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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】インホイールモータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 7/00 20060101AFI20220309BHJP
   F16C 19/18 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B60K7/00
F16C19/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018012416
(22)【出願日】2018-01-29
(65)【公開番号】P2019130930
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 英範
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-137733(JP,A)
【文献】特開2014-76775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 7/00
F16C 19/00 - 19/56
F16H 57/00 - 57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪、外輪、および前記内輪と前記外輪の環状隙間に複数配置される転動体を有する車輪ハブ軸受部と、
先端部が前記内輪の中心孔に差し込まれて当該内輪に嵌合し、根元部が前記内輪との間に環状隙間を区画する出力軸と、
前記出力軸を駆動するモータ部と、
前記環状隙間に配置されて当該環状隙間を封止するシール部材と、
前記根元部の外周面または前記根元部と対面する前記内輪の内周面に取り付けられて周方向に延び、周方向両端が互いに近接し、前記シール部材の軸線方向位置を規制するバックアップ部材とを備える、インホイールモータ駆動装置。
【請求項2】
前記バックアップ部材の前記両端が互いに係合する、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項3】
前記バックアップ部材は、前記シール部材の軸線方向両側にそれぞれ設けられる、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項4】
前記出力軸は、前記根元部と結合するフランジ部を有し、
前記フランジ部のフランジ面には、前記バックアップ部材と当接する段差または突起が形成される、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項5】
前記バックアップ部材は、径方向の締め代を伴って前記出力軸と密着し、前記内輪との間に隙間を区画する、請求項1~4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪の内部に配置されるインホイールモータ駆動装置に関し、特にハブ輪と出力軸の連結箇所に関する。
【背景技術】
【0002】
インホイールモータは、主にモータ部、減速部、車輪ハブ軸受部により構成される。車輪ハブ軸受部は、ハブ輪を回転自在に支持する。モータ部はハブ輪を駆動する。ハブ輪は、車輪と結合する。減速部は、モータ部の回転軸が出力する回転数を減速してハブ輪に伝達する。なお減速部を省略してモータ部の回転軸を車輪ハブ軸受部のハブ輪に直結することも可能である。
【0003】
特開2015―137733号(特許文献1)において、減速部の出力軸と車輪ハブ軸受部のハブ輪は互いにスプライン嵌合される。これにより減速部とハブ輪は軸線方向に相対移動可能とされる。特許文献1の一実施形態におけるスプライン嵌合は、スプラインの摩耗を防止するため、グリースが封入される。
【0004】
図13に、特許文献1に記載されるグリース封入構造の一例を示す。この構造では、減速部の出力軸の一方端部外周面にスプライン溝100が形成される(スプライン軸部102)。またハブ輪101の内周面にもスプライン溝100が形成される。スプライン軸部102はハブ輪101の他方端開口に差し込まれて、ハブ輪101およびスプライン軸部102がスプライン嵌合する。
【0005】
ハブ輪101の一方端開口は、キャップ103で封止される。これによりスプライン溝100内のグリースはハブ輪101内部から軸線方向一方端への流出を防止される。スプライン軸部102の根元にはフランジ部104が形成される。フランジ部104はハブ輪101の他方端105と対面する。フランジ部104および他方端面105間にはOリング等のシール部材106が介在する。さらにスプライン軸部102とフランジ部104が結合する隅部にはOリング等のシール部材107が配置される。シール部材107はスプライン軸部102の他方端105によって上記の隅部に三角止めされる。これによりスプライン溝100内のグリースはハブ輪101内部から軸線方向他方端への流出を防止される。
