に直接隣接してもよいし、又は付加的なマウント部材によってハウジング212に接合されてもよい。ディスプレイ14の全ての層(14A、212、14B、230及び14C)の凹状は、装置10が落下した場合にダメージを受け難くすると共に、付加的な内部容積216を与える。
【0118】
図21は、装置10と、装置10が落下するところの落下面240のような共通落下面(例えば、歩道のコンクリート、アスファルト、タイル、又は他の表面)とを示す断面側面図である。落下面240は、表面特徴部242のような表面特徴部による粗面度を有する。表面特徴部242は、高さ244のような特性高さ(例えば、コンクリート面の場合に1-2mm)を有する。図21に示すように、装置10には、凹面ディスプレイ14が設けられる。又、凹面ディスプレイ14には、破線246で示された装置10の最外面からの距離で定められる最大深さ248により定められる曲率と、(破線214で示される)ディスプレイ14の曲率における最深点とが与えられる。装置10の最外面は、ベゼル200により定められるか、又はベゼル200がない場合には、ディスプレイ14の周縁がハウジング12に合流する接合点250により定められる。
【0119】
最大深さ248は、共通落下面240の表面特徴部242の特性サイズ244より大きくなるように選択される。特性高さ244より大きな最大深さ(深さ248)を与えるように選択された曲率を有する凹面ディスプレイを装置10に設けることで、落下事故中に装置10にダメージ(例えば、スクラッチ又は他のダメージ)が及ぶおそれが著しく減少される。
【0120】
カバー層14Cの形状に合致できるフレキシブルディスプレイ層14Aを凹面ディスプレイ14に設けることで、ディスプレイ14の全ての層を同じ凹状に合致させることができる。凹面ディスプレイ14の全ての層が同じ凹状に合致するような凹面ディスプレイ14を装置10に設けることで、共通落下面240への落下時に装置10がダメージを受け難くしながら、内部コンポーネントが位置される付加的な内部容積216を与えることができる。
【0121】
電子装置には、装置の内部容積を最大にしながら落下時にダメージのおそれを低下させる凹面ディスプレイが設けられる。その凹面ディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層を含む1つ以上のフレキシブル層から形成される。フレキシブルディスプレイ層は、堅牢な支持構造体又は堅牢なカバー層にマウントされる。堅牢なカバー構造体のカーブ形状に合致するフレキシブルディスプレイ層は、装置の内部コンポーネントが配置される付加的な内部容積を与える。
【0122】
一実施形態によれば、ハウジングと、ハウジングにマウントされた凹面ディスプレイとを備え、その凹面ディスプレイは、凹面を有する堅牢な内部支持構造体と、該堅牢な内部支持構造体に取り付けられてその堅牢な支持構造体の凹面に合致するフレキシブルディスプレイ層とを有する、電子装置が提供される。
【0123】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイは、更に、第1の接着剤層を含み、そして該第1の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層を堅牢な内部支持構造体の凹面に取り付ける。
【0124】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイは、更に、タッチ感知層を含む。
【0125】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイは、更に、第1及び第2の接着剤層を含み、第1の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層をタッチ感知層に取り付け、そして第2の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層を堅牢な内部支持構造体に取り付ける。
【0126】
別の実施形態によれば、ハウジングは、ベゼルを含み、そしてベゼルは、凹面ディスプレイの周囲を取り巻く。
【0127】
別の実施形態によれば、堅牢な内部支持構造体は、凸状内面を有し、そして電子装置は、更に、その凸状内面に隣接してマウントされた少なくとも1つの内部コンポーネントを備えている。
【0128】
別の実施形態によれば、堅牢な内部支持構造体は、少なくとも1つの開口を有する。
【0129】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの開口は、堅牢な内部支持構造体の穴を含み、そして少なくとも1つの内部コンポーネントは、堅牢な内部支持構造体の穴にマウントされる。
【0130】
別の実施形態によれば、ハウジングと、ハウジングにマウントされた凹面ディスプレイとを備え、その凹面ディスプレイは、少なくとも1つの凹状外面及び少なくとも1つの対応する凸状内面を有する堅牢なカバー層を備えると共に、フレキシブルディスプレイ層を備え、そのフレキシブルディスプレイ層は、堅牢なカバー層の凸状内面に合致するような電子装置が提供される。
【0131】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードで形成された画像ピクセルを含む。
【0132】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイは、更に、第1の接着剤層を含み、その第1の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層を堅牢なカバー層の凸状内面に取り付ける。
【0133】
別の実施形態によれば、堅牢なカバー層は、少なくとも1つの開口を有し、電子装置は、更に、内部コンポーネントを備え、その内部コンポーネントは、堅牢なカバー層の少なくとも1つの開口の下でフレキシブルディスプレイ層に隣接してマウントされる。
【0134】
別の実施形態によれば、内部コンポーネントは、スピーカを含み、そしてそのスピーカは、フレキシブルディスプレイ層を通して音声を伝送する。
【0135】
別の実施形態によれば、内部コンポーネントは、ボタンを含み、電子装置は、更に、堅牢なカバー層の少なくとも1つの開口にボタン部材を備え、そのボタン部材は、堅牢なカバー層の少なくとも1つの開口内で移動し、そしてボタン部材の移動でボタンが圧縮される。
【0136】
別の実施形態によれば、電子装置ハウジングと、その電子装置ハウジングにマウントされた凹面ディスプレイとを備え、その凹面ディスプレイは、凹状外面及び凸状内面を有する堅牢なカバー層、フレキシブルディスプレイ層、及びタッチ感知層を含み、そのフレキシブルディスプレイ層及びタッチ感知層は、各々、堅牢なカバー層の凸状内面に合致する、電子装置が提供される。
【0137】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイは、更に、第1及び第2の接着剤層を含み、フレキシブルディスプレイ層は、第1の接着剤層でタッチ感知層に取り付けられ、そしてタッチ感知層は、第2の接着剤層で堅牢なカバー層の凸状内面に取り付けられる。
【0138】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、凹面ディスプレイのフレキシブルディスプレイ層に隣接してマウントされた少なくとも1つの内部コンポーネントを備えている。
【0139】
別の実施形態によれば、凸面ディスプレイの堅牢なカバー層は、少なくとも1つの開口を有し、少なくとも1つの内部コンポーネントは、オーディオコンポーネントであり、そしてそのオーディオコンポーネントは、堅牢なカバー層の少なくとも1つの開口の下にマウントされる。
【0140】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイの凹状外面は、曲率及び周縁を有し、曲率は最深点を有し、該最深点及び少なくとも幾つかの周縁は、凹面ディスプレイの曲率に関連した最大深さを定め、そして凹面ディスプレイの最大深さは、0.5mmから20mmである。
【0141】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、内部コンポーネントを備え、その内部コンポーネントは、凹状外面の周縁からある距離にマウントされ、そしてその距離は、最大深さより短い。
【0142】
以上のことは、本発明の原理を単に例示するに過ぎず、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更が当業者により明らかであろう。
【0143】
図1、2及び22-29の例に示すように、電子装置には、凸面ディスプレイが設けられる。凸面ディスプレイは、カーブ面を形成するように曲げられたフレキシブルディスプレイ層を含む。
【0144】
凸面ディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層(例えば、フレキシブルな有機発光ダイオードアレイ)、フレキシブルタッチ感知層(例えば、容量性タッチセンサの透明キャパシタ電極のアレイをもつポリマーシート)、フレキシブル基板層、等のフレキシブル層から形成される。これらのフレキシブル層は、必要に応じて、フレキシブルな又は堅牢なカバー層(時々カバーガラスとも称される)で覆われるか、又は支持構造体(例えば、フレキシブル層の下面の堅牢な支持構造体)により支持される。堅牢なカバー層で部分的に覆われた凸面ディスプレイを伴う電子装置では、ディスプレイのフレキシブル層にアクセスするための開口がカバー層に設けられる。例えば、カバーガラス層は、そのカバーガラス層に対してボタン部材を移動できるようにする開口を有する。ボタン部材が開口内で移動するときに、その下のフレキシブルディスプレイの部分が変形される(例えば、関連スイッチの作動を許すために)。
