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  • -内設ボード及び包装箱 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】内設ボード及び包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/26 20060101AFI20220309BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B65D77/26 E
B65D5/50 101Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018087644
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019189342
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【弁理士】
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】小長谷 友季子
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05678695(US,A)
【文献】特開2015-168449(JP,A)
【文献】実開平03-129275(JP,U)
【文献】特開2019-006409(JP,A)
【文献】登録実用新案第3189377(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/26
B65D 57/00-59/08
B65D 81/00-81/17
B65D 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置させる設置ボードと、この設置ボードの上面に前記物品を固定する押えフィルムとを備え、
前記押えフィルムの端縁に沿って互いに対向する位置に、前記設置ボードと押えフィルムとの貼着部が設けられ、前記貼着部同士の間に物品の収納部が形成され、
前記貼着部以外の位置に前記設置ボードと前記押えフィルムとを貼着する区画部が設けられ、前記収納部が前記区画部により規定され、
前記区画部を取り囲む切り抜き線が形成されている内設ボード。
【請求項2】
前記区画部の形状がドット状である請求項1に記載の内設ボード。
【請求項3】
前記区画部は、格子状に等間隔で複数設けられている請求項1又は2に記載の内設ボード。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の内設ボードと、
この内設ボードを内部に配置可能な外箱とを備えた包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内設ボード及び包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を運送する際に物品を包装箱内で移動させて損壊等することを防止するための内設用の部材として、ベースボードに押えシートを貼着した内設ボードが開示されている(例えば、下記特許文献1)。
特許文献1に記載の物品運送用梱包具は、梱包具本体と可撓性フィルムとを有し、可撓性フィルムの互いに対向する端縁が梱包具本体の主面と貼着しており、主面と可撓性フィルムとの間に梱包される物品を挿入可能な収納部が設けられている。そして梱包具本体に設けられた押さえ部により、前記収納部が2つに分けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-64860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の梱包具等従来の梱包具は、いずれも利用者が使用する時点で形状や大きさが決まっており、利用者が物品の形状や大きさに合わせて収納部の形状や大きさを変更することはできなかった。
そこで、本発明は、物品の形状及び大きさに応じて収納部を容易に変形又は拡大することができる内設ボードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の内設ボードは、物品を載置させる設置ボードと、この設置ボードの上面に前記物品を固定する押えフィルムとを備え、前記押えフィルムの端縁に沿って互いに対向する位置に、前記設置ボードと押えフィルムとの貼着部が設けられ、前記貼着部同士の間に物品の収納部が形成され、前記貼着部以外の位置に前記設置ボードと前記押えフィルムとを貼着する区画部が設けられ、前記収納部が前記区画部により規定され、前記区画部を取り囲む切り抜き線が形成されている。