【0006】
図14に、特許文献1に記載されるグリース封入構造の他の例を示す。この構造では、減速部の出力軸に関し、出力軸の一方端部をスプライン軸部102とし、スプライン軸部102よりも根元側(軸線方向他方側)の出力軸外周面に環状溝108を形成する。環状溝108にはOリング等のシール部材109を配置する。シール部材109はスプライン軸部102の外周面およびハブ輪101の軸線方向他方端部の内周面に接触する。これによりスプライン溝100内のグリースはハブ輪101内部から軸線方向他方端への流出を防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015―137733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来のようなハブ輪およびスプライン軸部間の封止構造にあってはさらに改善すべき点があることを本発明者は見いだした。つまり図13の従来例では、シール部材106,107が軸線方向に開いた隙間に介在する。ところがハブ輪101およびスプライン軸部102が軸線方向に相対移動するため、シール部材106,107がハブ輪101またはスプライン軸部102から一時的に離れ、密封性が損なわれる虞がある。このためシール部材106,107の密封性能に改善の余地がある。
【0009】
図14の従来例では、スプライン軸部102の根元部外周面にシール部材109を位置決めする環状溝108を設けることから、スプライン軸部102の根元部の断面積が小さくなる。そうするとスプライン軸部102の根元部に応力が集中して強度が低下する懸念がある。あるいは、この懸念を回避しようとしてスプライン軸部の軸径を大径にして強度を確保しようとすれば、構造の大型化を招き、車輪の内空領域にインホイールモータを配置することの制約になる。
【0010】
本発明は、上述の実情に鑑み、軸部に環状溝を設けることなく、従来よりも密封性能が改良されたシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置は、内輪、外輪、および内輪と外輪の環状隙間に複数配置される転動体を有する車輪ハブ軸受部と、先端部が内輪の中心孔に差し込まれて当該内輪に嵌合し根元部が内輪との間に環状隙間を区画する出力軸と、出力軸を駆動するモータ部と、環状隙間に配置されて当該環状隙間を封止するシール部材と、根元部の外周面または根元部と対面する内輪の内周面に取り付けられて周方向に延びる部材であって周方向両端が互いに近接しシール部材の軸線方向位置を規制するバックアップ部材とを備える。
【0012】
かかる本発明によればバックアップ部材がシール部材の軸線方向位置を規制することから、シール部材を保持する環状溝を出力軸に設けることなく、シール部材を適正な位置に保持することができる。また本発明のシール部材は、ハブ輪に相当する内輪の内周面と出力軸の外周面によって区画される環状隙間に配置される。かかる環状隙間は径方向に開いた隙間であるから、内輪および出力軸が軸線方向に相対移動しても隙間の径方向幅は変化しない。したがってシール部材は環状隙間を常に封止して、密封性能の低下を防止できる。
【0013】
バックアップ部材の材質および形状は特に限定されない。バックアップ部材は周方向に延びることから、リングのように出力軸の全周以上を包囲してバックアップ部材の両端が周方向において重複してもよいし、あるいはC字状のように出力軸の全周未満を包囲してバックアップ部材の両端が周方向に離れていてもよい。バックアップ部材の周方向両端は隣接していてもよいし、離隔していてもよい。本発明の一局面として、バックアップ部材の周方向両端が互いに係合する。かかる局面によれば、バックアップ部材の両端同士が係合するため、かかる係合を解除しない限りバックアップ部材が拡径しない。したがって出力軸の振動や遠心力によってバックアップ部材が拡径することを防止して、バックアップ部材を適正な軸線方向位置に固定することができる。
【0014】
本発明の好ましい局面としてバックアップ部材は、シール部材の軸線方向両側にそれぞれ設けられる。かかる局面によれば、軸線方向両側からシール部材の軸線方向位置を規制することができる。他の局面としてバックアップ部材は、シール部材の軸線方向片側にのみ設けられる。
【0015】
本発明の他の局面として出力軸は、根元部と結合するフランジ部をさらに有し、フランジ部のフランジ面には、バックアップ部材と当接する段差または突起が形成される。かかる局面によれば、バックアップ部材がフランジ部に設けられた段差または突起と当接するため、バックアップ部材は段差または突起によって軸線方向他方へ移動することを規制される。したがって出力軸の振動や遠心力によってバックアップ部材が軸線方向他方へ移動することを防止して、バックアップ部材を適正な軸線方向位置に固定することができる。