【0145】
又、電子装置には、ユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)、例えば、ボタン、マイクロホン、スピーカ、圧電アクチュエータ(ユーザからの電気的入力又はユーザへの触覚フィードバックを受け取るための)、バイブレータのような他のアクチュエータ、圧力センサ、及び他のコンポーネントも設けられる。これらのコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの部分の下にマウントされる。
【0146】
ユーザインターフェイスコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの下にマウントされるか、又はフレキシブルディスプレイに一体化される。フレキシブルディスプレイの変形特性は、ディスプレイをユーザインターフェイスコンポーネントと接触させるように移動するか、さもなければ、ディスプレイを局所的に撓ませられるようにすることにより(例えば、フレキシブルディスプレイに音声を通せるようにするか、又は外部環境の気圧測定を内部圧力センサで行えるようにするために)、ユーザがユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)と相互作用できるようにする。必要に応じて、フレキシブルディスプレイの一部分が電気的コンポーネントの膜部分を形成する。フレキシブルディスプレイの一部分から形成された膜が設けられたコンポーネントは、マイクロホン、レーザマイクロホン、圧力センサ、スピーカ、等を含む。
【0147】
全てが凸状のフレキシブルな及び堅牢な層から形成される凸面ディスプレイ(即ち、ディスプレイの層が平坦でない層の集合から形成されるディスプレイ)は、審美的に望ましい外観を与える一方、電気的及び機械的装置コンポーネントを保持するのに利用できる装置の内部容積を最大にすることができる。
【0148】
凸面ディスプレイが設けられた形式の電子装置が図1に例示されている。この電子装置10は、ポータブル電子装置又は他の適当な電子装置である。例えば、電子装置10は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、腕時計装置、ペンダント装置、或いは他の着用可能又は小型装置のような若干小さな装置、セルラー電話、メディアプレーヤ、等である。
【0149】
装置10は、ハウジング12のようなハウジングを備えている。時々ケースとも称されるハウジング12は、プラスチック、ガラス、セラミック、ファイバー複合物、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、等)、他の適当な材料、或いはそれら材料の組み合わせで形成される。ある状況において、ハウジング12の部分は、誘電体又は他の低導電率材料で形成される。他の状況において、ハウジング12、又はハウジング12を形成する構造体の少なくとも幾つかは、金属要素から形成される。
【0150】
装置10は、凸面ディスプレイ14のような凸面ディスプレイを有する。凸面ディスプレイ14は、複数の材料層で形成される。それらの層は、容量性タッチセンサアレイを形成するためにインジウム・スズ酸化物(ITO)電極又は他の適当な透明電極のパターンが堆積される層のようなタッチセンサ層、或いは他のタッチ技術(例えば、抵抗性タッチ、音響的タッチ、光学的タッチ、等)を使用して形成されるタッチセンサ層を含む。又、それらの層は、ディスプレイピクセルのアレイを収容する層も含む。タッチセンサ層及びディスプレイ層は、(一例として)厚みが10ミクロンないし0.5mm又は他の適当な厚みのフレキシブルなポリマーシート又は他の基板を使用して形成される。
【0151】
ディスプレイピクセルアレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)アレイであり、OLEDディスプレイピクセルの行及び列を含む。他の形式のフレキシブルディスプレイピクセルアレイが形成されてもよい(例えば、電子インクディスプレイ、等)。ここでは、一例として、OLED技術を使用してフレキシブルディスプレイ14を形成することを説明する。しかしながら、これは、単なる例示に過ぎない。フレキシブルディスプレイ14は、適当なフレキシブルディスプレイ技術を使用して形成される。OLED技術に基づくフレキシブルディスプレイの使用は、単なる例示に過ぎない。
【0152】
これらの機能的ディスプレイ層(即ち、OLEDアレイ及び任意のタッチセンサアレイ)に加えて、ディスプレイ14は、1つ以上の構造層を含む。例えば、ディスプレイ14は、フレキシブルな又は堅牢なカバー層で覆われ、及び/又は支持構造体(例えば、堅牢な支持体)にマウントされる。接着剤の層は、フレキシブルディスプレイ層を互いに取り付けるのに使用されると共に、フレキシブルディスプレイ層を堅牢な及びフレキシブルな構造層にマウントするのに使用される。
【0153】
ディスプレイ14のカバー層がフレキシブルであるようなディスプレイ14の構成では、フレキシブルな層の存在に依存する入力/出力コンポーネントが、ディスプレイの下の適当な位置にマウントされる(例えば、ディスプレイの周辺部分に沿って、ディスプレイの中央部分に、等々)。フレキシブルな層が堅牢なカバーガラス層又は他の堅牢なカバー層により覆われるようなディスプレイ14の構成では、堅牢な層に1つ以上の開口が設けられると共に、電子コンポーネントが開口の下にマウントされる。例えば、堅牢なカバー層は、ボタン17のための円形開口16のような開口、及び(例えば、ユーザのイヤホンのための)スピーカポート開口18のようなスピーカポート開口を有する。又、装置10は、他の開口を有してもよい(例えば、ボリュームボタン、リンガーボタン、スリープボタン及び他のボタンを収容するためのディスプレイ14及び/又はハウジング12の開口や、オーディオジャック、データポートコネクタ、除去可能なメディアスロット、等のための開口)。
【0154】
ある実施形態では、周辺領域20Iのような凸面ディスプレイ14の部分は、インアクティブであり、そして長方形の中央部分20Aのようなディスプレイ14の部分(破線20で境界定めされた)は、ディスプレイ14のアクティブな部分に対応する。アクティブなディスプレイ領域20Aでは、画像ピクセルのアレイを使用して、装置10のユーザにテキスト及び画像を提示する。アクティブな領域20Aでは、ディスプレイ14は、装置10のユーザとの相互作用及び入力のためのタッチ感知コンポーネントを含む。必要に応じて、図1の領域20I及び20Aのような両領域に、ディスプレイピクセルが設けられる(即ち、装置10のような装置の全体的に平坦な前面の全部又は実質的に全部がディスプレイピクセルで覆われる)。
【0155】
装置10は、必要に応じて、凸面ディスプレイ14の任意の堅牢なカバー層に各々ある開口16及び18のような開口を占有するボタン17又はスピーカコンポーネント19のような内部ユーザインターフェイスコンポーネントを有する。ボタン17は、ドームスイッチ又は他のスイッチ回路に基づく。又、ボタン17は、プッシュボタン(例えば、瞬時ボタン)、スライダースイッチ、ロッカースイッチ、等を形成するボタン部材を含む。装置10は、凸面ディスプレイ14の一部分に立ち上った構造部を追加する構造コンポーネント22のような内部構造コンポーネントを含む。装置10は、インターフェイスコンポーネント24及び26のようなコンポーネントを含み、これは、完全に装置10の内部にあるが、ユーザから又は周囲環境から凸面ディスプレイ14との物理的相互作用を通して入力を受け取る。インターフェイスコンポーネント22、24及び26は、凸面ディスプレイ14のアクティブな領域20A又はインアクティブな領域20Iに配置される。インターフェイスコンポーネント22、24及び26は、互いに別々に配置されてもよいし、又は構造的特徴及び内部特徴をもつ合成コンポーネントを形成するように共通に配置されてもよい。インターフェイスコンポーネント24及び26は、凸面ディスプレイ14の下に位置されて、コンポーネント24又は26と接触するには凸面ディスプレイ14を変形しなければならないようにしてもよいし、又は必要に応じて、凸面ディスプレイ14と常時接触状態のままにするように配置されてもよい。
【0156】
例示的ディスプレイの分解斜視図が図2に示されている。図2に示すように、凸面ディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、タッチ感知層14B及びカバー層14Cを含む複数の層をスタックすることにより形成される。又、ディスプレイ14は、接着剤層、光学的フィルム又は他の適当な層のような他の材料層も含む。フレキシブルディスプレイ層14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、電子インク要素、液晶ディスプレイ(LCD)コンポーネント、又はフレキシブルディスプレイに適合する他の適当な画像ピクセル構造体から形成された画像ピクセルを含む。
【0157】
タッチ感知層14Bは、水平透明電極32及び垂直透明電極34のような容量性タッチ電極を合体している。タッチ感知層14Bは、一般的に、該タッチ感知層14Bにおける1つ以上のタッチ又は近タッチの位置を、容量性センサ、抵抗性センサ、光学的センサ、音響的センサ、誘導性センサ又は力センサに基づいて検出するように構成される。
