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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】体調監視システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20220309BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20220309BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20220309BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20220309BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
A61B5/02 C
A61B5/0245 A
A61B5/08
A61B5/11 110
A61B5/113
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017199968
(22)【出願日】2017-10-15
(65)【公開番号】P2019072152
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】514116671
【氏名又は名称】株式会社カレアコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100181881
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一雄
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-048335(JP,A)
【文献】特開2017-074332(JP,A)
【文献】国際公開第2015/125322(WO,A1)
【文献】特開2013-97670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0295
A61B 5/08 - 5/097
A61B 5/11 - 5/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着する体調監視システムであって、
血管の脈動を検出するマイクロ波ドップラーセンサと、
前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から血管の脈動の振幅及び周期を導き脈拍情報として出力し、前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から呼吸の振幅及び周期を導き呼吸情報として出力する脈動検出手段と、
前記脈拍情報及び呼吸情報を含む身体情報から異常な兆候を導きアラーム情報を出力する判定手段を備え、
前記判定手段は、前記脈拍情報から脈拍の揺らぎを導くと共に、当該揺らぎと呼吸との同期が見られない揺らぎの不調を異常な兆候としアラーム情報を出力することを特徴とする体調監視システム。
【請求項2】
前記脈動検出手段は、前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から筋肉の動きの振幅及び加速度を含む動作情報を導き前記身体情報として出力することを特徴とする請求項1に記載の体調監視システム。
【請求項3】
前記判定手段は、
被検者の前記身体情報の基本情報を保持する個別テーブルと、
前記被検者の個別テーブルを更新する基準テーブル更新手段を備え、
前記脈動検出手段が検出した前記身体情報の測定値を前記個別テーブルに保持された基本情報と対比することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の体調監視システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常において、熱中症その他の身体的変調に関連して早期に対処すべき症状を確実に検知し、致命的な症状の発症を未然に防ぐための体調監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人は、高温環境に長時間曝されると、発汗に伴う脱水症状、末梢血管の拡張および血液の滞留、血流量の低下が発生する。
この様な身体的負担が高まることによって、身体の主な調整機能が不調を来たし、体温の上昇、頻脈、病的な発汗などの症状が発生する。
脱水が進行し血液の粘度が高まると、心拍数も上昇するため、心臓の負荷は更に高まり、呼吸数が上昇し、脈拍も速まることとなる。
また、熱による臓器障害や、臓器への血液供給が低下することによる虚血状態が生じるなど、様々な臓器にまで影響が及ぶ場合がある。
【0003】
従来、下記特許文献のように、体温、心拍、呼吸及び発汗を検出することによって、熱中症の兆候を検出し、更には、作業者の深部体温に異常が生じる前段階で、その作業者の熱中症発症リスクを検出する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-22451号公報