【0016】
本発明の好ましい局面としてバックアップ部材は、径方向の締め代を伴って出力軸の外周面と密着し、内輪の内周面との間に隙間を区画する。あるいはバックアップ部材は、径方向の締め代を伴って内輪の内周面と密着し、出力軸の外周面との間に隙間を区画する。かかる局面によれば、内輪および出力軸が若干の折れ角で相対的に傾斜することを許容する。
【発明の効果】
【0017】
このように本発明によれば、従来よりも密封性能が改良される。したがってハブ輪に相当する内輪が出力軸に対して軸線方向に相対移動しても、シール部材は内輪の端部内周面と出力軸の根元部外周面の環状隙間を封止する。しかも出力軸の根元部外周面に環状溝を設ける必要がなく、根元部の断面積が減少せず、出力軸の根元部に応力が集中することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。
図2】第1実施形態を示す背面図である。
図3】第1実施形態の車輪ハブ軸受部を示す拡大断面図である。
図4図3中の丸囲み部Aを示す拡大図である。
図5図4中、第1実施形態の出力軸根元部と出力軸フランジ部の結合部分を取り出して示す断面図である。
図6】第1実施形態のバックアップ部材を取り出して示す正面図である。
図7】第1実施形態のバックアップ部材を取り出して示す縦断面図である。
図8】本発明の第2実施形態を示す拡大断面図である。
図9】第2実施形態のバックアップ部材を取り出して示す縦断面図である。
図10】第2実施形態のバックアップ部材を取り出して示す正面図である。
図11】第2実施形態のバックアップ部材の両端部を示す拡大図である。
図12】参考例を示す拡大断面図である。
図13】従来のシール構造を示す断面図である。
図14】別な従来のシール構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。図1において、紙面右側は車幅方向内側(インボード側)を表し、紙面左側は車幅方向外側(アウトボード側)を表す。図2は第1実施形態を示す背面図であり、軸線O方向に車幅方向内側(インボード側)から車幅方向外側(アウトボード側)をみている。図2において、紙面右側は車両前方を表し、紙面左側は車両後方を表し、紙面上側は車両上方を表し、紙面下側は車両下方を表す。図1で表される断面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nを含む平面と、軸線Nおよび軸線Oを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。
【0020】
図1に示すようにインホイールモータ駆動装置10は、図示しない車輪の中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、車輪を駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31とを備える。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸に一致する。軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向一方(アウトボード側)に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向他方(インボード側)に配置され、減速部31はモータ部21よりも軸線方向一方に配置され、減速部31の軸線方向位置が車輪ハブ軸受部11の軸線方向位置と重なる。
【0021】
インホイールモータ駆動装置10は、電動車両の車輪を駆動する車両用モータ駆動装置である。インホイールモータ駆動装置10は、図示しない車体に連結される。インホイールモータ駆動装置10は、電動車両を時速0~180km/hで走行させることができる。
【0022】
車輪ハブ軸受部11は、回転内輪・固定外輪とされ、車輪のロードホイールW(図2に輪郭のみ示す)と結合する回転輪(ハブ輪)としての内輪12と、内輪12の外径側に同軸に配置される固定輪としての外輪13と、内輪12と外輪13との間の環状空間に配置される複数の転動体14を有する。
【0023】
図1に示すように外輪13は本体ケーシング39の正面部分39fに形成される開口39pを貫通する。本体ケーシング39とは、減速部31の外郭を含むケーシングをいい、減速部31の回転要素(減速部回転軸および歯車)を収容する。正面部分39fは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線O方向一方端を覆うケーシング壁部である。
【0024】