【0158】
検出されたタッチの測定値を処理して、1つ以上のジェスチャーを識別し追跡するためにソフトウェア及び/又はハードウェアが使用される。ジェスチャーとは、タッチ感知層14B上の静止又は非静止の、単一又は複数の、タッチ又は近タッチに対応する。ジェスチャーは、1つ以上の指又は他の物体をタッチ感知層14B上で特定の仕方で移動することにより遂行され、例えば、タッピング、プレッシング、ロッキング、スクラビング、ツイスティング、方向転換、変化する圧力でのプレッシング、等を本質的に同時に、切れ目なく、又は連続的に行うことで遂行される。ジェスチャーは、1つ以上の他の指との又はそれらの間でのピンチング、スライディング、スワイピング、回転、撓み、ドラグ、又はタッピング運動により特徴付けられるが、それらに限定されない。単一のジェスチャーが、片手又は両手、1人以上のユーザ、又はその組み合わせで遂行されてもよい。
【0159】
カバー層14Cは、プラスチック又はガラス(時々ディスプレイカバーガラスとも称される)から形成され、フレキシブルなものでも堅牢なものでもよい。必要に応じて、カバー層14Cの周辺インアクティブ部分20Iの内面には、ブラックインクのような不透明なマスキング層が設けられる。
【0160】
タッチ感知フレキシブルディスプレイ区分14ABは、ディスプレイピクセルアレイ層14A及び任意のタッチセンサ層14Bから形成される。
【0161】
図22は、凸面ディスプレイ14及び凸面ハウジング12を備え、例えば、オーディオポートにアクセスする開口300をハウジング12が有するような装置10の規範的実施形態の斜視図である。ハウジング12の一部分は、ベゼル304のようなベゼルを形成する。ベゼル304は、ベゼル304及びディスプレイ14が共通の滑らかな表面を形成するように形成されるか、或いはディスプレイ14の外面より持ち上がって又はそれより凹んで形成される。ベゼル304は、個別のベゼル部材でもよいし、又はハウジング12の一部分として形成されてもよい。図22に示されたように、ベゼル200の上部及び下部306は、凸面ディスプレイ14のカーブした断面形状に一致する凸面(カーブした)形状である。
【0162】
図23は、図22の線302に沿って方法303に見た装置10の例示的実施形態の断面側面図である。図23に示すように、装置10は、凸面ハウジング12及び凸面ディスプレイ14により形成された凸面形状を有する。又、装置10は、バッテリ310及びコンポーネント312のような内部コンポーネントも備えている。装置10のハウジング12及びディスプレイ14の凸面形状は、装置10に薄い見掛けを与えながら、バッテリ310のような内部コンポーネントを収容できる内部スペースを与える。
【0163】
図24は、接着剤層322のような接着材料の層を使用してフレキシブルディスプレイ層14Aを支持構造体320のような凸面支持構造体(例えば、金属、ガラス又はプラスチック支持構造体のような、少なくとも凸状外面を有する堅牢な支持構造体)にマウントすることにより凸面ディスプレイ14が形成された装置10の実施形態を例示する断面側面図である。図24に示すように、ハウジング12及び凸面ディスプレイ14で画成された装置10の内部容積は、(ディスプレイ14の内縁328で画成される)平面324より上及びディスプレイ14の内面330より下の容積326を含む。これは、支持構造体320の内面330が凹状(図24の例では)だからである。容積326は、コンポーネント332のような内部コンポーネント(例えば、プリント回路板、アンテナ、又は他のコンポーネント)を配置するのに使用するスペースを与える。それ故、支持構造体320の凸状外面に一致する図24の凸面形状へフレキシブルディスプレイ層14Aを曲げられることは、装置コンポーネントをマウントするために装置10内に利用できる内部スペースを最大にする上で助けとなる。
【0164】
図25は、装置10の一部分の断面側面図である。図25に示す実施形態では、凸面ディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、接着剤層322及び堅牢なカバー層14C(例えば、堅牢なプラスチックの層、又はフレキシブルディスプレイ層14Aが合致する凸状外面及び凹状内面を有する堅牢なカバーガラスの層)から形成される。凸面ディスプレイ14は、ハウジング12のベゼル部分に隣接して形成されてもよいし、又は付加的なマウント部材によりハウジング12に接合されてもよい。カバー層14Cの凸面形状に合致するフレキシブルディスプレイ層14Aのような層を装置10に設けることで(即ち、層14Aが層14Cの凹状内面に合致するように)、(ディスプレイ14の内縁328により画成される)平面324とディスプレイ14の内面330との間に付加的な内部容積326を与えることができる。
【0165】
図26は、装置10の別の実施形態の一部分の断面側面図である。図26の例示的実施形態において、凸面ディスプレイ14は、接着剤層322により任意のタッチ感知層14Bに取り付けられたフレキシブルディスプレイ層14から形成される。タッチ感知層14Bは、更に、接着剤層340を使用して堅牢なカバー層14C(例えば、ガラス又はプラスチック層)に取り付けられ、ディスプレイ14の全ての層(322、14B、340及び14C)がカバー層14Cの凸状に合致するようにする(即ち、層14A及び14Bがカバー層14Cの凹状内面に合致するようにする)。凸面ディスプレイ14は、ハウジング12に隣接して形成されてもよいし、又は付加的なマウント部材によってハウジング212に接合されてもよい。全ての層(14A、322、14B、340及び14C)の凸形状は、凸面ハウジングと結合されて装置10に薄い見掛けを与え、そして(ディスプレイ14の内縁328により画成される)平面324とディスプレイ14の内面330との間に付加的な内部容積326を与えることができる。
【0166】
図27は、接続構造体350のような接続構造体(例えば、オーディオポート又は他の雌型コネクタ)の付近において電子装置10を例示する断面斜視図である。図27に示したように、オーディオポート350は、相手コネクタ354のようなコネクタ(例えば、相手オーディオプラグ又は他の雄型コネクタ)に嵌合するための電気接点352を有する。図27の実施形態では、オーディオポート350の一部分が(ディスプレイ14の内縁328で画成された)平面324の上の内部容積326の一部分を占有する。装置10のディスプレイ14の凸形状は、薄い見掛けを与え、そして(ディスプレイ14の内縁328により画成される)平面324と、コネクタ350のような相手コネクタの一部分がマウントされるディスプレイ14の内面330との間に付加的な内部容積326を与えることができる。
【0167】
図28は、プリント回路板(PCB)、センサ、スイッチ、コネクタ、バッテリ構造体又は他の電子コンポーネントのようなコンポーネント360のスタックの付近における例示的電子装置10の断面側面図である。図28に示す実施形態では、(ディスプレイ14の内縁328により画成される)平面324の上の内部容積326の一部分に幾つかのコンポーネント360が部分的に又は完全にマウントされる。装置10のディスプレイ14の凸形状は、薄い見掛けを与え、そして(ディスプレイ14の内縁328により画成される)平面324と、PCB及び他のコンポーネント360がマウントされるディスプレイ14の内面330との間に付加的な内部容積326を与えることができる。コンポーネント360が容積326にマウントされる図29の例は、単なる例示に過ぎない。必要に応じて、他のコンポーネント又は構造体が容積326を占有する。
【0168】
図29は、装置10のディスプレイ14が装置10を完全に取り巻く例示的電子装置の断面側面図である。図29に示すように、装置10は、凸状前面(上面)及び後面(下面)を有し、それらは、カーブした側壁に沿って接合される。ディスプレイ14は、装置10の前面、後面及び側壁面を覆い、電気的コンポーネント360(例えば、プリント回路板、集積回路、スイッチ、センサ、等)を完全に取り巻く。縁372は、接合部材370のような接合部材によって接合される。部材370は、プラスチック、ガラス、セラミック、ファイバー合成物、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、等)、他の適当な材料、又はそれらの材料の組み合わせで形成された個別の部材でもよいし、或いは接着材料で形成されてもよい。
【0169】
図29の例において、ディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、タッチ感知層14B、及びカバー層14Cを含む複数の層をスタックすることにより形成される。又、ディスプレイ14は、接着剤層、光学的フィルム又は他の適当な層のような他の材料層も含む。一例として、ディスプレイ14は、1つ以上の凸状外面と、装置10を完全に取り巻く1つ以上の関連凹状内面とを有する堅牢な凸状支持構造体にフレキシブルディスプレイ層14Aをマウントすることにより形成される。別の構成では、ディスプレイ14は、フレキシブルディスプレイ層14A、接着剤層322及び堅牢なカバー層14C(例えば、1つ以上の凸状外面及び1つ以上の関連凹状内面を伴う堅牢なカバー層)から形成される。別の考えられる構成では、凸面ディスプレイ14は、接着剤層322を使用してフレキシブルディスプレイ層14Aを任意のタッチ感知層14Bに取り付けることにより形成される。タッチ感知層14Bは、更に、接着剤層340を使用して堅牢なカバー層14C(例えば、ガラス又はプラスチック層)に取り付けられ、ディスプレイ14の全ての層(322、14B、340及び14C)がカバー層14Cの凸形状に合致するようにする。これらの例は、単なる例示に過ぎず、ディスプレイ14の他の構成も使用することができる。