【文献】特開2017-27123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の手法は、防護服の着用が求められる作業エリアにおいて、熱中症の発生を低減するための熱中症検知システムの例であるが、当該文献に記載の手法では、例えば、頻脈、脈の結滞及び脈の強弱など、血管の脈動(以下「脈拍」という)に関する情報(以下「脈拍情報」という)を検出することが念頭に置かれていないという問題がある。
これでは、心臓の動作に顕著な不調が生じない限り、体温、発汗又は人の動きの加速度に頼って異常を検出できるに止まるという問題がある。
【0006】
また、上記手法は、一定の着衣を着けた一定の環境において用いられるシステムであるため、多様な環境で同様の作用効果を安定的に得られるものではない。
例えば、体温にあっては、日差し、服装の素材やデザインもしくは測定部位など、与えられた測定環境の相違に伴い、検出される数値に格差が生じ、着衣湿度にあっては、発汗量の個人差や湿度や風通しの有無などによって検出される数値に格差が生じる。
一方、上記特許文献2に記載の手法は、様々な環境において呼吸性洞性不整脈を呼吸曲線情報と心拍情報から演算により導出するが、脈拍の実態を直接検出することはできないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、脈拍の振幅、周期、若しくはそれら揺らぎ又はそれらの推移などをつぶさに読み取り、身体の異常を早期に検知する体調監視システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明による体調監視システムは、例えば、帽子や衣類などを介して身体に装着する体調監視システムであって、血管の脈動を検出するマイクロ波ドップラーセンサと、前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から血管の脈動の振幅及び周期を導き脈拍情報として出力する脈動検出手段と、前記脈拍情報を含む身体情報から異常な兆候を導きアラーム情報を出力する判定手段を備えることを特徴とする。
【0009】
前記脈動検出手段は、前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から筋肉の振幅及び加速度を含む動作情報を導き前記身体情報として出力し、前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から呼吸の振幅及び周期を含む呼吸情報を導き前記身体情報として出力し、又は前記脈拍情報の揺らぎを前記身体情報として出力する構成を採ることができる。
【0010】
また、前記判定手段は、被検者の前記身体情報の基本情報を保持する個別テーブルと、前記被検者の個別テーブルを更新する基準テーブル更新手段を備え、前記脈動検出手段が検出した前記身体情報の測定値を前記個別テーブルに保持された基本情報と対比する構成を採ることができる。
更に、前記アラーム情報を授受する無線通信手段を備える構成を採ってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるバイタル情報生成装置によれば、マイクロ波ドップラーセンサの採用と、 前記マイクロ波ドップラーセンサの出力から脈拍情報を導く脈動検出手段を具備することによって、脈拍の周期や振幅のみならず、脈が触れる位置が浅いか深いか、脈の勢いが弱いか力強いか、滑らかか途切れるか、又は脈拍の揺らぎなどをつぶさに読み取ることによって、自律神経の働きや筋肉の状態、更には、被検者の体調を正確に把握することができる。
【0012】
頭部を覆う帽子に非接触センサたるマイクロ波ドップラーセンサを装着すれば、頭部の血管から脈拍情報を検出する他、呼吸や筋肉の動きなどの動作情報を検出することができるので、心臓の動作や脳の血管に顕著な不調が生じる前に、体調の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による体調監視システムの一例を示すブロック図である。
図2】本発明による体調監視システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明による体調監視システムの情報レコードの一例を示す概略図である。
図4】本発明による体調監視システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明による体調監視システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による体調監視システムの実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
図1に示す例は、帽子(ヘルメットを含む)に固定される体調監視システムであって、非接触型のマイクロ波ドップラーセンサ(以下「ドップラーセンサ」と言う)1と、情報検出手段2と、判定手段3を備える(図1参照)。
この例は、前記ドップラーセンサ1、そのセンサ1の出力を取り入れる入力インターフェース4及び出力インターフェース5、CPU6、タイマー7、ROMやRAM等の記憶媒体8、スピーカ9、LED10、通信インターフェース11などのハードウエア資源に、体調監視プログラムをインストールしたコンピュータシステムとして構成した例である(図2参照)。
【0015】
この例のマイクロ波ドップラーセンサ1は、例えば、0.5GHzから35GHzのマイクロ波をその送波部で照射し、その検波部でドップラー波形を受信するセンサである(例えば特開2002-71825号公報参照)。