外輪13の外周面には周方向で異なる位置に複数の外輪突出部13gがさらに設けられる。外径方向に突出する各外輪突出部13gには貫通孔が穿設される。また外輪突出部13gには本体ケーシング39の正面部分39fが隣接して配置される。正面部分39fには図示しない雌ねじ穴が複数形成される。正面部分39fの各雌ねじ孔および外輪突出部13gの各貫通孔は、軸線Oと平行に延び、互いに一致する。これらの貫通孔および雌ねじ穴には軸線O方向一方側からボルト15が通され、ボルト15の軸部は外輪突出部1315の頭部が外輪突出部13gに当接することにより、外輪13はボルト15によって正面部分39fに確りと取付固定される。
【0025】
内輪12は、外輪13よりも長い筒状体であり、外輪13の中心孔に通される。外輪13からインホイールモータ駆動装置10の外部へ突出する内輪12の軸線O方向一方端部には、結合部12fが形成される。結合部12fは周方向に間隔をあけて設けられる突起であり、ロードホイールW(図2)と同軸に結合するための結合部を構成する。内輪12は、結合部12fで車輪のロードホイールWと結合し、車輪と一体回転する。
【0026】
内輪12および外輪13間の環状空間には、複数列の転動体14が配置される。内輪12の軸線O方向中央部の外周面は、第1列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。内輪12の軸線O方向他方端部外周には内側軌道輪12rが嵌合する。内側軌道輪12rの外周面は、第2列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向中央部の内周面は、第1列の転動体14の外側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向他方端部の内周面は、第2列の転動体14の外側軌道面を構成する。内輪12の軸線O方向他方端部の外径は、内側軌道輪12rの厚み寸法だけ、内輪12の中央部の外径よりも小さくされる。これにより内輪12の中央部の外径寸法と内側軌道輪12rの外径寸法は同じにされる。内輪12および外輪13間の環状空間には、シール部材16がさらに介在する。シール部材16は環状空間の両端を封止して、塵埃および異物の侵入を阻止する。
【0027】
図3は、図1に表される車輪ハブ軸受部11を拡大する縦断面図である。内輪12の軸線O方向他方端縁12tは拡径されて内側軌道輪12rの端面に接触する。これにより内側軌道輪12rは軸線O方向他方に抜け出ないよう内輪12の軸線O方向他方端に保持される。
【0028】
内輪12の中心孔の内周面にはスプライン溝12sが形成される。スプライン溝12sは周方向に間隔を開けて多数形成され、軸線Oと平行に延びる。なおスプライン溝12sは内輪12の軸線O方向中央領域に配置され、内輪12の軸線O方向両端領域には設けられない。
【0029】
内輪12の中心孔のうち軸線O方向一方領域の内径は、中央領域の内径よりも大きくされ、円形の蓋部材64が被せられる。蓋部材64は例えば金属環の外周一部全周に密封用のゴムを接着したものであり、内輪12の中心孔の軸線O方向一方端部を封止する。
【0030】
内輪12の中心孔のうち軸線O方向他方領域の内径は、中心孔の中央領域の内径よりも大きくされる。これにより内輪12の軸線O方向他方端部の厚み寸法は、軸線O方向中央部よりも薄くされ、前述した軸線O方向他方端縁12tの拡径加工に資する。
【0031】
内輪12の中心孔には軸線O方向他方から減速部31の出力軸38が差し込まれて嵌合する。このため出力軸38の軸線O方向一方端部の外周面にはスプライン溝38sが形成される。スプライン溝38sは前述したスプライン溝12sに対応するよう周方向に間隔を開けて多数形成され、軸線Oと平行に延びる。そしてスプライン溝38s,38s間に形成されるスプライン歯と、スプライン溝12sが嵌合し、スプライン溝12s,12s間に形成されるスプライン歯と、スプライン溝38sが嵌合する。
【0032】
かかるスプライン嵌合では、内輪12および出力軸38の相対回転を禁止するが、軸線O方向の相対移動を許容する。あるいは上述した内輪12と出力軸38の嵌合はセレーション嵌合であってもよい。セレーション嵌合の場合、内輪12および出力軸38の相対回転のみならず、相対移動も禁止される。
【0033】
出力軸38のうちスプライン溝38sが形成される軸線O方向領域を出力軸38の先端部とする。出力軸38の根元部38nは出力軸38のフランジ部37fから軸線O方向一方に突出する。フランジ部37fのフランジ面37iと、内輪12の軸線O方向他方端縁12tとの間には軸線O方向に開いた隙間が区画される。
【0034】
根元部38nの外径は、スプライン溝38s,38s・・・・の溝底同士を結ぶ円よりも小さい。また根元部38nの外周面は、内輪12の軸線O方向他方領域の内周面から離れており、根元部38nと内輪12の間に径方向に開いた環状隙間を区画する。かかる環状隙間は、フランジ部37fと内輪12の隙間と連続する。根元部38nと内輪12の環状隙間には、シール部材65と、バックアップ部材66,67が配置される。