【0170】
装置10のディスプレイ14の凸形状は、装置10の薄い見掛けを与え、そしてバッテリ310、PCB360のようなコンポーネント、又はコンポーネント312のような他のコンポーネントがマウントされる装置の内部容積を最大にする上で役立つ。装置10を凸面ディスプレイ14で完全に取り巻くことで、視覚表示に利用できる装置のエリアを拡大することができる。
【0171】
以上のことは、本発明の原理を単に例示するに過ぎず、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更が当業者により明らかであろう。
【0172】
電子装置には、凸面ディスプレイが設けられる。凸面ディスプレイは、装置の内部容積を最大にするのに使用される。凸面ディスプレイは、1つ以上のフレキシブル層から形成される。フレキシブルディスプレイ層は、堅牢な支持構造体又は堅牢なカバー層にマウントされる。堅牢な構造体のカーブ形状に合致するフレキシブルディスプレイ層は、装置の内部コンポーネントが位置される付加的な内部容積を与える。
【0173】
別の実施形態によれば、ハウジングと、ハウジングにマウントされたディスプレイとを備え、ディスプレイは、堅牢な支持構造体の凸状外面に合致するフレキシブルディスプレイ層を有する、電子装置が提供される。
【0174】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、更に、接着剤層を含み、そしてその接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層を、堅牢な支持構造体の凸状外面に取り付ける。
【0175】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、更に、タッチ感知層を含む。
【0176】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、更に、第1及び第2の接着剤層を含み、第1の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層をタッチ感知層に取り付け、そして第2の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層を堅牢な支持構造体の凸状外面に取り付ける。
【0177】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードで形成された画像ピクセルを含む。
【0178】
別の実施形態によれば、ハウジングは、少なくとも1つの開口を有し、その開口は、コネクタポートに関連し、そして電子装置は、更に、コネクタポートにマウントされたコネクタ構造体を備えている。
【0179】
別の実施形態によれば、ハウジングと、ハウジングにマウントされたディスプレイとを備え、ディスプレイは、少なくとも1つの凸状外面及び少なくとも1つの関連凹状内面を有する堅牢なカバー層を含むと共に、凹状内面に合致するフレキシブルディスプレイ層を含む、電子装置が提供される。
【0180】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、更に、接着剤層を含み、そしてその接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層を堅牢なカバー層の凹状内面に接合する。
【0181】
別の実施形態によれば、堅牢なカバー層は、ガラスを含む。
【0182】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードから形成された画像ピクセルを含む。
【0183】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ層は、有機発光ダイオードから形成された画像ピクセルを含む。
【0184】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、更に、凹状内面に合致するタッチセンサ層を含む。
【0185】
別の実施形態によれば、凹面ディスプレイは、更に、第1及び第2の接着剤層を含み、第1の接着剤層は、フレキシブルディスプレイ層をタッチセンサ層に取り付け、そして第2の接着剤層は、タッチセンサ層をディスプレイの凹状内面に取り付ける。
【0186】
別の実施形態によれば、タッチセンサ層は、インジウム・スズ酸化物電極を含む。
【0187】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、内部コンポーネントを備え、ディスプレイの凹状内面は、電子装置に対する付加的な内部容積を与え、そして内部コンポーネントは、その付加的な内部容積に少なくとも部分的にマウントされる。
【0188】
別の実施形態によれば、少なくとも前面及び後面を有し、更に、その前面と後面との間に介在された電子コンポーネントと、少なくとも前面及び後面を実質的に覆うと共に電子コンポーネントを取り巻くディスプレイとを備え、該ディスプレイは、少なくとも1つの内面を有する堅牢なカバー層と、その内面に合致するように曲げられたフレキシブルディスプレイ層とを含む、電子装置が提供される。
【0189】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、更に、フレキシブルディスプレイ層の少なくとも一部分に取り付けられたタッチ感知層を含む。
【0190】
別の実施形態によれば、内面は、凹状内面を含み、そして電子装置は、更に、コネクタ構造体と、開口を有するハウジングとを備え、そのコネクタ構造体は、開口にマウントされて、コネクタポートを形成する。
【0191】
別の実施形態によれば、電子装置は、少なくとも2つの側壁面を有し、そしてディスプレイは、2つの側壁面を実質的にカバーする。
【0192】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、少なくとも2つの縁を有し、そしてディスプレイの縁は、接合部材によって接合される。
【0193】
以上のことは、本発明の原理を単に例示するに過ぎず、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更が当業者により明らかであろう。以上の実施形態は、個々に具現化されてもよいし、又は任意の組み合わせで具現化されてもよい。
【0194】
図30-44の実施例に示すように、電子装置には、フレキシブルディスプレイ及び他のユーザインターフェイスコンポーネントが設けられる。ユーザインターフェイスコンポーネントは、ボタン;スイッチ;マイクロホン;ソレノイド、モータ及び圧電アクチュエータのようなアクチュエータ;コネクタポート;タッチスクリーン;接近センサ;並びに電子装置のユーザから入力を受け容れ或いはそこに情報を伝送するための他のコンポーネント;を含む。
【0195】
フレキシブルディスプレイは、フレキシブルディスプレイ層(例えば、フレキシブルな有機発光ダイオードアレイ)、フレキシブルタッチ感知層(例えば、容量性タッチセンサのための透明なキャパシタ電極のアレイをもつポリマーシート)、フレキシブル基板層、等のフレキシブルな層から形成される。これらのフレキシブルな層は、必要に応じて、フレキシブルな又は堅牢なカバー層(カバーガラスとも称される)により覆われるか、或いは支持構造体(例えば、フレキシブルな層の下面の堅牢な支持構造体)によって支持される。堅牢なカバー層で覆われるフレキシブルディスプレイを伴う電子装置では、ユーザインターフェイス装置の付近でディスプレイのフレキシブルな層へのアクセスを与える開口がカバー層に設けられる。例えば、カバーガラス層は、カバーガラス層に対してボタン部材を移動できるようにする開口を有する。別の例として、カバーガラス層は、音声が通過する1つ以上のスピーカ開口を有する。
【0196】
ユーザに視覚情報を表示するのに利用できるフレキシブルディスプレイの部分のエリアを最大にするために、ユーザインターフェイスコンポーネントは、フレキシブルディスプレイの後方に位置され、又はそれに当接され、又はそれに一体化される。フレキシブルディスプレイの変形可能な性質は、ディスプレイをユーザインターフェイスコンポーネントと接触させるように移動するか、又はディスプレイを局所的に撓ませることができるようにすることにより(例えば、音声がフレキシブルディスプレイを通過できるようにするか又は外部環境の気圧測定を内部圧力センサで行えるようにするために)、ユーザがユーザインターフェイスコンポーネント(入力/出力コンポーネント)と相互作用できるようにする。
【0197】
必要に応じて、フレキシブルディスプレイの一部分は、電気的コンポーネントの膜部分を形成する。例えば、フレキシブルディスプレイの一部分は、スピーカコンポーネントのスピーカ膜を形成する。フレキシブルディスプレイの一部分から形成される膜が設けられたコンポーネントは、スピーカ、マイクロホン、レーザマイクロホン、圧力センサ、等を含む。
【0198】
フレキシブルディスプレイが設けられた形式の電子装置が図30に例示されている。この電子装置10は、ディスプレイに一体化されるコンピュータのようなコンピュータである。例えば、電子装置10は、コンピュータモニタ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、腕時計装置、ペンダント装置、或いは他の着用可能又は小型装置のような若干小さなポータブル装置、セルラー電話、メディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、ゲーム装置、スピーカ装置、ナビゲーション装置、コンピュータモニタ、テレビジョン、又は他の電子装置である。