この構成によれば、区画部を切抜き線で切り抜くことにより、区画部で分けられた又は狭められた収納部を拡大し又は変形することができる。
【0006】
本発明の内設ボードの前記区画部の形状はドット状であってもよい。
この構成によれば、収納部を規制しつつも、押えフィルムと設置ボードとの貼合わせ部分を出来るだけ小さくして、押えフィルムの設置ボードに対する動きの自由度を維持することができる。また、区画部の切抜きを容易にすることができる。
【0007】
本発明の内設ボードの前記区画部は、格子状に等間隔で複数設けられていてもよい。
この構成によれば、ユーザーが収納部を自由に設定することができる。
【0008】
本発明の包装箱は、上記いずれか一の内設ボードと、この内設ボードを内部に配置可能な外箱とを備えている。
この構成によれば、上記いずれかの作用を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の内設ボード及び包装箱は、物品の形状及び大きさに応じて内設ボードの収納部を容易に変形又は拡大することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る内設ボードを示した平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る包装箱を示した平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る内設ボードの他の例を示した平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る内設ボードの他の例を示した平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る内設ボードの他の例を示した平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る包装箱として、外箱に変形例の内設ボードを設置した状態を示した上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の内設ボード及び包装箱の一実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図の各部分の寸法は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
【0012】
図1に示すように、本発明の一実施形態の内設ボード1は、設置ボード2と、押えフィルム3とを備えている。
また、図2に示すように、本発明の包装箱4は、外箱5と、外箱5の内部に設置される内設ボード1とを備えている。
【0013】
外箱5は、矩形の底面部6と底面部6の四辺から立ち上がる側面部7とを少なくとも有している。本実施形態では、側面部7の上端開口部10を開閉自在にする蓋部8を有しているが、側面部7の上端開口部10を閉塞する手段としては蓋部8に限定されるものではなく、筒状に形成されたスリーブ等が用いられてもかまわない。また、蓋部8を連接している側面部7の両側に隣接する側面部7の上端縁には短フラップ9が連接しているとよい。
また、外箱5は、折り畳んで平坦にした状態で保管するための折り曲げ線(不図示)が形成されているとよい。
【0014】
図1に示すように、内設ボード1は、略矩形に形成された設置ボード2と、可撓性を有する押えフィルム3とを備えている。
設置ボード2は、梱包対象となる物品(以下単に「物品」という)を載置させる板状部材であり、特に限定されないが、撓ませることが可能な程度に剛性がある紙製又は合成樹脂製等の素材により形成されている。
【0015】
設置ボード2の長手方向の両端部15,15には、短辺2aに略沿う第1の折り曲げ線16が設けられている。詳細には、第1の折り曲げ線16は、短辺2aからの距離が図2に示す外箱5の側面部7の高さ寸法と略同一になる位置に設けられている。
設置ボード2は、第1の折り曲げ線16において谷折りにすることにより第1の折り曲げ線16よりも外側の端部15を、物品を載置する方の面(以下「上面」という)18側に折り曲げて起立できるようになっている。端部15,15間は、物品の設置時に全体として偏平に設置される物品の載置部分となっている。
【0016】