【0035】
シール部材65はゴム製であり、弾性変形可能である。バックアップ部材66,67はシール部材65よりも硬質のプラスチック製あるいは金属製であるが、若干の弾性変形が可能である。シール部材65およびバックアップ部材66,67が配置される環状隙間は、内輪12および出力軸38が若干の折れ角で相対的に傾斜することを許容する。
【0036】
スプライン溝12s,38sはグリースが満たされる。グリースは内輪12と出力軸38の嵌合箇所の摩耗や錆、発熱を防止する。内輪12の中心孔はスプライン溝12sよりも軸線O方向一方側で蓋部材64によって封止される。さらに内輪12と出力軸38の環状隙間は、スプライン溝12sよりも軸線O方向他方側でシール部材65によって封止される。これによりグリースは内輪12の中心孔内に封入される。
【0037】
図4は、図3中、丸囲み部Aを取り出して示す拡大図である。根元部38nの外周面38pは、軸線O方向に関し一定の外径を有する。内輪12の軸線O方向他方領域の内周面12qも、一定の外径を有し、環状隙間を介して外周面38pと対面する。
【0038】
外周面38pとフランジ部37fとの結合箇所ではフランジ部37fに近づくほど半径が徐々に大きくなってフランジ部37fのフランジ面37gと滑らかに接続する。このため図4に示すように外周面38pとフランジ面37gが接合する隅部37rの断面形状は円弧を描く。図5に、一連の外周面38pと隅部37rとフランジ面37gと段差37jとフランジ面37iの断面形状を拡大して示す。
【0039】
内径側のフランジ面37gは、外径側のフランジ面37iよりも軸線O方向他方へ窪んでいる。フランジ面37gとフランジ面37iは段差37jで接続される。段差37jは内径方向に指向する環状の内周面である。
【0040】
シール部材65は例えばOリングであり、全周に亘って外周面38pおよび内周面12qと接触して、内輪12の中心孔の軸線O方向他方端部を封止する。原形においてシール部材65の厚みは、外周面38pと内周面12qの環状隙間よりも大きい。
【0041】
バックアップ部材66は、軸線O方向位置に関し、スプライン溝38sとシール部材65の間に配置され、シール部材65が軸線O方向一方へ移動することを規制する。バックアップ部材66は、C字状のリングであり、原形においてバックアップ部材66の内径は外周面38pの外径よりも小さい。このためバックアップ部材66は外周面38pを抱えるように径方向の締め代を伴って取付固定される。図4に示すようにバックアップ部材66と内周面12qの間には隙間G1が区画される。
【0042】
バックアップ部材67は、軸線O方向位置に関し、シール部材65とフランジ部37fの間に配置され、シール部材65が軸線O方向他方へ移動することを規制する。図6はバックアップ部材67の正面図であり、軸線O方向一方からみた状態を表す。図7はバックアップ部材67の縦断面図であり、図6中のVII―VIIで切断し断面を矢の方向にみた状態を表す。バックアップ部材67も、周方向に延びるC字状のリングであり、両端同士が間隔Dを空けて近接する。原形においてバックアップ部材67の内径は外周面38pの外径よりも小さい。このためバックアップ部材67も外周面38pを抱えるように径方向の締め代を伴って取付固定される。図4に示すようにバックアップ部材67と内周面12qの間には隙間G2が区画される。バックアップ部材66,67の厚みは、外周面38pと内周面12qの環状隙間よりも小さい。
【0043】
図7に示すようにバックアップ部材66は径寸法一定であるのに対し、バックアップ部材67は軸線方向一方領域67aで径寸法一定とされ、軸線方向他方領域67bで隅部37rに対応する形状にされ、軸線方向他方へ向かうほど拡径する。軸線方向他方領域67bは図5に示す段差37jに当接する。また軸線方向他方領域67bはフランジ面37gに当接する。段差37jとフランジ面37gと隅部37rによって区画される環状凹部に軸線方向他方領域67bが収容されることにより、バックアップ部材67は軸線O方向一方への移動を規制されるのみならず、拡径する変形を規制される。
【0044】
バックアップ部材66,67間は軸線O方向に離れて配置され、シール部材65はバックアップ部材66,67間に配置される。これによりシール部材65は軸線O方向の移動を規制され、外周面38pと内周面12qの環状隙間に保持される。しかも外周面38pが内周面12qに対して軸線O方向に滑動したり、軸線Oに対して直角方向に移動したりしても、シール部材65は外周面38pと内周面12qの双方に接触してシール性能が損なわれない。
【0045】