【0199】
装置10は、ハウジング412のようなハウジングを備えている。時々ケースとも称されるハウジング412は、プラスチック、ガラス、セラミック、ファイバー複合物、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、等)、他の適当な材料、或いはそれら材料の組み合わせで形成される。ある状況において、ハウジング412の部分は、誘電体又は他の低導電率材料で形成される。他の状況において、ハウジング412、又はハウジング412を形成する構造体の少なくとも幾つかは、金属要素から形成される。
【0200】
ハウジング412は、ハウジング412の若干又は全部が単一の構造体として加工又は成形されるユニボディ構成を使用して形成されるか、或いは複数の構造体(例えば、内部フレーム構造体、外部ハウジング面を形成する1つ以上の構造体、等)を使用して形成される。
【0201】
図30に示すように、ハウジング412は、複数の部分を有する。例えば、ハウジング412は、上部412A及び下部412Bを有する。上部412Aは、該上部412Aを下部412Bに対して回転軸416の周りで回転できるようにするヒンジを使用して、下部412Bに結合される。キーボード418のようなキーボード及びタッチパッド420のようなタッチパッドは、ハウジング部分412Bにマウントされる。
【0202】
装置10は、フレキシブルディスプレイ414のようなフレキシブルディスプレイを有する。フレキシブルディスプレイ414は、複数の材料層で形成される。それらの層は、容量性タッチセンサアレイを形成するためにインジウム・スズ酸化物(ITO)電極又は他の適当な透明電極のパターンが堆積される層のようなタッチセンサ層を含む。それらの層は、ディスプレイピクセルのアレイを含むディスプレイ層も含む。タッチセンサ層及びディスプレイ層は、(例えば)10ミクロンから0.5mmの厚み、又は0.2mm未満の厚み、又は他の適当な厚みを有するフレキシブルなポリマーシート(例えば、ポリイミド)又は他の基板を使用して形成される。
【0203】
ディスプレイピクセルアレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)アレイである。他の形式のフレキシブルディスプレイピクセルアレイも形成される(例えば、エレクトロウェッティングディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、フレキシブル液晶ディスプレイ、フレキシブルエレクトロクロミックディスプレイ、等)。OLED技術を使用して、フレキシブルディスプレイ414を形成することを、ここで一例として説明する。しかしながら、これは、単なる例示に過ぎない。一般的に、任意の適当な形式のフレキシブルディスプレイ技術を使用して、ディスプレイ414が形成される。
【0204】
これらの機能的ディスプレイ層(即ち、OLEDアレイ及び任意のタッチセンサアレイ)に加えて、ディスプレイ414は、1つ以上の構造層を含んでもよい。例えば、ディスプレイ414は、フレキシブルな又は堅牢なカバー層で覆われ、及び/又は支持構造体(例えば、堅牢な支持体)にマウントされる。必要に応じて、接着剤の層を使用して、フレキシブルディスプレイ層を互いに取り付け、及び/又はフレキシブルディスプレイ層を、堅牢な及びフレキシブルな構造層にマウントすることができる。
【0205】
ある実施形態では、ディスプレイ414は、アクティブなエリアAAのようなアクティブなエリアと、エリアIAのようなインアクティブなエリアとを有する。アクティブなディスプレイエリアAAでは、画像ピクセルのアレイを使用して、テキスト及び画像を装置10のユーザへ提示する。アクティブなエリアAAでは、ディスプレイ414は、装置10のユーザとの相互作用及び入力のためのタッチ感知コンポーネントを含む。必要に応じて、中央部分AA及び周辺部分IAの両方にディスプレイピクセルが設けられる(即ち、ハウジング上部412Aの全体的に平坦な前面の全部又は実質的に全部にディスプレイピクセルが設けられる)。
【0206】
図31の例では、装置10は、ユーザの手の中に適合するに充分なほど小さいハウジングを使用して具現化される(例えば、図31の装置10は、セルラー電話のようなハンドヘルド電子装置である)。図31に示すように、装置10は、ハウジング412の前部にマウントされたディスプレイ414のようなディスプレイを備えている。ディスプレイ414は、アクティブなディスプレイピクセルが実質的に充填されてもよいし、又はアクティブな部分AAのようなアクティブな部分を取り巻くインアクティブな部分IAのようなインアクティブな部分を有してもよい。ディスプレイ414は、ボタン422を収容する開口及びスピーカポート424を収容する開口のような開口(例えば、ディスプレイ414のインアクティブな領域IA又はアクティブな領域AAの開口)を有する。
【0207】
図32は、電子装置10がタブレットコンピュータの形態で具現化された構成の電子装置10の斜視図である。図32に示すように、ディスプレイ414は、ハウジング412の上面(前面)にマウントされる。ボタン422を収容するためにディスプレイ414に開口が形成される(例えば、アクティブな領域AAを取り巻くインアクティブな領域IAに開口が形成される)。
【0208】
図33は、電子装置10がテレビの形態で具現化されるか、又はコンピュータモニタに一体化されたコンピュータの形態で具現化された構成の電子装置10の斜視図である。図33に示すように、ディスプレイ414は、ハウジング412の前面にマウントされる。
スタンド426を使用して、ハウジング412を支持する。ディスプレイ414は、アクティブな領域AAを取り巻くインアクティブな領域IAのようなインアクティブな領域を含む。
【0209】
例示的ディスプレイの分解斜視図が図34に示されている。図34に示すように、フレキシブルディスプレイ414は、フレキシブルディスプレイ層414A及びタッチ感知層414Bを含む複数の層をスタックすることにより形成される。カバー層462のような任意のカバー層がフレキシブルディスプレイ414上に形成される。カバー層462は、ガラス、プラスチックの層、又は他の保護ディスプレイ層である。
【0210】
又、フレキシブルディスプレイ414は、他の材料層、例えば、接着剤層、光学フィルム、シール材層、又は他の適当な層も含む。フレキシブルディスプレイ層414Aは、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、エレクトロウェッティングディスプレイ素子、電気泳動ディスプレイ素子、液晶ディスプレイ(LCD)コンポーネント、又はフレキシブルディスプレイに適合する他の適当な画像ピクセル構造体から形成された画像ピクセルを含む。
【0211】
タッチ感知層414Bは、水平透明電極432及び垂直透明電極434のような容量性タッチ電極を合体する。タッチ感知層414Bは、一般的に、該タッチ感知層414Bにおける1つ以上のタッチ又は近タッチの位置を、容量性、抵抗性、光学的、音響的、誘導性又は機械的測定に基づいて、或いは1つ以上のタッチ、又はタッチ感知層414B付近の近タッチの発生に対して測定できる現象に基づいて、検出するように構成される。
【0212】
フレキシブルディスプレイ414は、ディスプレイピクセルアレイ層414A及び任意のタッチセンサ層414Bから形成される。図34の例では、タッチ感知層414Bは、カバー層462とフレキシブルディスプレイ層414Aとの間に介在される。この構成は、単なる例示に過ぎない。必要に応じて、フレキシブルディスプレイ層414Aがカバー層462とタッチ感知層414Bとの間に介在される(例えば、フレキシブルディスプレイ層414Aがタッチ感知層414Bの頂部に配置される)。必要に応じて、タッチ感知層414B及びフレキシブルディスプレイ層414Aは、単一の層として一体化される。例えば、電極432及び434のような容量性タッチ電極、並びにディスプレイピクセル430のようなディスプレイピクセルは、必要に応じて、共通の基板上に形成されてもよい。
【0213】
図35は、フレキシブルディスプレイ層414Aの一部分の断面側面図である。図35に示すように、フレキシブルディスプレイ層414Aは、複数のサブ層を含む。例えば、ディスプレイ層414Aは、基板層415のような基板層を含む。基板層415は、ガラス、セラミック又はプラスチックのようなフレキシブルな又は堅牢な誘電体から形成される。一例として、基板層415は、1つ以上のフレキシブルなポリマー(例えば、ポリイミド)シートから形成される。基板層415は、(例えば)10ミクロンから0.5mmの厚み、0.2mm未満の厚み、又は他の適当な厚みを有する。
【0214】
TFT層417のような薄膜トランジスタ(TFT)層は、基板層415に形成された薄膜トランジスタ構造体(例えば、ポリシリコントランジスタ及び/又はアモルファスシリコントランジスタ)の層を含む。
【0215】
TFT層417の上にはOLED層419のような有機放射層が形成される。OLED層419は、図34のディスプレイピクセル430のようなディスプレイピクセルを形成するのに使用される有機発光ダイオード構造体のアレイのような発光ダイオード材料を含む。
【0216】