第1の折り曲げ線16は、その延在方向の中間部において設置ボード2の外側、すなわち短辺2a側に張り出すように「<」又は「>」の形状に僅かに屈曲している。短辺2aに平行な仮想線L1に対する第1の折り曲げ線16の屈曲角度θ1は、1度以上3度以下、好ましくは1.5度以上2.5度以下、最も好ましくは2度である。言い換えると、第1の折り曲げ線16の成す角θ2は、174度以上178度以下、好ましくは、175度以上177度以下、最も好ましくは176度である。
なお、第1の折り曲げ線16が「<」又は「>」の形状に屈曲していることは必須ではなく、直線状に形成されていてもよい。
【0017】
押えフィルム3は、可撓性及び伸縮性のある合成樹脂製のフィルムであり、必須ではないが透明または半透明に形成されている。
押えフィルム3は、設置ボード2の長辺2b方向には設置ボード2の第1の折り曲げ線16よりも中央寄りの位置に亘って配され、短辺2a方向には、長辺2bの近傍の端部をわずかに残して略全体を覆うように配されている。
【0018】
押えフィルム3の設置ボード2に対する張りは、設置ボード2を展開した状態で押えフィルム3が略弛みない程度又は皺が殆ど出ない程度のごく僅かな弛みを残して開口しやすい程度となっている。
設置ボード2の短辺2a方向に沿って配されている押えフィルム3の端部3aは、設置ボード2に貼着されずに解放端となっている。一方、設置ボード2の長辺2b方向に沿って配されている押えフィルム3の端部3b,3bには、貼着部S,Sが設けられ、貼着部Sにおいて接着テープ又は接着剤により設置ボード2に貼着され、閉じられている。このようにして、内設ボード1には、押えフィルム3と設置ボード2との間に長辺2b方向の両端に開口部3eを設けた物品の収納部20が形成されている。
【0019】
収納部20において、貼着部S以外の部分(すなわち貼着部Sに重ならない部分)には、設置ボード2と押えフィルム3とを貼着している区画部35が設けられている。
区画部35は、ドット状で、貼着部Sから離れた位置に形成されている。
具体的に区画部35は、収納部20を収納部20aと収納部20bとを分ける直線上に間隔を空けて2つ設けられている。区画部35,35間は、区画部35,35間で押えフィルム3を張っており、押えフィルム3を設置ボード2から浮き上がらせることができない程度の距離となっている。
【0020】
区画部35,35を通る線17上では区画部35,35により押えフィルム3が設置ボード2から略離間できなくなっており、この構成により設置ボード2の収納部20を収納部20a,20bに分けている。
設置ボード2には、区画部35を取り囲むように切り抜き線36が設けられている。切り抜き線36に沿って区画部35を設置ボード2から切り抜くことで、収納部20a,20bが連通可能になっている。
【0021】
区画部35の形状は、図1では円であるが、四角、三角、楕円等どのような形状であってもよい。
また、切り抜き線36の形状は、区画部35を完全に取り囲んでいれば、円、四角、三角、楕円、ハート、星等のどのような形状であってもよい。
設置ボード2に設ける複数の区画部35及び複数の切り抜き線36の大きさや形状は、全て同じではなく、それぞれが異なっていてもよい。
【0022】
次に、内設ボード1に物品を梱包する方法、その作用及び機能について説明する。
内設ボード1に物品を梱包するには、物品の形状、大きさが各収納部20a,20bに入るものであれば、内設ボード1をそのまま使用して、物品を挿入する。具体的には、区画部35,35のいずれも切り抜くことなく、設置ボード2の偏平な物品の載置部分を若干撓ませて、押えフィルム3を弛ませた状態にして、設置ボード2と押えフィルム3との間(収納部20の端部3a)から各収納部20a,20bにそれぞれ物品を挿入する。
【0023】
物品の大きさが各収納部20a,20bより大きい場合は、物品の形状又は大きさに応じて、例えば切り抜き線36,36の双方に沿って、区画部35,35を設置ボード2の裏面から指で押して切り取り、設置ボード2から分離する。
【0024】
押えフィルム3は、切り抜き線やスリット等を有しておらず、押しただけでは破れないようになっている。したがって、押えフィルム3は、区画部35を設置ボード2から切り抜いた際に、切り取られた設置ボード2の破片として区画部35を貼着させたまま、区画部35,35があった箇所において設置ボード2に対してフリーになる。
なお、設置ボード2から切り抜かれた区画部35は、設置ボード2の破片としてゴミにならず、その形状によって押えフィルム3に貼り付けた装飾とすることができる。
【0025】
以上のように、内設ボード1は、切り取り線36で区画部35を切り抜くだけで、分割されていた収納部20a,20bを極めて簡便に連通させ、収納部を貼着部S,S間の全体に拡大することができるという効果を奏する。