前記ドップラーセンサ1は、例えば、一秒ごとに100回のサンプリングを行い、受信したドップラー波形をA/Dコンバータ13によりA/D変換し、基礎データとして前記記憶媒体8に記録する。
【0016】
この例の前記情報検出手段2は、前記脈拍及び呼吸並びに頭、顔の筋肉及び眼球の動きが、それぞれ固有の周波数成分及び振幅成分を持つことを利用して、前記基礎データで表現されたドップラー波形(検知信号)から、各属性固有の周波数帯域に分離し、各属性にかかる情報の数値化を行う。
【0017】
この例の情報検出手段2は、脈動検出手段2aと、呼吸検出手段2bと、動作検出手段2cを備える。
この例の、脈動検出手段2a、呼吸検出手段2b及び動作検出手段2cは、前記ドップラーセンサ1から得た前記検知信号の合成波を、頭部の血管の脈動成分と、呼吸成分と、その他の成分を分離して出力するBPF(Band-pass filter)14をそれぞれ備える。
前記各属性の帯域としては、例えば、脈拍は、0.7Hz~1.3Hz程度であり、呼吸は、0.2Hz~0.5Hz程度である。
【0018】
この例の前記脈動検出手段2aは、前記BPF14が出力した前記脈動成分にFFT(Fast Fourier Transform)15によるフーリエ変換を施し、当該脈動成分の基本波の周波数を導くと共に、当該脈動成分の振幅のピーク値を導くことによって、前記脈動成分から1周期又は半周期毎の振幅及び周期(以下「脈拍情報」という)を算出し、脈動の属性を付して前記記憶媒体8に保存する。
【0019】
この例の前記呼吸検出手段2bは、前記BPF14が出力した前記呼吸成分にFFT15によるフーリエ変換を施し、当該呼吸成分の基本波の周波数を導くと共に、当該呼吸成分の振幅のピーク値を導くことによって、前記呼吸成分から1周期又は半周期毎の振幅及び周期(以下「呼吸情報」という)を算出し、呼吸の属性を付して前記記憶媒体8に保存する。
【0020】
この例の前記動作検出手段2cは、前記BPF14が出力した前記呼吸成分にFFT15によるフーリエ変換を施し、各動作成分の基本波の周波数を導くと共に、動作成分の振幅のピーク値を導くことによって、前記動作成分から1周期又は半周期毎の振幅、周期及び加速度(以下「動作情報」という)を算出し、それらの範囲が合致した動作の属性を付して前記記憶媒体8に保存する。
【0021】
前記ドップラーセンサ1が帽子に付された場合には、前記脈拍情報の属性は脈拍、前記呼吸情報の属性は呼吸、前記動作情報の属性は、顔の筋肉の動きや顔の表皮の動きから導かれる眼球の動き、表情又は痙攣などである。
例えば、眼球の動きは、比較的加速度が大きく動作領域が安定しているという特徴があり、表情は、比較的加速度が小さく比較的大きい振幅で単発的であるという特徴があり、痙攣は、比較的振幅が小さく短周期で連続するという特徴がある。
この例において、前記脈拍情報、呼吸情報及び動作情報は、例えば、半周期又は1周期毎に、採取時刻、属性(脈動ID)、振幅、周期又は加速度がそれぞれ記入された複数のフレームを単位レコード(検出レコード)として、前記記憶媒体8に逐次保存し、一定の保存期間経過毎に上書き更新が行われる(図3(A)参照)。
【0022】
前記判定手段3は、個別判定手段3bとして機能させ、基準テーブル更新手段(図示省略)を機能させることによって、最新保存期間の検出レコードから導かれた各身体情報の範囲(例えば上限及び下限)を、基準テーブルの基準レコードとして更新することができる(図3(B)参照)。
その結果、前記個別レコードを保持する基準テーブルは、当該被検者の個別テーブルとなる。
【0023】
この例の前記判定手段3は、前記脈拍情報、呼吸情報及び動作情報からなる身体情報と、前記身体情報の推移から、脱水症状及び熱中症の兆候を導きアラーム情報を出力する(図4参照)。
脱水症状は、熱中症の主要な症状であり、体温の上昇、頻脈、異常な発汗及び当該症状を経た後の発汗停止などを伴う。
自覚症状としては、眼球や顔の筋肉の動きを伴うめまい、失神、頭痛、吐き気、強い眠気、悪寒などが挙げられ、前記症状が悪化すると死亡する事もあると言われている。
この例の前記判定手段3は、前記脈拍情報、呼吸情報及び動作情報から、頻脈、除脈、期外収縮、自律神経の不調、めまい、悪寒などを検出する。
【0024】
<一般判定>
この例の前記判定手段3は、判定の判断基準を集めた基準テーブルを備える(図1及び図3(B)参照)。
前記基準テーブルは、上記判断基準の構成要件(身体情報、例えばその上限及び下限)若しくはその組合せを、それぞれフィールドとして関連付けた基準レコードとし、それらのレコードを集めて基準テーブル化したものである。
前記一般的判定を行う際、前記判定手段3は、一般判定手段3aとして機能させることによって、前記情報検出手段2で導かれた身体情報と、前記基準テーブルの各レコードとを対比し、その判定結果として危険な症状と判断した場合に、所定のアラーム情報を出力する(図4参照)。
【0025】
この例の判定手段3は、前記情報検出手段2が検出した各身体情報を検出レコードとして保存する度に、各身体情報(脈拍の周期)の基準レコードの上限レコード及び下限レコードと対比し、上限と下限の範囲を超える検出レコード(異常レコード)についてアラーム情報を出力する。
上記脈拍の周期を判定することによって、例えば、脈拍が急に速くなる「頻脈(例えば100bpm超)」や、脈動が極端に遅くなる「徐脈」を判定することができる。
判定の正確性を期すべく、前記異常レコードの発生頻度及び連続性について、一定の基準値(発生確率や連続数)を設け、当該基準値(例えば「3回以上」など)を満たす場合にのみアラーム情報を出力する構成を採ってもよい。