図1に示すようにモータ部21は、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、およびモータケーシング29を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウタステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。モータケーシング29はステータ24の外周を包囲する。モータケーシング29の軸線M方向一方端は本体ケーシング39の背面部分39bと結合する。モータケーシング29の軸線M方向他方端は、板状のモータケーシングカバー29vで封止される。背面部分39bは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線M方向(軸線O方向)他方端を覆うケーシング壁部である。
【0046】
本体ケーシング39およびモータケーシング29は、インホイールモータ駆動装置10の外郭をなすケーシングを構成する。以下の説明において本体ケーシング39およびモータケーシング29の一部を、単にケーシングともいう。
【0047】
ステータ24は円筒形状のステータコア25と、該ステータコア25に巻回されたコイル26を含む。ステータコア25はリング状の鋼板を軸線M方向に積層してなる。
【0048】
モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、本体ケーシング39の背面部分39bと、モータ部21のモータケーシングカバー29vに回転自在に支持される。
【0049】
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。例えば図2に示すようにモータ部の軸線Mは、軸線Oから車両前後方向にオフセットして、具体的には軸線Oよりも車両前方、に配置される。
【0050】
減速部31は、モータ部21のモータ回転軸22と同軸に結合する入力軸32と、入力軸32の外周面に同軸に設けられる入力歯車33と、複数の中間歯車34,36と、これら中間歯車34,36の中心と結合する中間軸35と、車輪ハブ軸受部11の内輪12に連結される出力軸38と、出力軸38の外周面に同軸に設けられる出力歯車37と、これら複数の歯車および減速部回転軸を収容する本体ケーシング39を有する。本体ケーシング39は減速部31の外郭をなすことから減速部ケーシングともいう。
【0051】
入力歯車33は外歯のはすば歯車である。入力軸32は中空構造であり、この中空穴32hにモータ回転軸22の軸線方向一方端部が差し込まれて相対回転不可能にスプライン嵌合(セレーションも含む、以下同じ)する。入力軸32は入力歯車33の両端側で、転がり軸受32a,32bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。
【0052】
減速部31の中間軸35の回転中心になる軸線Nは軸線Oと平行に延びる。中間軸35の両端は、転がり軸受35a,35bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。中間軸35の軸線N方向他方端部には、第1中間歯車34が同軸に設けられる。中間軸35の軸線N方向中央領域には、第2中間歯車36が同軸に設けられる。
【0053】
ここで附言すると、第1中間歯車34の軸線N方向他方端面には凹部が形成され、かかる凹部内に軸受35bが収納される。これにより軸受35bの軸線N方向位置と第1中間歯車34の歯面の軸線N方向位置とが重なり、中間軸35の長さが短縮される。
【0054】
第1中間歯車34および第2中間歯車36は、外歯のはすば歯車であり、第1中間歯車34の径が第2中間歯車36の径よりも大きい。大径の第1中間歯車34は、第2中間歯車36よりも軸線N方向他方側に配置されて、小径の入力歯車33と噛合する。小径の第2中間歯車36は、第1中間歯車34よりも軸線N方向一方側に配置されて、大径の出力歯車37と噛合する。
【0055】
中間軸35の軸線Nは、図2に示すように、軸線Oおよび軸線Mよりも上方に配置される。また中間軸35の軸線Nは、軸線Oよりも車両前方、軸線Mよりも車両後方に配置される。減速部31は、車両前後方向に間隔を空けて配置されて互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する3軸の平行軸歯車減速機であり、2段変速とされる。
【0056】
説明を図1に戻すと出力軸38は軸線Oに沿って延びる。出力軸38の軸線O方向中央部にはフランジ部37fが形成される。フランジ部37fの外周面には出力歯車37が形成される。出力歯車37は外歯のはすば歯車である。出力軸38の軸線O方向一方端部は、内輪12の中心孔に差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。出力軸38の軸線O方向中央部は、転がり軸受38aを介して、本体ケーシング39の正面部分39fに回転自在に支持される。出力軸38の軸線O方向他方端部は、転がり軸受38bを介して、本体ケーシング39の背面部分39bに回転自在に支持される。