なお、区画部35,35のいずれか一方を設置ボード2から切り抜いた場合には、物品をU字状に収納できる収納部20となる。
以上のようにして、物品の大きさによって収納部20a,20bを拡大又は変形させた収納部20に物品を挿入する。
【0026】
端部15は、第1の折り曲げ線16において上面18側から視て谷折りにして起立させ、外箱5内に収納する。
【0027】
この際、第1の折り曲げ線16は「<」及び「>」形状に形成されているため、端部15を手で支えることなく立ち上がらせておくことが難しい。すなわち、第1の折り曲げ線16は、端部15を押えていないと端部15を平坦に寝かせてしまう形状となっているため、端部15をしっかりと保持した状態で、外箱5内に収納する。
【0028】
このようにして内設ボード1を外箱5に収納すると、起立した端部15は、平坦に戻ろうとする(即ち弾性復帰しようとする)ため、外箱5の側面部7を押しながら配置され、外箱5の内側にしっかりと固定される。
【0029】
また、端部15の高さ寸法、すなわち第1の折り曲げ線16から短辺2aまでの寸法は、外箱5の側面部7の高さと略同じに形成されているため、内設ボード1を外箱5内に配置した際に、蓋部8又は側面部7上端の短フラップ9で外箱5の上端開口部10を閉じた際に、端部15の上端が短フラップ9等に当たる。したがって内設ボード1が上下方向に動くことを防止することができる。
【0030】
このように、本発明の内設ボード1及び包装箱4によれば、物品の形状、大きさに応じて、収納部20の収納部20a,20bを容易に拡大又は変形して、1種の内設ボードで異なる形状や大きさを有する物品に合わせて物品を収納することができる。
また、本発明の内設ボード1及び包装箱4は、収納部20a,20bの周囲をポイント的に貼着しているため、各収納部20a,20bの周りを帯状に連続的に貼着するよりも、押えフィルム3について動きの自由度を担保し、小さく分割された収納部20a,20bの嵩をできるだけ高くして使用することができる。
【0031】
また、設置ボード2から区画部35を切り抜いた際に、区画部35を設置ボード2の破片としてゴミにすることを回避し、押えフィルム3に貼り付けた装飾とすることができるという効果を奏する。
【0032】
なお、区画部35を形成する箇所は、図1に示す位置に限らず、図3に示すように、貼着部S,Sに略直交する方向に延びる帯上に間隔を空けて複数(本実施形態の変形例においては3箇所)設けてもよい。本変形例の内設ボード1は、具体的には、区画部35を貼着部Sの延在方向の略中央部で貼着部S,Sを結ぶ帯上に設けている。
この構成により、押えフィルム3の端部3aに沿って長手方向が形成された収納部20a,20bが形成される。
【0033】
また、図4に示すように、内設ボード1は、区画部35及び切り抜き線36を長辺2b,2bに沿って且つ貼着部Sの近傍に4個ずつ設け、更に貼着部S,S間の略中央部に長辺2bに沿って3個設けていてもよい。
【0034】
この構成により、図4に示した内設ボード1は、図1の内設ボード1に比べて収納部20a,20bを狭くして用いることができる。そして、図4に示す内設ボード1は、貼着部S,Sのいずれか一方の近傍の区画部35を切り抜くことにより、収納部20a又は収納部20bのいずれか一方について、図1の内設ボード1の収納部20a,20bと略同様の大きさに拡大することができる。
【0035】
図4に示す内設ボード1の貼着部S,Sの双方の近傍の区画部35を全て切り抜いた場合には、収納部20a,20bの双方について図1の内設ボード1の収納部20a,20bと同様の大きさに拡大することもできる。
【0036】
更に、図4に示す内設ボード1は、貼着部S,S間の略中央の区画部35のみを設置ボード2から切り抜くことにより、図1の内設ボード1の収納部20a,20bを連通させた場合よりもやや小さい収納部20を形成することができるという効果を奏する。
また、この場合にも、貼着部S,Sの一方又は双方の近傍の区画部35を設置ボード2から切り抜くことにより連通させた収納部20の面積を適宜拡大することができる。
【0037】
また、図4に示す内設ボード1は、貼着部S,S間の略中央に設けた区画部35を押えフィルム3の一方の開口部3eの近傍に設けないようにしたことにより、同開口部3eが開け易くなっている。
【0038】
このように、図4に示す内設ボード1は、収納部20を収納部20a,20bの2つに分けかつそれぞれの面積を規制するだけでなく、各収納部20a,20bを拡大したり、連結し更に連結後の収納部20の面積を拡大したりすることができるという効果を奏する。