【0026】
また、一旦異常レコードを検出した後は、それ以降の検出レコードが正常でない限り、前後の検出レコード、又は前後の検出レコードから算出した数値(例えば脈拍数など)を比較して、それらの推移(身体情報の増加量又は減少量)を導き、増減量の基準レコード(図3(C)参照)と対比し、その数値に応じたアラーム情報を出力する。
<揺らぎ判定>
【0027】
一方で、この例の判定手段3は、前記情報検出手段2が検出した各身体情報を検出レコードとして保存する度に、脈が飛ぶ「期外収縮」など不整脈の発生を含む脈拍の揺らぎ(周期又は振幅の変動)を導き、当該揺らぎの傾向に配慮してその体調の適否を判定する。
脈拍の揺らぎは、自律神経の状態を示す指標として位置付けることができ、例えば、自律神経が良好に働いている時は、息を吸った時、即ち、肺の酸素濃度が高まった際に若干ペースが早まり、吐いた時、即ち、肺の酸素濃度が下がった際には若干ペースダウンするというように、心臓や血管の脈動の揺らぎは、呼吸と連動して生じるという傾向が報告されている。
【0028】
この様に、脈動が呼吸と同期して揺らいでいれば、自律神経もうまく働いており、脈動の揺らぎが安定的に継続する者は、ストレスへの適応力やストレスからの回復力に秀でた身体を持つと推測することができる。
一方、呼吸と揺らぎとの関連が見られず、又は揺らぎがなくなれば、体の調節機能や回復力が落ちてきていると推測することができる。
殊に、炎天下や高温の仕事場で作業を行う場合にあっては、前記揺らぎの不調をもって、特に、脱水症状又は熱中症の兆候として推定できる。
また、脈動の揺らぎは加齢とともに減少し、ストレスが加わっても減少する傾向がある。
【0029】
上記実態に鑑み、この例の前記判定手段3は、前記呼吸情報から給気期間と排気期間を導き、前記給気期間における脈拍の周期及び振幅と、排気期間における脈拍の周期及び振幅を対比し、例えば、その比率を前記身体情報として算出し、当該比率の範囲が適正な範囲から外れている場合に自律神経(揺らぎ)の不調と判定しアラーム情報を出力する。
【0030】
尚、前記適正な範囲から外れている場合には、例えば、給気期間と排気期間の脈拍に差がない場合、給気期間の脈拍が排気期間の脈拍より小さい場合又は呼吸と脈拍の揺らぎに同期がみられない場合が挙げられる。
この例の前記判定手段3は、この様な判定手法を用いることによって、体温や発汗を検出しない場合であっても、自律神経の不調要素などに伴う身体の不調を、比較的高い確率で検出することができる。
【0031】
<組合せ判定>
前記一般判定及び揺らぎ判定に加えて、眼球や顔の筋肉の痙攣など、動作情報の異常が組み合わされば、更に、脱水症状又は熱中症の兆候である信憑性が高まることとなる。
このような構成要件の組合せは、それぞれ基準レコードとして、前記基準テーブルに保存する(図3(D)参照)。
【0032】
<推移判定>
前記判定手段3は、例えば、前記一般判定において、基準値との乖離が増加傾向を採る場合や極度に増加する場合(頻脈や除脈の進行)や、揺らぎ判定において、前記揺らぎ比が極端に変化した場合、給気期間の脈拍と排気期間の脈拍が逆転した場合(揺らぎ比の符号が反転した場合)に、その変化の程度に応じて危険な兆候と判定し、一通り又はその程度を反映したアラーム情報を出力する。
【0033】
前記アラーム情報は、無線通信手段11を経た情報データ、音声出力手段9を経た音声情報又は光出力手段10を経た光情報として出力する。
上記の如く構成することによって、被検者本人の自覚症状の有無や耐え得るか否かの意思に関わらず、身体の異常を早期に検知し、被検者本人以外の者に対して確実に通報することができる。
無線通信手段11の送信先としては、いざと言う時には、最寄りの医療機関に通報できる同伴者や周囲に存在する者に音声や光などで認知させ得る報知器などが挙げられる。
【0034】
尚、上記体調監視システムは、補完的に温度センサを付設して、当該温度センサの出力を前記進退情報の一つとして加えることもできる。
前記温度センサは、赤外線センサ(例えば特開2002-279428号公報参照)などの非接触センサなどである。
前記赤外線センサは、頭皮より放射される赤外線エネルギーを感知し、体温に換算できる信号として出力する。
【0035】
その際、前記情報検出手段2の一つとして、温度検出手段を備え、温度センサが出力した前記体温成分から体温を導き、体温の属性を付して前記記憶媒体8に保存する。
前記体温情報は、例えば、10分から30分毎に、採取時刻+属性(体温ID)を付して、体温(帽子内表皮温度)並びに当該時刻の気温を単位レコードとして、前記記憶媒体8に逐次保存し、一定の保存期間経過毎に上書き更新を行うと共に、前記判定手段3で、体温以外の身体情報と同様に、被検者の危険な兆候を導くことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 マイクロ波ドップラーセンサ,
2 情報検出手段,2a 脈動検出手段,2b 呼吸検出手段,2c 動作検出手段,
3 判定手段,3a 一般判定手段,3b 個別判定手段,
4 入力インターフェース,5 出力インターフェース,
6 CPU,7 タイマー, 8 記憶媒体,
9 スピーカ,10 LED,11 通信インターフェース,
10 無線通信手段,11 音声出力手段,12 光出力手段,
13 A/Dコンバータ,14 BPF,15 FFT,
図1
図2
図3
図4
図5