【0057】
入力軸32と、中間軸35と、出力軸38は、上述した転がり軸受によって両持ち支持される。これらの転がり軸受32a,35a,38a,32b,35b,38bはラジアル軸受である。
【0058】
ここで附言すると、出力歯車37の軸線O方向一方端面には環状凸部37kが立設される。環状凸部37kよりも内径側で、出力歯車37の軸線O方向一方端面は、環状凸部37kよりも外径側よりも大きく窪んでいる。かかる窪み部の底面は、図3に示すフランジ面37iである。環状凸部37kおよびフランジ面37iによって区画される窪み部は、内輪12および外輪13の軸線O方向他方端部を収容する。
【0059】
環状凸部37kは、正面部分39fの内壁面に立設される環状凸部39iに包囲される。環状凸部37k,39i間には転がり軸受38aが収納される。これにより転がり軸受38aの軸線O方向位置と、内輪12および外輪13の軸線O方向他方端部の軸線O方向位置とが重なり、正面部分39fから軸線O方向一方へ突出する車輪ハブ軸受部11の突出長が短縮される。
【0060】
図1に示すように減速部31は、小径の駆動歯車と大径の従動歯車の噛合、即ち入力歯車33と第1中間歯車34の噛合、また第2中間歯車36と出力歯車37の噛合、により入力軸32の回転を減速して出力軸38に伝達する。減速部31の入力軸32から出力軸38までの回転要素は、モータ部21の回転を内輪12に伝達する駆動伝達経路を構成する。
【0061】
本体ケーシング39は、これまで説明した正面部分39fおよび背面部分39bの他、筒状部分を含む。当該筒状部分は、互いに平行に延びる軸線O、N、Mを取り囲むように減速部31の内部部品を覆う。板状の正面部分39fは、減速部31の内部部品を軸線方向一方側から覆い、筒状部分の一方端と結合する。板状の背面部分39bは、減速部31の内部部品を軸線方向他方側から覆い、筒状部分の他方端と結合する。本体ケーシング39の背面部分39bは、モータケーシング29と結合し、減速部31の内部空間およびモータ部21の内部空間を仕切る隔壁でもある。モータケーシング29は本体ケーシング39に支持されて、本体ケーシング39から軸線方向他方側へ突出する。
【0062】
本体ケーシング39は、減速部31の内部空間を区画し、減速部31の全ての回転要素(減速部回転軸および歯車)を内部空間に収容する。図2に示すように本体ケーシング39の下部は、オイル貯留部41とされる。オイル貯留部41はモータ部21の下部から下方へ突出するよう設けられる。本体ケーシング39の内部空間の下部を占めるオイル貯留部41には、潤滑油が貯留する。貯留する潤滑油は図示しないオイルポンプによって汲み上げられ、モータ部21および減速部31を潤滑し、オイル貯留部41に還流する。このように潤滑油はインホイールモータ駆動装置10内を循環する。
【0063】
インホイールモータ駆動装置10外部から上述したコイル26に電力が供給されると、モータ部21のロータ23が回転し、モータ回転軸22から減速部31に回転を出力する。減速部31はモータ部21から入力軸32に入力された回転を減速し、出力軸38から車輪ハブ軸受部11へ出力する。車輪ハブ軸受部11の内輪12は、出力軸38と同じ回転数で回転し、内輪12に取付固定される図示しない車輪(ロードホイールW)を駆動する。
【0064】
ところで本実施形態のインホイールモータ駆動装置10は、内輪12、外輪13、および内輪12と外輪13の環状隙間に配置される複数の転動体14を有する車輪ハブ軸受部11と、先端部が内輪12の中心孔に差し込まれて内輪12に嵌合し根元部38nが内輪12との間に環状隙間を区画する出力軸38と、出力軸38を駆動するモータ部21と、内輪12と根元部38nの環状隙間に配置されて当該環状隙間を封止するシール部材65と、根元部38nの外周面38pに取り付けられて周方向に延び、両端が間隔Dを開けて互いに近接しシール部材65の軸線O方向位置を規制するバックアップ部材66,67を備える。バックアップ部材66,67によりシール部材65は軸線O方向の移動が規制されることから、内輪12と出力軸38の相対移動に関わらず、シール部材65は環状隙間に常に保持されて内輪12と根元部38nの環状隙間を封止する。本実施形態によればシール部材65の密封性能が低下しない。
【0065】
また本実施形態によれば、根元部38nに環状溝を設けなくても、バックアップ部材66,67によってシール部材65を根元部38nに固定することができ、根元部38nの断面減少および応力集中を回避できる。
【0066】
また本実施形態によれば、シール部材65の軸線O方向両側にバックアップ部材66,67がそれぞれ設けられることから、シール部材65の軸線O方向位置が固定される。したがってシール部材65がスプライン溝12s,38sに近づき過ぎることを防止できる。
【0067】