【0039】
また、図5に示すように、内設ボード1は、区画部35及び切り抜き線36を収納部20内であって貼着部S,S間に均等に分布するように設けてもよい。具体的には、例えば、区画部35は、貼着部S,S間においてほぼ均等に間隔を空けて、押えフィルム3の端部3a及び貼着部Sに平行な格子状に設けられる線の交差点上に設けられていてもよい。
本実施例の内設ボード1は、端部3aに沿って隣り合う区画部35,35同士の間に、長辺2bに沿って細長い例えば棒状の物品等を収納することができる。
【0040】
また、本実施例の内設ボード1は、物品の形状及び大きさに応じていずれかの区画部35を切り抜いて、任意の形状又は大きさの収納部20を形成することができる。具体的には例えば、一方の長辺2bに沿って隣り合う3つの区画部35を設置ボード2から切り抜き、一端部3a側の開放端から3つ目の区画部35に端部3aに沿って隣り合う区画部35を2つ切り抜く。そうすると、図5に仮想線で示すように、L字型の収納部20が形成される。
【0041】
このように、図5に示す内設ボード1によれば、任意の区画部35を設置ボード2から切り抜くことにより、所望の大きさ及び形状の収納部20を自在に形成することができるという効果を奏する。
【0042】
また更に、図6に示すように、内設ボード1は、設置ボード2の一部を折り曲げて突条部40を形成し、分割された収納部20a,20bのうちの収納部20bを、区画部35により更に収納部20c,20dに区画したものであってもよい。
【0043】
なお、区画部35が貼着部S,S間や押えフィルム3の端部3a,3a間に亘って連続的に形成されると、その区画部35が切り抜かれた際に、設置ボード2が短辺2a又は長辺2bに亘って大きく切り抜かれてしまい、物品を安定して収納できなくなる虞がある。従って、区画部35の形成は、貼着部S,S間や収納部20の端部3a,3a間に亘って連続的に設けないことが好ましい。
【0044】
また、図1に示すように、内設ボード1には、長辺2bに沿う端部29、すなわち短手方向の両端部29を折り畳むことを可能とする第4の折り曲げ線25が設けられていてもよい。
【0045】
第4の折り曲げ線25は、設置ボード2の短手方向の端部29を設置ボード2の上面18側又は下面19側に折り曲げるための線であり、短辺2a間に亘って設けられている。
この場合、押えフィルム3は、設置ボード2の長手方向には第1の実施形態と同様に、短手方向には、端部が第4の折り曲げ線25を覆って長辺2bの近傍まで覆っている。押えフィルム3は、長辺2bの近傍の貼着部Sにおいて長手方向に沿って接着剤等により設置ボード2に貼着されている。
【0046】
このような第4の折り曲げ線25が設けられている場合、区画部35は、第4の折り曲げ線25に重ならないように、第4の折り曲げ線25,25の内側で、上記実施形態及び各変形例で示したように設けるとよい。
【0047】
内設ボード1に物品を収納するには、端部29を立ち上げることにより押えフィルム3を弛ませ、物品を設置ボード2と押えフィルム3との間の収納部20に挿入する。端部29は、第4の折り曲げ線25において折り曲げ、設置ボード2の下面19側に折り畳む。そうすると、押えフィルム3の貼着部S,S間の方向に押えフィルム3が引っ張られ、物品が設置ボード2に強く押さえ付けられる。
【0048】
この状態で、更に第1の折り曲げ線16に沿う端部15を立ち上げると、端部29の長手方向の両端29T(すなわち端部15と交わる部分)が端部15の下面19に回り込んだ状態で端部15と共に立ち上がる。したがって、端部29の全体が浮くことなく下面19にぴったりと押し付けられる状態になるため、押えフィルム3の張りが一層強くなり、物品の押えがより確実となる。
【0049】
また、内設ボード1は、押えフィルム3と設置ボード2との貼着部Sが設置ボード2の下面19側に回り込み、押えフィルム3が第4の折り曲げ線25において一旦留められるため、押えフィルム3に強いテンションが掛かっても、押えフィルム3の貼着部Sが設置ボード2から剥離するということを防止することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 内設ボード
2 設置ボード
3 押えフィルム
4 包装箱
5 外箱
20 収納部
20a,20b 収納部
35 区画部
36 切り抜き線
S 貼着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6