OLED層419及びTFT層417の構造体を保護するために、シール材層421のようなシール材層がOLED層419の上に形成される。シール材層421は、1つ以上のポリマー層(例えば、OLED層419に堆積される1つ以上のポリマー層)、金属ホイル(例えば、OLED層419に積層、スパッタ、蒸着又は他の仕方で付着される金属ホイルの層)、或いは他の適当なコーティング又は従順なカバーから形成される。
【0217】
電子装置10には、電子装置10のユーザに音声を与えるための1つ以上のスピーカ構造体が設けられる。図36は、スピーカ構造体448のようなスピーカ構造体の付近における電子装置10の一部分の断面側面図である。スピーカ構造体448で発生された音声は、フレキシブルディスプレイ414を通して装置10の外部へ伝送される。フレキシブルディスプレイ414は、スピーカ448のスピーカ膜構造体として使用される。スピーカ448のスピーカ膜として働く部分414Mのような部分は、ディスプレイ414のアクティブな部分又はインアクティブな部分に配置される。スピーカ膜414Mがアクティブなディスプレイエリアを形成する構成は、フレキシブルディスプレイ414のアクティブな領域のサイズをそのインアクティブな領域に対して増加できるようにする。
【0218】
図36に示すように、スピーカ構造体448は、トランスジューサ450のようなトランスジューサにより駆動される。トランスジューサ450は、装置10の回路から電気的音声信号入力を受け取りそしてその電気的信号を音声へと変換する。図36の例では、トランスジューサ450は、コイル442のようなコイルにより取り巻かれた磁石440のような磁石から形成される。磁石440は、フェライト材料、セラミック材料、鉄合金材料、希土類材料、他の適当な材料、又はそれら材料の組み合わせから形成される永久磁石である。コイル442は、銅、アルミニウム、銀、他の適当な材料、等で形成される。必要に応じて、磁石440を取り巻くコイルの1つ以上のセットがあってもよい。
【0219】
コイル442に電流が流れると、磁界が発生される。これは、コイル442が、永久磁石440によって発生される一定磁界と相互作用する磁界で可変電磁石として働くことができるようにする。例えば、電磁石の負の極は、永久磁石440の負の極により反発される。この反発で生じる磁力が磁石440をコイル442から強制的に離す。コイル442に流れる電流が方向を変えると、可変電磁石の極性が逆転する。コイル442の電流が方向を交番するときに、磁石440は、迅速に前後にプッシュされる(z軸に沿って)。
【0220】
部分414Mのようなフレキシブルディスプレイ414の部分は、スピーカ448のスピーカ膜を形成する。磁石440がz軸に沿って前後に移動するにつれて、取り付けられたスピーカ膜414Mがスピーカ膜414Mの前方の空気を振動させ、音波を生成する。
【0221】
ある構成では、支持構造体446のような任意の支持構造体(時々補剛構造体又は補剛材とも称される)がトランスジューサ450とスピーカ膜414Mとの間に介在される。支持構造体446は、ディスプレイ414のスピーカ膜部分414Mを補剛するのに使用される。支持構造体446は、金属プレート、特殊な複合構造体(例えば、補剛材の層間に介在される発泡材の層、等)、他の支持材料又は補剛構造体、或いはそれらの材料の組み合わせから形成される。支持構造体446のような支持構造体を使用することで、スピーカ膜414Mは、磁石440の動きに、より正確に応答することができる。任意の支持構造体446が使用されない構成では、磁石440は、スピーカ膜構造体として働くディスプレイ414の部分414Mを補剛するように構成される。
【0222】
装置10には、1つ以上のスピーカ構造体448がある。装置10のスピーカ構造体448の幾つか又は全部が、フレキシブルディスプレイ414から形成されるスピーカ膜を有する。必要に応じて、フレキシブルディスプレイ414の幾つか、全部、又は実質的に全部が、1つのスピーカ、2つのスピーカ、3つのスピーカ、又は4つ以上のスピーカのスピーカ膜として使用される。
【0223】
懸架構造体454のような懸架構造体は、フレキシブルディスプレイ414の部分を、ハウジング412のような堅牢な支持構造体に取り付けるのに使用される。懸架構造体454は、スピーカ膜414Mがx軸及び/又はy軸に沿って横方向に移動するのを防止するが、スピーカ448が音を発生するときにスピーカ膜414Mがz軸に沿って自由に動けるようにする。懸架構造体454は、エラストマ材料、発泡材料、樹脂被覆材料、他の適当な材料、又はそれらの材料の組み合わせから形成される。図36の例に示すように、懸架構造体454は、スピーカ膜414Mとハウジング側壁412Sとの間に柔軟なインターフェイスを形成する。これは、単なる例示に過ぎない。必要に応じて、懸架構造体454は、スピーカ膜414Mと、適当な周囲のハウジング構造体又は適当な堅牢な支持構造体との間に柔軟なインターフェイスを形成することができる。
【0224】
必要に応じて、他の懸架構造体がスピーカ構造体448に合体されてもよい。例えば、1つ以上の懸架構造体が磁石440に取り付けられる。この形式の懸架構造体は、磁石440を、磁力で変位された後に平衡位置へ復帰させる回復力を与える。
【0225】
スピーカ448により発生される望ましい周波数範囲は、多数のファクタに依存する。例えば、スピーカ448により発生される望ましい周波数範囲は、スピーカ448が具現化される電子装置の形式に依存し、装置10におけるスピーカ448の位置に依存し、スピーカ構造体448と組み合わせて使用される他のスピーカ構造体に依存し、等である。スピーカ448から望ましい周波数応答を得るために設計上の選択がなされる。例えば、スピーカ448を形成するのに使用される材料は、望ましい周波数応答に基づいて選択される。
【0226】
又、スピーカ448を取り巻くエンクロージャーの形式も、望ましい周波数応答に基づいて選択される。例えば、スピーカを取り巻くエンクロージャーは、ポート付きである。図36に示すように、ハウジング412には、音響ポート452のようなポート又は開口(時々通風筒、ホーン、通気口、穴、等とも称される)が任意に設けられる。ポート452は、ハウジング412の内部とハウジング412の外部との間の圧力を等化するのに使用される。これは、次いで、スピーカ448により発生される音波を増大する。図36の例に示すポート付きエンクロージャーのようなポート付きエンクロージャーは、スピーカ448により発生される低周波数音波の大きさを増加する(例えば、ポート付きエンクロージャーを伴うスピーカは、シール型エンクロージャーを伴うスピーカより低音出力が大きい)。
【0227】
図36に示すように、ポート452は、エンクロージャーへと突出する部分452Pのような部分を有する。この突出部分452Pのサイズ及び形状は、望ましい周波数応答を得るようにカスタマイズされる。例えば、ポート452の突出部分452Pは、開口452の直径が部分452Pの長さに沿って変化する「ホーン」形状を有する。突出部分452Pは、必要に応じて、カーブした形状を有する。一般的に、突出部分452Pは、適当な形状を有し、そして開口452は、適当なサイズを有する。ポート452の特性は、スピーカ448の望ましい周波数応答、装置10の構造、等に依存し、そしてそれに応じて変更される。図36に示す例は、単なる例示に過ぎない。
【0228】
必要に応じて、スピーカ448には、ポートをもたないシール型エンクロージャーが設けられる。ハウジング412にポート452が設けられる図36の例は、単なる例示に過ぎない。スピーカ448が具現化されるエンクロージャーの形式(例えば、シール型エンクロージャー、ポート型エンクロージャー、等)は、スピーカ448の望ましい周波数応答、装置10の構造、等に依存し、そしてそれに応じて変更される。
【0229】
電子装置10は、内部コンポーネント456のような内部コンポーネント又は構造体を有する。内部コンポーネント456のような内部コンポーネントは、スピーカ448の共振周波数をチューニングするために任意に使用される。内部コンポーネント456は、バッテリ又は他の内部構造体である。必要に応じて、任意のコンポーネント456は、省略されてもよいし、又はスピーカ448の共振周波数をチューニングするために使用されなくてもよい。
【0230】
必要に応じて、ハウジング412は、任意の立ち上った部分412’のような1つ以上の立ち上った縁を有する。立ち上った部分412’は、その上面がディスプレイ414の上面の上に存在する(例えば、立ち上った部分412’の上面は、垂直方向zにおいて、フレキシブルディスプレイ414の上面より上に突出する)。任意の立ち上った部分412’は、ユーザが、ディスプレイ414のスピーカ機能を妨げることなく、装置10を手で保持できるようにする。ハウジング412の立ち上った部分412’は、ディスプレイ414の全周を取り巻いてもよいし、或いはディスプレイ414の1つの辺、ディスプレイ414の2つの辺、ディスプレイ414の3つの辺、又はディスプレイ414の全4辺に配置されてもよい。又、立ち上った部分412’は、ハウジング412の一体的部分として形成されてもよいし、又はハウジング412に接触する個別の構造体として形成されてもよい。
【0231】
図37は、スピーカ構造体448の別の考えられる実施形態の付近における電子装置10の一部分の断面側面図である。図37に示すように、スピーカ構造体448は、トランスジューサ450のようなトランスジューサにより駆動される。図37の例では、トランスジューサ450は、磁石440のような磁石によって取り巻かれたコイル442の1つ以上の中央セットから形成される。ある構成では、コイル442の内部444が磁石構造体も収容する(例えば、コイル442は、磁石構造体を取り巻く)。コイル442の内部444に形成された磁石構造体は、外部磁石440の一体的部分として形成されるか(例えば、コイル442の上及び/又は下で接合されるか)、又は個別の磁石構造体である。必要に応じて、コイル442の内部444は、磁石構造体がなくてもよい。