また本実施形態のバックアップ部材66,67は、径方向の締め代を伴って出力軸38と密着し、内輪12との間に隙間G1,G2を区画する、径方向の隙間G1,G2により内輪12が出力軸38に対し若干の折れ角で傾斜するよう相対移動することが可能になる。
【0068】
本実施形態の理解を深めるため、図12に示す参考例を対比して説明する。
【0069】
参考例につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。参考例ではフランジ部37fのフランジ面に段差が設けられない。そして外周面38pと隅部37rとフランジ面37iがこの順序で接続される。
【0070】
参考例では内輪12および出力軸38の振動によって、あるいは内輪12と出力軸38の相対移動を原因として、あるいは遠心力を原因として、バックアップ部材67が拡径するように変形し、図12に示すように内周面12qと外周面38pの環状隙間から軸線O方向他方へ抜け出す。
【0071】
バックアップ部材67が軸線O方向他方へ移動すると、シール部材65も軸線O方向他方へ移動し、内周面12qと外周面38pの環状隙間から抜け出そうとする。そうするとシール部材65が内周面12qから離れる場合が生じ、シール部材65の密封性能が低下する。
【0072】
図3に示す本実施形態と図12に示す参考例を対比して理解されるように、本実施形態のバックアップ部材67は段差37jと当接して拡径を防止され、内周面12qと外周面38pの環状隙間から抜け出すことがない。
【0073】
次に本発明の第2実施形態を説明する。図8は本発明の第2実施形態を示す縦断面図である。第2実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。第2実施形態ではフランジ部37fのフランジ面に段差が設けられない。そして外周面38pと隅部37rとフランジ面37iがこの順序で接続される。
【0074】
シール部材65と隅部37rの間には、前述したバックアップ部材66に代えてバックアップ部材68が取り付けられる。バックアップ部材68は軸線O方向他方側で隅部37rと当接し、軸線O方向他方への移動を規制される。バックアップ部材68は径方向の締め代をともって外周面38pに固定される。
【0075】
図9はバックアップ部材68を取り出して示す縦断面図である。図10はバックアップ部材68を取り出して示す正面図である。バックアップ部材68は周方向に延びる帯部材であり、両端を有する。
【0076】
図11はバックアップ部材68の両端部を示す拡大図である。両端部は周方向中央領域68cの帯幅よりも幅狭とされ、凹部68dおよび爪部68eをそれぞれ有する。両端部を対比すると、一端の凹部68dは軸線方向一方へ指向し、他端の凹部68dは軸線方向他方へ指向する。
【0077】
爪部68eは、両端部の先端に設けられ、周方向中央領域68cとともに凹部68dを区画する。一端の爪部68eは軸線方向一方へ指向し、他端の凹部68d内に嵌り込む。他端の爪部68eは軸線方向他方へ指向し、一端の凹部68d内に嵌り込む。これによりバックアップ部材68の両端部は互いに係合する。この際、両端部同士が間隔Dを空けて近接する。
【0078】
第2実施形態によれば、バックアップ部材68の両端に形成される爪部68e,68eが互いに係合することから、バックアップ部材68は拡径し難くされる。また図8に示すようにバックアップ部材68の少なくとも一部が外周面38pと内周面12qの環状隙間に配置されることから、バックアップ部材68の両端部は径方向に相対移動不能とされる。したがって一端の爪部68eが他端の凹部68dから抜け出すことを防止される。
【0079】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
【符号の説明】
【0081】
10 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
12 内輪(ハブ輪)、 12f 結合部、 12q 内周面、
12r 内側軌道輪、 12s,38s スプライン溝、
12t 軸線方向他方端縁、 13 外輪、 14 転動体、
15 ボルト、 21 モータ部、 38a 転がり軸受、
31 減速部、 32 入力軸、 37 出力歯車、
37f フランジ部、 37g,37i フランジ面、
37j 段差、 37k 環状凸部、 37r 隅部、
38 出力軸、 38n 根元部、 38p 外周面、
39 本体ケーシング、 39f 正面部分、 39p 開口、
64 蓋部材、 65 シール部材、
66,67,68 バックアップ部材、 67a 軸線方向一方領域、
67b 軸線方向他方領域、 68c 周方向中央領域、
68d 凹部、 68e 爪部、 D 間隔、
G1,G2 隙間、 M,N,O 軸線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14