【0232】
図36のトランスジューサと同様に、図37のトランスジューサ450は、装置10の回路から電気的音声信号入力を受け取りそしてその電気的信号を音声へと変換するように構成される。コイル442に電流が流れると、磁界が発生される。コイル442によって発生された磁界は、永久磁石440により発生された一定磁界と相互作用する。電磁石と一定磁界との相互作用で、コイル442と磁石440との間に磁力(例えば、吸引力又は反発力)が生成される。コイル442に流れる電流が方向を変化すると、可変電磁石の極性(ひいては、磁力の方向)が逆転される。コイル442は、コイル442の電流が方向を交番するときに変化する磁力により(z軸に沿って)前後にプッシュされる。
【0233】
コイル442が前後に動くときには、取り付けられたスピーカ膜414Mが、そのスピーカ膜414Mの前方の空気を振動させて、音波を生成する。支持構造体446を使用して、スピーカ膜414Mを補剛し、フレキシブルディスプレイ414の膜部分414Mがトランスジューサ450の動きに正確に応答するようにする。
【0234】
図37の例において、スピーカ448には、ポートをもたないシール型エンクロージャーが設けられる。これは、単なる例示に過ぎない。適当な形式のエンクロージャー(例えば、シール型エンクロージャー、ポート型エンクロージャー、等)が使用されてもよい。スピーカ448が具現化されるエンクロージャーの形式は、スピーカ448の望ましい周波数応答、装置10の構造、等に依存し、そしてそれに応じて変更される。
【0235】
図38は、スピーカ構造体448の別の考えられる実施形態の付近における装置10の一部分の断面側面図である。図38の例では、スピーカ448は、装置10内の堅牢な構造体、例えば、堅牢な構造体466により支持される。この堅牢な構造体466は、ハウジング構造体又は内部コンポーネントから形成されてもよいし、或いはスピーカ448のフレーム(時々シャーシ又は「バスケット」とも称される)又は他の堅牢な支持構造体を形成するのに使用される専用の構造体でもよい。懸架構造体454は、スピーカ448と堅牢な構造体466との間に柔軟なインターフェイスを形成するのに使用される。(懸架構造体454がハウジング側壁412Sに取り付けられた)図7及び8の懸架構造体と同様に、図38の懸架構造体454は、ディスプレイ414のスピーカ膜部分414Mがx軸及び/又はy軸に沿って横方向に動くのを防止するが、スピーカ448が音を発生するときにはz軸に沿ってスピーカ膜414Mが自由に動けるようにする。懸架構造体454は、スピーカ448の適当な部分(例えば、支持構造体446、磁石440、スピーカ膜部分414M、等)に取り付けられる。
【0236】
図38に示す構成体の形式は、スピーカ448がハウジング側壁412Sの付近にない構成、又はスピーカ448がハウジング412に取り付けられない他の構成について有益である。例えば、スピーカ448は、大きなディスプレイの中央部分に配置される。この形式の構成では、図38の堅牢な構造体466のような堅牢な構造体を使用して、必要に応じて、スピーカ448を支持することができる。
【0237】
装置10には、1つ以上のスピーカ448がある。共通の堅牢な構造体466に複数のスピーカ448が取り付けられるか、又は個別の堅牢な構造体466に各スピーカ448が取り付けられる。
【0238】
必要に応じて、任意のカバー層462のようなカバー層がフレキシブルディスプレイ414の上に形成される。カバー層462は、ガラス、プラスチック、又は他の適当な材料から形成される。カバー層462は、ユーザが、ディスプレイ414のスピーカ機能を妨げることなく、装置10を手で保持できるようにする。又、カバー層462は、装置10のディスプレイ414及び他の部品を保護するように働きながら、スピーカ448が音を発生するときにスピーカ膜414Mがz軸に沿って自由に動けるようにする。カバー層462は、ディスプレイ414と接触してもよいし、又はカバー層462とディスプレイ414との間にギャップ463が介在してもよい。ギャップ463は、空気が充填されてもよいし、又はシール材の層のような材料層を含んでもよい(一例として)。
【0239】
穴464のような1つ以上の穴(時々開口又はスピーカ開口とも称される)がカバー層462に形成されて、スピーカ448から装置10の外部へ音が通過できるようにする。
【0240】
図39は、カバー層462に穴464をどのように形成するか示す装置10の斜視図である。図39に示すように、1つ以上のスピーカの前方に開口のアレイが形成される「スピーカグリル」形態で穴464が形成される。穴464は、カバー層462の適当な位置に形成される。例えば、穴464は、スピーカ構造体に重畳するカバー層462の局所的エリアに形成されるか、或いは穴464は、ディスプレイ414の前面の若干、全部又は実質的に全部を覆う均一なアレイで形成されてもよい。穴464は、適当なサイズでよい。例えば、穴464は、直径が0.25mmから0.5mm、0.5mmから1mm、1mmから1.5mm、1.5mm以上、1.5mm未満、等である。カバー層462に形成される開口464のサイズ、形状及び個数は、装置10におけるスピーカ448の形式及び個数に依存する。
【0241】
図40は、支持構造体446の付近における装置10の断面側面図である。支持構造体446は、フレキシブルディスプレイ414の部分を補剛するのに使用される。図36を参照して述べたように、補剛構造体446は、金属プレート、ファイバベースの複合材料、1つ以上の材料のラミネート層、又は他の適当な材料から形成される。図40の例に示すように、補剛構造体446は、第1及び第2の補剛シート472間に介在された発泡材474の層から形成される。シート472は、ポリマー、金属、ガラス、セラミック、ファイバベースの複合体、又は他の適当な材料から形成される。この形式の構造体は、ディスプレイ414のための硬く且つ軽量の支持構造体である。必要に応じて、支持構造体446は、ディスプレイ414のスピーカ膜部分414Mを補剛するのに使用されるか、ディスプレイ414の他の部分を補剛するのに使用されるか、又はディスプレイ414の全部又は実質的に全部を補剛するのに使用される。
【0242】
支持構造体446は、任意の望ましい形態に整形される。例えば、支持構造体446は、カーブしてもよいし、平面でもよいし、或いはカーブした部分及び平面部分の組み合わせでもよい。
【0243】
図41は、カーブした支持構造体446の付近における装置10の断面側面図である。図41に示すように、フレキシブルディスプレイ414は、補剛構造体446の形状に合致する。図41の例では、補剛構造体446は、フレキシブルディスプレイ414が凹状となるようにカーブした形状を有する。しかしながら、これは、単なる例示に過ぎない。一般的に、補剛構造体446及びディスプレイ414の取り付け部分は、任意の適当な形状でよい。例えば、補剛構造体446は、フレキシブルディスプレイ414が凸状となるようにカーブした形状を有する。ディスプレイ414が凹状である図41の例は、ディスプレイ414がスピーカ448のスピーカ膜を形成する構成に適している。凹状のスピーカ膜は、スピーカ448により発生される音声の質を改善する。凸状膜を伴うスピーカも使用できる。
【0244】
図42は、単一スピーカ構造体の付近における装置10の断面側面図である。図42に示すように、フレキシブルディスプレイ414の部分414Mは、スピーカ構造体448のスピーカ膜を形成する。スピーカ448のトランスジューサ450は、適当な形式のトランスジューサである(例えば、1セット以上のコイルが磁石により取り囲まれたもの、1セット以上のコイルが磁石を取り囲むもの、圧電トランスジューサ、マイクロホントランスジューサ、センサ、アクチュエータ、等)。スピーカ448は、装置10における唯一のスピーカでもよいし、又は装置10における複数のスピーカの1つでもよい。ディスプレイベースのスピーカ構造体448は、ディスプレイベースでないスピーカ構造体に関連して使用される。例えば、装置10には、ディスプレイ414をスピーカ膜として使用しない他のスピーカもある。図42のスピーカ構造体448は、ディスプレイ414の全部又は実質的に全部をスピーカ膜として使用してもよいし(例えば、装置10の前面全体がスピーカにより占有される)、或いはディスプレイ414の一部分だけをスピーカ膜として使用してもよい。
【0245】
図43の例では、トランスジューサ450のアレイを使用して、複数のディスプレイベースのスピーカ448を形成する。ディスプレイベースのスピーカ構造体448は、ディスプレイベースでないスピーカ構造体に関連して使用される。各ディスプレイベースのスピーカ448は、それに関連したトランスジューサ450を有している。各関連トランスジューサ450は、任意の適当な形式のトランスジューサである(例えば、1セット以上のコイルが磁石により取り囲まれたもの、1セット以上のコイルが磁石を取り囲むもの、圧電トランスジューサ、マイクロホントランスジューサ、センサ、アクチュエータ、等)。使用するトランスジューサ450の形式は、スピーカ448ごとに異なってもよい(例えば、図43のスピーカ448のアレイは、必要に応じて、異なる形式のトランスジューサを含んでもよい)。スピーカ448に、異なる形式のトランスジューサ、異なる構造、及び異なる特性を設けることで、装置10は、広範囲な周波数をもつ音声を発生することができる。
【0246】
図44は、装置10の一部分の下面図で、図43に示すアレイのようなディスプレイベースのスピーカのアレイを装置10においてどのように具現化するか示している。図44の例では、支持構造体446がディスプレイ414の下面に形成される。支持構造体446は、ディスプレイ414のスピーカ膜部分414Mを補剛するのに使用される(例えば、支持構造体446は、トランスジューサ450とディスプレイ414との間に介在される)。又、支持構造体446は、隣接するスピーカ448間のディスプレイ414の部分を補剛するのにも使用される。
【0247】
各スピーカ448は、支持構造体446により補剛されないフレキシブルディスプレイ414のリング414’により取り囲まれる。フレキシブルディスプレイ414のフレキシブルリング状部分414’は、隣接スピーカ448間の干渉を防止するバリア構造体を各スピーカ448の周りに与える。例えば、スピーカ膜414Mが振動するときに、リング414’(支持構造体446により取り囲まれた)は、ディスプレイ414において横方向(例えば、x軸及び/又はy軸に沿った方向)に動く振動を吸収する。これは、隣接スピーカ448が、隣接スピーカの振動により妨げられずに独立して動作できるようにする。
【0248】
必要に応じて、スピーカ448は、種々のスピーカ形式を含む。スピーカ448に使用されるスピーカ形式は、例えば、サブウーハ、ウーハ、中間域スピーカ、ツイータ、スーパーウーハ、等を含む。必要に応じて、音声入力の異なるチャンネルが各スピーカへルーティングされる。例えば、スピーカ448は、中央チャンネルスピーカ、左チャンネルスピーカ、右チャンネルスピーカ、周囲チャンネルスピーカ、等を含む。スピーカ448の適当な特性は(例えば、サイズ、形式、位置、入力チャンネル、等)は、望ましい周波数応答を達成し及び/又は装置10の構造体を収容するように変更される。
【0249】
フレキシブルディスプレイと、1つ以上のディスプレイベースのスピーカ構造体とを備えた電子装置が提供される。スピーカ構造体は、フレキシブルディスプレイの下に位置される。フレキシブルディスプレイの部分は、スピーカ構造体のスピーカ膜として使用される。スピーカ構造体は、電気的音声信号を音響に変化するトランスジューサにより駆動される。コイル及び磁石から形成された圧電トランスジューサ(1つ又は複数)は、スピーカ構造体を駆動するのに使用される。フレキシブルディスプレイのアクティブなディスプレイエリアからスピーカ膜が形成される。フレキシブルディスプレイの若干、全部、又は実質的に全部が、1つ以上のディスプレイベースのスピーカ構造体に対するスピーカ膜として使用される。任意のカバー層には、スピーカ開口が設けられ、ディスプレイベースのスピーカ構造体から装置の外部へ音声が通過される。
【0250】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイと、スピーカ膜を有するスピーカ構造体とを備え、スピーカ膜は、フレキシブルディスプレイの一部分から形成されたものである、電子装置が提供される。
【0251】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、スピーカ膜を形成するフレキシブルディスプレイの一部分を補剛するように構成された補剛構造体を備えている。
【0252】
別の実施形態によれば、補剛構造体は、発泡材の層を含む。
【0253】
別の実施形態によれば、補剛構造体は、発泡材層の第1及び第2の互いに逆の面に取り付けられる第1及び第2の補剛シートを含む。
【0254】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、画像を表示するように構成されたアクティブな部分を含み、そしてスピーカ膜は、フレキシブルディスプレイのそのアクティブな部分から形成される。
【0255】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、堅牢な構造体と、該堅牢な構造体にスピーカ構造体の一部分を取り付けるように構成された懸架構造体とを備えている。
【0256】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、フレキシブルディスプレイがマウントされる電子装置ハウジングを備え、堅牢な構造体は、少なくとも一部分が電子装置ハウジングから形成される。
【0257】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、フレキシブルディスプレイの上に形成されたカバー層を備え、そのカバー層は、スピーカ膜の上に形成された少なくとも1つの開口を含む。
【0258】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、フレキシブルディスプレイがマウントされる電子装置ハウジングを備え、その電子装置ハウジングは、少なくとも1つの音響ポートを有する。
【0259】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、ポリマーのフレキシブルシートから形成された基板を有する有機発光ダイオードディスプレイを含む。
【0260】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイと、複数のスピーカ構造体とを備え、フレキシブルディスプレイの部分が複数のスピーカ構造体のスピーカ膜を形成する電子装置が提供される。
【0261】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、スピーカ膜を形成するフレキシブルディスプレイの部分を補剛するように構成された複数の補剛構造体を備えている。
【0262】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、補剛領域のセットであって、該補剛領域のセットにおける各補剛領域が各スピーカ構造体の一部分を形成するような補剛領域のセットと、フレキシブル領域であって、その各々が補剛領域のセットにおける各補剛領域を取り囲むようなフレキシブル領域と、取り囲み補剛領域であって、その部分により各フレキシブル領域を取り囲むような取り囲み補剛領域とを含む。
【0263】
別の実施形態によれば、スピーカ構造体は、左チャンネルスピーカ及び右チャンネルスピーカを含む。
【0264】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、スピーカ構造体を駆動するように構成されたトランスジューサを備え、各トランスジューサは、コイル及び磁石を含む。
【0265】
別の実施形態によれば、電子装置は、更に、スピーカ構造体を駆動するように構成された圧電トランスジューサを備えている。
【0266】
別の実施形態によれば、フレキシブルディスプレイは、ポリマーのフレキシブルシートから形成された基板を有する有機発光ダイオードディスプレイを含む。
【0267】
別の実施形態によれば、ハウジングと、該ハウジングにマウントされたフレキシブルな有機発光ダイオードディスプレイであって、ポリマーのフレキシブルシートから形成された基板を有するフレキシブルな有機発光ダイオードディスプレイと、ポリマーのフレキシブルシートの一部分から形成されたスピーカ膜を有する少なくとも1つのスピーカとを備えたポータブル電子装置が提供される。
【0268】
別の実施形態によれば、ポータブル電子装置は、更に、少なくとも1つのスピーカとスピーカ膜との間に介在された補剛構造体を備え、その補剛構造体は、複合材料を含む。
【0269】
別の実施形態によれば、スピーカ膜は、凹状である。
【0270】
別の実施形態によれば、ハウジングは、4つの周囲縁をもつ長方形ハウジングを含み、フレキシブルな有機発光ダイオードディスプレイ及びスピーカ膜は、その4つの周囲縁の間に延びる。
【0271】
以上の説明は、本発明の原理を単に例示するものに過ぎず、当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更がなされ得るであろう。以上の実施形態は、個々に具現化されてもよいし、任意の組み合わせで具現化されてもよい。
【符号の説明】
【0272】
10:電子装置
12:ハウジング
14:フレキシブルディスプレイ
14A:フレキシブルディスプレイ層
14B:タッチ感知層
14C:カバー層
16:円形開口
18:スピーカポート開口
17:ボタン
19:オーディオコンポーネント
20I:周囲領域
20A:長方形の中央領域
22、24、26:インターフェイスコンポーネント
32:水平透明電極
34:垂直透明電極
40、42:方向
50:支持構造体
52:ボタン部材
54:プリント回路板
56:ドームスイッチ
70:ダイアフラム
72:コイル
74:磁石
80:レーザコンポーネント
82:レーザ吸収コンポーネント
84:レーザビーム
86:反射レーザビーム
88:距離
90:圧電アクチュエータ
100:コンポーネント
101:一部分
102:変形
110:アクチュエータ段
122:カバー部材
124:アクチュエータスイッチ
130:アクチュエータ
140:圧力感知モジュール
142:接触部材
144:電気接点
200:ベゼル
204:開口
210:支持構造体
212:接着剤層
216、218:容積
220:コンポーネント
230:接着剤層
240:落下面
244:高さ
248:最大深さ
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